説明

移送ガードシステム及び方法

【課題】疾病を患っている患者によって運ばれる注入ポンプで使用される溜りの充填を援助するシステムを提供する。
【解決手段】注入ポンプのための注入可能液体溜り(280)を再充填する再充填ステーションであって、前記注入可能液体のサプライを含むバイアル(240)と、移送ガード(260)であって、前記バイアル(240)に係合するように適合された第1のアダプタ(262)と、前記溜り(280)と接続するための第2のアダプタ(270)と、前記バイアル(240)から前記移送ガード(260)を通って延長されて前記第2のアダプタ(262)から突出している第1の針(252)と、を有する移送ガード(260)と、を備える、ステーション。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に流動体媒体を移送するシステム及び方法に関しており、より具体的には、糖尿病を含むある疾病を患っている患者によって運ばれる注入ポンプで使用される溜りの充填を援助するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の医療技法によれば、ある慢性疾病は、患者の体内に薬剤又はその他の物質を送達することによって、治療され得る。例えば、糖尿病は、規定量のインシュリンを適当なタイミングで患者に送達することによって普通は治療される慢性疾病である。伝統的には、手作業で操作されるシリンジ及びインシュリンペンが、患者にインシュリンを送達するために使用されてきている。より最近は、現代的なシステムが、制御された量の薬剤を患者に送達するためのプログラム可能なポンプを含むように設計されてきている。
【0003】
ポンプ型送達装置は、患者に接続する外部装置として構成されてきており、且つ患者の身体の内部に埋め込まれる埋め込み可能な装置として構成されてきている。外部ポンプ型送達装置は、病院、クリニックなどのような静止位置での使用のために設計された装置を含み、及びさらに、患者によって持ち運ばれるように設計された装置などのように移動用の又はポータブルの使用のために構成された装置を含む。外部ポンプ型送達装置は、(限定されるものではないが)インシュリンのような流動体媒体の溜りを含み得る。例えば文献US2009/0171324の図1〜図6Cに示されるような典型的な既知の配置構成では、外部ポンプタイプ送達装置はチューブの形態の溜りを含み、これは、他端に流動体媒体を受け取るために溜りをチューブに接続するための狭いネックと合体しているショルダー部を有している。操作では、駆動機構が平行な有孔チューブ内部でプランジャヘッドを前進させて、流体薬をチューブを介して排出する。溜りが空になると、駆動機構及びチューブから離脱されてポンプから取り外され、新しい満タンの溜りと交換される。チューブと溜りのネックとの間の殺菌接続を確保するために、後者は穿孔可能な隔膜を含み、チューブは、ポンプに搭載されると、新しい溜りの隔壁を穿孔する針を介して接続する。いくつかの状況では、溜りを再充填することが望まれ得て、これより、注入ポンプでの使用のために流動体媒体を外部ソース、例えばバイアルから溜りに送達するシステムが必要とされる。
【0004】
外部ポンプ型送達装置は、例えば適切な中空チューブを通して患者又は使用者−患者に流体流連通で接続され得る。中空チューブは中空の針に接続され得て、これは、患者の皮膚を穿孔して底を通して流動体媒体を送達するように設計されている。あるいは、中空チューブは、カニューレなどを通して患者に直接的に接続され得る。
【0005】
いくつかの外部ポンプ型送達装置の例は、2005年8月23日付けで出願された「廃棄可能部分を有する注入装置及び方法」という名称の米国特許出願第11/211,095号、ならびに「注入装置のための交換可能な電子カード」という名称の公開されたPCT出願第WO01/70307(PCT/US01/09139)号(これらの各々は本出願の譲渡者によって所有されている)、「患者注入装置のための構成要素及び方法」という名称の公開されたPCT出願第WO04/030716(PCT/US2003/028769)号、「注入装置のためのディスペンサ要素及び方法」という名称の公開されたPCT出願第WO04/030717(PCT/US2003/029019)号、「インシュリンのドーズに関して患者にアドバイスする方法」という名称の米国特許出願第2005/0065760号、及び「ウエアラブルな自己収容形薬物注入装置」という名称の米国特許第6,589,229号に記述されており、これらの各々は、その全体が参照によってここに援用される。
【0006】
外部ポンプ型送達装置は、例えば適切な中空チューブを通して、患者−使用者と流動体流連通で接続され得る。中空チューブは、患者−使用者の皮膚を穿孔してその患者−使用者に注入媒体を送達するように設計された中空針に接続され得る。あるいは、中空チューブは、カニューレ又はマイクロ針のセットとして、あるいはそれを通して、患者−使用者に直接的に接続され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0171324号明細書
【特許文献2】米国特許第6589229号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
中空チューブが、使用者−患者の皮膚を穿孔する中空の針を通して患者−使用者に接続されるという点で、患者−使用者への針の手作業での挿入は、使用者−患者にとって、いくらかトラウマ的になることがある。したがって、使用者−患者への針の挿入を援助するために挿入機構が作られてきており、これにより、針はばねで付勢されて、引き込み位置から拡張位置へ迅速に動かされる。針が伸張位置に動かされるときに、針は、単一の比較的突然の動きで使用者−患者の皮膚を迅速に貫通するが、これは、よりゆっくりとした手作業の針の挿入に比べて、ある使用者−患者にとってはそれほどトラウマ的にはならないで済むことができる。使用者−患者の皮膚への針の迅速な突き刺しが、何人かの使用者−患者にとっては、手作業の挿入よりもトラウマ的ではない一方で、ある場合には、針が非常にゆっくりと一定のペースで動かされるときの方がトラウマ的に感じない使用者−患者もいると信じられる。
【0009】
送達装置とともに使用され得て且つその中に作られ得る挿入機構の例は、2006年12月26日付けで出願された「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置、及び方法、ならびに針挿入器装置及び方法」という名称の米国特許出願第11/645,435号、及び2005年8月23日付けで出願された「廃棄可能部分を有する注入装置及び方法」という名称の米国特許出願第11/211,095号(これらの各々は本出願の譲渡者によって所有されている)に記述されており、これらの各々は、その全体が参照によってここに援用される。挿入ツールのその他の例は、「挿入セットのための挿入装置及びそれを使用する方法」という名称の米国特許出願文書第2002/0022855号(本出願の譲渡者に譲渡されている)に記述されており、その全体が参照によってここに援用される。針及び/又はカニューレを挿入するために使用され得る(又は使用のために改変され得る)針/カニューレ挿入ツールのその他の例は、例えば、2003年3月14日付けで出願された「シルエット又は類似の製品のための自動挿入装置」という名称の米国特許出願第10/389,132号、及び/又は2002年12月9日付けで出願された「挿入セットのための挿入装置及びそれを使用する方法」という名称の米国特許出願第10/314,653号に記述されており、その両方が、全体的に参照によってここに援用される。
【0010】
ポンプ型送達装置は、インシュリンの正確なドーズ量が計算され且つ日中又は夜の間の任意の時点で患者−使用者に自動的に送達されることを可能にすることができる。さらに、グルコースセンサ又はモニタとともに使用されると、インシュリンポンプは、血中グルコースのセンシングされた又はモニタされたレベルに基づいて、適当な必要とされる時点で注入媒体の適切なドーズを提供するように自動的に制御され得る。
【0011】
ポンプ型送達装置は、糖尿病のような様々なタイプの医療条件の現代的な医学的治療の重要な局面になってきている。ポンプ技術が改善し、医師及び患者−使用者がそのような装置により慣れてくるにつれて、外部医療注入ポンプ治療の人気は増して、次の10年で実質的に増すことが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面によれば、流動体媒体を移送するシステムが提供される。これは、限定されるものではないが、移送ガード、ハンドル、及びオプションとしてケースも含み得る。移送ガードは、バイアルから溜りまでの流動体経路を提供する。ハンドルは、溜りの軸方向への動きのために配置されたプランジャヘッドに接続されたプランジャアームに、動作可能に係合可能なように構成され得る。プランジャヘッドは、溜り内部で軸方向に移動可能で、引き込まれると、流体を流体経路を介して引き込む。プランジャアームは、溜りに対して軸方向に動くことができて、プランジャヘッドを溜りの内部で軸方向に動かす。ケースは、設けられると、溜りの後部を包み込んで、同時に、プランジャアームの動きを可能にする。ハンドルは、ケースの少なくとも一部を覆うように構成され得る。移送ガード及びハンドルは、流動体媒体が、ハンドルがプランジャアームに動作可能に係合され且つハンドルが溜りに対して軸方向に動かされると、流動体媒体がバイアルから溜りに移送されるように構成され得る。
【0013】
ケースは、ハンドルがプランジャアームに動作可能に係合することを可能にする開口を有し得る。ハンドルは、プランジャアームを動作可能に係合し且つ離脱させるピボット運動のために構成された係合部を含み得る。ハンドルは、プランジャアームを動作可能に係合し且つ離脱させるピボット運動のために構成されたスライドを含み得る。スライドは、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で動くように適合され得る。係合部は、スライドが第1の位置に動かされるときにプランジャアームを係合するように構成され得る。この第1の位置では、スライドは係合部を、プランジャアームとの係合状態に保持する。係合部は、スライドが第2の位置に動かされるときにプランジャアームを離脱させるように構成され得る。
【0014】
係合部は延長を有し得る。プランジャアームは、ハンドルの係合部がプランジャアームに動作可能に係合するときに延長を受けるアパーチャを有し得る。係合部の延長は、ケースの開口を通って延長して、プランジャアームのアパーチャに動作可能に係合し、且つ、プランジャアームがハンドルによって動かされるにつれて係合部の延長がアパーチャに沿って動くことを可能にする。
【0015】
移送ガードは溜りと係合するための端を有し得る。この端は、溜りを包絡するように構成された本体を備え得る。本体は、溜りが移送ガードの端に接続されて且つ溜りが流動体媒体を含むときに、溜り内の流動体媒体が本体を通して視認可能であることを可能にする。本体は、溜り内の流動体媒体が視認可能であることを許容し、及び/又は、システムの使用中に使用者−患者が溜りにさらなるサポートを提供することを可能にする開口を有し得る。本体は、溜り内の流動体媒体の容積を測定するための一つ又はそれ以上の充填線を有し得る。
【0016】
本発明の第2の局面によれば、チャンバを有する移送ガードを有して流動体媒体を移送するシステムが提供される。移送ガードは、限定されるものではないが、第1の針、第2の針、及び空気流制御システムを含み得る。第1の針は、バイアルの内部容積を溜りの内部容積に接続して、バイアルの内部容積から溜りの内部容積までの流体流経路を提供する。第2の針は、チャンバとバイアルの内部容積とを接続する。空気流制御機構は、チャンバの内部に配置されて、第2の針がチャンバとバイアルとを接続し且つプランジャヘッドが溜りの内部で動かされると一方向に空気が流れることを許容し、バイアルの内部容積から溜りの内部容積まで流動体媒体を移送する。
【0017】
空気流制御機構は、第2の針がチャンバ及びバイアルと接続してプランジャヘッドが溜りの内部で動かされると、チャンバが大気と連通して大気と圧力を等しくすることを許容して、流動体媒体をバイアルの内部容積から溜りの内部容積に移送する。空気流制御機構は、空気が一方向に流れることを可能にするように構成されたメンブレンを備え得る。空気流制御機構は、空気が一方向に流れることを可能にするように構成されたバルブ、例えば、アンブレラバルブ及びダックビルバルブの少なくとも一つを備え得る。
【0018】
本発明の更なる局面によれば、流動体媒体を移送するシステムの製造方法が提供されて、これは、(i)バイアルから溜りまでの流体経路を提供する移送ガードを提供するステップと、(ii)溜りの軸方向への動きのために配置されたプランジャヘッドに接続されたプランジャアームに動作可能に係合可能なように構成されたハンドルを準備するステップと、(iii)プランジャアームが溜りに対して軸方向に動いてプランジャヘッドを溜りの内部で軸方向に動かすことを可能にするように構成されたケースを準備するステップと、(iv)ハンドルがケースの少なくとも一部を覆うように構成するステップと、(v)移送ガードとハンドルとを、ハンドルがプランジャアームに動作可能に係合されてハンドルが溜りに対して軸方向に動かされる場合に、流動体媒体がバイアルから溜りに移送されるように構成するステップと、の少なくとも一つ又は組み合わせを含む。
【0019】
流動体媒体を移送するシステムは、限定されるものではないが、サポート構造、第1の針、第2の針、及び空気流制御機構を含み得る。サポート構造は、チャンバを有し得る。サポート構造は、限定されるものではないが、第1のアダプタ及び第2のアダプタを含み得る。第1のアダプタは、流動体媒体を収容する内部容積を有するバイアルと係合するように適合され得る。第2のアダプタは、流動体媒体を収容する内部容積を有する溜り及び溜りの内部での動きのために配置されたプランジャヘッドと係合するように適合され得る。
【0020】
第1の針は、バイアルの内部容積を溜りの内部容積に接続して、バイアルの内部容積から溜りの内部容積までの流体流経路を提供し得る。第2の針は、チャンバとバイアルの内部容積とを接続し得る。空気流制御機構は、チャンバの内部に配置され得て、第2の針がチャンバとバイアルとを接続し且つプランジャヘッドが溜りの内部で動かされると、一方向に空気が流れることを許容し、バイアルの内部容積から溜りの内部容積まで流動体媒体を移送する。
【0021】
第1の針の少なくとも一部は、第2の針の少なくとも一部の内部に同心円的に配置され得る。第1の針及び第2の針は共通の軸を共有し得る。第1の針の軸と第2の針の軸とは、お互いに平行であり得る。第1の針の軸は、第2の針の軸からオフセットし得る。
