説明

穀物を循環させる装置

本発明は穀物を循環させる装置に関する。このような装置は主として穀物のための搬送スクリュ(1,1′)と該搬送スクリュ(1,1′)を駆動する駆動ユニット(2)から成っている。本発明の目的は装置が時間的に制限されずに使用可能でかつ穀物を循環させるために操作力が必要とされないようにすることである。このためには駆動ユニット(2)は載置体(9)と回動不能に結合されている。この載置体(9)はその下方の載置面で前記搬送スクリュ(1,1′)の軸線に対し角度を成して配置されている。載置体(9)は搬送スクリュ(1,1′)の搬送力に抵抗する大きさの面を有し、穀物へ突入する制動板(12,22,22′)を有し、該制動板(12,22,22′)が回転する前記搬送スクリュ(1,1′)の周方向力に抵抗して作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1の上位概念部に記した装置に関する。このような装置は穀物農業の分野にて、特に穀物を乾燥する場合及び/又は貯蔵する場合に使用される。
【0002】
収穫されたばかりの穀物は無害の貯蔵を許さない含湿度を有している。湿った穀物は次第に生長する熱巣を形成する。この熱巣によって穀物は危害を受ける。さらにそこでは穀物の危害を増大させる害虫が急速に発生する。したがって収穫されたばかりの穀物は本来の貯蔵を実施する前に十分に乾燥されなければならず、これは通常は乾燥サイロにて行なわれる。この場合には収穫されたばかりの穀物は連続的に又は周期的に上から乾燥サイロに供給されるのに対し、乾燥した、熱い空気が下から乾燥サイロ内へ吹込まれる。乾燥した空気は穀物から所定量の水分を奪い、排気として乾燥サイロの上部領域から排出される。乾燥プロセスを促進させるためには、穀物は常時循環させられかつ混合される。このためには一般的には乾燥サイロの上部領域に支承された、回転する循環装置が公知である。この循環装置は、並べて配置された、複数の駆動された搬送スクリュを備えている。これらの搬送スクリュは堆積させられた穀物内へ係合し、穀物を下から上に向かって循環させる。循環装置の循環運動と個々の搬送スクリュの半径方向の位置変化とによって、搬送スクリュは堆積させられた穀物の全領域に対し働く。十分な乾燥プロセスのあとで穀物は貯蔵のために相応する円形の貯蔵サイロに又は扁平な貯蔵ホールにもたらされ、そこでも引続き連続的に送気されかつ/又は循環されなければならない。これは熱巣の発生の阻止を目的としている。
【0003】
円形の貯蔵サイロのための相応する穀物循環貯蔵装置は例えばDE−OS2721782号明細書に記載されている。この穀物循環貯蔵装置は、貯蔵サイロの中央に配置され、貯蔵サイロと不動に結合され、主として搬送シリンダと駆動された搬送スクリュとから成っている。貯蔵された穀物は円錐形の底を介し搬送スクリュの領域に滑落し、搬送スクリュにより搬送シリンダを通って貯蔵サイロの上部領域に搬送され、堆積させられた穀物の上に再び積上げられる。これによって循環する搬送運動が発生する。この穀物循環貯蔵装置は貯蔵サイロの不動の構成部分として構成され、したがってこの1つの使用形態のためだけに構成されている。扁平な貯蔵ホールにて使用することは作用領域が限られているために完全に排除されている。これはこの穀物循環貯蔵装置の使用領域をきわめて制限する。この穀物循環貯蔵装置は必要な搬送シリンダに基づき構成費用が高くかつ製造費用が高い。
【0004】
通常は穀物は乾燥後、面積の大きい貯蔵ホールにもたらされる。そこで穀物は平らに振撒かれる。ここでは循環は通常、人による層換えによって行なわれるが、これは身体的にきつく、多くの作業力を必要とする。又、穀物を循環させるために困難な積換え技術を使用することも公知であるが、これはどこにでも存在するものではなく、そのうえきわめて高価である。DE3500881A1号明細書によれば貯蔵装置において穀物を掘返しかつ解すためのボーリングスクリュが公知である。このボーリングスクリュは主として手持ボーリング機械と該手持ボーリング機械に緊締された搬送スクリュとから成っている。この場合、搬送スクリュは振撒かれた穀物の高さに相当する長さを有している。サイロ底に対しボーリングスクリュを支えるためには搬送スクリュの先端は球を備えている。このボーリングスクリュは円形の貯蔵サイロでも扁平な貯蔵ホールでも使用することができるが、特に扁平な貯蔵ホールにおける効果は比較的に低い。したがって運転中にボーリングスクリュを作業位置に保持しかつボーリングスクリュを場所的に移動させるためには、穀物内で回転する搬送スクリュの抵抗を克服するためにかなりの体力を費さなければならない。このためにこのボーリングスクリュはきわめて短い時間に亘って作動することしかできず、扁平な貯蔵ホールにおける使用は実質的には排除されている。
