説明

移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持

【課題】移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の好適な通信維持を提供する。
【解決手段】移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持は、ネットワークとのアクティブ化状態を維持しながら前記ネットワークとの同期状態と非同期状態の一方への移行を決定し、前記決定によって同期状態と非同期状態の一方に移行することにより達成される。さらに、ネットワークとアクティブ化状態を維持している間に前記ネットワークとの同期状態及び非同期状態の一方に移行すると決定する段階と、前記決定によって、前記同期状態及び前記非同期状態の一方に移行する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)のネットワーク構造の例を示す。前記E−UMTSシステムは、既存のUMTSシステムから進化したシステムである。前記E−UMTSの標準化は、現在3GPPで行われている。前記E−UMTSは、長期的発展(LongTerm Evolution:LTE)システムともいわれる。
【0003】
E−UMTSネットワークは、E−UTRAN(Evolved UMTS terrestrial radio access network)とコアネットワーク(Core Network:CN)とから構成される。前記E-UTRANは、基地局(eNodeB又はeNB)を含む。前記CNは、ユーザ装置(UserEquipment:UE)のユーザ登録のためのノードであるアクセスゲートウェイ(AccessGateway:AG)を含む。前記AGは、ユーザトラフィックを処理するための第1部分と制御トラフィックを処理するため第2部分とに分けられる。前記ユーザトラフィックを処理するためのAG部分と制御トラフィックを処理するためのAG部分は、通信インタフェースを介して互いに接続できる。
【0004】
1つのeNode Bには少なくとも1つのセルが存在する。複数のeNodeBは、ユーザトラフィック及び/又は制御トラフィック伝送のためのインタフェースにより接続される。インタフェースは、前記E−UTRANと前記CNを区分するために前記UMTSにおいても利用される。
【0005】
前記移動端末と前記ネットワーク間の無線インタフェースプロトコル層は、相互接続方式において公知の開放型システム間相互接続(OSI)参照モデルの下位3層に基づいて第1層(L1)、第2層(L2)、及び第3層(L3)に区分される。これらの層のうち、第1層は、物理層を利用して情報送信サービスを提供する。前記第3層に位置する無線リソース制御(Radio Resource Control:RRC)層は、前記移動端末と前記ネットワーク間の無線リソースを制御する役割を果たす。従って、前記RRC層は、前記移動端末と前記ネットワーク間でRRCメッセージを交換する。前記RRC層は、前記eNodeBとAGの両方に位置するか、前記eNode B又はAGの一方に位置する。
【0006】
図2及び図3は、3GPP無線接続ネットワーク標準に準拠した移動端末とUTRAN間の無線プロトコルの構造の例を示す。図2及び図3の無線インタフェースプロトコルは、水平的には、物理層、データリンク層、及びネットワーク層から構成され、垂直的には、データ情報を送信するユーザプレーンと制御信号を伝送する制御プレーンとから構成される。図2及び図3のプロトコル層は、相互接続方式において公知の開放型システム間相互接続(OSI)参照モデルの下位3層に基づいて第1層(L1)、第2層(L2)、及び第3層(L3)に区分される。
【0007】
以下、図2に示す制御プレーンと図3に示すユーザプレーンの無線プロトコル層について説明する。前述したように、物理層は、上位層に情報送信サービスを提供する。前記物理層は、トランスポートチャネルで上位層である媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)層に接続される。データは、前記トランスポートチャネルを介して物理層とMAC層間を移動する。また、データ伝送は、相異なる物理層間、すなわち、送信側の物理層と受信側の物理層間で物理チャネルを介して行われる。
【0008】
前記MAC層は、前記第2層に位置し、論理チャネルで上位層である無線リンク制御(Radio Link Control:RLC)層にサービスを提供する。前記RLC層も第2層に存在し、信頼性のあるデータ伝送をサポートする。ここで、前記RLC層の機能は、前記MACの内部の機能ブロックとして実現される。この場合、前記RLC層は存在しない可能性もある。パケットデータコンバージェンスプロトコル(PacketData Convergence Protocol:PDCP)層は、前記RLC層の上位の前記第2層に位置する。前記PDCP層は、IPv4やIPv6などのIPパケットを利用して伝送されるデータを相対的に帯域幅が小さい無線インタフェースを介して効率的に伝送するために利用される。このために、前記PDCP層は、ヘッダ圧縮機能により不要な制御情報を減らす。
【0009】
前記第3層の最下部に位置する無線リソース制御(RRC)層は、制御プレーンにおいて定義される。前記RRC層は、無線ベアラ(Radio Bearer:RB)の設定、再設定、及び解除のためにトランスポートチャネル及び物理チャネルを担当する。ここで、無線ベアラ(RB)は、前記移動端末と前記UTRAN間のデータ伝送のために前記第2層により提供されるサービスである。
【0010】
ネットワークから移動端末にデータを伝送するためのダウンリンクトランスポートチャネルとしては、システム情報の送信のためのブロードキャストチャネル(Broadcast Channel:BCH)及びユーザトラフィックや制御メッセージの送信のためのダウンリンク共有チャネル(SharedChannel:SCH)がある。ダウンリンクマルチキャスト又はブロードキャストサービスのユーザトラフィック又は制御メッセージは、ダウンリンクSCH又は別途のダウンリンクマルチキャストチャネル(MulticastChannel:MCH)で送信される。移動端末からネットワークにデータを伝送するためのアップリンクトランスポートチャネルとしては、初期制御メッセージの送信のためのランダムアクセスチャネル(RandomAccess Channel:RACH)とユーザトラフィック又は制御メッセージの送信のためのアップリンク共有チャネル(SCH)がある。
【0011】
以下、前記RLC層について説明する。前記RLC層は、基本的に各RBのサービス品質(Quality of Service:QoS)及びこれに対応するデータ伝送を保障する。前記RBサービスが無線プロトコルの第2層により上位層に提供されるサービスであるので、前記第2層全体がQoSに影響を与える。特に、前記RLC層が前記QoSに大きく影響を与える。前記RLCは、前記RBの固有QoSを保障するために、各RBのための独立したRLCエンティティを設定する。