【0022】
空気流制御機構は、第2の針がチャンバ及びバイアルと接続してプランジャヘッドが溜り内部で動かされるとチャンバが大気と連通して大気と圧力を等しくすることを可能にするように適合されていて、流動体媒体をバイアルの内部容積から溜りの内部容積に移送する。空気流制御機構は、メンブレンを備え得る。空気流制御機構は、バルブ、例えばアンブレラバルブ及びダックビルバルブの少なくとも一つを備え得る。バルブは、少なくとも第1の位置及び第2の位置の間で移動可能であり得る。チャンバは、バルブが第2の位置にあり且つ流体流経路が確立される場合に、大気と連通し得る。
【0023】
第2のアダプタは、溜りを包絡するように構成された本体を備え得る。本体は、溜りが第2のアダプタに接続されて且つ溜りが流動体媒体を収容していると、溜り内部の流動体媒体が視認可能になることを可能にするように適合され得る。本体は、溜りの内部の流動体媒体が視認可能になることを許容し、及び/又は、システムの使用中に使用者−患者が溜りにさらなるサポートを提供することを可能にする開口を有し得る。本体は、溜り内の流動体媒体の容積を測定するための一つ又はそれ以上の充填線を有し得る。
【0024】
流動体媒体を移送するシステムの製造方法が、限定されるものではないが、(i)チャンバを有するサポート構造をサポートするステップであって、このサポート構造が、流動体媒体を収容する内部容積を有するバイアルと係合するように適合された第1のアダプタと、流動体媒体を収容する内部容積を有する溜り及び溜りの内部での動きのために配置されたプランジャヘッドと係合するように適合された第2のアダプタと、を備えているステップと、(ii)バイアルの内部容積を溜りの内部容積に接続して、バイアルの内部容積から溜りの内部容積までの流体流経路を提供するステップと、(iii)チャンバとバイアルの内部容積とを第2の針で接続するステップと、(iv)チャンバの内部に空気流制御機構を配置構成して、この空気流制御機構を、第2の針がチャンバとバイアルとを接続し且つプランジャヘッドが溜りの内部で動かされると一方向に空気が流れて大気と連通することを可能にするように構成して、バイアルの内部容積から溜りの内部容積まで流動体媒体を移送するステップと、のいずれか一つ又は組み合わせを含み得る。
【0025】
本発明のさらなる局面によれば、注入ポンプのための注入可能液体溜りを再充填する再充填ステーションが提供され、このステーションは、注入可能液体のサプライを含むバイアルと、移送ガードであって、バイアルに係合するように適合された第1のアダプタと、溜りと接続するための第2のアダプタと、バイアルから移送ガードを通って延長されて第2のアダプタから突出している第1の針と、を有する移送ガードと、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ポンプ技術が改善し、医師及び患者−使用者がそのような装置により慣れてくるにつれて、外部医療注入ポンプ治療の人気は増して、次の10年で実質的に増すことが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のある実施形態に従ったシステムの一般化された描写を描く図である。
【図2】本発明のある実施形態に従ったシステムの一例を描く図である。
【図3】本発明のある実施形態に従った送達装置の一例を描く図である。
【図4】本発明のある実施形態に従った送達装置を描く図である。
【図5A】本発明のある実施形態に従った送達装置の恒久的部分を描く図である。
【図5B】本発明のある実施形態に従った送達装置の恒久的部分の断面図を描く図である。
【図5C】本発明のある実施形態に従った送達装置の恒久的部分の断面図を描く図である。
【図6A】本発明のある実施形態に従った送達装置の廃棄可能部分を描く図である。
【図6B】本発明のある実施形態に従った送達装置の廃棄可能部分の断面図を描く図である。
【図6C】本発明のある実施形態に従った送達装置の廃棄可能部分の断面図を描く図である。
【図7】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図8A】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図8B】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図8C】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図9】本発明のある実施形態に従った医療装置を描く図である。
【図10】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部を描く図である。
【図11】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部を描く図である。
【図12】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部を描く図である。
【図13】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図14A】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図14B】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図14C】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【図15】本発明のある実施形態に従った医療装置を使用する際の流れ図を描く図である。
【図16A】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部を描く図である。
【図16B】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部を描く図である。
【図17】本発明のある実施形態に従った医療装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の実施形態が使用され得るシステム10の一般化された描写を描く。システム10は、送達装置12を含む。システム10はさらに、センシング装置14、命令制御装置(CCD)16、及びコンピュータ18を含み得る。送達装置12及びセンシング装置14は、患者又は使用者−患者の身体5の上の所望の位置に固定され得る。図1で送達装置12及びセンシング装置14が患者又は使用者−患者の身体5に固定される位置は、描写的な非限定的な例としてのみ与えられている。
【0029】
システム10、送達装置12、センシング装置14、CCD16、及びコンピュータ18は、以下の米国特許出願に記述されているものと同様であり得る。これらは、本発明の譲渡人に譲渡されており、以下の特許出願の各々は、全体的に参照によって個々に援用されている。(i)2005年8月23日付けで出願された米国特許出願第11/211,095号「廃棄可能部分を有する注入装置及び方法」、(ii)2006年9月1日付けで出願された米国特許出願第11/515,225号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(iii)2006年10月27日付けで出願された米国特許出願第11/588,875号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、(iv)2006年10月27日付けで出願された米国特許出願第11/588,832号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(v)2006年10月27日付けで出願された米国特許出願第11/588,847号「圧縮可能な又は湾曲した溜りまたは導管を有する注入媒体送達装置及び方法」、(vi)2006年10月27日付けで出願された米国特許出願第11/589,323号「注入ポンプ及び方法ならびに送達装置及びそれを使う方法」、(vii)2006年11月20日付けで出願された米国特許出願第11/602,173号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、(viii)2006年11月20日付けで出願された米国特許出願第11/602,052号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、(ix)2006年11月20日付けで出願された米国特許出願第11/602,428号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、(x)2006年11月20日付けで出願された米国特許出願第11/602,113号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、(xi)2006年11月22日付けで出願された米国特許出願第11/604,171号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(xii)2006年11月22日付けで出願された米国特許出願第11/604,172号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(xiii)2006年11月30日付けで出願された米国特許出願第11/606,703号「注入ポンプ及び方法ならびに送達装置及びそれを使う方法」、(xiv)2006年11月30日付けで出願された米国特許出願第11/606,836号「注入ポンプ及び方法ならびに送達装置及びそれを使う方法」、2006年12月8日付けで出願された米国特許出願第11/636,384号「圧縮可能な又は湾曲した溜りまたは導管を有する注入媒体送達装置及び方法」、(xv)2006年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/645,993号「圧縮可能な又は湾曲した溜りまたは導管を有する注入媒体送達装置及び方法」、2006年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/645,972号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法ならびに針挿入器装置及び方法」、(xvi)2006年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/645,052号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法ならびに針挿入器装置及び方法」、(xvii)2006年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/645,435号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法ならびに針挿入器装置及び方法」、(xviii)2006年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/646,000号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法ならびに針挿入器装置及び方法」、(xix)2007年1月7日付けで出願された米国特許出願第11/759,725号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(xx)2006年11月30日付けで出願された米国特許出願第11/606,837号「埋め込み可能なセンサ装置の完全さを向上する方法及び装置」、(xxi)2007年2月5日付けで出願された米国特許出願第11/702,713号「制御された失敗のための選択的なポッティング及びそれを利用した電子装置」、(xxii)2007年8月22日付けで出願された米国特許出願第11/843,601号「センサの再校正のためのシステム及び方法」、(xxiii)2007年10月8日付けで出願された米国特許出願第11/868,898号「多層基板」、(xxiv)2007年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/964,649号「溜りの気泡管理を可能にするシステム及び方法」、(xxv)2008年4月29日付けで出願された米国特許出願第12/111,751号「溜りの充填のためのシステム及び方法」、(xxvi)2008年4月29日付けで出願された米国特許出願第12/111,815号「溜りの気泡管理を可能にするシステム及び方法」、(xxvii)2007年10月25日付けで出願された米国特許出願第11/924,402号「センサ基板及びその製造方法」、(xxviii)2007年10月30日付けで出願された米国特許出願第11/929,428号「可変パラメータを有するテレメトリシステム及び方法」、(xxix)2007年12月27日付けで出願された米国特許出願第11/965,578号「溜り圧力等価システム及び方法」、(xxx)2008年4月22日付けで出願された米国特許出願第12/107,580号「自動充填システム及び方法」、(xxxi)2007年12月26日付けで出願された米国特許出願第11/964,663号「フルオプション及び選択的な可能化/不可能化を有する医療装置」、(xxxii)2002年6月26日付けで出願された米国特許出願第10/180,732号「注入ポンプ、電解質モニタ、電解質メータなどとのインターフェースを取るための通信ステーション及びソフトウエア」、(xxxiii)2008年4月8日付けで出願された米国特許出願第12/099,738号「溜りの気泡管理を可能にするシステム及び方法」、(xxxiv)2008年2月7日付けで出願された米国特許出願第12/027,963号「接着パッチシステム及び方法」、(xxxv)2008年5月15日付けで出願された米国特許出願第12/121,647号「マルチルーメンカテーテル」、(xxxvi)2008年4月11日付けで出願された米国予備特許出願第61/044,269号「溜りプランジャヘッドシステム及び方法」、(xxxvii)2008年4月11日付けで出願された米国特許出願第61/044,292号「溜りバリア層システム及び方法」、(xxxviii)2008年4月11日付けで出願された米国予備特許出願第61/044,322号「溜りシール保持器システム及び方法」、(xxxix)2008年7月24日付けで出願された米国特許出願第12/179,502号「マトリクスプロテインを調合及び不活性化する方法ならびにセンサでの使用のためのマトリクスプロテイン」、(xl)2008年12月16日付けで出願された米国特許出願第12/336,367号「針挿入システム及び方法」、(xli)2008年7月1日付けで出願された米国特許出願第12/166,210号「制御された失敗のための電子装置」、(xlii)2008年11月14日付けで出願された米国特許出願第12/271,134号「電気めっきされた犠牲構造を使用した多層回路装置及び製造方法」、(xliii)2008年7月11日付けで出願された米国特許出願第12/171,971号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法、ならびに針挿入器装置及び方法」、(xliv)2008年8月8日付けで出願された米国特許出願第12/189,077号「パッケージングシステム」、(xlv)2008年7月24日付けで出願された米国特許出願第12/179,536号「リアルタイム自己調節校正アルゴリズム」、(xlvii)2008年11月24日付けで出願された米国特許出願第12/277,186号「針挿入器を有する注入媒体送達システム、装置及び方法、ならびに針挿入器装置及び方法」、(xlviii)2008年9月16日付けで出願された米国特許出願第12/211,783号「埋め込み可能なセンサ方法及びシステム」、(xlix)2008年10月8日付けで出願された米国特許出願第12/247,945号「溜り内のプランジャを駆動するための駆動装置を有する注入媒体送達装置及び方法」、(l)2009年1月26日付けで出願された米国特許出願第12/360,077号「溜りバリア層システム及び方法」、(li)2008年12月29日付けで出願された米国特許出願第12/345,362号「溜りシール保持器システム及び方法」、(lii)2009年1月13日付けで出願された米国特許出願第12/353,181号「溜りの充填及び注入媒体の送達を可能にするシステム及び方法」、ならびに(liii)2009年1月27日付けで出願された米国特許出願第12/360,813号「他点注入セット装置及びプロセス」。他の配置構成では、システム10、送達装置12、センシング装置14、CCD16、及びコンピュータ18は、他の適切な構成を有し得る。
