説明

移載装置

【課題】移載対象物の撓みを抑制すると共に、移載能率の向上を図ることができる移載装置を提供する。
【解決手段】ガラス基板を搬送するハンド装置から受け渡されたガラス基板を支持すると共に、支持したガラス基板を搬送ライン2に移載する移載装置であって、ハンド装置の移動経路上に位置し、ガラス基板を支持する支持位置と、上記移動経路上から退避する退避位置との間を、互いに独立して駆動される複数の支持装置4を有するという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移載装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンベヤ上を搬送されるガラス基板等の移載対象物を、吸着孔を有するロボットにて支持すると共に、処理ステージに移載する移載装置が開示されている。当該移載装置は、ガラス基板の両端縁部を複数の搬送ローラで支持すると共に、ロボットが、対向して設けられる搬送ローラの間において、コンベヤの搬送経路上に出没することで、搬送ローラからガラス基板を受け取る構成となっている。
【特許文献1】特開平9−48521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記構成の移載装置は、移載対象物の両端縁部を搬送ローラで支持する構成であるため、移載対象物の中央部が自重により撓んでしまう。したがって、例えば、移載対象物が表面に所望の回路が形成されたガラス基板等である場合、撓みによる応力で当該回路が損傷し、製品の歩留まりに影響を与える虞がある。
また、近年、上記のようなコンベヤの代わりにハンド装置を用いて移載対象物の撓みを抑制しつつ搬送することがなされているが、ハンド装置から移載対象物を受け取る支持装置は、ハンド装置の周囲を囲うようにその移動経路上に出没し、移載対象物をハンド装置から受け取って支持する構成のものが用いられている。しかし、ハンド装置は、当該支持装置が出没することによりその移動経路を塞がれることから、移載対象物が処理ステージに完全に移載されるまでその場で待機しなければならないため、次の移載対象物を受け取りに行けず、移載装置の移載能率が低下するといった問題がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、移載対象物の撓みを抑制すると共に、移載能率の向上を図ることができる移載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、移載対象物を搬送するハンド装置から受け渡された移載対象物を支持すると共に、上記支持した移載対象物を移載部に移載する移載装置であって、上記ハンド装置の移動経路上に位置し、上記移載対象物を支持する支持位置と、上記移動経路上から退避する退避位置との間を、互いに独立して駆動される複数の支持装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、支持位置にある支持装置で移載対象物を支持すると共に、ハンド装置の移動経路上の支持装置を順次退避位置に駆動させることでハンド装置の移動経路を確保することが可能となる。
【0006】
また、本発明では、上記移動経路上における上記ハンド装置の位置に応じて、複数の上記支持装置の駆動をそれぞれ制御する制御装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ハンド装置の位置に応じた支持装置の円滑な駆動が可能となる。
【0007】
また、本発明では、上記移動経路上における上記ハンド装置の位置を検出する検出センサを有し、上記制御装置は、上記検出センサの検出結果に基づいて、複数の上記支持装置の駆動をそれぞれ制御するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、ハンド装置の位置を検出センサにより検出し、ハンド装置の移動経路上の位置を正確に把握することで、支持装置のより円滑な駆動が可能となる。
【0008】
また、本発明では、上記支持装置は、上記ハンド装置の移動方向において複数の列を形成するように設けられており、上記制御装置は、上記列毎に制御するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、複数の支持装置を各々個別に制御する場合と比べ、駆動制御の簡易化及び効率化を図ることができる。
【0009】
また、本発明では、上記支持装置は、上記移載対象物の両端縁部を支持する位置及び、上記両端縁部の間で支持する位置に設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、移載対象物を、両端縁部と、さらに、その両端縁部の間において支持することで、移載対象物の撓みを抑制することが可能となる。
【0010】