【0012】
前記RLCは、多様なQoSをサポートするために、3つのモード、すなわち、トランスペアレントモード(Transparent Mode:TM)、無応答モード(Unacknowledged Mode:UM)、及び応答モード(AcknowledgedMode:AM)を提供する。前記3つのRLCモードは、それぞれ異なる方式でQoSをサポートするので、動作方法が異なる。また、前記3つの動作モードの詳細な機能も異なる。従って、前記RLCの各動作モード(すなわち、TM、UM、及びAM)についてより詳細に説明する。
【0013】
UM RLCモードにおいては、伝送されたデータに対して受信応答が受信されない。AMRLCモードにおいては、伝送されたデータに対して受信応答が受信される。前記無応答モード(UM)でデータを伝送するとき、前記UM RLCは、各PDUにシーケンスナンバー(SN)を含むPDUヘッダを加えて受信側に伝送する。従って、前記受信側は、伝送中に失ったPDUを認知できる。前記UMRLCは、前記ユーザプレーンにおいて、ブロードキャスト/マルチキャストデータの伝送、又はパケットサービスドメインの音声(例えば、VoIP)もしくはストリーミングなどのリアルタイムパケットデータの伝送を担当する。前記UMRLCは、前記制御プレーンにおいては、セル内の特定端末又は特定端末グループに送信されるRRCメッセージのうち受信応答を必要としないRRCメッセージの送信を担当する。
【0014】
前記AM RLCは、前記UM RLCと同様に、SNを含むPDUヘッダを前記PDUに加えてPDUを構成する。しかしながら、前記AMRLCは、送信側から伝送されたPDUが正常に受信されたか否かを受信側が応答する点で前記UM RLCと異なる。ここで、前記応答を提供するとき、前記受信側は、前記送信側に正常に受信されていないPDUの再伝送を要求できる。従って、再伝送機能は、前記AMRLCの最も重要な特徴である。
【0015】
前記AM RLCの目的は、前記再伝送機能を利用してエラーのないデータ伝送を保障することである。従って、前記AMRLCは、前記ユーザプレーンにおいては、前記パケットサービス領域の伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(Transport Control Protocol(TCP)/Internet Protocol(IP))データのような非リアルタイムパケットデータの伝送を担当する。また、前記AMRLCは、前記制御プレーンにおいては、セル内の特定端末又は特定端末グループに送信されるRRCメッセージのうち受信応答を必要とするRRCメッセージの送信を担当する。
【0016】
前記TM RLC及び前記UM RLCは、単方向通信に利用される。しかしながら、前記AMRLCは、前記受信側からのフィードバック機能のため、双方向通信に利用される。前記双方向通信は、一般的に1対1(point-to-point)通信に利用されるため、前記AMRLCは、専用チャネルを利用する。
【0017】
前記AM RLCは、再伝送機能を行うため、複雑である。特に、前記AMRLCは、再伝送を管理するために、送受信バッファ以外にも再伝送バッファを備える。前記AM RLCは、例えば、フロー制御のための送受信ウィンドウの利用、前記送信側がピアRLCエンティティの受信側に状態情報を要求するポーリング機能、前記受信側が前記ピアRLCエンティティの送信側に前記受信側のバッファ状態を報告する状態情報報告機能、状態情報を送信するための状態PDUの利用、及びデータ伝送効率を向上させるためにデータPDU内に状態PDUを挿入するピギーバックを含む多様な機能を行う。
【0018】
AM RLCエンティティが動作中に深刻なエラーを発見すると、前記AMRLCは、相手側AM RLCエンティティに全ての動作及びパラメータのリセットを要求するためにリセットPDUも利用する。従って、リセットACK PDUなどは、前記リセットPDUに応答するために利用される。前記AMRLCは、このような機能をサポートするために、様々なプロトコルパラメータ、状態変数、及びタイマーを利用する。
【0019】
状態情報報告PDU、状態PDU、及びリセットPDUなどのPDUは、前記AMRLCからのデータ伝送の制御のために利用される。このようなPDUを制御PDUという。ユーザデータ伝送に利用されるPDUはデータPDUという。従って、前記AM RLCは、一般的に2つのタイプのPDU、すなわち、データPDU及び制御PDUを利用する。
【0020】
前記E−UMTSは、基地局と端末とから構成される。1つのセルにおける無線リソースは、アップリンク無線リソースとダウンリンク無線リソースとから構成される。前記基地局は、1つのセルのアップリンク及びダウンリンク無線リソースの割り当て及び制御を管理する。特に、前記基地局は、無線リソースを利用する端末、前記無線リソースを利用する時刻、利用する無線リソースの量、及び利用する無線リソースのタイプなどの条件又は状況を決定する。例えば、基地局は、3.2秒経過した後、100Mhzから101Mhzの周波数で第1ユーザに0.2秒間ダウンリンクデータを伝送することを決定できる。これにより、前記基地局は、該当端末に前記決定を通知し、前記端末がダウンリンクデータを受信できるようにする。同様に、前記基地局は、条件又は状況(すなわち、無線リソースを利用する時刻、利用する無線リソースの量、利用する無線リソースのタイプ、無線リソースを利用する端末など)に基づいてデータを伝送するか否かを決定できる。前記基地局は、前記決定も前記端末に通知して前記決定された期間内に前記端末がデータを伝送できるようにする。
【0021】
E−UTRANシステムにおいて、前記基地局は、前記無線リソースを動的に管理してデータ伝送効率を向上させる。しかしながら、UTRANシステムにおいて、無線リソースは、呼接続中に1つの端末が1つの無線リソースを継続して利用するように管理される。これは、最近の多くのサービスがIPパケットに基づいて提供されるという点から、非合理的である。例えば、大部分のパケットデータサービスの場合、パケットが継続して生成されるのではなく、間欠的に生成される。従って、前記基地局が端末に継続的に無線リソースを割り当てることは非効率的である。
【0022】
前記E−UTRANシステムにおいて、端末が伝送するデータを有する間は前記のような方式で端末に無線リソースを割り当てる。すなわち、前記E−UTRANは、前記端末が無線リソースを必要とするときにのみ、前記端末にリソースを割り当てる。
【0023】
