移動通信システム、基地局装置、無線パラメータの調整方法、情報送信方法、及びプログラム
【課題】ホームセルの無線パラメータ調整に利用されるマクロセル情報をマクロ基地局から無線送信する際に、マクロ基地局又は上位ネットワークの主導によるマクロセル情報の更新を容易にし、大きな遅延を生じることなく複数のホーム基地局が更新後のマクロセル情報を利用できるようにする。
【解決手段】マクロ基地局6は、マクロセル12に関する同一のセル情報を含むダウンリンク信号を、複数回送信可能である。ホーム基地局1は、同一のセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、受信したダウンリンク信号に含まれるマクロセル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【解決手段】マクロ基地局6は、マクロセル12に関する同一のセル情報を含むダウンリンク信号を、複数回送信可能である。ホーム基地局1は、同一のセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、受信したダウンリンク信号に含まれるマクロセル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーム基地局を含む移動通信システムに関し、特に、ホーム基地局が形成するセルのコンフィグレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP (Third Generation Partnership Project)等の標準化機関では、利用者宅内、オフィス内などに設置可能な小型基地局の標準化が進められている。この小型基地局は、ユーザによって宅内や小規模オフィス等に設置され、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバ回線等の固定回線であるアクセス回線を通じてコアネットワークに接続される。このような小型基地局は、一般的に、フェムト基地局、フェムトセル基地局、又はホーム基地局と呼ばれている。また、小型基地局が形成するセルは、従来のマクロセルに比べて極めて小さい。このため、小型基地局が形成するセルは、フェムトセル又はホームセル等と呼ばれている。なお、セルとは、基地局のカバレッジエリアを意味する。
【0003】
3GPPは、このような小型基地局を Home Node B(HNB)及び Home evolved Node B(HeNB)と定義して標準化作業を進めている。HNBはUTRAN (UMTS (Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)向けの小型基地局であり、HeNBはLTE(Long Term Evolution)/ E-UTRAN (Evolved UTRAN) 向けの小型基地局である。本明細書では、上述したような小型基地局を「ホーム基地局」と呼び、ホーム基地局によって形成されるセルを「ホームセル」と呼ぶ。なお、3GPPで検討されているUTRAN、E-UTRAN向けのホーム基地局を指す場合には、3GPPでの呼称にならって、HNB若しくはHeNB、又はこれらを総称してH(e)NBと呼ぶ。また、H(e)NBによって形成されるホームセルを、「H(e)NBセル」と呼ぶ。
【0004】
3GPP Release 8では、H(e)NBは、ユーザによって管理される基地局として標準化されている(非特許文献1を参照)。しかしながら、ユーザが、H(e)NB及びH(e)NBセルのコンフィグレーション(無線周波数、スクランブリングコード/フィジカルセルID、ダウンリンク送信電力等)を適切に設定することは難しい。このため、H(e)NBセルのコンフィグレーションが適切に行われていないことに起因して、M(e)NBセルとH(e)NBセルとの干渉問題が発生することが懸念されている。ここで、M(e)NBセルとは、M(e)NB(マクロNodeB又はマクロeNodeB)が生成するマクロセルである。3GPP Release 8では、H(e)NBは、M(e)NBのパフォーマンスに重大な悪影響を与えないようにすることが要求されている。
【0005】
H(e)NBセルとM(e)NBセルとの干渉を抑制するため、H(e)NBは、無線パラメータを自律的に設定する機能(セルフコンフィグレーション、オートコンフィグレーション等と呼ばれる)を持つことが検討されている。ここで、無線パラメータとは、無線通信の特性を規定するパラメータであって、具体的には、無線周波数帯域、スクランブリングコード、パイロット信号(CPICH:Common Pilot Channel)の送信電力、リファレンス信号の送信電力、移動局によるアップリンク送信電力の最大値等である。また、自律的なセルフコンフィグレーションを行うために、H(e)NBが周辺のマクロセルからのダウンリンク信号を受信する機能(Network Listen Mode、Radio Environment Measurement等と呼ばれる)を持つことも検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TR 25.820 v8.2.0 (2008-09)、"3G Home Node B (HNB) study item Technical Report"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の発明者は、M(e)NBによる自律的なセルコンフィグレーションについて詳細に検討を行った。M(e)NBセルに接続する移動局がH(e)NBセルからの干渉に耐え得るか否かは、M(e)NBセルの負荷状況によって変動する。M(e)NBセルの負荷が大きい場合とは、M(e)NBセルに多くの移動局が接続している場合や、近傍の他のセルや他の無線システムからの妨害波のレベルが大きい場合などである。これらの場合には、M(e)NBセルに接続する移動局は、既に大きな干渉に曝されている状態や干渉耐力の弱い状態にある。このため、H(e)NBセルからの追加的な干渉によって、M(e)NBセルに接続する移動局の通信品質が低下するおそれがある。
【0008】
以上の考察に基づいて、本願の発明者は、M(e)NBセルに関する情報(マクロセル情報)をM(e)NBから無線送信し、H(e)NBがM(e)NBから受信したマクロセル情報に基づいてH(e)NBセルに関する無線パラメータを調整する方法を考案した。マクロセル情報は、例えば、M(e)NBセルで使用されている無線リソースの情報、M(e)NBセルの負荷状況などを含むとよい。マクロセル情報に基づいてH(e)NBセルに関する無線パラメータを調整することで、H(e)NBセルからM(e)NBセルに及ぶ干渉を効果的に抑制することができると考えられる。
【0009】
M(e)NBがマクロセル情報を送信する場合、報知チャネル(LTE の場合PBCH(Physical broadcast channel))やダウンリンク共有チャネル(LTE の場合PDSCH(Physical downlink shared channel))を用いて定期的に送信することが考えられる。H(e)NBは、M(e)NBから定期的に送信されるマクロセル情報を取得して、自身のセルの無線パラメータを調整すればよい。
【0010】
しかしながら、この調整方法では、H(e)NBは、H(e)NBに接続する移動局との通信状況に応じてマクロセル情報の受信タイミングを決定する。つまり、H(e)NBによるマクロセル情報の受信は、H(e)NBの都合のよいときに行われる。したがって、M(e)NBがマクロセル情報の内容を更新すると、更新後のマクロセル情報を受信したか否かによって設定内容の異なるH(e)NBがフィールドに存在することになる。このため、M(e)NB又は上位ネットワークの主導によってM(e)NB又は上位ネットワークにとって都合のよいタイミングに、マクロセル情報の更新を行うことが困難である。
【0011】
本発明は、発明者による上述の考察に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ホームセルの無線パラメータ調整に利用されるマクロセル情報をマクロ基地局(3GPPではM(e)NB)から無線送信する際に、マクロ基地局又は上位ネットワークの主導によるマクロセル情報の更新を容易にし、大きな遅延を生じることなく複数のホーム基地局が更新後のマクロセル情報を利用することに寄与可能な、移動通信ステム、基地局装置、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様にかかる移動通信システムは、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能である第1の基地局、及び第2のセルを形成して移動局との間で通信可能である第2の基地局を含む。前記第1の基地局は、前記第1の基地局は、前記第1のセルに関する同一のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回送信可能である。前記第2の基地局は、前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【0013】
本発明の第2の態様は、自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局装置に関する。当該基地局装置は、無線送受信部および制御部を含む。前記制御部は、周辺セルを形成する周辺基地局から送信される第1の無線信号を受信するよう前記無線送受信部を制御する。前記周辺基地局からの第1の無線信号の送信は、同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回繰り返して送信するように行われる。前記制御部は、前記第1の無線信号に含まれる前記周辺セルに関するセル情報に基づいて、前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する。ここで、前記制御部は、前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記無線送受信部により受信された前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【0014】
本発明の第3の態様は、無線送受信部を有する基地局装置に関する。前記無線送受信部は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能であるとともに、前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を送信できるよう構成されている。ここで、前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される。また、前記第1の無線信号は、複数回を1単位として繰り返し送信され、前記1単位の送信期間中は同一内容のセル情報を含む。さらに、前記セル情報は、同一内容での前記1単位の送信後に内容の更新が可能とされる。
【0015】
本発明の第4の態様は、基地局における無線パラメータの調整方法に関する。当該方法は、以下の(a)〜(c)を含む。
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局による情報送信方法に関する。当該方法は、以下の(a)〜(b)を含む。
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと。
【0017】
本発明の第6の態様は、自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。前記制御は、以下の(a)〜(c)を含む。
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記基地局が備える無線通信部を制御すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムである。前記制御は、以下の(a)〜(b)を含む。
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ホームセルの無線パラメータ調整に利用されるマクロセル情報をマクロ基地局(3GPPではM(e)NB)から無線送信する際に、マクロ基地局又は上位ネットワークの主導によるマクロセル情報の更新を容易にし、大きな遅延を生じることなく複数のホーム基地局が更新後のマクロセル情報を利用することに寄与可能な、移動通信ステム、基地局装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局の無線パラメータ調整手順の具体例を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるマクロ基地局の構成例を示すブロック図である。
【図4】発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるマクロ基地局によるマクロセル情報の送信手順の具体例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。
【図7】LTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造を示す図である。
【図8】MBSFNサブフレーム構造の具体例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるホーム基地局の無線パラメータ調整手順の具体例を示すシーケンス図である。
【図11】LTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造を示す図である。
【図12】発明の第3の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるホーム基地局による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。
【図14】MBSFNサブフレーム構造の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図1は、本実施の形態にかかる移動通信システムがEPS(Evolved Packet System)である場合について示している。なお、図1では、説明の簡略化のためにホーム基地局(HeNB)1を1つのみ図示しているが、複数のホーム基地局がマクロセル12内に配置される形態が一般的である。また、ホームセル11に接続する移動局7及びマクロセル12に接続する移動局8も複数台存在する形態が一般的である。以下では、ホームセル11に接続する移動局7を"HUE(Home UE)"と呼び、マクロセル12に接続する移動局8を"MUE(Macro UE)"と呼ぶ。
【0023】
HeNB1は、ホームセル11を形成し、HUE7との間で双方向の無線通信を行う。HeNB1は、上位ネットワーク15にIP(Internet Protocol)ネットワーク等のアクセス回線を介して接続されており、HUE7と上位ネットワーク15との間でトラフィックを中継する。図1の例では、上位ネットワーク15は、ネットワークオペレータ(移動体通信事業者)のコアネットワーク150及びHeNB-GW151を含む。HNB-GW151は、コアネットワーク150とHeNB1の間に配置され、これらの間でユーザデータ及び制御データを中継する。
【0024】
MeNB6は、ホームセル11に比べてセルサイズの大きいマクロセル12を形成し、MUE8との間で双方向の無線通信を行う。MeNB6は、上位ネットワーク15に接続されており、MUE8と上位ネットワーク15との間でトラフィックを中継する。
