説明

移動管理(MM)バックオフを処理する装置及び方法

【課題】関連するタイマとカウンタを適切に制御するMMバックオフを処理する装置及び方法を提供する。
【解決手段】移動通信デバイスによって移動管理(MM)バックオフ動作を処理する方法であって、MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信するステップ、前記サービスネットワークからの前記要求メッセージに応じてMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信するステップ、及び前記MMバックオフタイマを有する前記拒否メッセージに応じて前記MM手順用の試行カウンタをリセットするステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動管理(MM)バックオフ(back−offs)に関し、特に、関連するタイマとカウンタを適切に制御するMMバックオフを処理する装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な移動通信環境において、ユーザー端末(UE)は、携帯電話(mobile telephone)(別名cellularまたはcell phone)、無線通信機能を備えたラップトップコンピュータ、またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA)などを含み、音声及び/またはデータ信号を1つ以上のサービスネットワークと通信させ得る。ユーザー端末とサービスネットワーク間の無線通信は、例えば、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(Global System for Mobile communications;GSM(登録商標))技術、汎用パケット無線サービス(General Packet Radio Service;GPRS)技術、グローバル進化型高速データレート(Enhanced Data rates for Global Evolution;EDGE)技術、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access;WCDMA)技術、符号分割多元接続2000(Code Division Multiple Access 2000;CDMA 2000)技術、時分割同期符号多元接続(Time Division−Synchronous Code Division Multiple Access;TD−SCDMA)技術、ワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access;WiMAX)技術、及びロングタームエボリューション(Long Term Evolution;LTE)技術、LTE−Advanced技術など種々の無線アクセス技術に基づくことができる。
【0003】
3GPP仕様TS23.401v.10.2.0(以下仕様TS23.401と称される)、及び3GPP仕様TS24.301v.10.1.0(以下仕様TS24.301と称される)、に準拠したLTE技術を例にとる。図1に表されるように、アタッチ手順では、ユーザー端末がアタッチ要求(ATTACH REQUEST)メッセージをLTEネットワークに送信することによって開始する(ステップS101)。アタッチ要求メッセージを受信した時、LTEネットワークは、ユーザー端末を認証し、ユーザー端末がパケットデータサービスへのアクセス権を付与されるかどうかを見る。認証が失敗した時、LTEネットワークは、アタッチ拒否メッセージをユーザー端末に返信することでアタッチ要求を拒否する(ステップS102)。アタッチ拒否メッセージに応じて、ユーザー端末は、タイマT3411を起動し、次いでタイマT3411が切れた時、アタッチ要求メッセージをLTEネットワークに再送信する(ステップS103)。ユーザー端末は、アタッチ試行(attempt)カウンタを更に保持(maintain)し、後続の拒否アタッチ試行の回数を蓄積する。アタッチ試行(attempt)カウンタは、後続の拒否アタッチ試行の回数を制限するのに用いられる。再送信されたアタッチ要求メッセージは、再度拒否され(ステップS104)、再試行(retry)プロセスは、アタッチ試行カウンタが5になるまで繰り返される(ステップS105〜S110)。5回目のアタッチ試行が失敗した後、ユーザー端末はタイマT3402を起動し、後続の再試行の試みを遅延する。即ち、ユーザー端末は、タイマT3402が切れた時のみ、アタッチ手順を初期化することができる。タイマT3411とT3402によって、アタッチ手順の再試行の試みの頻繁な処理は、LTEネットワークに対して避けられることができるため、LTEネットワークのシステムリソースは、他のタスクに使用可能であることができる。同様に、図2に表されるように、タイマT3411とT3402は、トラッキングエリア更新(TAU)手順にも用いられることができ、TAU手順の再試行の試みを制御する。アタッチ試行カウンタの数値によって、特定の実行(action)が行われる。
【0004】
アタッチ手順またはTAU手順中、アタッチ要求またはTAU要求は、LTEネットワークの非アクセス層(Non−Access Stratum: NAS)レベルの輻輳制御を実行するために拒否されることがあり得る。 この場合、アタッチ拒否メッセージまたはトラッキングエリア更新拒否メッセージは、MMバックオフタイマを含んでユーザー端末のアタッチメント再試行を制限する。具体的に言えば、ユーザー端末は、MMバックオフタイマが切れるまで、アタッチ手順、TAU手順、及びサービス要求手順を含む、どのMM手順も初期化できない。しかしながら、移動管理(MM)バックオフタイマを有する拒否メッセージの受信に応じてタイマT3411とT3402、及びアタッチ及びTAU試行カウンタを処理するユーザー端末の挙動は、確定できず、ユーザー端末及び/またはLTEネットワークに対して問題を生じる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
