説明

移動端末機

【課題】電子素子をより集積化した高密度のプリント基板アセンブリ、及びプリント基板アセンブリ内において電子素子が実装される空間を最大化し、よりスリムな移動端末機を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による移動端末機100は、端末機本体と、前記端末機本体に取り付けられるプリント基板アセンブリ200とを備え、プリント基板アセンブリ200は、第1プリント基板210と、第1プリント基板210上に取り付けられる第1電子素子211と、第1プリント基板210と第1方向に離隔して配置される第2プリント基板220と、第2プリント基板220上に取り付けられる第2電子素子222とを含み、第1電子素子211と第2電子素子222とは、前記第1方向と垂直な方向に重なるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板及び電子素子を備えるプリント基板アセンブリ、並びにそれを含む移動端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
移動端末機は、携帯が可能であり、かつ音声通話及びテレビ電話機能、情報入出力機能、並びにデータ保存機能などを少なくとも1つ備えた携帯用電子機器である。
【0003】
移動端末機は、機能が多様化することにより、例えば写真や動画像の撮影、音楽や動画像ファイルの再生、ゲーム、放送受信などの複雑な機能を備えたマルチメディア機器又は装置の形で実現されている。
【0004】
マルチメディア機器の複雑な機能を実現するために、ハードウェア又はソフトウェア面で新しい様々な試みがなされている。
【0005】
プリント基板に電子素子が実装されてプリント基板アセンブリを構成する。移動端末機のスリム化を実現するためには、電子素子の集積化によるプリント基板アセンブリの小型化が求められる。
【0006】
ハードウェアの機能をより改善するためには、プリント基板アセンブリの構造的な変化及び改良が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、電子素子をより集積化した高密度のプリント基板アセンブリを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、プリント基板アセンブリ内において電子素子が実装される空間を最大化し、よりスリムな移動端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態による移動端末機は、端末機本体と、前記端末機本体に取り付けられるプリント基板アセンブリとを備え、前記プリント基板アセンブリは、第1プリント基板と、前記第1プリント基板上に取り付けられる第1電子素子と、前記第1プリント基板と第1方向に離隔して配置される第2プリント基板と、前記第2プリント基板上に取り付けられる第2電子素子とを含み、前記第1電子素子と前記第2電子素子とは、前記第1方向と垂直な方向に重なるように配置される。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記移動端末機は、前記第1電子素子を覆うように前記第1プリント基板に取り付けられ、前記第1電子素子と外部間のEMI(Electro Magnetic Interference)を遮蔽するように構成される第1シールド缶をさらに含む。
【0011】
本発明の他の態様によれば、前記第1プリント基板上には、前記第2電子素子と対向して配置される第3電子素子が取り付けられ、前記第1シールド缶は、前記第3電子素子を覆うように、段差を有して形成される。
【0012】
本発明のさらに他の態様によれば、前記第2電子素子は、前記第1シールド缶の前記第1プリント基板からの突出距離より大きい突出距離で前記第1プリント基板に向かって突出するように形成される。
【0013】
本発明のさらに他の態様によれば、前記第2プリント基板上には、前記第1電子素子と対向して配置される第4電子素子が取り付けられ、前記移動端末機は、前記第2及び第4電子素子を覆うように前記第2プリント基板に取り付けられ、前記第2及び第4電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される第2シールド缶をさらに含む。
【0014】
本発明のさらに他の態様によれば、前記第2シールド缶は、前記第4電子素子を覆うように、段差を有して形成される。
【0015】
本発明のさらに他の態様によれば、前記第1シールド缶と前記第2シールド缶とは、所定間隔離隔して配置される。
【0016】
本発明のさらに他の態様によれば、前記移動端末機は、前記第2プリント基板から前記第1プリント基板に向かって突設されて前記第2電子素子を囲み、前記第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成されるシールドウォールをさらに含む。
【0017】
本発明のさらに他の態様によれば、前記シールドウォールは、前記第1シールド缶の側壁を形成する面を囲むように構成される。
【0018】
本発明のさらに他の態様によれば、前記シールドウォールは、前記第1シールド缶の上面を形成する面に隣接するように配置される。
【0019】
本発明のさらに他の態様によれば、前記移動端末機は、前記第1プリント基板と前記第2プリント基板との間の空間に配置され、前記第1及び第2電子素子が収容されるように中空部を備え、前記第1及び第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される遮断壁をさらに含む。
【0020】
本発明のさらに他の態様によれば、前記移動端末機は、前記第1電子素子が配置される領域と前記第2電子素子が配置される領域を分割するように前記中空部内に配置され、前記第1電子素子と前記第2電子素子間のEMIを遮蔽するように構成される遮断層をさらに含む。
【0021】
本発明のさらに他の態様によれば、前記遮断層は、前記第1電子素子の上面を覆うように配置される第1遮断層と、前記第2電子素子の上面を覆うように配置され、前記第1遮断層と前記第1方向に所定間隔離隔して配置される第2遮断層と、前記第1遮断層と前記第2遮断層とを連結するように形成される第3遮断層とを含む。
【0022】
本発明のさらに他の態様によれば、前記遮断壁と前記遮断層とが一体に形成される。
【0023】
本発明のさらに他の態様によれば、前記移動端末機は、前記第1プリント基板上に前記遮断壁の周囲に沿って配置され、前記遮断壁が固定されるように前記遮断壁を収容及び付勢する弾性結合部をさらに含む。
【0024】
本発明のさらに他の態様によれば、前記弾性結合部は、前記遮断壁が接地されるように前記第1プリント基板と電気的に接続される。
【0025】
本発明のさらに他の態様によれば、前記移動端末機は、無線通信のために電磁波を送受信するように構成され、前記遮断壁を介して前記第1及び第2電子素子とそれぞれ隣接するように配置される第1及び第2アンテナをさらに含む。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明の他の実施形態による移動端末機は、端末機本体と、前記端末機本体に取り付けられるプリント基板アセンブリとを備え、前記プリント基板アセンブリは、第1プリント基板と、前記第1プリント基板上に取り付けられる第1電子素子と、前記第1プリント基板と第1方向に離隔して配置される第2プリント基板と、前記第2プリント基板上に取り付けられる第2電子素子と、前記第1プリント基板と前記第2プリント基板との間の空間に配置され、前記第1及び第2電子素子を収容するように形成され、前記第1及び第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される遮断壁とを含む。
