説明

移相回路および該移相回路を有する反射型移相器

【課題】 この発明は、広帯域にわたって移相量の変動を低減した反射型移相器の移相回路を得ることを目的とする。また、該移相回路を用いた反射型移相器を得ることを目的とする。
【解決手段】 この発明に係わる移相回路は、入出力端子にそれぞれの一端が接続された第1の高周波線路と第2の高周波線路と、一端が接地され他端が前記第1の高周波線路の他端に接続された第1のキャパシタと、一端が接地され他端がスイッチング素子を介して前記第2の高周波線路の他端に接続された第2のキャパシタとを備え、前記スイッチング素子の状態に基づいて前記入出力端子から入力される信号に位相偏移を与えて反射するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反射型移相器に関し、より詳細には、広帯域にわたって移相量の変動を低減する移相回路に関する。さらに、この発明はこのような移相回路を有する反射型移相器に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来の反射型移相器の移相回路を説明するための回路図である。図11において、10は入出力端子、42aおよび42bは第1のスイッチング素子および第2のスイッチング素子、32aおよび32bは第1のキャパシタおよび第2のキャパシタである。入出力端子10と、一方が、前記入出力端子10に接続された第1のスイッチング素子42aと、前記第1のスイッチング素子42aの他方に接続された第1のキャパシタ32aと、一方が前記入出力端子10に接続された第2のスイッチング素子42bと、前記第2のスイッチング素子42bの他方に接続された第2のキャパシタ32bを備えて構成されている。
【0003】
次に動作について説明する。
図12は、第1のスイッチング素子42aをオン時、第2のスイッチング素子42bをオフ時の従来の移相器の移相回路の回路図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、第1のキャパシタ32aで位相偏移を生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの位相状態を位相基準状態とする。
また、図13は、第1のスイッチング素子42aをオフ時、第2のスイッチング素子42bをオン時の従来の移相器の移相回路の回路図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、第2のキャパシタ32bで位相偏移を生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの位相状態を位相遅れ状態とする。
【0004】
従来の反射型移相器の移相回路は以上のように構成されており、スイッチング素子を切り替えることで位相基準状態と位相遅れ状態の反射位相を切り替え、位相基準状態と位相遅れ状態の反射位相を入出力端子10から出力する。したがって、第1のキャパシタ32aおよび第2のキャパシタ32bを適切に選ぶことで位相基準状態と位相遅れ状態の反射位相を設定でき、両者の差としての所要の移相量を得られる。(例えば、非特許文献1参照)
【0005】
【非特許文献1】伊山 義忠 他著「等損失化広帯域ハイブリッド結合形移相器」信学技報、1995年2月、P67〜71
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の反射型移相器の移相回路は、上記のように構成されているので所要帯域が広くなるにつれて、反射位相の差である移相量が一定でなくなるという問題点があった。
【0007】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、広帯域にわたって移相量の変動を低減した反射型移相器の移相回路を得ることを目的とする。
また、該移相回路を用いた反射型移相器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係わる移相回路は、入出力端子にそれぞれの一端が接続された第1の高周波線路と第2の高周波線路と、一端が接地され他端が前記第1の高周波線路の他端に接続された第1のキャパシタと、一端が接地され他端がスイッチング素子を介して前記第2の高周波線路の他端に接続された第2のキャパシタとを備え、前記スイッチング素子の状態に基づいて前記入出力端子から入力される信号に位相偏移を与えて反射することを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明に係わる反射型移相器は、入力端子、出力端子、通過端子、結合端子を有する90度ハイブリッド回路の前記通過端子と前記結合端子のそれぞれに前記移相回路を前記入出力端子を介して接続し、前記通過端子と前記結合端子のそれぞれに接続された2つの移相回路の前記スイッチング素子の状態に基づく位相偏移を揃えるように前記スイッチング素子の状態を変化させることを特徴とするものである。
また、少なくとも、入力端子、出力端子、接続端子を有するサーキュレータの前記接続端子に前記移相回路を前記入出力端子を介して接続し、前記スイッチング素子の状態を変化させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、前記スイッチング素子の状態に基づいて前記入出力端子から入力される信号に位相偏移を与えて反射するので、広帯域にわたって移相量の変動を低減した反射型移相器の移相回路を得られる。
