説明

移動端末及び移動体通信方法

【課題】 従来技術では、ユーザからの通信要求が発生してから、はじめて中継依頼先を探索し、中継依頼先に対して中継を要求し、接続を確立している。このため、これらの従来技術では、通信要求が発生してから、通信を確立するまでに長時間を要するという課題があった。
【解決手段】本発明の移動端末は、他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する機能を有する移動端末であって、基地局との通信状態を監視する機能を有する監視手段と、他の端末に対し通信の中継を要求する機能を有する通信中継要求手段と、を有し、かつ、前記監視手段により得られた通信状態に基づき自端末がいずれの基地局の通信エリア内にもないと判断すると、他の端末を探索する機能を有する探索手段により他の端末の探索を開始することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動端末及び移動体通信方法に関し、特に、通信可能圏内から外れた場所にある移動端末(以下単に端末という)であっても、通信が可能な移動端末及び移動体通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯電話システムのような移動体通信システムでは、各端末が基地局と直接通信する。したがって、ある端末がどの基地局の通信圏内からも外れた場所にある場合には、その端末は通信をすることができない。
例えば、端末がどの基地局からも物理的に遠く、通信エリア外にある場合である。わが国の代表的な携帯電話システムの面積カバー率は比較的高く、しかもさらに漸増しているとはいえ、地方や山岳地では、未だに通信エリア外のまま残されている地域も多い。この様子を図6に示す。図6には、簡単のため2つの基地局(基地局A(71)及び基地局B(74))と、それぞれの通信可能エリア72及び75が示されている。携帯電話73及び76はいずれかの基地局の通信可能エリアに存在するが、携帯電話77及び78はどの基地局からも遠く、両携帯電話が存在する場所は通信エリア外となっている。
また、端末が基地局からは近いが障害物(建物など)の影響により局所的に電界強度が弱い場所にある場合も、その端末はやはり通信をすることができない。さらに、通信開始時には十分な電界強度があり、問題なく通信できていたとしても、通信中に端末が移動して電界強度が弱い場所にさしかかった場合には、途中で通信が途絶してしまうこともある。
【0003】
こういった問題を改善するために、他の端末を中継局として使用することにより、適当な基地局との接続を確立し、実質的に通信エリアを拡大しようという提案がいくつかなされている。例えば、特許文献1には、無線基地局のサービスエリア外にいる移動通信端末装置が、自らから通信可能範囲かつサービスエリア内にいる他の移動通信端末装置に通信を中継させ、無線基地局と通信を行なう、という技術が開示されている。同様の技術が特許文献2乃至特許文献9にも開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平7−162935号公報
【特許文献2】特開2000−049690号公報
【特許文献3】特開2001−186076号公報
【特許文献4】特開2003−179536号公報
【特許文献5】特開2002−44004号公報
【特許文献6】特開2004−128847号公報
【特許文献7】特平8−84373号公報
【特許文献8】特平10−336095号公報
【特許文献9】特許第3386030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1乃至特許文献9に記載されたような従来技術では、ユーザからの通信要求が発生してから、はじめて中継依頼先を探索し、中継依頼先に対して中継を要求し、接続を確立している。このため、これらの従来技術では、通信要求が発生してから、通信を確立するまでに長時間を要するという課題があった。この課題が現実の移動体通信システムにこれらの技術を採用することを妨げていた。
【0006】
また、上記の従来技術では、通信の中継を要求する側の端末にとっては、通信エリア外からも通信することができるというメリットがある反面、通信の中継を受け入れた端末で通信内容が漏洩するリスクがあるというデメリットがある。一方、通信の中継を受け入れる端末にとっては、自端末とは全く関係のない通信のために、電力やCPUパワーなどのハードウエア資源を提供しなければならないというデメリットがある。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、通信要求が発生してから、短時間で通信を開始することを目的としている。或いは、本発明は、通信エリア外からも通信できる権利と他の端末のためにリソースを提供する義務とのバランスをとることを目的にしている。或いは、本発明は、中継に伴う通信内容の漏洩というリスクを低減することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の端末は、他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する機能を有する端末であって、基地局との通信状態を監視する機能を有する監視手段と、他の端末に対し通信の中継を要求する機能を有する通信中継要求手段と、を有し、かつ、前記監視手段により得られた通信状態に基づき自端末がいずれの基地局の通信エリア内にもないと判断すると、他の端末を探索する機能を有する探索手段により他の端末の探索を開始することを特徴とする。