【0025】
さらに、本実施の形態では、マクロセル12による無線リソースの使用状況、マクロセル12の負荷状況などに応じてホームセル11の無線パラメータを調整できるようにするため、MeNB6からマクロセル情報を無線送信する。HeNB1は、マクロセル情報を受信するとともに、マクロセル情報で示されるマクロセル12の状況に応じて、ホームセル11の無線パラメータを調整する。以下では、マクロセル情報を利用したホームセル11の無線パラメータ調整の詳細について説明する。
【0026】
MeNB6は、マクロセル情報を含むダウンリンク信号を定期的に送信する。このとき、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を含むダウンリンク信号を複数回繰り返して送信する。具体的には、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を含むダウンリンク信号を複数回を1単位として送信すればよい。例えば、5回単位での送信を行う場合、MeNB6は、定期的な送信タイミングが到来する度に同一内容のマクロセル情報を5回続けて送信する。つまり、マクロセル情報の内容更新を行う場合、MeNB6は、同一内容での5回目までの送信が完了した後の6回目の送信時にマクロセル情報を更新し、6〜10回目の送信では更新後のマクロセル情報を送信する。
【0027】
マクロセル情報は、マクロセル12で使用されている無線リソースの情報およびマクロセル12の負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含むとよい。例えば、マクロセル情報は、マクロセル12で使用されている無線周波数又はリソースブロックの情報を含むとよい。また、マクロセル12の負荷状況を通知するため、マクロセル情報は、MeNB6によるダウンリンク信号の送信電力に関する情報、MeNB6におけるアップリンク信号の受信品質に関する情報、及びMUE8におけるダウンリンク信号の受信品質に関する情報のうち少なくとも1つを含むとよい。LTE/E-UTRANの場合、アップリンク信号の受信品質としては、アップリンク・リファレンス信号の受信電力レベル又はSIR(Signal to Interference Ratio)を利用するとよい。ここで、アップリンク・リファレンス信号は、LTE/E-UTRANのMUE8から送信される復調リファレンス信号(DRS:Demodulation Reference Signal)又はサウンド・リファレンス信号(SRS:Sound Reference Signal)である。また、UTRANの場合、MeNB6におけるアップリンク総受信電力(RTWP:Received Total Wideband Power)をアップリンク信号の受信品質として利用するとよい。
【0028】
HeNB1は、ホームセル11の運用中に、MeNB6から送信されるマクロセル情報を含むダウンリンク信号を受信する。このとき、HeNB1は、HUE7に対するダウンリンク信号の送信を一時的に停止してもよい。ここで、HeNB1は、MeNB6から複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうち少なくとも1つを取得できるように、MeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行う。HeNB1は、マクロセル情報を取得した後、そのマクロセル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とすればよい。ここでマクロセル情報を有効とみなす所定期間は、MeNB6による同一内容のマクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間に基づいて決定すればよい。HeNB1は、有効なマクロセル情報を保持している間は、MeNB6から送信されるダウンリンク信号の受信動作を行わなければよい。所定時間の経過または所定時刻の到来によってマクロセル情報が有効でなくなった場合に、新たなマクロセル情報を取得するためにMeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。
【0029】
所定時間の計算は、例えば、以下の(1)式に従って行えばよい。
T = (N - n) * T_interval (1)
ここで、Tは所定時間である。T_intervalは、マクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の送信間隔である。Nは、同一内容のマクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の合計送信回数である。nは、HeNB1が受信したMeNBダウンリンク信号に含まれるマクロセル情報が何回目の送信回数であるかを示す送信順序番号である。送信順序番号は、マクロセル情報とともにMeNBダウンリンク信号に含まれてもよい。
【0030】
具体的には、HeNB1は、マクロセル情報が同一内容で繰り返し送信される回数(合計送信回数)又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルールにしたがって、MeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。例えば、LTE/E-UTRANの場合、HeNB1は、マクロセル情報を搬送する物理チャネルがマッピングされるリソースエレメントと、同一内容での送信回数又は送信期間を特定できればよい。ここで、リソースエレメントは、ODFM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を採用するLTE/E-UTRANのダウンリンク無線リソースの最小割り当て単位であり、周波数ドメインにおける1サブキャリア、時間ドメインにおける1OFDMシンボルによって規定される。リソースエレメントの定義については、3GPPの技術仕様 TS36.211 に記載されている。
【0031】
送信ルールは、HeNB1が有するメモリ(不図示)に予め格納してもよい。また、送信ルールの少なくとも一部は、MeNB6から無線送信してもよい。例えば、合計送信回数又は繰り返し送信期間を示す情報をマクロセル情報とともにMeNBダウンリンク信号に含めてもよい。また、送信ルールの少なくとも一部は、上位ネットワーク15に配置された装置(例えば、MME(Mobility Management Entity)、MCE(Multi-cell/multicast Coordination Entity)、管理サーバ等)からアクセス回線を経由してHeNB1に供給してもよい。
【0032】
HeNB1は、マクロセル情報を参照して、マクロセル12で使用されている無線リソース、マクロセル12の負荷状況を判定し、ホームセル11の無線パラメータを調整する。例えば、HeNB1は、マクロセル12で使用されている無線リソース(サブキャリア又はリソースブロック)を回避するようにホームセル11で使用する無線リソースを決定するとよい。また、HeNB1は、マクロセル12の負荷状況に応じて、ホームセル11からマクロセル12への干渉が基準レベル以下となるように、HeNB1のダウンリンク送信電力またはHUE7のアップリンク送信電力を調整するとよい。
【0033】
続いて以下では、図2のシーケンス図を参照して、ホームセル11運用中のHeNB1によって行われるホームセル11の無線パラメータ調整手順の具体例について説明する。ステップS101では、MeNB6がマクロセル情報を含むダウンリンク信号(以下、MeNBダウリンク信号)を送信する。ステップS102では、HeNB1が自身のダウンリンク信号(以下、HeNBダウンリンク信号)の送信を一時停止し、MeNBダウリンク信号を受信する。ステップS103では、HeNB1は、受信したMeNBダウンリンク信号からマクロセル情報を取得する。ステップS104では、HeNB1は、取得したマクロセル情報に基づいてホームセル11の無線パラメータを調整する。
【0034】
ステップS105では、ステップS101と同一内容のマクロセル情報が再送信される。ここで、期間をT_intervalは、マクロセル情報の送信周期である。例えば、マクロセル情報をLTE/E-UTRANの無線フレーム(10ms)毎に1回送信する場合であれば、期間T_intervalは10msである。ステップS106では、HeNB1は、マクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号が送信されるタイミングに合わせて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止する。なお、ここでは、ステップS102及びS103でのマクロセル情報の取得が成功していると仮定する。この場合、HeNB1は、ステップS106においてMeNBダウンリンク信号を受信する必要はない。同一内容のマクロセル情報を取得済みであってもMeNBマクロセル情報の送信を停止する理由は、周辺に配置された他のHeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信を妨げないためである。
【0035】
ステップS107及びS108は、上述のステップS105及びS106と同様である。なお、図2には示していないが、同一内容のマクロセル情報の送信期間が終了した後に、HeNB1はステップS102の動作を再び実行する。
【0036】
以上に述べたように、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を繰り返し送信する。HeNB1は、複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうち少なくとも1つを取得できるように、MeNBダウンリンク信号の受信動作を行う。また、HeNB1は、マクロセル情報を取得した後、そのマクロセル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。これにより、HeNB1は、同一内容のマクロセル情報が送信される回数または期間を考慮し、前にマクロセル情報を取得してからの経過時間に応じて新たな情報の取得を行うべきタイミングを決定できる。また、MeNB6は、同一内容でのマクロセル情報の複数回の送信が完了したことを条件に、マクロセル情報の送信内容を変更できる。つまり、MeNB6又は上位ネットワーク15の主導によるマクロセル情報の更新を容易に行うことができる。また、同一内容で送信されるマクロセル情報の少なくとも1つをHeNB1が受信することで、HeNB1は、更新後のマクロセル情報を大きな遅延なく利用することができる。
【0037】
なお、上述の説明では、MeNB6がマクロセル情報を生成する例を示した。しかしながら、マクロセル情報の生成機能の配置は適宜変更可能である。例えば、上位ネットワーク15にて生成したマクロセル情報をMeNB6に供給してもよい。例えば、EPS/E-UTRANアーキテクチャでは、MeNBが論理チャネルを終端し、MeNBがマクロセルの無線リソース管理を行う。このため、マクロセル情報の生成機能もMeNBに配置するとよい。一方、UMTS/UTRANアーキテクチャでは、RNC(Radio Network Controller)が、マクロセルの無線リソース管理を行う。このため、UMTS/UTRANアーキテクチャでは、RNCがマクロセル情報を生成し、マクロ基地局(MNB)にマクロセル情報を供給するとよい。
【0038】
次に、本実施の形態のMeNB6及びHeNB1の構成例について説明する。図3は、MeNB6の構成例を示すブロック図である。図3において、無線通信部601は、送信データ処理部602から供給される送信シンボル列に対して、レイヤマッピング(MIMO(Multiple Input/ Multiple Output)を行う場合)、プリコーディング(MIMOを行う場合)、リソースエレメントへのマッピング、OFDM信号生成(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)、周波数変換、信号増幅等の各処理を行ってMeNBダウンリンク信号を生成する。生成されたMeNBダウンリンク信号はアンテナから無線送信される。また、無線通信部601は、MUE8から送信されるアップリンク信号を受信し、受信シンボル列を復元する。
【0039】
送信データ処理部602は、MUE8に向けて送信されるユーザデータを通信部604から取得し、HeNB1に向けて送信される制御データ(マクロセル情報を含む)をマクロセル情報制御部605から取得する。送信データ処理部602は、これらの送信データに対する誤り訂正符号化、レートマッチング、インタリービング等を行なってトランスポートチャネルを生成する。さらに、送信データ処理部602は、トランスポートチャネルのデータ系列に対するスクランブル、変調シンボルマッピングを行って物理チャネル(PBCH(Physical Broadcast Channel)、PMCH(Physical Multicast Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)等)毎の送信シンボル列を生成する。
【0040】
受信データ処理部603は、無線通信部601から供給される受信シンボル列から論理チャネル毎の受信データを復元する。得られた受信データに含まれるユーザトラフィックデータと一部の制御データは、通信部604を経由してコアネットワーク150に転送される。
【0041】
マクロセル情報制御部605は、マクロセル情報を生成し、送信データ処理部102に送る。なお、マクロセル情報は、上位ネットワークからマクロセル情報制御部605に供給されてもよい。マクロセル情報制御部605は、マクロセル情報の同一内容での繰り返し送信、マクロセル情報の更新を管理する。
【0042】
図4は、HeNB1の構成例を示すブロック図である。無線通信部101は、上述した無線通信部601と同様の機能を有する。加えて、無線通信部101は、MeNB6を含む周辺基地局からのダウンリンク信号を受信する機能(Network Listen Mode)を有する。なお、無線通信部101の具体的な構成では、HUE7からのアップリンク信号の受信と周辺基地局からのダウンリンク信号の受信に1つの無線レシーバを兼用してもよい。また、無線通信部101は、HUE7からのアップリンク信号の受信用レシーバと、周辺基地局からのダウンリンク信号の受信用レシーバの2つを有してもよい。
【0043】
送信データ処理部102、受信データ処理部103、通信部104は、上述した送信データ処理部602、受信データ処理部603、通信部604と同様の機能を有する。加えて、受信データ処理部103は、MeNB6からのMeNBダウリンク信号の受信データ列からマクロセル情報を取得した場合に、これをコンフィグレーション制御部105に送る。
【0044】
コンフィグレーション制御部105は、無線通信部101、送信データ処理部102、及び受信データ処理部103を制御することで、HeNBダウンリンク信号送信の一時停止およびMeNBダウンリンク信号の受信を行う。コンフィグレーション制御部105は、受信データ処理部103によって取得されたマクロセル情報に従って、ホームセル11の無線パラメータを調整する。
【0045】
