説明

稲の育苗箱の搬送装置

【課題】トラック等に積んだ育苗箱を、田植え機への供給作業を機械化し、且つ両者間に段差があってもスムーズに作業が行える。
【解決手段】育苗箱の搬送装置において、台板に対向して植設した2本のC型チャネルの支柱2の背面に複数の横桟4を梯子状に配しこれを固定すると共に、前記背面下方に固定用フック5を固定し、該フック5の下方に取り付けたあて具7を設けた支持体と、ローラーコンベア9の基端部の支柱2への装着位置を移動させるための移動手段及び/又はローラーコンベア9の基端部の支柱への着脱手段を備えたローラーコンベア9と、ワイヤー17,17aを巻取り又は巻戻しするモーターと、前記ローラーコンベア9の他端部両側と、前記各支柱頂部に設けた一対の滑車8,8aと、モーター18に設けた一対の巻取り軸18,18aとの間に夫々装架した2本のワイヤー17,17aとを備えた育苗箱の搬送装置により、前記課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、田植え作業の際に、稲の育苗箱をトラックの荷台から、田圃内の田植機に苗を供給する作業のため、育苗箱を搬送・供給するための育苗箱の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
育苗箱の搬送装置に関して、パイプのガイド杆と滑走杆とからなるいわゆるシューターを使用した、育苗箱の搬送具の提案がなされている(特許文献1参照)。この考案は、動力を備えたものではなく、シューターの角度の変更等を全て人力で行う構成のものである。
【0003】
また、育苗箱をトラックなどの荷台から田植え機まで搬送する育苗箱の搬送具をトラックの荷台へ取り付けるための取付け具についての提案が知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】 実用新案登録第3090257号(第3頁)
【特許文献2】 実用新案登録第3099396号(第1頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、田植えは、ハウスなどで、育苗箱に育成した苗を、箱に入れたままトラック等に積み込んで、田植えの行われる田の畦道に運び、育苗箱のまま田植え機まで運び、そこで育苗箱から苗を取り出し、田植え機に所定数の苗を積み替えて、田植えを行う。
【0006】
然し乍ら、畦道と田圃の間には水路又は高低差等があって、田植え機をトラックに隣接できない場合が多い。
【0007】
従って、育苗箱(重さ2〜3kg)を、田植え機まで搬送する作業は人力で行われることが多く、その搬送する箱数も1反歩当たり10〜20箱を必要とするので、農家の田植え作業全体としては、膨大な数の育苗箱の取扱い量となり、この作業に多大な労力を必要としている。従って、田植え作業の中でも機械化されていない残された唯一の農作業であるから、これの機械化省力化が解決を望まれている課題である。
【0008】
また、育苗箱の搬送機から、苗を田植え機に積み替えセットした後、田植え機が方向転換して、田植え作業を継続する場合、前記従来の育苗箱の搬送具では、田圃内に長く突出された搬送部を簡単に左右へ移動したり、又は上方へ持ち上げる等簡単に移動が出来ない為、田植え機が方向転換する際、搬送部が方向転換の障害となっている。
【0009】
前記の通り、育苗箱の搬送機の搬送部が障害となって、田植え機が自由に方向転換出来ないため、其の結果、田植え機で苗を植えることが出来ない空白箇所が発生し、この空白箇所を、田植え機で機械植えした後から、空白箇所を人力で手植えしなければならない不都合が生じている。
【0010】
前記従来の搬送具では、搬送部を簡単に上方向に持ち上げたり、左右へ位置移動させることは面倒な操作を必要としていた。
【0011】
この為、苗を受け取った場所で、田植え機の方向転換がスムーズに行うことが出来ない為、前記の問題点が生じ田植え機による田植え作業の効率を、著しく低下させている問題点があった。
【0012】
従って、簡単な操作で、田圃内に突出した育苗箱の搬送部を上方向に持ち上げたり、又は左右に方向転換したりでき、田植え機の方向転換の支障とならない育苗箱の搬送装置が望まれている。
【0013】
また、育苗箱から田植え機に苗を積み替えた後、空箱のトラック側への回収作業の機械化もまた、解決を望まれている課題である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明は、どのようなタイプのトラックであっても、トラックの左右又は後部の荷台のあおりを利用して、トッラックのあおり上部に、装置取り付ける固定用フックが跨乗して、取り付け可能にした育苗箱の搬送装置である。また、搬送部にローラータイプのコンベアを使用し、育苗箱を僅かな力で移動させることを可能にし、また、モーターに連結したワイヤーを、ローラーコンベアの先端部、支柱頂部及びローラーコンベアの基端部の着脱手段に設けてある滑車に装架し、正逆回転するモーターの駆動により、ワイヤーを巻き取り又は巻き戻す操作により、ローラーコンベアの勾配を自由に無段階に設定することが可能な構成とした。
【0015】
また、ローラーコンベアの基端部を、着脱手段により、支柱への着脱を自在にしたので、ローラーコンベアの支点の位置を自由に移動、設定することができる。従って、作業環境に最適な高さに、ローラーコンベアを支点の位置を調節することができ、且つ、ローラーコンベアの勾配を水平、上向き又は下向き等自由に設定することができる。
【0016】
前記の構成によって、どのような作業環境であっても、例えば、畦道と水平な位置にある田圃、畦道よりも高い位置にある田圃又は畦道よりも低い位置にある田圃の何れの状態であっても、田植え機に育苗箱を少ない労力で楽に搬送・供給することを可能にしたものである。
【0017】
また、この発明の装置を利用すれば、苗を取り出した育苗箱の空箱を、トラック側への回収作業も機械化できる。
【0018】
