説明

移動端末、店舗装置およびセンタ装置

【課題】 複数のサービスを受ける場合でも移動端末ユーザの個人情報等の漏洩を十分に保護することができる移動端末を得る。
【解決手段】 店舗側狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段120を設ける。情報記憶手段110には、狭域通信手段120を利用して提供される所定のサービスの対象に固有な識別情報を、店舗装置を介して、サービスの情報を管理するセンタのみが識別可能な暗号化端末情報111として記憶する。情報処理手段130は、狭域通信手段120を介して、店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、情報記憶手段110に記憶された暗号化端末情報111を読み出し、これを応答に付加して、送信要求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、狭域通信手段を備えた所定の店舗装置が、例えば、駐車場ゲートの自動開放や料金自動収受サービスといった所定のサービスを、同種の狭域通信手段を備えた複数の所定の移動端末ユーザに対して提供するようなシステム、あるいは、更に、提供されたサービスの料金付替(支払・振込)といった業務をセンタ装置が行うようなシステムにおける、移動端末、店舗装置、センタ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のサービス提供システムとしては、例えば、高速道路の自動料金収受システム(ETC:ARIB規格T55)があった。しかしながら、ETCは有料道路料金の自動収受サービス専用の装置であったので、ETC以外の新たなサービスを店舗から移動端末ユーザに提供し、移動端末ユーザが享受できるようにするには、ETC専用機とは別の新たな車載装置(移動端末)を搭載する必要があった。また、店舗側も路側にETCとは別の新たなサービスに対応した店舗装置を設置する必要があった。更に、センタ側でも、ETCとは別の新たなサービスに対応したセンタ装置を設置する必要があった。つまり、サービスを追加する度に、サービスを受ける側にもサービスを提供する側にも新たな設備を追加/変更する必要があった。
【0003】
そこで、ETCの店舗側が提供する料金自動収受サービスはそのままで、別のサービスを追加できる仕組みを持つDSRC(ARIB、T75)が開発され、ETCだけでなく、駐車場管理等へも使えるものなどが実現されつつある。尚、DSRCとは、Dedicated Short Range Communication の略であり、「専用狭域通信」と訳される。
一方、このような狭域通信手段を利用した駐車場管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特許第3219373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなシステムは、店舗の駐車場をセンタ側で管理しているものの、個人情報である利用者識別情報を車載機から読み取って記憶管理しており、不特定多数の店舗にサービスを拡大していった場合に、この利用者識別番号が何らかの理由により外部に漏れる恐れがあり、その結果、このような情報が悪用される危険性が高くなるといった課題があった。また、例えば、数ある駐車場のうち、異なるサービス提供者の駐車場に対しては、別途、センタ等を設置する必要があった。更に、例えば、給油代金自動支払いサービス、門扉自動開放サービス等のサービスを複数受けようとする移動端末ユーザは、その度に、新たなものを買い揃える必要があった。また、そのようになると、端末識別情報の発行はもとより廃止等の管理はますます収拾がつかなくなる問題や、利用者にとっては、預金口座等の情報や利用者識別番号といった個人情報が益々外部にもれ、悪用される危険性が大きくなるという問題があった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、複数のサービスを受ける場合でも移動端末ユーザの個人情報等の漏洩は十分に保護することができる移動端末、店舗装置、およびセンタ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る移動端末は、店舗装置側の狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段と、この狭域通信手段を利用して提供される所定のサービスの対象に固有な識別情報を、店舗装置を介して、サービスの情報を管理するセンタのみが識別可能な暗号化端末情報として記憶する情報記憶手段と、店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、暗号化端末情報を読み出して応答する情報処理手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の移動端末は、店舗装置に対しては、サービスの情報を管理するセンタのみが識別可能な暗号化端末情報として、その端末情報を送信するようにしたので、複数のサービスを受ける場合でも移動端末ユーザの個人情報等の漏洩は十分に保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による移動端末を示す構成図である。
図において、移動端末100は、例えば、DSRC車載機であり、情報記憶手段110と、狭域通信手段120と、情報処理手段130からなる。
【0010】
情報記憶手段110は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)やSAM(Secure Application Module)といったデバイスで構成されている。情報記憶手段110は、端末情報111、サービス形式手順情報112、鍵情報113を含んでいる。更に、端末情報111は、サービス識別情報114、端末識別情報115を含んでいる。サービス識別情報114は、各サービスを識別するための情報であり、国/規格識別情報114aと、センタ識別情報114bと、サービス提供者識別情報114cとを有している。国/規格識別情報114aは、日本や米国といった国の識別やある規格を識別するための情報である。センタ識別情報114bは、サービスに関する情報を管理するセンタ装置を識別するための情報である。また、サービス提供者識別情報114cは、店舗装置といったサービス提供者を識別するための情報である。また、サービス識別情報114は、センタ側で暗号化されているか、あるいは読み出される時に、センタ装置でしか復号し得ないように暗号化されるものである。尚、「国/規格」や後述する「個人/個体」といった、/(スラッシュ)で併記されている用語は、以降の各実施の形態中の説明も含めて、同等の意味で使用することを示している。
【0011】
端末識別情報115は、その移動端末(サービスを受ける個人や個体といったサービス対象)を識別するための情報であり、この端末識別情報115においても、センタ側で暗号化されているか、あるいは読み出される時に、センタ装置でしか復号し得ないように暗号化されるものである。
【0012】
サービス形式手順情報112は、各サービスに対応した手順等を示す情報である。鍵情報113は、対センタ公開鍵113aと対店舗共通鍵113bからなる。対センタ公開鍵113aは、後述するセンタの公開鍵の情報であり、対店舗共通鍵113bは、後述する店舗装置の共通鍵の情報である。
【0013】
尚、店舗装置およびセンタについては、後述する各実施の形態において詳細に説明するが、店舗装置とは、移動端末100に対して実際に所定のサービスを提供する装置であり、センタとは、店舗装置のサービス提供情報を管理するための登録機関や代行者を含むものである。ここで、登録機関とはサービス識別情報114等の情報を登録するといった登録業務を行う機関であり、また、代行者とは登録機関の業務の代行を行う組織等である。
【0014】
これらの端末情報111、サービス形式手順情報112および鍵情報113は、その移動端末が利用するサービスの種類分が記憶されている。即ち、これらの情報は、サービス識別情報114の数だけ用意されている。
【0015】
狭域通信手段120は、例えば店舗装置に設けられた路側装置といった近接した同種の狭域通信手段と無線通信を行う機能部である。尚、店舗装置側の狭域通信手段(店舗側狭域通信手段)はその図示を省略している。情報処理手段130は、狭域通信手段120を介し該サービスを提供しようとする店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、該情報記憶手段110に記憶された暗号化端末情報111を読み出し、これを該応答に付加して、該狭域通信手段120を介し送信する機能を有している。
【0016】
移動端末100は、以下の各実施の形態も含めて、典型的には多目的DSRC車載機であるが、DSRCに限らず、無線LAN通信を用いたもの、赤外線通信を用いたものなどであってもよい。また、車載機に限らず、機能追加した、無線で近距離内の相手とも通信可能な携帯電話などであってもよい。また、小型のモジュールやチップ等であってもよい。
【0017】
次に動作について、典型的な店舗装置、センタ装置の働きも含めて、典型的な動作手順を示して説明する。
【0018】
(1)移動端末100が狭域無線通信の電波が放射されている区域に入ると、通信が確立する。
(2)相手からサービスについて、何らかの要求がなされる。
(3)その要求に対する応答情報を用意すると共に、そのサービスに対応する所定の業務形式・手順を踏まえて情報記憶手段110から識別情報が記憶された領域から内容(暗号化端末情報)を読み出す。
(4)読み出した内容を、該応答情報に付加して、狭域通信手段120を介して送信する。
(5)店舗側では、暗号化店舗情報、店舗要求などが追加され、センタへ転送される。
(6)センタでは、少なくとも、端末情報に関連付けられた個人/個体情報がアクセスされ、実質的にサービスを提供しても良いかの調査が代行される。
(7)店舗はその判断報告を受け、それを基にゲート開放などのサービスを実行する。
【0019】
以上のように、実施の形態1によれば、店舗装置に設置された同種の店舗側狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段と、狭域通信手段を利用して提供される所定のサービスの対象に固有な識別情報を、店舗装置を介して、サービスの情報を管理するセンタのみが識別可能な暗号化端末情報として記憶する情報記憶手段と、狭域通信手段を介し、店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、情報記憶手段に記憶された暗号化端末情報を読み出し、応答に付加して、狭域通信手段を介して送信する情報処理手段とを備えたので、移動端末のユーザは、所定の業者・店舗が狭域通信手段を用いて提供するサービス、例えば、門扉自動開放サービスやロードプライシング(通行料金自動支払い)といった任意のサービスを受けようとする場合、サービス代価の支払に必要な預金口座番号といった個人情報を、サービスの直接提供者である店舗/サービス提供者に知られることなく、享受することができる。よって、移動端末のユーザは個人情報が(不特定多数の)業者/店舗から何らかの事由で流出拡散し悪用されるリスクを回避できる効果がある。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態2は、店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、サービス識別情報114も含めて応答するようにしたものである。
図面上の構成は実施の形態1と同様であるため、図1を援用して説明する。
【0021】
実施の形態2における情報処理手段130は、狭域通信手段120を介して、該サービスを提供しようとする店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、端末識別情報115に加えて、サービス識別情報114も含めて応答するよう構成されている。また、この場合も、センタ側でのみ復号できるような暗号化情報として送信されるものである。その他の構成は実施の形態1と同様である。尚、本実施の形態において、サービス識別情報114は、移動端末のサービスを識別できるものであれば、どのような情報であってもよい。
【0022】
以上のように実施の形態2によれば、サービスに固有なサービス識別情報を暗号化端末情報として記憶する情報記憶手段を備えたので、移動端末のユーザは、実施の形態1の効果に加えて、所定の複数の店舗がそれぞれ提供する複数のサービスを契約する場合、それらの複数サービスの代価支払・振込業務を代行する一つのセンタにのみ託すことができるので、個人情報を、むやみに複数のセンタへ開示する必要が無い効果がある。
【0023】
実施の形態3.
実施の形態3は、店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、サービス識別情報114として、国/規格識別情報114a、センタ識別情報114bおよびサービス提供者識別情報114cのうち、少なくともいずれか一つを含めて応答するようにしたものである。
図面上の構成は実施の形態1と同様であるため、図1を援用して説明する。
実施の形態3における情報処理手段130は、狭域通信手段120を介し、該サービスを提供しようとする店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、端末識別情報115に加えて、サービス識別情報114における国/規格識別情報114aと、センタ識別情報114bと、サービス提供者識別情報114cのうち、少なくともいずれか一つを含めて応答するよう構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0024】
このように構成された移動端末では、情報処理手段130が、狭域通信手段を介し該サービスを提供しようとする店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、端末識別情報115に加えて、サービス識別情報114における国/規格識別情報114aと、センタ識別情報114bと、サービス提供者識別情報114cの全部、あるいはそのうちのいずれかの情報を含めて応答する。また、この場合も、センタ側でのみ復号できるような暗号化情報として送信されるのはもちろんである。
【0025】
以上のように、実施の形態3によれば、サービス識別情報として、サービスを管理するセンタに固有のセンタ識別情報、サービス提供者固有のサービス提供者識別情報および所定の国家や規格に固有の国家/規格識別情報のうち、少なくとも一つを含むようにしたので、移動端末のユーザは、複数の所定の国/規格、複数の所定のセンタ、複数の所定のサービス提供者、複数の店舗がそれぞれ提供する複数の所定のサービス中から任意に選んだ単数/複数のサービスを契約し、享受できる効果がある。
【0026】
実施の形態4.
実施の形態4は、サービスに対応した店舗装置からの要求により、付随して送られてきたデータ等を、情報記憶手段の所定の領域へ記憶し、また、所定の読出し要求に応じて、情報記憶手段の所定の領域に記憶した内容を読出し送信応答するようにしたものである。
【0027】
図2は、この発明の実施の形態4による移動端末の構成図である。
図において、移動端末100aは、情報記憶手段110、狭域通信手段120および情報処理手段130aからなる。情報記憶手段110および狭域通信手段120の構成は、実施の形態1と同様であるため、情報記憶手段110の内部の構成はその図示を省略している。
【0028】
情報処理手段130aは、応答処理手段131、要求分析手段132、店舗認証手段133を備えている。応答処理手段131は、サービス提供者(店舗装置)から記憶されている情報の取得要求があった場合、情報記憶手段110から該当する情報を読み出し、店舗装置に対して応答する読出応答機能を有していると共に、サービス提供者(店舗装置)から所定の情報の記憶要求があった場合、その情報を情報記憶手段110に記憶させる書込要求応答機能を有している。
【0029】
要求分析手段132は、狭域通信手段120を介して受信した店舗装置からの要求内容を分析する機能部であり、その分析結果を応答処理手段131に対して出力するよう構成されている。また、店舗認証手段133は、所定の認証処理を行って、要求を受けた店舗装置がその移動端末と真にサービス提供の関係にあるかを認証する機能部である。
【0030】
次に、動作について典型的な動作手順を示して説明する。尚、読み出し動作や書き込み動作に先立って店舗認証手段133による認証処理が行われるが、認証処理そのものについては公知であるため、ここでの説明は省略する。
(1)移動端末100aが狭域無線通信区域に入ると、狭域通信手段120を介して通信が確立する。
(2)相手の店舗装置から、送られてきた所定形式のデータ/ファイルを情報記憶手段110へ記憶するよう要求される。
(3)要求分析手段132の分析結果が書込要求ならば、応答処理手段131は、該データ/ファイルを情報記憶手段110へ記憶する。
(4)また、別途、相手の店舗装置から、記憶されている所定形式のデータ/ファイルを情報記憶手段110から読み出すよう要求される。
(5)要求分析手段132の分析結果が読出要求ならば、応答処理手段131は、情報記憶手段110から該データ/ファイルを読み出す。
(6)応答処理手段131は、読み出した内容を狭域通信手段120を介して送信する。
【0031】
以上のように、実施の形態4によれば、情報処理手段は、サービス提供者からサービス提供に関する情報の記憶要求があった場合、この情報を一時記憶情報として記憶させると共に、サービス提供者から記憶されている情報の取得要求があった場合、一時記憶情報を読み出し、サービス提供者に対して応答する応答処理手段を備えたので、店舗/サービス提供者の運用する店舗装置による、例えば、駐車場への入場時刻を書き込み、出場時刻を読み出して該施設の利用時間を算出する駐車場サービスを利用することが出来る。同様に、有料道路の利用開始地点で開始地点情報を書き込み、終了地点で開始地点情報を読み出して通行料金を算出する自動支払サービスを利用することが出来る。
【0032】
また、提供される期間が継続して管理されるタイプのサービス、そして提供される区間が継続して管理されるタイプのサービスといった任意のセション継続型サービスで、セッションフラグ情報を対端末で記憶しておくタイプのサービスを利用できる効果がある。
同様に、通過地点情報と通過時刻情報を路側装置から書き込むことによって任意の2地点間の所要時間を路側装置経由で得ることができる効果がある。
【0033】
実施の形態5.