【0027】
本発明の一態様によれば、前記移動端末機は、前記第1電子素子と前記第2電子素子との間を横切るように前記遮断壁の内部に配置され、前記第1電子素子と前記第2電子素子間のEMIを遮蔽するように構成される遮断層をさらに含む。
【0028】
本発明の他の態様によれば、前記遮断層は、前記第1電子素子の上面を覆うように配置される第1遮断層と、前記第2電子素子の上面を覆うように配置され、前記第1遮断層と前記第1電子素子の厚さ方向に所定間隔離隔して配置される第2遮断層と、前記第1遮断層と前記第2遮断層とを連結するように形成される第3遮断層とを含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、第1電子素子が第1電子素子の厚さ方向と垂直な方向に第2電子素子と重なるように配置されるので、電子素子をより集積化した高密度のプリント基板アセンブリを提供することができる。
【0030】
また、遮断壁及び遮断層からなる共通シールド構造により、第1及び第2プリント基板をそれぞれ覆うシールド構造における間隔が存在しなくなり、第1プリント基板と第2プリント基板との間隔を減少させることができ、製造工程をより単純化することができる。
【0031】
前記構造によれば、空き空間を最小限に抑えて活用することにより、第1プリント基板と第2プリント基板との間隔を最小限に抑えることができ、従って、よりスリムな移動端末機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態による移動端末機の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による移動端末機の前面斜視図である。
【図3】図2の移動端末機の背面斜視図である。
【図4】図2の移動端末機の分解斜視図である。
【図5】図4に示すプリント基板アセンブリの一実施形態を示す断面図である。
【図6】図4の第2シールド缶と弾性結合部の分解斜視図である。
【図7】図5のA部分の拡大断面図である。
【図8】図4に示すプリント基板アセンブリの他の実施形態を示す断面図である。
【図9】図4に示すプリント基板アセンブリのさらに他の実施形態を示す分解斜視図である。
【図10】図9のプリント基板アセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明によるプリント基板アセンブリ及びそれを含む移動端末機について添付図面を参照して詳細に説明する。以下の説明で用いられる構成要素の接尾辞である「モジュール」及び「部」は、明細書の作成を容易にするために付与又は混用されるものであり、それ自体が有意性や有用性を有するものではない。
【0034】
本明細書で説明される移動端末機には、携帯電話、スマートフォン、ノートブックコンピュータ、デジタル放送端末機、携帯情報端末(Personal Digital Assistants; PDA)、ポータブルマルチメディアプレーヤ(Portable Multimedia Player; PMP)、電子書籍(e-book)、ナビゲーションなどが含まれる。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態による移動端末機の構成を示すブロック図である。
【0036】
移動端末機100は、無線通信部110、A/V(Audio/Video)入力部120、ユーザ入力部130、感知部140、出力部150、メモリ160、インタフェース部170、制御部180、及び電源供給部190などを含む。図1に示す全ての構成要素が必須構成要素であるわけではなく、本発明による移動端末機は、図示の構成要素よりも多い構成要素で実現してもよく、それより少ない構成要素で実現してもよい。
【0037】
以下、移動端末機100の構成要素について順次説明する。
【0038】
無線通信部110は、移動端末機100と無線通信システム間の無線通信、又は移動端末機100と移動端末機100の位置するネットワーク間の無線通信を可能にする少なくとも1つのモジュールを含んでもよい。例えば、無線通信部110は、放送受信モジュール111、移動通信モジュール112、無線インターネットモジュール113、近距離通信モジュール114、及び位置情報モジュール115などを含んでもよい。
【0039】
放送受信モジュール111は、放送チャネルを介して、外部の放送管理サーバから放送信号及び/若しくは放送関連情報を受信する。
【0040】
前記放送チャネルは、衛星チャネル及び地上波チャネルを含む。前記放送管理サーバは、放送信号及び/若しくは放送関連情報を生成して送信するサーバ、又は既に生成されて提供された放送信号及び/若しくは放送関連情報を送信するサーバを含む。
【0041】
前記放送信号は、テレビ放送信号、ラジオ放送信号、データ放送信号を含むだけでなく、テレビ放送信号又はラジオ放送信号にデータ放送信号が結合した形態の放送信号も含む。
【0042】
前記放送関連情報は、放送チャネル、放送番組、又は放送サービスプロバイダに関する情報を含む。前記放送関連情報は、移動通信網を介して提供することもでき、この場合、移動通信モジュール112により受信される。
【0043】
前記放送関連情報は様々な形態で存在する。例えば、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)のEPG(Electronic Program Guide)、又はDVB−H(Digital Video Broadcast-Handheld)のESG(Electronic Service Guide)などの形態で存在する。
【0044】
放送受信モジュール111は、例えばDMB−T(Digital Multimedia Broadcasting-Terrestrial)、DMB−S(Digital Multimedia Broadcasting-Satellite)、MediaFLO(Media Forward Link Only)、DVB−H、ISDB−T(Integrated Services Digital Broadcast-Terrestrial)などのデジタル放送システムを利用してデジタル放送信号を受信することができる。もちろん、放送受信モジュール111は、前述したデジタル放送システムだけでなく、他の放送システムに適合するように構成してもよい。
【0045】
放送受信モジュール111により受信された放送信号及び/若しくは放送関連情報は、メモリ160に保存される。
【0046】
移動通信モジュール112は、移動通信網上で基地局、外部の端末、サーバの少なくとも1つと無線信号を送受信する。前記無線信号は、音声呼信号、テレビ電話呼信号、又はSMS/MMSメッセージの送受信による様々な形態のデータを含む。
【0047】
