説明

穀物乾燥機

【課題】収納時に嵩張ることなく、しかも、軽量な穀物乾燥機であって、特に、乾燥機本体とシート体との脱着、及び乾燥機本体と揚穀装置との脱着が極めて簡単な穀物乾燥機を提供する。
【解決手段】シート体4の底面部4aには、その中央部に穀粒の排出用開口部4eを形成するとともに、該排出用開口部4e下部4fに、フランジ7a〜7dを装着する一方、前記乾燥機本体2内部中央には、前記シート体4に貯留された穀粒を排出する穀粒排出樋8を設け、さらに、前記穀粒排出樋8上端部には、前記シート体4を着脱可能な構成とすべく、前記フランジ7a〜7dと嵌合するスライド溝9a,9dを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納が簡単な穀物乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機は、一年のうちで秋など一定の収穫時期のみ使用され、使用後は機内に溜まった残留米及び塵埃などを噴風・除去して清掃を施した上で納屋など倉庫に保管されるが、従来の鋼板等の材料を用いて製作した穀物乾燥機は、体積が大きくかつ重量が重いので、収納時の移動などが非常に不便であった。そこで、収納時に嵩張(かさば)ることなく、しかも、軽量な穀物乾燥機として、例えば、特許文献1に開示されているものが知られている。このものは、乾燥用温風が通過する穀物流下通路を備えた乾燥機本体と、該乾燥機本体の上側に閉空間を形成するシート体と、前記乾燥機本体に着脱自在に取付けられて前記シート体を支持する支持枠と、前記穀物流下通路を流下した穀物を前記閉空間の上端部に移送する揚穀装置とを設けたことを特徴とする構成である。
【0003】
これにより、穀物の滞留槽となる部分がシート体からなり、また、支持枠が乾燥機本体に着脱自在に取り付けられているので、収納時には乾燥機本体からシート体及び支持枠を取り外し、さらに、シート体と支持枠とを分離してシート体を折り畳むことができるので、嵩張らず、しかも軽量であるために収納に際して非常に便利となるものである。また、乾燥すべき穀物の量が少ない場合は、支持枠を上下にずらして乾燥機本体に固定し、これに応じた長さの揚穀装置の接続管を用いることにより、使用時の穀物乾燥機の高さを低くできるという利点もある。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の穀物乾燥機にあっては、シート体を乾燥機本体に固定する方法として、乾燥機本体の上端部周囲に取り付けられた複数の係止金具に、シート体下端部周囲に設けられた複数の孔を嵌め合わせることにより行われるが、該複数の係止金具と複数の孔とを嵌め合わせる作業は、位置合わせなどを考慮すると組立・分解作業が煩わしく面倒な作業であった。特に、お年寄りにとっては、組立・分解作業が簡略化された機械が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭57−105674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点にかんがみ、収納時に嵩張ることなく、しかも、軽量な穀物乾燥機であって、特に、乾燥機本体とシート体との脱着、及び乾燥機本体と揚穀装置との脱着が極めて簡単で、組立・分解の作業性を向上させた穀物乾燥機を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、乾燥用空気を上方へ誘導すべく円筒状又は多角形筒状に形成した乾燥機本体(2)と、該乾燥機本体(2)に通風する送風ファン(3)と、通気性の底面部(4a)及び非通気性の側面部(4b)により形成され、前記乾燥機本体(2)に上載して穀粒の通風乾燥を可能とした円筒状のシート体(4)とを備えた穀物乾燥機であって、前記シート体(4)の底面部(4a)には、その中央部に穀粒の排出用開口部(4e)を形成するとともに、該排出用開口部(4e)下部(4f)に、フランジ(7a)〜(7d)を装着する一方、前記乾燥機本体(2)内部中央には、前記シート体(4)に貯留された穀粒を排出する穀粒排出樋(8)を設け、さらに、前記穀粒排出樋(8)上端部には、前記シート体(4)を着脱可能な構成とすべく、前記フランジ(7a)〜(7d)と嵌合するスライド溝(9a),(9d)を設ける、という技術的手段を講じた。