移動通信端末、移動通信端末管理サーバ及び移動通信システム
【課題】移動通信端末の移動先の位置における放送波の受信感度に基づいて、再生中のコンテンツを放送波で受信すべきか決定できるようにする。
【解決手段】複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、を有する、移動通信端末管理サーバを備える。
【解決手段】複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、を有する、移動通信端末管理サーバを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末、移動通信端末管理サーバ及び移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ視聴サービスとして、1セグメント放送に代表されるテレビ放送に係る放送波を移動通信端末で受信してコンテンツを再生できるサービスが普及している。このようなサービスにおいては、ユーザは外出先などでもコンテンツを再生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなサービスにおいては、放送波の圏外エリアや建物内、地下等のように、放送波を受信できない場所が存在する。そのため、ユーザが、移動通信端末で放送波によるストリーミング配信によりコンテンツを再生している間に、放送波を受信できない場所へ移動した場合、コンテンツの再生が予期せず中断されてしまう問題がある。
【0004】
特許文献1には、移動通信端末で放送番組の視聴中に放送波の受信圏外への移動などにより放送番組が一旦受信できなくなったことを検出した後、パケット通信により受信を開始する移動通信端末が開示されている。しかしながら、上述したような、コンテンツの再生が中断されてしまう問題を回避することはできない。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、移動通信端末の移動後の位置を推測してコンテンツを放送波で受信すべきか否か決定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し目的を達成するため、本発明にかかる移動通信端末管理サーバは、テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、を有する、移動通信端末管理サーバを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動通信端末の移動先の位置における放送波の受信感度に基づいて、再生中のコンテンツを放送波で受信すべきか決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態における移動通信システムの概要を表す図。
【図2A】本発明の一実施形態における移動通信端末のハードウェア構成の例を表す図。
【図2B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバのハードウェア構成の例を表す図。
【図3A】本発明の一実施形態における移動通信端末の機能ブロックを表す図。
【図3B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの機能ブロックを表す図。
【図4A】本発明の一実施形態における移動通信端末の処理フローを表す図。
【図4B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの処理フローを表す図。
【図5】本発明の一実施形態における移動通信端末のコンテンツ受信手段の決定方法を表す図。
【図6A】本発明の一実施形態における移動通信端末の変形例の機能ブロックを表す図。
【図6B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの変形例の機能ブロックを表す図。
【図7A】本発明の一実施形態における移動通信端末の変形例の処理フローを表す図。
【図7B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの変形例の処理フローを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.概要
2.ハードウェア構成
2.1 移動通信端末のハードウェア構成
2.2 移動通信端末管理サーバのハードウェア構成
3.機能
3.1 移動通信端末の機能
3.2 移動通信端末管理サーバの機能
4.処理フロー
4.1 移動通信端末の処理フロー
4.2 移動通信端末管理サーバの処理フロー
5.変形例
【0010】
(1.概要)
図1を用いて、本発明の一実施形態における移動通信システム1の概要を説明する。移動通信システム1は、移動通信端末100、移動通信端末管理サーバ110、ワンセグ等のテレビ放送に係るコンテンツを含む放送波140を送出する放送局120、移動通信端末100と移動通信端末管理サーバ110とが接続される携帯電話網等のネットワーク130及びネットワーク130に接続するためにネットワーク130の基地局等から発せられる通信波150を有する。ここで、テレビ放送に係るコンテンツは、放送局120又はコンテンツプロバイダ等により提供される図示しないコンテンツサーバにより、ネットワーク130に係る通信波150によっても提供される。
【0011】
移動通信端末100は、テレビ放送に係る放送局120から放送波140を通じて受信されるコンテンツを再生することが可能な携帯電話端末等の移動通信端末である。放送波140には、デジタルテレビ放送の場合には、例えばUHF帯(470MHz−770MHz)の電波が使用される。また、移動通信端末100は、放送波140の受信感度がコンテンツの再生に必要な受信感度に満たない場合、同等のコンテンツをネットワーク130に係る通信波150を通じて取得し、再生することができる。通信波150には、例えば携帯電話向けの第三世代移動通信システムのための800MHz帯又は2GHz帯の電波が使用される。
【0012】
移動通信端末100は、放送波140を通じてコンテンツを受信して再生している場合に、放送波140の受信感度に応じて、通信波150に切り替えて受信することができる。そのような切り替えを行うために、移動通信端末100は、コンテンツの再生中、一定時間ごとに、放送波140又は通信波150何れの再生手段を選択して再生を継続すべきか、後述の移動通信端末管理サーバ110に問い合わせる。この時、GPSを用いて測定された現在の位置情報及び直近に測定された前回の位置情報を合わせて送信する。さらに、移動通信端末100は、現在の位置における放送波140の受信感度も合わせて管理サーバに送信する。
【0013】
移動通信端末管理サーバ110は、移動通信端末100を管理するサーバである(以下、「管理サーバ」とする)。管理サーバ110は、コンテンツ再生中の移動通信端末100から現在の位置情報と前回位置情報を受け取り、その移動方向及び移動速度から、将来の位置を予測する。そして、予測位置における放送波140の受信感度がコンテンツの再生に十分であるかどうかに基づいて、放送波140又は通信波150何れを用いてコンテンツの受信を継続すべきか移動通信端末100に通知する。ここで、管理サーバ110は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末から受信された、位置情報と対応する放送波140の受信感度の情報をエリア情報115として保管している。そこで、このエリア情報115に基づき、予測地点に対応する放送波140の受信感度を取得することができる。
【0014】
このようにして、移動通信端末100は、管理サーバ110から、再生中のコンテンツの受信手段の通知を受け、放送波140の受信が困難である位置に移動することが予測される場合には、予め通信波150による受信に切り替えることができる。その結果、コンテンツの再生が途切れることなく、受信手段の切り替えが可能となる。
【0015】
なお、放送波140は、ワンセグ等のテレビ放送に限られず、いわゆる12セグメント放送や、デジタルラジオ放送に係る放送波であってもよい。
【0016】
(2.ハードウェア構成)
図2A、図2Bを用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110のハードウェア構成について説明する。
【0017】
(2.1 移動通信端末のハードウェア構成)
図2Aは、本発明の一実施形態における移動通信端末100のハードウェア構成例を表す。移動通信端末100は、CPU200、ROM202、RAM204、フラッシュメモリ206、ネットワークコントーラ208、通信装置210、グラフィックスコントローラ212、表示装置214、入力コントローラ216、入力装置218、GPSコントローラ220、GPSセンサ222、チューナ224、アンテナ226及びバス228を有する。
【0018】
CPU200は、本発明の一実施形態における移動通信端末100で実行されるプログラムの動作制御を行う。ROM202は、CPU200が実行するプログラムの動作に必要なOSやデータ等を記憶する。RAM204は、CPU200のワークエリア等を構成する。フラッシュメモリ206は、ユーザが取得した画像や動画等のデータを記憶する。ネットワークコントローラ208は、移動体通信用のアンテナ等の通信装置210を介して、ネットワーク130に接続される管理サーバ110等と通信を行うための通信制御を行う。グラフィックスコントローラ212は、液晶ディスプレイ等の表示装置214を介して、当該移動通信端末100のユーザに操作画面を提供するための制御を行う。入力コントローラ216は、ボタンやタッチパネル等の入力装置218を介してユーザから入力される信号を制御する。GPSコントローラ220は、移動通信端末100の位置情報を取得するためにGPSセンサ222を制御する。チューナ224は、アンテナ226を通じてワンセグ放送等のデジタルテレビ放送に係るコンテンツを受信し、さらにアンテナ226における放送波の受信感度を測定できる。バス228は、移動通信端末100を構成する上記装置を相互に接続し、データのやり取りを行う。
【0019】
上記構成により、本発明の一実施形態に係る移動通信端末100は、位置情報と放送波140の受信感度を取得し、管理サーバ110に送信できる。また、放送波140を通じて再生中のコンテンツについて、管理サーバ110からの通知に基づき、通信波150を通じてコンテンツを再生するよう、受信手段を切り替えることができる。
【0020】
(2.2 移動通信端末管理サーバのハードウェア構成)
図2Bは、本発明の一実施形態における管理サーバ110のハードウェア構成例を表す。管理サーバ110は、CPU250、ROM252、RAM254、HDD256、ネットワークコントーラ258、通信装置260、グラフィックスコントローラ262、表示装置264、入力コントローラ266、入力装置268及びバス270を有する。
【0021】
CPU250は、本発明の一実施形態における管理サーバ110で実行されるプログラムの動作制御を行う。ROM252は、CPU250が実行するプログラムの動作に必要なOSやデータ等を記憶する。RAM254は、CPU250のワークエリア等を構成する。HDD256は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末に関するデータや、エリア情報115等を記憶する。ネットワークコントローラ258は、通信装置260を介して、ネットワーク130に接続される複数の移動通信端末と通信を行うための通信制御を行う。グラフィックスコントローラ262は、CRT又は液晶ディスプレイ等の表示装置264を介して、管理サーバ110のユーザに操作画面や情報を提供するための制御を行う。入力コントローラ266は、キーボードやマウス等の入力装置268を介してユーザから入力される信号を制御する。バス270は、管理サーバ110を構成する上記装置を相互に接続し、データのやり取りを行う。
【0022】
上記構成により、本発明の一実施形態に係る管理サーバ110は、複数の移動通信端末と通信し、位置情報とその位置における放送波140の受信感度をエリア情報115として保管できる。また、移動通信端末100から取得された位置情報から移動後の予測位置を算出し、エリア情報115を参照して、移動通信端末100が選択すべき受信手段を通知できる。
【0023】
なお、管理サーバ100は、移動通信端末100からアクセス可能なサーバ装置に統合されて提供されてもよい。このような場合、移動通信端末100は、ネットワーク上の他の通信端末から操作され得るため、表示装置264、入力装置268は不要となる。
【0024】
また、HDD256は、テーブドライブ等の記憶装置であってもよい。あるいは、HDD256の代わりに、通信装置260を通じてアクセス可能なネットワーク上の記憶装置を用いてもよい。
【0025】
(3.機能)
図3A、図3Bを用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110の機能について説明する。
【0026】
(3.1 移動通信端末の機能)
移動通信端末100は、出力制御部300、放送受信部302、受信感度測定部304、位置情報管理部306、受信手段制御部308及び通信制御部310を有し、放送波140又は通信波150によって受信したコンテンツを再生する。
【0027】
出力制御部300は、放送波140又は通信波150によって受信されたコンテンツをユーザに出力する。
【0028】
放送受信部302は、放送局120から送信される放送波140を通じてコンテンツを受信する。また、放送受信部302は、ユーザからのコンテンツ受信要求に応じて、放送波140を通じてコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは出力制御部300に渡され、出力される。
【0029】
