説明

穀類のCOD測定システム、COD測定装置及びCOD測定方法

【課題】本発明は、精米等のとぎ汁のCOD測定を簡略な操作にて自動的、且つ、迅速に行うことが可能なCOD測定装置を提供する。
【解決手段】本発明のCOD測定装置は、装置本体2に設けた精米等の穀類試料を定量供給する試料供給手段31と、水を供給する水供給手段11と、水の温度を測定する温度測定手段91と、装置本体2に設けた空気を供給する空気供給手段21と、水、空気雰囲気下で、定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽41と、撹拌槽41にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段51と、調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セル61と、試料セル61内のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う計測手段71と、計測手段71からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段111と、計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段81と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精米等の穀類のCOD測定システム、COD測定装置及びCOD測定方法に関するものである。ここでCODとは、所定量サンプリングした精米等を一定量の水にいれて振とうした後の該精米等のとぎ汁水溶液中の化学的酸素要求量のことをいう。
【背景技術】
【0002】
精米や無洗米等のとぎ汁中の固形物総量と化学的酸素要求量(COD)を測定することは、米の品質判定の一つの指標として有益である。
【0003】
普通の精米や無洗米等のとぎ汁中の固形物総量及びCODの測定結果に関しては、図10に示すようなものが知られている(国民生活センター、平成14年6月6日発表)。
図10に示す試験結果は、同センターの平成13年10月から平成14年2月までの期間による普通の精米30点と無洗米75点に関するものである。
【0004】
図10に示す普通の精米と無洗米のとぎ汁中の固形物総量測定結果によれば、普通の精米のとぎ汁中の固形物総量は、1.81g/100g(試料米100gに対して、とぎ汁中の固形物総量1.81g)であり、無洗米のそれは0.65g/100gである。
また、図10に示す測定結果によれば、普通の精米と無洗米について、米の重量に対して6倍量の水で1分間振とうして得られた白濁度(とぎ汁)のCODを測定した結果によると、無洗米のCODは503mmg/Lとなり、普通の精米のCOD(1142mg/L)と半分以下であることが明らかである。
【0005】
ところで、米のとぎ汁中の固形物総量とCODを測定することは、上述したように米の品質判定の一つの指標となるが、従来から行われているCODの過マンガン酸カリウム法による定量(酸性高温過マンガン酸法による定量)には、専門的知識と技術的熟練度を必要とし、迅速性にも欠けるという問題がある。
【0006】
また、従来知られているCOD測定器のおいては、振とう器若しくは手研ぎにて米のとぎ汁を調製し、濁度試験等の試料としているが、振とう器を用いる場合、機材が比較的場所を取り、ガラス器具の取り扱い、洗浄作業等に手間や時間を要する。また、手研ぎによるとぎ汁の試料調製では、個人差が出易い。更にまた、従来のCOD測定器では、通常試料の懸濁物質を除去し、更に試料を試料セルに移す作業に手間や時間を要するものが多い。更に、薬品を用いるCOD測定器では、薬品を取り扱う手間がかかり、しかも測定後の薬品を工業廃棄物として処分しなければならないという問題を包含している。
【0007】
特許文献1には、測定の自動化を目的として、試料を過マンガン酸カリウムで酸化させ、酸化反応で消費される過マンガン酸カリウム量を電量滴定法で測定するCOD計測器が開示されている。このCOD計測器の場合、試料温度を所定時間加熱し、その後冷却して試料温度が所定温度に低下したときに電量滴定を開始するように構成したものであり、やはり専門的知識と技術的熟練度を必要とするという問題を包含している。
【特許文献1】特開2001−281220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
精米等のとぎ汁の調製からCOD測定、とぎ汁の廃棄処理までを簡略な操作にて自動的、且つ、迅速に行うことが可能な信頼性の高い穀類のCOD測定システム、測定装置、測定方法が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の穀類のCOD測定装置は、装置本体と、装置本体に設けた穀類試料を定量供給する試料供給手段と、装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、撹拌槽にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セルと、試料セル内のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、計測手段からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算手段と、計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、以下の効果を奏する。
