説明

穀粒分離装置および穀粒空気搬送装置ならびに穀粒空気搬送方法

【課題】精白済みの搬送中の穀粒表面に付着した糠等の粉塵の除去は、専用の装置でなければ除去できず、設備が大型化し、設備投資が高額になっている。
【解決手段】ホッパー内の穀粒を送風装置の吸引搬送風により搬送する搬送筒の端部に、該搬送筒からの搬送風を取り入れる取入部を接続し、該取入部の下方に、下方が細い円錐筒形状で下部にロータリーバルブ16を設けた漏斗部17を設け、前記取入部と前記漏斗部17の一部または全部に形成した開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とにより構成した粉状物除去装置13を有する搬送風から穀粒を分離させる穀粒分離装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送風から穀粒を分離させる穀粒分離装置および米麦等の穀粒を搬送する穀粒空気搬送装置ならびに穀粒空気搬送方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、米麦の穀粒は精米機(精麦機)によって精白処理し、表面の粉状物成分を除去するが、一旦、精白した穀粒であっても、搬送中に穀粒同士が擦れ合って、表面の粉状物が削り取られて遊離粉状物となる。
この遊離粉状物を含めて粉状物を除去する装置は、研米装置として公知である(特許文献1参照)。
また、従来、送風装置の高圧風で搬送対象物を搬送し、筒状のサイクロンで搬送風と共に搬送対象物を吹き込み、サイクロン内で搬送風を渦流にして減圧して搬送対象物と搬送風とを分離する方法は公知である(特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−125538号公報
【特許文献1】特開2004−182372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例のうち前者のものは、一旦、精白処理した穀粒を、再び、研米装置の除粉状物筒内に供給し、研米ロールで研米するので、駆動機構が必要であり、設備全体が大型になり、設備費が嵩むという課題がある。
即ち、穀粒に付着した粉状物を除去しないと、タンクや搬送装置に粉状物が溜まり、メンテナンスが大変であり、精白処理した穀粒を受け入れる業者にとって、わざわざ、研米装置を設けることは大変な負担となるが、穀粒に付着した粉状物を除去する装置は、現在、研米装置以外では存在しない。
また、前記公知例のうち後者のものは、穀粒を搬送風から分離することはできても、穀粒に付着した粉状物の除去はできないという課題がある。
即ち、公知例のサイクロンは、本来、搬送風を減衰させることを目的とし、穀粒はサイクロンの内周に摺接しないようにしているため、穀粒表面の粉状物は、穀粒に付着したまま次工程に搬送される。
そして、穀粒同士の接触により生じた粉状物はサイクロン内に溜まって付着粉状物となり、また、サイクロンの排気工程や送風装置等に粉状物が運ばれて悪影響を与え、これらのメンテナンスも容易ではない。
本願は、粉状物の除去を工夫し、搬送中の穀粒から粉状物を除去できるようにした穀粒分離装置の提供と、この穀粒分離装置使用して穀粒の搬送と粉状物の除去と粉状物の回収とをできるように工夫した搬送装置および搬送方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、張り込みホッパー10に投入された穀粒を送風装置2の吸引搬送風により搬送する搬送筒1の端部に、該搬送筒1からの搬送風を取り入れる取入部15を接続し、該取入部15の下方に、下方に至るに従い細くなる円錐筒形状で、下部に前記貯留タンク11に穀粒を供給するロータリーバルブ16を設けた漏斗部17を設け、前記取入部15と前記漏斗部17の一部または全部に形成した開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とにより構成した粉状物除去装置13を有する搬送風から穀粒Tを分離させる穀粒分離装置としたものである。
本発明は、送風装置2の吸気部を接続した搬送筒1の始端部に張り込みホッパー10を接続し、搬送筒1の中間部に搬送風から穀粒Tを分離させる穀粒分離装置12を設け、該穀粒分離装置12には該穀粒分離装置12により分離した穀粒Tを貯留する貯留タンク11を接続し、前記穀粒分離装置12と前記送風装置2の間の搬送筒1には搬送風と粉状物Fとを分離する粉状物分離装置22を設け、前記穀粒分離装置12には、その内部に、穀粒を当接または摺接させて粉塵を通過させる開口孔18を有する粉状物通過分離部20により形成した粉状物除去装置13を設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、送風装置2の吸気部を接続した搬送筒1の始端部に張り込みホッパー10を接続し、搬送筒1の中間部に搬送風から穀粒Tを分離する穀粒分離装置12を設け、該穀粒分離装置12には該穀粒分離装置12により分離した穀粒Tを貯留する貯留タンク11を接続し、前記穀粒分離装置12は、前記搬送筒1からの搬送風を取り入れる終始略同径の円筒形状の取入部15と、該取入部15の下方に設けた下方に至るに従い細くなる円錐筒形状で、下部に前記貯留タンク11に穀粒を供給するロータリーバルブ16を設けた漏斗部17とを有し、前記取入部15には前記搬送筒1の供給側搬送筒31を接続し、前記取入部15と前記漏斗部17の一部または全部に形成した、開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とを有し、該吸引室21は前記搬送筒1の排気側搬送筒27により吸引排気する構成として粉状物除去装置13を構成し、前記穀粒分離装置12と前記送風装置2の間の搬送筒1には搬送風と粉状物Fとを分離する粉状物分離装置22を設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記取入部15には、取入部15の接線方向に前記搬送筒1の供給側搬送筒31を接続する供給側接続ノズル32を設け