続いて以下では、MeNB6及びHeNB1の動作をフローチャートに従って説明する。図5は、MeNB6によるマクロセル情報の送信動作の具体例を示すフローチャートである。ステップS201では、マクロセル情報制御部605がマクロセル情報を生成する。ステップS202では、マクロセル情報の送信回数を計数するためのカウンタCの値をゼロにリセットする。ステップS203では、カウンタCの値が最大送信回数C_max未満であるかを判定する。カウンタCの値がC_max未満である場合(ステップS203でYES)、制御部605は、マクロセル情報を送信データ処理部602に供給する。送信データ処理部602及び無線通信部601は、マクロセル情報を含むダウンリンク信号を送信する。ステップS205では、カウンタCの値を1だけ増加し、ステップS203に戻る。カウンタCの値がC_maxに到達した場合(ステップS203でNO)、新たな(更新された)マクロセル情報を生成するためステップS201に戻る。
【0046】
図5の例では、同一内容のマクロセル情報を繰り返し送信するために、最大送信回数C_maxを用いている。しかしながら、同一内容のマクロセル情報を送信すべき期間T_maxを指定してもよい。T_maxは、時間単位で指定してもよいし、10msの無線フレーム単位で指定してもよい。
【0047】
図6は、HeNB1による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。ステップS301では、HeNB1は、マクロセル情報の送信タイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止し、MeNBダウンリンク信号の受信を行う。ステップS302では、コンフィグレーション制御部105は、マクロセル情報の取得に成功したかを判定する。マクロセル情報を取得できなかった場合(ステップS302でNO)、HeNB1は、ステップS301に戻って次に送信されるマクロセル情報の受信を試みる。
【0048】
一方、マクロセル情報の取得に成功した場合(ステップS302でYES)、コンフィグレーション制御部105は、ホームセル11の無線パラメータ調整を行う(ステップS303)。その後、繰り返し送信が満了するまでの間、HeNB1は、マクロセル情報の送信タイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止する(ステップS304及びS305)。なお、取得できたマクロセル情報と同一内容のセル情報をさらに受信する必要はないため、HeNB1は、MeNBダウンリンク信号の受信動作を行う必要はない。
【0049】
図6のステップS303において、繰り返し送信の満了を判定するためには、MeNB6における同一内容マクロセル情報の最大送信回数C_max又は送信期間期間T_maxを用いればよい。これらの情報は、HeNB1に予め設定してもよいし、上位ネットワーク15からHeNB1に供給してもよい。
【0050】
このように、図6の動作フローによれば、HeNB1は、同一内容のマクロセル情報の先頭から取得を試みる。そして、マクロセル情報の取得に成功した場合には、HeNB1は、後続の同一内容のマクロセル情報の送信タイミングにおいて、自身のHeNBダウンリンク信号の送信停止のみ行い、MeNBダウンリンク信号の受信を行わない。
【0051】
図7(A)〜(C)は、本実施の形態におけるLTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造(type1)の具体例を示す図である。1無線フレームは、時間方向に10個のサブフレーム#0〜#9を含む。1つの無線フレームの長さは10msであり、1つのサブフレームの長さは1msである。図7(A)は、MeNB6から送信されるダウンリンク信号を示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは送信に使用されるサブフレームを示している。また、黒く塗りつぶされたサブフレームは、マクロセル情報が送信されるサブフレームを表している。図7(A)の例では、マクロセル情報を含むダウンリンク信号は、各無線フレームの5番目のサブフレーム500〜503にマッピングされる。また、繰り返し送信回数は「3」であり、サブフレーム500〜502で送信されるマクロセル情報は同一内容とする。
【0052】
図7(B)は、HeNB1から送信されるダウンリンク信号を示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは送信に使用されるサブフレームを示している。一方、白抜きのサブフレームは、送信に使用されないサブフレームを示している。HeNB1は、マクロセル情報が送信されるサブフレーム500〜503に対応するサブフレーム510〜513において、HeNBダウンリンク信号の送信を停止する。なお、HeNB1は、サブフレーム510〜513において、低送信電力での送信を行ってもよい。
【0053】
図7(C)は、HeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信動作の実行タイミングを示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは、HeNB1がMeNBダウンリンク信号の受信動作を行うサブフレームを示している。HeNB1は、マクロセル情報が送信されるサブフレーム500に対応するサブフレーム520おいてMeNBダウンリンク信号の受信動作を行う。この受信動作によってマクロセル情報の取得に成功した場合、同一内容のマクロセル情報が送信されるサブフレーム501及び502に対応するサブフレーム521及び522では、HeNB1は受信動作を行わない。繰り返し送信が終了した後のサブフレーム503に対応するサブフレーム523では、HeNB1はMeNBダウンリンク信号の受信動作を再び実行する。
【0054】
本実施の形態の最後に、LTE/E-UTRANにおいてマクロセル情報の送信に使用可能な物理チャネルの具体例について説明する。LTE/E-UTRANは、複数のUEに対してブロードキャスト情報を送信するために使用されるMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)サブフレームを規定している。また、3GPPのLTE-AdvancedのStudy Itemでは、中継局(以下RN:Relay node)の導入が検討されている。RNは、セル端にいる移動局の通信速度の高速化や、eNBのセル範囲拡大等を目的とした技術の1つである。eNBからRNへのデータ送信のためにMBSFNサブフレームを使用することが検討されている。RNは、セル端にいる移動局(以下UE:User Equipment)の通信速度の高速化や、基地局(以下eNB:Evolved Node B)のセル範囲拡大等を目的とした技術の1つである。具体的には、eNBからRNに制御データを送信するための新たなダウンリンク制御チャネル(R-PDCCHと呼ぶ)やRNに中継データを送信するための新たなダウンリンク共有チャネル(R-PDSCHと呼ぶ)をMBSFNサブフレームにマッピングすることが検討されている。
【0055】
マクロセル情報の送信に上述のMBSFNサブフレームを利用してもよい。具体的には、MeNB6からHeNB1にデータ(マクロセル情報を含む)を送信するための物理チャネルを新たに定義し、これをMBSFNサブフレームにマッピングしてもよい。図8は、拡張されたMBSFNサブフレーム800のフォーマットの具体例を示す図である。MBSFNサブフレーム800にマッピングされたPDCCH及びPDSCHは、通常のMUE8向けの物理チャネルである。R-PDCCH及びR-PDSCHは、上述したように、RN向けの物理チャネルである。H-PDCCH及びH-PDSCHは、HeNB1向けのダウンリンク制御チャネル及びダウンリンク共有チャネルである。マクロセル情報は、H-PDSCHを用いて送信すればよい。H-PDCCHとH-PDSCHのマッピング方法は図8に示す限りではない。
【0056】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態の変形について説明する。第1の実施の形態では、取得に成功したのと同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNB1がHeNBダウンリンク信号の送信を停止する例を示した。これに対して、本実施の形態では、取得に成功したのと同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を行う例について説明する。これにより、ホームセル11のキャパシティの減少を抑制できる。
【0057】
図9は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。本実施の形態のネットワーク構成は、第1の実施の形態と同様とすればよい。
【0058】
図10は、本実施の形態のHeNB2によって行われるホームセル11の無線パラメータ調整手順を示すシーケンス図である。図10のステップS101〜S104は、図2に示したステップS101〜S104と同様である。ここでは、ステップS102及びS103でのマクロセル情報の取得が成功していると仮定する。
【0059】
ステップS105では、ステップS101と同一内容のマクロセル情報が再送信される。ステップS406では、HeNB2は、マクロセル情報の受信動作を行わない。さらに、ステップS406において、HeNB2は、マクロセル情報の送信に使用される無線リソース(リソースエレメント)を除く他の無線リソースを使用して、HUE7に対するHeNBダウンリンク信号(図10中のHUEデータ)を送信する。ステップS107及びS408は、上述のステップS105及びS406と同様である。
【0060】
図11(A)〜(C)は、本実施の形態におけるLTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造(type1)の具体例を示す図である。図11(B)では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミング(サブフレーム711及び712)において、マクロセル情報の送信と衝突しないリソースエレメントを用いてHeNBダウンリンク信号が送信される。この点は、上述した図7(B)と対照的である。
【0061】
上述した第1の実施の形態では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を停止する例を示した。この場合、ホームセル11のセルキャパシティが減少するおそれがある。マクロセル情報の送信に利用されているリソースエレメント及びその周辺のリソースエレメントをHeNB1から移動局へのダウンリンク送信に利用することができないためである。これに対して、本実施の形態では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいてHeNBダウンリンク信号の送信が継続される。このため、ホームセル11のキャパシティの減少を抑制できる。また、マクロセル情報の送信に使用されるリソースエレメント(すなわちサブキャリア)を使用しないため、周辺に配置された他のHeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信を妨げない。
【0062】
<第3の実施の形態>
図12は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。本実施の形態では、マクロセル情報に加えて、更新フラグをMeNB6から送信する例について説明する。更新フラグは、直前の1単位(複数回)の送信期間で送信されたマクロセル情報から内容が更新されたか否かを示す。更新フラグは、マクロセル情報と組み合わせて、かつマクロセル情報よりも前に送信するとよい。LTE/E-UTRANの場合、各サブフレームにおいてマクロセル情報が送信されるリソースエレメントよりも先に送信される何れかのリソースエレメントに更新フラグを含む物理チャネルをマッピングすればよい。
【0063】
図13は、本実施の形態にかかるHeNB3による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。図13中のステップS301〜S305における動作は、図6に示した同一符号の各ステップと同様である。ステップS501では、マクロセル情報より前に送信されている更新フラグをMeNBダウンリンク信号から取得し、更新フラグの内容を判定する。更新フラグがオン、すなわちマクロセル情報が直前の1単位の送信期間での送信内容から更新されている場合(ステップS501でYES)、HeNB3は、MeNBダウンリンク信号をさらに受信してデコードし、マクロセル情報を取得する(ステップS302)。一方、更新フラグがオフである場合(ステップS501でNO)、HeNB1は、マクロセル情報の取得(ステップS302)をスキップする。これにより、HeNB3は、更新されていないマクロセル情報を取得するための無駄なMeNBダウンリンク信号の受信を停止すること、又は無駄なMeNBダウンリンク信号のデコード処理を停止することができる。
【0064】
図14は、図8に示した拡張されたMBSFNサブフレーム800のフォーマットを改めて示している。例えば、マクロセル情報は、H-PDSCHを用いて送信するとよい。このとき、更新フラグは、H-PDSCH より先に送信されるH-PDCCHを用いて送信するとよい。
【0065】
なお、図13のフローチャートは、第1の実施の形態の変形として示したが、本実施の形態は第2の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0066】
<第4の実施の形態>
上述した第1〜第3の実施の形態では、HeNB1〜3が同一内容のマクロセル情報のうち先頭から取得を試みる例を示した。しかしながら、HeNB1〜3は、複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうちいずれか1つの取得を行えばよく、必ずしも先頭から取得を試みる必要はない。例えば、HeNB1〜3は、N回繰り返し送信される同一内容のマクロセル情報のうち、任意のM回目のマクロセル情報を取得すべくMeNBダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。ここで、Nは2以上の整数であり、Mは1以上N以下の整数である。
【0067】
<その他の実施の形態>
第1〜第4の実施の形態では、EPS/E-UTRANの場合について具体的に説明した。しかしながら、これらの実施の形態で説明した、マクロセル情報に基づくホームセルの無線パラメータの調整手法は、UMTS等の他の移動通信システムにも当然に適用可能である。
【0068】
上述した第1〜第4の実施の形態で述べた各装置(HeNB1〜3、MeNB6)で行われる処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)若しくはCPU(Central Processing Unit)又はこれらの組み合わせを含むコンピュータ・システムを用いて実現することができる。具体的には、シーケンス図又はフローチャートを用いて説明した各装置の処理手順に関する命令群を含むプログラムをコンピュータ・システムに実行させればよい。
【0069】
これらのプログラムは、コンピュータ・システムがアクセス可能な様々な種類の記憶媒体に格納することが可能である。また、このプログラムは、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
【0070】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
