穀粒搬送機
【課題】バケットを前後方向に略直交する面で循環移送させることにより該バケットで下端側の穀粒貯留部の穀粒を掬うと共に揚穀し上部にて該バケットから穀粒排出口へと穀粒を放擲するようにしたリフタを備えた穀粒搬送機において、リフタの下端側の穀粒貯留部に穀粒が過剰に流入するのを防止することができる穀粒搬送機を提供する。
【解決手段】リフタ37のバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタ37の側方から穀粒貯留部48に流入させる穀粒供給口51を設け、リフタ37の前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口83を下端に有する投入ホッパ38を設け、この投入ホッパ38に投入されて前記穀粒流出口83から落下排出される穀粒を、穀粒供給口51の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面100を有する案内シュート39を設ける。
【解決手段】リフタ37のバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタ37の側方から穀粒貯留部48に流入させる穀粒供給口51を設け、リフタ37の前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口83を下端に有する投入ホッパ38を設け、この投入ホッパ38に投入されて前記穀粒流出口83から落下排出される穀粒を、穀粒供給口51の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面100を有する案内シュート39を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米等の穀粒を搬送する穀粒搬送機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計量した米を洗米する洗米装置と、この洗米装置の下方に配置されていて洗米された米を炊飯する炊飯器とを備えた自動炊飯機の側方に配置されて、米を自動炊飯機の下部側から洗米装置の上方側に搬送する穀粒搬送機として、特許文献1に開示された穀粒搬送機がある。
この穀粒搬送機は、自動炊飯機の側方に配置されたリフタを備えている。このリフタは、エンドレスのベルトに周方向所定間隔をおいて設けられたバケットを前後方向に直交する面で循環移送自在としたコンベヤ装置をハウジング内に備えており、自動炊飯機はリフタのバケット下降側の側方に配置されている。このリフタのハウジングの上部には揚穀された米を洗米装置の上方に配置した計量タンクに案内するシュータを備えている。
【0003】
前記リフタのバケット上昇側の側方下部には貯米庫が設けられており、この貯米庫からリフタのハウジング内の下端側に米が流入可能とされている。
この穀粒搬送機にあっては、バケットを循環移送することによりリフタの下端側に溜まった米をバケットで掬うと共に揚穀し上部にて該バケットからシュータへと米が放擲されて計量タンクへと供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−56838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の穀粒搬送機にあっては、貯米庫がリフタのバケット上昇側の側方下部に配置されているので、貯米庫に投入された米はリフタのバケット上昇側の側方からリフタのハウジング内の下端側へと直線状に流入すると考えられる。米がリフタのバケット上昇側の側方からリフタのハウジング内の下端側へと直線状に流入するようになっていると、貯米庫に投入した米が勢いよく一気にリフタのハウジング内下端側に流入した場合、リフタのハウジング内の下端側に多量の米が貯留し、バケットにかかる負荷が大きくなって、コンベヤ装置を駆動するモータがロックする惧れがある。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、リフタの下端側に必要以上の穀粒が流入するのを防止することができる穀粒搬送機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、下端側に穀粒を貯留する穀粒貯留部を備えると共に上部に穀粒を排出させる穀粒排出口を備え、且つバケットを前後方向に略直交する面で循環移送させることにより該バケットで穀粒貯留部の穀粒を掬うと共に揚穀し上部にて該バケットから穀粒排出口へと穀粒を放擲するようにしたリフタを備え、
このリフタのバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタの側方から穀粒貯留部に流入させる穀粒供給口を設け、
前記リフタの前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口を下端に有する投入ホッパを設け、
この投入ホッパに投入されて前記穀粒流出口から落下排出される穀粒を、前記穀粒供給口の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面を有する案内シュートを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記案内シュートは、内部の穀粒を穀粒供給口の外側方の上部側から該穀粒供給口に向けて斜め下方に案内する側方案内面を有することを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記投入ホッパをリフタの前方に配置し、前記案内シュートをリフタのバケット上昇側の側方下部からリフタの前方側に延出するように設け、該案内シュートのリフタの前方側に延出した部分に投入ホッパの穀粒流出口を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、投入ホッパに投入された穀粒は、リフタの前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口から落下排出されて案内シュート内に流入する。案内シュート内に流入した穀粒は後方案内面によって穀粒供給口の外側方に向けて後下方に案内され、また、案内シュート内の穀粒は、リフタの側方から穀粒貯留部へと穀粒供給口を介して流入する。
【0010】
したがって、投入ホッパの穀粒流出口から穀粒貯留部へと至る穀粒の移動流路は直線状ではなく、平面視でL字状に曲がっているため、投入ホッパに投入された米は直接一気に穀粒貯留部へとは流入せず、穀粒貯留部に穀粒が過剰に溜まるのを防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、案内シュート内の穀粒は、内部の穀粒を穀粒供給口の外側方の上部側から該穀粒供給口に向けて斜め下方に案内する側方案内面によって穀粒貯留部へと確実に流入する。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、投入ホッパがリフタの前方に位置し、この投入ホッパとリフタとで形成されるコーナー部分に案内シュートが配置された形となり、穀粒搬送機をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】穀粒搬送機及び自動炊飯機の正面図である。
【図2】穀粒搬送機及び自動炊飯機の側面図である。
【図3】洗米装置の正面断面図である。
【図4】穀粒搬送機の背面右斜め斜視図である。
【図5】穀粒搬送機の正面断面図である。
【図6】穀粒搬送機下部の正面右斜め斜視図である。
【図7】穀粒搬送機下部の背面右斜め斜視図である。
【図8】穀粒搬送機下部の背面右斜め分解斜視図である。
【図9】投入ホッパ及び案内シュートの斜視図である。
【図10】リフタ下部の正面断面図である。
【図11】ホッパカバー内下部の正面断面図である。
【図12】案内シュート周辺の右側面断面図である。
【図13】バケットコンベヤの一部の正面一部断面図である。
【図14】バケットコンベヤの一部の背面から見た斜視図である。
【図15】スクレーパ付きバケットの斜視図である。
【図16】リフタ上部の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、1は米等の穀粒を搬送する穀粒搬送機(ライスリフタ)であり、本実施形態では、米の計量・洗米・炊飯をマイコン制御によって自動で行う自動炊飯機2の側方に配置されていて該自動炊飯機2の上部に設けられた貯米庫3に米を搬送するものである。
