説明

移動端末、サーバ装置、コミュニティ生成システム、表示制御方法およびプログラム

【課題】ユーザの移動ログに基づいてコミュニティを容易に生成する。
【解決手段】移動端末10は、ユーザの所有する移動端末の移動情報(位置情報、時間情報)を取得する移動情報取得部152と、撮像装置により撮像された移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部156と、移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に取得部により取得された移動情報を送信する送信部15と、サーバ装置において、移動情報の履歴に基づいて生成された、ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信する受信部16と、撮像画像取得部156により取得された移動端末の周辺画像に受信部16により受信されたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部158と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末、サーバ装置、コミュニティ生成システム、表示制御方法およびプログラムに関し、特に、ユーザの移動ログに基づいてコミュニティを生成する移動端末、サーバ装置、情報処理システム、表示制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサイトであるSocial Networking Service(以下、SNSと称する。)が普及しつつある。
【0003】
SNSなどのネットワーク上におけるコミュニティの場を設ける場合には、自身のプロフィールや写真を公開したり、友人を登録したり、閲覧制限を設定したりしてコミュニティを作成する。また、拡張現実の一環として、作成されたコミュニティ等の付加情報を撮影画像に重畳する技術も開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−194726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のようなコミュニティの場を設ける場合には、ユーザが明示的にコミュニティを作成する必要があった。そのため、何らかのイベントに対して小規模でクローズなコミュニティを多数作成するためには、コミュニティのタイトル入力や参加者制限の設定など多大な労力が必要となるという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ユーザの移動ログに基づいてコミュニティを容易に生成することが可能な、新規かつ改良された移動端末、サーバ装置、コミュニティ生成システム、表示制御方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ユーザの所有する移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、撮像装置により撮像された移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に取得部により取得された移動情報を送信する送信部と、サーバ装置において、移動情報の履歴に基づいて生成された、ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信する受信部と、撮像画像取得部により取得された移動端末の周辺画像に、受信部により受信されたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、を備える、移動端末が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、移動端末の移動情報がサーバ装置に送信され、サーバ装置において移動情報の履歴に基づいて生成されたコミュニティ情報を表示画面に表示させることができる。これにより、ユーザが面倒な入力等を行わずとも、移動情報の履歴に基づいて容易にコミュニティが生成されて、該コミュニティを閲覧・編集することが可能となる。
【0008】
また、サーバ装置には、ユーザ以外の他の複数ユーザの移動情報の履歴が格納されており、コミュニティ情報は、ユーザの移動情報の履歴と他のユーザの移動情報の履歴とが共通する場合に、共通する移動情報の履歴を利用してサーバ装置により生成されてもよい。
【0009】
また、移動情報取得部は、移動端末の位置情報と位置情報を取得した時間情報を含む移動情報を取得してもよい。
【0010】
また、コミュニティ情報は、所定の時間帯に取得されたユーザの位置情報の履歴と他のユーザの位置情報の履歴とが共通する場合に、共通する位置情報の履歴を利用してサーバ装置により生成されてもよい。
【0011】
また、コミュニティ情報の生成に利用される他のユーザの移動情報の履歴は、ユーザと共通の属性を有するユーザの移動情報の履歴であってもよい。
【0012】
また、コミュニティ情報の生成に利用される他のユーザの移動情報の履歴は、あらかじめ登録されたユーザの移動情報の履歴であってもよい。
【0013】
また、コミュニティ情報の生成に利用される他のユーザの移動情報の履歴は、公開可能な移動情報の履歴であってもよい。
【0014】
また、コミュニティ情報は、所定の位置範囲に含まれる位置情報と他のユーザの位置情報とが共通する場合に、共通する位置情報を利用してサーバ装置により生成されてもよい。
【0015】
また、表示制御部は、受信部により受信されたコミュニティ情報のうち、コミュニティ情報に含まれる位置情報が所定の位置範囲に含まれる場合にコミュニティ情報を表示画面に表示するようにしてもよい。
【0016】
また、移動端末の姿勢情報を取得する姿勢情報取得部をさらに備え、表示制御部は、姿勢情報取得部により取得された姿勢情報に基づいて、撮像画像取得部により取得された周辺画像にコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させてもよい。
【0017】
また、姿勢情報取得部は、移動端末の姿勢に応じたユーザの方位を含む姿勢情報を取得し、表示制御部は、撮像部により撮像された周辺画像にユーザの方位に応じたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳するようにしてもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数のユーザの所有する移動端末の移動情報を各移動端末から受信する受信部と、受信部により受信された移動情報の履歴をユーザ毎に集積して記憶媒体に記録する記録部と、記憶媒体に記録されたユーザ毎の移動情報の履歴に基づいて、一のユーザと他のユーザとに共有可能なコミュニティ情報を生成するコミュニティ情報生成部と、を備える、サーバ装置が提供される。
【0019】
