移動車両
【課題】エンジン停止後にエンジンの気化器を急速に冷却させることで、円滑なエンジン再始動を可能とした移動車両を提供する。
【解決手段】車体にエンジンルーム2を配設し、エンジンルーム2内には、エンジンEを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器65を備え、エンジンEの停止時に、気化器65を冷却する冷却装置71を設けた。
【解決手段】車体にエンジンルーム2を配設し、エンジンルーム2内には、エンジンEを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器65を備え、エンジンEの停止時に、気化器65を冷却する冷却装置71を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体にエンジンルームを配設し、エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両に関し、より詳細には、エンジンルーム内には、エンジンの停止時に、気化器を冷却する冷却装置を設けた移動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の田植機などに例示される移動車両は、例えば、原動機としてのエンジンに、エンジン冷却ファンやエアクリーナーを付設し、エンジン冷却ファンを配置するファンケースと、エアクリーナーを配置するエンジン用カバーとをボンネット内におけるエンジンの外側に設置し、エンジン用カバーによってエンジンの冷却風路を形成することで、エアクリーナーの温度上昇を防ぐとともに、エアクリーナーから、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器に冷気を供給して、エンジン効率を向上させたもの(例えば、特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−168043号公報
【特許文献2】実開平5−12636号公報
【特許文献3】特開平5−296063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような移動車両では、エンジン停止に伴い、燃料タンクから気化器への燃料供給が遮断されるとともに、エンジン冷却ファンなどの冷却装置が停止することで、エンジンの余熱などによりエンジンルーム内が高温状態となり、気化器内におけるフロート室のガソリンが大量に気化してしまうため、フロート室内のガソリン液面が低下するとともに、排気マニホールド内の混合気の割合が変化してしまうため、エンジン再始動時にエンジンのかかりが悪くなるという問題があった。
なお、実開平5−12636号公報に記載の、エンジン再起動の不具合を解消した防音形高圧洗浄機(特許文献2)では、対象が洗浄機や発電機であることに加えて、密閉形のキャビネット(ケーシング)内にエンジンやブロアおよびファンモータなどが内設されており、エンジン停止後に所要時間ファンモータを作動させてエンジンを冷却する構成にしているが、この場合、密閉形キャビネット内であって、エンジン近傍(密閉形キャビネット近傍)にファンモータが設けられているため、エンジン駆動に伴い高温雰囲気下で吸引した吸引風をエンジンに送風しても、エンジン自体は冷却できるものの、エンジンへの送風位置が不明であるとともに、エンジン冷却に時間を要するため、上記問題の解決には至らない。さらに、特開平5−296063号公報に記載の防音型発動発電機(特許文献3)においても、エンジンルームの最上部にファンケーシング内と連通する窓を設けることで、エンジン停止時のエンジンルーム内の高温空気を窓から流出させるものであるが、エンジン自体はやがて冷却できるものの、エンジン冷却に時間を要するため、上記同様の問題が生じていた。
【0005】
そこで、この発明の目的は、エンジン停止後にエンジンの気化器を急速に冷却させることで、円滑なエンジン再始動を可能とした移動車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、請求項1に記載の発明は、車体にエンジンルームを配設し、前記エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、前記エンジンの停止時に、前記気化器を冷却する冷却装置を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動車両において、前記冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した前記外気を搬送する搬送部と、前記外気を前記気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2に記載の移動車両において、前記冷却装置は、前記エンジンの停止に伴い、所定時間または前記気化器が所定温度に低下するまで駆動させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の移動車両において、前記吸引部は、前記車体を構成する車体カバーの後部であって、前記車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の移動車両において、前記冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、車体にエンジンルームを配設し、エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、エンジンの停止時に、気化器を冷却する冷却装置を設けたので、エンジン停止に伴い、燃料タンクから気化器への燃料供給が遮断されるとともに、エンジン冷却ファンなどの冷却装置が停止することで、エンジンの余熱などでのエンジンルーム内の高温状態により、温度上昇する気化器の温度上昇幅を冷却装置により抑えることで、気化器内のフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド内の混合気を適正な割合に維持して、エンジン再始動時の円滑な始動を可能とすることができる。従って、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した外気を搬送する搬送部と、外気を気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなるので、高温のエンジンルームから離れた位置の外気を吸引ファンにより取り込むことにより、簡単な構成で効率的に気化器を冷却させることができる。従って、エンジン停止後のエンジンの気化器を効率的に冷却でき、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、冷却装置は、エンジンの停止に伴い、所定時間または気化器が所定温度に低下するまで駆動させるので、エンジンを停止しても、バッテリーなどの動力源により冷却装置を駆動させ、気化器を所定の温度になるまで確実に冷却させることができる。従って、エンジン停止後のエンジンの気化器を確実に冷却でき、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、吸引部は、車体を構成する車体カバーの後部であって、車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したので、吸引部を、高温のエンジンルームから離れた位置に設置することで、外気温に近い外気を吸引部により取り込むことにより、効率的に気化器を冷却させることができるとともに、吸引部の設置スペースを有効に設けることができる。さらに、吸引部が地上高を有し、深い水田であっても水面から高さがあるため、吸引部が水に浸かることがなく、圃場面の接触や泥土内に沈んだり、小石などの跳ね返りによる吸引部の故障を極力防ぐことができる。さらには、降雨時であっても凸設部により吸引部を雨から保護することができるとともに、凸設部の下面は、メンテナンスの際にもあまり手を触れるところではないため、安全上でも吸引部の設置場所に優れるものである。従って、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したので、エンジンから離れた位置の外気を運転席の作業者に送風でき、作業者は快適な環境で作業することができる。従って、作業環境を向上させた移動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る移動車両を例示した田植機の左側面図である。