関連するタイマとカウンタを適切に制御するMMバックオフを処理する装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの態様では、移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法が提供される。前記方法は、移動通信デバイスは、MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信するステップ、サービスネットワークからの要求メッセージに応じてMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信するステップ、及びMMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてMM手順用の試行カウンタをリセットするステップを含む。
【0007】
本発明の1つの態様では、移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法が提供される。前記方法は、移動通信デバイスは、MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信するステップ、サービスネットワークからの要求メッセージに応じてMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信するステップ、及び公衆移動通信ネットワーク(PLMN)選択手順を初期化し、MMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてもう1つのサービスネットワークを探索するステップを含む。
【0008】
本発明の他の態様及び特徴は、MMバックオフを処理する装置と方法の特定の実施の形態の以下の説明を検討後は当業者により明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面と併せて後に続く詳細な説明と実施例を解釈することによって、より完全に理解されることができる。
【図1】試行カウンタと再試行バックオフタイマを用いたアタッチ手順の再試行メカニズムを示すブロック図である。
【図2】試行カウンタと再試行バックオフタイマを用いたTAU手順の再試行メカニズムを示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に基づく移動通信環境を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に基づくアタッチ手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。
【図5】本発明の実施形態に基づくTAU手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。
【図6】本発明のもう1つの実施形態に基づくアタッチ手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。
【図7】本発明のもう1つの実施形態に基づくTAU手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。
【図8】本発明の実施形態に基づく移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法を示す流れ図である。
【図9】本発明のもう1つの実施形態に基づく移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明は、本発明を実施するベストモードが開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。3GPP仕様書は、本発明の精神を教示するために用いられるものであり、本発明はこれを限定するものではない。
【0011】
図3は、本発明の実施形態に基づく移動通信環境を示すブロック図である。移動通信環境300では、移動通信デバイス310は、無線サービスを得るようにサービスネットワーク320に無線接続される。サービスネットワーク320は、アクセスネットワーク(または無線アクセスネットワークとも呼ばれる)321及びコアネットワーク322を含む。サービスネットワーク320は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)、または進化型パケットシステム(EPS)技術に準拠したネットワークであり得る。アクセスネットワーク321は、GSM(登録商標)技術のGSM(登録商標)エッジ(Edge)無線アクセスネットワーク(GERAN)、WCDMA/HSPA技術のUMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)、またはLTE/LTE−Advanced技術の進化型UTRANであることができ、コアネットワーク322は、GSM(登録商標)/UMTSシステムのGSM(登録商標)コアまたは汎用パケット無線サービス(GPRS)コア、またはEPSシステムの進化型パケットシステム(EPS)であることができる。移動通信デバイス310は、サービスネットワーク320間の無線送受信の機能を実行する無線モジュール311、及び無線モジュール311と例えば、MMI(マンマシーン インターフェース)となるディスプレイユニット及び/またはキーパッドなどの他の機能部品の動作を制御する制御モジュール312、アプリケーションまたは通信プロトコルなどを保存する記憶装置を制御する制御モジュール312を含む。表示されてはいないが、加入者識別カードが制御モジュール312に接続されるように提供されてもよく、国際移動電話加入者識別番号(IMSI)、サービスネットワークとの識別と認証に用いられるセキュリティキー、及び例えば等価PLMNリスト及び禁止PLMNリストなどのサービスネットワークとの通信中に得られる他の動作関連のデータを保存する。加入者識別カードは、加入者識別(SIM)カードまたはUniversal SIM(USIM)カードであり得る。
【0012】