無線インターネットモジュール113は、無線インターネットの接続のためのモジュールであり、移動端末機100に内蔵されるか又は外付けされる。無線インターネット技術としては、WLAN(Wireless LAN)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)、Wibro(Wireless Broadband)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)などを用いることができる。
【0048】
近距離通信モジュール114は近距離通信のためのモジュールである。近距離通信技術としては、ブルートゥース、RFID(Radio Frequency Identification)、IrDA(Infrared Data Association)、UWB(Ultra Wideband)、ZigBeeなどを用いることができる。
【0049】
位置情報モジュール115は、移動端末機100の位置を取得するためのモジュールであり、代表的な例としては、GPS(Global Position System)モジュールがある。
【0050】
A/V入力部120は、オーディオ信号又はビデオ信号の入力のためのものであり、カメラ121やマイク122などを含む。カメラ121は、テレビ電話モード又は撮影モードでイメージセンサにより得られる静止画像又は動画像などの画像フレームを処理する。
【0051】
そして、カメラ121で処理された画像フレームは、ディスプレイ部151に表示することができる。また、カメラ121で処理された画像フレームは、メモリ160に保存したり、無線通信部110により外部に伝送することもできる。カメラ121は、使用環境に応じて2つ以上備えてもよい。
【0052】
マイク122は、通話モード、録音モード、又は音声認識モードなどで、マイク122に入力された外部の音響信号を電気的な音声データに処理する。そして、マイク122で処理された音声データは、通話モードの場合、移動通信モジュール112により移動通信基地局に送信可能な形態に変換して出力することができる。マイク122には、外部の音響信号が入力される過程で発生するノイズを除去するための様々なノイズ除去アルゴリズムが実現される。
【0053】
ユーザ入力部130は、ユーザにより端末機の動作制御のための入力データを発生する。ユーザ入力部130は、キーパッド、ドームスイッチ、タッチパッド(静圧/静電)、ジョグホイール、ジョグスイッチなどで構成してもよい。
【0054】
感知部140は、移動端末機100の開閉状態、移動端末機100の位置、移動端末機100の方位又は加速/減速、ユーザの接触の有無などの移動端末機100の現在の状態を感知し、移動端末機100の動作を制御するための感知信号を発生する。例えば、移動端末機100がスライドタイプの場合、移動端末機100の開閉状態を感知することができる。また、電源供給部190から電源が供給されるか否か、インタフェース部170に外部機器が結合されたか否かなどを感知することもできる。一方、感知部140は近接センサ141を含んでもよい。
【0055】
出力部150は、視覚、聴覚、又は触覚などに関連する出力を発生するためのものであり、ディスプレイ部151、音響出力モジュール152、アラーム部153、及びハプティックモジュール154などを含む。
【0056】
ディスプレイ部151は、移動端末機100で処理される情報を表示(出力)する。例えば、移動端末機100が通話モードの場合、通話に関するUI(User Interface)若しくはGUI(Graphic User Interface)を表示する。また、移動端末機100がテレビ電話モード又は撮影モードの場合は、撮影及び/若しくは受信した画像、又はUI、GUIを表示する。
【0057】
ディスプレイ部151は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display; LCD)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display; TFT-LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode; OLED)、フレキシブルディスプレイ、3次元ディスプレイの少なくとも1つを含む。
【0058】
これらのディスプレイの一部は、そのディスプレイから外部が見えるように、透明型又は光透過型に構成してもよい。これは透明ディスプレイとも呼ばれ、透明ディスプレイの代表的な例としてはTOLED(Transparent OLED)などがある。ディスプレイ部151の後方構造も光透過型構造に構成してもよい。このような構造により、ユーザは端末機本体のディスプレイ部151が占める領域から端末機本体の後方に位置するものを見ることができる。
【0059】
移動端末機100の実現形態に応じて、ディスプレイ部151を2つ以上備えてもよい。例えば、移動端末機100には、複数のディスプレイを1つの面に離隔して又は一体に配置してもよく、異なる面にそれぞれ配置してもよい。
【0060】
ディスプレイ部151とタッチ動作を感知するセンサ(以下、「タッチセンサ」という)がレイヤ構造をなす場合(以下、「タッチスクリーン」という)、ディスプレイ部151は、出力装置の他に入力装置として使用することもできる。タッチセンサは、例えばタッチフィルム、タッチシート、タッチパッドなどの形態を有する。
【0061】
タッチセンサは、ディスプレイ部151の特定部位に加わった圧力又はディスプレイ部151の特定部位に発生する静電容量などの変化を電気的な入力信号に変換するように構成してもよい。タッチセンサは、タッチされる位置及び面積だけでなく、タッチ時の圧力までも検出できるように構成してもよい。
【0062】
タッチセンサへのタッチ入力がある場合、それに対応する信号がタッチ制御装置に送られる。タッチ制御装置は、その信号を処理して対応するデータを制御部180に送る。これにより、制御部180は、ディスプレイ部151のどの領域がタッチされたかなどが分かる。
【0063】
前記タッチスクリーンにより覆われる移動端末機の内部領域又は前記タッチスクリーンの近くには、近接センサ141を配置してもよい。近接センサとは、電磁界の力又は赤外線を利用して、所定の検出面に近づく物体又は近傍に存在する物体の有無を機械的な接触がなくても検出できるセンサをいう。近接センサは、接触式センサより寿命が長く、その活用度も高い。
【0064】
近接センサとしては、透過型光電センサ、直接反射型光電センサ、回帰反射型光電センサ、高周波発振型近接センサ、静電容量型近接センサ、磁気近接センサ、赤外線近接センサなどがある。静電式タッチスクリーンは、ポインタの近接による電界の変化から前記ポインタの近接を検出するように構成される。この場合、タッチスクリーン(タッチセンサ)は近接センサにも分類される。
【0065】
以下、説明の便宜上、ポインタをタッチスクリーン上に接触させるのではなく近接させてポインタがタッチスクリーン上に位置することを認識させることを「近接タッチ(proximity touch)」といい、ポインタをタッチスクリーン上に実際に接触させることを「接触タッチ(contact touch)」という。ポインタにより近接タッチされるタッチスクリーン上の位置とは、ポインタが近接タッチされる際にポインタがタッチスクリーンに対して垂直に対応する位置を意味する。