実施の形態5は、情報提示手段を設けたものである。
図3は、この発明の実施の形態5による移動端末の構成図である。
図において、移動端末100bは、情報記憶手段110、狭域通信手段120および情報処理手段130b、情報提示手段140からなる。情報記憶手段110および狭域通信手段120の構成は実施の形態1〜4と同様であるためここでの説明は省略する。情報処理手段130bにおける応答処理手段131aは、要求分析手段132の分析結果が提示情報の書込要求の場合、情報提示手段140に出力するよう構成されている。尚、以降の実施の形態では、店舗認証手段133の図示は省略する。
【0034】
情報提示手段140は、例えば、表示器であるが、これは、音声出力手段あるいはブザー、チャイム等であってもよい。ブザー/チャイムの場合は、図示しない鳴動時間あるいは鳴動回数などの制御手段が追加されてもよい。
なお、提示情報が映像ファイルの場合には、図示しないビデオデコーダで、また、音声ファイルの場合には、図示しない音声デコーダで、所定の信号に変換されて、再生される。
【0035】
次に、動作について典型的な動作手順を示して説明する。
(1)移動端末100bが狭域無線通信の電波が放射されている区域に入ると、狭域通信手段120を介して通信が確立する。
(2)相手の店舗装置から所定の形式/手順を踏んでから付随して送られてきた所定形式のデータ/ファイルを情報提示手段140へ提示するよう要求される。
(3)要求分析手段132の分析結果が情報提示要求であった場合、応答処理手段131aは、該データ/ファイルを情報提示手段140の図示しない提示用メモリへ記憶する。
(4)情報提示手段140は、提示用メモリの内容を提示する。
【0036】
以上のように、実施の形態5によれば、サービス提供者から提示情報を受け取った場合は、これを提示する情報提示手段を備えたので、移動端末で受けたサービスに対する料金などの精算情報や所要時間情報の基となる情報提供の見返りとして提供される道路交通情報など任意内容の提供された情報を、店舗装置あるいはセンタから店舗装置を介して受け、提示させることができる。例えば、ユーザは自動精算等の内容をその提示結果を通じてその場で確認することが出来る効果がある。また、入力手段と共に設けた場合は、入力指示を提示できる効果がある。これにより、例えば、交通情報提供サービス、プローブ情報サービス、駐車場サービス、ガススタンドサービス等に適用できる効果がある。
【0037】
実施の形態6.
実施の形態6は、実施の形態5に対して更に入力応答手段を備えたものである。
図4は、この発明の実施の形態6による移動端末の構成図である。
図示の移動端末100cは、情報記憶手段110、狭域通信手段120および情報処理手段130c、情報提示手段140、入力手段150からなる。情報記憶手段110および狭域通信手段120の構成は実施の形態1〜5と同様である。また、情報提示手段140は実施の形態5の情報提示手段140と同様である。
【0038】
情報処理手段130cは、実施の形態5の構成に加えて入力応答手段134を備えている。入力応答手段134は、応答処理手段131aによる情報提示手段140への情報提示制御後、入力手段150からの入力を受け付ける機能を有している。入力手段150は、ボタンスイッチ、タッチパネル、リモコン、音声認識装置などのどれかとされる。リモコンの場合、情報提示手段140を画像表示器とし、選択スイッチパタンを表示させ、重ねて表示したカーソルをリモコンで移動させてスイッチ上で選択操作させるようにしてもよい。表示内容により、リモコンの特定のスイッチをプッシュするのみであってもよい。
【0039】
次に、動作について典型的な動作手順を示して説明する。
図5は、実施の形態6の動作を示すフローチャートである。
移動端末100cが店舗装置の狭域無線通信の電波が放射されている区域に入ると、通信が確立する。即ち、狭域通信手段120が、同種の狭域通信手段の電波を受信すると(ステップST101)、通信が確立され、次の処理に移行する。要求内容が認証要求であった場合(ステップST102)、店舗認証手段133は、所定の認証処理を行う(ステップST103)。即ち、ステップST103では、店舗認証手段133は、乱数を生成し返すと共に、一時記憶し、店舗からの暗号化乱数の到着を待つ。そして、店舗から到着したら、保有鍵で復号し、乱数と照合する。ここで一致なら店舗を信頼し、その結果を店舗に返すといった認証処理を行う。
【0040】
その後、要求分析手段132は、サービスの種類(サービス1〜サービスn)を判定する(ステップST104、ステップST105)。ここで、サービスの種類がサービス1であったとする。そうであった場合は、ステップST106に移行し、情報書込要求であるかを判定する。ステップST106において、情報書込要求であった場合は、その受信データ(例えば、テンポラルID)がNULLであるかを判定し(ステップST107)、NULLでない場合は、応答処理手段131はそのテンポラルIDを情報記憶手段110の所定の記憶領域に書き込む(ステップST108)。一方、ステップST107において、受信データがNULLであった場合、応答処理手段131は、このNULLデータを情報記憶手段110の所定の領域に書き込む(ステップST109)。即ち、所定領域に記憶されていたデータを削除する。また、乱数も削除する。尚、テンポラルIDについては、店舗装置に関する実施の形態で後述する。
【0041】
また、上記ステップST106において、情報書込要求では無かった場合、識別情報要求であるかを判定する(ステップST110)。このステップST110において、識別情報要求であった場合、応答処理手段131は、サービス識別情報114、端末識別情報115を情報記憶手段110から読み出し、店舗装置に対して狭域通信手段120を介して送信する(ステップST111)。また、ステップST110において、識別情報要求では無かった場合、要求分析手段132は、情報読出要求であるかを判定する(ステップST112)。ステップST112において、情報読出要求であった場合、応答処理手段131は、要求された情報を情報記憶手段110中の所定領域から読み出し、狭域通信手段120を介して店舗装置に送信する(ステップST113)。
【0042】
一方、ステップST112において、情報読出要求ではなく、情報提示要求であった場合、応答処理手段131は、受信データ(提示データ)を情報提示手段140に書き込む(ステップST114)。そして、このような情報提示手段140の提示により、ユーザが提示された内容に答えて、例えば、入力手段150における“はい”を示すボタンやキーを押下すると(ステップST115)、入力応答手段134は、ユーザ操作により入力されたことを示す情報を、狭域通信手段120を介して店舗装置に送信する(ステップST116)。あるいは、入力手段150がタッチパネルであった場合は、その押下された座標情報を操作情報として店舗装置側に送信してもよい。また、ステップST115において、入力がなく、所定時間のタイムアウトとなった場合は(ステップST117)、ステップST106に戻る。また、上記ステップST108、ST111、ST113、ST116の処理が終了した場合もステップST106に戻る。
【0043】
移動端末では、このような各サービスに対応した処理が行われる。例えば、ステップST105において、サービスnであった場合、そのサービスnの形式・手順による処理が行われ(ステップST118)、ステップST101の受信待ち状態に戻る。
【0044】
以上のように、実施の形態6によれば、情報提示手段による情報提示後、利用者からの入力を受け付けると共に、入力内容をサービス提供者側に応答する入力応答手段を備えたので、店舗側は、例えば画面表示で、任意の質問をし、入力手段で結果をすぐに得ることができるので、移動端末は店舗からの任意の質問に応答することができる。従って、例えば、所定のサービスの精算情報が提示された場合において、精算内容に間違いがあった場合、ユーザが入力手段へ入力しなければ料金が自動的に引き落しされてしまうことがないようにできるので、ユーザが安心できる効果がある。また、店舗装置から、提示してから一定時間操作されなかったら、ユーザ提示内容を了解したとみなす提示をし、一定時間経過しても入力応答手段からの肯定応答がない場合は、ユーザが了解したと判定する処理を、店舗装置で設けることができるので、そのような場合、移動端末ユーザは運転操作などで忙しい場合に入力操作を省略することができる効果がある。
【0045】
実施の形態7.
実施の形態7は、端末情報とサービスの精算に関する情報を保有するICカードといった情報記憶媒体を用いて、サービス提供を受けるようにしたものである。
【0046】
図6は、この発明の実施の形態7による移動端末の構成図である。
図示の移動端末100dは、情報記憶手段110a、狭域通信手段120および情報処理手段130d、情報提示手段140からなる。ここで、情報記憶手段110aにおける端末情報111〜鍵情報113の構成および狭域通信手段120の構成は実施の形態1〜5と同様である。また、情報提示手段140は実施の形態5、6の情報提示手段140と同様である。
【0047】
情報記憶手段110aは、媒体I/F手段160、情報記憶媒体170を有している。媒体I/F手段160は、図示しないカードソケット等を備えた情報記憶媒体170のインタフェースである。情報記憶媒体170は、例えばICカードであり、国/規格識別情報、センタ識別情報、サービス提供者識別情報、サービス識別情報、カード識別情報、信用情報等のカード情報を有するカードである。以下、情報記憶媒体170はICカード170として説明する。
情報処理手段130dにおける応答処理手段131bは、実施の形態5の機能に加えて、媒体I/F手段160を介してICカード170のデータの読出/書込を行う機能を有している。即ち、応答処理手段131bは、媒体I/F手段160を介して所定のサービスに対応したICカード170が接続されている場合、該サービスを提供している店舗装置からの要求に応じて、ICカード170に登録された、国/規格識別情報、センタ識別情報、サービス提供者識別情報、サービス識別情報、カード識別情報、信用情報といったカード情報を、媒体I/F手段160を通じて順次読み出し、更に、別途、端末識別情報115も読み出して、これらの情報を狭域通信手段120を介して店舗装置へ送信する機能を有している。また、残高情報/担保限度額情報といった信用情報などの書き込み要求に応じて、所定の形式の、例えばそれまでの残高から支払料金差引き後の残高といった付属したデータ/ファイルを所定の形式・手順を踏んで書き込む機能を有している。
また、要求分析手段132は、実施の形態1〜6のいずれかの実施の形態中の要求分析手段132と同様の構成を備えている。
【0048】
次に、動作について典型的な動作手順を示して説明する。
(1)ユーザによりICカード170が媒体I/F手段160の図示しないカードソケットに差し込まれると、媒体I/F手段160とICカード170の間で、所定の形式手順に沿って、ハード/ソフト形式の適合チェックが実行される。
(2)移動端末100dが店舗装置の狭域無線通信の電波が放射されている区域に入ると、通信が確立する。
(3)相手の店舗装置から所定の形式/手順を踏んでからICカード170の内容(カード名義人の信用情報など)が要求される。
(4)移動端末100dの要求分析手段132で店舗からの要求が分析される。
(5)要求内容がICカード170からの所定の内容読み出しであれば、応答処理手段131bは、例えば、ICカード170に登録された内容(サービス提供者識別情報、サービス識別情報、カード識別情報、残高情報など)を所定の形式・手順で読み出し、更に、端末情報111より端末識別情報115も読み出して、これらの情報を読み出したものを狭域通信手段120を通じて要求元に送信応答する。
(6)要求分析の結果が書込要求であれば、付属したデータ/ファイルを所定の形式・手順を踏んでICカード170へ書き込む。
【0049】
以上のように、実施の形態7によれば、端末情報とサービスの精算に関する情報を保有する情報記憶媒体に対して、端末情報とサービスの精算に関する情報の授受を行い、かつ、これら情報をサービス提供者に応答すると共に、サービス提供者からサービスの精算に関する情報の書込要求があった場合は、前記情報記憶媒体に対して当該サービスの精算に関する情報を書き込む媒体I/F手段を備えたので、移動端末、ICカードユーザは、クレジットカードのサインの代わりに、あるいは、電子マネー/キャッシュカードの暗証番号の代わりに、端末情報を店舗には秘匿した形式で送出できる(店舗はセンタあてに転送し、ユーザの信用調査、ユーザからの料金収受を実施できる)ので、ユーザはサイン操作なしで、所定の店舗が提供する所定のサービスを利用することができる。また、店舗が提供する、電子マネーなどのプリペイドカードを利用する従来からの料金支払サービスにも対応できる効果がある。尚、上記実施の形態において、ICカード170を、セッションIDの書込/読出に利用してもよい。また、上記実施の形態では、情報記憶媒体170をICカードとした場合を説明したが、情報記憶が可能な媒体であればどのようなものであってもよい。
【0050】
また、上記実施の形態1から実施の形態7においては端末情報111のみ備えるようにしたが、例えば、移動端末が物品に添付されるような場合、端末情報111と関連付けて、個体の属性情報を情報記憶手段110で記憶するようにしてもよい。例えば、属性情報として、物品の品名、種別名、価格、製造元、製造月日、届け先、到着期限日時といった物品に関する、例えば、物流を効率的に管理するための種々の情報を備えるようにする。
このような属性情報は、端末情報を暗号化して書き込む主体(センタ/登録者/代行者)が、書き込むようにしてもよいし、属性情報の少なくとも一部について、指定の第三者が書込/変更するようにしてもよい。
このようにすれば、移動端末を備えた個体に関する任意の情報を、このような個体を扱う店舗装置には秘匿した上で、しかも、移動端末を備えた個体を狭域通信領域を通過させるだけで、台数管理、所在管理、在庫管理といった個体管理がセンタで集中的に可能となる効果がある。また、このような情報も暗号化して移動端末からセンタに送られるため、情報の漏洩の危険性を激減させる効果がある。
【0051】
実施の形態8.
