説明

移植組織分配装置

【課題】移植組織のシリンジへの分配作業を自動化あるいは半自動化して、作業時間を大幅に短縮する。
【解決手段】底面に複数の開口部11を有し、流動性のある移植組織を収容可能な組織容器2と、該組織容器2の下方に、開口部11の鉛直下方に複数のシリンジ3の先端部5bを鉛直上方に向けて保持するシリンジ保持部4と、組織容器2とシリンジ保持部4とを鉛直方向に相対的に移動させる移動機構8,9とを備え、開口部11に、該開口部11を閉止していて先端部5bが挿入されることにより開放されるバルブ12が設けられ、開口部11と先端部5bとの間に、開口部11に先端部5bが挿入されたときに両者を密封状態に接続するシール部材が設けられ、シリンジ保持部4に、バルブ12が開放された状態で、シリンジ3のシリンダ5に対してピストン6を引き抜く方向に相対的に移動させるピストン移動機構25が設けられている移植組織分配装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移植組織分配装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脂肪組織等の移植組織は、生体内から採取された後に単一の容器内に収容されて洗浄された後に、消化酵素液と混合されて組織由来細胞が分離されて移植材として使用される(例えば、特許文献1参照。)。一方、生体内から採取された移植組織そのものも移植材として使用されることがあり、その場合には、移植に先立って、移植組織が収容されている容器内から適量の移植組織を移植に用いるシリンジ内に吸引する。
【0003】
この場合に、脂肪組織等の移植組織は粘性が高いため、口径の大きなシリンジ内に吸引し、次いで、口径の小さなシリンジへと段階的にシリンジの大きさを小さくしていくことが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/012480号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような方法によれば、1本のシリンジに移植組織を吸引するために2段階の作業が必要となって時間がかかるとともに、このような移植用のシリンジを複数本用意する場合には、その本数分の作業を行わなければならないという不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、移植組織のシリンジへの分配作業を自動化あるいは半自動化して、作業時間を大幅に短縮することができる移植組織分配装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、底面に複数の開口部を有し、流動性のある移植組織を収容可能な組織容器と、該組織容器の下方に、前記開口部の鉛直下方に複数のシリンジの先端部を鉛直上方に向けて保持するシリンジ保持部と、前記組織容器と前記シリンジ保持部とを鉛直方向に相対的に移動させる移動機構とを備え、前記開口部に、該開口部を閉止していて前記先端部が挿入されることにより開放されるバルブが設けられ、前記開口部と前記先端部との間に、前記開口部に前記先端部が挿入されたときに両者を密封状態に接続するシール部材が設けられ、前記シリンジ保持部に、前記バルブが開放された状態で、前記シリンジのシリンダに対してピストンを引き抜く方向に相対的に移動させるピストン移動機構が設けられている移植組織分配装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、流動性のある移植組織を収容した組織容器の下方に配置されるシリンジ保持部に複数のシリンジの先端部を鉛直上方に向けて保持させ、移動機構を作動させて組織容器とシリンジ保持部とを鉛直方向に相対的に移動させることで、組織容器の底面に設けられた開口部にシリンジの先端部を挿入する。
【0008】
これにより、開口部と先端部との間に設けられたシール部材によって両者間が密封されるとともに、開口部に設けられたバルブが開放される。そして、その後にピストン移動機構を作動させることにより、シリンジのシリンダに対してピストンが引き抜かれる方向に相対的に移動させられ、組織容器内に収容されている移植組織が、バルブが開放された開口部から先端部を介してシリンダ内に吸引される。これにより、組織容器内の適量の移植組織を直接的に複数本のシリンジ内に吸引することができ、分配作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0009】