【0030】
送達装置12は、使用者−患者7の身体5に流動体媒体を送達するように構成され得る。流動体媒体は、液体、流体、ジェルなどを含み得る。流動体媒体は、疾病又は医療状態を治療するための薬又は薬物を含み得る。例えば、流動体媒体は糖尿病を治療するためのインシュリンを含み得て、または、痛み、がん、肺の疾病、HIVなどを治療するための薬物を含み得る。流動体媒体は、栄養サプリメント、染料、追跡媒体、塩水媒体、含水媒体などを含み得る。
【0031】
センシング装置14は、センサデータ又はモニタデータを提供するセンサ、モニタなどを含み得る。センシング装置14は、使用者−患者7の状態をセンシングするように構成され得る。例えば、センシング装置14は、使用者−患者7の血中グルコースレベルなどのような生物学的状態に反応するエレクトロニクス及び酵素を含み得る。
【0032】
センシング装置14は、送達装置12が使用者−患者7の身体5に固定されている位置からは離れた位置で、使用者−患者7の身体5に固定され得るか、又は使用者−患者7の身体5に埋め込まれ得る。様々な他の配置構成では、センシング装置14は送達装置12の中に組み込まれ得る。あるいは、センシング装置14は送達装置12とは別個で且つ離れ得て、例えば、CCD16の一部であり得る。そのような配置構成では、センシング装置14は、生物学的なサンプル、例えばアナライトなどを受け取って使用者−患者7の状態を測定するように構成され得る。
【0033】
センシング装置14及び/又は送達装置12は、閉ループシステムを利用し得る。センシング装置及び/又は送達装置の例は、以下の参照文献に見出され得るが、これらに限定されるものではない。(i)「電気化学センサ及びその完全性テスト」という名称の米国特許第6,088,608号、(ii)「改良された外部表面のために改良された長寿命を有する埋め込み可能な酵素に基づくモニタリングシステム」という名称の米国特許第6,119,028号、(iii)「長期間使用に適合された埋め込み可能な酵素に基づくモニタリングシステム」という名称の米国特許第6,589,229号、(iv)「閉ループ注入調合送達を提供するシステム及び方法」という名称の米国特許第6,740,072号、(v)「閉ループ注入ポンプ制御のための安全限界」という名称の米国特許第6,827,702号、(vi)「センサ基板及びその製造方法」という名称の米国特許第7,323,142号、(vii)1999年7月22日付けで出願された「基板センサ」という名称の米国特許出願第09/360,342号、ならびに(viii)2001年9月7日付けで出願された「センシング装置及び方法」という名称の米国予備特許出願第60/318,060号。これらは全て、全体として参照によってここに援用される。
【0034】
センシング装置14は、血中グルコースレベルなど(これに限定されるものではない)のような使用者−患者7の状態をセンシングするために構成され得る。送達装置12は、センシング装置14によってセンシングされた状態に応答して、流動体媒体を送達するように構成され得る。今度は、センシング装置14は使用者−患者の新しい状態をセンシングし続け得て、送達装置12が、センシング装置14によって無限にセンシングされた新しい状態に応答して連続して流動体媒体を送達することを可能にする。センシング装置14及び/又は送達装置12は、一日のある部分のみに対して、例えば使用者−患者が眠っているか又は起きているときのみに、閉ループを利用するように構成される。
【0035】
送達装置12、センシング装置14、CCD16、及びコンピュータ18の各々は、システム10の他の構成要素との通信を可能にする送信機、受信機、又は送受信機エレクトロニクスを含み得る。センシング装置14は、センサデータ又はモニタデータを送達装置12に送信するように構成され得る。センシング装置14はまた、CCD16と通信するようにも構成され得る。送達装置12は、センサデータを分析して、センサデータ及び/又はプログラムされた送達ルーチンに基づいて使用者−患者7の身体5に流動体媒体を送達するように構成されたエレクトロニクス及びソフトウエアを含み得る。
【0036】
CCD16及びコンピュータ18は、処理、送達ルーチンの記憶を実行し、且つ送達装置12を制御するように構成されたエレクトロニクス及びその他の構成要素を含み得る。CCD16及び/又はコンピュータ18に制御機能を含むことによって、送達装置12は単純なエレクトロニクスで形成され得る。しかし、いくつかの配置構成では、送達装置12は全ての制御機能を含み得て、CCD16及びコンピュータ18なしに機能し得る。CCD16はポータブルなエレクトロニクス装置であり得る。加えて、送達装置12及び/又はセンシング装置14は、CCD16及び/又はコンピュータ18によってデータを表示又は処理するために、CCD16及び/又はコンピュータ18にデータを送信するように構成され得る。
【0037】
センシング装置14はCCD16と一体化され得る。そのような配置構成は、使用者−患者が、例えば彼又は彼女の血液のサンプルをセンシング装置14に提供して彼又は彼女の状態を評価することによって状態をモニタすることを許容し得る。センシング装置14及びCCD16は、送達装置12とセンシング装置14及び/又はCCD16との間のワイヤ又はケーブル接続無しの使用又は必要性なしに、使用者−患者の血液及び/又は血液流体におけるグルコースレベルを決定するためのものであり得る。
【0038】
CCD16は、薬物送達システムを使用者−患者が引き続いて使用することを容易にする情報を、使用者−患者に提供するためのものであり得る。例えば、CCD16は、使用者−患者の身体に与えられるべき薬剤のレート又はドーズを使用者−患者が決定することを可能にする情報を、使用者−患者に提供し得る。他の実施形態では、CCD16は、使用者−患者の身体に与えられるべき薬剤のレート又はドーズを制御するために、送達装置12に情報を提供し得る。
【0039】
通信及び/又は制御能力のタイプの例、ならびに装置の特徴セット及び/又はプログラムのオプションは、以下の参考文献に見出され得る。(i)2003年5月27日付けで出願された「リモートプログラミング、ボーラス推定器及び/又は警告能力を有する外部注入装置」という名称の米国特許出願第10/445,477号、(ii)2003年5月5日付けで出願された「医療装置を有する形態個人データ端末(PDA)ならびにそれを使用する方法」という名称の米国特許出願第10/429,385号、ならびに(iii)2001年3月21日付けで出願された「注入装置のための制御タブ及びそれを使用する方法」という名称の米国特許出願第09/813,660号。これらは全て、全体として参照によってここに援用される。
【0040】
図2は、送達装置12及びセンシング装置14を含むシステム10の一例を描く。送達装置12は、廃棄可能ハウジング20、恒久的ハウジング30、及び溜りシステム40を含む。送達装置12は、さらに注入経路50を含み得る。
【0041】
送達装置12の動作の間に通常は使用者−患者の身体に接触するか又は通常は流動体媒体に接触する送達装置12の要素は、送達装置12の廃棄可能部分と考えられ得る。例えば、送達装置12の廃棄可能部分は、廃棄可能ハウジング20及び溜りシステム40を含み得る。送達装置12の廃棄可能部分は、特定の使用回数の後に、廃棄が推奨され得る。
【0042】
一方、送達装置12の動作の間に通常は使用者−患者の身体又は流動体媒体に接触しない送達装置12の要素は、送達装置12の恒久的部分と考えられ得る。例えば、送達装置12の恒久的部分は、恒久的ハウジング30、エレクトロニクス(図2には図示されず)、モータ及び駆動リンケージを有する駆動装置(図2には図示されず)などを含み得る。送達装置12の恒久的ハウジング部分の要素は、典型的には、送達装置12の通常の動作の間に使用者−患者又は流動体媒体との接触から汚染されることは無く、これより、送達装置12の交換された廃棄可能部分とともに再利用のために保持され得る。
【0043】
いくつかの配置構成では、廃棄可能ハウジング20は溜りシステム40をサポートして、使用者−患者の身体に固定されるように構成された底面(図2では下向き且つ紙面方向に向いている)を有する。接着剤が、廃棄可能ハウジング20の底面と使用者−患者の皮膚との間で使用され得て、廃棄可能ハウジング20を使用者−患者の皮膚に接着する。接着剤は、廃棄可能ハウジング20の底面に、接着剤材料を覆う剥離可能カバー層とともに設けられ得る。この方法では、接着剤材料を暴露するためにカバー層が剥離され得て、廃棄可能ハウジング20の接着側が使用者−患者に対して、例えば使用者−患者の皮膚に対して配置され得る。これより、いくつかの配置構成では、送達装置12は使用者−患者の皮膚に取り付けられ得る。
【0044】
いくつかの配置構成では、送達装置12の廃棄可能ハウジング20及び/又は残りの部分は、使用者−患者の着衣の上又はその下に着られるか又はその他の方法で取り付けられ得る。同様に、送達装置12は、ベルトの上に、ポケットの中に、などのような(これに限定されるものではない)任意の適切な方法でサポートされ得る。そのような送達装置12の代表的な例は、MiniMed Paradigm 522 Insulin Pump、MiniMed Paradigm 722 Insulin Pump、MiniMed Paradigm 515 Insulin Pump、MiniMed Paradigm 715 Insulin Pump、MiniMed Paradigm 512R Insulin Pump、MiniMed Paradigm 712R Insulin Pump、MiniMed Paradigm 508 Insulin Pump、MiniMed Paradigm 508R Insulin Pump、及びその任意の他の派生品を含み得る。
【0045】
溜りシステム40はインシュリンのような(これに限定されるものではない)流動体媒体を収容又は保持するように構成される。様々な配置構成では、溜りシステム40は、円筒形の容積、チューブ状の容積などのような(これに限定されるものではない)流動体媒体を受け取るための中空の内部容積を有する。溜りシステム40は、流動体媒体を収容するためにカートリッジ又はキャニスタとして提供され得る。様々な配置構成では、溜りシステム40は流動体媒体で再充填されることができる。あるいは、溜りシステム40は流動体媒体であらかじめ充填される。
【0046】
溜りシステム40は、任意の適切な方法で、廃棄可能ハウジング20によってサポートされ得る。例えば、廃棄可能ハウジング20には、溜りシステム40を保持するための突起又は支柱(図示せず)、又はうね形状(図示せず)が設けられ得る。いくつかの配置構成では、溜りシステム40は、溜りシステム40が廃棄可能ハウジング20から取り外されて他の溜りと交換されることを可能にする方法で、廃棄可能ハウジング20によってサポートされ得る。あるいは、又は加えて、溜りシステム40は、適切な接着剤、ストラップ、又はその他の結合構造によって、廃棄可能ハウジング20に固定され得る。
【0047】
様々な実施形態では、溜りシステム40は、流動体媒体が溜りシステム40の内部容積に流れ込み及び/又はそこから流れ出すことを可能にするポート41を含む。いくつかの実施形態では、注入経路50は、コネクタ56、チューブ54、及び針装置52を含む。注入経路50のコネクタ56は、溜りシステム40のポート41に接続可能であり得る。いくつかの配置構成では、廃棄可能ハウジング20は、溜りシステム40のポート41の近くに開口を有するように構成されて、注入経路50のコネクタ56が選択的に溜りシステム40のポートに接続され且つそこから切り離されることを可能にする。
【0048】
いくつかの配置構成では、溜りシステム40のポート41は、自己シール隔膜などのような隔膜(図2には図示せず)で覆われるか又はそれをサポートする。隔膜は、隔膜が穿孔されていないときに、流動体媒体が溜りシステム40からポート41を通って流れ出ることを妨げる。加えて、いくつかの配置構成では、注入経路50のコネクタ56が針を含み、これが溜りシステム40のポート41を覆う隔膜を穿孔して、流動体媒体が溜りシステム40の内部容積から流れ出ることを可能にする。
【0049】
針/隔膜コネクタの例は、2003年12月22日付けで出願された「溜りコネクタ」という名称の米国特許出願第10/328,393号に見つけることができて、これは全体として参照によってここに援用される。他の代替としては、ルーア(Luer)ロックなどのような非隔膜コネクタが使用され得る。いくつかの配置構成では、注入経路50の針装置52は、使用者−患者の皮膚に点を入れることができる針を含む。加えて、さまざまな配置構成では、チューブ54がコネクタ56を針装置52で接続し、注入経路50が溜りシステム40から使用者−患者の身体への流動体媒体の送達を可能にする経路を提供することができるように、中空である。