、前記取入部15の下部は前記漏斗部17の上部に接続する全面開口させた開口部50に形成した穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記粉状物通過分離部20は前記取入部15に設け、該取入部15と前記外側ケース25との間に吸引室21を形成し、前記取入部15の上方に設けた排気側搬送筒取付部材26に前記吸引室21を吸引する前記搬送筒1の排気側搬送筒27に接続した排気側接続ノズル28を設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記取入部15の中心部分には前記排気側接続ノズル28に上端を臨ませた吸引筒40を設け、該吸引筒40の下部の開口部は、前記供給側搬送筒31の下面より下方に位置させた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記取入部15に設けた供給側接続ノズル32から取入部15の円周方向の所定長さまでの取入部15の部分は無孔板部37に形成した穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記排気側搬送筒取付部材26には、前記吸引室21内の吸引圧力を調節する圧力調節機構45を設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記粉状物通過分離部20は前記漏斗部17に設け、漏斗部17と前記外側ケース25との間に吸引室21を形成し、前記取入部15の上方に設けられ密閉された空間を有する排気側搬送筒取付部材26に前記吸引室21を吸引する前記搬送筒1の排気側搬送筒27に接続した排気側接続ノズル28を設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記漏斗部17の上部には前記取入部15の下部周囲を閉塞する支持板65を設け、該支持板65と前記外側ケース25とにより前記吸引室21を形成し、支持板65と前記排気側搬送筒取付部材26との間に両者を連通させる接続ホース71を設け、該接続ホース71は前記取入部15の周囲円周方向に所定間隔を置いて複数設けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記取入部15の天板38には、所定径の円筒形状の誘導部67の上部を固定し、該誘導部67の下部は前記供給側接続ノズル32と取入部15の接続部分より下方に位置させた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、前記外側ケース25および前記排気側搬送筒取付部材26には、夫々点検口76を設け、各点検口76には閉塞部材77を着脱自在に取り付けた穀粒空気搬送装置としたものである。
本発明は、送風装置2の吸気部から吸引されて内部に吸引風が流れる搬送筒1の始端部を接続した張り込みホッパー10に穀粒を投入し、投入した穀粒は搬送筒1内の吸引風により粉状物除去装置13まで空気搬送し、粉状物除去装置13の取入部15に搬送風と共に穀粒を吹き込み、取入部15および取入部15の下方の円錐筒形状の漏斗部17の内周に穀粒を当接または摺接させながら落下させ、かつ、搬送風を減衰させて穀粒と搬送風とを分離し、搬送風から分離させた穀粒を粉状物除去装置13の下方の貯留タンク11に貯留し、該貯留タンク11から次工程に供給する方法において、前記取入部15または漏斗部17に形成した開口孔18を有する粉状物通過分離部20に穀粒を当接または摺接させて粉状物通過分離部20の外側の吸引室21から粉状物Fを吸引して穀粒と粉状物Fと分離させ、分離させた粉状物Fは前記吸引室21に接続した前記搬送筒1により前記穀粒から分離させた搬送風を前記粉状物除去装置13から排気する搬送筒1により排気搬送し、排気搬送した粉状物Fは搬送筒1の途中にある粉状物分離装置22により搬送風と分離し、粉状物分離装置22で分離した粉状物Fは送風装置2の排気部からの圧風によって粉状物回収部23に搬送回収する穀粒空気搬送方法としたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、送風装置2の吸引搬送風を利用して穀粒T表面に付着している粉状物Fの除去を行うことができ、そのため、粉状物Fを除去するための専用の装置が不要になり、屑米等の処理施設では設備費を安価にでき、また、通常の精米施設であっても、搬送中に付着する粉状物Fを除去するので、搬送筒1や貯留タンク11等に粉状物Fが溜まるのを抑制でき、メンテナンス作業およびメンテナンス作業頻度を減少させることができ、また、搬送筒1による空気搬送なので施設内の塵埃発生を防止できて、作業環境を良好にできる。
請求項2の発明では、穀粒Tと吸引搬送風とを分離する穀粒分離装置12で、特別な駆動機構を必要とせずに穀粒中の粉状物Fの除去を行うことができ、さらに、除去した粉状物Fの回収も搬送風を利用できる。
請求項3の発明では、取入部15と漏斗部17の一部または全部に形成した、開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とを有し、該吸引室21は前記搬送筒1の排気側搬送筒27により吸引排気する構成として粉状物除去装置13を構成しているので、粉状物除去装置13の構成を簡素にでき、穀粒分離装置12に簡単に組み合わせることができる。
請求項4の発明では、取入部15の接線方向に搬送風が吹き込むので、取入部15および漏斗部17の内周面への穀粒の当接または摺接を良好に行え、粉状物Fの除去を良好にできる。
請求項5の発明では、粉状物通過分離部20を取入部15に設けているので、勢いの強い搬送風により取入部15の内周に穀粒を当接または摺接させることができ、粉状物の除去を良好にでき、また、取入部15の周囲の吸引室21から搬送風を排気でき、排気効率を向上させることができる。
請求項6の発明では、取入部15の中心部分には吸引筒40を設け、該吸引筒40の下部の開口部は、供給側搬送筒31の下面より下方に位置させているので、穀粒を排気と一緒に排出することを防止でき、ロスの発生を防止できる。