前記E−UTRANシステムは、物理層において直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式を用いる。前記OFDM方式は、周波数帯域を所定サイズに分け、各分けた帯域を複数の端末に割り当てる方式で実現される。前記OFDM方式においては、他の周波数帯域で伝送されるデータの干渉により各周波数帯域で伝送されるデータが正常に受信されないことを防止するために、端末間の伝送時間の同期が重要である。すなわち、端末1及び端末2のデータ伝送が所定時間間隔でスケジューリングされると、前記端末1により伝送されたデータが基地局に到着する時間と、前記端末2のデータが基地局に到着する時間が一致しなければならない。前記端末1と前記端末2のデータ到着時間が異なる場合、前記端末1と前記端末2により伝送された各データは前記基地局で正しく復旧できない。
【0024】
これにより、前記E−UTRANシステムは、各端末のアップリンクチャネル伝送の同期が必要であり、このために、多様な方法が用いられている。アップリンク伝送タイミングを同期化するための1つの方法は、ランダムアクセスチャネル(RACH)を利用することである。ここで、基地局と同期したアップリンクチャネルを維持していない端末は、前記RACHに予め設定されたビットストリーム、すなわち、シグネチャを基地局に伝送する。前記基地局は、前記シグネチャを検出し、前記検出したシグネチャに基づいて前記アップリンクチャネル同期のために端末の必要な伝送時間調整(すなわち、例えば、伝送がどれくらい遅延されるべきか、又は、前記伝送がどれくらい速く行われるべきか)を計算する。その後、前記基地局は、前記端末に前記決定を通知する。これにより、前記端末は、前記計算された値に基づいて前記端末の伝送時間を調整する。前記伝送時間が調整されると、前記端末は、前記基地局とアップリンクチャネルが同期される。
【0025】
本発明者らは、無線リソース割り当てのための既存の手順に少なくとも以下のような問題があることを認識した。すなわち、前記端末と前記基地局間にRRC接続が形成されていても、前記端末が常にアップリンク伝送を行う必要はない。例えば、ユーザがインターネットブラウジングを行う場合、通常前記ユーザは見たいと思うウェブページをダウンロードする。しかしながら、ダウンロードした後、前記ユーザは、ウェブページを見終わるまで何の動作も行わない。従って、この時間の間、前記端末が前記アップリンクチャネルの同期を維持するための伝送を継続して行う場合、前記端末は、アップリンク無線リソース及び端末の電力を消費する。このような知見に基づいて、本発明者らは下記に説明される多様な特徴及び態様を案出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持にある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明のさらなる特徴及び態様は後述する発明の詳細な説明に記述されるが、一部はその記述内容から明確になるか、又は、本発明を実施することにより理解されるであろう。前記特徴及び態様は、特に、発明の詳細な説明及び請求の範囲並びに添付図面に開示された構成により実現及び達成される。
【0028】
このような目的、他の特徴、及び態様を達成するために、本発明は、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法を提供し、前記方法は、ネットワークとアクティブ化状態を維持している間に前記ネットワークとの同期状態及び非同期状態の一方に移行すると決定する段階と、前記決定によって、前記同期状態及び前記非同期状態の一方に移行する段階とを含む。
【0029】
一態様において、前記決定する段階は、タイマーが満了すると行われる。好ましくは、前記タイマーは、信号を伝送するとスタートする。
【0030】
他の態様において、前記決定する段階は、予め決定された期間ダウンリンク制御チャネルを受信していない場合に行われる。
【0031】
他の態様において、前記決定する段階は、ネットワーク命令を受信すると行われる。
【0032】
他の態様において、前記決定する段階は、サービス領域外に移動すると行われる。
【0033】
他の態様において、前記決定する段階は、新しいサービス領域に移動すると行われる。
【0034】
他の態様において、前記決定する段階は、サービス領域外に移動し、タイマーが満了すると行われる。
【0035】
他の態様において、前記決定する段階は、所定距離以上移動すると行われる。
【0036】
他の態様において、前記決定する段階は、所定移動速度に達すると行われる。
【0037】
他の態様において、前記決定する段階は、ランダムアクセスチャネル(RACH)での情報送信に所定回数失敗すると行われる。
【0038】
他の実施形態によれば、移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法は、移動端末がネットワークとの同期状態及び非同期状態のいずれの状態にあるかを決定するために、前記ネットワークにより利用される第1情報を前記ネットワークに送信する段階と、前記決定された移動端末の状態によって前記ネットワークから第2情報を受信する段階とを含む。
【0039】
前記第2情報は、前記移動端末が非同期状態にあると決定されると、前記移動端末と前記ネットワーク間の同期時間の調整に関する情報を含む。
【0040】
一態様において、前記第1情報は、非同期状態への移行要求を含む。
【0041】
他の態様において、前記第1情報は、予め決定された期間の非同期状態への移行要求を含む。
【0042】
さらに他の態様において、前記第1情報は、同期状態への移行要求を含む。
【0043】
他の実施形態によれば、移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法は、ネットワークにより決定された移動端末の同期状態及び非同期状態のいずれかによって、前記ネットワークから前記移動端末と前記ネットワーク間の通信のための無線リソース割り当てに関する情報を含む第1情報を受信する段階と、前記無線リソース割り当てに関する情報によって第2情報を送信する段階とを含む。
【0044】
前記第1情報は、前記移動端末が非同期状態にあると決定されると、前記移動端末と前記ネットワーク間の同期時間の調整に関する情報を含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ネットワークとアクティブ化状態を維持している間に前記ネットワークとの同期状態及び非同期状態の一方に移行すると決定する段階と、
前記決定によって、前記同期状態及び前記非同期状態の一方に移行する段階と
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目2)
前記決定する段階は、
タイマーが満了すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目3)
前記タイマーは、
信号を伝送するとスタートすることを特徴とする項目2に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目4)
前記決定する段階は、
