説明

移載装置

【課題】 クリーン環境下で使用する場合でも清浄度を維持し、且つ省スペース化に寄与する。
【解決手段】 一段フォーク31に、二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34を一方向へ進退可能に重ねて設ける。二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34の進退方向へ沿うガイドレールと、このガイドレールに摺動可能に支持された低発塵直動ベアリングとを有する摺動機構を設ける。摺動機構を、進退方向へ沿うスリット37が形成されたガイドボックス31b、32b、33b内に収納する。二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34に、ガイドボックス31b、32b、33bのスリット37に挿通されて低発塵直動ベアリングに固定された固定片を設ける。ガイドボックス31b、32b、33b内を吸引して常に内部を負圧とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バケットなどの荷物を移載する移載装置に関し、特にクリーンルーム内で用いて好適な移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の物品収納部を備えた収納棚に対してバケットを移載する移載装置として、複数のスライダを有するものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この移載装置は、1段目に当たる支持台上に、2段目の第1スライダを備え、さらに、この第1スライダ上に3段目の第2スライダを備えており、第1スライダ及び第2スライダがボールねじと駆動モータとからなるアクチュエータによってスライドする構造とされている。
また、第1スライダ及び第2スライダをスライドさせるアクチュエータは、例えば、病院内のクリーンルームなどにて用いることを想定して、それぞれカバーによって密閉されている。
【特許文献1】特開平7−101503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記移載装置は、アクチュエータをカバーによって密閉しているものの第1スライダ及び第2スライダの摺動機構部分は、直動ベアリングを用いる程度の発塵対策しか施しておらず、特に、高いクリーン度が要求される環境下では不適であった。
また、アクチュエータとして駆動モータによってボールねじを回転させる構造であり、全体の厚さが厚くなり、立体倉庫等の必要高さを抑えることが困難であった。
【0005】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、クリーン環境下で使用する場合でも十分な清浄度を維持し、且つ省スペース化に寄与することが可能な移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の移載装置は、摺動可能に支持した可動フォークを一方向へ進退させて荷物の移載を行う移載装置であって、前記可動フォークの進退方向へ沿うガイドレールとこのガイドレールに摺動可能に支持された摺動器とを有する摺動機構が設けられ、該摺動機構は、前記可動フォークの進退方向へ沿うスリットが形成されたボックス内に収納され、前記可動フォークには、前記スリットに挿通されて前記摺動器に固定された固定片を有し、前記ボックスは、その内部が吸引されて常に大気圧よりも負圧とされていることを特徴とするものである。
【0007】
従って、本発明の移載装置では、摺動機構が収納されたボックス内をクリーンモジュールなどによって吸引して常に負圧とするので、可動フォークの進退時におけるボックス内部の空気の外部への流出を確実に防止することができ、ボックス内からの塵の飛散を効果的に抑えることができる。
つまり、この移載装置は、特に、高いクリーン度が要求される環境下においても好適に採用することができ、クリーンルーム内における十分な清浄度を維持することができる。
【0008】
また、本発明としては、前記可動フォークが複数段に連結されかつ最下段の可動フォークを進退させる駆動機構を備え、最下段以外の可動フォークは、下方側にて可動する他の可動フォークの進退により張力が付与されるベルトが固着され、該ベルトによって引っ張られて進退する構成も好適に採用できる。
従って、本発明の移載装置では、駆動機構によって進退される最下段の可動フォークの動力を他の可動フォークに伝達させて進退させる動力伝達機構として、最下段の可動フォークの進退によって他の可動フォークを引っ張って進退させるベルトを用いたので、構造の簡略化を図ることができ、全体の厚さを抑えることができる。