【0005】
本発明の課題は穀物を循環させる装置を改良して、時間的に制限されることなく使用でき、循環のために手力が必要でなくなるようにすることである。
【0006】
この課題は請求項1の特徴部の構成によって解決された。当該装置の有利な構成は従属請求項2から12までに記載されている。
【0007】
両方の実施形態を有する新しい当該装置は、公知技術の前途の欠点を排除する。この場合、当該装置の特別な利点は当該装置が穀物によって保持されることである。これにより定置である当該装置は、さもないと必要である乾燥又は貯蔵サイロとの結合又は支持をすべて必要としなくなる。これは定置である当該装置をサイロの形式とは無関係にし、ひいてはその使用領域を拡大する。定置の、穀物により保持された当該装置は当該装置を保持しかつ誘導しなければならない常備の作業員も必要としなくなる。これは取扱いを著しく簡易化する。使用領域は当該装置が可動な装置として構成されることにより一層拡大される。これにより当該装置は大きな面積で構成された穀物堆積体、例えば穀物の扁平貯蔵装置における穀物堆積体に対しても使用できるようになる。この場合には可動な装置は充填室内で発生する、搬送する穀物の堰止め圧により駆動される。これにより当該装置を移動させるための機械的な駆動ユニットは不要になる。特に有利であることは可動な当該装置の充填室が容易に閉鎖可能であり、したがって可動な当該装置が定置の運転でも使用できることである。これは同様に当該装置の使用領域を拡大する。
【0008】
以下、本発明を2つの実施例に基づき詳細に説明する。
図1は上に向かって開いた載置体を備えた定置の装置の側面図。
図2は図1の平面図。
図3は下に向かって開いた載置体を備えた定置の装置の側面図。
図4は閉じた、中空形の載置体を備えた定置の装置の側面図。
図5は板状の載置体を備えた定置の装置の側面図。
図6は可動な装置の側面図。
図7は可動な装置の他の側面図。
図8は可動な装置の平面図。
図9は特殊な搬送スクリュを有する可動な装置の側面図。
【0009】
図1から図5までに示された穀物を循環させるための定置の装置は主軸線の領域にて搬送スクリュ1と該搬送スクリュ1のための駆動ユニット2とから構成されている。搬送スクリュ1と駆動ユニット2はクラッチユニット3によって解離可能に互いに結合されているので使用形態に応じて、選択された長さの搬送スクリュ1を使用することができる。搬送スクリュ1は有利には、供給ホース6を介して空気又は液体供給ユニット7に接続された複数の半径方向の出口開口5を有する内部の案内通路4を有している。駆動ユニット2は有利には電気的に運転されかつ固定エレメント8を介して載置体9に不動に結合されている。
【0010】
図1と図2とによれば載置体9は鉢形に構成され、したがって底板10と周壁11とを有している。この場合、底板10は円形、四角形又は流線形に構成されていることができる。鉢形の載置体9の開放側は上にある。底板10は搬送スクリュ1の軸線に対し直角に位置し、搬送スクリュ1の搬送力に合わせられた大きさを有している。その際、底板10の大きさは載置体9の支持力が当該装置を穀物の上面に保持するように選択されている。鉢形の載置体9の開放側が上方へ向けられていることに基づき駆動ユニット2は載置体9内に配置されかつ底板10に固定されている。
【0011】
底板10はさらに、搬送スクリュ1の軸線に対して平行に配置されかつ搬送スクリュ1の軸線に対し半径方向に方向づけされた制動板12を有している。この場合、制動板12の大きさは搬送スクリュ1におけるトルクの大きさに合わせられている。制動板12は有利には高さ調節可能にかつ異なる位置で固定可能に底板10に配置されている。これにより搬送スクリュ1におけるトルクの大きさに関連して制動板12は調節されることができる。
【0012】
図3には図1と図2に示された装置と同じ装置が同様に鉢形に構成された載置体9と共に示されているが、載置体9の開放側は下方へ向けられている。この場合にも制動板12は移動可能でかつ固定可能に構成されている。
【0013】
図4には穀物を循環させる装置であって、同様に搬送スクリュ1と駆動ユニット2と載置体9とから成る装置が示されている。この場合、載置体9は閉じた中空体として構成されている。中空体の内部に閉じ込められた空気の付加的に作用する揚力によって載置体9は半径方向の寸法に関して比較的に小さく構成することができる。制動板12は中空形状の載置体9の下側に固定的に固定されている。有利には制動板12は載置体9に有利には溶接されている。
