移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラム
【課題】案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることのない移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】案内分岐点や手前分岐点の位置及び形状を取得し、取得した各分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から第１距離以内にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定し、隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点に案内終了地点を設定し、設定された案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うように構成する。
【解決手段】案内分岐点や手前分岐点の位置及び形状を取得し、取得した各分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から第１距離以内にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定し、隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点に案内終了地点を設定し、設定された案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、案内経路に基づいて移動体の移動を案内する移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、ＧＰＳ受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをＤＶＤ−ＲＯＭやＨＤＤなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、出発地から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えている。そして、探索結果に基づいて設定された案内経路をディスプレイ画面に表示するとともに、右左折等の案内の対象となる分岐点（以下、案内分岐点という）に接近した場合には音声やディスプレイ画面を用いた案内を行うことによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。更に、車両以外にも歩行者や二輪車を対象として上記案内を行うことも可能である。
【０００３】
ここで、案内分岐点において右左折等の案内を行う場合には、案内分岐点をユーザに正確に特定させる必要がある。特に案内分岐点に隣接して案内分岐点と同方向（例えば、左斜め前方）に道路が接続された分岐点が他に存在する場合には、案内分岐点を他の分岐点と誤認させないように、案内分岐点の案内を行うタイミングを適切なタイミングに設定することが重要である。そこで、例えば特開平１０−１２２８９３号公報には、案内分岐点の手前側の所定距離以内に、案内分岐点と同方向に道路が接続された他の分岐点が存在する場合において、案内分岐点を案内するタイミングを該他の分岐点を通過するタイミングとする技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平１０−１２２８９３号公報（第５頁、第６頁、図４、図５）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記特許文献１に記載の技術のように、案内分岐点を案内するタイミングを手前側の分岐点を通過するタイミングとしたのみでは、依然として案内分岐点を誤認させる虞があった。
【０００６】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、案内分岐点の案内の発話を終了するタイミングを適切なタイミングに設定することによって、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることのない移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記目的を達成するため本願の請求項１に係る移動案内システム（１）は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定手段（１３）と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段（１３）と、前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段（１３）と、を有することを特徴とする。
尚、「移動体」としては、車両以外に、歩行者や二輪車も含む。
また、「案内分岐点」とは、案内経路に従って移動体の移動の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点が該当する。
【０００８】
また、請求項２に係る移動案内システム（１）は、請求項１に記載の移動案内システムであって、前記案内分岐点（５２、５３）の案内は、前記案内分岐点が前記移動体（５１）の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も前記移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことを特徴とする。
尚、「フレーズ」は、句に相当する。
【０００９】
また、請求項３に係る移動案内システム（１）は、請求項１又は請求項２に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）が位置する道路の道路種別を取得する道路種別取得手段（１３）を有し、前記分岐点案内手段（１３）は、前記移動体が高速道路の本線に位置する場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする。
【００１０】
また、請求項４に係る移動案内システム（１）は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内分岐点（５２、５３）から前記隣接手前分岐点（５４）までの距離が前記第１距離よりも短い所定の第３距離以内にある場合に、前記案内終了地点を前記案内経路の出発地側へ変更する案内終了地点変更手段（１３）を有することを特徴とする。
【００１１】
また、請求項５に係る移動案内システム（１）は、請求項４に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）の移動速度を取得する移動速度取得手段（１３）と、前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点に前記移動体が到達する所定時間前の前記移動体が位置する地点である準備地点を取得する準備地点取得手段（１３）と、を有し、前記第３距離は、前記案内分岐点から前記準備地点までの距離と前記第２距離の差分距離であることを特徴とする。
【００１２】
また、請求項６に係る移動案内システム（１）は、請求項５に記載の移動案内システムであって、前記案内終了地点変更手段（１３）は、前記準備地点に前記案内終了地点を変更することを特徴とする。
【００１３】
また、請求項７に係る移動案内システム（１）は、請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記手前分岐点情報取得手段（１３）により取得した情報に基づいて、前記案内終了地点から前記案内経路の出発地側の所定の第４距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である連続手前分岐点（５５）があるか否か判定する連続手前分岐点判定手段（１３）を有し、前記分岐点案内手段（１３）は、前記連続手前分岐点判定手段により前記連続手前分岐点が無いと判定された場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする。
【００１４】
また、請求項８に係る移動案内システム（１）は、請求項７に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）の移動速度を取得する移動速度取得手段（１３）と、前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点（５２、５３）の案内の発話を行うのに必要な前記移動体の移動距離である必要移動距離を取得する必要移動距離取得手段（１３）と、を有し、前記第４距離は、前記必要移動距離であることを特徴とする。
【００１５】
また、請求項９に係る移動案内装置（１）は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定手段（１３）と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段（１３）と、前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段（１３）と、を有することを特徴とする。
【００１６】
また、請求項１０に係る移動案内方法は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定ステップと、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得ステップと、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得ステップと、前記案内分岐点取得ステップにより取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得ステップにより取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定ステップと、前記隣接手前分岐点判定ステップにより前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有することを特徴とする。
【００１７】
更に、請求項１１に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定機能と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得機能と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得機能と、前記案内分岐点取得機能により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得機能により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定機能と、前記隣接手前分岐点判定機能により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
前記構成を有する請求項１に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００１９】
また、請求項２に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の案内は、案内分岐点が移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むので、同形状の分岐点が連続して配置される状況においても連続する分岐点の内から案内分岐点をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【００２０】
また、請求項３に記載の移動案内システムによれば、移動体が高速道路の本線に位置する場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、移動体が高速で移動するとともに形状が類似する分岐点が多く存在する状況において、特に案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２１】
また、請求項４に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が特に短い場合には、案内終了地点を案内経路の出発地側へと変更するので、案内が終了してから案内分岐点に移動体が到達するまでに一定の時間を確保することが可能となる。その結果、案内分岐点を誤認させる虞を減少させるとともに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる
【００２２】
また、請求項５に記載の移動案内システムによれば、特に案内分岐点から準備地点までの距離と第２距離の差分距離以下である場合に案内終了地点を変更するので、隣接手前分岐点から第２距離手前の地点を案内終了地点とした場合に案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることができないことが予測される状況で、案内終了地点を適切な位置へと修正することが可能となる。
【００２３】
また、請求項６に記載の移動案内システムによれば、案内が終了してから案内分岐点に移動体が到達するまでに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる地点に案内終了地点を変更することが可能となる。
【００２４】
また、請求項７に記載の移動案内システムによれば、案内終了地点の手前に案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を除いて、隣接手前分岐点を基準とした適切な位置に案内終了地点を設定することが可能となる。
【００２５】
また、請求項８に記載の移動案内システムによれば、特に案内終了地点から案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な移動体の移動距離手前までの間に、案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を適切に除外することが可能となる。
【００２６】
また、請求項９に記載の移動案内装置によれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２７】
また、請求項１０に記載の移動案内方法によれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２８】
更に、請求項１１に記載のコンピュータプログラムによれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行わせるので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図２】案内フレーズ条件テーブルの一例を示した図である。
【図３】案内フレーズ条件テーブルで規定された案内終了地点を説明した図である。
【図４】案内フレーズ条件テーブルで規定された案内終了地点を説明した図である。
【図５】本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。
【図６】本実施形態に係る案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図７】隣接手前分岐点が存在する場合における案内終了地点の設定方法について説明した図である。
【図８】案内終了地点の修正をしなかった場合における連続手前分岐点の判定基準について説明した図である。
【図９】案内終了地点の修正をした場合における連続手前分岐点の判定基準について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【００３０】
以下、本発明に係る移動案内システム及び移動案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置１の概略構成について図１を用いて説明する。図１は本実施形態に係るナビゲーション装置１を示したブロック図である。
