説明

移動情報端末

【課題】 リアルタイム性を損なうことなく交通情報を入手することである。
【解決手段】 この移動情報端末に係る現在位置、移動方向、及び移動速度を含む端末情報を取得する自端末情報取得部101と、端末情報を通信可能なサーバ300へ送信し、他の移動情報端末120の端末情報を含む交通情報を受信する通信部102と、受信した交通情報に基づいて、他の移動情報端末120の現在位置から他の移動情報端末120の現在位置に係る道路を特定し、他の移動情報端末120の移動方向及び移動速度に基づいて特定された道路に関する交通情報を生成する交通情報作成部110と、生成された交通情報を記憶する交通情報記憶部103と、地図情報を記憶する地図情報記憶部104と、地図情報記憶部104内の地図上の該当する道路に、生成された交通情報を付加して、表示部160に表示するための制御を行う表示制御部105と、を有するようにしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動情報端末に関し、特に、リアルタイム性を損なうことなく交通情報を入手可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カーナビゲーションシステムなどで利用されるVICS(Vehicle Information and Communication System)は、通常、道路交通情報通信センター(VICSセンター)が道路上に設置したビーコンから、その場所で必要な道路交通情報を提供するというものである。この方式では、常に情報提供する側と、情報の指す箇所が限定されているため、受け手となる端末側から任意の箇所に関する情報を問い合わせることができなかった。特許文献1には、ユーザ端末側から情報提供センターに対して情報提供する技術について開示される。また、特許文献2は、運転者が予測される渋滞状況を見ることによって、今後、渋滞状況がどのように変化するかを知ることができる技術について開示する。さらに、特許文献3は、渋滞に関する渋滞情報を受信し、受信された渋滞情報を時系列的に記憶し、時系列的に記憶された渋滞情報に基づいて、渋滞状態の時間的推移を示す渋滞推移情報を生成し、生成された渋滞推移情報を表示することで、今後の走行経路を決定する上で利用者にとって有益な情報を提供する技術について開示する。
【特許文献1】特開2004−62514号公報
【特許文献2】特開2003−194553号公報
【特許文献3】特開2004−144720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1においては、情報の内容をユーザが作成することと、その情報をサーバに送信し、サーバが従来のVICS同様に他の端末に配信するため、他の端末が情報を受け取った時点でのリアルタイムな情報としての正確性に欠けるという問題点があった。また、端末とサーバとの通信において、複数の端末が個別にサーバと通信すると、サーバの負荷が上昇し、処理が間に合わなくなったり、通信帯域が混雑するために応答のリアルタイム性が損なわれるという問題点があった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、リアルタイム性を損なうことなく交通情報を入手可能となる移動情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明の一態様によれば、移動情報端末において、この移動情報端末に係る現在位置、移動方向、及び移動速度を含む端末情報を取得する自端末情報取得部と、
前記端末情報を通信可能なサーバへ送信し、他の移動情報端末の端末情報を含む交通情報を受信する通信部と、前記通信部が受信した交通情報に基づいて、前記他の移動情報端末の現在位置から前記他の移動情報端末の現在位置に係る道路を特定し、前記他の移動情報端末の移動方向及び移動速度に基づいて前記特定された道路に関する交通情報を生成する交通情報作成部と、前記生成された交通情報を記憶する交通情報記憶部と、地図情報を記憶する地図情報記憶部と、前記地図記憶部に記憶された地図上の該当する前記道路に、前記生成された交通情報を付加して、この移動情報端末に接続可能な表示部に表示するための制御を行う表示制御部と、を有することを特徴とする移動情報端末が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る移動情報端末によれば、リアルタイム性を損なうことなく交通情報を入手することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る移動情報端末の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は第1の実施形態の移動情報端末及びサーバを示すブロック図である。移動情報端末100は、ネットワーク200を介してサーバ300と通信を行い、各種情報の送受信を行う。また、移動情報端末100は、他の移動情報端末120とネットワーク200を介して、または、ネットワークを介さずに通信を行い、各種情報の送受信を行う。ここで、移動情報端末100は、例えば車両に搭載されたナビゲーションシステムで実現されるようにしてもよいし、個人が所有するPC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistance)等、移動可能な情報端末によって実現するようにしてもよい。
【0008】
