説明

移植機

【課題】畝上面が凹凸を有しても、その畝に玉ねぎの苗を植付ける植付深さを一定にする移植機を提供する。
【解決手段】
移植部には、主昇降機構が設けられ、その主昇降機構は、複数個の植付体を一体的に昇降可能としている。また、上記主昇降機構には、単数または複数の副昇降機構が設けられる。その副昇降機構は、各植付体が上下方向に昇降可能に設けられている。そして、主昇降機構により、ある植付体を基準に、畝の凹凸に応じて、複数の植付体を一体的に昇降させる。また、副昇降機構により、畝の凹凸に応じて各植付体を上下に昇降させる。この結果、凹凸を有する畝であっても、ある条の植付部を基準に、他の条の植付体を上下に昇降させることができ、各条の植付深さを一定にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は移植機、詳しくは玉ねぎなどの野菜の苗を畝に移植する移植機の機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、玉ねぎの苗を畝に植付けるのに、2条用の移植機が使用されていた。しかし、最近では、作業の効率を図るため、往復して4条の玉ねぎの苗を畝に植付ける移植機が開発されている。例えば、特許文献1には、往復して畝に4条の玉ねぎの苗を植付ける4条用の移植機が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−236666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような多数条の移植機の場合、各条の植付体を、全て同じ高さ位置に固定した状態でそのまま植付けると、凹凸面を有する畝では各条の植付深さが一定しない。例えば、図28に示すように、中央部に凸面を有する畝のある場合、中央部の植付体と両端部の植付体とでは、その植付深さが異なる問題が生じてしまう。
【0005】
この発明は、上記問題を解決するためになされたもので、畝上面が凹凸を有しても、その畝に玉ねぎの苗を植付ける植付深さを一定にする移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、畝を跨いで走行する走行部と、同走行部に設けて苗を供給する苗供給部と、同苗供給部から苗を受けて畝上に移植する移植部とを装備する移植機において、移植部に主昇降機構を設け、同主昇降機構に複数の植付体を左右幅方向に間隔を開けて取付けると共に、同主昇降機構を介して複数の植付体を一体的に昇降自在とし、上記主昇降機構に単数若しくは複数の副昇降機構を設け、各副昇降機構にそれぞれ植付体を取付けると共に、各副昇降機構を介して各植付体をそれぞれ個別的に昇降自在としたことを特徴とする移植機である。
上記移植部には、複数個の植付体が設けられている。そして、複数個の植付体を一体的に昇降させる主昇降機構と、個別に昇降させる副昇降機構が設けられている。
主昇降機構は、所定の高さ位置に、複数個の植付体を一体的に昇降させるものである。その主昇降機構としては、例えば、油圧ポンプ、アクチュエータを用いて機体全体を昇降させるものである。
また、副昇降機構としては、主として機械式によるものである。
【0007】
請求項1に記載の移植機にあっては、移植部には、主昇降機構が設けられ、その主昇降機構は、複数個の植付体を一体的に昇降可能としている。また、上記主昇降機構には、単数または複数の副昇降機構が設けられる。その副昇降機構は、各植付体が上下方向に昇降可能に設けられている。
そして、主昇降機構により、ある植付体を基準に、畝の凹凸に応じて、複数の植付体を一体的に昇降させる。また、副昇降機構により、畝の凹凸に応じて各植付体を上下に昇降させる。この結果、凹凸を有する畝であっても、ある条の植付部を基準に、他の条の植付体を上下に昇降させることができ、各条の植付深さを一定にすることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、主昇降機構と副昇降機構は、それぞれ苗を植え付ける畝面の凹凸を検出する検出体を介して昇降手段により昇降可能とし、検出体は、各植付体の前方に対向させて配置すると共に、畝面に接触させて、同状態にて走行部の走行移動に伴って畝面の凹凸を検出可能としたことを特徴とする請求項1に記載の移植機である。
畝面の凹凸を検出する検出体としては、例えば、センサローラが使用される。
また、昇降手段としては、リンクまたはワイヤなどが用いられる。
【0009】
請求項2に記載の移植機にあっては、検出体を各植付体の前方に対向させて配置するとともに、その検出体を畝面に接触させて上下することにより、植付部が同じ量上下するようにリンク、ワイヤを用いて連結している。これにより、凹凸面を有する畝の場合でも、センサローラがその畝の凹凸面を検出し、各条の植付深さが一定となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、主・副昇降機構の内の一方に上記昇降手段としてのアクチュエータを連動連設し、かつ、他方に検出体に連動する連動機構を連動連設したことを特徴とする請求項2に記載の移植機である。
【0011】
請求項3に記載の移植機にあっては、例えば、主昇降機構に昇降手段としてのアクチュエータを連動連設し、副昇降機構に検出体に連動する連動機構を連動連設している。これにより、主昇降機構としてのアクチュエータですべての植付体を一体的に昇降できるとともに、畝の凹凸を検出体で検出しながら各植付体を上下に昇降することができる。この結果、すべての条の植付深さが一定になる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、上記主昇降機構は、上記検出体であって、支持フレームに固設された基準用の検出体と、上記基準用の検出体が畝の凹凸に倣い昇降することにより、支持フレームに連結された連結部材を介して開閉する油圧バルブと、その油圧バルブの開閉により、そのピストンロッドを摺動させて機体を昇降させる油圧シリンダとを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の移植機である。
基準用の検出体は、移植部に対して中央に配設してもよいし、両端部に配設することもできる。
【0013】
請求項4に記載の発明にあっては、主昇降機構は、基準用の検出体、油圧バルブおよび油圧シリンダを備えている。支持フレームに固定された基準用の検出体が、畝の凹凸に倣うことにより、支持フレームの連結された連結部材を介して油圧バルブが開閉する。その油圧バルブの開閉により、機体に配設された油圧シリンダのピストンロッドを摺動させ、これにより、機体を上下に昇降させることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記副昇降機構は、上記検出体であって、支持フレームに回動自在に配設された回動用の検出体と、上記回動用の検出体が畝の凹凸に倣い回動することにより、上記回動用の検出体と上記移植部とを連結するとともに、上記移植部を上下に昇降させるリンク部材とを備えたことを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の移植機である。
回動用の検出体は、移植部に対して中央に配設してもよいし、両端部に配設することもできる。リンク部材は、回動用の検出体と移植部に配設されたガイドレールとを連結する連結部材を含み、回動用の検出体の回動により、上記ガイドレールを上下に回動させて、移植部の植付部を上下に昇降させるものである。
【0015】
請求項5に記載の発明にあっては、副昇降機構は、回動用の検出体、リンク部材を備えている。支持フレームに回動自在に設けられた回動用の検出体が、畝の凹凸に倣うことにより、支持フレームの連結されたリンク部材を介して、移植部を上下に回動させる。これにより、幅方向に凹凸を有する畝であっても、各移植部での苗の植付深さを一定にすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、上記主昇降機構および上記副昇降機構は、上記検出体を一体的に位置決めする位置調整機構を備えたことを特徴する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の移植機である。
【0017】
請求項6に記載の発明にあっては、主昇降機構および副昇降機構は、上記検出体を一体的に位置決めする位置調整機構を備えている。この位置調整機構により、植付前において、複数個の移植部の植付深さ位置を調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、移植部には、主昇降機構が設けられ、その主昇降機構は、複数個の植付体を一体的に昇降可能としている。また、上記主昇降機構には、単数または複数の副昇降機構が設けられる。その副昇降機構は、各植付体が上下方向に昇降可能に設けられている。