また、この移相回路を用いて反射型移相器を形成することにより、広帯域にわたって移相量の変動を低減した反射型移相器を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる反射型移相器の移相回路を示す回路構成説明図である。図において、10は入出力端子、20aおよび20bは第1の高周波線路および第2の高周波線路、30aおよび30bは第1のキャパシタおよび第2のキャパシタ、40はスイッチング素子である。ここで、高周波線路のインピーダンスをZ0とする。また、入出力端子10に接続される系のインピーダンスをZ0とする。なお、第1の高周波線路20aと第2の高周波線路20b、および入出力端子10に接続される系のインピーダンスは必ずしも同じにする必要はない。
【0012】
次に動作について説明する。
図2は、スイッチング素子40をオフにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、第1の高周波線路20aを介して接続された第1のキャパシタ30aおよび第2の高周波線路20bからなる並列回路で位相偏移を生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの反射位相θ1は、第1の高周波線路20aおよび第2の高周波線路20bの線路長(電気長)をθL、第1のキャパシタ30aのサセプタンスをB1とすると、次式のように求まる。
【0013】
【数1】

【0014】
この状態を位相基準状態とする。なお、ここで述べたサセプタンスB1は、系のインピーダンスで規格化したサセプタンスである。
【0015】
図3は、スイッチング素子40をオンにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、第1の高周波線路20aを介して接続された第1のキャパシタ30aおよび第2の高周波線路20bを介して接続された第2のキャパシタ30bからなる並列回路で位相偏移が生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの反射位相θ2は、第1の高周波線路20aおよび第2の高周波線路20bの線路長をθL、第1のキャパシタ30aと第2のキャパシタ30bのサセプタンスをそれぞれB1とB2とすると、次式のように求まる。
【0016】
【数2】

【0017】
この位相状態を位相遅れ状態とする。なお、ここで述べたサセプタンスB1とB2は、系のインピーダンスで規格化したサセプタンスである。
ここで、位相基準状態θ1と位相遅れ状態θ2の差Δθ=θ12を所要の移相量とする。
したがって、スイッチング素子40のオン、オフを切替えることによって、位相基準状態θ1と位相遅れ状態θ2の反射位相が入出力端子10から出力され、それらの差として所要の移相量Δθが得られる。
【0018】
次に、例として所要の移相量を90°とした場合について述べる。
図4は第1および第2の高周波線路の線路長θL[deg]、第1のキャパシタ30aのサセプタンスB1をパラメータとし、所要の移相量を90°とした場合の移相量誤差をグラフ化したものを示す図である。ここで、第2のキャパシタ30bは所要の移相量90°となるように、θL、B1から選んだ。また、移相量誤差とは、帯域内で所要移相量90°に対しての誤差の最大値を表したものである。したがって、図4において移相量誤差が小さくなる領域で用いることで、広帯域特性が得られる。例えば、図4の最小の領域で、左端の不連続部分がない部分の高周波線路の線路長θLの6°から右端の18°の間で高周波線路の線路長θLを設定することで、移相量誤差が小さくなる領域を広く用いることができ、サセプタンスがばらついても広帯域特性を得ることができる。このことから、第1のキャパシタ30aおよび第2のキャパシタ30bに対する要求性能を緩和することができる。
【0019】
以上のように、実施の形態1の移相回路によれば、第1の高周波線路20a、第2の高周波線路20bおよび第1のキャパシタ30a、第2のキャパシタ30bを適切に選ぶことで、スイッチング素子40のオン、オフを切替えることにより、所要の移相量Δθを広帯域にわたって一定に得ることができる。
【0020】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係わる反射型移相器の移相回路を示す回路構成説明図である。図において、10は入出力端子、21は先端開放スタブ、22は高周波線路、31はキャパシタ、41はスイッチング素子である。ここで、高周波線路のインピーダンスをZ0とする。また、入出力端子10に接続される系のインピーダンスをZ0とする。
【0021】
次に動作について説明する。
図6は、スイッチング素子41をオフにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、先端開放スタブ21および高周波線路22からなる並列回路で位相偏移を生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの反射位相θ3は、先端開放スタブ21の線路長(電気長)をθOP、高周波線路22の線路長をθL(電気長)とすると、次式のように求まる。
【0022】
【数3】

【0023】
この位相状態を位相基準状態とする。なお、ここで述べたサセプタンスとは、系のインピーダンスで規格化したサセプタンスである。
【0024】