【0014】
図5によれば穀物を循環させるための装置の載置体は板状に構成されている。この載置体9の下面には同様に制動板12が溶接されている。
【0015】
穀物を循環させるための装置の定置の実施例の作用形式は比較的に簡単で、図1から図5から容易に理解されるものと確信する。
【0016】
当該装置は搬送スクリュ1で水平に穀物の上に載置される。この場合、搬送スクリュ1の自由端部は穀物に接触させられる。次いで駆動ユニット2がスイッチオンされ、搬送スクリュ1が穀物内へ突入する。その際、搬送スクリュ1は垂直に位置しようとする。穀物への突入は載置体9が穀物に全面的に支持されると終了する。いまや、搬送スクリュ1の螺旋通路内にある穀物が螺旋通路に沿って上方へ押され、穀物の表面に載置されることで穀物の搬送が開始される。その際、常に最下位の螺旋通路だけにて新しい穀物が受取られる。何故ならば上方の螺旋通路においてはさらなる穀物を受取る空間は存在しないからである。これによって常に最下位の穀物が上面に搬送され、中間層は最下位に形成された空間へ滑り落るにすぎない。穀物が下部にて取出されかつ上部にて戻されること並びに搬送されない穀物が滑落することによって堆積した穀物の内部においては温度の高い穀物が上へかつ温度の低い穀物が下へ移動する循環が発生する。当該装置には半径方向の力は作用しないので稼働中当該装置は常に同一場所に留まり、かつその静止位置にも留まる。何故ならば搬送スクリュ1の回転する運動から発生する周方向力は穀物内に突入した制動板12より吸収されるからである。すなわち、搬送スクリュ1だけが回転し、当該装置は使用場所に留まる。特別な形式でこの循環プロセスにて熱いか又は冷い空気又は液体を空気又は液体供給ユニット7から供給ホース6、案内通路4及び半径方向の出口開口5を介して付与されることもできる。空気の供給によって穀物は付加的に乾燥されるか冷却されかつ適当な液体で、穀物内にある害虫が克服されるか又は例えば飼料穀物の耐腐食性が改善される。
【0017】
図6から図9までに示された穀物を循環させるための可動な装置は、特に扁平貯蔵装置に適し、底側の載置板13と既に第1実施例から公知である搬送スクリュ1′とから成っている。この搬送スクリュ1′は底側の載置板13の中心を通って延び、載置板13に対して垂直に方向づけられるか又は載置板13が前方領域にて、垂直方向を求める搬送スクリュ1′によって起立するような傾きが載置板13に対し与えられて方向づけられている。前記傾きは調節可能であることができる。底側の載置板13は開放した台形の面セグメントを有する円形の面を有している。底側の載置板13の開放した面セグメントの上側には充填室14が構成されている。この充填室14は底側の載置板13の開放した台形の面セグメントに相応するプリズム形の形状を有している。充填室14は1つの端壁15と2つの側壁16,16′と天井側の載置板17とによって制限されている。この場合、端壁15と側壁16,16′はいずれも底側の載置板13に対し垂直に方向づけられ、天井側の載置板17は底側の載置板13に対し平行に方向づけられている。充填室14は、端壁15に向き合って、天井側の載置板17によって覆われかつ側壁16,16′により制限されて、水平方向に開放する押出し領域18を形成する。この場合、側壁16,16′は、端壁15とは反対でかつ押出し領域18に向いた側で、垂直な旋回中心軸を中心として旋回可能に構成されている。これにより側壁16,16′は定置の領域と旋回可能な領域19,19′とに分けられる。互いに接近させられた位置で側壁16,16′の旋回可能な領域19,19′は最小の押出し領域18を開放しかつ互いに離反させられた位置で側壁16,16′の旋回可能な領域19,19′は最大の押出し領域18を開放する。この場合、一方又は両方の旋回可能な領域19,19′は充填室14を閉鎖するように構成されていることができる。これにより穀物の押出しは阻止され、装置の駆動は循環中に中断される。側壁16,16′の旋回可能な領域19,19′にはそれぞれ1つの、水平でかつ底側の載置板13のすぐ上側に配置された補助載置体20,20′が固定されている。この補助載置体20,20′はそれぞれ、側壁16,16′の旋回可能な領域19,19′が互いに旋回させられ、充填室14と押出し領域18が縮小されるか又は閉鎖されるとただちに、充填室14を下方へ閉鎖する大きさと形とを有している。底側の載置体13における開放した面セグメントと天井側の載置体17とはいずれも最大充填容積に合わせられた大きさを有している。