請求項1、2記載の夫々の発明によれば、精米等のとぎ汁の調製からCOD測定、とぎ汁の廃棄処理までを簡略な操作にて自動的、且つ、迅速に行うことが可能な信頼性の高い穀類のCOD測定システムを提供できる。また、測定温度でのCOD値及び20℃換算のCOD値を測定できる穀類のCOD測定システムを提供できる。
【0011】
請求項3乃至5記載の夫々の発明によれば、精米等のとぎ汁の調製からCOD測定、とぎ汁の廃棄処理までを簡略な操作にて自動的、且つ、迅速に行うことが可能な信頼性の高い穀類のCOD測定システムを提供できる。また、とぎ汁の濁度や測定温度でのCOD値及び20℃換算のCOD値を測定できる穀類のCOD測定システムを提供できるとともに、試料セルの自動や手動での洗浄、穀類試料の廃棄も容易な穀類のCOD測定装置を提供できる。
【0012】
請求項6乃至8記載の夫々の発明によれば、精米等のとぎ汁の調製からCOD測定、とぎ汁の廃棄処理までの一連の工程を簡略に実行でき、とぎ汁の濁度や測定温度でのCOD値及び20℃換算のCOD値を容易に測定可能であり、試料セルの自動や手動での洗浄工程、穀類試料の廃棄工程も簡略な穀類のCOD測定方法を提供できる。
【0013】
請求項9記載の発明によれば、調製済みのとぎ汁を使用して、COD測定、とぎ汁の廃棄処理までの一連の工程を簡略に実行でき、とぎ汁の濁度やCOD値を容易に測定可能であり、試料セルの自動や手動での洗浄工程、穀類試料の廃棄工程も簡略な穀類のCOD測定方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、精米等のとぎ汁の調製からCOD測定、とぎ汁の廃棄処理までを簡略な操作にて自動的、且つ、迅速に行うことが可能な信頼性の高い穀類のCOD測定装置を提供するという目的を、装置本体に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給手段と、装置本体に設けた水を定量供給する水供給手段と、水供給手段により供給する水の温度を測定する温度測定手段と、装置本体に設けた空気を定流量定時間供給する空気供給手段と、前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、撹拌槽にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セルと、試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、計測手段からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段と、計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、を有する構成により達成した。
【実施例】
【0015】
以下に本発明の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例に係る穀類のCOD測定システムの構成を示すものであり、このCOD測定システムは、精米等の穀類試料を定量供給する試料供給系201と、水を定量供給する水供給系202と、空気を定流量定時間供給する空気供給系203と、供給される水、空気雰囲気下で定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌系204と、撹拌系204にて曝気懸濁された穀類試料をフィルタ処理し穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製系205と、穀類のとぎ汁を収納する収納系206と、穀類のとぎ汁に対して2波長光、すなわち、紫外光及び可視光による吸光度計測を行う計測系207と、計測系207による計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算系208と、計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄系209と、を有している。
なお、本発明では、前記穀類試料のフィルタ処理は必ずしもこれを必要とするものではなく、穀類試料をフィルタ処理せずに本COD測定システムを実施することができる。
【0016】
本実施例に係る穀類のCOD測定システムにおいて、前記水供給系202に温度測定機能を含ませ、撹拌系204に供給する水の温度測定を行うとともに、COD演算系208において前記計測系207からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁の前記水の測定温度におけるCOD値及び20℃に換算した補正COD値を求める構成とすることも可能である。
【0017】
次に、本実施例に係る穀類のCOD測定システムを実現する穀類のCOD測定装置1について、図2乃至図7を参照して説明する。
本実施例のCOD測定装置1は、図2、図3に示すように、例えば矩形状の基体3、底部支持体4及び中間支持体5を備え装置本体2と、装置本体2に設けた測定用の水を定量供給する前記水供給系202を構成する水供給手段11と、装置本体2に設けた空気を定流量定時間供給する前記空気供給系203を構成する空気供給手段21と、装置本体2に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する前記試料供給系201を構成する試料供給手段31と、を有している。
【0018】