【図2】田植機における植付部の拡大側面図である。
【図3】田植機の平面図である。
【図4】田植機のエンジンルームを示すボンネット内の斜視図である。
【図5】エンジンルームの斜視図である。
【図6】エンジンルームの斜視図である。
【図7】エンジンルームの内部構造例を示すボンネット内の側面模式図である。
【図8】気化器の設置例を説明するエンジン上部の正面図である。
【図9】冷却装置の設置を示す車両下部の斜視図である。
【図10】冷却装置の概略図である。
【図11】ファンカバーの全体斜視図である。
【図12】吸引部(冷却ファン)の全体斜視図である。
【図13】車両前部から見た機体フレームの斜視図である。
【図14】気化器まで延設した搬送部を示すエンジンルームの模式図
【図15】吸引部のコントローラによる制御ブロック図である。
【図16】気化器の温度による吸引部のコントローラ制御のブロック図(a)および車載バッテリーの残量による吸引部のコントローラ制御のブロック図(b)である。
【図17】施肥機の送風機を吸引部として冷却装置を設置した田植機の側面図である。
【図18】気化器の冷却装置に冷風機を分岐設置させた田植機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明に係る移動車両を例示した田植機の左側面図、図2は田植機における植付部の拡大側面図、図3は田植機の平面図である。
【0018】
本願の田植機(移動車両)1は、作業者が搭乗する車両であり、図1〜2に示すように、エンジン2を車体フレーム3に搭載させ、前後方向に長手状のミッションケース4前方に、フロントアクスルケース5を介して水田走行用の前輪6を支持させるとともに、ミッションケース4後部のリヤアクスルケース7に水田走行用の後輪8を支持させる。
【0019】
そして、エンジンEを有するエンジンルーム2などを覆うボンネット9の両側に予備苗載台10を取付けるとともに、作業者が搭乗する車体カバー11によってミッションケース4などを覆い、車体カバー(フロア)11後側の運転台12上面に運転席13を取付け、その運転席13の前方でボンネット9後部に操向ハンドル14が設けられる。
【0020】
また、植付部15は、6条植え用の苗載台16ならびに複数の苗植付爪17などを具備するものであり、前高後低の合成樹脂製による前傾式の苗載台16を下部レール18およびガイドレール19を介して植付フレーム20に左右往復摺動自在に支持させる。
【0021】
そして、一方向に等速回転させるロータリケース21を植付フレーム20に支持させ、このロータリケース21の回転軸芯を中心とした対称位置に一対の植付アーム22を配設し、その植付アーム22先端に植付爪17が取付けられる。
【0022】
また、植付フレーム20の左右両端側に、左右サイドフレーム23を立設させて苗載台16を支持させ、植付フレーム20左右中央のヒッチブラケット24をトップリンク25およびロワーリンク26を含む昇降機構27を介して車両に連結させ、この車両に設けた油圧式の昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結させる。
【0023】
この昇降シリンダ28の駆動時に昇降機構27を介して植付部15を昇降させるとともに、植付部15の下降時には左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗植え作業が可能な構成とされる。
【0024】
なお、符号29は主変速レバー、30は苗継ぎレバー、32は主クラッチペダル、34はセンターフロート、35はサイドフロート、36は施肥機、37は後輪8の外側に配備させる補助車輪である。
【0025】
また、施肥機36は、肥料を入れる肥料ホッパ38と、肥料を供給する肥料繰出部である肥料繰出ケース39と、フロート34,35の側条作溝器40にフレキシブル形搬送ホース41を介して肥料を排出させるターボブロワー型送風機42と、円筒形のエアタンク43とを備える。
【0026】
また、エアタンク43右側端に、この送風機42を取付け、肥料繰出ケース39をエアタンク43上側に配設させ、肥料ホッパ38の後側に苗載台16の上端を近接配備させている。
【0027】
次に、図4〜6は、田植機のエンジンルームを示すボンネット内の斜視図、図7はエンジンルームの内部構造例を示すボンネット内の側面模式図、図8は気化器の設置例を説明するエンジン上部の正面図である。
【0028】
ボンネット9内には、これら図4〜8に示すような原動機としてのエンジンEが内装されている。まず、前部フレーム51一側のステップ台下側にマフラー52を取付けるとともに、前部フレーム51他側のステップ台にバッテリー台53を取付けることができる。
【0029】
また、エンジンE後側のファンケース54内にエンジン冷却ファンFを配設させ、フ
ァンケース54後面に、防塵網55を設けた冷却風取入口56が形成され、冷却風取入口56の後方位置にエンジンオイルなどのオイルクーラ57が配設される。
【0030】
さらに、エンジン2の後側上方を、長方形状のカバー58で覆い、エアクリーナ59をカバー58内に配設させる。そして、ファンケース54内のファンルーム60にカバー58内のクリーナルーム61を連通させる。
【0031】
また、エンジン2の後側上方を4角箱形状のカバー58で覆い、エアクリーナ59をカバー58内に配設させ、ファンケース54内のファンルーム60に、カバー58内のクリーナルーム61を連通させる。
【0032】
また、エンジン2の前側上方を排風カバー62で覆い、クリーナルーム61に連通する排風路63を排風カバー62の内側に形成して、クリーナルーム61を通過した冷却風を、排風路63を介して、ボンネット9の前面に開口する排風口64から外側方に排出させ、クリーナルーム61の温度上昇を抑え、後述する気化器65を冷却する構成とされる。
【0033】
なお、エンジン2内部であって、その上部構造の詳細は、図8に例示するように、気化器65が、前後のシリンダ66の中央上側に配置され、シリンダ66と吸気マニホールド67で連結されている。また、気化器6の入口側は、吸気ダクト68を介してエアクリーナ59に連結される。
【0034】
従って、エンジン始動中には、気化器65において、吸気マニホールド67から導入された空気と、燃料タンクから不図示の輸送管を介して燃料注入口69から導入された燃料とを混合して混合気を生成する。
【0035】
次に、本願発明の田植機(移動車両)1におけるエンジンの停止時の気化器を冷却する冷却装置について説明する。図9は冷却装置の設置を示す車両下部の斜視図、図10は冷却装置の概略図、図11はファンカバーの全体斜視図、図12は冷却ファンの全体斜視図、図13は車両前部から見た機体フレームの斜視図、図14は気化器まで延設した搬送部を示すエンジンルームの模式図、図15は吸引部のコントローラによる制御ブロック図である。
【0036】
図9に示すエンジンE停止時の気化器65を冷却する冷却装置71は、車両下部の車体カバー11(フロア)底部に設置される。この冷却装置71は、図10に示すように、外気を吸引する吸引ファンなどの吸引部72と、吸引した外気を搬送するホースなどの搬送部73と、外気を気化器65またはその周辺に冷却風として送風する搬送部73先端の噴風口などの送風部74とから構成される。
【0037】