即ち、育苗箱の搬送装置において、台板に対向して植設した2本のC型チャネルの支柱に、前記支柱背面に複数の横桟を梯子状に配しこれを固定すると共に、前記支柱背面の下方に固定用フックを固定し、且つ前記固定用フックの下方に取り付けたあて具を設けた支持体と、ローラーコンベアの基端部の支柱への装着位置を移動させるための移動手段及び/又はローラーコンベアの基端部の支柱への着脱手段を備えたローラーコンベアと、回転軸に一対のワイヤーの巻取り軸を設け、支柱の下部側面又は台板に固定した、前記ワイヤーを巻取り又は巻戻しする正逆回転するモーターと、前記ローラーコンベアの他端部両側と、前記各支柱頂部に設けた一対の滑車と、モーターに設けた一対の巻取り軸との間に夫々装架した2本のワイヤーとを備えたことを特徴とする育苗箱の搬送装置であり、移動手段は、ローラーコンベアの基端部両枠辺外側の左右に夫々ハンマーキャスターを回転自在に設け、該ハンマーキャスターを、C型チャネルの両支柱の縦溝に転動自在に遊嵌したことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置である。また、着脱手段は、各支柱の外側に止めピンが貫通するピン止め孔を複数個を縦列に設けると共に、各ハンマーキャスター、ローラーコンベアーの基端部両枠辺側面を貫通するピン止め孔を設け、これに止めピン又はボルトナットを挿脱してローラーコンベアの基端部を支柱へ着脱することを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置であり、脱脱手段は、ローラーコンベアの基端部の両枠辺間に架設した鞘に、コイルバネの左右に、ローラーコンベアの基端部の両枠辺を貫通して先端部が支柱のピン止め孔に嵌挿できる長さのピストンを連結したものを鞘に内装すると共に、前記鞘の上面中央部に前記各握持杆が左右に移動できる窓を穿孔し、前記コイルバネ側の前記各ピストンの他端部に、且つ前記窓内に握持杆を夫々植設して、前記鞘の両端部に一対の滑車を回転自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置である。更に、着脱手段は、ケースの左右の両側を貫通してケース内に突出させた鞘をケースに固定し、これをローラーコンベアの基端部の両枠辺間に架設すると共に、前記ケース中央にレバー杆の端部を回動可能に設け、先端部がローラーコンベアの基端部の両枠辺を貫通して支柱のピン止め孔に嵌挿できる長さのピストンと、該ピストンの他端部に連結したコイルバネとを、各鞘に内装し、且つ前記レバー杆と、前記各ピストンの他端とを各金属棒を介して連結し、前記鞘の両端部に一対の滑車を回転自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置でもあり、ローラーコンベアは、枠辺がアルミニウム合金製、ローラーが合成樹脂製のコロ型又は車輪型であることを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置でもある。
【0019】
さらに他の発明は、ローラーコンベアが、第1のローラーコンベアと第2のローラーコンベアとが連結されたものからなり、これの連結が、第1のローラーコンベアの角柱の両枠辺先端部に、第2のローラーコンベアの基端部側の角柱の両枠辺先端部を嵌挿してピンで固定する差込式、又はピンを挿入して固定するヒンジ方式であることを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置であり、装架した2本のワイヤーは、ローラーコンベアの枠辺の両先端部、各支柱の頂部に設けた一対の滑車、ローラコンベアの基端部に架設した着脱手段に設けた一対の滑車を一巻きしてから、モーターの巻取り軸の順に装架したことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置である。
【発明の効果】
【0020】
田植え作業において、育苗箱を運搬してきたトッラクから、田植え機に育苗苗を積み替える作業を機械化して、作業労力を大幅に省力化することができる効果がある。
【0021】
固定用フックでトラックの荷台のあおりにこの発明の装置を、脱着自在に取り付ける構成としたので、あおりを有するトッラックであれば、どのような型のトラックにも取り付けることができる。
【0022】
搬送部にローラーコンベアを使用したので、小さな力を加えるだけで、容易に育苗箱を移動させることができ、労力が少なくて済み、且つ安全に農作業の効率化ができる。
【0023】
搬送部のローラーコンベアの勾配を作業環境に合わせて無段階に調節できるので無理のない勾配で、作業がしやすく、作業効率を向上させることができる。
【0024】
また、ローラーコンベアの支柱への着脱は、ローラーコンベア基端部に設けた着脱手段に、一対の滑車を備えた構造のものは、僅かな力で、スムーズにローラーコンベアの支点となる位置を移動させることができる。
即ち、前記滑車に装架したワイヤーが、前記ローラーコンベアの基端部を宙吊りした状態にするから、支柱からローラーコンベアを脱着した場合でも、ローラーコンベアの落下が防止される。
【0025】
そこで、操作者は、僅かな力でローラーコンベアを垂直方向に移動させるだけで、ローラーコンベアの支点の位置の移動、変更も極めて容易となる。
従って、作業環境に合わせて、又は本発明の装置の操作者の最適な又は作業がやりやすい好みの位置にローラーコンベアの高さを調節できるから、作業効率を著しく向上させる効果が得られる。
【0026】
ローラーコンベアの支点の位置を、作業環境に合わせて上下に移動させることができ、且つワイヤーによって勾配を無段階に自由に調節できる効果とが相俟って、様々な作業環境に幅広く対応できる。
【0027】
ローラーコンベアの勾配を、畦道のトラックの荷台の高さと田圃の田植え機との高低差に応じて、自由に調節することができる。
【0028】
また、田圃に突出したローラーコンベアを折畳んで短くしたり、又は簡単に上方に持ち上げることができ、田植え機の方向転換の邪魔にならないので、田植作業の機械化が完全に達成され、作業効率を向上させることができる。
【0029】
また、苗を田植え機に供給した後の育苗箱の空箱を、トラック側へ回収する作業にも使用できるので、苗運びの作業全体の機械化、省力化に寄与するところが大である。
【0030】
ローラーコンベアを中心部で折畳める構成だから、折畳み収納ができ、運搬又は保管の際、嵩張らないから便利である。
【0031】
また、この発明の搬送具は、極めて簡単な構造及び作動であるから、故障の発生が少く、且つ安全に作業ができる。
【0032】
電動モーターを使用するので、労力が少なくて済み、作業効率がよい。
【発明を実施するための最良形態】
【0033】
この発明の装置の構造について、説明する。
【0034】
この発明の装置の主な構造は、搬送部のローラーコンベアを取り付け支持する支持体と、支持体をトラックの荷台のあおりに取り付け固定する支持体背面に設けた固定用フック及びあて具と、ローラーコンベアの基端部に支柱への着脱手段を備えたローラーコンベアと、ローラーコンベアの勾配を上向き又は下向きに調節するワイヤーと、ワイヤーを巻き取り、又は巻き戻す正逆回転する電動モータとから構成される。
【0035】
支持体を構成する支柱は、横断面形状がコの字型の鋼材(以下「C型チャネル」という)である。
【0036】
装置全体の軽量化と強度を維持する目的でアルミ合金製のC型チャネルを採用した。この材質は、アルミ合金の他、ステンレス合金、鉄などであっても良い。
【0037】
支持体は、台板にC型チャネルの支柱2本を開口部を対向して植設し、支柱の背面に補強用の横桟を水平に適宜な本数を固定して、梯子状に構成したものである。支柱及び横桟は、溶接、螺子留め等その他の固定手段により固定する。
【0038】
また、支柱は、C型チャネルの溝に、ハンマーキャスタを嵌装するタイプでない場合は、円筒パイプ、角柱パイプを用いてもよい。
【0039】