また、前記装置本体2には、前記水供給手段11、空気供給手段21から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段31から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う前記撹拌系204構成する撹拌槽41と、この撹拌槽41の下部に装脱可能に設けられ、曝気懸濁された穀類試料をフィルタ処理し穀類のとぎ汁を得る前記とぎ汁調製系205を構成するとぎ汁調製手段51と、このとぎ汁調製手段51にて調製した穀類のとぎ汁を収納する装脱可能な前記収納系206を構成する石英ガラス製の試料セル61と、試料セル61内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測系207を構成する計測手段71と、計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する前記廃棄系209を構成する廃棄手段81と、を組み込んでいる。
なお、前記水供給手段11は水の温度を測定する温度測定手段91を備えている。
【0019】
このような本実施例の穀類のCOD測定装置1は、図2に示すように、操作ユニット101を具備し、この操作ユニット101に、図7に示すように、前記COD演算系208を構成するCOD演算手段111、各種データを記憶するRAM等の記憶部112、各種データを表示する液晶ディスプレイ等のような表示部113、テンキー、スタートキー、ストップキー等の各種操作キーを搭載した操作部114を組み込んでいる。
【0020】
次に、上述した本実施例の穀類のCOD測定装置1の各要素について更に詳述する。
前記水供給手段11は、装置本体2の中間支持体5上にウォーターポンプ12を配置するとともに、このウォーターポンプ12に対して下部給水管13を介して給水タンク14を接続している。
また、ウォーターポンプ12の上方位置には基体3に対して水を定量供給するための定量タンク16を取り付け、ウォーターポンプ12と定量タンク16とを上部給水管15により接続している。
更に、定量タンク16には、前記温度測定手段91を構成する温度センサ92と、定量タンク16内の水のレベルを計測するレベルセンサ93とを組み込んでいる。前記水供給手段11は、更に定量タンク16の下部にウォーターバルブ18を備えている。ウォーターバルブ18の先端は、前記撹拌槽41内に臨ませている。
【0021】
前記空気供給手段21は、装置本体2の中間支持体5上にエアーポンプ22を配置するとともに、このエアーポンプ22の吐出口に接続した空気管23の他端側を前記撹拌槽41の上部に接続し、撹拌槽41内に空気を定流量定時間供給するように構成している。
【0022】
前記試料供給手段31は、撹拌槽41の上部からその内部に定量した精米等の穀類試料を投入するための投入口32を備えている。
【0023】
前記撹拌槽41は、前記基体3に取り付けられ、前記水供給手段11から供給される水、空気供給手段21のエアーポンプ22から空気管23、ノズル兼撹拌槽バルブ24を経て供給される空気の共存雰囲気下で、前記投入口32から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行い穀類試料の懸濁液を得るようになっている。
これにより、プロペラやスターラーを用いることのない簡略な構成で、短時間で、且つ、ばらつきの出にくい懸濁液を得ることができる。
【0024】
前記とぎ汁調製手段51は、撹拌槽41の下部に装脱可能に設けられたフィルタ52を備え、撹拌槽41にて曝気懸濁された穀類試料をフィルタ処理し、穀類のとぎ汁を調製して下方に設けた流路配管53内を流下させるようになっている。
フィルタ52上に残る穀類試料は、このフィルタ52を撹拌槽41の下部から取り外すことにより、容易に廃棄処理することができる。
【0025】
前記流路配管53の下部には、この流路配管53を流下してくる穀類のとぎ汁を収納し、且つ、下方に流出可能に構成した光を透過可能な石英ガラス製の試料セル61を配置している。試料セル61は、図4、図5、図6に示すように破損防止用のプロテクタ62を備えるとともに、基体3に設けた図3に示す保持機構64に対して装脱可能に取り付けられている。図3中の符号17はノズル兼撹拌槽バルブ駆動部であり、符号63はシャッター開閉機構である。
なお、本発明は、この実施例で図示し説明する試料セル61、プロテクタ62、シャッター開閉機構、保持機構64の構成に限定されるものではない。本発明においては、試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行うように構成できる前記計測手段71を実現できるものであれば、この実施例で図示し説明する試料セル61、プロテクタ62、シャッター開閉機構、保持機構64の構成以外の構成で実施できることは勿論である。
【0026】
前記計測手段71は、試料セル61内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行うように構成している。すなわち、計測手段71は、図2及び図7に示すように、可視光発光部73と受光部74、紫外光発光部75と受光部76とを前記試料セル61を挟んで対向させている。
そして、試料セル61内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行うようになっている。前記可視光としては、波長610nmの光を、前記紫外光としては波長254nmの光を用いる。
【0027】
前記試料セル61、計測手段71の下部には、前記廃棄手段81を配置している。
