説明

移動支援装置、移動支援方法、移動支援プログラムおよび移動支援システムならびに支援コンテンツ用素材収集支援装置

【課題】人を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能な移動支援装置、移動支援方法、移動支援プログラムおよび移動支援システムを提供することである。
【解決手段】操作装置20は、移動支援プログラムに従って移動支援方法を実施することができる。支援コンテンツ生成処理時には、介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、被介護者とともに出発地点から目的地点まで移動する。このとき、各撮影地点でカメラ付き携帯電話30によりランドマークを撮影し、写真画像を支援コンテンツ用素材として操作装置20に送信する。移動支援処理時には、被介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、出発地点から目的地点まで移動する。操作装置20は、移動方向に従って写真画像の風景が変化する動画像を作成し、カメラ付き携帯電話30に送信する。それにより、被支援者の移動方向が誘導される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人を出発地点から目的地点まで誘導する移動支援装置、移動支援方法、移動支援プログラムおよび移動支援システムならびに移動支援のための支援コンテンツ用素材の収集を支援する支援コンテンツ用素材収集支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、移動体を目的地に誘導する種々の移動支援システムが開発されている(例えば、特開2004−077272号公報)。
【0003】
例えば、自動車に搭載されるナビゲーションシステムでは、通信端末の画面に地図が表示され、地図上に移動経路、現在地および目的地が表示される。また、運転者は、音声および画面上の表示により目的地に誘導される。このようなナビゲーションシステムを人の移動に適用することも可能である。
【特許文献1】特開2004−077272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、軽度の知的障害者、初期の認知症患者等の被介護者が社会生活に適応するためには、介護施設、病院等に行くことが多い。しかしながら、移動のために必要とされる介護者の同伴は多くの時間消費を伴う。そのため、介護者の負担が大きい。
【0005】
上記のような軽度の知的障害者、初期の認知症患者等の被介護者が従来のナビゲーションシステムを用いて目的地点に移動することは困難である。
【0006】
本発明の目的は、人を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能な移動支援装置、移動支援方法、移動支援プログラムおよび移動支援システムを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、人を出発地点から目的地点まで容易に誘導するための支援コンテンツ用素材を容易に収集することを可能にする支援コンテンツ用素材収集支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 第1の発明に係る移動支援装置は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援装置であって、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する生成手段と、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を携帯端末装置に送信する通信手段とを備えたものである。
【0009】
本発明に係る移動支援装置においては、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報が記憶手段により記憶される。また、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像が生成手段により生成される。
【0010】
被支援者は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する。この場合、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報が取得手段により取得され、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像が通信手段により携帯端末装置に送信される。
【0011】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で写真画像が動画像として表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0012】
(2) 記憶手段は、写真画像において強調すべき対象物を指定する指定情報をさらに記憶し、生成手段は、記憶手段により記憶された写真画像情報および指定情報に基づいて強調表示された対象物を含む強調写真画像を生成し、通信手段は、取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する強調写真画像を携帯端末装置に送信してもよい。
【0013】
この場合、写真画像において強調すべき対象物を指定する指定情報が記憶手段に記憶される。また、記憶された写真画像情報および指定情報に基づいて強調表示された対象物を含む強調写真画像が生成手段により生成される。さらに、現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する強調写真画像が通信手段により携帯端末装置に送信される。
【0014】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で対象物が強調された強調写真画像が表示される。それにより、被支援者は、強調写真画像中の強調された対象物を現在の位置で見つけることにより、移動すべき方向を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0015】
(3) 生成手段は、取得手段により取得された現在位置情報に基づいて、記憶手段に記憶された時間的に異なる複数の撮影方向情報から被支援者が移動すべき方向を示す方向指示画像を生成し、通信手段は、取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する方向指示画像を携帯端末装置に送信してもよい。