また、本発明では、上記支持装置は、上記移載対象物の重心位置近傍に設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、撓みが大きく発生する重心位置近傍を支持することで、撓みを効率よく抑制することが可能となる。
【0011】
また、本発明では、回転軸方向に向かうにつれて漸次縮径するローラの、上記縮径部を互いに対向させて配設されたローラ装置を有し、上記移載対象物を上記ローラ装置の上記縮径部に載置して、上記移載部に移載するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、移載対象物の端部を縮径部により規制し、移載対象物の姿勢を一定とさせることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移載対象物を搬送するハンド装置から受け渡された移載対象物を支持すると共に、上記支持した移載対象物を移載部に移載する移載装置であって、上記ハンド装置の移動経路上に位置し、上記移載対象物を支持する支持位置と、上記移動経路上から退避する退避位置との間を、互いに独立して駆動される複数の支持装置を有するという構成を採用することによって、移載対象物を支持すると共に、ハンド装置の移動経路を確保することが可能となる。また、移載対象物の中央部を支持するように支持装置を配置することも可能となる。
したがって、本発明では、移載対象物の撓みを抑制すると共に、移載能率の向上を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0014】
図1は、本発明の実施形態における移載装置1のブロック構成図である。
図2は、本発明の実施形態における支持部3の構成を説明する図である。
図3は、本発明の実施形態におけるハンド装置20の構成を説明する平面図である。
なお、図2(a)は支持部3の平面図を、図2(b)は支持部3の正面図を示す。
移載装置1は、移載対象物であるガラス基板を、図2に示す搬送ローラ2aが列を成して設けられた搬送ライン(移載部)2上に移載するものであり、図1に示すように、支持部3と、ハンド装置20と、制御装置30とを有する。
【0015】
支持部3は、図2に示すように、互いに独立して駆動される複数の支持装置4と、支持装置4に支持されたガラス基板を搬送ライン2に移載するローラ装置5と、ハンド装置20の移動経路上の位置を検出する不図示の検出センサ9(図1参照)とを有する。
支持装置4は、図2(b)に示すように、ガラス基板と当接する支持ピン4aと、支持ピン4aを昇降駆動する支持ピン駆動部4bとから構成される。支持ピン駆動部4bは、モータ等から構成される駆動源を有し、図1に示すように、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30の制御の下、支持ピン4aを昇降駆動させる構成となっている。より詳しくは、支持ピン駆動部4bは、支持ピン4aを、ハンド装置20の移動経路上に位置し、ガラス基板を支持する支持位置(図2(b)において2点鎖線で示す)と、ハンド装置20の移動経路上から退避する退避位置(図2(b)において実線で示す)との間を移動自在にさせる構成となっている。
【0016】
このような構成の支持装置4は、ハンド装置の移動方向(図2において紙面左右方向)において複数の列を形成するように配設される。また、支持装置4は、移動方向と直交する方向において、ガラス基板の両端縁部を支持する両端位置と、その両端縁部の中間でガラス基板を支持する中間位置に設けられている。したがって、本実施形態における支持装置4は、図2(a)に示すように、3行5列で配設される構成となっている。
なお、以下の説明で、支持装置4によって構成される列を、左端の列から順に、A列、B列、C列、D列、E列と称して説明することがある。
【0017】
ローラ装置5は、コニカルローラ(ローラ)6を同期して回転駆動させるローラ回転駆動部7と、コニカルローラ6を昇降させるローラ昇降駆動部8(図2において不図示、図1参照)とを有する。
ローラ回転駆動部7は、モータ等から構成される駆動源を有し、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30の制御の下、コニカルローラ6を回転駆動させる構成となっている。
【0018】
ローラ昇降駆動部8は、モータ等から構成される駆動源を有し、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30の制御の下、コニカルローラ6を昇降駆動させる構成となっている。ローラ昇降駆動部8は、コニカルローラ6を、支持装置4の支持位置より高い移載位置(図2(b)において2点鎖線で示す)と、支持装置4の退避位置より低い待機位置(図2(b)において実線で示す)との間を移動自在にさせる構成となっている。
【0019】
コニカルローラ6は、略円錐形状を有し、回転軸方向に向かうにつれて漸次縮径する縮径部6aを備える。コニカルローラ6は、互いに、縮径部6aを対向させて配設され、ガラス基板がコニカルローラ6の縮径部6aに載置可能となるように離間して回転軸6bにより接続される。
