説明

種苗糸

【課題】 コンブやワカメ等の海藻類の胞子が付着しやすく、しかも、海水中で脱落しにくい生分解性の種苗糸を提供する。
【解決手段】 この種苗糸は、5000〜6000デニール程度の太繊度の撚糸と、3000〜4500デニール程度の中繊度の撚糸と、2500〜2900デニール程度の細繊度の撚糸とが合撚されてなる。各撚糸はモノフィラメントとマルチフィラメントと、所望により紡績糸とを撚ることによって形成されている。モノフィラメント、マルチフィラメントを構成する単繊維、紡績糸を構成しているステープル繊維は、いずれも、ポリ乳酸等の生分解性脂肪族ポリエステルで形成されている。モノフィラメントは、マルチフィラメント及び紡績糸に比べて、高剛性であるのが好ましい。また、マルチフィラメントは、モノフィラメント及び紡績糸に比べて、高引張強度であるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンブやワカメ等の海藻類の胞子を付着させ、海中で成育させるのに使用する種苗糸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、海藻類の胞子を付着させるための種苗糸としては、ポリビニルアルコール短繊維を紡績してなる紡績糸や、ポリビニルアルコール単繊維が多数本集束されてなるマルチフィラメントが汎用されている。ポリビニルアルコール製紡績糸やマルチフィラメントは、親水性であるため、海藻類の胞子が付着しやすく、また、水を吸水して短繊維相互間や単繊維相互間が硬く締まり、海水中で短繊維や単繊維がばらけにくいため、種苗糸として最適である。
【0003】
この種苗糸を用いて海藻類を成育させ、それを収穫した後、種苗糸を処分するには、産業廃棄物として土壌中に埋めるか、又は焼却するしかなく、環境に悪影響を及ぼすことが問題となりつつある。このため、種苗糸を構成する短繊維等を、生分解性繊維で構成することが試みられている。
【0004】
しかしながら、ポリビニルアルコール繊維以外の繊維には、海藻類の胞子が付着しにくいという欠点があった。したがって、生分解性繊維を使用した場合も、海藻類の胞子が付着しにくく、使用できなかった(特許文献1、段落番号0003)。
【0005】
特許文献1には、生分解性繊維が種苗糸として適さない理由として、生分解性繊維は海水中で分解するために、胞子が脱落するからであると記載されている(特許文献1、段落番号0003)が、本発明者は、そのように考えていない。なぜなら、生分解性繊維の多くは、土壌中のバクテリアの作用によって、分解するものであり、海水中で簡単に分解しないからである。本発明者は、生分解性繊維が種苗糸に適さない理由は、ポリビニルアルコール繊維以外の繊維が種苗糸に適さない理由と同様であると考えている。すなわち、高親水性ではないため、海藻類の胞子が付着しにくいこと、また水を吸水して繊維相互間が硬く締まらず、海水中でばらけて揺動するため、付着した胞子が脱落してしまうからであると考えている。
【0006】
特許文献1には、生分解性繊維を用いながら、海藻類の胞子が付着しやすい種苗糸を得るため、生分解性繊維の表面にポリビニルアルコール樹脂を塗布することが提案されている(特許文献1、特許請求の範囲)。このような技術によれば、海藻類の胞子がよく付着するかもしれないが、ポリビニルアルコール樹脂を用いているため、生分解性の程度が低下するという欠点がある。つまり、土壌中に使用後の種苗糸を埋めても、ポリビニルアルコール樹脂が残存し、完全に分解してしまわないという欠点がある。
【0007】
【特許文献1】特開平9−96号公報(特許請求の範囲、段落番号0003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、基本的に生分解性繊維を使用しながら、胞子が付着しやすく、かつ、脱落しにくい種苗糸を開発すべく、種々検討していたところ、種苗糸の構成を工夫することにより、胞子がよく付着し、しかも海水中でも胞子が脱落しにくくなることが判明した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とが、合撚されてなる種苗糸であって、各撚糸は、少なくともモノフィラメントとマルチフィラメントとを撚ることによって形成されており、該モノフィラメントと、該マルチフィラメントを構成する単繊維とは、いずれも、生分解性脂肪族ポリエステルで形成されていることを特徴とする種苗糸に関するものである。
【0010】