【００３１】
図１に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置１は、ナビゲーション装置１が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部１１と、各種のデータが記録されたデータ記録部１２と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションＥＣＵ１３と、ユーザからの操作を受け付ける操作部１４と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ１５と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ１６と、記憶媒体であるＤＶＤを読み取るＤＶＤドライブ１７と、プローブセンタやＶＩＣＳ（登録商標：Vehicle Information and Communication System）センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール１８と、から構成されている。
【００３２】
以下に、ナビゲーション装置１を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部１１は、ＧＰＳ２１、車速センサ２２、ステアリングセンサ２３、ジャイロセンサ２４等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ２２は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションＥＣＵ１３に出力する。そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記５種類のセンサをナビゲーション装置１が全て備える必要はなく、これらの内の１又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置１が備える構成としても良い。
【００３３】
また、データ記録部１２は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク（図示せず）と、ハードディスクに記録された地図情報ＤＢ３１や案内フレーズ条件テーブル３２や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド（図示せず）とを備えている。尚、データ記録部１２をハードディスクの代わりにメモリーカードやＣＤやＤＶＤ等の光ディスクにより構成しても良い。
【００３４】
ここで、地図情報ＤＢ３１は、例えば、道路（リンク）に関するリンクデータ３３、ノード点に関するノードデータ３４、各分岐点に関する分岐点データ３５、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【００３５】
ここで、リンクデータ３３としては、例えば、該リンクを識別するリンクＩＤ、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクを構成する道路の道路種別、車線数等が記憶される。また、ノードデータ３４としては、該ノードを識別するノードＩＤ、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、分岐点データ３５としては、該分岐点（交差点）を形成するノードを特定する該当ノード情報、該分岐点に接続されるリンク（以下、接続リンクという）を特定する接続リンク情報、分岐点の周辺に設置された信号機や停止線に関する地物情報等が記憶される。
【００３６】
そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、後述のように地図情報ＤＢ３１に記憶された各データに基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点と該案内分岐点よりも案内経路の出発地側に存在する分岐点（以下、手前分岐点という）を特定する。更に、手前分岐点の内、特に案内分岐点から所定距離以内（例えば３００ｍ以内）にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点を隣接手前分岐点として特定する。尚、案内分岐点とは、ナビゲーション装置１に設定されている案内経路に従ってナビゲーション装置１が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【００３７】
また、案内フレーズ条件テーブル３２は、案内分岐点を案内する為の案内について、発話されるフレーズの内容とともに、案内の発話を出力する為に必要な時間や、案内の発話を終了する必要のある地点（即ち、その地点に車両が到達する前に案内分岐点の案内を終了する必要がある地点）である案内終了地点等がそれぞれ対応付けられて記憶されたテーブルである。
【００３８】
以下に、案内フレーズ条件テーブル３２について具体例を挙げてより詳細に説明する。図２は案内フレーズ条件テーブル３２の一例を示した図である。図３及び図４は、図２に示す案内フレーズ条件テーブル３２で規定された案内終了地点を説明した図である。尚、図２に示す案内は、案内分岐点で行われる案内の内、特に高速道路の本線の走行中において案内分岐点での右左折の案内を行う場合に出力される案内について示す。高速道路の本線における分岐点としては、例えば、方面毎に道路が区分される分岐点、インターチェンジの出口へ進入する為の分岐点、ＰＡやＳＡの入口等がある。また、以下に示すように高速道路の本線の走行中において案内分岐点の案内を行う場合に発話されるフレーズの内容は、隣接手前分岐点が存在するか否かによって異なる。例えば、隣接手前分岐点が存在しない場合には基本的に「まもなく左（右）方向です」との案内フレーズが出力され、隣接手前分岐点が存在する場合には基本的に「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内フレーズが出力される。但し、例外的に隣接手前分岐点の手前側の所定距離以内に更に案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点がある場合には、隣接手前分岐点が存在する場合であっても例外的に「まもなく左（右）方向です」との案内フレーズが出力される場合がある。
【００３９】
ここで、「まもなく左（右）方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点の案内が終了してから案内分岐点に進入するまでに車両操作の為の所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）が確保できるように、案内の発話を開始し且つ終了する。即ち、「まもなく左（右）方向です」との案内に対しては、案内終了地点を案内分岐点の所定距離手前の地点（案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間前の車両が位置する地点）に設定する。従って、図３に示すように、車両５１が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合であって、車両５１の進行方向前方に案内分岐点５２がある場合には、案内分岐点５２の９７ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。その結果、案内を受けたユーザは、案内分岐点５２を明確に特定することが可能になるとともに、案内分岐点５２に進入するまでに車両の準備操作（例えば、車線変更、方向指示器の点灯）を行うことが可能となる。
【００４０】
一方、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点の案内が終了してから隣接手間分岐点と案内分岐点とがそれぞれ余裕を持って認識できるように、案内の発話を開始し且つ終了する。即ち、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内に対しては、案内終了地点を隣接手前分岐点の所定距離手前（固定値であり、例えば５０ｍ手前）に設定する。従って、図４に示すように、車両５１が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合であって、車両５１の進行方向前方に案内分岐点５３と隣接手前分岐点５４がある場合には、隣接手前分岐点５４の５０ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。そして、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内フレーズには、案内分岐点が車両の進行方向前方に連続してある複数の分岐点（図４では隣接手前分岐点５４と案内分岐点５３）の内、最も進行方向側にある分岐点であることを特定するフレーズである“奥の分岐”を含むので、案内を受けたユーザは、隣接手前分岐点５４が存在する場合であっても案内分岐点５３を明確に特定することが可能になる。尚、後述するように隣接手間分岐点と案内分岐点との距離が特に短い場合には、案内終了地点は基本の地点（隣接手前分岐点の５０ｍ手前の地点）よりも手前側（出発地側）へと修正される。
【００４１】
案内フレーズ条件テーブル３２には、同様にして他の案内についても記憶されている。尚、案内分岐点の案内方向は、左（右）方向以外に、右（左）斜め方向や右（左）手前方向等も存在する。また、案内方向によって案内を出力する為に必要な時間も変化する。また、案内終了地点を特定する各数値（９７ｍ、５０ｍ等）は適宜変更することが可能である。
そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、後述のように案内経路の形状や案内経路上に設置された分岐点の位置情報や案内フレーズ条件テーブル３２等に基づいて、適切な案内分岐点の案内を設定し、設定された案内分岐点の案内に対応づけられた案内終了地点に車両が到達するまでに案内が終了するように案内の出力を行う。
【００４２】
一方、ナビゲーションＥＣＵ（エレクトロニック・コントロール・ユニット）１３は、ナビゲーション装置１の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ４１、並びにＣＰＵ４１が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるＲＡＭ４２、制御用のプログラムのほか、後述の分岐点案内処理プログラム（図５、図６参照）等が記録されたＲＯＭ４３、ＲＯＭ４３から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ４４等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションＥＣＵ１３は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、車両（移動体）の移動を案内する出発地（例えば、車両の現在位置）から目的地までの案内経路及び案内分岐点を設定する。案内分岐点取得手段は、案内分岐点の位置及び形状を取得する。手前分岐点取得手段は、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する。隣接手前分岐点判定手段は、案内分岐点の位置及び形状と手前分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から所定の第１距離以内（例えば３００ｍ以内）にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する。分岐点案内手段は、隣接手前分岐点判定手段により隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前（例えば５０ｍ手前）の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行う。道路種別取得手段は、車両が位置する道路の道路種別を取得する。移動速度取得手段は、車両の現在の車速を取得する。準備地点取得手段は、車両の現在の車速に基づいて、案内分岐点に車両が到達する所定時間前の車両が位置する地点である準備地点を取得する。連続手前分岐点判定手段は、案内終了地点から案内経路の出発地側の所定の第４距離以内（例えば３００ｍ以内）にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である連続手前分岐点があるか否か判定する。必要移動距離取得手段は、車両の車速に基づいて、案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な車両の走行距離である必要移動距離を取得する。
【００４３】
操作部１４は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ（図示せず）から構成される。そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部１４は液晶ディスプレイ１５の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【００４４】
また、液晶ディスプレイ１５には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方の所定距離以内（例えば３００ｍ）に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について表示する。
【００４５】
また、スピーカ１６は、ナビゲーションＥＣＵ１３からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方にある場合には、案内内容に基づく所定の案内の開始タイミング（例えば、「まもなく左方向です」との音声案内を出力する場合には、案内分岐点の所定距離手前までに案内が終了できる（図３参照）タイミング）で案内分岐点の音声案内を出力する。
【００４６】
また、ＤＶＤドライブ１７は、ＤＶＤやＣＤ等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報ＤＢ３１の更新等が行われる。
【００４７】
また、通信モジュール１８は、交通情報センタ、例えば、ＶＩＣＳセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やＤＣＭが該当する。
【００４８】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置１においてナビゲーションＥＣＵ１３が実行する分岐点案内処理プログラムについて図５に基づき説明する。図５は本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、分岐点案内処理プログラムは車両のＡＣＣがＯＮされた後に所定間隔（例えば車両の現在位置の検出周期毎）で繰り返し実行され、案内経路上にある案内分岐点に対する案内を行うプログラムである。尚、以下の図５、図６にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置１が備えているＲＡＭ４２やＲＯＭ４３に記憶されており、ＣＰＵ４１により実行される。
【００４９】
先ず、分岐点案内処理プログラムではステップ（以下、Ｓと略記する）１において、ＣＰＵ４１は、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われているか否か判定する。ここで、案内経路は、出発地（例えば自車の現在位置）からユーザに選択された目的地までの推奨経路であり、経路探索処理の結果に基づいて設定される。また、経路探索処理は、地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３やノードデータ３４、ＶＩＣＳセンタから取得した交通情報等を用いて、公知のダイクストラ法等により行われる。
