説明

移動車両及び移動車両給電方法

【課題】移動車両にとってより的確な給電施設への案内情報をより迅速に提供する。
【解決手段】蓄電池3及び該蓄電池3に電力を充電させる充電手段1,2を備える移動車両Mであって、給電施設Tへの案内情報を生成して報知するナビゲーション装置4と、蓄電池3の充電量がしきい値まで低下するとナビゲーション装置4に給電施設Tへの案内情報を報知させる車両制御部5とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動車両及び移動車両給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、地上設備が車両蓄電情報取得モジュール、車両位置情報取得モジュール、最適給電エリア探索モジュール、最適ルート探索モジュール及び給電エリア・ルート情報送信モジュールを備える移動車両給電システムが開示されている(段落0029〜0049等参照)。すなわち、この移動車両給電システムは、地上設備が無線通信機を介して移動車両から取得した車両蓄電情報及び移動車両の位置情報等に基づいて移動車両が給電を行うのに最適な給電エリアを探索すると共に当該最適な給電エリアへの最適ルートを探索し、上記最適な給電エリアの情報と上記最適ルートの情報とを無線通信機を介して移動車両に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−193657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術は、地上設備が車両蓄電情報及び移動車両の位置情報等を移動車両から取得すると共に当該各情報に基づいて最適な給電エリア及び最適ルートを探索するものなので、移動車両側の自由度に欠ける。すなわち、上記従来技術は、最適な給電エリア及び最適ルートの決定に移動車両の運転手等の判断を介入させることができないので、運転手の意思を反映した移動車両にとって的確な給電エリア及び最適ルートを提供し得ない。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、移動車両にとってより的確な給電施設への案内情報をより迅速に提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、移動車両に係る第1の解決手段として、蓄電池及び該蓄電池に電力を充電させる充電手段を備える移動車両であって、給電施設への案内情報を生成して報知するナビゲーション装置と、蓄電池の充電量がしきい値まで低下するとナビゲーション装置に給電施設への案内情報を報知させる車両制御部とを具備する、という手段を採用する。
【0007】
移動車両に係る第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、ナビゲーション装置は、複数の給電施設を地図情報の一部として記憶するものであり、最寄の給電施設までの走行ルートを案内情報として表示する、という手段を採用する。
【0008】
移動車両に係る第3の解決手段として、上記第1または2の解決手段において、ナビゲーション装置は、特定の目的地に対するルート案内中に車両制御部から案内情報の報知が指示されると、目的地までの本来ルートの近隣に位置する給電施設を案内情報として表示する、という手段を採用する。
【0009】
移動車両に係る第4の解決手段として、上記第1〜第3のいずれかの解決手段において、給電施設の状況を示す給電施設情報を外部から取得する通信手段をさらに備え、ナビゲーション装置は、給電施設情報を加味して案内情報を生成する、という手段を採用する。
【0010】
移動車両に係る第5の解決手段として、上記第1〜第4のいずれかの解決手段において、充電手段は、給電施設から非接触で給電を受けて蓄電池に電力を充電させる、という手段を採用する。
【0011】
また、本発明では、移動車両給電方法に係る解決手段として、蓄電池を備えた移動車両が走行し得る場所に移動車両への給電施設を複数設け、蓄電池の充電量がしきい値まで低下すると、移動車両が自ら生成した給電施設への案内情報を運転者に報知して移動車両を特定の給電施設に移動させ、当該特定の給電施設において移動車両に給電を施す、という手段を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、蓄電池の充電量がしきい値まで低下すると、移動車両に備えられたナビゲーション装置が給電施設への案内情報を自ら生成して報知するので、地上設備が案内情報を作成して移動車両に提供する従来技術に比較して、移動車両にとって的確な給電施設への