【0010】
本発明の端末は、あるいはさらに、前記探索手段により前記他の端末を複数発見すると、それらの中から自端末との通信状態が最も良い端末に対して、前記通信中継要求手段により通信の中継を要求することを特徴とする。あるいはさらに、前記通信中継要求手段により自端末との通信状態が最も良い端末に対して通信の中継を要求した結果、いずれの基地局との接続も確立できなかったときには、前記通信中継要求手段により自端末との通信状態が良い順に2番目以降所定の順位までの端末に対して順次通信の中継を要求することを特徴とする。
【0011】
本発明の端末は、あるいはさらに、前記探索手段により前記他の端末を複数発見すると、それらの中から基地局との通信状態が最も良い端末に対して、前記通信中継要求手段により通信の中継を要求することを特徴とする。あるいはさらに、前記通信中継要求手段により基地局との通信状態が最も良い端末に対して通信の中継を要求した結果、いずれの基地局との接続も確立できなかったときには、前記通信中継要求手段により基地局との通信状態が良い順に2番目以降所定の順位までの端末に対して順次通信の中継を要求することを特徴とする。
【0012】
本発明の端末は、あるいはさらに、通信の中継に関与する最大端末数が予め設定されていることを特徴とする。あるいはさらに、前記最大端末数が変更可能であることを特徴とする。あるいはさらに、前記最大端末数に、上限が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明の端末は、あるいはさらに、前記所定の順位が変更可能であることを特徴とする。あるいはさらに、前記所定の順位に、上限が設けられていることを特徴とする。
【0014】
本発明の端末は、あるいはさらに、前記他の端末に対する通信中継要求機能の有効と無効との切り替え手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の端末は、あるいはさらに、通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する通信中継要求受け入れ手段を有することを特徴とする。あるいはさらに、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明の端末は、あるいはさらに、前記他の端末に対する通信中継要求機能の有効と無効との切り替え手段と、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段と、を有することを特徴とする。あるいはさらに、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段により、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が無効に設定されていると、前記他の端末に対する通信中継要求機能の有効と無効との切り替え手段により、前記他の端末に対する通信中継要求機能を有効に設定できないことを特徴とする。
【0017】
本発明の端末は、あるいはさらに、災害時には、前記他の端末に対する通信中継要求機能が有効となることを特徴とする。
【0018】
本発明の端末は、あるいはさらに、災害時には、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が有効となることを特徴とする。
【0019】
本発明の端末は、あるいはさらに、緊急通話については、前記他の端末に対する通信中継要求機能が有効となることを特徴とする。
【0020】
本発明の端末は、あるいはさらに、緊急通話については、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が有効となることを特徴とする。
【0021】
本発明の端末は、あるいはさらに、通信方式としてCode Division Multiple Access (CDMA)方式、又は、Wideband CDMA (W-CDMA)方式、又は、CDMA2000方式を採用していることを特徴とする。
【0022】
本発明の端末は、あるいはさらに、通信内容が暗号化されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の端末は、通信中継要求元の端末の通信を中継する機能を有する端末であって、基地局との通信状態を監視する機能を有する監視手段と、通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する通信中継要求受け入れ手段と、を有し、かつ、前記監視手段に基づき自端末がいずれかの基地局の通信エリア内にあると判断すると、他の端末を探索する機能を有する探索手段により、前記通信中継要求元の端末の探索を開始することを特徴とする。
【0024】