そして、主昇降機構により、ある植付体を基準に、畝の凹凸に応じて、複数の植付体を一体的に昇降させる。また、副昇降機構により、畝の凹凸に応じて各植付体を上下に昇降させる。この結果、凹凸を有する畝であっても、ある条の植付部を基準に、他の条の植付体を上下に昇降させることができ、各条の植付深さを一定にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
すなわち、本発明に係る移植機は、基本的構造として、畝を跨いで走行する走行部と、同走行部に設けて苗を供給する苗供給部と、同苗供給部から苗を受けて畝上に移植する移植部とを装備している。
【0021】
そして、特徴的構造として、主昇降機構により、ある植付体を基準に、畝の凹凸に応じて、複数の植付体を一体的に昇降させるものである。また、副昇降機構により、畝の凹凸に応じて各植付体を上下に昇降させるものである。
【実施例】
【0022】
以下、この発明の実施例を、図1から図30を参照して説明する。
【0023】
最初に、移植機10の全体の構成について図1〜図6を参照して説明する。
まず、走行部11について説明する。走行部11は、エンジン75、ミッション部12(ミッションケース)などを搭載した機体フレーム15と、移植部13を支持する支持フレーム体101とを、左右前輪16および左右後輪17の四輪で支持するとともに、後部に操縦ハンドル(ハンドルフレーム26)を備えたものである。
【0024】
図2に示すように、上記機体フレーム15の前部には、前輪支持軸18が配設され、その前輪支持軸18の両側には前輪支持フレーム19の一端が取り付けられている。その前輪支持フレーム19の他端には前輪16が回転自在に支持されている。
また、機体フレーム15の中間部には、ミッション部12より動力を受けて回転する回転支持軸21が配設されるとともに、水平方向の側方に突出して後輪駆動軸20が設けられている。そして、上記回転支持軸21および後輪駆動軸20の両側には駆動ケース22が連設されている。そして、その駆動ケース22の下部には後輪17が回転自在に支持されている。
【0025】
さらに、図4および図5に示すように、機体フレーム15の後部上から後方には、ハンドル部材となるハンドルフレーム26が水平に連設されている。さらに、上記ハンドルフレーム26の中間部であって、その上方には苗供給部14が配設されている。そして、ハンドルフレーム26の後部を、作業者が操作する走行操作部としている。
【0026】
ミッション部12は、走行部11の機体フレーム15の中間部に設けられている。すなわち、図1〜図5に示すように、ミッション部12は、上記走行部11に設けられ、エンジン(原動機部)75の後方に配設されている。そして、ミッション部12は、エンジン75(原動機部)の動力を受け、上記後輪17を駆動したり、後述する移植部13を駆動したりするものである。
【0027】
次に、移植部13について説明する。移植部13は、ミッション部12の後部であって、苗供給部14の下方に配設されている。移植部13は、開孔器51a〜51dを昇降させ、その開孔器51a〜51dが上端位置で苗供給部14より苗38を受け取り、下端位置で開孔器51a〜51dを開いて畝40上に苗38を落下させて、その後方に配置した覆土輪73により苗38の根部に土を寄せて覆土して移植する構成としている。その移植部13は、後述する支持フレーム体101で固定される。
【0028】
次に、移植機10の伝動系について説明する。
図7は、移植機10の伝動系を示す線図である。図7に示すように、機体の最前方にはエンジン75が配設されている。そのエンジン75(原動機部)には、駆動軸76が回転自在に設けられている。駆動軸76には、1対のプーリ93a,93bおよび油圧ポンプ用伝動ベルト162を介して動作する油圧ポンプ77が設けられている。また、上記ミッション部12には、入力軸78がエンジン75側の上記駆動軸76と略平行に設けられている。
【0029】
また、上記ミッション部12には、上記入力軸78の回転を受け、走行用変速機構164および移植部変速機構166に動力を与える入力部変速機構163が設けられている。すなわち、走行時においては、入力部変速機構163で入力軸78の動力を受け、その動力を走行用変速機構164において、後輪17を駆動する回転支持軸21を回転させる動力に変換している。
また、ミッション部12には、移植時において、入力軸78の動力を受け、1対のチェーンおよびベルトを備えた移植部伝動機構165を介して、4つの植付体50a〜50dを駆動する植付回転軸125を回転する動力に変換する移植部変速機構166が設けられている。
【0030】
次に、各部の構成について詳細に説明する。
まず、移植機10のフレームの構成を詳細に説明する。
図4に示すように、移植機10は、その走行部11に機体フレーム15を有している。その機体フレーム15には、その前方にエンジン75が設けられ、また、そのエンジン75の側方には、走行変速機構160が設けられている。その走行変速機構160は、走行時の1対のプーリおよびベルト体と、植付時の1対のプーリおよびベルト体(2組)とを一体的に備えたものである。さらに、エンジン75の後方にミッション部12を備えている。
また、機体フレーム15の後部には、平面視して略コの字形状のハンドルフレーム26が連設されている。
【0031】
また、図5に示すように、機体フレーム15は、側面視して略逆「へ」字状に構成された前フレーム23および後フレーム24を有している。前フレーム23と後フレーム24との中間には、水平方向に設けられた下横フレーム25bが設けられている。機体フレーム15の内、前フレーム23は、プレート状に構成されており、その上部にはエンジン75(破線内)が載置固定されている。また、エンジン75の側方には、走行変速機構160が設けられている。
機体フレーム15の内、後フレーム24は、下横フレーム25bから左右両側より後方にパイプを延設したもので、平面視して略「コ」の字形状に構成したものである。そして、その前部の左右水平方向の下横フレーム25bには前フレーム23の後端が固設されている。
【0032】
後フレーム24の中間部には、中柱27が立設されている。中柱27の上部には水平に延びる上横フレーム25aが設けられている。そして、図5に示すように、上記後フレーム24の後部上及び中柱27上部であって、上記上横フレーム25aには、ハンドルフレーム26の前部が連結されている。
そのハンドルフレーム26の上方には、苗載台フレーム28が配設されている。図1に示すように、その苗載台フレーム28は、側面視して略L字形状を有し、ハンドルフレーム26の中間部から上方に突出して設けられている。そしてその苗載台フレーム28には、苗載台29が載置される。
また、ハンドルフレーム26の後部には、昇降レバー30、主クラッチレバー131などの操作レバーが配設されている。
【0033】
本実施例では、二人作業の場合、ハンドルフレーム26の側部の後輪17後方(苗供給部14の右斜め後方)に主作業者を位置させ、機体左側のハンドルフレーム26側部の後輪17後方(苗供給部14の左斜め後方)に補助作業者を位置させる。
または、一人作業の場合、機体の右側のみに位置させ、主作業者は上記操作レバーを操作するとともに、苗載台29から苗38を取り、苗供給部14の各苗搬送ポット37に一つずつ(あるいは所定本数ずつ)苗38を挿入していく。補助作業者は、主作業者が苗搬送ポット37に挿入できなかった苗搬送ポット37に苗38を挿入して補完する。
【0034】
次に、苗供給部14について、図1、図2、図8〜図12を参照して説明する。
図1および図2に示すように、ハンドルフレーム26の上部には、そのハンドルフレーム26から左側に突出するよう設けられ、長円形(長リング形)に形成された苗搬送台36が畝40に対して略水平に固設されている。
【0035】
図8に示すように、上記苗搬送台36上には、駆動スプロケット41が回転自在に設けられ、従動スプロケット43が回転自在に設けられている。そして、図9に示すように、その駆動スプロケット41と従動スプロケット43には、各ピン44でチェーン状で連結した苗搬送体としての苗搬送ポット連39が巻回されている。
そして、図9に示すように、上記ミッション部12より、スプロケット210a、210bおよびチェーン211を介して動力が伝達されて、苗供給部14に備えた駆動スプロケット41が駆動する。
