説明

穀粒運搬用のコンテナ

【課題】枠体の四隅の枠柱を、一対に対向する2本一組の枠柱が、それぞれ対向する側に向け倒伏回動するようベースに組付け、それらの倒伏回動によりベース上に折畳むようにするときに、その折畳みが、穀粒袋を懸架した状態で行えるようにすることと、穀粒袋を開口状態に保持する4本のビームを、枠柱間に渡架する桁材の4本のビームに兼用させて、使用するビームの本数を半減させるときの組付けが、止めネジを用いることなく、行えるようにすることにある。
【解決手段】ベース1の四隅のベース柱10の各上端側に、枠柱2を接続して、直立する姿勢に保持せしめ枠柱2の各上端側には、継柱4を接続し、それら継柱4間にそれぞれ一本ずつビームaを渡架して、立方体状の枠体Aを組立て、この枠体Aに、穀粒袋Bを、枠体Aの継柱4間に渡架する四本のビームaのそれぞれを該穀粒袋Bの筒部60に対し嵌挿しておくことにより懸架せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材によりトラックの荷台上に載架し得る中空の立方体状の枠体を組立て、それに、合成樹脂材のシートにより底部を漏斗状に形成した穀粒袋を吊り下げ装着して構成する穀粒運搬用のコンテナについての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
上述の形態の穀粒運搬用のコンテナは、通常、鉄板等の金属板の折曲加工により角筒状に形成した柱材・桁材により、図1にあるように、トラックTの荷台t上に載架し得る床面積を具備する背の低い四角な台枠状のベース1の四隅のベース柱10の各上端に、それぞれ別に形成しておく枠柱2の各下端を嵌挿し、ネジにより連結して、四隅の枠柱2を立設し、それら枠柱2の各上端部の、相い隣なる枠柱2と対向する二つの面に、それぞれ桁材とするビームaの端部を嵌合せしめて連結する短い筒状の接続金具3を装設し、この接続金具3に、相い隣なる枠柱2間に桁材として渡架するビームaの端部を嵌挿し連結して図1にあるように四角な立方体状の中空の枠体Aに組立てる。
【0003】
この枠体Aの四隅の枠柱2の各上端側には、図2にあるように、別に形成しておく短い継柱4をそれぞれ嵌挿して、それの突出長さの調節を自在に接続し、それら継柱4の相い隣なる継柱4と対向する二つの面に、それぞれ前述の接続金具3と同様に構成した接続金具3を設けて、これに、穀粒袋Bの上部開口の開口縁を開口状態に保持せしめるために、前述のビームaと同様に形成したビームaの端部を支承させるようにする。
【0004】
枠体Aの内腔に懸架する穀粒袋Bは、合成樹脂材よりなるシートまたは布地により、上部側が前後左右の四つの面を具備する略長方形の角筒状で、底部側が四つの各面の巾を下方に向かい次第に狭くした漏斗状となる形状に形成し、角筒状に形成した上部側の各面の外面側には、前述のビームaを嵌挿せしめる鞘袋状の筒部60を、それぞれ上下に多段に並列させて形成しておき、漏斗状とした底部側の下端に形成せる袋Bの下口には、図3に示しているように、鉄板よりなる略方形の枠金状の口枠61をネジ62により組付け止着しておく。
【0005】
そして、この穀粒袋Bを枠体Aに対して懸架状態とする装着は、穀粒袋Bの下口に設けた枠金状の口枠61を、枠体Aのベース1の上面の略中央部位に設けた組付座11にネジにより組付けセットし、穀粒袋Bの上部側の各面の外面に設けてある鞘袋状の筒部60に、それぞれ、ビームaを挿通して、そのビームaごと穀粒袋Bの上部側を持ち上げ、鞘袋状の筒部60から突出しているビームaの両端部を、継柱4の上端に設けた接続金具3に嵌め込み止着することで行うようにしている。
【0006】
この穀粒袋Bの枠体Aに対する懸架装着に際し、ビームaを、多段に並列する鞘袋状の筒部60に対し挿通するときの選択は、枠体Aをトラックの荷台に載架してトラックの走行により穀粒の運搬を行うときの、納屋の入口の高さとの関係により、設定した継柱4の突出高さから、それに対応する高さ位置の筒部60を選択して行う。