【0050】
送達装置12の恒久的ハウジング30は、廃棄可能ハウジング20と係合してそこに固定されるように構成されたハウジングシェルを含み得る。恒久的ハウジング30及び廃棄可能ハウジング20には、対応する形状の溝、ノッチ、タブ、又はその他の適切な形状が設けられ得て、これらは、2つの部分が、2つのハウジングを一緒に手作業で押え付けることによって、接続をねじるか又はねじ留めすることによって、又は機械的な技術分野でよく知られた部品の他の適切な接続方法によって、容易に一緒に接続することを可能にする。
【0051】
恒久的ハウジング30及び廃棄可能ハウジング20は、ねじり動作を使用してお互いに接続され得る。恒久的ハウジング30及び廃棄可能ハウジング20は、2つのハウジングをお互いから切り離すために十分な力が印加されると、お互いから分離可能であるように構成され得る。例えば、恒久的ハウジング30及び廃棄可能ハウジング20は、摩擦フィットによって一緒にスナップされ得る。Oリングシールのような適切なシールが、恒久的ハウジング30及び/又は廃棄可能ハウジング20の周縁エッジに沿って配置され得て、恒久的ハウジング30と廃棄可能ハウジング20との間に水が浸入することを妨げるシールを提供する。
【0052】
送達装置12の恒久的ハウジング30は、モータ及び駆動装置リンケージ部を含む駆動装置(図2には図示せず)を含み得て、これは、溜りシステム40の内部の流動体媒体に力を印加して、使用者−患者への送達のために流動体媒体を溜りシステム40から注入経路50のような注入経路の中に動かす。例えば、電気的に駆動されるモータが、溜りシステム40の内部にあるプランジャヘッド(図2には図示せず)に接続されたプランジャアーム(図2には図示せず)にモータを動作可能に結合する適当なリンケージとともに恒久的ハウジング30の内部に搭載され得て、プランジャヘッドをある方向に駆動して、流動体媒体を溜りシステム40のポート41から使用者−患者まで動かす。
【0053】
また、モータは、流体を患者から溜りシステム40の中に引き出させるように、方向を逆転してプランジャアーム及びプランジャヘッドを動かすように制御可能であり得る。モータは恒久的ハウジング30の内部に配置され得て、溜りシステム40が、使用者−患者が送達装置12の恒久的ハウジング30を廃棄可能ハウジング20に接続するとモータとプランジャヘッドの適切なリンケージを通した動作可能な係合が自動的に生じるように、対応するように廃棄可能ハウジング20の内部に配置され得る。リンケージ及び制御構造の更なる例は、2001年3月21日付けで出願された「注入装置のための制御タブ及びその使用方法」という名称の米国特許出願第09/813,660号に見出され得て、これは、全体として参照によってここに援用される。
【0054】
恒久的ハウジング30及び廃棄可能ハウジング20は、上述のように、効果的に一緒に接続し且つ切り離すために十分な柔軟性及び抵抗性を提供しながら、その形状を維持する適切に堅い材料から形成され得る。廃棄可能ハウジング20の材料は、皮膚との適切な親和性について選択され得る。例えば、送達装置12の廃棄可能ハウジング20及び恒久的ハウジング30は、適切なプラスチック、金属、複合材料などから形成され得る。廃棄可能ハウジング20は、恒久的ハウジング30に対して同じタイプの材料又は異なる材料から形成され得る。いくつかの配置構成では、廃棄可能ハウジング20及び恒久的ハウジング30は、射出成型又はその他の成型プロセス、機械加工プロセス、又はそれらの組み合わせによって製造され得る。
【0055】
例えば、廃棄可能ハウジング20は、柔軟性のあるシリコーン、プラスチック、ゴム、合成ゴムなどのような比較的柔軟性のある材料から形成され得る。廃棄可能ハウジング20を使用者−患者の皮膚に沿って変形することができる材料で形成することによって、廃棄可能ハウジング20が使用者−患者の皮膚に固定されるときに、使用者−患者のより大きなレベルの快適さが達成され得る。加えて、柔軟な廃棄可能ハウジング20は、使用者−患者の身体の上で廃棄可能ハウジング20が固定され得る場所のオプションを増す結果となり得る。
【0056】
図2に描かれた配置構成において、送達装置12は、センシング装置14の接続要素17を通してセンシング装置14に接続されている。センシング装置14は、送達装置14によって与えられるべき治療の性質に依存した任意の適切な生物学的又は環境的なセンシング装置を含むセンサ15を含み得る。例えば、糖尿病の患者にインシュリンを送達するという場合には、センサ15は血中グルコースセンサなどを含み得る。
【0057】
センサ15は、連続グルコースセンサを含み得る。連続グルコースセンサは、使用者−患者の身体の内部に埋め込まれ得る。あるいは、連続グルコースセンサは外部に、例えば使用者−患者の皮膚に配置され得るか、又は使用者−患者の衣服に取り付けられ得る。そのような配置構成では、流体は使用者−患者から連続して流れて連続グルコースセンサによってセンシングされ得る。連続グルコースセンサは、連続してセンシングし及び/又はCCD16と通信するように構成され得る。あるいは、連続グルコースセンサは、間欠的にセンシングし及び/又はCCD16と通信するように構成され得て、例えば数分毎にグルコースレベルをセンシングして情報を通信する。連続グルコースセンサは、グルコースオキシダーゼを利用し得る。
【0058】
センサ15は、使用者−患者の皮膚に固定される外部センサであり得て、あるいは、使用者−患者の身体の内部の埋め込み位置に配置される埋め込み可能なセンサであり得る。さらなる代案では、センサは、2005年6月8日付けで出願された「二重挿入セット」という名称の米国特許出願第11/149,119号に示されている例のように、注入カニューレ及び/又は針の一部として又はそれと共に、含まれ得る。なお、この文献は、全体として参照によってここに援用される。図2に描かれているように、センサ15は、使用者−患者の皮膚と隔膜とを穿孔する針と、使用者−患者の血中グルコースレベルなどのような生物学的な状態に反応するエレクトロニクスとを含む廃棄可能な針パッドを有する外部センサである。このようにして、送達装置12には、送達装置12が使用者−患者に固定されている位置から離れた場所で使用者−患者に固定されたセンサ15からのセンサデータが提供され得る。
【0059】
図2に示された配置構成が、送達装置12の恒久的ハウジング30の内部に位置するセンサエレクトロニクス(図2には図示せず)にセンサデータを提供するために接続要素17によって接続されたセンサ15を含むが、他の配置構成は、送達装置12の内部に置かれたセンサ15を利用し得る。さらに他の配置構成は、送達装置12の恒久的ハウジング30の内部に位置する受信機エレクトロニクス(図2には図示せず)にワイヤレス通信リンクによってセンサデータを通信する送信機を有するセンサ15を利用し得る。送達装置12の恒久的ハウジング30の内部のセンサ15と受信機エレクトロニクスとの間のワイヤレス接続は、無線周波数(RF)接続、光接続、又はその他の適切なワイヤレス通信リンクを含み得る。記述された配置構成はセンシング装置14を利用する必要は無く、その代わりに、センサデータを使用せずに流動体媒体の送達機能を提供し得る。
【0060】
上述のように、送達装置12の廃棄可能要素を恒久的要素から分離することによって、廃棄可能要素は廃棄可能ハウジング20に配置され得て、恒久的要素は分かれた恒久的ハウジング30の内部に配置され得る。これに関して、送達装置12の所定の使用回数の後に、廃棄可能ハウジング20は恒久的ハウジング30から分離され得て、廃棄可能ハウジング20は適切な方法で廃棄され得る。恒久的ハウジング30はそれから、使用者−患者へのさらなる送達機能のために、新しい(未使用の)廃棄可能ハウジング20と係合され得る。
【0061】
図3は、送達装置12の例を描いている。図3の送達装置12は、図2の送達装置12と同様である。図2に描かれた送達装置12が溜りシステム40を覆う恒久的ハウジング30を提供する一方で、図3の送達装置12は、溜りシステム40を覆うこと無く廃棄可能ハウジング20に固定される恒久的ハウジング30を提供する。図3に描かれた送達装置12は廃棄可能ハウジング20を含み、図3に描かれた廃棄可能ハウジング20はベース21及び溜り保持部24を含む。ベース21及び溜り保持部24は、単一の一体構造として形成され得る。
【0062】
廃棄可能ハウジング20のベース21は、使用者−患者の身体に固定されるように構成される。廃棄可能ハウジング20の溜り保持部24は、溜りシステム40を収容するように構成される。溜りシステム40が溜り保持部24を収容する一方で、廃棄可能ハウジング20の溜り保持部24は、溜りシステム40のポートが溜り保持部24の外部からアクセスされることを可能にする開口を有するように構成され得る。恒久的ハウジング30は、廃棄可能ハウジング20のベース21に取り付け可能で且つそこから取り外し可能に構成され得る。図3に描かれた送達装置12は、溜りシステム40の内部のプランジャヘッド(図3には図示せず)に接続されているか又は接続可能なプランジャアーム60を含む。
【0063】
図4は、図3の送達装置12の他の様子を描いている。図4に描かれた送達装置12は、廃棄可能ハウジング20、恒久的ハウジング30、及び注入経路50を含む。図4の廃棄可能ハウジング20は、ベース21、溜り保持部24、及び剥離可能カバー層25を含む。剥離可能カバー層25は、ベース21の底面22の上の接着材料を覆い得る。剥離可能カバー層25は、使用者-患者によって剥離可能でベース21の底面22の上の接着材料を露出するように構成され得る。剥離可能層によって分けられた複数の接着層が、ベース21の底面22に存在し得る。
【0064】
図4に描かれた注入経路50は、図2に示されたコネクタ56、チューブ54、及び針装置52の代わりに、針58を含む。廃棄可能ハウジング20のベース21には針58の先端に位置合わせされた開口又は穿孔可能壁が設けられ得て、針58が、延長されると、ベース21を通過してベース21の下の使用者−患者の皮膚の中に進むことを可能にする。このようにして、針58は、使用者−患者の皮膚を穿孔して流動体媒体を使用者−患者に送達するために使用され得る。
【0065】
あるいは、針58は、針58で使用者−患者の皮膚を穿孔すると中空のカニューレの端が針58によって使用者−患者の皮膚を通ってガイドされるように、中空のカニューレ(図4には図示せず)を通って延長され得る。その後に、針58は取り除かれ得て、中空のカニューレを残し、カニューレの一方の端が使用者−患者の身体の中に位置して、カニューレの他方の端が溜りシステム40の内部の流動体媒体と流体流連通して、溜りシステム40からポンピングされた注入媒体を使用者−患者の身体に運ぶ。
【0066】
図5Aは、送達装置12(図3を参照のこと)の恒久的部分8を描いている。図5Bは、その恒久的部分8の断面図を描いている。図5Cは、恒久的部分8の他の断面図を描いている。図5A、図5B、及び図5Cに関して、恒久的部分8は恒久的ハウジング30及び駆動装置80を含む。駆動装置80はモータ84及び駆動装置リンケージ部82を含む。
【0067】
恒久的ハウジング30は、モータ84、駆動装置リンケージ部82、他のエレクトロニクス回路、及び電源(図5A、図5B、及び図5Cには図示せず)を収容するための内部容積を含み得る。加えて、恒久的ハウジング30は、プランジャアーム60(図3を参照)を受けるための開口32を有するように構成され得る。加えて、様々な配置構成では、恒久的ハウジング30は、廃棄可能ハウジング20(図3を参照)に接続するためのタブ、挿入孔などのような一つ又はそれ以上の接続部材34を含み得る。
【0068】
図6Aは、送達装置12の廃棄可能部分(図3を参照)を描いている。図6Bは、廃棄可能部分9の断面図を描いている。図6Cは、廃棄可能部分9の他の断面図を描いている。図6A、図6B、及び図6Cを参照すると、廃棄可能部分9は廃棄可能ハウジング20を含む。溜りシステム40、プランジャアーム60、及びプランジャヘッド70。廃棄可能ハウジング20は、ベース21及び溜り保持部24を含み得る。いくつかの配置構成では、ベース21は、恒久的ハウジング30の一つ又はそれ以上の接続部材34との接続を可能にするためのタブ、溝などのような一つ又はそれ以上の接続部材36を有する頂面23を含む。
【0069】
いくつかの配置構成では、溜りシステム40は廃棄可能ハウジング20の溜り保持部24の内部に収容され、溜りシステム40は流動体媒体を保持するように構成される。加えて、プランジャヘッド70が、少なくとも部分的に溜りシステム40の内部に配置され得て、且つ溜りシステム40の内部で移動可能で流動体媒体が溜りシステム40を充填し且つ流動体媒体を溜りシステム40から流れ出させることを可能にする。プランジャアーム60は、プランジャヘッド70に接続されているか又は接続可能である。
【0070】
また、いくつかの配置構成では、プランジャアーム60の一部は廃棄可能ハウジング20の溜り保持部24の外に延長する。プランジャアーム60は、駆動装置80(図5Cを参照)の駆動装置リンケージ部82と係合する係合部を有し得る。図5C及び図6Cを参照すると、恒久的ハウジング30は廃棄可能ハウジング20にスナップフィットされ得て、その際には駆動装置リンケージ部82がプランジャアーム60の係合部に自動的に係合する。
【0071】
恒久的ハウジング30と廃棄可能ハウジング20とが一緒にフィットし、駆動装置リンケージ部82がプランジャアーム60と係合又は係合すると、モータ84は、駆動装置リンケージ部82を駆動して、これによりプランジャアーム60を動かしてプランジャヘッド70を溜りシステム40の内部で動かすように、制御され得る。溜りシステム40の内部容積が流動体媒体で満たされており、且つ注入経路が溜りシステム40から使用者−患者の身体まで提供されていると、プランジャヘッド0は溜りシステム40の内部で動かされ得て、流動体媒体を溜りシステム40から注入経路に動かして、使用者−患者の身体に流動体媒体を送達する。
【0072】
溜りシステム40が十分に空になるか、又はその他の方法で交換を必要とするようになると、使用者−患者は、単純に恒久的ハウジング30を廃棄可能ハウジング20から取り外して、溜りシステム40を含む廃棄可能部9を新しい溜りを有する新しい廃棄可能部と交換し得る。恒久的ハウジング30は、新しい廃棄可能部の新しい廃棄可能ハウジングに接続され得て、新しい廃棄可能部を含む送達装置は、使用者−患者の皮膚に固定され得るか、又はその他の方法で使用者−患者に取り付けられ得る。