【００５０】
そして、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていると判定された場合（Ｓ１：ＹＥＳ）には、Ｓ２へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていないと判定された場合（Ｓ１：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００５１】
Ｓ２においてＣＰＵ４１は、車両の現在位置を現在位置検出部１１の検出結果に基づいて取得する。尚、車両の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報ＤＢと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
【００５２】
次に、Ｓ３においてＣＰＵ４１は、ナビゲーション装置１において設定されている案内経路（案内経路中の案内分岐点を含む）を取得する。
【００５３】
続いて、Ｓ４においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ２で取得した車両の現在位置と前記Ｓ３で取得した案内経路に基づいて、車両の進行方向前方の所定距離以内（例えば、１．４７ｋｍ以内）に案内分岐点が有るか否か判定する。尚、案内分岐点とは、前記したようにナビゲーション装置１に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置１が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【００５４】
そして、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が有ると判定された場合（Ｓ４：ＹＥＳ）には、Ｓ５へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が無いと判定された場合（Ｓ４：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００５５】
Ｓ５においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたか否か判定する。尚、前記Ｓ５では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内が行われたか否かを判定する。
【００５６】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたと判定された場合（Ｓ５：ＹＥＳ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が行われていないと判定された場合（Ｓ５：ＮＯ）には、Ｓ６へと移行する。
【００５７】
Ｓ６においてＣＰＵ４１は、後述のＳ７で実行される案内設定処理によって、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されているか否か判定する。
【００５８】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されていると判定された場合（Ｓ６：ＹＥＳ）には、Ｓ８へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内がまだ設定されていないと判定された場合（Ｓ６：ＮＯ）には、Ｓ７へと移行する。
【００５９】
Ｓ７においてＣＰＵ４１は、後述の案内設定処理（図６）を実行する。尚、案内設定処理は、後述のように分岐点の位置や形状に基づいて、車両の進行方向前方に位置する案内分岐点に対して適当な案内を設定する処理である。
【００６０】
次に、Ｓ８においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始するタイミングである案内開始タイミングとなったか否かを判定する。尚、案内開始タイミングとしては、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内に対応づけられた案内終了地点に車両が到達するまでに案内が終了するタイミング（例えば案内終了地点に車両が到達する時点で案内が終了するタイミング）が設定される。具体的には、車両の現在の車速と案内を出力する為に必要な時間と案内終了地点とに基づいて、案内開始タイミングが設定される。尚、案内終了地点は案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて後述の案内設定処理（図６）により案内内容とともに設定される。また、車両の現在の車速は車速センサ２２により検出され、案内を出力する為に必要な時間は案内フレーズ条件テーブル３２（図２）から取得される。
【００６１】
そして、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始する案内開始タイミングとなったと判定された場合（Ｓ８：ＹＥＳ）には、Ｓ９へと移行する。それに対して、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始する案内開始タイミングとなっていないと判定された場合（Ｓ８：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００６２】
Ｓ９においてＣＰＵ４１は、車両が到達した案内開始タイミングに対応する案内分岐点の案内を行う。具体的には、案内分岐点を特定させる案内と車両の案内分岐点での退出方向を特定する案内（即ち、車両が案内分岐点から退出する退出道路を特定させる為の案内）を行う。例えば、「まもなく左（右）方向です」との案内が前記Ｓ７の案内設定処理で設定され、その後、車両が案内分岐点の所定距離手前の地点に到達した場合には、「まもなく左（右）方向です」とのフレーズをスピーカ１６から出力する。一方、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内が前記Ｓ７の案内設定処理で設定され、その後、車両が隣接手前分岐点の所定距離手前の地点に到達した場合には、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」とのフレーズをスピーカ１６から出力する。更に、案内分岐点が車両の所定距離以内（例えば３００ｍ）に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について液晶ディスプレイ１５に表示する。
その結果、案内分岐点及び該案内分岐点から車両が退出する道路をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【００６３】
尚、通常は案内終了地点に車両が到達した時点で案内が終了するように案内分岐点の案内の発話を開始する。但し、案内終了地点に車両が到達するまでに案内の出力が終了するのであれば、案内の発話を開始するタイミングをより早くしても良い。例えば、車両の現在位置の検出誤差を考慮し、生じ得る最大の検出誤差（例えば３０ｍ）の距離分だけ案内開始のタイミングを早くしても良い。
【００６４】
次に、前記Ｓ７において実行される案内設定処理のサブ処理について図６に基づき説明する。図６は案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【００６５】
先ず、Ｓ１１においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ２で検出した車両の現在位置と地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３に基づいて、車両が現在走行する道路の道路種別を取得する。
【００６６】
次に、Ｓ１２においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１１で取得した車両が現在走行する道路の道路種別に基づいて、車両が高速道路の本線を走行しているか否か判定する。尚、高速道路としては高速自動車国道、自動車専用道路等が該当する。
【００６７】
そして、車両が高速道路の本線を走行していると判定された場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）には、Ｓ１４へと移行する。それに対して、車両が高速道路の本線を走行していないと判定された場合（Ｓ１２：ＮＯ）には、Ｓ１３へと移行する。
【００６８】
Ｓ１３においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、通常の案内分岐点の案内を設定する。ここで、前記Ｓ１３で設定される案内分岐点の案内としては、例えば、車両から案内分岐点までの距離と案内方向を示す案内（「３００ｍ（７００ｍ）先を左（右）方向です」等）がある。尚、分岐点に設置された信号機を用いた案内を設定しても良い。そして、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。例えば、「３００ｍ先を左（右）方向です」との案内が設定された場合には、案内分岐点から３００ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。その後、Ｓ８へと移行する。
【００６９】
一方、Ｓ１４においてＣＰＵ４１は、地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３及び分岐点データ３５に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点及び該案内分岐点の手前側にある手前分岐点の位置及び形状を取得する。具体的には、各分岐点のノード座標と、各分岐点に接続される道路の接続方向についてそれぞれ取得される。
【００７０】
次に、Ｓ１５においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１４で取得した案内分岐点及び手前分岐点の位置及び形状に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が有るか否か判定する。ここで、隣接手前分岐点は、前記したように手前分岐点の内、特に案内分岐点から所定距離（第１距離）以内（例えば３００ｍ以内）にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点をいう。
【００７１】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が有ると判定された場合（Ｓ１５：ＹＥＳ）には、Ｓ１７へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が無いと判定された場合（Ｓ１５：ＮＯ）には、Ｓ１６へと移行する。
【００７２】
Ｓ１６においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、「まもなく左（右）方向です」との案内を設定する。更に、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。具体的には、案内分岐点の所定距離手前の地点（より具体的には案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点）に案内終了地点を設定する。例えば、車両が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合には、案内分岐点の９７ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される（図３参照）。尚、車両の現在の車速は、車速センサ２２によって検出される。その後、Ｓ８へと移行する。
【００７３】
一方、Ｓ１７においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を設定する。更に、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。具体的には、隣接手前分岐点の所定の固定距離（第２距離）手前（より具体的には５０ｍ手前）の地点に案内終了地点を設定する（図４参照）。
【００７４】
次に、Ｓ１８においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が、特に短い所定距離（第３距離）以内であるか否か判定される。ここで、第３距離は上記第１距離よりも短い距離であって、より具体的には所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）の車両の走行距離から第２距離を差し引いた距離に相当する。ここで、図７に示すように案内分岐点５３に対して「まもなく左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される案内終了地点は、案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａ（準備地点）となる。また、案内分岐点５３に対して「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される案内終了地点は、隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂとなる。従って、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離Ｘが第３距離以内であるか否かは、案内分岐点に対して「まもなく左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される基本の案内終了地点よりも、案内分岐点に対して「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される基本の案内終了地点が車両の進行方向側に位置するか否かが判定されることとなる。
【００７５】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が所定距離（第３距離）以内であると判定された場合（Ｓ１８：ＹＥＳ）には、Ｓ１９へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が所定距離（第３距離）以内でないと判定された場合（Ｓ１８：ＮＯ）には、Ｓ２０へと移行する。
【００７６】
Ｓ１９においてＣＰＵ４１は、案内終了地点の位置を前記Ｓ１７で設定された基準位置から修正する。具体的には、隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂから、案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａ（準備地点）へと修正する（図７参照）。その結果、案内が終了してから案内分岐点に車両が到達するまでの時間が短すぎる場合において、案内終了タイミングが早くなるように修正することが可能となる。その後、Ｓ２０へと移行する。
【００７７】
Ｓ２０においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１４で取得した案内分岐点及び手前分岐点の位置及び形状に基づいて、隣接手前分岐点の手前側に更に連続手前分岐点が有るか否か判定する。ここで、連続手前分岐点は、手前分岐点の内、特に前記Ｓ１７で設定又は前記Ｓ１９で修正された案内終了地点から手前側の所定距離（第４距離）以内にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点をいう。また、第４距離は、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されていない場合には、固定の距離（例えば３００ｍ）とし、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正された場合には、案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な時間（例えば７ｓｅｃ）間で車両が走行する距離（例えば車両が１００ｋｍ／ｈで走行していた場合には１９４ｍ）を算出し、その算出値とする。尚、“案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な時間”には、実際の発話に必要な時間に所定の猶予時間を含めた時間とすることが好ましい。