また、コミュニティ生成部は、一のユーザの移動情報の履歴と他のユーザの移動情報の履歴とが共通する場合に、共通する移動情報の履歴を利用してコミュニティ情報を生成するようにしてもよい。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの所有する移動端末は、移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、撮像装置により撮像された移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に取得部により取得された移動情報を送信する送信部と、を備え、サーバ装置は、複数のユーザの所有する移動端末の移動情報を各移動端末から受信する受信部と、受信部により受信された移動情報の履歴をユーザ毎に集積して記憶媒体に記録する記録部と、記憶媒体に記録されたユーザ毎の移動情報の履歴に基づいて、一のユーザと他のユーザとに共有化能なコミュニティ情報を生成するコミュニティ生成部と、を備え、移動端末は、サーバ装置において生成されたコミュニティ情報を受信する受信部と、撮像画像取得部により取得された移動端末の周辺画像に、受信部により受信されたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、を備える、情報処理システムが提供される。
【0021】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ユーザの所有する移動端末におけるコミュニティ情報の表示制御方法であって、移動端末の移動情報を取得するステップと、撮像装置により撮像された移動端末の周辺画像を取得するステップと、移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に取得された移動情報を送信するステップと、サーバ装置において、移動情報の履歴に基づいて生成された、ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信するステップと、取得された移動端末の周辺画像に、受信されたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させるステップと、を含む、表示制御方法が提供される。
【0022】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ユーザの所有する移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、撮像装置により撮像された移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に取得部により取得された移動情報を送信する送信部と、サーバ装置において、移動情報の履歴に基づいて生成された、ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信する受信部と、撮像画像取得部により取得された移動端末の周辺画像に、受信部により受信されたコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、を備える、移動端末として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、ユーザの移動ログに基づいてコミュニティを容易に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態にかかるコミュニティ生成システムの概要を説明する説明図である。
【図2】同実施形態にかかる移動端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態にかかる移動端末およびサーバ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態にかかる記憶媒体に記録される移動情報の履歴について説明する説明図である。
【図5】同実施形態にかかるユーザの属性情報の内容を説明する説明図である。
【図6】同実施形態にかかるコミュニティ情報生成部により生成されるコミュニティ情報について説明する説明図である。
【図7】同実施形態にかかる移動端末におけるコミュニティ情報生成について説明する説明図である。
【図8】同実施形態にかかるコミュニティ情報の表示例について説明する説明図である。
【図9】同実施形態にかかるコミュニティ情報の表示例について説明する説明図である。
【図10】同実施形態にかかる表示されるコミュニティ情報の詳細の表示例である。
【図11】同実施形態にかかる移動端末におけるコミュニティ情報への投稿を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態にかかるサーバ装置20におけるコミュニティ情報の生成を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0026】
また、以下に示す順序に従って、当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕本実施形態の目的
〔2〕コミュニティ生成システムの概要
〔3〕移動端末のハードウェア構成
〔4〕移動端末およびサーバ装置の機能構成
〔5〕移動端末におけるコミュニティ情報生成および表示処理の詳細
〔6〕サーバ装置におけるコミュニティ情報の生成
【0027】
〔1〕本実施形態の目的
最近では、人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型のWebサイトであるSNSが普及しつつある。SNSなどのネットワーク上におけるコミュニティの場を設ける場合には、自身のプロフィールや写真を公開したり、友人を登録したり、閲覧制限を設定したりしてコミュニティを作成する。
【0028】
また、拡張現実の一環として、撮影画像に対して何らかの付加情報を重畳することが行われている。このとき、いかに実世界の映像に違和感なく付加情報を重畳するかが焦点となっていることが多い。すなわち、重畳する画像等の付加情報が実世界の物体にめり込んでいるように見えないようにするために、カメラの位置・姿勢を正確に求める方法や、撮影画像中の物体を認識する方法が主な訴求点となっている。このとき、どのような情報をどこから取得して撮影画像に重畳するかが問題となってくる。
【0029】
しかし、上記のようなコミュニティの場を設ける場合には、ユーザが明示的にコミュニティを作成する必要があった。そのため、何らかのイベントに対して小規模でクローズなコミュニティを多数作成するためには、コミュニティのタイトル入力や参加者制限の設定など多大な労力が必要となるという問題があった。そこで、上記のような事情を一着眼点として、本発明の実施形態にかかるコミュニティ生成システム1が創作されるに至った。本実施形態にかかるコミュニティ生成システムによれば、ユーザの移動ログに基づいてコミュニティを容易に生成することが可能となる。また、ユーザの所有する移動端末の周辺画像等に生成されたコミュニティ情報を自動的に重畳させることにより、生成されたコミュニティを容易に確認することが可能となる。
【0030】
〔2〕コミュニティ生成システムの概要
次に、図1を参照して、コミュニティ生成システム1の概要について説明する。図1は、コミュニティ生成システム1の概要を説明する説明図である。コミュニティ生成システム1は、移動端末10と、サーバ装置20、移動端末30などを主に備える。移動端末10は、ユーザの所有する情報処理端末であって、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)や小型のPC(Personal Computer)など、表示装置を備える情報処理端末である。
【0031】