図7は、この発明の実施の形態8による店舗装置の構成図である。
図示の店舗装置は、2台の店舗装置200a,200bを示しており、後述するゲート290を含めて、これら構成で一つの店舗を構成している。また、2台の店舗装置200a,200bの内部構成は同様であるため、店舗装置200aの内部構成のみ示している。店舗装置200aは、情報記憶手段210、情報処理手段220、狭域通信手段240、対センタ通信手段250、店舗装置間通信装置260、表示・入力手段270、一時記憶情報ファイル280からなる。
【0052】
情報記憶手段210は、移動端末における情報記憶手段110に対応する記憶手段であり、店舗情報211を備えている。この店舗情報211は、国/規格識別情報である国/規格ID、センタ識別情報であるセンタID、サービス提供者識別情報であるサービス提供者ID、サービス識別情報であるサービスID毎にサービスの数に対応して設けられている。即ち、サービスIDで識別される数だけ店舗情報が用意されている。また、店舗情報211として店舗識別情報212を備えている。この店舗識別情報212は、店舗装置を識別するための情報であり、振込先情報を有している。この振込先情報としては、振込指定フラグ212a、登録者番号212b、店舗ID(店舗識別情報)212c、口座情報212dからなる。
【0053】
情報処理手段220は、店舗装置としての移動端末への各種のサービス提供処理や、図示しないセンタとの信用調査要求や付替処理といった各種のサービス提供に関する種々の処理を行うための機能部であり、対端末送信情報構成手段221、対端末受信情報分解手段222、対センタ送信情報構成手段223、対センタ受信情報分解手段224、サービス切替手段225、振込先変更手段226、サービス処理手段230からなる。
対端末送信情報構成手段221は、狭域通信手段240を介して図示しない移動端末への送信情報を所定のフォーマットのデータに形成する手段である。また、対端末受信情報分解手段222は、狭域通信手段240を介して移動端末から受信した所定のフォーマットのデータから各データを取り出す手段である。対センタ送信情報構成手段223は、対センタ通信手段250を介してセンタへの送信情報を所定のフォーマットのデータに形成する手段である。対センタ受信情報分解手段224は、対センタ通信手段250を介してセンタからの受信データから所定のフォーマットに従ってデータを取り出すための手段である。
【0054】
サービス切替手段225は、表示・入力手段270からの指示に従い、サービスを切り替えるための手段である。振込先変更手段226は、表示・入力手段270からの指示に従い、振込先を変更するための手段である。
サービス処理手段230は、各種のサービスを実行する手段であり、対端末相互認証証明手段231、対センタ相互認証証明手段232、セッションID管理手段233、サービス制御手段234、料金計算手段235、信用調査要求手段236、手数料支払要求手段237、引落/付替要求手段238を備えている。
【0055】
対端末相互認証証明手段231は、移動端末との相互認証を行うための手段である。対センタ相互認証証明手段232は、センタ側との相互認証を行うための手段である。セッションID管理手段233は、サービス提供のセッションを管理するための手段であり、テンポラルIDの生成や消去といった処理を行うものである。サービス制御手段234は、例えば、ゲートの開閉制御といったサービス対象の制御を行うための手段である。料金計算手段235は、例えば、サービスが駐車場サービスであった場合に、駐車料金を計算するといった料金計算を行うための手段である。信用調査要求手段236は、移動端末側からのデータに基づいて、サービス提供の対象者となる移動端末のユーザの信用調査(残高や与信限度額等)の調査をセンタ側に要求するための手段である。手数料支払要求手段237は、店舗としての手数料が発生した場合は、この手数料の支払要求をセンタ側に行うための手段である。引落/付替要求手段238は、所定の日時や口座から引落や付替を要求するための手段である。
【0056】
狭域通信手段240は、移動端末との通信を行うための手段である。尚、店舗装置200aは、店舗が提供するサービス内容によって複数の通信領域を設定するために、狭域通信手段240として、通信のための電波を放射する図示しないアンテナを複数設けてもよい。対センタ通信手段250は、センタとの通信を行うための手段である。店舗装置間通信装置260は、店舗装置200aとは異なる店舗装置200bとの相互通信を行うための装置である。表示・入力手段270は、各種の情報を表示するディスプレイとキーボード等の入力装置からなる手段である。一時記憶情報ファイル280は、サービスのセッションに応じて一時的に記憶される情報の記憶部であり、例えば、駐車場サービスにおいては次のようになっている。
【0057】
図8は、一時記憶情報ファイルの説明図である。
一時記憶情報ファイルは、図示のように、セッション識別情報、品目、場所、日時といった情報を、セッション毎に表すよう構成されている。
図7に戻り、ゲート290は、店舗装置200aによって制御される例えば駐車場におけるゲートである。尚、本実施の形態では、店舗装置200aのサービス提供の対象として、ゲートとしているが、制御対象はこれに限定されるものではない。
【0058】
このように構成された店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって、移動端末との相互認証が行われる。その後、情報処理手段220は、移動端末から受信した所定の暗号化端末情報と、情報記憶手段210から読み出した暗号化店舗情報と、そのサービスの実行中に必要になった要求やパラメータ等を組み合わせ、必要に応じて、センタ側が店舗に対して発行した所定の暗号鍵で更に暗号化し、対センタ通信手段250を介してセンタに送信する。
【0059】
以上のように、実施の形態8によれば、移動端末に設置される同種の移動端末側の狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段と、狭域通信手段を利用して提供される所定のサービスを提供する側に固有なサービス提供者識別情報を暗号化店舗情報として記憶する情報記憶手段と、サービスを管理するセンタと通信を行う対センタ通信手段と、狭域通信手段を介して移動端末から受信した所定の暗号化端末情報と、情報記憶手段から読み出した暗号化店舗情報と、移動端末へのサービスの実行中に必要となった情報とを組み合わせ、これら情報を、対センタ通信手段に対してセンタへ送信するよう指示する情報処理手段とを備えたので、店舗/サービス提供者は、所定のセンタが対応する所定サービスに対応した店舗装置を設置し、該サービスを複数の所定の移動端末へ提供できる効果がある。また、店舗/サービス提供者は、該サービスの正当な提供者であり、かつサービス提供相手が正当な移動端末ユーザであることを、センタ/代行者へのみ通知できる効果がある。
【0060】
実施の形態9.
実施の形態9は、サービス識別情報も含めて暗号化店舗情報としてセンタ側に送信するようにしたものである。
実施の形態9における図面上の構成は、図7、図8に示した実施の形態8と同様であるため、これらの図を援用して説明する。
実施の形態9の店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって、移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220は、移動端末から受信した所定の暗号化端末情報と、情報記憶手段210から読み出した暗号化店舗情報と、サービス識別情報と、そのサービスの実行中に必要になった要求やパラメータ等を組み合わせ、必要に応じて、センタ側が店舗に対して発行した所定の暗号鍵で更に暗号化し、対センタ通信手段250を介してセンタに送信する。即ち、実施の形態9は、サービス識別情報として、国/規格ID、センタID、サービス提供者IDのうち、少なくとも一つを含めて暗号化店舗情報としてセンタ側に送信する。
【0061】
以上のように、実施の形態9によれば、サービスに固有なサービス識別情報を暗号化店舗情報として記憶する情報記憶手段を備えたので、店舗/サービス提供者は、複数の所定のセンタが対応する複数の所定サービスの中から、好みのサービスに対応した店舗装置を設置し、該サービスを複数の所定の移動端末へ提供できる効果がある。また、店舗/サービス提供者は、センタ/代行者がサポートする該サービスの正当な提供者であり、かつサービス提供相手が正当な移動端末ユーザであることを、センタ/代行者へのみ通知できる効果がある。
【0062】
実施の形態10.
実施の形態10は、サービスを提供する場合、その提供時刻を記憶するようにしたものである。
この実施の形態10においても、図面上の構成は図7、図8の実施の形態8と同様であるため、これらの図を援用して説明する。
実施の形態10の店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220は、そのサービス開始時刻(セッションの開始時刻)を一時記憶情報ファイル280に記録し、セッションが終了した場合にその終了時刻を一時記憶情報ファイル280に記録する。
【0063】
以上のように、実施の形態10によれば、情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、このサービスを提供する時刻を保存するようにしたので、店舗は、いつ、サービスを提供したか記録に残すことができるので、後でサービスが繁忙である時間帯やサービス繁忙ピーク時のサービス余力などを知ることができる効果がある。
【0064】
実施の形態11.
実施の形態11は、実施の形態10の時刻情報に加えて、端末の識別情報も含めて記憶するようにしたものである。
この実施の形態11においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
実施の形態11の店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220は、そのサービス開始時刻(セッションの開始時刻)を一時記憶情報ファイル280に記録し、セッションが終了した場合にその終了時刻を一時記憶情報ファイル280に記録する。また、ここで、移動端末を識別する任意の識別情報、例えば、秘匿されていない既存のAID(アプリケーションID:既存のETCやDSRCといった通信規格で定められたアプリケーションのID)を、これらの時刻情報と対にして一時記憶情報ファイル280に記録する。
【0065】
以上のように、実施の形態11によれば、情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、移動端末の識別情報と、サービスを提供する時刻とを関連付けて保存するようにしたので、店舗/サービス提供者は、いつ、どの移動端末にサービスを提供したか、記録に残すことができるので、特定の移動端末に対するサービス履歴が得られる効果がある。また、離隔した複数の店舗装置で、店舗/サービスを構成する場合は、店舗装置相互間で情報共有することにより、相互間移動時間の情報を得られるなど、移動体の挙動を知ることができる効果がある。
【0066】
実施の形態12.
実施の形態12は、移動端末に対して所定のサービスを提供するセッションを開始する場合、そのセッションを識別するためのセッション識別情報を生成すると共に、そのセッション識別情報を移動端末やセンタに対して一時的に利用可能にするようにしたものである。
この実施の形態12においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0067】
実施の形態12の店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220は、そのサービス開始時刻(セッションの開始時刻)を一時記憶情報ファイル280に記録し、セッションが終了した場合にその終了時刻を一時記憶情報ファイル280に記録する。また、ここで、移動端末とセンタ装置に対して、そのセッション識別情報(セッションID)を送信し、移動端末とセンタ側での使用を可能とする。
【0068】
以上のように、実施の形態12によれば、情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、そのサービスを提供するためのセッションを識別するための一時的なセッション識別情報を生成し、このセッション識別情報を自ら保持すると共に、移動端末およびセンタの少なくとも一方に対して送信するようにしたので、所定の相手に対しては開かれた記憶手段を有するタイプの移動端末に対し、狭域通信手段により通信して所定サービスを提供する場合、その移動端末に対するサービスの開始と終了を制御できる効果がある。また、排他的・テンポラルな識別情報として利用することにより、複数の移動端末への同時サービス提供が可能となり、悪用され難い効果がある。また、それぞれ特定のセッション中のみの暗号用鍵として用いることで、移動端末と店舗との間の通信文を相互に暗号・復号化できる効果がある。
【0069】
実施の形態13.
実施の形態13は、移動端末へのサービス提供を開始する場合、移動端末ユーザの信用調査をセンタ側に要求すると共に、サービス提供を終了する場合に、精算要求をセンタ側に送信するようにしたものである。
この実施の形態13においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0070】
実施の形態13の店舗装置200aでは、移動端末から所定のサービス要求があった場合、情報処理手段220によって移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220は、その移動端末のユーザの信用調査を信用調査要求手段236によって要求する。そして、情報処理手段220は、この信用調査要求に対するセンタ側の調査結果に基づいて、サービスを提供する。そして、サービス提供が終了した場合は、引落/付替要求手段238によって、センタに対して付替要求を行う。即ち、端末上方と関連付けられた移動端末ユーザの支払元口座から引き落とし、店舗情報と関連付けられた振込先口座へ付け替える(引落、振込)要求を行う。
【0071】
以上のように、実施の形態13によれば、情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、センタに対して、その移動端末の利用者の信用調査を要求すると共に、サービスの提供を終了する場合の、提供したサービス対価の付替要求を行うようにしたので、店舗は、移動端末ユーザの信用(支払能力)調査あるいはサービス代金を自動収受できる効果がある。
【0072】
実施の形態14.
実施の形態14は、移動端末に提供するサービスとして、例えば駐車場といった車両の通行可否を示すゲートの開閉制御を行うようにしたものである。
この実施の形態14においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0073】
実施の形態14の店舗装置200aでは、図示省略した車両通過センサを備え、この車両通過センサの出力に基づいて情報処理手段220におけるサービス制御手段234がゲート290の開閉制御を行うよう構成されている。
【0074】
実施の形態14では、移動端末から所定のサービス要求があった場合、即ち、狭域通信手段240によって移動端末との通信が行われた場合、情報処理手段220によって移動端末との相互認証を行った後、情報処理手段220におけるサービス制御手段234は、ゲート290(入口ゲート)の開放制御を行う。そして、車両がゲート290を通過したことを車両通過センサによって検知すると、サービス制御手段234は、ゲート290の閉じるよう制御を行う。また、車両が駐車場より出場する場合、入口ゲートの場合と同様に、ゲート290(出口ゲート)の開閉制御が行われる。
【0075】
以上のように、実施の形態14によれば、提供するサービスを、移動端末が搭載された車両の通行可否を示すゲートの自動開放制御サービスとしたので、移動端末の搭載車両ユーザに対して、通門時に自動でゲートを開放するサービスを提供できる効果がある。また、代金を自動収受することもできる効果がある。
【0076】
実施の形態15.