【0018】
専門家は底側の載置板13と天井側の載置体17とを定置の装置の載置体9に倣って構成しかつその内部に駆動に必要な充填室を統合することも可能である。さらに底側の載置体13は片側に曲げ出された案内プレート21を有している。この場合、この案内プレート21は当該装置の作業方向に対し平行に方向づけられている。この場合、案内プレート21の大きさと方向づけは案内プレート21がすでに積上げられた穀物に支えられ得るように設計されている。案内プレート21の大きさ、形状及び曲げ角は適当に調和させられている。その際、専門家は単数又は複数の付加的な案内プレート21を設けることができる。
【0019】
2つの高さ調節可能な制動板22,22′が底側の載置板13を貫いている。これらの制動板22,22′はそれぞれ横方向で充填室14の外側に取付けられ、当該装置の回転阻止に適合させられた大きさと形を有している。制動板22,22′の高さ調節は互いに無関係に手で行なうか又は所定のパラメータに基づき自動的にモータで行なうことができる。充填室14の内部においては、押出し領域18を中央で分けて、天井側の載置板17に穀物内に侵入する後方の制御装置23が固定されている。この制御装置は垂直な回転軸を中心に旋回可能である。後方の制御装置23の有効面の大きさは当該装置の制御に適合させられている。後方の制御装置23と同じ線上にかつ該制御装置23と向き合って、底側の載置板13の下側には、同様に穀物内に侵入する前方の制御装置24が取付けられている。この制御装置24も同様に垂直な回転軸線を中心として旋回可能である。前方の制御装置の有効面の大きさは後方の制御装置23の有効面の大きさにほぼ相応している。前方の制御装置24も後方の制御装置23も方向制御に使用され、互いに無関係に手で又は所定のパラメータに基づき自動的にモータで調節されることができる。制動板22,22′の使用と後方の制御装置23並びに前方の制御装置24の使用は選択可能である。
【0020】
搬送スクリュ1′は回動不能に駆動ユニット2′に結合されている。この場合、駆動ユニット2′は受容部25を介して天井側の載置板17に固定されている。駆動ユニット2′は電気エネルギで駆動可能であるか又は燃焼機関として構成されていることができる。出力側では回転数はほぼ250から750min−1である。
【0021】
搬送スクリュ1′は市販されているものであり、約50から100mmまでのスクリュ直径を有している。搬送スクリュ1′の直径並びにリードも、搬送スクリュ1′の回転も、搬送しようとする穀物の量に合わせられることができる。搬送スクリュ1′の長さも同様に可変で、約1000と4000mmとの間である。この場合、搬送スクリュの下方端部は穀物の堆積体内へ突入する。図1から5までの定置の当該装置に準拠して搬送スクリュ1′は同様に中空軸として構成され、空気又は液体供給ユニット7と接続されていることができる。
【0022】
図6によれば搬送スクリュ1′は充填室14の領域に、偏心的に固定された重錘を有し、搬送スクリュ1′の回転数で搬送スクリュ1′は付加的にトランスレータ的なパルスを生ぜしめる。この場合には適当なアンバランス28が搬送スクリュ1′の上に、トランスレータ的なパルスが端壁15に対しても押出し領域18に対しても垂直に作用するように固定されている。図9においては駆動側に向かって連続的に増大するリードを有する搬送スクリュ1′が紹介されている。これにより、スクリュ歯面の間には駆動ユニット2′に向かって大きくなる異なる搬送室が形成される。この結果、穀物は下方の領域からだけではなく、搬送スクリュ1′を取巻く堆積穀物のすべての高さ層から搬送スクリュ1′により受取られる。搬送スクリュ1′の全長に亘って穀物が取出されることによって搬送スクリュ1′に穀物により作用する側方の抵抗は減じられる。これは搬送スクリュ1′に対し、穀物内の搬送運動を容易にする。当該装置は有利には天井側の載置板17の領域に側方及び前方及び後方のクラッチユニット26を備えている。これらのクラッチユニット26は適当なスペーサで複数の可動な当該装置の連結を可能にする。これによって穀物のより大きな面を捉えるフォーメーションが複数の当該装置から構成される。このようなフォーメーションは例えば並べて配置され、そのうえ互いに小さい間隔をおいて方位づけられた当該装置の2つ又は3つ以上の列から成っていることができる。この場合、フォーメーションの方向変化は外に位置する単数又は複数の当該装置の搬送スクリュ1′の搬送力、ひいては駆動装置が遮断されるか又は減退されるように制御されることができる。これによって遮断された又は絞られた当該装置は当該装置のフォーメーション全体の旋回軸となる。