まず、吸引部72は、例えば、車体カバー11後部の運転席13を取付ける上方に凸設させた凸設部11aの下方であって、例えば、凸設部11aの外側底面にファンカバー75を介して設置される。このファンカバー75は、図11に示すような略コ字形状(限定されない)を有する金属製からなるものである。
【0038】
このファンカバー75の一端面75a(内側面)を、図13に示す凸設部11aを支持する車体フレーム3に不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けるとともに、他端面75b(天面)を車体カバー11後部の凸設部11aに不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けられる。従って、ファンカバー75は下方を開放した状態で設置することが好ましい。
【0039】
そして、ファンカバー75の内側の車両内側面などに吸引部72が、不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けられるが、この吸引部72は、遠心式や軸流式あるいは横断流式など限定されない周知の吸引ファンを用いることができる。なお、この吸引部72は、不図示の車載バッテリーに接続されており、エンジンEの停止後も(駆動中も)、エンジンEの駆動力によらず前記車載バッテリーの電力で駆動できる構成とされる。
【0040】
また、吸引部72下部に形成された吸引部には、ホース(樹脂製や金属製など限定しない)などの搬送部73の一端が接続され、この搬送部73は、ファンカバー75の下部開放部分から下方に向けて突出されるとともに、車両前方に向けて湾曲し、その中途部を車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に図示しない支持具などで取付けられる。
【0041】
そして、搬送部73の先端部は、エンジンルーム2内に導入されるとともに、その先端には送風部74が設けられ、この送風部74は、エンジンE上部の気化器65に向けて、この気化器65近傍にステー76などで支持させることができる。
【0042】
また、図15に示すように、エンジンEおよび吸引部72は、車体の適宜位置に設置したコントローラCに接続され、両者がコントローラCを介して連携されている。そして、コントローラCには、例えば、エンジンEの駆動停止後に、吸引部72を上述した車載バッテリーの電力により20分だけ駆動させる設定を入力させておく。なお、エンジンE駆動停止に伴う吸引部72の駆動時間は適宜変更可能とすることができる。
【0043】
ここで、作業者が、作業中などの田植機1におけるエンジンEの駆動を一旦停止し、再度エンジンEを始動させる際の気化器65の冷却方法について説明する。まず、エンジンEの駆動中にはエンジンEの発熱などにより気化器65の温度が上昇するが、エンジンEの動力によるエンジン冷却ファンFなどの作用で、気化器65の温度は約50℃程度(外気温30℃程度の場合)にまで冷却されている。
【0044】
しかし、エンジンEの駆動を一旦停止すると、エンジンEの動力停止に伴い、エンジン冷却ファンFなどの駆動も停止するため、気化器65の温度は、例えば約90℃程度(外気温30℃程度の場合)にまで上昇し、上述したような問題が発生する。
【0045】
そこで、エンジンEの駆動停止により、コントローラCは、吸引部72を、前記車載バッテリーの電力により、例えば約20分程度駆動させる。このため、吸引部72は、周囲の外気を吸引し、この外気を冷却風として搬送部73を介し、送風部74から気化器65に噴風するため、気化器65の温度上昇を、例えば約75度以下(外気温30℃程度の場合)に抑制することができる。
【0046】
この結果、気化器65内の図示しないフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、該フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド67内の混合気を適正な割合に維持して、エンジンE再始動時の円滑な始動を可能とすることができる。
【0047】
また、本願発明の冷却装置71では、吸引部72を、高温のエンジンルーム2から離れた位置の車両下部の車体カバー11底部に設置しているため、高温のエンジンルーム2から離れ、外気温に近い外気を吸引部72により取り込むことにより、効率的に気化器65を冷却させることができるとともに、吸引部72の設置スペースを有効に設けることができる。
【0048】
さらに、吸引部72は、車体カバー11後部の運転席13を取付ける上方に凸設させた凸設部11aに設置しているために吸引部72が地上高を有し、深い水田であっても水面から高さがあるため、吸引部72が水に浸かることがない。また、圃場面の接触や泥土内に沈んだり、小石などの跳ね返りによる吸引部72の故障を極力防ぐことができる。
【0049】
さらには、吸引部72が、凸設部11aの下面に設置されているため、降雨時であっても凸設部11aにより吸引部72を雨から保護することができる。また、凸設部11aの下面は、メンテナンスの際にもあまり手を触れるところではないため、安全上でも吸引部72の設置場所に優れるものである。
【0050】
また、吸引部72は、別のコントローラC制御により、エンジンEの駆動中であっても前記車載バッテリーの電力により常時駆動させておくことで、気化器65を、上述したクリーナルーム61を通過した冷却風に加えて、本冷却装置71による冷却風によってより一層冷却させてもよい。なお、エンジンEの駆動停止後は上述した構成となる。
【0051】
なお、上述では、エンジンEの駆動停止に伴い、コントローラCによる吸引部72の駆動制御を説明したが、コントローラC制御に限らず、例えば、吸引部72のスイッチを運転席13近傍などに設け、エンジンEの駆動停止により作業者が前記スイッチを操作して吸引部72を駆動させ、気化器65の冷却後、前記スイッチを停止させるなどの手動操作にしてもよい。
【0052】
次に、コントローラCによる吸引部72の駆動制御を、より効率的に行うこともできる。図16は気化器の温度による吸引部のコントローラ制御のブロック図(a)および車載バッテリーの残量による吸引部のコントローラ制御のブロック図(b)である。
【0053】
まず、図16(a)に示すように、コントローラCには、上述したエンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、気化器65内に設置した温度検出器77(図8には不図示)を接続する。なお、温度検出器77は、熱電対やサーミスタなど(限定しない)周知のものを用いることができる。
【0054】
このような構成にすることで、上述同様に、エンジンEの駆動停止により、コントローラCが吸引部72を前記車載バッテリーの電力により駆動させ、吸引部72により吸引された冷却風が搬送部73を介し、送風部74から気化器65に噴風される。このとき、気化器65の温度検出器77は、測定温度を逐次コントローラCに伝達しており、コントローラCは、気化器65の温度が、例えば約75度以下になったところで、吸引部72の駆動を停止させる。
【0055】
これにより、上述したように気化器65内の図示しないフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、該フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド67内の混合気を適正な割合に維持して、エンジンE再始動時の円滑な始動を可能にできるほか、気化器65の所定の温度低下に必要な分だけ吸引部72を駆動させるため、前記車載バッテリーの電力消費を最小限に抑えるとともに、効率的に消費することができる。
【0056】
次に、図16(b)に示すように、コントローラCには、上述したエンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、車載バッテリーBに設けられた充電量を示す残存容量計Baを接続する。なお、この残存容量計Baは、例えば、周知のモニターセルや電力量計または電流計などを用いることができる。
