説明

移動通信システム及び無線基地局

【課題】リレーノードが接続されている無線基地局において設定すべき識別子を、かかるリレーノード及び無線基地局とが協調して自動的に割り当てる。
【解決手段】本発明に係る移動通信システムは、リレーノードRNを識別する「Macro eNB ID」及び無線基地局DeNBを識別する「eNB ID」は、同一になるように構成されており、無線基地局DeNBは、リレーノードRNの起動時に、無線基地局DeNBに接続されている他のリレーノードRN配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルを識別する「Cell Identity」として使用されている「Cell Identity」と重複しないように、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている割当部22を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システム及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式の後継であるLTE-Advanced方式の移動通信システムは、無線基地局DeNB(Doner-eNB)と移動局UEとの間に、リレーノードRN(Relay Node)を設けることができるように構成されている。
【0003】
LTE方式の移動通信システムにおける無線基地局eNBは、隣接する無線基地局eNBとの間で「X2 interface」を確立し、交換局MMEを経由せずに、ハンドオーバ制御信号や無線基地局eNBの負荷情報を交換することができる。
【0004】
しかし、リレーノードRNが無線基地局DeNB配下に数多く設置される運用形態において、リレーノードRNが全ての隣接無線基地局eNBとの間で「X2 interface」を確立すると、無線基地局eNBの処理負荷が多くなることが懸念される。
【0005】
よって、無線基地局DeNBが、配下のリレーノードRNとの間の「X2 interface」を集約し、配下のリレーノードRNの数に依存せず、無線基地局DeNBが隣接無線基地局eNBとの間で「X2 interface」を確立する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TR36.806(V0.1.1)、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E-UTRA);Relay architescures for E−UTRA(LTE-Advanced)(Release.9)」、2009年11月
【非特許文献2】3GPP TS36.423(V9.0.0)、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E-UTRAN);X2 application protocol (X2AP)」、2009年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、かかる移動通信システムにおいて、無線基地局DeNBが「X2 interface」を集約するためには、隣接無線基地局eNBに対して、無線基地局DeNB配下の1つのセルとして、リレーノードRN配下のセルを認識させる必要があり、無線基地局DeNBとしてリレーノードRNを識別させるための識別子、及び、リレーノードRN配下のセルを識別する識別子を、無線基地局DeNBと関連付けて割り当てる必要があるが、リレーノードRNが無線基地局DeNBと協調して自動的に上記識別子を割り当てる方法が存在せず、リレーノードRNの設置者が手動で上記識別子を設定しなければならないという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、リレーノードが接続されている無線基地局において設定すべき識別子を、かかるリレーノード及び無線基地局が協調して自動的に割り当てることができる移動通信システム及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、無線基地局と、該無線基地局に接続されているリレーノードとを具備している移動通信システムであって、前記リレーノードを無線基地局として識別する装置識別情報及び前記無線基地局を識別する装置識別情報は、同一になるように構成されており、前記無線基地局は、前記リレーノードの起動時に、該無線基地局に接続されている他のリレーノード配下のセル及び該無線基地局配下のセルを識別するセル識別情報として使用されているセル識別情報と重複しないように、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されている割当部を具備することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、リレーノードに接続されている無線基地局であって、前記リレーノードを無線基地局として識別する装置識別情報及び前記無線基地局を識別する装置識別情報は、同一になるように構成されており、前記リレーノードの起動時に、該無線基地局に接続されている他のリレーノード配下のセル及び該無線基地局配下のセルを識別するセル識別情報として使用されているセル識別情報と重複しないように、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されている割当部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、リレーノードが接続されている無線基地局において設定すべき識別子を、かかるリレーノード及び無線基地局とが協調して自動的に割り当てることができる移動通信システム及び無線基地局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るリレーノードRNの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局DeNBの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るリレーノードRNの動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るリレーノードRNの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0014】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Advanced方式の移動通信システムであって、図1に示すように、無線基地局eNBと、無線基地局DeNBと、かかる無線基地局DeNBに接続されている複数のリレーノードRN#1乃至RN#3とを具備している。以下、リレーノードRN#1乃至RN#3を代表して「リレーノードRN」と表記する。