案内情報をより迅速に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る移動車両M及び地上給電施設Tの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る移動車両Mの特徴的動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る移動車両Mにおける案内画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1には移動車両M及び地上給電施設Tが示されているが、説明の都合上、地上設備である給電施設Tを先に説明する。
【0015】
給電施設Tは、図1に示すように給電コイルT1、給電変換器T2及び制御装置T3によって構成されている。このような給電施設Tは、給電コイルT1を用いることによって移動車両Mに対して非接触で電力を供給(給電)する地上設備であり、移動車両Mが停車し得る場所、例えば道路(公道)の信号機手前、列車踏切の手前、各種施設の駐車場、店舗の一時停車スペース、道路に面した土地等にそれぞれ設けられている。
【0016】
給電コイルT1は、このような給電施設Tに1あるいは複数設けられた停車エリアの地面近傍に埋設されている。給電変換器T2は、このような給電コイルT1に制御装置T3から入力される制御信号に基づいて給電用交流電力を供給する装置である。このような給電変換器T2は、50Hzあるいは60Hzの商用電力を移動車両Mへの給電に適した周波数(例えば数百Hz〜数MHz)の交流電力に変換して給電コイルT1に出力する。
【0017】
制御装置T3は、移動車両Mが停車エリアに停車すると、給電変換器T2に停車状態の移動車両M(停車車両)に対する給電を指示する。この制御装置3は、例えば給電変換器T2から給電コイルT1側を見たインピーダンス(給電変換器T2の負荷インピーダンス)、の変化に基づいて移動車両Mが停車エリアに停車したことを判断し、給電変換器T2に給電コイルT1への電力供給を開始させる。
【0018】
ここで、移動車両Mが停車エリアに停車すると移動車両Mに設けられた受電コイルが給電コイルT1に電磁気的に結合するので、上記負荷インピーダンスは、停車エリアにおける移動車両Mの有無に応じて変化する。制御装置T3は、このような負荷インピーダンスの変化に基づいて停車エリアに移動車両Mが停車したか否かを判断する。
【0019】
続いて、移動車両Mについて説明する。本実施形態に係る移動車両Mは、電気自動車やハイブリッド自動車等の電力を動力源として移動する自動車であり、運転者によって操作されることによって公道や私道等の移動し得る場所を走行する。この移動車両Mは、図1に示すように、受電コイル1、充電回路2、蓄電池3、ナビゲーション装置4及び車両制御部5を備えている。なお、図1では省略しているが、移動車両Mは、エンジン及び/あるいは走行モータ、操作ハンドル及びブレーキ等の走行に必要な構成要素を当然に具備するものである。
【0020】
受電コイル1は、給電コイルT1と対向するように移動車両Mの底部に設けられている。この受電コイル1は、地上設備である給電コイルT1と略同一のコイル径を有し、給電コイルT1と電磁気的に結合することによって当該給電コイルT1から交流電力を非接触で受電する。換言すると、移動車両Mは、受電コイル1に地上設備の給電コイルT1を電磁気的に結合させることによって非接触給電を受ける車両である。この受電コイル1は、給電コイルT1から受電した交流電力(受電電力)を充電回路2に出力する。
【0021】
ここで、移動車両Mの受電コイル1の給電施設Tの給電コイルT1からの非接触受電は、磁界共鳴方式に基づいて行われる。すなわち、受電コイル1と各給電コイルT1とには各々に共振回路を構成するための共振用コンデンサ(図示略)が接続されている。また、例えば共振用コンデンサの静電容量は、受電コイル1と共振用コンデンサとからなる受電側共振回路の共振周波数と給電コイルT1と共振用コンデンサとからなる給電側共振回路の共振周波数とは同一周波数となるように設定されている。
【0022】
蓄電池3は、移動車両Mの駆動動力源をして十分な電力を蓄えることが可能な二次電池であり、例えばリチウムイオン二次電池あるいは各種燃料電池である。この蓄電池3は、充電回路2から供給される直流電力を充電すると共に、図示しない駆動用電力変換器に走行駆動用電力を供給(放電)する。なお、この駆動用電力変換器は、移動車両Mの走行動力を発生するモータに駆動電力を供給する電力変換器である。
【0023】