下記の実施形態では、サービスネットワーク320は、特定のPLMNに属すGSM(登録商標)/UMTS/EPSネットワークであることができ、移動通信デバイス310は、移動局(MS)またはユーザー端末(UE)であることができる。UMTS/EPSネットワークは、3GPP仕様TS24.30/TS23.401、3GPP仕様TS24.008/TS24.301、3GPP仕様TS23.122及び/または他の関連のUMTS/EPS仕様に準拠する。用いられる技術に基づき、移動管理(MM)動作のメッセージは、例えばロケーションエリア更新用のMMメッセージ、ルーティンエリア更新用のGMMメッセージ、及びトラッキングエリア更新用のEPS移動管理(EMM)メッセージなど、GSM(登録商標)/UMTS/EPS技術にそれぞれ対応する。また、TAU/RAU手順は、複合TA/LAまたは複合RA/LA手順であることができ、TAU/RAU REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310がパケット交換ドメイン及び回線交換(CS)ドメインに対してTA/RA及びLA更新を実行したいことをそれぞれ示している。アタッチ手順は、GSM(登録商標)/UMTSシステムの回線交換ドメインサービス、またはUMTS/EPSシステムのパケット交換ドメインサービスに対して実行され得る。また、アタッチ手順は、複合アタッチ手順であることができ、ATTACH REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が移動通信サービスのサービスネットワーク320とパケットデータセッション及び回線交換(CS)ドメインサービスを開始したいことを示している。
【0013】
以下の実施形態では、制御モジュール312は、無線モジュール311を制御し、アタッチ手順及びTAU手順をサービスネットワーク320で実行する。図4は、本発明の実施形態に基づくアタッチ手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。この実施形態では、サービスネットワーク320は、LTE/LTE−Advancedアクセスネットワークを含むEPSシステムであることができ、EPCコアネットワーク及び移動通信デバイス310は、仕様TS23.401とTS24.301及び/またはLTE/LTE−Advanced技術の他の関連の仕様に準拠するユーザー端末であることができる。アタッチ手順を開始するには、制御モジュール312は、ATTACH REQUESTメッセージを無線モジュールによってサービスネットワーク320に送信する(ステップS410)。ATTACH REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310に関連する登録情報を含むことができる。具体的に言えば、ATTACH REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が移動通信デバイスのサービスネットワーク320とパケットデータセッションを開始したいことを示している。ATTACH REQUESTメッセージを受信した時、NASレベルの輻輳制御が輻輳が発生したコアネットワーク322に実行されるため、コアネットワーク322は、アタッチ要求を拒否することを決定し、次いで、EMM原因値(cause value)及びMMバックオフタイマを含むATTACH REJECTメッセージを移動通信デバイス310に返信する(ステップS420)。制御モジュール312は、後続の拒否されたアタッチ試行の回数を蓄積するアタッチ試行カウンタを更に保持し、アタッチ試行カウンタは、失敗したアタッチ試行ごとに1ずつ増やされる。無線モジュール311によってATTACH REJECTメッセージを受信することに応じて、制御モジュール312は、アタッチ試行カウンタをリセットする(ステップS430)。1つの実施形態では、ATTACH REJECTメッセージがアタッチ手順の第1ATTACH REQUESTメッセージに応じた場合、アタッチ試行カウンタの値は、リセットされる前、1と等しくすることができる。ステップS430の後、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを起動し(ステップS440)、MMバックオフタイマが切れるまで、どのMM手順も初期化しない。注意するのは、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを含むATTACH REJECTメッセージに応じて、タイマT3411またはT3402を起動しないため、タイマT3411及びT3402の処理は、MMバックオフタイマの処理に影響せず、MMバックオフ動作を処理する移動通信デバイス310の確定できない挙動の問題が解決される。
【0014】
注意するのは、他の実施形態では、サービスネットワーク320は、例えば、GERAN/UTRANアクセスネットワーク及びGSM(登録商標)/GPRS コアネットワークなどのレガシーシステムを含むことができる。図4のアタッチ手順は、GSM(登録商標)/UMTSシステムの回線交換サービスに対するアタッチ手順、GSM(登録商標)/UMTS/EPSシステムのパケット交換サービスに対するアタッチ手順でもよく、またはATTACH REQUESTメッセージが移動通信デバイス310が移動通信サービスのサービスネットワーク320とパケットデータセッション及び回線交換(CS)ドメインサービスを開始したいことを示す複合アタッチ手順でもよい。
【0015】
図5は、本発明の実施形態に基づくTAU手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。トラッキングエリア(TA)は、セルグループ(またはNodeB、eNBs)のカバレッジによって形成される。移動通信デバイス310が1つのTAからもう1つのTAに移動した時、TAU手順によってサービスネットワーク320にその新しいTAについて通知しなければならない。あるいは、移動通信デバイス310が不動でも、アイドルモードにあるとき、TAU手順によってそのTAを定期的に報告する必要がある。TAU手順を開始するには、制御モジュール312は、無線モジュール311によってTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージをサービスネットワーク320に送信する(ステップS510)。TRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が現在所在するTAに関する情報を含むことができる。TRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージを受信した時、NASレベルの輻輳制御が輻輳が発生したコアネットワーク322に実行されるため、コアネットワーク322は、アタッチ要求を拒否することを決定し、次いで、EMM原因値(cause value)及びMMバックオフタイマを含むTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージを移動通信デバイス310に返信する(ステップS520)。制御モジュール312は、後続の拒否されたTAUアタッチ試行の回数を蓄積するTAU試行カウンタを更に保持し、TAU試行カウンタは、失敗したTAU試行ごとに1ずつ増やされる。無線モジュール311によってTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージを受信することに応じて、制御モジュール312は、TAU試行カウンタをリセットする(ステップS530)。1つの実施形態では、TRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージがTAU手順の第1TRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージに応じた場合、TAU試行カウンタの値は、リセットされる前、1と等しくすることができる。ステップS530の後、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを起動し(ステップS540)、MMバックオフタイマが切れるまで、どのMM手順も初期化しない。
【0016】
注意するのは、他の実施形態では、図5のサービスネットワーク320は、例えば、GERAN/UTRANアクセスネットワーク及びGSM(登録商標)/UMTSシステムのGSM(登録商標)/GPRS コアネットワークなどのレガシーシステムを含むことができる。LAU手順は、回線交換ドメインに登録用に用いられ、LOCATION AREA UPDATE REQUESTメッセージが用いられ得る。RAU手順は、パケット交換ドメインに登録用に用いられ、ROUTING AREA UPDATE REQUESTメッセージが用いられ得る。複合RA/LA更新手順は、サービスネットワークの基礎構造によって、パケット交換ドメイン及び回線交換ドメインにあるその位置に関するレガシーを通知するのに用いられ得るROUTING AREA UPDATE REQUESTメッセージに用いられ得る。
【0017】
図6は、本発明のもう1つの実施形態に基づくアタッチ手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。アタッチ手順を開始するには、制御モジュール312は、無線モジュール311によってATTACH REQUESTメッセージをサービスネットワーク320に送信する(ステップS610)。ATTACH REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が現在所在するTAに関する登録情報を含むことができる。具体的に言えば、ATTACH REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が移動通信サービスのサービスネットワーク320とパケットデータセッションを登録したいことを示している。ATTACH REQUESTメッセージを受信した時、NASレベルの輻輳制御が輻輳が発生したコアネットワーク322に実行されるため、コアネットワーク322は、アタッチ要求を拒否することを決定し、次いで、EMM原因値(cause value)及びMMバックオフタイマを含むATTACH REJECTメッセージを移動通信デバイス310に返信する(ステップS620)。制御モジュール312は、後続の拒否されたアタッチ試行の回数を蓄積するアタッチ試行カウンタを更に保持し、アタッチ試行カウンタは、失敗したアタッチ試行ごとに1ずつ増やされる。無線モジュール311によってATTACH REJECTメッセージを受信することに応じて、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを開始し(ステップS630)、MMバックオフタイマが切れるまでどのMM手順も初期化しない。次いで、サービスネットワーク320の輻輳の発生により無線サービスが一定期間そこから得られないことがあるために、制御モジュール312は、公衆移動通信ネットワーク(PLMN)選択手順を実行し、無線モジュール311を介してもう1つのサービスネットワークを探索する(図6のサービスネットワークAで示される)(ステップS640)。1つの実施形態では、ステップS640の実行前、制御モジュール312は、ランダムな期間待機し、MMバックオフタイマーで拒否されている大量のユーザー端末が同じサービスネットワークに入る問題を回避する。
【0018】
1つの実施形態では、ステップS640のPLMN選択手順は、近隣の利用可能なセルをスキャンするステップ、利用可能なセルからシステム情報の報知を収集するステップ、及び利用可能なセルの中から、サービスネットワーク320でないサービスネットワークに属する適切なセルを決定するステップを含む。他のサービスネットワークの適切なセルが見つかり、探索されたサービスネットワークが制御モジュール312で動作するMMバックオフタイマを有さない場合、移動通信デバイス310は、アタッチ手順をそのサービスネットワークで実行するように試みることができる。もう1つの実施形態では、全ての利用可能なサービスネットワークが関連の制御モジュール312で動作するMMバックオフタイマを有する場合、移動通信デバイス310は、アタッチ手順を実行するサービスネットワークを決めることができ、サービスネットワークは、タイマが切れる最短の残りの時間で動作する関連のMMバックオフタイマを有する。よって、移動通信デバイス310は、他のサービスネットワークに登録し、可能な限り早く無線サービスを得る。
【0019】