【0016】
この場合、現在位置情報に基づいて時間的に異なる複数の撮影方向情報から被支援者が移動すべき方向を示す方向指示画像が生成手段により生成される。さらに、現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する方向指示画像が通信手段により携帯端末装置に送信される。
【0017】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で支援者が移動すべき方向を示す方向指示画像が表示される。それにより、被支援者は、方向指示画像を見ることにより移動すべき方向を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0018】
(4) 生成手段は、移動に伴う被支援者の作業の方法を示す作業支援画像を生成し、通信手段は、取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する作業支援画像を携帯端末装置に送信してもよい。
【0019】
この場合、移動に伴う被支援者の作業の方法を示す作業支援画像が生成手段により生成される。さらに、現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する作業支援画像が通信手段により携帯端末装置に送信される。
【0020】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で移動に伴う被支援者の作業の方法を示す作業支援画像が表示される。それにより、被支援者は、作業支援画像を見ることにより移動に伴う作業を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0021】
(5) 第2の発明に係る移動支援方法は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援方法であって、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶するステップと、記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成するステップと、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得するステップと、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を携帯端末装置に送信するステップとを備えたものである。
【0022】
本発明に係る移動支援方法においては、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報が記憶される。また、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像が生成される。
【0023】
被支援者は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する。この場合、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報が取得され、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像が携帯端末装置に送信される。
【0024】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で写真画像が動画像として表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0025】
(6) 第3の発明に係る移動支援プログラムは、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援するコンピュータにより実行可能な移動支援プログラムであって、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する処理と、記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する処理と、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得する処理と、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を携帯端末装置に送信する処理とを、コンピュータに実行させるものである。
【0026】
本発明に係る移動支援プログラムにおいては、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報が記憶される。また、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像が生成される。
【0027】
被支援者は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する。この場合、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報が取得され、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像が携帯端末装置に送信される。
【0028】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で写真画像が動画像として表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0029】
(7) 第4の発明に係る移動支援システムは、出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援システムであって、画像表示機能を有し、出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者が携帯する携帯端末装置と、第1の発明に係る移動支援装置とを備えたものである。
【0030】
本発明に係る移動支援システムにおいては、被支援者は、画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する。
【0031】
移動支援装置においては、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報が記憶手段により記憶される。また、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像が生成手段により生成される。
【0032】