また、電動モータは、台板上又は支柱側面の何れに固定しても良い。
【0040】
支持体の背面側には、トラックのあおりに引っ掛けて支持体を固定するための固定用フックと該フックの背面の左右に固定用の蝶螺子を設けて、支持体をトラックの荷台のあおりに、脱着自在に取り付け又は取外し可能にする。また、フックで固定した支持体の位置を簡単に移動可能とする為に、且つ、フックがトラックのあおりを損傷するのを防止する為、フックがトッラクのあおりの上面に接する個所に、1対の合成ゴム製の車輪を設けても良い。これにより、この発明の装置の位置の移動が容易になる。
【0041】
さらに、支柱背面側の適宜の高さに、支柱との摩擦・接触からトラックのあおりの損傷を防止し、且つ支持体を固定する際、安定を補助するあて具を備えている。
【0042】
当て具は、アルミの帯状板をコの字型に折り曲げ加工したものを支柱背面側から、両支柱の外側へ嵌装し、当て具の折り曲げた両側には、夫々固定用の蝶螺子を設け、当て具背面には、支柱背面の外側へ突出した当てゴム2個を左右両側に固定してある。当てゴムは、合成ゴム製が好ましい。
【0043】
当て具に設けた蝶螺子を緩め、支柱背面に嵌装した当て具の高さを、上下に摺動させて、当てゴムの高さを調節できる構造としても良い。
【0044】
また、左右の当て具を支柱背面の横桟に、水平方向に摺動可能に取り付けて、左右の当て具の間隔を調節可能にした構造にしても良い。
【0045】
これにより、荷台のあおりの厚さ、大きさの異なる種々のトラックに対しても、この発明の装置を取り付け強固に固定することができる。
【0046】
各支柱の左右外側に、作業環境に合わせて、ローラーコンベアの基端部の支点の位置を変更し、移動させた支点の位置を固定する止めピンを嵌挿するピン止め孔を適宜な数を、縦列に設ける。
【0047】
支柱の頂部に車軸を架設固定し、支柱の内側の車軸に、左右一対の滑車を回転自在に設ける。
【0048】
育苗箱は標準的な寸法は、600mm×300mm×50mm前後であるから、これが滑走して搬送できる幅のコンベアを選択する。
【0049】
ローラーコンベアの幅は、枠辺が両支柱間に内接し、支柱間を上下に移動可能な幅にする。ローラーコンベアは、アルミニウム製、鉄、合成樹脂製であってもよい。ローラーは、装置の搬送及び操作が楽になるよう軽量化のため、アルミ合金、合成樹脂製ローラーのものが好ましい。これらの素材のパイプを適宜の長さに切断し、切断面を円盤状のもので封鎖して、ローラーに形成する。
【0050】
ローラーコンベアの枠辺は角パイプを使用する。
【0051】
支柱に着脱するローラーコンベアの基端部の移動手段は、以下の通りである。
ローラーコンベアの基端部の両側にハンマーキャスターを設け、該ハンマーキャスターを支柱のC型チャネルの溝内に回転自在に嵌装した構造のものは、該ハンマーキャスターを前記支柱の溝内を転動させ、予め設けてある支柱のピン止め孔、ハンマーキャスター、ローラーコンベアの枠辺側面に夫々設けてあるピン止め孔とを、ピンで連通してローラーコンベアを支柱へ装着又は脱着して、支点の位置を移動させることができる。
また、このピンを抜いて、ローラーコンベアの基端部を他のピン止め孔の位置に装着すると、ローラーコンベアの支点の位置を、自由に変更することができる。
【0052】
ローラーコンベアの基端部の支柱への着脱手段は、次の3つの手段がある。
【0053】
(1)ローラーコンベアの基端部を止めピン等を用いて支柱に着脱する方法。
ローラーコンベアの基端部の支柱への着脱手段の1は、ローラーコンベアの基端部にハンマーキャスターを設け、該ハンマーキャスターを支柱のC型チャネルの溝に回転自在に嵌装した構造のものである。
【0054】
この構造のものは、支柱の溝内にハンマーキャスターを転動させて、ローラーコンベアの基端部の位置を移動させて、予め設けてある支柱のピン止め孔、ハンマーキャスター、ローラーコンベアの枠辺に、止めピンを連通して、ローラーコンベアの基端部を支柱へ装着し、支点の位置を確定する。
また、この止めピンを抜くと、ローラーコンベアの基端部は、支柱への装着が解除されて、その位置を自由に移動させることができるようになる。
【0055】
(2)ローラーコンベアの基端部の支柱への着脱手段の2を以下に説明する。
即ち、ローラーコンベアの基端部の枠辺間に鞘を架設する。鞘に、コイルバネの左右にピストンを夫々連結したものを内装する。また、鞘の上面の中央部に握持杆がピストンの移動方向へ平行移動できる窓を穿孔し、前記ピストンの他端部に夫々握持杆を前記窓内に植設する。
【0056】
前記鞘の両端部に、左右一対の滑車を回転自在に取り付けてある。前記鞘に内装したピストンは、常態ではコイルバネの反発力により、ピストン先端部が左右に押出されて鞘の外に突出して、支柱のピン止め孔に、ピストン先端部が挿入されてローラーコンベアの基端部が支柱に装着された状態となる。装着されたローラーコンベアは、前記ピストンの先端部がローラーコンベアに勾配を持たせる場合の支点となる。
【0057】
両ピストンの他端部に植設した2本の握持杆を手で握って、握持杆の間隔を狭めて鞘に内装されているコイルスプリングを圧縮すると、握持杆に連結されているピストン先端部が鞘内に引き込まれて鞘内に格納され、支柱に設けてあるピン止め孔から、ピストンの先端部が外れて、ローラーコンベアの基端部の支柱への装着が解かれて、ローラーコンベアの基端部の移動が可能となる。
【0058】
これによりローラーコンベアの支柱への装着位置の移動ができ、その結果ローラーコンベアの支点を移動することが可能となる構造のものである。
次いで、ローラーコンベアの基端部の移動が完了した場合は、狭めてあった握持杆の握りを離すと(コイルバネに力を加えない状態にすると)、コイルバネがピストン先端部を鞘の外側に押出し、ピン止め孔にピストン先端部が挿入され、ローラーコンベアー基端部の支柱への装着ができ、且つ装着した状態を維持することができる。
【0059】
この着脱手段により、支柱にローラーコンベアを、ピン止め孔の任意の位置に、上下自在に装着することができ、ローラコンベアを水平、上方又は下方に勾配を持たせることが出来る。
【0060】
(3)ローラーコンベアの基端部の着脱手段の3は、前記(2)と鞘と鞘に内装されたピストンからなる基本構造は同じであるが、ピストンの鞘からの進退を、コイルバネに替えて、レバーの操作により行う構造のものである。即ち、ローラーコンベアの基端部に設けた着脱手段のケースーの両側にケース内に突出させた鞘を設け、これをローラーコンベアの基端部の枠辺間に架設する。
【0061】
各ピストンの他端部にコイルバネを連結したものを、鞘に内装する。ケース内にレバーを回動自在に取り付ける。ケース内のレバーは、これを右側に倒せば、レバーと、金属棒を介して連結されている鞘に内装されたピストンの先端部を、鞘の外側に押出す。
【0062】
これにより、支柱に設けてあるピン止め孔にピストン先端部が挿入されるから、ローラーコンベアの基端部を支柱へ装着することができる。前記鞘の両端部に、左右一対の滑車を回転自在に取り付けてある。