【0014】
なお、米の計量・洗米をマイコン制御によって自動で行う自動洗米機の上部に設けた貯米庫に対して米を搬送するようにしてもよい。
前記自動炊飯機2は、機枠4と、この機枠4の上部に設けられた貯米庫3と、この貯米庫3の下方に設けられた洗米タンク5と、この洗米タンク5の下方に設けられた炊飯器6と、この炊飯器6を載置すべく機枠4の下端側に設けられた載置台7とを有する。
【0015】
前記機枠4は、下端部の平面視矩形状のベースフレーム8と、このベースフレーム8の後端側の左右両側に立設された左右一対の支柱部材9とを有する。
図3に示すように、貯米庫3は、上端開口状の箱状の貯米ケース10と、この貯米ケース10内の上部側に収納された上端開口状の貯米タンク11とを有し、貯米ケース10の下面の後端側が機枠4の左右支柱部材9の上端に固定されている。貯米タンク11の上端開口は米の投入口12であり、該貯米タンク11の下端側には米を排出する米排出口13が設けられている。
【0016】
前記洗米タンク5は、上部が円筒状で下部が下方に向けて先細り状の漏斗状に形成されていると共に上端及び下端が開口状とされ、該洗米タンク5は、その上端側が貯米ケース10の下壁に固定されたタンク支持体14に取り付けられている。
タンク支持体14には、貯米タンク11下端の米排出口13の下方に位置する米通過口16が形成され、この米通過口16と米排出口13との間には、貯米タンク11内の米を計量して洗米タンク5に供給する米計量器17が設けられている。
【0017】
なお、当該自動炊飯機2には、洗米タンク5内に水(水道水)を供給する給水装置が設けられている。
洗米タンク5内には、該洗米タンク5内の米を撹拌する攪拌棒18が設けられ、該攪拌棒18はタンク支持体14の上面側に設けられた撹拌モータによって上下軸回りに回転駆動され、洗米タンク5内に給水しながら攪拌棒18を回転させることにより、洗米タンク5内の米が洗米される。
【0018】
洗米タンク5の下端側に排水ジャケット19が設けられ、この排水ジャケット19の下面側には、洗米した米を水加減水と共に排出するための排米口が設けられ、この排米口は円錐状の排米弁21によって開閉自在に閉塞されている。
排米弁21は、洗米タンク5内の中心に上下方向に配置された弁棒22の下端に取り付けられ、弁棒22はタンク支持体14の上面側に設けられた昇降機構によって昇降操作され、この排米弁21を引き上げられることで排米口が閉じ、下降されることにより排米口が開く。
【0019】
排水ジャケット19の側方には排水ボックス23が設けられ、この排水ボックス23と排水ジャケット19とは排水パイプ24によって連通されている。
また、排水ジャケット19内には、洗米タンク5の下端開口と排米口との間の空間を取り囲む分離板25が設けられており、この分離板25は水は通すが米は通さない小孔が多数形成されており、排水ジャケット19から排水ボックス23へと米の研ぎ汁が小さな不純物と共に流れるようになっている。なお、米の研ぎ汁等は排水ボックス23から排水溝へと流れるようになっている。
【0020】
また、排水ボックス23内には、排水ジャケット19側から排水ボックス23への流体の浸入口を開閉自在な開閉弁26が設けられている。
タンク支持体14には、洗米タンク5からオーバーフローした水を排水させるためのオーバーフロー口27が設けられ、このオーバーフロー口27は縦排水パイプ28を介して排水ボックス23に連通している。
【0021】
前記貯米タンク11、洗米タンク5、攪拌棒18、該攪拌棒18を駆動する撹拌モータ、排米弁21、該排米弁21を昇降する昇降機構等によって、米を洗米する洗米装置が構成されている。
載置台7は、機枠4のベースフレーム8上に前後移動自在に設けられ、この載置台7の前部に把持部が設けられ、炊飯器6の本体(内釜及び外釜)を洗米タンク5の直下から洗米タンク5の前方側に引き出すことができるように構成されている。
【0022】
炊飯器6は、内釜と、この内釜の上端開口を開閉自在に塞ぐ上蓋と、内釜を収容すると共に該内釜を加熱する加熱装置を備えた外釜とを有する。
この炊飯器6の上蓋には、洗米タンク5の排米口から落下排出される洗米された米及び水加減水を内釜へと通過させるための円形状の米投入口が形成されている。
貯米庫3の内側には当該自動炊飯機2を制御する制御装置が設けられ、貯米庫3の前面には操作パネル29が設けられ、操作パネル29には、自動炊飯機2を始動させるスタートスイッチが設けられている他、該操作パネル29によって、炊飯する米の量、米の洗い方の程度(軽く〜念入り)の選定、炊き加減(軟〜硬)の選定、炊き方の種類(通常の白米、玄米、おこわ、おかゆ等)の選定等が入力可能とされ、この操作パネル29によって入力された条件によって、貯米庫3内の米が計量され、洗米され、水加減されて炊飯されるように自動運転される。
【0023】
排水ジャケット19と炊飯器6との間には、機枠4に昇降自在に支持された昇降フレーム31が設けられており、この昇降フレーム31に炊飯器6の上蓋が取り付けられている。また、昇降フレーム31には炊飯器6の上蓋の米投入口を開閉するシャッター及び該シャッターを駆動するシャッタ駆動装置が設けられている。
前記穀粒搬送機1は、本実施形態では、図1、図2に示すように、自動炊飯機2の右側に配置した場合を例示している。なお、穀粒搬送機1は、構成部材を左右逆に配置して自動炊飯機2の左側に配置できるように構成してもよい。
【0024】
この穀粒搬送機1は、図1、図2、図4〜図5に示すように、平面視矩形状のベース部材36と、米を揚穀するリフタ37と、米を投入するための投入ホッパ38と、この投入ホッパ38に投入された米をリフタ37の下端側に案内する案内シュート39とを有する。
前記ベース部材36の四隅には高さや水平度を調整するためのアジャスタ40が設けられている。
【0025】
前記リフタ37は、ケーシング41と、このケーシング41内に設けられたバケットコンベヤ装置42と、ケーシング41の上部に設けられた排出シュート43とを有する。
ケーシング41は前後壁44,45と左右側壁46とを有する上下方向に長い四角筒状に形成され、前記ベース部材36の後部に立設されている。該ケーシング41の上面は閉塞され、該ケーシング41の下端はベース部材36に取付固定されている。
【0026】
このケーシング41内の下端側には、図10に示すように、米を受ける受け部材47が設けられ、この受け部材47の上面側が、投入ホッパ38から案内シュート39を介してケーシング41内に供給される米を溜める穀粒貯留部48とされている。
この受け部材47は、ケーシング41の前後壁44,45間と同じ前後幅に形成されていると共に、ケーシング41の左右側壁46間と同じ左右幅に形成されている。
【0027】
また、この受け部材47は、上壁49と、該上壁49の前後縁部から下方に延びる前後の壁部50とを有し、上壁49が下方に向けて凹む湾曲状に形成されている。
この受け部材47の上壁49の左右方向中途部分は、後述するバケットコンベヤ装置42の下部プーリー59の回転軸心を中心とする円弧状に形成され、左側部分及び右側部分はこの円弧状中途部分から略接線方向斜め上方に延出状とされている。
【0028】
ケーシング41の右側の側面下部には、米をリフタ37の右側方(左右方向外側方)から穀粒貯留部48に流入させるための穀粒供給口51が設けられている。
この穀粒供給口51は、図8、図9、図10、図12に示すように、本実施形態では、ケーシング41の右側の側壁46の下部に形成された側面開口52を塞ぐ閉塞プレート53の下部に形成されている。この穀粒供給口51は前後に長い矩形状に形成され、下端が前記側面開口52の下端に一致するように形成されている。
【0029】
また、穀粒供給口51及び側面開口52の下端は、前記受け部材47の上壁49の右端側の上端と同じ高さ位置となるように形成されている。
前記閉塞プレート53はケーシング41の右側の側壁46にネジ等によって着脱自在に取り付けられており、閉塞プレート53を取り外すことにより、側面開口52を介して右側方からケーシング41内にアクセスすることができる。
【0030】
ケーシング41の右側の側壁46の穀粒供給口51の下方側には掃除用の窓開口54が形成されており、この窓開口54を介して受け部材47とケーシング41内面との間の隙間から落ちた糠等を除去できるよう構成されている。
ケーシング41の後壁45下部には、穀粒貯留部48に対向するように形成された点検用の背面開口55が形成されている。この背面開口55は、ケーシング41の後壁45に着脱自在に取り付けられた蓋部材56によって閉塞されている。