また、移動端末10は、ネットワークを介してサーバ装置20と接続されている。ネットワークは、移動端末10およびサーバ装置20を通信可能に接続する通信回線網であり、例えばインターネット、電話回線網、衛星通信網等の公衆回線網や、WAN、LAN、IP−VPN等の専用回線網などで構成されており、有線、無線を問わない。
【0032】
移動端末10は、位置情報や該位置情報を取得した時間情報を含む移動情報を取得して、所定の間隔でサーバ装置20に該移動情報を送信する。また、移動端末10は、サーバ装置20から移動情報に基づいて生成されたコミュニティ情報を受信して、該コミュニティ情報を移動端末10の表示画面に表示する。
【0033】
サーバ装置20は、ネットワークを介して移動端末10や移動端末30などと接続してデータの送受信を行う情報処理装置である。サーバ装置20は、ネットワークを介して移動端末10や移動端末30などの複数の移動端末において取得された移動情報を集積して、移動情報の履歴を記憶している。サーバ装置20は、移動情報の履歴に基づいてコミュニティ情報を生成する。該コミュニティ情報は、移動端末10を所有するユーザと移動端末10を所有するユーザ以外のユーザと共有可能な情報であって、例えば、位置や時間や人物に紐付けされたコミュニティ情報である。
【0034】
移動端末30も、移動端末10と同様に、ネットワークを介して、所定の間隔でサーバ装置20に移動情報を送信する。例えば、移動端末10のユーザがある時間帯にある場所を通過し、移動端末30のユーザも同じ時間帯に移動端末10が通過した場所の付近を通過した場合に、その場所に紐付いたコミュニティ情報が生成される。さらに、移動端末10と移動端末30のユーザが友人関係にある場合に、コミュニティ情報が生成されるようにしてもよい。また、コミュニティ情報には、位置情報や時間情報、ユーザの移動ログや口コミ情報などが含まれている。
【0035】
また、上記したように、移動端末10の表示画面には、サーバ装置20から送信されたコミュニティ情報が表示される。該コミュニティ情報は、移動端末の周辺画像に重畳されて表示されてもよい。例えば、移動端末10の姿勢情報を取得して、移動端末10がどの方位にあるかを算出して、その方位の位置情報を含むコミュニティ情報を移動端末の周辺画像の重畳するようにしてもよい。以上、コミュニティ生成システム1の概要を説明した。
【0036】
〔3〕移動端末のハードウェア構成
次に、図2を参照して、移動端末10のハードウェア構成について説明する。図2は、移動端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。移動端末10は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、ホストバス104と、ブリッジ105と、外部バス106と、インタフェース107と、入力装置108と、出力装置110と、ストレージ装置(HDD)111と、ドライブ112と、通信装置115とを備える。
【0037】
CPU101は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って移動端末10内の動作全般を制御する。また、CPU101は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM102は、CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は、CPU101の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
【0038】
ホストバス104は、ブリッジ105を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。なお、必ずしもホストバス104、ブリッジ105および外部バス106を分離構成する必要はなく、一のバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0039】
入力装置108は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイク、スイッチおよびレバーなどユーザが情報を入力するための入力手段と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。移動端末10のユーザは、該入力装置108を操作することにより、移動端末10に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0040】
出力装置109、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Display)装置およびランプなどの表示装置と、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置で構成される。出力装置109は、例えば、再生されたコンテンツを出力する。具体的には、表示装置は再生された映像データ等の各種情報をテキストまたはイメージで表示する。一方、音声出力装置は、再生された音声データ等を音声に変換して出力する。
【0041】
ストレージ装置110は、本実施形態にかかる移動端末10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ストレージ装置110は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成される。このストレージ装置110は、ハードディスクを駆動し、CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。また、このストレージ装置110には、後述の、アイテム、識別番号などを記憶する。
【0042】
ドライブ111は、記憶媒体用リーダライタであり、移動端末10に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ111は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体24に記録されている情報を読み出して、RAM103に出力する。
【0043】
通信装置112は、例えば、通信網50に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置112は、無線LAN(Local Area Network)対応通信装置であっても、ワイヤレスUSB対応通信装置であっても、有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
【0044】
以上、移動端末10のハードウェア構成例を、図2を参照して説明した。サーバ装置20も、移動端末10のハードウェア構成と実質的に同一のハードウェア構成とすることができるため、説明を省略する。
【0045】
〔4〕移動端末およびサーバ装置の機能構成
次に、図3を参照して、移動端末10およびサーバ装置20の機能構成について説明する。図3に示した機能構成を説明するにあたり、適宜、図4〜図6を用いて説明する。図3は、移動端末10およびサーバ装置20の機能構成を示すブロック図である。図3に示したように、移動端末10は、位置情報取得装置11、姿勢情報取得装置12、撮像装置13、表示画面14、送信部15、受信部16、制御部150などを主に備える。
【0046】
