説明

移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラム

【課題】実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させた移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両の進行方向前方に案内分岐点が有る場合に、該案内分岐点に対して案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定し(S14)、高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる案内を該案内分岐点の案内に設定する(S16)。一方、高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる案内を該案内分岐点の案内に設定する(S15)ように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、案内経路に基づいて移動体の移動を案内する移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、GPS受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをDVD−ROMやHDDなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、出発地から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えている。そして、探索結果に基づいて設定された案内経路をディスプレイ画面に表示するとともに、右左折等の案内の対象となる分岐点(以下、案内分岐点という)に接近した場合には音声やディスプレイ画面を用いた案内を行うことによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。更に、車両以外にも歩行者や二輪車を対象として上記案内を行うことも可能である。
【0003】
ここで、案内分岐点において右左折等の案内を行う場合には、案内分岐点をユーザに正確に特定させる必要がある。そして、このような案内分岐点を特定させる案内方法の一つとして、車両から案内分岐点までの信号機の数(又は信号機の設置された分岐点の数)を用いた案内がある。例えば、案内分岐点が信号機の設置された分岐点である場合に、案内分岐点に対して2つ手前側にある信号機付きの分岐点の信号機がユーザの視界から消えた後から、案内分岐点に対して1つ手前側にある信号機付きの分岐点の信号機がユーザの視界に残っている状態で、「2つ目の信号を左方向です。」との案内を行う。また、車両から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行うためには、信号機に関する情報(信号機の設置位置や方向に関する情報等)が必要となるが、このような情報は地図情報の一部として記憶手段(例えば、ハードディスク、DVD、メモリーカード、サーバ等)から取得している(例えば、特開平10−274544号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−274544号公報(第4頁、第5頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、分岐点に対する信号機の設置状況は時間の経過に従って変化する場合がある。例えば、信号機の設置されていなかった分岐点において新たに信号機が設置されたり、信号機の設置されていた分岐点において信号機が撤去される場合がある。しかしながら、このような信号機の増減に関する情報が地図情報に反映されるまでには、一定の期間が必要となる。
【0006】
その結果、上記特許文献1に記載の技術では、信号機が増減した付近において案内分岐点を特定させる案内を行った場合に、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違し、案内分岐点をユーザが誤認識する虞があった。このような場合において、特に高速道路への進入口が設けられた道路へと車両が誤って進入することとなると、ユーザへの負担が大きくなっていた。
【0007】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内により、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になるとともに、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させた移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る移動案内システム(1)は、移動体(73)の移動を案内する案内経路(62、71)と該案内経路上の案内分岐点(61、72)を設定する案内経路設定手段(13)と、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段(13)と、前記案内設定手段によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段(13)と、を有し、前記案内設定手段は、前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路(79)が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定する分岐判定手段(13)を更に備え、前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする。
尚、「移動体」としては、車両以外に、歩行者や二輪車も含む。
また、「案内分岐点」とは、案内経路に従って移動体の移動の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点が該当する。
また、「移動体から案内分岐点までの間に位置する信号機の数」は、分岐点単位での信号機の数であっても良い。即ち、大型の道路等において同一分岐点に複数の信号機が設けられている場合には、該複数の信号機は1の信号機としてカウントするようにしても良い。その場合には、本願発明に係る「分岐点案内手段」は、移動体から案内分岐点までの間に位置する信号機の設置された分岐点(即ち、信号交差点)の数を用いて案内分岐点を特定させる案内を行う構成にも相当する。但し、分岐点単位でカウントする場合であっても、分岐点以外に設置された信号機(例えば押しボタン式信号機等)も信号機の数としてカウントすることが望ましい。以下の請求項でも同様である。
【0009】
また、請求項2に係る移動案内システム(1)は、請求項1に記載の移動案内システムであって、前記高速進入分岐点(74)は、前記高速道路への進入口が設けられた道路(79)が前記案内経路に対して所定角度以上で接続された分岐点であることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る移動案内システム(1)は、請求項1又は請求項2に記載の移動案内システムであって、前記高速進入分岐点(74)は、前記高速道路への進入口が設けられた道路(79)において該進入口に対して退避する道路又は車線がないことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記高速進入分岐点(74)は、前記高速道路への進入口が設けられた道路(79)が前記案内経路(62、71)に対して道なり方向以外の方向に接続された分岐点であることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記第2案内は、前記移動体(73)が該高速分岐点(74)を通過した後に行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