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記乾燥機本体(2)に、該乾燥機本体(2)中央部から外周方向に亘り穀粒排出用の空間部(31)を形成するとともに、該空間部(31)内に、移動用キャスター(17)を備えた横送スクリュー(13)を挿脱可能に設置することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記横送スクリュー(13)の終端側に、外部から穀粒を投入する穀粒投入ホッパー(6)と、揚穀装置(5)とを一体的に配設し、前記乾燥機本体(2)から穀粒投入ホッパー(6)及び揚穀装置(5)を一体で着脱可能に形成することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記横送スクリュー(13)のスクリュー(15)終端側に、揚穀装置(5)の揚穀羽根(26)を軸着し、スクリュー(15)の回転により穀粒の横送りと揚穀とを兼用される構成とした。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記穀粒排出樋(8)に、その開口面を開閉して穀粒の貯留と排出とが切り換え可能なスライドシャッター(11)を設けることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、前記シート体(4)に、粒径が小さな雑穀類の漏出を防止すべく、前記シート体(4)よりもメッシュの目幅が小さい別のシート体を内装することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、乾燥機本体(2)からシート体(4)を取り外す際、シート体(4)の底面部(4a)を手でめくり上げると、穀粒排出樋(8)上端部のスライド溝(9a),(9d)に嵌合されたフランジ(7a)〜(7d)が露呈することになる。そして、ノブボルトなどを螺脱し、スライド溝(9a),(9d)からフランジ(7a)〜(7d)を取り外すと、乾燥機本体(2)からシート体(4)を簡単に取り外すことができる。乾燥機本体(2)から取り外したシート体(4)は折り畳んで収納することができ、かさ張らずしかも軽量であるので収納に際して非常に便利となる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、前記乾燥機本体(2)中央部から外周方向に亘り穀粒排出用の空間部(31)を形成するとともに、該空間部(31)内に、移動用キャスター(17)を備えた横送スクリュー(13)を挿脱可能に設置してあり、横送スクリュー(13)を乾燥機本体(2)から挿脱する際は、移動用キャスター(17)によって労力を要することなく簡単に横送スクリュー(13)取り外すことができる。
【0015】
また、請求項3記載の発明によれば、前記横送スクリュー(13)の終端側に、外部から穀粒を投入する穀粒投入ホッパー(6)と、揚穀装置(5)とを一体的に配設し、前記乾燥機本体(2)から穀粒投入ホッパー(6)及び揚穀装置(5)を着脱可能に形成してあり、横送スクリュー(13)を乾燥機本体(2)から挿脱するのに伴って、穀粒投入ホッパー(6)及び揚穀装置(5)が一体で着脱可能となる。
【0016】
さらに、請求項4記載の発明によれば、スクリュー(15)の回転により穀粒の横送りと揚穀とを兼用できるようになる。
【0017】
そして、請求項5記載の発明によれば、シート体(4)への穀粒の貯留又はシート体(4)からの穀粒の排出の切り換えが可能となる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、シート体(4)に該シート体(4)よりもメッシュの目幅が小さい別のシート体を内装してあるから、粒径が小さな雑穀類の漏出を防止し得て、雑穀類の乾燥にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係る穀物乾燥機の斜視図である。
【図2】同穀物乾燥機の正面図である。
【図3】同穀物乾燥機の平面図である。
【図4】乾燥機本体と揚穀装置との脱着状態を示す斜視図である。
【図5】図3のA−A線で破断したときの概略断面図である。
【図6】図3のB−B線で破断したときの概略断面図である。
【図7】乾燥機本体とシート体との脱着を示す概略斜視図である。
【図8】シート体内の籾水分の時間的推移を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る穀物乾燥機の斜視図であり、図2は同穀物乾燥機の正面図であり、図3は同穀物乾燥機の平面図であり、図4は乾燥機本体と揚穀装置との脱着状態を示す斜視図であり、図5は図3のA−A線で破断したときの概略断面図であり、図6は図3のB−B線で破断したときの概略断面図であり、図7は乾燥機本体2とシート体4との脱着を示す概略斜視図である。
【0021】