上記発明においては、前記シリンジ保持部が、前記組織容器の鉛直下方に配される位置と、鉛直下方から外れた位置との間で移動可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、シリンジ保持部にシリンジを装着する際には、組織容器の鉛直下方から外れた位置に配置してセッティングを行い、その後に組織容器の鉛直下方に配置して吸引作業を行うことができる。これにより、シリンジの装着作業を容易にすることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記シリンジ保持部に、前記シリンダの後端を載置する載置部と、前記ピストンに係合するピストン係合部とが設けられ、前記ピストン移動機構が、前記載置部に対して前記ピストン係合部を移動させてもよい。
このようにすることで、シリンジ保持部にシリンジを保持させると、シリンダの後端が載置部に載置され、ピストンにピストン係合部が係合される。この状態でピストン移動機構を作動させると、載置部に対してピストン係合部が移動させられるので、シリンダに対してピストンが引き抜かれる方向に相対的に移動させられて、シリンダ内に移植組織を吸引することができる。
【0011】
また、上記発明においては、前記ピストン係合部が、前記ピストンの端部に設けられたフランジ部の上面に突き当たる突当て部を備えていてもよい。
このようにすることで、突当て部をピストンの端部に設けられたフランジ部の上面に突き当てるだけで、載置部に対してピストン係合部をピストンが引き抜かれる方向に移動させたときに、ピストンが引き抜かれる方向に簡単に力を加えて効率的に移植組織を吸引することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記ピストン係合部が、各ピストンに係合する係合部材と、該係合部材を連動して変位させる係合部材移動機構とを備えていてもよい。
このようにすることで、係合部材移動機構の作動により、複数のシリンジのピストンに対して係合部材を係合させ、ピストン移動機構の作動によって複数のシリンジにおいて同時に移植組織を吸引することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記ピストン移動機構によるピストンとシリンダとの相対移動に先立って、前記ピストンに係合するように、前記ピストン移動機構および前記ピストン係合部を制御する制御部を備えていてもよい。
このようにすることで、制御部の作動によりピストン移動機構による相対移動の前にピストン係合部がピストンに係合し、ピストン移動機構の作動によりシリンジ内に移植組織を吸引することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、移植組織のシリンジへの分配作業を自動化あるいは半自動化して、作業時間を大幅に短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る移植組織分配装置を示す一部を破断した全体構成図である。
【図2】図1の移植組織分配装置の組織容器を示す底面図である。
【図3】図1の移植組織分配装置にシリンジを取り付ける状態を示す一部を破断した全体構成図である。
【図4】図1の移植組織分配装置の係合プレートによるピストンの(a)係合解除状態、(b)係合状態をそれぞれ示す平面図である。
【図5】図1の移植組織分配装置に装着されたシリンジによる組織容器の開口部への(a)挿入前、(b)挿入後の状態をそれぞれ示す一部を破断した縦断面図である。
【図6】図1の移植組織分配装置の動作を説明する全体構成図である。
【図7】図6の状態から組織容器を下降させて開口部にシリンジの先端部を挿入した状態を示す一部を破断した全体構成図である。
【図8】図7の状態からピストンを引き下げた状態を示す一部を破断した全体構成図である。
【図9】図1の移植組織分配装置の変形例を示す一部を破断した全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態に係る移植組織分配装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る移植組織分配装置は、図1に示されるように、移植組織、例えば、脂肪組織を収容する組織容器2と、該組織容器2の鉛直下方に配置され、複数のシリンジ3(図3参照。)を保持するシリンジ保持部4とを備えている。
【0017】
本実施形態において、シリンジ3は、例えば、図3に示されるように、シリンダ5とピストン6とを備えている。シリンダ5には、円筒状の本体の一端に、内部に収容された流体を吐出するための先端開口5aを有する円筒状の先端部5bを備え、他端に半径方向外方に延びる鍔部5cを備えている。ピストン6は、シャフト6aの一端にシリンダ5の本体内を摺動させられる弾性部材6bを備え、他端に半径方向外方に延びるフランジ部6cを備えている。