記第2案内は、前記移動体(73)から該案内分岐点(74)までの距離を用いた案内であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る移動案内システム(1)は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記分岐判定手段(13)は、前記案内分岐点(61、72)と前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側に設置された信号機との間に、前記高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る移動案内システム(1)は、請求項7に記載の移動案内システムであって、前記分岐判定手段(13)は、前記案内分岐点(61)と前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側に設置された最初の信号機との間に、前記高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に係る移動案内装置(1)は、移動体(73)の移動を案内する案内経路(62、71)と該案内経路上の案内分岐点(61、72)を設定する案内経路設定手段(13)と、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段(13)と、前記案内設定手段によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段(13)と、を有し、前記案内設定手段は、前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路(79)が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定する分岐判定手段(13)を更に備え、前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に係る移動案内方法は、移動体(73)の移動を案内する案内経路(62、71)と該案内経路上の案内分岐点(61、72)を設定する案内経路設定ステップと、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定ステップと、前記案内設定ステップによって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有し、前記案内設定ステップは、前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路(79)が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定する分岐判定ステップを更に備え、前記分岐判定ステップにより前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、前記分岐判定ステップにより前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする。
【0018】
更に、請求項11に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、移動体(73)の移動を案内する案内経路(62、71)と該案内経路上の案内分岐点(61、72)を設定する案内経路設定機能と、前記案内分岐点における案内を設定する案内設定機能と、前記案内設定機能によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、前記案内設定機能は、前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路(79)が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点(74)が存在するか否か判定する分岐判定機能を更に備え、前記分岐判定機能により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、前記分岐判定機能により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
前記構成を有する請求項1に記載の移動案内システムによれば、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内により、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になる。また、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0020】
また、請求項2に記載の移動案内システムによれば、高速道路への進入口が設けられた道路が接続された分岐点に信号機が新設される可能性の有る状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路への進入口が設けられた道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
【0021】
また、請求項3に記載の移動案内システムによれば、車両が誤って進入した場合に高速道路へと進入しなければならなくなる道路が接続されている状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
【0022】
また、請求項4に記載の移動案内システムによれば、高速道路への進入口が設けられた道路が接続されていることをユーザが把握し難い状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路への進入口が設けられた道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
【0023】
また、請求項5に記載の移動案内システムによれば、高速分岐点を通過した後に案内分岐点を特定させる案内を行うので、高速分岐点をユーザが案内分岐点として誤認識することを防止することが可能となる。
【0024】
また、請求項6に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの距離を用いた案内を行うので、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、信号機の数に影響されず、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0025】
また、請求項7に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点と案内分岐点に対して案内経路の出発地側に設置された信号機との間に高速進入分岐点が存在する場合に、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないように構成するので、特に信号機が新設された場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0026】
また、請求項8に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点と案内分岐点に対して案内経路の出発地側に設置された最初の信号機との間に高速進入分岐点が存在する場合に、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないように構成するので、特に案内分岐点に隣接する交差点に信号機が新設された場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0027】