【0015】
また、図1に、本実施形態に係る移動通信システムにおけるC-planeのプロトコルスタックを示す。
【0016】
図1に示すように、リレーノードRNは、C-planeのプロトコル機能として、物理(PHY)レイヤ機能と、MAC(Media Access Control)レイヤ機能と、RLC(Radio Link Control)レイヤ機能と、IP(Internet Protocol)レイヤ機能と、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)レイヤ機能と、X2-AP(X2-Application)レイヤ機能とを具備している。
【0017】
無線基地局DeNBは、C-planeのプロトコル機能として、リレーノードRN側に、物理(PHY)レイヤ機能と、MACレイヤ機能と、RLCレイヤ機能と、PDCPレイヤ機能と、IPレイヤ機能と、SCTPレイヤ機能と、X2-APレイヤ機能とを具備している。
【0018】
また、無線基地局DeNBは、C-planeのプロトコル機能として、無線基地局eNB側に、NWL1(Network Layer 1)機能と、NWL2(Network Layer 2)機能と、IPレイヤ機能と、SCTPレイヤ機能と、X2-APレイヤ機能とを具備している。
【0019】
無線基地局eNBは、C-planeのプロトコル機能として、NWL1機能と、NWL2機能と、IPレイヤ機能と、SCTPレイヤ機能と、X2-APレイヤ機能とを具備している。
【0020】
ここで、図1に示すように、リレーノードRNのX2-APレイヤ機能と無線基地局DeNBのX2-APレイヤ機能との間で、X2コネクション(X2 signaling connection)が終端されており、無線基地局DeNBのX2-APレイヤ機能と無線基地局eNBのX2-APレイヤ機能との間で、X2コネクションが終端されている。
【0021】
なお、無線基地局DeNBと無線基地局eNBとの間では、無線基地局DeNBに接続されているリレーノードRNの数に関係なく、1本のX2コネクションだけが設定されるように構成されていてもよい。
【0022】
また、リレーノードRNのS1コネクションは、リレーノードRNと交換局MME(Mobility Management Entity)との間で終端されており、リレーノードRNと無線基地局DeNBとの間で終端されている。
【0023】
ここで、無線基地局eNBは、リレーノードRNと無線基地局DeNBとを区別せず、リレーノードRN配下のセルを、無線基地局DeNB配下のセルとして認識するように構成されている。
【0024】
図2に示すように、リレーノードRNは、受信部11と、送信部12とを具備している。
【0025】
受信部11は、無線基地局DeNBから、X2コネクションを介して、各種信号を受信するように構成されている。
【0026】
送信部12は、無線基地局DeNBに対して、X2コネクションを介して、各種信号を送信するように構成されている。
【0027】
ここで、リレーノードRNは、無線基地局DeNBと同一の「Macro eNB ID」及び無線基地局DeNBによって割り当てられた「Cell Identity」を用いるように構成されている。
【0028】
例えば、「Cell Identity」は、リレーノードRN配下のセルを識別する28ビットの識別情報であり、リレーノードRNで用いられる「Macro eNB ID(20ビット)」と、かかる「Macro eNB ID」が用いられる無線基地局DeNB又はリレーノード内で一意にセルを識別可能な「ID(8ビット)」とによって構成されている。
【0029】
また、例えば、送信部12は、リレーノードRNの起動時に、「RRC RN(UE) Capability Information」によって、無線基地局DeNBに対して、リレーノードRNにおいて運用するセルの数を通知するように構成されていてもよい。
【0030】
或いは、送信部12は、リレーノードRNの起動時に、「RRC RN(UE) Capability Information」によって、無線基地局DeNBに対して、リレーノードRNにおいてサポート可能なセルの数を通知するように構成されていてもよい。
【0031】
図3に示すように、無線基地局DeNBは、受信部21と、割当部22と、送信部23とを具備している。
【0032】
受信部21は、リレーノードRNから、X2コネクションを介して、各種信号を受信するように構成されている。
【0033】
送信部23は、リレーノードRNに対して、X2コネクションを介して、各種信号を送信するように構成されている。
【0034】
割当部22は、リレーノードRNの起動時に、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている。
【0035】
例えば、割当部22は、リレーノードRN#1の起動時に、無線基地局DeNBに接続されている他のリレーノードRN#2及びRN#3配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルを識別する「Cell Identity」として使用されている「Cell Identity」と重複しないように、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている。
【0036】
具体的には、割当部22は、リレーノードRN#1配下のセルに対して割り当てられる「Cell Identity」内の「ID(8ビット)」を、リレーノードRN#2及びRN#3配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルに対して割り当てられている「Cell Identity」内の「ID(8ビット)」と重複しないようにする。
【0037】
なお、割当部22は、後述するように、リレーノードRNと無線基地局DeNBとの間のRRCコネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている。
【0038】
また、受信部21が、リレーノードRNの起動時に、リレーノードRNにおいて運用するセルの数を受信した場合、割当部22は、通知されたセルの数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0039】
或いは、受信部21が、リレーノードRNの起動時に、リレーノードRNにおいてサポート可能なセルの数を受信した場合、割当部22は、通知されたセルの数以下の数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0040】
以下、図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムにおけるリレーノードRNの起動時の動作について説明する。
【0041】