【0063】
また、支柱に着装された状態のローラーコンベアの基端部を、脱着する場合、レバーを中央の位置に戻すと、これと金属棒を介して連結されている左右のピストンの先端部が、鞘の内側に引き込まれて、ピストンの先端部が支柱のピン止め孔から外れる構造の着脱手段を設けたものである。
【0064】
ピストンの他端部に連結され、鞘に内装されているコイルバネは、ピストンへのクッションと、レバー操作を軽くし、これの動きをスムースにする役割をする。
要すれば、レバーの操作により、ピストン先端部が鞘から前進又は後退して、支柱に設けてあるピン止め孔に自在に挿脱できる構造のものである。これにより、支柱に設けたピン止め孔に、ローラーコンベア基端部の支柱への装着位置を上下自在に選択することができ、ローラコンベアを作業に適した勾配を持たせることが出来るようになる。
【0065】
ローラーは、肉厚の塩ビパイプ管を使用し、パイプの両端部を塩ビ円板で封鎖して、円柱状で中が中空のコロタイプのものを作成し、これに回転軸の丸パイプを、前記コロの封鎖した両塩ビ円板の中心点を貫通した構成である。これをローラーコンベア枠に適宜な間隔で配置する。
【0066】
また、前記コロタイプのローラーに替えて、車軸に複数個の車輪を取り付けた構造のローラーコンベアを採用しても良い。
【0067】
ローラーコンベアの基端部の両枠辺外側に、自在に回転するハンマーキャスター(車輪の中央部が固定されていて、外輪が自在に回転する車輪)をそれぞれ取り付け、このハンマーキャスターをそれぞれ支柱の縦溝に遊嵌する。
【0068】
ハンマーキャスターは、前記支柱の縦溝内を自在に上下に転動できる。
【0069】
支柱に設けたピン止め孔の位置により選択した支点を中心にし、ローラーコンベアの基端部を、回動自在に止めピンで止めて支柱へ装着できる構成である。
【0070】
前記支点の位置は、支柱の縦溝に沿って、上下にローラーコンベアの基端部に設けたハンマーキャスターを転動させ、希望する位置に固定ピンで基端部を固定して、自在に調整ができる。
【0071】
また更に、前記のハンマーキャスターを使用して支点を移動させて、これを固定する方法の他に、次の様な簡便な方法も採用できる。
【0072】
即ち、人力でローラーコンベアの支点を移動させる方法である。人力でローラーコンベアの支点を移動させて支点の位置を決め、次いで支柱の両外側にピン止め孔を適宜設けてあるピン孔に、各ローラーコンベアの基端部枠辺(ハンマーキャスタは設けていない)にもピン止め孔を設けて置き、これに支柱間に1本のピンを貫通挿入して、これを装着することもできる。
【0073】
ピンの長さは、両支柱を連通するもの、支柱とローラーコンベアの基端部枠辺とを嵌挿する長さの2本のピンを夫々使用するもの、1本又は2本のボルトとナットを使用して装着するものであっても良い。
【0074】
また、第1のローラーコンベア、第2のローラーコンベアの先端部にローラー部を横断的に封鎖するストッパーを設ける。ストッパーは、金属又はプラスチック板で、育苗箱が取り出し易い様に、中央の上辺部をU字状に欠切した形状にした。
【0075】
ストッパーは、第1のローラーコンベア、第2のローラーコンベアの両枠先端部の外側からストッパーを貫通するストッパー止めピンを嵌挿して留め、脱着可能に取り付ける。
また、ストッパーは、第1のローラーコンベア、第2のローラーコンベアの各枠辺先端にボルト孔を設けて、これにボルトで脱着可能に取り付けることもできる。
【0076】
ストッパーの上面両端部にワイヤーの掛け止め具を掛止する掛止環を設けてある。
ストッパーは、ローラーコンベアを下り勾配にした場合、育苗箱の落下を防止することができる。
【0077】
モーターは、モーターの構造により、台板又は支柱の側面に取り付ける何れの方法であっても良い。
モーターは回転軸に一対のワイヤーの巻き取り軸を設けてある。モーターは、スイッチの操作により正回転又は逆回転が可能なものとする。
【0078】
モーターの電源は、トラックのバッテリー12Vを使用する。
【0079】
ワイヤーの装架方法は、着脱手段の相違により、次の2つの方法がある。
(1)着脱手段が、止めピン等の場合、ワイヤーの装架は、ローラーコンベアのストッパー、支柱頂部の滑車、モータのワイヤー巻き取り軸と順に装架する。尚、ワイヤーはローラーコンベアに2本左右対称に装架する。
【0080】
(2)他の装架方法は、支柱へのローラーコンベア基端部の着脱手段が鞘の左右一対の滑車を設けた構造のものは、この場合のワイヤーの装架は、ローラーコンベアのストッパー、支柱頂部の滑車、着脱手段の鞘の左右に設けた滑車を一巻きして、モータのワイヤー巻き取り軸と順に装架する。尚、ワイヤーはローラーコンベアに2本左右対称に装架する。
【0081】
ワイヤーは、2本のワイヤーを使用する。ワイヤーの一端をローラーコンベアの先端部に固定したストッパーの上辺の両端に設けた掛止環に掛止して、このワイヤーを前記各支柱頂部の車軸に設けV字型溝の滑車に装架して、他端をモーターのそれぞれの巻き取り軸にそれぞれ固定してある。ワイヤーは、金属線を編んだものの他、合成繊維の糸で編んだ伸縮性の少ないもの選択してこれを利用してもよい。
【0082】
また、ワイヤーを緩めた場合、ワイヤーが支柱の頂部に設けた滑車の溝から外れるのを防止するため、板バネ等による滑車の溝を覆うワイヤーの脱落防止押さえ等を設けても良い。
【0083】
コンベアの勾配の調節手段は、スイッチ操作により、モーターを正回転又は逆回転させ、巻き取り軸のワイヤーを巻き取り又は繰り出すことにより、簡便に無段階に勾配の調節ができる。
【0084】
コンベアは、長さを調節可能な構成にした。即ち、第1のローラーコンベアと第2のローラーコンベアを山折りできる様に蝶番で繋いで、これを展開して長さを調節できるようにした。
【0085】
第1のローラーコンベアと第2のローラーコンベの2つを蝶番で繋いだ構成にして、保管又は搬送時には折り畳んだ状態で収納してある。この2つに折り畳まれたローラーコンベアを展開すると、ローラーコンベアの長さを延長することができる。
【0086】
ローラーコンベアの延長手段として、前記の他、第1のローラーコンベアと第2のローラーコンベアを釣竿を連結するように両枠辺の端部を差し込んで、これにピンを嵌挿して固定する連結延長する差込連結方式、ピンを抜き差して脱着可能なヒンジ方式のものを採用しても良い。
【0087】
着脱手段の部品の鞘及びピストンは、金属製のもの又は合成樹脂製のものであっても採用できる。金属製の鞘と合成樹脂製ピストン、又はこれの逆の組合わせであっても良い。
【0088】
作業環境から、育苗箱の搬送距離が短くて済む場合には、ローラーコンベアは、折り畳んだ状態のまま使用するが、折り畳んだ状態であっても、このローラーコンベアは支障なく作動するので、スムーズに育苗箱を移動させ、作業ができる。
【0089】
次に、この発明の搬送装置の操作、使用方法及び作業終了後の収容方法について説明する。