また、請求項9に記載の移動案内装置によれば、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内により、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になる。また、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0028】
また、請求項10に記載の移動案内方法によれば、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内により、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になる。また、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0029】
更に、請求項11に記載のコンピュータプログラムによれば、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わせることにより、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になる。また、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わせないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】高速道路への進入口が設けられた道路の一例を示した図である。
【図3】高速道路への進入口が設けられた道路の一例を示した図である。
【図4】案内フレーズ記憶テーブルの一例を示した図である。
【図5】本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。
【図6】本実施形態に係る案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図7】本実施形態に係る高速進入分岐点検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図8】高速進入分岐点の検出処理について説明した図である。
【図9】信号機が新設された状況において信号機案内を行った場合の案内例について説明した図である。
【図10】信号機が新設された状況において特定案内を行った場合の案内例について説明した図である。
【図11】信号機が新設された状況において距離案内を行った場合の案内例について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る移動案内システム及び移動案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
【0032】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0033】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0034】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や案内フレーズ記憶テーブル32や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。
【0035】
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ33、ノード点に関するノードデータ34、各分岐点に関する分岐点データ35、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0036】
ここで、リンクデータ33としては、例えば、該リンクを識別するリンクID、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクを構成する道路の道路種別、車線数等が記憶される。リンクの道路種別としては、高速自動車国道、自動車専用道路、一般有料道路、取付道路、一般道路、細街路等がある。そして、高速自動車国道、自動車専用道路に該当する道路を、以下の説明では高速道路という。
【0037】
また、リンクデータ33には、“高速道路への進入口が設けられた道路(以下、高速進入道路という)”であるか否かを識別する情報についても含まれる。以下に、高速進入道路の一例について説明する。
例えば図2に示す例では、本線50に対して一方向のみから進入可能な角度(例えば本線50に対して25度)で道路51が接続されており、道路51の終端には、高速道路への進入口であるインターチェンジ52が設けられている。図2に示す例では、道路51が“高速進入道路”となる。
また、図3に示す例では、一般道53から交差点で右左折することにより進入可能な道路54が接続されており、道路54の一方の車線には、高速道路への進入口であるインターチェンジ55が設けられている。図3に示す例では、道路54が“高速進入道路”となる。
尚、“高速進入道路”としては、図2に示すように高速道路の進入口に対して退避する道路又は車線が無い道路、即ち一旦車両が該道路に進入すると必ず高速道路へ進入する必要のある道路や、図3に示すように高速道路の進入口に対して退避する道路又は車線が有る道路、即ち一旦車両が該道路に進入したとしても必ずしも高速道路へ進入する必要の無い道路が含まれる。
【0038】
また、ノードデータ34としては、該ノードを識別するノードID、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。
【0039】
また、分岐点データ35としては、該分岐点(交差点)を形成するノードを特定する該当ノード情報、該分岐点に接続されるリンク(以下、接続リンクという)を特定する接続リンク情報、分岐点の周辺に設置された信号機に関する信号機情報36等が記憶される。
【0040】
信号機情報36としては、全国の各分岐点(交差点)の周辺に設置された信号機について、信号機の設置された方向(即ち、信号機のライトが向いている方向であり、以下、設置方向という)や信号機の設置された位置座標(以下、設置座標という)が記憶される。更に、一の分岐点に対して複数の信号機が設置されている場合には、複数の信号機毎に上記設置方向や設置座標が記憶される。
【0041】
そして、ナビゲーションECU13は、後述のように地図情報DB31に記憶された各データに基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点を特定するとともに、該案内分岐点における案内を設定する。尚、案内分岐点とは、前記したようにナビゲーション装置1に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置1が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。そして、設定される案内の候補としては、例えば以下の案内が有る。
(1)車両の現在位置から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いた案内(以下、『信号機案内』という)。
(2)ユーザが案内分岐点と誤認識した場合にユーザの負担が大きくなる分岐点を通過した後に、案内分岐点を特定させる案内(以下、『特定案内』という)。尚、ユーザが案内分岐点と誤認識した場合にユーザの負担が大きくなる分岐点として、以下の実施例では、“高速進入道路”が所定条件で接続された分岐点(以下、高速進入分岐点)を例に挙げて説明する。また、高速進入分岐点の詳細については後述する。
(3)車両の現在位置から案内分岐点までの距離を用いた案内(以下、『距離案内』という)。
ここで、「移動体から案内分岐点までの間に位置する信号機の数」は、分岐点単位での信号機の数とすることが望ましい。即ち、大型の道路等において同一分岐点に複数の信号機が設けられている場合には、該複数の信号機は1の信号機としてカウントすることが望ましい。その場合には、『信号機案内』は、移動体から案内分岐点までの間に位置する信号機の設置された分岐点(即ち、信号機交差点)の数を用いて案内分岐点を特定させる案内に相当する。但し、分岐点単位でカウントする場合であっても、分岐点以外に設置された信号機(例えば押しボタン式信号機等)も信号機の数としてカウントすることが望ましい。以下の説明でも同様である。