受信感度測定部304は、放送受信部302を通じて受信される放送波140の受信感度を取得し、放送波140によるコンテンツの受信可否を判断する。受信感度とは、受信される放送波140の強さの度合いを表す。受信感度は、例えば放送波140によって伝送される情報のビット誤り率の測定値などによって検出でき、数段階(たとえば0−100等)のレベルに区分することができる。受信感度の定義の方法については、ここでは特に限定しない。コンテンツの受信可否の判断方法は、例えば、受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「受信可」、閾値より小さい場合は「受信不可」と判断する。所定の閾値は、移動通信端末100の機種や放送波140の種類等によって任意の値をとり得る。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。また、受信可否の境界値である上記の所定の閾値とは異なる、さらなる閾値を設けてもよい。例えば、コンテンツを再生可能ではあるが、受信感度が低い水準である場合などである。
【0030】
位置情報管理部306は、移動通信端末100の現在の位置情報と前回測定された位置情報である前回の位置情報とをあわせて保持する。位置情報には、例えば、GPSによって測位された位置座標又はその取得時刻等が含まれる。前回の位置情報がない場合は、現在の位置情報を前回の位置情報として保持する。位置情報は、随時取得されてもよいし、後述する受信手段制御308による管理サーバ110への問合せの間隔ごとに取得されてもよい。
【0031】
受信手段制御部308は、管理サーバ110から通知されたコンテンツの受信手段と、受信感度測定部304から取得される、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断結果とに基づき、コンテンツの受信手段を制御する。受信手段とは、ここでは放送波140又は通信波150である。受信手段制御部308は、コンテンツの受信可否の判断結果が「受信可」である場合、放送波140によるコンテンツの受信を開始するため、放送受信部302へコンテンツ受信要求を送信する。一方、受信した判断結果が「受信不可」である場合、通信波150によるコンテンツの受信を開始するため、通信制御部310へコンテンツ受信要求を送信する。このように、移動通信端末100において、放送波140によるコンテンツの受信可否に基づいて、受信手段を制御する。
【0032】
一方、受信手段制御部308は、移動通信端末100が移動した場合においても、コンテンツが途切れることなく再生し続けられるよう、受信手段を切り替える。このために、受信手段制御部308は、通信制御部310を通じて、管理サーバ110に対して一定間隔おきに受信手段についての問合せを行う。この時、移動後の位置の予測を可能とするため、現在の位置情報、前回の位置情報を問合せに係る問合せ信号に含める。また、このとき、現在の位置における放送波140の受信感度の情報も問合せ信号に含める。なお、管理サーバ110のコンテンツ受信手段の決定方法は後述する。ここでは、移動後の適切なコンテンツ受信手段が管理サーバ120から通知されたものとして説明する。
【0033】
受信手段制御部308は、管理サーバ110から、通信制御部310を通じて通知された受信手段が、「放送波による受信」の場合には、放送受信部302にコンテンツ受信要求を送信する。一方、通知された受信手段が「通信波による受信」の場合には、通信制御部310へコンテンツ受信要求を送信する。
【0034】
通信制御部310は、管理サーバ110へ適切な受信手段についての問合せを行う問合せ信号送信部312を有し、ネットワーク130を通じて管理サーバ110等との間でなされる通信を制御する。通信制御部310は、問合せに対する管理サーバ110からの通知を受信する。また、通信制御部310は、図示しないコンテンツ提供サーバ等から、ネットワーク130を通じて、放送波140を通じて提供されるコンテンツと同等のコンテンツを受信することができる。さらに、通信制御部310は、コンテンツ受信要求に応じて、ネットワーク130を介して通信波150によりコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは、出力制御部300に渡され、出力される。
【0035】
問合せ信号送信部312は、管理サーバ110にコンテンツの受信手段を問い合わせる。問合せ信号送信部312は、位置情報管理部306から取得される現在の位置情報と前回の位置情報及び受信手段制御部308から渡される放送波140の受信感度を問合せ信号に含めて送信する。
【0036】
以上により、移動通信端末100は、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断に基づいて、適切なコンテンツの受信手段を選択できる。また、管理サーバ110に受信手段を問合せ、移動後もコンテンツを再生し続けることのできる受信手段の通知を受けて、コンテンツの受信手段を切り替えることができる。
【0037】
なお、受信手段制御部308は、管理サーバ110からコンテンツ受信手段を受信した後、さらに受信感度測定部304に、放送波140によるコンテンツの受信が可能か判断させてもよい。そして、この判断結果と、管理サーバ110から受信した受信手段とに基づき、コンテンツ受信手段を決定してもよい。このコンテンツ受信手段の決定の処理は、後述の処理フローの節において説明する。この処理により、管理サーバ110からの通知を受け取るまでのタイムラグ等により、移動通信端末100における放送波140の受信感度が変化していることを考慮することができる。
【0038】
また、受信手段制御部308は、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。これにより、放送波140を通じて前記コンテンツが受信できなくなった場合、通信波150により受信されていたコンテンツを再生でき、途切れることなくコンテンツを再生できる。この場合における所定の閾値とは、先述の受信可否に係る所定の閾値と比べて、余裕を持たせた値に設定できる。例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度より高い受信感度の値に設定することができる。
【0039】
(3.2 移動通信端末管理サーバの機能)
管理サーバ110は、通信制御部350、エリア情報管理部352、予測位置算出部354及び受信手段決定部356を有し、移動通信端末100から受信手段についての問合せを受け、移動通信端末100の移動後の予測位置に基づいて、適切な受信手段を通知する。
【0040】
通信制御部350は、問合せ信号受信部358及び受信手段通知部360を有し、ネットワーク130を介して行われる、移動通信端末100及び他の複数の移動通信端末との間の通信を制御する。
【0041】
問合せ信号受信部358は、移動通信端末100からコンテンツの受信手段についての問合せと、移動通信端末100の現在の位置情報、前回の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0042】
受信手段通知部360は、受信手段決定部360によって決定された受信手段を、移動通信端末100へと通知する。
【0043】
エリア情報管理部352は、それぞれの位置における放送波140の受信感度を記録してエリア情報115として管理する。位置と対応する受信感度は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末から受信される位置情報及びその位置における放送波の受信感度に基づいて取得される。そして、エリア情報115は、それぞれの移動通信端末から位置情報と受信感度とを受信するごとに、自動的に更新される。これにより、システム管理者が手動でエリア情報を入力・更新する手間が省け、ユーザビリティが向上するとともに、常時情報が更新されるためシステムを運用する中でエリア情報の精度が向上する。ただし、本システムは記載のエリア情報生成方法に限定されるものではなく、他のエリア情報生成方法も適用可能である。なお、エリア情報115は、1日又は1週間に1回等、特定の頻度で更新されてもよい。
【0044】
予測位置算出部354は、通信制御部350を通じて受信した移動通信端末100の現在の位置情報及び前回の位置情報に基づいて、移動通信端末100の移動後の予測位置を算出する。算出された予測位置は、受信手段決定部356に渡される。ここで予測位置は、移動通信端末100の前回の位置情報と現在の位置情報とから、移動通信端末100の進行方向と進行速度を求めることで算出してもよいし、他の如何なる手段を用いてもよい。例えば、移動通信端末100の進行方向は、前回の位置に係る座標から現在の位置に係る座標への向きである。また、移動通信端末100の進行速度は、現在の位置と前回の位置との間の距離と、それぞれの位置情報の取得時間の間隔から求めることができる。すなわち、現在の位置から、進行方向に向かって進行速度で進んだ位置を予測位置とすることができる。予測位置算出部354は、移動通信端末100から取得される、位置情報のほか、問合せ間隔等を含む、あらゆる情報を用いて、移動通信端末100の予測位置を算出してもよい。
【0045】
受信手段決定部356は、通信制御部350を通じて受け取った移動通信端末100からの問合せに対し、予測位置算出部354で算出された予測位置と、エリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段決定部356は、移動通信端末100からの問合せを受けると、予測位置算出部354に、通信制御部350を通じて受信した移動通信端末100の現在の位置情報と前回の位置情報を渡して、予測位置を取得する。そして、予測位置における放送波140の受信感度をエリア情報115から取得し、放送波140によるコンテンツの受信が可能である場合には、放送波140を受信手段として決定する。一方、放送波140によるコンテンツの受信が可能でない場合には、通信波150を受信手段として決定する。ここで、コンテンツの受信可否の判断方法として、例えば受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」と判断する方法などが考えられる。また、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。決定された受信手段は、受信手段通知部360を通じて、移動通信端末100へと通知される。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。
【0046】
また、受信手段決定部356は、移動通信端末100から受信した位置情報とその位置における放送波140の受信感度を、エリア情報115を更新するために、エリア情報管理部352に渡す。
【0047】
以上により、管理サーバ110は、移動通信端末100の予測位置における適切な受信手段を決定し、移動通信端末100に通知することができる。また、移動通信端末100からの受信手段についての問合せに含まれる位置情報と放送波140の受信感度を用いて自動的にエリア情報115を更新できる。その結果、最新の放送波140の受信感度の情報に基づいて、放送波140によるコンテンツの受信が可能かどうかの決定を行うことができる。
【0048】
(4.処理フロー)
図4A、図4B及び図5を用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110の処理フローについて説明する。
【0049】
(4.1 移動通信端末の処理フロー)
図4Aは、移動通信端末100におけるコンテンツの受信に係る処理フローを表す。当該処理フローは、移動通信端末100によって繰り返し実行される。
【0050】
ステップS400において、移動通信端末100における処理が開始される。
【0051】
ステップS402において、受信感度測定部304は、放送波140の受信感度の値を取得し、コンテンツの受信可否を判断する。ここでは、放送波140の受信感度の値が、所定の閾値以上か否かで判断を行う。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。放送波140の受信感度の値が所定の閾値以上であれば、ステップS404へと進み、そうでなければステップS414へと進む。
【0052】
ステップS404において、通信手段制御部308は、問合せ信号送信部312を通じて管理サーバ110に受信手段の問合せを行う。問合せには、位置情報管理部306により取得した移動通信端末100の現在の位置情報と前回の位置情報、及び受信感度測定部304により取得した放送波140の受信感度が含まれる。
【0053】
ステップS406において、通信制御部310は、管理サーバ110から受信手段の通知を受信する。
【0054】
ステップS408において、受信感度測定部304は、再度、放送波140の受信感度の値を取得し、放送波140によるコンテンツの受信可否を判断する。これは、管理サーバ110からの通知を受け取るまでのタイムラグ等により、移動通信端末100における放送波140の受信感度が変化していることを考慮するために行われる。
【0055】
ステップS410において、受信手段制御部308は、管理サーバ110から通知された受信手段と、ステップS408において判断されたコンテンツの受信可否とに基づいて、コンテンツの受信方法を決定する。この決定のために、図5に示されるテーブルを利用する。
【0056】
図5におけるテーブルは、受信感度測定部304によって判断された、放送波140によるコンテンツの受信可否と、管理サーバ110から通知された受信手段(「放送波による受信」又は「通信波による受信」)との組み合わせにより定まる受信手段を示している。図5のテーブルの中の番号(1)ないし(4)は、以下の説明における番号に対応する。
(1)放送波によりコンテンツが受信可能であり、かつ、管理サーバ110から「放送波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、放送波140により受信を行う。