【0090】
この発明の装置は、田圃に育苗箱を運搬して来たトラックを利用して、支持体に設けたフックを荷台のあおりに取り付け固定し、モーターの電源はトラックのバッテリーを使用する。
【0091】
支持体の背面に固定してある固定用フックを、トラックの荷台のあおり上辺に跨乗するように被せ、あて具の高さを調節して、固定用フック及びあて具の背面に設けた固定用の2本の蝶螺子で支持体を固定する。
【0092】
モーターの電源は、トラック等自動車のバッテリー12Vを使用するが、バッテリーの電極に、モーターに連結した電線の先端部に設けたカプラー装着すれば、簡単に電気が得られる。
【0093】
また、他の電源を得る方法として、自動車に備えてあるシガーライターのコンセントを利用して、これにモーターの電源コンセントを嵌合接続して電気を得ることもできる。
【0094】
次いで、バッテリーとモーターを繋ぐ電線の途中に設けてあるスイッチを操作して、モーターを逆回転させて、ワイヤーを繰り出して、2つに折り畳んで、垂直状態に収容してあるローラーコンベアを水平状態にする。
【0095】
第1のローラコンベアと第2のローラコンベアは、山折になる様に蝶番で連結して、ローラーコンベアの長さを調節可能にしてあるから、この折畳んだローラーコンベアを展開して、ローラーコンベアの長さを作業環境に合わせて調節することができる。
【0096】
次に、第1のローラーコンベアの先端部に固定してあるストッパーを取外し、第2のローラーコンベアの先端部に移動させて、ストッパー止めピンを嵌挿する。
【0097】
次いで、支持体の最下段の収容用ピン止め孔に嵌挿してあるローラーコンベアの基端部の止めピンを外し、作業環境に合わせて、ローラーコンベアの基端部の支点の位置(高さ)を決め、ピン止め孔に、止めピンを嵌挿して支点を固定する。
【0098】
次に、スイッチを操作して、モーターを正回転させて巻き取り軸がワイヤーを巻き取ると、ローラーコンベアの先端部が、ローラーコンベアの基端部を支柱に止めピンで止めた支点の位置よりも高い位置に持ち上げられ、ローラーコンベアの先端部が上に位置するから、ローラーコンベアは全体として上り勾配となる。
【0099】
また、モーターを逆回転させると、巻き取り軸が巻き取ったワイヤーを繰出し、コンベアの先端が、支柱の支点の位置より自重で下がり、ローラーコンベアの先端部が支点の位置よりも下に位置するから、ローラーコンベアは全体として下り勾配に調節される。作業環境に応じて適宜勾配を選択する。
【0100】
ローラーコンベアが下り勾配に設定された場合、順次移送された最前列の育苗箱は、ローラーコンベアの先端部に設けられたストッパーが塞き止めて、育苗箱の落下を防止する。
【0101】
ローラーコンベア上の育苗箱の移動は、勾配が下りの時は、ローラー上を自重で緩やかに滑走し、ローラーコンベア先端部に設けたストッパーで落下が防止されるから、田植え機側の作業者は順次これを取り出して、苗を田植機にセットすれば良い。
【0102】
また、ローラーコンベアを昇り勾配に設定した場合は、育苗箱をローラーコンベア上に載せ、これに接続して、後ろに載せる育苗箱で順次人力で押し上げると、ローラーの回転と共に押し上げられて育苗箱は、後ろから押されるから、ローラーコンベアを上昇する。
【0103】
二人で作業する場合は、1人は育苗箱の不足分を順次、ローラーコンベア上に供給し、他の1人は田植え機に苗を積み込めば連続して効率よく作業ができ、ローラーコンベアの基端部の支点の位置の選択及びワイヤーの長さの調節による勾配の調節との両者が相俟って、作業に最適なコンベアの勾配の設定ができる。
【0104】
また、育苗箱から苗を田植え機に移し替えた後の空箱回収は次の操作により行う。
田植え機側から見て、ローラーコンベアが下り勾配になっている場合、そのまま空箱を順次ローラーコンベア上に載せれば、空箱は自重で滑走してトラック側に回収される。
【0105】
また、田植え機側から見て、ローラーコンベアが昇り勾配になっている場合、空箱をローラーコンベアの先端部に順次載せて押し出して行き、ある一定数量に達した時、モーターを駆動して、ワイヤーを巻き取ると、ローラーコンベアの先端部が持ち上げられて、下り勾配となるから、空箱は自重で滑走してトラック側に回収される。また、空箱が多数ある場合は、この操作を繰り返して行えば良い。
【0106】
この発明の装置は、作業現場の状況により、トラックの荷台のあおりの左右及び後部の何れの箇所にも取り付けることができる。
【0107】
また、作業が完了した時は、第2のローラーコンベアの先端部のストッパーを取り外して、第1のローラーコンベアの先端部に移動させてストッパー止めピンをストッパーに嵌挿して固定する。
【0108】
ローラーコンベア基端部のピン止め孔に嵌挿してある止めピンを外し、支持体の最下段の収容用ピン止め孔の位置に、ローラーコンベアの基端部を移動させ、止めピンで固定する。
【0109】
次に、ローラーコンベアを2つに折畳んでローラーコンベアの長さを短くし、更にワイヤーを巻き取り、ローラーコンベアを垂直の状態にして収納する。
次いで、固定用フックの螺子を緩めてトラックの荷台のあおりから支持体を外す。
【0110】
この発明の装置は小さく折畳んだ状態で運搬又は保管ができ、嵩張らないので便利である。また、この発明の装置を他の作業場所に移動した場合、前記の手順を繰り返して、これを簡単に展開して直ちに作業を開始することができる。
【0111】
以下に、図1〜10図に基づき、この発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0112】
図1は、この発明の搬送装置の全体の斜視図である。
【0113】
支持体1を構成する支柱2、2aのC型チャネルは、アルミニウム合金製の日本軽金属(株)社製、型式番号603チャネルである。その横断面形状は、高さ25mm×横50mm、肉厚3mmである。
【0114】
支柱2、2aの補強用横桟4は、日本軽金属(株)社製、型式番号6063フラットバーである。横桟4は、厚さ3mm、幅30mm、長さ415mmである。
【0115】
支持体1は、横長に置いた台板3の両端部に、C型チャネルの開口部を内側に向けた2本支柱2、2aを対向して植設し、支柱2、2a背面に補強用の横桟4を支柱間2、2aに水平に差渡し、頂部、その他の箇所に適宜の本数を溶接した梯子状に構成する。
【0116】
台板3は縦200mm×横415mm、厚さ3mmのアルミ合金板である。
【0117】
支柱2、2aの高さは1600mm、支柱2、2aの間隔は外寸415mmである。支柱2、2aの外側面に、支点を変更して固定する為の両支柱を貫通する止めピン11を嵌挿するピン止め孔10を、支柱2、2aの下端から500mm、600mm、700mm、800mmの各高さの位置に4個設けてある。ピン止め孔は、直径10mmである。
【0118】
さらに、台板3から300mmの高さの支柱2、2aの外側下部には、ローラーコンベア9を折畳んで垂直の状態にし、装置を収納する際に使用する収容用ピン止め孔10aを設けてある。