位置情報取得装置11は、ユーザの現在の位置情報を特定する機能を有する。位置情報取得装置11は、例えば、GPS(Global Positioning System)、PlaceEngine((登録商標)以下、プレイスエンジン(登録商標)と称する。)などの位置情報システムを利用して位置情報を特定している。
【0047】
GPSは、GPS衛星から発信される情報を利用して現在位置を特定し、緯度経度等の情報を取得することができる。また、GPSは、主に、移動端末が屋外に位置している場合に位置情報を特定するシステムである。
【0048】
プレイスエンジン(登録商標)は、無線LANの電波を利用して現在位置を特定することができる。すなわち、無線LANのアクセスポイントからの電測情報を用いているため、屋内や地下街のようにGPSが機能しない場所においても位置を特定することが可能である。
【0049】
プレイスエンジン(登録商標)が搭載された移動端末10は、MACアドレスや電界強度などのWi‐Fi電測情報をプレイスエンジンサーバに送信する。そして、プレイスエンジンサーバは、受信したWi‐Fi電測情報と、予め蓄積されているWi‐Fi電測情報のデータベースとから位置情報を推定し移動端末10に送信する。プレイスエンジンサーバから送信される位置情報は、緯度経度や住所情報などである。したがって、緯度経度だけでなく、あるビルの階数情報まで特定することが可能となる。
【0050】
姿勢情報取得装置12は、移動端末10の姿勢およびユーザの視線の方向を検知する機能を有する。移動端末10の姿勢を検知する方法としては、例えば、移動端末10に地磁気センサ、傾斜センサ、ジャイロセンサなどを用いて移動端末10の姿勢を検知することができる。また、加速度センサを用いて端末の向いている方角を検知することもできる。また、ユーザの視線の方向を検知する方法としては、後述する撮像装置13の撮像画像を用いてユーザの視線の方向を計測するようにしてもよい。
【0051】
撮像装置13は、例えば、レンズ部、CCD、アナログ信号処理部、A/D変換部、デジタル信号処理部などを備え、移動端末10の周辺画像を取得する機能を有する。また、表示画面14は、上記した出力装置109の一例であり、撮像装置13により撮像された周辺画像や、コミュニティ情報が周辺画像に重畳された画像を出力する機能を有する。
【0052】
制御部150は、上記した、CPU101の一例であって、移動情報取得部152、姿勢情報取得部154、撮像画像取得部156、表示制御部158、送受信制御部160などを備える。移動情報取得部152は、位置情報取得装置11により検知された位置情報や時間情報等の移動情報を取得し、送受信制御部160に提供する。移動情報取得部152により取得される位置情報は、上記したように、緯度経度や住所情報など位置を特定できる情報である。また、時間情報は、位置情報が検知された時間の情報である。また、GPSで取得された位置情報なのか、プレイスエンジン(登録商標)で取得された位置情報なのか等、位置情報の計測方法を示す情報が含まれていてもよい。
【0053】
姿勢情報取得部154は、姿勢情報取得装置12により検知された姿勢情報を取得し、表示制御部158に提供する。また、撮像画像取得部156は、撮像装置13により撮像された移動端末10の周辺画像を取得し表示制御部158に提供する。
【0054】
表示制御部158は、表示画面14に表示される画像やコンテンツ等の表示を制御する機能を有する。具体的には、姿勢情報取得部154から提供された姿勢情報に基づいて、撮像画像取得部156により取得された周辺画像にコミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示する。例えば、姿勢情報が所定の方角を示す情報である場合には、その方角の情報を含むコミュニティ情報を表示画像の該当位置に重畳して表示する。表示画像に重畳されるコミュニティ情報は、文字情報やイラスト等などを例示できる。表示画面におけるコミュニティ情報の表示については、後で詳細に説明する。
【0055】
送受信制御部160は、送信部15および受信部16を介したデータの送受信を制御する機能を有する。具体的には、移動情報取得部152から提供された移動情報を送信部15に提供したり、受信部16を介してサーバ装置20から送信されたコミュニティ情報を表示制御部158に提供したりする。
【0056】
送信部15および受信部16は、上記した通信装置112の一例である。送信部15は、送受信制御部160から提供された位置情報等をサーバ装置20に送信し、受信部16は、サーバ装置20から送信されたコミュニティ情報等を受信する。
【0057】
ここで、サーバ装置20から送信されるコミュニティ情報について説明する。サーバ装置20から送信されるコミュニティ情報は、移動端末10から送信された移動情報の履歴に基づいて生成される情報である。上記したように、サーバ装置20には、移動端末10の移動情報の履歴のみならず、移動端末10を所有するユーザ以外の他のユーザが所有する移動端末の移動情報の履歴も蓄積されている。コミュニティ情報は、移動端末10を所有するユーザと移動端末10を所有するユーザ以外のユーザと共有可能な情報であって、例えば、位置や時間や人物に紐付けされた情報である。
【0058】
コミュニティ情報は、ユーザの移動情報の履歴と他のユーザの移動情報の履歴とが共通する場合に、共通する移動情報の履歴を利用して生成された情報である。例えば、移動端末10のユーザがある時間帯にある場所を通過し、移動端末10以外の移動端末のユーザも同じ時間帯に移動端末10が通過した場所の付近を通過した場合に、移動端末10の移動情報の履歴と移動端末10以外のユーザの移動情報の履歴とが共通するとして、通過した場所と時間に紐付くコミュニティ情報が生成される。
【0059】
また、コミュニティ情報の生成に利用される他のユーザの移動情報の履歴は、あらかじめ登録されたユーザの移動情報の履歴である。移動端末10を所有するユーザと共通の属性を有するユーザやあらかじめ登録されたユーザの移動情報の履歴である。あらかじめ登録されたユーザとは、例えば、ユーザと友人関係にあるユーザなどである。ユーザの属性情報や友人関係等は、予めサーバ装置20に登録されている。ユーザの属性としては、例えば、会社員なのか学生なのか、所属する団体名、勤務先等を登録することができる。また、友人関係は、移動端末10のユーザ入力により登録されるアドレス帳に基づいて判断するようにしてもよい。
【0060】
さらに、コミュニティ情報の生成に利用される他のユーザの移動情報の履歴は、公開可能な移動情報の履歴である。移動端末10のユーザは、移動端末10を介して、移動情報の履歴を公開可能か否かについて予め設定することができる。公開可能か否かは、場所毎、時間帯毎に設定するようにしてもよい。例えば、ユーザは、移動端末10を介して、特定の曜日の特定時間帯について移動情報の履歴は非公開とするように予め設定する。
【0061】
さらに、公開可能な他のユーザを指定するようにしてもよい。例えば、勤務先のビル内で移動する場合には、移動情報を同じ勤務先のユーザにのみ公開するようにしてもよい。また、休日の移動情報は同じ勤務先のユーザには非公開とするように設定してもよい。
【0062】
このように、サーバ装置20において生成されて移動端末10に送信されるコミュニティ情報は、時間帯や位置情報等の移動情報を共通しているだけでなく、ユーザ同士の属性や友人関係、さらには対象となるユーザの移動情報が公開可能な否かも加味して生成される情報である。