また、各回転軸6bは、ローラ回転駆動部7と、チェーンあるいはベルト等の回転駆動伝達部材7aを介して互いに接続されており、ローラ回転駆動部7の駆動に応じてコニカルローラ6を同期回転させる構成となっている。
【0020】
検出センサ9は、図1に示すように、A列、B列、C列、D列、E列の各列に対応してそれぞれ設けられる。検出センサ9は、本実施形態では、例えば、光学式の位置検出センサであって、ハンド装置20の位置を非接触で検出するものである。このような検出センサ9は、制御装置30と電気的に接続され、検出結果を順次、制御装置30に出力する構成となっている。
【0021】
ハンド装置20は、ガラス基板21(図3において2点鎖線で示す)を支持部3上に搬送するものであり、2本のフレームを直交して掛け渡して形成されたような形状を有する井桁型のロボットハンドである。また、ハンド装置20は、図1に示すように、ハンド駆動部20aと、ハンド駆動量検出部20bとを有する。
【0022】
ハンド駆動部20aは、モータ等から構成される駆動源を有し、制御装置30と電気的に接続され、制御装置30の制御の下、ハンド装置20本体を所望の位置に移動させる構成となっている。
また、ハンド駆動量検出部20bは、ハンド駆動部20aに設けられたモータの駆動量を検出するエンコーダ等から構成され、制御装置30と電気的に接続され、検出結果を順次、制御装置30に出力する構成となっている。
【0023】
ハンド装置20は、図3に示すように、井桁型の板状保持部材14と、ガラス基板21を吸着する基板吸着パッド部15と、基板吸着パッド部15が設けられる基板保持アーム16と、ガラス基板21の両端を規制する規制部材22とを有する。
板状保持部材14には、開口部14a及び開口部14bが形成されている。開口部14aは、ガラス基板21を支持する際に、ガラス基板21の中央部に対応する位置に形成されている。
【0024】
基板保持アーム16は、先端側16aに基板吸着パッド部15が設けられ、基端側が板状保持部材14と軸部23を介して接続されている。基板吸着パッド部15は、不図示のエアー配管によって負圧が供給され、ガラス基板21を吸着する構成となっている。
このような、基板保持アーム16は、軸部23を基端として、先端側16aが図3において紙面垂直方向に揺動可能となり、例えば、ガラス基板21が撓み等で変形したものであっても、その変形に対応してガラス基板21に密接し、基板吸着パッド部15により吸着支持する構成となっている。
【0025】
制御装置30は、図1に示すように、制御部31と、記憶部32とを有する。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)等の電子部品及び電子回路、並びに各支持ピン駆動部4b、各検出センサ9、ローラ回転駆動部7、ローラ昇降駆動部8、ハンド駆動部20a、ハンド駆動量検出部20b及び記憶部32とのデータ授受を行う各種入出力インターフェース回路等から構成されている。
記憶部32は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Random Access Memory)等の内部メモリから成り、支持装置4、ローラ装置5及びハンド装置20等の制御プログラム、演算パラメータ、位置データ等が記憶される構成となっている。
なお、本実施形態における制御装置30は、ハンド装置20の移動経路上の位置に応じて、支持装置4を列毎に制御する構成となっている。
【0026】
続いて、本実施形態における移載装置1の動作を図4〜図13を参照して説明する。
図4〜図13は、本発明の実施形態における移載装置1の動作を順次示す図である。
なお、初期状態で、各支持装置4は、退避位置に位置し、ローラ装置5は、待機位置に位置している。
【0027】
先ず、移載装置1は、図4に示すように、制御装置30の制御の下、ハンド装置20にガラス基板21を支持させる。ハンド装置20は、基板吸着パッド部15によりガラス基板21を下方から吸着支持した後、支持部3上の所定位置までガラス基板21を搬送する。そして、制御装置30は、ハンド装置20が所定位置に達した後、ハンド駆動部20aへ移動停止信号を出力し、ハンド装置20を所定位置で停止させる。また、このとき、制御装置30は、基板吸着パッド部15の吸着を解除させる。
【0028】
次に、制御装置30は、図5に示すように、A列、C列、E列の支持装置4を駆動させる。より詳しくは、制御装置30は、A列、C列、E列の支持ピン駆動部4bに、支持位置への駆動信号を出力する。当該駆動信号を入力された支持ピン駆動部4bは、退避位置にある支持ピン4aを支持位置まで上昇させる。支持位置に支持ピン4aが位置することにより、ハンド装置20上に支持されていたガラス基板21が、A列、C列、E列の支持装置4に受け渡される。A列、C列、E列の支持装置4は、ガラス基板21の両端縁部及び、ハンド装置20の開口部14aを通過してガラス基板21の中央部(重心位置)を同一水平面内で支持する。
