説明

移動通信システムにおけるユーザカスタム対応モビリティの方法及びシステム

セルラーネットワークのアクセス制限されたセルへのアクセスポイントは、それが位置する前記セルの近傍において、セルラーネットワークの少なくとも1つのセルを検出する。それは、セルラーネットワークのサーバに、前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1),検出されたセルの識別子,および前記アクセス制限されたセルにアクセス許可された少なくとも1人のユーザ(U1)の識別子を送信する。この情報を受信すると、前記サーバは、それをデータベース(26)に格納する。したがって前記ユーザ(U1)の携帯端末(10)にアクセス許可される前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1)を送信可能となる。この識別子は、サーバが、前記携帯端末(10)が前記アクセス制限されたセルの近傍にあることを検出した場合、および/または周期的および/またはサーバのデータベース(26)に格納された前記情報の変更イベントの場合に送信可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体通信ネットワークに関し、セル間のモビリティのためのプロシージャを提供する。
【0002】
本発明は、特にUMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)およびGSM/Edge無線アクセスネットワーク(GERAN)に適用可能である。
【背景技術】
【0003】
そのようなネットワークにおいては、移動中の移動通信端末は、リストに含まれている識別子のセルに接続を試みることが知られている。そのリストは、それが管理し、携帯端末により測定(measurement)されるセルの識別情報を含んでいる。
【0004】
前記携帯端末は、既知のメカニズムを使用して、リスト上で識別されているセルのそれぞれにこれらの測定(特にフィールド測定)を行ない、それはこれらの測定で最大レベルであったセルを選択する。
【0005】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)規格によると、このリストは、携帯端末にCELL-INFO-LIST変数として格納される。
【0006】
前記携帯端末により測定されるセルのリストは、その接続セル(すなわち、再選択メカニズムが適応されている時にキャンプされているセル)から、またはセル間での移動状態においては(接続モードのモビリティまたはハンドオーバメカニズム)、基地局を制御する無線ネットワーク制御装置(RNC)である既知のネットワークのエンティティ(entity)から、携帯端末により受信された近接のセルの情報で構成される。
【0007】
携帯端末がアイドルモードの場合、携帯端末により受信された近接するセルのリストは、前記ネットワークによりシステム情報ブロック11(SIB11)メッセージにおいてブロードキャストされる。
【0008】
携帯端末が接続モード(すなわち通信中)の場合、前記近接したセルのリストは、測定制御(Measurement Control)メッセージにおいて送信される。
【0009】
本発明は、特にモビリティのプロシージャを、アクセス制限されたセル(すなわち、閉じたユーザグループにアクセス制限されたセル)に提供しているネットワークを対象としている。
【0010】
アクセス制限されたセルは、通常住宅用または商用(professional)の関係で使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ネットワークによりその近接するセルについて携帯端末に通知する上述のメカニズムは、その近接するアクセス制限されたセルのリストを端末に提供するためには使用できない。
【0012】
前記SIB11およびSIB12メッセージに含まれる近接したセルの前記リストは、ブロードキャストまたは送信される携帯端末や、その端末のユーザに影響されない。言い換えれば、これらのメッセージは、同じサービングセルまたは同じRNCに接続しているすべての端末で同一である。
【0013】
したがって、現在の技術では、もしこれらのメッセージがアクセス制限されたセルの識別子の伝達のために使用されたならば、それらの識別子は、アクセスする権利が与えられていない端末においても受信されてしまうことになる。それには2つの不都合な点がある。
【0014】
第1に、それへの接続を試みるために、前記携帯端末は有効ではないそれらのセルの測定をするが、それへのアクセスは結局否定されることになる。
【0015】
第2に、端末により管理される前記リストに含まれうる識別子の数は、限定されている(CELL-INFO-LIST変数の場合には周波数間に32個)。ここで、この数は多数のアクセス制限されたセルが設置されている地理的エリアにおいては、相対的に小さいと考えるのが妥当である。したがって、禁止されていることから端末によるアクセスが完全に不可能であるセルの識別子でリストが埋め尽くされないことが非常に望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明における第1の特徴は、セルラーネットワークで使用されるように構成されたサーバに関するものである。前記サーバは、