【0031】
ケーシング41の左側の側壁46上部には、図5、図16に示すように、米をケーシング41から排出させるための排出用開口57が形成され、この排出用開口57に連通するように前記排出シュート43がケーシング41上部に取付固定されている。
前記バケットコンベヤ装置42は、ケーシング41に前後軸回りに回転自在に支持された上下一対のプーリー58,59と、この上下プーリー58,59にわたって掛け渡されたエンドレスのベルト60と、このベルト60に該ベルト60の周方向に所定間隔をおいて固定された多数のバケット36A,36Bとを有する。
【0032】
ケーシング41の前壁44の外面下部には、バケットコンベヤ装置42を駆動する電動モータからなるコンベヤ駆動モータ62が取り付けられている。このコンベヤ駆動モータ62は下部プーリー59を回転駆動ものであり、このコンベヤ駆動モータ62によって下部プーリー59を回転駆動してベルト60の右側がバケット下降側となりベルト60の左側がバケット上昇側となるように該ベルト60を周方向に循環回走することにより、バケット36A,36Bが前後方向に略直交する面で循環移送する。
【0033】
また、バケット36A,36Bが前後方向に略直交する面で循環移送することにより、該バケット36A,36Bで穀粒貯留部48に溜まった米を掬うと共に揚穀し、ケーシング41の上部にて該バケットから排出用開口57を介して排出シュート43へと米が放擲される。
当該穀粒搬送機1ではコンベヤ駆動モータ62がリフタ37の下部側に設けられているので、安定性がよい。しかしながら、その反面、ベルト60のバケット上昇側が緩み側となり、バケット36A,36Bによる米の搬送速度を速めるためにベルト60の周速を速くすると、ベルト60がバケット上昇側で左右方向に振れてバケット36A,36Bが揺れ動き、該バケット36A,36B内の米がこぼれ、搬送能力が低下する。
【0034】
そこで、本実施形態の穀粒搬送機1にあっては、図13、図14に示すように、ベルト60の緩み側に接当して、該ベルト60の左右方向の振れを規制する振止め部材63が設けられている。
この振止め部材63はローラによって構成され、上下プーリー58,59間に上下方向に配置された板材からなる支持部材64を切り起こすことにより形成された前後の支持片65に前後軸回りに回転自在に支持されている。
【0035】
前記支持部材64はケーシング41の前壁44に固着されており、また、ケーシング41の後壁45中間部分には点検用開口が形成されており、この点検用開口を塞ぐ閉塞板66が前記支持部材64にネジ止めされている。
振止め部材63をローラによって構成することにより、ベルト60や振止め部材63の摩耗を防止することができる。
【0036】
また、図13、図15に示すように、多数のバケット36A,36Bのうちのいくつか(本実施形態では15のバケットのうち3つ)のバケット36Bには、スクレーパ67が設けられている。
このスクレーパ67はバケットの底壁に、出代を調整できるように取付固定されており、このスクレーパ67の先端を受け部材47の上面に摺接或いは近接させることにより、穀粒貯留部48の米を残らず搬送することができる。
【0037】
前記上部プーリー58はケーシング41に上下方向位置調整自在に支持されており、上部プーリー58の上下位置を調整することにより、ベルト60の張りが調整可能とされている。
なお、前記バケットコンベヤ装置42は、ベルト60の代わりにエンドレスチェーンやその他のエンドレスの索体にバケットを取り付けるようにしたものであってもよい。
【0038】
前記排出シュート43は、図16に示すように、筒状に形成され、ケーシング41の排出用開口57から左斜め下方に向けて傾斜する方向に延びる第1筒部68と、この第1筒部68の左側端部から下方に延びる第2筒部69とから主構成されている。
第1筒部68の右側端部は開口状とされていて前記排出用開口57に連通している。また、第2筒部69の下端は下方に向けて開口する穀粒排出口70とされていると共に、自動炊飯機2の貯米タンク11内の上端側に挿入されている。
【0039】
前記排出シュート43にあっては、第1筒部68の底壁71上面が左斜め下方に向けて傾斜する滑り面72とされており、バケット36A,36Bから放擲された米はこの滑り面72上を滑って第2筒部69へと案内され、第2筒部69下端の穀粒排出口70から貯米タンク11へと落下供給される。
また、第2筒部69の右側壁の内面上部には満量センサ73が取り付けられている。
【0040】
前記自動炊飯機2には貯米タンク11内に米切れセンサが設けられ、貯米タンク11内の米が無くなる、又は、少なくなると、米切れセンサが検知して貯米タンク11内の米が無くなったこと、又は、少なくなったことを知らせるようになっている。
また、ケーシング41の右側の側面の上下中途部には、コンベヤ駆動モータ62を手動でオン・オフする手動スイッチ74が設けられており、貯米タンク11内の米が無くなる、又は、少なくなると、投入ホッパ38に米を投入し、前記手動スイッチ74のオンボタンを押すことによりバケットコンベヤ装置42が駆動されて投入ホッパ38内の米が貯米タンク11へと供給される。
【0041】
そして、貯米タンク11内に米が一杯入り、第2筒部69内にまで米が溜まって、該溜まった米が満量センサ73によって検出されると、コンベヤ駆動モータ62が自動的にオフされてバケットコンベヤ装置42が自動停止するよう構成されている。
前記満量センサ73は、静電容量型センサによって構成され、この満量センサ73の上方にはシュート補助板76が設けられている。
【0042】
このシュート補助板76は、第1筒部68の底壁71の左端から該底壁71の傾斜方向下方に向けて延出して満量センサ73の上方を覆う案内壁77と、この案内壁77の右端から下方に延出して第2筒部69の右側壁79上端側に固定された固定壁78とを有する。
このシュート補助板76によって満量センサ73の誤動作が防止される。
【0043】
なお、満量センサ73を圧力センサによって構成するとセンサの位置調整が難しく、少しの位置ズレや、米の状態によっても上手く検知することができず、米が溢れる惧れがあるが、静電容量型センサにすることにより、センサの位置調整は不要で満量検知が確実に行える。
また、満量センサ73を貯米タンク側に設けることが考えられるが、そうすると、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を設置する場合に、通信配線を自動炊飯機2側から穀粒搬送機1側にわたって配線しなければならないが、満量センサ73を穀粒搬送機1側に設けることにより、通信配線を穀粒搬送機1側に配線しておくことができ、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を容易に設置することができる。
【0044】
また、排出シュート43の第2筒部69内には、コシ網80が設けられている。このコシ網80は、貯米タンク11に供給される米の中にネジ等の異物が混入されている場合に該異物の通過を阻止するものである。
このコシ網80は満量センサ73の下方側に位置しており、第2筒部69に対して穀粒排出口70を介して下方側から挿脱自在とされている。
【0045】
また、排出シュート43の第2筒部69の下端側には貯米タンク11上端の米の投入口12を閉塞する蓋部材81が固定されている。この蓋部材81には排出シュート43の第2筒部69下端側を挿通させる開口が形成されている。
貯米タンク11上端の米の投入口12を閉塞する蓋部材81を穀粒搬送機1側に設けることにより、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を容易に設置することができる。
【0046】
前記投入ホッパ38は、図1、図2、図11、図12に示すように、リフタ37のケーシング41の下部前方に配置されている。この投入ホッパ38は上端開口が米を投入する穀粒投入口82とされ、下端開口が米を落下排出する穀粒流出口83とされている。
この投入ホッパ38は、前後壁部84,85と左右壁部86,87とを有し、穀粒投入口82から穀粒流出口83に向けて先窄まりに形成されている。
【0047】