(2)放送波によりコンテンツが受信可能であっても、管理サーバ110から「通信波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、通信波150により受信を行う。これは、管理サーバ110が移動通信端末100の移動後の予測位置に基づいて決定した受信手段に従うためである。
(3)放送波によりコンテンツが受信不可能である場合には、管理サーバ110から「放送波による受信」を行う旨の通知がなされても、通信波150により受信を行う。管理サーバ110は、移動通信端末110の予測位置に基づいて受信手段を通知するが、ネットワーク130の状況等により通知が遅延すると、当該組み合わせのような状態が生じ得る。この場合、コンテンツを再生し続けるため、通信波150による受信を行う。このような場合に対応するため、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、さらに通信波を通じて予備的に前記コンテンツを受信してもよい。
(4)放送波によりコンテンツが受信不可能であり、かつ、管理サーバ110から「通信波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、通信波150により受信を行う。
【0057】
ステップS412において、ステップS410で決定された受信手段に基づき、放送受信部302又は通信制御部310が、それぞれ放送波140又は通信波150によるコンテンツの受信を開始する。受信されたコンテンツは、出力制御部300を通じて出力される。
【0058】
ステップS414において、通信制御部310が、通信波150によるコンテンツの受信を開始する。受信されたコンテンツは、出力制御部300を通じて出力される。
【0059】
ステップS416において、コンテンツの再生が継続される場合にはステップS404へと戻り、そうでない場合にはステップS418へと進む。
【0060】
ステップS418において、当該処理は終了する。
【0061】
このように、移動通信端末100は、コンテンツの再生中、一定時間毎に繰り返し管理サーバ110に受信手段を問合せ、通知される受信手段と放送波140によるコンテンツの受信可否の状態に基づきコンテンツの再生が途切れないよう受信手段を制御できる。
【0062】
なお、ステップS408は省略されてもよい。すなわち、ステップS410において、図5に示した表によらず、常に管理サーバ110から通知された受信手段を用いてコンテンツを受信するよう決定される。これにより、移動通信端末100における処理負荷が軽減される。
【0063】
(4.2 移動通信端末管理サーバの処理フロー)
図4Bは、管理サーバ110が、移動通信端末100のコンテンツの受信方法を決定して通知する処理のフローを表す。
【0064】
ステップS450において、管理サーバ110における処理が開始される。
【0065】
ステップS452において、問合せ信号受信部358は、移動通信端末100からコンテンツの適切な受信手段についての問合せを受信する。また、合わせて、移動通信端末100の現在の位置情報、前回の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0066】
ステップS454において、予測位置算出部354は、移動通信端末100の現在の位置情報及び前回の位置情報をもとに、移動通信端末100の予測位置を算出する。
【0067】
ステップS456において、受信手段決定部356は、予測位置算出部354で算出された予測位置と、エリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段の決定方法として、例えば予測位置における受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」とすることができる。所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、ユーザが視聴可能である最低限の品質を満たす水準でコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定する。
【0068】
ステップS458において、受信手段通知部360は、ステップS456において決定された受信手段を移動通信端末100に通知する。
【0069】
ステップS460において、当該処理は終了する。
【0070】
以上により、管理サーバ110は、移動通信端末100の予測位置においてもコンテンツを受信し続けることができるような受信手段を決定して通知することができる。また、複数の移動通信端末から受信された位置情報とともに対応する位置の放送波の受信感度を受信することにより、位置と受信感度についてのデータを自動的に蓄積できる。
【0071】
なお、ステップS452において、移動通信端末100から受信された位置情報とその位置における放送波140の受信感度を用いて、エリア情報115を更新する処理がなされてもよい。
【0072】
(5.変形例)
ここまで、予測位置に基づくコンテンツの受信手段の決定を管理サーバ110で行う例について説明した。以下では、エリア情報115を管理サーバ112から受信し、予測位置に基づくコンテンツ受信手段の決定を移動通信端末102で自ら行う例について説明する。移動通信端末102は、自ら移動後の予測位置を算出し、管理サーバ112から取得したエリア情報に基づいて、その予測位置に対応する受信感度を参照し、コンテンツの受信手段を決定する。移動通信端末102及び管理サーバ112の機能ブロックの例を図6A、6Bに示す。なお、移動通信端末102及び管理サーバ112のシステム及びハードウェア構成は、図1、2A、2Bにおける移動通信端末100及び管理サーバ110の構成と同様である。
【0073】
図6Aに示される移動通信端末102は、出力制御部600、放送受信部602、受信感度測定部604、位置情報管理部606、受信手段制御部608、通信制御部610、予測位置算出部614及び受信手段決定部616を有し、放送波140又は通信波150によって受信したコンテンツを再生する。
【0074】
出力制御部600は、図3Aにおける出力制御部300と同様の機能を有する。
【0075】
放送受信部602は、図3Aにおける放送受信部302と同様の機能を有する。
【0076】
受信感度測定部604は、図3Aにおける受信感度測定部304と同様の機能を有する。
【0077】
位置情報管理部606は、図3Aにおける位置情報管理部306と同様の機能を有する。
【0078】
受信手段制御部608は、受信手段決定部616によって決定されるコンテンツの受信手段又は受信感度測定部604から取得される、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断結果に基づき、コンテンツの受信手段を制御する。受信手段とは、ここでは放送波140又は通信波150である。受信手段制御部608は、コンテンツの受信可否の判断結果が「受信可」である場合、放送波140によるコンテンツの受信を開始するため、放送受信部602へコンテンツ受信要求を送信する。一方、受信した判断結果が「受信不可」である場合、通信波150によるコンテンツの受信を開始するため、通信制御部610へコンテンツ受信要求を送信する。このように、移動通信端末102において、放送波140によるコンテンツの受信可否に基づいて、受信手段を制御する。
【0079】
一方、受信手段制御部608は、移動通信端末102が移動した場合においても、コンテンツが途切れることなく再生し続けられるよう、受信手段を切り替える。このために、受信手段制御部608は、コンテンツの再生中、受信手段決定部616に、移動後の位置におけるコンテンツの受信手段を決定させる。受信手段制御部608は、決定された受信手段が、「放送波による受信」の場合には、放送受信部602にコンテンツ受信要求を送信する。一方、通知された受信手段が「通信波による受信」の場合には、通信制御部610へコンテンツ受信要求を送信する。
【0080】
また、受信手段制御部608は、通信制御部610を通じて、各位置に対する放送波140の受信感度の情報であるエリア情報115を、一定時間ごとに、あるいは必要に応じて、管理サーバ112に問合せる。問合せが必要な場合とは、移動通信端末102が、現在の位置に対応するエリア情報を受信していない場合である。受信されたエリア情報115は、当該移動通信端末102内に保管され、受信手段決定部616による受信手段の決定のために用いられる。
【0081】
通信制御部610は、管理サーバ112へエリア情報115の問合せを行う問合せ信号送信部612を有し、ネットワーク130を通じて管理サーバ112等との間でなされる通信を制御する。通信制御部610は、問合せに対する管理サーバ112からの通知を受信する。また、通信制御部610は、図示しないコンテンツ提供サーバ等から、ネットワーク130を通じて、放送波140を通じて提供されるコンテンツと同等のコンテンツを受信することができる。さらに、通信制御部610は、コンテンツ受信要求に応じて、ネットワーク130を介して通信波150によりコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは、出力制御部600に渡され、出力される。
【0082】
問合せ信号送信部612は、管理サーバ112にエリア情報115についての問合せを行う。問合せに対し、管理サーバ112は、例えば当該移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報を通知する。通知されたエリア情報は、当該移動通信端末102内に保管される。ここで、通知されるエリア情報の範囲は任意であり、最新のエリア情報115の全てが送信されてもよい。問合せ信号送信部612は、位置情報管理部606から取得される現在の位置情報に加えて、受信感度測定部604で取得される放送波140の受信感度を問合せ信号に含めて送信する。
【0083】
予測位置算出部614は、受信手段決定部616からの要求に応じ、位置情報管理部606で管理される移動通信端末102の現在の位置情報及び前回の位置情報に基づいて、移動通信端末102の移動後の予測位置を算出する。算出された予測位置は、受信手段決定部616に渡される。ここで予測位置は、移動通信端末102の前回の位置情報と現在の位置情報とから、移動通信端末102の進行方向と進行速度を求めることで算出してもよいし、他の如何なる手段を用いてもよい。例えば、移動通信端末102の進行方向は、前回の位置に係る座標から現在の位置に係る座標への向きである。また、移動通信端末102の進行速度は、現在の位置と前回の位置との間の距離と、それぞれの位置情報の取得時間の間隔から求めることができる。すなわち、現在の位置から、進行方向に向かって進行速度で進んだ位置を予測位置とすることができる。
【0084】
受信手段決定部616は、受信手段制御部608からの要求に応じ、予測位置算出部614で算出された予測位置と、管理サーバ112から取得されたエリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段決定部616は、受信手段制御部608からの要求に応じ、予測位置算出部614に予測位置を算出させる。そして、予測位置における放送波140の受信感度をエリア情報115から取得し、放送波140によるコンテンツの受信が可能である場合には、放送波140を受信手段として決定する。一方、放送波140によるコンテンツの受信が可能でない場合には、通信波150を受信手段として決定する。ここで、コンテンツの受信可否の判断方法として、例えば受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」と判断する方法などが考えられる。また、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。決定された受信手段は、受信手段制御部608へと渡される。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末102において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。
【0085】
以上により、移動通信端末102は、移動後の移動通信端末102の位置における放送波140によるコンテンツの受信可否の判断に基づいて、適切なコンテンツの受信手段を選択できる。
【0086】
なお、受信手段制御部608は、受信手段決定部616によりコンテンツ受信手段が決定された後、さらに受信感度測定部604に、放送波140によるコンテンツの受信が可能か判断させてもよい。そして、この判断結果と、受信手段決定部616による決定とに基づき、コンテンツ受信手段を決定してもよい。
【0087】
また、受信手段制御部608は、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。これにより、放送波140を通じて前記コンテンツが受信できなくなった場合、通信波150により受信されていたコンテンツを再生でき、途切れることなくコンテンツを再生できる。この場合における所定の閾値とは、先述の受信可否に係る所定の閾値と比べて、余裕を持たせた値に設定できる。例えば、移動通信端末102において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度より高い受信感度の値に設定することができる。
【0088】
図6Bに示される管理サーバ112は、通信制御部650及びエリア情報管理部652を有し、移動通信端末102から問合せを受け、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報115を通知する。
【0089】
通信制御部650は、問合せ信号受信部658及びエリア情報通知部660を有し、ネットワーク130を介して行われる、移動通信端末102及び他の複数の移動通信端末との間の通信を制御する。
【0090】
問合せ信号受信部658は、移動通信端末102からエリア情報115についての問合せと、移動通信端末102の現在の位置情報及びその位置における放送波140の受信感度を受信する。移動通信端末102の現在の位置情報及びその位置における放送波140の受信感度は、エリア情報管理部652に渡され、エリア情報115として格納される。