【0073】
本発明の様々な配置構成によると、溜りシステム40が空になるたびに廃棄可能部9の全体を交換する代わりに、溜りシステム40が流動体媒体で再充填され得る。いくつかの配置構成では、溜りシステム40は、廃棄可能ハウジング20の溜り保持部24(図6Bを参照)の内部に残っている間に、再充填され得る。あるいは又は加えて、廃棄可能ハウジング20が新しい溜りを一緒に再利用され得る一方で、溜りシステム40は新しい溜り(図示せず)と交換され得る。そのような場合、新しい溜りは廃棄可能部分9に挿入され得る。
【0074】
図3、図5A、図6B、及び図6Cを参照すると、送達装置12は溜りステータス回路(図示せず)を含み得て、溜りシステム40は溜り回路(図示せず)を含み得る。溜り回路は、(i)溜りシステム40を特定する特定ストリング、(ii)溜りシステム40の製造者、(iii)溜りシステム40の内容物、及び(iv)溜りシステム40の内容物の量、の少なくとも一つのような(これらに限定されるものではない)情報を記憶する。送達装置12は、溜りシステム40が廃棄可能部分9に挿入されると溜り回路からデータを読み取るように構成された溜りステータス回路(図示せず)を含み得る。
【0075】
溜りステータス回路は、溜りシステム40の内容物の少なくともいくらかが溜りシステム40から外に送達された後に、溜りシステム40に依然として残っている内容物の量に関する溜りシステムの情報を更新するように、溜り回路にデータを記憶するように構成され得る。溜りステータス回路は、溜りシステム40が廃棄可能部分9に挿入されると、溜り回路にデータを記憶し、溜りシステム40に残っている内容物の量に関する溜りシステムの情報を更新するように、構成され得る。送達装置12は溜りステータス回路(図示せず)を含み得て、溜りシステム40は溜り回路(図示せず)を含み得て、溜りステータス回路は、溜り回路から溜りステータス回路によって読み取られた情報に基づいて、送達装置12の使用を選択的に禁止するか、又は選択的に警告信号を提供する。
【0076】
図7〜図8Cは、図2〜図6の溜りシステム40を流動体媒体で再充填するために使用され得るシステム100を描いている。このシステム100は、本開示を通して論じられている医療装置システム(例えば図1〜図6Cの送達装置12)に類似の、その実施形態として利用されるような、及び/又はそれとともに使用されるような、特徴を有し得る。システム100は図1〜図6Cの配置構成に類似の又はそれと共に使用される特徴を含み得るが、システム100がまた、図9〜図17の実施形態で示されて論じられるものと同じ特徴のいくつか又は全てを含み得て、且つ、それと類似の方法で動作し得ることを理解されたい。加えて、図1〜図6C及び図9〜図17に示された特徴のいくつか又は全ては、様々な方法で組み合わせられ得て、且つ図7〜図8Cに示された実施形態に含まれ得る。同様に、図7〜図8Cの実施形態の特徴のいずれかが、図7〜図8Cの他の実施形態のいずれかに、ならびにここで論じられている他の実施形態に、組み合わせられるか又はその他の方法で組み込まれ得ることを理解されたい。
【0077】
図7に描かれているように、システム100は、バイアル140、移送ガード160、及び溜り180を含むが、これに限定されるものではない。バイアル140は、バイアル140のポート142に位置する隔膜144を含む。バイアル140は、流動体媒体を含む内部容積145を有する。溜り180(図6の溜りシステム40に対応する)は、流動体媒体を含む内部容積185を有する。溜り180は、一様な直径の円筒形状の壁を有する本体部分を有し、これは一端で、低減された直径を有するネック部分ポート182に合体している。ネック部分ポート182の内部で、溜り180は隔膜184を含み、これが溜りの端で穿孔可能なクロージャを形成する。
【0078】
プランジャヘッド190は溜り180の本体部分の内部に位置して、溜り180の内部で軸方向に移動可能で、溜り180の内部容積185を拡張又は収縮させる。プランジャヘッド190は、プランジャアーム110に取り付けられているか、又は一体化され得る。ハンドル(図示せず)が、プランジャアーム110に動作可能に接続され得る。
【0079】
プランジャヘッド190は、溜り180の本体部分の壁に接触したOリングなどのような少なくとも一つのシール部材199を含む。溜り本体180の内部容積185は、一方の軸方向の端ではシール部材199によって境界が区切られ、他方の軸方向の端では隔膜184によって境界が区切られる。溜り180は、溜り180の内部容積185からシール部材199の反対側に位置するチャンバ187を有する。シール部材199は、溜り180の本体部分の内部におけるプランジャヘッドの動きを許容しながら、流動体媒体が内部容積185から溜り180のチャンバ187に流れることを防ぐ。
【0080】
移送ガード160は、第1の端162及び第2の端170を有する本体165を備える。各端は、バイアル140及び溜り180にそれぞれ係合するドッキングステーションとして構成され得る。
【0081】
移送ガード160は針152を含み、これが移送ガード160を通過して両端から突出し、バイアル140の内部容積145から溜り180の内部容積185への流体経路を提供する。移送ガード160は、バイアル140が移送ガード160に取り付けられるか又はその他の方法で係合されると、針152が自動的にバイアル140の隔膜144を穿孔するように構成され得る。移送ガード160はさらに、溜り180が移送ガード160に取り付けられるか又はその他の方法で係合されると、針152が自動的に溜り180の隔膜184を穿孔するように構成され得る。これより、移送ガード160は、バイアル140から溜り180まで針152を通った流体経路を生成する。
【0082】
例えば図7に示されるようないくつかの配置構成では、移送ガード160は第2の針156を含むが、この第2の針は省略され得る。第2の針156は、バイアル140が移送ガード160に取り付けられると自動的にバイアル140の隔膜144を穿孔するように構成され得る。使用時には、移送ガード160が最初に満タンのバイアル140に接続されると、第2の針156の一端が、バイアル140の内部容積145内部の流動体媒体の上方のバイアル140のヘッドスペース147内部に延長する。あるいは、第2の針156の端は、移送ガード160がバイアル140に接続される場合に、バイアル140の内部容積145内部の流動体媒体に接触し得る。
【0083】
第2の針156の他端は、一方通行バルブなどのようなチェックバルブ154に接続され得る。チェックバルブ154は、空気が第2の針156を通ってバイアル140の内部容積145に入ることを可能にする。チェックバルブ154はまた、液体が第2の針156及び/又はチェックバルブ154を通ってバイアル140の外に出ることを、実質的に妨げ得る。したがって、第2の針156は、バイアル140のヘッドスペース147又は内部容積145を大気中に排気することを許容し得て、バイアル140から溜り180への流動体媒体の移送を容易にする。
【0084】
移送ガード160の第1の端162は、バイアル140をサポートするか又はその他の方法で受け止めて、バイアル140に取り付けられるか又はその他の方法で係合するように構成される。例えば、バイアル140の一部(例えばバイアル140のポート142に対応する部分)が移送ガード160の第1の端162に配置され得る。上述のように、バイアル140の隔膜144は、バイアル140が移送ガード160の第1の端162に挿入されると、移送ガード160の針152によって穿孔され得る。
【0085】
いくつかの配置構成では、第1の端162は、摩擦フィット、スナップフィットなどのような(これらに限定されるものではない)当該技術で既知の任意の適切な方法でバイアル140を移送ガード160に固定するように、適合され得る。例えば、移送ガード160の第1の端162は、バイアル140が移送ガード160の第1の端162に挿入されると、移送ガード160の第1の端162の内部にバイアル140を固定する少なくとも一つのタブ163、環状リブなどを含み得る。
【0086】
第1の端162の反対側に位置する移送ガード160の第2の端170は、それが取り付けられるか又はその他の方法で係合する溜り180をサポートするか又はその他の方法で受け止める。例えば、溜り180の一部(例えば例えば溜り180のポート182に対応する部分)が移送ガード160の第2の端170に配置され得る。それから、溜り180の隔膜184は、溜り180が移送ガード160の第2の端170に挿入されると、移送ガード160の針152によって穿孔され得る。
【0087】
第2の端170は、摩擦フィット、スナップフィットなどのような(これらに限定されるものではない)当該技術で既知の任意の適切な方法で溜り180を移送ガード160に固定するように、適合され得る。例えば、図7及び図8A〜図8Cに示されるように、移送ガード160の第2の端170は、差込ピン形の接続を含む。そのような配置構成は、移送ガード160の第2の端170の内部に位置する一つ又はそれ以上の凹部又はアパーチャ171を有することができ、溜り180のポート182部は、移送ガード160の第2の端170に位置する一つ又はそれ以上のアパーチャ171への挿入のための一つ又はそれ以上のタブ186を含む。加えて、溜り180のポート182部は、一つ又はそれ以上のタブ186の各々に取り付けられた少なくとも一つの第2のタブ188を含む。
【0088】
溜り180及びポート182部はそれから、少なくとも部分的に、移送ガード160を溜り180に固定するために移送ガード160の第2の端170の周囲に回転可能であるように構成され得る。移送ガード160の第2の端170は、溜り180及びポート182部が移送ガード160を溜り180に固定するために回転されるときに、少なくとも一つの第2のタブ188を受け止めるための一つ又はそれ以上の凹部172を含むことができる。結果として、溜り180のポート182部は、移送ガード160の第2の端170に挿入されて、一つ又はそれ以上のタブ186がアパーチャ171にフィットして、それからわずかに、少なくとも一つの第2のタブ188が一つ又はそれ以上の凹部172の内部の所定の位置にフィットして溜り180を移送ガード160の第2の端170にロックするまで、回転される。
【0089】
移送ガード160の第2の端170とバイアル140との間の接続はまた、上述のものと同じ方法で差込ピンとして構成され得て、一つ又はそれ以上のタブ163が一つ又はそれ以上のアパーチャにフィットして、少なくとも一つの第2のタブが一つ又はそれ以上の凹部の内部の所定の位置にフィットするまで、回転可能であるように適合される。差込ピン接続はそれぞれ左及び右回転でロック可能に配置され得て、移送ガードの単一部分回転がそれを溜り180及びバイアル140の両方にロックする。
【0090】
使用時には、図7及び図8の配置構成が、溜りのポート182を移送ガードの第2の端で170に配置することによって組み立てられる。これが、針152に溜り180の端隔膜184を穿孔させる。移送ガードはそれから、少しの角度の回転によって所定の位置にロックされて、差込タブとアパーチャ186、188、171、182とを係合させる。次に、バイアルが移送ガードに下げられて、そのネックが移送ガードの第1の端162に入る。これが、針152の他端にバイアル140の端の隔膜を穿孔させる。バイアルの回転がそれから、接続の差込タブ及びタブの動作によってバイアルを移送ガードの所定の位置にロックする。第2の針156が準備されると回転が妨げられて、異なるロック機構がバイアルと移送ガード160との間で使用されなければならない。
【0091】
移送ガードが溜り180とバイアル140との間で固定されると、プランジャヘッド190が溜り180の内部で後方に引かれる。これが溜り180の内部容積185を増加させて、流動体媒体をバイアル140から針152を介して溜りに吸引させる。第2の針156が設けられると、これは補充空気がバイアル140に入る通路を提供する。そうでなければ、溜り180が引き続いて切り離されるか、又はフレキシブルな壁を有するバイアル140の場合にはバイアルの形が崩れると、バイアル内部で圧力が等しくなる。
【0092】
上記で図1〜図6Cを参照して記述された送達装置12のような注入ポンプでの使用時には、プランジャヘッドは、注入の間に流体を排出するために使用されるものと同じ駆動機構によって、後方に引かれ得る。必要な反転は、機械的なギアの配置の内部にて、又はモータの回転方向を反転することによってのいずれかで、得られる。
【0093】
図9〜図17は、本発明のさらなる実施形態にしたがって流動体媒体を送達するシステム200を描いている。このシステム200は、本開示を通して論じられている医療装置システム(例えば溜り40を満たすための図1〜図6Cの送達装置12)とともに使用されることができる。加えて、システム200は、本開示を通して論じられているか又は本開示を通して論じられているシステムの実施形態(例えば図7〜図8Cのシステム100)として使用されているものと同様の特徴を有し得る。加えて、図1〜図8Cに示される特徴のいくつか又は全ては、図9〜図17に示される実施形態において、様々な方法で組み合わせられ得て且つ含まれ得る。同様に、図9〜図17の実施形態の特徴のいずれかが、図9〜図17の他の実施形態のいずれか、ならびにここで論じられている任意の他の実施形態と、組み合わされるか又はその他の方法で組み込まれ得ることを理解されたい。
【0094】
いくつかの点で、システム200は、図7〜図8Cに関して記述されたシステム100と同様である。例えば図9及び図10に示されているように、システム200は、バイアル240、移送ガード260、溜り280、プランジャヘッド290、プランジャアーム210、プランジャアームケース230、及びハンドル220を含むが、これに限定されるものではない。以下の記述では、異なるように記述されない限りは、対応する部分は図7〜図8Cにおいてと同じ機能及び構造を有することを理解されたい。
【0095】
図11〜図14Bは溜り280を描いており、これは溜り180(例えば図7及び図8C)の実施形態と同様の又はそれとして利用されている特徴を含み得て、本発明の様々な実施形態にしたがってシステム200で利用され得る。先に論じたように、溜り280は流動体媒体を含む内部容積285を有する。溜り280は、溜り280のポート282に位置する隔膜284を含む。溜り280は、ガラス、プラスチック、TOPAS(R)ポリマー(又は任意の他の環状オレフィンコポリマー(又はポリマー))などを含む(ただしこれらに限定されるものではない)様々な適切な材料から構成され得る。溜り280は任意の適切な形状及び/又はサイズを有し得て、且つ使用者−患者の必要に応じて、流動体媒体の任意の量を保持するように適合され得る。図9〜図14に示される溜りは、楕円形の断面形状を有する。