この場合、携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報が取得手段により取得され、取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像が通信手段により携帯端末装置に送信される。
【0033】
被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で写真画像が動画像として表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0034】
(8) 第5の発明に係る支援コンテンツ用素材収集支援装置は、移動支援のための支援コンテンツ用素材として写真画像を収集するために撮影機能を有する携帯端末装置を携帯して移動する収集者を支援する支援コンテンツ用素材収集支援装置であって、出発地点および目的地点を入力するための入力手段と、地図を示す地図情報および入力手段により入力された出発地点および目的地点に基づいて移動経路を示す移動経路情報を作成する作成手段と、作成手段により作成された移動経路情報に基づいて携帯端末装置による撮影地点および撮影方向を判定する判定手段と、携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点まで移動する収集者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された現在位置情報および作成手段により作成された移動経路情報に基づいて判定手段により判定された撮影地点に収集者が到着した際に写真画像の収集のために収集者の周囲の対象物の撮影および撮影方向を携帯端末装置に指示する指示手段と、携帯端末装置から送信された写真画像を受信する通信手段とを備えたものである。
【0035】
本発明に係る支援コンテンツ用素材収集支援装置においては、入力手段により出発地点および目的地点が入力されると、地図を示す地図情報および入力された出発地点および目的地点に基づいて移動経路を示す移動経路情報が作成手段により作成される。また、作成された移動経路情報に基づいて携帯端末装置による撮影地点および撮影方向が判定手段により判定される。
【0036】
収集者が携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点まで移動すると、収集者の現在の位置を示す現在位置情報が取得手段により取得される。そして、現在位置情報および移動経路情報に基づいて撮影地点に収集者が到着した際に支援コンテンツ用素材として写真画像の収集のために収集者の周囲の対象物の撮影および撮影方向が指示手段により携帯端末装置に指示される。携帯端末装置により撮影された写真画像は支援コンテンツ用素材収集支援装置に送信される。携帯端末装置から送信された写真画像が通信手段により受信される。
【0037】
このようにして、収集者は、人を出発地点から目的地点まで誘導するために用いられる支援コンテンツ用素材を容易に収集することができる。
【0038】
(9) 判定手段は、作成手段により作成された移動経路情報に基づいて携帯端末装置による撮影対象物をさらに判定し、指示手段は、判定手段により判定された撮影地点に収集者が到着した際に判定手段により判定された撮影対象物を携帯端末装置に指示してもよい。
【0039】
この場合、移動経路情報に基づいて携帯端末装置による撮影対象物が判定手段によりさらに判定され、撮影地点に収集者が到着した際に判定された撮影対象物が指示手段により携帯端末装置に指示される。それにより、収集者は、撮影地点で撮影対象物を容易に特定することができる。
【0040】
(10) 支援コンテンツ用素材収集支援装置は、地図情報、作成手段により作成された移動経路情報および判定手段により判定された撮影地点に基づいて通信手段により受信された写真画像を地図の移動経路上に表示する表示手段をさらに備えてもよい。
【0041】
この場合、地図情報、移動経路情報および撮影地点に基づいて表示手段により写真画像が地図の移動経路上に表示される。
【0042】
(11) 支援コンテンツ用素材収集支援装置は、移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を人の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する生成手段とをさらに備えてもよい。
【0043】
この場合、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報が記憶手段により記憶される。そして、記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を人の移動方向を誘導するように移動させる動画像が生成手段により生成される。それにより、人を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能な動画像が自動的に生成される。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、被支援者が携帯する携帯端末装置には、被支援者の移動経路の各地点で写真画像が動画像として表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0045】
また、収集者は、人を出発地点から目的地点まで誘導するために用いられる支援コンテンツ用素材を容易に収集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
(1)移動支援システムの構成
図1は本発明の一実施の形態に係る移動支援システムの構成を示す模式図である。
【0047】
図1の移動支援システムは、インターネット10に接続される操作装置20およびカメラ付き携帯電話30により構成される。
【0048】
カメラ付き携帯電話30は、基地局40およびインターネット10を通して操作装置20と通信可能となっている。また、カメラ付き携帯電話30は、GPS(全地球測位システム)により現在の位置を示す現在位置情報を基地局40およびインターネット10を通して操作装置20に定期的または常時送信することができる。インターネット10には種々の素材および各種情報を蓄積するサーバ50が接続されている。
【0049】
操作装置20は、例えばパーソナルコンピュータからなり、宅内に配置される。この操作装置20は、後述する移動支援プログラムに従って移動支援方法を実施することができる。移動支援方法は、被介護者の移動支援のための支援コンテンツを生成する支援コンテンツ生成処理および実際に被介護者の移動を支援する移動支援処理を含む。ここで、支援コンテンツとは、出発地点から目的地点までの移動経路で収集された素材を移動経路に従って組み合わせたものをいう。また、素材とは、写真画像、動画像、音声情報等を含む。