アクセス制限されたセルに送信された、ユーザの識別子,ユーザに許可されたアクセス制限されたセルの識別子,および前記アクセス制限されたセルの検出エリアの少なくとも1つの識別子を、アクセスポイントから受信する手段と、
受信した前記識別子を格納する手段と、前記アクセス制限されたセルの識別子を前記ユーザの携帯端末に送信する手段と、を具備している。
【0017】
用語"検出エリア"は、アクセス制限されたセルの無線カバーエリアの近傍の地理的エリアという意味で使用されている。
【0018】
上述のサーバは、例えばRNCエンティティであってもよい。
【0019】
RNCのOMC(運用保守センター)エンティティに含まれていてもよい。
【0020】
相関的(correlated)に、本発明は、セルラーネットワークのサーバにより使用されるように構成された携帯端末のパラメータをセットする方法に関するものである。
【0021】
前記方法は、
ユーザの識別子,そのユーザに許可されたアクセス制限されたセルの識別子,および前記アクセス制限されたセルの検出エリアの少なくとも1つの識別子を受信する前記サーバのステップと、
前記受信した識別子をデータベースに格納するステップと、
前記アクセス制限されたセルの識別子を前記ユーザの携帯端末に送信するステップと、を具備している。
【0022】
一般的に言えば、本発明は近接したセルの通信端末リストのカスタマイズを許可し、端末が接続を試みうる潜在的なセルを一緒にグルーピングし、そしてその端末に好適なターゲットセルを考慮する。
【0023】
当然の結果として、そして非常に有利であるのは、セルにアクセスしている携帯端末だけが、それへの接続を試みることになることである。
【0024】
この特徴は、アクセスの試みを、所定のユーザのために許可されるそれらのセルだけに制限する。
【0025】
上記の利点は、新規性および進歩性のある本発明のアプローチにより得られる。本発明は、公衆セルラーネットワークおよびアクセス制限されたセルのネットワークに関連するデータの集中管理を必要とする。これらの2つのネットワークは異なるオペレータにより管理してもよい。
【0026】
そのような集中管理は、ユーザ識別子,アクセス許可されるアクセス制限されたセルの識別子,および検出エリアに関係する識別子といった対応する関係が格納される公衆セルラーネットワークのサーバのデータベースの存在に頼っている。
【0027】
本発明の実施例においては、端末のユーザにアクセス許可されるアクセス制限されたセルの検出エリア内に前記携帯端末があることを前記サーバは検出する。前記サーバは、その後、前記携帯端末に前記アクセス制限されたセルの識別子を送信する。
【0028】
前記携帯端末はその後、前記サーバから受信した前記アクセス制限されたセルの識別子を、潜在的セルのリスト(CellInfoList)に追加する。前記RNCは、アクセス制限されたセルの識別子を測定制御(Measurement Control)メッセージの形式で前記携帯端末に送信してもよい。
【0029】
本発明の1つの特定の特長によると、前記検出エリアはネットワークのセルのカバーエリアに対応する。
【0030】
セルは、具体的にはマクロセルまたはGSM(移動体通信におけるグローバルシステム)若しくはUMTS(ユニバーサル移動体通信システム)公共ネットワークのマイクロセルであってもよい。前記マイクロセルのカバーエリアは、通常100メートルオーダーの範囲を有する。マイクロセルは、ローカルの大量の通信トラフィックを吸収するように配置される(例えば主要道路の特定の部分上に、またはラウンドアバウトに)。
【0031】
したがって、もし前記端末がこれらのマクロセルまたはマイクロセルの1つのカバーエリアにあると前記サーバが検出した場合には、前記端末にメッセージ(例えば、測定制御メッセージ)を送信する。このセルの近傍にあるアクセス制限されたセルの識別子が端末により、潜在的セルのリストに追加されることになる。その結果、これらの移動の間に、端末はこれらの好適なセルへの接続を試みる。
【0032】
アクセス制限されたセルの識別子が潜在的セルのリストに追加された瞬間から、前記携帯端末は、これらのセルの測定(特にフィールド測定)をすることができる。適切なモビリティアルゴリズムパラメータは、これらのアクセス制限されたセルへの携帯端末のモビリティに有利に働く。
【0033】
他の本発明の実施例において、前記サーバは、前記携帯端末に、前記アクセス制限されたセルの識別子に加え、このアクセス制限されたセルの検出エリアの識別子を送信する。そして、それは、周期的に(例えば月に1度)および/または記憶保持手段に格納された1つまたは複数の識別子の変更のイベント(例えばその後に新たなアクセス制限されたセルへのアクセスが前記携帯端末のユーザに許可される場合や、アクセス制限されたセルに関連する検出エリアの識別子の変更のイベントで)で行なわれる。