請求項7の発明では、取入部15には円周方向の所定長さの無孔板部37に形成しているので、穀粒の渦流移動を促進させ、粉状物Fの除去を良好にできる。
請求項8の発明では、吸引室21内の吸引圧力を調節する圧力調節機構を設けているので、穀粒の当接または摺接の抵抗を調節できる。
請求項9の発明では、漏斗部17に粉状物通過分離部20を設け、漏斗部17の外側に吸引室21を形成しているので、穀粒の自重落下する重力と、搬送風の渦の風力と、漏斗部17から該漏斗部17の周囲の吸引室21に吹き抜ける吸引力が作用して、粉状物Fの除去を良好に行うことができ、また、吸引室21から粉状物Fを搬送風と一緒に吸引排気できるので、搬送風の排気構成を利用して吸引室21を構成でき、構成を簡素にできる。
請求項10の発明では、取入部15の上方に、吸引室21の搬送風を排気させる排気側搬送筒取付部材26を設けているので、穀粒空気搬送装置Hの全体を小型化でき、設置スペースを小さくできる。
請求項11の発明では、取入部15内には所定径の円筒形状の誘導部67を設けているので、取入部15内の穀粒の移動を円滑・確実に誘導でき、粉状物Fの除去を良好にできる。
請求項12の発明では、外側ケース25および排気側搬送筒取付部材26には、夫々点検口76を設けているので、メンテナンスを容易にできる。
請求項13の発明では、送風装置2の吸気部を接続した搬送筒1により搬送するので、穀粒Tの変質を防止でき、穀粒Tと吸引搬送風とを分離する穀粒分離装置12に設けた粉状物除去装置13で、特別な駆動機構を必要とせずに、搬送風の風力を利用して穀粒に付着している粉状物Fの除去を行うことができ、除去した粉状物Fの回収も搬送風を利用でき、また、粉状物Fを除去するための専用の装置が不要になり、屑米等の処理施設では設備費を安価にでき、また、通常の精米施設であっても、搬送中に付着する粉状物Fを除去するので、搬送筒1や貯留タンク11等に粉状物Fが溜まるのを抑制でき、メンテナンス作業およびメンテナンス作業頻度を減少させることができ、
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】搬送装置の一例の概略配置図。
【図2】搬送装置の他の例の概略配置図。
【図3】粉状物除去装置の断面図。
【図4】粉状物通過分離部の開口部の断面図。
【図5】粉状物除去分離装置の横断平面図。
【図6】同断面図。
【図7】同作用状態概略断面図。
【図8】粉状物除去装置の作用状態概略断面図。
【図9】粉状物除去装置の上部ケースの側面図。
【図10】同背面図。
【図11】蓋部材の断面図。
【図12】下側ケースの正面図。
【図13】下側ケースおよび漏斗部の平面図。
【図14】漏斗部の装着状態斜視図。
【図15】漏斗部の排出口の下方に残留物排出口を設けた例の概略断面図。
【図16】粉状物除去装置の他の例の正面図。
【図17】同側面図。
【図18】取入部の正面図。
【図19】同側面図。
【図20】同平面図。
【図21】支持板の平面図。
【図22】下側ケースの正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の方法を実施する装置の実施例を図面により説明すると、1は、米麦、飼料等の穀粒を搬送する搬送装置Hの搬送通路を構成する搬送筒であり、搬送装置Hには一台の送風装置2を設ける。
送風装置2は公知のものであり、ファン(図示省略)を回転させて、送風装置2の一方側から吸引して他方に排気するように構成する。送風装置2の吸気部3には、前記搬送筒1の一端を接続して吸引搬送風路4に形成する。5は送風装置2の排気部であり、排気部5から排気する。
搬送筒1の始端部側には張り込みホッパー10の下部を接続する。
送風装置2により吸引される吸引搬送風は、送風装置2で圧縮されて排気部5より排気される高圧排気風に比し温度が低いため、搬送風により空気搬送するに際して穀粒Tの温度の上昇を抑制または防止して、穀粒Tの変質を防止する。
【0008】
送風装置2と張り込みホッパー10の間には、穀粒Tを貯留する貯留タンク11を設ける。貯留タンク11の上手側には穀粒を搬送する搬送風から穀粒を分離させる穀粒分離装置12を設け、該穀粒分離装置12には糠あるいはふすま等の穀粒表面が削られて発生する粉状物Fを除去する粉状物除去装置13を設ける。
この場合、粉状物除去装置13は、従来のような穀粒の表面を磨く専用の研米装置のようなものでなく、穀粒空気搬送装置Hの一部として使用する穀粒分離装置12内に設ける。
したがって、穀粒分離装置12は、穀粒と搬送風との分離させ、しかも、穀粒表面の糠あるいはふすま等の粉状物Fを除去する。
そのため、通常の穀粒の空気搬送装置Hであっても使用できるが、一旦精白作業された穀粒の搬送に使用すると、搬送中の穀粒の表面の糠あるいはふすま等の粉状物Fの除去が可能となり、特に、飼料や菓子の原料となる屑米等の搬送に使用すると、搬送中の粉状物Fの除去ができ、専用の粉状物除去装置を不要とし、設備投資を低くでき、設置効果が高い。
【0009】
前記穀粒分離装置12は、前記搬送筒1からの搬送風を取り入れ減衰させる取入部15と、該取入部15の下方に設けた下方に至るに従い細くなる円錐筒形状で、下部に前記貯留タンク11に穀粒を供給するロータリーバルブ16を設けた漏斗部17とを有し、前記取入部15と前記漏斗部17の一部または全部には開口孔18を有する粉状物通過分離部20に形成した粉状物除去装置13を設ける。
実施例で取入部15は、終始略同径の円筒形状に形成しているが、角筒形状であってもよい。
【0010】
前記穀粒分離装置12は、張り込みホッパー10に投入されて穀粒分離装置12まで空気搬送された穀粒を、穀粒分離装置12の取入部15に搬送風と共に穀粒を吹き込んで回転せながら落下させて、搬送風を減衰させて穀粒と搬送風と分離する。