図7は、スイッチング素子41をオンにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。高周波信号が入出力端子10から入力されると、先端開放スタブ21および高周波線路22を介して接続されたキャパシタ31からなる並列回路で位相偏移が生じて反射され入出力端子10から出力される。このときの反射位相θ4は、先端開放スタブ21の線路長をθOP、高周波線路22の線路長をθLおよびキャパシタ31のサセプタンスをB3とすると、次式のように求まる。
【0025】
【数4】

【0026】
この位相状態を位相遅れ状態とする。なお、ここで述べたサセプタンスとは、系のインピーダンスで規格化したサセプタンスである。
上記の基準状態と位相遅れ状態の差を、所要の移相量とする。スイッチング素子41のオン、オフを切替えることによって、所要の移相量を得て反射され入出力端子10から出力される。
【0027】
ここで、例として所要の移相量を90°とした場合について述べる。
図8は高周波線路22の線路長θL[deg]、先端開放スタブ21の線路長θOP[deg]をパラメータとし、所要の移相量を90°とした場合の移相量誤差をグラフ化したものを示す図である。ここで、キャパシタ31は所要の移相量90°となるように、θL、θOPから選んだ。また、移相量誤差とは、帯域内で所要移相量90°に対しての誤差の最大値を表したものである。したがって、図8において移相量誤差が小さくなる領域で用いることで、広帯域特性が得られる。例えば、図8の最小の領域で、左端の高周波線路の線路長θLの2°から右端の18°の間で高周波線路の線路長θLを設定することで、移相量誤差が小さくなる領域を広く用いることができ、サセプタンスがばらついても広帯域特性を得ることができる。このことから、キャパシタに対する要求性能を緩和することができる。
【0028】
以上のように、実施の形態2の移相回路によれば、先端開放スタブ21、高周波線路22およびキャパシタ31を適切に選ぶことで、スイッチング素子41のオン、オフを切替えることにより、所要の移相量Δθを広帯域にわたって一定に得ることができる。
【0029】
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3に係わる反射型移相器の構成を示す構成説明図である。図において、50は入力端子10、出力端子11、および、それぞれが通過端子と結合端子となる2つの端子12a、12bを有する90度ハイブリッド回路であり、端子12aと端子12bにはそれぞれ同じ構成を有する反射型移相器の移相回路60aおよび60bが接続されている。ここで、移相回路60aおよび60bとしては、前記実施の形態1または実施の形態2に例示した移相回路を用いることができる。
【0030】
次に動作について説明する。
高周波信号が入力端子10から90°ハイブリッドカプラ50に入力されると、90°ハイブリッドカプラ50から前記入力端子10から入力された高周波信号(原高周波信号と称す)と同相の高周波信号が一方の移相回路60aに入力されるとともに、原高周波信号より90度位相が遅れた高周波信号が他方の移相回路60bに入力される。移相回路60aに入力された高周波信号と同相の高周波信号、および移相回路60bに入力された高周波信号より90度位相が遅れた高周波信号は、それぞれ移相回路60aおよび60bで所望の位相偏移を生じて反射される。なお、移相回路60aと移相回路60bとは、相互に同じ位相状態を保持するように制御される。
【0031】
ここで、移相回路60aから反射され、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じた高周波信号が再び端子12aを介して90°ハイブリッドカプラ50に入力され、入力端子10へ出力されるとともに、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じるとともに90度位相が遅れた高周波信号が出力端子11へ出力される。
【0032】
また、移相回路60bから反射され、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じるとともに90度位相が遅れた高周波信号が再び端子12bを介して90°ハイブリッドカプラ50に入力され、出力端子11へ出力されるとともに、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じるとともにさらに90度位相が遅れた(180度位相が遅れた)高周波信号が入力端子10へ出力される。
【0033】
以上のことから、入力端子10では、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じた高周波信号と原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じるとともに180度位相が遅れた高周波信号とが重なり、2つの高周波信号が互いに相殺される。また、出力端子11では、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じるとともに90度位相が遅れた2つの高周波信号が同期して出力として取り出される。
【0034】
したがって、移相回路60aと移相回路60bとが同じ位相状態を保持するように、移相回路60aおよび60bにおけるスイッチング素子の切り替えを(同時に)行うことで、所望の移相量を有する高周波出力信号を得られる。
以上のように、この実施の形態3によれば、移相回路60aと移相回路60bに実施の形態1または実施の形態2の移相回路を用いて反射型移相器を構成したので、広帯域にわたって移相量の変動が低減された反射型移相器を得ることができる。
【0035】
実施の形態4.