本発明の移動端末は、他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する機能、或いは、通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する移動端末であって、ユーザからの通信要求の有無に関わらず、前記他の端末或いは前記通信中継要求元の端末と中継のための接続をする機能を有する。
【0025】
本発明の移動体通信方法は、端末において、他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する移動体通信方法であって、基地局との通信状態に基づき自端末がいずれかの基地局の通信エリア内にあるか否かを判断する判断ステップと、他の端末を探索する探索ステップと、他の端末に対し通信の中継を要求する要求ステップと、を有し、かつ、前記判断ステップにより自端末がいずれの基地局の通信エリア内にもないと判断すると、前記探索ステップを開始することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、自携帯電話が通信エリア内にあるか否かを監視し、通信エリア外にあると判断すると、ユーザが通信を開始しようとしなくとも、予め通信の中継依頼先となる他の携帯電話を探索し、基地局との通信を確立しておくことで、ユーザが通信を開始しようとした場合に、短時間で通信を開始することができる。あるいは、本発明によれば、他の携帯電話からの通信中継要求の受け入れ機能が無効に設定されていると、他の携帯電話に対する通信中継要求機能を有効に設定できないようにしておくことにより、特定の端末が、他の携帯電話の通信の中継という義務を果たさず、自らの通信の中継を他の携帯電話にさせるという権利のみを享受することを回避することができる。
これらの利点により、初めて現実の移動体通信システムにこの技術を採用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0028】
《実施例1》
図1は本発明の一実施例である携帯電話の内部構成を示す概念図である。この携帯電話は、アンテナ10、電波送受信部11、電界強度監視部12、端末探索部13、通信中継要求部14、通信中継要求受け入れ部15、通信中継要求有効無効切替部16、通信中継要求受け入れ有効無効切替部17から構成されている。
【0029】
電波送受信部11は、アンテナ10に接続されており、基地局或いは他の携帯電話からの電波を受信し、また、基地局或いは他の携帯電話への電波を送信する。電界強度監視部12は電波送受信部11から入力される電界の強度を監視する。端末探索部13は、電界強度監視部12により監視される電界の強度に基づき、中継を要求できる他の携帯電話を探索する。端末探索部13による他の携帯電話の探索は、最寄りの携帯電話の発する電界強度を探知することにより行なう。通信中継要求部14は、端末探索部13により探索されたその携帯電話と接続を確立する。通信中継要求部14による接続の確立は、自端末と他の携帯端末との間に、自端末と基地局との間と同様な関係を構築することにより、ネットワークの接続を行なう。通信中継要求受け入れ部15は、アンテナ10及び電波送受信部11により受信した他の端末からの通信中継要求に従って、通信中継要求の要求元の端末との接続、及び、基地局或いはさらなる通信中継要求先の他の端末との接続を確立する。通信中継要求有効無効切替部16は、端末探索部13及び通信中継要求部14の機能の有効と無効とを切り替える。この機能を有効とするか無効とするかの設定は、携帯電話のメニュー画面から適宜ユーザが適宜行なう。通信中継要求受け入れ有効無効切替部17は、通信中継要求受け入れ部15の機能の有効と無効とを切り替える。この機能を有効とするか無効とするかの設定は、携帯電話のメニュー画面からユーザが適宜行なう。
【0030】
図2は、本実施例1の携帯電話が他の携帯電話に通信の要求を行なう場合の処理を示すフローチャートである。図2において、電波送受信部11がアンテナ10より基地局からの電波を受信する(S102)。次に電界強度監視部12が、その電界強度k(i)を監視する(S103)。電波が弱いために通信が困難かどうかは、電界強度監視部12が、電界強度k(i)と所定の閾値Dとの比較により判断する(S104)。電波が強く、電界強度k(i)≧閾値Dの場合には、通常の通信が可能である(S105)。電波が弱く、電界強度k(i)<閾値Dの場合、端末探索部13が、通信の中継を要求する相手となる他の携帯電話を探索する(S106)。端末探索部13は、他の携帯電話を発見できたか否か判定し(S107)、他の携帯電話を発見できなかった場合、通信は不可となる(S108)。端末探索部13が、他の携帯電話を発見できた場合、通信中継要求部14が、自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている他の携帯電話を中継依頼先として選んで接続を確立する(S109)。通信中継要求部14が、その中継依頼先に通信の中継を要求する(S110)。このとき、通信中継要求部14は、中継依頼先の携帯電話が中継依頼のおおもとである自携帯電話から数えて何番目であるかという序列iと、中継に関与する予め定められた最大端末数nとを、中継依頼先に通知する(S110)。最大端末数nの値は、ユーザにより変更可能としても良い。また、ここでは、自携帯電話が中継依頼のおおもととなっている例について述べているため、中継依頼先の携帯電話に渡す序列iの値は1である。自携帯端末が他の端末から通信の中継を依頼され、さらに他の端末に通信の中継を依頼する例(図3)については後述するが、その場合は中継依頼元から渡された序列iを1つインクリメントし、中継依頼先に渡すこととなる。