第1の実施形態の移動情報端末100は、この移動情報端末に係る現在位置、移動方向、及び移動速度を含む端末情報を取得する自端末情報取得部101と、端末情報を通信可能なサーバ300へ送信し、他の移動情報端末120の端末情報を含む交通情報を受信する通信部102と、通信部102が受信した交通情報に基づいて、他の移動情報端末120の現在位置から他の移動情報端末120の現在位置に係る道路を特定し、他の移動情報端末120の移動方向及び移動速度に基づいて特定された道路に関する交通情報を生成する交通情報作成部110と、
生成された交通情報を記憶する交通情報記憶部103と、地図情報を記憶する地図情報記憶部104と、地図情報記憶部104に記憶された地図上の該当する道路に、生成された交通情報を付加して、この移動情報端末100に接続可能な表示部に表示するための制御を行う表示制御部105と、を有する。
【0009】
自端末情報取得部101は、自端末の端末情報を取得する。この端末情報には、現在位置、移動方向、及び移動速度が含まれる。これら端末情報の取得に関しては、例えば、この移動情報端末に接続可能なGPS(Global Positioning System)ユニット151を接続して、このGPSユニット151から得られる端末の現在位置、移動方向、移動速度に関する情報を取得する事が出来る。また、移動情報端末に接続可能な画像処理装置152を接続して、この画像処理装置152から得られる更に詳細な端末の位置、特に車線位置等に関する情報を取得する事が出来る。さらに、移動情報端末に接続可能なジャイロ装置153を接続して、このジャイロ装置153から得られる端末の現在位置、移動方向、移動速度に関する情報を取得する事が出来る。自端末情報取得部101は、これらの装置から得られた現在位置に関する情報、移動方向に関する情報、移動速度に関する情報を含む端末情報を取得する。
【0010】
端末側通信部102は、ネットワークに接続され、ネットワーク経由でサーバ300や他の移動情報端末120に、自端末情報取得部101により取得された端末情報を受け取り、端末情報を送信する。ここで、ネットワーク200とは移動情報端末とサーバ若しくは他の移動情報端末との通信を実現するためのものであり、例えばインターネットが含まれる。また、端末側通信部102は、サーバ300から送信された交通情報を受け取る。ここで、交通情報の受信には、設置されたVICS−FM放送局からFM波を利用して受信する方法、道路に設置された電波ビーコンや光ビーコンを利用して受信する方法等がある。また、端末側通信部102は他の移動情報端末120と通信する際にはFM電波を利用する方法、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する方法、赤外線通信を利用する方法等がある。
【0011】
端末側交通情報作成部110は、通信部102から受信された交通情報を必要に応じて加工して新たな交通情報を生成する。生成された交通情報は、交通情報記憶部103に記憶される。
【0012】
交通情報記憶部103は、端末側交通情報通信部102により受信された交通情報を一時的に記憶する。この交通情報記憶部103には、例えばメモリ、ハードディスク等書き換え可能な記憶装置が用いられる。地図情報記憶部104は、地図情報が記憶される。この地図情報記憶部104には、例えばCD、DVD等の各種媒体やメモリ、ハードディスク等が含まれる。
【0013】
表示制御部105は、地図情報記憶部104に記憶された地図情報に、交通情報記憶部103に記憶された交通情報を付加して表示部106に表示するための制御を行う。ここで、図1においては、表示部106は移動情報端末100内に示したが、必ずしも一体化する必要はない。移動情報端末100と電気的接続可能なインターフェース等を有するようにして接続させることで表示を実現させるようにしてもよい。
【0014】
次に、サーバ300について説明する。サーバ300は、移動情報端末から送信された現在位置、移動方向、移動速度を含む端末情報を受信し、交通情報を送信する。ここで、サーバ機能を持つ装置とは、端末外に設置された地域サーバや、あるいは複数の移動情報端末のうちのサーバの役を担う端末もサーバになりうる。図1において、サーバ300は、移動端末100から送信された端末情報をネットワーク200経由で受信し、また、交通情報をネットワーク200経由で送信するサーバ側通信部301とサーバ側通信部301にて受信された端末情報を記憶する端末情報記憶部301と、この端末情報に基づいて交通情報を生成する交通情報作成部303と、生成された交通情報を記憶する交通情報記憶部304と、を有する。
【0015】
ここで、サーバ側通信部301は、移動情報端末100の端末側通信部102や他の移動情報120によって送信された端末情報を受信する。本実施形態においては、端末情報は、ネットワーク200を経由して受信される。また、サーバ側通信部301は、交通情報記憶部304に記憶された交通情報を送信する。送信された交通情報は各移動情報端末に受信される。
【0016】
端末情報記憶部302は、サーバ側通信部301にて受信された端末情報を一時的に記憶する。この端末情報記憶部302には、例えばメモリ、ハードディスク等が用いられる。
サーバ側交通情報作成部303は、収集された端末情報から交通情報を生成する。例えば、交通情報に含まれる位置情報と速度情報から、当該位置における速度情報を生成する。この速度情報から渋滞の度合いを推定することができる。このようにして渋滞情報を生成するようにしてもよい。
【0017】