また、この投入ホッパ38はリフタ37のケーシング41から左右にはみ出しており、右側が左側に比べてケーシング41から右側方(左右方向外側方)に大きくはみ出している。この投入ホッパ38の右側のケーシング41から右側方にはみ出した部分の下端に穀粒流出口83が設けられており、該穀粒流出口83がリフタ37の前方側で且つバケット上昇側に位置している。また、穀粒流出口83は、投入ホッパ38の後部に位置すると共に前記穀粒供給口51よりも上方に位置している。
【0048】
また、この投入ホッパ38は、その穀粒流出口83が左右方向中央から右側に偏倚するように形成されていて、投入ホッパ38の左壁部86の下方にスペースが形成され、このスペースに前記コンベヤ駆動モータ62が配置されている。
また、投入ホッパ38及びコンベヤ駆動モータ62は前後壁89,90及び左右側壁91から四角筒状に形成されたホッパカバー88(図6参照)内に収容されている。このホッパカバー88はベース部材36上に着脱自在に立設され、投入ホッパ38はホッパカバー88の上下中途部に配置され、投入ホッパ38の前後左右の壁部84,85,86の上端側がホッパカバー88の内面に重ね合わされて固定されている。
【0049】
ホッパカバー88は上端開口状とされていて、ホッパカバー88の上端開口から投入ホッパ38に米を投入できるようになっている。なお、このホッパカバー88の上端開口は図示省略の蓋体によって開閉自在に閉塞される。
ホッパカバー88の後壁90下部は、図11に示すように、コンベヤ駆動モータ62をリフタ37のケーシング41に取り付けるため及び案内シュート39を挿入するために下端開放状の切欠き開口92とされている。
【0050】
前記案内シュート39は、図6〜図12に示すように、リフタ37のケーシング41の右方側(バケット上昇側)で且つ投入ホッパ38の下方側に配置されている。また、この案内シュート39は、後部が前記閉塞プレート53の右側に配置されて該閉塞プレート53に溶接等によって固定され、前部がケーシング41の前方側に突出状とされていてホッパカバー88後壁90の前記切欠き開口92を介してホッパカバー88内に挿入され且つ投入ホッパ38の穀粒流出口83の下側に位置している。
【0051】
この案内シュート39は、板材によって形成され、前部壁93と後部壁94と左側(リフタ37に近い側)の壁部である内側壁95と右側(リフタ37から遠い側)の壁部である外側壁96とから主構成され、上端開口状に形成されている。
この案内シュート39の前部壁93、後部壁94、内側壁95及び外側壁96の上端には該上端から開口内側に延出する壁部が設けられ、この延出壁部の上面にパッキンを介して重ね合わされる蓋プレート98によって案内シュート39の上端開口が閉塞されている。
【0052】
前記投入ホッパ38の下端側は蓋プレート98を貫通して案内シュート39の上端側に挿入状とされ、穀粒流出口83が案内シュート39内の上端に位置している。したがって、投入ホッパ38内に投入した米は穀粒流出口83から落下排出されて案内シュート39内に流入する。
前記蓋プレート98は投入ホッパ38の下端側に溶接等によって固定されていて、ホッパカバー88と共に投入ホッパ38を取り外すことにより、案内シュート39内の清掃が可能とされている。
【0053】
内側壁95は、図10に示すように、板面が上下方向に沿うように配置され、その後部が閉塞プレート53に重ね合わされて固定されている。また、この内側壁95の後部下端側の穀粒供給口51に対向する位置には、該穀粒供給口51に連通する連通口99が形成され、この連通口99は穀粒供給口51に一致する開口とされている。
前部壁93は、図12に示すように、後方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、下端部は穀粒供給口51及び連通口99の前縁下端側に位置している。
【0054】
この前部壁93の上面が、投入ホッパ38に投入されて穀粒流出口83から落下排出される米を穀粒供給口51の右側方(外側方)に向けて後下方に案内する後方案内面100とされている。
外側壁96は、図10及び図11に示すように、左方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、下端部は穀粒供給口51及び連通口99の下縁下端部に位置している。
【0055】
この外側壁96の上面が、案内シュート39内部の米を穀粒供給口51の右側方(外側方)の上部側から該穀粒供給口51に向けて斜め下方に案内する側方案内面101とされている。
後部壁94は、図12に示すように、板面が上下方向に沿うように配置され、穀粒供給口51の後縁と略一致する位置に設けられている。
【0056】
案内シュート39の外側壁96の下方側には、ホッパカバー88の後壁90の切欠き開口92を部分的に塞ぐ閉鎖部材102が設けられ、この閉鎖部材102はベース部材36及びホッパカバー88の右側の側壁91にボルト固定されていると共に、案内シュート39の外側壁96下面及びリフタ37のケーシング41の右側の側壁46外面にシール部材を介して接当している。また、この閉鎖部材102で案内シュート39が支持される。
【0057】
前記穀粒搬送機1にあっては、投入ホッパ38に投入された米は穀粒流出口83から落下排出されて案内シュート39内に流入する。案内シュート39内に流入した米は後方案内面100によって穀粒供給口51の右側方に向けて後下方に案内され、また、案内シュート39内の穀粒は、右側から左側へと向けて穀粒供給口51を介して穀粒貯留部48へと流入する。
【0058】
したがって、投入ホッパ38の穀粒流出口83から穀粒貯留部48へと至る米の移動流路は直線状ではなく、平面視でL字状に(90度に一段)曲がっているため(米の移動方向が途中で向き変更されるので)、投入ホッパ38に投入された米は直接一気に穀粒貯留部48へとは流入しない。これによって、穀粒貯留部48に米が過剰に(所定のレベル以上に)溜まるのを防止することができ、コンベヤ駆動モータ62がロックするのを防止することができる。
【0059】
また、案内シュート39内の米は、側方案内面101によって内部の米を穀粒供給口51の右側方の上部側から該穀粒供給口51に向けて斜め下方に案内されるので、米が穀粒貯留部48へと確実に流入する。
また、投入ホッパ38の穀粒流出口83から穀粒貯留部48へと至る米の移動流路が平面視でL字状に曲がっているため、投入ホッパ38内及び案内シュート39内に米が詰まっている状態において、穀粒貯留部48内の米に作用する、投入ホッパ38内の米の荷重による負荷が軽減され、バケット61A,61Bに作用する負荷を軽減することができる。
【0060】
また、前記閉塞プレート53は、ケーシング41の右側の側壁46の側面開口52を塞ぐ部材であり且つ案内シュート39をケーシングの右側の側壁46に取り付けるステーの機能を有するので、閉塞プレート53をケーシング41の右側の側壁46から取り外すことにより、案内シュート39が取り外せると同時にケーシング41の右側の側壁46の側面開口52を開放することができる。
【0061】
なお、前記構成の穀粒搬送機1にあっては、閉塞プレート53に穀粒供給口51が形成されているが、ケーシング41の右側の側壁46に形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0062】
37 リフタ
38 投入ホッパ
39 案内シュート
48 穀粒貯留部
51 穀粒供給口
61A バケット
61B バケット
70 穀粒排出口
83 穀粒流出口
100 後方案内面
101 側方案内面
【技術分野】
【0001】
本発明は、米等の穀粒を搬送する穀粒搬送機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
計量した米を洗米する洗米装置と、この洗米装置の下方に配置されていて洗米された米を炊飯する炊飯器とを備えた自動炊飯機の側方に配置されて、米を自動炊飯機の下部側から洗米装置の上方側に搬送する穀粒搬送機として、特許文献1に開示された穀粒搬送機がある。
この穀粒搬送機は、自動炊飯機の側方に配置されたリフタを備えている。このリフタは、エンドレスのベルトに周方向所定間隔をおいて設けられたバケットを前後方向に直交する面で循環移送自在としたコンベヤ装置をハウジング内に備えており、自動炊飯機はリフタのバケット下降側の側方に配置されている。このリフタのハウジングの上部には揚穀された米を洗米装置の上方に配置した計量タンクに案内するシュータを備えている。
【0003】
前記リフタのバケット上昇側の側方下部には貯米庫が設けられており、この貯米庫からリフタのハウジング内の下端側に米が流入可能とされている。