【0034】
この実施例では、移動通信端末は、
検出エリアの少なくとも1つの識別子を端末のユーザがアクセス許可されるアクセス制限されたセルの少なくとも1つの識別子と関連づけられたデータベースと、
前記端末が検出エリアにあることを検出する手段と、
その検出に続き、前記アクセス制限されたセルの識別子を前記リストに追加する手段と、を具備している。
【0035】
特定の実施例において、前記データベースはマイクロコントローラを具備する携帯可能な物体(object)に格納される。前記物体は、移動通信端末に組み込まれるとともに読出し可能である。この小型回路カードは、少なくとも1つの検出領域を、アクセス制限されたセルの少なくとも1つの識別子と関連付けられたデータベースを具備している。
【0036】
この物体は、SIM(加入者識別モジュール)またはUSIM(UMTS加入者識別モジュール)カードであってもよい。
【0037】
したがって、前記端末が、それが検出エリアにあると検出した場合、アクセスしうるアクセス制限されたセルの識別子を、接続を試みうる潜在的セルのリストに追加する。
【0038】
本発明を満たすシナリオにおいては、ユーザの識別子,アクセス制限されたセルの識別子および前記アクセス制限されたセルの近傍のセルの識別子は、アクセス制限されたセルへのアクセスポイントから受信される。
【0039】
本発明の他の特徴は、セルラーネットワークのアクセス制限されたセルへのアクセスポイントに関するものである。このアクセスポイントは、
アクセスポイントを含むセルの近傍にある前記セルラーネットワークの少なくとも1つのセルを検出する手段と、
前記セルラーネットワークのサーバに前記アクセス制限されたセルの識別子,検出されたセルの識別子,および前記アクセス制限されたセルにアクセス許可された少なくとも1人のユーザの識別子を送信する手段と、を具備している。
【0040】
相関的(correlated)に、本発明は、セルラーネットワークにおけるアクセス制限されたセルへのアクセスポイントにより使用することが可能な設定方法に関するものである。この設定方法は、
アクセスポイントの近傍のセルの識別子を取得するステップと、
これらの識別子をサーバに送信するステップと、を具備している。
【0041】
本発明に適合するシナリオでは、ユーザがアクセスポイント、例えば家庭用ゲートウェイを設置した場合、そのアクセスポイントはその近傍にある公共のセルを自動的に検出するとともに彼らの識別子を本発明のサーバに送信する。
【0042】
本発明の特定の実施例においては、前記サーバは、前記セルの識別子と、前記アクセス制限されたセルの識別子を前記携帯端末にSMS(ショートメッセージサービス)フォーマットのメッセージで送信する。
【0043】
このメッセージを受信すると、本発明の携帯端末は、この情報をそのデータベースに格納する。
【0044】
本発明の第1変形例においては、本発明の前記サーバはこの情報を格納しない。
【0045】
第2変形例においては、この情報をデータベースに格納する。
【0046】
特定の実施例において、パラメータをセットする方法または設定方法の種々のステップは、コンピュータプログラムの命令により決定される。
【0047】
従って、本発明は情報媒体上のコンピュータプログラムも対象としている。前記コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるように構成されるとともに、上述したパラメータをセットする方法または設定方法のステップを実行するように構成された命令を具備している。
【0048】
このプログラムは、いかなるプログラム言語を使用してもよく、またソースコード,オブジェクトコード,または部分的にコンパイルされたフォームもしくは他の所望のフォームといったソースコードとオブジェクトコードの間の中間コードであってもよい。
【0049】
本発明は、上述のコンピュータプログラム命令を有するコンピュータ読取可能な情報媒体も対象とする。
【0050】
前記情報媒体は、いかなるエンティティまたはプログラム格納可能なデバイスであってもよい。例えば、この媒体は、例えばCD-ROMまたは小型電子回路ROMといったROMなどの格納手段、または、例えばフロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気記憶手段を具備してもよい。
【0051】
さらに、前記情報媒体は、電気的または光学的ケーブル、無線、または他の手段を介し経路が定められる、電気的または光学的信号により転送可能なメディアであってもよい。本発明の前記プログラムは、インターネット形式のネットワークを介してダウンロードされてもよい。
【0052】