実施の形態15は、店舗装置が提供するサービスとして、移動端末を保持した歩行者、あるいは移動端末を搭載した車両や移動端末を保持した運転者が利用した施設の、季節、気温、日時、曜日、施設混雑度、利用時間、時間帯のいずれかの組み合わせで決定される使用料金を収受するようにしたものである。
この実施の形態15においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0077】
実施の形態15では、移動端末に対して所定のサービス提供を行う場合、料金計算手段235は、利用する施設の、例えば、曜日や時間帯といった利用する時間に関する情報に基づいて使用料金を計算する。そして、この情報はセンタ側に送信され、センタからの精算情報に基づいて、利用者から料金を徴収する。
尚、上述した施設混雑度は、単位時間あたりの利用者数によって求められるものである。
【0078】
以上のように、実施の形態15によれば、提供するサービスを、移動端末を利用する利用者が施設を利用した利用料金の自動収受サービスとしたので、移動端末搭載の車両ユーザから例えば駐車場といった施設の多用な料金体系で提供されるサービスの使用料金等を自動収受できる効果がある。
【0079】
次に、上記実施の形態8〜実施の形態15の店舗装置の動作として、駐車場サービスの場合を例として説明する。
図9、図10は、駐車場サービスにおける店舗装置の動作を示すフローチャートである。
先ず、店舗装置200aが起動すると、各部の初期化が行われる(ステップST201)。その後、狭域通信手段240によって、移動端末を搭載した車両が検知されると(ステップST202)、サービス処理手段230は、移動端末へ駐車場サービスを提供していることを知らせると共に、外部認証を要求する。そして、移動端末より乱数を受信した場合は、対端末相互認証証明手段231は、これを共通鍵で暗号化し、移動端末に送信する(ステップST203)。その後、対端末相互認証証明手段231による端末間相互認証が成立すると(ステップST204)、セッションID管理手段233は、駐車場サービス(これをサービス1とする)のテンポラルID情報を読み出し要求する(ステップST205)。テンポラルIDが未登録または予め設定した時間のタイムアウトであった場合(ステップST206)、セッションID管理手段233は、その時点で発行中のテンポラルIDと重複しないテンポラルIDを生成し、一時記憶情報ファイル280の空きレコードに登録する(ステップST207)。そして、セッションID管理手段233は、生成したテンポラルIDを移動端末に書込要求する(ステップST208)。
【0080】
移動端末側から書込成功の通知があった場合は(ステップST209)、サービス処理手段230は、暗号化端末情報を移動端末に対して要求する。また、信用調査要求手段236は、移動端末の信用調査要求をセンタ側に送信する(ステップST210)。ここで、信用調査の要求に関する情報としては、暗号化された端末情報や店舗情報等で構成されているものである。次に、サービス制御手段234は、ゲート290(入口ゲート)の開放制御を行い(ステップST211)、また、セッションID管理手段233は、一時記憶情報ファイル280のレコードへ入庫時刻(現在時刻)を追記する(ステップST212)。また、ステップST212において、入口と出口が別々の店舗装置を設置の場合、内容を出口側の店舗装置に通知する。尚、出口側の店舗装置において通知を受ける処理についてはその図示を省略している。
【0081】
一方、ステップST209において、書込が不成功であった場合、その旨の内容を示すエラーメッセージを路側装置(狭域通信手段240)に付属の提示手段(図示せず)に提示する(ステップST213)。そして、ステップST213またはステップST212の後、ステップST202の車両の進入検知状態に戻る。
また、ステップST204において、端末間相互認証が不成立であった場合、情報処理手段220は、路側装置付属の提示手段に「提供中のサービスに対応した端末情報が必要です」といったメッセージを提示する。また、「現金支払いも可能です」といったメッセージも提示する(ステップST214)。次に、サービス制御手段234によってゲート290の開放制御が行われ(ステップST215)、ステップST202に戻る。
【0082】
以上のステップST202→ステップST206→ステップST212(ステップST213)の処理、または、ステップST202→ステップST204→ステップST215の処理(図中の破線で示す処理)が、セッション開始時(入場時)の流れである。例えば、ゲートに接近したら自動的にゲートを開放すればよいだけといった単純なサービスでは、図示の破線で示すループ部分の処理と略同様な処理が動作する店舗装置でサービス提供することができる。
【0083】
次に、ステップST206において、未登録やタイムアウトではない場合、即ち、車両の出庫時では、先ず、セッションID管理手段233は、一時記憶情報ファイル280の対応するレコードへ出庫時刻を書き込む(ステップST216)。また、ステップST216では、出庫時刻と入庫時刻との差、即ち、駐車時間を演算し、これを一時記憶情報ファイル280のレコードへ書き込む。次に、料金計算手段235は、入庫日時と出庫日時を基に、駐車時間を演算し、図示しない駐車料金表を参照して駐車料金を決定し、対応するレコードに書き込む(ステップST217)。
【0084】
次に、センタから受信した信用調査の照会結果(残高情報等)を検索する(ステップST218)。尚、信用調査の照会結果受信動作は次のように行われる。
図11は、信用調査結果応答の受信処理を示すフローチャートである。
センタからの受信待ち(ステップST241)において、センタからの受信があった場合は、これが預金残高通知であるかを判定し(ステップST242)、そうであった場合は、テンポラルIDをキーにして、センタからの残高調査結果を、一時記憶情報ファイル280における預金残高領域に記憶する(ステップST243)。次に、残高が予め定めた所定値より小さいかを判定し(ステップST244)、そうであった場合は、一時記憶情報ファイル280の該当するレコードに警告フラグをセットする(ステップST245)。また、ステップST244において残高が所定値以上であった場合はステップST245の処理をスキップする。また、ステップST242において、受信データが預金残高通知ではなかった場合は、該当するその他の受信処理を行う(ステップST246)。そして、このステップST246またはステップST245の後、サービス中の一時記憶情報ファイル280の内容を他の店舗装置200bへ通知する(ステップST247)。
【0085】
図9、図10に戻り、ステップST218で信用調査照会結果を検索すると、預金残高がステップST217で演算した駐車料金以上であるかを判定し(ステップST219)、そうであった場合は、対応するレコードの内容、即ち、精算情報を移動端末に情報提示要求する(ステップST220)。その後、応答待ちタイマ処理を行い(ステップST221)、テンポラルID、端末情報、店舗情報等をセンタに送信する(ステップST222)。即ち、精算要求を行う。尚、ステップST221の応答待ちタイマ処理は次の通りである。
【0086】
図12は、応答待ちタイマ処理のフローチャートである。
応答待ちタイマ処理は、応答待ちを行い(ステップST251)、応答がない場合は、タイマが動作中であるかを判定する(ステップST252)。ステップST252において、タイマが動作中でない場合はタイマを起動し(ステップST253)、その後、タイマオーバであるかを判定する(ステップST254)。また、ステップST252においてタイマが動作中であった場合は、ステップST254に移行してタイマオーバであるかを判定する。
【0087】
再び図9、図10に戻り、ステップST219において、預金残高が駐車料金に満たない場合は、対応するレコードの内容、即ち、精算情報へ支払方法選択依頼情報を追加する(ステップST223)。尚、この支払選択依頼情報としては、テキストや画像あるいは音声情報等、どのようなものであってもよい。次に、対応するレコードの内容(精算情報)を移動端末側に提示するよう送信する(ステップST224)。次に、所定の応答待ちタイマ処理を行い(ステップST225)、移動端末側から応答された支払方法を判定する(ステップST226)。
【0088】
ステップST226において、応答方法がクレジットカードであった場合、引落/付替要求手段238は、テンポラルID、端末情報(含むカード情報)、店舗情報等を含む情報を精算要求としてセンタに送信する(ステップST227)。また、現金による支払であった場合は、現金支払機からの支払済を確認する(ステップST228)。尚、現金支払機は、店舗の装置として予め設けられているものとする。また、ステップST226において、その他の支払方法であった場合は、その支払方法による支払済を確認する(ステップST229)。
【0089】
ステップST222、ステップST227、ステップST228、ステップST229の後、サービス制御手段234はゲート290を開放する制御を行う(ステップST230)。その後は、一時記憶情報ファイル280から、該当テンポラルIDに対応するレコードを、そのテンポラルIDを含めて削除する。尚、この場合、ログとして記録するようにしてもよい。また、入口と出口に別々の装置を設置している場合、入口側の店舗装置へレコードの削除を通知する(ステップST231)。尚、入口側の店舗装置において、ステップST231の通知を受ける処理についてはその図示を省略する。
【0090】
このように、駐車場サービスにおいて、入口側装置と出口側装置で共通の構成とすることができるため、装置の筐体やソフトウェア、装置のネームプレート等を共通とすることができる。従って、製造管理、在庫管理、設置管理、設置後管理を大幅に簡素化することができる。また、支払方法も選択できるようにしたので、現金支払いユーザへのサービス提供も行うことができる効果がある。更に、テンポラルIDを利用して入庫か出庫かを判定できるようにしたので、同じ構成の店舗装置を入出庫のどちらに設置してもよく、入出庫が同じ設置場所の場合、入出庫を1台で兼ねることができる効果がある。
【0091】
ところで、店舗装置として、例えば、道路の料金所毎に通信領域が設置されるといったように、距離を隔てた複数の遠隔地間にまたがる場合等においては、店舗装置200a,200bをそれぞれの通信領域の近くに設置し、店舗装置間通信装置260で相互に通信し、共有すべき情報、例えばセッション情報ファイルを相互に共有する。あるいは、セッションの終了を判断する店舗装置、例えば駐車場の出口側に設置される店舗装置に代表してセッション情報ファイルを持たせる。そして、セッション開始を判断する店舗装置(例えば駐車場の入口側に設置の店舗装置)は、セッション開始時に、代表の店舗装置にセッションIDを発行してもらい、それを移動端末へ記憶要求してもよい。そして、このような場合、センタとの通信は代表の店舗装置が行う。
【0092】
図13は、店舗における駐車場に設置された複数の店舗装置の接続例を示す説明図である。
図示例では、店舗200の駐車場が二つ(20a,20b)あり、それぞれの駐車場20a,20bに、入口側の店舗装置200aと出口側の店舗装置200bが設けられている。店舗装置200aは入口側の狭域通信手段240aを有し、店舗装置200bは出口側の狭域通信手段240bを有している。また、代表の店舗装置となる店舗装置200bの対センタ通信手段250はルータ21を介してセンタと接続されるようになっている。また、これらの店舗装置200a,200bは、店舗装置間通信装置260によって通信接続されるようになっている。
このような構成では、代表の店舗装置200bは、セッションの終了を判断するので、代表でない店舗装置200aと通信することなく、セッションIDの登録を抹消することができる。このような動作により、セッション管理の一元性を保つことができる。
【0093】
実施の形態16.
実施の形態16は、提供するサービスとして移動端末を有する個体の入退場管理や在場管理に適用するようにしたものである。
この実施の形態16においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0094】
実施の形態16の店舗装置200aでは、提供するサービスとして、移動端末を所持したユーザの映画館、遊園地あるいはイベント会場といった任意の所定領域への入退場を管理するものである。また、家畜等の在場管理を提供するサービスとすることができる。
実施の形態16の情報処理手段220は、このような入退場/在場管理を行う場合、移動端末との相互認証、暗号化端末情報の受信、端末情報と店舗情報を暗号化した情報のセンタ側への送信といった送信基本的な動作は、上記実施の形態8〜実施の形態15と同様である。尚、家畜等の在場管理といったように、利用料金の収受を行わない場合は、センタ側への精算要求等の動作は発生しない。
【0095】
以上のように、実施の形態16によれば、提供するサービスを、移動端末を利用する利用者が所定の領域に入退場する場合の入退場管理サービスとしたので、店舗/サービス提供者は、移動端末ユーザの施設への入退場時間、現在利用数、利用数推移などの統計情報、管理情報などを得られる効果がある。また、入場代金を自動収受することもできる効果がある。また、家畜等の在場管理を行うことができる効果がある。
【0096】
実施の形態17.
実施の形態17は、提供するサービスとして物品の在庫管理に適用するようにしたものである。
この実施の形態17においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
実施の形態17では、情報処理手段220が物品の在庫管理を行うよう構成されており、また、狭域通信手段240は、物品に添付された移動端末を検知するよう構成されている。このように構成された店舗装置において、例えば入荷処理に適用した場合の動作は次の通りである。
【0097】
図14は、店舗装置を入荷処理に適用した場合の動作フローチャートである。
入荷チェック用の狭域通信手段240を備えた店舗装置では、入荷チェック用狭域通信範囲内で所定の狭域通信手段を備えた物品(移動端末が添付された物品)がかざされると情報処理手段220は入荷処理を開始する(ステップST261)。次に、対端末相互認証証明手段231(および対センタ相互認証証明手段232)により、物品が正当なものかそして店舗装置200aが正当なものかの相互認証が実施される(ステップST262)。そして、ステップST262で認証に成功したものについて、暗号化物品情報(暗号化端末情報)に、暗号化店舗情報、サービスIDそして日時情報を付加し、入荷品(加算要求)として、所定のセンタに通知する(ステップST263)。また、ある程度の数がまとまってから所定の時間が経過する毎にまとめて通知するようにしてもよい。また、必要に応じてテンポラルIDが利用される。
【0098】
図15は、店舗装置を出荷処理に適用した場合の動作フローチャートである。
出荷チェック用の狭域通信手段240を備えた店舗装置では、出荷チェック用狭域通信範囲内で所定の狭域通信手段を備えた物品(移動端末が添付された物品)がかざされると情報処理手段220は出荷処理を開始する(ステップST271)。次に、対端末相互認証証明手段231(および対センタ相互認証証明手段232)により、物品が正当なものかそして店舗装置200aが正当なものかの相互認証が実施される(ステップST272)。そして、ステップST272で認証に成功したものについて、暗号化物品情報(暗号化端末情報)に、暗号化店舗情報、サービスIDそして日時情報を付加し、出荷品(登録抹消要求)として、所定のセンタに通知する(ステップST273)。また、ある程度の数がまとまってから所定の時間が経過する毎にまとめて通知するようにしてもよい。また、必要に応じてテンポラルIDが利用される。
【0099】
図16は、店舗装置を在庫調査処理に適用した場合の動作フローチャートである。
店舗装置200aでは、店舗装置運用者の在庫調査開始意思が検知されると(ステップST281)、対端末相互認証証明手段231(および対センタ相互認証証明手段232)により、操作者が正当なものか、そして移動端末が正当なものか、また店舗装置自体が正当なものかの相互認証が実施される(ステップST282)。次に、暗号化店舗情報、サービスID、日時情報等と共に、物品の在庫状態を問い合わせる要求が所定のセンタに通知され、物品の在庫情報(例えば、在庫種別、在庫数等のリスト)の回答を得て、これらの情報が表示・入力手段270における表示部に表示される(ステップST283)。
【0100】
尚、実施の形態17において、物品(移動端末)側の狭域通信手段としてはRFIDタグ、店舗装置側の狭域通信手段240としては、RFIDタグの読取装置といった装置を用いてもよい。ここで、物品に添付する移動端末は小形、薄型のものが望ましい。
【0101】
以上のように、実施の形態17によれば、提供するサービスを、移動端末を装着した物品の在庫管理サービスとしたので、物品情報を店舗に対して秘匿できる(対タンパ性を高水準に保つことができる)効果がある。また、物品情報(端末情報)の一元的な登録・抹消等の管理を、物流の途中段階の、例えば倉庫(店舗)などとは別の、限られた主体(=センタ)で集中的に行えるので、管理のための費用を削減することができ、また、ミスが発生しにくいといった効果がある。その結果、信頼性の高い在庫管理といった物流管理を行うことができる効果がある。
【0102】
実施の形態18.
実施の形態18は、提供するサービスとして道路交通情報収集サービスに適用するようにしたものである。
この実施の形態18においても、図面上の構成は図7、図8と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。
【0103】
実施の形態18では、情報処理手段220が道路管理に関する処理を行うよう構成されている。即ち、移動端末を搭載した車両が複数の所定地点を順次通過した時刻を集計し、これらの地点間の時刻帯別所要時間を求めるようにしたものである。
【0104】
このような道路管理サービスは、その店舗装置としては、例えば図13に示したような複数の店舗装置を備え、かつ、代表となる店舗装置で演算処理やセンタへの通知を行うような構成とすることで実現することができる。
【0105】
以上のように実施の形態18によれば、提供するサービスを、移動端末を搭載した車両が複数の所定地点を順次通過した時刻を集計し、少なくとも任意の地点間の時間帯別所要時間を求め、提供する道路交通情報収集サービスとしたので、店舗/サービス提供者は、道路の込み具合、所定区間移動の所要時間情報等を時々刻々と道路管理者/道路利用者へ提供できる効果がある。また、代金を自動収受することもできる効果がある。
【0106】
実施の形態19.
実施の形態19は、店舗装置が提供するサービスを切り替えるようにしたものである。
この実施の形態19においても、図面上の構成は図7、図8の実施の形態8と同様であるため、これらの図を援用して説明する。
店舗装置200aの情報記憶手段210には複数のサービスに対応した店舗情報が備えられており、また、これらのサービスに対応したサービス処理手段230が複数設けられている。
店舗あるいは店舗装置のサプライヤが店舗装置200aの用途を変更したい場合、表示・入力手段270における入力部からその旨の情報を入力する。これにより、サービス切替手段225は、店舗装置200aとして提供するサービスを切り替える。この場合、鍵情報を持ち権限を有する者のみがサービス切替手段225によってサービス切替を行えるようにしてもよい。
【0107】
以上のように、実施の形態19では、複数の異なるサービスに対応したサービス識別情報を有する情報記憶手段と、所定の切替指示に基づき、情報記憶手段中の対応するサービス識別情報を用い、提供するサービスを切り替えるサービス切替手段とを備えたので、店舗装置として異なるサービスを提供したい場合でも、別の店舗装置を用意したり、そのサービスに対応したプログラムを入れ替えるといった手間が不要であり、1台の店舗装置で容易に異なるサービスに変更することができる。
【0108】
実施の形態20.
実施の形態20は、振込先の変更を行うようにしたものである。
この実施の形態20においても、図面上の構成は図7、図8の実施の形態8と同様であるため、これらの図を援用して説明する。
店舗装置200aの情報記憶手段210における店舗識別情報212には複数の振込先の情報が設けられており、また、これらの振込先を変更するための振込先変更手段226を有している。
このような構成において、例えば、センタ側から振込先の変更通知があった場合は、表示・入力手段270における入力部からその旨の情報を入力する。これにより、振込先変更手段226は、振込先を変更する。即ち、店舗識別情報212中の振込指定フラグを、新たな振込先となるよう0から1に変更する。尚、この場合も鍵情報を持ち権限を有する者のみが振込先変更手段226によって振込先変更を行えるようにしてもよい。
【0109】
以上のように、実施の形態20では、サービス提供者の振込先口座の情報を有する情報記憶手段と、所定の振込先切替指示に基づき、切り替えるサービスを提供するサービス提供者の振込先口座に振込先を変更する振込先変更手段とを備えたので、例えば、店舗の経営主体が変更になった場合でも迅速に対応することができる効果がある。
【0110】
実施の形態21.