予め決定された期間ダウンリンク制御チャネルを受信していない場合に行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目5)
前記決定する段階は、
ネットワーク命令を受信すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目6)
前記決定する段階は、
サービス領域外に移動すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目7)
前記決定する段階は、
新しいサービス領域に移動すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目8)
前記決定する段階は、
サービス領域外に移動し、タイマーが満了すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目9)
前記決定する段階は、
所定距離以上移動すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目10)
前記決定する段階は、
所定移動速度に達すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目11)
前記決定する段階は、
ランダムアクセスチャネル(RACH)での情報送信に所定回数失敗すると行われることを特徴とする項目1に記載の移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法。
(項目12)
移動端末がネットワークとの同期状態及び非同期状態のいずれの状態にあるかを決定するために、前記ネットワークにより利用される第1情報を前記ネットワークに送信する段階と、
前記決定された移動端末の状態によって前記ネットワークから第2情報を受信する段階とを含むことを特徴とする移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目13)
前記第2情報は、
前記移動端末が非同期状態にあると決定されると、前記移動端末と前記ネットワーク間の同期時間の調整に関する情報を含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目14)
前記第1情報は、
非同期状態への移行要求を含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目15)
前記第1情報は、
予め決定された期間の非同期状態への移行要求を含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目16)
前記第1情報は、
同期状態への移行要求を含むことを特徴とする項目12に記載の移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目17)
ネットワークにより決定された移動端末の同期状態及び非同期状態のいずれかによって、前記ネットワークから前記移動端末と前記ネットワーク間の通信のための無線リソース割り当てに関する情報を含む第1情報を受信する段階と、
前記無線リソース割り当てに関する情報によって第2情報を送信する段階と
を含むことを特徴とする移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
(項目18)
前記第1情報は、
前記移動端末が非同期状態にあると決定されると、前記移動端末と前記ネットワーク間の同期時間の調整に関する情報を含むことを特徴とする項目17に記載の移動通信システムにおける移動端末の同期状態管理方法。
【0045】
上記の本発明の一般的な記載及び後述する詳細な記載は例示的なものであり、請求の範囲に記載の本発明を具体的に説明するためのものである。
【0046】
発明の理解を容易にするために添付され、本明細書の一部を構成する図面は、本発明の多様な実施形態を示し、明細書と共に本発明の原理を説明する。図面において同一符号を付す本発明の特徴、構成要素、及び態様は、1つ以上の実施形態において同一、同等、又は類似した特徴、構成要素、及び態様を示す。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】E−UMTSのネットワーク構造の例を示す図である。
【図2】3GPP無線接続ネットワーク標準に準拠した移動端末とUTRAN間の無線プロトコルのための制御プレーン構造を示す図である。
【図3】3GPP無線接続ネットワーク標準に準拠した移動端末とUTRAN間の無線プロトコルのためのユーザプレーン構造を示す図である。
【図4】一実施形態により、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明は、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持に関する。
【0049】
本発明の特徴は、E−UMTSのような移動通信システムにおいて実現される。しかしながら、本発明は、他の標準に準拠した他の通信システムにも適用できる。以下、実施形態について詳細に説明する。
【0050】
本発明は、基地局が所定無線リソースを活用して端末の待機時間を短縮できるようにしてユーザの満足度を向上させる移動端末のネットワークとの同期状態管理方法を提供する。
【0051】
従って、端末の状態をアクティブ化の程度によって複数の下位状態に分けて端末を管理する。本発明の特徴は、RRC接続状態にある端末の状態を端末のアクティブ化の程度(状態)によって複数の下位状態に分けることにある。また、RRC接続状態にある端末の状態は、媒体アクセス制御(MAC)エンティティのアクティブ化又は非アクティブ化によって複数の下位状態に分けられる。また、RRC接続状態にある端末の状態は、前記端末が前記基地局と同期しているか否かによって複数の下位状態に分けられる。
【0052】
本発明によれば、前記RRC接続状態にあり、基地局とアップリンクで同期している端末をRRC同期端末という。RRC接続状態にあり、基地局とアップリンクで同期していない端末をRRC非同期端末という。さらに、端末の状態は、同期状態と非同期状態に分けられる。
【0053】
一般的に、端末が基地局からデータを受信したり、基地局にデータを送信する場合、前記端末は、アクティブ化状態にあると判断される。前記基地局からデータを受信する端末は、アップリンクで同期していなければならない。そうでない場合、前記端末の全てのデータ伝送は、前記基地局と同期していない状態である。従って、前記基地局から受信したデータに関して前記基地局に送信される全てのチャネル品質インジケータ(channel quality indicator:CQI)情報又はACK/NACK情報は、非同期状態で前記基地局に到着する。従って、前記基地局は、前記基地局がCQI又はACK/NACKを受信していない理由が、前記基地局が前記端末にデータを正常に伝送していないためか、又は、前記端末からの伝送に問題があるためかを認識することができない。従って、前記非同期端末から前記基地局へのデータ伝送は、意味がない。