図1乃至図7において、穀物乾燥機1は、乾燥用空気を上方へ誘導して穀粒に通風させるための円筒状又は多角筒状の乾燥機本体2と、該乾燥機本体2の側面部に設置される、加温ヒータ付きの送風ファン3と、前記乾燥機本体2の上端部を覆い該乾燥機本体2の上側に穀粒の貯留槽を形成する円筒状のシート体4と、該シート体4内に穀粒を張り込むために穀粒を揚送する揚穀装置5、及び該揚穀装置に接続されて、外部から穀粒を投入することが可能な穀粒投入ホッパー6から主要部が構成される。符号32は、前記シート体4を支えて転倒を防止するための支柱である。
【0022】
図5及び図6に示すように、前記シート体4は、底面部4a及び側面部4bを有し、上面部が開放状となっている。そして、底面部4aが通気性を有し、側面部4bは非通気性となし、かつ、上面部4cは通気口を兼ねた穀粒の充填用開口部4dとなす。そして、底面部4aはその中央部に通気性素材(メッシュ網など)によって筒状に囲繞された穀粒の排出用開口部4eが形成されている。
【0023】
そして、図5、図6及び図7に示すように、前記排出用開口部4e付近のシート体下部4fには、平面視矩形状のフランジ7a〜7dが装着されるとともに、前記乾燥機本体2側の内部中央部には、前記シート体4に貯留された穀粒を受ける穀粒排出樋8と、穀粒排出樋8の開口面を開閉するスライドシャッター11とが設置されている。そして、前記穀粒排出樋8にはスライド溝9a,9dが設けられ、該スライド溝9a,9dに前記シート体下部のフランジ7a〜7dが嵌合可能となっており、該フランジ7a,7dがスライド溝9a,9dに嵌め込まれた後、フランジ7bとスライド溝9bとをノブボルト10によって螺着して固定可能な構成となっている。これは、ちょうど掃除機に紙パックを装着するようなイメージによりシート体4と乾燥機本体1とを簡単に脱着可能な構成となっている。
【0024】
前記スライドシャッター11は、穀粒排出用の開口面11aと、穀粒貯留用の閉鎖面11bと、開閉操作用の操作棒11cとから形成され、穀粒の貯留と排出とが切り換え可能な構成となっている。さらに、スライドシャッター11の下方には、始端側にホッパー部12が接続された穀粒排出用の横送スクリュー13が配置される。図6に示すように、乾燥機本体2には、乾燥機本体2中央部から外周方向に亘り横送スクリュー13を挿脱可能となるように長孔状の空間部31が形成されている。そして、前記横送スクリュー13は、長尺状のコンベアケース14と、該コンベアケース14内に回転可能に横設したスクリュー15とから構成され、前記横送スクリュー13の終端側に、外部から穀粒を投入する穀粒投入ホッパー6と、揚穀装置としての揚穀スロワー5とが一体的に配設される。スクリュー15の終端側には、揚穀スロワー5の揚穀羽根27(図6参照)が軸着されており、スクリュー15を回転することにより、穀粒の横送りと揚穀とが兼用される構成となっている。
【0025】
そして、前記コンベアケース14下面及び揚穀スロワー5が内装される機枠16下面には、それぞれ移動用キャスター17,18が設けられ、図4に示すように、乾燥機本体2側のボルト19,20に螺着されたノブナット19a,20aを取り外せば、前記乾燥機本体2の空間部31から前記横送スクリュー13、穀粒投入ホッパー6及び揚穀スロワー5を一体的に挿脱可能な構成となっている。すなわち、前記乾燥機本体2の空間部31に、横送スクリュー13を挿入しておき、スライドシャッター11を操作すれば、シート体4内に貯留された穀粒を、穀粒排出樋8、ホッパー部12及びスクリュー15を介して、乾燥機本体2の中央部から外周方向に穀粒が取り出される構成となっている。
【0026】
なお、前記スクリュー15は、図6に示すように、穀粒投入ホッパー6付近では、スクリュー羽根のピッチを狭くしたスクリュー15bに形成し、揚穀スロワー5の詰まりの頻度を低下させる手段を講じてもよい。符号21…は乾燥機本体2底部に取り付けた移動用キャスターであり、乾燥機本体2を収納場所に簡単に移動できる構成となっている。
【0027】
前記穀粒投入ホッパー6は、側面部が略直方体形状の機枠16で覆われており、該機枠16に駆動モータ22が内装されている(図4参照)。該駆動モータ22のモータ軸に軸着したモータプーリ23は、スクリュー15終端のスクリュー軸に軸着した駆動プーリ24との間でVベルト25によって巻回されている。これにより、駆動モータ22が駆動すれば、スクリュー15が回転して穀粒投入ホッパー6に投入された穀粒及び穀粒排出樋8から排出された穀粒が、揚穀スロワー5側に横送りされるとともに、揚穀スロワー5の揚穀羽根27(図6参照)が回転して、穀粒を揚穀できる構成となっている。符号28a,28b,28cは揚穀筒であり、作業者が最上段の揚穀筒28cを手で持って回転させると、穀粒の排出方向を変更可能であり、例えば、穀粒を機外排出するか又は穀粒をシート体4内に再投入するかを任意に選択できる構成となっている。
【0028】