【0023】
可動な装置はそのうえその後方の領域に温度センサを備えている。この温度センサは放出された穀物の温度を測定し、それに応じて適当な制御エレメントを介して当該装置の駆動速度を決定する。搬送された穀物が高い温度を有していると、駆動速度が落され、搬送された穀物の温度が低いと、駆動速度が高められる。これにより熱巣は効果的に処理されることができる。
【0024】
以下、穀物で充たされた扁平貯蔵装置にて熱巣を排除する際に非連続的に運転される可動な当該装置の作用形式について記述する。このためには当該装置は、穀物表面の1から2メートルの深さに熱巣が存在するあらかじめ検出された個所にて、穀物表面の上にもたらされる。この場合には当該装置はそれ自体搬送され、搬送スクリュ1′はその長さに基づき別個に搬送されると有利である。そのあとで搬送スクリュ1′の上端は駆動ユニット2′の出力側と回動不能に結合されかつ穀物の上に平面的に載置させられる。次いで駆動ユニット2′のスイッチが入れられ、これにより搬送スクリュ1′は自動的に穀物内へ侵入し、その際、水平な位置から垂直な位置へ下降させられる。搬送スクリュ1′の回転数、直径及びリードに応じて穀物を充填室14内へ搬送する。充填室14内に最大充填容量が達成されると、相応の充填圧が発生する。この充填圧は端壁15と側壁16,16′に支えられて押出し領域18の方向に放圧される。したがって更なる搬送によって穀物は押出し領域18から押出される。充填室14から押出し領域18の方向に穀物が流出することで、充填室14の端壁に作用しかつ当該装置全体を作業方向に移動させる反対方向の力も発生する。これにより当該装置は、穀物に載った状態で、作業方向に移動させられる。この場合には同時に、熱巣の領域から搬送された穀物は充填室14から押出され、形成されつつある穀物堆積体の上に積上げられる。搬送スクリュ1′の長さに基づき搬送スクリュ1′及び駆動ユニット2′自体はパルス状の振動を当該装置内へ導入する。この振動は作業方向での当該装置の運動を促進させる。当該装置の運動方向は、制御装置23と24とに加えて、作業員により、一方又は他方の方向に移動又は回動させることでコントロールすることができる。
【0025】
しかし、可動な装置は穀物で充たされた扁平貯蔵装置にて連続的な運転で、搬送プロセスの間に穀物を混合するために使用することもできる。このためには当該装置は作業員により、第1の通過に際し、放出された穀物が直線的でかつ貯蔵面の中央に方向づけられた堆積体を形成するように方向づけられる。次いで当該装置はその案内板21が堆積された穀物に接触するように方向づけられる。以後の循環で当該装置は案内板21で案内板21に向かうトルクを利用して最後に形成された穀物堆積体に支えられ、放出された堆積体に沿って案内される。各作業区間の終りにて作業員により当該装置は反対方向に置換えられる。したがって連続的に貯蔵ホールの全貯蔵面が処理される。
【0026】
可動な当該装置の連続的な運転は自動的に実現することもできる。このためには当該装置は適当な発信器、センサ及び調節駆動装置を備え、調整されたデータ処理機と接続されていることができる。当該装置は適当な時間的な間隔でその現今の空間的なX座標値、Y座標値及び場合によってはZ座標値をデータ処理機に送信する。このデータ処理機は前記座標値を適当なプログラムで処理する。次いでデータ処理機は再び当該装置にパラメータを送信し、該パラメータで例えば制動板22,22′、後方の制御装置23及び/又は前方の制御装置24が調節される。本発明による装置の自動的な運転は、適当に装備されたセンサが穀物堆積体内の熱巣を検出し、該熱巣のX、Y及びZ座標値をデータ処理機に送信し、そのあとでデータ処理機が当該装置を扁平貯蔵装置を通して熱巣に導くように好適化可能である。熱巣を検出するセンサは温度測定センサ、密度測定センサ、酸素含有量センサ又は炭素含有量センサであることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】上に向かって開いた載置体を備えた定置の装置の側面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】下に向かって開いた載置体を備えた定置の装置の側面図。
【図4】閉じた、中空形の載置体を備えた定置の装置の側面図。
【図5】板状の載置体を備えた定置の装置の側面図。
【図6】可動な装置の側面図。
【図7】可動な装置の他の側面図。