【００７８】
従って、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されていない場合には、図８に示すように隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂに設定された案内終了地点の基本位置から更に固定の第４距離手前までの間に、案内分岐点５３と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点５５が存在するか否かが判定される。一方、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されている場合には、図９に示すように案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａに修正された案内終了地点の位置から更に車速によって変動する第４距離手前までの間に、案内分岐点５３と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点５５が存在するか否かが判定される。
【００７９】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して連続手前分岐点が有ると判定された場合（Ｓ２０：ＹＥＳ）には、Ｓ２１へと移行する。
【００８０】
Ｓ２１においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内として、「まもなく左（右）方向です」との案内を再設定する。即ち、前記Ｓ１７で設定された「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内から設定内容を変更する。更に、再設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても再設定される。具体的には、案内分岐点の所定距離手前の地点（より具体的には案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点）に案内終了地点を再設定する。尚、詳細はＳ１６と同様であるので省略する。その後、Ｓ８へと移行する。その結果、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況では、案内分岐点を基準とした通常の位置に案内終了地点を設定し、通常の案内で案内を行うことが可能となる。
【００８１】
一方、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して連続手前分岐点が無いと判定された場合（Ｓ２０：ＮＯ）には、案内分岐点に対する案内の設定の変更を行うことなくＳ８へと移行する。その場合には、前記Ｓ１７で設定された「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内により案内分岐点の案内が行われる。また、前記Ｓ１９において案内終了地点が修正されている場合には、修正後の案内終了地点に基づいて案内開始タイミングとなったか否かが判定される（Ｓ８）。
【００８２】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置１、ナビゲーション装置１を用いた移動案内方法及びナビゲーション装置１で実行されるコンピュータプログラムによれば、案内分岐点や手前分岐点の位置及び形状を取得し（Ｓ１４）、取得した各分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から第１距離以内にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定し（Ｓ１５）、隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点に案内終了地点を設定し（Ｓ１７）、設定された案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行う（Ｓ９）ので、案内分岐点の案内の発話を終了するタイミングを適切なタイミングに設定することによって、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
また、案内分岐点の案内の内、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内については、案内分岐点が移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むので、同形状の分岐点が連続して配置される状況においても連続する分岐点の内から案内分岐点をユーザに正確に特定させることが可能となる。
また、車両が高速道路の本線を走行する場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、車両が高速で走行するとともに形状が類似する分岐点が多く存在する状況において、特に案内分岐点を誤認させることを防止できる。
また、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が特に短い場合には、案内終了地点を案内経路の出発地側へと変更する（Ｓ１９）ので、案内が終了してから案内分岐点に車両が到達するまでに一定の時間を確保することが可能となる。その結果、案内分岐点を誤認させる虞を減少させるとともに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる。
また、特に案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が、案内分岐点から準備地点までの距離と第２距離の差分距離以下である場合に、準備地点へと案内終了地点を変更するので、隣接手前分岐点から第２距離手前の地点を案内終了地点とした場合に案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることができないことが予測される状況で、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる地点に案内終了地点を変更することが可能となる。
また、案内終了地点の手前に案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を除いて、隣接手前分岐点を基準とした適切な位置に案内終了地点を設定することが可能となる。
また、特に案内終了地点から案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な車両の走行距離手前までの間に、案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を適切に除外することが可能となる。
【００８３】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではナビゲーション装置１による案内分岐点の案内をスピーカ１６から音声案内により出力することにより行う構成としているが、液晶ディスプレイ１５に文章を表示することにより案内を行う構成としても良い。
【００８４】
また、本実施形態では、分岐点の位置に基づいて案内終了地点を設定することとしているが、分岐点の周辺に設置された地物（例えば、停止線や信号機）に基づいて設定する構成としても良い。
【００８５】
また、本実施形態では、高速道路の本線の走行時を対象として、隣接手前分岐点があるか否か判定し、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としているが、高速道路の本線以外の走行時を対象としても良い。例えば、有料道路の走行時や国道の走行時に適用しても良い。
【００８６】
また、本実施形態では、隣接手前分岐点が存在する場合において「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を設定することとしているが、そのフレーズ内容は適宜変更することが可能である。但し、案内分岐点が車両の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も進行方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことが望ましい。
【００８７】
また、本実施形態では、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が少なくとも１か所存在する場合において、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としているが、隣接手前分岐点が２か所以上存在する場合において、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としても良い。
【００８８】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、案内経路に基づく経路案内を行う機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やＰＤＡ等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等（以下、携帯端末等という）に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した分岐点案内処理プログラム（図５、図６）の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや２輪車等に対する走行案内を行う場合もある。
【符号の説明】
【００８９】
１ ナビゲーション装置
１３ ナビゲーションＥＣＵ
３１ 地図情報ＤＢ
３２ 案内フレーズ条件テーブル
４１ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４３ ＲＯＭ
５１ 車両
５２、５３ 案内分岐点
５４ 隣接手前分岐点
５５ 連続手前分岐点
【技術分野】
【０００１】
本発明は、案内経路に基づいて移動体の移動を案内する移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、車両の走行案内を行い、運転者が所望の目的地に容易に到着できるようにしたナビゲーション装置が車両に搭載されていることが多い。ここで、ナビゲーション装置とは、ＧＰＳ受信機などにより自車の現在位置を検出し、その現在位置に対応する地図データをＤＶＤ−ＲＯＭやＨＤＤなどの記録媒体またはネットワークを通じて取得して液晶モニタに表示することが可能な装置である。更に、かかるナビゲーション装置には、所望する目的地を入力すると、出発地から目的地までの最適経路を探索する経路探索機能を備えている。そして、探索結果に基づいて設定された案内経路をディスプレイ画面に表示するとともに、右左折等の案内の対象となる分岐点（以下、案内分岐点という）に接近した場合には音声やディスプレイ画面を用いた案内を行うことによって、ユーザを所望の目的地まで確実に案内するようになっている。また、近年は携帯電話機、ＰＤＡ（Personal Digital Assistant）、パーソナルコンピュータ等においても上記ナビゲーション装置と同様の機能を有するものがある。更に、車両以外にも歩行者や二輪車を対象として上記案内を行うことも可能である。
【０００３】
ここで、案内分岐点において右左折等の案内を行う場合には、案内分岐点をユーザに正確に特定させる必要がある。特に案内分岐点に隣接して案内分岐点と同方向（例えば、左斜め前方）に道路が接続された分岐点が他に存在する場合には、案内分岐点を他の分岐点と誤認させないように、案内分岐点の案内を行うタイミングを適切なタイミングに設定することが重要である。そこで、例えば特開平１０−１２２８９３号公報には、案内分岐点の手前側の所定距離以内に、案内分岐点と同方向に道路が接続された他の分岐点が存在する場合において、案内分岐点を案内するタイミングを該他の分岐点を通過するタイミングとする技術について提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平１０−１２２８９３号公報（第５頁、第６頁、図４、図５）
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記特許文献１に記載の技術のように、案内分岐点を案内するタイミングを手前側の分岐点を通過するタイミングとしたのみでは、依然として案内分岐点を誤認させる虞があった。
【０００６】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、案内分岐点の案内の発話を終了するタイミングを適切なタイミングに設定することによって、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることのない移動案内システム、移動案内装置、移動案内方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
前記目的を達成するため本願の請求項１に係る移動案内システム（１）は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定手段（１３）と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段（１３）と、前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段（１３）と、を有することを特徴とする。
尚、「移動体」としては、車両以外に、歩行者や二輪車も含む。
また、「案内分岐点」とは、案内経路に従って移動体の移動の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点が該当する。
【０００８】
また、請求項２に係る移動案内システム（１）は、請求項１に記載の移動案内システムであって、前記案内分岐点（５２、５３）の案内は、前記案内分岐点が前記移動体（５１）の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も前記移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことを特徴とする。
尚、「フレーズ」は、句に相当する。
【０００９】
また、請求項３に係る移動案内システム（１）は、請求項１又は請求項２に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）が位置する道路の道路種別を取得する道路種別取得手段（１３）を有し、前記分岐点案内手段（１３）は、前記移動体が高速道路の本線に位置する場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする。
【００１０】
また、請求項４に係る移動案内システム（１）は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記案内分岐点（５２、５３）から前記隣接手前分岐点（５４）までの距離が前記第１距離よりも短い所定の第３距離以内にある場合に、前記案内終了地点を前記案内経路の出発地側へ変更する案内終了地点変更手段（１３）を有することを特徴とする。
【００１１】
また、請求項５に係る移動案内システム（１）は、請求項４に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）の移動速度を取得する移動速度取得手段（１３）と、前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点に前記移動体が到達する所定時間前の前記移動体が位置する地点である準備地点を取得する準備地点取得手段（１３）と、を有し、前記第３距離は、前記案内分岐点から前記準備地点までの距離と前記第２距離の差分距離であることを特徴とする。