取入部15内を回転しながら落下する穀粒は漏斗部17内に落下し、取入部15および漏斗部17内の穀粒は取入部15または漏斗部17に形成した開口孔18を有する粉状物除去装置13の粉状物通過分離部20の内周に当接または摺接して粉状物Fが除去され、除去された粉状物Fを粉状物通過分離部20の外側の吸引室21へ吸引して穀粒から粉状物Fを分離させ、分離させた粉状物Fは搬送風を前記穀粒分離装置12から排気する搬送筒1により粉状物分離装置22へ排気搬送し、粉状物分離装置22で分離した粉状物Fは送風装置2の排気部からの圧風によって粉状物回収部23に搬送回収する。
【0011】
一方、粉状物Fが除去されて空気と分離された穀粒は貯留タンク11内に入り、貯留タンク11から色彩選別作業や計量・袋詰め作業等の次工程Gに供給される。
しかして、図3〜図14の前記穀粒分離装置12の粉状物除去装置13の前記粉状物通過分離部20は前記取入部15に設け、粉状物除去装置13は取入部15の外周と外側ケース25との間に吸引室21を形成し、前記取入部15の上方に設けた排気側搬送筒取付部材26に前記吸引室21を吸引する前記搬送筒1の排気側搬送筒27に接続した排気側接続ノズル28を設けている。
具体的には、前記取入部15は、外側ケース25のうちの上部ケース30内に設ける。取入部15には前記搬送筒1の供給側搬送筒31を接続する供給側接続ノズル32を設ける。上部ケース30は終始略同径の円筒部33の上部に排気側搬送筒取付部材26を着脱自在に取付けて構成する。
29は工具不要で一操作で係合離脱させうる係合部材、29Aは係合部材29が係合する係止部である。
排気側搬送筒取付部材26の中心には前記搬送筒1の排気側搬送筒27を接続する排気側接続ノズル28を設ける。
【0012】
取入部15には前記供給側接続ノズル32に着脱自在に接続する案内筒35を設ける。取入部15の一部または全部には穀粒が通過しない開口孔18を多数形成して前記粉状物通過分離部20に形成し、粉状物除去装置13を構成する。
取入部15は開口孔18に穀粒を当接または摺接させながら一旦精白した穀粒に付着している粉状物Fを通過させて穀粒から分離除去する。
そのため、前記供給側接続ノズル32(案内筒35)は、前記取入部15の接線方向に設け、供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風を積極的に渦流化させ、穀粒を取入部15の内周に当接または摺接させている。
また、取入部15の内径と供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風の風力とを、穀粒が取入部15内を当接または摺接するように、相対的に設定する。
即ち、供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風に対して、取入部15の内径を大きくすると、取入部15に搬送風が入って直ぐに風力が減衰され、穀粒は自重落下して、取入部15の内周面と当接または摺接しないので、本願では、穀粒表面の粉状物Fが除去される程度で、かつ、穀粒が割れる等の衝撃を受けない程度で、穀粒が取入部15の内周面と当接するように、少なくとも、取入部15の内径と供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風の風力とを、相対的に設定する。
【0013】
前記開口孔18は、粉状物Fを通過させる構成とし、例えば、平織りや綾織りといった種々の加工方法で形成される網(メッシュ)や、パンチングメタル等の多孔版により形成すればよく、開口孔18の向きも縦横斜めを問わず、何れでもよいが、開口孔18の周縁は、所謂エッジと言われる鋭利な角部36とすると、穀粒が衝突する際、穀粒の付着粉状物Fが削られ、除去・分離効率が向上して好適である。
また、取入部15の案内筒35の取付部分から、取入部15の円周方向の所定長さ部分は、無孔の無孔板部37に形成する。無孔板部37は、供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風が抜けてしまうのを防止して、搬送風によって、開口孔18を有する粉状物通過分離部20で穀粒が当接または摺接するのを期待する。
取入部15の粉状物通過分離部20の外周と上部ケース30の内周の間は吸引室21に形成して、粉状物除去装置13を構成する。吸引室21は粉状物通過分離部20内の粉状物Fを吸引して排気側搬送筒27により搬送する。
前記取入部15の上方を閉塞する天板38の中心位置には縦方向の吸引筒40を設け、吸引筒40の上部の小径部41は前記排気側接続ノズル28内に臨ませる。排気側接続ノズル28の開口部42と小径部41の外周との間には隙間43を形成する。隙間43は前記吸引室21を吸引排気する。
【0014】
前記吸引筒40の下部の下側開口部44は、前記供給側搬送筒31の下面より下方に位置させる。
前記上部ケース30の排気側搬送筒取付部材26には、前記吸引室21内の吸引圧力を調節する圧力調節機構45を設ける。圧力調節機構45は、前記吸引調節筒46の一端を前記排気側搬送筒取付部材26に取付け、吸引調節筒46内には吸引調節筒46の内径を広狭に変更するバルブ板47を設ける。吸引調節筒46の他端は排気側搬送筒27の中間部に接続する。
即ち、吸引調節筒46は、吸引室21と排気側搬送筒27とを繋ぐバイパスとなって、吸引室21内の圧力を調節する。
前記粉状物通過分離部20の下方は全面開口させた開口部50に形成し、開口部50には漏斗部17の上部を接続する。漏斗部17は、下方に至るに従い次第に細く形成し、搬送風の風圧を減衰させて上昇させ、穀粒は下方に落下させ、穀粒と搬送風とを分離する。
【0015】
漏斗部17の外周は下側ケース52により包囲する。下側ケース52の上部には支持部53を設ける。支持部53は、リング部54を取付部55により下側ケース52の上部を固定する。リング部54には漏斗部17を上方から挿入し、漏斗部17の上部のフランジ部56をリング部54上に載置して取付ける。また、支持部53上の漏斗部17のフランジ部56の上面には前記粉状物通過分離部20の取入部15の下縁のフランジ部57を載置する。
即ち、前記取入部15は支持部53のリング部54上に載置し、この状態で取入部15を上部ケース30内で回転させ、取入部15の案内筒35を上部ケース30の供給側接続ノズル32に接続させる。