1、2、3 ホーム基地局(HeNB)
6 マクロ基地局(MeNB)
7 ホームセルに接続する移動局(HUE)
8 マクロセルに接続する移動局(MUE)
11 ホームセル
12 マクロセル
15 上位ネットワーク
101 無線通信部
105 コンフィグレーション制御部
150 コアネットワーク
151 HeNB-GW
601 無線通信部
605 マクロセル情報制御部
500〜503 サブフレーム
510〜513 サブフレーム
520〜523 サブフレーム
711〜712 サブフレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホーム基地局を含む移動通信システムに関し、特に、ホーム基地局が形成するセルのコンフィグレーションに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP (Third Generation Partnership Project)等の標準化機関では、利用者宅内、オフィス内などに設置可能な小型基地局の標準化が進められている。この小型基地局は、ユーザによって宅内や小規模オフィス等に設置され、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)や光ファイバ回線等の固定回線であるアクセス回線を通じてコアネットワークに接続される。このような小型基地局は、一般的に、フェムト基地局、フェムトセル基地局、又はホーム基地局と呼ばれている。また、小型基地局が形成するセルは、従来のマクロセルに比べて極めて小さい。このため、小型基地局が形成するセルは、フェムトセル又はホームセル等と呼ばれている。なお、セルとは、基地局のカバレッジエリアを意味する。
【0003】
3GPPは、このような小型基地局を Home Node B(HNB)及び Home evolved Node B(HeNB)と定義して標準化作業を進めている。HNBはUTRAN (UMTS (Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access Network)向けの小型基地局であり、HeNBはLTE(Long Term Evolution)/ E-UTRAN (Evolved UTRAN) 向けの小型基地局である。本明細書では、上述したような小型基地局を「ホーム基地局」と呼び、ホーム基地局によって形成されるセルを「ホームセル」と呼ぶ。なお、3GPPで検討されているUTRAN、E-UTRAN向けのホーム基地局を指す場合には、3GPPでの呼称にならって、HNB若しくはHeNB、又はこれらを総称してH(e)NBと呼ぶ。また、H(e)NBによって形成されるホームセルを、「H(e)NBセル」と呼ぶ。
【0004】
3GPP Release 8では、H(e)NBは、ユーザによって管理される基地局として標準化されている(非特許文献1を参照)。しかしながら、ユーザが、H(e)NB及びH(e)NBセルのコンフィグレーション(無線周波数、スクランブリングコード/フィジカルセルID、ダウンリンク送信電力等)を適切に設定することは難しい。このため、H(e)NBセルのコンフィグレーションが適切に行われていないことに起因して、M(e)NBセルとH(e)NBセルとの干渉問題が発生することが懸念されている。ここで、M(e)NBセルとは、M(e)NB(マクロNodeB又はマクロeNodeB)が生成するマクロセルである。3GPP Release 8では、H(e)NBは、M(e)NBのパフォーマンスに重大な悪影響を与えないようにすることが要求されている。
【0005】
H(e)NBセルとM(e)NBセルとの干渉を抑制するため、H(e)NBは、無線パラメータを自律的に設定する機能(セルフコンフィグレーション、オートコンフィグレーション等と呼ばれる)を持つことが検討されている。ここで、無線パラメータとは、無線通信の特性を規定するパラメータであって、具体的には、無線周波数帯域、スクランブリングコード、パイロット信号(CPICH:Common Pilot Channel)の送信電力、リファレンス信号の送信電力、移動局によるアップリンク送信電力の最大値等である。また、自律的なセルフコンフィグレーションを行うために、H(e)NBが周辺のマクロセルからのダウンリンク信号を受信する機能(Network Listen Mode、Radio Environment Measurement等と呼ばれる)を持つことも検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TR 25.820 v8.2.0 (2008-09)、"3G Home Node B (HNB) study item Technical Report"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の発明者は、M(e)NBによる自律的なセルコンフィグレーションについて詳細に検討を行った。M(e)NBセルに接続する移動局がH(e)NBセルからの干渉に耐え得るか否かは、M(e)NBセルの負荷状況によって変動する。M(e)NBセルの負荷が大きい場合とは、M(e)NBセルに多くの移動局が接続している場合や、近傍の他のセルや他の無線システムからの妨害波のレベルが大きい場合などである。これらの場合には、M(e)NBセルに接続する移動局は、既に大きな干渉に曝されている状態や干渉耐力の弱い状態にある。このため、H(e)NBセルからの追加的な干渉によって、M(e)NBセルに接続する移動局の通信品質が低下するおそれがある。
【0008】
以上の考察に基づいて、本願の発明者は、M(e)NBセルに関する情報(マクロセル情報)をM(e)NBから無線送信し、H(e)NBがM(e)NBから受信したマクロセル情報に基づいてH(e)NBセルに関する無線パラメータを調整する方法を考案した。マクロセル情報は、例えば、M(e)NBセルで使用されている無線リソースの情報、M(e)NBセルの負荷状況などを含むとよい。マクロセル情報に基づいてH(e)NBセルに関する無線パラメータを調整することで、H(e)NBセルからM(e)NBセルに及ぶ干渉を効果的に抑制することができると考えられる。
【0009】
M(e)NBがマクロセル情報を送信する場合、報知チャネル(LTE の場合PBCH(Physical broadcast channel))やダウンリンク共有チャネル(LTE の場合PDSCH(Physical downlink shared channel))を用いて定期的に送信することが考えられる。H(e)NBは、M(e)NBから定期的に送信されるマクロセル情報を取得して、自身のセルの無線パラメータを調整すればよい。
【0010】
しかしながら、この調整方法では、H(e)NBは、H(e)NBに接続する移動局との通信状況に応じてマクロセル情報の受信タイミングを決定する。つまり、H(e)NBによるマクロセル情報の受信は、H(e)NBの都合のよいときに行われる。したがって、M(e)NBがマクロセル情報の内容を更新すると、更新後のマクロセル情報を受信したか否かによって設定内容の異なるH(e)NBがフィールドに存在することになる。このため、M(e)NB又は上位ネットワークの主導によってM(e)NB又は上位ネットワークにとって都合のよいタイミングに、マクロセル情報の更新を行うことが困難である。
【0011】
本発明は、発明者による上述の考察に基づいてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、ホームセルの無線パラメータ調整に利用されるマクロセル情報をマクロ基地局(3GPPではM(e)NB)から無線送信する際に、マクロ基地局又は上位ネットワークの主導によるマクロセル情報の更新を容易にし、大きな遅延を生じることなく複数のホーム基地局が更新後のマクロセル情報を利用することに寄与可能な、移動通信ステム、基地局装置、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様にかかる移動通信システムは、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能である第1の基地局、及び第2のセルを形成して移動局との間で通信可能である第2の基地局を含む。前記第1の基地局は、前記第1の基地局は、前記第1のセルに関する同一のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回送信可能である。前記第2の基地局は、前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【0013】
本発明の第2の態様は、自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局装置に関する。当該基地局装置は、無線送受信部および制御部を含む。前記制御部は、周辺セルを形成する周辺基地局から送信される第1の無線信号を受信するよう前記無線送受信部を制御する。前記周辺基地局からの第1の無線信号の送信は、同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回繰り返して送信するように行われる。前記制御部は、前記第1の無線信号に含まれる前記周辺セルに関するセル情報に基づいて、前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する。ここで、前記制御部は、前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記無線送受信部により受信された前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。
【0014】
本発明の第3の態様は、無線送受信部を有する基地局装置に関する。前記無線送受信部は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能であるとともに、前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を送信できるよう構成されている。ここで、前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される。また、前記第1の無線信号は、複数回を1単位として繰り返し送信され、前記1単位の送信期間中は同一内容のセル情報を含む。さらに、前記セル情報は、同一内容での前記1単位の送信後に内容の更新が可能とされる。
【0015】
本発明の第4の態様は、基地局における無線パラメータの調整方法に関する。当該方法は、以下の(a)〜(c)を含む。
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局による情報送信方法に関する。当該方法は、以下の(a)〜(b)を含む。
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと。
【0017】
本発明の第6の態様は、自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。前記制御は、以下の(a)〜(c)を含む。
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記基地局が備える無線通信部を制御すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること。
【0018】
本発明の第7の態様は、第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムである。前記制御は、以下の(a)〜(b)を含む。
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、ホームセルの無線パラメータ調整に利用されるマクロセル情報をマクロ基地局(3GPPではM(e)NB)から無線送信する際に、マクロ基地局又は上位ネットワークの主導によるマクロセル情報の更新を容易にし、大きな遅延を生じることなく複数のホーム基地局が更新後のマクロセル情報を利用することに寄与可能な、移動通信ステム、基地局装置、方法、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局の無線パラメータ調整手順の具体例を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるマクロ基地局の構成例を示すブロック図である。
【図4】発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるマクロ基地局によるマクロセル情報の送信手順の具体例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施の形態におけるホーム基地局による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。
【図7】LTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造を示す図である。
【図8】MBSFNサブフレーム構造の具体例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態におけるホーム基地局の無線パラメータ調整手順の具体例を示すシーケンス図である。
【図11】LTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造を示す図である。
【図12】発明の第3の実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態におけるホーム基地局による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。
【図14】MBSFNサブフレーム構造の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0022】
<第1の実施の形態>
図1は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。図1は、本実施の形態にかかる移動通信システムがEPS(Evolved Packet System)である場合について示している。なお、図1では、説明の簡略化のためにホーム基地局(HeNB)1を1つのみ図示しているが、複数のホーム基地局がマクロセル12内に配置される形態が一般的である。また、ホームセル11に接続する移動局7及びマクロセル12に接続する移動局8も複数台存在する形態が一般的である。以下では、ホームセル11に接続する移動局7を"HUE(Home UE)"と呼び、マクロセル12に接続する移動局8を"MUE(Macro UE)"と呼ぶ。
【0023】
HeNB1は、ホームセル11を形成し、HUE7との間で双方向の無線通信を行う。HeNB1は、上位ネットワーク15にIP(Internet Protocol)ネットワーク等のアクセス回線を介して接続されており、HUE7と上位ネットワーク15との間でトラフィックを中継する。図1の例では、上位ネットワーク15は、ネットワークオペレータ(移動体通信事業者)のコアネットワーク150及びHeNB-GW151を含む。HNB-GW151は、コアネットワーク150とHeNB1の間に配置され、これらの間でユーザデータ及び制御データを中継する。
【0024】
MeNB6は、ホームセル11に比べてセルサイズの大きいマクロセル12を形成し、MUE8との間で双方向の無線通信を行う。MeNB6は、上位ネットワーク15に接続されており、MUE8と上位ネットワーク15との間でトラフィックを中継する。