【図8】可動な装置の平面図。
【図9】特殊な搬送スクリュを有する可動な装置の側面図。
【符号の説明】
【0028】
1 搬送スクリュ、 2 駆動ユニット、 3 クラッチユニット、 4 案内通路、 5 半径方向の出口開口、 6 供給ホース、 7 空気又は液体供給装置、 8 固定エレメント、 9 載置体、 10 底板、 11 壁、 12 制動板、 13 底側の載置体、 14 充填室、 15 端壁、 16 側壁、 17 天井側の載置体、 18 充填室の押出し領域、 19 側壁の旋回可能な部分、 20 側壁の旋回可能な部分の補助載置体、 21 案内板、 22 制動板、 23 後方の制御装置、 24 前方の制御装置、 25 駆動ユニットの受容部、 26 クラッチユニット、 27 温度センサ、 28 アンバランス重錘

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を循環させる装置であって、穀物のための搬送スクリュ(1,1′)と、該搬送スクリュ(1,1′)を駆動する駆動ユニット(2)とを有し、該駆動ユニット(2)と前記搬送スクリュ(1,1′)とがクラッチユニット(3)を介して互いに結合されている形式のものにおいて、前記駆動ユニット(2)が載置体(9)と回動不能に結合されており、該載置体(9)がその下方の載置面で前記搬送スクリュ(1,1′)の軸線に対し角度を成しており、該載置体(9)が搬送スクリュ(1,1′)の搬送力に抵抗する面寸法を有しており、該載置体(9)が少なくとも1つの、穀物内へ侵入する制動板(12,22,22′)を備えており、この場合、前記制動板(12,22,22′)が回転する搬送スクリュ(1,1′)の周方向力に抵抗する大きさの面を有していることを特徴とする、穀物を循環させるための装置。
【請求項2】
前記載置体(9)が鉢形であって任意の形状の載置面をもって構成され、前記載置体の開放側が搬送スクリュ(1)とは反対に向けられている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記載置体(9)が鉢形であって任意の形状の載置面をもって構成され、前記載置体の開放側が搬送スクリュ(1)に向けられている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記載置体(9)が任意の形状を有する載置面を有する中空体として構成されており、前記載置体(9)の中空室が駆動力を付与する大きさを有している、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記載置体(9)が板状に、任意の形の与えられた載置面をもって構成されている、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記載置体(9)が搬送された穀物のための充填室(14)を備えており、該充填室(14)が搬送された穀物を穀物堆積体の上へ堆積させるために側方の押出し領域(18)を有しており、この場合、前記充填室(14)の大きさと前記押出し領域(18)の大きさとが互いに調和させられ、前記充填室(14)の内部で、搬送された穀物から発しかつ搬送駆動に十分な圧力が当該装置に作用させられるようになっている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
当該装置の駆動速度を調整するために前記充填室(14)がその押出し領域(18)の範囲にて、押出し領域(18)の開口横断面を「完全開放」から「閉鎖」までの範囲で調節する装置を備えている、請求項6記載の装置。
【請求項8】
搬送スクリュ(1)が前記載置体(9)に対しできるだけ調節可能な傾き角度を有し、前記載置体(9)がその前方フロントで、搬送スクリュ(1′)の鉛直な方向づけに際して穀物堆積物から持上がるようになっている、請求項6記載の装置。
【請求項9】
載置体(9)のために搬送スクリュ(1′)が駆動ユニット(2′)に向かって増大するピッチを有している、請求項6記載の装置。
【請求項10】
前記載置体(9)がクラッチユニット(26)を有し、該クラッチユニット(26)で複数の装置が作業領域を拡大するフォーメーションにまとめられている、請求項6記載の装置。
【請求項11】
前記載置体(9)が搬送された穀物の温度を検出する温度センサ(27)を有し、該温度センサ(27)が当該装置の搬送速度を調整する調節装置と接続されている、請求項6記載の装置。
【請求項12】
