説明

移植片用の柔軟な挿入具

【課題】駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部と、を伴う、改善された移植片挿入具、及びそれを使用する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも先端部の遠位端部は、縫合糸アンカーのような移植片内に設置されることができる。挿入具は、先端部とシャフトとの間に配置された柔軟な領域を更に含み、この領域は、少なくとも先端部が移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が先端部より少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植片を骨に挿入するための道具に関するものであり、より具体的には、縫合糸アンカーのための駆動体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な損傷は、特にスポーツ選手の間では骨からの腱、靱帯、又は他の軟組織の完全若しくは部分的な脱離である。組織の脱離は、落下、過剰運動又は様々な他の理由によって起こり得る。組織がその関連する骨から完全に脱離した場合、外科的介入が必要とされることが多い。組織付着に現在有効なデバイスには、ねじ、ステープル、縫合糸アンカー、及びタックが挙げられる。
【0003】
関節鏡視下組織付着は、肩部の回旋腱板及び不安定性の処置で一般に行われている。典型的には、挿入具タイプのデバイスを使用して、縫合糸が装填されたアンカーを骨に固定させる。縫合糸は、通常は、小穴を通じて、又はポストの周辺で摺動可能にアンカーに取り付けられ、これによって、縫合糸の単一な長さは2つの自由リムを有する。縫合糸リムは、挿入具の外部に沿って、通常溝内若しくは他の外部のチャネル内に、又は挿入具の内部に、典型的には保持される。アンカーが骨に挿入された後、縫合糸の1つのリムは、腱又は関節唇等の修復される軟組織に貫通される。縫合糸の2つの端部は次いで互いに結ばれ、これによって軟組織をアンカーでループに捕捉する。ループを締め付けると、軟組織はアンカーを介して骨に近付けられる。
【0004】
アンカー挿入具には、Lizardiによる米国特許第7,381,213号に示されているように、骨に予め開けられた穴にアンカーを押し込むように利用されるものもあるが、その他の挿入具には、Cauldwellらによる米国特許公開第2008/0147063号に例示されているように、螺旋ねじ山のあるアンカーにトルクを付加してアンカーを回転して、予め形成された穴にアンカーを入れるものもある。特定のアンカーには、挿入のために比較的小さい力を必要とする非対称のものもあれば、アンカーと骨との間に十分な固定を確保するために、より強い力で推進されなくてはならない対称のアンカーもある。一部のアンカーでは、骨の中へと推進されている間に、実質的に剛性の挿入具先端部により内部が支持されることは有益である。
【0005】
挿入具駆動体の先端部は、典型的には、強いが脆性であり得る硬化された材料で構築される。換言すると、駆動体先端部には通常、延性はない。大きいひずみが材料に付加されると、移植片及び/又は駆動体先端部の破損が生じ得る。駆動体先端部の破損の結果として生じ得る破損部分は、患者から取り出されなければならない。ひずみは、軸からずれた角度で骨の穴に移植片が挿入されているとき、又は移植片が部分的若しくは完全に挿入された状態で横方向の荷重が駆動体のハンドルに付加されたときに生じ得る。
【0006】
非対称の押し込みアンカーの1つのタイプは、Pedlickらの米国特許第6,961,538号に開示されている。一実施形態では、設置用具は、骨に予め形成された穴の壁を掘り込むように楔形のアンカーの鋤のような縁部を促すいくらか可撓性の遠位端部を有する実質的に剛性の細長い棒を有する。この設置用具は、挿入中にアンカーに内部支持を提供する能力は全くないようである。
【0007】
別のタイプの非対称アンカーがLizardiの米国特許第6,527,795号に記載されている。テーパー形状のアンカーは、その後端部上に張り出した部分を有する。挿入用具は、圧力が与えられたときに用具を曲げて、アンカーの片側でより大きい圧縮力を生成することが可能な可撓性部分を含むことができ、アンカーをトグルする又は回転させる。
【0008】
更なる考慮事項は、アンカーと挿入具との間に、十分だが解放可能な付着を有することである。締まり嵌めによるシステムもあれば、ねじ止め係合を用いるものもある。Stoffelらの米国特許公開第2010/0292704号に記述されている移植片挿入装置は、変形されていない位置から変形した位置につぶれることによって移植片を把持する内側スリーブを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、移植片を損傷すること及び破損することなく十分な挿入力を移植片に適用できる、改善された挿入具を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、局所的領域に屈曲力を集中して変形を制御し、破損を最小限に抑える、改善された挿入具を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、移植片のための内部支持を生成し得る挿入具を提供することである。
【0012】