【0031】
通信中継要求部14が、中継依頼先から通信可能である旨の回答を得た場合には(S111)、通信可能となる(S112)。通信中継要求部14が、通信不可である旨の回答を得た場合には(S113)、通信不可となる(S114)。何の回答も得てない場合には、通信中継要求部14が、所定の時間が経過したか否か判定し(S115)、タイムアウトしていれば通信不可となる(S116)。まだタイムアウトしていない場合には、再び通信可能又は不可である旨の回答が得たか否かの判定に戻る(S111及びS113)。
【0032】
図3は本実施例1の携帯電話が他の携帯電話より通信の中継を要求された場合の処理を示すフローチャートである。図3において、まず、通信中継要求受け入れ部15が、アンテナ10より電波送受信部11を経由して他の携帯電話からの通信の中継を要求する旨の信号を受け取る(S201)。次に、電波送受信部11が、アンテナ10より基地局からの電波を受信し(S202)、電界強度監視部12が、その電界強度を監視する(S203)。電界強度監視部12が、電界強度k(i)と所定の閾値D'との比較により、電波が弱いために通信が困難かどうかを、判断する(S204)。電波が強く、電界強度k(i)≧閾値D'の場合には、自携帯電話と基地局との間の直接の通信が可能であり、端末探索部13がこれ以上中継要求先を探す必要がないことを意味している。即ち、自携帯電話が中継することによりおおもとの中継依頼元と基地局との間の通信が可能となることが確定するため、通信中継要求受け入れ部15は、中継が可能である旨の回答を中継依頼元へ返す(S205)。電波が弱く、電界強度k(i)<閾値D'の場合、通信中継要求受け入れ部15は、自携帯電話で中継に関与する最大端末数に達しているか否かの判定を行うために、中継依頼元から受け取った、自携帯電話がおおもとの携帯電話から数えて何番目であるかという序列iと、中継に関与する最大端末数nとを、比較する(S206)。最大端末数に達している場合には、通信中継要求受け入れ部15は、通信が不可である旨の回答を中継依頼元へ返す(S207)。まだ最大端末数に達していない場合には、端末探索部13が、通信の中継を要求する相手となる他の携帯電話を探索する(S208)。端末探索部13は、他の携帯電話を発見できたか否か判定し(S209)、他の携帯電話を発見できなかった場合、通信中継要求受け入れ部15は、通信が不可である旨の回答を中継依頼元へ返す(S210)。他の携帯電話を発見できた場合、通信中継要求部14が、本実施例1の自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている携帯電話を中継依頼先として選んで接続を確立する(S211)。通信中継要求部14が、その中継依頼先に通信の中継を要求する(S212)。このとき、通信中継要求部14は、中継依頼元から受け取った、自携帯電話がおおもとの携帯電話から数えて何番目であるかという序列iを1つインクリメントし、(i+1)(中継依頼先の携帯電話がおおもとの携帯電話から数えて何番目であるかという序列)と、中継に関与する最大端末数nとを、中継依頼先に通知する(S212)。通信中継要求部14が、中継依頼先から通信可能である旨の回答が得た場合には(S213)、通信中継要求受け入れ部15が、通信が可能である旨の回答を中継依頼元へ返す(S214)。通信中継要求部14が、通信不可である旨の回答を得た場合には(S215)、通信中継要求受け入れ部15は通信が不可である旨の回答を中継依頼元へ返す(S216)。何の回答も得られてない場合には、通信中継要求部14が、所定の時間が経過したか否か判定し(S217)、タイムアウトしていれば、通信中継要求受け入れ部15は通信が不可である旨の回答を中継依頼元へ返す(S218)。まだタイムアウトしていない場合には再び通信可能又は不可である旨の回答が得られたか否かの判定に戻る(S213及びS215)。なお、閾値DとD'は同じ値でも良いし、相異なる値でも良い。
【0033】
以上の動作により、ユーザが通信エリア外にある携帯電話で通信を行おうとした場合に、近傍の携帯電話群の中から最も電界強度が強い経路を探索し、接続を確立させ、最終的にいずれかの基地局の通信エリア内にある携帯電話を経由して基地局との通信が確立できるまで、探索された携帯電話で次々に同様の処理を行う。こうして通信エリア外の携帯電話でも通信が可能となる。
【0034】
本実施例1の携帯電話が他の携帯電話に中継を要求する場合の処理(図2のフローチャート)は、通信可能の返答が得られるまで、所定の時間周期で繰り返すことが望ましい。一方、本実施例1の携帯電話が他の携帯電話より通信の中継を要求された場合の処理(図3のフローチャート)は、通信中継要求受け入れ有効無効切替部17により通信中継要求受け入れ部15の機能が有効にされている場合には、中継要求信号受信(図3のS201)の待機状態であることが望ましい。
【0035】
