説明

移動通信端末機

【課題】第1本体と第2本体とを、各種の使用目的に適した多様な角度の開状態に維持することができるような、移動通信端末機の開閉装置を提案する。
【解決手段】本発明による移動通信端末機は、互いに回動して開閉可能とされる二つの本体と、該二つの本体間を回動可能に接続し、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられると、前記本体を互いに回動させて開状態にする開閉装置と、を含んで構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信(移動体通信)端末機に関し、特に、折り畳み式端末機の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やPDAなどを含む移動通信端末機は、ユーザが移動中にこれを利用して、無線送受信や情報の閲覧、処理を行うことができるようにする携帯用電子機器の1つである。情報通信技術やメモリ技術の発展により、移動通信端末機は単純な電話機という概念を超え、写真や動画像を撮影したり、各種マルチメディアファイルを再生、編集したり、あるいは、テレビ放送を視聴できる機能まで備えるようになってきている。
【0003】
このような移動通信端末機は一方で、ユーザが簡便に携帯できるように軽量・スリム化しており、その小さく限られた装置内で上記のような多様な機能を利便性良く実現できるように、充分な機構的基盤が必要とされる。
【0004】
図15及び図16は、このような従来の移動通信端末機の一例を示す図である。
【0005】
図15に示すように、折り畳み式の移動通信端末機10は、キーパッド等を備えた第1本体(操作側本体)20と、ディスプレイ等を備え、第1本体20に軸支されて回動開閉する第2本体(表示側本体)30と、を有している。第1本体20には、折り畳んだ際に隠れる内側面に、情報の入力や制御命令の操作を行うためのキーパッド21と、集音用のマイク(送話部)22と、が設置されている。第2本体30には、折り畳んだ際に隠れる内側面に、大型画面の第1ディスプレイ31と、発音用のスピーカ(受話部)34と、が設置されている。さらに、第2本体30において折り畳んだ際に表に出る外側面には、第2本体30を開かなくてもある程度の情報を見ることができるように、小型画面の第2ディスプレイ32が設置されている。
【0006】
第1本体20と第2本体30との間は、互いに回動できるように、ヒンジ部40によってヒンジ接続されている。このヒンジ部40は、第1本体20の端部両側に形成される第1ヒンジ部41と、第2本体30の端部から突設され、第1ヒンジ部41の間に挟まれて軸支される第2ヒンジ部42と、を有して構成されている。第1ヒンジ部41又は第2ヒンジ部42の内部には、第2本体30を開くときに、該第2本体30を開方向へ付勢する付勢装置(図示せず)が内蔵されている。
【0007】
このヒンジ構造によれば、ユーザが第2本体30を開方向へ少しだけ持ち上げると(回動させると)、その後は付勢装置が作用して第2本体30が自動的に回動を続けて第1本体20から開いていく。そして、第2本体30が回動してその回転角度が第1本体20に対し約150°になるまで開くと(通話時に送受信性能が良好となるように顔の丸い輪郭が考慮された角度)、ストッパ(図示せず)によって回動が止まり、姿勢が維持される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のような移動通信端末機の開閉装置によれば、第2本体が付勢装置によって自動的に回動し始める初動角度までに、ユーザによる開動作を必要とする。しかし、移動通信端末機を片手で扱ってこのような若干の開動作を行うのは、慣れない動作であり、難儀でやり難い。
【0009】
また、上記従来の開閉装置の場合、第1本体と第2本体とは、上記150°などの所定の角度に開くようにしか設計されていない。したがって、カメラ・ビデオ撮影のとき、あるいはマルチメディアやテレビを視聴するときに、第2本体の内側にある大型のディスプレイを横長画面として使用したいと思っても、開いた状態の移動通信端末機を横長に持たなければならず、使い勝手が非常に悪い。
【0010】
このような背景に鑑みて本発明は、第1本体と第2本体とを、各種の使用目的に適した多様な角度の開状態に維持することができるような、移動通信端末機の開閉装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による移動通信端末機は、互いに回動して開閉可能とされる二つの本体と、該二つの本体間を回動可能に接続し、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられると、前記本体を互いに回動させて開状態にする開閉装置と、を含んで構成されることを特徴とする。
【0012】
その開閉装置は、両端部が前記本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、該ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該本体の一方を開方向へ回動させるように付勢する付勢ユニットと、を含むことを特徴とする。前記ヒンジ接続部は、前記本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記本体の一方のヒンジ部が他方のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜するようにすることができる。前記付勢ユニットは、前記ヒンジ接続部に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、前記本体のいずれかのヒンジ部に固定されるカムフォロワと、前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられると該本体の一方を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、前記カムを前記カムフォロワに向けて付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡が可能である。また、前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されているようにすることができる。
【0013】