ナビゲーション装置4は、所定のナビゲーションプログラムに基づいて動作する装置であり、GPS(Global Positioning System)等の測位システムに基づいて移動車両Mの走行位置を検出し、当該走行位置を自らが記憶する地図データに基づく近隣の地図とともに案内画面として表示部に表示する。また、このナビゲーション装置4は、移動車両Mの走行目的地に対する推奨の走行ルートを案内音声としてスピーカ(発音部)から発音する。すなわち、ナビゲーション装置4は、測位システム及び地図データ等に基づいて案内画面及び案内音声からなる案内情報を自ら生成して運転者に提供する。
【0024】
また、このナビゲーション装置4は、各所に設けられた上記給電施設Tの位置情報及び属性情報を地図データの一部として予め記憶しており、これら給電施設Tに関する既得情報に基づいて移動車両Mの最寄の給電施設Tまでの走行を案内する。上記属性情報は、給電施設Tの規模や給電性能等である。
【0025】
例えば、ナビゲーション装置4は、走行目的地が運転者によって指定されてなく走行ルート案内を行っていない場合は、最寄の給電施設Tまでの走行ルート(給電案内ルート)を案内画面として表示部に表示させると共に、当該給電案内ルートに関する案内音声スピーカから発音する。一方、ナビゲーション装置4は、特定の走行目的地が運転者から指定されて、当該特定の走行目的地に対するルート案内中の場合には、走行目的地までの本来ルートの近隣に位置する給電施設Tを案内画面として表示部に表示させる。
【0026】
さらに、このナビゲーション装置4は、例えば周知の光ビーコンに対応することにより外部との無線通信機能を備えており、走行位置近隣の各給電施設Tの稼動状況や混雑状況等の給電施設情報を外部の給電施設管理センターから取得し、この給電施設情報を加味して案内情報(案内画面及び案内音声)を生成する。すなわち、ナビゲーション装置4は、例えば稼動を休止している給電施設Tや混雑が激しい給電施設Tを運転者に紹介する対象から除外した案内情報(案内画面及び案内音声)を生成する。
【0027】
ここで、各所に設けられた複数の給電施設Tは、例えば専用の給電施設管理センターによって集中的に管理されている。すなわち、各給電施設Tと給電施設管理センターとは通信回線によって相互に接続されており、給電施設管理センターは、上記通信回線を介して各所の給電施設Tから上記給電施設情報を所定のタイムインターバル(例えば1時間毎)で収集すると共に、給電施設Tからの要求に応じて給電施設情報を提供する。
【0028】
車両制御部5は、所定の車両制御用プログラムに基づいて機能するソフトウエア型制御装置であり、充電回路2の電力変換動作を制御することにより蓄電池3の充電制御を行う。この車両制御部5は、受電コイル1による給電コイルT1からの受電を例えば受電コイル1の端子間電圧の変化に基づいて検知すると、充電回路2を作動させて蓄電池3に直流電量を充電させる。また、この車両制御部5は、走行中において蓄電池3の充電状況つまり充電量を充電回路2を介して監視しており、蓄電池3の充電量が所定のしきい値(案内しきい値)まで低下したと判断すると、上記ナビゲーション装置4に給電施設Tへ走行するための案内情報を報知させる。
【0029】
次に、このように構成された本実施形態の特徴的動作について、図2のフローチャートに沿って説明する。
【0030】
上述したように、車両制御部5は走行中において蓄電池3の充電量を充電回路2を介して監視している。そして、車両制御部5は、走行に伴なう電力消費によって蓄電池3の充電量が案内しきい値まで低下したと判断すると(ステップS1)、ナビゲーション装置4に指示して充電量が少なくなっていることを示す音声案内をさせる(ステップS2)。
【0031】
これ以降、ナビゲーション装置4は、地図データから現在位置の近隣に存在する給電施設Tを検索する(ステップS3)。すなわち、ナビゲーション装置4は、例えば現在位置から所定半径内あるいは当該所定半径内かつ現在の進行方向の前方に位置する位置する給電施設Tを近隣に存在する給電施設Tとして検索する。そして、ナビゲーション装置4は、上記ステップS3の検索処理の結果ピックアップされた近隣の給電施設Tに関する給電施設情報(各給電施設Tの稼動状況や混雑状況等)を無線通信機能を用いて外部から取得する(ステップS4)。
【0032】
そして、ナビゲーション装置4は、上記給電施設情報に基づいて近隣の給電施設Tの中から的確性を有する給電施設T(例えば稼動中かつ混雑の度合いが低いもの)を抽出すると共に、このように抽出された給電施設Tの中から最も近い1つ(目的給電施設Ta)に絞り込む(ステップS5)。このような給電施設Tの絞り込みによって、運転者にとって最も適切な給電施設Tが抽出される。