【0096】
ポート282は、例えば溜り280が使用者−患者に流動体媒体を送達するための送達装置(図示せず)とともに使用されるときに、溜り280の内部容積285に含まれる流動体媒体を排除するためのものである。溜り280のポート282はまた、流動体媒体が溜り280の内部容積285に(すなわち溜り280の内部容積285を充填するために)、多々追えばバイアル240から移送ガード260の針252を介して、流れ込むことを可能にするように機能する。このようにして、ポート282は、バイアル240に接続された移送ガード260に接続されたときに溜り280の充填を許容し、送達装置から切り離されたときには流動体媒体の排除を可能にする。
【0097】
図7及び図8に関して描かれて記述された配置構成とは異なって、図9〜図14の配置構成のポート282は溜り280のエッジ近くに置かれており、溜り280の内部容積285における気泡の排除を容易にする。例えば、使用者−患者は溜り280(又は全システム200)をわずかに傾けて、気泡をポート282から逃すことができる。
【0098】
溜り280のポート282から離れた端289は開放されていて、プランジャヘッド190及び/又はプランジャアーム210の少なくとも一部が溜り280内に挿入可能になることを可能にする。
【0099】
プランジャヘッド290又はその一部は、ブロモブチルゴム、シリコーンゴム、又は任意のその他の適切な材料及び/又はその任意の派生物から形成され得る。プランジャヘッド290は溜り280の内部に位置されて、溜り280の軸方向に移動可能で溜り280の内部容積285を拡張又は収縮させる。プランジャヘッド290は、溜り280の内部で前進され得て、例えば溜り280が使用者−患者に流動体媒体を送達する送達装置と共に使用されるときに、溜り280の内部容積285に収容されている流動体媒体を溜り280のポート282から排出する。プランジャヘッド290はまた、溜り280が移送ガード260に接続され且つバイアル240が移送ガード260に接続されるときに、逆/後向きに動かされると、流動体媒体をバイアル240から溜り280に引き出すように機能する。
【0100】
プランジャヘッド290は正面部297及び後方部298を有する。プランジャヘッド290の正面部297は、溜り280の内部容積285に収容された流動体媒体に接触しており、したがって、溜り280の内部容積285に収容されているか又は収容されるべき流動体媒体と材料整合性を備えなければならない。
【0101】
プランジャヘッド290の後方部298は、プランジャアーム210の端に任意の適切な方法で接続され得るか、又は接続可能である。図13に示される実施形態では、プランジャヘッド290の後方部298は、プランジャアーム210の少なくとも一つのタブ又は複数のタブ211などを受けるための少なくとも一つのアパーチャ、及び好ましくは2つ又は2列のアパーチャ291などを含む。少なくとも一つのタブ211は、少なくとも一つのアパーチャ291にスナップフィットされ得て、プランジャアーム210をプランジャヘッド290の後方部298に接続する。あるいは、又は加えて、プランジャヘッド290は少なくとも一つのタブ292などを含み、プランジャアーム210は、少なくとも一つのタブ292を受けるための少なくとも一つのアパーチャ212などを含む。プランジャアーム210をプランジャヘッド290及び/又はプランジャヘッド290の後方部298に接続するための他のオプションは、接着剤、摩擦フィット、レーザ溶接、磁気的結合などを含む。
【0102】
さらなるオプションは、プランジャアーム210とプランジャヘッド290の後方部298とをお互いに一体化することであり、その場合には、プランジャアーム210及び一体化された後方部298がプランジャヘッド290に一体化され得て、又はプランジャヘッド190に接続可能であり得る。あるいは、プランジャアーム210とプランジャヘッド290の後方部298とは、先に記述したように、一緒に接続されるように適合された別個の構成要素であり得る。
【0103】
プランジャアーム210は、プランジャアームケース230(図11参照)及び溜り280の内部で軸方向に移動可能である。図11に見ることができるように、プランジャアーム210は、送達装置に接続されるときに、駆動部材(図示せず)、駆動リンケージなどと動作可能に係合する係合プロファイル218を一つの側面に含む。例えば、プランジャアーム210の係合プロファイル218と駆動部材とは、補完ギア、補完する溝又は歯付き部材などであり得て、お互いに動作可能に係合し得る。駆動部材は駆動ねじ、駆動ラックなどであり得る。
【0104】
駆動部材はモータに動作可能に接続され得て、駆動部材を動かすか又はその他の方法で作動させ、プランジャアーム210を動かすか又はその他の方法で作動させ、プランジャアームケース230及び/又は溜り280の内部で動かす。溜り280の内部でのプランジャアーム210の動きは、溜り280の内部容積285を拡張又は収縮させて、溜り280を流動体媒体で満たすか又は流動体媒体を溜り280から排出する。システム200が送達装置12(図1〜図6C参照)に搭載されると、駆動モータがプランジャアーム210の係合側218と動作可能に係合するか又は直接的に係合して、プランジャアーム210を作動させるか又はその他の方法でプランジャアームケース230及び/又は溜り280内で動かす。適切な駆動配置構成は、例えば図5Cに示されている。
【0105】
プランジャアームケース230は、プランジャアーム210がプランジャアームケース230及び/又は溜り280に沿って動かされるときに、プランジャアーム210をサポートする。プランジャアーム210の少なくとも一つの側面が、好ましくはプランジャアームケース230の一つ又はそれ以上の内側面に接触する。これは、プランジャアーム210を、例えば溜り280の内外への位置合わせ又はその他の方法でのガイドの手助けになる。ケース230は、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料、及び/又は同様なもののような(これらに限定されるものではない)適切な強度及び耐久性を有する材料から形成され得る。ケース230は、溜り280と同じ材料から形成され得る。
【0106】
プランジャアームケース230は、例えばプランジャヘッド290が溜り280の端289の実質的に近くに引き出されると(例えば溜り280が流動体媒体で満たされているか又は実質的に満たされている場合)、プランジャアーム210を完全に又は実質的に包絡するようなサイズで構成され得る。これより、いくつかの実施形態では、プランジャアーム210又はその一部は、システム200の使用中は又は転送装置の動作の間に、溜り280及び/又はプランジャアームケース230の内部に位置され得て、バイアル240から溜り280に流動体媒体を転送する。
【0107】
図11に示されているように、プランジャアームケース230は開口236を有し、これはプランジャアーム210の係合プロファイル218の一部を露出し、駆動部材又は駆動モータ(図示せず)に動作可能に係合する。図11で、プランジャアーム210は、プランジャアームケース230及び/又は溜り280からフリーであり得る(すなわちそれらによって囲まれていない)開口236によって露出された係合プロファイル218の部分を除いて、プランジャアームケース230及び/又は溜り280によって取り囲まれている。これは、プランジャアーム210又はその一部がプランジャアームケース230及び/又は溜り280に残っている一方で、駆動部材がプランジャアーム210の係合プロファイル218と動作可能に係合することを可能にする。
【0108】
さらに図11に示されているのはオプションの溜りカバー234であって、これは溜り280の端289を覆うサイズで構成されている。溜りカバー234は溜り280の端289を覆うか、又は溜り280の端289の内部に又は端にフィットするように構成されて、溜り280の端289をシールするか又は閉じる。溜りカバー234は、プランジャアームケース230に一体化されていてもよく、又はそこから別個でもよい。溜りカバー234は、プランジャアーム210が溜り280の内及び外に動くことを可能にする開口233(図17参照)を有し得る。溜りカバー234は、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料など(これらに限定されるものではない)のように適切な強度及び耐久性を有する材料で形成され得る。溜りカバー234は、プランジャアームケース230及び/又は溜り280と同じ材料で形成され得る。
【0109】
溜りカバー234及び/又はプランジャアームケース230は、一つ又はそれ以上の次元で溜り280の変形を抑制するように構成され得る。溜りカバー234を溜り280の端289にフィットすることによって、溜りカバー234は、例えば溜り本体280の内部容積285が流動体媒体で満たされているときに、溜り280の形状を保持する助けとなり得る。
【0110】
溜りシステム200は、プランジャアーム210及びプランジャヘッド290の後方部298に位置する少なくとも一つのサポートフランジ/強化バットレス217を含み得る。サポートフランジ217は、プランジャアーム210及び/又はプランジャヘッド290に付加的な構造上の強度を提供し得る。例えば、サポートフランジ217は三角形構造を有し得て、サポートフランジ217の一つの側面がプランジャアーム210の表面に接続され且つサポートフランジ217の第2の側面がプランジャヘッド290の後方部298に接続されて、位置され得る。
【0111】
加えて又はあるいは、第2のサポートフランジ/強化バットレス(図示せず)が、第2のサポートフランジの一つの側面がプランジャアーム210の異なる面に接続され且つ第2のサポートフランジの第2の側面がプランジャヘッド290の後方部298に接続されて、位置され得る。さらなるサポートフランジ/強化バットレス(図示せず)が、プランジャアーム210及び/又はプランジャヘッド290又は任意の他の構成要素に対するサポートを提供するために、任意の適切な位置に設けられ得る。サポートフランジ/強化バットレスは、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料など(これらに限定されるものではない)のように適切な強度及び耐久性を有する材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、サポートフランジの一方又は両方が、プランジャアームケース230、溜りカバー234、及び/又は溜り280と同じ材料で形成され得る。サポートフランジは、お互いに異なる材料から形成されることができる。
【0112】
図11に示されるプランジャアームケース230は、ハンドル220の一部(例えば図16A〜図17)がプランジャアーム210に動作可能に係合することを可能にする溝238などを含む。これより、ハンドル220は、溝238を通してプランジャアーム210に動作可能に係合され得て、プランジャアーム210をプランジャアームケース230及び/又は溜り280に沿って作動させるか又はその他の方法で動かすための力を転送する。
【0113】
図9、図10、図12、図13、及び図17を参照して、受領構造270が転送ガード260の第2の端に設けられる。受領構造270は、転送ガード260に接続されるか又は一体化され得て、且つ本体273を備え得る。この本体273は、溜り280の少なくとも一部を取り外し可能に受け止める中空内部275を有する。本体273は、溜り280が本体273の中空内部275に完全に位置され得るように構造され得る。この実施形態では、ポート282が溜り280のエッジの近くに位置するとき、受領構造270はまた、移送ガード260の軸に関して中心が外れている。本体273は、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料など(これらに限定されるものではない)のように適切な強度及び耐久性を有する材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、本体273は、移送ガード260又はその一部と同じ材料で形成され得る。
【0114】
図12に示されるように、本体273は好ましくは、溜りの充填レベルを示すグラデーションマークを有する。これらは、本体273の正面側273aに設けられた一つ又はそれ以上の充填線278を備える。あるいは、一つ又はそれ以上の充填線278は、任意の適切な方法で、又は本体273の任意の適切な部分に沿って、配置され得る。充填線278は溜り280に収容された流動体媒体の量に対応するので、使用者−患者は、プランジャヘッド290の位置によって示される溜り280の内部容積における流動体媒体の量を一つ又はそれ以上の充填線278と比較することによって、溜り280をバイタル240からの特定の量(例えば0.5ml、1mlなど)の流動体媒体で正確に充填することができる。
【0115】
指示、例えば設けられた矢印が本体上に設けられ得て、溜りが第2の端270と係合する場合に、使用者に溜り280のポート282の位置を示す。これは、溜り280又はシステム200を傾けることによって、使用者−患者が装置を正確に方向付けて溜り280の内部容積285内の気泡をポート282に向かって方向付けて、これによって気泡を排出する手助けとなることができる。
【0116】
本体273は好ましくはケージ構造として形成されて、使用者−患者が溜り280内の少なくともいくらかの内容物を視認することを可能にする。例えば、本体273の一部は開口を有し得て、本体273の中空内部275内の溜り280の少なくとも一部を露出する。これはまた、使用者−患者が溜りを開口を通して保持できるようにして、システム200の使用中に溜り280をさらにサポートする。他の例として、本体273及びその一部は、少なくとも部分的に透明であり得て、本体273の中空内部275の内部の溜り280の少なくとも一部を視覚的に露出する。
【0117】
本体273は、溜り280が中空内部275内に配置されると、溜り280又はその一部を中空内部275に固定するように構成され得る。例えば、本体273は、中空内部275に一つ又はそれ以上のタブ277などを有し得て、固定するか又はその他の方法で、溜り280の中空容積275からの偶然の離脱を妨げる。
【0118】
本体273はフレキシブルであり得る。これは、例えば、使用者−患者が本体273の少なくとも一部を、本体273の一つ又はそれ以上の側面273bに沿ってのように(これに限定されるものではない)押し込んで、一つ又はそれ以上のタブ277を開放することを可能にして、溜り280が中空内部275に挿入されるか又はそこから取り外されることを可能にする。