【0009】
さらに、本発明としては、前記摺動器が、前記ガイドレールとの対向面に、摺動方向に沿ってボールベアリングを配列させた低発塵直動ベアリングからなる構成も好適に採用できる。
これにより、本発明の移載装置では、摺動器からの発塵を極力抑えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、摺動機構が収納されたボックス内をクリーンモジュールによって吸引して常に負圧とするので、可動フォークの進退時におけるボックス内部の空気の外部への流出を確実に防止することができ、ボックス内からの塵の飛散を効果的に抑えることができる。
つまり、この移載装置は、特に、高いクリーン度が要求される環境下においても好適に採用することができ、クリーンルーム内における十分な清浄度を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の移載装置が適用可能なバケット搬送装置を図1から図3によって説明する。
図1は、バケットBを収納(保管)するための棚Tを複数有するラック1と、棚Tに対してバケットBの搬送を行うバケット搬送装置2とが、例えばクリーン度(清浄度)10000レベルのクリーンルームC内に配置された平面図であり、図2は正面図である。
【0012】
ラック1は、バケット搬送装置2の搬送路R(横行経路;図1中左右方向)を挟んだ両側にそれぞれ配置されており、各ラック1には棚Tが水平方向(横行方向)に沿って複数(ここでは8列)略一定の間隔で配列形成されている。また、図2に示すように、棚Tは、上下方向についても略一定の間隔で複数段(ここでは10段)配列形成されている。すなわち、各ラック1は、バケット搬送装置2の搬送路Rに臨んで、棚Tが格子状に配列形成された構成となっている。
なお、ラック1の一方(図1中、上側)には入庫用コンベヤ3が接続されており、ラック1の他方(図1中、下側)には入出庫用コンベヤ4が接続されている。
【0013】
バケット搬送装置2は、搬送路Rの一端側に立設されたマスト5A及び他端側に立設されたマスト5Bに支持される矩形枠状のレール(昇降枠)6、レール6を上下方向に昇降させる昇降装置7、レール6に沿って横行自在に設けられたキャリア8、キャリア8を横行駆動する駆動モータ(キャリア駆動部)9、キャリア8に対して搬送路Rと直交する方向に進退(スライド)してバケットBを搬送するフォーク(移載機)10を主体に構成されている。なお、以下の説明においては、上下方向をZ軸方向、搬送路Rに沿う水平方向をX軸方向、搬送路Rと直交する水平方向をY軸方向として説明する。
【0014】
図3に示すように、レール6の+X側端部にはY軸と平行な軸周りに回転自在なシーブ12Aが2ヶ所に対で設けられ、−X側端部にはY軸と平行な軸周りに回転自在なシーブ12Bが2ヶ所に対で設けられている。シーブ12A、12Bには、一端がマスト5Aの下端部に固定され、他端がマスト5Bの上端部に固定された固定ワイヤ11が係合している。より詳細には、シーブ12Aには、マスト5Aの下端部から上方に延びる固定ワイヤ11が折れ曲がってシーブ12Bに向かうように右上側から係合している。そして、シーブ12Bには、シーブ12Aで折り曲げられた固定ワイヤ11がマスト5Bの上端部へ向かうように左下側から係合している。
【0015】
また、レール6は、マスト5Aの上端部に固定された(図2参照)シーブ17に係合された昇降ワイヤ15の一端側に緩み検出装置としてのイコライザー(検出装置)16を介在させた状態で吊設されている。シーブ17で折り返された昇降ワイヤ15の他端側は、昇降装置7の巻き取りドラム18に巻回されており、巻き取りドラム18を回転させることで昇降ワイヤ15の巻き取り量が調整されてレール6がマスト5A、5Bをガイドとして昇降するワイヤーバランス方式となっている。昇降装置7の駆動は図示しない制御装置によって制御されている。
イコライザー16は、昇降ワイヤ15の緩みや切断を検知し、バケット搬送に関する異常として制御装置に出力するものである。
【0016】
キャリア8には、駆動モータ9と結合されてレール6の中、X軸方向に延びるXレール6Xの一方の上を転動する主動輪13と、Xレール6Xの他方の上を転動する一対の従動輪14とが設けられており、駆動モータ9の駆動により主動輪13及びこれに従動して従動輪14がXレール6X上を転動することで、キャリア8はレール6に対してX軸方向に横行する。これら主動輪13及び従動輪14はウレタンにより形成されて低騒音化が図られている。
【0017】
また、キャリア8には、移載装置10を+Y軸側及び−Y軸側に進退自在に駆動する駆動装置(移載機駆動部;図示せず)が搭載されている。これら駆動装置及び駆動モータ9の駆動は制御装置により制御される。なお、移載装置10は、アルミ材で形成されており、軽量化及びクリーン対応が図られている。