本実施例1で、通信エリア外の携帯電話が通信を行おうとした場合に、一つの携帯電話が中継するだけで基地局まで辿り着くことができた場合の概念図を図4に示す。この場合、通信エリア外の携帯電話54が中継を依頼した一次中継端末53が、ある基地局51の通信エリア52内にあるために、一次中継端末53はこれ以上他の携帯電話を探すことはせずに、基地局51との接続を確立し、通信エリア外の携帯電話54は通信を開始することができる。
【0036】
また、二つの携帯電話が中継して基地局まで辿り着くことができた場合の概念図を図5に示す。この場合、通信エリア外の携帯電話65が中継を依頼した一次中継端末64は、どの基地局の通信エリア内にもないので、他の携帯電話を探索し、二次中継端末63を発見する。この場合、二次中継端末63が、ある基地局61の通信エリア62内にあるために、二次中継端末63はこれ以上他の携帯電話を探すことはせずに、基地局61との接続を確立し、通信エリア外の携帯電話65は通信を開始することができる。
【0037】
本実施例1の携帯電話では、自携帯電話が通信エリア内にあるか否かを監視し、通信エリア外にあると判断した場合には、ユーザが通信を開始しようとしなくとも、予め通信の中継依頼先となる他の携帯電話を探索し、基地局との通信を確立しておくようになっている。これにより本実施例1では、ユーザが通信を開始しようとした場合に、短時間で通信を開始することができる。
【0038】
本実施例1では、端末探索部13が発見した近傍の複数の携帯電話の中から一の中継依頼先を選択する判断基準として、自携帯電話に届く電波の電界強度を判断基準とすることにより、確実に接続を確立することができるように構成されている。
【0039】
本実施例1では、中継に関与する最大端末数nを予め設定しておくことで、無限に探索を繰り返してしまい、無駄に他の携帯電話・自携帯電話の電力やハードウエア資源を消費することがないように構成されている。さらに、この値をユーザ設定により変更できるようにしておけば、(1)接続を確立するまでに多少時間がかかったとしても、どうしても通信を行いたい場合と、(2)接続が確立するとしても長時間がかかるのであれば、あきらめたい場合とを、ユーザ自身が設定により使い分けることができる。さらに、ユーザが設定できる値には上限を設けておくことで、特定のユーザの通信のために他の携帯電話の電力やハードウエア資源が大量に消費されることを避けることができる。
【0040】
本実施例1では、CDMA方式に基づいた通信を行っている。CDMA方式に代表されるようなスペクトラム拡散方式に基づいた通信は秘話性が高いため、中継端末から通信内容が漏洩する懸念がなく、高いセキュリティが保たれるという効果がある。スペクトラム拡散方式でなくとも、通信を暗号化することによって、同様に高いセキュリティが保たれる。
【0041】
本実施例1においては、通信中継要求有効無効切替部16により、他の携帯電話に通信の中継を要求する機能の有効或いは無効を選択できるように構成されている。これにより、通信エリア外からも通信できるというメリットと、通信の中継要求を受け入れた端末から通信内容が漏洩するリスクがあるというデメリットをユーザ自身が計りに掛け、選択できるという利点がある。本実施例1では、通信中継要求有効無効切替部16による有効と無効との切り替えは、ユーザが適宜携帯電話のメニュー画面から行なうとしたが、ユーザと携帯電話のキャリアとの間の契約により行なう、という態様も考えられる。
【0042】
また、本実施例1においては、通信中継要求受け入れ有効無効切替部17により、他の携帯電話から要求される通信の中継を受け入れる機能の有効或いは無効を選択できるように構成されている。これにより、通信の中継を要求される携帯電話にとっては、自携帯電話とは全く関係のない通信のために、自携帯電話の電力やCPUパワーなどのハードウエア資源を提供しなければならないというデメリットを回避することができる。本実施例1では、通信中継要求受け入れ有効無効切替部17による有効と無効との切り替えは、ユーザが適宜携帯電話のメニュー画面から行なうとしたが、ユーザと携帯電話のキャリアとの間の契約により行なう、という態様も考えられる。
【0043】
さらに、他の携帯電話からの通信中継要求の受け入れ機能が無効に設定されている場合には、他の携帯電話に対する通信中継要求機能を有効に設定できないようにしておけば、特定の端末が、他の携帯電話の通信の中継という義務を果たさず、自らの通信の中継を他の携帯電話にさせるという権利のみを享受することを回避することができる。
【0044】
また、本実施例1において、災害時、及び、日本における110番或いは119番などの緊急通話についてだけは、ユーザ設定に関わらず、通信中継要求機能又は通信中継要求の受け入れ機能またはそれらの両方を有効とすることで、電波や通信システムの公共性を担保することができる。
【0045】
《実施例2》