ここで、サーバ側交通情報作成部303と端末側交通情報作成部110との関係について説明する。例えば、サーバ300は受信した端末情報を加工することなく交通情報として各端末に送信し、端末側交通情報作成部110にて各種処理を行うようにしても良い。一方、受信した端末情報をサーバ側で処理して交通情報を生成し、生成された交通情報を各端末に送信し、端末側交通情報作成部110にて処理することなくそのまま端末側交通情報記憶部103に記憶させるようにしても良い。さらに、受信した端末情報をサーバがその一部を処理し交通情報を生成して各端末に送信し、端末側交通情報作成部110にてその一部を処理して交通情報を生成して端末側交通情報記憶部103に記憶するようにしてもよい。以上のように、交通情報の作成に関してはサーバ側のみ、端末側のみ、もしくはその双方で担うようにしても良い。サーバ側で交通情報を生成するようにした場合には端末側の負荷が軽減され統一的な交通情報が送信される。一方、端末側で交通情報を生成するようにした場合には、サーバ側の負荷が軽減されるので、リアルタイム性が向上する。また、端末側で交通情報を生成することにより、交通情報の生成に関して使用者の嗜好に応じたカスタマイズが可能となる。
【0018】
交通情報記憶部304は交通情報作成部303によって生成された交通情報を一時的に記憶する。この交通情報記憶部304は、例えばメモリ、ハードディスク等が用いられる。記憶された交通情報はサーバ側通信部301によって、各移動情報端末に送信される。
【0019】
図2は、移動情報端末とサーバとの通信形態を説明するための図である。図2において、移動情報端末121、移動情報端末122及び移動情報端末123、はネットワーク200を経由してサーバ300と通信を行う。また、移動情報端末121はネットワークを介さずに他の移動情報端末122と通信を行う。
【0020】
図3は、移動情報端末と他の移動情報端末との通信形態を説明するための図面である。例えば、サーバとの通信が不可能な場合や当該地域にはサーバが存在しない等の場合には、所定の移動情報端末124がサーバの代わりに各種情報を入出力する。図3において、移動情報端末124は移動情報端末125、移動情報端末126、及び、移動情報端末127と通信を行い、情報の送受信を行う。この場合に、移動情報端末124にはサーバの機能を有するようにしてもよい。
【0021】
図4は、本実施形態の自端末情報取得部101の動作例を説明するためのフローチャートである。自端末情報取得部101は、まず、GPSユニット151が利用できるか否かを判定する(ステップS101)。この判定により利用可能と判断した場合には、GPSユニット151と通信を行い、現在位置、移動方向、及び移動速度を検出し(ステップS102)、ステップS106へ進み現在位置、移動方向、及び移動速度を端末情報として保存する。一方、例えば、トンネルの中等、図示しない人工衛星からの信号が受信できないような状況の場合には、GPSユニットによる自端末位置の特定が不可能である。このような場合にGPSユニット151が利用不可能と判断した場合には、次に、ジャイロ装置153が利用できるか否かを判定する(ステップS103)。この判定により利用可能と判断した場合には、ジャイロ装置153と通信を行い、現在位置、移動方向、及び移動速度を検出し、(ステップS104)ステップS106へ進み現在位置、移動方向、及び移動速度を端末情報として保存する。一方、ジャイロ装置153が利用不可能と判断した場合には、前回取得した端末情報を利用し(ステップS105)、前回取得した現在位置、移動方向、及び移動速度を端末情報として保存する(ステップS106)。続いて、現在位置を補正する情報を利用できるか否かを判定し(ステップS107)、利用できる場合にはその利用出来る情報を検出して、端末情報に追加する。利用出来ない場合には、その処理を終了する。以上のような処理により自端末情報取得部101は端末情報を取得する。
【0022】
図5は、本実施形態の表示制御部105の動作例を説明するためのフローチャートである。表示制御部105は、まず交通情報表示モードか否かを判定する(ステップS121)。例えば、車載された移動情報端末の場合に、表示部106に表示されている情報が交通情報を含まないモード、すなわち地図のみを表示するモードの場合の場合がでない場合がある。その場合にはこの処理は終了する。一方、交通情報表示モードの場合には、交通情報の表示エリアの設定を読み込み(ステップS122)、受信してある交通情報から、設定された表示エリアの情報を抽出する(ステップS123)。続いて、抽出された情報を地図情報記憶部に記憶された地図の位置に重ね合わせて表示部106に表示する。ここで、交通情報を表示するエリアは端末側の設定で、例えば、地図上の全区間を表示する、自端末の進行方向の区間のみを表示する、自端末の半径1Km以内を表示する等をユーザに選択させるようにしてもよい。
【0023】
図6は本実施形態の移動情報端末及びサーバの動作概要を説明するための図である。地図401上の○印は各移動情報端末が存在する位置とする。各移動情報端末は当該地点における速度情報や端末の移動方向に関する情報を端末情報としてサーバ300へ送信する。サーバ300は各地点における速度情報や移動方向を含む端末情報に基づいて交通情報を生成する。本実施例においては、各位置に係る道路の方向別に低速(0km/h乃至15km/h)、中低速(15km/h乃至30km/h)、中速(30km/h乃至50km/h)、中高速(50km/h乃至70km/h)、高速(70km/h以上)の如く分類する。生成された交通情報は、各端末へ送信され、各端末は交通情報を含めた地図情報を表示部106に表示する。この場合、表示部106は、各位置に係る道路の方向別に低速(0km/h乃至15km/h)、中低速(15km/h乃至30km/h)、中速(30km/h乃至50km/h)、中高速(50km/h乃至70km/h)、高速(70km/h以上)の如く識別して表示するようにしてもよい。この場合には、例えば、ユーザに識別性を向上させるために、矢印の色を変化させるようにしてもよい。なお、上記交通情報の生成は移動情報端末側で行うようにしてもよい。