【0050】
支援コンテンツ生成処理時には、介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、被介護者とともに出発地点から目的地点まで移動する。このとき、家族介護者が操作者として自宅で操作装置20を操作する。
【0051】
移動支援処理時には、被介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、出発地点から目的地点まで移動する。このとき、家族介護者が操作装置20を操作者として操作する。
【0052】
(2)操作装置の構成
図2は操作装置20のハードウエアの構成を示すブロック図である。
【0053】
操作装置20は、CPU21、ROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、入力装置24、表示装置25、外部記憶装置26、記録媒体駆動装置27および通信装置28を含む。この操作装置20は、例えばパーソナルコンピュータからなる。
【0054】
入力装置24は、キーボードおよびマウス等からなり、各種指令およびデータを入力するために用いられる。ROM22にはシステムプログラムが記憶される。記録媒体駆動装置27は、CD(コンパクトディスク)ドライブ、DVD(デジタルバーサタイル)ドライブ等からなり、CD、DVD等の記録媒体29に対してデータの読み書きを行う。記録媒体29には、移動支援プログラムが記録されている。
【0055】
外部記憶装置26は、ハードディスク装置等からなり、記録媒体駆動装置27を介して記録媒体29から読み込まれた移動支援プログラムを記憶する。CPU21は、外部記憶装置26に記憶された移動支援プログラムをRAM23上で実行する。
【0056】
表示装置25は、液晶表示パネル、CRT(陰極線管)等からなり、各種文字および画像等を表示する。通信装置28は、ルータおよびモデム等からなり、インターネット10に接続される。
【0057】
なお、記録媒体29の代わりに、ROM等の半導体メモリ、ハードディスク等の種々の記録媒体を用いることができる。また、移動支援プログラムをインターネット10を通して外部記憶装置26にダウンロードし、RAM23上で実行してもよい。
【0058】
(3)カメラ付き携帯電話30の構成
図3はカメラ付き携帯電話30の構成を示す外観図である。
【0059】
カメラ付き携帯電話30は、複数の操作ボタン31、マイク32、スピーカ33、画面34およびカメラ35を有する。
【0060】
複数の操作ボタン31のうちいずれかが移動開始ボタンおよび写真ボタンとして使用される。
【0061】
(4)支援コンテンツ生成処理
図4〜図7は移動支援システムにおける支援コンテンツ生成処理を示すフローチャートである。また、図8〜図10は支援コンテンツ生成処理の例を説明するための模式図である。
【0062】
この支援コンテンツ生成処理の実行の際には、介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、被介護者とともに出発地点から目的地点まで移動する。出発地点は例えば自宅であり、目的地点は例えば病院または介護施設である。また、他の家族介護者は、操作者として自宅で操作装置20を操作する。
【0063】
以下の支援コンテンツ生成処理は、操作装置20のCPU21が移動支援プログラムに従って実行する。操作装置20の外部記憶装置26には予め地図を表示するための地図情報が記憶されている。この地図情報は、記録媒体29に記録された地図情報を記録媒体駆動装置27を介して外部記憶装置26に読み込んでもよく、またはインターネット10のサーバ50から通信装置28を介して外部記憶装置26にダウンロードしてもよい。
【0064】
まず、操作者は、操作装置20に出発地点および目的地点を入力する。操作装置20は、出発地点が入力されたか否かを判別する(ステップS1)。出発地点が入力された場合には、操作装置20は、目的地点が入力されたか否かを判別する(ステップS2)。
【0065】
目的地点が入力された場合には、操作装置20は、地図情報に基づいて表示装置25に出発地点から目的地点までの地図を表示する(ステップS3)。図8の例では、自宅101から病院102までの地図が表示される。本例では、自宅101が出発地点であり、病院102が目的地点である。
【0066】
操作者は、表示装置25に表示された地図上で入力装置24のマウスを用いて移動経路を指定する。図8の例では、自宅101から駅103まで徒歩で移動し、駅103から駅104まで電車で移動し、駅104から病院102まで徒歩で移動する移動経路105が示されている。
【0067】
操作装置20は、移動経路が指定されたか否かを判別する(ステップS4)。移動経路が指定された場合には、操作装置20は地図情報に移動経路を示す移動経路情報を付加する(ステップS5)。移動経路情報は地図情報とともに外部記憶装置26に記憶される。
【0068】
さらに、操作装置20は、地図情報および移動経路情報に基づいて写真の撮影地点、各撮影地点のランドマークおよび撮影方向を判定する(ステップS6)。ここで、撮影地点は、例えば交差点、紛らわしい道の地点、長い直進の道の地点、バスの停留所、鉄道の駅等である。また、ランドマークは、その土地の目印または象徴になる建造物をいう。
【0069】
そして、操作装置20は、撮影地点、ランドマークおよび撮影方向を撮影地点情報、ランドマーク情報および撮影方向情報として外部記憶装置26に記憶する(ステップS7)。
【0070】
介護者は、被介護者とともに出発地点を出発する際に、カメラ付き携帯電話30をインターネット10を介して操作装置20に接続し、カメラ付き携帯電話30の移動開始ボタンを押下する。それにより、カメラ付き携帯電話30から操作装置20に移動の開始が通知される。カメラ付き携帯電話30からは、操作装置20に現在の位置を示す現在位置情報が送信される。
【0071】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から移動の開始が通知されたか否かを判別する(ステップS8)。
【0072】
移動の開始が通知された場合には、操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信される現在位置情報の受信を開始する(ステップS9)。
【0073】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信される現在位置情報と撮影地点情報とに基づいて介護者が撮影地点に到着したか否かを判別する(ステップS10)。