【0054】
また、端末がアップリンクで同期していない場合、前記基地局は、該当端末から伝送されたいかなるデータも適切に復号化することができない。従って、実質的な端末伝送のために、前記端末は、データの伝送中にアップリンクで同期される。その結果、前記アクティブ化状態にある前記端末は、継続してアップリンクで同期される。
【0055】
しかしながら、端末が常にデータを送信又は受信しているわけではない。インターネットブラウジングを行う端末は、間欠的にデータを送受信する。この場合、前記端末が迅速にアップリンク方向に同期されると、前記端末は、データを送信又は受信していない時間(区間)の間は同期していなくてもよい。
【0056】
アップリンク方向に同期されると、前記端末は、RACHを用いて非同期状態から同期状態に移行する。前記端末は、前記端末の同期状態を維持するために、所定周期で伝送を行う。これにより、前記基地局は、所定周期で行われる伝送に基づいて前記端末の同期状態の変化を継続的に感知して新しい同期パラメータを伝送する。従って、前記端末は、前記端末の同期状態を維持するためには、最小の間隔で伝送を行うことが好ましく、これは電力の使用を意味する。
【0057】
例えば、端末がインターネットブラウジングを行う場合、前記ユーザが特定ホームページをダウンロードする瞬間にはデータフローが発生するが、前記ユーザがダウンロード済みのホームページを見ている間はデータフローがない。ここで、前記端末は、データフローがある間は同期状態にある。
【0058】
データフローがない間同期状態を維持するために、前記端末は、前記端末がアップリンクで伝送するデータがない場合も、前記基地局にCQI又はパイロット信号を伝送する。これにより、前記基地局は、前記端末に関する同期情報を送信できる。しかしながら、前記基地局と前記端末間に送受信が発生する時間間隔は、送受信が発生しない時間間隔より短い。これにより、前記基地局に前記CQI又はパイロット信号が伝送されると、前記端末は、不要かつ非効率的に電力の使用を要求する。
【0059】
従って、本発明の特徴は、データフローの状態によって前記端末の同期状態を管理することにある。図4は、一実施形態により、移動通信システムにおける移動端末とネットワーク間の通信維持方法の一例を示す。
【0060】
図4に示すように、端末10は基地局20に状態情報を送信する。その後、前記基地局20は、ダウンリンク方向のデータフロー及び前記端末10から送信された状態情報によって、前記端末10の同期状態を管理する(S11)。これにより、前記基地局は、前記管理に基づいて、前記端末に無線リソースを割り当てるか、同期時間を調整するための情報を送信する(S12)。
【0061】
従って、前記端末は、アップリンクで同期されずに、アクティブ化(LTE_Active)状態又はRRC接続状態になることができる。すなわち、前記端末のRRC及び前記基地局のRRCは、自分らのコンテキストを維持して互いにメッセージを交換することができるが、前記端末は実際にはアップリンク方向に同期していない。
【0062】
前記端末から送信された状態情報は、前記端末のバッファにあるデータの量、前記端末のバッファにあるデータに関する優先順位情報、サービスタイプ情報などを示す。前記端末状態情報によって前記端末の同期状態を管理するとは、前記端末がアップリンク又はダウンリンクで伝送されるデータの存在を通知するか否かによって前記端末の同期状態を管理することをいう。
【0063】
しかしながら、前記端末は、ユーザと直接関連しているため、データフローに関する多くの情報を有することができる。すなわち、ダウンリンクでのデータの量又は到着情報は、前記基地局により管理されるとみなされるが、前記ダウンリンクデータは、ユーザのアップリンクでのデータ伝送、すなわち、端末のアップリンクでのデータ伝送に対する応答である可能性が高い。
【0064】
従って、本発明の特徴は、前記端末が前記基地局に前記端末の状態の移行を要求するメッセージを直接送信することにより実現される。また、前記基地局は、前記メッセージに応答して前記端末の状態を調整する。前記端末は、所定条件が満たされると、前記基地局に状態移行要求メッセージを送信する。前記端末は、前記基地局からセットアップメッセージを受信するか、又はシステム情報を用いて、前記所定条件を通知する。
【0065】
前記基地局に伝送されるか前記基地局から受信されるデータが所定時間間隔の間ない場合、前記端末は、前記基地局に非同期状態への移行を要求するメッセージを送信する。前記端末は、時間情報を送信することもできる。前記時間情報は、前記端末が前記移行した状態にあることを希望する期間を示す情報を含む。例えば、特定期間(例えば、10秒)データ送受信が行われていない場合、前記端末は、前記特定期間(10秒)を前記基地局に通知する。その後、前記基地局は、前記特定期間前記端末の状態を非同期状態に移行する。
【0066】
前記基地局が前記端末の非同期状態にある時間を指示する場合、前記端末は、該当時間の間前記非同期状態を保持した後、前記同期状態に移行する。ここで、前記端末は、RACHチャネルを利用してアップリンクで同期することができる。これにより、前記基地局は、前記端末が同期状態に移行しようとする時間に前記端末に指定された無線リソースを割り当てることができる。
【0067】
前記指定された無線リソースが前記基地局により割り当てられた場合、前記端末は、前記割り当てられた無線リソースを利用してアップリンク方向への同期を行う。無線リソースが割り当てられなかった場合、前記端末は、指定された期間前記非同期状態を保持する。前記端末が前記非同期状態を保持する期間は、前記端末が以前に前記非同期状態を保持した期間と同一であるか、又はその倍の期間である。
【0068】
従って、所定条件が満たされると、前記端末は、前記基地局に状態移行を要求する状態移行メッセージを送信する。その後、前記基地局は、前記端末の状態移行を許容するか否かを決定する。その後、この決定により、前記基地局は、状態移行許容メッセージ又は状態移行拒否メッセージを前記端末に送信する。
【0069】
このような過程中に、前記基地局及び前記端末は、前記端末が新しい状態を保持する期間に関して互いにネゴシエートできる。従って、前記端末又は前記基地局は、相手に新しい状態及び前記状態を保持する期間を提案するメッセージを送信する。前記メッセージを受信した前記基地局又は前記端末は、前記提案を受け入れるメッセージ、又は、新しい状態もしくは期間を提案するメッセージを送信する。前記新しい状態は、非同期状態又は同期状態である。
【0070】
また、このような過程中に、前記非同期端末は、所定時間間隔でダウンリンク制御チャネルを受信する。従って、所定時間データの送受信がないため、前記端末が非同期状態に移行しても、前記端末は、所定時間間隔でダウンリンク制御チャネルを受信して前記端末に新しく割り当てられた無線リソースが存在するか否かを判断する。すなわち、前記端末は、ダウンリンクで新しく到着したデータが存在するか否かを所定時間間隔で判断する。