なお、本実施例では苗搬送を長円形としているが、三角形状に構成することも、四角形状または多角形状に構成することも可能である。
本実施例では平面視して右回り回動して、補助作業者側で反転して受継部側へ苗38を搬送するようにしている。
【0036】
図10に示すように、苗搬送ポット37は、筒体の上部を拡開した漏斗状に構成され、これにより、上方より苗38を挿入し易い形状を有している。
図11に示すように、苗搬送ポット37の下部には、その下部を蓋をする平板状のシャッター45が略水平に設けられている。そのシャッター45は、その一端が苗搬送ポット37の外周に設けられた支点ピン46でピン結合されている。すなわち、シャッター45が下方に回動することにより、玉ねぎの苗38を落下することができる。
【0037】
そして、そのシャッター45の他端側にはローラ47a〜47dが回転自在に配設される。ローラ47a〜47dは、苗搬送台36のローラ路167上を転動するようにしている。
ローラ47a〜47dは、苗搬送ポット37a〜37d毎に取り付けられるが、搬送方向に対して左右交互にローラが配設されたり、左右どちらにも設けず、または左右どちらも設けたりしている。
【0038】
すなわち、図12に示すように、多数に連結された苗搬送ポット37は4の倍数個とし、それぞれ順に番号を付したときに、第1番目の苗搬送ポット37aに配設されたローラ47aは内周側および外周側に配置し、第2番目の苗搬送ポット37bに配設されたローラ47bは内方(ポットの直下)に配置する、第3番目の苗搬送ポット37cに配設されたローラ47cは外周側(走行方向側)に配置し、第4番目の苗搬送ポット37dに配設されたローラ47dは外周側(作業者側)に配置している。
【0039】
上記苗搬送台36は、上記ローラ47a〜47dがローラ路167の上を転動するレールの役目を果たしている。そして、その苗搬送台36の上記ローラ47a〜47dが転動する経路において、開口部48b〜48d(または切欠)を、内周側または外周側に配設することにより、その開口部48b〜48dでローラ47を支えるものがなくなり、支点ピン46を中心にシャッター45が下方に回動して、苗搬送ポット37a〜37dの下方を開口し、苗38を移植部13に落下するようにしている。
【0040】
すなわち、図12に示すように、左右方向に長い長円形の苗搬送台36の前部右側の苗搬送ポット37の移動軌跡部に開口部48を搬送方向に沿って開口し、その開口部48b〜48dは苗搬送ポット37の底面積よりも大きくして苗38を落下できるようにするとともに、搬送方向に対しては連結した苗搬送ポット37の3ピッチまたは5ピッチ離れた位置に開口し、この間隔は条幅(条間隔)に合わせている。
そして、進行方向に対して、内周側、外周側、内周側および外周側をそれぞれローラ47a〜47dが落ち込むように位置を合わせて側方に大きく開口している。
【0041】
具体的には、図13に示すように、苗搬送台36には、苗搬送ポット37a〜37dの進行方向に対して順番に開口部b、開口部d、開口部cが設けられている。開口部bは、最も幅が小さく、開口部dは作業者側に大きく開口しており、開口部cは走行方向側に大きく開口している。これにより、苗搬送ポット37bのローラ47bが開口部bで支えるものがなくなり、苗搬送ポット37bのシャッター45が下方に回動し、苗38を落とすことができる。また、開口部dでは、苗搬送ポット37dのローラ47dが開口部dで支えるものがなくなり苗38を落とすことができる。さらに、開口部cでは、苗搬送ポット37dのローラ47cが開口部cで支えるものがなくなり苗38を落とすことができる。そして、内周側および外周側にローラ47aを配設した苗搬送ポット37aは、苗搬送台36が設けられていない箇所でシャッター45を開く構成としている。
【0042】
また、図10に示すように、開口部48内における進行方向終端側のローラ47が通過する位置には、徐々に上昇して苗搬送台36のローラ転動面につながるスロープ49(傾斜面)がそれぞれ設けられている。これにより、ローラ47が引っ掛かることなく移動に伴って徐々にシャッター45を閉じるように設けられている。
【0043】
搬送台36は、図8に示すように、第1の搬送台36aと、第2の搬送台36bとに2分割に設けられている。第1の搬送台36a、第2の搬送台36bには、長円形のピン孔199が複数個配設されている。そして、第1の搬送台36aおよび第2の搬送台36bは、上記上横フレーム25aから作業者方向に突出して配設されたフレーム(図示せず)に、ピン孔199を通して、ピン198で固定されている。上記ピン孔199は長円形を有するので、上記第1の搬送台36aおよび第2の搬送台36bは、上記フレームに対して、その固定位置を調整することができる。また、上記開口部a〜dは、幅広に設けられている。これにより、後述する植付体の位置が変更になっても、苗搬送ポット37a〜37dから植付体への受継ぎがスムーズになる。
【0044】
次に、移植部13について図3〜図6を参照して説明する。
上記ハンドルフレーム26の前部には、支持フレーム体101(上横フレーム25aおよび下横フレーム25b)が設けられ、その支持フレーム体101に移植部13が固設される。
その移植部13は、植付体50a〜50dの駆動の心臓部となるロータリケース52と、畝40へ搬送する開孔器51a〜51dと、その開孔器51a〜51dの側方に配置するガイド部となる昇降ガイド53(ガイドレール)と、これらを連結するアームやリンクなどで構成されている。
ロータリケース52と昇降ガイド53とは左右の支持フレーム体101(上横フレーム25aおよび下横フレーム25b)に固定され、この間には4条の苗植付を行うための四つの開孔器51a〜51dが配設され、その開孔器51a〜51dは上記支持フレーム体101の下方で側面視して楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
【0045】
上記ロータリケース52a〜52dは、その一端が支持フレーム体101から下方に延設された昇降ガイドフレームより水平方向に突設した支点軸を軸に回転自在に支持されている。そして、そのロータリケース52の外側側面の支点軸外周部に伝動体となるスプロケットが固設され、チェーン等の伝動手段を介して上記ミッション部12と連動連結され、その移植部13と上記苗供給部14が同期して駆動するように構成されている。
【0046】
このような構成において、開孔器51a〜51dが上昇端に位置するときはその爪部は閉じた状態であり、受継部において、苗供給部14より苗38が投入されると、ミッション部12からの動力によりロータリケース52が回動し、アームも同時に回動し、開孔器51a〜51dは同時に昇降ガイド53に沿って下降し、略楕円軌跡を描いて下降する。
そして、上記開孔器51a〜51dが下端位置まで下降すると、開閉カムの回動により、その開閉カムに当接した当接アームが回動し(開閉カムの小径部に当接する)、爪支点軸を中心に回動して、開孔器51a〜51dが開かれ、畝40上の下端位置で苗38を落下放出する。
さらに回動すると、開孔器51a〜51dは上昇し、その上昇位置において開閉カムの回転により開孔器51a〜51dが同時に閉じられるのである。
【0047】
次に、分割構造について図4〜図6を参照して説明する。
図5および図6に示すように、エンジン75およびミッション部12が搭載された前フレーム23と、その後部にハンドルフレーム26を備えた後フレーム24との中間部には、下横フレーム25bが設けられている。また、図6に示すように、上記下横フレーム25bの上方であって、ハンドルフレーム26の前方には上横フレーム25aが設けられている。そして、上記上横フレーム25aと上記下横フレーム25bとの間には、4つの植付体50a〜50dおよびその植付駆動体が配設される。すなわち、上記上横フレーム25aおよび上記下横フレーム25bは、4つの植付体50a〜50dおよびその植付駆動体を支持する支持フレームである。
【0048】
そして、図6に示すように、上記上横フレーム25aおよび下横フレーム25bは、機体の左右幅方向に分割可能に設けられる。その分割した一方側が固定フレーム102となる。図6に示すように、背面視して右側部分のフレームが固定フレーム102となる。また、分割した他方側が可動フレーム103となる。図6に示すように、背面視して左側部分のフレームが可動フレーム103となる。
上記固定フレーム102には、背面視して左から(作業者からみて左から)第3番目の植付体50cおよびその植付駆動体(昇降フレーム53、ロータリケース52a〜52d等)、第4番目の植付体50dおよびその植付駆動体がそれぞれ配設されている。その固定フレーム102は、上記機体フレーム15に固定されて設けられている。すなわち、固定フレーム102は、ハンドルフレーム26に固設されるともに、前フレーム23と後フレーム24との中間で固設されている。