【0007】
このようにして構成する穀粒運搬用のコンテナCを用いて行う穀粒の運搬作業は、図1にあるように、穀粒袋Bを懸架装着した枠体Aを、トラックTの荷台上に載架して、そのトラックTの運転走行により、圃場において収穫作業を行っているコンバインの隣側に位置させ、コンバインの揚穀筒から放出される穀粒を、枠体Aに懸架した穀粒袋Bの上面側の開放口から受入れ、これを、トラックTの走行により収納舎内に設置してある穀粒乾燥機の隣側位置に運び、そこで、コンテナCの、台枠状のベース1の内腔に、受入口を、穀粒袋Bの下口に装着した枠金状の口枠61の下面側の開放口と接続せしめて、その開放口中心に水平な面に沿い旋回自在に組付けてある穀粒搬送機7に、穀粒搬送筒70を接続して、それの作動によって、接続した穀粒搬送筒70により穀粒を搬出させ、それを、穀粒乾燥機の張込ホッパに投入して、その穀粒乾燥機の機内に張り込むように用い、また、穀粒乾燥機で乾燥した穀粒を、枠体Aに懸架した穀粒袋Bに受入れ、トラックTの運転走行により穀粒貯蔵施設に運搬するように用いる。
【0008】
このように用いられる穀粒運搬用のコンテナは、それの使用が、穀粒が収穫される収穫期だけで、シーズンを終えたときは、折畳んで、収納舎に格納される。
【0009】
このときの、穀粒運搬用のコンテナCの折畳みは、枠体Aに懸架した穀粒袋Bの開放口の口縁部位に設けた筒部60に挿通している4本のビームa…を抜き取って、穀粒袋Bの懸架を解放し、次いで、枠体Aの四隅の枠柱2間に桁材として渡架してある4本のビームaを取り外し、次いで、四隅の枠柱2を抜き取って、枠体Aを、ベース1と枠柱2と8本のビームaとにばらし、穀粒搬送筒70を抜き取った穀粒搬送機7が組付けてあるベース1の上面に穀粒袋Bを畳み込み、その上にばらした枠柱2および8本のビームaを重ね、紐により緊縛することで、折畳み作業を終え、それを収納舎に格納することで行っている。
【0010】
この穀粒運搬用のコンテナには、穀粒の収穫シーズンを終えた不使用時に格納するときに、8本のビームを枠体および穀粒袋から外して行う折畳み作業が、手間がかかって厄介な問題がある。特に、桁材とする4本のビームaの枠柱2からの取り外しが、止めネジを抜き取る作業を伴うことで面倒な問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明において解決しようとする課題は、格納するときの折畳み作業を簡略化することのために、枠体の四隅の枠柱を、前後または左右に対をなして相い隣なる2本の枠柱が、一体的に結合する2本一組の枠柱となり、それが、前後または左右に一対に対向するようにして、これら一対に対向する2本一組の枠柱を、それぞれ対向する側に向け倒伏回動自在にベースに組付け、それらの倒伏回動によりベース上に折畳むようにするときに、その折畳みが、穀粒袋を懸架した状態で行えるようにすることと、懸架する穀粒袋の上面側の開放口を開口状態に保持するための4本のビームを、枠体を構築するために四隅の枠柱間に渡架する桁材の4本のビームに兼用させて、ビームの本数を半減させるようにするときに、そのビームの枠体に対する渡架・組付けが、止めネジを用いることなく、構築する枠体の強度を充分に保持せしめた状態で行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するための手段として、本発明においては、請求項1に記載したように、背の低い四角な台枠状に組立てたベース1の四隅のベース柱10の各上端側に、枠柱2の下端側を、ベース1の上面に向かう方向の回動を自在にヒンジ12を介し接続して、その枠柱2とベース1との間に係脱自在に渡架するひ打ち梁により直立する姿勢に保持せしめるとともに、これら枠柱2の各上端側には、継柱4の下端側を、それぞれ突