【0074】
介護者が撮影地点に到着した場合には、操作装置20は、ランドマーク情報に基づいてカメラ付き携帯電話30にランドマークの撮影を指示する(ステップS11)。この場合、ランドマークの撮影指示は、カメラ付き携帯電話30のスピーカ33からの音声出力またはカメラ付き携帯電話30の画面34の表示により行われる。
【0075】
それにより、介護者は、カメラ付き携帯電話30を用いて指示されたランドマークを撮影する。カメラ付き携帯電話30は、撮影されたランドマークの写真画像を支援コンテンツ用素材として送信する。また、カメラ付き携帯電話30は、周囲の騒音、信号の音等の音声情報を支援コンテンツ用素材として送信してもよい。
【0076】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信された写真画像を取り込み(ステップS12)、写真画像を写真画像情報として撮影地点情報および撮影方向情報に対応付けて外部記憶装置26に記憶する(ステップS13)。
【0077】
そして、操作装置20は、写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて表示装置25に表示される地図上に写真画像を表示する(ステップS14)。写真画像には、撮影方向情報に基づいて撮影方向を示す矢印が付される。
【0078】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信される現在位置情報に基づいて介護者が目的地点に到着したか否かを判別する(ステップS15)。介護者が目的地点に到着するまで、ステップS10からステップS15の処理が繰り返される。
【0079】
介護者は、目的地点に到着すると、カメラ付き携帯電話30により目的地点への到着を操作装置20に通知する。それにより、操作装置20はステップS16の処理に進む。
【0080】
このようにして、操作装置20の表示装置25には、地図の移動経路上の各撮影地点に写真画像が矢印とともに表示される。
【0081】
図9の例では、地図上の移動経路の複数の撮影地点に矢印が付された写真画像110が表示されている。
【0082】
操作者は、移動経路上の写真画像110をマウスによりドラッグすることにより移動経路上の写真画像の位置を修正し、矢印をマウスによりクリックして回すことにより写真画像の方向を修正することができる。
【0083】
操作装置20は、写真画像の位置または方向が修正されたか否かを判別する(ステップS16)。写真画像の位置または方向が修正された場合には、操作装置20は、写真画像に対応する撮影地点情報または撮影方向情報を修正する(ステップS17)。
【0084】
操作者は、写真画像をマウスによりダブルクリックすることにより写真画像を拡大して表示させることができる。さらに、写真画像中の建造物をマウスによりランドマークとして指定することができる。
【0085】
図10の例では、拡大された写真画像110の建物120の看板121を四角の枠122で囲むことによりランドマークが指定されている。
【0086】
操作装置20は、操作者により写真画像中のランドマークが指定されたか否かを判別する(ステップS18)。写真画像中のランドマークが指定された場合には、写真画像の指定された建造物に対応する写真画像情報中にランドマークを指定するためのタグ情報を付与する(ステップS19)。
【0087】
次に、操作装置20は、所望の全ての写真画像の位置または方向の修正が終了したか否かを判別する(ステップS20)。操作装置20は、所望の全ての写真画像の位置または方向の修正が終了していない場合には、ステップS16に戻り、ステップS16からステップS20の処理を繰り返す。
【0088】
操作者は、所望の全ての写真画像の位置または方向の修正が終了した場合には、操作装置20に修正の終了を指示する。
【0089】
所望の全ての写真画像の位置または方向の修正が終了した場合には、操作装置20は、作業支援を必要とする作業支援地点を判定する(ステップS21)。
【0090】
作業支援とは、被介護者が一定の作業を行う必要がある場合に作業方法を動画像により示すことである。例えば、バスの乗り換えの場合、整理券の取得方法、降車ボタンの押し方、降車する停留所の案内、降車の際の乗車賃の支払い方法、次のバスの指示をアニメーションで示す。また、電車の乗り換えの場合、切符の購入方法、改札口の通り方、プラットフォームの案内、乗車方法、降車方法等をアニメーションで示す。
【0091】
作業支援地点は、操作装置20が地図情報および移動経路情報に基づいて判定してもよく、操作者が表示装置25に表示される地図上の移動経路に基づいて指示してもよい。この場合、操作装置20がカメラ付き携帯電話30に作業支援の必要性を介護者に問い合わせ、介護者がカメラ付き携帯電話30から必要性の有無を操作装置20に回答してもよい。あるいは、介護者が移動経路の移動中にカメラ付き携帯電話30により作業支援地点を操作装置20に指示してもよい。
【0092】
操作装置20は、作業支援地点を示す支援地点情報および作業支援を行うための作業支援情報を外部記憶装置26に記憶する(ステップS22)。ここで、作業支援情報は、作業方法をアニメーションで示す動画像情報である。
【0093】
作業支援情報は、操作者が操作装置20により作成してもよく、操作者が操作装置20によりインターネット10上のサーバ50のデータベースからダウンロードしてもよい。あるいは、介護者が移動経路の移動中に実際の作業をカメラ付き携帯電話30で撮影し、撮影された動画像を作業支援情報として用いて操作装置20に送信してもよい。
【0094】
このようにして、移動経路情報、写真画像情報、撮影地点情報、撮影方向情報、ランドマーク情報、支援地点情報および作業支援情報からなる支援コンテンツが生成される。
【0095】
操作者は、操作装置20の表示装置25において支援コンテンツを再生することができる。操作装置20は、支援コンテンツの再生が指示されたか否かを判別する(ステップS23)。支援コンテンツの再生が指示された場合には、操作装置20は、表示装置25の画面上で出発地点から目的地点まで移動経路にしたがって支援コンテンツを表示する(ステップS24)。支援コンテンツの生成が指示されない場合には、処理を終了する。
【0096】
(5)移動支援処理
図11〜図13は移動支援システムにおける移動支援処理を示すフローチャートである。図14〜図16は移動支援処理の例を説明するための模式図である。
【0097】
この移動支援処理の実行の際には、被介護者がカメラ付き携帯電話30を携帯し、出発地点から目的地点まで移動する。出発地点は例えば自宅であり、目的地点は例えば病院である。また、他の家族介護者は、操作者として自宅で操作装置20を操作する。