【0018】
また、本実施形態に係る移植組織分配装置1は、略水平に設置されるベース7と、該ベース7に直立して固定された2本の支柱8とを備えている。組織容器2は、スライド軸受9によって支柱8に上下方向に移動可能に取り付けられている。
【0019】
シリンジ保持部4は、支柱8に取り付けられた回転軸受部10によって水平方向に回転可能に取り付けられている。これにより、シリンジ保持部4は、回転軸受部10を支柱8回りに回転させることによって、組織容器2の鉛直下方に配される図1の位置と、鉛直下方から外れた図3の位置との間で往復移動させることができるようになっている。
【0020】
組織容器2は、図1および図2に示されるように、その底面に複数、例えば8個の開口部11を有している。開口部11は、図5に示されるように、例えば、平板状の弁体からなるバルブ12によって開閉可能に設けられている。また、開口部11には、シリンジ3の先端部5bが挿入されたときに、開口部11と先端部5bとの間の空間を密封するOリングのようなシール部材13が設けられている。
【0021】
組織容器2の上部には、空気の通過を可能とし、塵埃や細菌等の通過を禁止するフィルタ14と、生体から採取された流動性のある脂肪組織等の移植組織を投入する投入口15とが設けられている。図中符号16は投入口を開閉可能に閉塞するための蓋である。
【0022】
シリンジ保持部4は、図1に示されるように、複数のシリンジ3を、各シリンダ5の先端開口5aが鉛直上方に向かうように支持するもので、シリンダ5の鍔部5cを載置させる載置部材(載置部)17と、ピストン6に係合するピストン係合部18とを備えている。
載置部材17は平板状に形成され、ピストン6のフランジ部6cを貫通可能な口径を有する複数の貫通孔17aを備えている。載置部材17は回転軸受部10に固定されている。
【0023】
ピストン係合部18は回転軸受部10に、スライド軸受(ピストン移動機構)25によって鉛直方向にスライド可能に取り付けられている。
ピストン係合部18は、中空の略円板状のケース19と、該ケース19内において所定角度、例えば20°の範囲内で水平回転可能に配置された係合プレート20と、該係合プレート20を水平回転させるハンドル21とを備えている。ケース19の上部には、載置部材17の貫通孔17aに対応する位置に、該貫通孔17aと略同等の口径を有する貫通孔19aが設けられている。また、ケース19の下部には、ピストン6のフランジ部6cを収容可能な凹部19bが設けられている。
【0024】
係合プレート20は、図4に示されるように、周方向に、ピストン6のフランジ部6cの外径寸法より十分に大きな間隔をあけて放射状に延びる複数の係合突起22を備えている。各係合突起22には、その半径方向の途中位置に、周方向の片側から、ピストン6のシャフト6aの外径寸法より若干大きく、フランジ部6cの外径寸法より十分に小さい幅寸法の切欠22aが設けられている。
【0025】
切欠22aは、凹部19bおよび貫通孔17a,19aの中心位置と略同等の半径方向位置に配置されている。これにより、図4(a)に示されるように、隣接する貫通孔17a,19a間に係合突起22が配置される状態では、係合突起22との干渉を回避しつつ貫通孔17a,19aからピストン6のフランジ部6cをピストン係合部18内に挿入することができる。
【0026】
また、フランジ部6cが凹部19b内に収容された状態で、図4(b)に示されるように係合プレート20を回転させることで、切欠22aにピストン6のシャフト6aを挿入することができる。これにより、係合プレート20の係合突起22が、ピストン6のフランジ部6cの上面に係合し、鉛直上方へのピストン6の移動が制限されるようになっている。
【0027】
このように構成された本実施形態に係る移植組織分配装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る移植組織分配装置1を用いて移植組織Aを複数のシリンジ3内に分配するには、図3に示されるように、シリンジ保持部4を支柱8回りに水平回転させて、組織容器2の鉛直下方から外れた位置に配置する。このとき、図4(a)に示されるように、必要に応じてハンドル21を操作して、係合プレート20の係合突起22が鉛直上方から見て凹部19bとは干渉しない位置に配置しておく。そして、この状態で、シリンジ保持部4の載置部材17に設けられた複数の貫通孔17aに、シリンジ3のピストン6をフランジ部6c側から挿入する。
【0028】