【0119】
止めピン11は、日本軽金属(株)社製、型式番号5056の丸棒、直径10mmのアルミ合金である。
【0120】
前記横桟4は、支柱2、2aの背面側に、これを支柱2、2a間に差渡して、溶接して固定する。
【0121】
また、支柱2、2a背面に支持体1をトラックのあおり上辺に跨乗して固定する奥行き40mm幅を持った固定用フック5(アルミ合金)を支柱2、2a間に、台板3から700mmの高さに固定して設ける。
【0122】
固定用フック5の背面の左右両側に、トラックの種類により、あおりの異なる厚みに対応するため、支持体1を固定するための左右一対の蝶螺子7、7aを設けてある。
【0123】
さらに、支柱2、2a背面に、支柱2、2aとの摩擦・接触からトラックのあおりの損傷防止のため、且つ、固定用フック5を固定する際、安定化を補助する合成ゴム製のあてゴム7a、7aを固定した当て具7を設けてある。
【0124】
当て具7は、厚さ2mm、幅40mm、長さ475mmのアルミの帯状板をコの字型に折り曲げ加工したものを支柱2、2aの背面側から、両支柱2、2aの外側へ嵌装し、当て具7の折り曲げた両側には、夫々固定用の蝶螺子6、6aを設け、当て具7の背面には、支柱背面の外側へ突出した左右両側に当てゴム7a、7aを2個を固定してある。当てゴム7a、7aは、合成ゴム製で30mm×25mm×30mmである。
【0125】
当て具7の蝶螺子7b、7cを緩め、当て具7を上下に摺動させて、当てゴム7a、7aの高さを調節することができる。
【0126】
この搬送装置を、トラックの荷台のあおりに取り付け固定する場合に、前記の固定用フック5に設けてある蝶螺子6a、6bと、当て具7の高さを調整することにより、種類が異なり、あおりの厚みが異なるトラックであっても取り付けることが可能となった。
【0127】
次に、ローラーコンベア9は、幅360mm、長さ2000mm、ローラーの幅300mmの仕様のものを、第1のローラーコンベア9a、第2のローラーコンベア9bとし、2台を、中央部を山折に折畳めるように蝶番13で連結する。蝶番13は、市販されているものを使用した。
【0128】
第1のローラーコンベア9aの枠辺9c、9d、第2のローラーコンベア9bの枠辺9e、9fは、日本軽金属社製の合金アルミ角パイプ30mm×50mmを使用した。
【0129】
ローラー12は、肉厚3mm、直径25mm、長さ290mmの塩ビパイプ管を使用し、パイプの両端部を塩ビ円板で封鎖して、形状が円柱状で中が中空のコロタイプのものを作成し、日本軽金属(株)社製の丸パイプ6063、直径10mmを、前記コロの封鎖した両塩ビ円板の中心点を貫通し、それぞれの枠辺9c、9d及び9e、9fに取り付けた構成である。隣接するローラー12との間隔は200mmとした。
【0130】
搬送装置の全体の軽量化を図る為、ローラーコンベア9の枠辺9c、9d、9e、9fは合金アルミニウム製、ローラー12は、合成樹脂のものを使用した。
【0131】
前記第1のローラーコンベア9aの枠辺9c、9dの基端部側の先端部外側の両側に、ハンマーキャスター16、16a(車輪の中央部が枠辺9c、9dに固定されていて、外輪が自在に回転する車輪)を回転自在に取り付け、該ハンマーキャスター16、16aを支柱2、2aのC型チャネルの縦溝に遊嵌して、該ハンマーキャスター16、16aが、前記縦溝内を上下に自在に転動できる構成にする。
【0132】
この構成により、ローラーコンベア9の基端部が上下し、ローラーコンベア9の支点となる位置を自由に移動させ変動させることが可能となる。
【0133】
支点の位置の固定は、支柱2、2a外側に、あらかじめ適宜の個数設けてあるピン止め孔10に支柱2の外側から、支柱2a、ハンマーキャスター16aの中央部、第1のローラーコンベア9aの基端部の枠辺9dを貫通して、対向する第1のローラーコンベア9aの基端部の枠辺9cに、ハンマーキャスター16の固定した中央部、支柱2のピン止め孔10を貫通して、第1のローラーコンベア9aの基端部が自在に回動できるように、挿脱自在に構成した支点に止めピン11を嵌挿して支点を固定する。
【0134】
第1のローラーコンベア9a、第2のローラーコンベア9bの他端部にストッパー14を嵌装できる様にする。
【0135】
ストッパー14は、第1のローラコンベア9a、第2のローラコンベア9bのローラー12幅を横断的に封鎖できる長さ300mm、高さ65mm、厚さ20mmの長方形の厚みのある合成樹脂製の板状のもので、第1のローラコンベア9aの枠辺9c、9d、第2のローラコンベア9bの枠辺9e、9fを貫通して設けてあるピン止め孔14b、ストッパー14の底部を貫通して枠辺9c、9d、及び9e、9fを貫通する挿脱自在に構成したストッパー止めピン14aで留める。
【0136】
前記ストッパー14は、上辺中央部を欠切してあり、育苗箱を取り出し易くした形状にする。また、その上辺両端部にワイヤー17、17aの止め具を掛止する掛止環15、15aを設けてある。
【0137】
モーター18は、駆動軸に連結して延長した構造の一対のワイヤーの巻き取り軸を備えた住友重機工業(株)製、商品名「アストロDC 12V」を使用した。
【0138】
ワイヤー17、17aーは、ユニック(株)社製の直径3mmのものを使用した。ワイヤー17、17aの長さは、5000mmで、前記ストッパー14の上面両端部に設けた掛止環15、15aにワイヤー17、17aの一端に脱着自在の取り付け具で止め、ワイヤー17、17aを各支柱の頂部に設けてあるV字型溝の滑車8、8aに掛架して、ワイヤー17、17aの他端を、モーター18の左右の巻き取り軸に夫々固定する。
【0139】
次に、台座3の中央部にモーター18を固定する。モーター18の電源線(図示していない)の経路中に正回転及び逆回転可能な切換えスイッチ(図示してない)を設けてある。
電源は、トラックのバッテリー12Vを電源とする。
【0140】
モーター18の電源線(図示してない)の先端部に、バッテリーの電極に嵌合するカップラー(図示してない)を採用すると便利である。
【0141】
次に、この発明の装置の作動及び使用方法について説明する。
【0142】
この発明の装置は、ローラーコンベア9をはじめとして、全体が軽量化されているので、1人で装置の取り付け、取外しの作業ができる。作業現場(田圃)にあるトラックの荷台のあおりに、支持体1背面側に設けてある固定用フック5をトラックの荷台のあおりに跨乗するように引っ掛けて、固定用フック5に設けてある2本の蝶螺子7b、7cを調節し、支持体1をトッラクの荷台のあおりに固定する。
【0143】