本発明に係る種苗糸は、太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とが、合撚されてなるものである。太繊度の撚糸とは、中繊度の撚糸よりも繊度の大きい撚糸という意味である。また、細繊度の撚糸とは、中繊度の撚糸よりも繊度の小さい撚糸という意味である。一般的に、中繊度の撚糸の繊度をXデニールとしたとき、太繊度の撚糸の繊度は1.2Xデニール以上であり、細繊度の撚糸の繊度は0.8Xデニール以下であるのが、好ましい。太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とが、この程度の繊度差であると、この三種の撚糸を合撚して種苗糸としたとき、その表面に海藻類の胞子が付着しやすく、かつ、脱落しにくい凹凸が形成されるのである。すなわち、繊度差がこの程度よりも少ないと、種苗糸として好適な凹凸が、その表面に形成されにくくなる恐れがある。具体的には、太繊度の撚糸の繊度は、5000〜6000デニール程度であるのが好ましい。中繊度の撚糸の繊度は、3000〜4500デニール程度であるのが好ましい。細繊度の撚糸の繊度は、2500〜2900デニール程度であるのが好ましい。これらの太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸の全てが、各々、撚られているのは、撚糸を構成している繊維がばらけないようにするためである。撚りの方向はS撚りであってもZ撚りであってもよいが、各撚糸は同一方向に撚られているのが好ましい。また、撚りの回数は任意であるが、一般的には、10〜700回/m程度である。
【0011】
太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸は、合撚されている。これを合撚する理由も、撚りによって種苗糸がばらけないようにするためである。また、太繊度、中繊度及び細繊度というように、繊度の異なる三種の撚糸を使用する理由は、種苗糸表面に凹凸を付与し、海藻類の胞子が付着しやすくすると共に、脱落しにくいようにするためである。同一繊度の撚糸を合撚した場合と、異なる繊度の三種の撚糸とを合撚した場合とでは、後者は、種苗糸表面に顕著な凹凸を付与しうるのである。合撚の撚り方向は、各撚糸の撚り方向とは逆の方向であるのが好ましい。たとえば、各撚糸がS方向に撚られている場合には、合撚はZ方向に撚るのが好ましい。各撚糸の撚りの方向と、合撚の撚りの方向が同一であると、種苗糸が捩れやすくなる傾向が生じる。合撚の撚り回数も任意であるが、一般的に50〜200回/m程度である。なお、太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸を合撚する際に、その他の撚糸やフィラメント等の糸条を併用して、合撚してもよいことは、言うまでもない。
【0012】
各撚糸は、少なくとも、モノフィラメントとマルチフィラメントとを撚ることによって形成されている。モノフィラメントとは、単一のフィラメントからなるものである。マルチフィラメントとは、多数本の単繊維(単フィラメント)を集束してなるものである。マルチフィラメントは、多数本の繊維で構成されているから、海水中での揺動によって、ばらける恐れがある。しかるに、モノフィラメント(単一のフィラメントであるから、ばらけることはない。)を併用して撚糸とすると、マルチフィラメントが、モノフィラメントで抑えられ、繊維がばらけにくくなるのである。これがモノフィラメントを使用している理由である。また、マルチフィラメントは、多数本の繊維からなるものであるため、この繊維相互間隙に、海藻類の胞子が付着しやすいものであり、これがマルチフィラメントを使用している理由である。
【0013】
また、各撚糸を形成する際に、モノフィラメント及びマルチフィラメントに、紡績糸を併用してもよい。すなわち、モノフィラメントと、マルチフィラメントと、紡績糸とを撚ることによって、各撚糸を形成してもよい。紡績糸とは、多数本のステープル繊維(紡績用繊維)が紡績されて得られた糸のことである。したがって、紡績糸もまた、多数本の繊維で構成されているから、海水中での揺動によって、ばらける恐れがある。しかるに、モノフィラメント(単一のフィラメントであるから、ばらけることはない。)を併用して撚糸とすると、紡績糸がモノフィラメントで抑えられ、繊維がばらけにくくなるのである。これがモノフィラメントを使用している理由である。また、紡績糸は、多数本の繊維からなるものであるため、マルチフィラメント同様に、繊維相互間隙に、海藻類の胞子が付着しやすいものである。特に、紡績糸は、マルチフィラメントに比べて多数の毛羽も存在するため、海藻類の胞子がより付着しやすいし、得られる種苗糸の風合いも良好となる。これが、特に紡績糸を併用する理由である。
【0014】
また、モノフィラメントの繊度を、マルチフィラメントや紡績糸と同等のものにすると、モノフィラメントの剛性が高くなる。なぜなら、モノフィラメントは単一のフィラメントからなるものであるから、モノフィラメントの直径は、マルチフィラメントや紡績糸を構成する繊維の直径よりも大きくなる。大きい直径のフィラメントと、細い直径の繊維の集合体とを比較すれば、当然、直径の大きいフィラメントの剛性の方が高くなる。本発明において、モノフィラメントとして、マルチフィラメント等と同程度の繊度のものを用い、剛性を高くしておくと、以下のような利点がある。すなわち、種苗糸は、約数cmに切断され、それがロープに挿通されて使用されるものであるが、ロープに挿通する際、種苗糸の剛性が高い方が有利である。なぜなら、種苗糸をロープに挿通する際、ロープの撚りを緩め、間隙を開けて、そこに種苗糸を挿入するのであるが、このとき、種苗糸が直線状となっている方が、挿入しやすいからである。種苗糸の剛性が高いと、この直線状態がよく維持できるのに対し、剛性が低いと種苗糸が折れ曲がりやすくなり、ロープに挿通しにくくなるのである。