この廃棄手段81は、前記試料セル61の下部に上端を接続し、基体3の中間支持体5、底部支持体4を貫いて下方に垂下した廃棄配管82と、基体3に取り付けた電磁ソレノイドを用いた排出バルブ駆動部83と、排出バルブ駆動部83により駆動される図3に示す回動部材84と、廃棄配管82に当接させたバルブ片85と、廃棄配管82の下端に接続した廃水タンク86と、を具備し、排出バルブ駆動部83により回動部材84を動作させることによる廃棄配管82の圧縮、解放によって計測済みの穀類のとぎ汁の廃水タンク86への流下、流下停止を行うようになっている。
【0028】
図7は、本実施例のCOD測定装置1の制御系を示すものであり、本実施例のCOD測定装置1は全体の制御を行う制御部100を具備し、この制御部100によって、前記ウォーターポンプ12、ウォーターバルブ18、エアーポンプ22、ノズル兼撹拌槽バルブ24、可視光発光部73、受光部74、紫外光発光部75、受光部76、排出バルブ駆動部83、温度センサ92、レベセンサ93、前記COD演算手段111、記憶部112、表示部113、操作部114の各要素に対する動作制御、要素からの信号受信等を行うようになっている。
【0029】
次に、上述した本実施例のCOD測定装置1を使用した穀類のCOD測定方法について、図8を参照して説明する。
【0030】
最初に穀類試料を手動にて計量する(ステップS1)。次に、計量した穀類試料の前記投入口32からの投入(ステップS2)、更にウォーターバルブ18を動作させ、前記ウォーターポンプ12を始動させ、給水タンク14から水を定量タンク16へ給水し、ノズル兼撹拌槽バルブ24を閉じてウォーターバルブ18から前記撹拌槽41内への定量の水の供給、及びエアーポンプ22を動作させ、空気管23、ノズル兼撹拌槽バルブ24を経ての前記撹拌槽41内への空気の供給を行う(ステップS3)。
このとき、前記定量タンク16内の水の温度を前記温度センサ92により測定し、測定信号を制御部100へ送信する。
制御部100は、前記受信した測定信号を記憶部112に記憶させる。この場合、給水タンク14へ入れる水として好ましくは硬度一定又は0に近い純水を用いることで、一層高い測定精度を保つことが可能となる。すなわち、使用する水の硬度によってはカルシウムイオン、マグネシウムイオンの存在によりとぎ汁調製の際に懸濁液の程度が変化するものと考えられ、測定精度に悪影響を与えることになるが、硬度一定又は0に近い純水を用いることで、繰り返して行う測定の際の懸濁液の程度の変化を抑えることができる。
【0031】
このようにして穀類試料、定量の水、空気が供給された撹拌槽41においては、水、空気雰囲気の中で穀類試料の曝気懸濁が行われ(ステップS4)、穀類試料の懸濁液が調製される(ステップS5)。
前記穀類試料の懸濁液は、フィルタ52に流下し、穀類試料がこされてとぎ汁が調製され、このとぎ汁のみが前記流路配管53を経て試料セル61内に流下する(ステップS6)。
一方、フィルタ52上に残存する穀類試料は、このフィルタ52を撹拌槽41の下部から取り外すことによって容易に廃棄処理可能となる(ステップS5A)。
【0032】
次に、試料セル61内に至ったとぎ汁に対して、計測手段71によって2波長による吸光度の計測が行われる(ステップS7)。すなわち、前記計測手段71は、試料セル61内のとぎ汁に向けて可視光発光部73から可視光を発光させて、受光部74にて透過光を受光する。また、紫外光発光部75は、とぎ汁に向けて紫外光を発光させ、受光部76にて透過光を受光する。
【0033】
このようにして、前記とぎ汁の可視光による懸濁物質の計測、紫外光による溶存有機物質の計測が行われて、懸濁物質に対応する受光部74の出力データ、溶存有機物質に対応する受光部76の出力データが各々制御部100に送信される。制御部100は、受信した計測データを記憶部112に記憶させる。
【0034】
次に、前記COD演算手段111により、記憶部112に記憶した前記温度の測定データ、可視光計測による計測データに基づく穀類のとぎ汁の濁度(懸濁物質濃度)、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質量の演算、濁度及び溶存有機物質量を反映させた前記穀類のとぎ汁の前記温度センサ92による測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値の演算が実行される(ステップS8)。
このような本実施例に係る計測手段71、COD演算手段111の動作によって、前記とぎ汁の懸濁物質濃度が高濃度である場合にも、水による希釈を行うことなく正確に測定することが可能となる。
この結果、ほぼ全自動で、且つ、迅速に穀類のとぎ汁のCOD値、濁度等を測定することができるとともに、前記温度センサ92で測定した温度でのCOD値及び20℃換算の補正COD値の双方を求めることができ、測定に供する水の温度を一定に保つことが不要で、ヒータ又は冷却設備を省くことができるという利点がある。
【0035】
次に、計測手段71による計測後のとぎ汁は、排出バルブ駆動部83による廃棄配管82の圧縮解除動作によって廃水タンク86内へと排出され、廃棄処分とされる(ステップS9)。
【0036】
次に、上述した一連の測定動作が終了する都度、前記水供給手段11、排出バルブ駆動部83の関連した動作で、前記撹拌層41、試料セル61へ水(好ましくは純水)が通水され、自動洗浄が行われる(ステップS10)。
これにより、撹拌層41、試料セル61が測定終了の都度自動洗浄されことになり、従来の測定装置に多く見られる測定セル等の手動洗浄の煩雑さを解消できる。