この穀粒搬送機にあっては、バケットを循環移送することによりリフタの下端側に溜まった米をバケットで掬うと共に揚穀し上部にて該バケットからシュータへと米が放擲されて計量タンクへと供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−56838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の穀粒搬送機にあっては、貯米庫がリフタのバケット上昇側の側方下部に配置されているので、貯米庫に投入された米はリフタのバケット上昇側の側方からリフタのハウジング内の下端側へと直線状に流入すると考えられる。米がリフタのバケット上昇側の側方からリフタのハウジング内の下端側へと直線状に流入するようになっていると、貯米庫に投入した米が勢いよく一気にリフタのハウジング内下端側に流入した場合、リフタのハウジング内の下端側に多量の米が貯留し、バケットにかかる負荷が大きくなって、コンベヤ装置を駆動するモータがロックする惧れがある。
【0006】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、リフタの下端側に必要以上の穀粒が流入するのを防止することができる穀粒搬送機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、下端側に穀粒を貯留する穀粒貯留部を備えると共に上部に穀粒を排出させる穀粒排出口を備え、且つバケットを前後方向に略直交する面で循環移送させることにより該バケットで穀粒貯留部の穀粒を掬うと共に揚穀し上部にて該バケットから穀粒排出口へと穀粒を放擲するようにしたリフタを備え、
このリフタのバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタの側方から穀粒貯留部に流入させる穀粒供給口を設け、
前記リフタの前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口を下端に有する投入ホッパを設け、
この投入ホッパに投入されて前記穀粒流出口から落下排出される穀粒を、前記穀粒供給口の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面を有する案内シュートを設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記案内シュートは、内部の穀粒を穀粒供給口の外側方の上部側から該穀粒供給口に向けて斜め下方に案内する側方案内面を有することを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記投入ホッパをリフタの前方に配置し、前記案内シュートをリフタのバケット上昇側の側方下部からリフタの前方側に延出するように設け、該案内シュートのリフタの前方側に延出した部分に投入ホッパの穀粒流出口を配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、投入ホッパに投入された穀粒は、リフタの前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口から落下排出されて案内シュート内に流入する。案内シュート内に流入した穀粒は後方案内面によって穀粒供給口の外側方に向けて後下方に案内され、また、案内シュート内の穀粒は、リフタの側方から穀粒貯留部へと穀粒供給口を介して流入する。
【0010】
したがって、投入ホッパの穀粒流出口から穀粒貯留部へと至る穀粒の移動流路は直線状ではなく、平面視でL字状に曲がっているため、投入ホッパに投入された米は直接一気に穀粒貯留部へとは流入せず、穀粒貯留部に穀粒が過剰に溜まるのを防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、案内シュート内の穀粒は、内部の穀粒を穀粒供給口の外側方の上部側から該穀粒供給口に向けて斜め下方に案内する側方案内面によって穀粒貯留部へと確実に流入する。
【0011】
請求項3に係る発明によれば、投入ホッパがリフタの前方に位置し、この投入ホッパとリフタとで形成されるコーナー部分に案内シュートが配置された形となり、穀粒搬送機をコンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】穀粒搬送機及び自動炊飯機の正面図である。
【図2】穀粒搬送機及び自動炊飯機の側面図である。
【図3】洗米装置の正面断面図である。
【図4】穀粒搬送機の背面右斜め斜視図である。
【図5】穀粒搬送機の正面断面図である。
【図6】穀粒搬送機下部の正面右斜め斜視図である。
【図7】穀粒搬送機下部の背面右斜め斜視図である。
【図8】穀粒搬送機下部の背面右斜め分解斜視図である。
【図9】投入ホッパ及び案内シュートの斜視図である。
【図10】リフタ下部の正面断面図である。
【図11】ホッパカバー内下部の正面断面図である。
【図12】案内シュート周辺の右側面断面図である。
【図13】バケットコンベヤの一部の正面一部断面図である。
【図14】バケットコンベヤの一部の背面から見た斜視図である。
【図15】スクレーパ付きバケットの斜視図である。
【図16】リフタ上部の正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2において、1は米等の穀粒を搬送する穀粒搬送機(ライスリフタ)であり、本実施形態では、米の計量・洗米・炊飯をマイコン制御によって自動で行う自動炊飯機2の側方に配置されていて該自動炊飯機2の上部に設けられた貯米庫3に米を搬送するものである。
【0014】
なお、米の計量・洗米をマイコン制御によって自動で行う自動洗米機の上部に設けた貯米庫に対して米を搬送するようにしてもよい。
前記自動炊飯機2は、機枠4と、この機枠4の上部に設けられた貯米庫3と、この貯米庫3の下方に設けられた洗米タンク5と、この洗米タンク5の下方に設けられた炊飯器6と、この炊飯器6を載置すべく機枠4の下端側に設けられた載置台7とを有する。
【0015】
前記機枠4は、下端部の平面視矩形状のベースフレーム8と、このベースフレーム8の後端側の左右両側に立設された左右一対の支柱部材9とを有する。
図3に示すように、貯米庫3は、上端開口状の箱状の貯米ケース10と、この貯米ケース10内の上部側に収納された上端開口状の貯米タンク11とを有し、貯米ケース10の下面の後端側が機枠4の左右支柱部材9の上端に固定されている。貯米タンク11の上端開口は米の投入口12であり、該貯米タンク11の下端側には米を排出する米排出口13が設けられている。
【0016】
前記洗米タンク5は、上部が円筒状で下部が下方に向けて先細り状の漏斗状に形成されていると共に上端及び下端が開口状とされ、該洗米タンク5は、その上端側が貯米ケース10の下壁に固定されたタンク支持体14に取り付けられている。
タンク支持体14には、貯米タンク11下端の米排出口13の下方に位置する米通過口16が形成され、この米通過口16と米排出口13との間には、貯米タンク11内の米を計量して洗米タンク5に供給する米計量器17が設けられている。
【0017】
なお、当該自動炊飯機2には、洗米タンク5内に水(水道水)を供給する給水装置が設けられている。
洗米タンク5内には、該洗米タンク5内の米を撹拌する攪拌棒18が設けられ、該攪拌棒18はタンク支持体14の上面側に設けられた撹拌モータによって上下軸回りに回転駆動され、洗米タンク5内に給水しながら攪拌棒18を回転させることにより、洗米タンク5内の米が洗米される。
【0018】
洗米タンク5の下端側に排水ジャケット19が設けられ、この排水ジャケット19の下面側には、洗米した米を水加減水と共に排出するための排米口が設けられ、この排米口は円錐状の排米弁21によって開閉自在に閉塞されている。
排米弁21は、洗米タンク5内の中心に上下方向に配置された弁棒22の下端に取り付けられ、弁棒22はタンク支持体14の上面側に設けられた昇降機構によって昇降操作され、この排米弁21を引き上げられることで排米口が閉じ、下降されることにより排米口が開く。
【0019】
排水ジャケット19の側方には排水ボックス23が設けられ、この排水ボックス23と排水ジャケット19とは排水パイプ24によって連通されている。
また、排水ジャケット19内には、洗米タンク5の下端開口と排米口との間の空間を取り囲む分離板25が設けられており、この分離板25は水は通すが米は通さない小孔が多数形成されており、排水ジャケット19から排水ボックス23へと米の研ぎ汁が小さな不純物と共に流れるようになっている。なお、米の研ぎ汁等は排水ボックス23から排水溝へと流れるようになっている。