図17は、この発明の実施の形態21によるセンタ装置の構成図である。
センタ装置300は、情報記憶手段310、情報処理手段320、対店舗通信手段330、対金融機関通信手段340からなる。情報記憶手段310は、センタ装置300における各種の情報を記憶する記憶部であり、サービス識別情報311、与信限度額データベース(与信限度額DB)314、一時識別情報記憶手段315を備えている。
【0111】
サービス識別情報311は、提供するサービス毎に設けられた情報である。即ち、サービス識別情報311は、国/規格識別情報である国/規格ID、センタ識別情報であるセンタID、サービス提供者識別情報であるサービス提供者ID、サービス識別情報であるサービスID毎にサービスの数に対応して設けられている。また、サービス識別情報311には、各サービス毎に、店舗識別情報312と端末識別情報(カード識別情報)313を有している。店舗識別情報312は、店舗を識別するための情報であり、振込先情報を有している。この振込先情報としては、振込指定フラグ312a、登録者番号312b、店舗ID(店舗識別情報)312c、口座情報312dからなる。
【0112】
端末識別情報313は、そのサービスが提供される端末の情報が1枚のカードで、かつ、このカードが端末毎に存在するといったイメージであり、その移動端末を使用するユーザが複数存在する場合は、各ユーザの識別情報や携帯電話の端末番号、および、各ユーザの引落金融機関の情報といった情報を含むものである。与信限度額データベース314は、各ユーザの与信限度額の情報を格納するデータベースである。また、一時識別情報記憶手段315は、テンポラルID等の一時的に生成される識別情報を記憶するための機能部である。
【0113】
情報処理手段320は、対店舗通信手段330を介して受信した暗号化端末情報と暗号化店舗情報とを復号し、所定の個人情報をアクセスする手段であり、フレーム分析手段321、フレーム構成手段322、引落/付替手段323、信用調査手段324を備えている。フレーム分析手段321は、対店舗通信手段330を介して店舗装置から受信した受信フレームを分析して、そのテンポラルIDや店舗情報、端末情報、要求情報といった情報を取り出す手段である。また、フレーム構成手段322は、対店舗通信手段330を介して店舗装置に送信するための回答フレームとして、テンポラルIDや結果情報および各パラメータといった情報を構成する手段である。
【0114】
引落/付替手段323は、店舗装置からの引落/付替要求を受けて、対金融機関通信手段340を介して、所定の金融機関に対して、引落や付替処理の要求を行うための手段である。信用調査手段324は、店舗装置からの信用調査要求に応じて、与信限度額データベース314の情報や、対金融機関通信手段340を介しての金融機関からの回答結果に基づいて信用調査結果を作成する手段である。対店舗通信手段330は、店舗装置との通信を行うための手段である。また、対金融機関通信手段340は、金融機関との通信を行うための手段である。
【0115】
このように構成されたセンタ装置300では、対店舗通信手段330を介して店舗装置から要求情報を受信すると、フレーム分析手段321で、店舗情報や端末情報および要求情報が取り出され、これに基づいて、情報処理手段320が情報記憶手段310における端末識別情報313の各個人情報をアクセスする。
【0116】
以上のように、実施の形態21によれば、移動端末の識別情報と、移動端末を使用するユーザの個人情報と、店舗装置の識別情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、店舗装置との間で通信を行う対店舗通信手段と、対店舗通信手段を介して受信した移動端末の識別情報を含む暗号化端末情報を復号し、かつ、対店舗通信手段を介して受信した店舗装置の識別情報を含む暗号化店舗情報を復号し、これら復号した移動端末の識別情報と店舗装置の識別情報とに基づいて、移動端末を使用するユーザの個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたので、店舗/サービス提供者には秘匿された状態で移動端末の識別情報を得ることができ、また、移動端末をしようするユーザの個人情報をアクセスできる効果がある。
【0117】
実施の形態22.
実施の形態22は、暗号化端末情報に含まれるサービス識別情報と、暗号化店舗情報に含まれるサービス識別情報が一致したことを条件に、個人情報や店舗情報をアクセスするようにしたものである。
実施の形態22における図面上の構成は、図17に示した実施の形態21と同様であるため、これを援用して説明する。
実施の形態22では、対店舗通信手段330を介して店舗装置から要求情報を受信した場合、フレーム分析手段は、暗号化端末情報からサービス識別情報(サービス識別情報aとする)と端末識別情報とを復号分離する。また、同様に、暗号化店舗情報からサービス識別情報(サービス識別情報bとする)と店舗識別情報とを復号分離する。そして、情報処理手段320中の図示しないサービス処理手段は、サービス識別情報aとサービス識別情報bが一致するかを判定し、一致した場合にのみ、端末識別情報に関連付けられた個人情報や店舗識別情報をアクセスする。
【0118】
以上のように、実施の形態22によれば、移動端末の識別情報と、店舗装置の識別情報と、提供するサービスを識別するサービス識別情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、復号した移動端末の識別情報に含まれるサービス識別情報と、復号した店舗装置の識別情報に含まれるサービス識別情報とが一致した場合に、移動端末を使用するユーザの個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたので、個人情報をアクセスする場合の信頼性をより向上させることができる。
【0119】
実施の形態23.
実施の形態23は、店舗装置からの要求が信用調査であった場合は、その調査結果を応答し、要求が付替(引落、振込)要求であった場合、端末情報と関連付けた金融機関・口座からサービス提供者に関連付けられている金融機関・口座に付け替えるようにしたものである。
実施の形態23における図面上の構成は、図17に示した実施の形態21と同様であるため、これを援用して説明する。
実施の形態23では、対店舗通信手段330を介して店舗装置から要求情報を受信し、これが信用調査要求であった場合、引落/付替手段323は、対金融機関通信手段340を介して金融機関に問い合わせを行い、個人情報に関連付けられた金融機関口座の残高をアクセスした結果を、要求のあった店舗装置に応答する。また、店舗装置からの要求が付替要求であった場合、引落/付替手段323は、所定のパラメータで指定された料金について、所定の時点に、実質的に、端末情報と関連付けた金融機関・口座からサービス提供者に関連付けられている金融機関口座に付替を行うよう金融機関に対して要求を行う。
【0120】
以上のように、実施の形態23によれば、情報処理手段は、店舗装置からの要求が、移動端末ユーザの信用調査であった場合、個人情報に関連付けられた金融機関口座の残高をアクセスした結果を店舗装置に応答し、店舗装置からの要求が、付替要求であった場合、付替要求された料金について、所定の時点に、移動端末の端末情報に関連付けられた金融機関の口座から、店舗装置の店舗情報に関連付けられた金融機関の口座に付け替えるよう、該当する金融機関に要求するよう構成されているので、センタは、移動端末ユーザへの店舗サービスの提供が完了するまでに、移動端末ユーザの料金支払能力(例えば、預金残高や与信限度額等)を調べるセンタサービスを店舗に対して提供できる効果がある。また、センタは、店舗/サービス提供者が提供したサービス代金を、移動端末ユーザから取りたてるセンタサービスを店舗/サービス提供者に提供する事が出来る効果がある。更に、ユーザが店舗/サービス提供者から受けたサービス代金を、ユーザに代わって立て替えて支払うサービスをユーザに提供できる効果がある。
【0121】
実施の形態24.
実施の形態24は、店舗装置からの要求が精算要求であった場合は、所定の精算日にその手続を行うようにしたものである。
実施の形態24における図面上の構成は、図17に示した実施の形態21と同様であるため、これを援用して説明する。
実施の形態24では、対店舗通信手段330を介して店舗装置から要求情報を受信し、フレーム分析手段321で分析した結果、これがサービス代金の精算要求であった場合、引落/付替手段323は、指定された金額について、端末識別情報313に記録されている個人情報の金融機関の口座等から、サービス提供者に関連付けられている口座に付け替えるものであることを示す情報を記憶しておく。そして、月末等の所定の精算日がきたら、その精算をまとめて処理するものである。即ち、このような精算処理は、クレジットカードのように、サービス提供時はサービス代金の精算は行わず、後日、まとめて精算するような処理である。
【0122】
以上のように、実施の形態24によれば、情報処理手段は、店舗装置からの要求が、提供したサービスに対する代金の精算要求であった場合、所定の日時に、移動端末の端末情報に関連付けられた金融機関の口座から、店舗装置の店舗情報に関連付けられた金融機関の口座に付け替えるよう記憶し、所定の日時が到来したら、該当する金融機関に付替要求を行うようにしたので、センタは、複数の金融機関相互間で付替すべき金額を相殺できる部分については相殺した結果(差分)について手続きできる効果がある。また、店舗が提供したサービスの代金をセンタが担保して店舗指定口座に振り込むクレジットサービスを提供できる効果がある。この場合、店舗がユーザに対する信用調査を省略でき、躊躇することなくサービスを遂行する事が出来るメリットを店舗に提供できる効果がある。
【0123】
実施の形態25.
実施の形態25は、店舗装置からの要求が精算要求であった場合は、所定の精算日に、店舗への手数料の収受も含めてその手続を行うようにしたものである。
実施の形態25における図面上の構成は、図17に示した実施の形態21と同様であるため、これを援用して説明する。
実施の形態25では、対店舗通信手段330を介して店舗装置から要求情報を受信し、フレーム分析手段321で分析した結果、これがサービス代金の精算要求であった場合、引落/付替手段323は、指定された金額について、端末識別情報313に記録されている個人情報の金融機関の口座等から、サービス提供者に関連付けられている口座に付け替えるものであることを示す情報を記憶しておく。そして、月末等の所定の精算日がきたら、該精算をまとめ、かつ、センタの店舗/移動端末ユーザに対する手数料の収受も含めて手続を行う。
【0124】
次に、センタ装置300の動作の詳細をフローチャートに沿って説明する。
図18、図19は、センタ装置の動作フローチャートである。
先ず、対店舗通信手段330が店舗装置からの受信待ちを行う(ステップST301)。ステップST301において、店舗装置からの受信があった場合は、センタ装置300における図示省略した相互認証手段により、店舗装置との相互認証を行う(ステップST302)。次に、フレーム分析手段321によって受信フレームを分析し、この受信フレーム中、店舗装置から届いた部分を店舗装置向けに発行した共通鍵に対応する復号鍵で復号する(ステップST303)。
【0125】
次に、店舗装置からの識別情報が、情報記憶手段310における店舗識別情報312に登録されているかを判定する。即ち、サービスIDが登録されているか(ステップST304)、店舗ID(店舗識別情報)が登録されているか(ステップST305)を判定する。これらの情報が情報記憶手段310に登録されていた場合は、受信フレーム中、店舗装置経由で移動端末から届いた部分を移動端末向けに発行した共通鍵に対応した復号鍵で復号する(ステップST306)。次に、移動端末からの識別情報が端末識別情報313に登録されているかを判定する。即ち、サービスIDが登録されているか(ステップST307)、端末ID(端末識別情報)が登録されているか(ステップST308)を判定する。これらの情報が情報記憶手段310に登録されていた場合は、移動端末が要求するサービスと、店舗装置が要求するサービスとが一致しているかを判定する(ステップST309)。
【0126】
尚、ステップST308において、物品の管理等では、端末IDとして、全ての端末IDのデータベースを予め用意しておくのではなく、例えば、端末IDが何桁のアルファベットと数字の組み合わせである、といった所定の形式を満たす端末IDであれば、登録済みであると判定してもよい。
【0127】
一方、ステップST304〜ST305、ステップST307〜ST308のいずれかにおいて登録がない場合、またステップST309においてサービスIDが一致しない場合は、識別情報(ID)が未登録である理由、あるいはサービスIDが一致しない旨のメッセージを構成し、対店舗通信手段330を介して店舗装置宛に送信する(ステップST310)。また、ステップST310では、解読レベル別(ステップST304〜ステップST309の各ステップ毎)に、解読内容のログを、日時情報と共に記憶する。更に、ログをとる毎にログ回数をカウントアップする。
そして、一定周期、あるいは任意の時点でログ回数をチェックし、所定回数を超えていたら担当者宛にログ頻度異常を示す旨のメッセージを構成し、図示しない公衆回線を通じて電子メール等で通知し(ステップST311)、ステップST301に戻る。また、ステップST311において、店舗装置登録なしの場合は店舗責任者へ通知する。
【0128】
ステップST309において、移動端末が要求するサービスと、店舗装置が要求するサービスとが一致していた場合は、その要求が何に対するものであるかを判定する(ステップST312)。要求が信用調査であった場合、端末IDに対応する口座情報、センタID等をパラメータとして、信用調査コマンドの送信フレームを構成する(ステップST313)。端末IDに対応する口座情報としては、例えばクレジットカード番号やキャッシュカード番号である。また、センタが店舗へ手数料を支払う場合は、手数料情報とセンタIDに対応する口座情報も加える。次に、対金融機関通信手段340を介して、金融機関宛に信用調査コマンドを送信する(ステップST314)。次に、金融機関から残高(または与信限度額)の調査結果を受信すると、結果をフレーム構成手段322によって所定の形式に構成し、テンポラルIDをつけて店舗に送信する(ステップST315)。
【0129】
ステップST312において、要求が精算(付替)であった場合、端末IDに対応する口座情報、サービス提供者IDに対応する口座情報、口座から口座へ付け替える金額情報等をパラメータとして、付替コマンドの送信フレームを構成する(ステップST316)。また、センタが店舗へ手数料を支払う場合は、手数料情報とセンタIDに対応する口座情報も加える。
次に、精算指定日時があるかを判定し(ステップST317)、指定日時があった場合は、設定内容を精算指定日時別に日時別ファイルへ書き込む。即ち、レコードを追加書込し、登録を行う(ステップST318)。そして、要求(テンポラルID)に対して登録終了を店舗に送信する(ステップST319)。
【0130】
一方、ステップST317において、精算指定日時がなかった場合は、対金融機関通信手段340を介して金融機関宛に付替要求コマンドを送信する(ステップST320)。そして、金融機関からの付替結果を受け取ると、その付替結果とテンポラルIDを所定の形式に構成し、対店舗通信手段330を介して店舗に回答する(ステップST321)。
【0131】
また、ステップST312において、要求が移動体管理であった場合、その内容を判定する(ステップST322)。尚、移動体とは、移動端末を備えた個人や個体あるいは物品を指している。ステップST322において、内容が移動端末の登録、変更、削除といった内容変更に関するものであった場合は、ステップST323において、次のような処理を行う。即ち、要求が“登録”であれば、受信フレームの所定のパラメータ部で指定された移動体情報の内容を移動体情報データベースへ追加登録する。また、要求が“変更”である場合は、同じく、パラメータ部指定に応じて登録内容を変更する。更に、要求が“削除”である場合は、登録内容を削除する。
【0132】
一方、ステップST322において、要求が“調査”であった場合、パラメータ部で指定された移動体情報、例えば種別、数量について移動体情報データベースを用いて指定種の移動体についての登録数量を調べる(ステップST324)。そして、要求(テンポラルID)に対する結果を所定の形式に構成し、店舗に回答する(ステップST325)。
以上の、ステップST315、ST319、ST321、ST325の後、日時、店舗、要求、結果等をログファイルに記録し(ステップST326)、ステップST301の受信待ちに戻る。
【0133】
次に、精算日指定処理について説明する。
図20は、精算日指定処理のフローチャートである。
情報処理手段320は、所定の精算日時を監視しており(ステップST331)、精算日時が到来した場合は、日時指定精算情報ファイルから精算日時に対応したデータを読み出し、送信フレームを所定の形式に構成する(ステップST332)。次に、センタID等の金融機関指定の所定の形式を満たす情報を送信フレームに追加する(ステップST333)。更に、金融機関発行の鍵で暗号化し(ステップST334)、金融機関宛に送信する(ステップST335)。
【0134】
以上のように、実施の形態25によれば、情報処理手段は、店舗装置からの要求が、提供したサービスに対する代金の精算要求であった場合、移動端末または店舗装置のユーザに対する手数料の収受も含めて、金融機関に付替要求を行うようにしたので、センタは、店舗/サービス提供者あるいは移動端末ユーザからの手数料収受を含めて、複数の金融機関相互間で付替えすべき金額を相殺できる部分については相殺した結果(差分)について手続きできる効果がある。
【0135】
実施の形態26.