本発明は、駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部と、を含む移植片挿入具を特徴とする。少なくとも先端部の遠位端部は移植片内に設置されることができる。挿入具は、先端部とシャフトとの間に配置された柔軟な領域を更に含み、この領域は、少なくとも先端部が移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が先端部より少ない。
【0013】
いくつかの実施形態では、先端部は、骨への挿入中に移植片に内部支持を提供することができ、柔軟な領域は、先端部の材料よりも可鍛性の材料で形成される。他の実施形態では、柔軟な領域は、断面形状において複数の回旋又は他の変化を有する蛇腹タイプの構造体を含む。特定の実施形態では、遠位端部は、移植片にトルクを適用することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、挿入具は、移植片の近位端部と係合できる、先端部の近位端部で遠位に面する肩部を更に含む。特定の実施形態では、柔軟な領域は、肩部の断面より小さい断面を有する。多くの実施形態で、挿入具はパッケージ内に設置され、滅菌され、この滅菌はパッケージ内に設置される前、設置されている間、又は設置された後に行われる。縫合糸アンカーのような移植片は、ある実施形態では同じパッケージ内に設置されるが、他の実施形態では異なる滅菌可能なパッケージ内に設置される。パッケージは、挿入具の、及び存在する場合は移植片の滅菌性を維持する。
【0015】
いくつかの実施形態では、挿入具は、先端部に形成された横方向に延在する突起のような、先端部によって支えられる少なくとも1つの移植片保持要素を更に含む。一実施形態では、突起は、滑らかな遠位前縁部、及び後縁部に鋭く画定された移行部を有する。
【0016】
本発明は、遠位端部及び近位端部を有する縫合糸アンカーを含む組み合わせとして表されることもでき、その近位端部で開いたルーメンを画定する。この組み合わせは、更に、駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部と、を有する挿入具を更に含む。少なくとも先端部の遠位端部は、骨への挿入中に縫合糸アンカーに内部支持を提供するために縫合糸アンカーのルーメン内に設置されることができる。先端部の近位端部にて遠位に面する肩部は、縫合糸アンカーの近位端部と係合することができる。挿入具は、肩部とシャフトとの間に配置された柔軟な領域を更に含み、この領域は、少なくとも先端部が移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が先端部より少ない。
【0017】
本発明は、更に、遠位端部及び近位端部を有する縫合糸アンカーを選択することと、近位端部で開いたルーメンを画定することと、を含む、縫合糸アンカーを骨に挿入する方法としても表され得る。この方法は、更に、縫合糸アンカーを挿入具に連結させることを含み、挿入具は、駆動力を受け取ることができる近位表面を有する実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部と近位端部とを有する実質的に剛性の先端部であって、少なくともその遠位端部は骨への挿入中に縫合糸アンカーに内部支持を提供するように縫合糸アンカーのルーメン内に設置されることができる、先端部と、を含み、この挿入具は、縫合糸アンカーの近位端部と係合できる、先端部の近位端部にて遠位に面する肩部と、肩部とシャフトとの間に配置され、少なくとも先端部が縫合糸アンカー内に設置されたときには、曲がるために必要とする横方向の力が先端部より少ない柔軟な領域と、を更に含む。次いで、縫合糸アンカーを骨内に推進させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下に、図面を参照して本発明の好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【図1】骨内に推進された縫合糸アンカーに解放可能に取り付けられた、本発明による挿入具の概略的側面図。
【図2】蛇腹タイプの柔軟な領域を特徴とする、図1の挿入具の一部分の拡大図。
【図3】直径が縮小された首領域を有する、本発明による代替的挿入具の側面図。
【図4】縫合糸アンカーの内部を支持する、図3の挿入具。
【図5】アンカー保持要素を有する、本発明による更に別の挿入具の概略的斜視図。
【図6】図5の挿入具の拡大断面図。
【図6A】図6の一部分の拡大図。
【図7】移植片の内壁と相互作用するアンカー保持要素の概略的断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部と、を含む移植片挿入具によって実現され得る。先端部は移植片内に設置されることができる。挿入具は、先端部とシャフトとの間に配置された柔軟な領域を更に含み、この領域は、少なくとも先端部が移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が先端部より少ない。用語「曲がる」は、柔軟な領域の弾性的、可塑的、及び不可逆的な変形を含むが、その破壊又は他の破損は含まない。
【0020】
図1は、剛性の細長いシャフト12と、実質的に剛性の先端部14と、柔軟な領域16と、を有する、本発明による柔軟な挿入具10を図示する。シャフト12は、軸方向及び/又は回転方向の駆動力が適用されるハンドル18を含む近位表面を有する。先端部14は、挿入具10によって患者の骨Bの穴又はボア17内に推進された、点線で図示されている実質的に縫合糸アンカー15のルーメン内に示されている。