【0119】
図13〜図14Bを参照すると、移送ガード260は本体265を含み得る。第1の針252が本体265を通過して、バイアル240と溜り260との間に流体流経路を提供する。いくつかの実施形態では、本体265は、第1の端262におけるバイアル240に対する受領構造の第2の端270における溜りの係合のための受領構造との相互係合によって形成される(例えば図13)。他の実施形態では、本体265、第1の端262、及び第2の端270はお互いに一体化され得る(例えば図14C)。
【0120】
図13に示された配置構成では、移送ガード260は、本体265の内部に位置した内部本体250を含む。第1の針252は、本体265及び内部本体250を通過する。内部本体250は、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料など(これらに限定されるものではない)のように適切な強度及び耐久性を有する材料で形成され得る。内部本体250は、本体273及び又は移送ガード260又はその一部と同じ材料で形成され得る。内部本体250は、移送ガード260の本体265から別個で有り得て、あるいは一体化し得る。
【0121】
第1の針252は、お互いに向かい合った第1の端252a(及び/又は第1の針252に沿った開口)と第2の端252b(及び/又は第1の針252に沿った開口)とを有する。図13に示されているような組み立てられた状態では、第1の端252aはバイアル240内に延在して、バイアル240の内部容積245内の流動体媒体と接触する。第2の端252bは、隔膜284を通って溜り280のポート282まで通る。好ましくは、第1の針252の端252a、252bの一つ又は両方は、一つ又はそれ以上の鋭い端を提供するために面取りされている。あるいは、第1の針252の端252a、252bの一つ又は両方は、平坦であり得る。
【0122】
オプションの第2の針256は、お互いに向かい合った第1の端256a(及び/又は第2の針256に沿った開口)と第2の端256b(及び/又は第2の針256に沿った開口)とを有する。図13に示されているように、バイアル240が移送ガード260に接続されていると、第1の端256aはバイアル240と係合し、例えばバイアル240の内部容積245又はヘッドスペース(例えば図7の147)内の流動体媒体に接触し得る。第2の端256bは、移送ガード260内に又は移送ガード260の外部に、配置され得る。第2の針256の端256a、256bの一つ又はそれ以上は、平坦であるか又は面取りされ得て、任意の組み合わせで一つ又はそれ以上の鋭い端を提供する。
【0123】
図13に示されるように、内側本体250はチャンバ253を有する。移送ガード260は、空気が第2の針256の一方向に流れることを可能にする機構を含み得る。そのような配置構成は、チャンバ253内部に配置されたバルブ255又はメンブレンであり得る。バルブ255は、アンブレラバルブ、ダックビルバルブ、ボールチェックバルブなどであり得るが、これらに限定されるものではない。
【0124】
この場合、第2の針256の第2の端256bはチャンバ253と連通することができる。バルブ255は、第2の針256を通してバイアル240の内部容積245内へ及び/又はそこから外への空気の流れを調節し得る。これより、バルブ255は、バイアル240の内部容積245の内部の圧力を、例えば大気に対して等しくすることを可能にし、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。バルブ255にはシール部材259が設けられることができて、流動体媒体がシール部材259を通って流れることを妨げ、及び/又はチャンバ253内のバルブ255の動きを容易にする。いくつかの実施形態では、リッジ251などのような一つ又はそれ以上の保持部材が、チャンバ253内のバルブ255を保持し得る。
【0125】
バルブ255は、チャンバ253が大気と連通することを可能にし、例えば空気がチャンバ253の中へ又はそこから外へ流れることを可能にするチャネル257を有し得る。いくつかの実施形態では、バルブ255は液体が第2の針256及び/又はバルブ255を通ってバイアル240から出ることを実質的に妨げる。様々な実施形態では、第2の針256は、バイアル240のヘッドスペース又は内部容積245を大気に排気することを可能にして、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。これより、バルブ255、バイアル240内部の圧力を等しくするか又はその他の方法で調整して、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。
【0126】
図14Cに例示されている実施形態のようないくつかの実施形態では、システム200は移送ガード260’を使用して、これは移送ガード260(例えば図9〜図14B)と同様な特徴を含み得る。移送ガード260’は本体265’を含む。第1の針252’は本体265’を通過して、バイアル240と溜り260との間の流体流経路を提供する。本体265’は、第1の端262と第2の端270とを一緒に接続することによって形成され得る(例えば図13)。他の実施形態では、本体265’、第1の端262、及び第2の端270は、お互いに一体化し得る(例えば図14C)。
【0127】
第1の針252’は、お互いに向かい合った第1の端252a’(及び/又は第1の針252’に沿って)及び第2の端252b’(及び/又は第1の針252’に沿って)を有する。第1の端252a’は、装置が組み立てられると、すなわちバイアル240が移送ガード260に接続されると、バイアル240の内部容積245又はヘッドスペース247の流動体媒体で接触する。第2の端252b’は、図14Cに示されるように装置が組み立てられると、溜り280のポート282内に隔膜284を通って溜り280を穿孔する。第1の針252’の端252a’、252b’の一方又は両方は、一つ又はそれ以上の鋭い端を第1の針252’に提供するために面取りされているか、あるいは、第1の針252’の端252a’、252b’の一つ又は両方は、平坦であり得る。
【0128】
第1の針252’の少なくとも一部は、第2の針256’の少なくとも一部の内部に配置され得る。第1の針252’(又はその少なくとも一部)は、第2の針256’(又はその少なくとも一部)の内部に同心円状に配置され得る。これより、第1の針252’及び第2の針256’は共通の軸を共有し得る。あるいは、第1の針252’(又はその少なくとも一部)は、第1の針252’が第2の針256’から間隔258だけオフセットするように、第2の針256’(又はその少なくとも一部)の内部に同心円状に配置され得る。これより、様々な実施形態では、第1の針252’及び第2の針256’の各々は、お互いに平行なそれら自身の軸を有する。チャンバ253’は、バイアル240の内部容積245と、例えば第2の針256’を通して連通し得る。例えば、第2の針256’の一つの端256a’(及び/又は開口)はバイアル240の内部容積245と連通し得て、端256a’とは反対のもう一方の端256b’はチャンバ253’と連通し得る。第2の針256b’の端256a’、256b’の一つ又は両方は、平坦であり得る。
あるいは、第2の針256’の端256a’、256b’の一方又は両方は、一つ又はそれ以上の鋭い端を第2の針256’に提供するために面取りされ得る。
【0129】
図14Cの移送ガード260’は、チャンバ253’内部に配置された空気が一方向に流れることを可能にする機構、例えばバルブ255’又はメンブレンを含み得る。バルブ255’は、アンブレラバルブ、ダックビルバルブ、ボールチェックバルブなどであり得るが、これらに限定されるものではない。
【0130】
バルブ255’は、空気が針254’を通ったバイアル240の内部空間245の中へ又はそこから外への空気の流れを調節し得る。これより、バルブ255’は、バイアル240の内部容積245の内部の圧力を、例えば大気に対して等しくすることを可能にし、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。バルブ255’にはシール部材(例えば図14Bにおける259)が設けられることができて、流動体媒体がシール部材を通って流れることを妨げ、及び/又はチャンバ253’内のバルブ255‘の動きを容易にする。リッジ(例えば図14Bにおける251)などのような一つ又はそれ以上の保持部材が、チャンバ253’内のバルブ255’を保持し得る。
【0131】
バルブ255’は、チャンバ253’が大気と連通することを可能にし、例えば空気がチャンバ253’の中へ又はそこから外へ流れることを可能にするチャネル257’を有し得る。バルブ255’は、液体がバイアル240から出ることを実質的に妨げる。第2の針256’は、バイアル240のヘッドスペース(例えば図7の147)又は内部容積245を大気に排気することを可能にして、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。これより、そのような場合には、バルブ255’は、バイアル内部の圧力を等しくするか又はその他の方法で調整して、流動体媒体のバイアル240から溜り280への移送を容易にする。
【0132】
バイアル内部の圧力を等しくして、あるいはその他の方法で調節するか又は流動体媒体のバイアルから溜りへの移送を容易にする第2の針が、第1の針の周囲に同心円状に配置され得て、バイアルから溜りへの流動体媒体の移送を容易にする。
【0133】
図10及び図15を参照すると、システム200を動作するために、ステップS1010(図15)で、バイアル240及び溜り280が、移送ガード260の第1の端262及び第2の端270にそれぞれ取り付けられるか又はその他の方法で係合される。それから、ステップS1020で、プランジャヘッド190が溜り280に挿入される。次にステップS1030で、プランジャアーム210が(一体化されていないか又は既に接続されていなければ)、プランジャヘッド190に接続される。ステップS1040では、プランジャアームケース230及び溜りカバー234が、プランジャアーム210をサポートし且つ溜り280を覆うように構成され得る。それから、ステップS1050で、ハンドル220が、図9に示されているようにプランジャアーム210に動作可能に接続される。
【0134】
図9、図10、及び図16A〜図17を参照すると、本発明に従った流動体媒体200を移送するシステムはまた、プランジャアームケース230の上を入れ子式にスライドする内部キャビティ223を有する本体224を有する一般的にチューブ状のハンドル220を有し、且つケースを介してプランジャアーム210に係合する半径方向に向いたフィンガー227を有する。ハンドル220の遠端には、一般的に半径方向に外を向いて延在しているフランジ状のベース222がある。半径方向に向いたフィンガーは係合部226で終端し、ハンドルの上側表面の平面内に位置するピボット可能なビームを備える。ハンドルの表面での長手方向での動きに制約されたスライド255が、カム動作によって係合位置を固定する。これは、ビームを傾けて、それによってビームの端で半径方向に向いたフィンガー227をプランジャアーム210と係合又は離脱させる。
【0135】
これよりハンドル220は、動作可能にプランジャアーム210に接続するか、又はその他の方法で係合して、ハンドル220を線A(図9)に沿って前進又は後退させることによって、プランジャアーム210を作動させるか又はその他の方法で動きを生じさせる。プランジャヘッド290はプランジャアーム210に取り付けられ得るので、ハンドル220の動きは、溜り280内部でプランジャヘッド290を前進又は後退させ得る。したがって、流動体媒体は、ハンドル290及び動作可能に係合されたプランジャアーム210及びプランジャヘッド290を溜り280から離れるように引くことによって、バイアル240から溜り280に引き出され得る。
【0136】
ハンドル220は本体224を有し、これはプランジャアームケース230の少なくとも一部を覆うようなサイズ及び構成となり得る。本体224は内部キャビティ223を有し、プランジャアームケース230の少なくとも一部を、開口223aを通して内部キャビティ223内に受け取る。本体224は例えばプランジャアーム210がプランジャアームケース230及び/又は溜り280に沿って動くときに、プランジャアームケース230を受けとめ得る。本体224は、プラスチック、金属、ガラス(例えば強化ガラス)、複合材料など(これらに限定されるものではない)のように適切な強度及び耐久性を有する材料で形成され得る。いくつかの実施形態では、本体224は、プランジャアームケース230と同じ材料で形成され得る。
【0137】
プランジャアームケース230の少なくとも一つの側面は、本体224の一つ又はそれ以上の内側面と接触している。好ましくは、本体224は、プランジャアームケース230が本体224の内部キャビティ223の内部に置かれたときに、プランジャアームケース230を位置合わせする手助けとなる。プランジャアームケース230は、ハンドル220がプランジャアーム210をプランジャアームケース230及び/又は溜り280に沿って作動させるときに、実質的に静止したままである。
【0138】
ハンドル220は、プランジャアーム210及び/又はプランジャアームケース230を任意の適切な方法で動作可能に係合し且つ離脱するように構成され得る。上述のように、ハンドル220は、プランジャアーム210を動作可能に係合及び離脱する係合部226を有する。したがって、ハンドル220の動きはプランジャアーム210、したがってプランジャアーム210に取り付けられたプランジャヘッド290を作動させ、流動体媒体がバイアル240から溜り280に第1の針252を介して引き出されることを可能にする。係合部226は第1の端226a及び第2の端226bを有し得る。
【0139】
スライド225のような可動部材が係合部226の上に搭載され得て、少なくとも第1の端226aと第2の端226bとの間で移動可能で、ハンドル220をプランジャアーム210にロック及びアンロックする。第1の端226a及び第2の端226b、スライド225が係合部226から偶然に外れることを妨げ得る。係合部226は、スライド225が第1の端226aと第2の端226bとの間でスライドするか又はその他の方法で移動することを可能にするレール228などを含み得る。スライド225はレール228にまたがっており、それによってガイドされる。
【0140】