【0063】
また、所定の位置範囲に含まれる位置情報に基づいてコミュニティを生成するようにしてもよい。位置範囲は、例えば、該当場所の特徴に応じて決定するようにしてもよい。例えば、該当場所がビルの場合には、ビルの何階であるかまで位置範囲を限定してコミュニティを生成してもよいし、イベント等が行われている会場であれば広範囲の位置範囲内でコミュニティを生成するようにしてもよい。
【0064】
また、計測方法に応じてコミュニティを生成する位置範囲が決定されてもよい。例えば、GPSで移動情報が取得されている場合には広範囲とし、プレイスエンジン(登録商標)で移動情報が取得されている場合には狭い範囲の位置範囲内でコミュニティを生成するようにしてもよい。
【0065】
通常、このようなクローズドなコミュニティを生成するためには、タイトルの生成やユーザ登録や、対象となるユーザの範囲の選択などを行わなければならず、コミュニティを生成するために多大な労力が必要であった。しかし、本実施形態によれば、上記したように、予め各ユーザが所定の事項について設定を行っておくことにより、面倒な入力等を行わずとも、移動情報に基づいて生成されたコミュニティ情報を受信することが可能となる。
【0066】
また、サーバ装置20から送信されるコミュニティ情報は、新たに生成されるコミュニティの情報だけでなく、既に生成されているコミュニティの情報であってもよい。例えば、所定時間の所定場所に紐付くコミュニティが既に生成されている場合には、該コミュニティの情報がサーバ装置20から送信されるようにしてもよい。さらに、位置情報に基づいて、これから開催されるイベント等のコミュニティの情報が既に生成されている場合には、該コミュニティの情報がサーバ装置20から送信されるようにしてもよい。以上、移動端末10の機能構成について説明した。
【0067】
次に、サーバ装置20の機能構成について説明する。図3に示したように、サーバ装置20は、受信部21、送信部22、制御部202、記憶媒体210などを備える。受信部21は、通信デバイス等で構成された通信インタフェースであって、移動端末10から送信される移動情報を受信する機能を有する。また、受信部21は、移動端末10以外の他の移動端末からも各移動端末で取得された移動情報を受信する。送信部22は、通信デバイス等で構成された通信インタフェースであって、コミュニティ情報等各種情報を移動端末10に送信する機能を有する。
【0068】
制御部202は、送受信制御部204と、記録部206と、コミュニティ情報生成部208などを備える。受信部21および送信部22を介したデータの送受信を制御する機能を有する。具体的には、移動端末10から受信部21を介して送信された移動端末10の移動情報を記録部206に提供したり、コミュニティ情報生成部208から提供されたコミュニティ情報を送信部22に提供したりする。
【0069】
記録部206は、送受信制御部204より提供された移動端末10の移動情報の履歴を集積して記憶媒体210に記録する機能を有する。上記したように、サーバ装置20に複数の移動端末から移動情報が送信される場合には、記録部206は、移動端末の移動情報の履歴をユーザ毎に集積して記憶媒体に記録する。
【0070】
記憶媒体210は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成され、移動端末10の移動情報の履歴やユーザの属性情報や、後述するコミュニティ情報生成部208により生成されたコミュニティ情報を記憶している。ここで、図4〜図6を参照して、記憶媒体210に記録されている記録内容について説明する。図4は、記憶媒体210に記録される移動情報の履歴について説明する説明図である。
【0071】
図4に示したように、記憶媒体210に記録される移動情報の履歴301には、例えば、日時3010、計測方法3011、緯度3012、経度3013などが含まれる。日時3010は、移動情報が取得された日時である。また、日時とともに曜日が記録されてもよい。計測方法3011は、移動情報の計測方法を示す情報であって、GPSで取得されたのかプレイスエンジン(登録商標)で取得されたのかを示す情報である。複数のユーザが所有する移動端末から移動情報が送信される場合には、図4に示した移動情報の履歴301が、ユーザ毎に記録される。
【0072】
また、プレイスエンジン(登録商標)で移動情報が取得された場合には、緯度3012、経度3013の他に、住所を示す情報が記録されてもよい。さらに、建物の階数を示す情報が記録されてもよい。
【0073】
次に、図5を参照して予め登録されるユーザの属性情報等について説明する。図5は、ユーザの属性情報302の内容を説明する説明図である。ユーザの属性情報302には、ユーザ名3021、ユーザの属性3022、友人関係3023、参加済コミュニティ3024、オープン可能な情報3025、オープン可能制限3026などが含まれる。例えば、ユーザAは、属性が「会社員」であり、友人は「C、E」であり、参加済コミュニティは「コミュニティ1、コミュニティ2、コミュニティ3」であり、オープン可能な情報は「属性、友人、参加済コミュニティ、移動情報」であり、オープン可能制限は「なし」であることを予め登録しておく。
【0074】
図3に戻り、コミュニティ情報生成部208は、記憶媒体210に記憶されている移動情報の履歴に基づいて、一のユーザと他のユーザとに共有可能なコミュニティ情報を生成する機能を有する。上記したように、コミュニティ情報生成部208は、一のユーザの移動情報の履歴と他のユーザの移動情報の履歴とが共通する場合に、共通する移動情報の履歴を利用して、コミュニティ情報を生成する。コミュニティ情報生成部208は、図4に示した移動情報の履歴301および図5に示したユーザの属性情報302を参照してコミュニティ情報を生成する。
【0075】
ここで、図6を参照して、コミュニティ情報生成部208により生成されるコミュニティ情報について説明する。図6は、コミュニティ情報生成部208により生成されるコミュニティ情報について説明する説明図である。図6に示したように、コミュニティ情報303は、コミュニティナンバー3031、タイトル3032、場所3033、コメント3035、オープン可能制限3036、登録ユーザ3037などが含まれる。図6に示したように、例えば、ユーザAが9時〜10時の間に大崎Aビル5Fに位置し、ユーザCおよびEも大崎Aビル5Fに位置しており、ユーザA、C、Eが友人関係であった場合には、コミュニティNo.2に示したコミュニティが生成される。
【0076】
図3に戻り、コミュニティ情報を生成したコミュニティ情報生成部208は、該コミュニティ情報を送受信制御部204に提供する。以上、サーバ装置20の機能構成について説明した。
【0077】
〔5〕移動端末におけるコミュニティ情報生成および表示処理の詳細
次に、図7〜図11を参照して、移動端末10におけるコミュニティ情報生成および表示処理の詳細について説明する。図7は、移動端末10におけるコミュニティ情報生成について説明する説明図である。図7に示したように、まず、移動端末10の電源が投下される(S101)。そして、移動情報取得部152は、位置情報取得装置11から現在位置を取得する(S102)。
【0078】
そして、送信部15は、ステップS102において取得された現在位置をサーバ装置20へ送信する(S103)。ステップS102およびステップS103の処理は、移動端末10の電源が投入されている間、定期的に所定の間隔で実行されてもよい。