反対に、排気側搬送筒取付部材26を外し、取入部15を回転させて、上部ケース30の供給側接続ノズル32から案内筒35を外して、取入部15を上方に引き抜くと、粉状物通過分離部20は外側ケース25から取り外すことができ、メンテナンスを行う。
このように、取入部15の装着を容易にするために、取入部15の案内筒35と供給側接続ノズル32とを別体に形成しているが、一体に形成してもよい。
【0016】
また、図15は、漏斗部17の下部に排出口59を設け、排出口59とロータリーバルブ16の間には残留物取出口59Aを設けた概略図であり、残留物取出口59Aには切替弁59Bを設ける。59Cは取出樋であり、切替弁59Bにより排出口59を閉じて残留物取出口59Aを開口するように切替えて、漏斗部17内の残留物を排出させる。
前記排気側搬送筒27には、穀粒分離装置12(粉状物除去装置13)で分離されて搬送された粉状物Fを、搬送風から分離させる粉状物分離装置(ダスト用サイクロン)22を設ける。
粉状物分離装置22の構成は任意であり、粉状物分離装置22の排出部には、送風装置2の排気口に接続した排気筒61の中間部を接続し、粉状物分離装置22で分離した粉状物Fを排気筒61により粉状物回収部23に搬送する。
しかして、図16以下は、他の実施例を示し、第一実施例と同一部材は同じ符号で示している。
この実施例では、前記漏斗部17の一部または全部に開口孔18を有する粉状物通過分離部20に形成し、粉状物通過分離部20の外周は外側ケース25により包囲し、粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に吸引室21を形成し、吸引室21は前記搬送筒1の排気側搬送筒27により吸引排気する構成として、粉状物除去装置13を構成している。
【0017】
具体的には、外側ケース25の下側ケース52の支持部53に支持板65を設ける。支持板65には、無孔の取入部15の下部を着脱自在に載置固定する。取入部15には前記供給側接続ノズル32に着脱自在に接続する案内筒35を設ける。取入部15は円周方向の全てを無孔の無孔板部37に形成する。66は支持板65の開口孔である。
また、取入部15の上方の無孔の天板38には、所定径の円筒形状の誘導部67を設ける。誘導部67の下部は供給側接続ノズル32との接続部分より下方に位置させる。
取入部15の下方の開口部50は前記支持板65の開口孔66に合わせる。支持板65の開口孔66には漏斗部17のフランジ部56を上方から挿入して、漏斗部17の上部と取入部15の下部を密着状態で接続する。
漏斗部17は、下方に至るに従い次第に細く形成する。漏斗部17には、全周にわたって穀粒が通過しない開口孔18を設けて粉状物通過分離部20に形成し、17に粉状物除去装置13を設けている。
【0018】
漏斗部17の粉状物通過分離部20は、粉状物通過分離部20の内周に穀粒を当接または摺接させて、開口孔18から漏斗部17内の粉状物Fを通過させて穀粒から分離除去させる。
したがって、漏斗部17の開口孔18も、粉状物Fを通過させる、例えば、平織りや綾織りといった種々の加工方法で形成される網(メッシュ)や、パンチングメタル等の多孔版により形成すればよく、開口孔18の向きも縦横斜めを問わず、何れでもよいが、開口孔18の周縁は、所謂エッジと言われる鋭利な角部36とすると、穀粒が衝突する際、穀粒の付着粉状物Fが削られ、除去・分離効率が向上して好適である。
漏斗部17の外周は下側ケース52により包囲する。下側ケース52の上部は前記支持板65に密着状態に取付け、漏斗部17の外周と下側ケース52の内周の間に前記吸引室21を形成する。吸引室21は下側ケース52内の粉状物Fを搬送風ごと吸引排気して、排気側搬送筒27により搬送する。
【0019】
図16以下の実施例でも、取入部15および漏斗部17の内径と供給側接続ノズル32から吹き込む搬送風の風力とを、穀粒が取入部15および漏斗部17内を当接または摺接するように、相対的に設定する。
また、漏斗部17の内径と下側ケース52の内周の間の吸引室21の容積も、穀粒が漏斗部17内を当接または摺接するように、相対的に設定する。
即ち、吸引室21から吸引される搬送風に対して、漏斗部17の内径を大きくすると、漏斗部17内の搬送風が減衰されて、穀粒は自重落下して、漏斗部17の内周面と当接または摺接しないので、穀粒表面の粉状物Fが除去される程度で、かつ、穀粒が割れる等の衝撃を受けない程度で、漏斗部17の内周面と当接するように、取入部15の内径と吸引室21から吸引する搬送風の風力とを、相対的に設定すると、好適である。
【0020】
前記支持板65には下側パイプ70を所定間隔を置いて複数設け、各下側パイプ70には接続ホース71の下部を夫々設ける。前記接続ホース71の上部は取入部15の所定間隔をおいて上方に設けた排気側搬送筒取付部材26の上側パイプ72に接続する。上側パイプ72は排気側搬送筒取付部材26の下面を閉塞する取付部材73に着脱自在に取付ける。排気側搬送筒取付部材26は、取付部材73に支持杆74の上部を着脱自在に取付け、支持杆74の下部は前記支持板65に着脱自在に取付ける。
吸引室21内は密閉され、吸引室21内の空気を排気側搬送筒27により排気する。
前記取付部材73には、排気案内部材75を設ける。
前記下側ケース52の下部には、搬送風を漏らさずに穀粒を排出するロータリーバルブ16を設けている。
また、前記外側ケース25および前記排気側搬送筒取付部材26には、夫々点検口(掃除口)76を設け、各点検口76には閉塞部材77を着脱自在に取り付ける。
【0021】
(実施例の作用)
張り込みホッパー10の張り込みシャッター12を閉じて張り込みホッパー10に穀粒Tを張り込み、次に、空気通路開閉用バルブを閉状態にして送風装置2に通電し、送風装置2に通電後空気通路開閉用バルブを開くと、搬送筒1内の空気が送風装置2により吸引され、これにより、粉状物除去装置13の外側ケース25内が負圧になり、張り込みホッパー10内の穀粒Tは搬送筒1内に吸引され、搬送筒1内を流れる吸引風により供給側穀粒搬送筒31と粉状物除去装置13との接続部の供給側接続ノズル32に至る。