【0037】
なお、本実施例において、前記試料セル61を使い捨てタイプのものとすることも勿論可能である。
また、本実施例において、ある程度測定回数が増え、前記試料セル61に汚れが付着したような場合に、試料セル61部分の汚れ光学センサ等で自動検知し、警報を発するような構成とすることも可能である。この場合、汚れが付着した試料セル61の洗浄にタンパク質分解酵素等を用いた洗浄薬品を用いると好適である。また、本実施例において、前記試料セル61は容易に装脱可能に構成しているので、上記洗浄薬品による漬け置き洗浄も可能である。
なお、前述したように、本発明においては、試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行うように構成できる前記計測手段71を実現できるものであれば、この実施例で図示し説明する試料セル61、プロテクタ62、シャッター開閉機構、保持機構64の構成以外の構成で実施できる。
【0038】
また、上述した本実施例のCOD測定装置1において、計測手段71における可視光、紫外光の校正には、ともにダブルビーム分光測定機能を有する吸光度標準液を使用する。
【0039】
次に、図9を参照して、本実施例のCOD測定装置1を使用し、予め調製したとぎ汁を用いたCOD測定方法について説明する。
この場合には、図8に示すCOD測定方法の場合のステップS6乃至ステップS10と同様な一連の工程によりCOD値の測定を行うものである。
【0040】
すなわち、この場合には、調製済みのとぎ汁を前記流路配管53を経て試料セル61内に流下する(ステップS11)。次に、試料セル61内に至ったとぎ汁に対して、計測手段71によって図8に示すCOD測定方法のステップS7の場合と同様な2波長による吸光度の計測が行われる(ステップS12)。
【0041】
次に、前記COD演算手段111により、ステップS12で計測した計測データに基づく穀類のとぎ汁の濁度(懸濁物質濃度)、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質量の演算、濁度及び溶存有機物質量を反映させたCOD値の演算等が実行される(ステップS13)。
なお、この場合には20℃換算の補正COD値の算出は行われない。このような方法の場合でも、前記とぎ汁の懸濁物質濃度が高濃度である場合に、水による希釈を行うことなく正確に測定することが可能となる。
この結果、ほぼ全自動で、且つ、迅速に穀類のとぎ汁のCOD値、濁度等を測定することが可能となる。
【0042】
次に、計測手段71による計測後のとぎ汁は、排出バルブ駆動部83による廃棄配管82の圧縮解除動作によって廃水タンク86内へと排出され、廃棄処分とされる(ステップS14)。
【0043】
次に、上述した一連の測定動作が終了する都度、前記水供給手段11、排出バルブ駆動部83の関連した動作で、前記撹拌層41、試料セル61へ水(好ましくは純水)が通水され、自動洗浄が行われる(ステップS15)。
これにより、図8に示す方法の場合と同様、前記撹拌層41、試料セル61が測定終了の都度自動洗浄されることになり、従来の測定装置に多く見られる測定セル等の手動洗浄の煩雑さを解消できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、上述したような精米、無洗米等々のCOD測定に適用する場合の他、原料を洗浄して食用物に加工する麦、粟等の他の種類の穀類のCOD測定にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例のCOD測定システムを示すブロック図である。
【図2】本実施例のCOD測定装置の概略正面図である。
【図3】本実施例のCOD測定装置の概略側面図である。
【図4】本実施例のCOD測定装置における試料セルの拡大正面図である。
【図5】本実施例のCOD測定装置における試料セルの拡大側面図である。
【図6】本実施例のCOD測定装置における試料セルの拡大平面図である。
【図7】本実施例のCOD測定装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】本実施例のCOD測定方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図9】本実施例の他例のCOD測定方法の一連の工程を示すフローチャートである。
【図10】従来知られている精米等のとぎ汁の固形物総量及びCOD値の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 COD測定装置
2 装置本体
3 基体
4 底部支持体
5 中間支持体
11 水供給手段
12 ウォーターポンプ
13 下部給水管
14 給水タンク
15 上部給水管
16 定量タンク
17 ノズル兼撹拌槽バルブ駆動部
18 ウォーターバルブ
21 空気供給手段
22 エアーポンプ
23 空気管
24 ノズル兼撹拌槽バルブ
31 試料供給手段
32 投入口
41 撹拌槽
51 とぎ汁調製手段
52 フィルタ
53 流路配管
61 試料セル
62 プロテクタ
63 シャッター開閉機構
64 保持機構
71 計測手段
73 可視光発光部
74 受光部
75 紫外光発光部
76 受光部
81 廃棄手段
82 廃棄配管
83 排出バルブ駆動部
84 回動部材
85 バルブ片
86 廃水タンク
91 温度測定手段
92 温度センサ
93 レベルセンサ
100 制御部
101 操作ユニット