【0066】
近接センサ141は、近接タッチ動作及び近接タッチパターン(例えば、近接タッチ距離、近接タッチ方向、近接タッチ速度、近接タッチ時間、近接タッチ位置、近接タッチ移動状態など)を感知する。感知された近接タッチ動作及び近接タッチパターンに関する情報は、タッチスクリーン上に出力することができる。
【0067】
音響出力モジュール152は、呼受信モード、通話モード、録音モード、音声認識モード、又は放送受信モードなどで、無線通信部110から受信するか、又はメモリ160に保存されたデータを変換して音響として出力する。音響出力モジュール152は、移動端末機100で実行される機能(例えば、呼信号受信音、メッセージ受信音など)に関連する音響信号も出力する。このような音響出力モジュール152は、レシーバ、スピーカ、ブザーなどを含む。
【0068】
アラーム部153は、移動端末機100のイベント発生を通知するための信号を出力する。移動端末機100で発生するイベントとしては、呼信号受信、メッセージ受信、キー信号入力、タッチ入力などがある。アラーム部153は、ビデオ信号やオーディオ信号以外に、他の形態、例えば振動でイベント発生を通知するための信号を出力することもできる。前記ビデオ信号又はオーディオ信号は、ディスプレイ部151又は音響出力モジュール152により出力することもでき、ディスプレイ部151及び音響出力モジュール152はアラーム部153の一部にも分類される。
【0069】
ハプティックモジュール154は、ユーザが感じることのできる様々な触覚効果を発生する。ハプティックモジュール154が発生する触覚効果の代表的な例としては振動がある。ハプティックモジュール154が発生する振動の強度やパターンなどは制御可能である。例えば、異なる振動を合成して出力することもでき、順次出力することもできる。
【0070】
ハプティックモジュール154は、振動の他にも、皮膚接触面に対して垂直運動するピン配列、噴射口又は吸入口を用いた空気の噴射力又は吸入力、皮膚表面に対する擦れ、電極の接触、静電気力などの刺激による効果や、吸熱又は発熱が可能な素子を用いた冷温感の再現による効果など、様々な触覚効果を発生することができる。
【0071】
ハプティックモジュール154は、直接的な接触により触覚効果を伝えることができるだけでなく、ユーザが指や腕などの筋感覚により触覚効果を感じるように実現することもできる。ハプティックモジュール154は、移動端末機100の構成態様に応じて2つ以上備えてもよい。
【0072】
メモリ160は、制御部180の動作のためのプログラムを保存することもでき、入出力されるデータ(例えば、電話帳、メッセージ、静止画像、動画像など)を一時保存することもできる。メモリ160は、前記タッチスクリーンのタッチ入力時に出力される様々なパターンの振動及び音響に関するデータを保存することもできる。
【0073】
メモリ160は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、PROM(Programmable Read-Only Memory)、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクの少なくとも1つのタイプの記憶媒体を含む。移動端末機100は、インターネット上でメモリ160の保存機能を実行するウェブストレージに関連して動作することもできる。
【0074】
インタフェース部170は、移動端末機100に接続される全ての外部機器との通路の役割を果たす。インタフェース部170は、外部機器からデータを受信するか、供給された電源を移動端末機100内部の各構成要素に送るか、又は移動端末機100内部のデータを外部機器に送信する。インタフェース部170は、例えば有無線ヘッドセットポート、外部充電器ポート、有無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールが備えられた装置を接続するポート、オーディオI/O(Input/Output)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含む。
【0075】
前記識別モジュールは、移動端末機100の使用権限を認証するための各種情報を保存したチップであり、ユーザ識別モジュール(User Identity Module; UIM)、加入者識別モジュール(Subscriber Identity Module; SIM)、汎用加入者識別モジュール(Universal Subscriber Identity Module; USIM)などを含む。前記識別モジュールが備えられた装置(以下、識別装置という)は、スマートカード形式で製造してもよい。よって、前記識別装置は、ポートを介して移動端末機100に接続することができる。
【0076】
インタフェース部170は、移動端末機100が外部のクレードルに接続された場合、前記クレードルからの電源が移動端末機100に供給される通路となり、ユーザにより前記クレードルから入力される各種命令信号が移動端末機100に伝達される通路となる。前記クレードルから入力される各種命令信号又は電源は、移動端末機100が前記クレードルに正しく取り付けられたことを認知するための信号としても機能する。
【0077】
通常、制御部180は、移動端末機100の全般的な動作を制御する。例えば、音声通話、データ通信、テレビ電話などに関連する制御及び処理を行う。また、制御部180は、マルチメディアを再生するためのマルチメディアモジュール181を備えてもよい。マルチメディアモジュール181は、制御部180内に実現してもよく、制御部180とは別に実現してもよい。
【0078】
制御部180は、前記タッチスクリーン上で行われる手書き入力及び手描き入力をそれぞれ文字及び画像として認識するパターン認識処理を行う。
【0079】
電源供給部190は、制御部180の制御下で、供給された外部の電源、内部の電源を各構成要素に必要に応じて供給する。
【0080】
ここに説明される様々な実施形態は、例えばソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせにより、コンピュータ又はこれと類似の装置で読み取りが可能な記録媒体内で実現することができる。
【0081】
ハードウェア的な実現においては、ここに説明される実施形態は、ASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、その他の機能実行のための電気的なユニットの少なくとも1つを用いて実現してもよい。一部の場合、ここに説明される実施形態は制御部180自体で実現してもよい。
【0082】
ソフトウェア的な実現においては、ここに説明される手順や機能などの実施形態は、別のソフトウェアモジュールで実現してもよい。各ソフトウェアモジュールは、ここに説明される1つ以上の機能又は動作を行うようにしてもよい。ソフトウェアコードは、適切なプログラム言語で記述されたソフトウェアアプリケーションにより実現してもよい。また、ソフトウェアコードは、メモリ160に保存し、制御部180により実行してもよい。
【0083】
図2は、本発明の一実施形態による移動端末機の前面斜視図である。
【0084】