実施例1の携帯電話では、自携帯電話がおおもととなる場合(図2)、及び、他の携帯電話から中継を要求された場合(図3)のいずれの場合であっても、端末探索部13が近傍に複数の携帯電話を発見したときには、通信中継要求部14が、それらの中から自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている携帯電話を選んで、通信中継要求部14が、その携帯電話と接続を確立し(S109及びS211)、その携帯電話に中継を要求している(S110及びS212)。しかしながら、こういった中継端末探索アルゴリズムを用いた場合、自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている携帯電話が、必ずしも基地局に物理的に近いとは限らない。したがって、最終的には通信可能となるとしても、図2や図3に示した処理がなかなか収束せず通信開始まで時間がかかるという怖れがある。或いは、無駄に電力やハードウエア資源を消費してしまうという怖れがある。また、中継に関与する最大端末数nの値にもよっては、本来適切に経路を選べば基地局に辿り着けるはずであるにも関わらず、実際にはどの基地局にも辿り着けず通信不可となる怖れがある。
【0046】
そこで、本発明の他の実施例である本実施例2の携帯電話は、端末探索部13が近傍に複数の携帯電話を発見できたときには、通信中継要求部14が、それらの中から基地局からの電波を最も強い電界強度で受信している携帯電話を中継依頼先として選んで、通信中継要求部14が、その携帯電話と接続を確立し(S109及びS211)、その携帯電話に中継を要求する(S110及びS212)。実施例1を説明した図1乃至図5は、本実施例2の携帯電話についても適用できる。
【0047】
本実施例2の携帯電話での処理で、実施例1の携帯電話で行われる処理と異なるのは、端末探索部13が複数の携帯電話を発見したときに、通信中継要求部14が中継を要求するために接続を確立する携帯電話として(S109及びS211)、通信中継要求部14が、自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている携帯電話ではなく、基地局からの電波を最も強い電界強度で受信している携帯電話を選ぶことである。このためには、まず端末探索部13が近傍に発見した複数の携帯電話の一部又は全部との接続を通信中継要求部14が一旦確立し、各携帯電話にそれぞれがどの程度の強度で基地局からの電波を受信しているか問い合わせる。この問い合わせに対する各携帯電話からの回答を参照して、それらの中で、基地局からの電波を最も強い電界強度で受信している携帯電話を通信中継要求部14が中継依頼先として選択する。
【0048】
基地局からの電波を最も強い電界強度で受信している携帯電話は基地局からの物理的な距離が近い可能性が高いので、こうした中継端末の選び方をおおもとの携帯電話と中継端末とで繰り返すことによって、徐々に基地局に近づいて行くことができ、最終的には基地局に辿り着ける確率が高い。
【0049】
《実施例3》
実施例1では、中継に関与する最大端末数nの範囲内で、基地局に辿り着けなかった場合、そこで通信不可としている。それに対し、本発明の他の実施例である本実施例3の携帯電話では、端末探索部13が近傍に複数の携帯電話を発見できているときには、そこで通信不可とはせず、通信中継要求部14が、それらの中から自携帯電話に2番目以降に強い電界強度で電波が届いている携帯電話を順次選んで、通信中継要求部14がその携帯電話と接続を確立し(S109及びS211)、その携帯電話に中継を要求する(S110及びS212)。これにより、自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている携帯電話の先が袋小路になっていた場合にも、最終的には基地局にたどり着くことができる可能性が生じる。
【0050】
ここで何番目に電界強度が強い携帯電話まで試行するかは、予め設定されていることが望ましい。これにより、混雑時など近傍に無数の携帯電話が存在する場合に、無限に探索を繰り返してしまうことが防止できる。この何番目に電界強度が強い携帯電話まで試行するかの限界はユーザ設定により変更できることが望ましい。
【0051】
本実施例3では、自携帯電話に届く電界強度最も強い端末を選ぶことにより基地局まで辿り着けなった場合には、自携帯電話に届く電界強度が2番目以降である端末への中継要求を試行することにより、本来うまく経路を選べば基地局に辿り着けるはずであるにも関わらず、実際にはどの基地局にも辿り着けず通信不可となるという事態を回避している。
【0052】
《実施例4》
実施例1では、通信エリア外にある携帯電話54(図4)が、近傍の携帯電話53(図4)に中継を要求して、最終的に、基地局51(図4)との接続を確立している。これに対し、本実施例4では、通信エリア内にある携帯電話53(図4)が、予め近傍かつ通信エリア外の携帯電話54(図4)を探索して基地局51(図4)との中継を申し出ることにより、通信エリア外にある携帯電話54(図4)と基地局51(図4)との間の接続を確立しておく。したがって、当該通信エリア外の携帯電話54(図4)のユーザが通信を開始しようとした際に、直ちに通信を行うことができる。
【0053】
本実施例4では、通信エリア外にある携帯電話54(図4)が自らの通信を中継する中継依頼先の携帯電話を効率的に発見することができる。また、当該通信エリア外の携帯電話54(図4)が通信を開始しようとした際に、直ちに通信を行うことができる。
【0054】
これまで述べた実施形態では、本発明を携帯電話に適用した実施例を述べたが、本発明の適用はこれに限られるものではない。本発明は、携帯電話だけでなく、移動電話・自動車電話・携帯端末・移動端末・モバイル端末などから構成される移動体通信システムであればどのような名称・形態のものであっても、適用することができる。
【0055】