実施の形態26は、移動端末、店舗装置、センタ装置でサービス提供システムを構成したものである。
移動端末、店舗装置、センタ装置の構成については、実施の形態1〜実施の形態25のいずれかであるため、ここでの説明は省略する。また、これらサービス提供システムのサービス提供の一例として、駐車場の管理サービスとした場合の動作を以下に説明する。
【0136】
図21、図22は、駐車場サービスにおける移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図である。
先ず、店舗装置で移動端末の進入を検知した場合は、移動端末に対して乱数を要求する。そして、移動端末から乱数を受け取ると、その乱数を共通鍵で暗号化して返送する。次に、相互認証を行い、相互認証成立であれば、提供中のサービスに対応した端末ID等の端末情報を要求し、応答を待つ(ステップST2001)。このステップST2001の処理は、図9のフローチャートにおけるステップST202〜ST204の処理に対応する処理である。
【0137】
移動端末では、店舗装置からの要求があれば、乱数を発生し返すと共に、その乱数を一時記憶する。店舗装置から暗号化乱数を受け取った場合は共通鍵で復号し、記憶していた乱数と照合する。一致なら店舗装置を信頼し、認証成立を通知、あるいは、提供サービス(駐車場サービス)対応の暗号化端末IDといった端末情報を応答する(ステップST1001)。このステップST1001の処理は、図5のフローチャートにおけるステップST101〜ST103の処理に対応するものである。
【0138】
これにより、店舗装置では、メモリ内容(テンポラルID)の読み出しを要求し、不成功ならば、テンポラルIDを発行し、自ら登録すると共に、移動端末側に記憶(書込)要求し、応答を待つ(ステップST1002)。この処理は、ステップST205〜ST208に対応するものである。
このステップST2002の処理に対応して移動端末では、路側装置の要求に応じて駐車場サービスのサービスIDやテンポラルIDを一時記憶部に書き込み、書き込み終了を応答する(ステップST1002)。この処理はステップST103とステップST106の処理に対応するものである。
【0139】
店舗装置では、移動端末からの書き込み終了を受信すると、そのサービスに対応した店舗情報、端末情報、テンポラルID等を組にしてセンタ装置に送信し、信用調査を要求する(ステップST2003)。この処理は、ステップST209、ST210の処理に対応するものである。また、店舗装置では、入口ゲートの開放制御を行い(ステップST2004)、一時記憶情報ファイルに入庫時刻を追記し、他の店舗装置(出庫側店舗装置)への通知する(ステップST2005)。これらステップST2003〜ST2005の処理はステップST209〜ST212の処理に対応するものである。
【0140】
一方、センタ装置では、店舗装置におけるステップST2003の処理を受けて、店舗装置より受信した端末情報を復号する(ステップST3001)。そして、信用調査要求であれば、登録会員の個人情報等を情報記憶手段から検索し、決済可否、上限額を調査(個人指定の金融機関との通信による調査)を行う(ステップST3002)。更に、金融機関より決済可能金額の情報を得ると、この決済可能金額をテンポラルIDと組にして店舗装置に回答する(ステップST3003)。これら、ステップST3001〜ST3003の処理は、図18、図19におけるステップST301〜ST305の処理に対応するものである。
【0141】
店舗装置ではセンタ装置におけるステップST3003の処理を受けて、センタ装置からのテンポラルIDに対応した調査結果を一時記憶情報ファイルに記録する(ステップST2006)。尚、この処理は図11のフローチャートに示す処理に相当している。
次に、店舗装置では、出庫口でエリア進入が検知された場合、移動端末に対してテンポラルIDを要求し、応答を待つ(ステップST2007)。
【0142】
移動端末では、店舗装置のステップST2007の処理を受けて、出庫時、要求に応じて情報記憶手段の一時記憶領域に記憶されたサービスIDとテンポラルIDを返す(ステップST1003)。店舗装置では、応答のあったテンポラルIDについて、出庫日時を一時記憶情報ファイルに追記し、入出庫時間差に基づく駐車料金を決定し記憶する。また、移動端末側に精算情報を通知(提示要求)する。更に、決済可能上限額が料金以上なら別途支払を待つ(ステップST2008)。
【0143】
移動端末では、路側装置から送信された情報(精算情報)提示要求に応じて料金を提示する(ステップST1004)。次に、ユーザからの了承入力を待ち、入力があれば、路側装置に了承応答を行う(ステップST1005)。
店舗装置では、移動端末のステップST1005の処理を受けて、精算要求、テンポラルID、精算情報(端末ID、サービス提供者ID、金額など)を組にして、センタ装置へ送信する(ステップST2009)。
センタ装置では、店舗装置におけるステップST2009の処理を受けて、受信した端末情報等を復号する(ステップST3004)。次に、精算要求なら、受信した端末情報、店舗情報、サービス情報の一致等を確認した上で、対応する個人情報データベースをアクセスして口座情報を得、口座間での金額付替要求を構成し、所定の金融機関に対して要求を行って、結果を受信する(ステップST3005)。次に、受信した決済結果テンポラルIDと組にして店舗装置へ通知する(ステップST3006)。
店舗装置では、センタ装置におけるステップST3006の処理を受けて、一時記憶情報ファイルから該当するテンポラルIDに対応する内容を削除する(ステップST2011)。
【0144】
尚、移動端末におけるステップST1003〜ST1005の処理が、ステップST104、ST106、ST110、ST112〜ST117の処理に対応するものである。また、店舗装置におけるステップST2007〜ST2011の処理が、ステップST202〜ST216〜ST231の処理に対応するものである。更に、センタ装置におけるステップST3004〜ST3006の処理が、ステップST301〜ST312以降における付替処理に対応するものである。
【0145】
このように、店舗装置は、入庫時にセンタ装置との信用調査等を行っているため、出庫時には、特にセンタ装置との精算結果の応答を待たずして出口ゲートの開放を行うことができる。即ち、店舗装置がセンタ装置に対して信用調査を要求し結果を得る処理は、ユーザは駐車場の入庫から出庫までの時間で行われるため、ユーザは出庫時に精算処理で待たされるといったことがなく、サービス向上に寄与することができる。
【0146】
次に、サービス提供の他の例として、ガススタンドの場合を説明する。
図23、図24は、サービス提供としてガススタンドの場合の移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図である。
尚、この場合、移動端末は給油する車両に搭載された車載機であり、店舗装置としてガススタンドとしての実際の店舗であるとする。
先ず、店舗装置において、移動端末の進入を検知すると、提供しているサービスに対応した端末IDを要求し、応答を待つ(ステップST2101)。移動端末は、店舗装置のステップST2101の処理を受けて、提供サービス対応の端末識別情報を暗号化して無線応答する(ステップST1101)。店舗装置では、ステップST1101の処理を受けて、暗号化IDを受信したら、サービスに対応したテンポラルIDを発行し、移動端末へ記憶要求する(ステップST2102)。移動端末では、店舗装置のステップST2102の処理を受けて、サービスIDやテンポラルIDを情報記憶手段中の一時記憶領域に書き込んだ後、書込終了を応答する(ステップST1102)。
【0147】
店舗装置では、移動端末からの書込成功を受信すると、移動端末から受信したサービス対応端末IDと、店舗内で生成したユニークなテンポラルIDとを組にしてセンタ装置に送信する(ステップST2103)。センタ装置では、店舗装置のステップST2103の処理を受けて、端末ID、テンポラルIDをセッションサービス中のデータベースに一時記憶する(ステップST3101)。次にセンタ装置では、受信した端末識別情報を復号し(ステップST3102)、登録会員の個人情報を会員情報データベースから取得し、決済可否、上限額を調査する。そして、決済可能金額をテンポラルIDと組にして店舗装置に返す(ステップST3103)。
【0148】
店舗装置は、センタ装置からの決済判定結果を受信すると、これを一時記憶情報ファイルに記憶する(ステップST2104)。そして、給油種別(ハイオクガソリン、レギュラーガソリン、軽油等)、数量、支払方法等の選択画面情報を移動端末に送信し、応答を待つ(ステップST2105)。
移動端末では、提示要求に応じて、給油種別、数量、支払方法等の選択画面を提示する(ステップST1103)。次に、ユーザの選択操作を検知し、結果を応答する(ステップST1104)。
【0149】
店舗装置では、移動端末からの応答結果を精算ファイルに記憶し、結果に応じた品、数を渡す。即ち、指定された種別と数量の給油を行う(ステップST2106)。次に、代金を計算し、精算ファイルに追加する(ステップST2107)。次に、係るテンポラルIDについて、サービス中ユーザファイル中の預金残高(信用情報)を確認する。料金、支払方法を最終決定し、自動支払なら、テンポラルIDから係る料金を引き落とす要求をセンタに送信し、応答を待つ(ステップST2108)。また、ステップST2108では、移動端末に対しても、精算情報を送信する。
【0150】
センタ装置では、店舗装置におけるステップST2108の処理を受け、テンポラルIDをキーに会員情報データベースを参照し、料金の引落、付替、支払完了を店舗装置に通知する(ステップST3104)。次に、センタ装置では、手数料を計算し、引落の手続を行い(ステップST3105)、一時情報記憶データベースの対応する記憶内容を削除する(ステップST3106)。
【0151】
店舗装置では、センタ装置におけるステップST3104の処理を受けて、センタ装置から引落完了通知を受け取ると、精算内容、精算完了、感謝メッセージ等の提示要求を移動端末に送信する(ステップST2109)。そして、店舗装置では、実績データを記録後、対応したテンポラルID関係の情報を一時記憶情報ファイル等から消去する(ステップST2110)。
移動端末では、店舗装置のステップST2109の処理を受けて、精算完了と感謝メッセージを提示する(ステップST1106)。
【0152】
次に、移動端末、店舗装置、センタ装置のそれぞれにおいて、暗号化と復号化がどのように実施されるかを説明する。
図25は、移動端末、店舗装置、センタ装置における暗号化と復号化の説明図である。
図において、移動端末100は、移動端末識別情報を暗号化して記憶した情報記憶手段110と、必要に応じて暗号化する場合の暗号化手段130eを備えている。また、移動端末100にICカード170が接続される場合は、ICカード170は、サービス提供者識別情報、サービス識別情報、カード番号、担保限度額/残高情報等が記憶された記憶手段を有している。店舗装置200では、店舗/サービス提供者識別情報を暗号化して記憶した情報記憶手段210と、受信の場合は復号手段として機能し、送信の場合は暗号化手段として機能する暗号化/復号手段220aを備えている。また、センタ装置300では、移動端末識別情報を復号し平文化する端末識別情報復号手段320aと、店舗/サービス提供者識別情報を復号して平文化する復号手段320bと、ICカード170の暗号化情報を復号して平文化する復号手段320cを備えている。尚、これらの構成において、暗号化/復号化に関する構成以外はその図示を省略している。
【0153】
このように構成された移動端末、店舗装置、センタ装置では、移動端末識別情報はセンタ(あるいはセンタの登録機関やその代行者)発行の公開キーで暗号化し、更に、サービス提供者発行の公開キーで暗号化してサービス提供者へ送信する。また、サービス提供者発行公開キーは、サービス提供者の証明機関が発行した公開キーを開業後に入手し、これを用いて復号して獲得する。そして、受信データはサービス提供者の証明機関が発行した公開キーで復号して得たサービス提供者公開キーで復号する。
【0154】
以上のように、実施の形態26によれば、移動端末、店舗装置、センタ装置によってサービス提供システムを構成するようにしたので、移動端末のユーザが複数のサービスを複数の店舗装置で受けたとしても、移動端末における端末情報等は店舗装置には秘匿された状態としてサービス提供を受けることができ、また、複数のサービスを複数の店舗装置が提供する場合でも、センタが一括してサービスを管理することができる効果がある。
【0155】
図26は、センタのサービス管理を従来と比較して示す説明図である。
図において(a)が従来の構成を示している。従来の構成では、必要とされる特定のサービス毎にセンタが分散して必要であった。即ち、駐車場サービスのセンタ1、通行料金自動支払サービスのセンタ2、門自動開閉サービスのセンタ3、ガススタンドサービスのセンタ4といった異なるセンタが必要であった。そして、駐車場サービスのセンタ1は駐車場1aと駐車場1bのサービス管理を行い、通行料金自動支払サービスのセンタ2は道路業者2a〜2cのサービス管理を、また、門自動開閉サービスのセンタ3はマンション業者3a,3b、ガススタンドサービスのセンタ4は、給油業者4a,4bといったサービス管理を行う必要があった。
【0156】
これに対し、(b)に示す本発明のセンタ5では、一つのセンタ5で、複数のサービス提供者(サービス提供者6〜8)の管理を行うことができる。即ち、サービス提供者6は駐車場サービス9を提供するものであり、その駐車場サービス9として、第1の駐車場業者の店舗9a、第2の駐車場業者の店舗9bがサービスを提供するようになっている。また、サービス提供者7は、通行料金自動支払サービス10とガススタンド0サービス11を提供するものであり、その通行料金自動支払サービス10を第1の道路業者10aが提供し、また、ガススタンドサービス11を、第1の給油業者の店舗11a、第2の給油業者の店舗11bがサービス提供するようになっている。更に、サービス提供者8は、通行料金自動支払サービス10と、門自動開閉サービス12を提供するものであり、その通行料金自動支払サービス10を第2の道路業者10bと第3の道路業者10cが提供し、また、門自動開閉サービス12を、第1のマンション業者の店舗12a、第2のマンション業者の店舗12bがサービス提供するようになっている。
このように、本発明のセンタ5では、複数のサービスを一括して管理することができる。
【0157】
実施の形態27.