【0042】
そして、案内フレーズ記憶テーブル32は、案内分岐点を案内する為の案内の候補である上記複数種類の案内候補について、発話されるフレーズの内容とともに、案内の発話を開始する条件等がそれぞれ対応付けられて記憶されたテーブルである。
以下に、案内フレーズ記憶テーブル32について、具体例を挙げてより詳細に説明する。図4は案内フレーズ記憶テーブル32の一例を示した図である。
【0043】
例えば、(1)『信号機案内』が案内に設定された場合において「2つ目の信号を左(右)方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点に進入するまでに2つの信号機をユーザがカウントできる状態にある間に、案内の発話を開始する必要がある。従って、図4に示すように、「2つ目の信号を左(右)方向です」との案内フレーズは、案内分岐点の2つ手前の信号機(尚、分岐点に信号機が複数設置されている場合には、車両の進行方向に対して最も退出側に設置された退出側信号機)の5m手前に車両が到達したことを条件として案内を開始する。
また、(2)『特定案内』が案内に設定された場合において「次の信号を左(右)方向です」との案内を行う場合には、高速進入分岐点を通過した後であって案内分岐点に進入するまでに1つの信号機をユーザがカウントできる状態にある間に、案内の発話を開始する必要がある。従って、図4に示すように、「次の信号を左(右)方向です」との案内フレーズは、案内分岐点の1つ手前の信号機(尚、分岐点に信号機が複数設置されている場合には、車両の進行方向に対して最も退出側に設置された退出側信号機)の5m手前に車両が到達タイミング又は高速進入分岐点を通過したタイミングの遅い方のタイミングで案内を開始する。
また、(3)『距離案内』が案内に設定された場合において「700m先を左(右)方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点に進入するまでの走行距離が700mの状態で案内の発話が行われている必要がある。従って、図4に示すように、「700m先を左(右)方向です」との案内フレーズは、案内分岐点の750m手前に車両が到達したことを条件として案内を開始する。
案内フレーズ記憶テーブル32には、同様にして他の案内フレーズについても記憶されている。尚、案内分岐点の案内方向は、左(右)方向以外に、右(左)斜め方向や右(左)手前方向等も存在する。
【0044】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の分岐点案内処理プログラム(図5〜図7参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、車両(移動体)の移動を案内する出発地(例えば、車両の現在位置)から目的地までの案内経路及び案内分岐点を設定する。案内設定手段は、案内分岐点における案内を設定する。分岐点案内手段は、案内設定手段によって設定された案内を用いて、案内分岐点の案内を行う。分岐判定手段は、案内分岐点に対して案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路(高速進入道路)が所定条件で接続された分岐点(高速進入分岐点)が存在するか否か判定する。
【0045】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【0046】
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの走行予定経路、走行予定経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方の所定距離以内(例えば300m)に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について表示する。
【0047】
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて走行予定経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方にある場合には、案内内容に基づく所定の案内の開始タイミング(例えば、「2つ目の信号を左方向です」との音声案内を出力する場合には、案内分岐点の2つ手前の信号機から更に5m手前(図4参照)に到達したタイミング)で案内分岐点の音声案内を出力する。
【0048】
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。
【0049】
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0050】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置1においてナビゲーションECU13が実行する分岐点案内処理プログラムについて図5に基づき説明する。図5は本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、分岐点案内処理プログラムは車両のACCがONされた後に所定間隔で繰り返し実行され、案内経路上にある案内分岐点に対する案内を行うプログラムである。尚、以下の図5〜図7にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
【0051】
先ず、分岐点案内処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われているか否か判定する。ここで、案内経路は、出発地(例えば自車の現在位置)からユーザに選択された目的地までの推奨経路であり、経路探索処理の結果に基づいて設定される。また、経路探索処理は、地図情報DB31に記憶されたリンクデータ33やノードデータ34、VICSセンタから取得した交通情報等を用いて、公知のダイクストラ法等により行われる。
【0052】
そして、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置1において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていないと判定された場合(S1:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0053】
S2においてCPU41は、車両の現在位置を現在位置検出部11の検出結果に基づいて取得する。尚、車両の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報DBと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
【0054】
次に、S3においてCPU41は、ナビゲーション装置1において設定されている案内経路を取得する。
【0055】
続いて、S4においてCPU41は、前記S1で取得した車両の現在位置と前記S2で取得した案内経路に基づいて、車両の進行方向前方の所定距離以内(例えば、1km以内)に案内分岐点が有るか否か判定する。尚、案内分岐点とは、前記したようにナビゲーション装置1に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置1が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【0056】
そして、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が有ると判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が無いと判定された場合(S4:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0057】