【0079】
ステップS103において送信された現在位置について、移動端末10の表示画面に表示可能な情報があるか否かを判定する(S104)。ステップS104における判定は、移動端末10の制御部が行ってもよいし、サーバ装置20において判定された結果を移動端末10が受信するようにしてもよい。また、移動端末10が、位置情報について表示可能な情報があるか否かをサーバ装置20に問合せて、サーバ装置20からの判定結果を受信してもよい。ステップS104の処理は、ユーザが明示的に現在位置に関する情報を取得するためのなんらかの操作を行った場合に実行するようにしてもよい。したがって、ステップS105以降の処理は、ユーザからの明示的な操作に応じて実行される。
【0080】
ステップS104において、現在位置について表示可能な情報があると判定された場合には、サーバ装置20からコミュニティ情報を受信する(S105)。次に、姿勢情報取得部154は、姿勢情報取得装置12から現在の姿勢を取得する(S106)。そして、撮像画像取得部156は、撮像装置13から現在位置の画像を取得する(S107)。
【0081】
次に、表示制御部158は、ステップS105において受信したコミュニティ情報を表示画面に表示する(S108)。ステップS108においてコミュニティ情報を表示画面に表示する際に、表示制御部158は、ステップS106において取得した現在の姿勢情報に基づいて、ステップS107において取得した現在位置の画像にコミュニティ情報を重畳して表示する。そして、ユーザ操作に応じて、コミュニティ情報の表示を止めるか否かを判定する(S109)。ステップS109において、ユーザのキー操作等によりコミュニティ情報の表示を止めると判断した場合には、処理を終了する。一方、ステップS109において、コミュニティ情報の表示を止めないと判定した場合には、ステップS106からステップS108の処理を繰り返す。
【0082】
ここで、図8および図9を参照して、ステップS107において表示画面に表示されるコミュニティ情報の表示例について説明する。図8および図9は、コミュニティ情報の表示例について説明する説明図である。図8に示したように、表示例401には、撮像装置13により撮像された移動端末10の周辺画像に、コミュニティ情報が重畳されている。例えば、表示例401には、移動端末10の近くにいる移動端末10の友人の位置情報4010が人型のイラストで表示されている。また、既に作成済みのコミュニティ情報4012が文字情報で表示されている。さらに、最近この付近を通過した人物の移動ログ4013が重畳されていてもよい。移動ログ4013は、図8に示したように、足跡のイラストにより表されてもよい。また、ユーザ操作により画面上の足跡のイラストが選択されて、誰の移動ログかを表示するようにしてもよい。
【0083】
図8では、表示例401の画像において、人型のイラストで示された友人がビルの所定の階数に位置していることを視認することができる。このように、移動端末10の姿勢情報を加味して周辺画像にコミュニティ情報を重畳して、現実世界の画像に仮想世界を重畳することにより、現実世界を拡張することができる。
【0084】
また、図9の表示例402に示したように、移動端末10を所有するユーザの現在位置付近の地図が表示画面に表示されて、該地図上にコミュニティ情報が重畳されてもよい。例えば、表示例402には、移動端末10のユーザの現在位置4021と、移動端末10のユーザの友人の現在位置4022が地図に重畳されている。また、既に作成されたコミュニティ情報4022が文字情報で表示されていてもよい。このように、移動端末10の周辺地図にコミュニティ情報が重畳されれば、ユーザは、周囲の状況を把握しつつ、付加価値のある情報を手軽に入手することが可能となる。
【0085】
また、表示画面に表示されるコミュニティ情報の詳細を、図10の表示例405に示す。図10は、表示されるコミュニティ情報の詳細の表示例である。図10に示したように、サーバ装置20により生成されたコミュニティ情報の詳細は、コミュニティのタイトル4050、コミュニティの参加者4051、投稿されたコメント4052、投稿された写真4053などを含んで表示される。コミュニティ情報の詳細は、例えば、図8または図9に示した表示例において、コミュニティ情報を示す文字情報やイラストを選択することにより表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザは、関心のあるコミュニティ情報の詳細を簡易な方法で入手することが可能となる。
【0086】
次に、図11を参照して、移動端末10におけるコミュニティ情報への投稿について説明する。図11に示したように、移動端末10のユーザはサーバへ投稿を行うか否かを判断する(S110)。ステップS110においては、コミュニティ情報が重畳された情報に対してなんらかの操作を行うか否かを判断する。なんらかの操作とは、周辺画像や周辺地図上に重畳された情報に対する詳細情報の確認やコミュニティに対する静止画の投稿やコメントの投稿などである。
【0087】
ステップS110において、コミュニティに対する何らかのユーザ操作があると判定された場合には、ユーザ操作に基づいてサーバ装置へ送る情報を作成する(S111)。ステップS110において、コミュニティに対する何らかのユーザ操作がないと判定された場合には、ステップS114の処理を行う。そして、ステップS111において作成した情報をサーバ装置20に送信する(S112)。ステップS112においてサーバ装置20に送信されたユーザ操作の内容に応じてコミュニティ情報が更新される。そして、更新されたコミュニティ情報が移動端末10の表示画面に表示される(S113)。そして、端末の電源がオフされたか否かを判定し(S114)、端末の電源がオフされていないと判定された場合にはステップS110からステップS113の処理を繰り返す。一方、ステップS114において、端末の電源がオフされたと判定された場合には処理を終了する。
【0088】
〔6〕サーバ装置におけるコミュニティ情報の生成
以上、移動端末10におけるコミュニティ情報生成および表示処理の詳細について説明した。次に、図12を参照して、サーバ装置20におけるコミュニティ情報の生成について説明する。まず、サーバ装置20のコミュニティ情報生成部208は、記憶媒体210に記憶されている複数のユーザの移動ログ(移動情報の履歴)のうち、一のユーザの移動ログを解析対象に設定する(S201)。
【0089】
ステップS201において設定した一のユーザの移動ログに対して、該ユーザの移動ログと同じ時間帯に移動ログのある他のユーザがいるか否かを判定する(S202)。記憶媒体210に記憶されている移動ログは、同じタイミングで取得されているとは限らず、また、取得される間隔が一定であるとも限らない。そのため、同じ時間帯の移動ログであるか否かは、連続する複数の移動ログの時間情報を用いて判断する必要がある。また、ステップS202においては、判定に用いる時間帯を所定の範囲に限定してもよいし、特定の曜日の特定の時間帯に限定してもよい。
【0090】
ステップS202において、一のユーザの移動ログと同じ時間帯に移動ログのある他のユーザがいる場合には、一のユーザの移動ログに対して、さらに、近い場所の移動ログのあるユーザがいるか否かを判定する(S203)。ステップS202において、一のユーザの移動ログに対して、さらに、近い場所の移動ログのあるユーザがいない場合には、ステップS206の処理を実行する。