【0025】
さらに、本実施の形態では、マクロセル12による無線リソースの使用状況、マクロセル12の負荷状況などに応じてホームセル11の無線パラメータを調整できるようにするため、MeNB6からマクロセル情報を無線送信する。HeNB1は、マクロセル情報を受信するとともに、マクロセル情報で示されるマクロセル12の状況に応じて、ホームセル11の無線パラメータを調整する。以下では、マクロセル情報を利用したホームセル11の無線パラメータ調整の詳細について説明する。
【0026】
MeNB6は、マクロセル情報を含むダウンリンク信号を定期的に送信する。このとき、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を含むダウンリンク信号を複数回繰り返して送信する。具体的には、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を含むダウンリンク信号を複数回を1単位として送信すればよい。例えば、5回単位での送信を行う場合、MeNB6は、定期的な送信タイミングが到来する度に同一内容のマクロセル情報を5回続けて送信する。つまり、マクロセル情報の内容更新を行う場合、MeNB6は、同一内容での5回目までの送信が完了した後の6回目の送信時にマクロセル情報を更新し、6〜10回目の送信では更新後のマクロセル情報を送信する。
【0027】
マクロセル情報は、マクロセル12で使用されている無線リソースの情報およびマクロセル12の負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含むとよい。例えば、マクロセル情報は、マクロセル12で使用されている無線周波数又はリソースブロックの情報を含むとよい。また、マクロセル12の負荷状況を通知するため、マクロセル情報は、MeNB6によるダウンリンク信号の送信電力に関する情報、MeNB6におけるアップリンク信号の受信品質に関する情報、及びMUE8におけるダウンリンク信号の受信品質に関する情報のうち少なくとも1つを含むとよい。LTE/E-UTRANの場合、アップリンク信号の受信品質としては、アップリンク・リファレンス信号の受信電力レベル又はSIR(Signal to Interference Ratio)を利用するとよい。ここで、アップリンク・リファレンス信号は、LTE/E-UTRANのMUE8から送信される復調リファレンス信号(DRS:Demodulation Reference Signal)又はサウンド・リファレンス信号(SRS:Sound Reference Signal)である。また、UTRANの場合、MeNB6におけるアップリンク総受信電力(RTWP:Received Total Wideband Power)をアップリンク信号の受信品質として利用するとよい。
【0028】
HeNB1は、ホームセル11の運用中に、MeNB6から送信されるマクロセル情報を含むダウンリンク信号を受信する。このとき、HeNB1は、HUE7に対するダウンリンク信号の送信を一時的に停止してもよい。ここで、HeNB1は、MeNB6から複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうち少なくとも1つを取得できるように、MeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行う。HeNB1は、マクロセル情報を取得した後、そのマクロセル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とすればよい。ここでマクロセル情報を有効とみなす所定期間は、MeNB6による同一内容のマクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間に基づいて決定すればよい。HeNB1は、有効なマクロセル情報を保持している間は、MeNB6から送信されるダウンリンク信号の受信動作を行わなければよい。所定時間の経過または所定時刻の到来によってマクロセル情報が有効でなくなった場合に、新たなマクロセル情報を取得するためにMeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。
【0029】
所定時間の計算は、例えば、以下の(1)式に従って行えばよい。
T = (N - n) * T_interval (1)
ここで、Tは所定時間である。T_intervalは、マクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の送信間隔である。Nは、同一内容のマクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号の合計送信回数である。nは、HeNB1が受信したMeNBダウンリンク信号に含まれるマクロセル情報が何回目の送信回数であるかを示す送信順序番号である。送信順序番号は、マクロセル情報とともにMeNBダウンリンク信号に含まれてもよい。
【0030】
具体的には、HeNB1は、マクロセル情報が同一内容で繰り返し送信される回数(合計送信回数)又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルールにしたがって、MeNB6からのダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。例えば、LTE/E-UTRANの場合、HeNB1は、マクロセル情報を搬送する物理チャネルがマッピングされるリソースエレメントと、同一内容での送信回数又は送信期間を特定できればよい。ここで、リソースエレメントは、ODFM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を採用するLTE/E-UTRANのダウンリンク無線リソースの最小割り当て単位であり、周波数ドメインにおける1サブキャリア、時間ドメインにおける1OFDMシンボルによって規定される。リソースエレメントの定義については、3GPPの技術仕様 TS36.211 に記載されている。
【0031】
送信ルールは、HeNB1が有するメモリ(不図示)に予め格納してもよい。また、送信ルールの少なくとも一部は、MeNB6から無線送信してもよい。例えば、合計送信回数又は繰り返し送信期間を示す情報をマクロセル情報とともにMeNBダウンリンク信号に含めてもよい。また、送信ルールの少なくとも一部は、上位ネットワーク15に配置された装置(例えば、MME(Mobility Management Entity)、MCE(Multi-cell/multicast Coordination Entity)、管理サーバ等)からアクセス回線を経由してHeNB1に供給してもよい。
【0032】
HeNB1は、マクロセル情報を参照して、マクロセル12で使用されている無線リソース、マクロセル12の負荷状況を判定し、ホームセル11の無線パラメータを調整する。例えば、HeNB1は、マクロセル12で使用されている無線リソース(サブキャリア又はリソースブロック)を回避するようにホームセル11で使用する無線リソースを決定するとよい。また、HeNB1は、マクロセル12の負荷状況に応じて、ホームセル11からマクロセル12への干渉が基準レベル以下となるように、HeNB1のダウンリンク送信電力またはHUE7のアップリンク送信電力を調整するとよい。
【0033】
続いて以下では、図2のシーケンス図を参照して、ホームセル11運用中のHeNB1によって行われるホームセル11の無線パラメータ調整手順の具体例について説明する。ステップS101では、MeNB6がマクロセル情報を含むダウンリンク信号(以下、MeNBダウリンク信号)を送信する。ステップS102では、HeNB1が自身のダウンリンク信号(以下、HeNBダウンリンク信号)の送信を一時停止し、MeNBダウリンク信号を受信する。ステップS103では、HeNB1は、受信したMeNBダウンリンク信号からマクロセル情報を取得する。ステップS104では、HeNB1は、取得したマクロセル情報に基づいてホームセル11の無線パラメータを調整する。
【0034】
ステップS105では、ステップS101と同一内容のマクロセル情報が再送信される。ここで、期間をT_intervalは、マクロセル情報の送信周期である。例えば、マクロセル情報をLTE/E-UTRANの無線フレーム(10ms)毎に1回送信する場合であれば、期間T_intervalは10msである。ステップS106では、HeNB1は、マクロセル情報を含むMeNBダウンリンク信号が送信されるタイミングに合わせて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止する。なお、ここでは、ステップS102及びS103でのマクロセル情報の取得が成功していると仮定する。この場合、HeNB1は、ステップS106においてMeNBダウンリンク信号を受信する必要はない。同一内容のマクロセル情報を取得済みであってもMeNBマクロセル情報の送信を停止する理由は、周辺に配置された他のHeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信を妨げないためである。
【0035】
ステップS107及びS108は、上述のステップS105及びS106と同様である。なお、図2には示していないが、同一内容のマクロセル情報の送信期間が終了した後に、HeNB1はステップS102の動作を再び実行する。
【0036】
以上に述べたように、MeNB6は、同一内容のマクロセル情報を繰り返し送信する。HeNB1は、複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうち少なくとも1つを取得できるように、MeNBダウンリンク信号の受信動作を行う。また、HeNB1は、マクロセル情報を取得した後、そのマクロセル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする。これにより、HeNB1は、同一内容のマクロセル情報が送信される回数または期間を考慮し、前にマクロセル情報を取得してからの経過時間に応じて新たな情報の取得を行うべきタイミングを決定できる。また、MeNB6は、同一内容でのマクロセル情報の複数回の送信が完了したことを条件に、マクロセル情報の送信内容を変更できる。つまり、MeNB6又は上位ネットワーク15の主導によるマクロセル情報の更新を容易に行うことができる。また、同一内容で送信されるマクロセル情報の少なくとも1つをHeNB1が受信することで、HeNB1は、更新後のマクロセル情報を大きな遅延なく利用することができる。
【0037】
なお、上述の説明では、MeNB6がマクロセル情報を生成する例を示した。しかしながら、マクロセル情報の生成機能の配置は適宜変更可能である。例えば、上位ネットワーク15にて生成したマクロセル情報をMeNB6に供給してもよい。例えば、EPS/E-UTRANアーキテクチャでは、MeNBが論理チャネルを終端し、MeNBがマクロセルの無線リソース管理を行う。このため、マクロセル情報の生成機能もMeNBに配置するとよい。一方、UMTS/UTRANアーキテクチャでは、RNC(Radio Network Controller)が、マクロセルの無線リソース管理を行う。このため、UMTS/UTRANアーキテクチャでは、RNCがマクロセル情報を生成し、マクロ基地局(MNB)にマクロセル情報を供給するとよい。
【0038】
次に、本実施の形態のMeNB6及びHeNB1の構成例について説明する。図3は、MeNB6の構成例を示すブロック図である。図3において、無線通信部601は、送信データ処理部602から供給される送信シンボル列に対して、レイヤマッピング(MIMO(Multiple Input/ Multiple Output)を行う場合)、プリコーディング(MIMOを行う場合)、リソースエレメントへのマッピング、OFDM信号生成(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)、周波数変換、信号増幅等の各処理を行ってMeNBダウンリンク信号を生成する。生成されたMeNBダウンリンク信号はアンテナから無線送信される。また、無線通信部601は、MUE8から送信されるアップリンク信号を受信し、受信シンボル列を復元する。
【0039】
送信データ処理部602は、MUE8に向けて送信されるユーザデータを通信部604から取得し、HeNB1に向けて送信される制御データ(マクロセル情報を含む)をマクロセル情報制御部605から取得する。送信データ処理部602は、これらの送信データに対する誤り訂正符号化、レートマッチング、インタリービング等を行なってトランスポートチャネルを生成する。さらに、送信データ処理部602は、トランスポートチャネルのデータ系列に対するスクランブル、変調シンボルマッピングを行って物理チャネル(PBCH(Physical Broadcast Channel)、PMCH(Physical Multicast Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)等)毎の送信シンボル列を生成する。
【0040】
受信データ処理部603は、無線通信部601から供給される受信シンボル列から論理チャネル毎の受信データを復元する。得られた受信データに含まれるユーザトラフィックデータと一部の制御データは、通信部604を経由してコアネットワーク150に転送される。
【0041】
マクロセル情報制御部605は、マクロセル情報を生成し、送信データ処理部102に送る。なお、マクロセル情報は、上位ネットワークからマクロセル情報制御部605に供給されてもよい。マクロセル情報制御部605は、マクロセル情報の同一内容での繰り返し送信、マクロセル情報の更新を管理する。
【0042】
図4は、HeNB1の構成例を示すブロック図である。無線通信部101は、上述した無線通信部601と同様の機能を有する。加えて、無線通信部101は、MeNB6を含む周辺基地局からのダウンリンク信号を受信する機能(Network Listen Mode)を有する。なお、無線通信部101の具体的な構成では、HUE7からのアップリンク信号の受信と周辺基地局からのダウンリンク信号の受信に1つの無線レシーバを兼用してもよい。また、無線通信部101は、HUE7からのアップリンク信号の受信用レシーバと、周辺基地局からのダウンリンク信号の受信用レシーバの2つを有してもよい。
【0043】
送信データ処理部102、受信データ処理部103、通信部104は、上述した送信データ処理部602、受信データ処理部603、通信部604と同様の機能を有する。加えて、受信データ処理部103は、MeNB6からのMeNBダウリンク信号の受信データ列からマクロセル情報を取得した場合に、これをコンフィグレーション制御部105に送る。
【0044】
コンフィグレーション制御部105は、無線通信部101、送信データ処理部102、及び受信データ処理部103を制御することで、HeNBダウンリンク信号送信の一時停止およびMeNBダウンリンク信号の受信を行う。コンフィグレーション制御部105は、受信データ処理部103によって取得されたマクロセル情報に従って、ホームセル11の無線パラメータを調整する。
【0045】