【0018】
本実施の形態では、バケット搬送装置2において用いられる用力、例えばイコライザー16、駆動装置及び駆動モータ9で消費される電力、イコライザー16から出力される電気信号等は、用力伝達線としてのスプリングケーブルで伝達される。このスプリングケーブルは、例えば電線をウレタン等の可撓性材料で被覆した線材を螺旋状に形成したものであり、長さ方向に伸縮自在となっている。本実施の形態では、電気信号に対するノイズ対策のために信号用と動力用とで個別のスプリングケーブルを張設しているが、以下の説明では、便宜上一つのケーブルを用いて代表的に図示・説明するものとする。
【0019】
また、本実施の形態では、レール6の−X側端部に中継装置として端子ボックス19が設けられている。図2に示すように、マスト5Bの下端部近傍から上方へ延びて導かれたスプリングケーブルSC1は端子ボックス19に接続され、イコライザー16に接続される。また、端子ボックス19から延出するスプリングケーブルSC2は、キャリア8に設けられた機上盤20を介してフォーク用駆動装置及び駆動モータ9に接続される。スプリングケーブルSC1は、レール6の昇降ストロークに十分対応できる長さに設定され、同様にスプリングケーブルSC2はキャリア8の横行ストロークに十分対応できる長さに設定されている。
【0020】
次に、バケット搬送装置2に搭載された移載装置について図面を参照して説明する。
図4は移載装置の構造を説明する移載装置の斜視図、図5は移載装置の構造を示す断面図、図6は移載装置を構成するフォークの構造を示す概略斜視図、図7は移載装置の収縮状態及び伸長状態の断面図、図8は移載装置の収縮状態及び伸長状態の概略側面図である。
図4及び図5に示すように、この移載装置10は、一段フォーク31、二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34から構成されている。一段フォーク31は、図示しない旋回機構を介してキャリヤ8に対して180°旋回可能に固定された支持部とされており、二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34は、それぞれ一段フォーク31、二段フォーク32及び三段フォーク33に対して摺動可能に支持された可動フォークである。
【0021】
一段フォーク31、二段フォーク32及び三段フォーク33は、本体ケース31a、32a、33aを有し、これら本体ケース31a、32a、33aのそれぞれ両側部に、ガイドボックス31b、32b、33bを有する構造とされている。これらガイドボックス31b、32b、33bには、その内部に、長手方向へ沿ってガイドレール35が設けられており、これらガイドレール35には、摺動器としてそれぞれ二つの低発塵直動ベアリング36が摺動可能に設けられている。そして、これらガイドレール35と低発塵直動ベアリング36から摺動機構が構成されている。
【0022】
また、ガイドボックス31b、32b、33bには、長手方向へ沿ってスリット37が形成されており、このスリット37には、二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34に設けられた固定片38が挿通されている。そして、これら固定片38が、ガイドレール35に摺動可能に支持された低発塵直動ベアリング36に固定されている。
【0023】
図6に示すように、ガイドボックス31b、32b、33bには、ケース本体31a、32a、33aと連通するスリット状の開口部39が長手方向に沿って形成されており、この開口部39を介してガイドボックス31b、32b、33bとケース本体31a、32a、33aとが長手方向へわたって互いに連通されている。
【0024】
なお、一段フォーク31、二段フォーク32及び三段フォーク33のケース本体31a、32a、33aは、図示しない連通孔によって互いに連通されており、また、一段フォーク31は、その下面側に開口部を有し、この開口部には、図示しないクリーンモジュールが設けられている。そして、このクリーンモジュールがケース本体31a、32a、33a内を吸引することにより、開口部39を介してガイドボックス31b、32b、33b内が吸引されて負圧とされている。
なお、ガイドボックス31b、32b、33b内は、その内部にて移動する低発塵直動ベアリング36の移動による圧力変動に関わらず、常に外気よりも負圧となるように、クリーンモジュールによって吸引される。
【0025】
一段フォーク31は、ピニオン41を回転させる駆動モータ42を有しており、二段フォーク32には、ケース本体32aの一側部に、ピニオン41が歯合するラック40が長手方向に沿って設けられている。