【0033】
さらに、ナビゲーション装置4は、ナビゲーション装置4の現在の動作状態が運転者によって走行目的地が指定されてルート案内を行っている状態か、あるいはルート案内を行っていない常態かを判断する(ステップS6)。そして、ナビゲーション装置4は、ステップS6の判断処理の結果、ルート案内中であると判断すると、上記目的給電施設Taを案内画面に表示させ(ステップS7)、さらに当該目的給電施設Taに向かう走行ルートを音声案内させる(ステップS8)。
【0034】
例えば、ナビゲーション装置4は、図3に示すように現在の走行位置から所定半径内かつ進行方向前方にある給電施設Tを目的給電施設Taとして抽出すると、図示するような目的給電施設Taに向かう迂回ルートを設定して案内画面として表示する。
【0035】
一方、ナビゲーション装置4は、ステップS6の判断処理の結果、ルート案内中でないと判断すると、ステップS5の絞込み処理の過程で抽出された給電施設T、つまり給電施設情報に基づいて近隣の給電施設Tの中から抽出された給電施設Tを候補給電施設Tbとして案内画面に表示させる(ステップS9)。
【0036】
本実施形態における移動車両Mは、このようなナビゲーション装置4と車両制御部5との協働に基づく走行ルート案内に従って運転者が運転操作を行うことにより、目的給電施設Taに到着し、当該目的給電施設Taに設けられた停車エリア上に停車する。
【0037】
目的給電施設Taの制御装置T3は、移動車両Mが給電施設Tの停車エリアに停車したと判断(検知)すると、給電変換器T2に制御信号を出力して給電コイルT1への電力供給を開始させる。ここで、移動車両Mが給電施設Tの停車エリアに停車すると、移動車両M(停車車両)の受電コイル1は、給電コイルT1と電磁気的に各々結合する。この結果、給電変換器T2から給電コイルT1に供給された交流電力の一部が給電コイルT1から各移動車両M(停車車両)の受電コイル1にそれぞれ非接触伝送される。
【0038】
給電コイルT1から受電コイル1に非接触伝送される交流電力は、受電コイル1が給電コイルT1の直上に正対した状態、つまり受電コイル1と給電コイルT1とが最も近接した状態において最大となるが、移動車両Mの停車位置は運転者の運転操作に依存するのでばらつきを持つ。したがって、受電コイル1と給電コイルT1とが正対することはあまり期待できない。しかしながら、本実施形態では、磁界共鳴方式を採用するので、給電コイルT1から受電コイル1に非接触伝送される交流電力の伝送効率は高い。
【0039】
制御装置T3は、移動車両Mの移動開始を検知するまでの間、給電コイルT1を介した移動車両M(停車車両)への非接触給電を継続し、停車エリアにおける移動車両Mの移動開始を検出すると、給電変換器T2に制御信号を出力して給電コイルT1への電力供給を停止させる。これによって、目的給電施設Taにおける移動車両Mへの給電作業が完了する。
【0040】
このような本実施形態によれば、車両制御部5が蓄電池3の充電量がしきい値まで低下したことを判断すると、ナビゲーション装置4が給電施設Tへの案内情報を自ら生成して報知するので、地上設備が案内情報を作成して移動車両に提供する従来技術に比較して、移動車両Mにとって的確な給電施設Tへの案内情報を提供することができる。また、ナビゲーション装置4が給電施設Tへの案内情報を自ら生成して報知するので、移動車両Mの運転者に案内情報を迅速に提供することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、外部から取得した給電施設Tの給電施設情報を用いて給電施設Tの絞込みを行ったが、このような給電施設情報の取得及び絞込み処理は割愛しても良い。また、上記実施形態では、ルート案内中の場合とルート案内中でない場合とで給電施設Tへの案内方法を変更したが、これも同じ案内方法を採用してもよい。
【0042】
(2)上記実施形態では、受電コイル1を移動車両Mの底部に設けると共に給電コイルT1を停車エリア上に埋設することにより受電コイル1と給電コイルT1とを上下方向に対向させるようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、受電コイル1を移動車両Mの側部(乗降ドア)に設けると共に、給電コイルT1を道路の路肩に移動車両Mの側部(乗降ドア)と対峙するように停車エリアの周囲かつ所望高さ位置に設けてもよい。または、受電コイル1を移動車両Mの天井に設けると共に、当該移動車両Mの天井と対峙するように給電コイルT1を停車エリアの上方に設けてもよい。
【0043】