続いて以下では、MeNB6及びHeNB1の動作をフローチャートに従って説明する。図5は、MeNB6によるマクロセル情報の送信動作の具体例を示すフローチャートである。ステップS201では、マクロセル情報制御部605がマクロセル情報を生成する。ステップS202では、マクロセル情報の送信回数を計数するためのカウンタCの値をゼロにリセットする。ステップS203では、カウンタCの値が最大送信回数C_max未満であるかを判定する。カウンタCの値がC_max未満である場合(ステップS203でYES)、制御部605は、マクロセル情報を送信データ処理部602に供給する。送信データ処理部602及び無線通信部601は、マクロセル情報を含むダウンリンク信号を送信する。ステップS205では、カウンタCの値を1だけ増加し、ステップS203に戻る。カウンタCの値がC_maxに到達した場合(ステップS203でNO)、新たな(更新された)マクロセル情報を生成するためステップS201に戻る。
【0046】
図5の例では、同一内容のマクロセル情報を繰り返し送信するために、最大送信回数C_maxを用いている。しかしながら、同一内容のマクロセル情報を送信すべき期間T_maxを指定してもよい。T_maxは、時間単位で指定してもよいし、10msの無線フレーム単位で指定してもよい。
【0047】
図6は、HeNB1による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。ステップS301では、HeNB1は、マクロセル情報の送信タイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止し、MeNBダウンリンク信号の受信を行う。ステップS302では、コンフィグレーション制御部105は、マクロセル情報の取得に成功したかを判定する。マクロセル情報を取得できなかった場合(ステップS302でNO)、HeNB1は、ステップS301に戻って次に送信されるマクロセル情報の受信を試みる。
【0048】
一方、マクロセル情報の取得に成功した場合(ステップS302でYES)、コンフィグレーション制御部105は、ホームセル11の無線パラメータ調整を行う(ステップS303)。その後、繰り返し送信が満了するまでの間、HeNB1は、マクロセル情報の送信タイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を一時停止する(ステップS304及びS305)。なお、取得できたマクロセル情報と同一内容のセル情報をさらに受信する必要はないため、HeNB1は、MeNBダウンリンク信号の受信動作を行う必要はない。
【0049】
図6のステップS303において、繰り返し送信の満了を判定するためには、MeNB6における同一内容マクロセル情報の最大送信回数C_max又は送信期間期間T_maxを用いればよい。これらの情報は、HeNB1に予め設定してもよいし、上位ネットワーク15からHeNB1に供給してもよい。
【0050】
このように、図6の動作フローによれば、HeNB1は、同一内容のマクロセル情報の先頭から取得を試みる。そして、マクロセル情報の取得に成功した場合には、HeNB1は、後続の同一内容のマクロセル情報の送信タイミングにおいて、自身のHeNBダウンリンク信号の送信停止のみ行い、MeNBダウンリンク信号の受信を行わない。
【0051】
図7(A)〜(C)は、本実施の形態におけるLTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造(type1)の具体例を示す図である。1無線フレームは、時間方向に10個のサブフレーム#0〜#9を含む。1つの無線フレームの長さは10msであり、1つのサブフレームの長さは1msである。図7(A)は、MeNB6から送信されるダウンリンク信号を示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは送信に使用されるサブフレームを示している。また、黒く塗りつぶされたサブフレームは、マクロセル情報が送信されるサブフレームを表している。図7(A)の例では、マクロセル情報を含むダウンリンク信号は、各無線フレームの5番目のサブフレーム500〜503にマッピングされる。また、繰り返し送信回数は「3」であり、サブフレーム500〜502で送信されるマクロセル情報は同一内容とする。
【0052】
図7(B)は、HeNB1から送信されるダウンリンク信号を示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは送信に使用されるサブフレームを示している。一方、白抜きのサブフレームは、送信に使用されないサブフレームを示している。HeNB1は、マクロセル情報が送信されるサブフレーム500〜503に対応するサブフレーム510〜513において、HeNBダウンリンク信号の送信を停止する。なお、HeNB1は、サブフレーム510〜513において、低送信電力での送信を行ってもよい。
【0053】
図7(C)は、HeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信動作の実行タイミングを示している。斜線によりハッチングされたサブフレームは、HeNB1がMeNBダウンリンク信号の受信動作を行うサブフレームを示している。HeNB1は、マクロセル情報が送信されるサブフレーム500に対応するサブフレーム520おいてMeNBダウンリンク信号の受信動作を行う。この受信動作によってマクロセル情報の取得に成功した場合、同一内容のマクロセル情報が送信されるサブフレーム501及び502に対応するサブフレーム521及び522では、HeNB1は受信動作を行わない。繰り返し送信が終了した後のサブフレーム503に対応するサブフレーム523では、HeNB1はMeNBダウンリンク信号の受信動作を再び実行する。
【0054】
本実施の形態の最後に、LTE/E-UTRANにおいてマクロセル情報の送信に使用可能な物理チャネルの具体例について説明する。LTE/E-UTRANは、複数のUEに対してブロードキャスト情報を送信するために使用されるMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)サブフレームを規定している。また、3GPPのLTE-AdvancedのStudy Itemでは、中継局(以下RN:Relay node)の導入が検討されている。RNは、セル端にいる移動局の通信速度の高速化や、eNBのセル範囲拡大等を目的とした技術の1つである。eNBからRNへのデータ送信のためにMBSFNサブフレームを使用することが検討されている。RNは、セル端にいる移動局(以下UE:User Equipment)の通信速度の高速化や、基地局(以下eNB:Evolved Node B)のセル範囲拡大等を目的とした技術の1つである。具体的には、eNBからRNに制御データを送信するための新たなダウンリンク制御チャネル(R-PDCCHと呼ぶ)やRNに中継データを送信するための新たなダウンリンク共有チャネル(R-PDSCHと呼ぶ)をMBSFNサブフレームにマッピングすることが検討されている。
【0055】
マクロセル情報の送信に上述のMBSFNサブフレームを利用してもよい。具体的には、MeNB6からHeNB1にデータ(マクロセル情報を含む)を送信するための物理チャネルを新たに定義し、これをMBSFNサブフレームにマッピングしてもよい。図8は、拡張されたMBSFNサブフレーム800のフォーマットの具体例を示す図である。MBSFNサブフレーム800にマッピングされたPDCCH及びPDSCHは、通常のMUE8向けの物理チャネルである。R-PDCCH及びR-PDSCHは、上述したように、RN向けの物理チャネルである。H-PDCCH及びH-PDSCHは、HeNB1向けのダウンリンク制御チャネル及びダウンリンク共有チャネルである。マクロセル情報は、H-PDSCHを用いて送信すればよい。H-PDCCHとH-PDSCHのマッピング方法は図8に示す限りではない。
【0056】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、上述した第1の実施の形態の変形について説明する。第1の実施の形態では、取得に成功したのと同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNB1がHeNBダウンリンク信号の送信を停止する例を示した。これに対して、本実施の形態では、取得に成功したのと同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を行う例について説明する。これにより、ホームセル11のキャパシティの減少を抑制できる。
【0057】
図9は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。本実施の形態のネットワーク構成は、第1の実施の形態と同様とすればよい。
【0058】
図10は、本実施の形態のHeNB2によって行われるホームセル11の無線パラメータ調整手順を示すシーケンス図である。図10のステップS101〜S104は、図2に示したステップS101〜S104と同様である。ここでは、ステップS102及びS103でのマクロセル情報の取得が成功していると仮定する。
【0059】
ステップS105では、ステップS101と同一内容のマクロセル情報が再送信される。ステップS406では、HeNB2は、マクロセル情報の受信動作を行わない。さらに、ステップS406において、HeNB2は、マクロセル情報の送信に使用される無線リソース(リソースエレメント)を除く他の無線リソースを使用して、HUE7に対するHeNBダウンリンク信号(図10中のHUEデータ)を送信する。ステップS107及びS408は、上述のステップS105及びS406と同様である。
【0060】
図11(A)〜(C)は、本実施の形態におけるLTE/E-UTRANのダウンリンク無線フレーム構造(type1)の具体例を示す図である。図11(B)では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミング(サブフレーム711及び712)において、マクロセル情報の送信と衝突しないリソースエレメントを用いてHeNBダウンリンク信号が送信される。この点は、上述した図7(B)と対照的である。
【0061】
上述した第1の実施の形態では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいて、HeNBダウンリンク信号の送信を停止する例を示した。この場合、ホームセル11のセルキャパシティが減少するおそれがある。マクロセル情報の送信に利用されているリソースエレメント及びその周辺のリソースエレメントをHeNB1から移動局へのダウンリンク送信に利用することができないためである。これに対して、本実施の形態では、受信済みのマクロセル情報と同一内容のマクロセル情報が送信されるタイミングにおいてHeNBダウンリンク信号の送信が継続される。このため、ホームセル11のキャパシティの減少を抑制できる。また、マクロセル情報の送信に使用されるリソースエレメント(すなわちサブキャリア)を使用しないため、周辺に配置された他のHeNB1によるMeNBダウンリンク信号の受信を妨げない。
【0062】
<第3の実施の形態>
図12は、本実施の形態にかかる移動通信システムのネットワーク構成例を示す図である。本実施の形態では、マクロセル情報に加えて、更新フラグをMeNB6から送信する例について説明する。更新フラグは、直前の1単位(複数回)の送信期間で送信されたマクロセル情報から内容が更新されたか否かを示す。更新フラグは、マクロセル情報と組み合わせて、かつマクロセル情報よりも前に送信するとよい。LTE/E-UTRANの場合、各サブフレームにおいてマクロセル情報が送信されるリソースエレメントよりも先に送信される何れかのリソースエレメントに更新フラグを含む物理チャネルをマッピングすればよい。
【0063】
図13は、本実施の形態にかかるHeNB3による無線パラメータ調整手順の具体例を示すフローチャートである。図13中のステップS301〜S305における動作は、図6に示した同一符号の各ステップと同様である。ステップS501では、マクロセル情報より前に送信されている更新フラグをMeNBダウンリンク信号から取得し、更新フラグの内容を判定する。更新フラグがオン、すなわちマクロセル情報が直前の1単位の送信期間での送信内容から更新されている場合(ステップS501でYES)、HeNB3は、MeNBダウンリンク信号をさらに受信してデコードし、マクロセル情報を取得する(ステップS302)。一方、更新フラグがオフである場合(ステップS501でNO)、HeNB1は、マクロセル情報の取得(ステップS302)をスキップする。これにより、HeNB3は、更新されていないマクロセル情報を取得するための無駄なMeNBダウンリンク信号の受信を停止すること、又は無駄なMeNBダウンリンク信号のデコード処理を停止することができる。
【0064】
図14は、図8に示した拡張されたMBSFNサブフレーム800のフォーマットを改めて示している。例えば、マクロセル情報は、H-PDSCHを用いて送信するとよい。このとき、更新フラグは、H-PDSCH より先に送信されるH-PDCCHを用いて送信するとよい。
【0065】
なお、図13のフローチャートは、第1の実施の形態の変形として示したが、本実施の形態は第2の実施の形態と組み合わせてもよい。
【0066】
<第4の実施の形態>
上述した第1〜第3の実施の形態では、HeNB1〜3が同一内容のマクロセル情報のうち先頭から取得を試みる例を示した。しかしながら、HeNB1〜3は、複数回送信される同一内容のマクロセル情報のうちいずれか1つの取得を行えばよく、必ずしも先頭から取得を試みる必要はない。例えば、HeNB1〜3は、N回繰り返し送信される同一内容のマクロセル情報のうち、任意のM回目のマクロセル情報を取得すべくMeNBダウンリンク信号の受信動作を行えばよい。ここで、Nは2以上の整数であり、Mは1以上N以下の整数である。
【0067】
<その他の実施の形態>
第1〜第4の実施の形態では、EPS/E-UTRANの場合について具体的に説明した。しかしながら、これらの実施の形態で説明した、マクロセル情報に基づくホームセルの無線パラメータの調整手法は、UMTS等の他の移動通信システムにも当然に適用可能である。
【0068】
上述した第1〜第4の実施の形態で述べた各装置(HeNB1〜3、MeNB6)で行われる処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)若しくはCPU(Central Processing Unit)又はこれらの組み合わせを含むコンピュータ・システムを用いて実現することができる。具体的には、シーケンス図又はフローチャートを用いて説明した各装置の処理手順に関する命令群を含むプログラムをコンピュータ・システムに実行させればよい。
【0069】
これらのプログラムは、コンピュータ・システムがアクセス可能な様々な種類の記憶媒体に格納することが可能である。また、このプログラムは、通信媒体を介して伝達されることが可能である。ここで、記憶媒体には、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等が含まれる。また、通信媒体には、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等が含まれ、インターネットも含まれる。
【0070】
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0071】
1、2、3 ホーム基地局(HeNB)
6 マクロ基地局(MeNB)
7 ホームセルに接続する移動局(HUE)
8 マクロセルに接続する移動局(MUE)
11 ホームセル
12 マクロセル
15 上位ネットワーク
101 無線通信部
105 コンフィグレーション制御部
150 コアネットワーク