出高さを可調に嵌装して接続し、それら継柱4の各上端側には、相い隣なる継柱4間に渡架するビームaの各端部を嵌合して連結せしめるチャンネル状の接続金具3をそれぞれ設け、これら接続金具3を介し、4本の継柱4の相い隣なる間にそれぞれ一本ずつビームaを渡架して、立方体状の枠体Aを組立て、この枠体Aに、合成樹脂材のシートまたは布地により、上部側が四角な角筒状で、下部側が漏斗状をなし、角筒状の上部側の外面側における前後左右の各面に、前記ビームaを嵌挿せしめる鞘袋状の筒部60を、上下に多段に並列させて設けた穀粒袋Bを、枠体Aの継柱4間に渡架する四本のビームaのそれぞれを該穀粒袋Bの筒部60に対し嵌挿しておくことにより懸架せしめてなる穀粒運搬用のコンテナを提起するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明による穀粒運搬用のコンテナは、枠体Aのベース1の四隅に立設する枠柱2…を枠体Aを組立て構成するよう連結保持させるための桁材とするビームaと、懸架する穀粒袋Bの上面側の開放口を開口状態に保持するために、穀粒袋の開口縁の外面側に装設した鞘袋状の筒部60に嵌挿して、枠柱2の上端側に高さ調節自在に接続した継柱4間に渡架するビームaとを、兼用させ、かつ、筒部60に挿通する4本のビームaは、2本一組の枠柱2間に対して渡架する2本のビームaを、筒部60に挿通して継柱4の上部に設けた接続金具3に連結した状態のままに残して、他の2本のビームaだけを抜き取り、その状態で前記2本一組の枠柱2を、対向する側に折畳むことにより枠体Aを折畳んでいくことから、2本のビームaを取り外すだけで枠体Aの折畳み作業が行え、しかも、ビームaを枠柱2に対して渡架連結する接続金具3が、止めネジを使用しない嵌め込み式として充分な強度を発揮するようにしていることで簡単に取り外せるので、折畳み作業が著しく簡単に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施の態様を、実施例につき図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0015】
図4は本発明手段を実施せる穀粒運搬用のコンテナの側面図、図5は同上コンテナの後面図である。図において、Aは枠体、Bはこれに懸架した穀粒袋、Cは組立てられた穀粒運搬用のコンテナを示す。
【0016】
枠体Aは、鉄板等の金属材の折曲加工により成形した枠材により、床面積がトラックTの荷台t上に載置し得る広さで、四隅にベース柱10を具備する背の低い前後に長四角な台枠状のベース1を組立て、それの四隅のベース柱10の上端側に、それぞれ、枠柱2の下端側を、前後または左右の何れか一方の回動を自在に軸着連結して、ベース1と枠柱2との間に渡架するひ打ち梁5により直立する状態に保持せしめ、それら4本の枠柱2の各上端部には、別に形成しておく継柱4を、枠柱2からの突出高さを可調に嵌装して接続し、その継柱4の各上端側に、相い隣なる継柱4の面と外面との2つの面に、ビームa接続用の接続金具3を設け、この接続金具3を介し4本のビームaを、四隅の継柱4の、相い隣なる継柱4と継柱4との間に渡架して組付けることで、前後に長四角な中空の立方体状に組立ててある。
【0017】
穀粒袋Bは、合成樹脂材のシートまたは布地を裁断し縫製することで、上部側が前述の枠体Aの内腔の、平面視における内面形状に対応する形状の角筒状で、下部側が、前後・左右の四つの壁面のそれぞれ下方に向け次第に巾狭まとした漏斗状をなし、底部に下方に開放する開口63を具備する形状に成形し、それの下口の開口63には、四角な枠金状の口枠61を取付け、角筒状をなす上部側の外面側には、ビームaを挿通することで、上面側の開放口を開口状態に保持せしめた鞘袋状の筒部60が、四つの壁面のそれぞれに、上下に多段に並列するように装設してある。
【0018】