【0024】
このように第1の実施形態によれば、端末情報をユーザが作成することなく自動的に生成して、サーバに送信し、サーバが交通情報として配信するようにしたので、リアルタイムな情報としての正確性が向上する。また、交通情報作成を各移動情報端末が行うようにすることでサーバの負荷が減少するので、サーバからのデータ受信に関するリアルタイム性が向上する。さらに、様々なメーカが付加価値を追加した移動情報端末を発売する昨今では、特に移動情報端末側の改良が著しい。一方で、ネットワークにおけるデータ転送速度は向上している。かかる場合を考慮すれば、移動情報端末側に交通情報の生成を行うようにする事が好ましいとも言える。
【0025】
(第2の実施形態)
次に本発明に係る移動情報端末及びサーバの第2の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。第2の実施形態においては、移動情報端末側、若しくは、サーバ側交通情報作成部により、所定の交通情報判定ルールに従って、各端末から収集した端末情報を基に、区間毎の平均移動速度情報、道路がスムーズに流れているかの情報、通常の流れであるかの情報、渋滞中であるかの情報、渋滞形成中であるかの情報、渋滞解消中であるかの情報からなる交通情報を作成する。すなわち、第2の実施形態では、通信部102が受信した交通情報に基づいて、他の移動情報端末120の現在位置から他の移動情報端末の現在位置に係る道路を特定し、特定された各道路における交差点、分岐点、車線減少地点、及び車線増加地点を区切りとした区間毎に、他の移動情報端末の移動方向及び移動速度に基づいて平均速度を求め、単位時間における区間に含まれる他の移動情報端末の増減を求め、この単位時間における前記他の移動情報端末の増減に基づいて、交通情報を作成するようにしたものである。
【0026】
図7は、第2の実施形態のサーバ側交通情報作成部303の動作を説明するためのフローチャートである。まず、区間毎に平均移動速度を求める(ステップS141)。ここで、「区間」には、各道路における、交差点、分岐点、車線減少地点、及び車線増加地点によって区切られる道路が含まれる。次に、各移動情報端末から送信された端末情報に基づいて、上記の区間毎に区間に含まれる端末台数を求め(ステップS142)、上記区間毎に単位時間における端末数の増減を求める(ステップS142)。続いて、上記区間毎に交通情報判定ルールに従い交通情報を作成する(ステップS144)。作成された交通情報を移動情報端末が受け取り、自端末が持つ地図情報の上に、サーバから受信した交通情報を重ね合わせて画面に表示することができる。
【0027】
図8は交通情報判定ルールを示す図表である。まず、対象となる区間の平均移動速度が規制速度の1/2未満である場合には、「渋滞中」と判定する。また、対象となる区間が渋滞中の区間で、過去1時間以内の区間内の端末数が増加の傾向にある場合には、「渋滞形成中」と判定する。また、対象となる区間の渋滞中の区間で、過去1時間以内の区間内の端末数が減少の傾向にある場合には、「渋滞解消中」と判定する。また、対象となる区間の平均移動速度が規制速度の1/2以上で規制速度未満である場合には、「通常」と判定する。また、対象となる区間の平均移動速度が規制速度以上である場合には「スムーズ」と判定する。
【0028】
ここで、交通情報判定ルールは、サーバ側の設定で変更可能なようにしてもよい。また、本実施形態においては、サーバ側交通情報作成部303で作成するようにしたが、サーバの各端末の位置情報、速度情報、移動方向情報を端末に送信して移動情報端末側で上記の処理を行うようにしてもよい。この場合には、端末側交通情報作成部110が処理を行う。端末側交通情報作成部110は、通信部102から受信した交通情報を受け取り、上述した処理を行って新たな交通情報を生成し、生成された交通情報を交通情報記憶部103に送信する。このようにすることで、交通情報作成を各移動情報端末が行うようにすることでサーバの負荷が減少するので、サーバからのデータ受信に関するリアルタイム性が向上する。
【0029】
図9は、第2の実施形態の移動情報端末及びサーバの動作概要を説明するための図である。地図402上の○印は各移動情報端末が存在する位置とする。各移動情報端末は当該地点における速度情報や端末の移動方向に関する情報を端末情報としてサーバ300へ送信する。サーバ300は各地点における速度情報や移動方向を含む端末情報に基づいて交通情報を生成する。本実施形態では、「渋滞中の区間」、「渋滞形成中の区間」、「スムーズの区間」、 「渋滞解消中の区間」及び「通常の区間」に分類する。生成された交通情報は、各端末へ送信され、各端末は交通情報を含めた地図情報を表示部106に表示する。本実施形態では、表示部106は、「渋滞中の区間」、「渋滞形成中の区間」、「スムーズの区間」、 「渋滞解消中の区間」を表示するようにしている。
【0030】