あるいは、前記情報媒体は、問題となっている前記方法を実行するように構成された、またはその実行に使用される前記プログラムが組み込まれた集積回路であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面へのリファレンスとともに以下で与えられる説明から明白となる(emerge from)。そして、それは発明の非限定的な1つの実施形態を示す。
【0054】
【図1】本発明における彼らの環境での携帯端末およびサーバを図示している。
【図2】本発明における彼らの環境でのアクセスポイントを図示している。
【図3】図1に示すサーバのデータベースを図示している。
【図4】図1に示す携帯端末のデータベースを図示している。
【図5】本発明のある特定の実施形態における設定方法の主たるステップを示すフローチャートである。
【図6】本発明のある特定の実施形態におけるパラメータをセットする方法の主たるステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明のある特定の実施形態における接続方法の主たるステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、本発明の一実施形態における携帯端末10およびサーバ20を示している。
【0056】
前記携帯端末10は、ユーザU1の端末である。
【0057】
この図において3つのセルMC1,MC2,およびMC3が示されているが、これらのセルのそれぞれは、基地局BSのカバーエリアにより範囲が画定されている。
【0058】
この図において、
前記セルMC1およびMC2の前記カバーエリアにアクセス制限された第1セルRAC1と、
前記セルMC2のみの前記カバーエリアにアクセス制限された第2セルRAC2と、が示されている。
【0059】
ここで説明される実施形態において、前記3つの基地局はサーバ20により管理されており、本発明に従いRNCタイプであってよい。
【0060】
ここで説明される実施形態において、前記サーバ20は、従来型のコンピュータのハードウェア構成である。
【0061】
前記サーバは、特定のプロセッサ21,通信手段24,読出し専用メモリ(ROM)22,およびランダムアクセスメモリ(RAM)23を具備している。
【0062】
前記通信手段24は、3つの基地局BSならびにアクセス制限されたセルRAC1およびRAC2を管理しているアクセスポイントに通信可能である。
【0063】
前記サーバ20の前記読出し専用メモリ22は、コンピュータプログラムを格納する記憶媒体である。前記コンピュータプログラムは、パラメータをセットする方法を実行するための命令を有する。前記パラメータをセットする方法の主なステップは、図6に示されている。
【0064】
本発明における前記携帯端末10は、プロセッサ11,読出し専用メモリ(ROM)12,ランダムアクセスメモリ(RAM)13,通信手段14,およびSIM(またはUSIM)カード15を具備している。
【0065】
前記通信手段14は、前記携帯端末10と、基地局BSならびにアクセス制限されたセルRAC1およびRAC2へのアクセスポイント30(図1には図示していない)との通信を可能にする。
【0066】
前記携帯端末10の前記読出し専用メモリ13は、コンピュータプログラムを格納する記憶媒体である。前記コンピュータプログラムは、本発明の接続方法のステップを実行するための命令を有する。前記接続方法の主なステップは、図7に示されている。
【0067】
図2には、アクセス制限されたセルRAC2を管理している本発明における前記アクセスポイント30が示されている。
【0068】
このアクセスポイントは、従来型のコンピュータの構成である。
【0069】
前記アクセスポイントは、プロセッサ31,読出し専用メモリ(ROM)32,ランダムアクセスメモリ(RAM)33,および通信手段34を具備している。
【0070】
本発明によると、前記アクセスポイント30の検出手段34は、それが前記セルMC2の近傍にあることを検出するとともに、アクセス制限されたセルRAC2に近接したセルを特定するように構成されている。
【0071】
ここでは図示されていないが、同様に、アクセス制限されたセルRAC1の前記アクセスポイントは、セルMC1およびMC2の近傍において検出するように構成されている。
【0072】
前記アクセスポイント30の読出し専用メモリ32は、本発明におけるコンピュータプログラムを格納する記憶媒体である。前記コンピュータプログラムは、本発明の設定方法のステップを実行するための命令を有する。前記設定方法の主なステップは、図5に示されている。
【0073】
これらのアクセスポイントのそれぞれは、その近傍に検出された近接したセルMC1,MC2の識別子およびアクセスポイントにアクセス許可されたユーザの識別子のリストを前記RACサーバ20に、送信するように構成されている。これらの識別子は、例えば、スクランブリングコードであってもよい。
【0074】
ここで説明されている実施形態において、本発明の前記サーバ20の前記ランダムアクセスメモリ23は、図3に示すデータベース26を具備している。
【0075】