【００１２】
また、請求項６に係る移動案内システム（１）は、請求項５に記載の移動案内システムであって、前記案内終了地点変更手段（１３）は、前記準備地点に前記案内終了地点を変更することを特徴とする。
【００１３】
また、請求項７に係る移動案内システム（１）は、請求項１乃至請求項６のいずれかに記載の移動案内システムであって、前記手前分岐点情報取得手段（１３）により取得した情報に基づいて、前記案内終了地点から前記案内経路の出発地側の所定の第４距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である連続手前分岐点（５５）があるか否か判定する連続手前分岐点判定手段（１３）を有し、前記分岐点案内手段（１３）は、前記連続手前分岐点判定手段により前記連続手前分岐点が無いと判定された場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする。
【００１４】
また、請求項８に係る移動案内システム（１）は、請求項７に記載の移動案内システムであって、前記移動体（５１）の移動速度を取得する移動速度取得手段（１３）と、前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点（５２、５３）の案内の発話を行うのに必要な前記移動体の移動距離である必要移動距離を取得する必要移動距離取得手段（１３）と、を有し、前記第４距離は、前記必要移動距離であることを特徴とする。
【００１５】
また、請求項９に係る移動案内装置（１）は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定手段（１３）と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段（１３）と、前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段（１３）と、前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段（１３）と、を有することを特徴とする。
【００１６】
また、請求項１０に係る移動案内方法は、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定ステップと、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得ステップと、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得ステップと、前記案内分岐点取得ステップにより取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得ステップにより取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定ステップと、前記隣接手前分岐点判定ステップにより前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有することを特徴とする。
【００１７】
更に、請求項１１に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、移動体（５１）の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点（５２、５３）を設定する案内経路設定機能と、前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得機能と、前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得機能と、前記案内分岐点取得機能により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得機能により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点（５４）があるか否か判定する隣接手前分岐点判定機能と、前記隣接手前分岐点判定機能により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１８】
前記構成を有する請求項１に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００１９】
また、請求項２に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点の案内は、案内分岐点が移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むので、同形状の分岐点が連続して配置される状況においても連続する分岐点の内から案内分岐点をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【００２０】
また、請求項３に記載の移動案内システムによれば、移動体が高速道路の本線に位置する場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、移動体が高速で移動するとともに形状が類似する分岐点が多く存在する状況において、特に案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２１】
また、請求項４に記載の移動案内システムによれば、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が特に短い場合には、案内終了地点を案内経路の出発地側へと変更するので、案内が終了してから案内分岐点に移動体が到達するまでに一定の時間を確保することが可能となる。その結果、案内分岐点を誤認させる虞を減少させるとともに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる
【００２２】
また、請求項５に記載の移動案内システムによれば、特に案内分岐点から準備地点までの距離と第２距離の差分距離以下である場合に案内終了地点を変更するので、隣接手前分岐点から第２距離手前の地点を案内終了地点とした場合に案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることができないことが予測される状況で、案内終了地点を適切な位置へと修正することが可能となる。
【００２３】
また、請求項６に記載の移動案内システムによれば、案内が終了してから案内分岐点に移動体が到達するまでに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる地点に案内終了地点を変更することが可能となる。
【００２４】
また、請求項７に記載の移動案内システムによれば、案内終了地点の手前に案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を除いて、隣接手前分岐点を基準とした適切な位置に案内終了地点を設定することが可能となる。
【００２５】
また、請求項８に記載の移動案内システムによれば、特に案内終了地点から案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な移動体の移動距離手前までの間に、案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を適切に除外することが可能となる。
【００２６】
また、請求項９に記載の移動案内装置によれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２７】
また、請求項１０に記載の移動案内方法によれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【００２８】
更に、請求項１１に記載のコンピュータプログラムによれば、案内分岐点の近傍に案内分岐点と同方向に道路が接続された隣接手前分岐点がある場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行わせるので、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【００２９】
【図１】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図２】案内フレーズ条件テーブルの一例を示した図である。
【図３】案内フレーズ条件テーブルで規定された案内終了地点を説明した図である。
【図４】案内フレーズ条件テーブルで規定された案内終了地点を説明した図である。
【図５】本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。
【図６】本実施形態に係る案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【図７】隣接手前分岐点が存在する場合における案内終了地点の設定方法について説明した図である。
【図８】案内終了地点の修正をしなかった場合における連続手前分岐点の判定基準について説明した図である。
【図９】案内終了地点の修正をした場合における連続手前分岐点の判定基準について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【００３０】
以下、本発明に係る移動案内システム及び移動案内装置をナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置１の概略構成について図１を用いて説明する。図１は本実施形態に係るナビゲーション装置１を示したブロック図である。
【００３１】
図１に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置１は、ナビゲーション装置１が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部１１と、各種のデータが記録されたデータ記録部１２と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションＥＣＵ１３と、ユーザからの操作を受け付ける操作部１４と、ユーザに対して車両周辺の地図や施設の関する施設情報を表示する液晶ディスプレイ１５と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ１６と、記憶媒体であるＤＶＤを読み取るＤＶＤドライブ１７と、プローブセンタやＶＩＣＳ（登録商標：Vehicle Information and Communication System）センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール１８と、から構成されている。
【００３２】
以下に、ナビゲーション装置１を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部１１は、ＧＰＳ２１、車速センサ２２、ステアリングセンサ２３、ジャイロセンサ２４等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ２２は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションＥＣＵ１３に出力する。そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記５種類のセンサをナビゲーション装置１が全て備える必要はなく、これらの内の１又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置１が備える構成としても良い。
【００３３】
また、データ記録部１２は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク（図示せず）と、ハードディスクに記録された地図情報ＤＢ３１や案内フレーズ条件テーブル３２や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド（図示せず）とを備えている。尚、データ記録部１２をハードディスクの代わりにメモリーカードやＣＤやＤＶＤ等の光ディスクにより構成しても良い。
【００３４】
ここで、地図情報ＤＢ３１は、例えば、道路（リンク）に関するリンクデータ３３、ノード点に関するノードデータ３４、各分岐点に関する分岐点データ３５、施設等の地点に関する地点データ、地図を表示するための地図表示データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【００３５】
ここで、リンクデータ３３としては、例えば、該リンクを識別するリンクＩＤ、該リンクの端部に位置するノードを特定する端部ノード情報、該リンクを構成する道路の道路種別、車線数等が記憶される。また、ノードデータ３４としては、該ノードを識別するノードＩＤ、該ノードの位置座標、該ノードがリンクを介して接続される接続先ノードを特定する接続先ノード情報等が記憶される。また、分岐点データ３５としては、該分岐点（交差点）を形成するノードを特定する該当ノード情報、該分岐点に接続されるリンク（以下、接続リンクという）を特定する接続リンク情報、分岐点の周辺に設置された信号機や停止線に関する地物情報等が記憶される。
【００３６】
そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、後述のように地図情報ＤＢ３１に記憶された各データに基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点と該案内分岐点よりも案内経路の出発地側に存在する分岐点（以下、手前分岐点という）を特定する。更に、手前分岐点の内、特に案内分岐点から所定距離以内（例えば３００ｍ以内）にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点を隣接手前分岐点として特定する。尚、案内分岐点とは、ナビゲーション装置１に設定されている案内経路に従ってナビゲーション装置１が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【００３７】
また、案内フレーズ条件テーブル３２は、案内分岐点を案内する為の案内について、発話されるフレーズの内容とともに、案内の発話を出力する為に必要な時間や、案内の発話を終了する必要のある地点（即ち、その地点に車両が到達する前に案内分岐点の案内を終了する必要がある地点）である案内終了地点等がそれぞれ対応付けられて記憶されたテーブルである。
【００３８】
以下に、案内フレーズ条件テーブル３２について具体例を挙げてより詳細に説明する。図２は案内フレーズ条件テーブル３２の一例を示した図である。図３及び図４は、図２に示す案内フレーズ条件テーブル３２で規定された案内終了地点を説明した図である。尚、図２に示す案内は、案内分岐点で行われる案内の内、特に高速道路の本線の走行中において案内分岐点での右左折の案内を行う場合に出力される案内について示す。高速道路の本線における分岐点としては、例えば、方面毎に道路が区分される分岐点、インターチェンジの出口へ進入する為の分岐点、ＰＡやＳＡの入口等がある。また、以下に示すように高速道路の本線の走行中において案内分岐点の案内を行う場合に発話されるフレーズの内容は、隣接手前分岐点が存在するか否かによって異なる。例えば、隣接手前分岐点が存在しない場合には基本的に「まもなく左（右）方向です」との案内フレーズが出力され、隣接手前分岐点が存在する場合には基本的に「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内フレーズが出力される。但し、例外的に隣接手前分岐点の手前側の所定距離以内に更に案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点がある場合には、隣接手前分岐点が存在する場合であっても例外的に「まもなく左（右）方向です」との案内フレーズが出力される場合がある。