【0091】
ステップS202においては、移動ログの位置精度は移動情報を取得する計測方法によって異なってくる。例えばGPSで計測した場合には数メートルから数十メートルの誤差が見込まれる。一方、プレイスエンジン(登録商標)のように無線LANのアクセスポイントを位置の測定に用いる場合には、アクセスポイントの位置測定の精度が高ければ、建物内のどのフロアや部屋にいるのかが測定できる。そこで、どのような計測機器によって移動ログが取得されたのか否かによって、ユーザ同士が「近い場所」の判断基準を柔軟に変更することで、より適切なコミュニティを生成することが可能となる。
【0092】
例えば、プレイスエンジン(登録商標)により建物内のどのフロアにいるのかを測定した場合には、建物内のいずれかに位置するだけでは「近い場所」とは判断せずに、建物内の同じフロアにユーザ同士が位置する場合に「近い場所」であると判断する。また、移動ログの計測方法のみならず、計測場所の特徴に応じて「近い場所」の判断基準を変更するようにしてもよい。すなわち、ユーザが位置する場所が公園や遊園地等の広い敷地内であった場合には、公園内に位置している場合に「近い場所」であると判断する。一方、ユーザが建物内のような区切られた場所に位置する場合には、建物内の同じフロアにいる場合に「近い場所」であると判断する。
【0093】
ステップS203において、近い場所に移動ログのあるユーザがいたと判定された場合には、該ユーザが一のユーザのコミュニティ生成の対象となっているか否かを判定する(S204)。ステップS203において、該ユーザが一のユーザのコミュニティ生成の対象となっていない場合には、ステップS206の処理を実行する。
【0094】
ステップS203において、一のユーザのコミュニティの生成の対象となっている場合とは、該ユーザが一のユーザに対して情報を公開してもよい旨の設定がされている場合であり、例えば、一のユーザと該ユーザが友人関係である場合などである。このように、コミュニティ生成において、生成の対象となるユーザを制限することにより、ユーザが面倒な設定入力等をせずともクローズドなコミュニティを生成することが可能となる。
【0095】
また、コミュニティに参加可能なユーザの制限は、生成されるすべてのコミュニティに共通していてもよいし、コミュニティごとに設定してもよい。例えば、あるイベントに友人の友人(面識のない人物)が参加していた場合に、自分と友人、友人とその友人の2つのコミュニティが生成される。この場合、自分と友人とその友人の3名が参加するコミュニティを生成したい場合、そのコミュニティに対してのみ参加可能な人物の制限の設定を設けるようにしてもよい。
【0096】
さらに、コミュニティは、解析対象となる一のユーザに特化したクローズドなものだけでなく、すべてのユーザが参加可能なオープンなコミュニティを生成してもよい。例えば、ある店舗によって生成された、その店舗に関するコミュニティや、一のユーザ以外の他のユーザ入力によって生成された参加制限のないオープンなコミュニティが考えられる。
【0097】
ステップS204において、ユーザがコミュニティ生成の対象となっていると判定された場合には、対象となった時間帯と場所、およびユーザに紐付いたコミュニティを生成する(S205)。例えば、時間帯が朝の時間帯であり、場所がオフィスビルであった場合には、通勤や仕事に関するコミュニティを生成してもよい、また、時間帯が昼の時間であり、場所が飲食店であった場合には、ランチに関するコミュニティを生成してもよい。
【0098】
ステップS205において生成されるコミュニティは、上記したようにクローズドなコミュニティであるため、該コミュニティにアクセス可能な人物は、コミュニティの対象となった人物のみである。コミュニティにアクセス可能とは、生成されたコミュニティの情報の閲覧、編集等を意味する。
【0099】
ステップS205においてコミュニティを生成した後、他に解析対象となるユーザの移動ログが存在するか否かを判定する(S206)。ステップS206において、他に解析対象となるユーザがいると判定された場合には、解析対象を新たなユーザに設定し(S207)、ステップS201〜ステップS206の処理を繰り返す。ステップS206において、他に解析対象となるユーザがいないと判定された場合には、処理を終了する。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0101】
例えば、上記実施形態では、移動端末10においてコミュニティ情報の詳細の閲覧や編集を行うこととしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、サーバ装置20に接続可能なPCなどの他の機器からもアクセス可能であってもよい。この場合、写真のアップロードやコメントの追加等、生成されたコミュニティに対する操作をより快適に実行することが可能となる。
【0102】
また、生成されたコミュニティへのアクセス方法は、上記したように、周辺画像や地図上に表示されたものを選択する方法以外に、以下の方法が考えられる。例えば、アドレス帳(友人一覧)から、他のユーザと一緒に過ごしたイベントを振り返りたい人物を選択し、該人物に紐付いてコミュニティを選択して表示させるようにしてもよい。また、ユーザが属するコミュニティ一覧から選択するようにしてもよい。例えば、コミュニティ一覧のソート項目として、時間や友人、位置、参加人数、更新(投稿)の行われたコミュニティなどが挙げられる。これらの方法は、制限のないオープンなコミュニティの選択方法として用いることも可能である。
【0103】
また、本明細書の移動端末10およびサーバ装置20の処理における各ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。すなわち、移動端末10およびサーバ装置20の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【0104】
また、移動端末10、サーバ装置20などに内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した移動端末10、サーバ装置20の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0105】
10 移動端末
11 位置情報取得装置
12 姿勢情報取得装置
13 撮像装置
14 表示画面
150 制御部
152 移動情報取得部
154 姿勢情報取得部
156 撮像画像取得部
158 表示制御部
15 送信部
16 受信部
20 サーバ装置
21 受信部
22 送信部
202 制御部
204 送受信制御部
206 記録部
208 コミュニティ情報生成部
210 記憶媒体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所有する移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、
撮像装置により撮像された前記移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、
前記移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に前記取得部により取得された前記移動情報を送信する送信部と、