【0098】
以下の移動支援処理は、操作装置20のCPU21が移動支援プログラムに従って実行する。操作装置20の外部記憶装置26には支援コンテンツ生成処理で生成された支援コンテンツが記憶されている。
【0099】
まず、操作者は、操作装置20に出発地点および目的地点を入力する。操作装置20は、出発地点が入力されたか否かを判別する(ステップS31)。出発地点が入力された場合には、操作装置20は、目的地点が入力されたか否かを判別する(ステップS32)。
【0100】
目的地点が入力された場合には、操作装置20は、外部記憶装置26に記憶された支援コンテンツを取得する(ステップS33)。
【0101】
操作者は、被介護者が出発地点を出発する際に、カメラ付き携帯電話30をインターネット10を介して操作装置20に接続し、カメラ付き携帯電話30の移動開始ボタンを押下する。そして、被介護者にカメラ付き携帯電話30を携帯させる。それにより、カメラ付き携帯電話30から操作装置20に移動の開始が通知される。カメラ付き携帯電話30からは、操作装置20に現在の位置を示す現在位置情報が送信される。
【0102】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から移動の開始が通知されたか否かを判別する(ステップS34)。
【0103】
移動の開始が通知された場合には、操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信される現在位置情報の受信を開始する(ステップS35)。
【0104】
操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から送信される現在位置情報と撮影地点情報とに基づいて被介護者が撮影地点に到着したときに支援コンテンツから被介護者の現在の位置に対応する写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を選択する(ステップS36)。
【0105】
次に、操作装置20は、現在の位置に対応する撮影方向情報と前の位置に対応する撮影方向情報との差に基づいて写真画像情報のトランジション処理(遷移処理)を実行する(ステップS37)。トランジション処理では、移動方向に従って写真画像の風景が変化するように前の写真画像から現在の写真画像への遷移を表す動画像を作成する。
【0106】
例えば、右に曲がる場合、前の写真画像中の風景を左に移動させながらフェードアウトし、現在の写真画像中の風景を左に移動させながらフェードインする。
【0107】
例えば、図14の例では、前の写真画像111中の風景を左に移動させながらフェードアウトし、現在の写真画像112中の風景を左に移動させながらフェードインする。それにより、図15(a),(b),(c)に示すように、建物131を左に移動させながらフェードアウトし、建物132を左に移動させながらフェードインさせる動画像が生成される。
【0108】
このとき、操作装置20は、現在の位置に対応する写真画像情報中にタグ情報が付与されているか否かを判別する(ステップS38)。現在の位置に対応する写真画像情報中にタグ情報が付与されている場合には、タグ情報により指定された写真画像情報中のランドマーク情報に強調処理を行う(ステップS39)。例えば、ランドマークを四角の枠で囲む処理を行う。
【0109】
ステップS39で現在の位置に対応する写真画像情報中にタグ情報が付与されていない場合には、ステップS40に進む。
【0110】
さらに、操作装置20は、次の位置に対応する撮影方向情報および現在の位置に対応する撮影方向情報に基づいて次の写真画像の撮影方向が現在の写真画像の撮影方向から変化するか否かを判別する(ステップS40)。
【0111】
次の写真画像の撮影方向が現在の写真画像の撮影方向から変化する場合には、次の位置に対応する撮影方向情報と現在の位置に対応する撮影方向情報との差に基づいて現在の位置の写真画像に矢印を付与する(ステップS41)。
【0112】
図16の例では、写真画像110中に道路を右に曲がる方向に矢印150が付与されている。
【0113】
ステップS40で次の位置の写真画像の撮影方向が現在の位置の写真画像の撮影方向から変化しない場合には、ステップS42に進む。このようにして、現在の位置に対応する表示写真画像が作成される。
【0114】
次いで、操作装置20は、作成された表示写真画像をカメラ付き携帯電話30に送信する(ステップS42)。それにより、被介護者のカメラ付き携帯電話30の画面34に表示写真画像が表示される。
【0115】
また、操作装置20は、現在位置情報および支援地点情報に基づいて介護者の現在の位置が作業支援地点であるか否かを判定する(ステップS43)。介護者の現在の位置が作業支援地点である場合には、操作装置20は、作業支援情報をカメラ付き携帯電話30に送信する(ステップS44)。それにより、被介護者のカメラ付き携帯電話30の画面34に作業方法がアニメーションで示される。
【0116】
例えば、バスの乗り換えの場合、整理券の取得方法、降車ボタンの押し方、降車する停留所の案内、降車の際の乗車賃の支払い方法、次のバスの指示がアニメーションで示される。また、電車の乗り換えの場合、切符の購入方法、改札口の通り方、プラットフォームの案内、乗車方法、降車方法等がアニメーションで示される。
【0117】
被介護者は、次の写真画像を見たい場合に、カメラ付き携帯電話30の写真ボタンを押下する。それにより、カメラ付き携帯電話30から操作装置20に次の写真画像の表示が指示される。
【0118】
次に、操作装置20は、次の写真画像の表示が指示されたか否かを判別する(ステップS45)。次の写真画像の表示が指示されない場合には、操作装置20は、次の写真画像の表示が指示されるまで待機する。
【0119】
なお、操作装置20は、カメラ付き携帯電話30から次の写真画像の表示が指示されない場合でも、ステップS46の処理に進んでもよい。
【0120】
次の写真画像の表示が指示された場合には、操作装置20は、次の写真画像が存在するか否かを判別する(ステップS46)。次の写真画像が存在する場合には、操作装置20は、ステップS36に戻り、ステップS36〜S46の処理を繰り返す。次の写真画像が存在しない場合には、操作装置20は処理を終了する。
【0121】
(6)実施の形態の効果
本実施の形態に係る移動支援システムにおいて、被支援者が携帯する携帯端末装置30の画面34には、被支援者の移動経路の各地点で動画像からなる写真画像が表示されるとともに写真画像中の対象物が被支援者の移動方向を誘導するように移動する。それにより、被支援者は写真画像中の対象物の移動を見ることにより目的地点に誘導される。このようにして、被支援者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能となる。