S5においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたか否か判定する。尚、前記S5では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内が行われたか否かを判定する。
【0058】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたと判定された場合(S5:YES)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が行われていないと判定された場合(S5:NO)には、S6へと移行する。
【0059】
S6においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が、後述の案内設定処理(S7)において既に設定されたか否か判定する。尚、前記S6では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内の案内内容が設定されたか否かを判定する。
【0060】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されたと判定された場合(S6:YES)には、S8へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内がまだ設定されていないと判定された場合(S6:NO)には、S7へと移行する。
【0061】
S7においてCPU41は、後述の案内設定処理(図6)を実行する。尚、案内設定処理は、後述のように地図情報DB31に記憶された各データ(リンクデータ33、信号機情報36等)に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内を設定する処理である。
【0062】
次に、S8においてCPU41は、前記S7で設定された案内を行うタイミングとなったか否か判定する。具体的には、前記S7で設定された案内に対応付けられた案内開始条件(図4参照)となったか否かが判定される。例えば、前記S7において『信号機案内』が案内に設定された場合には、車両が案内分岐点の3つ手前の信号機から更に5m手前に到達した時点で、「3つ目の信号を左(右)方向です」の案内を行うタイミングとなったと判定する。
【0063】
そして、前記S7で設定された案内を行うタイミングとなったと判定された場合(S8:YES)には、S9へと移行する。それに対して、前記S7で設定された案内を行うタイミングとなっていないと判定された場合(S8:NO)には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【0064】
S9においてCPU41は、前記S7で設定された案内に基づいて、案内分岐点に関する案内を行う。具体的には、案内分岐点と車両の案内分岐点の退出方向とを特定する案内(即ち、車両が案内分岐点から退出する退出道路を特定させる為の案内)を行う。例えば、前記S7において『信号機案内』が案内に設定され、車両が案内分岐点の2つ手前の信号機から更に5m手前に到達した場合には、「2つ目の信号を左(右)方向です」とのフレーズをスピーカ16から出力する。更に、案内分岐点が車両の所定距離以内(例えば300m)に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について液晶ディスプレイ15に表示する。
その結果、案内分岐点及び該案内分岐点から車両が退出する道路をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【0065】
次に、前記S7において実行される案内設定処理のサブ処理について図6に基づき説明する。図6は案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0066】
先ず、S11においてCPU41は、地図情報DB31から信号機情報36を読み出し、車両の進行方向前方にある案内分岐点が信号機の設置された分岐点か否か判定する。
【0067】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点が信号機の設置されていない分岐点であると判定された場合(S11:NO)には、S12へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点が信号機の設置された分岐点であると判定された場合(S11:YES)には、S13へと移行する。
【0068】
S12においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内として『距離案内』を設定する。尚、『距離案内』は、車両の現在位置から案内分岐点までの距離を用いた案内である(図4参照)。その後、S8へと移行する。
【0069】
一方、S13においてCPU41は、後述の高速進入分岐点検出処理(図7)を実行する。尚、高速進入分岐点検出処理は、後述のように案内分岐点に対して案内経路の出発地側にある高速進入分岐点を検出する処理である。また、高速進入分岐点は、“高速道路への進入口が設けられた道路(高速進入道路)”が所定条件で接続された分岐点であり、詳細については後述する。
【0070】
次に、S14においてCPU41は、前記S13の検出結果に基づいて、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に高速進入分岐点が存在するか否か判定する。尚、前記S14では、案内分岐点に対して案内経路の目的地側に高速進入分岐点が存在するか否か判定しても良い。その場合には、前記S13の高速進入分岐点検出処理では、案内分岐点に対して案内経路の目的地側にある高速進入分岐点を検出するように構成する。更に、前記S14では、案内分岐点に対して案内経路の目的地側又は出発地側に高速進入分岐点が存在するか否か判定しても良い。
【0071】
そして、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に高速進入分岐点が存在すると判定された場合(S14:YES)には、S15へと移行する。それに対して、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に高速進入分岐点が存在しないと判定された場合(S14:NO)には、S16へと移行する。
【0072】
S15においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内として『特定案内』又は『距離案内』(第2案内)を設定する。尚、『特定案内』は、ユーザが案内分岐点と誤認識した場合にユーザの負担が大きくなる高速進入分岐点を通過した後に、案内分岐点を特定させる案内である(図4参照)。その後、S8へと移行する。
【0073】
一方、S16においてCPU41は、車両の進行方向前方にある案内分岐点の案内として『信号機案内』(第1案内)を設定する。尚、『信号機案内』は、車両の現在位置から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内である(図4参照)。その後、S8へと移行する。
【0074】
次に、前記S13において実行される高速進入分岐点検出処理のサブ処理について図7に基づき説明する。図7は高速進入分岐点検出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【0075】