【0020】
また、排水ボックス23内には、排水ジャケット19側から排水ボックス23への流体の浸入口を開閉自在な開閉弁26が設けられている。
タンク支持体14には、洗米タンク5からオーバーフローした水を排水させるためのオーバーフロー口27が設けられ、このオーバーフロー口27は縦排水パイプ28を介して排水ボックス23に連通している。
【0021】
前記貯米タンク11、洗米タンク5、攪拌棒18、該攪拌棒18を駆動する撹拌モータ、排米弁21、該排米弁21を昇降する昇降機構等によって、米を洗米する洗米装置が構成されている。
載置台7は、機枠4のベースフレーム8上に前後移動自在に設けられ、この載置台7の前部に把持部が設けられ、炊飯器6の本体(内釜及び外釜)を洗米タンク5の直下から洗米タンク5の前方側に引き出すことができるように構成されている。
【0022】
炊飯器6は、内釜と、この内釜の上端開口を開閉自在に塞ぐ上蓋と、内釜を収容すると共に該内釜を加熱する加熱装置を備えた外釜とを有する。
この炊飯器6の上蓋には、洗米タンク5の排米口から落下排出される洗米された米及び水加減水を内釜へと通過させるための円形状の米投入口が形成されている。
貯米庫3の内側には当該自動炊飯機2を制御する制御装置が設けられ、貯米庫3の前面には操作パネル29が設けられ、操作パネル29には、自動炊飯機2を始動させるスタートスイッチが設けられている他、該操作パネル29によって、炊飯する米の量、米の洗い方の程度(軽く〜念入り)の選定、炊き加減(軟〜硬)の選定、炊き方の種類(通常の白米、玄米、おこわ、おかゆ等)の選定等が入力可能とされ、この操作パネル29によって入力された条件によって、貯米庫3内の米が計量され、洗米され、水加減されて炊飯されるように自動運転される。
【0023】
排水ジャケット19と炊飯器6との間には、機枠4に昇降自在に支持された昇降フレーム31が設けられており、この昇降フレーム31に炊飯器6の上蓋が取り付けられている。また、昇降フレーム31には炊飯器6の上蓋の米投入口を開閉するシャッター及び該シャッターを駆動するシャッタ駆動装置が設けられている。
前記穀粒搬送機1は、本実施形態では、図1、図2に示すように、自動炊飯機2の右側に配置した場合を例示している。なお、穀粒搬送機1は、構成部材を左右逆に配置して自動炊飯機2の左側に配置できるように構成してもよい。
【0024】
この穀粒搬送機1は、図1、図2、図4〜図5に示すように、平面視矩形状のベース部材36と、米を揚穀するリフタ37と、米を投入するための投入ホッパ38と、この投入ホッパ38に投入された米をリフタ37の下端側に案内する案内シュート39とを有する。
前記ベース部材36の四隅には高さや水平度を調整するためのアジャスタ40が設けられている。
【0025】
前記リフタ37は、ケーシング41と、このケーシング41内に設けられたバケットコンベヤ装置42と、ケーシング41の上部に設けられた排出シュート43とを有する。
ケーシング41は前後壁44,45と左右側壁46とを有する上下方向に長い四角筒状に形成され、前記ベース部材36の後部に立設されている。該ケーシング41の上面は閉塞され、該ケーシング41の下端はベース部材36に取付固定されている。
【0026】
このケーシング41内の下端側には、図10に示すように、米を受ける受け部材47が設けられ、この受け部材47の上面側が、投入ホッパ38から案内シュート39を介してケーシング41内に供給される米を溜める穀粒貯留部48とされている。
この受け部材47は、ケーシング41の前後壁44,45間と同じ前後幅に形成されていると共に、ケーシング41の左右側壁46間と同じ左右幅に形成されている。
【0027】
また、この受け部材47は、上壁49と、該上壁49の前後縁部から下方に延びる前後の壁部50とを有し、上壁49が下方に向けて凹む湾曲状に形成されている。
この受け部材47の上壁49の左右方向中途部分は、後述するバケットコンベヤ装置42の下部プーリー59の回転軸心を中心とする円弧状に形成され、左側部分及び右側部分はこの円弧状中途部分から略接線方向斜め上方に延出状とされている。
【0028】
ケーシング41の右側の側面下部には、米をリフタ37の右側方(左右方向外側方)から穀粒貯留部48に流入させるための穀粒供給口51が設けられている。
この穀粒供給口51は、図8、図9、図10、図12に示すように、本実施形態では、ケーシング41の右側の側壁46の下部に形成された側面開口52を塞ぐ閉塞プレート53の下部に形成されている。この穀粒供給口51は前後に長い矩形状に形成され、下端が前記側面開口52の下端に一致するように形成されている。
【0029】
また、穀粒供給口51及び側面開口52の下端は、前記受け部材47の上壁49の右端側の上端と同じ高さ位置となるように形成されている。
前記閉塞プレート53はケーシング41の右側の側壁46にネジ等によって着脱自在に取り付けられており、閉塞プレート53を取り外すことにより、側面開口52を介して右側方からケーシング41内にアクセスすることができる。
【0030】
ケーシング41の右側の側壁46の穀粒供給口51の下方側には掃除用の窓開口54が形成されており、この窓開口54を介して受け部材47とケーシング41内面との間の隙間から落ちた糠等を除去できるよう構成されている。
ケーシング41の後壁45下部には、穀粒貯留部48に対向するように形成された点検用の背面開口55が形成されている。この背面開口55は、ケーシング41の後壁45に着脱自在に取り付けられた蓋部材56によって閉塞されている。
【0031】
ケーシング41の左側の側壁46上部には、図5、図16に示すように、米をケーシング41から排出させるための排出用開口57が形成され、この排出用開口57に連通するように前記排出シュート43がケーシング41上部に取付固定されている。
前記バケットコンベヤ装置42は、ケーシング41に前後軸回りに回転自在に支持された上下一対のプーリー58,59と、この上下プーリー58,59にわたって掛け渡されたエンドレスのベルト60と、このベルト60に該ベルト60の周方向に所定間隔をおいて固定された多数のバケット36A,36Bとを有する。
【0032】
ケーシング41の前壁44の外面下部には、バケットコンベヤ装置42を駆動する電動モータからなるコンベヤ駆動モータ62が取り付けられている。このコンベヤ駆動モータ62は下部プーリー59を回転駆動ものであり、このコンベヤ駆動モータ62によって下部プーリー59を回転駆動してベルト60の右側がバケット下降側となりベルト60の左側がバケット上昇側となるように該ベルト60を周方向に循環回走することにより、バケット36A,36Bが前後方向に略直交する面で循環移送する。
【0033】
また、バケット36A,36Bが前後方向に略直交する面で循環移送することにより、該バケット36A,36Bで穀粒貯留部48に溜まった米を掬うと共に揚穀し、ケーシング41の上部にて該バケットから排出用開口57を介して排出シュート43へと米が放擲される。
当該穀粒搬送機1ではコンベヤ駆動モータ62がリフタ37の下部側に設けられているので、安定性がよい。しかしながら、その反面、ベルト60のバケット上昇側が緩み側となり、バケット36A,36Bによる米の搬送速度を速めるためにベルト60の周速を速くすると、ベルト60がバケット上昇側で左右方向に振れてバケット36A,36Bが揺れ動き、該バケット36A,36B内の米がこぼれ、搬送能力が低下する。
【0034】
そこで、本実施形態の穀粒搬送機1にあっては、図13、図14に示すように、ベルト60の緩み側に接当して、該ベルト60の左右方向の振れを規制する振止め部材63が設けられている。
この振止め部材63はローラによって構成され、上下プーリー58,59間に上下方向に配置された板材からなる支持部材64を切り起こすことにより形成された前後の支持片65に前後軸回りに回転自在に支持されている。
【0035】
前記支持部材64はケーシング41の前壁44に固着されており、また、ケーシング41の後壁45中間部分には点検用開口が形成されており、この点検用開口を塞ぐ閉塞板66が前記支持部材64にネジ止めされている。
振止め部材63をローラによって構成することにより、ベルト60や振止め部材63の摩耗を防止することができる。
【0036】
また、図13、図15に示すように、多数のバケット36A,36Bのうちのいくつか(本実施形態では15のバケットのうち3つ)のバケット36Bには、スクレーパ67が設けられている。