運搬の際は、ローラーコンベア9が折畳まれて支持体1に垂直な状態で重なり、支持体1と一体となった状態で収納してあり、全体を小さくした状態で運搬される。スイッチ操作でモーター18を逆回転させてワイヤーを緩めて、ローラーコンベア9を水平状態になるように引き出し、第1のローラコンベア9aと、第2のローラコンベア9bとを展開して、ローラーコンベア9を作業環境に合わせて、支持体1の下部のローラーコンベア9の基端部の止めピン11を抜き、ローラーコンベア9の基端部の支点の位置を、矢示22又は23の方向に移動させて、調節し支点を決め、支持体1に設けてあるピン止め孔10に、止めピン11を挿入して、これを固定するとローラーコンベア9の支点が固定される。
【0144】
育苗箱の搬送距離が短い距離の場合、ローラーコンベア9を折畳んだまま作業に使用することもできる。
【0145】
次に、スイッチ(図示してない)操作でモーター18を正回転又は逆回転させてワイヤー17、17aを巻き取り又は繰出して長さを調節することにより、ローラーコンベア9を昇り勾配又は下り勾配にして、作業状況に合わせて勾配の選択ができる。この勾配の選択は、自由に無段階に調節することができ、作業者の身長等に合わせて、最適な勾配が選択でき、作業者に無理な負担がかからない。
【0146】
育苗箱の積み替え作業が、終了した際は、搬送又は格納の為、この装置の収納は次の手順で行う。
【0147】
ローラーコンベア9の支点を、支持体1の最下段の収容用ピン孔10aに移動させる。
次いで、第2のローラーコンベア9bから、ストッパー14を取り外して、これを第1のローラーコンベア9aの先端部に取り付け、止めピン11をストッパー止め孔14bに嵌挿し固定する。
【0148】
ローラーコンベア9を蝶番13の箇所で2つに山折りして、重ねて畳んでローラーコンベア9全体の長さを半分に短くし、収納し易くしてから、スイッチ操作でモーター18を正回転させて、ワイヤー17、17aを巻き取りローラーコンベア9を上方に引き上げて、支持体1と一体に重なるように垂直状態にする。
【0149】
これにより、支持体1とローラーコンベア9は重なって一体となり、装置全体が小さく折畳まれた状態となり、嵩張らないから保管又は簡単に運搬できる形態となる。
【実施例2】
【0150】
実施例1のローラーコンベア19の基端部に、支柱2、2aへの着脱手段を設けた例である。(図7参照)。
ローラーコンベア9の基端から20mmの個所の枠辺9c、9d間に、着脱手段19を架設する。 この支柱2、2aへローラーコンベア9の基端部を着脱手段により装着したピストンピストン19f、19gの箇所が、ローラーコンベア9を水平、上向き又は下向きに勾配を持たせる場合の支点となる。この支点となる位置を、移動させることを可能としたものである。
【0151】
ローラーコンベア9の枠辺9c、9d間に、内径10mm、長さ338mmの鞘19hを架設する。コイルバネ19eと、これに連結した左右にピストン19f、19gを、鞘に内装してある。鞘19hの上面中央部に、握持杆19c、19dがピストンが進退するのと同一方向に往復できる窓19iを穿孔し、ピストン19f、19gの他端部に一対の握持杆19c、19dを、前記窓内19iに植設する。
【0152】
コイルバネ19eに力を加えない常態では、前記コイルバネ19eの力により、鞘19h内に内装されているピストン19f、19gの先端部が、鞘19hの外へ、左右に突出して支柱2、2aのピン止め孔10に、直径10mm、長さ192mmのピストン19f、19gの先端部が挿入された状態になっている。鞘19h及びピストン19f、19gは、金属製のものを使用した。
【0153】
また、鞘19hの上面中央部にピストン19f、19gの移動方向に移動できる窓19iを設けてあり、両ピストン19f、19gの他端部に植設した一対の握持杆19c、19dを握って、これの幅を狭めて、中央部のコイルバネ19eを圧縮すると、両ピストン19f、19gの先端部が鞘内19hに引き込まれて格納される。その結果、支柱に設けてあるピン孔10から、ピストン19f、19gの先端部が外れ、ローラーコンベア9の基端部の支柱2、2aへ装着が解除される。
【0154】
その結果、ローラーコンベア9の基端部の移動が可能となり、これにより支柱2、2aへの装着位置の移動ができ、その結果ローラーコンベア9の支点の位置を移動することが可能となる構造のものである。ローラーコンベア9の基端部を支柱2、2aへ装着させる場合は、握って間隔を狭めていた把持杆19c、19dを手から離すと、圧縮されていたコイルバネ19eの圧縮状態が解除されるから、これに連結している左右のピストン19f、19gの先端部が鞘19hの外側に押出されて突出して、ピストン19f、19gの先端部がピン孔10に挿入されて、支柱2、2aへローラーコンベア9が装着される。
【0155】
これにより、ローラーコンベア9の基端部の支点を自由に上下に移動させて変更することができる。鞘19hの端部には、一対の滑車19a、19bを回転自在に取り付けてある。この着脱手段19に設けてある滑車19a、19bへのワイヤー17、17aの装架方法は、図10(b)、図10(c)に図示の如く、滑車19a、19bをひと巻きした状態にして装架する。
【実施例3】
【0156】
実施例1のローラーコンベア9の基端部に、支柱2、2aへの装着手段を設けた例である。(図9参照)。この実施例は、実施例2の着脱手段と基本構造は同じであり、内径10mmの鞘19hと鞘19hに内装した直径10mm、長さ192mmのピストン19f、19gからなり、ピストン19f、19gの先端部を、鞘19hの内外への前進又は後退させる機構を、コイルバネ19e及び握持杆19c、19dに替えて、レバー19kの操作により、ピストン先端部が鞘から進退する機構を採用したものである。
【0157】
中央のケース19iの両側面に内径10mmの鞘19hをケース19i内に突出させて設けて、これをローラーコンベア9の基端部の枠辺9c、9d間に架設する。鞘19h及びピストン19f、19gは、金属製のものを使用した。ケースー19j内に、右側にレバー19kを倒すと、レバー19kと、金属棒19l、19mを介して連結した前記ピストン19f、19gの先端部を鞘19hの外側に押出し出す。
【0158】
その結果、ピストン19f、19gの先端部が、鞘19hの外の左右に突出し、突出したピストン19f、19gの先端部が、支柱2、2aに設けてあるピン止め孔10に挿入されて、ローラーコンベア9の基端部を支柱2、2aへ装着する構造のものである。
また、レバー19kを中央の位置に戻すと、レバーと金属棒19l、19mを介して連結してある左右のピストン19f、19gの先端部が、鞘19hの中に引き込まれて、ピストン19f、19gの先端部がピン止め孔10から外れて、支柱2、2aから脱着される。
【0159】
これにより、ローラーコンベア9の基端部が自由に上下に移動可能となり、ローラーコンベア9の支点の位置を変更することができる。
鞘19hの端部には、一対の滑車19a、19bを回転自在に取り付けてある。
この着脱手段19に設けてある滑車19a、19bへのワイヤー17、17aの装架方法は、図10(b)、図10(c)に図示の如く、滑車19a、19bをひと巻きした状態にして装架する。
【実施例4】
【0160】