同図に示す移動端末機100は、ストレートタイプの端末機本体を備えている。ただし、本発明は、これに限定されるものではなく、2つ以上の本体が相対移動可能に結合されるスライドタイプ、折り畳みタイプ、スイングタイプ、2軸回転タイプなどの様々な構造に適用可能である。
【0085】
端末機本体は、移動端末機100の外観を形成するケース(ケーシング、ハウジング、カバーなど)を含む。本実施形態のケースは、フロントケース101とリアケース102とから構成される。フロントケース101とリアケース102との間に形成された空間には、各種電子部品が内蔵される。フロントケース101とリアケース102との間には、1つ又は複数の中間ケースをさらに配置してもよい。
【0086】
前記ケースは、合成樹脂を射出して形成してもよく、金属材質、例えばステンレススチール(STS)又はチタン(Ti)などで形成してもよい。
【0087】
端末機本体には、ディスプレイ部151、音響出力モジュール152、カメラ121、マイク122、ユーザ入力部130(131、132)、インタフェース部170などが配置される。
【0088】
ディスプレイ部151は、フロントケース101の主面の大部分を占める。ディスプレイ部151の両端部のうち、一端部に隣接する領域には、音響出力モジュール152及びカメラ121が配置され、他端部に隣接する領域には、マイク122及びユーザ入力部131が配置される。ユーザ入力部132やインタフェース部170などは、フロントケース101及びリアケース102の側面に配置されてもよい。
【0089】
ユーザ入力部130は、移動端末機100の動作を制御するための命令を入力するために操作するものであって、複数の操作ユニット、例えば第1操作ユニット131及び第2操作ユニット132を含んでもよい。第1操作ユニット131及び第2操作ユニット132は、操作部ともいい、触知式(tactile manner)であればいかなる方式も採用可能である。
【0090】
第1操作ユニット131又は第2操作ユニット132により入力される内容は様々に設定可能である。例えば、開始、終了、スクロールなどの命令は第1操作ユニット131により入力され、音響出力モジュール152から出力される音響のボリューム調整、ディスプレイ部151のタッチ認識モードへの移行などの命令は第2操作ユニット132により入力されるようにしてもよい。
【0091】
図3は、図2の移動端末機の背面斜視図である。
【0092】
図3に示すように、端末機本体の背面、すなわちリアケース102には、カメラ121’をさらに取り付けてもよい。カメラ121’は、カメラ121(図2参照)とは撮影方向が実質的に反対であり、画素が異なるカメラでもよい。
【0093】
例えば、カメラ121は、テレビ電話などの場合にユーザの顔を撮影して相手に伝送するのに負担にならない低画素であり、カメラ121’は、一般的な被写体を撮影し、直ちに伝送しないことが多いため、高画素であることが好ましい。カメラ121、121’は、回転又はポップアップ可能に端末機本体に設置してもよい。
【0094】
カメラ121’に隣接してフラッシュ123及びミラー124をさらに配置してもよい。フラッシュ123は、カメラ121’で被写体を撮影する場合、被写体に向けて光を照射する。ミラー124は、ユーザがカメラ121’でユーザ自身を撮影する場合(セルフ撮影)、自分の顔などを映せるようにする。
【0095】
端末機本体の背面には、音響出力モジュール152’をさらに配置してもよい。音響出力モジュール152’は、音響出力モジュール152(図2参照)と共にステレオ機能の実現、そして通話時にはスピーカフォンモードの実現のために用いられる。
【0096】
端末機本体の側面には、通話などのためのアンテナの他に、放送信号受信用アンテナ111aをさらに配置してもよい。放送受信モジュール111(図1参照)の一部を構成するアンテナ111aは、端末機本体から引き出し可能に設置してもよい。
【0097】
端末機本体には、移動端末機100に電源を供給するための電源供給部190が取り付けられる。電源供給部190は、端末機本体に内蔵されるように構成してもよく、端末機本体の外部から直接着脱できるように構成してもよい。
【0098】
図4は、図2の移動端末機の分解斜視図であり、各種電子素子が配置されるプリント基板アセンブリ200を示すものである。
【0099】
図4に示すように、端末機本体の内部空間にはプリント基板アセンブリ200が配置される。プリント基板アセンブリ200は、フロントケース101に取り付けられてもよく、リアケース102に取り付けられてもよい。プリント基板アセンブリ200は、端末機本体の主面の大部分を占めるように配置されてもよい。
【0100】
プリント基板アセンブリ200は、各種電子素子が取り付けられる空間を形成する。同図に示すように、プリント基板アセンブリ200には、音響出力モジュール152やカメラ121などが取り付けられてもよい。プリント基板アセンブリ200の一面の特定の領域151bには、プリント基板アセンブリ200と電気的に接続されるディスプレイ151aが取り付けられてもよい。
【0101】
プリント基板アセンブリ200は、移動端末機100の各種機能を動作させるために移動端末機100を制御する制御部180(図1参照)の一例として構成される。例えば、プリント基板アセンブリ200は、移動端末機100で処理される情報をディスプレイ151aに表示(出力)するように構成される。
【0102】
以下、よりスリムな移動端末機100を実現できるように電子素子をより集積化した高密度のプリント基板アセンブリ200についてさらに具体的に説明する。
【0103】
図5は、図4に示すプリント基板アセンブリの一実施形態を示す断面図である。
【0104】
図4及び図5に示すように、プリント基板アセンブリ200は、フロントケース101及びリアケース102により限定される内部空間に配置される。プリント基板アセンブリ200は、各種電子素子が取り付けられる空間を形成する第1プリント基板210及び第2プリント基板220を含む。
【0105】
第1及び第2プリント基板210、220は、絶縁基板と回路パターンとを備える。
【0106】
絶縁基板は、第1及び第2プリント基板210、220の外観を形成し、耐久力を与える基礎部材として機能する。絶縁基板は、電気絶縁性を有するものであって、エポキシ樹脂、BT(Bismaleimide Triazine)樹脂、又はアラミド樹脂などを基材として形成してもよい。
【0107】
絶縁基板の一面には、回路を構成する回路パターンが形成される。回路パターンは、例えば、銅箔が被覆された絶縁基板にドライフィルムを塗布し、所定のパターンで露光、現像、及びエッチング工程を行うことにより形成してもよい。あるいは、回路パターンは、半硬化状態の絶縁基板に予め形成しておいたパターンをプレスなどで加圧することにより形成してもよい。
【0108】
第1プリント基板210には第1電子素子211が取り付けられる。第1プリント基板210には、他の各種電子素子(例えば、第3電子素子213)がさらに取り付けられてもよい。第1電子素子211は、第1プリント基板210に取り付けられる他の電子素子(例えば、第3電子素子213)より厚い。電子素子は、第1プリント基板210の一面だけでなく、第1プリント基板210の他面に配置されてもよい。同図に示すように、第1電子素子211は第2プリント基板220との対向面に取り付けられ、ディスプレイ151aは反対面に取り付けられてもよい。