ここで、リレーノードRNは、無線基地局DeNB配下のセルにおいて報知されているSIB1(System Information Block 1)を受信することによって、かかるセルを識別する「Cell Identity」を取得することができ、無線基地局DeNBの「Macro eNB ID(「Cell Identity」の上位20ビット)」を知ることができる。
【0042】
図5に示すように、ステップS1001において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、「Establishment cause」が「RN起動」であることを通知する「RRC Connection Request」を送信する。
【0043】
ステップS1002において、無線基地局DeNBは、リレーノードRNに対して、「RRC Connection Setup」を送信する。
【0044】
ステップS1003において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、「Attach Request」を含む「RRC Connection Setup Complete」を送信する。
【0045】
ステップS1004において、無線基地局DeNBは、交換局MMEに対して、かかる「Attach Request」を含む「Initial UE Message」を送信する。
【0046】
ステップS1005において、リレーノードRNと交換局MMEとの間で「Authentication/Security処理」が行われる。
【0047】
ステップS1006において、交換局MMEは、無線基地局DeNBに対して、「Attach Accept」を含む「Initial Context Setup Request」を送信する。
【0048】
ステップS1007において、無線基地局DeNBは、リレーノードRNに対して、「RRC RN(UE) Capability Enquiry」を送信する。
【0049】
ステップS1008において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、「RRC RN(UE) Capability Information」を送信する。
【0050】
ここで、リレーノードRNは、「RRC RN(UE) Capability Information」によって、無線基地局DeNBに対して、リレーノードRNにおいて運用するセルの数或いはリレーノードRNにおいてサポート可能なセルの数を通知してもよい。
【0051】
ステップS1009において、無線基地局DeNBは、交換局MMEに対して、「RRC RN(UE) Capability Indication」を送信する。
【0052】
無線基地局DeNBは、リレーノードRNに対して、ステップS1010において、「Security Mode Command」を送信し、ステップS1011において、「Attach Accept」を含む「RRC Connection Reconfiguration」を送信する。
【0053】
ここで、無線基地局DeNBは、リレーノードRNに対して、「RRC Connection Reconfiguration」によって、リレーノードRN配下のセルに対して割り当てた1つ又は複数の「Cell Identity(具体的には、8ビットの「ID」)」を通知する。
【0054】
リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、ステップS1012において、「Security Mode Complete」を送信し、ステップS1013において、「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0055】
ステップS1014において、無線基地局DeNBは、交換局MMEに対して、「Initial Context Setup Response」を送信する。
【0056】
ステップS1015において、リレーノードRNは、交換局MMEに対して、「Attach Complete」を送信する。
【0057】
その後、リレーノードRNの設定処理が行われる。具体的には、リレーノードRNは、ステップS1016において、無線基地局DeNBに対して、「S1 Setup Request」を送信し、ステップ1017において、無線基地局DeNBから、「S1 Setup Response」を受信する。
【0058】
次に、図5を参照して、本実施形態に係るリレーノードRNの動作について説明する。
【0059】
図5に示すように、リレーノードRNは、ステップS101において、電源が投入されると、ステップS102において、無線基地局DeNB配下のセルにおいて報知されているSIB1に含まれる「Cell Identity」を取得し、ステップS103において、かかる「Cell Identity」から、無線基地局DeNBの「Macro eNB ID」を抽出する。
【0060】
リレーノードRNは、ステップS105において、無線基地局DeNBに対して、「RACH(Random Access Channel)プリアンブル」を送信し、ステップS106において、無線基地局DeNBから、「RACHレスポンス」を受信する。
【0061】
ステップS106において、リレーノードRNは、「RACHレスポンス」によって割り当てられた無線リソースを用いて、「Establishment cause」に「rn-Setup」と設定した「RRC Connection Request」、すなわち、「Establishment cause」が「RN起動」であることを通知する「RRC Connection Request」を送信する。
【0062】
ステップS107において、リレーノードRNは、交換局MMEとの間で、「Authentication/Security処理」を行う。
【0063】
リレーノードRNは、ステップS108において、無線基地局DeNBに対して、「RRC RN(UE) Capability Information」を送信し、ステップS109において、無線基地局DeNBから、「Security Mode Command」を受信する。
【0064】
ステップS110において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBから、「Cell Identity」の下位8ビットに設定されるべき上述の「ID」を割り当てる「RRC Connection Reconfiguration」を受信する。
【0065】
ステップS111において、リレーノードRNは、上述の「Macro eNB ID」及び受信した「RRC Connection Reconfiguration」に含まれている「ID」を用いて、リレーノードRN配下のセルの「Cell Identity」を設定する。
【0066】