【0057】
このような構成にすることで、上述同様に、エンジンEの駆動停止により、コントローラCが吸引部72を駆動させ、吸引部72により吸引された冷却風が、搬送部73を介して送風部74から気化器65に噴風するが、このとき、車載バッテリーBの残存容量計Baは、その測定値を逐次コントローラCに伝達しており、コントローラCは、気化器65の冷却中に、バッテリーBの残量が残り少なくなった場合に、吸引部72の駆動を停止させる。
【0058】
これにより、車載バッテリーB上がりを防止することができるとともに、冷却装置71の一時的な駆動により、気化器65の所定温度までの冷却時間を、通常に比べて短縮させることができる。
【0059】
なお、上述した他に、コントローラCには、エンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、図16(a)で説明した気化器65内に設置した温度検出器77および図16(b)で説明した車載バッテリーBの残存容量計Baを同時に接続させてもよく、上記効果を相乗して得ることができる。
【0060】
次に、本願発明における気化器の冷却装置の吸引部は、田植機1の既存装置を利用することもできる。図17は施肥機の送風機を吸引部として冷却装置を設置した田植機の側面図である。
【0061】
この場合、上述したように、施肥機36は、肥料ホッパ38と、肥料繰出ケース39と、搬送ホース41を介して肥料を排出させるターボブロワー型の送風機42と、エアタンク43とを備えるが、例えば、図17に示すように、送風機42を気化器65の冷却装置71における吸引部72´として、搬送部73の一端部を接続する。
【0062】
なお、送風機42は、車載バッテリーBに接続させることにより、車載バッテリーBの電力により駆動するものとし、上述同様にコントローラCに送風機42が接続される。
【0063】
そして、搬送部73は、上述同様にその中途部を車両前方に向け車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に図示しない支持具などで取付け、先端部をエンジンルーム2内に導入されるとともに、その先端には送風部74が設けられ、この送風部74は、エンジンE上部の気化器65に向けて、この気化器65近傍にステー76などで支持させる。
【0064】
このような構成にすることで、作業時(エンジンE駆動中)には、吸引部72´(送風機42)は施肥機36として肥料を噴出させ、エンジンE停止時には、上述のようにコントローラC制御などにより、所定時間あるいは気化器65が所定温度になるまで、気化器65に冷却風を送る吸引部72´とすることができる。
【0065】
従って、気化器65の冷却装置71として、別途吸引ファンなど吸引部の設置および設置スペースを設ける必要がなく、施肥機36に用いる送風機42に取り込んだ風を冷却風として、エンジンEの停止時に、搬送部73を介して送風部74から気化器65に風噴させることができ、上述同様に気化器65冷却の効果を得ることができる。
【0066】
さらに、この場合、送風機42が、エンジンEからさらに離れた位置に設置されているため、より外気温に近い空気を冷却風として気化器65に噴風できるため、より気化器65の冷却効率を向上させることができる。
【0067】
なお、この場合、上述同様に、送風機42は、コントローラCに接続してコントローラC制御(車載バッテリーBの残存容量計Baおよび/または気化器65の温度検出器77もコントローラに接続してもよい)にしてもよいが、または、送風機42のスイッチを運転席13近傍などに設けて作業者による手動で気化器65を冷却させてもよい。
【0068】
次に、気化器65の冷却装置71を、運転席13に着座する作業者用の冷風機に兼用させることもできる。図18は、気化器の冷却装置に冷風機を分岐設置させた田植機の斜視図である。
【0069】
この場合、例えば図18に示すように、車体カバー11後部の凸設部11a外側底面に設置した吸引部72から、上述したように搬送部73の一端が接続され、中途部が車両前方に向け車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に延設されるとともに、この搬送部73の中途部には、上方の運転席13に向けて搬送部78の下端が接続される。
【0070】
なお、搬送部78は、その一端部を、吸引部72に搬送部73とは別に直接接続させてもよい。
【0071】
また、搬送部78は、上端部に送風部79を開口するとともに、この送風部79が運転席13側方位置に達する程度の長さを有する。このように、冷風機80は、搬送部78および送風部79から構成される。
【0072】
そして、搬送部78は、搬送部73に例示したホース(樹脂製や金属製など限定しない)の他、配管など限定しない部材を用いることができるが、上端部に近い中途部や、上端部は長さおよび向き(角度)を可変自在にするため、蛇腹構造などのフレキシブル部材で構成することが好ましい。
【0073】
さらに、この場合の吸引部72は、上述したが、エンジンEの駆動中であっても前記車載バッテリーの電力により常時駆動させておく。
【0074】
このような構成にすることで、気化器65を、クリーナルーム61を通過した冷却風に加えて、本冷却装置71による冷却風によって冷却させるとともに、吸引部72から吸引した外気の一部は、搬送部78を介して送風部79から運転席13に着座する作業者に冷却風として送風されるため、作業者は快適な環境で作業することができる。
【0075】
そして、作業を終了し、エンジンEを停止した際には、上述したようにコントローラC制御などにより所定時間あるいは気化器65が所定温度になるまで吸引部72を駆動させて冷却装置71を稼動する。
【0076】
なお、冷却装置80の吸引ファンは、上述した吸引部72に限定されず、施肥機36の送風機42である吸引部72´としてもよい。
【0077】
以上詳述したように、この例の田植機(移動車両)1は、車体にエンジンルーム2を配設し、エンジンルーム2内には、エンジンEを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器65を備え、エンジンEの停止時に、気化器65を冷却する冷却装置71を設けたものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
なお、この発明は、気化器を有するエンジンを備えた、あらゆる移動車両に適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 田植機(移動車両)
2 エンジンルーム
3 車体フレーム
11 車体カバー
11a 凸設部
13 運転席
36 施肥機
42 送風機
65 気化器
67 吸気マニホールド
71 冷却装置
72,72´ 吸引部
73,78 搬送部
74,79 送風部
75 ファンカバー
77 温度検出器
80 冷風機
B 車載バッテリー
Ba 残存容量計
C コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体にエンジンルームを配設し、エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両に関し、より詳細には、エンジンルーム内には、エンジンの停止時に、気化器を冷却する冷却装置を設けた移動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の田植機などに例示される移動車両は、例えば、原動機としてのエンジンに、エンジン冷却ファンやエアクリーナーを付設し、エンジン冷却ファンを配置するファンケースと、エアクリーナーを配置するエンジン用カバーとをボンネット内におけるエンジンの外側に設置し、エンジン用カバーによってエンジンの冷却風路を形成することで、エアクリーナーの温度上昇を防ぐとともに、エアクリーナーから、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器に冷気を供給して、エンジン効率を向上させたもの(例えば、特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−168043号公報