【0109】
第2プリント基板220は、第1電子素子211と対向して配置され、第1プリント基板210との対向面に第2電子素子222が取り付けられる。第2プリント基板220には、他の各種電子素子(例えば、第4電子素子224)がさらに取り付けられてもよいが、第2電子素子222よりは薄い。第1プリント基板210と対向する第2プリント基板220の一面に電子素子が接続されてもよい。例えば、電源供給部190の一例として構成されるバッテリは、端末機本体に着脱可能に取り付けられ、第2プリント基板220と電気的に接続されるようにしてもよい。
【0110】
第1電子素子211の上部、すなわち、第1電子素子211と第2プリント基板220との間の空間は、図示のように第4電子素子224が配置されてもよく、空いていてもよい。つまり、第1電子素子211は、第2電子素子222より相対的に薄い第4電子素子224と対向して配置されてもよい。同様に、第2電子素子222は、第1電子素子211より相対的に薄い第3電子素子213と対向して配置されてもよい。
【0111】
第1電子素子211は、第1プリント基板210と第2プリント基板220との間の空間で第1電子素子211の厚さ方向と垂直な方向に第2電子素子222と重なるように配置される。つまり、第1電子素子211と第2電子素子222とは互い違いに配置され、いずれか一方の電子素子の上面は、他方の電子素子の上面より所定の長さtだけ対向するプリント基板に向かって突出するように配置される。
【0112】
前記構造によれば、第1プリント基板210と第2プリント基板220との間の空間に厚い電子素子と薄い電子素子とが対向して配置されるので、高さの低い電子素子の上部空間を活用することができる。従って、電子素子をより集積化した高密度のプリント基板アセンブリ200を提供することができる。
【0113】
また、無駄な空間を最小限に抑えて活用することにより、第1プリント基板210と第2プリント基板220との間隔を減少させることができる。従って、よりスリムな移動端末機100を提供することができる。
【0114】
第1プリント基板210と第2プリント基板220との間の空間には、無線通信のために電磁波を送受信するように構成される第1アンテナ112a及び第2アンテナ113aがそれぞれ配置されてもよい。第1アンテナ112aは、端末機本体の一端に配置され、移動通信モジュール112(図1参照)に関連するアンテナとして機能するようにしてもよい。第2アンテナ113aは、第1アンテナ112aとの干渉を最小限に抑えるために端末機本体の他端に配置され、無線インターネットモジュール113(図1参照)に関連するアンテナ(例えば、Wi−Fiアンテナ)として機能するようにしてもよい。
【0115】
プリント基板アセンブリ200は、第1シールド缶230及び/又は第2シールド缶240をさらに含んでもよい。第1及び第2シールド缶230、240は、これらのシールド缶により区分される領域間のEMIを遮蔽することにより干渉を最小限に抑えるように構成される。第1及び第2シールド缶230、240は、金属材質で形成してもよく、特定の部材に金属物質をラミネートして形成してもよい。
【0116】
第1シールド缶230は、第1電子素子211を覆うように第1プリント基板210に取り付けられ、第1電子素子211と外部間のEMIを遮蔽するように構成される。第1電子素子211は、外部から発生する電磁波に影響される部品、又は他の部品に影響を与える部品である。例えば、第1電子素子211は、第1アンテナ112a又は第2電子素子222から発生する電磁波に影響されるメインチップセットでもよい。
【0117】
第1シールド缶230は、第1電子素子211を覆う部分から延びて第3電子素子213を覆うように、段差を有して形成されてもよい。具体的には、第1シールド缶230は、第1電子素子211を覆う第1部分231、第3電子素子213を覆う第2部分232、及び第1部分231と第2部分232とを連結する第3部分233からなる。第1部分231と第2部分232とは、重なって配置される第1及び第2電子素子211、222により、第1プリント基板210に対して異なる高さを有する。第2電子素子222は、第1部分231より第1プリント基板210に向かって突出するように形成されてもよい。
【0118】
第2電子素子222は、電磁波に影響されたり影響を与えたりしない部品の場合、シールド缶を必要としない。しかしながら、第1電子素子211のようにEMIを遮蔽する必要がある場合、第2プリント基板220には、第2電子素子222を覆うように形成される第2シールド缶240が取り付けられる。
【0119】
第2シールド缶240は、前述した第1シールド缶230と同様の構成、配置、機能を有するようにしてもよい。第2シールド缶240は、第2電子素子222を覆う第1部分241、第4電子素子224を覆う第2部分242、及び第1部分241と第2部分242とを連結する第3部分243からなり、段差を有して形成されるようにしてもよい。
【0120】
第1シールド缶230と第2シールド缶240とは、所定間隔離隔して配置されてもよい。これは、外部衝撃時にいずれか一方のシールド缶が他方のシールド缶に接触することを防止するためである。
【0121】
図6は、図4の第2シールド缶と弾性結合部の分解斜視図であり、図7は、図5のA部分の拡大断面図である。以下の結合構造は、第2シールド缶240だけではなく、第1シールド缶230にも適用することができる。
【0122】
第2シールド缶240は第2プリント基板220に取り付けられる。第2シールド缶240は、SMT(Surface Mount Technology)工程で第2プリント基板220に実装してもよく、第2プリント基板220に着脱可能に結合してもよい。
【0123】
まず、第2シールド缶240を第2プリント基板220に実装する工程の一例を説明すると、第2プリント基板220上に半田をパターニングし、実装装置を用いて半田の上に第2及び第4電子素子222、224とこれらを覆う第2シールド缶240を配置し、その後、リフロー炉を通過させて第2プリント基板220に第2及び第4電子素子222、224と第2シールド缶240を半田付けすることにより電気的に接続する。
【0124】
次に、第2シールド缶240を第2プリント基板220に着脱可能に結合する構造を説明すると次の通りである。第2プリント基板220には第2シールド缶240が取り付けられる部分である固定溝220aが形成される。固定溝220aは、第2シールド缶240の突出部240aを収容するように形成され、所定間隔離隔して複数形成されてもよい。
【0125】
突出部240aは、第2シールド缶240の端部に突設され、固定溝220aに挿入される。突出部240aは、各固定溝220aに対応するように、所定間隔離隔して複数形成されてもよい。
【0126】
固定溝220aには、突出部240aを収容及び付勢するように構成される弾性結合部250が備えられる。例えば、弾性結合部250は、固定溝220aを形成する対向面から突設される弾性接触クリップでもよい。弾性接触クリップは、突出部240aを付勢することにより、第2シールド缶240が第2プリント基板220に固定されるようにする。
【0127】