供給側接続ノズル32は穀粒分離装置12の取入部15に接続され、供給側接続ノズル32は取入部15の接線方向に開口しているから、穀粒Tは供給側接続ノズル32から搬送風と共に取入部15内に吹き込まれ、吹き込んだ搬送風は取入部15内で渦流となって減圧されながら、粉状物除去装置13の取入部15の粉状物通過分離部20の開口孔18から吸引室21に吹き抜けて排気側接続ノズル28から排気される。
【0022】
このとき、搬送風中の穀粒から遊離している遊離粉状物F(糠やふすま)や搬送中に発生した穀粒粉(糠やふすま)は、搬送風と一緒に粉状物通過分離部20の開口孔18から吸引室21を通って排気側接続ノズル28から排出される。
更に、穀粒は供給側接続ノズル32から吹き出す搬送風に乗って取入部15内で渦流となって搬送風と共に取入部15の粉状物通過分離部20の内周に当接または摺接移動し、当接または摺接移動するときの当接または摺接抵抗により穀粒表面の付着物が除去される。
穀粒は下方の漏斗部17に落下し、搬送風は上昇することで、搬送風と穀粒とが分離される。
また、取入部15の供給側接続ノズル32の接続部分から、取入部15の円周方向の所定長さ部分は、無孔の無孔板部37に形成しているので、取入部15に入った搬送風は直ぐに粉状物通過分離部20の開口孔18から抜けず、無孔板部37に誘導されて渦流となる。
【0023】
そのため、無孔板部37の存在により搬送風の減衰が抑制されて、粉状物通過分離部20の開口孔18と穀粒との当接または摺接状態を良好に行って、穀粒表面の粉状物Fの除去を促進させる。
粉状物通過分離部20の天板38は無孔板により形成され、天板38の中心位置には縦方向の吸引筒40を設け、吸引筒40の上部の小径部41は前記排気側接続ノズル28内に臨ませ、排気側接続ノズル28の開口部42と小径部41の外周との間に隙間43を形成しているので、隙間43により吸引室21内が吸引排気され、取入部15内および漏斗部17内が吸引筒40により吸引される。
前記吸引筒40の下部の下側開口部44は、前記供給側搬送筒31の下面より下方に位置させているから、案内筒35より取入部15内に入った穀粒が、吸引筒40の下側開口部44から吸引排出されるのを防止する。
前記取入部15の下方は全面開口させ、取入部15の下方には漏斗部17を設けているので、粉状物Fは取入部15の粉状物通過分離部20の軸心方向に対して交差方向に吸引され、搬送風は漏斗部17により減衰されて上昇し、穀粒は下方に落下する。
【0024】
したがって、送風装置2により粉状物除去装置13に搬送された穀粒は、連続的に粉状物除去装置13により粉状物Fが除去される。
その結果、穀粒空気搬送装置Hの空気搬送の搬送機構のうちの、穀粒と搬送風とを分離させる穀粒分離装置12に粉状物Fを除去する粉状物除去装置13を内蔵させ、穀粒分離装置12の搬送風の減衰機構を粉状物除去装置13の分離機構に兼用させることができ、合理的構成となる。
しかして、漏斗部17の外周は下側ケース52により包囲し、下側ケース52の上部に内側に突出する支持部53を設け、支持部53のリング部54上に粉状物通過分離部20の取入部15の下縁を載置するので、取入部15を支持部53上に載置した状態で回転させ、取入部15の案内筒35を上部ケース30の供給側接続ノズル32に接続させると、取入部15の取付が完了し、上部ケース30の円筒部33に排気側搬送筒取付部材26を取付けると、組付が終了する。
反対に、排気側搬送筒取付部材26を外し、取入部15を回転させて、上部ケース30の供給側接続ノズル32から案内筒35を外して、取入部15を上方に引き抜くと、粉状物通過分離部20は外側ケース25から取り外すことができるので、メンテナンスは頗る容易である。
【0025】
搬送風から分離した穀粒は、漏斗部17の排出口54からロータリーバルブ16により搬送風は漏らさずに排出され、次工程に供給される。
また、穀粒分離装置12の粉状物除去装置13により搬送穀粒から分離した粉状物Fは、搬送筒1の排気側搬送筒27により粉状物分離装置22に搬送し、粉状物分離装置22にて搬送された粉状物Fを搬送風から分離させる。
この粉状物分離装置22で分離された粉状物Fは、粉状物分離装置22の排出部に接続した送風装置2の排気筒排気筒61により粉状物回収部23に圧送する。
このように、一台の送風装置2により、穀粒の搬送と、穀粒から粉状物Fや米粉等の粉塵の除去と、粉状物Fの回収を連続的に行える。
しかして、下側ケース52の上部の支持部53のリング部54に、漏斗部17を上方から挿入し、漏斗部17の上部に設けたフランジ部56をリング部54に載置して装着し、取入部15を支持部53のリング部54上に載置し、この状態で取入部15を上部ケース30内で回転させ、取入部15の案内筒35を上部ケース30の供給側接続ノズル32に接続させる。
【0026】
そのため、排気側搬送筒取付部材26を外し、取入部15を回転させて、上部ケース30の供給側接続ノズル32から案内筒35を外して、取入部15を上方に引き抜くと、粉状物通過分離部20は外側ケース25から取り外すことができ、メンテナンスを行う。
更に、下側ケース52の上部の支持部53のリング部54から、漏斗部17を上方に引き抜ける。
そのため、外側ケース25の下側ケース52に対して、外側ケース25の上部ケース30と、排気側搬送筒取付部材26と、取入部15と、漏斗部17との夫々に分解することができ、メンテナンスを行う。
しかして、図16以下の実施例では、漏斗部17の一部または全部に開口孔18を有する粉状物通過分離部20に形成して、粉状物除去装置13を構成しているので、張り込みホッパー10に穀粒Tを張り込むと、張り込みホッパー10内の穀粒Tは搬送筒1の供給側搬送筒31により取入部15内に吹き込まれる。
【0027】
取入部15に吹き込まれた穀粒は取入部15の内周面に当接または摺接し、当接または摺接移動するときの抵抗により穀粒表面の付着物が除去される。
また、取入部15の上方の無孔の天板38には、所定径の円筒形状の誘導部67を設けているので、誘導部67は取入部15内の穀粒が搬送風により渦状に移動するように誘導し、取入部15の内周面との当接または摺接移動を促進させる。