【0049】
また、作業者から見て、上記固定フレーム102の左手には、その固定フレーム102に対して、可動フレーム103が左右方向(幅方向)に収縮自在に設けられている。可動フレーム103の右手(背面視して)の端部には、幅方向に所定間隔を有して複数個のねじ孔108が設けられている。また、固定フレーム102の左手の端部には、図示しないボルトを挿入するねじ孔108が刻設されている。そして、固定フレーム102の左手端部と、可動フレームの右手端部とをつなぎ合わせる。また、可動フレーム103に設けられた複数個のねじ孔108のひとつに、ボルトでねじ止めすることにより、可動フレーム103が固定フレーム102に対してねじ止めされる。
その可動フレーム103には、背面視して左から第1番目の植付体50aと第2番目の植付体50bとが配設される。
【0050】
そして、ボルトと、可動フレーム103に設けられた複数個のねじ孔108との位置を変更することにより、固定フレーム102に対する可動フレーム103の連結位置を左右幅方向に調整可動自在としている。そして、可動フレーム103の連結位置を固定フレーム102に対して左右幅方向に調整することにより、第1番目の植付体50aおよび第2番目の植付体50bと、第3番目の植付体50cおよび第4番目の植付体50dとの間隔を変更することができる。
これにより、野菜の苗38を畝40に植付ける条間隔を自由に変更できる。よって、図30に示すように、地域によって、苗38を植え付ける条間隔が異なる場合でも、一台の移植機10で対応可能である。
【0051】
次に、灌水タンク104を積載する折り畳み式の灌水タンク104の積載機構について説明する。
従来は、水または薬剤を注ぎながら野菜の苗38を植え付けるために、灌水タンク104を使用していた。その灌水タンク104は、移植機10に積載した状態で苗38に注いでいた。
しかし、灌水タンク104を積載すると、その灌水タンク104を含めた機体の大きさが幅方向に大きくなってしまう。このため、そのまま移植機10をトラックに積載しようとしても、荷台からはみ出てしまう問題が生じてしまう。
【0052】
そこで、機体に対して幅方向に折畳みできる折り畳み式の積載フレーム105を設けた。
具体的には、図1〜図3に示すように、上記植付体50を支持する支持フレーム体101には、その形状がコの字形状を有する支持部材161が垂直に配設されている。そして、その支持部材107の中間部を軸に回動自在に設けられた積載フレーム105が設けられている。その積載フレーム105は、平面視してコの字形状、正面視して所定角度を有する逆ヘの字形状に設けられている。その積載フレーム105の幅方向には、複数個のコの字形状の棒材107が所定間隔を有して離間して設けられている。この棒材は、灌水タンク104の底面部を支持する部材である。
また、積載フレーム105と同様に支持部材107に対して回動自在に設けられ、積載時の灌水タンク104を固定する保持フレーム106が設けられている。その保持フレーム106は平面視してコの字形状を有している。
【0053】
次に、灌水タンク104の積載方法について、図2および図3を参照して説明する。
図3に示すように、積載フレーム105は、移植機10の搬送時には垂直に収納されている。そして、苗38を植え付けるときは、収納された積載フレーム105を左右方向に回動させて、積載フレーム105の積載面が水平になるようにする。
この後、灌水タンク104を積載フレーム105に挿入して積載する。灌水タンク104を積載した後は、保持フレーム106を回動させて灌水タンク104を保持する。そして、固定した灌水タンク104から水または薬剤を供給しながら野菜の苗38を畝40に植え付ける。この後、植え付けが終了して、積載フレーム105を折り畳んで収納する。これにより、トラックに収納可能な灌水タンク104を積載する積載フレーム105とすることができる。
【0054】
次に、車体のローリング機構について図14〜図17を参照して説明する。
従来では、油圧シリンダを用いて、バルブを操作することにより、機体のローリングを行っていた。しかし、油圧シリンダを使用したローリング機構とすると、それを製造するコストがアップしてしまう。また、油圧シリンダを使用することにより、その操作部のレイアウトが複雑になってしまう。
そこで、ねじ109を用いてローリング操作を行うこととした。
【0055】
具体的には、図3に示すように、ハンドルフレーム26の中間部から垂直方向に設けられた苗載台フレーム28の中間部に操作ボックス110が設けられる。図15および図16に示すように、その操作ボックス110には、棒状の軸部材112が設けられている。また、その軸部材112の一端には、長円形の回転支持部材113の一端が連結されている。さらにその回転支持部材113の他端には操作ハンドル111が設けられている。これにより、操作ハンドル111により軸部材112が回動自在に設けられる。
【0056】
また、軸部材112の中間部には、操作ボックス110に対して、ねじ込み可能なねじ109が刻設されている。その軸部材112の中間部には、第1のピン114を支点として、第1の板材115の一端側が回動自在にピン連結されている。そして、その第1の板材115の他端側は、第2の板材117と第2のピン116と回動自在にピン連結されている。さらに、上記第2の板材117の両端には2本のワイヤ121a、121bの一端が連結されたワイヤ端120a、120bが設けられている。
【0057】
また、図17に示すように、2本のワイヤ121a、121bの他端は、コイルばね122a、122bを介して、第3の板材118の両端に接続されている。このコイルばね122a、122bは、2本のワイヤ121a、121bの荷重の受け渡し時(右→左傾斜等)のガタ取り、機体の挙動をスムーズにする働きを有する。上記第3の板材118は、第3の軸部119を支点として回動自在に設けられている。
【0058】
さらに、第3の軸部119には、三ツ星形状の第4の板材124が設けられ、その第4の板材124にはステー123の一端が連結されている。このステー123の他端側には、所定部材を介して、前輪16側の前輪支持軸18および後輪17側の駆動ケース22が回動自在に連結されている。また、前輪支持軸18および回動支持軸21の間には、第1のステー支持部材185および第2のステー支持部材187を介して、上ステー186が配設されている。
【0059】
次に、機体のローリングの方法について説明する。
まず、操作ボックス110の操作ハンドル111を、例えば右回りに回す。すると、その操作ハンドル111の先端に設けられたねじ109がねじ込まれる。次いで、第1の板材115が回動するともに、第2の板材117も回動する。この後、第2の板材117に設けられた一方のワイヤ121aが引っ張られ、他方のワイヤ121bは緩められる。
【0060】
そして、図14に示すように、ワイヤ121a、121bの他端に連結された第3の板材118も回動し、第3の軸部119に連結された第4の板材124を介して、ステー123が機体に対して前方に押し出されたり、後方に戻されたりする。そして、ステー123の他端側に設けられた前輪16の前輪支持軸18および後輪17の駆動ケース22が回転支持軸21を支点として回動する。これにより、左右のいずれかの車輪を垂直方向に昇降させることができる。よって、図13に示すように、機体を左右方向に傾動することができ、安定したローリングが得られる。
【0061】
次に、植付部の深さ設定の構造について図1、図18〜図19を参照して説明する。
まず、主昇降機構について説明する。その主昇降機構は、複数個のうち1個のセンサローラを基準に、油圧ポンプ77および油圧シリンダ153により、機体を上下に昇降させて、複数個の植付体を一体的に所定の高さ位置に固定するアクチュエータである。
【0062】
具体的には、図18および図19に示すように、植付体の前方には円柱状のセンサローラ33a〜33cが配設されている。平面視して左から第1番目の植付体50aに対応してセンサローラ33aが、第2番目の植付体50bおよび第3番目の植付体50cに対応してセンサローラ33bが、第4番目の植付体50dに対応してセンサローラ33cがそれぞれ配設されている。すなわち、副昇降機構35は、両側の第1番目の植付体50aと第4番目の植付体50dとに対応して設けられている。
【0063】