このデータベースは、2つのレコードを有する。1つはアクセス制限された第1セルRAC1のためのものであり、もう1つはアクセス制限された第2セルRAC2のためのものである。
【0076】
従って、前記アクセス制限された第1セルRAC1のためのレコードは、2つの行を有する。1つは前記携帯端末10のユーザU1のためのものであり、もう1つはユーザU2のためのものである。
【0077】
ユーザU1のための第1行は、前記セルMC1,MC2の識別子MC1およびMC2を含む。したがって、
・前記ユーザU1は、識別子RAC1である前記アクセス制限されたセルにアクセスを許可されている。
・このアクセス制限されたセルRAC1は、セルMC1およびMC2の近傍内にある。
【0078】
前記ユーザU2においても同様にあてはまる。
【0079】
最後に、前記ユーザU1は、セルMC2の近傍にある識別子がRAC2である前記アクセス制限されたセルにもアクセス許可されている。
【0080】
このデータベース内に格納された前記情報は、前記アクセス制限されたセルRAC1およびRAC2(上記参照)の前記アクセスポイント30から受信しうる。
【0081】
このシナリオでは、アクセスポイント30を設置した場合、前記ユーザは、アクセス制限されたセルにアクセス許可されたユーザの識別子のパラメータを、このアクセスポイントにより定められているようにセットする。
【0082】
前記ネットワークのオペレータは、この情報を前記データベース26に直接格納してもよい。
【0083】
図7を参照しながらここで説明されている実施形態において、前記ユーザU1に関する情報を受信すると、前記サーバ20は、SMSメッセージをユーザU1の前記携帯端末10に送信する。前記情報は、携帯端末10のSIMカード15の前記データベース17(図4参照)に格納されているSMSメッセージに含まれている。
【0084】
このデータベースはセルMC1およびMC2のための2つのレコードを具備している。
【0085】
第1レコードは、前記セルMC1の前記識別子と、アクセス制限されたセルRAC1の識別子を関連付ける。
【0086】
これは、もし前記端末が前記セルMC1内であるならば、測定されるとともに前記端末が接続を試みうるセルのリスト16に、アクセス制限されたセルRAC1の識別子が付加されなければならないといことを意味する。前記リスト16は3GPPにより定義されたCell-Info-Listでありうる。
【0087】
前記データベース17からの第2レコードは、前記セルMC2と前記アクセス制限されたセルRAC1およびRAC2の識別子を関連付ける。
【0088】
これは、もし前記携帯端末10が前記セルMC2のカバーエリア内ならば、前記アクセス制限されたセルRAC1およびRAC2の識別子が、接続を試みうるセルの前記リスト16に付加されなければならないということを意味する。
【0089】
前記RNC20により送信された前記SMSメッセージ(または、前記携帯端末のユーザに許可されたアクセス制限されたセルの識別子および関連する検出エリアの識別子を含む他のタイプのメッセージ)は、周期的に、例えば月に1度、端末に送信してもよい。データベース26でそれに関する変更があるたびに、RNC20により前記端末に同様に送信してもよい。
【0090】
前記アクセスポイント30で使用される設定方法の主なステップは、図5に示されている。
【0091】
この方法のステップG10の間に、前記アクセスポイント30は、マクロセルの識別子またはその近傍のマイクロセルMC1の識別子を取得する。
【0092】
このステップG10の後に、ステップG20が続く。前記ステップG20では、アクセスポイント30は、前記アクセスポイント30にアクセス許可されたユーザU1の識別子および前記セルMC1の識別子を前記サーバ20に送信する。
【0093】
本発明の前記サーバ20で使用される本発明のパラメータをセットする方法の主なステップを、図6を参照しながら以下で説明する。
【0094】
第1ステップF10の間に、前記サーバ20は、これらのアクセス制限されたセルにアクセス許可されるユーザU1,U2の識別子と、セルRAC1およびRAC2の識別子と、これらのアクセス制限されたセルの近傍のセルMC1およびMC2の識別子と、をアクセス制限されたセルRAC1およびRAC2へのアクセスポイント30から受信する。この情報は、既に説明したように、前記データベース26に格納される。
【0095】
このステップF10の後に、ステップF20が続く。前記ステップF20では、前記サーバ20は、セルMC1およびMC2のそれぞれのために、それらのセルの近傍で前記携帯端末10がアクセス許可されるアクセス制限されたセルの識別子を含むSMSメッセージを前記携帯端末に送信する。
【0096】
ここで説明される実施形態においては、この情報は携帯端末10のSIMカードに格納される。
【0097】
他の実施形態においては、種々のアクセスポイントから受信された情報は、RNCサーバ20のランダムアクセスメモリ23には格納されない。
【0098】