このスクレーパ67はバケットの底壁に、出代を調整できるように取付固定されており、このスクレーパ67の先端を受け部材47の上面に摺接或いは近接させることにより、穀粒貯留部48の米を残らず搬送することができる。
【0037】
前記上部プーリー58はケーシング41に上下方向位置調整自在に支持されており、上部プーリー58の上下位置を調整することにより、ベルト60の張りが調整可能とされている。
なお、前記バケットコンベヤ装置42は、ベルト60の代わりにエンドレスチェーンやその他のエンドレスの索体にバケットを取り付けるようにしたものであってもよい。
【0038】
前記排出シュート43は、図16に示すように、筒状に形成され、ケーシング41の排出用開口57から左斜め下方に向けて傾斜する方向に延びる第1筒部68と、この第1筒部68の左側端部から下方に延びる第2筒部69とから主構成されている。
第1筒部68の右側端部は開口状とされていて前記排出用開口57に連通している。また、第2筒部69の下端は下方に向けて開口する穀粒排出口70とされていると共に、自動炊飯機2の貯米タンク11内の上端側に挿入されている。
【0039】
前記排出シュート43にあっては、第1筒部68の底壁71上面が左斜め下方に向けて傾斜する滑り面72とされており、バケット36A,36Bから放擲された米はこの滑り面72上を滑って第2筒部69へと案内され、第2筒部69下端の穀粒排出口70から貯米タンク11へと落下供給される。
また、第2筒部69の右側壁の内面上部には満量センサ73が取り付けられている。
【0040】
前記自動炊飯機2には貯米タンク11内に米切れセンサが設けられ、貯米タンク11内の米が無くなる、又は、少なくなると、米切れセンサが検知して貯米タンク11内の米が無くなったこと、又は、少なくなったことを知らせるようになっている。
また、ケーシング41の右側の側面の上下中途部には、コンベヤ駆動モータ62を手動でオン・オフする手動スイッチ74が設けられており、貯米タンク11内の米が無くなる、又は、少なくなると、投入ホッパ38に米を投入し、前記手動スイッチ74のオンボタンを押すことによりバケットコンベヤ装置42が駆動されて投入ホッパ38内の米が貯米タンク11へと供給される。
【0041】
そして、貯米タンク11内に米が一杯入り、第2筒部69内にまで米が溜まって、該溜まった米が満量センサ73によって検出されると、コンベヤ駆動モータ62が自動的にオフされてバケットコンベヤ装置42が自動停止するよう構成されている。
前記満量センサ73は、静電容量型センサによって構成され、この満量センサ73の上方にはシュート補助板76が設けられている。
【0042】
このシュート補助板76は、第1筒部68の底壁71の左端から該底壁71の傾斜方向下方に向けて延出して満量センサ73の上方を覆う案内壁77と、この案内壁77の右端から下方に延出して第2筒部69の右側壁79上端側に固定された固定壁78とを有する。
このシュート補助板76によって満量センサ73の誤動作が防止される。
【0043】
なお、満量センサ73を圧力センサによって構成するとセンサの位置調整が難しく、少しの位置ズレや、米の状態によっても上手く検知することができず、米が溢れる惧れがあるが、静電容量型センサにすることにより、センサの位置調整は不要で満量検知が確実に行える。
また、満量センサ73を貯米タンク側に設けることが考えられるが、そうすると、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を設置する場合に、通信配線を自動炊飯機2側から穀粒搬送機1側にわたって配線しなければならないが、満量センサ73を穀粒搬送機1側に設けることにより、通信配線を穀粒搬送機1側に配線しておくことができ、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を容易に設置することができる。
【0044】
また、排出シュート43の第2筒部69内には、コシ網80が設けられている。このコシ網80は、貯米タンク11に供給される米の中にネジ等の異物が混入されている場合に該異物の通過を阻止するものである。
このコシ網80は満量センサ73の下方側に位置しており、第2筒部69に対して穀粒排出口70を介して下方側から挿脱自在とされている。
【0045】
また、排出シュート43の第2筒部69の下端側には貯米タンク11上端の米の投入口12を閉塞する蓋部材81が固定されている。この蓋部材81には排出シュート43の第2筒部69下端側を挿通させる開口が形成されている。
貯米タンク11上端の米の投入口12を閉塞する蓋部材81を穀粒搬送機1側に設けることにより、既存の自動炊飯機2に対して穀粒搬送機1を容易に設置することができる。
【0046】
前記投入ホッパ38は、図1、図2、図11、図12に示すように、リフタ37のケーシング41の下部前方に配置されている。この投入ホッパ38は上端開口が米を投入する穀粒投入口82とされ、下端開口が米を落下排出する穀粒流出口83とされている。
この投入ホッパ38は、前後壁部84,85と左右壁部86,87とを有し、穀粒投入口82から穀粒流出口83に向けて先窄まりに形成されている。
【0047】
また、この投入ホッパ38はリフタ37のケーシング41から左右にはみ出しており、右側が左側に比べてケーシング41から右側方(左右方向外側方)に大きくはみ出している。この投入ホッパ38の右側のケーシング41から右側方にはみ出した部分の下端に穀粒流出口83が設けられており、該穀粒流出口83がリフタ37の前方側で且つバケット上昇側に位置している。また、穀粒流出口83は、投入ホッパ38の後部に位置すると共に前記穀粒供給口51よりも上方に位置している。
【0048】
また、この投入ホッパ38は、その穀粒流出口83が左右方向中央から右側に偏倚するように形成されていて、投入ホッパ38の左壁部86の下方にスペースが形成され、このスペースに前記コンベヤ駆動モータ62が配置されている。
また、投入ホッパ38及びコンベヤ駆動モータ62は前後壁89,90及び左右側壁91から四角筒状に形成されたホッパカバー88(図6参照)内に収容されている。このホッパカバー88はベース部材36上に着脱自在に立設され、投入ホッパ38はホッパカバー88の上下中途部に配置され、投入ホッパ38の前後左右の壁部84,85,86の上端側がホッパカバー88の内面に重ね合わされて固定されている。
【0049】
ホッパカバー88は上端開口状とされていて、ホッパカバー88の上端開口から投入ホッパ38に米を投入できるようになっている。なお、このホッパカバー88の上端開口は図示省略の蓋体によって開閉自在に閉塞される。
ホッパカバー88の後壁90下部は、図11に示すように、コンベヤ駆動モータ62をリフタ37のケーシング41に取り付けるため及び案内シュート39を挿入するために下端開放状の切欠き開口92とされている。
【0050】
前記案内シュート39は、図6〜図12に示すように、リフタ37のケーシング41の右方側(バケット上昇側)で且つ投入ホッパ38の下方側に配置されている。また、この案内シュート39は、後部が前記閉塞プレート53の右側に配置されて該閉塞プレート53に溶接等によって固定され、前部がケーシング41の前方側に突出状とされていてホッパカバー88後壁90の前記切欠き開口92を介してホッパカバー88内に挿入され且つ投入ホッパ38の穀粒流出口83の下側に位置している。
【0051】
この案内シュート39は、板材によって形成され、前部壁93と後部壁94と左側(リフタ37に近い側)の壁部である内側壁95と右側(リフタ37から遠い側)の壁部である外側壁96とから主構成され、上端開口状に形成されている。
この案内シュート39の前部壁93、後部壁94、内側壁95及び外側壁96の上端には該上端から開口内側に延出する壁部が設けられ、この延出壁部の上面にパッキンを介して重ね合わされる蓋プレート98によって案内シュート39の上端開口が閉塞されている。
【0052】
前記投入ホッパ38の下端側は蓋プレート98を貫通して案内シュート39の上端側に挿入状とされ、穀粒流出口83が案内シュート39内の上端に位置している。したがって、投入ホッパ38内に投入した米は穀粒流出口83から落下排出されて案内シュート39内に流入する。
前記蓋プレート98は投入ホッパ38の下端側に溶接等によって固定されていて、ホッパカバー88と共に投入ホッパ38を取り外すことにより、案内シュート39内の清掃が可能とされている。