【0091】
エリア情報通知部660は、移動通信端末102から受信した移動通信端末102の現在の位置に対応する所定のエリア情報115を、移動通信端末102へと通知する。所定のエリア情報とは、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。ただし、通知されるエリア情報の範囲は任意であり、最新のエリア情報115の全てを通知してもよい。
【0092】
エリア情報管理部652は、図3Bにおけるエリア情報管理部352と同様の機能を有する。
【0093】
以上により、管理サーバ112は、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報を、移動通信端末102に通知することができる。また、移動通信端末102からの受信手段についての問合せに含まれる位置情報と放送波140の受信感度を用いて、自動的にエリア情報115を更新できる。
【0094】
次に、移動通信端末102及び管理サーバ112の処理フローについて、図7A、7Bを用いて説明する。
【0095】
図7Aは、移動通信端末102の処理フローを表す。当該処理フローは、移動通信端末102によって繰り返し実行される。
【0096】
ステップS700において、移動通信端末102における処理が開始される。
【0097】
ステップS702では、図4AにおけるステップS402と同様の処理がなされる。
【0098】
ステップS704では、図4AにおけるステップS404と同様の処理がなされる。ただし、問い合わせには、前回の位置情報が含まれない点がステップS404と異なる。ここで、当該問合せは、管理サーバ112に対してエリア情報の送信を要求するためになされる。当該問合せ信号には、移動通信端末102の現在の位置情報及び放送波140の受信感度が含まれる。
【0099】
ステップS706において、管理サーバ112からエリア情報を受信する。当該エリア情報は、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。
【0100】
ステップS708において、予測位置算出部614は、移動通信端末102の現在の位置情報及び前回の位置情報をもとに、移動通信端末102の予測位置を算出する。
【0101】
ステップS710において、受信手段決定部616は、予測位置算出部614で算出された予測位置と、管理サーバから受信したエリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段の決定方法として、例えば予測位置における受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」とすることができる。所定の閾値は、例えば、移動通信端末102において、ユーザが視聴可能である最低限の品質を満たす水準でコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定する。
【0102】
ステップS712では、図4AにおけるステップS408と同様の処理がなされる。当該処理は、受信手段決定部616による決定からのタイムラグ又は予測位置の誤差等により、移動通信端末102における放送波140の受信感度が変化していることを考慮するために行われる。
【0103】
ステップS714では、図4AにおけるステップS410と同様の処理がなされる。なお、図5に示されるテーブルは、「通知された受信手段」を「予測位置に基づいて決定された受信手段」と読み替えて参照する。図5を用いた受信手段の決定方法は、先述の方法と同様である。
【0104】
ステップS716では、図4AにおけるステップS412と同様の処理がなされる。
【0105】
ステップS718では、図4AにおけるステップS414と同様の処理がなされる。
【0106】
ステップS720では、図4AにおけるステップS416と同様の処理がなされる。
【0107】
ステップS722において、当該処理は終了する。
【0108】
このように、移動通信端末102は、コンテンツの再生中、自らが属するエリア内の受信感度情報であるエリア情報を管理サーバ102から受信し、移動後の予測位置における適切な受信手段を選択することができる。その結果、移動後の位置において放送波が受信できなくなった場合においても、コンテンツの再生を途切れることなく継続することができる。
【0109】
なお、ステップS704、S706は、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報が既に受信済みである場合には、省略することができる。この場合には、当該移動通信端末102が、受信されているエリア情報に対応するエリアの外に出る可能性があるときに、エリア情報を問合せることができる。移動通信端末102がエリアの外に出る可能性があるかどうかは、予測位置算出部614により、当該端末の移動後の予測位置を算出させることで判断することができる。当該予測位置は、ステップS708が実行されている場合には、その結果を利用することができる。
【0110】
また、ステップS712、S714は省略することができる。この場合には、移動通信端末102は、管理サーバ112から受信したエリア情報と、当該端末の移動後の予測位置のみに基づいて受信手段を決定する。
【0111】
図7Bは、管理サーバ112の処理フローを表す。
【0112】
ステップS750において、管理サーバ112における処理が開始される。
【0113】
ステップS752において、問合せ信号受信部358は、移動通信端末102からエリア情報115についての問合せを受信する。また、合わせて、移動通信端末102の現在の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0114】
ステップS754において、エリア情報通知部660は、移動通信端末102の現在の位置に対応するエリア情報を、移動通信端末102に通知する。移動通信端末102の現在の位置に対応するエリア情報とは、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。
【0115】
ステップS756において、当該処理は終了する。
【0116】
以上により、管理サーバ112は、移動通信端末102の現在位置に対応した、受信感度情報を含むエリア情報を提供できる。また、複数の移動通信端末から受信された位置情報とともに対応する位置の放送波の受信感度を受信することにより、位置と受信感度についてのデータを自動的に蓄積できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2011−146896号公報
【符号の説明】
【0118】
100 移動通信端末管理サーバ
115 エリア情報
350 通信制御部
352 エリア情報管理部
354 予測位置算出部
356 受信手段決定部
358 問合せ信号受信部
360 受信手段通知部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末、移動通信端末管理サーバ及び移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツ視聴サービスとして、1セグメント放送に代表されるテレビ放送に係る放送波を移動通信端末で受信してコンテンツを再生できるサービスが普及している。このようなサービスにおいては、ユーザは外出先などでもコンテンツを再生することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなサービスにおいては、放送波の圏外エリアや建物内、地下等のように、放送波を受信できない場所が存在する。そのため、ユーザが、移動通信端末で放送波によるストリーミング配信によりコンテンツを再生している間に、放送波を受信できない場所へ移動した場合、コンテンツの再生が予期せず中断されてしまう問題がある。
【0004】
特許文献1には、移動通信端末で放送番組の視聴中に放送波の受信圏外への移動などにより放送番組が一旦受信できなくなったことを検出した後、パケット通信により受信を開始する移動通信端末が開示されている。しかしながら、上述したような、コンテンツの再生が中断されてしまう問題を回避することはできない。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、移動通信端末の移動後の位置を推測してコンテンツを放送波で受信すべきか否か決定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し目的を達成するため、本発明にかかる移動通信端末管理サーバは、テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、を有する、移動通信端末管理サーバを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、移動通信端末の移動先の位置における放送波の受信感度に基づいて、再生中のコンテンツを放送波で受信すべきか決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態における移動通信システムの概要を表す図。
【図2A】本発明の一実施形態における移動通信端末のハードウェア構成の例を表す図。
【図2B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバのハードウェア構成の例を表す図。
【図3A】本発明の一実施形態における移動通信端末の機能ブロックを表す図。
【図3B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの機能ブロックを表す図。
【図4A】本発明の一実施形態における移動通信端末の処理フローを表す図。
【図4B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの処理フローを表す図。
【図5】本発明の一実施形態における移動通信端末のコンテンツ受信手段の決定方法を表す図。
【図6A】本発明の一実施形態における移動通信端末の変形例の機能ブロックを表す図。
【図6B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの変形例の機能ブロックを表す図。
【図7A】本発明の一実施形態における移動通信端末の変形例の処理フローを表す図。
【図7B】本発明の一実施形態における移動通信端末管理サーバの変形例の処理フローを表す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
1.概要
2.ハードウェア構成
2.1 移動通信端末のハードウェア構成
2.2 移動通信端末管理サーバのハードウェア構成
3.機能
3.1 移動通信端末の機能
3.2 移動通信端末管理サーバの機能
4.処理フロー
4.1 移動通信端末の処理フロー
4.2 移動通信端末管理サーバの処理フロー
5.変形例
【0010】
(1.概要)
図1を用いて、本発明の一実施形態における移動通信システム1の概要を説明する。移動通信システム1は、移動通信端末100、移動通信端末管理サーバ110、ワンセグ等のテレビ放送に係るコンテンツを含む放送波140を送出する放送局120、移動通信端末100と移動通信端末管理サーバ110とが接続される携帯電話網等のネットワーク130及びネットワーク130に接続するためにネットワーク130の基地局等から発せられる通信波150を有する。ここで、テレビ放送に係るコンテンツは、放送局120又はコンテンツプロバイダ等により提供される図示しないコンテンツサーバにより、ネットワーク130に係る通信波150によっても提供される。
【0011】
移動通信端末100は、テレビ放送に係る放送局120から放送波140を通じて受信されるコンテンツを再生することが可能な携帯電話端末等の移動通信端末である。放送波140には、デジタルテレビ放送の場合には、例えばUHF帯(470MHz−770MHz)の電波が使用される。また、移動通信端末100は、放送波140の受信感度がコンテンツの再生に必要な受信感度に満たない場合、同等のコンテンツをネットワーク130に係る通信波150を通じて取得し、再生することができる。通信波150には、例えば携帯電話向けの第三世代移動通信システムのための800MHz帯又は2GHz帯の電波が使用される。
【0012】
移動通信端末100は、放送波140を通じてコンテンツを受信して再生している場合に、放送波140の受信感度に応じて、通信波150に切り替えて受信することができる。そのような切り替えを行うために、移動通信端末100は、コンテンツの再生中、一定時間ごとに、放送波140又は通信波150何れの再生手段を選択して再生を継続すべきか、後述の移動通信端末管理サーバ110に問い合わせる。この時、GPSを用いて測定された現在の位置情報及び直近に測定された前回の位置情報を合わせて送信する。さらに、移動通信端末100は、現在の位置における放送波140の受信感度も合わせて管理サーバに送信する。
【0013】
移動通信端末管理サーバ110は、移動通信端末100を管理するサーバである(以下、「管理サーバ」とする)。管理サーバ110は、コンテンツ再生中の移動通信端末100から現在の位置情報と前回位置情報を受け取り、その移動方向及び移動速度から、将来の位置を予測する。そして、予測位置における放送波140の受信感度がコンテンツの再生に十分であるかどうかに基づいて、放送波140又は通信波150何れを用いてコンテンツの受信を継続すべきか移動通信端末100に通知する。ここで、管理サーバ110は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末から受信された、位置情報と対応する放送波140の受信感度の情報をエリア情報115として保管している。そこで、このエリア情報115に基づき、予測地点に対応する放送波140の受信感度を取得することができる。
【0014】