載置部材17の貫通孔17aの鉛直下方に対応する位置には、ピストン係合部18の貫通孔19aおよび凹部19bが設けられているので、挿入されたピストン6は、載置部材17およびピストン係合部18の貫通孔17a,19aを貫通して内部に設けられている凹部19b内に収容される。
そして、全ての貫通孔17a,19aに対してそれぞれシリンジ3が挿入された状態で、ハンドル21を操作して係合プレート20を、図4(b)に矢印で示される方向に、例えば約20°回転させることにより、係合プレート20の切欠22a内にピストン6の支柱6aを挿入配置する。
【0029】
これにより、係合突起22がピストン6のフランジ部6cの上面の上方に配置され、シリンジ保持部4によって、全てのシリンジ3が鉛直上向きに先端開口5aを配置した状態に安定して支持される。このとき、全てのシリンジ3は、シリンダ5に対してピストン6の完全に押し込んだ状態に配されている。
【0030】
この後に、シリンジ保持部4を支柱8回りに水平回転させることにより、図6に示されるように、鉛直上向きのシリンジ3を組織容器2の鉛直下方に配置する。このとき、図5(a)に示されるように、シリンジ保持部4に支持された全てのシリンジ3の先端開口5aが、組織容器2の底面に設けられた開口部11の鉛直下方に位置させられている。そして、この状態で、組織容器2内に流動性の移植組織Aを投入口15から投入しておく。
【0031】
次に、移植組織Aを貯留した組織容器2を支柱8に沿って鉛直下方に移動させる。組織容器2の開口部11の鉛直下方にはシリンジ3の先端開口5aが配置されているので、組織容器2を鉛直下方に下降させていくと、先端部5bが開口部11内に挿入される。そして、まず、先端部5bの外面と開口部11の内面との間にシール部材13が挟まれて、両者間が密封される。
【0032】
この状態から、組織容器2をさらに下降させると、シリンジ3の先端部5bが平板状の弁体からなるバルブ12を下方から押して、図5(b)および図7に示されるように、シリンジ3によってバルブ12が押し上げられて開放される。これにより、組織容器2内の空間に対してシリンジ3の先端開口5aが開口させられる。
【0033】
そして、この状態から、シリンジ保持部4において、載置部材17に対してピストン係合部18を鉛直下方に下降させる。ピストン係合部18の係合突起22がピストン6のフランジ部6cの上面に係合しているので、載置部材17に対してピストン係合部18を下降させると、載置部材17に載置されたシリンダ5に対してピストン6が引き抜かれるように鉛直下方に移動させられる。
【0034】
その結果、シリンダ5内が負圧に吸引され、図8に示されるように、先端開口5aから組織容器2内の移植組織Aがシリンダ5内に流入する。シリンダ5からのピストン6の引き抜き動作は、全てのシリンジ3に対して同時に行われるので、複数のシリンジ3に対して移植組織Aを吸引することができる。
【0035】
このように、本実施形態に係る移植組織分配装置1によれば、複数のシリンジ3をシリンジ保持部4に保持させて、シリンジ保持部4の載置部材17に対してピストン係合部18を鉛直下方に下降させるだけで、複数のシリンジ3に同時に移植組織Aを吸引でき、分配作業を短時間の内に行って、作業時間を大幅に短縮することができるという利点がある。
【0036】
また、本実施形態に係る移植組織分配装置1によれば、シリンジ保持部4を組織容器2の鉛直下方から外れた位置に移動させた状態でシリンジ3をセッティングできるので、広いスペースで良好な作業性を達成できる。そして、ピストン係合部18内の係合プレート20を回転させるだけで、全てのピストン6に係合プレート20を連動して係合させることができ、作業を単純化することができる。
【0037】
なお、本実施形態においては、シリンジ保持部4が、8本のシリンジを保持する場合を例示したが、これに代えて、任意の数のシリンジ3を保持することにしてもよい。また、8カ所の貫通孔17aの全てのシリンジ3を保持させることなく、その内の一部の貫通孔17aにシリンジ3を保持させることにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態においては、ハンドル21によって係合プレート20を回転させることで、その係合突起22の切欠22aによってピストン6が移動しないように固定することとしたが、これに代えて、図9に示されるように、モータ23により回転させることにしてもよい。