この穀粒袋Bの枠体Aに対する懸架・装着は、穀粒袋Bの底部の開口63の口縁に設けた口枠61を、枠体Aのベース1の上面側の中央部位に設けた組付座11に組付け、その組付座11の下面側にセットしておく穀粒搬送機7の受入口に、底部の開口63が接続連通する状態としておいて、穀粒袋Bの上部側の外周面に多段に並列させて設けた鞘袋状の筒部60に対し、枠体Aの枠柱2の上端側に接続した継柱4の上端部間に渡架して組付けるビームaを、それの渡架・組付けの前に、並列する筒部60…から選択した筒部60に挿通して、そのビームaの筒部60から突出する端部を、継柱4の上端部に設けた接続金具3に嵌装してビームaを継柱4間に渡架することによって行われるようにしてあり、これにより、枠体Aの組立てと、穀粒袋Bの懸架とが、同時に行われるようになる。
【0019】
この枠体Aに穀粒袋Bを懸架して構成する穀粒運搬用のコンテナCを、穀粒の収穫期が終えたときに、格納するために行う枠体Aの折畳みは、穀粒袋Bの上端側の四周の外面側に設けた鞘袋状の筒部60に挿通した4本のビームaの中の、前後または左右の2面に位置する2本のビームaを残すことで、穀粒袋Bが、枠体Aの四隅の枠柱に対し連繋している状態において、枠柱2の折畳み回動により、穀粒袋Bごとベース1上面に畳み込んでいくことで行われるようにしている。
【0020】
ベース1の四隅のベース柱10の各上端側にヒンジ12を介し折畳み回動自在に立設しておく四本の枠柱2は、前後方向または左右方向に一対に並列する一方の2本一組の枠柱2・2が、それぞれ、対面する他の2本一組の枠柱2・2に向けての倒伏回動が自在になるように軸支する。
【0021】
図示する実施例について具体的に云えば、枠体Aを平面視において、前後に長い長四角の立方体状に組立て構成しているこの実施例においては、図6にあるように前面側(図において左面側)の左右の両隅にそれぞれ位置して左右に並列する2本の枠柱2c・2dを、対向する他方の一組の枠柱として、前面側の左右に一対に並列する2本の枠柱2a・2bにあっては、それらが連結杆20により一体的に組み合わされた状態において、後面側の左右に一対の枠柱2c・2dに対面する方向となる後方に向けての倒伏回動が自在となるように、ベース柱10・10に対し、左右方向に沿う横方向のヒンジ12により前後方向にのみ回動するよう軸着連結し、かつ、そのベース柱10・10には、枠柱2a・2bが直立する姿勢となった状態において、その直立姿勢からのヒンジ12中心とする前方への回動を阻止するストッパ13を設けておき、これにより、直立姿勢から後方への回動だけが許容されるようにする。
【0022】
後面側の左右に一対に並列する左右の枠柱2c・2dにあっては、後面側の左右に一対のベース柱10・10の上端部に対し、左右方向に沿う横方向のヒンジ12により、前後方向にのみ回動するように軸着連結し、かつ、直立する姿勢からの後方への回動を阻止するストッパ13をベース柱10・10に設けておき、これにより、直立する姿勢から、前面側の一組の枠柱2a・2bに対面する方向となる前方への回動のみが許容されるようにしておく。
【0023】
そして、これらの一組ずつに連結している枠柱2a・2bと枠柱2c・2dは、それぞれ直立した姿勢とした状態において、ベース1と枠柱2との間に係脱自在に渡架するひ打ち梁5により直立する姿勢に保持せしめるようにしている。
【0024】
従って、組立てられた枠体Aの、枠柱2の折畳み回動は、ベース1と枠柱2間に渡架したひ打ち梁5を取り外して、枠柱2のヒンジ12中心とする回動が許容される状態として行う。
【0025】
この前面側の一組の枠柱2a・2bおよびこれと対面する後面側の一組の枠柱2c・2dの折畳み回動は、枠柱2の上端側に接続した継柱4間に渡架してある四本のビームaの中の、前面側と後面側とに位置する2本のビームaを残し、左面側と右面側に位置する2本のビームaを取り外した状態として行う。
【0026】