【0029】
次に、制御装置30は、図6に示すように、所定位置にあるハンド装置20を所定の速度で支持部3上から退避させる。このとき、図1に示すハンド駆動量検出部20bからハンド駆動部20aの駆動量を入力された制御装置30は、当該検出結果及び記憶部32に記憶されたデータに基づき制御部31において演算を行いハンド装置20の移動量を算出すると共に、各列に配置された検出センサ9の検出結果に基づいて、ハンド装置20の移動経路上の位置を把握し、当該位置に応じて各列の支持装置4を駆動する(図6〜図11参照)。
【0030】
より詳しくは、制御装置30は、図6に示すように、A列、B列、C列及びE列の支持装置4を支持位置に位置させると共に、D列の支持装置4を退避位置に位置させる。
次に、制御装置30は、図7に示すように、B列、C列、D列及びE列の支持装置4を支持位置に位置させると共に、A列の支持装置4を退避位置に位置させる。
次に、制御装置30は、図8に示すように、A列、B列、D列及びE列の支持装置4を支持位置に位置させると共に、C列の支持装置4を退避位置に位置させる。
次に、制御装置30は、図9に示すように、A列、C列、D列及びE列の支持装置4を支持位置に位置させると共に、B列の支持装置4を退避位置に位置させる。
次に、制御装置30は、図10に示すように、B列、C列、D列及びE列の支持装置4を支持位置に位置させると共に、A列の支持装置4を退避位置に位置させる。
そして、ハンド装置20が支持部3上から退避した後、制御装置30は、図11に示すように、A列、B列、C列、D列及びE列の全ての支持装置4を支持位置に位置させる。
【0031】
このように、制御装置30は、ハンド装置20の進行方向にある支持装置4を順次、支持位置から退避位置に駆動させることで、ハンド装置20の退避する移動経路を確保させ、ハンド装置20が通過した後、順次退避位置から支持位置に駆動させることで、ガラス基板21の支持を可能とさせる。つまり、ハンド装置20は、待機せずに次のガラス基板21を受け取りに行くことができる。
【0032】
次に、制御装置30は、図12に示すように、ローラ昇降駆動部8に駆動信号を出力し、ローラ装置5を待機位置から、移載位置に上昇させる。移載位置にローラ装置5が位置することで、ガラス基板21が支持装置4から受け渡される。このとき、ガラス基板21は、コニカルローラ6の縮径部6a上にその両端部が載置されることとなる。ここで、縮径部6aは、傾斜形状を有しているため、ガラス基板21は、自重により当該傾斜形状に沿って移動し、所定の姿勢に規制される。
そして、制御装置30は、図13に示すように、ローラ回転駆動部7に駆動信号を出力し、コニカルローラ6を同期して回転させることで、ガラス基板21が姿勢を一定に規制されつつ、搬送ライン2上に移載される。
【0033】
したがって、上述の本実施形態によれば、ガラス基板21を搬送するハンド装置20から受け渡されたガラス基板21を支持すると共に、支持したガラス基板21を搬送ライン2に移載する移載装置1であって、ハンド装置20の移動経路上に位置し、ガラス基板21を支持する支持位置と、上記移動経路上から退避する退避位置との間を、互いに独立して駆動される複数の支持装置4を有するという構成を採用することによって、ガラス基板21を支持すると共に、ハンド装置20の移動経路を確保することが可能となる。また、ガラス基板21の中央部を支持するように支持装置4を配置することが可能となる。
したがって、本実施形態では、ガラス基板21の撓みを抑制すると共に、移載能率の向上を図ることができる効果がある。
【0034】
また、本実施形態では、上記移動経路上におけるハンド装置20の位置に応じて、複数の支持装置4の駆動をそれぞれ制御する制御装置30を有するという構成を採用することによって、ハンド装置20の位置に応じた支持装置4の円滑な駆動が可能となる。
【0035】
また、本実施形態では、上記移動経路上における上記ハンド装置20の位置を検出する検出センサ9を有し、制御装置30は、検出センサ9の検出結果に基づいて、複数の支持装置4の駆動をそれぞれ制御するという構成を採用することによって、ハンド装置20の位置を検出センサ9により検出し、ハンド装置20の移動経路上の位置を正確に把握することで、支持装置4のより円滑な駆動が可能となる。
【0036】
また、本実施形態では、支持装置4は、ハンド装置20の移動方向において複数の列を形成するように設けられており、制御装置30は、上記列毎に制御するという構成を採用することによって、複数の支持装置4を各々個別に制御する場合と比べ、駆動制御の簡易化及び効率化を図ることができる。
【0037】