搬送スクリュ(1,1′)が軸方向の案内通路(4)と半径方向の出口開口(5)を有し、該出口開口(5)が空気又は液体供給装置と接続されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物を循環させる装置であって、穀物のための搬送スクリュ(1,1′)と、該搬送スクリュ(1,1′)を駆動する駆動ユニット(2)とを有し、該駆動ユニット(2)と前記搬送スクリュ(1,1′)とがクラッチユニット(3)を介して互いに結合されている形式のものにおいて、前記駆動ユニット(2)が載置体(9)と回動不能に結合されており、該載置体(9)がその下方の載置面で前記搬送スクリュ(1,1′)の軸線に対し角度を成しており、該載置体(9)が搬送スクリュ(1,1′)の搬送力に抵抗する面寸法を有しており、該載置体(9)が少なくとも1つの、穀物内へ侵入する制動板(12,22,22′)を備えており、この場合、前記制動板(12,22,22′)が回転する搬送スクリュ(1,1′)の周方向力に抵抗する大きさの面を有しており、搬送スクリュ(1,1′)が前記制動板(12,22,22′)の侵入深さよりも大きな長さを有し、その形と寸法とにおいて、最下位の貯蔵装置領域から最上位の貯蔵装置領域への穀物の循環を可能にする設計を有していることを特徴とする、穀物を循環させる装置。
【請求項2】
前記載置体(9)が鉢形であって任意の形状の載置面をもって構成され、前記載置体の開放側が搬送スクリュ(1)とは反対に向けられている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記載置体(9)が鉢形であって任意の形状の載置面をもって構成され、前記載置体の開放側が搬送スクリュ(1)に向けられている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記載置体(9)が搬送された穀物のための充填室(14)を備えており、該充填室(14)が搬送された穀物を穀物堆積体の上へ堆積させるために側方の押出し領域(18)を有しており、この場合、前記充填室(14)の大きさと前記押出し領域(18)の大きさとが互いに調和させられ、前記充填室(14)の内部で、搬送された穀物から発しかつ搬送駆動に十分な圧力が当該装置に作用させられるようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
当該装置の駆動速度を調整するために前記充填室(14)がその押出し領域(18)の範囲にて、押出し領域(18)の開口横断面を「完全開放」から「閉鎖」までの範囲で調節する装置を備えている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
搬送スクリュ(1)が前記載置体(9)に対しできるだけ調節可能な傾き角度を有し、前記載置体(9)がその前方フロントで、搬送スクリュ(1′)の鉛直な方向づけに際して穀物堆積物から持上がるようになっている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
載置体(9)のために搬送スクリュ(1′)が駆動ユニット(2′)に向かって増大するピッチを有している、請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記載置体(9)がクラッチユニット(26)を有し、該クラッチユニット(26)で複数の装置が作業領域を拡大するフォーメーションにまとめられている、請求項4記載の装置。
【請求項9】
前記載置体(9)が搬送された穀物の温度を検出する温度センサ(27)を有し、該温度センサ(27)が当該装置の搬送速度を調整する調節装置と接続されている、請求項4記載の装置。
【請求項10】
搬送スクリュ(1,1′)が軸方向の案内通路(4)と半径方向の出口開口(5)を有し、該出口開口(5)が空気又は液体供給装置と接続されている、請求項1又は4記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2006−521097(P2006−521097A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504243(P2006−504243)
【出願日】平成16年3月3日(2004.3.3)
【国際出願番号】PCT/DE2004/000387
【国際公開番号】WO2004/078331
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(505334857)
【出願人】(505334846)
【Fターム(参考)】