【００３９】
ここで、「まもなく左（右）方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点の案内が終了してから案内分岐点に進入するまでに車両操作の為の所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）が確保できるように、案内の発話を開始し且つ終了する。即ち、「まもなく左（右）方向です」との案内に対しては、案内終了地点を案内分岐点の所定距離手前の地点（案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間前の車両が位置する地点）に設定する。従って、図３に示すように、車両５１が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合であって、車両５１の進行方向前方に案内分岐点５２がある場合には、案内分岐点５２の９７ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。その結果、案内を受けたユーザは、案内分岐点５２を明確に特定することが可能になるとともに、案内分岐点５２に進入するまでに車両の準備操作（例えば、車線変更、方向指示器の点灯）を行うことが可能となる。
【００４０】
一方、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を行う場合には、案内分岐点の案内が終了してから隣接手間分岐点と案内分岐点とがそれぞれ余裕を持って認識できるように、案内の発話を開始し且つ終了する。即ち、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内に対しては、案内終了地点を隣接手前分岐点の所定距離手前（固定値であり、例えば５０ｍ手前）に設定する。従って、図４に示すように、車両５１が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合であって、車両５１の進行方向前方に案内分岐点５３と隣接手前分岐点５４がある場合には、隣接手前分岐点５４の５０ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。そして、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内フレーズには、案内分岐点が車両の進行方向前方に連続してある複数の分岐点（図４では隣接手前分岐点５４と案内分岐点５３）の内、最も進行方向側にある分岐点であることを特定するフレーズである“奥の分岐”を含むので、案内を受けたユーザは、隣接手前分岐点５４が存在する場合であっても案内分岐点５３を明確に特定することが可能になる。尚、後述するように隣接手間分岐点と案内分岐点との距離が特に短い場合には、案内終了地点は基本の地点（隣接手前分岐点の５０ｍ手前の地点）よりも手前側（出発地側）へと修正される。
【００４１】
案内フレーズ条件テーブル３２には、同様にして他の案内についても記憶されている。尚、案内分岐点の案内方向は、左（右）方向以外に、右（左）斜め方向や右（左）手前方向等も存在する。また、案内方向によって案内を出力する為に必要な時間も変化する。また、案内終了地点を特定する各数値（９７ｍ、５０ｍ等）は適宜変更することが可能である。
そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、後述のように案内経路の形状や案内経路上に設置された分岐点の位置情報や案内フレーズ条件テーブル３２等に基づいて、適切な案内分岐点の案内を設定し、設定された案内分岐点の案内に対応づけられた案内終了地点に車両が到達するまでに案内が終了するように案内の出力を行う。
【００４２】
一方、ナビゲーションＥＣＵ（エレクトロニック・コントロール・ユニット）１３は、ナビゲーション装置１の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのＣＰＵ４１、並びにＣＰＵ４１が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるＲＡＭ４２、制御用のプログラムのほか、後述の分岐点案内処理プログラム（図５、図６参照）等が記録されたＲＯＭ４３、ＲＯＭ４３から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ４４等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションＥＣＵ１３は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、案内経路設定手段は、車両（移動体）の移動を案内する出発地（例えば、車両の現在位置）から目的地までの案内経路及び案内分岐点を設定する。案内分岐点取得手段は、案内分岐点の位置及び形状を取得する。手前分岐点取得手段は、案内分岐点よりも案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する。隣接手前分岐点判定手段は、案内分岐点の位置及び形状と手前分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から所定の第１距離以内（例えば３００ｍ以内）にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する。分岐点案内手段は、隣接手前分岐点判定手段により隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前（例えば５０ｍ手前）の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行う。道路種別取得手段は、車両が位置する道路の道路種別を取得する。移動速度取得手段は、車両の現在の車速を取得する。準備地点取得手段は、車両の現在の車速に基づいて、案内分岐点に車両が到達する所定時間前の車両が位置する地点である準備地点を取得する。連続手前分岐点判定手段は、案内終了地点から案内経路の出発地側の所定の第４距離以内（例えば３００ｍ以内）にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である連続手前分岐点があるか否か判定する。必要移動距離取得手段は、車両の車速に基づいて、案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な車両の走行距離である必要移動距離を取得する。
【００４３】
操作部１４は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ（図示せず）から構成される。そして、ナビゲーションＥＣＵ１３は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部１４は液晶ディスプレイ１５の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
【００４４】
また、液晶ディスプレイ１５には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方の所定距離以内（例えば３００ｍ）に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について表示する。
【００４５】
また、スピーカ１６は、ナビゲーションＥＣＵ１３からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。特に本実施形態では、案内分岐点が車両の進行方向前方にある場合には、案内内容に基づく所定の案内の開始タイミング（例えば、「まもなく左方向です」との音声案内を出力する場合には、案内分岐点の所定距離手前までに案内が終了できる（図３参照）タイミング）で案内分岐点の音声案内を出力する。
【００４６】
また、ＤＶＤドライブ１７は、ＤＶＤやＣＤ等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報ＤＢ３１の更新等が行われる。
【００４７】
また、通信モジュール１８は、交通情報センタ、例えば、ＶＩＣＳセンタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やＤＣＭが該当する。
【００４８】
続いて、前記構成を有するナビゲーション装置１においてナビゲーションＥＣＵ１３が実行する分岐点案内処理プログラムについて図５に基づき説明する。図５は本実施形態に係る分岐点案内処理プログラムのフローチャートである。ここで、分岐点案内処理プログラムは車両のＡＣＣがＯＮされた後に所定間隔（例えば車両の現在位置の検出周期毎）で繰り返し実行され、案内経路上にある案内分岐点に対する案内を行うプログラムである。尚、以下の図５、図６にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置１が備えているＲＡＭ４２やＲＯＭ４３に記憶されており、ＣＰＵ４１により実行される。
【００４９】
先ず、分岐点案内処理プログラムではステップ（以下、Ｓと略記する）１において、ＣＰＵ４１は、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われているか否か判定する。ここで、案内経路は、出発地（例えば自車の現在位置）からユーザに選択された目的地までの推奨経路であり、経路探索処理の結果に基づいて設定される。また、経路探索処理は、地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３やノードデータ３４、ＶＩＣＳセンタから取得した交通情報等を用いて、公知のダイクストラ法等により行われる。
【００５０】
そして、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていると判定された場合（Ｓ１：ＹＥＳ）には、Ｓ２へと移行する。それに対して、ナビゲーション装置１において設定された案内経路に基づく経路案内が行われていないと判定された場合（Ｓ１：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００５１】
Ｓ２においてＣＰＵ４１は、車両の現在位置を現在位置検出部１１の検出結果に基づいて取得する。尚、車両の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報ＤＢと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
【００５２】
次に、Ｓ３においてＣＰＵ４１は、ナビゲーション装置１において設定されている案内経路（案内経路中の案内分岐点を含む）を取得する。
【００５３】
続いて、Ｓ４においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ２で取得した車両の現在位置と前記Ｓ３で取得した案内経路に基づいて、車両の進行方向前方の所定距離以内（例えば、１．４７ｋｍ以内）に案内分岐点が有るか否か判定する。尚、案内分岐点とは、前記したようにナビゲーション装置１に設定された案内経路に従ってナビゲーション装置１が走行の案内を行う際に、右左折指示等の案内を行う対象となる分岐点である。
【００５４】
そして、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が有ると判定された場合（Ｓ４：ＹＥＳ）には、Ｓ５へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方の所定距離以内に案内分岐点が無いと判定された場合（Ｓ４：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００５５】
Ｓ５においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたか否か判定する。尚、前記Ｓ５では、案内分岐点に対する案内の内、特に案内分岐点での右左折等を指示する音声案内が行われたか否かを判定する。
【００５６】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に行われたと判定された場合（Ｓ５：ＹＥＳ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が行われていないと判定された場合（Ｓ５：ＮＯ）には、Ｓ６へと移行する。
【００５７】
Ｓ６においてＣＰＵ４１は、後述のＳ７で実行される案内設定処理によって、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されているか否か判定する。
【００５８】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内が既に設定されていると判定された場合（Ｓ６：ＹＥＳ）には、Ｓ８へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内がまだ設定されていないと判定された場合（Ｓ６：ＮＯ）には、Ｓ７へと移行する。
【００５９】
Ｓ７においてＣＰＵ４１は、後述の案内設定処理（図６）を実行する。尚、案内設定処理は、後述のように分岐点の位置や形状に基づいて、車両の進行方向前方に位置する案内分岐点に対して適当な案内を設定する処理である。
【００６０】
次に、Ｓ８においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始するタイミングである案内開始タイミングとなったか否かを判定する。尚、案内開始タイミングとしては、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内に対応づけられた案内終了地点に車両が到達するまでに案内が終了するタイミング（例えば案内終了地点に車両が到達する時点で案内が終了するタイミング）が設定される。具体的には、車両の現在の車速と案内を出力する為に必要な時間と案内終了地点とに基づいて、案内開始タイミングが設定される。尚、案内終了地点は案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて後述の案内設定処理（図６）により案内内容とともに設定される。また、車両の現在の車速は車速センサ２２により検出され、案内を出力する為に必要な時間は案内フレーズ条件テーブル３２（図２）から取得される。
【００６１】
そして、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始する案内開始タイミングとなったと判定された場合（Ｓ８：ＹＥＳ）には、Ｓ９へと移行する。それに対して、前記Ｓ７で設定された案内分岐点の案内を開始する案内開始タイミングとなっていないと判定された場合（Ｓ８：ＮＯ）には、当該分岐点案内処理プログラムを終了する。
【００６２】
Ｓ９においてＣＰＵ４１は、車両が到達した案内開始タイミングに対応する案内分岐点の案内を行う。具体的には、案内分岐点を特定させる案内と車両の案内分岐点での退出方向を特定する案内（即ち、車両が案内分岐点から退出する退出道路を特定させる為の案内）を行う。例えば、「まもなく左（右）方向です」との案内が前記Ｓ７の案内設定処理で設定され、その後、車両が案内分岐点の所定距離手前の地点に到達した場合には、「まもなく左（右）方向です」とのフレーズをスピーカ１６から出力する。一方、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内が前記Ｓ７の案内設定処理で設定され、その後、車両が隣接手前分岐点の所定距離手前の地点に到達した場合には、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」とのフレーズをスピーカ１６から出力する。更に、案内分岐点が車両の所定距離以内（例えば３００ｍ）に接近した場合には、案内分岐点付近の拡大図や車両の案内分岐点における進行方向について液晶ディスプレイ１５に表示する。