実施の形態27は、複数のユーザの通信端末の識別情報を記憶し、通信端末が接続された場合は、通信端末の識別情報を店舗装置に送信するようにしたものである。
図27は、実施の形態27における移動端末の構成図である。
図示のように、移動端末100eは、情報記憶手段110b、狭域通信手段120、情報処理手段130f、通信端末180を備えている。情報記憶手段110bは、実施の形態1〜7と同様の情報を備えていると共に、個人特定情報116を備えている。個人特定情報116は、接続される通信端末180の通信端末識別情報を特定するための情報である。即ち、所定のサービスを受けた際に支払うユーザの通信端末180の識別情報を代表者も含めて示す情報である。本実施の形態では、通信端末180は携帯電話であるとし、従って、個人特定情報116は、携帯電話番号であるとする。
【0158】
情報処理手段130fは、基本的な機能は、実施の形態1〜7のいずれかと同様であるが、店舗装置200cに対して端末識別情報を送信する場合、通信端末180の識別情報も含めて送信するようにした点が異なるものである。即ち、情報処理手段130fは、応答処理手段131c、要求分析手段132と共に、通信端末ID読出手段135を備えている。応答処理手段131cは、要求分析手段132で分析した結果、店舗装置200cからの端末情報の要求であった場合、通信端末ID読出手段135で読み出した携帯電話番号も含めて応答するようにした点が追加されている。また、要求分析手段132は、実施の形態2〜7の要求分析手段132と同様である。通信端末ID読出手段135は、接続される通信端末180の電話番号を取得する機能を有するものである。
【0159】
通信端末180は、例えば携帯電話といった固有の識別情報(携帯電話の場合であれば電話番号)を有する端末である。また、狭域通信手段120については、実施の形態1〜7と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0160】
次に、動作について説明する。
移動端末100eにおいて、通信端末180が接続された場合は、通信端末ID読出手段135によって、電話番号が読み出され、これが図示しない一時記憶部に記憶される。
移動端末100eが店舗装置200cにおける図示しない狭域通信手段と通信を行うと、所定の相互認証を行い、店舗装置200cから要求されたデータを店舗装置200cに送信する。ここで、移動端末100eにおける応答処理手段131cは、情報記憶手段110eの端末IDやサービスIDといった所定の情報と共に、通信端末ID読出手段135で読み出された通信端末180の携帯電話番号に基づき、個人特定情報116を参照して個人を特定する個人IDを抽出し、これも含めて店舗装置200cへの送信要求を行う。即ち、移動端末100eでは、どの通信端末180が接続されているかが検知され、更に、移動端末100eに登録されたものであるかがチェックされ、その上で、どの正当な通信端末180が接続されているかを示すキーが店舗装置200cに送信される。
【0161】
移動端末100eから、店舗装置200cを介して、端末IDや携帯電話番号のキー情報を受け取ったセンタ装置300aでは、厳重に管理された状態で保持する登録ユーザの個人情報(金融機関、口座情報等)と、移動端末100eからのキー情報とを照合し、サービスを利用する個人を特定する。尚、移動端末100eで通信端末180が接続されていない場合は代表者の口座で精算が行われる。また、移動端末100eにおいて、通信端末180が接続されていない場合はサービスが提供されないようにしてもよい。
【0162】
以上のように実施の形態27の移動端末によれば、複数のユーザの通信端末の識別情報が記憶された情報記憶手段と、通信端末が接続されている場合、通信端末の識別情報を読み出すと共に、読み出した識別情報が、情報記憶手段に記憶されているいずれかのユーザの識別情報に一致するかを照合し、一致した場合に、その識別情報を送出する情報処理手段とを備えたので、通信端末の識別情報とサービス料金支払い口座情報を紐付けした情報を持つセンタはサービス利用者を、通信端末利用者、つまり、電話番号といった識別情報を得ることで識別できるので、接続された通信端末によりサービス利用者を特定できる。従って、移動端末ユーザは実際にサービスを利用した個人別の口座からサービス料金を支払できる効果がある。またこのようなセンタの提供するサービスを選択できる効果がある。
【0163】
実施の形態28.
実施の形態28は、個人特定情報116がICカードといった情報記憶媒体中に保持されているものである。
図28は、実施の形態28の構成図である。
図示のように、移動端末100fは、情報記憶手段110b、狭域通信手段120、情報処理手段130f、通信端末180を備えている。情報記憶手段110bは、実施の形態1〜7と同様の情報を備えていると共に、情報記憶媒体170aと媒体I/F手段160とを有している。情報記憶媒体170aは、実施の形態7のICカード170と同様の情報を備えていると共に、個人特定情報116を備えている。尚、以下、ICカード170aとして説明する。即ち、ICカード170aは、所定のサービスを受けた際に支払うユーザの通信端末180の識別情報を代表者も含めた情報として保持している。また、媒体I/F手段160は、実施の形態7の媒体I/F手段160と同様に、ICカード170aの情報を読み出すためのインタフェースである。他の各構成は、実施の形態27と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
【0164】
次に、動作について説明する。
移動端末100fにおいて、通信端末180が接続された場合は、通信端末ID読出手段135によって、電話番号が読み出され、情報処理手段130fは、媒体I/F手段160を介してICカード170aにアクセスし、通信端末ID読出手段135で読み出された電話番号とICカード170a内の個人特定情報116で一致する情報が存在するかを調査する。ここで、一致する情報があった場合は、通信端末180は正当な通信端末が接続されていると判定され、店舗装置200cの要求に対する応答処理では、その個人情報も含めて送信する。これ以降の処理は、上記実施の形態27と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0165】
以上のように実施の形態28によれば、情報記憶手段として、所定の情報記憶媒体を用い、かつ、情報処理手段が情報記憶媒体にアクセスするための媒体I/F手段を備えたので、実施の形態27の効果に加えて、移動端末100fが複数台ある場合でも、ユーザに対応した情報記憶媒体170aと通信端末180を用意することで、任意の移動端末を任意のユーザが使用することが可能である。また、移動端末内部ではなく、情報記憶媒体170aに通信端末の識別情報を登録できるので、登録内容を変更したりする場合に、センタあるいは端末情報を発行管理する登録機関、移動端末メーカといったところに移動端末そのものを持っていかずに、情報記憶媒体170aを手持ち/郵送などで届け、登録内容の変更を依頼可能であるなどの効果がある。
尚、上記実施の形態28においても、情報記憶媒体170aとしてICカード以外のものであってもよい。
【0166】
実施の形態29.
実施の形態29は、移動端末からセンタ装置に端末識別情報を送信し、センタ装置で個人の特定を行うようにしたものである。
図29は、実施の形態29の構成図である。
図示のように、移動端末100gは、情報記憶手段110、狭域通信手段120、情報処理手段130gを備えており、通信端末180が接続可能に構成されている。情報記憶手段110および狭域通信手段120は、実施の形態1〜実施の形態7に記載の構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。情報処理手段130gは、店舗装置200dから、所定のアドレス宛に暗号化端末情報と通信端末番号とを送信要求された場合は、そのアドレス宛に必要な情報を送信する機能を有しており、通信端末ID読出手段135、送信要求受付手段136、指定アドレス宛指定データ送信手段137を備えている。
【0167】
通信端末ID読出手段135は、実施の形態27、28と同様に、移動端末100gに接続される通信端末180の通信端末ID、例えば、携帯電話の電話番号といった情報を読み出すための手段である。また、通信端末180は、例えばインターネットを介してパケットデータ通信が可能な携帯電話といった端末であるが、このような機能を有する端末であれば携帯電話以外のものであってもよい。送信要求受付手段136は、店舗装置200dから狭域通信手段120を介して所定のデータの送信要求があった場合に、この送信要求を受け付ける手段である。指定アドレス宛指定データ送信手段137は、送信要求受付手段136から送信要求の受付情報が与えられた場合は、情報記憶手段110から該当する端末識別情報を取り出し、また、通信端末ID読出手段135から出力された通信端末IDを含めて、通信端末180に対して所定データの送信要求を行うようにしたものである。
【0168】
店舗装置200dは、情報記憶手段210、情報処理手段220b、狭域通信手段240を備えている。情報記憶手段210、狭域通信手段240は、図7に示した店舗装置200aの構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。情報処理手段220bは、図7に示した情報処理手段220の機能に加えて所定データ送信要求手段227を備えている。所定データ送信要求手段227は、移動端末100gの接近が狭域通信手段240によって検知された場合は、移動端末100g宛に、所定のデータをセンタ装置300bのサーバのアドレスに送信するよう要求を出すと共に、センタ装置300b宛に同様の所定データを送信する機能を有している。
【0169】
センタ装置300bは、情報記憶手段310、情報処理手段320d、対金融機関通信手段340、広域通信サーバ手段350を備えている。情報記憶手段310および対金融機関通信手段340は、図18に示した構成と同様であるため、ここでの説明は省略する。情報処理手段320dは、図18における情報処理手段320の機能を有すると共に、復号手段325、照合手段326を備えている。
【0170】
復号手段325は、広域通信サーバ手段350を介して受信した移動端末100gからの暗号化データを復号すると共に、店舗装置200dから送信された暗号化データを復号する手段である。照合手段326は、移動端末100gからの端末IDと、店舗装置200dからの端末IDとを照合し、その照合結果に基づいて情報記憶手段310における端末識別情報313をアクセスし、精算を行う個人を特定する手段である。
【0171】
パケット処理手段401は、通信端末180からのパケットデータの処理を行う手段であり、パケット携帯電話網402およびゲートウェイ403を介してインターネット500に接続されるようになっている。パケット携帯電話網402は、携帯電話の通信網であり、ゲートウェイ403は、このパケット携帯電話網402とインターネット500とのゲートウェイとしての機能部である。また、インターネット500は、所定のプロトコルで通信を行うためのネットワークである。
また、図中、金融機関600は、センタ装置300bが各種の処理を要求するための銀行やクレジットカード会社等の金融機関である。
【0172】
このように構成されたサービス提供システムでは、移動端末100gが店舗装置200dの狭域通信手段240で検知されると、所定の認証処理を行った後、店舗装置200dの情報処理手段220bは必要に応じて端末IDや通信端末180の電話番号を入手する(図中、矢印(1)の流れ)。即ち、移動端末100g側では、その狭域通信手段120によって所定の通信範囲内に入ったことが検知されると、店舗装置200dと所定の相互認証を行うと共に、通信端末ID読出手段135によって通信端末180の電話番号を読み出し、これを店舗装置200d側に送信する。
【0173】
次に、店舗装置200dでは、情報処理手段220bの所定データ送信要求手段227が、移動端末100gに対して、所定のデータを所定のセンタサーバ宛に送信するよう要求する(図中、矢印(2)に示す流れ)。所定のデータとしては、典型的には、要求コマンド、指定サーバアドレス(例えば、サーバのURL)、その要求のパラメータとして添付した暗号化店舗識別情報、暗号化端末情報、テンポラルID等のセットとする。また、通信端末180の電話番号は、通信端末180によって通信を行う場合に通知される場合は、これを用いてもよく、また、移動端末100gにおいて、通信端末ID読出手段135によって読出データに加えてもよい。
【0174】
暗号化店舗識別情報は、情報記憶手段210中の図示省略した店舗識別情報から読み出される。暗号化端末情報は、店舗装置200dが移動端末100gとの相互認証の段階で入手したものを所定のデータとして移動端末100gに渡してもよい。
【0175】
また、所定データ送信要求手段227は、移動端末100gに対して所定のデータの送信要求を行うと共に、センタ装置300bに対して、暗号化端末識別情報、暗号化店舗識別情報、および、通信端末180の電話番号あるいは通信端末IDといった通信端末180の識別情報を送信する(図中、矢印(3)に示す流れ)。このような場合、通信端末180の識別情報は、移動端末100gから与えられる。また、暗号化端末情報等を専用回線を介してセンタ装置300bに渡すようにしてもよい。そうすれば、途中のどこかで通信不到達の問題等が発生した場合などでも柔軟な対応が取り得る効果がある。
【0176】
店舗装置200dは、移動端末100gへの所定データ送信要求後の所定時間だけ待っている間に、例えば、サービス代金付替の手続が無事完了したか、あるいはクレジット支払手続が無事完了したことを示す情報をセンタ装置300bから得ると、例えば駐車場サービスであった場合、店舗装置200dは、通行許可を示すゲート開放制御を行う。店舗装置200dは、移動端末100gに対し、図示省略した表示装置や音声発生装置等を用いて、センタ装置300bからの応答内容に応じて、それぞれ所定の任意の提示をしてもよい。
【0177】
店舗装置200dから所定のデータの送信要求を受けた移動端末100gでは、指定アドレス宛指定データ送信手段137が、所定のデータ、即ち、暗号化店舗識別情報、暗号化端末情報、通信端末180の識別情報(電話番号/ID)を、センタ装置300bの広域通信サーバ手段350のアドレス宛に送信要求する。これにより、通信端末180は、指定されたアドレス(URL)にパケットデータを送信する(図中、矢印(4)に示す流れ)。
パケット処理手段401はこれを受けて所定の処理を行い、パケットデータは、パケット携帯電話網402およびゲートウェイ403を介してインターネット500上に送信される。
【0178】
センタ装置300bの広域通信サーバ手段350がこれを受信すると、復号手段325によって、暗号化店舗識別情報、暗号化端末情報が復号される。次に、照合手段326は移動端末100gから送られてきた端末情報(端末ID)、通信端末IDと、店舗装置200dから送られてきた端末情報(端末ID)、通信端末IDとを照合し、一致していた場合は、端末識別情報313をアクセスして、端末IDと通信端末IDに対応する個人情報、即ち、金融機関名、口座名義、口座番号等の情報を得、同様に、店舗識別情報をキーにして、サービス提供業者の対応する個人情報、つまり金融機関名、口座名義、口座番号等の情報を得る。そして、これらの情報に基づき、対金融機関通信手段340を介して所定の金融機関600に対して付替を依頼する。また、端末ID、通信端末IDの照合時、店舗IDも含めて照合するようにしてもよい。
【0179】
また、照合手段326は、照合結果が一致していた場合は、金融機関600からの信頼調査結果と共に、店舗装置200dに返答する。一方、照合結果が不一致である場合、あるいは、端末識別情報313に該当する個人情報が存在しない場合等では、これを示す情報を店舗装置200dに返答する。
店舗装置200dでは、センタ装置300bから照合結果と信頼調査結果を受け取ると、上述した実施の形態26と同様に、ゲート制御等、所定のサービス提供処理を行う。
尚、上記実施の形態29において、移動端末100gに通信端末180が接続されていない場合は、実施の形態1〜7のいずれかと同様の動作が行われるようにしてもよい。
【0180】
以上のように、実施の形態29の移動端末によれば、情報処理手段は、店舗装置から接続されている通信端末の識別情報の送信要求を受けた場合は、通信端末の識別情報を読み出し、この読み出した識別情報を端末情報に関連付けてセンタ装置宛に送信するようにしたので、通信端末の識別情報とサービス料金支払い口座情報を紐付けした情報を持つセンタはサービス利用者を、通信端末利用者、つまり、電話番号といった識別情報を得ることで識別できるので、接続された通信端末によりサービス利用者を特定できる。従って、移動端末ユーザは実際にサービスを利用した個人別の口座からサービス料金を支払できる効果がある。またこのようなセンタの提供するサービスを選択できる効果がある。
【0181】
また、実施の形態29の店舗装置によれば、移動端末より、サービス要求があった場合、移動端末より、移動端末に接続されている通信端末の識別情報を取得すると共に、通信端末の識別情報をセンタ装置宛に送信するよう送信要求を通信端末に対して行い、かつ、取得した通信端末の識別情報を店舗情報に関連付けてセンタ装置に送信する情報処理手段を備えたので、狭域通信手段を介して所定の移動端末に対して所定のサービスを提供する際に、該移動端末に所定の通信端末が接続されていることを確認できるので、該移動端末に関連付けられた固定の個人情報だけに限定していつも課金するといったことなく、サービス提供時に接続されている通信端末の識別情報に基づいて、実際に通信端末を接続したサービス被提供者の口座等からサービス料金を引落すといったサービスを提供できる効果がある。例えば、移動端末が車両に固定されているものの場合、車の利用者が誰であるかに関わらず、一人の登録済み個人だけに課金されていたのが、実際の車利用者に課金できるといった効果がある。
【0182】
また、実施の形態29のセンタ装置によれば、移動端末に接続される通信端末のユーザ毎の個人情報を記憶する情報記憶手段と、移動端末から受信した端末識別情報と通信端末の識別情報と、店舗装置から受信した店舗情報と端末情報と通信端末の識別情報とに基づき、少なくとも通信端末の識別情報が一致した場合に、情報記憶手段の個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたので、所定の移動端末に対して所定のサービスを提供する際に、該移動端末に所定の通信端末が接続されていることをセンタ装置側で直接確認できるので、該移動端末に関連付けられた固定の個人情報だけに限定していつも課金するといったことなく、サービス提供時に接続されている通信端末の識別情報に基づいて、実際に通信端末を接続したサービス被提供者の口座等からサービス料金を引落すといったサービスを提供できる効果がある。例えば、移動端末が車両に固定されているものの場合、車の利用者が誰であるかに関わらず、一人の登録済み個人だけに課金されていたのが、実際の車利用者に課金できるといった効果がある。また、移動端末側と店舗装置側の双方のデータの一致を判定することによって、個人情報をアクセスするようにしたので、サービスの不正利用といったことに対しても高いセキュリティを有することができる。
【0183】
尚、上記各実施の形態において、鍵、識別情報などの重要な情報は、例えば、センタで生成管理した公開キーと秘密キーのペアの中、後者はセンタで厳重な管理下で利用され、公開キーの方は店舗へ、所定サービスの提供を始める加盟店契約時にその店舗へ装置に組み込んだものを渡すといった形で配布され、利用される。