【0071】
一般的に、前記非同期状態にある端末の動作は、前記同期状態にある端末の動作と異なる。前記同期端末は、アップリンクで同期する。従って、無線リソースが適切に分けられると、前記基地局は、いつでも前記端末の信号を検出できるので、いつでも前記端末にデータを伝送できる。それに対して、前記端末が非同期状態にある場合は、前記端末の信号を検出できない。これにより、前記基地局は、実際のデータを伝送する前に、まず前記端末と同期する。従って、データを伝送するために、前記同期端末が前記非同期端末とは異なる動作を行うことは明かである。また、前記非同期状態にある端末が前記同期状態にある端末と同じ動作を行う場合、全体的なシステムの性能が低下する。従って、前記端末が同期状態にあるか非同期状態にあるかを認知することが重要である。
【0072】
従って、本発明は、端末の状態(すなわち、同期状態又は非同期状態)を判断する方法を提供する。一実施形態によれば、第1の方法は、タイマーを利用して端末の状態を判断する方法である。前記端末は、端末の伝送に関連してタイマーを利用する。前記基地局にデータが伝送されると、前記端末は、前記タイマーをリスタートする。その後、前記タイマーが満了すると、前記端末は、アップリンクで同期していないと判断し、非同期状態に移行する。
【0073】
前記タイマーの設定値は、前記基地局により前記端末に通知されるか、又は、システム情報を利用する。前記端末の伝送は、前記端末が実際にアップリンクで伝送するデータ、又は、前記端末のアップリンク及びダウンリンクチャネルを管理するために利用されるパイロット、CQI、及びACK/NACK信号の1つを含む。
【0074】
他の実施形態によれば、第2の方法は、明示的シグナリングを利用して前記端末の状態を判断する方法である。ここで、前記基地局は、メッセージを利用して前記端末が非同期状態に移動することを指示(命令)する。前記メッセージを受信すると、前記端末は、非同期状態に移動する。ここで、前記端末は、直ちに非同期状態に移行するわけではない。前記端末は、タイマーを利用して所定時間が経過した後に新しい状態に移行する。
【0075】
前記基地局から前記端末に送信されるメッセージは、RRCシグナリング又はMACシグナリングを利用して送信できる。また、前記基地局から前記端末に送信されるメッセージは、物理層のシグナリングを利用するか、スケジューリング情報送信のためのチャネルを利用する。
【0076】
前記基地局が前記端末の指示(命令)に対する応答を要求する場合、前記端末は、前記基地局に、新しい状態への移行を示す応答メッセージを送信する。前記基地局が前記端末のアップリンク伝送を許容しないと、前記端末は、前記端末自身がもはやアップリンク方向に同期を設定していないとみなす。ここで、前記基地局が前記端末によるアップリンク伝送を許容しないと、前記基地局は、ACK/NACK信号、パイロット信号、又はCQI信号の伝送に利用できるリソースを割り当てないか、アップリンク方向への伝送に利用される無線リソースを割り当てない。従って、前記基地局から端末により受信された新しいメッセージが前記端末に割り当てられた無線リソースの除去又は前記無線リソース割り当ての終了を意味するメッセージである場合、前記端末は、前記メッセージを受信した後、アップリンクでもはや同期していないと判断する。
【0077】
他の実施形態によれば、第3の方法は、前記端末の移動に関する情報を利用して前記端末の状態を判断する方法である。一例を挙げると、前記端末が新しいセルに移動すると、前記端末は、端末自身がアップリンク方向に非同期状態にあるとみなす。前記端末は、前記新しいセルで伝送を行うか、アップリンク方向に同期するためのRACH過程を行うまで、継続して非同期状態にある。
【0078】
他の例を挙げると、前記端末は、1つのセルに位置していた後にサービス領域外に移動する。従って、前記端末が前記端末とともに動作できる基地局を検索できなかった場合、又は、前記端末が前記基地局のサービス領域外に移動した場合、前記端末は、アップリンク方向に前記基地局と同期することができないと判断する。従って、前記端末は、端末自身が非同期状態にあるとみなす。
【0079】
さらに他の例を挙げると、前記端末は、現在のサービス領域又は前記基地局のサービス領域から離れるとすぐにタイマーを駆動する。前記端末が前記タイマーの満了前にサービス領域に戻らない場合、又は、前記端末が前記タイマーの満了前にアップリンク方向に前記基地局と同期化しない場合、前記端末は、端末自身が非同期状態にあるとみなす。従って、前記タイマーが満了すると、前記端末は、非同期状態に移行する。
【0080】
さらに他の例を挙げると、前記端末が所定距離以上移動したか、前記基地局から所定距離移動した場合、前記端末は、端末自身がアップリンクに非同期状態にあるとみなす。また、移動速度が所定基準を超える場合、前記端末は、端末自身が非同期状態に移行したとみなす。ここで、前記端末は、前記タイマー基準だけでなく前記移動速度によってタイマー値を調整(加減)することができる。例えば、前記端末が10km/hで移動する場合、前記伝送関連タイマーの設定値が1秒であると、50km/hで移動する場合は前記設定値が0.2秒(1秒の1/5)に設定され、100km/hで移動する場合は0.1秒(1秒の1/10)に設定される。従って、前記端末に利用される非同期移行関連タイマーの設定値又は前記伝送関連タイマーの設定値は加減して調整できる。さらに、その比率は、前記端末の移動速度によって調整できる。距離基準又は移動基準は、前記基地局により前記端末に通知される。
【0081】
他の実施形態によれば、第4の方法は、エラー状況に対処して前記端末の同期状態を判断する方法である。前記端末により利用されるRACHリソースは、前記端末がアップリンクに同期状態にあるときに利用される同期RACHと、前記端末がアップリンクに非同期状態にあるときに利用される非同期RACHとに区分される。前記端末が同期状態にあり、かつ伝送する新しいデータを有するが、アップリンクで前記データを伝送するための無線リソースが前記端末に割り当てられていない場合、前記同期RACHは、前記基地局に無線リソースを要求するために利用される。しかしながら、同期状態にない端末が端末自身が同期状態にあると誤って判断して前記同期RACHを用いる場合は、問題が発生する。その結果として、この端末は、実際に同期状態にあり、かつ同期RACHを用いる他の端末の動作を妨害する。
【0082】
従って、本発明によれば、前記同期状態にある端末が所定回数又は所定期間、同期RACHの利用に失敗すると、前記端末は、非同期状態に移行する。ここで、前記同期RACHの利用の失敗は、前記端末が前記同期RACH伝送にもかかわらず前記基地局から応答を受信していないことを示す。前記基地局からの応答は、前記同期RACH伝送が検出されていることを示すか、端末アクセスに対する無線リソース割り当てに関するメッセージを示す。ここで、前記基地局は、前記端末に前記RACHの利用失敗の回数又は時間に関する基準を通知する。