以上説明したように、第2の実施形態の移動情報端末よれば、複数の移動情報端末から、現在位置と、移動方向と、移動速度の情報を受信するサーバ側(地域サーバあるいはサーバ機能を持つ移動情報端末)では、任意の道路の区間毎に、スムーズに流れているか、渋滞中であるか、渋滞形成中であるか、渋滞解消中であるかといった交通情報を作成することができる。従って、従来のVICSでは情報発信箇所が限定されているという問題点があったが、本実施形態にかかる移動情報端末が存在し得るあらゆる地点の交通情報をリアルタイムに知ることが可能になる。
【0031】
(第3の実施形態)
次に本発明に係る移動情報端末の第3の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態に記載された移動情報端末において、代表端末決定を行う事によって、自端末を含み、自端末と同一区間を同一方向に移動中であって、通信可能な近距離内にある端末群を一つのグループとし、 グループを代表してサーバと通信する代表端末を決定する。
【0032】
第3の実施形態の移動情報端末100は、図1において、当該情報端末に関する各種情報を取得する自端末情報取得部101と、自端末情報取得部101により取得された各種端末情報を送信し、また、交通情報を受信する通信部102と、通信部102により受信された交通情報を記憶する交通情報記憶部103と、地図情報を記憶する地図情報記憶部104と、交通情報記憶部103から交通情報、及び、地図情報記憶部104から地図情報を受け取り、地図情報に係る地図に交通情報を付加して表示部106に表示するための制御を行う表示制御部105と、を有し、
さらに、通信部102から受信された他の移動情報端末120の端末情報を受信し、受信された端末情報に係る他の移動情報端末120及び自端末を含むグループ内の代表端末を決定する代表端末決定部107と、受信された他の移動情報端末の端末情報及び自端末情報取得部101により取得された端末情報に基づいて、グループの共有情報を作成する共有情報作成部108と、作成された共有情報を記憶する共有情報記憶部109と、を有する。
【0033】
ここで、グループについて説明する。例えば、一定の方向に一定以内の間隔で連なって走行する車両に係る移動情報端末は互いに近い位置で、また互いに近い速度で走行する事が多い。このような場合には、端末情報をひとまとめにしした方が、データ処理上好ましい。かかる場合には「グループ」なる概念を導入して、情報をひとまとめに送信する。この場合には、代表して端末情報を送信する代表端末を決定し、この代表端末が代表して、サーバへ送信する。また、交通情報の受信に関しても、代表端末がひとまとめに受信して、この代表端末がグループ内の移動情報端末へ交通情報を送信するようにする。
【0034】
グループ作成に関しては、各移動情報端末が端末情報を送信し、他の移動情報端末の端末情報を受信した時に所定の手順でグループの作成を行う。例えば、グループと他の端末の距離が詰まった場合は、通信可能な距離内に入った時点でグループの拡大を行うようにしてもよい。また、グループ内で端末間の距離が開いた場合には、通信可能な距離から外れた時点で、グループの分割を行うようにしてもよい。このように、グループの構成は端末の移動に応じて動的に変化することが予想されるので、定期的に代表端末の決定を繰り返し行うことが好ましい。
【0035】
代表端末となった移動情報端末は、グループ内の他の端末情報を収集する。代表端末以外の移動情報端末は、端末情報をサーバに送信する代わりに、代表端末へと送信する。代表端末の共有情報作成部によって、代表端末の現在位置と、代表端末の移動方向と、グループ内の端末台数と、グループ内の端末の平均移動速度からなる共有情報を作成する。共有情報の中には、そのグループの端末台数と平均移動速度の情報が含まれ、この情報を用いてサーバは端末台数分の情報からなる交通情報を作成するようにしてもよい。グループ内の各移動情報端末は、サーバから直接交通情報を受信するか、あるいは代表端末がサーバから受け取った交通情報を代表端末から受け取るかを選択可能とするようにしてもよい。
【0036】
図10は、各移動情報端末は代表端末を介して交通情報を受信する場合について説明するための図面である。ここで、移動情報端末Aと、移動情報端末Bと、移動情報端末Cとがグループを形成している場合であって、代表端末は移動情報端末Aとする。この場合には、移動情報端末B及び移動情報端末Cは端末情報を移動情報端末Aに送信する。そして、移動情報端末Aは共有情報を作成して、サーバへ送信する。サーバは代表端末である移動情報端末Aに交通情報を送信し、移動情報端末Aは、移動情報端末B及び移動情報端末Cに交通情報を送信する。
【0037】
この状況に適する状況としては、例えば、何らかの理由でサーバとの通信が出来ない移動情報通信端末がある場合が考えられる。または、そもそもサーバとの通信の機能を有さない移動情報端末である場合も考えられる。
【0038】
図11は、各移動情報端末は代表端末を介して交通情報を受信する場合について説明するための図面である。図11においても、移動情報端末Aと、移動情報端末Bと、移動情報端末Cとがグループを形成している場合であって、代表端末は移動情報端末Aとする。この場合には、移動情報端末B及び移動情報端末Cは端末情報を移動情報端末Aに送信する。そして、移動情報端末Aは共有情報を作成して、サーバへ送信する。図11においては、サーバは当該グループ内の各移動情報端末A、移動情報端末B、及び移動情報端末Cに交通情報を送信する。
【0039】