尚、以下のS21〜S26の処理は、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に位置する各分岐点を対象として実行する。具体的には、先ず、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に最初に位置する分岐点を対象として処理を行い、その後、案内経路の出発地側に位置する分岐点へと順に対象を切り替えて処理を行う。そして、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に位置する所定数個目の信号機の設置された分岐点が対象となるまで処理を行う。ここで、上記所定数は適宜変更することが可能であるが、所定数を“1”とすれば少なくとも案内分岐点と高速進入分岐点が隣接する状況について考慮できるので、車両が高速進入分岐点を案内分岐点と誤認識する虞を大きく減少させることが可能である。尚、所定数を大きくし過ぎると、信号機案内が行われる機会が減少するので、“1〜3”程度とすることが望ましい。例えば、所定数を“1”とすると、図8に示す例では、案内交差点61に対して案内経路62の出発地側に位置する分岐点63〜65を対象として処理が実行される。
【0076】
先ず、S21においてCPU41は、処理対象となる分岐点に接続するリンクのリンクデータ33を地図情報DB31から取得する。尚、リンクデータ33には、リンクの道路種別を特定する情報や、“高速進入道路”であるか否かを識別する情報について含まれている。
【0077】
次に、S22においてCPU41は、前記S21で取得したリンクデータ33に基づいて、処理対象となる分岐点に“高速進入道路”が接続されているか否か判定する。
【0078】
そして、処理対象となる分岐点に“高速進入道路”が接続されていると判定された場合(S22:YES)には、S23へと移行する。それに対して、処理対象となる分岐点に“高速進入道路”が接続されていないと判定された場合(S22:NO)には、CPU41は、該分岐点はユーザが案内分岐点と誤認識した場合であってもユーザの負担が大きくなる分岐点ではないと推定し、高速進入分岐点としては検出しない。この理由としては、高速道路への進入口が設けられていない道路であれば、仮に車両が間違って進入したとしても、進路の修正が容易に可能となるからである。その後、処理対象とする分岐点を切り替えて再度S21へと戻る。尚、該当する全ての分岐点に対してS21〜S26の処理を実行した場合には、S14へと移行する。
【0079】
次に、S23においてCPU41は、前記S21で取得したリンクデータ33に基づいて、処理対象となる分岐点では、案内経路に対して“高速進入道路”が所定角度(例えば30度)以上で接続されているか否か判定する。
【0080】
そして、案内経路に対して“高速進入道路”が所定角度以上で接続されていると判定された場合(S23:YES)には、S24へと移行する。それに対して、案内経路に対して“高速進入道路”が所定角度未満で接続されていると判定された場合(S23:NO)には、CPU41は、該分岐点はユーザが案内分岐点と誤認識する虞は無いと推定し、高速進入分岐点としては検出しない。この理由としては、図2に示すような所定角度未満で本線に接続された道路の分岐点では、分岐点に信号機が設置されることが無いので、信号機に基づく案内を行った場合に該分岐点が案内分岐点と誤認識される虞が無いからである。
【0081】
続いて、S24においてCPU41は、前記S21で取得したリンクデータ33に基づいて、処理対象となる分岐点に接続された“高速進入道路”において、高速道路への進入口に対して退避する道路又は車線が有るか否か判定する。
【0082】
そして、高速道路への進入口に対して退避する道路又は車線が無いと判定された場合(S24:YES)には、S25へと移行する。それに対して、高速道路への進入口に対して退避する道路又は車線が有ると判定された場合(S24:NO)には、CPU41は、該分岐点はユーザが案内分岐点と誤認識した場合であってもユーザの負担が大きくなる分岐点ではないと推定し、高速進入分岐点としては検出しない。この理由としては、図3に示すような高速道路への進入口に対して退避する道路又は車線が設けられている道路であれば、仮に車両が間違って進入したとしても、高速道路への進入口に進入せずに走行を継続でき、進路の修正が容易に可能となるからである。
【0083】
また、S25においてCPU41は、前記S21で取得したリンクデータ33に基づいて、処理対象となる分岐点において、案内経路に対して“高速進入道路”が道なり方向以外の方向で接続されているか否か判定する。
【0084】
そして、案内経路に対して“高速進入道路”が道なり方向以外の方向で接続されていると判定された場合(S25:YES)には、S26へと移行する。それに対して、案内経路に対して“高速進入道路”が道なり方向で接続されていると判定された場合(S25:NO)には、CPU41は、該分岐点はユーザが案内分岐点と誤認識した場合であってもユーザの負担が大きくなる分岐点ではないと推定し、高速進入分岐点としては検出しない。この理由としては、高速道路への進入口が設けられた道路が道なり方向に接続されていれば、ユーザは分岐点に到達する前に、予め高速道路への進入口が設けられた道路を認識できるので、車両が誤って高速道路への進入口が設けられた道路へと進入する虞が無いからである。
【0085】
その後、S26においてCPU41は、処理対象となる分岐点を高速進入分岐点として検出する。その後、処理対象とする分岐点を切り替えて再度S21へと戻る。尚、該当する全ての分岐点に対してS21〜S26の処理を実行した場合には、S14へと移行する。
【0086】
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、上述した分岐点案内処理プログラム(図5〜図7参照)を実行することによって、従来と比較して実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。以下に、図9〜図11を用いてその理由について説明する。尚、図9〜図11では、案内経路71が設定され、案内分岐点72の所定距離手前を車両73が走行する状態であって、分岐点74が高速進入分岐点であり、分岐点74に信号機75が新設され、且つ信号機75に関する情報は地図データに更新されていない場合を例に挙げて説明する。
【0087】
図9は、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いる案内(信号機案内)を行った例である。図9に示す例では、地図データにおいて信号機75に関する情報が含まれていないので、案内分岐点72に対して2つ手前側にある信号機付きの分岐点76の信号機77がユーザの視界に残っている状態で、『2つ目の信号を左方向です』との案内が行われることとなる。更に、案内分岐点72に対して1つ手前側にある信号機付きの分岐点74の信号機75がユーザの視界に残っている状態で、『次の信号を左方向です』との案内が行われることとなる。その結果、案内中の『2つ目の信号』や『次の信号』が案内分岐点72の信号機78ではなく分岐点74の信号機75を示すこととなり、即ち、実際の案内分岐点72と異なる分岐点74が案内分岐点に特定される案内が行われる。その結果、ユーザは分岐点74を案内分岐点であると誤認識することとなり、高速道路への進入口が設けられた道路79へと進入する虞が高い。
【0088】
一方、図10は、ユーザが案内分岐点と誤認識した場合にユーザの負担が大きくなる高速進入分岐点を通過した後に、案内分岐点を特定させる案内(特定案内)を行った例である。図10に示す例では、高速進入分岐点である分岐点74を通過する前では案内は行われず、分岐点74を通過した後に『次の信号を左方向です』との案内が行われることとなる。その結果、案内中の『次の信号』が案内分岐点72の信号機78を示すこととなり、実際の案内分岐点72が案内分岐点に特定される案内が行われる。更に、ユーザが案内分岐点を分岐点74と間違える虞の有る状態では案内を行わず、ユーザが案内分岐点を分岐点74と間違える虞の無くなった状態で案内分岐点を特定させる案内が行われる。その結果、ユーザは分岐点72を案内分岐点であると認識することができ、高速道路への進入口が設けられた道路79へと進入する虞は少ない。
【0089】