その結果、案内分岐点及び該案内分岐点から車両が退出する道路をユーザに正確に特定させることが可能となる。
【００６３】
尚、通常は案内終了地点に車両が到達した時点で案内が終了するように案内分岐点の案内の発話を開始する。但し、案内終了地点に車両が到達するまでに案内の出力が終了するのであれば、案内の発話を開始するタイミングをより早くしても良い。例えば、車両の現在位置の検出誤差を考慮し、生じ得る最大の検出誤差（例えば３０ｍ）の距離分だけ案内開始のタイミングを早くしても良い。
【００６４】
次に、前記Ｓ７において実行される案内設定処理のサブ処理について図６に基づき説明する。図６は案内設定処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。
【００６５】
先ず、Ｓ１１においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ２で検出した車両の現在位置と地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３に基づいて、車両が現在走行する道路の道路種別を取得する。
【００６６】
次に、Ｓ１２においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１１で取得した車両が現在走行する道路の道路種別に基づいて、車両が高速道路の本線を走行しているか否か判定する。尚、高速道路としては高速自動車国道、自動車専用道路等が該当する。
【００６７】
そして、車両が高速道路の本線を走行していると判定された場合（Ｓ１２：ＹＥＳ）には、Ｓ１４へと移行する。それに対して、車両が高速道路の本線を走行していないと判定された場合（Ｓ１２：ＮＯ）には、Ｓ１３へと移行する。
【００６８】
Ｓ１３においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、通常の案内分岐点の案内を設定する。ここで、前記Ｓ１３で設定される案内分岐点の案内としては、例えば、車両から案内分岐点までの距離と案内方向を示す案内（「３００ｍ（７００ｍ）先を左（右）方向です」等）がある。尚、分岐点に設置された信号機を用いた案内を設定しても良い。そして、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。例えば、「３００ｍ先を左（右）方向です」との案内が設定された場合には、案内分岐点から３００ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される。その後、Ｓ８へと移行する。
【００６９】
一方、Ｓ１４においてＣＰＵ４１は、地図情報ＤＢ３１に記憶されたリンクデータ３３及び分岐点データ３５に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点及び該案内分岐点の手前側にある手前分岐点の位置及び形状を取得する。具体的には、各分岐点のノード座標と、各分岐点に接続される道路の接続方向についてそれぞれ取得される。
【００７０】
次に、Ｓ１５においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１４で取得した案内分岐点及び手前分岐点の位置及び形状に基づいて、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が有るか否か判定する。ここで、隣接手前分岐点は、前記したように手前分岐点の内、特に案内分岐点から所定距離（第１距離）以内（例えば３００ｍ以内）にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点をいう。
【００７１】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が有ると判定された場合（Ｓ１５：ＹＥＳ）には、Ｓ１７へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が無いと判定された場合（Ｓ１５：ＮＯ）には、Ｓ１６へと移行する。
【００７２】
Ｓ１６においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、「まもなく左（右）方向です」との案内を設定する。更に、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。具体的には、案内分岐点の所定距離手前の地点（より具体的には案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点）に案内終了地点を設定する。例えば、車両が高速道路の本線を１００ｋｍ／ｈで走行する場合には、案内分岐点の９７ｍ手前の地点が案内終了地点に設定される（図３参照）。尚、車両の現在の車速は、車速センサ２２によって検出される。その後、Ｓ８へと移行する。
【００７３】
一方、Ｓ１７においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を設定する。更に、設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても設定される。具体的には、隣接手前分岐点の所定の固定距離（第２距離）手前（より具体的には５０ｍ手前）の地点に案内終了地点を設定する（図４参照）。
【００７４】
次に、Ｓ１８においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が、特に短い所定距離（第３距離）以内であるか否か判定される。ここで、第３距離は上記第１距離よりも短い距離であって、より具体的には所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）の車両の走行距離から第２距離を差し引いた距離に相当する。ここで、図７に示すように案内分岐点５３に対して「まもなく左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される案内終了地点は、案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａ（準備地点）となる。また、案内分岐点５３に対して「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される案内終了地点は、隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂとなる。従って、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離Ｘが第３距離以内であるか否かは、案内分岐点に対して「まもなく左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される基本の案内終了地点よりも、案内分岐点に対して「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内を行うことを設定した場合に設定される基本の案内終了地点が車両の進行方向側に位置するか否かが判定されることとなる。
【００７５】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が所定距離（第３距離）以内であると判定された場合（Ｓ１８：ＹＥＳ）には、Ｓ１９へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方にある案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が所定距離（第３距離）以内でないと判定された場合（Ｓ１８：ＮＯ）には、Ｓ２０へと移行する。
【００７６】
Ｓ１９においてＣＰＵ４１は、案内終了地点の位置を前記Ｓ１７で設定された基準位置から修正する。具体的には、隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂから、案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａ（準備地点）へと修正する（図７参照）。その結果、案内が終了してから案内分岐点に車両が到達するまでの時間が短すぎる場合において、案内終了タイミングが早くなるように修正することが可能となる。その後、Ｓ２０へと移行する。
【００７７】
Ｓ２０においてＣＰＵ４１は、前記Ｓ１４で取得した案内分岐点及び手前分岐点の位置及び形状に基づいて、隣接手前分岐点の手前側に更に連続手前分岐点が有るか否か判定する。ここで、連続手前分岐点は、手前分岐点の内、特に前記Ｓ１７で設定又は前記Ｓ１９で修正された案内終了地点から手前側の所定距離（第４距離）以内にあって、案内分岐点と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点をいう。また、第４距離は、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されていない場合には、固定の距離（例えば３００ｍ）とし、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正された場合には、案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な時間（例えば７ｓｅｃ）間で車両が走行する距離（例えば車両が１００ｋｍ／ｈで走行していた場合には１９４ｍ）を算出し、その算出値とする。尚、“案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な時間”には、実際の発話に必要な時間に所定の猶予時間を含めた時間とすることが好ましい。
【００７８】
従って、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されていない場合には、図８に示すように隣接手前分岐点５４の第２距離（例えば５０ｍ）手前の地点Ｂに設定された案内終了地点の基本位置から更に固定の第４距離手前までの間に、案内分岐点５３と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点５５が存在するか否かが判定される。一方、前記Ｓ１９で案内終了地点が修正されている場合には、図９に示すように案内分岐点５３に車両５１が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点Ａに修正された案内終了地点の位置から更に車速によって変動する第４距離手前までの間に、案内分岐点５３と同方向（例えば左斜め前方）に道路が接続された手前分岐点５５が存在するか否かが判定される。
【００７９】
そして、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して連続手前分岐点が有ると判定された場合（Ｓ２０：ＹＥＳ）には、Ｓ２１へと移行する。
【００８０】
Ｓ２１においてＣＰＵ４１は、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対する案内として、「まもなく左（右）方向です」との案内を再設定する。即ち、前記Ｓ１７で設定された「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内から設定内容を変更する。更に、再設定された案内と案内フレーズ条件テーブル３２（図２）に基づいて案内終了地点についても再設定される。具体的には、案内分岐点の所定距離手前の地点（より具体的には案内分岐点に車両が到達する所定の準備時間（例えば３．５ｓｅｃ）前の車両が位置する地点）に案内終了地点を再設定する。尚、詳細はＳ１６と同様であるので省略する。その後、Ｓ８へと移行する。その結果、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況では、案内分岐点を基準とした通常の位置に案内終了地点を設定し、通常の案内で案内を行うことが可能となる。
【００８１】
一方、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して連続手前分岐点が無いと判定された場合（Ｓ２０：ＮＯ）には、案内分岐点に対する案内の設定の変更を行うことなくＳ８へと移行する。その場合には、前記Ｓ１７で設定された「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内により案内分岐点の案内が行われる。また、前記Ｓ１９において案内終了地点が修正されている場合には、修正後の案内終了地点に基づいて案内開始タイミングとなったか否かが判定される（Ｓ８）。
【００８２】
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置１、ナビゲーション装置１を用いた移動案内方法及びナビゲーション装置１で実行されるコンピュータプログラムによれば、案内分岐点や手前分岐点の位置及び形状を取得し（Ｓ１４）、取得した各分岐点の位置及び形状に基づいて、案内分岐点から第１距離以内にある手前分岐点であって、案内分岐点と同方向に道路が接続された手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定し（Ｓ１５）、隣接手前分岐点があると判定された場合に、隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点に案内終了地点を設定し（Ｓ１７）、設定された案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行う（Ｓ９）ので、案内分岐点の案内の発話を終了するタイミングを適切なタイミングに設定することによって、案内分岐点を他の分岐点と誤認させ易い状況においても案内分岐点を誤認させることを防止できる。
また、案内分岐点の案内の内、「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」の案内については、案内分岐点が移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むので、同形状の分岐点が連続して配置される状況においても連続する分岐点の内から案内分岐点をユーザに正確に特定させることが可能となる。
また、車両が高速道路の本線を走行する場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、車両が高速で走行するとともに形状が類似する分岐点が多く存在する状況において、特に案内分岐点を誤認させることを防止できる。
また、案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が特に短い場合には、案内終了地点を案内経路の出発地側へと変更する（Ｓ１９）ので、案内が終了してから案内分岐点に車両が到達するまでに一定の時間を確保することが可能となる。その結果、案内分岐点を誤認させる虞を減少させるとともに、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる。
また、特に案内分岐点から隣接手前分岐点までの距離が、案内分岐点から準備地点までの距離と第２距離の差分距離以下である場合に、準備地点へと案内終了地点を変更するので、隣接手前分岐点から第２距離手前の地点を案内終了地点とした場合に案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることができないことが予測される状況で、案内分岐点に対するユーザの準備操作を適切に行わせることが可能となる地点に案内終了地点を変更することが可能となる。
また、案内終了地点の手前に案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を除いて、隣接手前分岐点を基準とした適切な位置に案内終了地点を設定することが可能となる。