【0021】
中央線26とともに、シャフト12は、穴17内の先端部14及びアンカー15に対してボア軸22で表される角度Aだけ軸からずれた状態で示されている。この配向は、骨Bの穴17の軸に対して垂直でない挿入中のアプローチによって、又はハンドル18に付加される、矢印20が表す横方向の力によって、引き起こされ得る。望ましくは、挿入中、軸から最高30度までずれた不整列に対応する。
【0022】
図2には、柔軟な領域16は、応力のかかっていない、シャフト12及び先端部14に対して軸方向に整列された状態で、より詳細に示されている。柔軟な領域16は、シャフト12と先端部14との間の撓みをもたらして、これらの構成要素間にひずみ緩和を提供し、すなわち、挿入される移植片内に少なくとも先端部14が設置されたとき、他の構成要素よりも高い、とりわけ先端部14よりも高い、曲げに対する構造的適合性を提供する。この構成体において、柔軟な領域16は、一連の回旋32、34、36を含む中空の蛇腹28である。蛇腹内壁30は点線で示されている。
【0023】
いくつかの構成体では、蛇腹28は、心棒上への金属紡績によって又は成形型内での流体静力学的成形によって形成されたシルフォンなどの円筒形の対称な金属蛇腹である。他の構成体では、柔軟な領域は、非対称の蛇腹又は他の構造であり、断面形状における波形及び他の変化を含んで、少なくとも挿入される移植片内に先端部14が設置されたときには、挿入具10の先端部14より容易に曲がる、ないしは屈する領域を提供する。波形、チャネル、又は他の構造は、螺旋でも平行でもよく、配向に可変のスキューがあってもよい。波形及び他の構造の断面は、円形、楕円形、又は多角形であってもよく、それらの任意の組み合わせでもよい。1つの構成体では、柔軟な領域は螺旋バネタイプの要素を含む。
【0024】
特定の構成体では、柔軟な領域16は、少なくとも1つの回転方向にトルクを伝達して、螺旋ねじ山を有するアンカーを骨内に推進させることを可能にする。アンカー15は、Cauldwellらによって米国特許公開第2008/0147063号に開示されているような1つの構成体においては、六角形の断面形状を有する。好適な移植片材料としては、Cauldwellらによって開示されたもの及びLizardiによる米国特許第7,381,213号に開示されたものが挙げられ、これらはいずれも参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
図3及び4に示す代替的挿入具40は、シャフト42と、直径が縮小された首部によって形成された柔軟な領域44と、肩部46と、先端部48と、を有する。シャフト42の近位端部は図示されていない。
【0026】
この構成体において、全ての構成要素は、それ自体を貫通して延在する中央ルーメンを有する中空の金属円筒であり、シャフト42は、肩部46の直径にほぼ相当する移行領域50を有する。先端部48は0.0152cm(0.006インチ)の壁厚を有し、首部44は長さ2ミリメートルであり、先端部48の壁厚と同等又はわずかにそれより大きい、好ましくは約0.0254cm(0.010インチ)の壁厚を有する。現在、首部44及び先端部48に好ましい材料は、焼きなましされたステンレス鋼304である。シャフト42に好適な材料は、H900まで硬化された17−4ステンレス鋼である。
【0027】
図3に示されているように、挿入具40を単独で見ると、首部44は先端部48より曲がりにくいように見え得るが、挿入具40の相対的な長さ、壁厚、及び材料は、選択された移植片の寸法及び材料に対して相対的に選択されて、移植片が挿入具40と組み合わされたとき、すなわち組み立てられたとき、まず最初に首部44の長さに沿って曲げが生じる一方で、移植片を骨内に推進させるのに十分な力を伝達するために十分な柱体強度がなお提供されることを確実にする。したがって、移植片ルーメンの好ましくはほぼ全長に沿って、移植片ルーメン内に先端部48が設置されたとき、より好ましくは肩部46が例えば図4の縫合糸アンカー60の近位端部62のような移植片上の機構と隣接するように完全に設置されたとき、先端部48と移植片との組み合わせは、骨内への挿入中、相互支持及び補強を提供する。
【0028】
好ましくは、柔軟な領域44は可撓性の曲げゾーンを提供し、アンカー60を骨内に推進させるためにシャフト42をたたく間、側面荷重に対する挿入具の剛性を低減する。典型的な関節骨は55−Dの硬度を有する。柔軟な領域44は、アンカー又は骨が損傷する前に屈することが望ましい。他の構成体では、柔軟な領域44はより可鍛性の材料で形成され、寸法は、上述の性能特性をもたらすように調整される。
【0029】
肩部76を有する円筒74に取り付けられた先端部72を有する本発明による別の挿入具70の遠位部を、図5及び6に示す。円筒74及び直径が縮小された部分78は固体として示されているが、他の構成体ではカニューレが挿入されてもよい。また、部分78は、細長い駆動シャフトと嵌合するために内部ソケット又は外部ねじ山を画定してもよい。部分78は、1つの構成体では柔軟な領域として作用し、別の構成体では、別個の、より曲がりやすい要素が接続されて、柔軟な領域として作用する。
【0030】