そして、これら駆動モータ42、ピニオン41及びラック40から駆動機構が構成され、駆動モータ42によりピニオン41が回転されると、二段フォーク32が一方向へ進退される。
【0026】
図7に示すように、二段フォーク32及び三段フォーク33には、ケース本体32a、33a内における前後端に、プーリ43が設けられている。また、一段フォーク31及び二段フォーク32は、中間部における上面側にベルト固着部44を備え、三段フォーク33及び四段フォーク34は、中間部における下面側にベルト固着部45を備えている。
【0027】
図8(a)、(b)は、ベルト固着部44、45へのベルト46、47の固着状態及びプーリ43へのベルト46、47の巻回状態の理解を容易にするために、フォーク31〜34を高さ方向に離間させた状態を示す図である。
一段フォーク31のベルト固着部44には、それぞれ反する方向へ延在する送り出しベルト46及び引き込みベルト47の一端が固着されている。そして、一方の送り出しベルト46は前方側へ回されて二段フォーク32における前方側のプーリ43へ巻回されて三段フォーク33のベルト固着部45に固着され、他方の引き込みベルト47は後方側へ回されて二段フォーク32における後方側のプーリ43へ巻回されて三段フォーク33のベルト固着部45に固着されている。
【0028】
また、二段フォーク32のベルト固着部44にも、それぞれ反する方向へ延在する送り出しベルト46及び引き込みベルト47の一端が固着されており、一方の送り出しベルト46は前方側へ回されて三段フォーク33における前方側のプーリ43へ巻回されて四段フォーク34のベルト固着部45に固着され、他方の引き込みベルト47は後方側へ回されて三段フォーク33における後方側のプーリ43へ巻回されて四段フォーク34のベルト固着部45に固着されている。
なお、送り出しベルト46及び引き込みベルト47は、ステンレス製のベルトからなるもので、その厚さは、1mm以下で、好ましくは約0.5mm程度である。
【0029】
次に、上記の構成のバケット搬送装置2の動作について以下に説明する。
コンベヤ3、4や棚Tからバケットを搬出する場合や搬入する場合、巻き取りドラム18の回転量を調節することでレール6を昇降させ、移載装置10を所定の高さに位置させる。また、駆動モータ9の回転方向及び回転量を調節することでキャリア8を所定方向に所定距離横行させ、移載装置10を搬送路Rにおける所定の位置に位置決めする。
そして、移載装置10をキャリア8から延出(スライド)させることで、所定のコンベヤ3、4や棚Tに対してバケットBを移載することができる。
【0030】
ここで、移載装置10では、棚Tに対してバケットBの移載を行うべく、キャリア8から延出させる際に、駆動モータ42によりピニオン41を回転させて二段フォーク32を一段フォーク31にて対して一方向へ送り出す。これにより、図7(b)、図8(b)及び図9(b)に示すように、この二段フォーク32の前方側のプーリ43が、回動しながら送り出しベルト46を前方側へ押し出し、これにより、三段フォーク33が、送り出しベルト46によって前方側へ引っ張られ、二段フォーク32に対して一方向へ送り出される。さらに、三段フォーク33が二段フォーク32にて対して一方向へ送り出されると、この三段フォーク33の前方側のプーリ43が、回動しながら送り出しベルト46を前方側へ押し出す。これにより、四段フォーク34が、送り出しベルト46によって前方側へ引っ張られ、三段フォーク33に対して一方向へ送り出される。
【0031】
また、移載装置10では、棚Tに対するバケットBの移載後、キャリア8へ引き込む際に、駆動モータ42によりピニオン41を逆転させて二段フォーク32を一段フォーク31側へ引き込む。これにより、図7(a)、図8(a)及び図9(a)に示すように、この二段フォーク32の後方側のプーリ43が、回動しながら引き込みベルト47を後方側へ押し出し、これにより、三段フォーク33が、引き込みベルト47によって後方側へ引っ張られ、二段フォーク32側へ引き込まれる。さらに、三段フォーク33が二段フォーク32側へ引き込まれると、この三段フォーク33の後方側のプーリ43が、回動しながら引き込みベルト47を後方側へ引き込む。これにより、四段フォーク34が、引き込みベルト47によって後方側へ引っ張られ、三段フォーク33側へ引き込まれる。
【0032】
また、上記のように、二段フォーク32、三段フォーク33及び四段フォーク34が移動すると、ガイドボックス31b、32b、33b内にて、低発塵直動ベアリング36が移動し、この低発塵直動ベアリング36の移動方向前方側の空気が圧縮されるが、これらガイドボックス31b、32b、33bは、各開口部39を介してケース本体31a、32a、33a内と連通され、さらに、これらケース本体31a、32a、33aを介してクリーンモジュールによって吸引されて負圧に維持されるので、ガイドボックス31b、32b、33b内の空気がスリット37から流出するようなことがない。