近傍の携帯電話を複数発見した場合に、それらの中から適当な一つを選択する判断基準としては、上記実施形態に述べた2種類(自携帯電話に最も強い電界強度で電波が届いている端末を選ぶ、及び、基地局からの電波を最も強い電界強度で受信している端末を選ぶ)に限られるものではない。例えば、近傍の各端末から自携帯電話に届く電波の電界強度と、近傍の各端末が受信している基地局からの電波の電界強度とから、所定の評価関数に基づいて、中継に関与する端末数が比較的少なく、かつ、基地局との間に確立した接続が比較的確実であると推測されるものを選ぶ、ということもできる。
【0056】
実施例1ではスペクトラム拡散方式としてCDMA方式を採用したが、他にもW-CDMA方式或いはCDMA2000方式などを支障なく採用することができる。
【0057】
上記実施例では、電界強度を基準にして各種の判断を行なう例を示した。しかし、通信状態を判断する基準としては、電界強度以外にも、例えばビットエラーレートなど各種のものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の一実施例である携帯電話の内部構成を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施例である携帯電話が、他の携帯電話に通信の中継を要求する際に行う処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施例である携帯電話が、他の携帯電話より中継を要求された場合に行う処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明を実施した例である移動体通信システムにおいて、一つの端末が中継するだけで基地局まで辿り着くことができた場合の端末及び基地局の通信の様子を示す概念図である。
【図5】本発明を実施した例である移動体通信システムにおいて、二つの端末が中継して基地局まで辿り着くことができた場合の端末及び基地局の通信の様子を示す概念図である。
【図6】従来技術による移動体通信システムの通信の様子を示す概念図である。
【符号の説明】
【0059】
10 アンテナ
11 電波送受信部
12 電界強度監視部
13 端末探索部
14 通信中継要求部
15 通信中継要求受け入れ部
16 通信中継要求有効無効切替部
17 通信中継要求受け入れ有効無効切替部
51 基地局
52 基地局の通信エリア
53 基地局の通信エリア内の携帯電話
54 通信エリア外の携帯電話
61 基地局
62 基地局の通信エリア
63 基地局の通信エリア内の携帯電話
64 通信エリア外の携帯電話
65 通信エリア外の携帯電話
71 基地局A
72 基地局Aの通信エリア
73 基地局Aの通信エリア内の携帯電話
74 基地局B
75 基地局Bの通信エリア
76 基地局Bの通信エリア内の携帯電話
77 通信エリア外の携帯電話
78 通信エリア外の携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する機能を有する移動端末であって、
基地局との通信状態を監視する機能を有する監視手段と、
他の端末に対し通信の中継を要求する機能を有する通信中継要求手段と、
前記監視手段により得られた通信状態に基づき自端末がいずれの基地局の通信エリア内にもないと判断すると、他の端末の探索を開始する探索手段と、
を有することを特徴とする移動端末。
【請求項2】
前記請求項1に記載の移動端末であって、
前記探索手段により前記他の端末を複数発見すると、それらの中から自端末との通信状態が最も良い端末に対して、前記通信中継要求手段により通信の中継を要求することを特徴とする移動端末。
【請求項3】
前記請求項2に記載の移動端末であって、
前記通信中継要求手段により自端末との通信状態が最も良い端末に対して通信の中継を要求した結果、いずれの基地局との接続も確立できなかったときには、前記通信中継要求手段により自端末との通信状態の良い順に2番目以降所定の順位までの端末に対して順次通信の中継を要求することを特徴とする移動端末。
【請求項4】
前記請求項1に記載の移動端末であって、
前記探索手段により前記他の端末を複数発見すると、それらの中から基地局との通信状態が最も良い端末に対して、前記通信中継要求手段により通信の中継を要求することを特徴とする移動端末。
【請求項5】
前記請求項4に記載の移動端末であって、
前記通信中継要求手段により基地局と通信状態が最も良い端末に対して通信の中継を要求した結果、いずれの基地局との接続も確立できなかったときには、前記通信中継要求手段により基地局との通信状態の良い順に2番目以降所定の順位までの端末に対して順次通信の中継を要求することを特徴とする移動端末。
【請求項6】
前記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の移動端末であって、
通信の中継に関与する最大端末数が予め設定されていることを特徴とする移動端末。
【請求項7】
前記請求項6に記載の移動端末であって、
前記最大端末数が変更可能であることを特徴とする移動端末。
【請求項8】
前記請求項7に記載の移動端末であって、
前記最大端末数の変更対象に、上限が設けられていることを特徴とする移動端末。
【請求項9】
前記請求項3又は請求項5のいずれかに記載の移動端末であって、