【0053】
内側壁95は、図10に示すように、板面が上下方向に沿うように配置され、その後部が閉塞プレート53に重ね合わされて固定されている。また、この内側壁95の後部下端側の穀粒供給口51に対向する位置には、該穀粒供給口51に連通する連通口99が形成され、この連通口99は穀粒供給口51に一致する開口とされている。
前部壁93は、図12に示すように、後方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、下端部は穀粒供給口51及び連通口99の前縁下端側に位置している。
【0054】
この前部壁93の上面が、投入ホッパ38に投入されて穀粒流出口83から落下排出される米を穀粒供給口51の右側方(外側方)に向けて後下方に案内する後方案内面100とされている。
外側壁96は、図10及び図11に示すように、左方に行くに従って下方に移行する傾斜状に形成され、下端部は穀粒供給口51及び連通口99の下縁下端部に位置している。
【0055】
この外側壁96の上面が、案内シュート39内部の米を穀粒供給口51の右側方(外側方)の上部側から該穀粒供給口51に向けて斜め下方に案内する側方案内面101とされている。
後部壁94は、図12に示すように、板面が上下方向に沿うように配置され、穀粒供給口51の後縁と略一致する位置に設けられている。
【0056】
案内シュート39の外側壁96の下方側には、ホッパカバー88の後壁90の切欠き開口92を部分的に塞ぐ閉鎖部材102が設けられ、この閉鎖部材102はベース部材36及びホッパカバー88の右側の側壁91にボルト固定されていると共に、案内シュート39の外側壁96下面及びリフタ37のケーシング41の右側の側壁46外面にシール部材を介して接当している。また、この閉鎖部材102で案内シュート39が支持される。
【0057】
前記穀粒搬送機1にあっては、投入ホッパ38に投入された米は穀粒流出口83から落下排出されて案内シュート39内に流入する。案内シュート39内に流入した米は後方案内面100によって穀粒供給口51の右側方に向けて後下方に案内され、また、案内シュート39内の穀粒は、右側から左側へと向けて穀粒供給口51を介して穀粒貯留部48へと流入する。
【0058】
したがって、投入ホッパ38の穀粒流出口83から穀粒貯留部48へと至る米の移動流路は直線状ではなく、平面視でL字状に(90度に一段)曲がっているため(米の移動方向が途中で向き変更されるので)、投入ホッパ38に投入された米は直接一気に穀粒貯留部48へとは流入しない。これによって、穀粒貯留部48に米が過剰に(所定のレベル以上に)溜まるのを防止することができ、コンベヤ駆動モータ62がロックするのを防止することができる。
【0059】
また、案内シュート39内の米は、側方案内面101によって内部の米を穀粒供給口51の右側方の上部側から該穀粒供給口51に向けて斜め下方に案内されるので、米が穀粒貯留部48へと確実に流入する。
また、投入ホッパ38の穀粒流出口83から穀粒貯留部48へと至る米の移動流路が平面視でL字状に曲がっているため、投入ホッパ38内及び案内シュート39内に米が詰まっている状態において、穀粒貯留部48内の米に作用する、投入ホッパ38内の米の荷重による負荷が軽減され、バケット61A,61Bに作用する負荷を軽減することができる。
【0060】
また、前記閉塞プレート53は、ケーシング41の右側の側壁46の側面開口52を塞ぐ部材であり且つ案内シュート39をケーシングの右側の側壁46に取り付けるステーの機能を有するので、閉塞プレート53をケーシング41の右側の側壁46から取り外すことにより、案内シュート39が取り外せると同時にケーシング41の右側の側壁46の側面開口52を開放することができる。
【0061】
なお、前記構成の穀粒搬送機1にあっては、閉塞プレート53に穀粒供給口51が形成されているが、ケーシング41の右側の側壁46に形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0062】
37 リフタ
38 投入ホッパ
39 案内シュート
48 穀粒貯留部
51 穀粒供給口
61A バケット
61B バケット
70 穀粒排出口
83 穀粒流出口
100 後方案内面
101 側方案内面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端側に穀粒を貯留する穀粒貯留部(48)を備えると共に上部に穀粒を排出させる穀粒排出口(70)を備え、且つバケット(61A,61B)を前後方向に略直交する面で循環移送させることにより該バケット(61A,61B)で穀粒貯留部(48)の穀粒を掬うと共に揚穀し上部にて該バケット(61A,61B)から穀粒排出口(70)へと穀粒を放擲するようにしたリフタ(37)を備え、
このリフタ(37)のバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタ(37)の側方から穀粒貯留部(48)に流入させる穀粒供給口(51)を設け、
前記リフタ(37)の前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口(83)を下端に有する投入ホッパ(38)を設け、
この投入ホッパ(38)に投入されて前記穀粒流出口(83)から落下排出される穀粒を、前記穀粒供給口(51)の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面(100)を有する案内シュート(39)を設けたことを特徴とする穀粒搬送機。
【請求項2】
前記案内シュート(39)は、内部の穀粒を穀粒供給口(51)の外側方の上部側から該穀粒供給口(51)に向けて斜め下方に案内する側方案内面(101)を有することを特徴とする請求項1に記載の穀粒搬送機。
【請求項3】
前記投入ホッパ(38)をリフタ(37)の前方に配置し、前記案内シュート(39)をリフタ(37)のバケット上昇側の側方下部からリフタ(37)の前方側に延出するように設け、該案内シュート(39)のリフタ(37)の前方側に延出した部分に投入ホッパ(38)の穀粒流出口(83)を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の穀粒搬送機。
【請求項1】
下端側に穀粒を貯留する穀粒貯留部(48)を備えると共に上部に穀粒を排出させる穀粒排出口(70)を備え、且つバケット(61A,61B)を前後方向に略直交する面で循環移送させることにより該バケット(61A,61B)で穀粒貯留部(48)の穀粒を掬うと共に揚穀し上部にて該バケット(61A,61B)から穀粒排出口(70)へと穀粒を放擲するようにしたリフタ(37)を備え、
このリフタ(37)のバケット上昇側の側面下部に、穀粒をリフタ(37)の側方から穀粒貯留部(48)に流入させる穀粒供給口(51)を設け、
前記リフタ(37)の前方側で且つバケット上昇側に位置する穀粒流出口(83)を下端に有する投入ホッパ(38)を設け、
この投入ホッパ(38)に投入されて前記穀粒流出口(83)から落下排出される穀粒を、前記穀粒供給口(51)の外側方に向けて後下方に案内する後方案内面(100)を有する案内シュート(39)を設けたことを特徴とする穀粒搬送機。
【請求項2】
前記案内シュート(39)は、内部の穀粒を穀粒供給口(51)の外側方の上部側から該穀粒供給口(51)に向けて斜め下方に案内する側方案内面(101)を有することを特徴とする請求項1に記載の穀粒搬送機。
【請求項3】
前記投入ホッパ(38)をリフタ(37)の前方に配置し、前記案内シュート(39)をリフタ(37)のバケット上昇側の側方下部からリフタ(37)の前方側に延出するように設け、該案内シュート(39)のリフタ(37)の前方側に延出した部分に投入ホッパ(38)の穀粒流出口(83)を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の穀粒搬送機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−158452(P2012−158452A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20761(P2011−20761)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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