注意するのは、図4及び図6の実施形態では、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを有するATTACH REJECTメッセージに応じてタイマT3411またはT3402を起動しないため、タイマT3411またはT3402の処理は、MMバックオフタイマの処理に影響せず、MMバックオフ動作を処理する移動通信デバイス310の確定できない挙動の問題が解決される。
【0020】
図7は、本発明のもう1つの実施形態に基づくTAU手順中のMMバックオフ動作を示すメッセージシーケンス図である。TAU手順を開始するには、制御モジュール312は、無線モジュール311によってTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージをサービスネットワーク320に送信する(ステップS710)。TRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージは、移動通信デバイス310が現在所在するTAに関する情報を含むことができる。TRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージを受信した時、NASレベルの輻輳制御が輻輳が発生したコアネットワーク322に実行されるため、コアネットワーク322のサービングネットワークノードは、アタッチ要求を拒否することを決定し、次いで、EMM原因値(cause value)及びMMバックオフタイマを含むTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージを移動通信デバイス310に返信する(ステップS720)。制御モジュール312は、後続の拒否されたTAUアタッチ試行の回数を蓄積するTAU試行カウンタを更に保持し、TAU試行カウンタは、失敗したTAU試行ごとに1ずつ増やされる。無線モジュール311によってTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージを受信することに応じて、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを開始し(ステップS730)、MMバックオフタイマが切れるまで、どのMM手順も初期化しない。次いで、コアネットワーク322の輻輳の発生により無線サービスが一定期間そこから得られないことがあるために、制御モジュール312は、PLMN選択手順を実行し、無線モジュール311を介してもう1つのサービスネットワークを探索する(図7のサービスネットワークAで示される)(ステップS740)。ステップS740のPLMN選択手順は、ステップS740では、移動通信デバイス310がATTACH手順でなくTAU手順である以外は、ステップS640のPLMN選択手順と同様である。1つの実施形態では、ステップS740の実行前、制御モジュール312は、ランダムな期間待機し、MMバックオフタイマーで拒否されている大量のユーザー端末が同じサービスネットワークに入る問題を回避する。
【0021】
注意するのは、図5及び図7の実施形態では、制御モジュール312は、MMバックオフタイマを有するTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージに応じてタイマT3411またはT3402を起動しないため、タイマT3411またはT3402の処理は、MMバックオフタイマの処理に影響せず、MMバックオフ動作を処理する移動通信デバイス310の確定できない挙動の問題が解決される。
【0022】
図8は、本発明の実施形態に基づく移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法を示す流れ図である。この実施形態では、移動通信デバイスは、MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信し(ステップS810)、次いでサービスネットワークからの要求メッセージに応じてMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信する(ステップS820)。1つの実施形態では、MM手順は、アタッチ手順であり、要求メッセージ及び拒否メッセージは、それぞれATTACH REQUESTメッセージ及びATTACH REJECTメッセージである。もう1つの実施形態では、MM手順は、TAU手順であり、要求メッセージ及び拒否メッセージは、それぞれTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージ及びTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージである。次いで、移動通信デバイスは、MMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてMM手順用の試行カウンタをリセットする(ステップS830)。1つの実施形態では、移動通信デバイスは、MMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてMMバックオフタイマを更にスタートすることができ、MMバックオフタイマが切れるまで、サービスネットワークとどのMM手順も初期化しないことができる。注意するのは、移動通信デバイスは、MMバックオフタイマを含む拒否メッセージに応じて、要求メッセージの再送信用の再試行バックオフタイマを起動しないため、再試行バックオフタイマ(タイマT3411及びT3402を含む)の処理は、MMバックオフタイマの処理に影響せず、MMバックオフ動作を処理する移動通信デバイスの確定できない挙動の問題が解決される。
【0023】