このことから、穀粒袋Bは、それの上部側の開口部の、前縁側と、後縁側とが、残したビームaを介して枠体Aに懸架された状態で、それぞれ、一組に組み合わされている前面側の枠柱2a・2bと後面側の枠柱2c・2dとともに、ベース1の上面に折畳まれる。
【0027】
このとき、折畳む、前面側の枠柱2a・2bおよび後面側の枠柱2c・2dは、それらに接続してある継柱4を含めた高さ寸法が、ベース1の前後の巾寸法の半分よりも大きく、そのため、折り畳んだときに互いに干渉するようになるときは、先に折畳む側の枠柱2(この実施例においては後面側の枠柱2c・2d)を軸支するヒンジ12の位置を、後から折畳む側の枠柱2a・2bを軸支ヒンジ12の位置よりも、枠柱2の前後方向の巾寸法分低く位置させておき、先に折畳んだ枠柱2c・2dの上に、後から折畳む枠柱2a・2bが重合して折畳まれるようにしてある。
【0028】
ここで、この枠体Aを折畳む作業の工程を、図示する実施例について説明する。図7に示している状態のコンテナCから、まず、枠体Aの左右の両側面の上端側に、渡架してあるビームaの前後の両端部と、継柱4に装設してある接続金具3との連結を外して、そのビームaを、穀粒袋Bの鞘袋状の筒部60から抜き取って取り外す。
【0029】
これにより穀粒袋Bは、それの上面側の開口部の前後の口縁部が、前面側および後面側のビームaにそれぞれ懸架して支承されることで、その口縁部の前後の中間部がたるむ図8に示す状態となる。
【0030】
次いで、後面側の枠柱2とベース1との間に斜めに渡架したひ打ち梁5の上端側と枠柱2に設けた掛留金具50との連結を解除して、ひ打ち梁5を、それの下端側とベース1とを回動自在に連結する連結軸51中心に図8において反時計回りに回動させて、ベース1の側面に格納し、このひ打ち梁5による後面側の枠柱2の支持を開放し、この状態において、この後面側の枠柱2をベース1の上面に向け折畳み回動させ、図9に示す状態とする。
【0031】
次に、前面側の枠柱2とベース1との間に斜めに渡架したひ打ち梁5の上端側を、枠柱2に設けた掛留金具50から外して、そのひ打ち梁5を、連結軸51中心に時計回りに回動させて、ベース1の側面に格納し、この状態において枠柱2をベース1の上面に向け回動させ、図10に示す状態とし、枠体Aの折畳み作業を終了する。
【0032】
枠体Aを組立て、それに穀粒袋Bを懸架するために、穀粒袋Bの外周面の鞘袋状の筒部60に嵌挿して、枠柱2の上端側に、接続した継柱4間に渡架するビームaを連結・固定するよう継柱4に設ける接続金具3は、枠体Aを格納するときの、ビームaの取り外しを容易にするために、図11にあるように、金属板を、内腔にビームaの端部が嵌入するチャンネル状に成形して、継柱4の壁面に、図12にあるように上方が開放する姿勢として、そのこぐちを突き当てて溶接するか、一方の側壁面を図15にあるように継柱4の外面側の壁面に突き当てて溶接することで、継柱4の壁面に固定装着し、かつ、それの内面側には、底壁30または、枠体Aの内腔側に位置する内側の側壁31の内面に、ビームaの周壁に開設しておく嵌合穴bに対して嵌合する係止ピン32を植設しておき、さらに、このチャンネル状の接続金具3の内腔に、ビームaの端部が嵌め込まれて、そのビームaの周壁に開設した嵌合穴bと係止ピン32とが嵌り合った状態において、そのビームaの端部をこのチャンネル状の接続金具3の内腔に押さえ込むバネ材よりなる押さえ片33を、このチャンネル状の接続金具3の周壁の開放側の端縁部に組付けておいて、ビームaを組付けるときには、押さえ片33をバネの付勢に抗して押し拡いた状態としてビームaを嵌め込み、嵌め込んだところで押さえ片33の押し拡きを開放して、押さえ片33がバネの付勢によりビームaを接続金具3内に押さえ込むようにし、また、ビームaを取り外すときは、押さえ片33を押し拡いて、ビームaを接続金具3の内腔から抜き出すことで行うようにし、これによりビームaの脱着が、ネジ・ボルトの装脱の操作を要することなく手早く行えるようにしている。