図18および図19に示すように、各センサローラ33a〜33cは回転自在に設けられ、その回転軸182の両端には、一対のL字形状のフロートフレーム96の一端部がそれぞれ取り付けられている。各L字形状のフロートフレーム96には、ローラ支持フレーム168が挿通され、上記センサローラ33a〜33cを一体的に支持している。
【0064】
そして、中央に配設されたセンサローラ33bは、上記フロートフレーム96を介して、上記ローラ支持フレーム168に固設されている。また、左右のセンサローラ33a、33cは、上記ローラ支持フレーム168と連結板191を介して、上記フロートフレーム96とピン210で連結されている。これにより、左右のセンサローラ33a、33cは、上記ローラ支持フレーム168を支点として上下方向に回動自在に設けられる。
【0065】
上記ローラ支持フレーム168から側方部には、略L字形状のローラ保持フレーム169が配設されている。そのローラ保持フレーム169には、その一端から上方に延設した植付深さ調節ロッド170の一端が連結されている。また、植付深さ調節ロッド170の他端には、ロッド保持部材171の一端がピン172を支点として回動自在に設けられている。さらに、ロッド保持部材171の他端には、主昇降用ステー174の一端がピン173を支点として回動自在に設けられている。そして、主昇降用ステー174の他端は、油圧バルブ175と連結している。
また、上記ロッド保持部材171には、開孔器51a〜51dの上方に延設した植付調整用ハンドル178が設けられている。
【0066】
図1に示すように、移植機10には、上記油圧バルブ175の開閉により、機体を昇降させる油圧シリンダ153が設けられている。すなわち、油圧シリンダ153から圧送油を受け、そのピストンロッドを機体の前後方向に押し戻したりするものである。そして、その油圧シリンダ153のピストンロッドの先には板状の当接部材(図示せず)が設けられている。その当接部材は、駆動ケース22(後輪側)および前輪支持体18(前輪側)に連結した図示しない軸部材を当接するものである。すなわち、軸部材への当接部材の当接により、軸部材が前後方に移動可能に設けられ、前輪用の前輪支持体18および後輪用の駆動ケース22を回動するものである。これにより、畝40の凹凸により機体を上下方向に昇降することができる。
【0067】
次に、副昇降機構35について説明する。
図18および図19に示すように、円柱状のセンサローラ33cは、その両端部に配設されたフロートフレーム96の角部に連結された連結板191を介して、上記ローラ支持フレーム168に対して回動自在に設けられている。
また、そのローラ支持フレーム168から走行方向に延び、その先端が略L字形状に曲がった棒状のセンサアーム97が設けられている。また、略L字形状のセンサアーム97の折曲部214には、機体の幅方向に延びる棒状のフロートアーム98が軸部として設けられている。
【0068】
さらに、そのフロートアーム98には、長円形の板材216の基端部がそのフロートアーム98を軸部として回動自在に連結され、長円形の板材216の先端部には棒状のフロートロッド99がピン215で回動自在に配設されている。そして、そのフロートロッド99は、フロートフレーム96の他端部とピン217で連結されている。
【0069】
さらに、その先端が略L字形状に曲がったセンサアーム97の先端部には、ステー212の基端部がピン213で連結されている。そして、ステー212の先端部は、昇降ガイド53の下部に連結されている。そのステー212は、上記昇降ガイド53の下端部をその上端を軸に回動させるものである。
なお、センサローラ33a側に配設される副昇降機構も同様の構造を有する。
【0070】
次に、主昇降機構の動作について説明する。例えば、図30に示すように、中央に対して左右条が低くなった畝40の場合で考える。
まず、3つのセンサローラ33a〜33cを所定の高さ位置に初期設定する。3つのセンサローラ33a〜33cの高さ調整は、上記植付深さ調整ハンドル178により行う。次いで、機体を畝40上を走行させると、中央部に設けられたセンサローラ33bが畝40上面に倣い、上下に昇降する。さらに、センサローラ33bを固定して支持するローラ支持フレーム168も上下に昇降する。さらに、ローラ支持フレーム168から側方部に設けられたローラ保持フレーム169も上下に昇降する。
【0071】
そして、植付深さ調節ロッド170が上下に昇降し、ロッド保持部材171を介して、油圧バルブ175を開閉させる。これに伴い、油圧シリンダ153のピストンロッドが前方に押し出されたり、後方に戻されたりする。そして、所定部材を介して、前輪用の前輪支持体18および後輪用の駆動ケース22を回動する。これにより、機体と畝の関係を一定に保つことができる。
【0072】
次に、副昇降機構の動作について説明する。
左右側に設けられたセンサローラ33a、33cは、上記ローラ支持フレームに対して上下方向に回動自在に設けられている。したがって、図30に示すように、中央部が高く、左右側が低い畝38の場合、左右側のセンサローラ33a、33cは、センサローラ33bに比べて下方に位置する。そして、畝40上で機体を走行させると、左右側に設けられたセンサローラ33a、33cは、畝40上面に倣い、上下に昇降する。
【0073】
すなわち、センサローラ33a、33cのフロートアーム98に連結されたセンサアーム97が、フロートアーム98を支点として上下に回動する。また、センサアーム97の先端部に連結されたフロートロッド99は、前方または後方に往復動する。
これにより、上記センサアーム97の先端部に連結された上記ステー212が前前方または後方に往復動する。そして、上記ステー212により、上記昇降ガイド53の下端部がその上端を軸に回動する。これにより、上記植付体の開孔器51a〜51dが上下方向に回動する。
【0074】
例えば、凸面を有する畝の場合、センサローラ33a、33cが上昇すると、上記フロートロッド99が後方に戻され、ステー212は後方に戻される。そして、昇降ガイド53も後方に戻される。これにより、凸面にしたがって、開孔器51a、51dが上方に位置(E位置)するのである。逆に、凹面を有する畝の場合は、上記逆の動きをし、開孔器51a、51dは下方に位置(G位置)するのである。
以上の結果、左右方向に凹凸を有する畝40であっても、各条の植付深さが一定にすることができる。
なお、本実施例では、中央部のセンサローラ33bを固定とし、左右両側のセンサローラ33a、33cを上下に昇降可能としているが、左右両側のセンサローラ33a、33cを固定とし、中央部のセンサローラ33bを上下に昇降可能に設けることもできる。
【0075】
次に、上部停止ばねの構造について図20を参照して説明する。
従来より、植付体の開孔器51a〜51dを上部停止させるために、植付駆動軸125を強力なばね74で引っ張っていた。
しかし、コイルばね74の引っ張り力が強く、また、軸の端部でコイルばね74を引っ張る構造(片持ち構造)のため、その植付駆動軸125への負担が大きいものとなっている。そして、4条化などの多条化に伴い、さらに植付部50a〜50dを上部で固定する力がさらに必要であり、コイルばね74の引っ張り力を強化しなければならないという問題が生じていた。
そこで、植付駆動軸125の中間部に設けられ、その軸部が偏心した位置に上記植付駆動軸125が設けられた円筒体126をコイルばね74で引っ張る構造(両持ち構造)とした。
【0076】
具体的には、図4に示すように、植付駆動軸125上であって、正面視して右から第1番目の植付体Aと第2番目に植付体Bとの間には、円筒体126が設けられている。図20に示すように、円筒体126は、その中心から偏心した位置に植付駆動軸125が配設される。そして、円筒体126の外周部には、その円筒体126の下部に板材155が配設されている。そして、その板材155から4つのコイルばね74の一端がそれぞれ連結され、コイルばね74の他端は機体フレーム15側に配設された掛止部材153にそれぞれ固設される。
【0077】
そして、上記植付体(開孔器51a〜51d)が上方で停止したときに、上記コイルばね74の付勢が最小になるように、上記円筒体126の位置を設定しておく。そして、上記植付駆動軸125を、上記円筒体126を介して、上記コイルばね74で引っ張り上げる。これにより、植付体の駆動を停止したときに、その植付体の開孔器51a〜51dが必ず上部で停止するのである。
【0078】
次に、植付体の幅方向の調整機構について図21を参照して説明する。
具体的に、図21に示すように、移植部13には、苗を受けて下方に案内する複数個のラッパ状の受継案内体101a〜101dが設けられている。その受継案内体101a〜101dは、上端および下端開口部を有して筒状に形成されている。そして、その受継案内体101a〜101dの下方には、4つの開孔器51a〜51dが着脱自在に設けられている。