この場合、店舗装置へ渡される装置は、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)ベースのものとされ、前述のような重要な情報は、PCの増設ボード上の、例えば、当事者でさえ二度と書込は不能なワンタイムPROMといったデバイスへ書込まれる。移動端末も略同様な構成としてもよい。例えば、移動端末から、店舗装置を経由して、センタへ送信される情報は、同様にSAMあるいはSIM(Subscriber Identity Module)といったものが利用されてもよい。元々暗号化して同様のデバイスに保持された情報は、そのまま、店舗経由で転送されてもよいし、移動端末のステータス情報等の情報を追加して付加した場合でかつその付加情報も店舗に秘匿したい物については、移動体と店舗間でも暗号/復号化通信がされる。この場合は、複数の提供サービスと複数の移動端末間の、不特定多数同士のn対nの通信となるのが一般的であるので、好ましくは、鍵の配布と後の廃止などの管理容易性から、双方が共に共通な鍵を持つ共通鍵方式とされる。
【0184】
暗号化/復号方式として、共通鍵暗号(DES、トリプルDES)、公開鍵暗号(RSA)の両方式を併用してもよい。これらにより、EC(エレクトロニック・コマース)、ネットワークセキュリティ等で要求される認証、デジタル署名、データの暗/復号化等の機能が実現される。ここで、店舗、センタ間では、例えば、RSAを用いる。これでは、1024bit鍵ペアがICカード内部/両方の装置それぞれの内部で生成されてもよい。更に、暗号化はSAM内部で実行されてもよい。つまり、各装置の情報記憶手段は、記憶手段とはいっていても、RAM、POM、ワンタイムPROMなどを備えたプロセッサ、およびコプロセッサを備えたSAMなどとしてもよい。
【0185】
更に、店舗識別情報は、サービス提供者識別情報とされてもよい。なぜならば、該サービスの対価を受け取るもの(あるいは信用調査などのセンタ業務の応答を受け取るもの)が誰であるかによって、対価が払われる相手を変えるべきであるからである。つまり、例えば、店舗は、移動端末/ユーザに対してサービスを提供する場所を提供するものであり、サービス提供者はこれらの店舗を、グローバルに束ねて共通化した管理手法と運用ノウハウを駆使して該サービスを運用管理しているものなどが該当する。有料道路の料金自動収受サービスなどでは、例えば、地方の道路管理者がサービス提供者であり、各道路・施設が各店舗といった具合になる。そして、センタは中央の道路管理者/代行者が運営する所定のセンタである、といったイメージである。このような場合、各店舗は、該サービスの対価と得るか否かと言う意味ではほとんどあるいは全く得ないかもしれず、そのサービスが店舗ではなく、委託元のサービス提供者によって管理提供され、対価の多くが該サービス提供者に入ることとなったとしても、その店舗に来場する顧客が増加するとか、運用費、管理費といったものが減るといったメリットは十分に有り得る。
【図面の簡単な説明】
【0186】
【図1】この発明の実施の形態1による移動端末を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態4による移動端末の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態5による移動端末の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態6による移動端末の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態6による移動端末の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態7による移動端末の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態8による店舗装置の構成図である。
【図8】店舗装置における一時記憶情報ファイルの説明図である
【図9】駐車場サービスにおける店舗装置の動作を示すフローチャート(その1)である。
【図10】駐車場サービスにおける店舗装置の動作を示すフローチャート(その2)である。
【図11】信用調査結果応答の受信処理を示すフローチャートである。
【図12】応答待ちタイマ処理のフローチャートである。
【図13】店舗における駐車場に設置された複数の店舗装置の接続例を示す説明図である。
【図14】店舗装置を入荷処理に適用した場合の動作フローチャートである。
【図15】店舗装置を出荷処理に適用した場合の動作フローチャートである。
【図16】店舗装置を在庫調査処理に適用した場合の動作フローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態21によるセンタ装置の構成図である。
【図18】センタ装置の動作フローチャート(その1)である。
【図19】センタ装置の動作フローチャート(その2)である。
【図20】精算日指定処理のフローチャートである。
【図21】駐車場サービスにおける移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図(その1)である。
【図22】駐車場サービスにおける移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図(その2)である。
【図23】ガススタンドサービスにおける移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図(その1)である。
【図24】ガススタンドサービスにおける移動端末、店舗装置、センタ装置の動作を示す説明図(その2)である。
【図25】移動端末、店舗装置、センタ装置における暗号化と復号化の説明図である。
【図26】センタのサービス管理を従来と比較して示す説明図である。
【図27】この発明の実施の形態27による移動端末の構成図である。
【図28】この発明の実施の形態28による移動端末の構成図である。
【図29】この発明の実施の形態29による移動端末、店舗装置、センタ装置の構成図である。
【符号の説明】
【0187】
100,100a,100b,100c,100d,100e,100f,100g 移動端末、110,110a,110b 情報記憶手段、111 端末情報、114 サービス識別情報、114a 国/規格識別情報、114b センタ識別情報、114c サービス提供者識別情報、115 端末識別情報、120 狭域通信手段、130,130a,130b,130c,130d,130f,130g 情報処理手段、131 応答処理手段、132 要求分析手段、134 入力応答手段、135 通信端末ID読出手段、140 情報提示手段、150 入力手段、160 媒体I/F手段、170、170a 情報記憶媒体、180 通信端末、200,200a,200b,200c,200d 店舗装置、210 情報記憶手段、211 店舗情報、212 店舗識別情報、220 情報処理手段、225 サービス切替手段、226 振込先変更手段、227 所定データ送信要求手段、240 狭域通信手段、250 対センタ通信手段、280 一時記憶情報ファイル、300,300a,300b センタ装置、310 情報記憶手段、311 サービス識別情報、312 店舗識別情報、313 端末識別情報、320、320d 情報処理手段、325 復号手段、326 照合手段、330 対店舗通信手段、340 対金融機関通信手段、350 広域通信サーバ手段、600 金融機関。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗装置に設置された同種の店舗側狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段と、
前記狭域通信手段を利用して提供される所定のサービスの対象に固有な識別情報を、前記店舗装置を介して、当該サービスの情報を管理するセンタのみが識別可能な暗号化端末情報として記憶する情報記憶手段と、
前記狭域通信手段を介し、前記店舗装置から何らかの要求に対して応答を返す場合、前記情報記憶手段に記憶された暗号化端末情報を読み出し、当該応答に付加して、当該狭域通信手段を介して送信する情報処理手段とを備えた移動端末。
【請求項2】
サービスに固有なサービス識別情報を暗号化端末情報として記憶する情報記憶手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の移動端末。
【請求項3】
サービス識別情報は、サービスを管理するセンタに固有のセンタ識別情報、サービス提供者固有のサービス提供者識別情報および所定の国家や規格に固有の国家/規格識別情報のうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項2記載の移動端末。
【請求項4】
情報処理手段は、サービス提供者からサービス提供に関する情報の記憶要求があった場合、当該情報を一時記憶情報として記憶させると共に、前記サービス提供者から記憶されている情報の取得要求があった場合、前記一時記憶情報を読み出し、前記サービス提供者に対して応答する応答処理手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の移動端末。
【請求項5】
サービス提供者から提示情報を受け取った場合は、これを提示する情報提示手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の移動端末。
【請求項6】
情報提示手段による情報提示後、利用者からの入力を受け付けると共に、当該入力内容をサービス提供者側に応答する入力応答手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の移動端末。
【請求項7】
端末情報とサービスの精算に関する情報を保有する情報記憶媒体に対して、前記端末情報と前記サービスの精算に関する情報の授受を行い、かつ、これら情報をサービス提供者に応答すると共に、当該サービス提供者からサービスの精算に関する情報の書込要求があった場合は、前記情報記憶媒体に対して当該サービスの精算に関する情報を書き込む媒体I/F手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の移動端末。
【請求項8】
情報記憶手段は、端末情報と、移動端末を利用する個体の属性情報とを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の移動端末。
【請求項9】
移動端末に設置される同種の移動端末側の狭域通信手段と無線通信を行う狭域通信手段と、
前記狭域通信手段を利用して提供される所定のサービスを提供する側に固有なサービス提供者識別情報を暗号化店舗情報として記憶する情報記憶手段と、
サービスを管理するセンタと通信を行う対センタ通信手段と、
前記狭域通信手段を介して移動端末から受信した所定の暗号化端末情報と、前記情報記憶手段から読み出した暗号化店舗情報と、前記移動端末へのサービスの実行中に必要となった情報とを組み合わせ、これら情報を、前記対センタ通信手段に対して前記センタへ送信するよう指示する情報処理手段とを備えた店舗装置。
【請求項10】
サービスに固有なサービス識別情報を暗号化店舗情報として記憶する情報記憶手段を備えたことを特徴とする請求項9記載の店舗装置。
【請求項11】
情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、当該サービスを提供する時刻を保存することを特徴とする請求項9から請求項10のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項12】
情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、前記移動端末の識別情報と、前記サービスを提供する時刻とを関連付けて保存することを特徴とする請求項11記載の店舗装置。
【請求項13】
情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、当該サービスを提供するためのセッションを識別するための一時的なセッション識別情報を生成し、当該セッション識別情報を自ら保持すると共に、移動端末およびセンタの少なくとも一方に対して送信することを特徴とする請求項12記載の店舗装置。
【請求項14】
情報処理手段は、移動端末に対してサービスを提供する場合、センタに対して、当該移動端末の利用者の信用調査を要求すると共に、前記サービスの提供を終了する場合の、提供したサービス対価の付替要求を行うことを特徴とする請求項9から請求項13のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項15】
提供するサービスは、移動端末が搭載された車両の通行可否を示すゲートの自動開放制御サービスであることを特徴とする請求項9から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項16】
提供するサービスは、移動端末を利用する利用者が施設を利用した利用料金の自動収受サービスであることを特徴とする請求項9から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項17】
提供するサービスは、移動端末を利用する利用者が所定の領域に入退場する場合の入退場管理サービスであることを特徴とする請求項9から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項18】
提供するサービスは、移動端末を装着した物品の在庫管理サービスであることを特徴とする請求項9から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項19】
提供するサービスは、移動端末を搭載した車両が複数の所定地点を順次通過した時刻を集計し、少なくとも任意の地点間の時間帯別所要時間を求め、提供する道路交通情報収集サービスであることを特徴とする請求項9から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項20】
複数の異なるサービスに対応したサービス識別情報を有する情報記憶手段と、
所定のサービス切替指示に基づき、前記情報記憶手段中の対応するサービス識別情報を用い、提供するサービスを切り替えるサービス切替手段とを備えた請求項10から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項21】
サービス提供者の振込先口座の情報を有する情報記憶手段と、
所定の振込先切替指示に基づき、切り替えるサービスを提供するサービス提供者の振込先口座に振込先を変更する振込先変更手段とを備えた請求項10から請求項14のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項22】
移動端末の識別情報と、当該移動端末を使用するユーザの個人情報と、店舗装置の識別情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、
前記店舗装置との間で通信を行う対店舗通信手段と、
前記対店舗通信手段を介して受信した前記移動端末の識別情報を含む暗号化端末情報を復号し、かつ、前記対店舗通信手段を介して受信した前記店舗装置の識別情報を含む暗号化店舗情報を復号し、これら復号した移動端末の識別情報と店舗装置の識別情報とに基づいて、前記移動端末を使用するユーザの個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたことを特徴とするセンタ装置。
【請求項23】
移動端末の識別情報と、店舗装置の識別情報と、提供するサービスを識別するサービス識別情報とを関連付けて記憶する情報記憶手段と、
復号した移動端末の識別情報に含まれるサービス識別情報と、復号した店舗装置の識別情報に含まれるサービス識別情報とが一致した場合に、前記移動端末を使用するユーザの個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたことを特徴とする請求項22記載のセンタ装置。
【請求項24】
情報処理手段は、店舗装置からの要求が、移動端末ユーザの信用調査であった場合、個人情報に関連付けられた金融機関口座の残高をアクセスした結果を当該店舗装置に応答し、前記店舗装置からの要求が、付替要求であった場合、当該付替要求された料金について、所定の時点に、前記移動端末の端末情報に関連付けられた金融機関の口座から、前記店舗装置の店舗情報に関連付けられた金融機関の口座に付け替えるよう、該当する金融機関に要求するようにしたことを特徴とする請求項23記載のセンタ装置。
【請求項25】
情報処理手段は、店舗装置からの要求が、提供したサービスに対する代金の精算要求であった場合、所定の日時に、移動端末の端末情報に関連付けられた金融機関の口座から、前記店舗装置の店舗情報に関連付けられた金融機関の口座に付け替えるよう記憶し、前記所定の日時が到来したら、該当する金融機関に付替要求を行うようにしたことを特徴とする請求項22から請求項24のうちのいずれか1項記載のセンタ装置。
【請求項26】
情報処理手段は、店舗装置からの要求が、提供したサービスに対する代金の精算要求であった場合、移動端末または前記店舗装置のユーザに対する手数料の収受も含めて、金融機関に付替要求を行うことを特徴とする請求項25記載のセンタ装置。
【請求項27】
複数のユーザの通信端末の識別情報が記憶された情報記憶手段と、
前記通信端末が接続されている場合、当該通信端末の識別情報を読み出すと共に、当該読み出した識別情報が、前記情報記憶手段に記憶されているいずれかのユーザの識別情報に一致するかを照合し、一致した場合に、その識別情報を送出する情報処理手段とを備えた請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の移動端末。
【請求項28】
情報記憶手段として、所定の情報記憶媒体を用い、かつ、情報処理手段が前記情報記憶媒体にアクセスするための媒体I/F手段を備えたことを特徴とする請求項27記載の移動端末。
【請求項29】
情報処理手段は、店舗装置より、接続されている通信端末の識別情報の送信要求を受けた場合は、前記通信端末の識別情報を読み出し、当該読み出した識別情報を端末情報に関連付けてセンタ装置宛に送信することを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の移動端末。
【請求項30】
移動端末より、サービス要求があった場合、前記移動端末より、当該移動端末に接続されている通信端末の識別情報を取得すると共に、当該通信端末の識別情報をセンタ装置宛に送信するよう送信要求を前記通信端末に対して行い、かつ、前記取得した通信端末の識別情報を店舗情報に関連付けて前記センタ装置に送信する情報処理手段を備えたことを特徴とする請求項9から請求項21のうちのいずれか1項記載の店舗装置。
【請求項31】
移動端末に接続される通信端末のユーザ毎の個人情報を記憶する情報記憶手段と、
移動端末から受信した端末識別情報と通信端末の識別情報と、店舗装置から受信した店舗情報と端末情報と通信端末の識別情報とに基づき、少なくとも通信端末の識別情報が一致した場合に、前記情報記憶手段の個人情報をアクセスする情報処理手段とを備えたことを特徴とする請求項22から請求項26のうちのいずれか1項記載のセンタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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