【0015】
また、マルチフィラメントとしては、モノフィラメントや紡績糸に比べて、引張強度の高いものを採用するのが好ましい。マルチフィラメントは単繊維(単フィラメント)の集束体であるので、単一のフィラメントからなるモノフィラメントや、短繊維の集束体である紡績糸に比べて、その繊度が同等であるとき、引張強度が最も高くなる。このようなマルチフィラメントを使用していることにより、種苗糸の引張強度も高くなり、取り扱い時に、切断する恐れが少なくなる。
【0016】
本発明において、モノフィラメント、マルチフィラメントを構成する単繊維、所望により使用する紡績糸を構成しているステープル繊維は、いずれも、生分解性脂肪族ポリエステルで形成されている。すなわち、本発明に係る種苗糸は、基本的に、生分解性脂肪族ポリエステル製モノフィラメント、生分解性脂肪族ポリエステル製マルチフィラメント、生分解性脂肪族ポリエステル製紡績糸で、構成されている。したがって、使用後の種苗糸を処分する際、土壌中に埋めれば、土壌中の水分及びバクテリアの作用によって分解し、環境に悪影響を与えることが少ない。生分解性ポリエステルとしては、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンアゼレート、ポリエチレンセバケート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等の従来公知の生分解性ポリエステルを用いることができる。また、モノフィラメントや、各繊維の横断面形状は、一般的に丸断面であるが、Y型やT型等の異形断面や中空断面等であってもよい。
【0017】
本発明に係る種苗糸の製造方法は、たとえば、以下のとおりである。まず、生分解性脂肪族ポリエステル製モノフィラメントと、生分解性脂肪族ポリエステル製マルチフィラメントとを準備する。そして、これら二種の糸条を、各々任意の本数を用いて集束し、撚ることによって、太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸との三種の撚糸を得る。この三種の撚糸を集束して合撚した後、熱処理することによって、種苗糸を得るのである。また、所望により、生分解性脂肪族ポリエステル製紡績糸を併用するときは、この紡績糸を準備する。そして、生分解性脂肪族ポリエステル製モノフィラメントと、生分解性脂肪族ポリエステル製マルチフィラメントと、生分解性脂肪族ポリエステル製紡績糸の三種の糸条を、各々任意の本数を用いて集束し、撚ることによって、太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸との三種の撚糸を得る。この三種の撚糸を集束して合撚した後、熱処理することによって、種苗糸を得ることができる。
【0018】
この熱処理は、合撚された種苗糸の形態を固定するために行われるものである。すなわち、生分解性脂肪族ポリエステルは、熱可塑性であるため、熱処理することにより、合撚された形態で固定されるのである。熱処理は、生分解性脂肪族ポリエステルのモノフィラメント、マルチフィラメント等が、熱によって軟化し、固定される温度であれば、どのような温度でもよい。また、熱処理は湿熱処理である方が好ましい。湿熱処理の方が、比較的低い温度で熱固定しうるからである。湿熱処理の温度としては、55℃〜120℃程度が好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る種苗糸は、太繊度の撚糸と中繊度の撚糸と細繊度の撚糸とが合撚されてなるものであるため、その表面に顕著な凹凸が生じる。また、各撚糸には、多数本の繊維から構成されるマルチフィラメントが用いられている。したがって、種苗糸表面の凹凸や、マルチフィラメントにおける繊維相互間の間隙に、海藻類の胞子が付着しやすくなる。そして、各撚糸中には、モノフィラメントによって、マルチフィラメントが抑えられているため、海水中で種苗糸を揺動させておいても、マルチフィラメントを構成している繊維がばらけにくく、付着している胞子が脱落しにくくなっている。したがって、本発明に係る種苗糸を用いれば、従来のポリビニルアルコール繊維からなる種苗糸と同等に、コンブやワカメ等の海藻類を成育させることができるという効果を奏する。
【0020】
また、モノフィラメント及びマルチフィラメントと共に、紡績糸を併用した撚糸を用いた場合には、マルチフィラメントにおける繊維相互間の間隙だけではなく、紡績糸における繊維相互間の間隙にも、海藻類の胞子が付着しやすくなる。そして、各撚糸中において、マルチフィラメントと共に紡績糸も、モノフィラメントによって抑えられているため、海水中で種苗糸を揺動させておいても、紡績糸を構成している繊維がばらけにくく、付着している胞子が脱落しにくい。したがって、紡績糸を併用した本発明に係る種苗糸を用いれば、モノフィラメントとマルチフィラメントのみよりなる種苗糸よりも、更に良好に、コンブやワカメ等の海藻類を成育させることができるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る種苗糸は、基本的に、生分解性脂肪族ポリエステル製のモノフィラメント、マルチフィラメント及び所望により紡績糸で構成されているため、海藻類を成育させて収穫した後、使用後の種苗糸を処分するには、これを土壌中に埋めておくだけでよい。土壌中に埋めることによって、自然に分解消失し、環境に悪影響を与える恐れが少ないという効果をも奏する。