可動部材は回転可能部材(図示せず)であり得る。回転可能部材は少なくとも第1の端226aと第2の端226bとの間で移動可能(例えば回転可能)で、ハンドル220をプランジャアーム210にロック及びアンロックする。例えば、回転可能部材はハンドル220の軸の周囲で回転可能であり得る。他の実施形態では、回転可能部材はヒンジ付き部材(図示せず)であり得て、ハンドル220をプランジャアーム210にロック及びアンロックする。
【0141】
係合部226は、ハンドル220の本体224に対してピボット的に搭載され、カンチレバー構造であり、付勢されて、あるいはその他の方法で配置され得る。そのような実施形態では、係合部226は、ピボット点226cの周囲でのピボット運動のために適合され得る。係合部226は、フィンガー227などのような部材を含み、プランジャアーム210のアパーチャ211などと係合する。したがって、フィンガー227は、係合部226がピボット点226cの周囲でピボット運動してプランジャアーム210を係合及び離脱するときに、本体224に向かって及び離れるようにピボット可能又はその他の方法で移動可能である。
【0142】
係合部226は、スライド225の動きによってピボット点226cの周囲でピボットされ得る。例えば、スライド225を第2のはし226b(例えば図16A)に向かって動かすことによって、フィンガー227を含み得る係合部226の第1の部分が上方にピボットし得る。この効果は、スライド225の下側と係合部226との間のカム動作によって、達成され得る。スライド225と係合部226との間の相互作用についての代替的な配置構成(図17参照)では、スライドは移送ガードの第2の端における本体273のデジタル端と係合部226との間でくさび状になる。くさび動作は、係合部を上方に動かす。
【0143】
したがって、内部にプランジャアーム210を有するプランジャアームケース230は、本体224の内部キャビティ223に少なくとも部分的に配置され得る。それから、スライド225を第1の端226a(例えば図9)に向かって動かすことによって、係合部226の正面側及びフィンガー227が下方にピボットし得て、フィンガー227がプランジャアーム210のアパーチャ211と、例えばプランジャアームケース230の溝を通して係合することを可能にする。フィンガー227は、スライド225が第1の端226aに又はその近くに残る間は、アパーチャ211に係合したままでいても良い。
【0144】
ひとたび係合すると、ハンドル220は溜り240から引き去られて、流動体媒体をバイアル240から移送ガード260の第1の針252を通って溜り280に引き出す。溜り280が所望の量の流動体媒体で十分に満たされると、スライド225は第2の端226bに向かって動かされ得て、係合部226の正面部及びフィンガー227が上方にピボット動作して、プランジャアーム210を離脱させることを可能にする。したがって、使用者−患者は、溜り280、プランジャアーム210、及び/又はプランジャアームケース230を取り除いて適当な構成要素を送達装置(図示せず)に挿入し又は他の溜り、プランジャアーム、及び/又はプランジャアームケースをシステム200に準備し得る。
【0145】
ハンドル220はベース222を含み得る。ベース222は、システム200をサポート表面の上に垂直に立たせ得る。ベース222は、ハンドル220をサポート表面に固定するための接着剤などを含み得る。システム200のベース222がサポート表面の上にあり、流動体媒体がバイアル240から溜り280に引き出されるべきときには、溜り280は(移送ガード260及びバイアル240とともに)実質的に静止したままであるハンドル220から離され得て、流動体媒体を移送する。ベース222はまた、使用者−患者にシステム200を使うため、例えばハンドル220を引いて流動体媒体を溜り200に引き出すための握り領域を提供する。
【0146】
図9、図13、及び図15を参照すると、システム200の様々な実施形態が、溜り280をバイアル240からの流動体媒体で充填するプロセスを単純化することを可能にする。ステップS1050の後に、プランジャアーム210に動作可能に係合したハンドル220は、溜り280から離れるように引かれるか又はその他の方法で動かされ得る。ハンドル220が溜り280から離れると、取り付けられたプランジャアーム210及びプランジャヘッド290は溜り280の内部で動かされて、溜り280の内部容積285を増加し得る。プランジャヘッド290の動きは、流動体媒体をバイアル240から移送ガード260の第1の針252を通って溜り280の内部容積285に引き出し得て、流動体媒体を溜り280に移送する。
【0147】
図9〜図17を参照すると、プロセス1000のステップは任意の適切な順序で実行され得る。例えば、バイアル240は、ハンドル220が動作可能にプランジャアーム210に係合した後に、移送ガード260に取り付けられ得る。他の例として、プランジャアーム210は、プランジャヘッド290が溜り280に配置される前に、プランジャヘッド290に接続され得る。プランジャヘッド290は、例えばシステム200を満たすために、溜り280の充填プロセスが始まる前に、溜り280のポート282に向かって溜り280の内部で前進させられ得る。
【0148】
システム200は、溜り280の内部容積285、又はその一部を充填するために使用され得る。システム200は、ハンドル290が溜り280からシステムが許可するだけ離れると、溜り280の内部容積285が完全に充填されるか又は十分に充填されるように、構成され得る。
【0149】
ここに開示された実施形態は、全ての点において、本発明について描写的であって、制約的ではないものとみなされるべきである。本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。様々な改変及び変更が、本発明の精神及び範囲を離れること無く、実施形態になされ得る。本発明の範囲は、実施形態ではなく、添付の請求項によって示される。請求項の均等性の意味及び範囲内に入る様々な改変及び変更が、本発明の範囲内であることが意図される。
【符号の説明】
【0150】
10 システム、12 送達装置、14 センシング装置、15 センサ、16 CCD、18 コンピュータ、20 廃棄可能ハウジング、21 ベース、22 底面、24 溜り保持部、25 剥離可能カバー層、30 恒久的ハウジング、32 開口、34 接続部材、40 溜りハウジング、41 ポート、50 注入経路、52 針装置、54 チューブ、56 コネクタ、58 針、60 プランジャアーム、70 プランジャヘッド、80 駆動装置、82 駆動装置リンケージ部、84 モータ、100 システム、110 プランジャアーム、140 バイアル、142 ポート、144 隔膜、145 内部容積、147 ヘッドスペース、152 針、154 チェックバルブ、156 第2の針、160 移送ガード、162 第1の端、163 タブ、165 本体、170 第2の端、171 アパーチャ、180 溜り、182 ネック部分ポート、184 隔膜、185 内部容積、186 タブ、187 チャンバ、188 第2のタブ、190 プランジャヘッド、199 シール部材、200 システム、210 プランジャアーム、211 タブ、212 アパーチャ、217 サポートフランジ、218 係合プロファイル、220 ハンドル、222 ベース、223 キャビティ、224 本体、225 スライド、226 係合部、227 フィンガー、230 プランジャアーム、234 溜りカバー、236 開口、238 溝、240 バイアル、250 チャンバ、251 リッジ、252 第1の針、253 チャンバ、255 バルブ、256 第2の針、257 チャネル、259 シール部材、260 移送ガード、262 第1の端、265 本体、270 受領構造、273 本体、275 中空内部、277 タブ、278 充填線、280 溜り、282 ポート、284 隔膜、285 内部容積、289 端、290 プランジャヘッド、291 アパーチャ、292 タブ、297 正面部、298 後方部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入ポンプのための注入可能液体溜り(280)を再充填する再充填ステーションであって、
前記注入可能液体のサプライを含むバイアル(240)と、
移送ガード(260)であって、前記バイアル(240)に係合するように適合された第1のアダプタ(262)と、前記溜り(280)と接続するための第2のアダプタ(270)と、前記バイアル(240)から前記移送ガード(260)を通って延長されて前記第2のアダプタ(262)から突出している第1の針(252)と、を有する移送ガード(260)と、
を備える、ステーション。
【請求項2】
前記移送ガード(260)が、
内部チャンバと、
前記チャンバと前記バイアル(240)とを接続する第2の針(256)と、
前記チャンバの内部に配置されて、前記第2の針(256)が前記チャンバと前記バイアル(240)とを接続し、且つ前記溜り(280)内部に配置された前記プランジャヘッド(290)が前記溜りの内部で動かされると、一方向に空気が流れることを許容し、前記バイアル(240)から前記溜り(280)まで注入可能液体を移送するように構成された空気流制御機構(254)と、
を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記空気流制御機構(254)が、前記第2の針(256)が前記チャンバ及び前記バイアル(240)と接続して前記プランジャヘッド(290)が前記溜り(280)内部で動かされて前記注入可能液体を前記バイアル(240)から前記溜り(280)に移送する場合に、前記チャンバが大気と連通して大気と圧力を等しくすることを可能にするように適合されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の針(252)の少なくとも一部が前記第2の針(256)の少なくとも一部の内部に同心円的に配置されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の針(、252)及び前記第2の針(256)が共通の軸を共有している、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の針(252)の軸と前記第2の針(256)の軸とがお互いに平行であり、且つ、前記第1の針(252)の軸が前記第2の針(256)の軸からオフセットしている、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記空気流制御機構(254)がメンブレンを備えている、請求項2〜6のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項8】
前記空気流制御機構(254)がバルブを備えている、請求項2〜6のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項9】
前記空気流制御機構(254)がアンブレラバルブ及びダックビルバルブの少なくとも一つを備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第2のアダプタ(270)が前記溜り(280)を包絡するように構成された本体(275)を備えている、請求項1〜9のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項11】
前記本体(275)が、前記溜り(280)が前記第2のアダプタ(270)に接続されて且つ前記溜り(280)が前記注入可能液体を収容していると、前記溜り(280)内部の前記注入可能液体が視認可能になることを可能にするように適合されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記本体(275)が、前記溜り(280)の内部の前記注入可能液体が視認可能になることを許容し、及び/又は、システムの使用中に使用者−患者が前記溜り(280)にさらなるサポートを提供することを可能にする開口を有する、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記本体(275)が、前記溜り(280)内の前記注入可能液体の容積を測定するための一つ又はそれ以上の充填線(278)を有する、請求項10〜12のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項14】
前記プランジャヘッド(290)を前記第2のアダプタ(270)から離れるように駆動して、それによって前記注入可能液体を前記バイアル(240)から前記溜り(280)に引き出す駆動配置構成をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項15】
前記駆動配置構成がリバーシブルモータを備えており、これが、動作の一方向では、前記プランジャヘッド(290)を引いて前記注入可能液体を引き出し、もう一方の方向では、前記プランジャヘッド(290)を押して前記注入可能液体を排出する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記駆動配置構成が前記プランジャヘッド(290)に接続した取り外し可能ハンドル(220)を備えており、これが、ユーザが前記プランジャヘッド(290)を引いて、それによって、前記注入可能液体を前記バイアル(240)から前記溜り(280)に引き出すことを可能にする、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハンドル(220)を前記プランジャヘッド(290)に接続した状態に保持する手作業で操作可能なロック(225)が設けられている、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図12】
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【図15】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−157734(P2012−157734A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−107793(P2012−107793)
【出願日】平成24年5月9日(2012.5.9)
【分割の表示】特願2012−523684(P2012−523684)の分割
【原出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(595038051)メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド (71)
【Fターム(参考)】