ここで説明される実施形態においては、この情報は格納される。
【0099】
このステップF20はオプションであることに注意が必要である。前記サーバ20は、セルMC1およびMC2の近傍でアクセスしうる前記アクセス制限されたセルについて通知するメッセージを前記端末に送信する必要はない。この場合には、前記サーバは、ステップF10からステップF30に直接進む。
【0100】
このステップF30では、前記サーバ20は本発明の前記携帯端末10が接続モード(すなわちネットワークに接続されている)かどうかを確認する。
【0101】
もしそうであるなら、ステップF40において、前記携帯端末10がセルMC1またはMC2のうちの1つにあるかどうかを確認し、もしそうであるなら、ステップF50において、前記携帯端末10に、このセルの近傍で端末がアクセスしうる前記アクセス制限されたセルの識別子を含む測定制御(Measurement Control)メッセージを送信する。
【0102】
ここで前記サーバ20は、ステップF40の間に、前記携帯端末10がセルMC1に接続されていることを検出する。その結果前記測定制御メッセージには、アクセス制限されたセルRAC1の識別子を含むことになる。
【0103】
もしアクセスポイント30が前記サーバ20にその近傍に位置している複数のセル(例えば、マクロセルとマイクロセル))の識別子を送信する場合には、そのマイクロセルのカバーエリアである、前記アクセス制限されたセルに関連する検出エリアを定めるために、前記サーバ20は、前記ステップF10においてマクロセルの識別子をデータベース26に格納することを優先させることに注意が必要である。
【0104】
ステップF15の間に送信された前記測定制御メッセージには規格で規定された制限サイズがある。したがって前記サーバ20は、測定制御メッセージ内のアクセス制限されたセルの識別子を確実にあまり多くは送信しないという利点がある。この問題の1つの解決策は、例えば、前記セルの検出エリアを地理的に1番小さいカバーエリアに選択することにより、アクセス制限されたセルの検出エリアを十分な大きさにすることである。
【0105】
前記携帯端末10により使用される本発明の接続方法の主なステップは図7を参照しながら以下に説明される。
【0106】
ステップE10では、前記携帯端末10は、本発明のサーバ20により送信されたSMSメッセージを受信する。前記メッセージは、セルMC1,MC2のそれぞれのために、これらのセルの近傍にある前記ユーザがアクセス許可される前記アクセス制限されたセルRAC1,RAC2の識別子のリストを含む。
【0107】
この情報は、ステップE20において前記端末10のSIMカード15のデータベース17に格納される。
【0108】
もし前記端末10が(ステップE30において)これらのセルのうち1つを検出したならば、これらのアクセス制限されたセルの識別子を、接続を試みうるセルのリスト16に追加する。
【0109】
ここで、SMSメッセージを受信すると、前記携帯端末10は前記データベース17に、前記セルMC1の識別子,アクセス制限されたセルRAC1の識別子,および2つのアクセス制限されたセルRAC1およびRAC2の識別子とともにセルMC2の識別子を格納する。それがセルMC1で検出された場合には、前記携帯端末10は、アクセス制限されたセルRAC1の識別子を、接続を試しうるセルのリスト16に追加する。もし、セルMC2で検出された場合には、前記携帯端末10は、前記2つのアクセス制限されたセルRAC1およびRAC2の識別子を、接続を試しうるセルの前記リスト16に追加する。したがって、転送(ハンドオーバ)プロシージャは、前記携帯端末から前記セルRAC1またはRAC2への転送に影響しうる。
【0110】
例えばプライベート無線アクセスステーション(住宅向けまたはビジネス限定)の方式でADSL(非対称デジタル加入者回線)モデムまたは他の高ビットレートのネットワークアクセス機器(例えばFTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)タイプの)に接続されているような、家庭用(第2世代(2G),第3世代(3G)またはビヨンド3G(B3G))または企業の敷地での無線カバーエリアにおける移動通信のオペレータである私的またはビジネスの顧客に提供しているサービスという背景において本発明は特定のアプリケーションを見つける。上述したアクセスポイント30は、このプライベート無線アクセスステーションと前記高ビットレートネットワークへの前記アクセス機器の組み合わせに相当する。
【0111】
したがってだれでも、アクセス許可された加入者の関連リスト(家族,友人など)を用いて彼ら自身の家庭用無線アクセスステーションをもつことができる。アクセス制御メカニズムは、このリストに含まれていないユーザにこのプライベートステーションへのアクセスを禁止しうる。
【0112】