このようにして、移動通信端末100は、管理サーバ110から、再生中のコンテンツの受信手段の通知を受け、放送波140の受信が困難である位置に移動することが予測される場合には、予め通信波150による受信に切り替えることができる。その結果、コンテンツの再生が途切れることなく、受信手段の切り替えが可能となる。
【0015】
なお、放送波140は、ワンセグ等のテレビ放送に限られず、いわゆる12セグメント放送や、デジタルラジオ放送に係る放送波であってもよい。
【0016】
(2.ハードウェア構成)
図2A、図2Bを用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110のハードウェア構成について説明する。
【0017】
(2.1 移動通信端末のハードウェア構成)
図2Aは、本発明の一実施形態における移動通信端末100のハードウェア構成例を表す。移動通信端末100は、CPU200、ROM202、RAM204、フラッシュメモリ206、ネットワークコントーラ208、通信装置210、グラフィックスコントローラ212、表示装置214、入力コントローラ216、入力装置218、GPSコントローラ220、GPSセンサ222、チューナ224、アンテナ226及びバス228を有する。
【0018】
CPU200は、本発明の一実施形態における移動通信端末100で実行されるプログラムの動作制御を行う。ROM202は、CPU200が実行するプログラムの動作に必要なOSやデータ等を記憶する。RAM204は、CPU200のワークエリア等を構成する。フラッシュメモリ206は、ユーザが取得した画像や動画等のデータを記憶する。ネットワークコントローラ208は、移動体通信用のアンテナ等の通信装置210を介して、ネットワーク130に接続される管理サーバ110等と通信を行うための通信制御を行う。グラフィックスコントローラ212は、液晶ディスプレイ等の表示装置214を介して、当該移動通信端末100のユーザに操作画面を提供するための制御を行う。入力コントローラ216は、ボタンやタッチパネル等の入力装置218を介してユーザから入力される信号を制御する。GPSコントローラ220は、移動通信端末100の位置情報を取得するためにGPSセンサ222を制御する。チューナ224は、アンテナ226を通じてワンセグ放送等のデジタルテレビ放送に係るコンテンツを受信し、さらにアンテナ226における放送波の受信感度を測定できる。バス228は、移動通信端末100を構成する上記装置を相互に接続し、データのやり取りを行う。
【0019】
上記構成により、本発明の一実施形態に係る移動通信端末100は、位置情報と放送波140の受信感度を取得し、管理サーバ110に送信できる。また、放送波140を通じて再生中のコンテンツについて、管理サーバ110からの通知に基づき、通信波150を通じてコンテンツを再生するよう、受信手段を切り替えることができる。
【0020】
(2.2 移動通信端末管理サーバのハードウェア構成)
図2Bは、本発明の一実施形態における管理サーバ110のハードウェア構成例を表す。管理サーバ110は、CPU250、ROM252、RAM254、HDD256、ネットワークコントーラ258、通信装置260、グラフィックスコントローラ262、表示装置264、入力コントローラ266、入力装置268及びバス270を有する。
【0021】
CPU250は、本発明の一実施形態における管理サーバ110で実行されるプログラムの動作制御を行う。ROM252は、CPU250が実行するプログラムの動作に必要なOSやデータ等を記憶する。RAM254は、CPU250のワークエリア等を構成する。HDD256は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末に関するデータや、エリア情報115等を記憶する。ネットワークコントローラ258は、通信装置260を介して、ネットワーク130に接続される複数の移動通信端末と通信を行うための通信制御を行う。グラフィックスコントローラ262は、CRT又は液晶ディスプレイ等の表示装置264を介して、管理サーバ110のユーザに操作画面や情報を提供するための制御を行う。入力コントローラ266は、キーボードやマウス等の入力装置268を介してユーザから入力される信号を制御する。バス270は、管理サーバ110を構成する上記装置を相互に接続し、データのやり取りを行う。
【0022】
上記構成により、本発明の一実施形態に係る管理サーバ110は、複数の移動通信端末と通信し、位置情報とその位置における放送波140の受信感度をエリア情報115として保管できる。また、移動通信端末100から取得された位置情報から移動後の予測位置を算出し、エリア情報115を参照して、移動通信端末100が選択すべき受信手段を通知できる。
【0023】
なお、管理サーバ100は、移動通信端末100からアクセス可能なサーバ装置に統合されて提供されてもよい。このような場合、移動通信端末100は、ネットワーク上の他の通信端末から操作され得るため、表示装置264、入力装置268は不要となる。
【0024】
また、HDD256は、テーブドライブ等の記憶装置であってもよい。あるいは、HDD256の代わりに、通信装置260を通じてアクセス可能なネットワーク上の記憶装置を用いてもよい。
【0025】
(3.機能)
図3A、図3Bを用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110の機能について説明する。
【0026】
(3.1 移動通信端末の機能)
移動通信端末100は、出力制御部300、放送受信部302、受信感度測定部304、位置情報管理部306、受信手段制御部308及び通信制御部310を有し、放送波140又は通信波150によって受信したコンテンツを再生する。
【0027】
出力制御部300は、放送波140又は通信波150によって受信されたコンテンツをユーザに出力する。
【0028】
放送受信部302は、放送局120から送信される放送波140を通じてコンテンツを受信する。また、放送受信部302は、ユーザからのコンテンツ受信要求に応じて、放送波140を通じてコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは出力制御部300に渡され、出力される。
【0029】
受信感度測定部304は、放送受信部302を通じて受信される放送波140の受信感度を取得し、放送波140によるコンテンツの受信可否を判断する。受信感度とは、受信される放送波140の強さの度合いを表す。受信感度は、例えば放送波140によって伝送される情報のビット誤り率の測定値などによって検出でき、数段階(たとえば0−100等)のレベルに区分することができる。受信感度の定義の方法については、ここでは特に限定しない。コンテンツの受信可否の判断方法は、例えば、受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「受信可」、閾値より小さい場合は「受信不可」と判断する。所定の閾値は、移動通信端末100の機種や放送波140の種類等によって任意の値をとり得る。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。また、受信可否の境界値である上記の所定の閾値とは異なる、さらなる閾値を設けてもよい。例えば、コンテンツを再生可能ではあるが、受信感度が低い水準である場合などである。
【0030】
位置情報管理部306は、移動通信端末100の現在の位置情報と前回測定された位置情報である前回の位置情報とをあわせて保持する。位置情報には、例えば、GPSによって測位された位置座標又はその取得時刻等が含まれる。前回の位置情報がない場合は、現在の位置情報を前回の位置情報として保持する。位置情報は、随時取得されてもよいし、後述する受信手段制御308による管理サーバ110への問合せの間隔ごとに取得されてもよい。
【0031】
受信手段制御部308は、管理サーバ110から通知されたコンテンツの受信手段と、受信感度測定部304から取得される、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断結果とに基づき、コンテンツの受信手段を制御する。受信手段とは、ここでは放送波140又は通信波150である。受信手段制御部308は、コンテンツの受信可否の判断結果が「受信可」である場合、放送波140によるコンテンツの受信を開始するため、放送受信部302へコンテンツ受信要求を送信する。一方、受信した判断結果が「受信不可」である場合、通信波150によるコンテンツの受信を開始するため、通信制御部310へコンテンツ受信要求を送信する。このように、移動通信端末100において、放送波140によるコンテンツの受信可否に基づいて、受信手段を制御する。
【0032】
一方、受信手段制御部308は、移動通信端末100が移動した場合においても、コンテンツが途切れることなく再生し続けられるよう、受信手段を切り替える。このために、受信手段制御部308は、通信制御部310を通じて、管理サーバ110に対して一定間隔おきに受信手段についての問合せを行う。この時、移動後の位置の予測を可能とするため、現在の位置情報、前回の位置情報を問合せに係る問合せ信号に含める。また、このとき、現在の位置における放送波140の受信感度の情報も問合せ信号に含める。なお、管理サーバ110のコンテンツ受信手段の決定方法は後述する。ここでは、移動後の適切なコンテンツ受信手段が管理サーバ120から通知されたものとして説明する。
【0033】
受信手段制御部308は、管理サーバ110から、通信制御部310を通じて通知された受信手段が、「放送波による受信」の場合には、放送受信部302にコンテンツ受信要求を送信する。一方、通知された受信手段が「通信波による受信」の場合には、通信制御部310へコンテンツ受信要求を送信する。
【0034】
通信制御部310は、管理サーバ110へ適切な受信手段についての問合せを行う問合せ信号送信部312を有し、ネットワーク130を通じて管理サーバ110等との間でなされる通信を制御する。通信制御部310は、問合せに対する管理サーバ110からの通知を受信する。また、通信制御部310は、図示しないコンテンツ提供サーバ等から、ネットワーク130を通じて、放送波140を通じて提供されるコンテンツと同等のコンテンツを受信することができる。さらに、通信制御部310は、コンテンツ受信要求に応じて、ネットワーク130を介して通信波150によりコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは、出力制御部300に渡され、出力される。
【0035】
問合せ信号送信部312は、管理サーバ110にコンテンツの受信手段を問い合わせる。問合せ信号送信部312は、位置情報管理部306から取得される現在の位置情報と前回の位置情報及び受信手段制御部308から渡される放送波140の受信感度を問合せ信号に含めて送信する。
【0036】
以上により、移動通信端末100は、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断に基づいて、適切なコンテンツの受信手段を選択できる。また、管理サーバ110に受信手段を問合せ、移動後もコンテンツを再生し続けることのできる受信手段の通知を受けて、コンテンツの受信手段を切り替えることができる。
【0037】
なお、受信手段制御部308は、管理サーバ110からコンテンツ受信手段を受信した後、さらに受信感度測定部304に、放送波140によるコンテンツの受信が可能か判断させてもよい。そして、この判断結果と、管理サーバ110から受信した受信手段とに基づき、コンテンツ受信手段を決定してもよい。このコンテンツ受信手段の決定の処理は、後述の処理フローの節において説明する。この処理により、管理サーバ110からの通知を受け取るまでのタイムラグ等により、移動通信端末100における放送波140の受信感度が変化していることを考慮することができる。
【0038】
また、受信手段制御部308は、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。これにより、放送波140を通じて前記コンテンツが受信できなくなった場合、通信波150により受信されていたコンテンツを再生でき、途切れることなくコンテンツを再生できる。この場合における所定の閾値とは、先述の受信可否に係る所定の閾値と比べて、余裕を持たせた値に設定できる。例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度より高い受信感度の値に設定することができる。
【0039】
(3.2 移動通信端末管理サーバの機能)
管理サーバ110は、通信制御部350、エリア情報管理部352、予測位置算出部354及び受信手段決定部356を有し、移動通信端末100から受信手段についての問合せを受け、移動通信端末100の移動後の予測位置に基づいて、適切な受信手段を通知する。
【0040】
通信制御部350は、問合せ信号受信部358及び受信手段通知部360を有し、ネットワーク130を介して行われる、移動通信端末100及び他の複数の移動通信端末との間の通信を制御する。
【0041】
問合せ信号受信部358は、移動通信端末100からコンテンツの受信手段についての問合せと、移動通信端末100の現在の位置情報、前回の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0042】
受信手段通知部360は、受信手段決定部360によって決定された受信手段を、移動通信端末100へと通知する。
【0043】
エリア情報管理部352は、それぞれの位置における放送波140の受信感度を記録してエリア情報115として管理する。位置と対応する受信感度は、移動通信端末100を含む複数の移動通信端末から受信される位置情報及びその位置における放送波の受信感度に基づいて取得される。そして、エリア情報115は、それぞれの移動通信端末から位置情報と受信感度とを受信するごとに、自動的に更新される。これにより、システム管理者が手動でエリア情報を入力・更新する手間が省け、ユーザビリティが向上するとともに、常時情報が更新されるためシステムを運用する中でエリア情報の精度が向上する。ただし、本システムは記載のエリア情報生成方法に限定されるものではなく、他のエリア情報生成方法も適用可能である。なお、エリア情報115は、1日又は1週間に1回等、特定の頻度で更新されてもよい。