151 HeNB-GW
601 無線通信部
605 マクロセル情報制御部
500〜503 サブフレーム
510〜513 サブフレーム
520〜523 サブフレーム
711〜712 サブフレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能である第1の基地局と、
第2のセルを形成して移動局との間で通信可能である第2の基地局と、
を備え、
前記第1の基地局は、前記第1のセルに関する同一のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回送信可能であり、
前記第2の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする、
移動通信システム。
【請求項2】
前記第2の基地局は、前記セル情報に基づいて前記第2のセルに関する無線パラメータを調整するよう構成されている、請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記第2の基地局は、前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記第2のセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信可能である、請求項1又は2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記第2の基地局は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して前記ダウンリンク無線信号を送信する、請求項3に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記第2の基地局は、前記第1の無線信号を受信する際に、前記第2のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記第2の基地局は、前記第1の基地局による前記第1の無線信号の送信間隔より長い周期で、前記セル情報を間欠的に取得する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項7】
前記第1の基地局は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに送信する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項8】
前記第1の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回を1単位として送信し、前記1単位の送信後に前記セル情報の内容の更新が可能であり、
前記第1の基地局は、新たに送信すべき前記セル情報の内容が直前の1単位の送信時と同一である場合に、前記第1の無線信号を送信することなく、前記セル情報の内容更新が無いことを示す情報を含む前記第2の無線信号を送信する、請求項7に記載の移動通信システム。
【請求項9】
前記第2の基地局は、前記第2の無線信号を受信し、前記セル情報の内容更新が行われていることを条件として前記第1の無線信号からの前記セル情報の読み出しを行う、請求項7又は8に記載の移動通信システム。
【請求項10】
前記第2の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルール情報に基づいて前記セル情報の取得を行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項11】
前記送信ルール情報の少なくとも一部は、前記第1及び第2の基地局が接続される上位ネットワークから前記第2の基地局に供給される、請求項10に記載の移動通信システム。
【請求項12】
前記送信ルール情報の少なくとも一部は、前記第1の基地局から無線送信される、請求項10に記載の移動通信システム。
【請求項13】
前記送信ルール情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項14】
前記第1の基地局は、予め定められた合計送信回数または繰り返し送信期間に従って、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回送信する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項15】
前記第1の基地局は、予め定められた合計送信回数に到達するまで、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を繰り返し送信する、請求項14に記載の移動通信システム。
【請求項16】
前記第1の基地局は、予め定められた繰り返し送信期間の間、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を繰り返し送信する、請求項14に記載の移動通信システム。
【請求項17】
前記第1の無線信号は、同一内容の前記セル情報の何回目の送信であるかを示す送信順序番号に関する情報をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項18】
前記所定時間をTとし、前記第1の無線信号の送信間隔をT_intervalとし、前記第1の基地局による前記同一の前記セル情報の合計送信回数をNとし、前記第2の基地局が受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報の送信順序番号をnとした場合に、前記所定時間Tは、以下の式により決定される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の移動通信システム。
T = (N - n) * T_interval
【請求項19】
前記第2の基地局は、前記セル情報の取得に失敗した場合に、受信に失敗したセル情報と同内容のセル情報を含む前記第1の無線信号を再度受信する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項20】
前記セル情報は、前記第1のセルで使用されている無線リソースの情報及び前記第1のセルの負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項21】
前記セル情報は、前記第1の基地局によるダウンリンク信号の送信電力に関する情報、および前記第1の基地局におけるアップリンク・リファレンス信号の受信品質に関する情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項22】
自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局装置であって、
無線送受信部と、
周辺セルを形成する周辺基地局から送信される第1の無線信号を受信するよう前記無線送受信部を制御するとともに、前記第1の無線信号に含まれる前記周辺セルに関するセル情報に基づいて、前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する制御部と、
を備え、
前記第1の無線信号の送信は、同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回繰り返して送信するように行われ、
前記制御部は、
前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記無線送受信部により受信された前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする、
基地局装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記セル情報に基づいて前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する、請求項22に記載の移動通信システム。
【請求項24】
(網中様の従属項1相当)
前記無線送受信部は、前記制御部が前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記自身にセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信可能である、請求項22又は23に記載の基地局装置。
【請求項25】
前記無線送受信部は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して前記ダウンリンク無線信号を送信する、請求項24に記載の基地局装置。
【請求項26】
前記無線送受信部は、前記第1の無線信号を受信する際に、前記第2のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項27】
前記無線送受信部は、前記周辺基地局による前記第1の無線信号の送信間隔より長い周期で、前記セル情報を間欠的に取得する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項28】
前記制御部は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記セル情報の内容更新が行われていることを条件として前記第1の無線信号からの前記セル情報の読み出しを行う、請求項22〜27のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号合計送信回数又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルール情報に基づいて、前記無線送受信部による前記第1の無線信号の受信を制御する、請求項22〜28のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項30】
前記送信ルール情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項26に記載の基地局装置。
【請求項31】
前記所定時間をTとし、前記第1の無線信号の送信間隔をT_intervalとし、前記第1の基地局による前記同一の前記セル情報の合計送信回数をNとし、前記第2の基地局が受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報の送信順序番号をnとした場合に、前記所定時間Tは、以下の式により決定される、請求項22〜30のいずれか1項に記載の基地局装置。
T = (N - n) * T_interval
【請求項32】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能であるとともに、前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を送信できるよう構成された無線送受信部を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用され、
前記第1の無線信号は、複数回を1単位として繰り返し送信され、前記1単位の送信期間中は同一内容のセル情報を含み、
前記セル情報は、同一内容での前記1単位の送信後に内容の更新が可能とされる、
基地局装置。
【請求項33】
前記無線送受信部は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに送信する、請求項32に記載の基地局装置。
【請求項34】
前記無線送受信部は、新たに送信すべき前記セル情報の内容が直前の1単位の送信時と同一である場合に、前記第1の無線信号を送信することなく、前記セル情報の内容更新が無いことを示す情報を含む前記第2の無線信号を送信する、請求項33に記載の基地局装置。
【請求項35】
前記無線送受信部は、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間の判定に使用される第1の情報を無線送信する、請求項32〜34のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項36】
前記第1の情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項35に記載の基地局装置。
【請求項37】
前記セル情報は、前記第1のセルで使用されている無線リソースの情報及び前記第1のセルの負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項32〜36のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項38】
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること、
を備える、基地局における無線パラメータの調整方法。
【請求項39】
(d)前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記第2のセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信すること、をさらに備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ダウンリンク無線信号は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して送信される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の無線信号を受信する際に、前記自身のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局による情報送信方法であって、
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと、
を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される、情報送信方法。
【請求項43】
自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御は、
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記基地局が備える無線通信部を制御すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること、
を備える、プログラム。
【請求項44】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御は、
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと、
を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される、プログラム。
【請求項1】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能である第1の基地局と、
第2のセルを形成して移動局との間で通信可能である第2の基地局と、
を備え、
前記第1の基地局は、前記第1のセルに関する同一のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回送信可能であり、
前記第2の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信し、前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とする、