図6を参照。実施例1では、第1のローラコンベア9aと第2のローラコンベア9bとの接続延長手段を、蝶番13を設けたものとしたが、第1のローラコンベア9aと、第2のローラコンベア9bの接続延長手段を、第1のローラコンベア9aの左右の枠辺9c、9dの先端部へ、第2のローラコンベア9bの基端部側寄りの左右の枠辺9e,9fを矢示25、26の方向に差込み、差込んだ両枠辺を貫通するピン孔10を設け、該貫通孔に止めピン11を嵌挿して固定したものである。
【実施例5】
【0161】
図6を参照。実施例1では、第1のローラコンベア9aと第2のローラコンベア9bとの接続延長手段を、蝶番を設けたものとしたが、第1のローラコンベア9aと、第2のローラコンベア9bとの接続延長手段を、ピンを差込み固定でき、差し込んだピンを抜くと分離できる脱着可能となるヒンジ13aとし、矢示27、28、29の方向に嵌装して、ピン孔にピンを嵌挿したものである。
【産業上の利用可能性】
【0162】
この発明の育苗箱の搬送具は、農作業を機械化できる農業用機械として製造及び販売することができる。
【図面の簡単な説明】
【0163】
【図1】は、この発明の搬送装置の斜視図である。
【図2】は同じく、左側面図。
【図3】は同じく、支点の位置の移動を示す一部拡大図。
【図4】は同じく、ストッパーを示す一部拡大図。
【図5】は同じく、あて具を示す一部拡大図。
【図6】(a)は、同じくローラーコンベアの延長手段を示す一部拡大図。(b)は、同じくローラーコンベアの延長手段を示す一部拡大図。
【図7】は同じく、着脱手段を示す拡大断面図。
【図8】は同じく、着脱手段を示す拡大断面図。
【図9】は同じく、着脱手段を示す一部を省略した斜視図。
【図10】(a)は同じく、左側面からのワイヤーの装架状態を示す左側面概念図。(b)は同じく、左側面からのワイヤーの装架状態を示す左側面概念図。(c)は同じく、左側面からのワイヤーの装架状態を示す一部拡大左側面概念図。
【符号の説明】
【0164】
1 支持体
2、2a 支柱
3 台板
4 横桟
5 固定用フック
5a トラックのあおり
6a、6b 固定蝶螺子
7 当て具
7a あてゴム
7b、7c 蝶螺子
8、8a 滑車
9 ローラーコンベア
9a 第1のローラーコンベア
9b 第2のローラーコンベア
9c 枠辺
9d 枠辺
9e 枠辺
9f 枠辺
10 ピン止め孔
10a 収容用ピン孔
11 止めピン
12 ローラー
13 蝶番
13a ヒンジ
14 ストッパー
14a ストッパー止めピン
14b ストッパー止め孔
15、15a 掛止環
16、16a ハンマーキャスター
17、17a ワイヤー
18 モーター
18a、18b ワイヤー巻取り軸
19 着脱手段
19a、19b 滑車
19c、19d 握持
19e コイルバネ
19f、19g ピストン
19h 鞘
19i 窓
19j ケース
19k レバー
19l、19m 金属棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
育苗箱の搬送装置において、
台板に対向して植設した2本のC型チャネルの支柱に、前記支柱背面に複数の横桟を梯子状に配しこれを固定すると共に、前記支柱背面の下方に固定用フックを固定し、且つ前記固定用フックの下方に取り付けたあて具を設けた支持体と、
ローラーコンベアの基端部の支柱への装着位置を移動させるための移動手段及び/又はローラーコンベアの基端部の支柱への着脱手段を備えたローラーコンベアと、
回転軸に一対のワイヤーの巻取り軸を設け、支柱の下部側面又は台板に固定した、前記ワイヤーを巻取り又は巻戻しする正逆回転するモーターと、
前記ローラーコンベアの他端部両側と、前記各支柱頂部に設けた一対の滑車と、モーターに設けた一対の巻取り軸との間に夫々装架した2本のワイヤー
とを備えたことを特徴とする育苗箱の搬送装置。
【請求項2】
移動手段は、
ローラーコンベアの基端部両枠辺外側の左右に夫々ハンマーキャスターを回転自在に設け、該ハンマーキャスターを、C型チャネルの両支柱の縦溝に転動自在に遊嵌したことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項3】
着脱手段は、
各支柱の外側に止めピンが貫通するピン止め孔を複数個を縦列に設けると共に、各ハンマーキャスター、ローラーコンベアーの基端部両枠辺側面を貫通するピン止め孔を設け、これに止めピン又はボルトナットを挿脱してローラーコンベアの基端部を支柱へ着脱することを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項4】
着脱手段は、
ローラーコンベアの基端部の両枠辺間に架設した鞘に、コイルバネの左右に、ローラーコンベアの基端部の両枠辺を貫通して先端部が支柱のピン止め孔に嵌挿できる長さのピストンを連結したものを鞘に内装すると共に、前記鞘の上面中央部に前記各握持杆が左右に移動できる窓を穿孔し、前記コイルバネ側の前記各ピストンの他端部に、且つ前記窓内に握持杆を夫々植設して、前記鞘の両端部に一対の滑車を回転自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項5】
着脱手段は、
ケースの左右の両側を貫通してケース内に突出させた鞘をケースに固定し、これをローラーコンベアの基端部の両枠辺間に架設すると共に、前記ケース中央にレバー杆の端部を回動可能に設け、先端部がローラーコンベアの基端部の両枠辺を貫通して支柱のピン止め孔に嵌挿できる長さのピストンと、該ピストンの他端部に連結したコイルバネとを、各鞘に内装し、且つ前記レバー杆と、前記各ピストンの他端とを各金属棒を介して連結し、前記鞘の両端部に一対の滑車を回転自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項6】
ローラーコンベアは、枠辺がアルミニウム合金製、ローラーが合成樹脂製のコロ型又は車輪型であることを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項7】
ローラーコンベアが、第1のローラーコンベアと第2のローラーコンベアとが連結されたものからなり、これの連結が、第1のローラーコンベアの角柱の両枠辺先端部に、第2のローラーコンベアの基端部側の角柱の両枠辺先端部を嵌挿してピンで固定する差込式、又はピンを挿入して固定するヒンジ方式であることを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。
【請求項8】
装架した2本のワイヤーは、ローラーコンベアの枠辺の両先端部、各支柱の頂部に設けた一対の滑車、ローラコンベアの基端部に架設した着脱手段に設けた一対の滑車を一巻きしてから、モーターの巻取り軸の順に装架したことを特徴とする請求項1記載の育苗箱の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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