また、図5及び図6に示すようにシート体4の側面部4bと底面部4aとの継ぎ目には、側面部4bから末広がり状に下方に延びる風漏れ防止用のスカート部29が連設されている。該スカート部29の下端部には、ゴムバンド30が配設されている。
【0029】
上記構成の穀物乾燥機の作用を図面を参照しながら説明する。コンバインにより収穫された、例えば、水分20%以上の約500kg〜1,000kgの生籾は、軽トラックに取り付けたグレンコンテナなどで納屋近くまで運搬し、図1のようにグレンコンテナに付属されるバネコンベア33を介して穀粒投入ホッパー6に投入する。次いで、作業者が揚穀筒28cを手で回転させ、穀粒の排出方向をシート体4内に投入するように向きを変えておき、駆動モータ22を駆動すると、穀粒投入ホッパー6に投入された穀粒は、スクリュー15の回転により揚穀スロワー5側に横送りされる。そして、揚穀スロワー5に至ると、揚穀羽根27の回転により揚穀されて、生籾がシート体4の上面部4c(充填用開口部4d)から投入されることになる。
【0030】
次に、上面部4cを開放し、スカート部29は乾燥機本体2の側面部を覆うとともに、ゴムバンド30により締め付けて風抜けを防止しておく(図5、図6参照)。
【0031】
このようにして諸準備が終了した後は、例えば、風量比0.322m/s・t、熱風温度35℃程度の条件となるように加温ヒータ付きの送風ファン3を稼動すると、外気が熱せられ、この乾燥風が乾燥機本体2及び通気性の底面部4aを通して籾に送風され、籾の通風乾燥を行うことができる。特に、上記条件で乾燥開始から12時間経過後に、スクリュー15及び揚穀スロワー5を稼動し、穀物層の攪拌を行って再度通風乾燥を行うと、乾減率は0.24%/hを満たし、初期水分22.5%の生籾を、24時間で16.7%まで乾燥することが確認できた(図8のグラフ参照)。
【0032】
上記構成の穀物乾燥機1の乾燥機本体とシート体との脱着、及び乾燥機本体と揚穀装置との脱着を図4〜図7を参照して説明する。
【0033】
乾燥機本体2からシート体4を取り外す際は、まず、作業者がゴムバンド30を取り外すとともに、シート体4の底面部4aを手でめくり上げると、図7のようにスライド溝9a,9dに嵌合されたフランジ7a〜7dが露呈することになる。そして、ノブボルト10を螺脱し、スライド溝9a,9dからフランジ7a〜7dを取り外すと、乾燥機本体2からシート体4を簡単に取り外すことができる。乾燥機本体2から取り外したシート体4は折り畳んで収納することができ、かさ張らずしかも軽量であるので収納に際して非常に便利となる。
【0034】
次に、乾燥機本体2から揚穀装置5を取り外す際は、図4に示すように、ノブナット19a,20aを取り外し、乾燥機本体2の空間部31から投入ホッパー6を引き出すと、前記コンベアケース14下面及び揚穀スロワー5下面にそれぞれ配設された移動用キャスター17,18によって、コンベアケース14、スクリュー15、投入ホッパー6及び揚穀スロワー5が一体となって乾燥機本体2から簡単に取り外すことができる。このように、本発明の穀物乾燥機1にあっては、ノブナット19a,20aの取り外しという簡単な作業により揚穀装置5の取り外しが可能で、分解の作業性が向上するものであり、お年寄りであっても楽に組立・分解作業ができる。
【0035】
なお、図示は省略するが、乾燥機本体2と送風ファン3との脱着においても、ノブボルト、ノブナット等を利用して組立・分解作業を簡略化することも可能である。
【実施例1】
【0036】
シート体4は、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の材質で形成され、高さが約1.25m、直径が約1.3mの略円筒状の側面部4bと、該側面部4bの上縁に連設される上面部4c(充填用開口部4d)と、通気性に形成した底面部4aと、該底面部4a中央に形成した排出用開口部4eと、該開口部4eに装着した平面視矩形状のフランジ7a〜7dとにより構成した。底面部4aは、穀粒(例えば、米麦)が漏出しない程度の大きさである一辺が約1.9mm×1.9mmのメッシュ構造の網となした。
乾燥機本体2は、シート体4の側面部4bと同等かやや小さめの、直径が約1.2〜1.3m、高さが約0.5mの略円筒形に形成し、乾燥機本体2の底面には移動用キャスター21…を設けた。
シート体4と乾燥機本体2との脱着は、図7に示すように、フランジ7a〜7dを乾燥機本体2側にある穀粒排出樋8のスライド溝9a,9dに嵌め込み、ノブボルト10で螺着することで完了した。これは、ちょうど掃除機に紙パックを装着するようなイメージによりシート体4と乾燥機本体2とを脱着でき、約5分で作業が完了した。