弾性結合部250は、第2シールド缶240が接地されるように、第2プリント基板220と電気的に接続される。具体的には、第2プリント基板220は、信号接続のためのシグナル部221と、接地のためのグラウンド部223とを備える。弾性結合部250は、グラウンド部223と電気的に接続されるように構成されることにより、第2シールド缶240が第2プリント基板220に結合されると接地されるようにする。
【0128】
図8は、図4に示すプリント基板アセンブリの他の実施形態を示す断面図である。
【0129】
図8に示すように、本実施形態によるプリント基板アセンブリ300は、いずれか一方のプリント基板に取り付けられるシールド缶340、他方のプリント基板に取り付けられるシールドウォール330を除いては、前述したプリント基板アセンブリ200と同様の構成を有する。第1電子素子311が第1プリント基板310と第2プリント基板320との間の空間で第1電子素子311の厚さ方向と垂直な方向に第2電子素子322と重なるように配置される構造は同様である。
【0130】
以下、第1プリント基板310にシールドウォール330が取り付けられ、第2プリント基板320にシールド缶340が取り付けられる構造を中心に説明する。
【0131】
第1プリント基板310には、第1及び/又は第3電子素子311、313を囲むように構成されるシールドウォール330が配置され、第2プリント基板320には、第2及び/又は第4電子素子322、324を覆うシールド缶340が配置される。
【0132】
シールドウォール330は、シールド缶340とは異なり、上面が開放された中空状に形成される。シールドウォール330は、内部に収容される第1及び/又は第3電子素子311、313と外部間のEMIを遮蔽するように構成される。シールドウォール330は、前述したシールド缶230、240のように、金属材質で形成してもよく、特定の部材に金属物質をラミネートして形成してもよい。
【0133】
シールドウォール330は、シールド缶340の一面と所定間隔離隔して配置され、離隔した空間は放熱部として機能するようにしてもよい。例えば、シールドウォール330は、シールド缶340の上面上に配置されてもよく、同図に示すように、シールド缶340の側壁を形成する面を囲むように構成されてもよい。
【0134】
シールドウォール330とシールド缶340とにより形成される放熱部330aは、第1及び/又は第3電子素子311、313から発生する熱を外部に放出できるように構成される。放熱部330aは、EMIを遮蔽できるように、最大許容面積以下の面積を有するように形成される。
【0135】
このような構造は、前述した第1シールド缶230と第2シールド缶240とが所定の間隔をおいて対向するように配置される構造に比べて、第1プリント基板310と第2プリント基板320との間の空間を、いずれか一方のシールド缶の厚さ及びシールド缶間の間隔だけ低減することができる。従って、よりスリムな移動端末機100を提供することができる。
【0136】
また、シールドウォール330とシールド缶340との間の空間が放熱部330aを形成するので、EMIの遮蔽と放熱の問題を共に解決することができる。
【0137】
図9は、図4に示すプリント基板アセンブリのさらに他の実施形態を示す分解斜視図であり、図10は、図9のプリント基板アセンブリの断面図である。
【0138】
図9及び図10に示すように、本実施形態によるプリント基板アセンブリ400は、遮断壁430及び遮断層440を除いては、前述したプリント基板アセンブリ200、300と同様の構成を有する。第1電子素子411が第1プリント基板410と第2プリント基板420との間の空間で第1電子素子411の厚さ方向と垂直な方向に第2電子素子422と重なるように配置される構造は同様である。
【0139】
以下、遮断壁430及び遮断層440からなる共通シールド構造を中心に説明する。
【0140】
第1プリント基板410と第2プリント基板420との間の空間には、第1〜第4電子素子411、422、413、424を囲むように構成される遮断壁430が配置される。遮断壁430は、第1〜第4電子素子411、422、413、424が配置される内部領域と外部領域間のEMIを遮蔽するように構成される。遮断壁430は、前述したシールド缶230、240、340及びシールドウォール330のように、金属材質で形成してもよく、特定の部材に金属物質をラミネートして形成してもよい。
【0141】
例えば、遮断壁430は、第1及び/又は第2アンテナ112a、113aとの相互干渉を遮蔽するように構成される。遮断壁430の特定の領域には、放熱のためのホールが形成されてもよい。ホールは、電磁波干渉の影響を受けないように、電子素子からできるだけ遠く離れた位置に形成されてもよい。
【0142】
遮断壁430の内部には、第1及び第3電子素子411、413が配置される領域と第2及び第4電子素子422、424が配置される領域を分割するように、これらの間を横切る遮断層440が配置されてもよい。遮断層440は、第1及び第3電子素子411、413と第2及び第4電子素子422、424間のEMIを遮蔽するように構成される。
【0143】
遮断層440は、前述したシールド缶230、240、340のように、段差を有して形成されてもよい。具体的には、遮断層440は、第1〜第3遮断層441、442、443を含む。第1遮断層441は、第1電子素子411の上面を覆うように、すなわち、第1電子素子411と第4電子素子424との間に配置される。第2遮断層442は、第2電子素子422の上面を覆うように、すなわち、第2電子素子422と第3電子素子413との間に配置される。第1及び第2電子素子411、422の重畳配置により、第1及び第2遮断層441、442は、いずれか一方のプリント基板を基準に異なる高さを有する。第3遮断層443は、第1遮断層441と第2遮断層442とを連結するように形成される。
【0144】
遮断壁430と遮断層440とは一体に形成してもよい。例えば、一体化した構造の遮断壁430及び遮断層440は、複数のプレス工程により1つの金属部材で形成してもよく、溶接などの結合により形成してもよい。
【0145】
前記構造によれば、遮断壁430及び遮断層440からなる共通シールド構造により、前述した実施形態における第1シールド缶230と第2シールド缶240との間隔が存在しなくなり、第1プリント基板410と第2プリント基板420との間隔を減少させることができ、製造工程をより単純化することができる。
【0146】
また、空き空間を最小限に抑えて活用することにより、第1プリント基板410と第2プリント基板420との間隔を最小限に抑えることができ、従って、よりスリムな移動端末機100を提供することができる。
【0147】
本発明によるプリント基板アセンブリ及びそれを含む移動端末機は、上記実施形態の構成と方法に限定されるものではなく、各実施形態の全部又は一部を選択的に組み合わせて構成することで様々に変形することができる。
【符号の説明】
【0148】
100 移動端末機
112a 第1アンテナ
113a 第2アンテナ
200、300、400 プリント基板アセンブリ
210、310、410 第1プリント基板
211、311、411 第1電子素子
213、313、413 第3電子素子
220、320、420 第2プリント基板
220a 固定溝
222、322、422 第2電子素子