前記所定の順位が変更可能であることを特徴とする移動端末。
【請求項10】
前記請求項9に記載の移動端末であって、
前記所定の順位の変更対象に、上限が設けられていることを特徴とする移動端末。
【請求項11】
前記請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の移動端末であって、
前記他の端末に対する通信中継要求機能の有効と無効との切り替え手段を有することを特徴とする移動端末。
【請求項12】
前記請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の移動端末であって、
通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する通信中継要求受け入れ手段を有することを特徴とする移動端末。
【請求項13】
前記請求項12に記載の移動端末であって、
前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段を有することを特徴とする移動端末。
【請求項14】
前記請求項13に記載の移動端末であって、
前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段を有することを特徴とする移動端末。
【請求項15】
前記請求項14に記載の移動端末であって、
前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能の有効と無効との切り替え手段により、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が無効に設定されていると、
前記他の端末に対する通信中継要求機能の有効と無効との切り替え手段により、前記他の端末に対する通信中継要求機能を有効に設定できないことを特徴とする移動端末。
【請求項16】
前記請求項11、請求項14、請求項15、又は請求項16のいずれかに記載の移動端末であって、
災害時には、前記他の端末に対する通信中継要求機能が有効となることを特徴とする移動端末。
【請求項17】
前記請求項13、請求項14、請求項15、又は請求項16のいずれかに記載の移動端末であって、
災害時には、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が有効となることを特徴とする移動端末。
【請求項18】
前記請求項11、請求項14、又は請求項15のいずれかに記載の移動端末であって、
緊急通話については、前記他の端末に対する通信中継要求機能が有効となることを特徴とする移動端末。
【請求項19】
前記請求項13、請求項14、又は請求項15のいずれかに記載の移動端末であって、
緊急通話については、前記通信中継要求元の端末からの通信中継要求の受け入れ機能が有効となることを特徴とする移動端末。
【請求項20】
前記請求項1乃至請求項19のいずれかに記載の移動端末であって、通信方式としてCode Division Multiple Access (CDMA)方式、又は、Wideband CDMA (W-CDMA)方式、又は、CDMA2000方式を採用していることを特徴とする移動端末。
【請求項21】
前記請求項1乃至請求項21のいずれかに記載の移動端末であって、通信内容が暗号化されていることを特徴とする移動端末。
【請求項22】
通信中継要求元の端末の通信を中継する機能を有する移動端末であって、
基地局との通信状態を監視する機能を有する監視手段と、
通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する通信中継要求受け入れ手段と、を有し、かつ、
前記監視手段に基づき自端末がいずれかの基地局の通信エリア内にあると判断すると、他の端末を探索する機能を有する探索手段により、前記通信中継要求元の端末の探索を開始することを特徴とする移動端末。
【請求項23】
他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する機能、或いは、通信中継要求元の端末から要求された通信の中継を受け入れる機能を有する移動端末であって、
ユーザからの通信要求の有無に関わらず、前記他の端末或いは前記通信中継要求元の端末と中継のための接続をする機能を有する移動端末。
【請求項24】
移動端末において、他の端末に対し自端末の通信の中継を要求する移動体通信方法であって、
基地局との通信状態に基づき自端末がいずれかの基地局の通信エリア内にあるか否かを判断する判断ステップと、
他の端末を探索する探索ステップと、
他の端末に対し通信の中継を要求する要求ステップと、を有し、かつ、
前記判断ステップにより自端末がいずれの基地局の通信エリア内にもないと判断すると、前記探索ステップを開始することを特徴とする移動体通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−279187(P2006−279187A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−91177(P2005−91177)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】