そして、各受継案内体101a〜101dの下端開口部の中心位置と、各開孔器51a〜51dの上端開口部の中心位置とを、左右の幅方向に一定幅だけ位置をずらして(偏倚させて)配置している。
【0079】
具体的には、図21に示すように、第1番目の開孔器51aの上端開口部の中心位置は、受継案内体101a〜101dの下端開口部の中心位置に対して、正面視して例えば左に1cm位置をずらして設けている。第2番目の開孔器51bの上端開口部の中心位置は、受継案内体101bの下端開口部の中心位置に対して、正面視して例えば右に1cm位置をずらして設けている。
【0080】
第3番目の開孔器51cの上端開口部の中心位置は、その受継案内体101cの下端開口部の中心位置に対して、正面視して例えば左に1cm位置をずらして設けている。第4番目の開孔器51dの上端開口部の中心位置は、受継案内体101dの下端開口部の中心位置に対して、正面視して例えば右に1cm位置をずらして設けている。
【0081】
この状態では、第1番目の開孔器51aと第2番目の開孔器51bとの間隔は、例えばW21=200mmである。また、第3番目の開孔器51cと第4番目の開孔器51dとの間隔は、例えばW23=200mmである。そして、第2番目の開孔器51bと第3番目の開孔器51cとの間隔は、例えばW22=240mmである。なお、各受継案内体101a〜101dの間隔は、例えば220mm(W11、W12、W13)で一定である。
【0082】
上記各受継案内体101a〜dと各開孔器51a〜dとの対は、着脱自在に取り付けられている。すなわち、上記第1番目の開孔器51aおよび受継案内体101aの対と、第2番目の開孔器51bおよび受継案内体101bの対との関係を入れ替える。また、第3番目の開孔器51cおよび受継案内体101cの対と、第4番目の開孔器51dおよび受継案内体101dの対との関係を入れ替える(着け替える)。
【0083】
これにより、第1番目の開孔器51aの上端開口部の中心位置を、受継案内体101aの下端開口部の中心位置に対して、正面視して右に例えば1cm位置をずらして設けることができる。また、第2番目の開孔器51bの上端開口部の中心位置を、受継案内体101bの下端開口部の中心位置に対して、正面視して左に例えば1cm位置をずらして設けることができる。
第3番目の開孔器51cの上端開口部の中心位置を、受継案内体101cの下端開口部の中心位置に対して、正面視して右に例えば1cm位置をずらして設けることができる。第4番目の開孔器51dの上端開口部の中心位置を、受継案内体101dの下端開口部の中心位置に対して、正面視して左に例えば1cm位置がずらして設けることができる。
【0084】
上記状態では、第1番目の開孔器51aと第2番目の開孔器51bとの間隔は、例えばW41=240mmである。また、第3番目の開孔器51cと第4番目の開孔器51dとの間隔は、例えばW43=240mmである。さらに、第2番目の開孔器51bと第3番目の開孔器51cとの間隔は例えばW42=240mmである。
【0085】
これに対して、第1番目の受継案内体101aと第2番目の受継案内体101bとの間隔は例えばW31=220mmである。また、第3番目の受継案内体101cと第4番目の受継案内体101dとの間隔は例えばW33=220mmである。さらに、第2番目の受継案内体101bと第3番目の受継案内体101cとの間隔は例えばW32=260mmである。
しかし、これでは、第1番目の受継案内体101aおよび第2番目の受継案内体101bに対する苗の落とす位置が例えばW51、W52=40mmずれることになる。
【0086】
そこで、第1番目の開孔器51aおよび第2の開孔器51bが回転動する進角を進めることにより、上記ずれを補正する。
以下に、ずれを補正する進角度について説明する。
開孔器51の1回転でポット4つ分(293.2mm)移動する。そして、上記ずれは40mmである。そこで、略40mm分のずれを補正する進角Xを求めるには以下の式となる。
X=40(mm)/293.2(mm)×360°
そして、X=49°となる。
すなわち、第1番目の開孔器51aおよび第2番目の開孔器51bの進角を、第3番目の開孔器51cおよび第4番目の開孔器51dに対して49°進める。これにより、条間隔が異なっていても、シャッターから落とされる苗が、受継案内体101a〜101cおよび開孔器51a〜51dに受継ぐのを安定化することができる。
なお、上記進角の調整方法は限定されず、例えば、製造時ないしは出荷時において、チェーンの付け替えで対応する。
【0087】
次に、移植機の変速機構について図22〜図24を参照して詳細に説明する。
図22に示すように、エンジン75には左側外方に突出する駆動軸76(出力軸)を設けられ、同駆動軸76には、小径の第1のプーリ79が取り付けられている。そのエンジン75と所定距離を有して離間した後方位置には、ミッション部12(図22では図示せず)が配設されている。そのミッション部12の前部には、左側外方に突出する入力軸78が、上記駆動軸76と前後に平行状態に設けられ、同入力軸78には大径の第2のプーリ80が取り付けられている。
そして、上記第1のプーリ79と第2のプーリ80との間には、高速用伝動ベルト81が巻回されている。
【0088】
また、上記駆動軸76と入力軸78との間には、中間軸82が配設されている。上記エンジンの駆動軸76には、小径の第3のプーリ83が設けられている。また、上記中間軸82には、中径の第4のプーリ84が配設されている。そして、第3のプーリ83と第4のプーリ84との間には、低速用伝動ベルトの前半部伝動ベルト85(一側半部伝動ベルト)が巻回されている。
【0089】
さらに、中間軸82には小径の第5のプーリ88が設けられている。また、上記入力軸78には上記第2のプーリ80と同じ径を有する大径の第6のプーリ89が配設されている。そして、第5のプーリ88と第6のプーリ89との間には、低速用伝動ベルトの後半部伝動ベルト87(他側半部伝動ベルト)が巻回されている。
【0090】
すなわち、走行変速機構160には、高速用伝動ベルトと低速用伝動ベルトとが設けられている。また、低速用伝動ベルトが、前半部伝動ベルト85と後半部伝動ベルト87ベルトとに2分割して設けられている。これにより、1つの走行変速機構160において、移動用の変速機構と作業用の変速機構とを並設できるとともに、大きな変速比をとることができる。
【0091】
また、移植機10では、高速用伝動ベルト81には高速用テンションクラッチ90が設けられ、低速用伝動ベルトの前半部伝動ベルト85には低速用テンションクラッチ91が設けられている。
【0092】
具体的には、高速用伝動ベルト81には高速用テンションクラッチ90が配設されている。すなわち、その先端にテンションローラが配設され、その基端が回動するテンションクラッチを、高速用伝動ベルト81上であって、駆動軸76側ないしは入力軸78側に近接させて配置している。
また、低速用伝動ベルトの前半部伝動ベルト85には低速用テンションクラッチ91が配設されている。すなわち、その先端にテンションローラが配設され、その基端が回動するテンションクラッチを、前半部伝動ベルト85上であって、駆動軸76側ないしは入力軸78側に近接させて配置している。
【0093】
高速用テンションクラッチ90が上方に回動し、高速用テンションベルトにテンションが与えられると、その高速用テンションベルトが回転するとともに、第1のプーリ79および第2のプーリ80が回転する。
【0094】
また、低速用テンションクラッチ91が上方に回動すると、第3のプーリ83および第4のプーリ84に巻回された前半部伝動ベルト85が回転する。これに伴い、第4のプーリ84の軸部である中間軸82が回転する。
さらに、中間軸82の回転により、第3のプーリ83が回転し、その第4のプーリ84に巻回された後半部伝動ベルト87が回動する。これにより、低速用伝動ベルトを回転することができる。
上記低速および高速の切換えは、上記高速用テンションクラッチ90および低速用テンションクラッチ91の切換えにより行うことができる。
【0095】
そして、上記高速用テンションクラッチ90および上記低速用テンションクラッチ91と離隔する側であって、駆動軸76ないしは入力軸78と中間軸82との間には、軸芯間保持体95が介設されている。すなわち、プーリの外側に支持部材である軸芯間保持体95を取り付けることにより、駆動軸76と入力軸78とを補強することができる。
【0096】