取入部15は無孔板により形成され、取入部15の上部は天板38により塞がれ、漏斗部17の外周の吸引室21から吸引されているので、供給側接続ノズル32から吹き出す搬送風は取入部15内で渦流となって下方に向かい、この搬送風と共に穀粒も取入部15の内周面と当接または摺接しながら続いて漏斗部17に入って、そのまま、漏斗部17の内周面に当接または摺接し、漏斗部17の粉状物通過分離部20の内周に当接または摺接しながら下方に移動し、当接または摺接移動するときの抵抗により穀粒表面の付着物が除去される。
【0028】
漏斗部17の外周はケース下側ケース52により包囲され、漏斗部17の外周と下側ケース52の内周の間に吸引室21を形成しているので、粉状物通過分離部20の内周に当接または摺接しながら下方に移動する穀粒は、漏斗部17の外側に押し付けられるように移動して表面に付着した粉状物Fが除去される。
そして、漏斗部17内の粉状物Fは吸引室21に吸引される。
したがって、図16以下の実施例では、取入部15から漏斗部17に入った穀粒には、穀粒の自重と、搬送風の渦の風力と、漏斗部17から該漏斗部17の周囲の吸引室21に吹き抜ける吸引力が作用して、粉状物Fの除去が良好に行える。
また、漏斗部17は下方に至るに従い小径となる円錐形状に形成しているので、一層、漏斗部17の内周面へ当接または摺接するときの圧力が増加し、粉状物F除去効率を向上させる。
また、粉状物除去装置13は、漏斗部17の外周の吸引室21から横向きに搬送風を吸引し、吸引室21内で上昇させるので、従来のサイクロンと相違して漏斗部17内で上昇方向の渦流の発生を抑制し、従来のような漏斗部17内で穀粒が浮遊することがなく、それゆえ、「浮遊残留現象」の発生も防止でき、その結果、送風装置2を停止させなくても、漏斗部17内の穀粒Tを全部排出させることができる。
【0029】
外側ケース25の下側ケース52の支持部53に支持板65を設け、支持板65は無孔の取入部15の下部を密着状態に載置固定し、支持板65には下側パイプ70を所定間隔を置いて複数設け、各下側パイプ70には接続ホース71の下部を夫々設け、接続ホース71の上部は取入部15の上方に設けた密閉状態の排気側搬送筒取付部材26の上側パイプ72に接続しているので、漏斗部17内の搬送風は粉状物通過分離部20から吸引室21に入り、粉状物Fと共に下側パイプ70を介して排気側搬送筒取付部材26内に入り、排気側搬送筒27により排気される。
それゆえ、漏斗部17に入った搬送風は、粉状物Fと共に漏斗部17の粉状物通過分離部20から吸引室21内に吹き抜け、更に、接続ホース71を通って排気側搬送筒取付部材26に入り、粉状物Fも排気側搬送筒27により搬送風ごと吸引排気して搬送される。
【0030】
しかして、下側ケース52の上部の支持部53のリング部54に、漏斗部17を上方から挿入し、漏斗部17の上部に設けたフランジ部56をリング部54に載置して装着し、取入部15を支持部53のリング部54上に載置し、支持板65の下側パイプ70と排気側搬送筒取付部材26の上側パイプ72とを接続ホース71により連結して組立る。
反対に、排気側搬送筒取付部材26を外し、取入部15を外し、更に、下側ケース52の上部の支持部53のリング部54から、漏斗部17を上方に引き抜くと、外側ケース25の下側ケース52に対して、外側ケース25の上部ケース30と、排気側搬送筒取付部材26と、取入部15と、漏斗部17との夫々に分解することができ、メンテナンスを行う。
また、前記外側ケース25および前記排気側搬送筒取付部材26には、夫々点検口76を設け、各点検口76には閉塞部材77を着脱自在に取り付けているので、閉塞部材77を外して点検口76を開放すると、点検等のメンテナンスを行える。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0031】
1…搬送筒、2…送風装置、4…吸引搬送風路、5…排気部、10…張り込みホッパー、11…貯留タンク、12…穀粒分離装置、13…粉状物除去装置、15…取入部、16…ロータリーバルブ、17…漏斗部、18…開口孔、20…粉状物通過分離部、21…吸引室、22…粉状物分離装置、23…粉状物回収部、25…外側ケース、26…排気側搬送筒取付部材、27…排気側搬送筒、28…排気側接続ノズル、30…上部ケース、31…供給側搬送筒、32…供給側接続ノズル、33…円筒部、35…案内筒、36…角部、37…無孔板部、38…天板、40…吸引筒、41…小径部、42…開口部、43…隙間、44…下側開口部、45…圧力調節機構、46…吸引調節筒、47…バルブ板、50…開口部、52…下側ケース、53…支持部、54…リング部、55…取付部、56…フランジ部、57…フランジ部、61…排気筒、65…支持板、66…開口孔、67…誘導部、70…下側パイプ、71…接続ホース、72…上側パイプ、73…取付部材、74…支持杆、75…排気案内部材、76…点検口、77…閉塞部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
張り込みホッパー10に投入された穀粒を送風装置2の吸引搬送風により搬送する搬送筒1の端部に、該搬送筒1からの搬送風を取り入れる取入部15を接続し、該取入部15の下方に、下方に至るに従い細くなる円錐筒形状で、下部に前記貯留タンク11に穀粒を供給するロータリーバルブ16を設けた漏斗部17を設け、前記取入部15と前記漏斗部17の一部または全部に形成した開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とにより構成した粉状物除去装置13を有する搬送風から穀粒Tを分離させる穀粒分離装置。
【請求項2】
送風装置2の吸気部を接続した搬送筒1の始端部に張り込みホッパー10を接続し、搬送筒1の中間部に搬送風から穀粒Tを分離させる穀粒分離装置12を設け、該穀粒分離装置12には該穀粒分離装置12により分離した穀粒Tを貯留する貯留タンク11を接続し、前記穀粒分離装置12と前記送風装置2の間の搬送筒1には搬送風と粉状物Fとを分離する粉状物分離装置22を設け、前記穀粒分離装置12には、その内部に、穀粒を当接または摺接させて粉塵を通過させる開口孔18を有する粉状物通過分離部20により形成した粉状物除去装置13を設けた穀粒空気搬送装置。