【0122】
また、携帯端末装置30の画面34に表示される写真画像中のランドマークが強調される。それにより、被支援者は、写真画像中の強調された対象物を現在の位置で見つけることにより、移動すべき方向を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0123】
さらに、被支援者の移動経路が曲がっている場合には、写真画像中に曲がる方向に矢印が表示される。それにより、被支援者は、矢印を見ることにより移動すべき方向を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0124】
また、移動に伴って被支援者の作業が必要な場合には、携帯端末装置30の画面34に作業の方法をアニメーションで示す動画像が表示される。それにより、被支援者は、動画像を見ることにより移動に伴う作業を容易に認識することができる。その結果、被支援者を出発地点から目的地点までさらに容易に誘導することが可能となる。
【0125】
また、支援コンテンツ生成処理により被介護者を出発地点から目的地点まで誘導するための支援コンテンツ用素材を容易に収集することができるとともに、被介護者を出発地点から目的地点まで容易に誘導することが可能な動画像が自動的に生成される。
【0126】
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
【0127】
上記実施の形態では、操作装置20が移動支援装置および支援コンテンツ用素材収集支援装置に相当し、カメラ付き携帯電話30が携帯端末装置に相当する。外部記憶装置26が記憶手段に相当し、CPU21が生成手段、作成手段および判定手段に相当し、通信装置28が取得手段、指示手段および通信手段に相当し、入力装置24が入力手段に相当する。
【0128】
また、表示写真画像が動画像に相当し、タグ情報が指定情報に相当し、強調処理された写真画像が強調写真画像に相当し、矢印を含む写真画像が方向指示画像に相当し、作業方法をアニメーションで示す動画像が作業支援画像に相当する。
【0129】
(8)他の実施の形態
上記実施の形態では、移動支援装置および支援コンテンツ用素材収集支援装置がパーソナルコンピュータからなる操作装置20からなるが、これに限定されず、移動支援装置および支援コンテンツ用素材収集支援装置がその他の画像処理装置、コンピュータ等からなってもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、携帯端末装置がカメラ付き携帯電話30からなるが、これに限定されず、携帯端末装置が携帯情報端末等からなってもよい。
【0131】
さらに、上記実施の形態では、操作装置20とカメラ付き携帯電話30との通信がインターネット10を介して行われているが、移動支援装置または支援コンテンツ用素材収集支援装置と携帯端末装置との通信が他の通信媒体を介して行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、被介護者を移動経路にしたがって出発地点から目的地点まで誘導するため等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の一実施の形態に係る移動支援システムの構成を示す模式図である。
【図2】操作装置のハードウエアの構成を示すブロック図である。
【図3】カメラ付き携帯電話の構成を示す外観図である。
【図4】移動支援システムにおける支援コンテンツ生成処理を示すフローチャートである。
【図5】移動支援システムにおける支援コンテンツ生成処理を示すフローチャートである。
【図6】移動支援システムにおける支援コンテンツ生成処理を示すフローチャートである。
【図7】移動支援システムにおける支援コンテンツ生成処理を示すフローチャートである。
【図8】支援コンテンツ生成処理の例を説明するための模式図である。
【図9】支援コンテンツ生成処理の例を説明するための模式図である。
【図10】支援コンテンツ生成処理の例を説明するための模式図である。
【図11】移動支援システムにおける移動支援処理を示すフローチャートである。
【図12】移動支援システムにおける移動支援処理を示すフローチャートである。
【図13】移動支援システムにおける移動支援処理を示すフローチャートである。
【図14】移動支援処理の例を説明するための模式図である。
【図15】移動支援処理の例を説明するための模式図である。
【図16】移動支援処理の例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0134】
10 インターネット
20 操作装置
21 CPU
22 ROM(リードオンリメモリ)
23 RAM(ランダムアクセスメモリ)
24 入力装置
25 表示装置
26 外部記憶装置
27 記録媒体駆動装置
28 通信装置
29 記録媒体
30 カメラ付き携帯電話
31 操作ボタン
32 マイク
33 スピーカ
34 画面
35 カメラ
40 基地局
50 サーバ
101 自宅
102 病院
103,104 駅
105 移動経路
110,111 写真画像
120,131 建物
121 看板
122 枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援装置であって、
前記移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、前記移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する生成手段と、
前記携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を前記携帯端末装置に送信する通信手段とを備えたことを特徴とする移動支援装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記写真画像において強調すべき対象物を指定する指定情報をさらに記憶し、
前記生成手段は、前記記憶手段により記憶された写真画像情報および指定情報に基づいて強調表示された対象物を含む強調写真画像を生成し、
前記通信手段は、前記取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する強調写真画像を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1記載の移動支援装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記取得手段により取得された現在位置情報に基づいて、前記記憶手段に記憶された時間的に異なる複数の撮影方向情報から被支援者が移動すべき方向を示す方向指示画像を生成し、