同様に商用的には(in a professional context)、企業(business)において、例えばアクセスをその企業の従業員に限定するとともに外来者には禁止する1つまたは複数の無線アクセスステーションをそのサイトに有してもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 携帯端末
11 プロセッサ
12 読出し専用メモリ(ROM)
13 ランダムアクセスメモリ(RAM)
14 通信手段
15 SIM(またはUSIM)カード
16 接続を試みうるセルのリスト
17 データベース
20 サーバ(RNC)
21 プロセッサ
22 読出し専用メモリ(ROM)
23 ランダムアクセスメモリ(RAM)
24 通信手段
26 データベース
30 アクセスポイント
31 プロセッサ
32 読出し専用メモリ(ROM)
33 ランダムアクセスメモリ(RAM)
34 通信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラーネットワークで使用されるように構成されたサーバ(20)であって、
アクセス制限されたセルに送信された、ユーザの識別子(U1),前記ユーザ(U1)に許可されたアクセス制限されたセルの識別子(RAC1),および前記アクセス制限されたセルの検出エリアの少なくとも1つの識別子(MC1)を、アクセスポイントから受信する手段と、
受信した前記識別子(U1,MC1,RAC1)を格納するための手段(26)と、
前記アクセス制限されたセルの前記識別子(RAC1)を前記ユーザ(U1)の携帯端末(10)に送信する手段(14; 24)と、
を具備するサーバ。
【請求項2】
前記携帯端末(10)が前記端末(10)のユーザ(U1)に許可されるアクセス制限されたセルの検出エリア内であることを検出する手段(21)を具備し、
前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1)を前記携帯端末(10)に送信するための前記手段(14)は、前記携帯端末(10)が前記検出エリア内にある場合に動作することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記検出エリアは前記ネットワークのセルのカバーエリアに対応することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項4】
前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1)を送信するための前記手段(24)は、前記携帯端末(10)に前記アクセス制限されたセルの検出エリアの識別子(MC1)も送信するとともに、前記送信手段(24)は、周期的におよび/または前記格納手段(26)に格納された識別子の少なくとも1つが変更される場合に起動されることを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
セルラーネットワークのサーバにより使用されるように構成された携帯端末のパラメータをセットする方法であって、
ユーザ(U1)の識別子,そのユーザ(U1)に許可されたアクセス制限されたセルの識別子(RAC1),および前記アクセス制限されたセルの検出エリアの少なくとも1つの識別子(MC1)を受信する前記サーバのステップ(F10)と、
受信された識別子(U1,MC1,RAC1)をデータベース(26)に格納するステップと、
前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1)を前記ユーザ(U1)の携帯端末(10)に送信するステップと、
を含むことを特徴とするパラメータをセットする方法。
【請求項6】
請求項5に記載のパラメータをセットする方法を実行するための命令を含み、コンピュータ(20)により実行されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
セルラーネットワークのアクセス制限されたセルへのアクセスポイントであって、
前記アクセスポイントを有するそのセルの周辺において前記セルラーネットワークの少なくとも1つのセルを検出する手段と
前記セルラーネットワークのサーバに、前記アクセス制限されたセルの識別子(RAC1),検出されたセルの識別子,および前記アクセス制限されたセルのアクセスを許可された少なくとも1人のユーザ(U1)の識別子と、を送信する手段と、
を具備することを特徴とするアクセスポイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2010−507307(P2010−507307A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532866(P2009−532866)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/FR2007/052168
【国際公開番号】WO2008/047040
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】