また、乾燥機本体2と揚穀装置5との脱着は、図4に示すように、ノブナット19a,20aを取り外し、乾燥機本体2の空間部31から投入ホッパー6を引き出すと、前記コンベアケース14下面及び揚穀スロワー5下面にそれぞれ配設された移動用キャスター17,18によって、コンベアケース14、スクリュー15、投入ホッパー6及び揚穀スロワー5が一体となって乾燥機本体2から楽に取り外すことができた。この作業においても、約5分で作業が完了した。
【実施例2】
【0037】
上記シート体4は、底面部4aに穀粒(例えば、米麦)が漏出しない程度の一辺が約1.9mm×1.9mmのメッシュ構造の網を形成している。このシート体4内部には、該シート体4よりも直径が若干小さく、しかも底面部のメッシュ構造の網として目幅の小さい一辺が約0.89mm×0.89mmの別のシート体を内装することで、菜種、アワ、キビなどの粒径が小さな雑穀の漏出を防止でき、雑穀類であっても乾燥することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
収納が簡単な穀物乾燥機に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 穀物乾燥機
2 乾燥機本体
3 送風ファン
4 シート体
5 揚穀装置(揚穀スロワー)
6 張込ホッパー
7 フランジ
8 穀粒排出樋
9 スライド溝
10 ノブボルト
11 シャッター
12 ホッパー部
13 穀粒排出用横送スクリュー
14 コンベアケース
15 スクリュー
16 機枠
17 移動用キャスター
18 移動用キャスター
19 ボルト
20 ボルト
21 移動用キャスター
22 駆動モータ
23 モータプーリ
24 駆動プーリ
25 Vベルト
26 ケーシング
27 揚穀羽根
28 揚穀筒
29 スカート部
30 ゴムバンド
31 空間部
32 支柱
33 バネコンベア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥用空気を上方へ誘導すべく円筒状又は多角形筒状に形成した乾燥機本体(2)と、該乾燥機本体(2)に通風する送風ファン(3)と、通気性の底面部(4a)及び非通気性の側面部(4b)により形成され、前記乾燥機本体(2)に上載して穀粒の通風乾燥を可能とした円筒状のシート体(4)とを備えた穀物乾燥機であって、
前記シート体(4)の底面部(4a)には、その中央部に穀粒の排出用開口部(4e)を形成するとともに、該排出用開口部(4e)下部(4f)に、フランジ(7a)〜(7d)を装着する一方、前記乾燥機本体(2)内部中央には、前記シート体(4)に貯留された穀粒を排出する穀粒排出樋(8)を設け、さらに、前記穀粒排出樋(8)上端部には、前記シート体(4)を着脱可能な構成とすべく、前記フランジ(7a)〜(7d)と嵌合するスライド溝(9a),(9d)を設けたことを特徴とする穀物乾燥機。
【請求項2】
前記乾燥機本体(2)には、該乾燥機本体(2)中央部から外周方向に亘り穀粒排出用の空間部(31)を形成するとともに、該空間部(31)内に、移動用キャスター(17)を備えた横送スクリュー(13)を挿脱可能に設置したことを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機。
【請求項3】
前記横送スクリュー(13)は、その終端側に、外部から穀粒を投入する穀粒投入ホッパー(6)と、揚穀装置(5)とを一体的に配設し、前記乾燥機本体(2)から穀粒投入ホッパー(6)及び揚穀装置(5)を一体で着脱可能に形成してなる請求項2記載の穀物乾燥機。
【請求項4】
前記横送スクリュー(13)のスクリュー(15)終端側には、揚穀装置(5)の揚穀羽根(26)を軸着し、スクリュー(15)の回転により穀粒の横送りと揚穀とを兼用される構成とした請求項3記載の穀物乾燥機。
【請求項5】
前記穀粒排出樋(8)には、その開口面を開閉して穀粒の貯留と排出とが切り換え可能なスライドシャッター(11)を設けてなる請求項1から4のいずれかに記載の穀物乾燥機。
【請求項6】
前記シート体(4)には、粒径が小さな雑穀類の漏出を防止すべく、前記シート体(4)よりもメッシュの目幅が小さい別のシート体を内装してなる請求項1から5のいずれかに記載の穀物乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−261664(P2010−261664A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−113563(P2009−113563)
【出願日】平成21年5月8日(2009.5.8)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】