また、後半部伝動ベルト87側に常時テンションクラッチ92を設けている。すなわち、上記入力軸78の軸周りにコイルばね94を巻き付け、そのコイルばね94の一端を上記軸芯間保持体95に連結するとともに、他端を常時テンションクラッチ92に掛止して、その常時テンションクラッチ92を取り付けている。これにより、常時テンションクラッチ92は、後半部伝動ベルト87に常にテンションが与えられることとなる。
この結果、低速用伝動ベルトのうち、前半部伝動ベルト85側のテンションクラッチを入切することにより、低速用(作業時)への切換えをスムーズに行うことができる。
【0097】
移植機10は、上記高速用テンションクラッチ90と上記低速用テンションクラッチ91とを接続および切断操作する主操作体を設けている。また、上記高速用テンションクラッチ90と上記低速用テンションクラッチ91とを、上記主操作体とは相対的に反対に接続および切断操作する副操作体を設けている。
その主操作体および副操作体は、コの字形状を有するハンドルフレームの左手の後部に設けられたクラッチ操作ボックス180の中に配設されている。
【0098】
具体的に、クラッチ操作ボックス180の機構について図25〜図27を参照して詳細に説明する。
まず、クラッチ操作ボックス180の主操作体の構成について説明する。
図25〜図27に示すように、クラッチ操作ボックス180の表面にはガイド体130が設けられており、そのガイド体130には、略L字形状のガイド溝155が設けられている。そのガイド溝155に沿って、側面視して略「く」の字形状を有する主操作体としての主操作レバー131が回動自在に配設されている。その主操作レバー131の先端にはボルト体132が溶接されている。
【0099】
また、上記ガイド体130から下方に突出した支持板材135が設けられている。その支持板材135の中間部には、水平に設けられた軸部134が回動自在に設けられている。さらに、その軸部134には、上方に延びる板材133が設けられており、その板材133は、上記ボルト体132およびナットで止められている。
【0100】
さらに、上記軸部134には略L字形状の板材136が固設されている。そして、その略L字形状の板材136の先端にはピン軸138が設けられ、そのピン軸138には、側面視して略「コ」の字形状の部材137の基端部が回動自在に連結されている。その部材137の先端は、後述する副操作体の機構と連結している。
【0101】
次に、クラッチ操作ボックス180の副操作体の構成について説明する。まず、クラッチ操作ボックス180の右側面部には副操作体としての副操作レバー140が水平に設けられている。その副操作レバー140の先端には、長円形状の第1の板材141の基端部が垂直方向にピン201を支点として回動自在に設けられている。その第1の板材141には、左右方向にそれぞれ突出した棒材142がその先端部に設けられている。また、その第1の板材141の基端部は、ガイド体130の裏面側に設けられた保持板207とピン201で連結されている。
【0102】
そして、ガイド体130の裏面に設けられたピン軸204を支点として回動する第2の板材143および第3の板材144が設けられている。その第2の板材143および第3の板材144には、上記棒材142を挿通させて摺動させる貫通孔145a、145bがそれぞれ設けられている。
さらに、第2の板材143の先端には、コイルばね139aを介して、高速用操作ワイヤ146が連結され、第3の板材144の先端にはコイルばね139bを介して、低速用操作ワイヤ147が連結されている。
なお、主操作体に設けられた略「コ」の字形状の部材137の先端は、副操作レバーの先端部に連結された第4の板材203とピン軸202で連結されている。
【0103】
次に、クラッチ操作ボックス180の動作について説明する。
そして、主操作レバー131を機体の前方に押し込むと、主操作レバー131の先端に設けられたボルト体132が回動し、そのボルト体に連結された軸部134も回動する。また、軸部134から上方に延びる板材133も回動する。そして、その軸部134に固設された略L字形状の板材136も上方に回動する。さらに、その板材136とピン軸138を介して、略「コ」の字形状の部材137の先端部を上方に引っ張り上げる。そして、支点越えにより略「コ」の字形状の部材137が固定される。
【0104】
これにより、略「コ」の字形状の部材137の先端側に連結された副操作体側のワイヤ167、167が一体的に引っ張られ、高速用テンションクラッチ90または高速用テンションクラッチ91のいずれかがオンになる。
これに対して、図27に示すように、上記主操作レバー131を機体の後方に戻すと、上記高速用テンションクラッチ90および低速用テンションクラッチ91のいずれもオフになる。
この結果、主操作レバー131を、前方に押すと、移植機10を始動することができ、後方に戻そうとすると、移植機10の動作を停止することができる。
【0105】
また、上記副操作レバー140を回動すれば、第1の板材141が回動し、その第1の板材141の先端に設けられた棒材142が、第2の板材143および第3の板材144に設けられた貫通孔145a、145bに沿って摺動する。これにより、第2の板材143および第3の板材144がいずれかが引っ張られる構造となる。そして、高速用操作ワイヤ146または低速用操作ワイヤ147のいずれかが引っ張られることになり、高速用テンションクラッチ90または低速用テンションクラッチ91のいずれかがオンになる。
また、レバー140を戻せば、上記オンにならなかった高速用テンションクラッチ90または低速用テンションクラッチ91のいずれかがオンになる。
【0106】
次に、別のクラッチ操作ボックス181の機構について図28a〜図29bを参照して詳細に説明する。
図28a〜図29bに示すように、クラッチ操作ボックス181の表面にはガイド体130が設けられており、そのガイド体130には、略L字形状のガイド溝155が設けられている。そのガイド溝155には、略「く」の字形状を有する主操作体としての主操作レバー131が回動自在に取り付けられている。なお、その他の構成は、上記実施例1に記載のクラッチ操作ボックス180の機構とほぼ同じである。
【0107】
そして、主操作レバー131の操作にしたがって、前後方向に摺動する略翼形状の部材150が設けられている。そして、その略翼形状の部材150の両端には、1対のコイルばね139a、139bを介して、1対のインナーワイヤ149a、149bの基端部がそれぞれ連結されている。
一方のインナーワイヤは、高速用インナーワイヤ149bであり、他方のインナーワイヤは低速用インナーワイヤ149aである。そして、上記高速用インナーワイヤ149bの先端には、高速用テンションクラッチ90が連結されている。また、上記低速用インナーワイヤ149aの先端には、低速用テンションクラッチ91が連結されている。
【0108】
次に、副操作体について説明する。クラッチ操作ボックス181の裏面側にピン軸159が垂直周りに回動自在に取り付けられ、同ピン軸159に左右方向に伸延する第5の板材157の基端(左側端)が連設され、同第5の板材157の先端(右側端)に副操作体としての副操作レバー140の基端を連設している。
また、クラッチ操作ボックス181のガイド体の右側面部には、下方に凸状に突出した掛止凸部205が配設されている。その掛止凸部205の一端側(後端側)に掛止溝206aが配設され、他端側(前端側)に掛止溝206bが配設されている。
そして、第5の板材157は、上記クラッチボックスの側面部に設けられた掛止凸部205の一端側または他端側に掛止される構造を有している。すなわち、副操作レバー140に連結された第5の板材157は、掛止凸部205の底面を乗り越え、その掛止凸部205の一端側の掛止溝206a、他端側の掛止溝206bのいずれかに掛止される構造を有している。
【0109】
また、前記ピン軸159には、押し引き操作体である第6の板材158の中央部が連設され、同ピン軸159と一体的に左右両端が前後揺動するようにしている。その第6の板材158の一端(右端)に低速用アウターワイヤ148aが連結され、第6の板材158の他端(左端)に高速用アウターワイヤ148bが連結されている。
【0110】
そして、上記低速用アウターワイヤ148aには低速用インナーワイヤ149aが摺動自在に挿通されるとともに、高速用アウターワイヤ148bには、高速用インナーワイヤ149bが摺動自在に挿通されている。すなわち、副操作体に連動連結した押し引き操作体である第6の板材158の一端に低速用アウターワイヤ148aの基端部を連結するとともに、第6の板材158の他端に高速用148bの基端部を連結し、主操作体に連動連設した前記部材150に、上記低速用・高速用アウターワイヤ148a、148b中に挿通した低速用・高速用インナーワイヤ149a、149bの基端部を連結している。このように、アウターワイヤ148a、148bの中にインナーワイヤ149a、149bを挿通しているので、部品のスペースを取らなくて済む。