【0044】
予測位置算出部354は、通信制御部350を通じて受信した移動通信端末100の現在の位置情報及び前回の位置情報に基づいて、移動通信端末100の移動後の予測位置を算出する。算出された予測位置は、受信手段決定部356に渡される。ここで予測位置は、移動通信端末100の前回の位置情報と現在の位置情報とから、移動通信端末100の進行方向と進行速度を求めることで算出してもよいし、他の如何なる手段を用いてもよい。例えば、移動通信端末100の進行方向は、前回の位置に係る座標から現在の位置に係る座標への向きである。また、移動通信端末100の進行速度は、現在の位置と前回の位置との間の距離と、それぞれの位置情報の取得時間の間隔から求めることができる。すなわち、現在の位置から、進行方向に向かって進行速度で進んだ位置を予測位置とすることができる。予測位置算出部354は、移動通信端末100から取得される、位置情報のほか、問合せ間隔等を含む、あらゆる情報を用いて、移動通信端末100の予測位置を算出してもよい。
【0045】
受信手段決定部356は、通信制御部350を通じて受け取った移動通信端末100からの問合せに対し、予測位置算出部354で算出された予測位置と、エリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段決定部356は、移動通信端末100からの問合せを受けると、予測位置算出部354に、通信制御部350を通じて受信した移動通信端末100の現在の位置情報と前回の位置情報を渡して、予測位置を取得する。そして、予測位置における放送波140の受信感度をエリア情報115から取得し、放送波140によるコンテンツの受信が可能である場合には、放送波140を受信手段として決定する。一方、放送波140によるコンテンツの受信が可能でない場合には、通信波150を受信手段として決定する。ここで、コンテンツの受信可否の判断方法として、例えば受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」と判断する方法などが考えられる。また、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。決定された受信手段は、受信手段通知部360を通じて、移動通信端末100へと通知される。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。
【0046】
また、受信手段決定部356は、移動通信端末100から受信した位置情報とその位置における放送波140の受信感度を、エリア情報115を更新するために、エリア情報管理部352に渡す。
【0047】
以上により、管理サーバ110は、移動通信端末100の予測位置における適切な受信手段を決定し、移動通信端末100に通知することができる。また、移動通信端末100からの受信手段についての問合せに含まれる位置情報と放送波140の受信感度を用いて自動的にエリア情報115を更新できる。その結果、最新の放送波140の受信感度の情報に基づいて、放送波140によるコンテンツの受信が可能かどうかの決定を行うことができる。
【0048】
(4.処理フロー)
図4A、図4B及び図5を用いて、移動通信端末100及び管理サーバ110の処理フローについて説明する。
【0049】
(4.1 移動通信端末の処理フロー)
図4Aは、移動通信端末100におけるコンテンツの受信に係る処理フローを表す。当該処理フローは、移動通信端末100によって繰り返し実行される。
【0050】
ステップS400において、移動通信端末100における処理が開始される。
【0051】
ステップS402において、受信感度測定部304は、放送波140の受信感度の値を取得し、コンテンツの受信可否を判断する。ここでは、放送波140の受信感度の値が、所定の閾値以上か否かで判断を行う。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。放送波140の受信感度の値が所定の閾値以上であれば、ステップS404へと進み、そうでなければステップS414へと進む。
【0052】
ステップS404において、通信手段制御部308は、問合せ信号送信部312を通じて管理サーバ110に受信手段の問合せを行う。問合せには、位置情報管理部306により取得した移動通信端末100の現在の位置情報と前回の位置情報、及び受信感度測定部304により取得した放送波140の受信感度が含まれる。
【0053】
ステップS406において、通信制御部310は、管理サーバ110から受信手段の通知を受信する。
【0054】
ステップS408において、受信感度測定部304は、再度、放送波140の受信感度の値を取得し、放送波140によるコンテンツの受信可否を判断する。これは、管理サーバ110からの通知を受け取るまでのタイムラグ等により、移動通信端末100における放送波140の受信感度が変化していることを考慮するために行われる。
【0055】
ステップS410において、受信手段制御部308は、管理サーバ110から通知された受信手段と、ステップS408において判断されたコンテンツの受信可否とに基づいて、コンテンツの受信方法を決定する。この決定のために、図5に示されるテーブルを利用する。
【0056】
図5におけるテーブルは、受信感度測定部304によって判断された、放送波140によるコンテンツの受信可否と、管理サーバ110から通知された受信手段(「放送波による受信」又は「通信波による受信」)との組み合わせにより定まる受信手段を示している。図5のテーブルの中の番号(1)ないし(4)は、以下の説明における番号に対応する。
(1)放送波によりコンテンツが受信可能であり、かつ、管理サーバ110から「放送波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、放送波140により受信を行う。
(2)放送波によりコンテンツが受信可能であっても、管理サーバ110から「通信波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、通信波150により受信を行う。これは、管理サーバ110が移動通信端末100の移動後の予測位置に基づいて決定した受信手段に従うためである。
(3)放送波によりコンテンツが受信不可能である場合には、管理サーバ110から「放送波による受信」を行う旨の通知がなされても、通信波150により受信を行う。管理サーバ110は、移動通信端末110の予測位置に基づいて受信手段を通知するが、ネットワーク130の状況等により通知が遅延すると、当該組み合わせのような状態が生じ得る。この場合、コンテンツを再生し続けるため、通信波150による受信を行う。このような場合に対応するため、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、さらに通信波を通じて予備的に前記コンテンツを受信してもよい。
(4)放送波によりコンテンツが受信不可能であり、かつ、管理サーバ110から「通信波による受信」を行う旨の通知がなされた場合には、通信波150により受信を行う。
【0057】
ステップS412において、ステップS410で決定された受信手段に基づき、放送受信部302又は通信制御部310が、それぞれ放送波140又は通信波150によるコンテンツの受信を開始する。受信されたコンテンツは、出力制御部300を通じて出力される。
【0058】
ステップS414において、通信制御部310が、通信波150によるコンテンツの受信を開始する。受信されたコンテンツは、出力制御部300を通じて出力される。
【0059】
ステップS416において、コンテンツの再生が継続される場合にはステップS404へと戻り、そうでない場合にはステップS418へと進む。
【0060】
ステップS418において、当該処理は終了する。
【0061】
このように、移動通信端末100は、コンテンツの再生中、一定時間毎に繰り返し管理サーバ110に受信手段を問合せ、通知される受信手段と放送波140によるコンテンツの受信可否の状態に基づきコンテンツの再生が途切れないよう受信手段を制御できる。
【0062】
なお、ステップS408は省略されてもよい。すなわち、ステップS410において、図5に示した表によらず、常に管理サーバ110から通知された受信手段を用いてコンテンツを受信するよう決定される。これにより、移動通信端末100における処理負荷が軽減される。
【0063】
(4.2 移動通信端末管理サーバの処理フロー)
図4Bは、管理サーバ110が、移動通信端末100のコンテンツの受信方法を決定して通知する処理のフローを表す。
【0064】
ステップS450において、管理サーバ110における処理が開始される。
【0065】
ステップS452において、問合せ信号受信部358は、移動通信端末100からコンテンツの適切な受信手段についての問合せを受信する。また、合わせて、移動通信端末100の現在の位置情報、前回の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0066】
ステップS454において、予測位置算出部354は、移動通信端末100の現在の位置情報及び前回の位置情報をもとに、移動通信端末100の予測位置を算出する。
【0067】
ステップS456において、受信手段決定部356は、予測位置算出部354で算出された予測位置と、エリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段の決定方法として、例えば予測位置における受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」とすることができる。所定の閾値は、例えば、移動通信端末100において、ユーザが視聴可能である最低限の品質を満たす水準でコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定する。
【0068】
ステップS458において、受信手段通知部360は、ステップS456において決定された受信手段を移動通信端末100に通知する。
【0069】
ステップS460において、当該処理は終了する。
【0070】
以上により、管理サーバ110は、移動通信端末100の予測位置においてもコンテンツを受信し続けることができるような受信手段を決定して通知することができる。また、複数の移動通信端末から受信された位置情報とともに対応する位置の放送波の受信感度を受信することにより、位置と受信感度についてのデータを自動的に蓄積できる。
【0071】
なお、ステップS452において、移動通信端末100から受信された位置情報とその位置における放送波140の受信感度を用いて、エリア情報115を更新する処理がなされてもよい。
【0072】
(5.変形例)
ここまで、予測位置に基づくコンテンツの受信手段の決定を管理サーバ110で行う例について説明した。以下では、エリア情報115を管理サーバ112から受信し、予測位置に基づくコンテンツ受信手段の決定を移動通信端末102で自ら行う例について説明する。移動通信端末102は、自ら移動後の予測位置を算出し、管理サーバ112から取得したエリア情報に基づいて、その予測位置に対応する受信感度を参照し、コンテンツの受信手段を決定する。移動通信端末102及び管理サーバ112の機能ブロックの例を図6A、6Bに示す。なお、移動通信端末102及び管理サーバ112のシステム及びハードウェア構成は、図1、2A、2Bにおける移動通信端末100及び管理サーバ110の構成と同様である。
【0073】
図6Aに示される移動通信端末102は、出力制御部600、放送受信部602、受信感度測定部604、位置情報管理部606、受信手段制御部608、通信制御部610、予測位置算出部614及び受信手段決定部616を有し、放送波140又は通信波150によって受信したコンテンツを再生する。
【0074】
出力制御部600は、図3Aにおける出力制御部300と同様の機能を有する。
【0075】
放送受信部602は、図3Aにおける放送受信部302と同様の機能を有する。
【0076】
受信感度測定部604は、図3Aにおける受信感度測定部304と同様の機能を有する。
【0077】
位置情報管理部606は、図3Aにおける位置情報管理部306と同様の機能を有する。
【0078】
受信手段制御部608は、受信手段決定部616によって決定されるコンテンツの受信手段又は受信感度測定部604から取得される、放送波140によるコンテンツの受信可否の判断結果に基づき、コンテンツの受信手段を制御する。受信手段とは、ここでは放送波140又は通信波150である。受信手段制御部608は、コンテンツの受信可否の判断結果が「受信可」である場合、放送波140によるコンテンツの受信を開始するため、放送受信部602へコンテンツ受信要求を送信する。一方、受信した判断結果が「受信不可」である場合、通信波150によるコンテンツの受信を開始するため、通信制御部610へコンテンツ受信要求を送信する。このように、移動通信端末102において、放送波140によるコンテンツの受信可否に基づいて、受信手段を制御する。
【0079】
一方、受信手段制御部608は、移動通信端末102が移動した場合においても、コンテンツが途切れることなく再生し続けられるよう、受信手段を切り替える。このために、受信手段制御部608は、コンテンツの再生中、受信手段決定部616に、移動後の位置におけるコンテンツの受信手段を決定させる。受信手段制御部608は、決定された受信手段が、「放送波による受信」の場合には、放送受信部602にコンテンツ受信要求を送信する。一方、通知された受信手段が「通信波による受信」の場合には、通信制御部610へコンテンツ受信要求を送信する。
【0080】