111 COD演算手段
112 記憶部
113 表示部
114 操作部
201 試料供給系
202 空気供給系
202 水供給系
203 空気供給系
204 撹拌系
205 とぎ汁調製系
206 収納系
207 計測系
208 演算系
209 廃棄系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀類試料を定量供給する試料供給系と、
水を供給する水供給系と、
空気を供給する空気供給系と、
前記供給される水、空気雰囲気下で定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌系と、
前記撹拌系にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製系と、
前記穀類のとぎ汁を収納する収納系と、
前記穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う計測系と、
前記計測系の計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算系と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄系と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定システム。
【請求項2】
精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給系と、
温度測定した水を供給する水供給系と、
空気を供給する空気供給系と、
前記供給される水、空気雰囲気下で定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌系と、
前記撹拌系にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製系と、
前記穀類のとぎ汁を収納する収納系と、
前記穀類のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測系と、
前記計測系の可視光、紫外光からなる計測信号に基づき、測定温度における穀類のとぎ汁のCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算系と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄系と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定システム。
【請求項3】
装置本体と、
前記装置本体に設けた穀類試料を定量供給する試料供給手段と、
前記装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、
前記装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、
前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、
前記撹拌槽にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、
前記とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セルと、
前記試料セル内のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、
前記計測手段からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算手段と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定装置。
【請求項4】
装置本体と、
前記装置本体に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給手段と、
前記装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、
前記水供給手段により供給する水の温度を測定する温度測定手段と、
前記装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、
前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、
前記撹拌槽にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、
前記とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セルと、
前記試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、
前記計測手段からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定装置。
【請求項5】
装置本体と、
前記装置本体に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給手段と、
前記装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、
前記水供給手段により供給する水の温度を測定する温度測定手段と、
前記装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、