ステップS112において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、「Security Mode Complete」及び「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0067】
リレーノードRNは、ステップS113において、無線基地局DeNBに対して、「S1 Setup Request」を送信し、ステップ114において、無線基地局DeNBから、「S1 Setup Response」を受信する。
【0068】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、リレーノードRNを識別する「Macro eNB ID」及び無線基地局DeNBを識別する「Macro eNB ID」が同一になるように構成されており、無線基地局DeNBに接続されている他のリレーノードRN配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルを識別する「Cell Identity」の下位8ビット及びリレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」の下位8ビットが重複しないように構成されているため、無線基地局DeNBに接続されているリレーノードRNの数に関係なく、1本のX2コネクションが設定されるだけでよく、無線基地局eNBは、リレーノードRNと無線基地局DeNBとを区別せず、リレーノードRN配下のセルを、無線基地局DeNB配下のセルとして認識することができる。
【0069】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。
【0070】
本実施形態に係る移動通信システムでは、無線基地局DeNBの割当部22は、リレーノードRNのS1コネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている。
【0071】
具体的には、無線基地局DeNBは、リレーノードRNに対して、図4のステップS1011において、「RRC Connection Reconfiguration」によって、リレーノードRN配下のセルに対して割り当てた「Cell Identity(具体的には、8ビットの「ID」)」を通知する代わりに、図4のステップS1017において、「S1 Setup Response」によって、リレーノードRN配下のセルに対して割り当てた「Cell Identity(具体的には、8ビットの「ID」)」を通知する。
【0072】
以下、図6を参照して、本実施形態に係るリレーノードRNの動作について説明する。
【0073】
図6に示すように、ステップS201乃至S209の動作は、図5に示すステップS101乃至S109の動作と同一である。
【0074】
ステップS210において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBから、「RRC Connection Reconfiguration」を受信する。
【0075】
ステップS211において、リレーノードRNは、無線基地局DeNBに対して、「Security Mode Complete」及び「RRC Connection Reconfiguration Complete」を送信する。
【0076】
リレーノードRNは、ステップS212において、無線基地局DeNBに対して、「S1 Setup Request」を送信し、ステップ213において、無線基地局DeNBから、「Cell Identity」の下位8ビットに設定されるべき上述の「ID」を割り当てる「S1 Setup Response」を受信する。
【0077】
ステップS214において、リレーノードRNは、上述の「Macro eNB ID」及び受信した「S1 Setup Response」に含まれている「ID」を用いて、リレーノードRN配下のセルの「Cell Identity」を設定する。
【0078】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0079】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局DeNBと、無線基地局DeNBに接続されているリレーノードRNとを具備している移動通信システムであって、リレーノードRNを識別する「Macro eNB ID(装置識別情報)」及び無線基地局DeNBを識別する「Macro eNB ID」は、同一になるように構成されており、無線基地局DeNBは、リレーノードRNの起動時に、無線基地局DeNBに接続されている他のリレーノードRN配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルを識別する「Cell Identity(セル識別情報)」として使用されている「Cell Identity」と重複しないように、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity(具体的には、上述の8ビットの「ID」)」を割り当てるように構成されている割当部22を具備することを要旨とする。
【0080】
本実施形態の第1の特徴において、割当部22は、リレーノードRNの起動時におけるリレーノードRNと無線基地局DeNBとの間のRRCコネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0081】
本実施形態の第1の特徴において、割当部22は、リレーノードRNの起動時におけるリレーノードRNのS1コネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0082】
本実施形態の第1の特徴において、リレーノードRNは、起動時に、無線基地局DeNBに対して、リレーノードRNにおいて運用するセルの数を通知するように構成されている送信部12を具備し、割当部22は、通知されたセルの数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0083】
本実施形態の第1の特徴において、リレーノードRNは、起動時に、無線基地局DeNBに対して、リレーノードRNにおいてサポート可能なセルの数を通知するように構成されている送信部12を具備し、割当部22は、通知されたセルの数以下の数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0084】