また、受信手段制御部608は、通信制御部610を通じて、各位置に対する放送波140の受信感度の情報であるエリア情報115を、一定時間ごとに、あるいは必要に応じて、管理サーバ112に問合せる。問合せが必要な場合とは、移動通信端末102が、現在の位置に対応するエリア情報を受信していない場合である。受信されたエリア情報115は、当該移動通信端末102内に保管され、受信手段決定部616による受信手段の決定のために用いられる。
【0081】
通信制御部610は、管理サーバ112へエリア情報115の問合せを行う問合せ信号送信部612を有し、ネットワーク130を通じて管理サーバ112等との間でなされる通信を制御する。通信制御部610は、問合せに対する管理サーバ112からの通知を受信する。また、通信制御部610は、図示しないコンテンツ提供サーバ等から、ネットワーク130を通じて、放送波140を通じて提供されるコンテンツと同等のコンテンツを受信することができる。さらに、通信制御部610は、コンテンツ受信要求に応じて、ネットワーク130を介して通信波150によりコンテンツを受信する。受信されたコンテンツは、出力制御部600に渡され、出力される。
【0082】
問合せ信号送信部612は、管理サーバ112にエリア情報115についての問合せを行う。問合せに対し、管理サーバ112は、例えば当該移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報を通知する。通知されたエリア情報は、当該移動通信端末102内に保管される。ここで、通知されるエリア情報の範囲は任意であり、最新のエリア情報115の全てが送信されてもよい。問合せ信号送信部612は、位置情報管理部606から取得される現在の位置情報に加えて、受信感度測定部604で取得される放送波140の受信感度を問合せ信号に含めて送信する。
【0083】
予測位置算出部614は、受信手段決定部616からの要求に応じ、位置情報管理部606で管理される移動通信端末102の現在の位置情報及び前回の位置情報に基づいて、移動通信端末102の移動後の予測位置を算出する。算出された予測位置は、受信手段決定部616に渡される。ここで予測位置は、移動通信端末102の前回の位置情報と現在の位置情報とから、移動通信端末102の進行方向と進行速度を求めることで算出してもよいし、他の如何なる手段を用いてもよい。例えば、移動通信端末102の進行方向は、前回の位置に係る座標から現在の位置に係る座標への向きである。また、移動通信端末102の進行速度は、現在の位置と前回の位置との間の距離と、それぞれの位置情報の取得時間の間隔から求めることができる。すなわち、現在の位置から、進行方向に向かって進行速度で進んだ位置を予測位置とすることができる。
【0084】
受信手段決定部616は、受信手段制御部608からの要求に応じ、予測位置算出部614で算出された予測位置と、管理サーバ112から取得されたエリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段決定部616は、受信手段制御部608からの要求に応じ、予測位置算出部614に予測位置を算出させる。そして、予測位置における放送波140の受信感度をエリア情報115から取得し、放送波140によるコンテンツの受信が可能である場合には、放送波140を受信手段として決定する。一方、放送波140によるコンテンツの受信が可能でない場合には、通信波150を受信手段として決定する。ここで、コンテンツの受信可否の判断方法として、例えば受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」と判断する方法などが考えられる。また、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。決定された受信手段は、受信手段制御部608へと渡される。ここで、所定の閾値は、例えば、移動通信端末102において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定することができる。
【0085】
以上により、移動通信端末102は、移動後の移動通信端末102の位置における放送波140によるコンテンツの受信可否の判断に基づいて、適切なコンテンツの受信手段を選択できる。
【0086】
なお、受信手段制御部608は、受信手段決定部616によりコンテンツ受信手段が決定された後、さらに受信感度測定部604に、放送波140によるコンテンツの受信が可能か判断させてもよい。そして、この判断結果と、受信手段決定部616による決定とに基づき、コンテンツ受信手段を決定してもよい。
【0087】
また、受信手段制御部608は、放送波140によりコンテンツを受信している場合であっても、放送波140の受信感度が所定の閾値より低い場合には、さらに通信波150も用いて、同時に前記コンテンツを受信するよう制御してもよい。これにより、放送波140を通じて前記コンテンツが受信できなくなった場合、通信波150により受信されていたコンテンツを再生でき、途切れることなくコンテンツを再生できる。この場合における所定の閾値とは、先述の受信可否に係る所定の閾値と比べて、余裕を持たせた値に設定できる。例えば、移動通信端末102において、最低限の品質を満たす水準においてコンテンツを再生可能となるような受信感度より高い受信感度の値に設定することができる。
【0088】
図6Bに示される管理サーバ112は、通信制御部650及びエリア情報管理部652を有し、移動通信端末102から問合せを受け、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報115を通知する。
【0089】
通信制御部650は、問合せ信号受信部658及びエリア情報通知部660を有し、ネットワーク130を介して行われる、移動通信端末102及び他の複数の移動通信端末との間の通信を制御する。
【0090】
問合せ信号受信部658は、移動通信端末102からエリア情報115についての問合せと、移動通信端末102の現在の位置情報及びその位置における放送波140の受信感度を受信する。移動通信端末102の現在の位置情報及びその位置における放送波140の受信感度は、エリア情報管理部652に渡され、エリア情報115として格納される。
【0091】
エリア情報通知部660は、移動通信端末102から受信した移動通信端末102の現在の位置に対応する所定のエリア情報115を、移動通信端末102へと通知する。所定のエリア情報とは、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。ただし、通知されるエリア情報の範囲は任意であり、最新のエリア情報115の全てを通知してもよい。
【0092】
エリア情報管理部652は、図3Bにおけるエリア情報管理部352と同様の機能を有する。
【0093】
以上により、管理サーバ112は、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報を、移動通信端末102に通知することができる。また、移動通信端末102からの受信手段についての問合せに含まれる位置情報と放送波140の受信感度を用いて、自動的にエリア情報115を更新できる。
【0094】
次に、移動通信端末102及び管理サーバ112の処理フローについて、図7A、7Bを用いて説明する。
【0095】
図7Aは、移動通信端末102の処理フローを表す。当該処理フローは、移動通信端末102によって繰り返し実行される。
【0096】
ステップS700において、移動通信端末102における処理が開始される。
【0097】
ステップS702では、図4AにおけるステップS402と同様の処理がなされる。
【0098】
ステップS704では、図4AにおけるステップS404と同様の処理がなされる。ただし、問い合わせには、前回の位置情報が含まれない点がステップS404と異なる。ここで、当該問合せは、管理サーバ112に対してエリア情報の送信を要求するためになされる。当該問合せ信号には、移動通信端末102の現在の位置情報及び放送波140の受信感度が含まれる。
【0099】
ステップS706において、管理サーバ112からエリア情報を受信する。当該エリア情報は、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。
【0100】
ステップS708において、予測位置算出部614は、移動通信端末102の現在の位置情報及び前回の位置情報をもとに、移動通信端末102の予測位置を算出する。
【0101】
ステップS710において、受信手段決定部616は、予測位置算出部614で算出された予測位置と、管理サーバから受信したエリア情報115とに基づいて、適切な受信手段を決定する。受信手段の決定方法として、例えば予測位置における受信感度の値が所定の閾値以上の場合は「放送波による受信」、閾値より小さい場合は「通信波による受信」とすることができる。所定の閾値は、例えば、移動通信端末102において、ユーザが視聴可能である最低限の品質を満たす水準でコンテンツを再生可能となるような受信感度の値に設定する。
【0102】
ステップS712では、図4AにおけるステップS408と同様の処理がなされる。当該処理は、受信手段決定部616による決定からのタイムラグ又は予測位置の誤差等により、移動通信端末102における放送波140の受信感度が変化していることを考慮するために行われる。
【0103】
ステップS714では、図4AにおけるステップS410と同様の処理がなされる。なお、図5に示されるテーブルは、「通知された受信手段」を「予測位置に基づいて決定された受信手段」と読み替えて参照する。図5を用いた受信手段の決定方法は、先述の方法と同様である。
【0104】
ステップS716では、図4AにおけるステップS412と同様の処理がなされる。
【0105】
ステップS718では、図4AにおけるステップS414と同様の処理がなされる。
【0106】
ステップS720では、図4AにおけるステップS416と同様の処理がなされる。
【0107】
ステップS722において、当該処理は終了する。
【0108】
このように、移動通信端末102は、コンテンツの再生中、自らが属するエリア内の受信感度情報であるエリア情報を管理サーバ102から受信し、移動後の予測位置における適切な受信手段を選択することができる。その結果、移動後の位置において放送波が受信できなくなった場合においても、コンテンツの再生を途切れることなく継続することができる。
【0109】
なお、ステップS704、S706は、移動通信端末102の現在位置に対応するエリア情報が既に受信済みである場合には、省略することができる。この場合には、当該移動通信端末102が、受信されているエリア情報に対応するエリアの外に出る可能性があるときに、エリア情報を問合せることができる。移動通信端末102がエリアの外に出る可能性があるかどうかは、予測位置算出部614により、当該端末の移動後の予測位置を算出させることで判断することができる。当該予測位置は、ステップS708が実行されている場合には、その結果を利用することができる。
【0110】
また、ステップS712、S714は省略することができる。この場合には、移動通信端末102は、管理サーバ112から受信したエリア情報と、当該端末の移動後の予測位置のみに基づいて受信手段を決定する。
【0111】
図7Bは、管理サーバ112の処理フローを表す。
【0112】
ステップS750において、管理サーバ112における処理が開始される。
【0113】
ステップS752において、問合せ信号受信部358は、移動通信端末102からエリア情報115についての問合せを受信する。また、合わせて、移動通信端末102の現在の位置情報及び現在位置における放送波140の受信感度を受信する。
【0114】
ステップS754において、エリア情報通知部660は、移動通信端末102の現在の位置に対応するエリア情報を、移動通信端末102に通知する。移動通信端末102の現在の位置に対応するエリア情報とは、例えば、移動通信端末102の現在位置の半径数百メートルのエリア情報である。
【0115】
ステップS756において、当該処理は終了する。
【0116】
以上により、管理サーバ112は、移動通信端末102の現在位置に対応した、受信感度情報を含むエリア情報を提供できる。また、複数の移動通信端末から受信された位置情報とともに対応する位置の放送波の受信感度を受信することにより、位置と受信感度についてのデータを自動的に蓄積できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【特許文献1】特開2011−146896号公報
【符号の説明】
【0118】
100 移動通信端末管理サーバ
115 エリア情報
350 通信制御部
352 エリア情報管理部
354 予測位置算出部
356 受信手段決定部
358 問合せ信号受信部
360 受信手段通知部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有する、移動通信端末管理サーバ。
【請求項2】
前記受信手段決定部は、
前記予測位置に対応する受信感度が所定の閾値より低い場合、前記コンテンツを前記通信波を通じて受信すべきと決定し、
前記予測位置に対応する受信感度が所定の閾値以上である場合、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきと決定する、
請求項1に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項3】
前記エリア情報は、何れかの移動通信端末から位置情報と該位置における受信感度を受信するたびに更新され、
前記受信手段決定部は、更新された前記エリア情報を参照して前記決定を行う、
請求項1又は2に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項4】
前記予測位置算出部は、移動通信端末から受信した前回の位置情報と現在の位置情報とから、該移動通信端末の進行方向と進行速度を求めることにより、予測位置を算出する、
請求項1乃至3何れか一項に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項5】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末であって、