【0033】
このチャンネル状の接続金具3を用いて行うビームaの枠体Aに対する組付けは、穀粒の運搬作業中にあっては、枠体Aに懸架した穀粒袋B内の穀粒の重量により、ビームaを枠体Aの内側の下方に向けて引き込む荷重が働くことで、ビームaは、それの周壁に設けた嵌合穴bが接続金具3に植設してある係止ピン32に差し込まれるように動く力を受け、かつ、接続金具3の内壁面に押し付けられるようになり、これにより、ビームaは接続金具3に対し強固に連結し、枠体Aの組立てを適確に補強する梁として機能するようになる。
【0034】
また、穀粒の運搬を終えて、空荷でトラックTの走行により移動するときは、穀粒袋B内の穀粒の重量による荷重が、ビームaにかからないことで、走行中の揺動によりビームaの端部が接続金具3から脱出してくるようになる。このとき、押さえ片33のバネの付勢による押さえ込みで、ビームaの周壁に開設した嵌合穴bが係止ピン32から脱出するのを阻止して、ビームaを接続金具3に連結した状態に保持するよう機能する。
【0035】
次に図16、図17は、本発明による穀粒運搬用のコンテナCの、枠体Aに懸架した穀粒袋B内の穀粒を、ベース1に組付けた穀粒搬送機7により排出させるときに、平面視において、前後に長四角に成形してある穀粒袋Bの、漏斗状に形成した下部側における前面側と後面側の傾斜の緩い壁面上に残るようになる穀粒を、きれいに開口63に流下させて排出させるための手段を示している。
【0036】
この手段は、穀粒袋Bの下部側の前面側と後面側の各壁面80・81の、上下方向における中間部位の内面に、布地よりなる帯状または紐状の係止片90を、それぞれ横方向に沿わせて当接し、それの両端部位を各壁面に対して係着することで、中間部が壁面80から浮いた引手状をなす形態にしておき、別に、ゴム紐またはコイルバネ等の伸縮する弾性紐状体91を、前述の前面側と後面側の壁面80・81にそれぞれ取り付けた帯状または紐状の係止片90と係止片90との間の距離より短い長さ寸法に形成して、その弾性紐状体91の両端部に、それぞれフック92を取付け、そのフック92を、弾性紐状体91を引き伸ばしながら前記係止片90・90にそれぞれ引き掛けて、前面側の壁面80と後面側の壁面81とを弾性紐状体91の弾性により互いに近づけ、それにより前後の壁面80・81の傾斜角度を急にし、残粒が、傾斜の急な左右の壁面82・82上を流下する穀粒と共に穀粒袋Bの底部の開口63に流下していくようにする。
【0037】
そして、この弾性紐状体91は、穀粒の収穫期が終わり、穀粒運搬用のコンテナCを収納舎に格納するときに、穀粒袋Bの内面に係着してある係止片90からフック92を外して取りのけておき枠柱2・2を折畳んだ状態の枠体Aの外面の適宜の個所にフック92を掛け、その枠体Aの外面に、伸長させて係止し、緊縛状態とすることで、枠体Aを折畳まれた状態に梱包するように使用する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】従前の穀粒運搬用のコンテナの、トラックの荷台上に載架した状態における斜視図である。
【図2】同上のコンテナの枠体の組立途上における斜視図である。
【図3】同上の、穀粒袋の底部側の縦断側面図である。
【図4】本発明による穀粒運搬用のコンテナの、側面図である。
【図5】同上のコンテナの後面図である。
【図6】同上のコンテナの枠体の組立途上の側面図である。
【図7】同上コンテナの折畳み作業を説明する側面図である。
【図8】同上コンテナの、枠体から左右のビームを取り除いた状態の側面図である。
【図9】同上のコンテナの枠体の、後面側の枠柱を折畳んだ状態の側面図である。
【図10】同上コンテナの枠体の、前面側と後面側の枠柱とを折畳んだ状態の側面図である。