【請求項3】
送風装置2の吸気部を接続した搬送筒1の始端部に張り込みホッパー10を接続し、搬送筒1の中間部に搬送風から穀粒Tを分離する穀粒分離装置12を設け、該穀粒分離装置12には該穀粒分離装置12により分離した穀粒Tを貯留する貯留タンク11を接続し、前記穀粒分離装置12は、前記搬送筒1からの搬送風を取り入れる終始略同径の円筒形状の取入部15と、該取入部15の下方に設けた下方に至るに従い細くなる円錐筒形状で、下部に前記貯留タンク11に穀粒を供給するロータリーバルブ16を設けた漏斗部17とを有し、前記取入部15には前記搬送筒1の供給側搬送筒31を接続し、前記取入部15と前記漏斗部17の一部または全部に形成した、開口孔18を有する粉状物通過分離部20と、前記粉状物通過分離部20の外周包囲する外側ケース25と、前記粉状物通過分離部20と外側ケース25の間に形成した吸引室21とを有し、該吸引室21は前記搬送筒1の排気側搬送筒27により吸引排気する構成として粉状物除去装置13を構成し、前記穀粒分離装置12と前記送風装置2の間の搬送筒1には搬送風と粉状物Fとを分離する粉状物分離装置22を設けた穀粒空気搬送装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記取入部15には、取入部15の接線方向に前記搬送筒1の供給側搬送筒31を接続する供給側接続ノズル32を設け、前記取入部15の下部は前記漏斗部17の上部に接続する全面開口させた開口部50に形成した穀粒空気搬送装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2または請求項3または請求項4において、前記粉状物通過分離部20は前記取入部15に設け、該取入部15と前記外側ケース25との間に吸引室21を形成し、前記取入部15の上方に設けた排気側搬送筒取付部材26に前記吸引室21を吸引する前記搬送筒1の排気側搬送筒27に接続した排気側接続ノズル28を設けた穀粒空気搬送装置。
【請求項6】
請求項5において、前記取入部15の中心部分には前記排気側接続ノズル28に上端を臨ませた吸引筒40を設け、該吸引筒40の下部の開口部は、前記供給側搬送筒31の下面より下方に位置させた穀粒空気搬送装置。
【請求項7】
請求項6において、前記取入部15に設けた供給側接続ノズル32から取入部15の円周方向の所定長さまでの取入部15の部分は無孔板部37に形成した穀粒空気搬送装置。
【請求項8】
請求項3または請求項4または請求項5または請求項6または請求項7において、前記排気側搬送筒取付部材26には、前記吸引室21内の吸引圧力を調節する圧力調節機構45を設けた穀粒空気搬送装置。
第二実施例
【請求項9】
請求項1または請求項2または請求項3において、前記粉状物通過分離部20は前記漏斗部17に設け、漏斗部17と前記外側ケース25との間に吸引室21を形成し、前記取入部15の上方に設けられ密閉された空間を有する排気側搬送筒取付部材26に前記吸引室21を吸引する前記搬送筒1の排気側搬送筒27に接続した排気側接続ノズル28を設けた穀粒空気搬送装置。
【請求項10】
請求項9において、前記漏斗部17の上部には前記取入部15の下部周囲を閉塞する支持板65を設け、該支持板65と前記外側ケース25とにより前記吸引室21を形成し、支持板65と前記排気側搬送筒取付部材26との間に両者を連通させる接続ホース71を設け、該接続ホース71は前記取入部15の周囲円周方向に所定間隔を置いて複数設けた穀粒空気搬送装置。
【請求項11】
請求項10において、前記取入部15の天板38には、所定径の円筒形状の誘導部67の上部を固定し、該誘導部67の下部は前記供給側接続ノズル32と取入部15の接続部分より下方に位置させた穀粒空気搬送装置。
【請求項12】
請求項11において、前記外側ケース25および前記排気側搬送筒取付部材26には、夫々点検口76を設け、各点検口76には閉塞部材77を着脱自在に取り付けた穀粒空気搬送装置。
【請求項13】
送風装置2の吸気部から吸引されて内部に吸引風が流れる搬送筒1の始端部を接続した張り込みホッパー10に穀粒を投入し、投入した穀粒は搬送筒1内の吸引風により粉状物除去装置13まで空気搬送し、粉状物除去装置13の取入部15に搬送風と共に穀粒を吹き込み、取入部15および取入部15の下方の円錐筒形状の漏斗部17の内周に穀粒を当接または摺接させながら落下させ、かつ、搬送風を減衰させて穀粒と搬送風とを分離し、搬送風から分離させた穀粒を粉状物除去装置13の下方の貯留タンク11に貯留し、該貯留タンク11から次工程に供給する方法において、前記取入部15または漏斗部17に形成した開口孔18を有する粉状物通過分離部20に穀粒を当接または摺接させて粉状物通過分離部20の外側の吸引室21から粉状物Fを吸引して穀粒と粉状物Fと分離させ、分離させた粉状物Fは前記吸引室21に接続した前記搬送筒1により前記穀粒から分離させた搬送風を前記粉状物除去装置13から排気する搬送筒1により排気搬送し、排気搬送した粉状物Fは搬送筒1の途中にある粉状物分離装置22により搬送風と分離し、粉状物分離装置22で分離した粉状物Fは送風装置2の排気部からの圧風によって粉状物回収部23に搬送回収する穀粒空気搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−246246(P2011−246246A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122599(P2010−122599)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(300008793)精研工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】