図12は、代表端末決定部107の動作を説明するフローチャートである。ここでは、代表端末決定部107は、他の移動情報端末から端末情報を受信した場合には、他の移動情報端末に係る端末情報と前記自端末情報取得部により取得された自端末に係る端末情報とを照合して同じ道路上にある移動情報端末を選別し、前記選別された移動情報端末を含めたグループの優先度を受信してグループ内の唯一の代表端末を決定するようにしたものである。まず、端末情報を放送(ブロードキャスト)する(ステップS161)。ここで、放送(ブロードキャスト)とは、所定の方法を用いて他の移動情報端末によって直接受信されることを目的とする通信をいう。このブロードキャストには、FM電波を利用する方法、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を利用する方法、赤外線通信を利用する方法が含まれる。これらの方法によるブロードキャストは比較的狭い領域での通信に適している。この場合には、通信可能な距離内の移動情報端末のみが当該ブロードキャストを受信し、それに対する応答を行う。次に、他の端末からの端末情報を受信したか否かを判定し(ステップS162)、受信していない場合にはステップS161に戻ってブロードキャストを行う。通信可能な距離内に移動情報端末が存在する場合には、他の端末からの端末情報を受信する。この場合には、他の端末から受信した端末情報と、自端末の端末情報を照合し、同じ道路上にある端末を、自端末と同じグループであると認識する(ステップS163)。ここで、同じ道路上であり、かつ、同一方向に向かっている場合にのみ同じグループであると判定するようにしてもよい。次に、代表端末決定ルールに従い、自端末が代表となる優先を求め(ステップS164)、グループ内の他の端末から、それぞれの端末の優先度を受信する(ステップS165)。次に、受信した各端末の優先度と自端末の優先度とを比較し、自端末の優先度が最も高いか否かを判定する(ステップS167)。ここで、自端末の優先度が最も高いと判定した場合には、次に、最高優先度の端末が2つ以上あるか否かを判定する(ステップS166)。最高優先度にかかる端末が2つある場合には、自端末の次の優先度を求める(ステップS168)。例えば、最も高い優先度である優先度1に該当する端末が2以上ある場合には、次に高い優先度である優先度2に該当する端末か否か、該当しない場合には優先度3に該当するか、の如くして、次の優先度を求める。続いて、残りの端末からそれぞれの端末の優先度を受信する(ステップ)S169)。ここで、「残りの端末」とは、もっと高いと判定された優先度に端末である。次に、ステップS166に戻って、残りの端末の優先度と自端末の優先度とを比較し、自端末の優先度が最も高いか否かを判定する。このようにして、グループ内に唯一になるまで、優先度の比較を行う。ここで、唯一残った端末は、ステップS170に進み、自端末を代表端末とし、グループ内の端末に通知して(ステップS170)、処理を終了する。一方、ステップS166にて自端末の優先度が最も高くないと判定した場合には、代表端末からの通知を受信するまで待機する(ステップS171)。ここで、代表端末からの通知とは、ステップS170にて行われる通知である。次に、端末情報の送信先をサーバから代表端末に切り替える(ステップS172)。このようにして、グループ内に唯一の代表端末を決定し、以降、グループ内の他の端末は決定された代表端末に対して、端末情報を送信するようにする。
【0040】
図13は、代表端末の決定ルールを示した図表である。この図表にて、最高の優先度を優先度1とし、最低の優先度を8とする。ここで、優先度1は、代表を引き受ける許可を設定している端末とする。ここで、代表を引き受ける許可を設定している端末とは、例えば、代表端末になってもよいか否かを予めユーザに確認しておき、その情報を記憶しておく。次に、優先度2は、グループ内の他の端末に対して、最初に許可を発信した端末である。次に、優先度3は、グループの移動方向に、対して先頭位置にある端末である。次に、優先度4は、移動速度が、グループ内の全端末の平均移動速度に最も近い端末である。次に、優先度5は、すでに代表端末である端末である。次に、優先度6は、最後にサーバと通信した時刻が、グループ内で最も古い端末である。次に、優先度7は、グループの大きさ(端末数)に対して、中間位置または中間位置に最も近い端末である。最後に優先度8は、グループ内でランダムに選出した端末である。
【0041】
各端末の優先度が同じになった場合は、次の優先度の条件が成立している端末を代表端末とする。奇数台数のときのグループの中間位置の端末は常に一つであるので、優先度7で唯一となる。また、偶数台数のときは中間位置に近い2台のいずれかであるが、そのような場合には、残った端末がランダムに優先度を生成して比較するようにすれば、最終的にはかならず唯一となる。
【0042】
本実施形態においては、図13の優先度を用いたが、これに限られず他の優先度を用いて優先度を決定するようにしてもよい。
【0043】
図14は、代表端末決定部107によって自端末が代表端末になった場合に、共有情報を作成する共有情報作成部108のフローチャートである。まず、グループ内の各端末から端末情報を受け取り、グループ内の各端末から受信した端末情報と、自端末の端末情報から平均移動速度を求め(ステップS181)、次に、グループ内の端末台数と自端末の現在位置と、自端末の移動方向と、上記平均速度とを共有情報とする(ステップS182)。次に、現在位置を補正する情報を利用できるか否かを判定し(ステップS183)、現在位置を補正できる情報を利用できる場合には、その利用できる情報を含めて共有情報の位置情報とする。
【0044】