【特許文献2】実開平5−12636号公報
【特許文献3】特開平5−296063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような移動車両では、エンジン停止に伴い、燃料タンクから気化器への燃料供給が遮断されるとともに、エンジン冷却ファンなどの冷却装置が停止することで、エンジンの余熱などによりエンジンルーム内が高温状態となり、気化器内におけるフロート室のガソリンが大量に気化してしまうため、フロート室内のガソリン液面が低下するとともに、排気マニホールド内の混合気の割合が変化してしまうため、エンジン再始動時にエンジンのかかりが悪くなるという問題があった。
なお、実開平5−12636号公報に記載の、エンジン再起動の不具合を解消した防音形高圧洗浄機(特許文献2)では、対象が洗浄機や発電機であることに加えて、密閉形のキャビネット(ケーシング)内にエンジンやブロアおよびファンモータなどが内設されており、エンジン停止後に所要時間ファンモータを作動させてエンジンを冷却する構成にしているが、この場合、密閉形キャビネット内であって、エンジン近傍(密閉形キャビネット近傍)にファンモータが設けられているため、エンジン駆動に伴い高温雰囲気下で吸引した吸引風をエンジンに送風しても、エンジン自体は冷却できるものの、エンジンへの送風位置が不明であるとともに、エンジン冷却に時間を要するため、上記問題の解決には至らない。さらに、特開平5−296063号公報に記載の防音型発動発電機(特許文献3)においても、エンジンルームの最上部にファンケーシング内と連通する窓を設けることで、エンジン停止時のエンジンルーム内の高温空気を窓から流出させるものであるが、エンジン自体はやがて冷却できるものの、エンジン冷却に時間を要するため、上記同様の問題が生じていた。
【0005】
そこで、この発明の目的は、エンジン停止後にエンジンの気化器を急速に冷却させることで、円滑なエンジン再始動を可能とした移動車両を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、請求項1に記載の発明は、車体にエンジンルームを配設し、前記エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、前記エンジンの停止時に、前記気化器を冷却する冷却装置を設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動車両において、前記冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した前記外気を搬送する搬送部と、前記外気を前記気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2に記載の移動車両において、前記冷却装置は、前記エンジンの停止に伴い、所定時間または前記気化器が所定温度に低下するまで駆動させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3に記載の移動車両において、前記吸引部は、前記車体を構成する車体カバーの後部であって、前記車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の移動車両において、前記冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、車体にエンジンルームを配設し、エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、エンジンの停止時に、気化器を冷却する冷却装置を設けたので、エンジン停止に伴い、燃料タンクから気化器への燃料供給が遮断されるとともに、エンジン冷却ファンなどの冷却装置が停止することで、エンジンの余熱などでのエンジンルーム内の高温状態により、温度上昇する気化器の温度上昇幅を冷却装置により抑えることで、気化器内のフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド内の混合気を適正な割合に維持して、エンジン再始動時の円滑な始動を可能とすることができる。従って、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した外気を搬送する搬送部と、外気を気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなるので、高温のエンジンルームから離れた位置の外気を吸引ファンにより取り込むことにより、簡単な構成で効率的に気化器を冷却させることができる。従って、エンジン停止後のエンジンの気化器を効率的に冷却でき、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、冷却装置は、エンジンの停止に伴い、所定時間または気化器が所定温度に低下するまで駆動させるので、エンジンを停止しても、バッテリーなどの動力源により冷却装置を駆動させ、気化器を所定の温度になるまで確実に冷却させることができる。従って、エンジン停止後のエンジンの気化器を確実に冷却でき、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、吸引部は、車体を構成する車体カバーの後部であって、車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したので、吸引部を、高温のエンジンルームから離れた位置に設置することで、外気温に近い外気を吸引部により取り込むことにより、効率的に気化器を冷却させることができるとともに、吸引部の設置スペースを有効に設けることができる。さらに、吸引部が地上高を有し、深い水田であっても水面から高さがあるため、吸引部が水に浸かることがなく、圃場面の接触や泥土内に沈んだり、小石などの跳ね返りによる吸引部の故障を極力防ぐことができる。さらには、降雨時であっても凸設部により吸引部を雨から保護することができるとともに、凸設部の下面は、メンテナンスの際にもあまり手を触れるところではないため、安全上でも吸引部の設置場所に優れるものである。従って、作業性を向上させた移動車両を提供することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したので、エンジンから離れた位置の外気を運転席の作業者に送風でき、作業者は快適な環境で作業することができる。従って、作業環境を向上させた移動車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る移動車両を例示した田植機の左側面図である。
【図2】田植機における植付部の拡大側面図である。
【図3】田植機の平面図である。
【図4】田植機のエンジンルームを示すボンネット内の斜視図である。
【図5】エンジンルームの斜視図である。
【図6】エンジンルームの斜視図である。
【図7】エンジンルームの内部構造例を示すボンネット内の側面模式図である。
【図8】気化器の設置例を説明するエンジン上部の正面図である。
【図9】冷却装置の設置を示す車両下部の斜視図である。
【図10】冷却装置の概略図である。
【図11】ファンカバーの全体斜視図である。
【図12】吸引部(冷却ファン)の全体斜視図である。
【図13】車両前部から見た機体フレームの斜視図である。
【図14】気化器まで延設した搬送部を示すエンジンルームの模式図
【図15】吸引部のコントローラによる制御ブロック図である。
【図16】気化器の温度による吸引部のコントローラ制御のブロック図(a)および車載バッテリーの残量による吸引部のコントローラ制御のブロック図(b)である。