【0083】
前記同期状態にある端末が予め設定された条件を満たす場合、前記端末は、非同期状態に移行する。すなわち、本発明の特徴は、前記端末の同期状態によって前記端末の複数の下位状態を維持及び管理することにより、前記端末が1つの状態を保持することが可能になることである。特定イベントが発生したり、特定条件が満たされると、前記端末は、他の状態に移行して新しい下位状態で動作する。
【0084】
前記基地局が前記非同期端末に伝送するデータを有する場合、又は、前記非同期端末がアップリンクで伝送するデータを有する場合、前記端末は、アップリンクで基地局と同期することが好ましい。しかしながら、通常のRACH、すなわち、同じ無線リソースを利用する他の端末により衝突が発生するチャネルを利用する場合、前記端末がアップリンクで同期するためには長時間かかる。従って、前記基地局は、特定RACHシグネチャを前記端末に割り当てて非同期端末がアップリンク方向に迅速に同期化するようにする。
【0085】
RRC接続状態にある端末が非同期状態にある間にアップリンク方向に同期しなければならない場合、前記端末は、前記基地局から割り当てられたシグネチャを利用してRACH伝送を行う。前記特定シグネチャは、特定端末に限定されるので、シグネチャ間の衝突及び端末間の衝突が相対的に減少するという利点がある。
【0086】
従って、非同期状態の端末のアップリンク方向への同期を迅速に取るために、前記基地局は、端末に特定無線リソースを割り当てる。すなわち、非同期状態の端末に伝送するデータがある場合、前記基地局は、前記端末にダウンリンクデータの存在を通知する。同時に、前記基地局は、前記端末に特定無線リソース割り当てを通知する。その後、前記端末は、前記割り当てられた無線リソースを利用してアップリンク方向への同期のための動作を行う。前記基地局は、前記端末にスケジューリング情報を送信するためのチャネルを利用して特定無線リソースを前記端末に通知する。
【0087】
従って、前記非同期状態にある端末は、前記RACHを用いてアップリンク方向に同期を取る。ここで、前記基地局からタイミング調整を示す応答を受信したり、前記基地局により割り当てられた無線リソースを受信すると、前記端末は、同期状態に移行する。また、前記基地局が無線リソースの管理に関する情報を割り当てると、前記端末は、同期状態に移行する。前記無線リソースの管理に関する情報は、CQI、ACK/NACK、又はパイロット信号の伝送のための無線リソースを示す。
【0088】
一態様において、前記同期状態にある端末は、前記基地局にリソース要求メッセージを送信する。前記同期状態にある端末が周期的にパイロット信号を伝送する場合、前記端末は、前記パイロット信号に1ビットのメッセージを加えて前記端末がリソースを要求するか否かを示すことができる。例えば、パイロットパターンが+1である場合、前記パイロットパターンは前記端末がリソースを要求することを示す。前記パイロットパターンが1である場合、前記パイロットパターンは、前記端末がリソースを要求しないことを示す。従って、前記端末が伝送するデータを有する場合、前記パイロットパターンは+1である。
【0089】
他の態様において、前記基地局は、前記端末に所定時間間隔でアップリンク方向に伝送を行うことを指示する。これは、前記同期状態に移行した端末が同期を維持できるようにする。その後、前記端末は、最後の伝送後、所定時間が経過すると、他の伝送を行う。ここで、前記端末は、同期RACHを用いることができる。この場合、より効率的に前記端末を同期させるために、前記基地局は、前記端末に直接特定シグネチャを割り当てることができる。従って、前記特定シグネチャが割り当てられた端末は、該当シグネチャを利用してアップリンクRACH伝送を行って同期される。
【0090】
前記基地局は、特定時間毎に前記端末に特定無線リソースを割り当て、前記端末は、伝送するデータがなくても任意のデータブロックを形成し、前記データブロックを前記基地局に伝送する。
【0091】
前記基地局は、前記端末の同期を維持するために特定無線リソースを割り当てる。この場合、前記基地局は、前記端末に前記無線リソースの割り当てを通知するためのチャネルで、前記無線リソースが同期のために利用されることを前記端末に通知することができる。
【0092】
前記データブロックは、前記端末に関する状態情報を含む。この場合、前記端末に関する状態情報は、前記端末のバッファに保存されているデータの量、前記端末の余分な電力、又は隣接基地局に関する測定情報に関する情報を含む。
【0093】
前記過程中に、前記端末からRACHが伝送されると、前記基地局は、前記RACH接続を感知する。その後、前記端末がアップリンク方向に同期していないと、前記基地局は、同期タイミングを調整するための情報を前記端末に送信する。前記同期タイミングを調整するための情報は、スケジューリング情報を前記端末に送信するためのチャネルで送信される。
【0094】
前記同期タイミングを調整するための情報は、スケジューリング情報を前記端末に送信するためのチャネルで、指定された特定無線リソースを利用して送信される。特定無線リソースを前記端末に割り当てる場合、前記基地局は、スケジューリング情報を送信するためのチャネルで特定識別子を利用して前記特定無線リソースで伝送されるコンテンツを受信することを前記端末に指示する。すなわち、前記RACH伝送を行った端末は、前記スケジューリング情報を送信するためのチャネルを継続して受信する。その後、特定インジケータ又は識別子を発見すると、前記端末は、前記特定インジケータ又は識別子により示される無線リソースを受信する。
【0095】
前述したように、本発明は、端末の状態を効果的に管理する方法を提供し、これにより、無線リソースをより効率的に利用し、端末バッテリの使用時間を延長させることができる。
【0096】
本発明は、移動通信に関連して説明されたが、無線通信特性を備えたPDA及びラップトップコンピュータのような移動装置を利用する他の無線通信システムにも適用できる。また、本発明を説明するために利用された特定用語は本発明の権利範囲をUMTSなどの特定無線通信システムに限定するものではない。本発明は、さらに、TDMA、CDMA、FDMA、WCDMAなどの他の無線インターフェース及び/又は他の物理層を利用する他の無線通信システムにも適用できる。
【0097】
本実施形態は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせを生産するための標準プログラミング及び/又はエンジニアリング技術を利用して製造方法、装置、又は製造物として実行できる。ここで、「製造物」という用語は、ハードウェアロジック(例えば、集積回路チップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(ApplicationSpecific Integrated Circuit)など)、コンピュータ可読媒体(例えば、ハードディスクドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、テープなどの磁気記録媒体)、光記録装置(CD−ROM、光ディスクなど)、又は揮発性/不揮発性メモリ装置(例えば、EEPROM、ROM、PROM、RAM、DRAM、SRAM、ファームウェア、プログラムロジックなど)において実行されるコードやロジックを示す。