図9は、本発明のもう1つの実施形態に基づく移動通信デバイスによってMMバックオフ動作を処理する方法を示す流れ図である。図8と同様に、移動通信デバイスは、無線サービスを得るサービスネットワークに無線接続され、移動通信デバイスは、MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信し(ステップS910)、サービスネットワークからの要求メッセージに応じてMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信する(ステップS920)。1つの実施形態では、MM手順は、アタッチ手順であり、要求メッセージ及び拒否メッセージは、それぞれATTACH REQUESTメッセージ及びATTACH REJECTメッセージである。もう1つの実施形態では、MM手順は、TAU手順であり、要求メッセージ及び拒否メッセージは、それぞれTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージ及びTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージである。次いで、移動通信デバイスは、MMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてPLMN選択手順を初期化し、もう1つのサービスネットワークを探索する(ステップS930)。1つの実施形態では、ステップS030の前、移動通信デバイスは、ランダムな期間待機し、MMバックオフタイマーで拒否されている大量のユーザー端末が同じサービスネットワークに入る問題を回避する。注意するのは、1つの実施形態では、移動通信デバイスは、MMバックオフタイマを有する拒否メッセージに応じてMMバックオフタイマを更にスタートすることができ、MMバックオフタイマが切れるまで、サービスネットワークとどのMM手順も初期化しないことができる。
【0024】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、これらを限定するものではないことは理解される。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱しない種々の修正及び変更を行い得る。よって、本発明の範囲は、以下の請求項及びその等価のものによって規定されて保護される。
【符号の説明】
【0025】
300 移動通信環境
310 移動通信デバイス
311 無線モジュール
312 制御モジュール
320 サービスネットワーク
321 アクセスネットワーク
322 コアネットワーク



【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信デバイスによって移動管理(MM)バックオフ動作を処理する方法であって、
MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信するステップ、
前記サービスネットワークからの前記要求メッセージに対応してMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信するステップ、及び
前記MMバックオフタイマを有する前記拒否メッセージに応じて前記MM手順用の試行カウンタをリセットするステップを含む方法。
【請求項2】
前記MM手順は、アタッチ手順であり、前記要求メッセージ及び前記拒否メッセージは、それぞれATTACH REQUESTメッセージ及びATTACH REJECTメッセージである請求項1の方法。
【請求項3】
前記MM手順は、トラッキングエリア更新手順であり、前記要求メッセージ及び前記拒否メッセージは、それぞれTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージ及びTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記MMバックオフタイマを含む拒否メッセージに応じて、前記要求メッセージの再送信用の再試行バックオフタイマを起動しないステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
移動通信デバイスによって移動管理(MM)バックオフ動作を処理する方法であって、
MM手順用の要求メッセージをサービスネットワークに送信するステップ、
前記サービスネットワークからの前記要求メッセージに対応してMMバックオフタイマを有する拒否メッセージを受信するステップ、及び
公衆移動通信ネットワーク(PLMN)選択手順を初期化し、前記MMバックオフタイマを有する前記拒否メッセージに応じてもう1つのサービスネットワークを探索するステップを含む方法。
【請求項6】
前記MM手順は、アタッチ手順であり、前記要求メッセージ及び前記拒否メッセージは、それぞれATTACH REQUESTメッセージ及びATTACH REJECTメッセージである請求項5の方法。
【請求項7】
前記MM手順は、トラッキングエリア更新手順であり、前記要求メッセージ及び前記拒否メッセージは、それぞれTRACKING AREA UPDATE REQUESTメッセージ及びTRACKING AREA UPDATE REJECTメッセージである請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記MM手順用のもう1つの要求メッセージを前記探索されたサービスネットワークに送信するステップを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記探索されたサービスネットワークは、前記移動通信デバイスで動作する関連のMMバックオフタイマを有さない請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記PLMN選択手順を初期化する前、またはMM手順用のもう1つの要求メッセージを前記探索されたサービスネットワークに送信する前に、ランダムな期間待機するステップを更に含む請求項5に記載の方法。
【請求項11】
MM手順用のもう1つの要求メッセージ複数の探索されたサービスネットワークの1つに伝送するステップを更に含み、前記探索されたサービスネットワークの全ては、前記移動通信デバイスで動作する関連のMMバックオフタイマを有し、前記探索されたサービスネットワークの1つは、タイマが切れる最短の残りの時間で動作する関連のMMバックオフタイマを有する請求項5に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−147436(P2012−147436A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−3499(P2012−3499)
【出願日】平成24年1月11日(2012.1.11)
【出願人】(502160992)宏達國際電子股▲ふん▼有限公司 (97)
【Fターム(参考)】