【図11】同上コンテナの枠体の四隅の継柱の上部に装設しておくビーム接続用の接続金具の正面図である。
【図12】同上コンテナの同上接続金具を継柱に取付けた状態における斜視図である。
【図13】同上コンテナの同上状態の接続金具にビームの端部を嵌挿した状態における一部破断した斜視図である。
【図14】同上コンテナの接続金具の別の実施例の継柱に取付けた状態の斜視図である。
【図15】同上コンテナの同上実施例の接続金具の、ビームの端部を嵌挿させた状態における一部破断した側面図である。
【図16】同上コンテナの、弾性紐状体を使用する前の状態における斜視図である。
【図17】同上コンテナの、弾性紐状体を張架した状態における斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
A…枠体、B…穀粒袋、C…コンテナ、T…トラック、a…ビーム、b…嵌合穴、t…荷台、1…ベース、10…ベース柱、11…組付座、12…ヒンジ、13…ストッパ、2…枠柱、2a・2b・2c・2d…枠柱、20…連結杆、3…接続金具、30…底壁面、31…側壁面、32…係止ピン、33…押さえ片、4…継柱、5…ひ打ち梁、50…掛留金具、51…連結軸、60…筒部、61…口枠、62…ネジ、63…開口、7…穀粒搬送機、70…穀粒搬送筒、80…前面側の壁面、81…後面側の壁面、82…左右の壁面、90…係止片、91…弾性紐状体、92…フック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背の低い四角な台枠状に組立てたベース1の四隅のベース柱10の各上端側に、枠柱2の下端側を、ベース1の上面に向かう方向の回動を自在にヒンジ12を介し接続して、その枠柱2とベース1との間に係脱自在に渡架するひ打ち梁により直立する姿勢に保持せしめるとともに、これら枠柱2の各上端側には、継柱4の下端側を、それぞれ突出高さを可調に嵌装して接続し、それら継柱4の各上端側には、相い隣なる継柱4間に渡架するビームaの各端部を嵌合して連結せしめるチャンネル状の接続金具3をそれぞれ設け、これら接続金具3を介し、4本の継柱4の相い隣なる間にそれぞれ一本ずつビームaを渡架して、立方体状の枠体Aを組立て、この枠体Aに、合成樹脂材のシートまたは布地により、上部側が四角な角筒状で、下部側が漏斗状をなし、角筒状の上部側の外面側における前後左右の各面に、前記ビームaを嵌挿せしめる鞘袋状の筒部60を、上下に多段に並列させて設けた穀粒袋Bを、枠体Aの継柱4間に渡架する四本のビームaのそれぞれを該穀粒袋Bの筒部60に対し嵌挿しておくことにより懸架せしめてなる穀粒運搬用のコンテナ。
【請求項2】
継柱4の上端側に装設するビームa接続用の接続金具3を、金属材により、内腔にビームaの端部が嵌入するチャンネル状に成形して、それのこぐちを継柱4の外壁面に突き当てて溶接により継柱4に装設し、かつ、底壁面30または枠体Aの内部に向かう側の側壁面31に、ビームaの周壁に開設した嵌合穴bに嵌合する係止ピン32を植設しておくことを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬用のコンテナ。
【請求項3】
穀粒袋Bの前面側の壁面80と後面側の壁面81との間に、それら壁面80と壁面81とを互いに引き寄せる伸縮する弾性紐状体91を、取り外し自在に渡架しておくことを特徴とする請求項1記載の穀粒運搬用のコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−246145(P2007−246145A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74015(P2006−74015)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(390027155)
【Fターム(参考)】