当該移動通信端末で再生中の前記コンテンツを、前記放送波を通じて受信すべきかをサーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部であって、該問合せ信号には当該移動通信端末の位置情報が含まれる、問合せ信号送信部と、
前記問合せ信号に対する前記サーバからの通知に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信端末。
【請求項6】
前記受信手段制御部は、前記サーバからの通知と該通知を受け取った後に測定された当該移動通信端末の放送波の受信感度とに基づいて前記コンテンツの受信方法を制御し、
前記受信手段制御部は、
該通知が前記通信波を通じて前記コンテンツを受信すべきとするものである場合、前記通信波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御し、
該通知が前記放送波を通じて受信すべきとするものである場合であって、かつ該受信感度がコンテンツを再生するために必要な受信感度を満たさない場合、前記通信波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御し、
上記以外の場合には前記放送波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御する、
請求項5に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記放送波を通じて前記コンテンツを再生している場合であって、前記放送波の受信感度が所定の閾値より低い場合、前記受信手段制御部は、さらに通信波を通じて同時に前記コンテンツを受信するよう制御し、
前記放送波で前記コンテンツが受信できなくなった場合、前記通信波を通じて受信されていた前記コンテンツを再生する、
請求項5又は6に記載の移動通信端末。
【請求項8】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末と、複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動通信端末管理サーバは、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記移動通信端末は、
当該移動通信端末で再生中の前記コンテンツを、前記放送波を通じて受信すべきかを前記移動通信端末管理サーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部であって、該問合せ信号には当該移動通信端末の位置が含まれる、問合せ信号送信部と、
前記問合せ信号に対する前記サーバからの通知に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信システム。
【請求項9】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末のうちの一つの移動通信端末から、該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報の問合せに係る問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記エリア情報は、何れかの移動通信端末から位置情報と該位置における受信感度を受信するたびに更新される、
移動通信端末管理サーバ。
【請求項10】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末であって、
当該移動通信端末の現在位置に対応するエリア情報をサーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部と、
少なくとも当該移動通信端末の現在位置に基づいて当該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記サーバから受信された前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
該決定に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信端末。
【請求項11】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末と、複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動通信端末管理サーバは、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末のうちの一つの移動通信端末から、該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報に係る問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記移動通信端末は、
当該移動通信端末の現在位置に対応するエリア情報を前記移動通信端末管理サーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部と、
少なくとも当該移動通信端末の現在位置に基づいて当該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記移動通信端末管理サーバから受信された前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
該決定に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信システム。
【請求項1】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有する、移動通信端末管理サーバ。
【請求項2】
前記受信手段決定部は、
前記予測位置に対応する受信感度が所定の閾値より低い場合、前記コンテンツを前記通信波を通じて受信すべきと決定し、
前記予測位置に対応する受信感度が所定の閾値以上である場合、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきと決定する、
請求項1に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項3】
前記エリア情報は、何れかの移動通信端末から位置情報と該位置における受信感度を受信するたびに更新され、
前記受信手段決定部は、更新された前記エリア情報を参照して前記決定を行う、
請求項1又は2に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項4】
前記予測位置算出部は、移動通信端末から受信した前回の位置情報と現在の位置情報とから、該移動通信端末の進行方向と進行速度を求めることにより、予測位置を算出する、
請求項1乃至3何れか一項に記載の移動通信端末管理サーバ。
【請求項5】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末であって、
当該移動通信端末で再生中の前記コンテンツを、前記放送波を通じて受信すべきかをサーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部であって、該問合せ信号には当該移動通信端末の位置情報が含まれる、問合せ信号送信部と、
前記問合せ信号に対する前記サーバからの通知に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信端末。
【請求項6】
前記受信手段制御部は、前記サーバからの通知と該通知を受け取った後に測定された当該移動通信端末の放送波の受信感度とに基づいて前記コンテンツの受信方法を制御し、
前記受信手段制御部は、
該通知が前記通信波を通じて前記コンテンツを受信すべきとするものである場合、前記通信波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御し、
該通知が前記放送波を通じて受信すべきとするものである場合であって、かつ該受信感度がコンテンツを再生するために必要な受信感度を満たさない場合、前記通信波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御し、
上記以外の場合には前記放送波を通じて前記コンテンツを受信するよう制御する、
請求項5に記載の移動通信端末。
【請求項7】
前記放送波を通じて前記コンテンツを再生している場合であって、前記放送波の受信感度が所定の閾値より低い場合、前記受信手段制御部は、さらに通信波を通じて同時に前記コンテンツを受信するよう制御し、
前記放送波で前記コンテンツが受信できなくなった場合、前記通信波を通じて受信されていた前記コンテンツを再生する、
請求項5又は6に記載の移動通信端末。
【請求項8】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末と、複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動通信端末管理サーバは、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末の一から、前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきかの問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該問合せ信号に含まれる、少なくとも該移動通信端末の現在の位置情報に基づいて該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
前記決定を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記移動通信端末は、
当該移動通信端末で再生中の前記コンテンツを、前記放送波を通じて受信すべきかを前記移動通信端末管理サーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部であって、該問合せ信号には当該移動通信端末の位置が含まれる、問合せ信号送信部と、
前記問合せ信号に対する前記サーバからの通知に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信システム。
【請求項9】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバであって、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末のうちの一つの移動通信端末から、該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報の問合せに係る問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記エリア情報は、何れかの移動通信端末から位置情報と該位置における受信感度を受信するたびに更新される、
移動通信端末管理サーバ。
【請求項10】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末であって、
当該移動通信端末の現在位置に対応するエリア情報をサーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部と、
少なくとも当該移動通信端末の現在位置に基づいて当該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記サーバから受信された前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
該決定に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信端末。
【請求項11】
テレビ放送に係る放送波及び移動体通信に係る通信波の両方を通じて提供されるコンテンツを受信して再生する移動通信端末と、複数の移動通信端末を管理する移動通信端末管理サーバを有する移動通信システムであって、
前記移動通信端末管理サーバは、
前記複数の移動通信端末から受信した、移動通信端末の位置情報と該位置における前記放送波の受信感度を含むエリア情報を管理するエリア情報管理部と、
前記複数の移動通信端末のうちの一つの移動通信端末から、該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報に係る問合せ信号を受信する問合せ信号受信部と、
該移動通信端末の現在位置に対応する前記エリア情報を該移動通信端末に通知する受信手段通知部と、
を有し、
前記移動通信端末は、
当該移動通信端末の現在位置に対応するエリア情報を前記移動通信端末管理サーバに問合せる問合せ信号を送信する問合せ信号送信部と、
少なくとも当該移動通信端末の現在位置に基づいて当該移動通信端末の将来の予測位置を算出する予測位置算出部と、
前記移動通信端末管理サーバから受信された前記エリア情報から取得される、前記予測位置に対応する受信感度に基づいて、該移動通信端末が前記コンテンツを前記放送波を通じて受信すべきか決定する受信手段決定部と、
該決定に基づいて、前記コンテンツの受信手段を制御する受信手段制御部と、
を有する、移動通信システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2013−110474(P2013−110474A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252002(P2011−252002)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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