作成された共有情報は共有情報記憶部109に記憶され、所定のタイミングで端末側通信手段102によって、サーバ300に送信される。
【0045】
このように第3の実施形態によれば、代表端末を決定し、それ以降は、代表端末が共有情報を代表して送信するので、サーバの負荷が軽減される。移動情報端末の台数が多くなるにつれて、サーバの負荷が高くなり、通信帯域の確保も困難になるが、第3の実施形態の移動情報端末によれば、同一の区間上にあって、近い位置にある端末群を一つのグループとみなし、グループの中の代表端末がサーバと通信する手段を用いることにより、サーバの負荷減少と通信帯域の節約が可能となる。さらに、グループ内の代表端末以外が、サーバと通信する代わりに、代表端末がサーバから受信した交通情報を分配してもらうことで、サーバの負荷減少と通信帯域の節約を向上することができる。
【0046】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。第3の実施の形態によって決定されたグループの代表端末において、代表端末はグループ内の共有情報(代表端末の現在位置、代表端末の移動方向、平均移動速度、端末台数)をブロードキャストすることにより、これを受け取った他のグループの端末は地域サーバを介さずに、周辺のグループの共有情報を受信することが可能である。
【0047】
図15は、第4の実施形態における各グループ端末が代表端末から交通情報を受信する例を説明するための図である。例えばグループ1は移動情報端末A、移動情報端末B、移動情報端末Cを含み、移動情報端末Aが代表端末とする。また、グループ2は、移動情報端末D、移動情報端末E、及び、移動情報端末Fを含み、移動情報端末Eが代表端末とする。この場合には、まず、グループ1の代表端末である移動情報端末Aは共有情報を移動情報端末Eに送信する。同様に、グループ2の代表端末である移動情報端末Eは共有情報をグループAに送信する。グループ2の共有情報を受け取った移動情報端末Aはグループ内の移動情報端末B及びCに共有情報を送信する。一方、グループ1の共有情報を受け取った移動情報端末Eはグループ内の移動情報端末D及びFに共有情報を送信する。
【0048】
図16は、第4の実施形態における各グループ端末が代表端末から交通情報を受信する別の例を説明するための図である。同様に、グループ1は移動情報端末A、移動情報端末B、移動情報端末Cを含み、移動情報端末Aが代表端末とし、また、グループ2は、移動情報端末D、移動情報端末E、移動情報端末Fを含み、移動情報端末Eが代表端末とする。この場合には、まず、グループ1の代表端末である移動情報端末Aは共有情報を移動情報端末Eに送信する。グループ2の代表端末である移動情報端末EはグループAから共有情報を受け取った場合には、グループ1内の総ての移動情報端末にグループ2の共有情報を送信する。その後に、移動情報端末Eは、グループ2内の移動情報端末D、Fに対して、グループ1の共有情報を送信する。
【0049】
以上のように、他のグループから共有情報を受信した端末は、自端末が属するグループの共有情報と合わせて、サーバを介さずに狭域の交通情報を作成することができる。各端末は、第3の実施の形態と同様に、代表端末が作成した交通情報を代表端末から受信するか、他のグループの代表端末から送信された共有情報を個別に受信し、自端末において交通情報を作成する処理を行うか、選択可能とする。
【0050】
その他、上記第1乃至第4の実施形態において、交通情報を受信する用途に限定した場合には、端末側は移動情報端末でなくてもよい。例えば、レストランやガソリンスタンドなどの店舗に受信専用の移動情報端末を設置することにより、端末が地域サーバあるいは周辺を移動中の端末から受信した交通情報を受信し、画面に表示することが可能である。
【0051】
また、上記第1乃至第4の実施形態において、移動情報端末をバスやタクシーなどの公共機関に設置することにより、バスの路線周辺や、タクシーの移動範囲内の交通情報を、定期的に更新することが可能である。
【0052】
さらに、上記第1乃至第4の実施形態の自端末情報取得部において、移動情報端末に接続したカメラの画像を解析する画像処理装置152や、数cm単位で位置情報を検出可能な高精度のGPSなどの位置情報を補正する手段を図4のステップS108若しくは図14のステップS184に用いることにより、複数の車線からなる道路を移動中の移動情報端末が、どの車線を移動中であるかといった精度の高い現在位置を取得することができる。例えば、端末情報に加えて車線位置の情報を取得し、これをサーバに送信することによって、サーバは車線毎の粒度で交通情報を作成することができる。車線毎の粒度で作成された交通情報を用いれば、この交通情報を受信した移動情報端末において、どの車線が混んでいるか、どの車線がスムーズに流れているか、などを知ることが可能になり、より詳細な渋滞情報を得ることができるのである。
【0053】
このように、従来のGPSやジャイロを用いた現在位置取得部の他、画像処理装置や高精度のGPSを利用することにより、自分がいる位置の道路だけでなく、道路上の車線まで検出することができるので、従来よりも詳細な交通情報を作成することができる。これを利用すれば、ユーザは空いている車線や、混んでいる車線、停滞している車線などを知ることができ、ユーザのストレス解消や効率の良い進路選択に役立つという効果もある。
【産業上の利用可能性】
【0054】
車両に搭載されたナビゲーションシステムや、個人が所有するPC、PDA等の情報端末にて実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施例の移動情報端末100及びサーバ300のブロック図である。