図10は、この発明の実施の形態4に係わる反射型移相器の構成を示す構成説明図である。図において、51は入力端子10、出力端子11、および、端子13を有するサーキュレータであり、端子13には反射型移相器の移相回路61が接続されている。ここで、移相回路61としては、前記実施の形態1または実施の形態2に例示した移相回路を用いることができる。
【0036】
次に動作について説明する。
高周波信号が入力端子10からサーキュレータ51に入力されると、前記入力端子10から入力された高周波信号(原高周波信号と称す)は端子13を介して移相回路61に入力され、所望の位相偏移を生じて反射される。移相回路61で反射されて原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じた高周波信号が再び端子13を介してサーキュレータ51に入力されると、原高周波信号に対して所望の位相偏移を生じた高周波信号が出力端子11へ出力される。
【0037】
したがって、移相回路61におけるスイッチング素子の切り替えを行うことで、所望の移相量を有する高周波出力信号を得られる。
以上のように、この実施の形態4によれば、移相回路61に実施の形態1または実施の形態2の移相回路を用いて反射型移相器を構成したので、広帯域にわたって移相量の変動が低減された反射型移相器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる反射型移相器の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図2】図1において、スイッチング素子40をオフにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図3】図1において、スイッチング素子40をオンにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図4】図1において、第1および第2の高周波線路の線路長θL[deg]、第1のキャパシタ30aのサセプタンスB1をパラメータとし、所要の移相量を90°とした場合の移相量誤差をグラフ化したものを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係わる反射型移相器の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図6】図5において、スイッチング素子41をオフにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図7】図5において、スイッチング素子41をオンにした状態の移相回路を示す回路構成説明図である。
【図8】図5において、高周波線路22の線路長θL[deg]、先端開放スタブ21の線路長θOP[deg]をパラメータとし、所要の移相量を90°とした場合の移相量誤差をグラフ化したものを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係わる反射型移相器の構成を示す構成説明図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係わる反射型移相器の構成を示す構成説明図である。
【図11】従来の反射型移相器の移相回路を説明するための回路図である。
【図12】図11において、第1のスイッチング素子42aをオン時、第2のスイッチング素子42bをオフ時の従来の移相器の移相回路の回路図である。
【図13】図11において、第1のスイッチング素子42aをオフ時、第2のスイッチング素子42bをオン時の従来の移相器の移相回路の回路図である。
【符号の説明】
【0039】
10 入出力端子、11 出力端子、12a,12b,13 端子、20a 第1の高周波線路、20b 第2の高周波線路、21 先端開放スタブ、22 高周波線路、30a 第1のキャパシタ、30b 第2のキャパシタ、31 キャパシタ、32a 第1のキャパシタ、32b 第2のキャパシタ、40,41 スイッチング素子、42a 第1の4スイッチング素子、42b 第2のスイッチング素子、50 90°ハイブリッドカプラ,51 サーキュレータ、60a,60b,61 移相回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入出力端子にそれぞれの一端が接続された第1の高周波線路と第2の高周波線路と、一端が接地され他端が前記第1の高周波線路の他端に接続された第1のキャパシタと、一端が接地され他端がスイッチング素子を介して前記第2の高周波線路の他端に接続された第2のキャパシタと、を備え、前記スイッチング素子の状態に基づいて前記入出力端子から入力される信号に位相偏移を与えて反射することを特徴とする移相回路。
【請求項2】
入出力端子に一端が接続された先端開放スタブと、前記入出力端子に一端が接続された第3の高周波線路と、一端が接地され他端がスイッチング素子を介して前記第3の高周波線路の他端に接続された第3のキャパシタと、を備え、前記スイッチング素子の状態に基づいて前記入出力端子から入力される信号に位相偏移を与えて反射することを特徴とする移相回路。
【請求項3】
前記入出力端子から入力されて反射される信号の前記スイッチング素子の状態変化に基づく位相偏移の差を概略90°とする前記第1の高周波線路と前記第2の高周波線路の電気長を6°から18°としたことを特徴とする請求項1記載の移相回路。
【請求項4】
前記入出力端子から入力されて反射される信号の前記スイッチング素子の状態変化に基づく位相偏移の差を概略90°とする前記第3の高周波線路の電気長を2°から18°としたことを特徴とする請求項2記載の移相回路。
【請求項5】
前記スイッチング素子をMEMSスイッチで形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の移相回路。
【請求項6】
入力端子、出力端子、通過端子、結合端子を有する90度ハイブリッド回路の前記通過端子と前記結合端子のそれぞれに請求項1〜5のいずれか1項に記載の移相回路を前記入出力端子を介して接続し、前記通過端子と前記結合端子のそれぞれに接続された2つの移相回路の前記スイッチング素子の状態に基づく位相偏移を揃えるように前記スイッチング素子の状態を変化させることを特徴とする反射型移相器。
【請求項7】
少なくとも、入力端子、出力端子、接続端子を有するサーキュレータの前記接続端子に請求項1〜5のいずれか1項に記載の移相回路を前記入出力端子を介して接続し、前記スイッチング素子の状態を変化させることを特徴とする反射型移相器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−311986(P2007−311986A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−137600(P2006−137600)
【出願日】平成18年5月17日(2006.5.17)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】