先端部72は、開口部82、並びに移植片のルーメン内の対応する機構と係合するための面84、86、88、90、及び92を画定する。他の構成体では、先端部72が六角形又は他の多角形の断面を画定するように、開口部82は固体の面である。
【0031】
先端部72は、更に、滑らかな前遠位縁部102と、小面104と、後縁部の鋭く画定された移行部106とを有する突起として図6Aに拡大されて示されている移植片保持要素100を画定する。同様に、図7は、移植片120の内壁122と相互作用する先端部110のかかりのようなアンカー保持要素112の概略的断面図である。機構100及び112は、図1及び3の挿入具の遠位端部に追加され得る1つ以上の追加の例である。
【0032】
図7に示されているように、かかり112は、移植片120の内壁122に対する締まり嵌めを提供するために十分な高さのものである。好ましくは、先端部110及びかかり112は、移植片120と比較して高い硬さで構築される。2つの物体の締まり嵌めに反応して、移植片120は、かかり112の近くで変形124によって示されるように好ましくは弾性的に変形する。図6Aの前縁部102及び図7の前縁部114のような滑らかな引き込みは、移植片120の剥ぎ取り又は塑性変形を伴わずに先端部110と移植片120とを解放可能に接合することを可能にする。先端部110と移植片120との間の摩擦反応荷重は、要素112によって増大して、意図されない分離を最小限に抑える。更に、図6Aの鋭い移行縁部106及び図7の縁部116は、変形124にて壁122に「食い込んで」、分離に更に抵抗する。
【0033】
移植片120が骨又は他の硬い基材内に完全に設置された後、挿入具のユーザーは、移植片120が要素112に与える摩擦抵抗及びあらゆるせん断抵抗を克服するために、十分な近位方向への引きを先端部110に提供しなくてはならない。好ましくは、この引く力は、移植片120をその基材から分離するため又は移植片120と基材との間の固着を減らすために必要な力より小さい。要素100及び112の幾何学的寸法及び許容誤差は、これらの因子を最適化するように所望により調整できる。
【0034】
したがって、本発明の基礎となる新規な特徴を、本発明の好ましい実施形態に適用されるように図示し、説明し、指摘したが、当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、例示された装置の形態と詳細並びにその操作の様々な省略、代用及び変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本発明の範囲内と同様の結果を得るために、実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を行う要素及び/又は工程の全ての組み合わせが明確に意図される。ある記載された実施形態の要素を別の実施形態の要素に置き換えることも十分意図され、想到される。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、実際には単に概念的なものである。したがって、本明細書に付属する特許請求の範囲の記載のみに基づいて限定されるものとする。
【0035】
本明細書に引用される全ての発行済み特許、係属中の特許出願、刊行物、論文、書籍、又は任意の他の参照文献は、その全文が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0036】
〔実施の態様〕
(1) 挿入具であって、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、少なくとも前記遠位端部が移植片内に設置されることができる、先端部と、
前記先端部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、挿入具。
(2) 前記先端部が、骨への挿入中に前記移植片に内部支持を提供することができる、実施態様1に記載の挿入具。
(3) 前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、実施態様1に記載の挿入具。
(4) 前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、実施態様1に記載の挿入具。
(5) 前記遠位先端部が、前記移植片にトルクを付加することができる、実施態様1に記載の挿入具。
(6) 前記移植片の前記近位端部と係合できる、前記先端部の前記近位端部で遠位に面する肩部を更に含む、実施態様1に記載の挿入具。
(7) 前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、実施態様1に記載の挿入具。
(8) 前記先端部によって支えられる移植片保持要素を更に含む、実施態様1に記載の挿入具。
(9) 前記保持要素が、前記先端部に形成された横方向に延在する突起を含む、実施態様8に記載の挿入具。
(10) 前記突起が、滑らかな遠位前縁部、及び後縁部に鋭く画定された移行部を有する、実施態様9に記載の挿入具。
【0037】
(11) 前記挿入具が、滅菌されており、前記挿入具を取り囲む滅菌性維持パッケージを更に含んで、前記パッケージが開かれるまで前記挿入具の滅菌性を維持する、実施態様9に記載の挿入具。
(12) 挿入具であって、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、骨への挿入中に移植片に内部支持を提供するために、少なくとも前記遠位端部が前記移植片内に設置されることができる、先端部と、