前記サーバ装置において、前記移動情報の履歴に基づいて生成された、前記ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信する受信部と、
前記撮像画像取得部により取得された前記移動端末の周辺画像に、前記受信部により受信された前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、
を備える、移動端末。
【請求項2】
前記サーバ装置には、前記ユーザ以外の他の複数ユーザの移動情報の履歴が格納されており、
前記コミュニティ情報は、前記ユーザの前記移動情報の履歴と他のユーザの前記移動情報の履歴とが共通する場合に、前記共通する前記移動情報の履歴を利用して前記サーバ装置により生成される、請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記移動情報取得部は、前記移動端末の位置情報と前記位置情報を取得した時間情報を含む移動情報を取得する、請求項1または2のいずれかに記載の移動端末。
【請求項4】
前記コミュニティ情報は、所定の時間帯に取得された前記ユーザの位置情報の履歴と前記他のユーザの位置情報の履歴とが共通する場合に、前記共通する前記位置情報の履歴を利用して前記サーバ装置により生成される、請求項3に記載の移動端末。
【請求項5】
前記コミュニティ情報の生成に利用される前記他のユーザの前記移動情報の履歴は、前記ユーザと共通の属性を有するユーザの前記移動情報の履歴である、請求項4に記載の移動端末。
【請求項6】
前記コミュニティ情報の生成に利用される前記他のユーザの前記移動情報の履歴は、あらかじめ登録されたユーザの前記移動情報の履歴である、請求項4に記載の移動端末。
【請求項7】
前記コミュニティ情報の生成に利用される前記他のユーザの前記移動情報の履歴は、公開可能な前記移動情報の履歴である、請求項4に記載の移動端末。
【請求項8】
前記コミュニティ情報は、所定の位置範囲に含まれる前記位置情報と前記他のユーザの位置情報とが共通する場合に、前記共通する前記位置情報を利用して前記サーバ装置により生成される、請求項4に記載の移動端末。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記受信部により受信された前記コミュニティ情報のうち、前記コミュニティ情報に含まれる位置情報が所定の位置範囲に含まれる場合に前記コミュニティ情報を表示画面に表示する、請求項1〜8のいずれかに記載の移動端末。
【請求項10】
前記移動端末の姿勢情報を取得する姿勢情報取得部 をさらに備え、
前記表示制御部は、前記姿勢情報取得部により取得された前記姿勢情報に基づいて、前記撮像画像取得部により取得された前記周辺画像に前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させる、請求項1〜9のいずれかに記載の移動端末。
【請求項11】
前記姿勢情報取得部は、前記移動端末の姿勢に応じたユーザの方位を含む姿勢情報を取得し、
前記表示制御部は、前記撮像部により撮像された前記周辺画像に前記ユーザの方位に応じた前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳する、請求項10に記載の移動端末。
【請求項12】
複数のユーザの所有する移動端末の移動情報を各移動端末から受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記移動情報の履歴をユーザ毎に集積して記憶媒体に記録する記録部と、
前記記憶媒体に記録されたユーザ毎の前記移動情報の履歴に基づいて、一のユーザと他のユーザとに共有可能なコミュニティ情報を生成するコミュニティ情報生成部と、
を備える、サーバ装置。
【請求項13】
前記コミュニティ生成部は、前記一のユーザの前記移動情報の履歴と他のユーザの前記移動情報の履歴とが共通する場合に、前記共通する前記移動情報の履歴を利用して前記コミュニティ情報を生成する、請求項12に記載のサーバ装置。
【請求項14】
ユーザの所有する移動端末は、
前記移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、
撮像装置により撮像された前記移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、
前記移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に前記取得部により取得された前記移動情報を送信する送信部と、
を備え、
前記サーバ装置は、
複数のユーザの所有する前記移動端末の移動情報を各移動端末から受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記移動情報の履歴をユーザ毎に集積して記憶媒体に記録する記録部と、
前記記憶媒体に記録されたユーザ毎の前記移動情報の履歴に基づいて、一のユーザと他のユーザとに共有化能なコミュニティ情報を生成するコミュニティ生成部と、
を備え、
前記移動端末は、
前記サーバ装置において生成された前記コミュニティ情報を受信する受信部と、
前記撮像画像取得部により取得された前記移動端末の周辺画像に、前記受信部により受信された前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項15】
ユーザの所有する移動端末におけるコミュニティ情報の表示制御方法であって、
前記移動端末の移動情報を取得するステップと、
撮像装置により撮像された前記移動端末の周辺画像を取得するステップと、
前記移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に前記取得された前記移動情報を送信するステップと、
前記サーバ装置において、前記移動情報の履歴に基づいて生成された、前記ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信するステップと、
前記取得された前記移動端末の周辺画像に、前記受信された前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させるステップと、
を含む、表示制御方法。
【請求項16】
コンピュータを、
ユーザの所有する移動端末の移動情報を取得する移動情報取得部と、
撮像装置により撮像された前記移動端末の周辺画像を取得する撮像画像取得部と、
前記移動端末とネットワークで接続されたサーバ装置に前記取得部により取得された前記移動情報を送信する送信部と、
前記サーバ装置において、前記移動情報の履歴に基づいて生成された、前記ユーザ以外のユーザと共有可能なコミュニティ情報を受信する受信部と、
前記撮像画像取得部により取得された前記移動端末の周辺画像に、前記受信部により受信された前記コミュニティ情報に含まれる表示画像を重畳させて表示画面に表示させる表示制御部と、
を備える、移動端末として機能させるための、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−287059(P2010−287059A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140457(P2009−140457)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】