また、前記開閉装置は、両端部が前記本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、該ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該本体の一方を開方向へ回動させるように付勢する第1の付勢ユニットと、前記ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が除かれたときに、前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させるように付勢する第2の付勢ユニットと、を含むことを特徴とする。前記ヒンジ接続部は、前記本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記本体の一方のヒンジ部が他方のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜するようにすることができる。
【0014】
前記第1の付勢ユニットは、前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられると該本体の一方を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡が可能である。前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されているようにすることができる。
【0015】
前記第2の付勢ユニットは、前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられた後に該スライドさせている外力が除かれると前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ、当該本体の一方を他方に対しスライドさせている外力が除かれたときに前記カムと前記カムフォロワとを互いに近づける軌跡が可能である。前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されているようにすることができる。
【0016】
前記開閉装置は、前記本体の一方を他方に対しスライドダウンさせる外力が加えられると、該本体の一方を前記本体の他方に対し回動させる、あるいは、前記本体の一方を他方に対しスライドアップさせる外力が加えられると、該本体の一方を前記本体の他方に対し回動させるものとすることができる。
【0017】
前記本体の一方はディスプレイ等を備えた表示側本体、前記本体の他方はキーパッド等を備えた操作側本体とすることができる。
【0018】
また、本発明による移動通信端末機は、互いに回動して開閉可能とされる第1及び第2の本体と、該二つの本体を回動可能に接続し、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が加えられると、当該第1及び第2の本体を互いに回動させて開状態にする開閉装置と、前記第1の本体と前記第2の本体との回動角度を複数段階でストップさせるストッパと、を含んで構成されることを特徴とする。
【0019】
その開閉装置は、両端部が前記第1及び第2の本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、該ヒンジ接続部に設けられ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該第1の本体を開方向へ回動させるように付勢する第1の付勢ユニットと、前記ヒンジ接続部に設けられ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が除かれたときに、前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させるように付勢する第2の付勢ユニットと、を含む構成とすることができる。前記ヒンジ接続部は、前記第1及び第2の本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記第1の本体のヒンジ部が前記第2の本体のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜するようにすることができる。
【0020】
前記第1の付勢ユニットは、前記第1又は第2の本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、前記第1又は第2の本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられると該第1の本体を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記カムのカムプロファイルは、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡が可能である。前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されているようにすることができる。
【0021】
前記第2の付勢ユニットは、前記第1又は第2の本体又はヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、前記第1又は第2の本体又はヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられた後に該スライドさせている外力が除かれると前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記カムのプロファイルは、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせている外力が除かれたときに前記カムと前記カムフォロワとを互いに近づける軌跡が可能である。前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されているようにすることができる。
【0022】
前記ストッパは、前記第1の本体を前記第2の本体に対し150°及び180°でストップさせるものとすることができる。このようなストッパは、前記第1又は第2の本体のヒンジ部に固定された回転子と、前記ヒンジ接続部内に往復運動可能に設置され、前記回転子との接触により当該回転子の回転を停止させる停止ロッドと、該停止ロッドを前記回転子へ向け付勢するスプリングと、を含む構成とすることができる。前記回転子の外周に、前記停止ロッドと当接する少なくとも1つの突起が形成されているようにすることができる。前記停止ロッドをガイドするガイド部材が前記ヒンジ接続部に形成されているようにすることができる。前記回転子が前記停止ロッドを超えて回転したときに当該回転子の回転を規制する規制凸部が前記ヒンジ接続部に形成されているようにすることができる。前記回転子が前記規制凸部により回転を規制された状態で、前記第1の本体が前記第2の本体に対し360°回転した状態にあるようにすることができる。
【0023】