【図17】施肥機の送風機を吸引部として冷却装置を設置した田植機の側面図である。
【図18】気化器の冷却装置に冷風機を分岐設置させた田植機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明に係る移動車両を例示した田植機の左側面図、図2は田植機における植付部の拡大側面図、図3は田植機の平面図である。
【0018】
本願の田植機(移動車両)1は、作業者が搭乗する車両であり、図1〜2に示すように、エンジン2を車体フレーム3に搭載させ、前後方向に長手状のミッションケース4前方に、フロントアクスルケース5を介して水田走行用の前輪6を支持させるとともに、ミッションケース4後部のリヤアクスルケース7に水田走行用の後輪8を支持させる。
【0019】
そして、エンジンEを有するエンジンルーム2などを覆うボンネット9の両側に予備苗載台10を取付けるとともに、作業者が搭乗する車体カバー11によってミッションケース4などを覆い、車体カバー(フロア)11後側の運転台12上面に運転席13を取付け、その運転席13の前方でボンネット9後部に操向ハンドル14が設けられる。
【0020】
また、植付部15は、6条植え用の苗載台16ならびに複数の苗植付爪17などを具備するものであり、前高後低の合成樹脂製による前傾式の苗載台16を下部レール18およびガイドレール19を介して植付フレーム20に左右往復摺動自在に支持させる。
【0021】
そして、一方向に等速回転させるロータリケース21を植付フレーム20に支持させ、このロータリケース21の回転軸芯を中心とした対称位置に一対の植付アーム22を配設し、その植付アーム22先端に植付爪17が取付けられる。
【0022】
また、植付フレーム20の左右両端側に、左右サイドフレーム23を立設させて苗載台16を支持させ、植付フレーム20左右中央のヒッチブラケット24をトップリンク25およびロワーリンク26を含む昇降機構27を介して車両に連結させ、この車両に設けた油圧式の昇降シリンダ28をロワーリンク26に連結させる。
【0023】
この昇降シリンダ28の駆動時に昇降機構27を介して植付部15を昇降させるとともに、植付部15の下降時には左右に往復摺動させる苗載台16から一株分の苗を植付爪17によって取出し、連続的に苗植え作業が可能な構成とされる。
【0024】
なお、符号29は主変速レバー、30は苗継ぎレバー、32は主クラッチペダル、34はセンターフロート、35はサイドフロート、36は施肥機、37は後輪8の外側に配備させる補助車輪である。
【0025】
また、施肥機36は、肥料を入れる肥料ホッパ38と、肥料を供給する肥料繰出部である肥料繰出ケース39と、フロート34,35の側条作溝器40にフレキシブル形搬送ホース41を介して肥料を排出させるターボブロワー型送風機42と、円筒形のエアタンク43とを備える。
【0026】
また、エアタンク43右側端に、この送風機42を取付け、肥料繰出ケース39をエアタンク43上側に配設させ、肥料ホッパ38の後側に苗載台16の上端を近接配備させている。
【0027】
次に、図4〜6は、田植機のエンジンルームを示すボンネット内の斜視図、図7はエンジンルームの内部構造例を示すボンネット内の側面模式図、図8は気化器の設置例を説明するエンジン上部の正面図である。
【0028】
ボンネット9内には、これら図4〜8に示すような原動機としてのエンジンEが内装されている。まず、前部フレーム51一側のステップ台下側にマフラー52を取付けるとともに、前部フレーム51他側のステップ台にバッテリー台53を取付けることができる。
【0029】
また、エンジンE後側のファンケース54内にエンジン冷却ファンFを配設させ、フ
ァンケース54後面に、防塵網55を設けた冷却風取入口56が形成され、冷却風取入口56の後方位置にエンジンオイルなどのオイルクーラ57が配設される。
【0030】
さらに、エンジン2の後側上方を、長方形状のカバー58で覆い、エアクリーナ59をカバー58内に配設させる。そして、ファンケース54内のファンルーム60にカバー58内のクリーナルーム61を連通させる。
【0031】
また、エンジン2の後側上方を4角箱形状のカバー58で覆い、エアクリーナ59をカバー58内に配設させ、ファンケース54内のファンルーム60に、カバー58内のクリーナルーム61を連通させる。
【0032】
また、エンジン2の前側上方を排風カバー62で覆い、クリーナルーム61に連通する排風路63を排風カバー62の内側に形成して、クリーナルーム61を通過した冷却風を、排風路63を介して、ボンネット9の前面に開口する排風口64から外側方に排出させ、クリーナルーム61の温度上昇を抑え、後述する気化器65を冷却する構成とされる。
【0033】
なお、エンジン2内部であって、その上部構造の詳細は、図8に例示するように、気化器65が、前後のシリンダ66の中央上側に配置され、シリンダ66と吸気マニホールド67で連結されている。また、気化器6の入口側は、吸気ダクト68を介してエアクリーナ59に連結される。
【0034】
従って、エンジン始動中には、気化器65において、吸気マニホールド67から導入された空気と、燃料タンクから不図示の輸送管を介して燃料注入口69から導入された燃料とを混合して混合気を生成する。
【0035】
次に、本願発明の田植機(移動車両)1におけるエンジンの停止時の気化器を冷却する冷却装置について説明する。図9は冷却装置の設置を示す車両下部の斜視図、図10は冷却装置の概略図、図11はファンカバーの全体斜視図、図12は冷却ファンの全体斜視図、図13は車両前部から見た機体フレームの斜視図、図14は気化器まで延設した搬送部を示すエンジンルームの模式図、図15は吸引部のコントローラによる制御ブロック図である。
【0036】
図9に示すエンジンE停止時の気化器65を冷却する冷却装置71は、車両下部の車体カバー11(フロア)底部に設置される。この冷却装置71は、図10に示すように、外気を吸引する吸引ファンなどの吸引部72と、吸引した外気を搬送するホースなどの搬送部73と、外気を気化器65またはその周辺に冷却風として送風する搬送部73先端の噴風口などの送風部74とから構成される。
【0037】
まず、吸引部72は、例えば、車体カバー11後部の運転席13を取付ける上方に凸設させた凸設部11aの下方であって、例えば、凸設部11aの外側底面にファンカバー75を介して設置される。このファンカバー75は、図11に示すような略コ字形状(限定されない)を有する金属製からなるものである。
【0038】
このファンカバー75の一端面75a(内側面)を、図13に示す凸設部11aを支持する車体フレーム3に不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けるとともに、他端面75b(天面)を車体カバー11後部の凸設部11aに不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けられる。従って、ファンカバー75は下方を開放した状態で設置することが好ましい。
【0039】
そして、ファンカバー75の内側の車両内側面などに吸引部72が、不図示の締結具(溶接でもよい)などで取付けられるが、この吸引部72は、遠心式や軸流式あるいは横断流式など限定されない周知の吸引ファンを用いることができる。なお、この吸引部72は、不図示の車載バッテリーに接続されており、エンジンEの停止後も(駆動中も)、エンジンEの駆動力によらず前記車載バッテリーの電力で駆動できる構成とされる。
【0040】
また、吸引部72下部に形成された吸引部には、ホース(樹脂製や金属製など限定しない)などの搬送部73の一端が接続され、この搬送部73は、ファンカバー75の下部開放部分から下方に向けて突出されるとともに、車両前方に向けて湾曲し、その中途部を車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に図示しない支持具などで取付けられる。
【0041】