224、324、424 第4電子素子
230 第1シールド缶
240 第2シールド缶
240a 突出部
250 弾性結合部
330 シールドウォール
430 遮断壁
440 遮断層
441 第1遮断層
442 第2遮断層
443 第3遮断層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機本体と、
前記端末機本体に取り付けられるプリント基板アセンブリとを備え、
前記プリント基板アセンブリは、
第1プリント基板と、
前記第1プリント基板上に取り付けられる第1電子素子と、
前記第1プリント基板と第1方向に離隔して配置される第2プリント基板と、
前記第2プリント基板上に取り付けられる第2電子素子とを含み、
前記第1電子素子と前記第2電子素子とは、前記第1方向と垂直な方向に重なるように配置されることを特徴とする移動端末機。
【請求項2】
前記第1電子素子を覆うように前記第1プリント基板に取り付けられ、前記第1電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される第1シールド缶をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動端末機。
【請求項3】
前記第1プリント基板上には、前記第2電子素子と対向して配置される第3電子素子が取り付けられ、
前記第1シールド缶は、前記第3電子素子を覆うように、段差を有して形成されることを特徴とする請求項2に記載の移動端末機。
【請求項4】
前記第2電子素子は、前記第1シールド缶の前記第1プリント基板からの突出距離より大きい突出距離で前記第1プリント基板に向かって突出するように形成されることを特徴とする請求項2に記載の移動端末機。
【請求項5】
前記第2プリント基板上には、前記第1電子素子と対向して配置される第4電子素子が取り付けられ、
前記第2及び第4電子素子を覆うように前記第2プリント基板に取り付けられ、前記第2及び第4電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される第2シールド缶をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の移動端末機。
【請求項6】
前記第2シールド缶は、前記第4電子素子を覆うように、段差を有して形成されることを特徴とする請求項5に記載の移動端末機。
【請求項7】
前記第1シールド缶と前記第2シールド缶とは、所定間隔離隔して配置されることを特徴とする請求項5に記載の移動端末機。
【請求項8】
前記第2プリント基板から前記第1プリント基板に向かって突設されて前記第2電子素子を囲み、前記第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成されるシールドウォールをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の移動端末機。
【請求項9】
前記シールドウォールは、前記第1シールド缶の側壁を形成する面を囲むように構成されることを特徴とする請求項8に記載の移動端末機。
【請求項10】
前記シールドウォールは、前記第1シールド缶の上面を形成する面に隣接するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の移動端末機。
【請求項11】
前記第1プリント基板と前記第2プリント基板との間の空間に配置され、前記第1及び第2電子素子が収容されるように中空部を備え、前記第1及び第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される遮断壁をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動端末機。
【請求項12】
前記第1電子素子が配置される領域と前記第2電子素子が配置される領域を分割するように前記中空部内に配置され、前記第1電子素子と前記第2電子素子間のEMIを遮蔽するように構成される遮断層をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の移動端末機。
【請求項13】
前記遮断層は、
前記第1電子素子の上面を覆うように配置される第1遮断層と、
前記第2電子素子の上面を覆うように配置され、前記第1遮断層と前記第1方向に所定間隔離隔して配置される第2遮断層と、
前記第1遮断層と前記第2遮断層とを連結するように形成される第3遮断層と
を含むことを特徴とする請求項12に記載の移動端末機。
【請求項14】
前記遮断壁と前記遮断層とが一体に形成されることを特徴とする請求項12に記載の移動端末機。
【請求項15】
前記第1プリント基板上に前記遮断壁の周囲に沿って配置され、前記遮断壁が固定されるように前記遮断壁を収容及び付勢する弾性結合部をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の移動端末機。
【請求項16】
前記弾性結合部は、前記遮断壁が接地されるように前記第1プリント基板と電気的に接続されることを特徴とする請求項15に記載の移動端末機。
【請求項17】
無線通信のために電磁波を送受信するように構成され、前記遮断壁を介して前記第1及び第2電子素子とそれぞれ隣接するように配置される第1及び第2アンテナをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の移動端末機。
【請求項18】
端末機本体と、
前記端末機本体に取り付けられるプリント基板アセンブリとを備え、
前記プリント基板アセンブリは、
第1プリント基板と、
前記第1プリント基板上に取り付けられる第1電子素子と、
前記第1プリント基板と第1方向に離隔して配置される第2プリント基板と、
前記第2プリント基板上に取り付けられる第2電子素子と、
前記第1プリント基板と前記第2プリント基板との間の空間に配置され、前記第1及び第2電子素子を収容するように形成され、前記第1及び第2電子素子と外部間のEMIを遮蔽するように構成される遮断壁と
を含むことを特徴とする移動端末機。
【請求項19】
前記第1電子素子と前記第2電子素子との間を横切るように前記遮断壁の内部に配置され、前記第1電子素子と前記第2電子素子間のEMIを遮蔽するように構成される遮断層をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の移動端末機。
【請求項20】
前記遮断層は、
前記第1電子素子の上面を覆うように配置される第1遮断層と、
前記第2電子素子の上面を覆うように配置され、前記第1遮断層と前記第1電子素子の厚さ方向に所定間隔離隔して配置される第2遮断層と、
前記第1遮断層と前記第2遮断層とを連結するように形成される第3遮断層と
を含むことを特徴とする請求項19に記載の移動端末機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2013−21671(P2013−21671A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−55515(P2012−55515)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】