前記開閉装置は、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドダウンさせる外力が加えられると、該第1の本体を前記第2の本体に対し回動させる、あるいは、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドアップさせる外力が加えられると、該第1の本体を前記第2の本体に対し回動させるものとすることができる。
【0024】
前記第1の本体はディスプレイ等を備えた表示側本体、前記第2の本体はキーパッド等を備えた操作側本体とすることができる。
【0025】
以上の本発明による移動通信端末機の目的と構成は、添付図面に基づいた本発明の好ましい実施形態についての詳細な説明により明確に理解されるであろう。
【発明の効果】
【0026】
折り畳み式移動通信端末機における第1本体と第2本体との間をつなぐ本発明に係る開閉装置によれば、いずれか一方の本体を持って他方を若干スライドアップ又はスライドダウンさせるよう操作すると、自動的に当該他方の本体が回動して開状態にすることができる。すなわち、移動通信端末機を自動的に開くための初動操作が従来に比べ格段にやり易くなり、扱いやすい端末機が提供される。
【0027】
また、本発明の開閉装置によれば、2つのヒンジ部によって、本体どうしを360°まで互いに回動させることができ、さらにストッパを設けることによって、多様な角度で姿勢を維持させることができるので、ディスプレイやキーパッドの活用性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態による移動通信端末機について、折り畳んだ閉状態を示す斜視図である。
【0030】
図1に示すように、折り畳み式の移動通信端末機100は、互いに回動して開閉可能とされる二つの本体110,120と、該二つの本体110,120を回動可能に接続し、本体110,120の一方を他方に対しスライドさせる(二つの本体を互いに略平行にずらす)外力が加えられると、本体110,120を互いに回動させて開状態にする開閉装置200と、を含んで構成されている。二つの本体のうちの第1本体110は、キーパッド等を備えた操作側本体で、もう一つの第2本体120は、ディスプレイ等を備えた表示側本体である。
【0031】
第1本体110は、メイン回路基板(図示せず)を有する端末機のメインユニットであり、第2本体120は、折り畳まれたときに隠れる内側面に大型画面のディスプレイ121(図2)を有するディスプレイユニットである。また、第2本体120において、折り畳んだとき表に出る外側面には、ビデオ(動画)撮影機能付きのカメラ(のレンズ)123が設置される。当該カメラ123によって撮像された画像は、ディスプレイ121に表示される。
【0032】
開閉装置200は、一端が第1ヒンジ部211によって第1本体110とヒンジ接続し、他端が第2ヒンジ部212によって第2本体120とヒンジ接続する、ヒンジ接続部210を備えている。この開閉装置200によると、第2本体120をスライドダウンさせる(あるいは第1本体110をスライドアップさせる)場合、第2本体120とヒンジ接続部210とのなす角度(内側面どうしの間の角度)が大きくなると同時に、ヒンジ接続部210と第1本体110とのなす角度(内側面どうしの間の角度)は小さくなる。
【0033】
ヒンジ接続部210は、図1に示すように、第1本体110と第2本体120とが折り畳まれた状態のときに、第2ヒンジ部212の方が第1ヒンジ部211よりも上側に位置するように傾斜する仕組みをもつ(初期位置)。これにより、第2本体120が第1本体110に対しスライドダウン(下方へずらす)させられると、第1ヒンジ部211に対する第2ヒンジ部212の下方移動に伴ってヒンジ接続部210と第2本体120とのなす角度は大きくなる。
【0034】
好ましくは、第1本体110の厚さについて、ヒンジ接続部210が上記のように動作するとき妨害しないように、上端部分で薄くなるように設計しておくとよい。また、第2本体120を第1本体110に対して360°回転させることができるように、ヒンジ接続部210の長さ(ヒンジ部間の間隔)は、第1本体110の厚さ及び第2本体120の厚さの和より小さくならないように形成する。
【0035】
第2本体120の第1本体110に対する回動は、第2本体120がヒンジ接続部210に対して回動し、さらに、ヒンジ接続部210が第1本体110に対して回動することによる。開閉装置200は、このような第1本体110及び第2本体120とヒンジ接続部210との間の回動角度を制御し、第2本体120の第1本体110に対する開閉角度を決める。
【0036】
図2は、図1の移動通信端末機100について、第2本体120を回動させて開状態としたときの一例を示す図である。
【0037】
図2に示すように、第1本体110において折り畳み時に隠れる内側面には、情報入力や制御命令の操作を行うためのキーパッド111、集音のためのマイク(送話部)112などが備えられている。また、第2本体120において折り畳み時に隠れる内側面には、ディスプレイ121や、該ディスプレイ121上方のスピーカ(受話部)122などが設置されている。
【0038】
図2に示す移動通信端末機100の開状態は、通話時に活用できる状態であり、これは通常(従来)の折り畳み式移動通信端末機と同様の角度状態である。
【0039】
図3は、図1の移動通信端末機100の開閉装置200の部分横断面図である。
【0040】
図3に示すように、開閉装置200は、一端が第1ヒンジ部211によって第1本体110に軸支され、他端が第2ヒンジ部212によって第2本体120に軸支されるヒンジ接続部210と、第2本体120が第1本体110に対しスライドダウンさせられたときに第2本体120を開方向へ付勢する第1付勢ユニット250と、第2本体120に外力(スライドダウンの)がかかっていないときにヒンジ接続部210が初期位置を維持するよう付勢する第2付勢ユニット270と、第1本体110に対する第2本体120の回動角度を複数段階でストップさせるストッパ300と、を含んで構成される。
【0041】
図4は、開閉装置200のI−I線断面図である。
【0042】
同図に示すように、第1付勢ユニット250は、ヒンジ接続部210に固定されて内部に収容空間252を有するハウジング251と、第2本体120に固定されるカムフォロワ256と、ハウジング251の収容空間252内で往復運動可能に設置され、第2本体120が第1本体110に対しスライドダウンすると、第2本体120が開方向へ回動するようにカムフォロワ256を動作させるカム253と、このカム253をカムフォロワ256へ向け付勢するスプリング260と、を備えている。
【0043】
カム253は、カムフォロワ256と一体形成されたヒンジ軸257に沿って直線的に移動可能(回転は不可)に設置されており、そのヒンジ軸257は、ハウジング251の後端面に係止リング262によって係止させてある。