前記通信手段は、前記取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する方向指示画像を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2記載の移動支援装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記移動に伴う被支援者の作業の方法を示す作業支援画像を生成し、
前記通信手段は、前記取得手段により取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する作業支援画像を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動支援装置。
【請求項5】
画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援方法であって、
前記移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶するステップと、
前記記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、前記移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成するステップと、
前記携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得するステップと、
前記取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を前記携帯端末装置に送信するステップとを備えたことを特徴とする移動支援方法。
【請求項6】
画像表示機能を有する携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援するコンピュータにより実行可能な移動支援プログラムであって、
前記移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する処理と、
前記記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、前記移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を被支援者の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する処理と、
前記携帯端末装置の現在の位置を示す現在位置情報を取得する処理と、
前記取得された現在位置情報に基づいて被支援者の現在の位置に対応する動画像を前記携帯端末装置に送信する処理とを、前記コンピュータに実行させることを特徴とする移動支援プログラム。
【請求項7】
出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者を支援する移動支援システムであって、
画像表示機能を有し、出発地点から目的地点までの移動経路を移動する被支援者が携帯する携帯端末装置と、
請求項1〜4のいずれかに記載の移動支援装置とを備えたことを特徴とする移動支援システム。
【請求項8】
移動支援のための支援コンテンツ用素材として写真画像を収集するために撮影機能を有する携帯端末装置を携帯して移動する収集者を支援する支援コンテンツ用素材収集支援装置であって、
出発地点および目的地点を入力するための入力手段と、
地図を示す地図情報および前記入力手段により入力された出発地点および目的地点に基づいて移動経路を示す移動経路情報を作成する作成手段と、
前記作成手段により作成された前記移動経路情報に基づいて前記携帯端末装置による撮影地点および撮影方向を判定する判定手段と、
前記携帯端末装置を携帯して出発地点から目的地点まで移動する収集者の現在の位置を示す現在位置情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された現在位置情報および前記作成手段により作成された移動経路情報に基づいて前記判定手段により判定された撮影地点に収集者が到着した際に写真画像の収集のために収集者の周囲の対象物の撮影および撮影方向を前記携帯端末装置に指示する指示手段と、
前記携帯端末装置から送信された写真画像を受信する通信手段とを備えたことを特徴とする支援コンテンツ用素材収集支援装置。
【請求項9】
前記判定手段は、前記作成手段により作成された前記移動経路情報に基づいて前記携帯端末装置による撮影対象物をさらに判定し、
前記指示手段は、前記判定手段により判定された撮影地点に収集者が到着した際に前記判定手段により判定された撮影対象物を前記携帯端末装置に指示することを特徴とする請求項8記載の支援コンテンツ用素材収集支援装置。
【請求項10】
前記地図情報、前記作成手段により作成された移動経路情報および前記判定手段により判定された撮影地点に基づいて前記通信手段により受信された写真画像を地図の移動経路上に表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9記載の支援コンテンツ用素材収集支援装置。
【請求項11】
前記移動経路の複数の地点で撮影された写真画像、撮影地点および撮影方向をそれぞれ示す写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された写真画像情報、撮影地点情報および撮影方向情報に基づいて、前記移動経路の各地点に対応する写真画像中の対象物を人の移動方向を誘導するように移動させる動画像を生成する生成手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の支援コンテンツ用素材収集支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−163370(P2007−163370A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362028(P2005−362028)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人情報通信研究機構、研究テーマ「軽度脳障害者のための情報セラピーインタフェースの研究開発」に関する委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】