また、係合プレート20を周方向に回転させるのではなく、例えば、図示しないリンク機構によって個別のピストン6のフランジ部6cの上面に対して半径方向に挿脱するように構成してもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、開口部11と先端部5bとの間をOリングのようなシール部材13によって密封し、平板状の弁体からなるバルブによって開口部11を開閉可能に閉止することとした。これに代えて、シリンダ5の先端部5bによって押されて座屈することにより開口部11に隙間を形成する弾性材料からなるバルブによって開口部11を閉止しておくことにしてもよい。
【0040】
また、円筒状の開口部11内に円筒状の先端部5bを挿入するだけで、Oリングのようなシール部材13によって両者間を密封することとしたが、これに代えて、ルアーロック方式の継手のような、さらに確実な接続構造を採用してもよい。
【0041】
また、シリンジ保持部4に対して組織容器2を下降させることとしたが、これに代えて、組織容器2に対してシリンジ保持部4を上昇させることにしてもよい。また、載置部材17に対してピストン係合部18を下降させることとしたが、これに代えて、ピストン係合部18を固定し、これに対して載置部材17および組織容器2を上昇させることにしてもよい。
【0042】
また、本実施形態においては、組織容器2の上下動、シリンジ保持部4の載置部材17に対するピストン係合部18の下降動作を手動により行うこととしたが、図9に示されるように、制御装備(制御部)24によって、図示しないアクチュエータを制御して、これらの動作を制御することにしてもよい。
【0043】
この場合には、制御装置24は、まず、組織容器2を下降動作させて、シリンジの先端部5bを開口部11に挿入させ、次いで、モータ23の作動により係合プレート20を回転させてシリンジ3のフランジ部6cに係合突起22を係合させ、最後に、載置部材17に対してピストン係合部18を下降させるように制御すればよい。
【符号の説明】
【0044】
A 移植組織
1 移植組織分配装置
2 組織容器
3 シリンジ
4 シリンジ保持部
5 シリンダ
5b 先端部
6 ピストン
6c フランジ部
8 支柱(移動機構)
9 スライド軸受(移動機構)
11 開口部
12 バルブ
13 シール部材
17 載置部材(載置部)
18 ピストン係合部(ピストン移動機構)
20 係合プレート(係合部材移動機構)
21 ハンドル(係合部材移動機構)
22 係合突起(係合部材)
23 モータ(係合部材移動機構)
24 制御装置(制御部)
25 スライド軸受(ピストン移動機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に複数の開口部を有し、流動性のある移植組織を収容可能な組織容器と、
該組織容器の下方に、前記開口部の鉛直下方に複数のシリンジの先端部を鉛直上方に向けて保持するシリンジ保持部と、
前記組織容器と前記シリンジ保持部とを鉛直方向に相対的に移動させる移動機構とを備え、
前記開口部に、該開口部を閉止していて前記先端部が挿入されることにより開放されるバルブが設けられ、
前記開口部と前記先端部との間に、前記開口部に前記先端部が挿入されたときに両者を密封状態に接続するシール部材が設けられ、
前記シリンジ保持部に、前記バルブが開放された状態で、前記シリンジのシリンダに対してピストンを引き抜く方向に相対的に移動させるピストン移動機構が設けられている移植組織分配装置。
【請求項2】
前記シリンジ保持部が、前記組織容器の鉛直下方に配される位置と、鉛直下方から外れた位置との間で移動可能に設けられている請求項1に記載の移植組織分配装置。
【請求項3】
前記シリンジ保持部に、前記シリンダの後端を載置する載置部と、前記ピストンに係合するピストン係合部とが設けられ、
前記ピストン移動機構が、前記載置部に対して前記ピストン係合部を移動させる請求項1に記載の移植組織分配装置。
【請求項4】
前記ピストン係合部が、前記ピストンの端部に設けられたフランジ部の上面に突き当たる係合部材を備える請求項3に記載の移植組織分配装置。
【請求項5】
前記ピストン係合部が、前記ピストンにそれぞれ係合する複数の係合部材と、該係合部材を連動して変位させる係合部材移動機構とを備える請求項3に記載の移植組織分配装置。
【請求項6】
前記ピストン移動機構によるピストンとシリンダとの相対移動に先立って、前記ピストンに係合するように、前記ピストン移動機構および前記ピストン係合部を制御する制御部を備える請求項2から請求項5のいずれかに記載の移植組織分配装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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