また、図11は、車両から案内分岐点までの間の距離を用いる案内(距離案内)を行った例である。図11に示す例では、信号機の数ではなく案内分岐点を距離によって特定させるので、車両73から案内分岐点までの距離が700mとなった状態で『700m先を左方向です』との案内が行われることとなる。更に、車両73から案内分岐点までの距離が300mとなった状態で『300m先を左方向です』との案内が行われることとなる。この場合には、信号機の数を用いないので分岐点を特定させる効果は若干下がるものの、実際の案内分岐点72が案内分岐点に特定される案内が行われる。その結果、ユーザは分岐点72を案内分岐点であると認識することができ、高速道路への進入口が設けられた道路79へと進入する虞は少ない。
【0090】
そして、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、高速進入分岐点が案内分岐点と誤認識される虞のある状況で、図10や図11に示す特定案内や距離案内を実行するので、従来と比較して実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0091】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1を用いた移動案内方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムによれば、車両の進行方向前方に案内分岐点が有る場合に、該案内分岐点に対して案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定し(S14)、高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる案内を該案内分岐点の案内に設定する(S16)ので、車両から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内により、案内分岐点をユーザに対して正確に特定させることが可能になる。また、高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、車両から案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる案内を該案内分岐点の案内に設定する(S15)ので、案内分岐点をユーザが誤認識した場合においてユーザの負担が大きくなる状況では、車両から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
また、高速進入分岐点は、高速道路への進入口が設けられた道路が案内経路に対して所定角度以上で接続されたことを条件とするので、高速進入分岐点に信号機が新設される可能性の有る状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路への進入口が設けられた道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
また、高速進入分岐点は、高速道路への進入口が設けられた道路において該進入口に対して退避する道路又は車線がないことを条件とするので、車両が誤って進入した場合に高速道路へと進入しなければならなくなる道路が接続されている状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
また、高速進入分岐点は、高速道路への進入口が設けられた道路が案内経路に対して道なり方向以外の方向に接続されたことを条件とするので、高速道路への進入口が設けられた道路が接続されていることをユーザが把握し難い状況では、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないことにより、高速道路への進入口が設けられた道路へとユーザが誤って進入する虞を減少させることが可能となる。
また、案内分岐点に対して案内経路の出発地側又は目的地側に高速進入分岐点が存在する場合には、車両が高速分岐点を通過した後に行う案内を該案内分岐点の案内に設定するので、高速分岐点をユーザが案内分岐点として誤認識することを防止することが可能となる。
また、案内分岐点に対して案内経路の出発地側又は目的地側に高速進入分岐点が存在する場合には、車両から該案内分岐点までの距離を用いた案内を該案内分岐点の案内に設定するので、信号機の新設や撤去が行われた場合であっても、信号機の数に影響されず、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
また、案内分岐点と案内分岐点に対して案内経路の出発地側に設置された信号機との間に高速進入分岐点が存在する場合に、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないように構成するので、特に信号機が新設された場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
更に、案内分岐点と案内分岐点に対して案内経路の出発地側に設置された最初の信号機との間に高速進入分岐点が存在する場合に、移動体から案内分岐点までの信号機の数を用いた案内を行わないように構成すれば、特に案内分岐点に隣接する交差点に信号機が新設された場合であっても、実際の案内分岐点と案内によって特定される分岐点とが相違する虞を減少させることが可能となる。
【0092】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではナビゲーション装置1による案内分岐点の案内をスピーカ16から音声案内により出力することにより行う構成としているが、液晶ディスプレイ15に文章を表示することにより案内を行う構成としても良い。
【0093】
また、本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方の所定距離以内に位置する場合に、その前方に位置する案内分岐点の案内を設定する(S7)構成としているが、案内分岐点に対して案内内容を設定するタイミングは他のタイミングであっても良い。例えば、案内経路を設定した時点で案内経路に含まれる各案内分岐点に対して案内を設定しても良い。また、案内経路を設定する前に、各分岐点に対して案内を設定する構成としても良い。
【0094】
また、本実施形態では、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された高速進入分岐点が存在すると判定された場合に、『信号機案内』の代わりに『特定案内』や『距離案内』を行う構成としているが、信号機の数を用いた案内以外であれば他の案内を行う構成としても良い。例えば、車両の現在位置から案内分岐点までの分岐点の数を用いて案内分岐点を特定させる案内を行っても良い。
【0095】
また、本実施形態では、案内分岐点に対して案内経路の出発地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された高速進入分岐点が存在すると判定された場合に、『信号機案内』の代わりに『特定案内』や『距離案内』を行う構成としているが、案内分岐点に対して案内経路の目的地側に高速進入分岐点が存在すると判定された場合に、『信号機案内』の代わりに『特定案内』や『距離案内』を行う構成としても良い。その場合には、特に信号機が新たに撤去された場合において、車両が案内分岐点を誤認識して高速道路への進入口が設けられた道路へと進入することを防止できる。
【0096】
また、本実施形態では信号機情報36として分岐点の周辺に配置された全ての信号機に関する情報を記憶する構成としているが、分岐点からの退出方向毎に最も退出側にある信号機に関する情報のみを記憶する構成としても良い。また、信号機の代わりに停止線に関する情報を記憶する構成としても良い。尚、信号機の代わりに停止線を用いる場合であっても、案内は信号機を用いて行うことが望ましい。
【0097】