【0111】
そして、主操作レバー131を機体の前方に押し込むと、前記部材150を介して低速用・高速用インナーワイヤ149a、149bが弛緩されて、高速用テンションクラッチ90と低速用テンションクラッチ91の両方がオンになる。
これに対して、上記主操作レバー131を機体の後方に戻すと、前記部材150を介して低速用・高速用インナーワイヤ149a、149bが引張されて、上記高速用テンションクラッチ90と低速用テンションクラッチ91の両方がオフになる。
これにより、主操作体レバー131を、前方に押すと、移植機10を始動することができ、後方に戻すと、移植機10の動作を停止することができる。
【0112】
また、副操作レバー140により、第5の板材157を掛止凸部205の一端側の掛止溝206b(走行側)に掛止すると、高速用アウターワイヤ148bが引張されて、高速用インナーワイヤ149bが弛緩され、その結果、高速用テンションクラッチ90がオンになるとともに、低速用アウターワイヤ148aが弛緩されて、低速用インナーワイヤ149bが引張され、その結果、低速用テンションクラッチ91がオフになる。これにより、機体を走行状態とすることができる。
上記とは逆に、副操作レバー140により、第5の板材157を掛止凸部205の他端側の掛止溝206a(作業者側)に掛止すると、低速用アウターワイヤ148aが引張されて、低速用インナーワイヤ149bが弛緩され、その結果、低速用テンションクラッチ91がオンになるとともに、高速用アウターワイヤ148bが弛緩されて、高速用インナーワイヤ149bが引張され、その結果、高速用テンションクラッチ90がオフになる。これにより、機体を植付状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】この発明の実施例に係る移植機の全体構成を示す側面図である。
【図2】この発明の実施例に係る移植機の全体構成を示す平面図である。
【図3】この発明の実施例に係る移植機の全体構成を示す正面図である。
【図4】この発明の実施例に係る移植機のフレームの構成を示す平面図である。
【図5】この発明の実施例に係る移植機のフレームの構成を示す側面図である。
【図6】この発明の実施例に係る移植機のフレームの構成を示す背面図である。
【図7】この発明の実施例に係る移植機の伝動系を示す線図である。
【図8】この発明の実施例に係る移植機の苗搬送台の取り付け構造を示す平面図である。
【図9】この発明の実施例に係る移植機の苗搬送ポット連の構成を示す側面図である。
【図10】この発明の実施例に係る移植機の苗搬送部の断面構造を示す断面図である。
【図11】この発明の実施例に係る移植機のポットの構成を示す側面図である。
【図12】この発明の実施例に係る移植機のポットの裏面の構成を示す底面図である。
【図13】この発明の実施例に係る移植機の苗搬送台の開口部の構成を示す平面図である。
【図14】この発明の実施例に係る移植機のローリング機構の構成を示す側面図である。
【図15】この発明の実施例に係る移植機のローリング機構の操作ボックスの構成を示す側面図である。
【図16】この発明の実施例に係る移植機のローリング機構の操作ボックスの構成を示す正面図である。
【図17】この発明の実施例に係る移植機のローリング機構の回動軸部の構成を示す側面図である。
【図18】この発明の実施例に係る移植機の主昇降機構および副昇降機構の構造を示す平面図である。
【図19】この発明の実施例に係る移植機の主昇降機構および副昇降機構の構造を示す側面図である。
【図20】この発明の実施例に係る移植機の開孔器を上部で停止する構造を示す正面図である。
【図21】この発明の実施例に係る移植機の植付体の進角を説明する正面図である。
【図22】この発明の実施例1に係る移植機の走行変速機構の全体構成を示す平面図である。
【図23】この発明の実施例1に係る移植機の高速時の走行変速機構を示す側面図である。
【図24】この発明の実施例1に係る移植機の低速時の走行変速機構を示す側面図である。
【図25】この発明の実施例1に係る移植機の高速時のクラッチ操作ボックスの機構を示し、(a)はその側面図であり、(b)はその底面図である。
【図26】この発明の実施例1に係る移植機の植付時のクラッチ操作ボックスの機構を示し、(a)はその側面図であり、(b)はその底面図である。
【図27】この発明の実施例1に係る移植機のクラッチ操作ボックスであって、クラッチが切れた状態を示す側面図である。
【図28】この発明の実施例2に係る移植機のクラッチ操作ボックスの機構を示し、(a)はその走行時の状態を示す底面図であり、(b)は走行時の状態を示す底面図である。
【図29】この発明の実施例2に係る移植機のクラッチ操作ボックスの機構を示し、(a)はその植付時の状態を示す斜視図であり、(b)は植付時の状態を示す斜視図である。
【図30】佐賀と淡路とでの玉ねぎの苗の植付状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0114】
11 移植機、
12 走行部、
13 移植部、
16、17 走行駆動輪、
33a〜33c 検出体(センサローラ)、
51a〜51d 開孔器(植付体)、
76 駆動軸、
78 入力軸、
81 高速用伝動ベルト、
85 低速用伝動ベルト、
90 高速用テンションクラッチ、
91 低速用テンションクラッチ、
100 支持フレーム体、
101a〜101d 受継案内体、
102 固定フレーム、
103 可動フレーム、
131 主操作レバー(主操作体)、
158 第6の部材(押し引き操作体)、
148a、148b アウターワイヤ、
149a、149b インナーワイヤ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
畝を跨いで走行する走行部と、
同走行部に設けて苗を供給する苗供給部と、
同苗供給部から苗を受けて畝上に移植する移植部とを装備する移植機において、
移植部に主昇降機構を設け、同主昇降機構に複数の植付体を左右幅方向に間隔を開けて取付けると共に、同主昇降機構を介して複数の植付体を一体的に昇降自在とし、
上記主昇降機構に単数若しくは複数の副昇降機構を設け、各副昇降機構にそれぞれ植付体を取付けると共に、各副昇降機構を介して各植付体をそれぞれ個別的に昇降自在としたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
主昇降機構と副昇降機構は、それぞれ苗を植え付ける畝面の凹凸を検出する検出体を介して昇降手段により昇降可能とし、
検出体は、各植付体の前方に対向させて配置すると共に、畝面に接触させて、同状態にて走行部の走行移動に伴って畝面の凹凸を検出可能としたことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】
主・副昇降機構の内の一方に上記昇降手段としてのアクチュエータを連動連設し、かつ、他方に検出体に連動する連動機構を連動連設したことを特徴とする請求項2に記載の移植機。
【請求項4】
上記主昇降機構は、上記検出体であって、支持フレームに固設された基準用の検出体と、
上記基準用の検出体が畝の凹凸に倣い昇降することにより、支持フレームに連結された連結部材を介して開閉する油圧バルブと、
その油圧バルブの開閉により、そのピストンロッドを摺動させて機体を昇降させる油圧シリンダとを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の移植機。
【請求項5】
上記副昇降機構は、上記検出体であって、支持フレームに回動自在に配設された回動用の検出体と、
上記回動用の検出体が畝の凹凸に倣い回動することにより、上記回動用の検出体と上記移植部とを連結するとともに、上記移植部を上下に昇降させるリンク部材とを備えたことを特徴する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の移植機。
【請求項6】
上記主昇降機構および上記副昇降機構は、上記検出体を一体的に位置決めする位置調整機構を備えたことを特徴する請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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