【実施例】
【0022】
以下のポリ乳酸製のモノフィラメント、マルチフィラメント及び紡績糸を準備した。これらのポリ乳酸製の各糸条は、いずれも、生分解性であって、ユニチカ株式会社から「テラマック」という商標で販売されているものである。
[モノフィラメント]
(M1)1000デニールのモノフィラメント
[マルチフィラメント]
(F1)500デニール/96フィラメントのマルチフィラメント
(F2)1000デニール/140フィラメントのマルチフィラメント
[紡績糸]
(S1)繊度1.5デニールで繊維長51mmのステープル繊維よりなる、綿番手が2 0番手の紡績糸
【0023】
上記したモノフィラメント、マルチフィラメント及び紡績糸を用いて、以下の太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸を得た。
[太繊度の撚糸]
M1を2本、F2を2本、S1を6本、集束して、250回/mのS撚りを与えて、約5600デニールの太繊度の撚糸を得た。
[中繊度の撚糸]
M1を2本、F2を1本、S1を3本、集束して、355回/mのS撚りを与えて、約3800デニールの中繊度の撚糸を得た。
[細繊度の撚糸]
M1を1本、F1を1本、S1を2本、集束して、405回/mのS撚りを与えて、約2300デニールの細繊度の撚糸を得た。
【0024】
上記した太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸を、集束して、130回/mのZ撚りを与えて、種苗糸を得た。
【0025】
得られた種苗糸に、常法により、コンブの胞子を付着させた。付着後の種苗糸は、茶色の色彩を呈していた。この種苗糸を流水中に、放置しておいたが、従来使用されているポリビニルアルコール繊維を使用した種苗糸に比べて、減色は殆ど見られず、胞子が脱落しにくいことが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とが、合撚されてなる種苗糸であって、各撚糸は、少なくともモノフィラメントとマルチフィラメントとを撚ることによって形成されており、該モノフィラメントと、該マルチフィラメントを構成する単繊維とは、いずれも、生分解性脂肪族ポリエステルで形成されていることを特徴とする種苗糸。
【請求項2】
各撚糸が、モノフィラメントとマルチフィラメントと紡績糸とを撚ることによって形成されており、該紡績糸を構成しているステープル繊維は、生分解性脂肪族ポリエステルで形成されている請求項1記載の種苗糸。
【請求項3】
生分解性脂肪族ポリエステルがポリ乳酸である請求項1又は2記載の種苗糸。
【請求項4】
太繊度の撚糸、中繊度の撚糸及び細繊度の撚糸の撚り方向と、合撚の撚り方向とは、逆方向に撚られている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の種苗糸。
【請求項5】
モノフィラメントの剛性が、マルチフィラメントの剛性よりも高く、かつ、紡績糸が存在するときは、該紡績糸の剛性よりも高い請求項1乃至4のいずれか一項に記載の種苗糸。
【請求項6】
マルチフィラメントの引張強度が、モノフィラメントの引張強度よりも高く、かつ、紡績糸が存在するときは、該紡績糸の引張強度よりも高い請求項1乃至5のいずれか一項に記載の種苗糸。
【請求項7】
中繊度の撚糸の繊度をXデニールとしたとき、太繊度の撚糸の繊度は1.2Xデニール以上であり、細繊度の撚糸の繊度は0.8Xデニール以下である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の種苗糸。
【請求項8】
少なくとも、生分解性脂肪族ポリエステル製モノフィラメントと生分解性脂肪族ポリエステル製マルチフィラメントとを撚ることによって、太繊度の撚糸と、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とを準備し、各撚糸を集束して合撚した後、熱処理することを特徴とする種苗糸の製造方法。
【請求項9】
生分解性脂肪族ポリエステル製モノフィラメントと、生分解性脂肪族ポリエステル製マルチフィラメントと、生分解性脂肪族ポリエステル製紡績糸とを撚ることによって、太繊度の撚糸、中繊度の撚糸と、細繊度の撚糸とを準備する請求項8記載の種苗糸の製造方法。
【請求項10】
熱処理が湿熱処理である請求項8又は9記載の種苗糸の製造方法。

【公開番号】特開2006−129741(P2006−129741A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320115(P2004−320115)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(300044469)タケブチ撚糸株式会社 (1)
【Fターム(参考)】