また、本実施形態では『特定案内』の案内開始条件を、案内分岐点の1つ手前の信号機の5m手前に車両が到達タイミング又は高速進入分岐点を通過したタイミングの遅い方のタイミングとしているが、案内分岐点の1つ手前の信号機の5m手前に車両が到達タイミングとしても良い。また、高速進入分岐点を通過したタイミングとしても良い。
【0098】
また、本実施形態では、特に案内分岐点の手前側に高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された高速分岐点が有る場合に、通常の信号機案内を行わないように構成しているが、高速道路以外の特定の道路(例えば、有料道路や一方通行道路等の進入後の進行方向の変更が難しい道路)が所定条件で接続された分岐点が有る場合又は該特定の道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点が有る場合に、通常の信号機案内を行わないように構成しても良い。更に、所定条件としてはS23〜S25に規定されている条件を挙げているが、他の条件を用いても良い。
【0099】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、案内経路に基づく経路案内を行う機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やPDA等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した分岐点案内処理プログラム(図5〜図7)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや2輪車等に対する走行案内を行う場合もある。
【符号の説明】
【0100】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
31 地図情報DB
32 案内フレーズ記憶テーブル
36 信号機情報
41 CPU
42 RAM
43 ROM
61、72 案内分岐点
62、71 案内経路
73 車両
75、77、78 信号機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段と、
前記案内設定手段によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有し、
前記案内設定手段は、
前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定する分岐判定手段を更に備え、
前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、
前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする移動案内システム。
【請求項2】
前記高速進入分岐点は、前記高速道路への進入口が設けられた道路が前記案内経路に対して所定角度以上で接続された分岐点であることを特徴とする請求項1に記載の移動案内システム。
【請求項3】
前記高速進入分岐点は、前記高速道路への進入口が設けられた道路において該進入口に対して退避する道路又は車線がないことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の移動案内システム。
【請求項4】
前記高速進入分岐点は、前記高速道路への進入口が設けられた道路が前記案内経路に対して道なり方向以外の方向に接続された分岐点であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項5】
前記第2案内は、前記移動体が該高速分岐点を通過した後に行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項6】
前記第2案内は、前記移動体から該案内分岐点までの距離を用いた案内であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項7】
前記分岐判定手段は、前記案内分岐点と前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側に設置された信号機との間に、前記高速進入分岐点が存在するか否か判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項8】
前記分岐判定手段は、前記案内分岐点と前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側に設置された最初の信号機との間に、前記高速進入分岐点が存在するか否か判定することを特徴とする請求項7に記載の移動案内システム。
【請求項9】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点における案内を設定する案内設定手段と、
前記案内設定手段によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有し、
前記案内設定手段は、
前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定する分岐判定手段を更に備え、
前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、
前記分岐判定手段により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする移動案内装置。
【請求項10】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定ステップと、
前記案内分岐点における案内を設定する案内設定ステップと、
前記案内設定ステップによって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有し、
前記案内設定ステップは、
前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定する分岐判定ステップを更に備え、
前記分岐判定ステップにより前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、
前記分岐判定ステップにより前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とする移動案内方法。
【請求項11】
コンピュータに、
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定機能と、
前記案内分岐点における案内を設定する案内設定機能と、
前記案内設定機能によって設定された前記案内を用いて、前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記案内設定機能は、
前記案内分岐点に対して前記案内経路の出発地側又は目的地側に、高速道路への進入口が設けられた道路が所定条件で接続された分岐点である高速進入分岐点が存在するか否か判定する分岐判定機能を更に備え、
前記分岐判定機能により前記高速進入分岐点が存在しないと判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いて該案内分岐点を特定させる第1案内を該案内分岐点の案内に設定し、
前記分岐判定機能により前記高速進入分岐点が存在すると判定された場合には、前記移動体から前記案内分岐点までの間に位置する信号機の数を用いずに該案内分岐点を特定させる第2案内を該案内分岐点の案内に設定することを特徴とするコンピュータプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−3042(P2013−3042A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136244(P2011−136244)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】