前記移植片の前記近位端部と係合できる、前記先端部の前記近位端部で遠位に面する肩部と、
前記肩部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、挿入具。
(13) 前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、実施態様12に記載の挿入具。
(14) 前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、実施態様12に記載の挿入具。
(15) 前記遠位先端部が、前記移植片にトルクを付加することができる、実施態様12に記載の挿入具。
(16) 前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、実施態様12に記載の挿入具。
(17) 前記先端部に形成された移植片保持要素を更に含む、実施態様12に記載の挿入具。
(18) 前記挿入具が、滅菌されており、前記挿入具を取り囲む滅菌性維持パッケージを更に含んで、前記パッケージが開かれるまで前記挿入具の滅菌性を維持する、実施態様12に記載の挿入具。
(19) 組み合わせであって、
遠位端部及び近位端部を有し、前記近位端部で開いたルーメンを画定する縫合糸アンカーと、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトを含む挿入具と、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、少なくとも前記遠位端部は、骨への挿入中に前記縫合糸アンカーに内部支持を提供するために前記縫合糸アンカーの前記ルーメン内に設置されることができる、先端部と、
前記縫合糸アンカーの前記近位端部と係合することができる、前記先端部の前記近位端部にて遠位に面する肩部と、
前記肩部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記縫合糸アンカー内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、組み合わせ。
(20) 前記先端部に形成されたアンカー保持要素を更に含む、実施態様19に記載の組み合わせ。
【0038】
(21) 前記縫合糸アンカーが、前記アンカー保持要素より弾性変形可能な材料で形成される、実施態様20に記載の組み合わせ。
(22) 前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、実施態様19に記載の組み合わせ。
(23) 前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、実施態様19に記載の組み合わせ。
(24) 前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、実施態様19に記載の組み合わせ。
(25) 滅菌可能なパッケージを更に含み、前記パッケージは、前記パッケージが開かれるまで、少なくとも前記挿入具の滅菌性を維持するように少なくとも前記挿入具を取り囲む、実施態様19に記載の組み合わせ。
(26) 縫合糸アンカーを骨内に挿入する方法であって、
遠位端部及び近位端部を有し、前記近位端部で開いたルーメンを画定する縫合糸アンカーを選択することと、
前記縫合糸アンカーを挿入具に連結させることにおいて、前記挿入具が、駆動力を受け取ることができる近位表面を有する実質的に剛性の細長いシャフトと、遠位端部と近位端部とを有する実質的に剛性の先端部であって、少なくとも前記遠位端部が骨への挿入中に前記縫合糸アンカーに内部支持を提供するように前記縫合糸アンカーの前記ルーメン内に設置されることができる、先端部と、を有し、前記挿入具が、前記縫合糸アンカーの前記近位端部と係合できる、前記先端部の前記近位端部にて遠位に面する肩部と、前記肩部と前記シャフトとの間に配置され、少なくとも前記先端部が前記縫合糸アンカー内に設置されたときには、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない柔軟な領域と、を更に含むものである、ことと、
前記縫合糸アンカーを前記骨内に推進させることと、
を含む、方法。
(27) 前記縫合糸アンカー及び前記挿入具の滅菌性を、前記縫合糸アンカーが前記骨内に挿入されるまで維持することを更に含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記縫合糸アンカーを受け取るために前記骨内に穴を形成することを更に含む、実施態様26に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入具であって、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、少なくとも前記遠位端部が移植片内に設置されることができる、先端部と、
前記先端部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、挿入具。
【請求項2】
前記先端部が、骨への挿入中に前記移植片に内部支持を提供することができる、請求項1に記載の挿入具。
【請求項3】
前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、請求項1に記載の挿入具。