移動通信システム。
【請求項2】
前記第2の基地局は、前記セル情報に基づいて前記第2のセルに関する無線パラメータを調整するよう構成されている、請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記第2の基地局は、前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記第2のセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信可能である、請求項1又は2に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記第2の基地局は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して前記ダウンリンク無線信号を送信する、請求項3に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記第2の基地局は、前記第1の無線信号を受信する際に、前記第2のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項6】
前記第2の基地局は、前記第1の基地局による前記第1の無線信号の送信間隔より長い周期で、前記セル情報を間欠的に取得する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項7】
前記第1の基地局は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに送信する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項8】
前記第1の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回を1単位として送信し、前記1単位の送信後に前記セル情報の内容の更新が可能であり、
前記第1の基地局は、新たに送信すべき前記セル情報の内容が直前の1単位の送信時と同一である場合に、前記第1の無線信号を送信することなく、前記セル情報の内容更新が無いことを示す情報を含む前記第2の無線信号を送信する、請求項7に記載の移動通信システム。
【請求項9】
前記第2の基地局は、前記第2の無線信号を受信し、前記セル情報の内容更新が行われていることを条件として前記第1の無線信号からの前記セル情報の読み出しを行う、請求項7又は8に記載の移動通信システム。
【請求項10】
前記第2の基地局は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルール情報に基づいて前記セル情報の取得を行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項11】
前記送信ルール情報の少なくとも一部は、前記第1及び第2の基地局が接続される上位ネットワークから前記第2の基地局に供給される、請求項10に記載の移動通信システム。
【請求項12】
前記送信ルール情報の少なくとも一部は、前記第1の基地局から無線送信される、請求項10に記載の移動通信システム。
【請求項13】
前記送信ルール情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項14】
前記第1の基地局は、予め定められた合計送信回数または繰り返し送信期間に従って、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回送信する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項15】
前記第1の基地局は、予め定められた合計送信回数に到達するまで、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を繰り返し送信する、請求項14に記載の移動通信システム。
【請求項16】
前記第1の基地局は、予め定められた繰り返し送信期間の間、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を繰り返し送信する、請求項14に記載の移動通信システム。
【請求項17】
前記第1の無線信号は、同一内容の前記セル情報の何回目の送信であるかを示す送信順序番号に関する情報をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項18】
前記所定時間をTとし、前記第1の無線信号の送信間隔をT_intervalとし、前記第1の基地局による前記同一の前記セル情報の合計送信回数をNとし、前記第2の基地局が受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報の送信順序番号をnとした場合に、前記所定時間Tは、以下の式により決定される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の移動通信システム。
T = (N - n) * T_interval
【請求項19】
前記第2の基地局は、前記セル情報の取得に失敗した場合に、受信に失敗したセル情報と同内容のセル情報を含む前記第1の無線信号を再度受信する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項20】
前記セル情報は、前記第1のセルで使用されている無線リソースの情報及び前記第1のセルの負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜19のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項21】
前記セル情報は、前記第1の基地局によるダウンリンク信号の送信電力に関する情報、および前記第1の基地局におけるアップリンク・リファレンス信号の受信品質に関する情報のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の移動通信システム。
【請求項22】
自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局装置であって、
無線送受信部と、
周辺セルを形成する周辺基地局から送信される第1の無線信号を受信するよう前記無線送受信部を制御するとともに、前記第1の無線信号に含まれる前記周辺セルに関するセル情報に基づいて、前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する制御部と、
を備え、
前記第1の無線信号の送信は、同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号を複数回繰り返して送信するように行われ、
前記制御部は、
前記同一の前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記無線送受信部により受信された前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を所定時間の経過または所定時刻まで有効とする、
基地局装置。
【請求項23】
前記制御部は、前記セル情報に基づいて前記自身のセルに関する無線パラメータを調整する、請求項22に記載の移動通信システム。
【請求項24】
(網中様の従属項1相当)
前記無線送受信部は、前記制御部が前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記自身にセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信可能である、請求項22又は23に記載の基地局装置。
【請求項25】
前記無線送受信部は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して前記ダウンリンク無線信号を送信する、請求項24に記載の基地局装置。
【請求項26】
前記無線送受信部は、前記第1の無線信号を受信する際に、前記第2のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項22〜25のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項27】
前記無線送受信部は、前記周辺基地局による前記第1の無線信号の送信間隔より長い周期で、前記セル情報を間欠的に取得する、請求項22〜26のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項28】
前記制御部は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに受信するよう前記無線送受信部を制御し、前記セル情報の内容更新が行われていることを条件として前記第1の無線信号からの前記セル情報の読み出しを行う、請求項22〜27のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項29】
前記制御部は、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号合計送信回数又は繰り返し送信期間を判定可能な送信ルール情報に基づいて、前記無線送受信部による前記第1の無線信号の受信を制御する、請求項22〜28のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項30】
前記送信ルール情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、前記同一の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項26に記載の基地局装置。
【請求項31】
前記所定時間をTとし、前記第1の無線信号の送信間隔をT_intervalとし、前記第1の基地局による前記同一の前記セル情報の合計送信回数をNとし、前記第2の基地局が受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報の送信順序番号をnとした場合に、前記所定時間Tは、以下の式により決定される、請求項22〜30のいずれか1項に記載の基地局装置。
T = (N - n) * T_interval
【請求項32】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能であるとともに、前記第1のセルに関するセル情報を含む第1の無線信号を送信できるよう構成された無線送受信部を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用され、
前記第1の無線信号は、複数回を1単位として繰り返し送信され、前記1単位の送信期間中は同一内容のセル情報を含み、
前記セル情報は、同一内容での前記1単位の送信後に内容の更新が可能とされる、
基地局装置。
【請求項33】
前記無線送受信部は、前記セル情報の内容更新の有無を示す情報を含む第2の無線信号をさらに送信する、請求項32に記載の基地局装置。
【請求項34】
前記無線送受信部は、新たに送信すべき前記セル情報の内容が直前の1単位の送信時と同一である場合に、前記第1の無線信号を送信することなく、前記セル情報の内容更新が無いことを示す情報を含む前記第2の無線信号を送信する、請求項33に記載の基地局装置。
【請求項35】
前記無線送受信部は、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数又は繰り返し送信期間の判定に使用される第1の情報を無線送信する、請求項32〜34のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項36】
前記第1の情報は、前記第1の無線信号の送信タイミング、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の繰り返し送信期間、同一内容の前記セル情報を含む前記第1の無線信号の合計送信回数のうち少なくとも1つを含む、請求項35に記載の基地局装置。
【請求項37】
前記セル情報は、前記第1のセルで使用されている無線リソースの情報及び前記第1のセルの負荷状況を示す情報のうち少なくとも1つを含む、請求項32〜36のいずれか1項に記載の基地局装置。
【請求項38】
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること、
を備える、基地局における無線パラメータの調整方法。
【請求項39】
(d)前記有効な前記セル情報を保持している間、前記有効な前記セル情報と同一のセル情報を含む前記第1の無線信号の受信を行うことなく、前記第2のセルにおける移動局へのダウンリンク無線信号を送信すること、をさらに備える、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ダウンリンク無線信号は、前記第1の無線信号の送信に使用される無線リソースとは異なる他の無線リソースを使用して送信される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記第1の無線信号を受信する際に、前記自身のセルにおける移動局に対する無線送信を一時的に停止する、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局による情報送信方法であって、
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと、
を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される、情報送信方法。
【請求項43】
自身のセルを形成して移動局との間で無線通信を行う基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御は、
(a)周辺セルに関する同一内容のセル情報を含み、前記周辺セルから複数回繰り返して送信される第1の無線信号を少なくとも1回受信するよう前記基地局が備える無線通信部を制御すること、
(b)前記受信した前記第1の無線信号に含まれる前記セル情報を、所定時間の経過または所定時刻まで有効とすること、及び
(c)前記セル情報に基づいて自身のセルに関する無線パラメータを調整すること、
を備える、プログラム。
【請求項44】
第1のセルを形成して移動局との間で通信可能な基地局に関する制御をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記制御は、
(a)前記第1のセルに関する同一内容のセル情報を含む第1の無線信号を、複数回を1単位として繰り返し送信すること、及び
(b)前記第1の無線信号によって送信される前記セル情報の内容の更新を、前記1単位の送信終了を条件として行うこと、
を備え、
前記セル情報は、周辺基地局によって受信され、前記周辺基地局が形成するセルの無線パラメータの調整に利用される、プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−97142(P2011−97142A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246382(P2009−246382)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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