【図2】移動情報端末とサーバとの通信形態を示す図である。
【図3】複数の移動情報端末の通信形態を示す図である。
【図4】自端末情報取得部101の処理を示すフローチャートである。
【図5】画面表示部105の処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態の移動情報端末及びサーバの動作概要を説明するための図である
【図7】第2の実施形態のサーバ側交通情報作成部303の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】交通情報判定ルールを示す図表である。
【図9】第2の実施形態の移動情報端末及びサーバの動作概要を説明するための図である。
【図10】各移動情報端末は代表端末を介して交通情報を受信する場合について説明するための図面である。
【図11】各移動情報端末は代表端末を介して交通情報を受信する場合について説明するための図面である。
【図12】代表端末決定部107の動作を説明するフローチャートである。
【図13】代表端末の決定ルールを示した図表である。
【図14】代表端末決定部107によって自端末が代表端末になった場合に、共有情報を作成する共有情報作成部108のフローチャートである。
【図15】第4の実施形態における各グループ端末が代表端末から交通情報を受信する例を説明するための図である。
【図16】第4の実施形態における各グループ端末が代表端末から交通情報を受信する別の例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0056】
100,120,121,122,123,124,125,126,127 移動情報端末
101 自端末情報取得部
102 端末側通信部
103 交通情報記憶部
104 地図情報記憶部
105 表示制御部
106 表示部
107 代表端末決定部
108 共有情報作成部
109 共有情報記憶部
110 端末側交通情報作成部
200 ネットワーク
300 サーバ
301 サーバ側通信部
302 サーバ側端末情報記憶部
303 端末情報記憶部
304 交通情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動情報端末において、
この移動情報端末に係る現在位置、移動方向、及び移動速度を含む端末情報を取得する自端末情報取得部と、
前記端末情報を通信可能なサーバへ送信し、他の移動情報端末の端末情報を含む交通情報を受信する通信部と、
前記通信部が受信した交通情報に基づいて、前記他の移動情報端末の現在位置から前記他の移動情報端末の現在位置に係る道路を特定し、前記他の移動情報端末の移動方向及び移動速度に基づいて前記特定された道路に関する交通情報を生成する交通情報作成部と、
前記生成された交通情報を記憶する交通情報記憶部と、
地図情報を記憶する地図情報記憶部と、
前記地図記憶部に記憶された地図上の該当する前記道路に、前記生成された交通情報を付加して、移動情報端末に接続可能な表示部に表示するための制御を行う表示制御部と、
を有することを特徴とする移動情報端末。
【請求項2】
前記交通情報作成部は、
前記通信部が受信した交通情報に基づいて、前記他の移動情報端末の現在位置から前記他の移動情報端末の現在位置に係る道路を特定し、
前記特定された各道路における交差点、分岐点、車線減少地点、及び車線増加地点を区切りとした区間毎に、前記他の移動情報端末の移動方向及び移動速度に基づいて平均速度を求め、
単位時間における前記区間に含まれる前記他の移動情報端末の増減を求め、この単位時間における前記他の移動情報端末の増減に基づいて、交通情報を作成することを特徴とする請求項1記載の移動情報端末。
【請求項3】
前記移動情報端末は、更に、
前記通信部から受信された他の移動情報端末の端末情報を受信し、前記受信された端末情報に係る他の移動情報端末及び自端末を含むグループ内の代表端末を決定する代表端末決定部と、
前記受信された他の移動情報端末の端末情報及び前記自端末情報取得部により取得された端末情報に基づいて、前記グループの共有情報を作成する共有情報作成部と、
前記作成された共有情報を記憶する共有情報記憶部と、を有し、
前記通信部は、前記作成された共有情報を通信可能なサーバへ送信することを特徴とする請求項1記載の移動情報端末。
【請求項4】
前記代表端末決定部は、
前記グループ内の代表端末の決定により代表端末にならなかった場合には、前記グループ内の代表端末に係る他の移動情報端末へ端末情報を送信することを特徴とする請求項3記載の移動情報端末。
【請求項5】
前記代表端末決定部は、
他の移動情報端末から端末情報を受信した場合には、前記他の移動情報端末に係る端末情報と前記自端末情報取得部により取得された自端末に係る端末情報とを照合して同じ道路上にある移動情報端末を選別し、前記選別された移動情報端末を含めたグループの優先度を受信してグループ内の唯一の代表端末を決定することを特徴とする請求項3記載の移動情報端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2006−293435(P2006−293435A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109215(P2005−109215)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】