本実施形態の第2の特徴は、リレーノードRNに接続されている無線基地局DeNBであって、リレーノードRNを識別する「Macro eNB ID」及び無線基地局DeNBを識別する「Macro eNB ID」は、同一になるように構成されており、無線基地局DeNBは、リレーノードRNの起動時に、無線基地局DeNBに接続されている他のリレーノードRN配下のセル及び無線基地局DeNB配下のセルを識別する「Cell Identity」として使用されている「Cell Identity」と重複しないように、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されている割当部22を具備することを要旨とする。
【0085】
本実施形態の第2の特徴において、割当部22は、リレーノードRNの起動時におけるリレーノードRNと無線基地局DeNBとの間のRRCコネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0086】
本実施形態の第2の特徴において、割当部22は、リレーノードRNの起動時におけるリレーノードRNのS1コネクションの設定処理において、リレーノードRN配下のセルを識別する「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0087】
本実施形態の第2の特徴において、リレーノードRNの起動時に、リレーノードRNにおいて運用するセルの数を受信するように構成されている受信部21を具備し、割当部22は、通知されたセルの数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0088】
本実施形態の第2の特徴において、リレーノードRNの起動時に、リレーノードRNにおいてサポート可能なセルの数を受信するように構成されている受信部21を具備し、割当部22は、通知されたセルの数以下の数だけ、上述の「Cell Identity」を割り当てるように構成されていてもよい。
【0089】
なお、上述の交換局MMEや無線基地局DeNBやリレーノードRNや移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0090】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0091】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、交換局MMEや無線基地局DeNBやリレーノードRNや移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして交換局MMEや無線基地局DeNBやリレーノードRNや移動局UE内に設けられていてもよい。
【0092】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0093】
MME…交換局
RN…リレーノード
11…受信部
12…送信部
DeNB…無線基地局
21…受信部
22…割当部
23…送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局と、該無線基地局に接続されているリレーノードとを具備している移動通信システムであって、
前記リレーノードを識別する装置識別情報及び前記無線基地局を識別する装置識別情報は、同一になるように構成されており、
前記無線基地局は、前記リレーノードの起動時に、該無線基地局に接続されている他のリレーノード配下のセル及び該無線基地局配下のセルを識別するセル識別情報として使用されているセル識別情報と重複しないように、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されている割当部を具備することを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記割当部は、前記リレーノードの起動時における前記リレーノードと前記無線基地局との間のRRCコネクションの設定処理において、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記割当部は、前記リレーノードの起動時における前記リレーノードのS1コネクションの設定処理において、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記リレーノードは、起動時に、前記無線基地局に対して、該リレーノードにおいて運用するセルの数を通知するように構成されている送信部を具備し、
前記割当部は、通知された前記セルの数だけ、前記セル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記リレーノードは、起動時に、前記無線基地局に対して、該リレーノードにおいてサポート可能なセルの数を通知するように構成されている送信部を具備し、
前記割当部は、通知された前記セルの数以下の数だけ、前記セル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。
【請求項6】
リレーノードに接続されている無線基地局であって、
前記リレーノードを識別する装置識別情報及び前記無線基地局を識別する装置識別情報は、同一になるように構成されており、
前記リレーノードの起動時に、該無線基地局に接続されている他のリレーノード配下のセル及び該無線基地局配下のセルを識別するセル識別情報として使用されているセル識別情報と重複しないように、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されている割当部を具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項7】
前記割当部は、前記リレーノードの起動時における前記リレーノードと前記無線基地局との間のRRCコネクションの設定処理において、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の無線基地局。
【請求項8】
前記割当部は、前記リレーノードの起動時における前記リレーノードのS1コネクションの設定処理において、該リレーノード配下のセルを識別するセル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の無線基地局。
【請求項9】
前記リレーノードの起動時に、該リレーノードにおいて運用するセルの数を受信するように構成されている受信部を具備し、
前記割当部は、通知された前記セルの数だけ、前記セル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の無線基地局。
【請求項10】
前記リレーノードの起動時に、該リレーノードにおいてサポート可能なセルの数を受信するように構成されている受信部を具備し、
前記割当部は、通知された前記セルの数以下の数だけ、前記セル識別情報を割り当てるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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