そして、搬送部73の先端部は、エンジンルーム2内に導入されるとともに、その先端には送風部74が設けられ、この送風部74は、エンジンE上部の気化器65に向けて、この気化器65近傍にステー76などで支持させることができる。
【0042】
また、図15に示すように、エンジンEおよび吸引部72は、車体の適宜位置に設置したコントローラCに接続され、両者がコントローラCを介して連携されている。そして、コントローラCには、例えば、エンジンEの駆動停止後に、吸引部72を上述した車載バッテリーの電力により20分だけ駆動させる設定を入力させておく。なお、エンジンE駆動停止に伴う吸引部72の駆動時間は適宜変更可能とすることができる。
【0043】
ここで、作業者が、作業中などの田植機1におけるエンジンEの駆動を一旦停止し、再度エンジンEを始動させる際の気化器65の冷却方法について説明する。まず、エンジンEの駆動中にはエンジンEの発熱などにより気化器65の温度が上昇するが、エンジンEの動力によるエンジン冷却ファンFなどの作用で、気化器65の温度は約50℃程度(外気温30℃程度の場合)にまで冷却されている。
【0044】
しかし、エンジンEの駆動を一旦停止すると、エンジンEの動力停止に伴い、エンジン冷却ファンFなどの駆動も停止するため、気化器65の温度は、例えば約90℃程度(外気温30℃程度の場合)にまで上昇し、上述したような問題が発生する。
【0045】
そこで、エンジンEの駆動停止により、コントローラCは、吸引部72を、前記車載バッテリーの電力により、例えば約20分程度駆動させる。このため、吸引部72は、周囲の外気を吸引し、この外気を冷却風として搬送部73を介し、送風部74から気化器65に噴風するため、気化器65の温度上昇を、例えば約75度以下(外気温30℃程度の場合)に抑制することができる。
【0046】
この結果、気化器65内の図示しないフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、該フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド67内の混合気を適正な割合に維持して、エンジンE再始動時の円滑な始動を可能とすることができる。
【0047】
また、本願発明の冷却装置71では、吸引部72を、高温のエンジンルーム2から離れた位置の車両下部の車体カバー11底部に設置しているため、高温のエンジンルーム2から離れ、外気温に近い外気を吸引部72により取り込むことにより、効率的に気化器65を冷却させることができるとともに、吸引部72の設置スペースを有効に設けることができる。
【0048】
さらに、吸引部72は、車体カバー11後部の運転席13を取付ける上方に凸設させた凸設部11aに設置しているために吸引部72が地上高を有し、深い水田であっても水面から高さがあるため、吸引部72が水に浸かることがない。また、圃場面の接触や泥土内に沈んだり、小石などの跳ね返りによる吸引部72の故障を極力防ぐことができる。
【0049】
さらには、吸引部72が、凸設部11aの下面に設置されているため、降雨時であっても凸設部11aにより吸引部72を雨から保護することができる。また、凸設部11aの下面は、メンテナンスの際にもあまり手を触れるところではないため、安全上でも吸引部72の設置場所に優れるものである。
【0050】
また、吸引部72は、別のコントローラC制御により、エンジンEの駆動中であっても前記車載バッテリーの電力により常時駆動させておくことで、気化器65を、上述したクリーナルーム61を通過した冷却風に加えて、本冷却装置71による冷却風によってより一層冷却させてもよい。なお、エンジンEの駆動停止後は上述した構成となる。
【0051】
なお、上述では、エンジンEの駆動停止に伴い、コントローラCによる吸引部72の駆動制御を説明したが、コントローラC制御に限らず、例えば、吸引部72のスイッチを運転席13近傍などに設け、エンジンEの駆動停止により作業者が前記スイッチを操作して吸引部72を駆動させ、気化器65の冷却後、前記スイッチを停止させるなどの手動操作にしてもよい。
【0052】
次に、コントローラCによる吸引部72の駆動制御を、より効率的に行うこともできる。図16は気化器の温度による吸引部のコントローラ制御のブロック図(a)および車載バッテリーの残量による吸引部のコントローラ制御のブロック図(b)である。
【0053】
まず、図16(a)に示すように、コントローラCには、上述したエンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、気化器65内に設置した温度検出器77(図8には不図示)を接続する。なお、温度検出器77は、熱電対やサーミスタなど(限定しない)周知のものを用いることができる。
【0054】
このような構成にすることで、上述同様に、エンジンEの駆動停止により、コントローラCが吸引部72を前記車載バッテリーの電力により駆動させ、吸引部72により吸引された冷却風が搬送部73を介し、送風部74から気化器65に噴風される。このとき、気化器65の温度検出器77は、測定温度を逐次コントローラCに伝達しており、コントローラCは、気化器65の温度が、例えば約75度以下になったところで、吸引部72の駆動を停止させる。
【0055】
これにより、上述したように気化器65内の図示しないフロート室におけるガソリンの大量気化を防ぎ、該フロート室内のガソリン液面の維持および吸気マニホールド67内の混合気を適正な割合に維持して、エンジンE再始動時の円滑な始動を可能にできるほか、気化器65の所定の温度低下に必要な分だけ吸引部72を駆動させるため、前記車載バッテリーの電力消費を最小限に抑えるとともに、効率的に消費することができる。
【0056】
次に、図16(b)に示すように、コントローラCには、上述したエンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、車載バッテリーBに設けられた充電量を示す残存容量計Baを接続する。なお、この残存容量計Baは、例えば、周知のモニターセルや電力量計または電流計などを用いることができる。
【0057】
このような構成にすることで、上述同様に、エンジンEの駆動停止により、コントローラCが吸引部72を駆動させ、吸引部72により吸引された冷却風が、搬送部73を介して送風部74から気化器65に噴風するが、このとき、車載バッテリーBの残存容量計Baは、その測定値を逐次コントローラCに伝達しており、コントローラCは、気化器65の冷却中に、バッテリーBの残量が残り少なくなった場合に、吸引部72の駆動を停止させる。
【0058】
これにより、車載バッテリーB上がりを防止することができるとともに、冷却装置71の一時的な駆動により、気化器65の所定温度までの冷却時間を、通常に比べて短縮させることができる。
【0059】
なお、上述した他に、コントローラCには、エンジンEおよび吸引部72の接続に加えて、図16(a)で説明した気化器65内に設置した温度検出器77および図16(b)で説明した車載バッテリーBの残存容量計Baを同時に接続させてもよく、上記効果を相乗して得ることができる。
【0060】
次に、本願発明における気化器の冷却装置の吸引部は、田植機1の既存装置を利用することもできる。図17は施肥機の送風機を吸引部として冷却装置を設置した田植機の側面図である。
【0061】
この場合、上述したように、施肥機36は、肥料ホッパ38と、肥料繰出ケース39と、搬送ホース41を介して肥料を排出させるターボブロワー型の送風機42と、エアタンク43とを備えるが、例えば、図17に示すように、送風機42を気化器65の冷却装置71における吸引部72´として、搬送部73の一端部を接続する。
【0062】
なお、送風機42は、車載バッテリーBに接続させることにより、車載バッテリーBの電力により駆動するものとし、上述同様にコントローラCに送風機42が接続される。
【0063】