【0098】
コンピュータ可読媒体内のコードはプロセッサにより接続及び実行される。本実施形態を実行するコードは伝送媒体を通じて、又はネットワーク上のファイルサーバから接続することもできる。その場合、前記コードが実行される製造物は、ネットワーク伝送ライン、無線伝送媒体、空中を伝播する信号、無線波、赤外線信号などの伝送媒体を含む。もちろん、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてこのような形態の多様な変形が可能であり、前記製造物が公知の情報伝達媒体(information bearing medium)も含むことができるという点を理解すると思われる。
【0099】
本発明の精神や基本的な特性から外れない限り多様な形態で本発明を実現することができ、前述した実施形態は前述した詳細な記載内容によって限定されるのではなく、添付された請求の範囲に定義された本発明の精神や範囲内で広く解釈されるべきであり、本発明の請求の範囲内で行われるあらゆる変更及び変形、並びに請求の範囲の均等物は本発明の請求の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムにおいて移動端末とネットワークとの間の通信を維持する方法であって、
前記方法は、
非同期状態の前記移動端末によって、RACHシグネチャを利用してアップリンクRACH伝送を前記移動端末が実行した後に、前記ネットワークから信号を受信することであって、前記信号は、前記ネットワークからの時間調整を含む、ことと、
前記ネットワークと無線リソース制御(RRC)接続状態を維持している間に、前記時間調整を含む前記受信された信号を利用して、同期状態に移行すると決定することであって、前記決定するステップは、タイマーを利用する、ことと、
前記決定によって、前記非同期状態から前記同期状態に移行することと
を含み、前記タイマーは、前記ネットワークから前記時間調整を含む前記信号を受信するとスタートし、前記決定するステップは、前記ネットワークからの前記受信された信号の前記時間調整に基づいて実行される前記タイマーを利用して所定の時間が経過した後に、行われる、方法。
【請求項2】
前記タイマーを利用して所定の時間が経過した後に、前記移動端末は、アップリンクで同期していないと決定し、前記非同期状態に移行する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記決定するステップは、
予め決定された期間ダウンリンク制御チャネルを前記移動端末が受信していない場合に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記時間調整は、同期を調整するための情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記時間調整は、前記タイマーの満了の回数、または、前記移動端末により実行されたRACHの利用の失敗の回数に関する基準情報を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記移動端末により、前記ネットワークからの前記RACHシグネチャを割り当てることにより、非同期状態の前記移動端末がアップリンク方向に迅速に同期化できるようにすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
移動通信システムにおいて移動端末とネットワークとの間の通信を維持する方法であって、
前記方法は、
前記移動端末により、前記移動端末が前記ネットワークのサービス領域外に移動するか、または前記ネットワークの新しいサービス領域に移動するときに、タイマーを動作させることと、
前記タイマーの満了前に前記移動端末が前記サービス領域に戻らない場合、または、前記タイマーの満了前に前記端末がアップリンク方向において前記ネットワークと同期しない場合に、前記移動端末が前記アップリンク方向において非同期状態にあると決定することと、
前記タイマーが満了すると、前記決定によって、前記非同期状態に移行することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記移動端末によって、シグネチャを利用してアップリンクRACH伝送を前記移動端末が実行した後に、前記ネットワークから信号を受信することをさらに含み、前記信号は、前記ネットワークから受信される時間調整を含み、前記時間調整は、同期を調整するための情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
移動通信システムにおいてネットワークとの通信を維持する端末であって、
前記端末は、
ネットワークとの同期状態および非同期状態の一方に移行すると決定するために利用されるタイマーと、
前記ネットワークと無線リソース制御(RRC)接続状態を維持している間に、非同期状態から同期状態に移行すると決定することを実行するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記決定することにおいてタイマーを利用し、前記プロセッサは、前記ネットワークから受信された時間調整に基づいて前記非同期状態から前記同期状態へと移行すると決定し、前記時間調整は、RACHシグネチャを利用してアップリンクRACH伝送を実行した後に信号を介して前記ネットワークから受信される、プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記ネットワークから前記信号を受信すると、前記タイマーをスタートさせるように動作し、前記プロセッサは、前記タイマーを利用して所定の時間が経過した後に前記非同期状態から前記同期状態へと移行すると決定することを実行し、
前記RACHシグネチャが前記ネットワークによって割り当てられて、非同期状態の前記端末がアップリンク方向に迅速に同期化できるようにする、端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−50112(P2012−50112A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219329(P2011−219329)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【分割の表示】特願2008−548439(P2008−548439)の分割
【原出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】