また、特に案内終了地点から案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な車両の走行距離手前までの間に、案内分岐点と同方向に道路が接続された連続手前分岐点が無い場合において、隣接手前分岐点から所定距離手前の地点である案内終了地点に車両が位置するタイミングで案内の発話を終了するように案内分岐点の案内を行うので、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定することによって逆に案内分岐点を誤認させる可能性が高くなる状況を適切に除外することが可能となる。
【００８３】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではナビゲーション装置１による案内分岐点の案内をスピーカ１６から音声案内により出力することにより行う構成としているが、液晶ディスプレイ１５に文章を表示することにより案内を行う構成としても良い。
【００８４】
また、本実施形態では、分岐点の位置に基づいて案内終了地点を設定することとしているが、分岐点の周辺に設置された地物（例えば、停止線や信号機）に基づいて設定する構成としても良い。
【００８５】
また、本実施形態では、高速道路の本線の走行時を対象として、隣接手前分岐点があるか否か判定し、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としているが、高速道路の本線以外の走行時を対象としても良い。例えば、有料道路の走行時や国道の走行時に適用しても良い。
【００８６】
また、本実施形態では、隣接手前分岐点が存在する場合において「まもなく奥の分岐を左（右）方向です」との案内を設定することとしているが、そのフレーズ内容は適宜変更することが可能である。但し、案内分岐点が車両の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も進行方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことが望ましい。
【００８７】
また、本実施形態では、車両の進行方向前方にある案内分岐点に対して隣接手前分岐点が少なくとも１か所存在する場合において、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としているが、隣接手前分岐点が２か所以上存在する場合において、隣接手前分岐点を基準とした位置に案内終了地点を設定する構成としても良い。
【００８８】
また、本発明はナビゲーション装置以外に、案内経路に基づく経路案内を行う機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機やＰＤＡ等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤ等（以下、携帯端末等という）に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した分岐点案内処理プログラム（図５、図６）の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。また、本発明を携帯端末等に適用する場合には、車両以外の移動体、例えば、携帯端末等のユーザや２輪車等に対する走行案内を行う場合もある。
【符号の説明】
【００８９】
１ ナビゲーション装置
１３ ナビゲーションＥＣＵ
３１ 地図情報ＤＢ
３２ 案内フレーズ条件テーブル
４１ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４３ ＲＯＭ
５１ 車両
５２、５３ 案内分岐点
５４ 隣接手前分岐点
５５ 連続手前分岐点
【特許請求の範囲】
【請求項１】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段と、
前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段と、
前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有することを特徴とする移動案内システム。
【請求項２】
前記案内分岐点の案内は、前記案内分岐点が前記移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も前記移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことを特徴とする請求項１に記載の移動案内システム。
【請求項３】
前記移動体が位置する道路の道路種別を取得する道路種別取得手段を有し、
前記分岐点案内手段は、前記移動体が高速道路の本線に位置する場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の移動案内システム。
【請求項４】
前記案内分岐点から前記隣接手前分岐点までの距離が前記第１距離よりも短い所定の第３距離以内にある場合に、前記案内終了地点を前記案内経路の出発地側へ変更する案内終了地点変更手段を有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項５】
前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段と、
前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点に前記移動体が到達する所定時間前の前記移動体が位置する地点である準備地点を取得する準備地点取得手段と、を有し、
前記第３距離は、前記案内分岐点から前記準備地点までの距離と前記第２距離の差分距離であることを特徴とする請求項４に記載の移動案内システム。
【請求項６】
前記案内終了地点変更手段は、前記準備地点に前記案内終了地点を変更することを特徴とする請求項５に記載の移動案内システム。
【請求項７】
前記手前分岐点情報取得手段により取得した情報に基づいて、前記案内終了地点から前記案内経路の出発地側の所定の第４距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である連続手前分岐点があるか否か判定する連続手前分岐点判定手段を有し、
前記分岐点案内手段は、前記連続手前分岐点判定手段により前記連続手前分岐点が無いと判定された場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに移動案内システム。
【請求項８】
前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段と、
前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な前記移動体の移動距離である必要移動距離を取得する必要移動距離取得手段と、を有し、
前記第４距離は、前記必要移動距離であることを特徴とする請求項７に記載の移動案内システム。
【請求項９】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段と、
前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段と、
前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有することを特徴とする移動案内装置。
【請求項１０】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定ステップと、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得ステップと、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得ステップと、
前記案内分岐点取得ステップにより取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得ステップにより取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定ステップと、
前記隣接手前分岐点判定ステップにより前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有することを特徴とする移動案内方法。
【請求項１１】
コンピュータに、
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定機能と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得機能と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得機能と、
前記案内分岐点取得機能により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得機能により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定機能と、
前記隣接手前分岐点判定機能により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項１】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段と、
前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段と、
前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有することを特徴とする移動案内システム。
【請求項２】
前記案内分岐点の案内は、前記案内分岐点が前記移動体の前方に連続してある複数の分岐点の内、最も前記移動体の移動方向側にある分岐点であることを特定するフレーズを含むことを特徴とする請求項１に記載の移動案内システム。
【請求項３】
前記移動体が位置する道路の道路種別を取得する道路種別取得手段を有し、
前記分岐点案内手段は、前記移動体が高速道路の本線に位置する場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の移動案内システム。
【請求項４】
前記案内分岐点から前記隣接手前分岐点までの距離が前記第１距離よりも短い所定の第３距離以内にある場合に、前記案内終了地点を前記案内経路の出発地側へ変更する案内終了地点変更手段を有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の移動案内システム。
【請求項５】
前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段と、
前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点に前記移動体が到達する所定時間前の前記移動体が位置する地点である準備地点を取得する準備地点取得手段と、を有し、
前記第３距離は、前記案内分岐点から前記準備地点までの距離と前記第２距離の差分距離であることを特徴とする請求項４に記載の移動案内システム。
【請求項６】
前記案内終了地点変更手段は、前記準備地点に前記案内終了地点を変更することを特徴とする請求項５に記載の移動案内システム。
【請求項７】
前記手前分岐点情報取得手段により取得した情報に基づいて、前記案内終了地点から前記案内経路の出発地側の所定の第４距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である連続手前分岐点があるか否か判定する連続手前分岐点判定手段を有し、
前記分岐点案内手段は、前記連続手前分岐点判定手段により前記連続手前分岐点が無いと判定された場合に、前記案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行うことを特徴とする請求項１乃至請求項６のいずれかに移動案内システム。
【請求項８】
前記移動体の移動速度を取得する移動速度取得手段と、
前記移動体の移動速度に基づいて、前記案内分岐点の案内の発話を行うのに必要な前記移動体の移動距離である必要移動距離を取得する必要移動距離取得手段と、を有し、
前記第４距離は、前記必要移動距離であることを特徴とする請求項７に記載の移動案内システム。
【請求項９】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定手段と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得手段と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得手段と、
前記案内分岐点取得手段により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得手段により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定手段と、
前記隣接手前分岐点判定手段により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内手段と、を有することを特徴とする移動案内装置。
【請求項１０】
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定ステップと、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得ステップと、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得ステップと、
前記案内分岐点取得ステップにより取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得ステップにより取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定ステップと、
前記隣接手前分岐点判定ステップにより前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内ステップと、を有することを特徴とする移動案内方法。
【請求項１１】
コンピュータに、
移動体の移動を案内する案内経路と該案内経路上の案内分岐点を設定する案内経路設定機能と、
前記案内分岐点の位置及び形状を取得する案内分岐点取得機能と、
前記案内分岐点よりも前記案内経路の出発地側に存在する手前分岐点の位置及び形状を取得する手前分岐点取得機能と、
前記案内分岐点取得機能により取得した前記案内分岐点の位置及び形状と前記手前分岐点取得機能により取得した前記手前分岐点の位置及び形状に基づいて、前記案内分岐点から所定の第１距離以内にある前記手前分岐点であって、前記案内分岐点と同方向に道路が接続された前記手前分岐点である隣接手前分岐点があるか否か判定する隣接手前分岐点判定機能と、
前記隣接手前分岐点判定機能により前記隣接手前分岐点があると判定された場合に、前記隣接手前分岐点から所定の第２距離手前の地点である案内終了地点に前記移動体が位置するタイミングで案内の発話を終了するように前記案内分岐点の案内を行う分岐点案内機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【公開番号】特開２０１３−４７６１８（Ｐ２０１３−４７６１８Ａ）
【公開日】平成２５年３月７日（２０１３．３．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１８５５７７（Ｐ２０１１−１８５５７７）
【出願日】平成２３年８月２９日（２０１１．８．２９）
【出願人】（０００１００７６８）アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年３月７日（２０１３．３．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月２９日（２０１１．８．２９）
【出願人】（０００１００７６８）アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Ｆターム（参考）】
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