また、本実施形態では、支持装置4は、ガラス基板21の両端縁部を支持する位置及び、上記両端縁部の間で支持する位置に設けられているという構成を採用することによって、ガラス基板21を、両端縁部と、さらにその両端縁部の間において支持することが可能となり、ガラス基板21の撓みを抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では、支持装置4は、ガラス基板21の重心位置近傍に設けられているという構成を採用することによって、撓みが大きく発生する重心位置近傍を支持することで、撓みを効率よく抑制することが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、回転軸方向に向かうにつれて漸次縮径するコニカルローラ6の、縮径部6aを互いに対向させて配設されたローラ装置5を有し、ガラス基板21をローラ装置5の縮径部6aに載置して、搬送ライン2に移載するという構成を採用することによって、ガラス基板21の端部を縮径部により規制し、ガラス基板21の姿勢を一定とさせつつ、搬送ライン2に移載することができる。
【0040】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0041】
例えば、本実施形態では、移載対象物はガラス基板21であると説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではない。本発明は、撓みが発生しやすい他の移載対象物を対象としても同様の作用・効果が得られる。
【0042】
また、本実施形態では、支持装置4は、3行5列で配設されると説明したが、上記構成に限定されるものでは無く、移載対象物の形状及びハンド装置の形状に応じて配設の設計変更を行うことが好ましい。
【0043】
また、本発明は、ハンド装置20は、井桁型のロボットハンドである構成に限定されるものでは無いが、井桁型のロボットハンドであれば、支持装置4が開口部14aを通過して移載対象物の中央部を支持できるため、移載対象物の撓みをより確実に抑制することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態における移載装置のブロック構成図である。
【図2】本発明の実施の形態における支持部の構成を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるハンド装置の構成を説明する平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態における移載装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1…移載装置、2…搬送ライン(移載部)、4…支持装置、5…ローラ装置、6…コニカルローラ(ローラ)、6a…縮径部、9…検出センサ、21…ガラス基板(移載対象物)、20…ハンド装置、30…制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移載対象物を搬送するハンド装置から受け渡された移載対象物を支持すると共に、前記支持した移載対象物を移載部に移載する移載装置であって、
前記ハンド装置の移動経路上に位置し、前記移載対象物を支持する支持位置と、前記移動経路上から退避する退避位置との間を、互いに独立して駆動される複数の支持装置を有することを特徴とする移載装置。
【請求項2】
前記移動経路上における前記ハンド装置の位置に応じて、複数の前記支持装置の駆動をそれぞれ制御する制御装置を有することを特徴とする請求項1に記載の移載装置。
【請求項3】
前記移動経路上における前記ハンド装置の位置を検出する検出センサを有し、
前記制御装置は、前記検出センサの検出結果に基づいて、複数の前記支持装置の駆動をそれぞれ制御することを特徴とする請求項2に記載の移載装置。
【請求項4】
前記支持装置は、前記ハンド装置の移動方向において複数の列を形成するように設けられており、
前記制御装置は、前記列毎に制御することを特徴とする請求項2または3に記載の移載装置。
【請求項5】
前記支持装置は、前記移載対象物の両端縁部を支持する位置及び、前記両端縁部の間で支持する位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の移載装置。
【請求項6】
前記支持装置は、前記移載対象物の重心位置近傍に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の移載装置。
【請求項7】
回転軸方向に向かうにつれて漸次縮径するローラの、前記縮径部を互いに対向させて配設されたローラ装置を有し、
前記移載対象物を前記ローラ装置の前記縮径部に載置して、前記移載部に移載することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−274868(P2009−274868A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130665(P2008−130665)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】