【0044】
カム253は、カム軸257を中心に異なる半径で第1カムプロファイル(カム曲線)254と第2カムプロファイル255とを有している。これに従動するカムフォロワ256は、第1カムプロファイル254に従動する第1従節258と、第2カムプロファイル255に従動する第2従節259と、を有する。これら、第1カムプロファイル254及び第1従節258と第2カムプロファイル255及び第2従節259との位置関係は、カム軸257を挟んで正対する(180°間隔)位置に配設してあり、カムフォロワ256がカム253に追従して動作するときに力が偏重しないようにして信頼性を向上させている。
【0045】
図6は、第2本体120の回動角度に応じた、第1付勢ユニット250のカム253とカムフォロワ256との相対的な位置を示す概念図である。
【0046】
図6に示すように、カム253とカムフォロワ256との間隔は、カム253の第1及び第2カムプロファイル254,255とカムフォロワ256の第1及び第2従節258,259の形状に依存し、第2本体120の第1本体110に対する回動角度に応じたこれらの接触点移動で変化する。カム253のカムプロファイル254,255は、第2本体120のスライドダウンでヒンジ接続部210と第2本体120とが回動する間、カム253とカムフォロワ256とが一旦互いに遠ざかり且つその後頂点を過ぎて近づく(初期位置とは別の位置)軌跡を描く(カムフォロワ256の初期位置1→2→3の経過参照参照)。
【0047】
このような第1付勢ユニット250により、第2本体120をスライドダウンさせ、カムフォロワ256の従節258,259がカムプロファイル254,255の頂点を超えるまで動かすと、後は、スプリング260の付勢力によって、第2本体120がヒンジ接続部210に対して開方向へ回動を続ける(2→3)。従って、第2本体120は第1本体110に対し自動的に回動して開状態となる。
【0048】
図5は、図3の開閉装置200のII−II線断面図である。
【0049】
図に示すように、第2付勢ユニット270は、ヒンジ接続部210に固定されて内部に収容空間272を有するハウジング271と、第1本体110に固定されるカムフォロワ276と、ハウジング271の収容空間272内で往復運動可能に設置され、第2本体120がスライドダウンしたときに、ヒンジ接続部210を初期位置に復帰させる方向へカムフォロワ276を回転させるカム273と、このカム273をカムフォロワ276へ向け付勢するスプリング280と、を備えている。
【0050】
カム273は、カムフォロワ276と一体形成されたヒンジ軸277に沿って直線的に移動可能(回転は不可)に設置されており、そのヒンジ軸277は、ハウジング271の後端面に固定リング281によって係止させてある。
【0051】
カム273は、カム軸277を中心に異なる半径で第1カムプロファイル274と第2カムプロファイル275とを有している。これに従動するカムフォロワ276は、第1カムプロファイル274に従動する第1従節278と、第2カムプロファイル275に従動する第2従節279と、を有する。これら、第1カムプロファイル274及び第1従節278と第2カムプロファイル275及び第2従節279との位置関係は、カム軸277を挟んで正対する(180°間隔)位置に配設してあり、カムフォロワ276がカム273に追従して動作するときに力が偏重しないようにして信頼性を向上させている。
【0052】
図7は、第2本体120の回動角度に応じた、第2付勢ユニット270のカム273とカムフォロワ276との相対的な位置を示す概念図である。
【0053】
図7に示すように、カム273とカムフォロワ276との間隔は、カム273の第1及び第2カムプロファイル274,275とカムフォロワ276の第1及び第2従節278,279の形状に依存し、第2本体120のスライドに応じたこれらの接触点移動で変化する。カム273のカムプロファイル274,275は、第2本体120のスライドダウンでヒンジ接続部210と第1本体110とが回動する間、カム273とカムフォロワ276とが一旦互いに遠ざかり且つその後第2本体120に加えられていた力(スライドダウンの力)が除去されると再び近づく(初期位置と同じ位置)軌跡を描く(カムフォロワ276の初期位置1’→2’→3’の経過参照)。
【0054】
このような第2付勢ユニット270により、第2本体120をスライドダウンさせ、その後にそのスライドダウンの力を除去すると、カム273とカムフォロワ276とがスプリング280の付勢力によって近づくように動き、ヒンジ接続部210は、第1本体110に対して初期位置へ復帰するよう回動する。
【0055】
図8は、図3の開閉装置200のストッパ300を示した断面を含むす部分斜視図である。
【0056】
図8に示すように、ストッパ300は、第2本体120のヒンジ部212に固定され、1以上の突起311を有する回転子310と、ヒンジ接続部210内に往復運動可能に設置され、突起311に当接して回転子310の回転をストップさせる停止ロッド330と、該停止ロッド330を回転子310へ向け付勢するスプリング340と、を備えている。
【0057】
突起311は、回転子310の外周に1以上形成され(2つ以上設ければ、その個数分の停止点を提供できる)、停止ロッド330に当接する停止面312を提供する。当該突起311が停止ロッド330に形成された停止面331に当接することで、回転子310の回転が一時停止する。この停止点でストップしたときの第2本体120の回動角度が第1本体110に対し150°になるよう設定することで、通話モードに活用できる。
【0058】
ヒンジ接続部210には、停止ロッド330の往復(直線)運動をガイドするため、停止ロッド330の周囲にガイド部材320が形成されている。
【0059】
好ましくは、回転子310及び停止ロッド330の各停止面312,331は、停止ロッド330の運動方向に対して両者とも同じ傾斜角度をもつように形成する。これにより、両者の当接で回転子310の回転を一時停止させることができ、且つ、そこからさらに力を加えて回転子310を回転させようとすると、両停止面312,331が傾斜していることにより、停止ロッド330を付勢に逆らって押し込め後退させることができる。
【0060】
また、ヒンジ接続部210には、回転子310が停止面312により停止ロッド330を押し込んで乗り越えた後の位置で、それ以上の回転子310の回転を規制する規制凸部350が設けられる。この規制凸部350による回転規制が、第2本体120を第1本体110に対し180°の回転角度に維持する位置であった場合、カメラ132が被写体と対峙する向きに対し、ディスプレイ121及びキーパッド111が角度(通話時の150°のように)をもたず真っ直ぐに並ぶので、撮影操作しやすいという利点がある。
【0061】
回転子310が規制凸部350に当接すると、第2本体120はそれ以上、ヒンジ接続部210に対して回動できなくなる。この状態からさらに第2本体120に力を加えた場合、今度は第2本体120に接続されているヒンジ接続部210が第1本体110に対して回動し、結果的に、第2本体120は第1本体110に対して360°まで回動させることができる。以下、その状態を説明する。
【0062】
図9A〜図9Eは、図1の移動通信端末機100について、第2本体120のスライド〜開〜360°回動までの状態を示す図であり、図10A〜図10Eは、図9A〜図9Eの各状態におけるストッパ300の様子を示す図である。
【0063】
図9Aと図10Aは、第2本体120及び第1本体110を折り畳んで閉状態とした初期位置の状態であり、この時の第1付勢ユニット250のカム253及びカムフォロワ256の状態は図6の1番に該当し、第2付勢ユニット270のカム273及びカムフォロワ276の状態は図7の1’番に該当する。
【0064】
この状態から、第2本体120を第1本体110に対してスライドダウンさせると(図9B)、その第2本体120のスライドに伴ってヒンジ接続部210が第1本体110に対し下方へ回動する。この過程において、第1付勢ユニット250のカムフォロワ256は、図6に示すように、カムプロファイル254,255の頂点を経て2番に該当する状態となる。また、この過程の間、第2付勢ユニット270のカムフォロワ276は、図7に示すように、初期位置の1’番からカム273との距離が離れる方向に移動して2’番に該当する状態となる。
【0065】
この後、第1付勢ユニット250では、カムフォロワ256の従節258,259がカム253のカムプロファイル254,255の下り傾斜に沿って動作し、図6の3番に該当する状態になる。このカム253の付勢による動作に伴い、カムフォロワ256に固定されてヒンジ接続部210に軸支された第2本体120が回動を続け、150°等の通話用開状態まで回動する。また、第2本体120に加えられていたスライドの力が除去されると、第2付勢ユニット270では、図7に示すように、スプリング280の付勢によって、カムプロファイル274,275に沿いカムフォロワ276が初期位置の方へ戻り、初期位置と同じ3’番の状態になる。従って、ヒンジ接続部210は第1本体110に対して初期位置角度に復帰する(図9C)。
【0066】
すなわち、第2付勢ユニット270は、第2本体120がスライドダウン後に回動して開く間、そのスライドダウンに伴って第1本体110に対し回動したヒンジ接続部210を、初期位置へ復帰させる役割をもつ。従って、第2付勢ユニット270を設置しても、第2本体120を回転させて開く第1付勢ユニット250のメカニズムが制限されるわけではなく、第2付勢ユニット270がなくても、第1付勢ユニット250の作動は可能である。
【0067】
ここまでの過程の間、ストッパ300においては、図10A〜図10Cに示すように、第2本体120の回動に伴って回転子310の停止面312が停止ロッド330の停止面331に至って当接し、これにより、第2本体120の回動が一時停止して通話用開角度が保持される。前述したように、好適な通話用開角度は約150°であり、回転子310及び停止ロッド330の位置関係及び形状は、これに適合するように設定される。
【0068】
図9Cの状態からさらに第2本体120を回動させる力を加えると、図9Dに示すように、第2本体120はそこからさらに回動することができ、第1本体110に対して約180°で並ぶ略一直線状になる。この場合、第1付勢ユニット250のカムフォロワ256は、図6に示す4番に該当する状態となり、位置が保持される。また、図10Dに示すように、回転子310の突起311は、停止ロッド330を押し込んで乗り越え、規制凸部350に至ってそれ以上の回転が規制される。このときの第2付勢ユニット270のカムフォロワ276は、図7に示すように、カム273に対する相対的な位置が変化しないで、4’番に該当する状態にある。
【0069】
図9Dの状態からさらに第2本体120を回動させる力を加えると、第2本体120はストッパ300によって回動が規制されているので、ヒンジ接続部210が第1本体110に対して回動し、図9Eの状態になる。すなわち、第1付勢ユニット250のカムフォロワ256は、それ以上移動しない5番の状態(図6)にある一方、第2付勢ユニット270のカムフォロワ276は、5’番(図7)に該当する状態へ、カムプロファイル274,275に沿って動作する。
【0070】
これにより、第2本体120は、第1本体110の背面まで360°回動してディスプレイ121が外側を向いた状態となり、当該ディスプレイ121を利用して、ネット配信のビデオやワンセグ、DMBなどの放送を鑑賞しやすい形態となる。また、カメラがキーパッド111と同じ面に搭載してあれば、一般的なデジタルカメラと同じように背面ファインダとしてディスプレイ121を利用することができ、非常に使いやすい。
【0071】
図11は、本発明の第2実施形態による折り畳み式移動通信端末機を示した閉状態での斜視図である。
【0072】
図11に示すように、移動通信端末機400は、第1本体410と、第1本体410に対して回動可能に接続される第2本体420と、これら第1本体410及び第2本体420を回動可能に接続し、第2本体420をスライドアップさせる(第1本体410に対し略平行に上方へずらす)外力が加わると該第2本体420を第1本体410に対し回動させて開状態にする開閉装置500と、を含んで構成される。
【0073】
図12は、図11の開閉装置500の部分横断面図である。図12に示すように、開閉装置500は、第1付勢ユニット550と、第2付勢ユニット570と、ストッパ600と、を備えており、これらは図3に示す開閉装置200とその配置及び機能の点で反対になっている。従って、第1付勢ユニット550、第2付勢ユニット570、ストッパ600の構成や作用についての詳細な説明は省略する。
【0074】
図13A〜図13Eは、図11の移動通信端末機400について、第2本体420のスライドから360°回動までの状態を示す図であり、図14A〜図14Eは、図13A〜13Eの各状態におけるストッパの様子を示す図である。
【0075】
図13Aと図14Aは、第2本体420及び第1本体410を折り畳んで閉状態とした初期位置の状態であり、第2ヒンジ部512が第1ヒンジ部511に比べて低い方に位置するように、ヒンジ接続部510が傾斜している。
【0076】
この状態で第2本体420を第1本体410に対してスライドアップさせると、この第2本体420のスライドアップに伴ってヒンジ接続部510が第1本体410に対し上方へ回動する(図13B)。
【0077】
すると、第2付勢ユニット570がヒンジ接続部510を開状態へ回動させ続ける一方、第2本体420に加えられたスライドの力が除去されることで、第1付勢ユニット550が、第2本体420をヒンジ接続部510に対し初期位置の回動角度へ復帰させる。すなわち、第1付勢ユニット550は、ヒンジ接続部510の回動で第2本体420が第1本体410から開く間、ヒンジ接続部510に対して曲げられた第2本体420を再び元の角度へ開く役割をもつ。一方の第2付勢ユニット570は、第1実施形態で説明した第1付勢ユニット250と同様の役割を担い、第2本体420を伴ったヒンジ接続部510を第1本体410に対して回動させる。
【0078】
ここまでの過程の間、ストッパ600においては、図14A〜図14Cに示すように、ヒンジ接続部510の回動で回転子610の停止面612が停止ロッド630の停止面631に至って当接することにより、第2本体420の回動が一時停止し、通話用開角度が維持される。
【0079】
図13Cの状態から第2本体420をさらに回転させる外力を加えると、図13Dに示すようにヒンジ接続部510は回動し、第2本体420が第1本体410に対して約180°で並んだ形態になる。また、図14Dに示すように、回転子610の突起611は、停止ロッド630を押し込んで乗り越え、規制凸部650に当接してそれ以上の回転が規制される。
【0080】
図13Dの状態から第2本体420をさらに回転させる外力を加えると、ヒンジ接続部510はストッパ600によって回転が規制されているので、第2本体420だけがヒンジ接続部510に対し回動して図13Eの状態になる。
【0081】
以上のように、移動通信端末機を例示した図を参照に本発明を説明したが、本明細書に開示された実施形態及び図面によって本発明が限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で当業者によって多様な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態による移動通信端末機を折り畳んだ状態で示す斜視図。
【図2】図1の移動通信端末機を通話用の開状態にした状態を示す斜視図。
【図3】図1の移動通信端末機の開閉装置を説明する要部断面図。
【図4】図3のI‐I線断面図。
【図5】図3のII−II線断面図。
【図6】第1付勢ユニットのカムプロファイルを説明した図。
【図7】第2付勢ユニットのカムプロファイルを説明した図。
【図8】図3の開閉装置におけるストッパ部分を示す一部断面を含む斜視図。
【図9A】図1の移動通信端末機について閉状態を示した図。
【図9B】図1の移動通信端末機についてスライドダウンさせた状態を示した図。
【図9C】図1の移動通信端末機について通話用の開状態を示した図。
【図9D】図1の移動通信端末機について180°開状態を示した図。
【図9E】図1の移動通信端末機について360°開状態を示した図。
【図10A】図9Aの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図10B】図9Bの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図10C】図9Cの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図10D】図9Dの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図10E】図9Eの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図11】本発明の第2実施形態による移動通信端末機を折り畳んだ状態で示す斜視図。
【図12】図11の移動通信端末機の開閉装置を説明する要部断面図。
【図13A】図11の移動通信端末機について閉状態を示した図。
【図13B】図11の移動通信端末機についてスライドアップさせた状態を示した図。
【図13C】図11の移動通信端末機について通話用の開状態を示した図。
【図13D】図11の移動通信端末機について180°開状態を示した図。
【図13E】図11の移動通信端末機について360°開状態を示した図。
【図14A】図13Aの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図14B】図13Bの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図14C】図13Cの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図14D】図13Dの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図14E】図13Eの状態におけるストッパの状態を説明した図。
【図15】従来の移動通信端末機を折り畳み状態で示す斜視図。
【図16】図15の移動通信端末機を開状態で示す斜視図。
【符号の説明】
【0083】
100:移動通信端末機
110:第1本体
120:第2本体
121:ディスプレイ
123:カメラ
200:開閉装置
210:ヒンジ接続部
211:第1ヒンジ部
212:第2ヒンジ部
250:第1付勢ユニット
251:ハウジング
253:カム
254:第1カムプロファイル
255:第2カムプロファイル
256:カムフォロワ
257:カム軸
260:スプリング
300:ストッパ
310:回転子
311:突起
312:停止面
320:ガイド部材
330:停止ロッド
340:スプリング
350:規制止凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに回動して開閉可能とされる二つの本体と、
該二つの本体間を回動可能に接続し、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられると、前記本体を互いに回動させて開状態にする開閉装置と、
を含んで構成されることを特徴とする移動通信端末機。
【請求項2】
前記開閉装置は、
両端部が前記本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、
該ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該本体の一方を開方向へ回動させるように付勢する付勢ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機。
【請求項3】
前記ヒンジ接続部は、前記本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記本体の一方のヒンジ部が他方のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜することを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末機。
【請求項4】
前記付勢ユニットは、
前記ヒンジ接続部に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、
前記本体のいずれかのヒンジ部に固定されるカムフォロワと、
前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられると該本体の一方を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、
前記カムを前記カムフォロワに向けて付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末機。
【請求項5】
前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡であることを特徴とする請求項4に記載の移動通信端末機。
【請求項6】
前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、
前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末機。
【請求項7】
前記開閉装置は、
両端部が前記本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、
該ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該本体の一方を開方向へ回動させるように付勢する第1の付勢ユニットと、
前記ヒンジ接続部に設けられ、前記本体の一方を他方に対しスライドさせる外力が除かれたときに、前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させるように付勢する第2の付勢ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機。
【請求項8】
前記ヒンジ接続部は、前記本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記本体の一方のヒンジ部が他方のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜することを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末機。
【請求項9】
前記第1の付勢ユニットは、
前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、
前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、
前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられると該本体の一方を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、
前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末機。
【請求項10】
前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡であることを特徴とする請求項9に記載の移動通信端末機。
【請求項11】
前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、
前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の移動通信端末機。
【請求項12】
前記第2の付勢ユニットは、
前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、
前記本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、
前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられた後に該スライドさせている外力が除かれると前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、
前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末機。
【請求項13】
前記カムのカムプロファイルは、前記本体の一方が他方に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ、当該本体の一方を他方に対しスライドさせている外力が除かれたときに前記カムと前記カムフォロワとを互いに近づける軌跡であることを特徴とする請求項12に記載の移動通信端末機。
【請求項14】
前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、
前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されていることを特徴とする請求項13に記載の移動通信端末機。
【請求項15】
前記開閉装置は、前記本体の一方を他方に対しスライドダウンさせる外力が加えられると、該本体の一方を前記本体の他方に対し回動させることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の移動通信端末機。
【請求項16】
前記開閉装置は、前記本体の一方を他方に対しスライドアップさせる外力が加えられると、該本体の一方を前記本体の他方に対し回動させることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の移動通信端末機。
【請求項17】
前記本体の一方がディスプレイ等を備えた表示側本体、前記本体の他方がキーパッド等を備えた操作側本体であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の移動通信端末機。
【請求項18】
互いに回動して開閉可能とされる第1及び第2の本体と、
該二つの本体を回動可能に接続し、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が加えられると、当該第1及び第2の本体を互いに回動させて開状態にする開閉装置と、
前記第1の本体と前記第2の本体との回動角度を複数段階でストップさせるストッパと、
を含んで構成されることを特徴とする移動通信端末機。
【請求項19】
前記開閉装置は、
両端部が前記第1及び第2の本体のヒンジ部にそれぞれ軸支されたヒンジ接続部と、
該ヒンジ接続部に設けられ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が加えられたときに、該第1の本体を開方向へ回動させるように付勢する第1の付勢ユニットと、
前記ヒンジ接続部に設けられ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせる外力が除かれたときに、前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させるように付勢する第2の付勢ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項18に記載の移動通信端末機。
【請求項20】
前記ヒンジ接続部は、前記第1及び第2の本体が閉状態に折り畳まれているときに、前記第1の本体のヒンジ部が前記第2の本体のヒンジ部よりも上側に位置するように傾斜することを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項21】
前記第1の付勢ユニットは、
前記第1又は第2の本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、
前記第1又は第2の本体又は前記ヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、
前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられると該第1の本体を開方向へ回動させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、
前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項22】
前記カムのカムプロファイルは、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ且つ頂点を過ぎると互いに近づける軌跡であることを特徴とする請求項21に記載の移動通信端末機。
【請求項23】
前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、
前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されていることを特徴とする請求項22に記載の移動通信端末機。
【請求項24】
前記第2の付勢ユニットは、
前記第1又は第2の本体又はヒンジ接続部のいずれか一方に固定されて内部に収容空間を有するハウジングと、
前記第1又は第2の本体又はヒンジ接続部のいずれか他方に固定されたカムフォロワと、
前記ハウジングの収容空間内に往復運動可能に設置され、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられた後に該スライドさせている外力が除かれると前記ヒンジ接続部を初期位置へ復帰させる軌跡のカムプロファイルをもつカムと、
前記カムを前記カムフォロワへ向けて付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項25】
前記カムのプロファイルは、前記第1の本体が前記第2の本体に対しスライドさせられている間に前記カムと前記カムフォロワとを互いに遠ざけ、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドさせている外力が除かれたときに前記カムと前記カムフォロワとを互いに近づける軌跡であることを特徴とする請求項24に記載の移動通信端末機。
【請求項26】
前記カムのカムプロファイルは、カム軸を中心に異なる半径で二つ形成され、
前記カムフォロワは、前記二つのカムプロファイルに従動する従節が前記カム軸を挟んで正対する位置に形成されていることを特徴とする請求項25に記載の移動通信端末機。
【請求項27】
前記ストッパは、前記第1の本体を前記第2の本体に対し150°及び180°でストップさせることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項28】
前記ストッパは、
前記第1又は第2の本体のヒンジ部に固定された回転子と、
前記ヒンジ接続部内に往復運動可能に設置され、前記回転子との接触により当該回転子の回転を停止させる停止ロッドと、
該停止ロッドを前記回転子へ向け付勢するスプリングと、
を含むことを特徴とする請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項29】
前記回転子の外周に、前記停止ロッドと当接する少なくとも1つの突起が形成されていることを特徴とする請求項28に記載の移動通信端末機。
【請求項30】
前記停止ロッドをガイドするガイド部材が前記ヒンジ接続部に形成されていることを特徴とする請求項28又は請求項29に記載の移動通信端末機。
【請求項31】
前記回転子が前記停止ロッドを超えて回転したときに当該回転子の回転を規制する規制凸部が前記ヒンジ接続部に形成されていることを特徴とする請求項28〜30のいずれか1項に記載の移動通信端末機。
【請求項32】
前記回転子が前記規制凸部により回転を規制された状態で、前記第1の本体が前記第2の本体に対し360°回転した状態にあることを特徴とする請求項31に記載の移動通信端末機。
【請求項33】
前記開閉装置は、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドダウンさせる外力が加えられると、該第1の本体を前記第2の本体に対し回動させることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項34】
前記開閉装置は、前記第1の本体を前記第2の本体に対しスライドアップさせる外力が加えられると、該第1の本体を前記第2の本体に対し回動させることを特徴とする請求項18又は請求項19に記載の移動通信端末機。
【請求項35】
前記第1の本体がディスプレイ等を備えた表示側本体であり、前記第2の本体がキーパッド等を備えた操作側本体であることを特徴とする請求項18〜34のいずれか1項に記載の移動通信端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図13E】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−71390(P2007−71390A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−239642(P2006−239642)
【出願日】平成18年9月4日(2006.9.4)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】