そして、搬送部73は、上述同様にその中途部を車両前方に向け車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に図示しない支持具などで取付け、先端部をエンジンルーム2内に導入されるとともに、その先端には送風部74が設けられ、この送風部74は、エンジンE上部の気化器65に向けて、この気化器65近傍にステー76などで支持させる。
【0064】
このような構成にすることで、作業時(エンジンE駆動中)には、吸引部72´(送風機42)は施肥機36として肥料を噴出させ、エンジンE停止時には、上述のようにコントローラC制御などにより、所定時間あるいは気化器65が所定温度になるまで、気化器65に冷却風を送る吸引部72´とすることができる。
【0065】
従って、気化器65の冷却装置71として、別途吸引ファンなど吸引部の設置および設置スペースを設ける必要がなく、施肥機36に用いる送風機42に取り込んだ風を冷却風として、エンジンEの停止時に、搬送部73を介して送風部74から気化器65に風噴させることができ、上述同様に気化器65冷却の効果を得ることができる。
【0066】
さらに、この場合、送風機42が、エンジンEからさらに離れた位置に設置されているため、より外気温に近い空気を冷却風として気化器65に噴風できるため、より気化器65の冷却効率を向上させることができる。
【0067】
なお、この場合、上述同様に、送風機42は、コントローラCに接続してコントローラC制御(車載バッテリーBの残存容量計Baおよび/または気化器65の温度検出器77もコントローラに接続してもよい)にしてもよいが、または、送風機42のスイッチを運転席13近傍などに設けて作業者による手動で気化器65を冷却させてもよい。
【0068】
次に、気化器65の冷却装置71を、運転席13に着座する作業者用の冷風機に兼用させることもできる。図18は、気化器の冷却装置に冷風機を分岐設置させた田植機の斜視図である。
【0069】
この場合、例えば図18に示すように、車体カバー11後部の凸設部11a外側底面に設置した吸引部72から、上述したように搬送部73の一端が接続され、中途部が車両前方に向け車体カバー11前部底面に沿って略水平方向に延設されるとともに、この搬送部73の中途部には、上方の運転席13に向けて搬送部78の下端が接続される。
【0070】
なお、搬送部78は、その一端部を、吸引部72に搬送部73とは別に直接接続させてもよい。
【0071】
また、搬送部78は、上端部に送風部79を開口するとともに、この送風部79が運転席13側方位置に達する程度の長さを有する。このように、冷風機80は、搬送部78および送風部79から構成される。
【0072】
そして、搬送部78は、搬送部73に例示したホース(樹脂製や金属製など限定しない)の他、配管など限定しない部材を用いることができるが、上端部に近い中途部や、上端部は長さおよび向き(角度)を可変自在にするため、蛇腹構造などのフレキシブル部材で構成することが好ましい。
【0073】
さらに、この場合の吸引部72は、上述したが、エンジンEの駆動中であっても前記車載バッテリーの電力により常時駆動させておく。
【0074】
このような構成にすることで、気化器65を、クリーナルーム61を通過した冷却風に加えて、本冷却装置71による冷却風によって冷却させるとともに、吸引部72から吸引した外気の一部は、搬送部78を介して送風部79から運転席13に着座する作業者に冷却風として送風されるため、作業者は快適な環境で作業することができる。
【0075】
そして、作業を終了し、エンジンEを停止した際には、上述したようにコントローラC制御などにより所定時間あるいは気化器65が所定温度になるまで吸引部72を駆動させて冷却装置71を稼動する。
【0076】
なお、冷却装置80の吸引ファンは、上述した吸引部72に限定されず、施肥機36の送風機42である吸引部72´としてもよい。
【0077】
以上詳述したように、この例の田植機(移動車両)1は、車体にエンジンルーム2を配設し、エンジンルーム2内には、エンジンEを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器65を備え、エンジンEの停止時に、気化器65を冷却する冷却装置71を設けたものである。
【産業上の利用可能性】
【0078】
なお、この発明は、気化器を有するエンジンを備えた、あらゆる移動車両に適用することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 田植機(移動車両)
2 エンジンルーム
3 車体フレーム
11 車体カバー
11a 凸設部
13 運転席
36 施肥機
42 送風機
65 気化器
67 吸気マニホールド
71 冷却装置
72,72´ 吸引部
73,78 搬送部
74,79 送風部
75 ファンカバー
77 温度検出器
80 冷風機
B 車載バッテリー
Ba 残存容量計
C コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体にエンジンルームを配設し、
前記エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、
前記エンジンの停止時に、前記気化器を冷却する冷却装置を設けたことを特徴とする移動車両。
【請求項2】
前記冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した前記外気を搬送する搬送部と、前記外気を前記気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記エンジンの停止に伴い、所定時間または前記気化器が所定温度に低下するまで駆動させることを特徴とする、請求項1〜2に記載の移動車両。
【請求項4】
前記吸引部は、前記車体を構成する車体カバーの後部であって、前記車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したことを特徴とする、請求項1〜3に記載の移動車両。
【請求項5】
前記冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したことを特徴とする、請求項1〜4に記載の移動車両。
【請求項1】
車体にエンジンルームを配設し、
前記エンジンルーム内には、エンジンを構成する部品であって、燃料および空気を混合させて混合気にする気化器を備える移動車両において、
前記エンジンの停止時に、前記気化器を冷却する冷却装置を設けたことを特徴とする移動車両。
【請求項2】
前記冷却装置は、外気を吸引する吸引部と、吸引した前記外気を搬送する搬送部と、前記外気を前記気化器またはその周辺に冷却風として送風する送風部とからなることを特徴とする、請求項1に記載の移動車両。
【請求項3】
前記冷却装置は、前記エンジンの停止に伴い、所定時間または前記気化器が所定温度に低下するまで駆動させることを特徴とする、請求項1〜2に記載の移動車両。
【請求項4】
前記吸引部は、前記車体を構成する車体カバーの後部であって、前記車体カバーを上方に凸設させた凸設部の下方に設置したことを特徴とする、請求項1〜3に記載の移動車両。
【請求項5】
前記冷却装置には、作業者に冷風を送風する冷風機を接続したことを特徴とする、請求項1〜4に記載の移動車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図4】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−87674(P2013−87674A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227992(P2011−227992)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
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