前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、
前記撹拌槽の下部に装脱可能に設けられ、曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、
前記とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する装脱可能な試料セルと、
前記試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、
前記計測手段からの計測信号に基づき、可視光計測による穀類のとぎ汁の濁度、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質の演算、濁度及び溶存有機物質に基づく前記穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、
を備えるとともに、
前記水供給手段による前記撹拌槽及び試料セルの水洗浄、前記試料セルの取り外しによる試料セル洗浄、とぎ汁調製手段の穀類試料の廃棄を実行可能としたことを特徴とする穀類のCOD測定装置。
【請求項6】
撹拌槽に水を供給する工程と、
前記撹拌槽に空気を供給する工程と、
前記撹拌槽に供給される水、空気雰囲気に穀類試料を定量供給し曝気懸濁を行う工程と、
前記曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得る工程と、
前記穀類のとぎ汁を試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むことを特徴とする穀類のCOD測定方法。
【請求項7】
撹拌槽に水を供給する工程と、
前記供給する水の温度を測定する工程と、
前記撹拌槽に空気を供給する工程と、
前記撹拌槽に供給される水、空気雰囲気に精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給し曝気懸濁を行う工程と、
前記曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得る工程と、
前記穀類のとぎ汁を試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃に換算した換算COD値を求めるCOD演算工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むことを特徴とする穀類のCOD測定方法。
【請求項8】
撹拌槽に水を供給する工程と、
前記供給する水の温度を測定する工程と、
前記撹拌槽に空気を供給する工程と、
前記撹拌槽に供給される水、空気雰囲気に精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給し曝気懸濁を行う工程と、
前記曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得る工程と、
前記穀類のとぎ汁を装脱可能な試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき可視光計測による穀類のとぎ汁の濁度、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質の演算、濁度及び溶存有機物質に基づく前記穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求める工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むとともに、
前記撹拌槽及び試料セルへの水供給による水洗浄工程、前記試料セルの取り外しによる試料セル洗浄工程、前記穀類試料の廃棄工程を実行可能としたことを特徴とする穀類のCOD測定方法。
【請求項9】
精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類のとぎ汁を予め調製する工程と、
前記調製した穀類のとぎ汁を試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき穀類のとぎ汁のCOD値を求めるCOD演算工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むことを特徴とする穀類のCOD測定方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給系と、
温度測定した水を供給する水供給系と、
空気を供給する空気供給系と、
前記供給される水、空気雰囲気下で定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌系と、
前記撹拌系にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製系と、
前記穀類のとぎ汁を収納する収納系と、
前記穀類のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測系と、
前記計測系の可視光、紫外光からなる計測信号に基づき、測定温度における穀類のとぎ汁のCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算系と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄系と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定システム。