【請求項4】
前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、請求項1に記載の挿入具。
【請求項5】
前記遠位先端部が、前記移植片にトルクを付加することができる、請求項1に記載の挿入具。
【請求項6】
前記移植片の前記近位端部と係合できる、前記先端部の前記近位端部で遠位に面する肩部を更に含む、請求項1に記載の挿入具。
【請求項7】
前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、請求項1に記載の挿入具。
【請求項8】
前記先端部によって支えられる移植片保持要素を更に含む、請求項1に記載の挿入具。
【請求項9】
前記保持要素が、前記先端部に形成された横方向に延在する突起を含む、請求項8に記載の挿入具。
【請求項10】
前記突起が、滑らかな遠位前縁部、及び後縁部に鋭く画定された移行部を有する、請求項9に記載の挿入具。
【請求項11】
前記挿入具が、滅菌されており、前記挿入具を取り囲む滅菌性維持パッケージを更に含んで、前記パッケージが開かれるまで前記挿入具の滅菌性を維持する、請求項9に記載の挿入具。
【請求項12】
挿入具であって、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトと、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、骨への挿入中に移植片に内部支持を提供するために、少なくとも前記遠位端部が前記移植片内に設置されることができる、先端部と、
前記移植片の前記近位端部と係合できる、前記先端部の前記近位端部で遠位に面する肩部と、
前記肩部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記移植片内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、挿入具。
【請求項13】
前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、請求項12に記載の挿入具。
【請求項14】
前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、請求項12に記載の挿入具。
【請求項15】
前記遠位先端部が、前記移植片にトルクを付加することができる、請求項12に記載の挿入具。
【請求項16】
前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、請求項12に記載の挿入具。
【請求項17】
前記先端部に形成された移植片保持要素を更に含む、請求項12に記載の挿入具。
【請求項18】
前記挿入具が、滅菌されており、前記挿入具を取り囲む滅菌性維持パッケージを更に含んで、前記パッケージが開かれるまで前記挿入具の滅菌性を維持する、請求項12に記載の挿入具。
【請求項19】
組み合わせであって、
遠位端部及び近位端部を有し、前記近位端部で開いたルーメンを画定する縫合糸アンカーと、
駆動力を受け取ることができる近位表面を有する、実質的に剛性の細長いシャフトを含む挿入具と、
遠位端部及び近位端部を有する実質的に剛性の先端部であって、少なくとも前記遠位端部は、骨への挿入中に前記縫合糸アンカーに内部支持を提供するために前記縫合糸アンカーの前記ルーメン内に設置されることができる、先端部と、
前記縫合糸アンカーの前記近位端部と係合することができる、前記先端部の前記近位端部にて遠位に面する肩部と、
前記肩部と前記シャフトとの間に配置された柔軟な領域であって、少なくとも前記先端部が前記縫合糸アンカー内に設置されたときに、曲がるために必要とする横方向の力が前記先端部より少ない、柔軟な領域と、
を備える、組み合わせ。
【請求項20】
前記先端部に形成されたアンカー保持要素を更に含む、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項21】
前記縫合糸アンカーが、前記アンカー保持要素より弾性変形可能な材料で形成される、請求項20に記載の組み合わせ。
【請求項22】
前記柔軟な領域が、前記先端部の材料より可鍛性の材料で形成される、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項23】
前記柔軟な領域が、蛇腹タイプの構造体を含む、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項24】
前記柔軟な領域が、前記肩部の断面より小さい断面を有する、請求項19に記載の組み合わせ。
【請求項25】
滅菌可能なパッケージを更に含み、前記パッケージは、前記パッケージが開かれるまで、少なくとも前記挿入具の滅菌性を維持するように少なくとも前記挿入具を取り囲む、請求項19に記載の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−66714(P2013−66714A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−207907(P2012−207907)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・エルエルシー (47)
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】