(3)上記実施形態では、移動車両Mが停車エリアに停車すると無条件で給電を開始したが、本発明はこれに限定されない。例えば、受電コイル1と給電コイルT1とを信号伝送に流用することにより受電コイル1と給電コイルT1とを介して車両制御部5と地上の制御装置T3との間の無線通信を可能とし、当該無線通信によって移動車両Mの停車エリアにおける停車状態を判定したり、給電開始に先立って給電の要非を確認したり、あるいは給電に関する課金情報の送受信してもよい。なお、この場合、受電コイル1と給電コイルT1とは無線通信のためのアンテナとして機能し、車両制御部5と制御装置T3とは、このようなアンテナを用いた通信手段として機能する。
【0044】
(4)また、このような受電コイル1と給電コイルT1とを用いた通信機に代えて、個別の通信機能を移動車両M及び給電施設Tに設けてもよい。例えば光ビーコンを個別の通信機能として用いること、電波を用いた無線通信機を個別の通信機能として用いることが考えられるが、個別の通信機能としては、移動車両M及び給電施設Tとの間の通信、つまり比較的近距離な通信が可能であればよいので、専用に設計された通信システムを用いてもよい。
【0045】
(5)上記実施形態では、負荷インピーダンスの変化に基づいて給電施設Tの停車エリアに移動車両Mが停車したか否かを判断したが、本発明はこれに限定されない。このような移動車両Mの停車判断は、別途センサを設けて移動車両Mの停車を判定しても良い。例えば、給電施設Tの停車エリア全体を撮影できるように3次元レーザレーダやステレオ撮像装置を設置して一定の時間周期で撮像し、3次元形状から移動車両の位置を復元し、複数周期にわたって位置が同一かどうかに基づいて移動車両の停車を判断しても良い。
【0046】
(6)さらには、給電施設が新設された場合に、ナビゲーション装置は外部との無線通信機能を介して新設された給電施設の位置情報及び属性情報を外部の給電施設管理センターから受信し、地図データを更新するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…受電コイル、2…充電回路、3…蓄電池、4…ナビゲーション装置、5…車両制御部、T…給電施設、T1…給電コイル、T2…給電変換器、T3…制御装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池及び該蓄電池に電力を充電させる充電手段を備える移動車両であって、
給電施設への案内情報を生成して報知するナビゲーション装置と、
前記蓄電池の充電量がしきい値まで低下すると前記ナビゲーション装置に給電施設への案内情報を報知させる車両制御部と
を具備することを特徴とする移動車両。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、複数の給電施設を地図情報の一部として記憶するものであり、最寄の給電施設までの走行ルートを前記案内情報として表示することを特徴とする請求項1記載の移動車両。
【請求項3】
前記ナビゲーション装置は、特定の目的地に対するルート案内中に前記車両制御部から案内情報の報知が指示されると、目的地までの走行ルートに最も近い給電施設を前記案内情報として表示することを特徴とする請求項1または2記載の移動車両。
【請求項4】
前記給電施設の状況を示す給電施設情報を外部から取得する通信手段をさらに備え、前記ナビゲーション装置は、前記給電施設情報を加味して前記案内情報を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の移動車両。
【請求項5】
前記充電手段は、前記給電施設から非接触で給電を受けて前記蓄電池に電力を充電させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の移動車両。
【請求項6】
蓄電池を備えた移動車両が走行し得る場所に前記移動車両への給電施設を複数設け、
前記蓄電池の充電量がしきい値まで低下すると、前記移動車両が自ら生成した前記給電施設への案内情報を運転者に報知して前記移動車両を特定の給電施設に移動させ、
当該特定の給電施設において前記移動車両に給電を施す
ことを特徴とする移動車両給電方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−64606(P2013−64606A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201871(P2011−201871)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】