【請求項2】
装置本体と、
前記装置本体に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給手段と、
前記装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、
前記水供給手段により供給する水の温度を測定する温度測定手段と、
前記装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、
前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、
前記撹拌槽にて曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、
前記とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する試料セルと、
前記試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、
前記計測手段からの計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、
を有することを特徴とする穀類のCOD測定装置。
【請求項3】
装置本体と、
前記装置本体に設けた精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給する試料供給手段と、
前記装置本体に設けた水を供給する水供給手段と、
前記水供給手段により供給する水の温度を測定する温度測定手段と、
前記装置本体に設けた空気を供給する空気供給手段と、
前記水供給手段、空気供給手段から供給される水、空気雰囲気下で、前記試料供給手段から定量供給される穀類試料に対する曝気懸濁を行う撹拌槽と、
前記撹拌槽の下部に装脱可能に設けられ、曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得るとぎ汁調製手段と、
前記とぎ汁調製手段にて調製した穀類のとぎ汁を収納する装脱可能な試料セルと、
前記試料セル内のとぎ汁に対して可視光、紫外光からなる2波長光による吸光度計測を行う計測手段と、
前記計測手段からの計測信号に基づき、可視光計測による穀類のとぎ汁の濁度、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質の演算、濁度及び溶存有機物質に基づく前記穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求めるCOD演算手段と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する廃棄手段と、
を備えるとともに、
前記水供給手段による前記撹拌槽及び試料セルの水洗浄、前記試料セルの取り外しによる試料セル洗浄、とぎ汁調製手段の穀類試料の廃棄を実行可能としたことを特徴とする穀類のCOD測定装置。
【請求項4】
撹拌槽に水を供給する工程と、
前記供給する水の温度を測定する工程と、
前記撹拌槽に空気を供給する工程と、
前記撹拌槽に供給される水、空気雰囲気に精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給し曝気懸濁を行う工程と、
前記曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得る工程と、
前記穀類のとぎ汁を試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃に換算した換算COD値を求めるCOD演算工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むことを特徴とする穀類のCOD測定方法。
【請求項5】
撹拌槽に水を供給する工程と、
前記供給する水の温度を測定する工程と、
前記撹拌槽に空気を供給する工程と、
前記撹拌槽に供給される水、空気雰囲気に精米、無洗米、コーティング米の中から選定される穀類試料を定量供給し曝気懸濁を行う工程と、
前記曝気懸濁された穀類試料から穀類のとぎ汁を得る工程と、
前記穀類のとぎ汁を装脱可能な試料セルに収納する工程と、
前記試料セル内の穀類のとぎ汁に対して2波長光による吸光度計測を行う工程と、
前記吸光度計測による計測信号に基づき可視光計測による穀類のとぎ汁の濁度、紫外光計測による穀類のとぎ汁の溶存有機物質の演算、濁度及び溶存有機物質に基づく前記穀類のとぎ汁の測定温度におけるCOD値及び20℃換算の補正COD値を求める工程と、
前記計測済みの穀類のとぎ汁を廃棄する工程と、
を含むとともに、
前記撹拌槽及び試料セルへの水供給による水洗浄工程、前記試料セルの取り外しによる試料セル洗浄工程、前記穀類試料の廃棄工程を実行可能としたことを特徴とする穀類のCOD測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−3297(P2006−3297A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182365(P2004−182365)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000129884)株式会社ケット科学研究所 (13)
【出願人】(501264275)伊藤忠ライス株式会社 (10)
【Fターム(参考)】