【0033】
以上のように、本実施の形態では、摺動機構が収納されたガイドボックス31b、32b、33b内をクリーンモジュールによって吸引して常に大気圧よりも負圧とするので、可動フォークである二段フォーク32,三段フォーク33及び四段フォーク34の進退時におけるガイドボックス31b、32b、33b内部の空気の外部への流出を確実に防止することができ、ガイドボックス31b、32b、33b内からの塵の飛散を効果的に抑えることができる。
つまり、この移載装置10は、特に、高いクリーン度が要求される環境下においても好適に採用することができ、クリーンルーム内における十分な清浄度を維持することができる。
【0034】
また、駆動モータ42によって回転されるピニオン41及びこのピニオン41が歯合するラック40からなる駆動機構によって進退される最下段の可動フォークである二段フォーク32の駆動力を、他の可動フォークである三段フォーク33及び四段フォーク34に伝達させて進退させる動力伝達機構として、下方の可動フォークである二段フォーク32及び三段フォーク33の進退によって引っ張って進退させる送り出しベルト46及び引き込みベルト47を用いたので、構造の簡略化を図ることができ、全体の厚さを抑えることができる。
【0035】
さらに、摺動機構として、ガイドレール35との対向面に、摺動方向に沿ってボールベアリングを配列させた低発塵直動ベアリング36からなる摺動器を用いたので、摺動機構における発塵を極力抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、病院内の物流設備(手術用器具を収容した滅菌コンテナやバケットなど)等、高い清浄度を維持し、且つ設置スペースが限られる場合等に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】バケット搬送装置がクリーンルーム内に配置された概略的な平面図である。
【図2】図1における平面図である。
【図3】本発明に係るバケット搬送装置の一実施形態を示す概略的な斜視図である。
【図4】移載装置の構造を説明する移載装置の斜視図である。
【図5】移載装置の構造を示す断面図である。
【図6】移載装置を構成するフォークの構造を示す概略斜視図である。
【図7】移載装置の収縮状態及び伸長状態の断面図である。
【図8】フォークを高さ方向に離間させた状態を示す図である。
【図9】移載装置の収縮状態及び伸長状態の概略側面図である。
【符号の説明】
【0038】
10 移載装置
31b、32b、33b ガイドボックス(ボックス)
32 二段フォーク(可動フォーク)
33 三段フォーク(可動フォーク)
34 四段フォーク(可動フォーク)
35 ガイドレール
36 低発塵直動ベアリング(摺動器)
37 スリット
38 固定片
40 ラック(駆動機構)
41 ピニオン(駆動機構)
42 駆動モータ(駆動機構)
46 送り出しベルト(ベルト)
47 引き込みベルト(ベルト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摺動可能に支持した可動フォークを一方向へ進退させて荷物の移載を行う移載装置であって、
前記可動フォークの進退方向へ沿うガイドレールとこのガイドレールに摺動可能に支持された摺動器とを有する摺動機構が設けられ、該摺動機構は、前記可動フォークの進退方向へ沿うスリットが形成されたボックス内に収納され、前記可動フォークには、前記スリットに挿通されて前記摺動器に固定された固定片を有し、前記ボックスは、その内部が吸引されて常に大気圧よりも負圧とされていることを特徴とする移載装置。
【請求項2】
前記可動フォークが複数段に連結されかつ最下段の可動フォークを進退させる駆動機構を備え、最下段以外の可動フォークには、下方側にて可動する他の可動フォークの進退により張力が付与されるベルトが固着され、該ベルトによって引っ張られて進退することを特徴とする請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記摺動器は、前記ガイドレールとの対向面に、摺動方向に沿ってボールベアリングを配列させた低発塵直動ベアリングからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の移載装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate