説明

種子のカウント及び頻度計測装置並びに方法

種子の流れ内の種子のカウント及び頻度を計測する改善された装置について記述している。本装置は、播種装置の頻度及び精度を計測するのに有用である。種子カウントシステムは、画像生成領域と、画像検知装置と、画像生成領域と画像検知装置の間のレンズと、を包含可能である。画像生成領域とレンズの間の光学距離拡張器が、画像生成領域とレンズの間の物理的な距離を大きく上回る画像生成領域とレンズの間の有効な光学距離を生成し、これにより、大きな被写界深度を提供している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種子の流れ内の種子のカウント及び頻度を判定する装置及び方法に関するものであり、更に詳しくは、種子又は穀物が播種装置によって播かれた際に、種子又は穀物の高速の分散した流れ内の種子又は穀物の数及び頻度を正確に計測する小型の装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
播種装置は、種子の集合体から個別の種子を播く(又は、植え付ける)のに使用されている。このような播種装置は、通常、トラクターなどの輸送車両に取り付けられる(又は、その背後において牽引される)機械的装置であり、播種装置は、車両が広大な耕地を横断する際に列状に種子を播いてゆく。個々の種子が播種装置から播かれる速度は、輸送車両の移動速度と相関している。播種装置の播種速度は、様々なタイプの計量装置によって制御されており、且つ、車両の速度によって左右される。例えば、播種装置は、車両が約10km/時間で耕地を横断する際に、所望の播種速度を実現するべく設定可能である。実際には、一般的な最近の播種装置は、個々の種子を約10〜20種子/秒の速度で播いている。このような望ましい実質的に一定の速度で種子を播く播種装置の能力は、大量の種子を播種エリアの全体に均一且つ適切に分布させてエーカー当たりの所望の収穫量を得るために、農場主及び栽培者にとって非常に重要である。従って、農場主及び栽培者にとっては、播種装置の適切な調節及び較正が重要である。このような播種装置を適切に調節及び較正するには、播種装置から種子が播かれる際に種子の流れ内の種子のカウント及び頻度を適切に計測する必要がある。しかしながら、播種装置の高速の供給速度に起因し、正確な計測が困難である場合がある。
【0003】
種子の生産者は、一般に、種子又は穀物の1つ又は複数の属性を向上させるべく、播種の前に種子及び穀物に前処理を施している。このような種子の処理は、例えば、それぞれの種子又は穀粒の外部表面に処理被覆を施す段階を包含可能である。いくつかの表面被覆方式は、処理済みの種子を従来の播種装置を使用して播く際に、これらの装置の播種精度又は播種特性に影響を及ぼす可能性を有している。例えば、処理被覆は、種子の自然な表面粗度又は滑らかさを変更可能であり、或いは、種子間の望ましくない接着を引き起こし、これにより、処理済みの種子と播種装置の間のやり取りに影響を及ぼすことになろう。従って、最適な処理方式及び被覆プロセスを識別できると共に、播種装置用の最適な設定を特定のタイプの処理済みの種子について知ることができるように、播種装置の性能に対する特定の種子処理の影響を正確に評価する必要性が存在している。
【0004】
種子の流れ内の種子のカウント及び頻度を判定するための様々な技法及び装置が既に考案されている。このような装置及び方法は、播種装置によって播かれた種子の量及び頻度を計測するのに使用されている。又、このような装置は、一貫性のある最適な性能を保証するべく播種装置を較正及び試験するのにも有用である。このような装置の1つが、播種装置によって種子が播かれた際に種子を捕獲する移動グリースベルトである。このような装置においては、ベルト上の種子又は穀物の数及び間隔が、有効な播種速度を示している。残念ながら、グリースベルトカウンタは、多数のサンプルの供給速度を計測する場合には、有効ではない。
【0005】
その他の既知の計測装置は、種子がシュートから播かれた際に、チューブ又はシュートを通じた種子、穀物、又は穀粒の通過を検知する赤外線センサ又はこれに類似したものを利用した電子計測システムを含んでいる。残念ながら、既知の電子計測装置においては、通常、限られた画像キャプチャ能力しか具備していない単一光センサを使用している。例えば、このような装置は、センサの近傍を実質的に同時に通過する2つの隣接した物体の通過を効果的にカウントすることができない。又、カウントのために幅の狭いチューブ又はシュートを通じて粒子を集中させることにより、計測対象の粒子の流れに影響を及ぼすことにもなる。従って、既知の電子計測装置は、十分な精度を有しておらず、且つ、播種頻度の十分に正確な計測を提供して播種装置の最適な性能を保証することもできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、播種装置の出力量及び頻度を正確に計測する播種計測装置に対するニーズが存在している。このような装置は、約99%以上のカウント精度を有する必要があると共に、通常、種子及び穀物と混合された状態において検出される埃の粒子やその他の小さな異物から種子及び穀物を弁別する能力を有している必要がある。又、このような装置及び方法は、制限されたチューブ又は漏斗を種子が通過することを必要とすることなしに、種子又は穀物が播種装置から直接出力される際に播種頻度に関するデータを取得する能力を有する必要もある。更には、本装置及び方法は、大きな幅及び深さを有する種子又は穀物の高速の流れ内の種子及び穀物のカウント及び頻度を計測する能力を有している必要がある。例えば、本装置及び方法は、最大で平均種子サイズの約60倍の流れの幅及び深さを有する高速で移動する種子の流れ内の種子をカウントする能力を有している必要がある。更には、本装置は、耕地において便利に使用するべく、小型であると共に携帯可能である必要もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
小型の種子カウントシステムは、画像生成領域、画像センサ、レンズ、及び光学距離拡張器を備えている。光学距離拡張器は、画像生成領域とレンズの間に配置されている。光学距離拡張器は、有効な光学距離が画像生成領域とレンズの間の物理的な距離を大幅に上回るように、画像生成領域とレンズの間の光学距離を事実上増大させている。この拡張された光学距離は、種子が画像生成領域を通過する際に種子の画像を生成するための向上した被写界深度を提供している。
【0008】
別の実施例においては、本発明は、粒子サイズの少なくとも約10倍の流れの幅を有する離隔した粒子の流れ内において既定の粒子サイズの粒子をカウントする方法を含んでいる。本方法は、流れの幅以上のアパーチャの深さを有するアパーチャに粒子の流れを通過させる段階を含んでいる。本方法は、粒子の流れがアパーチャを通過する際に、アパーチャ内の粒子の位置とは無関係に、粒子の流れ内の実質的にすべての粒子の実質的に合焦された画像をキャプチャする段階を更に含んでいる。更には、本方法は、キャプチャされた粒子の画像を分析して粒子の流れの少なくとも1つの特性を判定する段階を含んでいる。
【0009】
本発明の別の実施例は、流れの平均軸を有する種子の実質的に分散した流れ内において種子の非常に鮮やかな画像を取得する手段を備える小型の種子カウント装置を含んでいる。非常に鮮やかな画像を取得する手段は、流れの軸からの種子の距離とは無関係に、流れ内のそれぞれの種子の非常に鮮やかな画像を取得する能力を有している。
【0010】
本発明の更なる実施例は、粒子頻度計測装置を含んでいる。本装置は、その内部にアパーチャを具備したハウジング、アパーチャの第1側部に配置された画像センサ、及び第1側部の反対側であるアパーチャの第2側部上の光源を含んでいる。レンズは、光源からの光を画像センサ上に合焦しており、且つ、これは、アパーチャから第1距離に配置されている。レンズとアパーチャの間の対向しているミラーのペアが、光が、レンズに到達する前に、第1距離を大幅に上回る距離を伝播しなければならないように、光源からの光を反射している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明による種子のカウント及び頻度計測装置の一実施例が図1〜図3に示されている。図1においては、装置10は、代表的な播種装置の播種部分16の下方に配置されている。播種装置16が動作すると、個別の種子が、実質的に一定のインターバルにおいて装置16の播種開口部15から放出される。計測装置10は、播かれた種子が、種子計測領域を定義しているアパーチャ18を通じて落下するように、播種開口部15の下方に配置されている。装置10は、クランプ14、或いは、ボルト又はこれに類似したものなどの任意のその他の適切な支持手段により、播種開口部15の下方の位置に固定されている。計測装置10によって収集された計測データは、シリアル通信ケーブル13によってリモートコンピュータ又はこれに類似したものに伝達されている。或いは、この代わりに、計測データは、無線によってリモートコンピュータに伝達することも可能である。
【0012】
計測装置10は、実質的に均一なサイズを有する種子の流れのタイミング及び頻度をカウント及び計測するのに適している。例えば、計測装置10は、種子又は穀粒の流れが播種装置16から放出された際に種子又は穀粒の頻度をカウント及び計測する能力を有している。尚、本明細書において使用されている「種子」という用語は、実質的に均一なサイズを有すると共に、播種に適した複数の同様の種子、穀物、又は穀粒を意味している。このような種子は、例えば、約1mmの平均直径を有するカノーラの種子などの小さな種子と、約5mmの平均直径を有するコーン又はトウモロコシの穀粒などの大きな種子を包含可能である。
【0013】
図2及び図3に示されているように、装置10は、ハウジング12を含んでいる。種子受け入れアパーチャ18が、ハウジング12の一部を通じて延長すると共に、種子計測エリアを定義している。このアパーチャ及び種子計測エリア18は、図3には、クロスハッチングされたエリアとして示されている。図示の実施例においては、アパーチャ18は、装置10の計測対象である種子の平均直径の約10〜60倍である(「x」方向において計測される)幅及び(「z」方向において計測される)深さを有している。ハウジング12は、アルミニウム又は任意のその他の好適な材料から構築可能である。一実施例においては、ハウジング12の少なくともいくつかの内部表面は、ハウジング12内における光の反射を極小化するべく、暗く着色可能である。好ましくは、計測装置10は、装置10が高度な携帯性を有すると共に、図1に示されているように計測位置に容易に配置及び取り付けできるように、小型のサイズ及び形状を有している。例えば、図1〜図3に示されている実施例においては、装置10は、長さが360mm(約14.2インチ)、高さが約98mm(約3.9インチ)、そして、幅が約72mm(約2.8インチ)であってよい。この実施例10においては、アパーチャ18は、約58mmx約58mm(約2.3インチx2.3インチ)であってよい。このアパーチャ18は、コーン又はトウモロコシの穀粒などの装置10によって計測可能である大きな種子の平均直径を幅及び深さにおいて約10倍上回っており、且つ、カノーラの種子などの装置10によって計測可能である小さな種子の平均直径を幅及び深さにおいて約60倍上回っている。
【0014】
図2及び図3に示されているように、光源32が、アパーチャ18の第1側部に提供されている。光源32は、図3に示されているように、実質的にアパーチャ18の幅全体にわたって延長可能である。光源32は、後程詳述するように、種子がアパーチャ18を通過する際に、予め選択されたサイズの種子を装置10が十分に検出できるようにするのに十分な光を供給する能力を有する任意の光源であってよい。図1及び図2に示されている計測装置10の実施例において使用するのに適した光源32の1つが、Kingbright Corporation社から入手可能である22個のKingbright red ultra bright LEDランプ(部品番号:L−934SRC−G)のアレイである。
【0015】
画像検知装置40が、光源32の反対側であるハウジング12の一端の近傍に提供されている。画像検知装置40は、粒子がアパーチャ18を通過する際に粒子の画像を十分に検知可能である任意のフォトセンサであってよい。尚、本明細書において使用されている「画像」という用語は、物体の光学的又は視覚的な表現又は複製を意味しており、且つ、これは、例えば、物体のシルエットを包含可能である、図2及び図3に示されている実施例10においては、画像検知装置40は、電荷結合素子(Charge−Couple Device:CCD)である。CCDセンサ40は、光を電荷に変換する複数の光感知半導体要素(ピクセル)を含んでいる。計測装置10内において使用するべく利用可能な1つのCCDは、Texas Advanced Optoelectronic Solutions, Inc.社から入手可能なTAOS Model No. TSL202である。TSL202 CCDは、2つの64ピクセルアレイを具備している。
【0016】
CCDの光検知動作が図4に示されている。ピクセル42上に入射した光が光電流を生成し、次いで、この光電流が、ピクセル42と関連する能動積算回路43によって積算される。積算期間には、サンプリングコンデンサがアナログスイッチを通じて積算器の出力に接続している。それぞれのピクセル42、44、46、48に蓄積される電荷の量は、そのピクセル上の光強度及び積算時間に直接比例している。CCDセンサ40内のシフトレジスタ47は、蓄積された電荷を、それぞれのピクセル42、4、46、48から隣接するピクセルに対して規則的なクロックインターバルで連続的にシフトさせている。このセンサからアナログ信号を抽出するには、レジスタ43全体を判読するために128個のクロックインパルスが必要である。従って、電荷のそれぞれの「パケット」がアレイ40のシリコン基板に沿って伝達されている。入力信号がアレイ内の最後のピクセル48に到達すると、電荷が電圧に変換され、出力増幅器50によって増幅されることにより、出力アナログ信号「AO」が生成されることになる。
【0017】
図2及び図3に示されている実施例10においては、対物レンズ24が、アパーチャ18内の計測エリアからの光画像を画像センサ40上に投影している。対物レンズ24の位置は、画像センサ40との関係において固定されている。アパーチャ18内の物体は、光源からの光を遮断し、光が画像センサ40に到達することを妨げる。従って、物体は、画像センサにとって、暗い形状又は影として表れる。一実施例10においては、レンズ24は、135mmの焦点距離を具備したJos. Schneider Optische Werke GmbH社によるComponon−S 5,6/135レンズであってよい。
【0018】
対物レンズ24に進入する前に、光源32からの光は、幅の狭いスリット19を通じて第1ミラー20に伝播し、次いで、第1ミラー20と、これに対向している第2ミラー22によって生成された拡張光学経路を横断することになる。第1及び第2ミラー20、22は、協働して光学距離拡張器を形成している。図示の実施例10においては、2つのミラー20、22は、実質的に互いに平行であると共に、垂直から約3度だけ傾斜している。第2ミラー22は、第1ミラー20のわずかに下方に配置されている。好ましくは、ミラー20、22は、その内部面に(即ち、もう1つのミラー20、22に対向しているその面に)反射層を具備している。ミラー20、22の隣接している面に反射層を具備することにより、そうでない場合にミラー20、22のガラス基板による屈折から発生し得る画像の歪みを防止している。図示の実施例10においては、これらのミラーは、高さが約65mmであり、幅が約39.5mmであって、厚さが約2mmである。この構成においては、光源32からの光は、第1ミラー20の反射表面に入射し、第2ミラー22の反射表面に向かって反射されることになる。光は、光が第2ミラー22の下部から反射され、第1ミラー20の下を通過して対物レンズ24に進入するまで、ミラー20、22の間において前後に反復反射される。図示の実施例10においては、光は、レンズ24に進む前に、約18回にわたって前後に反射されている。この結果、アパーチャ18の中心とレンズ24の間の有効な光学距離が実質的に増大している。
【0019】
図1及び図2に示されている実施例10においては、レンズ24とアパーチャ18の中心の間の物理的距離L1は、約75mm(約3インチ)である。しかしながら、光が、アパーチャ18の中心から、ミラー20、22の間を経て、レンズ24までに伝播しなければならない合計光学距離は、約703mm(約27.7インチ)である。従って、図示の実施例においては、レンズ24とアパーチャ18の中心の間の光学距離は、レンズ24とアパーチャ18の間の実際の物理的な距離L1よりも約9〜10倍だけ大きくなっている。その他の実施例においては、アパーチャ18とレンズ24の間の実際の距離に対する有効な光学距離の比率は、約5:1〜約20:1であってよい。更に別の実施例においては、この比率は、約7:1〜約15:1、或いは、更に好ましくは、約8:1〜約12:1であってよい。粒子又は種子の鮮やかな画像を取得すると共に、これにより、粒子又は種子をカウントする小型の装置10の能力に対するこの拡張された光学距離の重要性については、後述する。この有効な光学距離の増大は、相対的に幅の広い有効な画像生成領域に対応するべく、スリット19の幅の対応した増大を必要としている。又、有効な光学距離の増大は、光源32の強度の対応した増大をも必要としている。有効な光学距離は、ミラー20、22の間の距離及び/又はミラー20、22の傾きを変化させることにより、変更可能である。
【0020】
計測装置10は、電子回路モジュール30を更に含んでいる。図5aに示されているように、電子回路モジュール30は、アナログ/デジタルコンバータ50、ハードウェアフィルタ60、及びマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ70を含んでいる。画像センサ40からのアナログ出力信号「AO」は、コンバータ50に入力されている。コンバータ50は、このアナログ信号を増幅し、比較器段にアナログ信号を通過させることにより、フィルタ60に送信される対応したデジタル信号(RES)を生成している。フィルタ60は、このデジタル信号から(後述するように)特定のデータを除去し、最終的なフィルタリング済みの最終信号(OUT)をマイクロコントローラ70に対して入力している。図示の実施例30においては、コントローラ70は、クロック72、カウンタ74、及びデータ出力ポート76を含んでいる。出力ポート76は、例えば、データをリモートコンピュータ80に伝達するためのRS232シリアルポートであってよい。或いは、この代わりに、出力ポート76は、データをリモートの無線受信機又はこれに類似したものに伝達するための無線送信ユニットであってもよい。コントローラ70は、画像センサ40の動作を制御すると共に、センサ40、アナログコンバータ50、及びフィルタ60に対してクロックを提供している。
【0021】
アナログコンバータユニット50が図5bに示されている。CCDセンサ40からのアナログ信号AOは、増幅器51を通過している。増幅された信号は、アナログ比較器52に伝達され、閾値電圧レベルに照らして比較されることにより、2つのレベル(光及び影)のみを有する信号を定義している。アナログ比較器52は、アナログ信号AOをデジタル信号に変換し、次いで、これが、Dタイプのフリップフロップデジタルロジック回路54によって処理されている。CCDセンサ40のアーキテクチャに固有のスパイクを除去するべく、比較器52からの出力信号をCCDセンサ40のシステムクロックと同期させている。安定したレベルにおけるCCDセンサ40からの信号AOの計測を実現するには、わずかな時間遅延が必要である。フリップフロップ装置54の出力信号RES56は、(図6に示されているものと同様に)走査されたすべての種子を表している。
【0022】
フリップフロップ装置54の出力信号RES56は、ハードウェアフィルタ段を通過している。図5cを参照すれば、信号RES56は、信号CLK72によって駆動されているフリーランニングカウンタ74をリセットするべく使用されている。LOWレベル信号がカウンタ74のRESピンに印加されるたびに、カウンタ74は、リセットし、カウント動作を停止する。HIGHレベル信号がRESピンにおいて受信された際には、カウンタ74は、ゼロからカウント動作を開始し、信号RES56がLOWレベルに切り替わって戻るまで継続する。カウンタ値「B」がDATA「A」と同一の値に到達した際に、アイデンティティ比較器59が、正確に1クロックサイクルにおいて信号「OUT」53を生成する。カウンタ値が、A=Bとなる前にリセットされた場合には、信号は生成されない。DATA「A」がゼロに設定された場合には、特殊な状態が発生する。この場合には、信号RES56と信号OUT53が、まったく同一のものとなり、フィルタリングが結果的に提供されなくなる。
【0023】
図6は、画像センサ100からのデータ信号の電子回路モジュール30による処理を示している。アナログ信号100は、画像センサ40によってキャプチャされた「フレーム」における代表的な出力信号AOを表している。フレームとは、アパーチャ18の幅全体の光学的な走査のことである。アナログ信号100は、2つの相対的に強い画像パルス102、106と、2つの相対的に弱い画像パルス104、108を含んでいる。これらのパルスは、遮断物体に起因した走査の際の画像センサ40に入射する光の不存在を示しており、従って、図6に示されているアナログ信号100には、反転されたパルスとして表れている。画像パルスの強度は、パルスの幅(クロック72によって計測される持続時間)、並びに、反転されたパルスの振幅(キャプチャされた画像の暗さ)によって示されている。相対的に強い画像パルス102、106は、大きなサイズを有する2つの粒子又は種子のキャプチャ画像を表しており、相対的に弱い画像104、108は、埃の粒子などの2つの相対的に小さな物体のキャプチャ画像を表している。アナログデータ信号100がアナログ/デジタルコンバータ50を通過すると、デジタル化信号300が結果的に得られることになる。図6に示されているように、デジタル化信号300は、既定の閾値振幅を下回るアナログ信号100内の反転パルス102、104、106、及び108に対応した4つの方形パルス302、304、306、308を含んでいる。アナログ信号100と同様に、デジタル化信号300は、相対的に大きな粒子又は種子を表す2つの相対的に強い(幅の広い)パルス302、306と、小さな埃の粒子を表す2つの相対的に弱い(幅の狭い)パルス304、308を含んでいる。
【0024】
デジタル化信号300を積算すると、増大するカウンタ値400が結果的に得られることになり、これは、デジタル化信号300内の相対的に幅の広い方形パルス302、306のエリアに対応すると共に、相対的に大きな粒子又は種子を表している2つの大きな鋸歯ピーク402、406と、相対的に小さな埃粒子を表している相対的に幅の狭い方形パルス304、308のエリアに対応した2つの相対的に小さな鋸歯ピーク404、408を含んでいる。フィルタ60は、相対的に小さなピークが、予め選択されている最小パルス幅を満足又は超過していないため、これらのピーク404、408を除去し、最終的な出力信号又はカウント信号500を生成している。最終的な出力信号500は、積算信号400内の2つの大きなピーク402、406に対応した2つの方形パルス502、506を含んでいる。最終的な出力信号500は、フィルタ60からカウンタ74に送信されている。或いは、この代わりに、フィルタ60の予め選択されたフィルタ幅が、ゼロに設定されていた場合には、デジタル信号302がマイクロプロセッサ70に直接伝達されることになり、装置10は、2つの種子ではなく4つの種子をカウントすることになろう。従って、フィルタ60が存在しない場合には、埃の粒子などの小さな物体が種子と共にカウントされることになろう。フィルタリングの後の信号OUT500内の立ち上がり及び立ち下がりエッジのそれぞれのシーケンスは、走査内の種子を表しており、これらをマイクロコントローラ70内の内部カウンタ58によってカウント可能である。
【0025】
図7は、粒子がアパーチャ18を通過する際に種子などの粒子を計測装置10によって走査及びカウントする方法を示している。図7においては、それぞれのライン600〜605は、2つの種子610、620及び埃の1つの粒子630がアパーチャ18を実質的に同時に通過した際の画像センサ40によるアパーチャ18の一連の連続的な光学走査の中の1つに対応した信号を表している。第1の走査(「n」)においては、画像センサ40は、物体の画像を検出しておらず、カウンタに送信される最終的な出力信号600も、カウント可能なパルスを含んでいフラットなラインである。第2の走査(「n+1」)においては、画像センサ40は、アパーチャの第1走査の完了以降にセンサ40の視野内に落下してきた埃の粒子630を検出している。第2の走査の結果、単一の幅の狭い方形パルスを含むデジタル化信号601aと、最終的なフラットな出力信号601bが生成されている。埃の粒子630に対応したデジタル化信号601a内の単一方形パルスは、種子を表すには幅が狭すぎると判定され、従って、最終的な信号601bからフィルタリングによって除去されているため、出力信号601bは、カウント可能なパルスを含んではいない。
【0026】
第3走査(「n+2」)においては、画像センサ40は、デジタル化信号602aによって示されているように、第1種子610の狭い底部部分と第2種子620の幅の広い部分を検出している。デジタル化信号602a内の第1種子610に対応した方形パルスの相対的に狭い幅に起因し、このパルスは、最終的な信号602bからフィルタリングによって除去されている。従って、最終的な信号602bは、第2種子620に関連した単一のパルスのみを含んでいる。第4走査(「n+3」)においては、画像センサ40は、第1及び第2種子610、620の両方の幅の広い部分を検出している。従って、デジタル化信号603aのフィルタリングの後に、最終的な信号603bは、2つの種子610、620と関連した2つのカウントパルスを含んでいる。第5の走査(「n+4」)の時点においては、第2種子は、画像センサ40の目視線を既に通過しており、従って、センサ40は、第1種子610の幅の広い部分を検出するのみである。従って、デジタル化信号604a及び最終的な信号604bは、それぞれ、第1種子と関連した単一の方形パルスを含んでいる。最後の走査(「n+5」)の時点においては、両方の種子がセンサ40の目視線を既に通過しており、最終的な信号605は、カウントパルスを含んでいない。次の表1は、図7に示されている最終的な信号600、601b、602b、603b、604b、及び605によって表されている画像データをコントローラ70及びカウンタ74によって分析することにより、データによって示されている種子の数を判定する方法を示している。
【0027】
【表1】

【0028】
表1において、「種子#1のカウント」及び「種子#2のカウント」というラベルが付与されている列は、それぞれの光学走査「n」〜「n+5」の最終的なカウント信号における、それぞれ、第1種子610及び第2種子620のカウントパルスの存在又は不存在を示している。表1のカウンタコントローラ値は、それぞれの走査のそれぞれの最終的なカウント信号内に含まれているカウントパルスの合計数(即ち、「種子#1のカウント」及び「種子#2のカウント」列の合計)である。マイクロプロセッサコントローラ70は、表1の最後の列内に示されているそれぞれの走査における最終的な結果を判定している。それぞれの光学走査ごとに、プロセッサ70は、現在の走査における現在のコントローラカウンタ値を直前の走査におけるコントローラカウンタ値から減算している。この最終結果が正の数(>0)である場合に、その最終結果を確定した種子のカウントとして報告している。表1に示されているように、図7に示されている一連の走査は、結果的に「2」という最終的な種子のカウントを正しくもたらしている。
【0029】
種子のカウントデータは、データストリームとしてシステムマイクロプロセッサ70からリモートコンピュータ80に報告されており、このデータストリームは、次のようなフォーマットを有することが可能である。
【0030】
TIME COUNTS/SCAN CACHE\r\n 新しい計測の開始
00024A9C 01 00\r\n 第1種子の検出
00024AEF 01 00\r\n 第2種子
00024B42 02 00\r\n 同一走査において2つの種子
00024B96 01 02\r\n 2つの更なるデータセットの判読を要する
【0031】
上記のデータストリーム内において、時間データは、計測の開始以降の絶対時間に対応した32ビット値(HEXフォーマット)である。従って、キャプチャされたデータは、種子の流れ内の連続した種子の間の経過時間インターバルを含んでおり、これを処理することにより、平均頻度及び統計頻度分布などの種子の頻度の様々な側面を算出可能である。時間分解能は、約400マイクロ秒であってよく、これは、約2500Hzの画像センサの走査レートに等しい。この走査レートにおいては、アパーチャ18によって定義されている計測エリアが2500回/秒で継続的に走査されることになる。この高頻度の走査レートにより、装置10は、高流速で流れる種子又はその他の粒子を効果的に計測する能力を有することができる。一実施例においては、マイクロプロセッサ70は、データをリモートコンピュータ80に供給し、このリモートコンピュータ80が、データの統計的評価を含む計測パラメータの報告を生成している。
【0032】
前述の例に示されているように、装置10は、アパーチャ18を実質的に同時に通過する複数の粒子及び種子をカウントする能力を有している。従って、装置10は、播種装置から播かれる種子を正確にカウント可能である(このような装置は、少なくとも時折、一度に複数の隣接する種子(所謂、「ダブル」である)を供給可能である)。従って、装置10は、所与の期間内に装置によって播種される種子の数と総重量を計測するのに特に有用である。又、装置10は、従来の播種装置の播種精度に対する様々な種子処理法の影響を評価するのにも特に有用である。更には、装置10は、当業者には周知のように、フィンガピックアップ型播種装置のスプリング張力、真空型播種装置の真空レベル及びスクレーパの位置、播種精度に対する駆動速度の影響、及びこれらに類似したものなどの特定の種子タイプ及び処理方式における播種装置用の最適なハードウェア設定を判定するのにも有用である。
【0033】
対向しているミラー20、22によって生成されている拡張された光学距離は、アパーチャ18内の粒子の位置とは無関係に、アパーチャ18を通過する粒子又は種子を検出する装置10の能力を向上させることができる。この効果を示すべく、前述の計測装置10と類似した、但し、ミラー20及びミラー22を有していない小型の光学計測装置600が図8a〜図8cに示されている。本装置10と同様に、装置600は、計測エリアを定義しているアパーチャ618、光源632、レンズ624、及び画像センサ640を含んでいる。レンズ624は、アパーチャ618の中心から距離L2において固定されており、画像センサ640は、レンズ624から距離L1において固定されている。レンズ624及び距離L1及びL2は、アパーチャ618の中心を通過する種子690の正確に合焦された画像が画像センサ640上に投影されるように、選択されている。従って、図8aに示されているように、種子又は粒子690が実質的にアパーチャ618の中心を通過した際には、種子又は粒子690の投影された画像に、ぼやけは実質的に存在していない。
【0034】
図8bは、種子又は粒子692が、実質的にアパーチャ618の中心よりもレンズ624に近いアパーチャ618の前方部分を通過した際の結果を示している。種子又は粒子692が実質的にレンズに近いため、種子又は粒子の画像は、画像センサ640の前方の距離aのポイントに投影されることになる。この結果、画像センサ640に到達した画像は、合焦されてはおらず、大量のぼやけを含んでいる。図8cに示されているように、種子又は粒子694が、実質的にアパーチャ618の中心よりもレンズ624から遠いアパーチャ618の後方の部分を通過した場合にも、類似の結果が発生することになる。この場合には、種子又は粒子694の画像は、画像センサ640の背後の距離「d」のポイントに投影される。この結果、画像センサ640に到達した画像は、この場合にも、合焦されてはおらず、大量のぼやけを含んでいる。種子の画像が過剰にぼやけている場合には、前述の装置10などのシステムは、ぼやけた画像を種子として認識することができない。写真用語によれば、装置600は、非常に浅い被写界深度を有している。
【0035】
図9a及び図9bは、検知された画像の品質に対する被写界深度の影響と、画像センサ40によって生成される対応したアナログ信号に対する結果的な影響を示している。図9aは、前述の図8a〜図8cに示されているものに類似した小型の光学計測装置600における走査の結果を示している。このような装置600においては、種子710がアパーチャ618の中心を通過した際には、種子710の画像は、画像センサ640上に鮮やかに合焦され、対応した大きな振幅のパルス722が、画像センサのアナログ出力信号720を結果的にもたらすことになる。しかしながら、種子712が、実質的にアパーチャ618の中心の背後を通過したり、或いは、種子714が、実質的にアパーチャ618の中心の前方を通過した際には、画像センサ640上に投影される画像は、相当にぼやけることになる。この結果、画像センサのアナログ出力信号720内の対応したパルス724、726は、閾値振幅A0を下回る相対的に小さな振幅を有している。従って、合焦されていない種子712及び714は、カウントされないことになる。
【0036】
対照的に、前述の対向しているミラー20、22によって生成されているアパーチャ18とレンズ24の間の拡張された光学距離により、本発明による装置10は、広いアパーチャ18内の粒子及び種子の位置とは無関係に、粒子又は種子を正確にカウントする能力を有している。拡張された光学距離により、アパーチャ内の粒子又は種子の位置とは無関係に、粒子又は種子の非常に鮮やかな画像が、レンズ24によって画像センサ40上に投影されることになる。換言すれば、アパーチャ18内のどこかに位置している物体の画像が非常に鮮やかな画像として画像センサ40上に投影されるように、ミラー20、22は協働して向上した被写界深度を提供しているのである。図9bに示されているように、種子810がアパーチャ18の中心を通過した場合にも、種子812がアパーチャ18の後方の部分を通過した場合にも、或いは、種子814がアパーチャ18の前方の部分を通過した場合にも、結果的に得られるアナログ出力信号820は、それぞれが閾値振幅A0を超過している対応した大きな振幅のパルス822、824、826を含んでいる。換言すれば、3つの種子の画像内にぼやけが実質的に存在していないということに起因し、画像センサ40によって生成されるすべての3つのパルスの振幅は、同様に強力なものになっている。従って、装置10は、すべての3つの種子810、812、814を正確にカウント可能である。従って、装置10は、長さが短く、且つ、システムのオプティクス24が、固定されており、調整不能ではあるが、装置10は、カウントの精度に対して影響を及ぼすことなしに(又は、ほとんど影響を及ぼすことなしに)、画像生成対象の物体とレンズ24の間の距離の大きな変動に対して対応可能である。例えば、前述の実施例10においては、レンズ24に対する種子の近さは、種子がアパーチャ18を通過する際に種子を検出する装置の能力に対して悪影響を及ぼすことなしに、±29mmだけ変化可能である。換言すれば、約1mmの平均直径を有する種子の場合には、装置10は、最大で種子の直径の約60倍の種子の位置の合計変動に対して対応可能である。従って、装置10は、種子の流れ内の種子を正確にカウントする能力を有しており、この場合に、種子の流れは、最大で平均種子直径の約60倍の流れの幅及び流れの深さを有している。
【0037】
前述のものなどの小型のカウント装置10は、ハイレベルな精度によって種子又は粒子の分散した流れ内の種子又は粒子をカウントする能力を有している。例えば、このような装置10は、少なくとも、約99パーセント、高い場合には、約99.9パーセントものカウント精度を具備していると考えられる。装置10は、粒子の流れ内において広く分散した粒子に対して対応可能であるため、装置によって粒子を受け取る前に、分散した流れを狭い流れに集中させる必要がない。例えば、装置10を使用して従来の播種装置の播種頻度を計測する場合には、播種装置からの種子の流れをまず集中させる(或いは、さもなければ圧縮する)ことなしに、装置の出力をアパーチャ18を通じて直接供給可能である。
【0038】
図10に示されているように、本発明は、種子のサイズを大きく上回る流れの深さを有する離隔した種子の流れの特性を計測する方法800をも含んでいる。本方法は、大きな深さを具備した計測エリアに種子の流れを通過させる段階810を含んでいる。好ましくは、計測エリアの深さは、流れの深さ以上であり、且つ、種子直径の最大で約58倍であってよい。本方法800は、種子が計測エリアを通過する際に、計測エリア内の種子の位置とは無関係に、種子の流れ内の実質的にすべての種子の非常に鮮やかな画像をキャプチャする段階820を更に含んでいる。従って、種子が流れの中心に位置している場合にも、流れの前方又は後方のエッジに沿って又はこれらの近くに位置している場合にも、流れ内の実質的にすべての種子の非常に鮮やかな画像が得られることになる。最後に、キャプチャされた種子画像を分析することにより、種子の流れの少なくとも1つの特性を判定している830。判定される特性は、例えば、種子の流れ内の種子の量又は種子の流れ内の連続した粒子の間の期間又は頻度であってよい。種子の流れが少なくとも2つの異なるサイズの種子及び/又はその他の物体を含んでいる際には、判定される特性は、例えば、特定のサイズを上回る種子又は物体の数であってよい。
【0039】
システム10及び方法800は、直径が約1mm以上である粒子の流れを計測する能力を有している。従って、装置10及び方法800は、カノーラの種子などの小さな種子又はコーン又はトウモロコシの穀粒などの相対的に大きな種子のカウント及び頻度を計測するのに効果的である。
【0040】
本発明の様々な実施例に関する以上の説明は、本発明の様々な態様を説明及び例示することを意図したものであって、本発明の範囲をこれらに限定することを意図したものではない。
【0041】
当業者であれば、本発明を逸脱することなしに、記述されている実施例に対して様々な変更及び変形を実施可能であることを認識するであろう。例えば、本装置及び方法は、移動する種子の特性を計測するという観点において説明されているが、本装置は、その他の物体又は粒子の流れを計測するべく使用することも可能である。そのようなすべての変更及び変形は、添付の請求項の範囲に属することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】代表的な播種装置からの種子の分配を計測する際の本発明による計測装置の一実施例の透視図である。
【図2】図3のライン2−2に沿って取得された図1に示されている本発明による計測装置の一実施例の正面断面図である。
【図3】図2のライン3−3に沿って取得された図1及び図2の計測装置の平面断面図である。
【図4】図1〜図3の計測装置内において使用される電荷結合素子(Charge−Coupled Device:CCD)の機能を示すブロックダイアグラムである。
【図5a】図1〜図3の計測装置の様々な電子的部分の間の関係を示すブロックダイアグラムである。
【図5b】図1〜図3の計測装置内において使用される電子的アナログ装置の詳細を示すブロックダイアグラムである。
【図5c】図1〜図3の計測装置内において使用される電子的フィルタ及びカウンタの詳細を示すブロックダイアグラムである。
【図6】種子のカウント及びタイミング/頻度を判定するための図1〜図3の計測装置による画像データの分析のグラフィカルな表現である。
【図7】図1〜図3の計測装置による一連の光学的な走査のグラフィカルな表現である。
【図8a−c】図1〜図3のものに類似しているが、浅い被写界深度を具備した計測装置の概略表現である。
【図9a−b】図1〜図3の装置内の向上した被写界深度のグラフィカルな表現である。
【図10】本発明による種子の頻度及びカウントを計測する方法の一実施例を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)画像生成領域と、
(b)画像検知装置と、
(c)前記画像生成領域と前記画像検知装置の間のレンズと、
(d)前記画像生成領域と前記レンズの間の光学距離拡張器であって、これにより、前記画像生成領域と前記レンズの間の有効な光学距離が、前記画像生成領域と前記レンズの間の物理的な距離の少なくとも約5倍になっている、光学距離拡張器と、
を備える種子カウントシステム。
【請求項2】
前記光学距離拡張器は、複数のミラーを備える請求項1記載の種子カウントシステム。
【請求項3】
前記光学距離拡張器は、実質的に平行なミラーのペアを備える請求項1又は2記載の種子カウントシステム。
【請求項4】
前記画像検知装置は、電荷結合素子を備える請求項1〜3の中のいずれか一項記載の種子カウントシステム。
【請求項5】
前記画像生成領域は、前記システムによるカウントの対象である種子の直径の約10〜60倍の深さを有する請求項1〜4の中のいずれか一項記載の種子カウントシステム。
【請求項6】
(a)その内部にアパーチャを有するハウジングと、
(b)前記アパーチャの第1側部に配置されている画像センサと、
(c)前記第1側部の反対側であるアパーチャの第2側部上の光源と、
(d)前記光源からの光を前記画像センサ上に合焦するレンズであって、前記アパーチャから第1距離に配置されているレンズと、
(e)前記レンズと前記アパーチャの間の対向するミラーのペアと、
を有し、
(f)これにより、前記光源から放射された光は、前記光源からの光が、前記レンズに到達する前に、前記第1距離の少なくとも約5倍である距離を伝播しなければならないように、前記ミラーの間において反射される、粒子頻度計測装置。
【請求項7】
前記画像センサは、電荷結合素子を備える請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記対向しているミラーのペアは、実質的に互いに平行である請求項6又は7記載の装置。
【請求項9】
前記対向しているミラーのペアは、対向しているミラー面のペアを含んでおり、この場合に、前記対向しているミラー面のそれぞれは、その上部にミラーリング材料を備える請求項6〜8の中のいずれか一項記載の装置。
【請求項10】
前記画像センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ/デジタルコンバータを更に備える請求項6〜9の中のいずれか一項記載の装置。
【請求項11】
前記デジタル信号をフィルタリングするフィルタを更に備える請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記画像センサによって検知された画像をカウントするべく構成されたマイクロプロセッサを更に有する請求項6〜11の中のいずれか一項記載の装置。
【請求項13】
前記画像センサによって取得された連続した画像の間の経過期間を計測するべく構成されたマイクロプロセッサを更に備える請求項6〜12の中のいずれか一項記載の装置。
【請求項14】
粒子のサイズの約10〜60倍である流れの深さを有する離隔した前記粒子の流れの特性を計測する方法において、
(a)前記流れの深さ以上である深さを有する計測エリアに前記粒子の流れを通過させる段階と、
(b)前記粒子の流れが前記アパーチャを通過する際に、前記計測エリア内における粒子の位置とは無関係に、前記粒子の流れ内の実質的にすべての粒子の実質的に合焦された画像をキャプチャする段階と、
(c)前記キャプチャされた粒子の画像を分析して前記粒子の流れの少なくとも1つの特性を判定する段階と、
を有する方法。
【請求項15】
前記特性は、前記粒子の流れ内の粒子の量である請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記特性は、前記粒子の流れ内の連続した粒子の間における期間である請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
前記流れ内のそれぞれの粒子の前記画像のサイズ及びシャープネスを表すデジタル信号を生成する段階を更に有しており、この場合に、前記キャプチャされた粒子の画像を分析する段階は、前記デジタル信号を分析する段階を有する請求項14〜15の中のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
前記粒子の流れは、少なくとも2つの異なるサイズを有する粒子の流れを備えており、前記特性は、予め選択されたサイズ以上の前記流れ内の粒子の数である請求項14〜17の中のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
前記粒子の流れは、少なくとも2つの異なるサイズを有する粒子の流れを備えており、前記特性は、予め選択されたサイズ以上の前記流れ内の粒子の頻度である請求項14〜18の中のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
流れの平均軸を有する実質的に分散した流れ内の種子の非常に鮮やかな画像を取得する手段を備える小型の種子カウント装置において、
前記手段は、前記流れの軸からの種子の距離とは無関係に、前記流れ内のそれぞれの種子の非常に鮮やかな画像を取得する能力を有する、小型の種子カウント装置。
【請求項21】
非常に鮮やかな画像を取得する前記手段は、
(a)画像センサと、
(b)種子の画像を前記画像センサ上に合焦するレンズであって、前記レンズは、前記画像センサと前記流れの平均軸の間に配置されており、前記レンズは、前記流れの平均軸から第1距離にある、レンズと、
(c)前記第1距離の少なくとも約5倍である前記流れの平均軸と前記レンズの間の有効な光学距離を提供するべく構成された複数のミラーと、
を備える請求項20記載の小型の種子カウント装置。
【請求項22】
前記画像センサは、電荷結合素子を備える請求項21記載の小型の種子カウント装置。
【請求項23】
予め選択されたサイズ以上である粒子を選択的にカウントする手段を更に備える請求項20〜22の中のいずれか一項記載の小型の種子カウント装置。
【請求項24】
選択的にカウントする前記手段は、
(a)アナログ画像データ信号をデジタル画像信号に変換するアナログ/デジタルコンバータであって、前記デジタル画像信号は、画像生成された粒子のサイズを表している、アナログ/デジタルコンバータと、
(b)前記デジタル信号をスクリーニングすることにより、前記予め選択された粒子サイズを下回るサイズの粒子を表すデータを除去するフィルタと、
を備える請求項23記載の種子カウント装置。
【請求項25】
種子の実質的に分散した流れ内の種子の非常に鮮やかな画像を取得する前記手段は、約10〜20種子/秒の速度で移動する種子の流れ内のそれぞれの種子の非常に鮮やかな画像を取得する能力を有する請求項20〜24の中のいずれか一項記載の種子カウント装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図9a−b】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−530699(P2008−530699A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555521(P2007−555521)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001357
【国際公開番号】WO2006/087176
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)