説明

穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体

【課題】低温であっても飲料の泡持ち向上可能な発泡体の提供。
【解決手段】凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に存在する気泡とを含む、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体に関し、さらに、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の製造方法および穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の製造装置にも関する。
【背景技術】
【0002】
ビール等の泡の主な働きとしては、飲料からの炭酸ガスの抜けの防止、泡立ちによる香り立ち、劣化防止のための蓋としての役割、泡の弾ける音の心地よさ、見た目の美味しさなどがあり、ビール等の飲料の泡持ちを向上させることによる、消費者への訴求効果は高い。また、ビール等の飲料を料飲店などで提供する際には、飲料の温度が低い(冷たい)ことは重要な要件である。
【0003】
しかしながら、冷たいビール等の飲料は、飲料中に炭酸ガスが溶存しやすいことから泡立ちが悪い場合が多い。また、冷たいビール等の飲料は、外気温度と、飲料中の温度との差が大きいことから、泡内の気体が膨張し、破泡しやすく、泡持ちが悪いことはこれまで知られている。したがって、ビール等の飲料において、飲料の温度を低く保ちつつ、泡持ちが良い飲料は消費者への訴求効果が高いにも関わらず、これまで実現することは困難であった。
【0004】
一方、ビール等の飲料の泡持ちを改善させる方法として、ビールに窒素ガスを添加する方法が知られているが(例えば、特開平10−287393号公報(特許文献1)参照)、ビール系飲料に窒素ガスを添加するためには大規模な装置が必要であり、コスト面で課題があった。また、ビール等の飲料に窒素ガスを添加するためには大規模な装置が必要であることから、料飲店などでビール等の飲料を提供する場合には、設置場所の確保等の課題があった。
【0005】
また、凍結させたビールを、細かく砕いて、ビールに乗せて提供するための装置はこれまでに知られているが、本願発明とは、泡持ちの点で全く異なるものである。
【0006】
よって、簡便な手段により、冷たい飲料において、泡持ちを向上させる手段については希求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−287393号公報
【発明の概要】
【0008】
一般に、ビール系飲料を冷やしたグラス等に注いだ場合にはこのビール系飲料の泡持ち時間が短くなる。このような事実の存在にもかかわらず、本発明者らは、穀類分解物含有発泡性飲料を凍結して得られた発泡体を用いることにより、低温であっても飲料の泡持ちが向上できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づくものである。
【0009】
本発明は、泡持ちが向上した飲料を提供することを一つの目的とする。
【0010】
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に存在する気泡とを含む、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体。
(2)穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、(1)に記載の発泡体。
(3)発泡体の粘度が0.4〜30pa・sである、(1)または(2)に記載の発泡体。
(4)発泡体の粘度が1.5〜9pa・sである、(1)または(2)に記載の発泡体。
(5)発泡体の温度が−15〜−1.8℃である、(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡体。
(6)発泡体の温度が−8〜−2.5℃である、(1)〜(4)のいずれかに記載の発泡体。
(7)発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料と比較した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の体積膨張率が1.3〜3.5である、(1)〜(6)のいずれかに記載の発泡体。
(8)発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料と比較した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の体積膨張率が2〜3.5である、(1)〜(6)のいずれかに記載の発泡体。
(9)穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が8〜45である、(1)〜(8)のいずれかに記載の発泡体。
(10)穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が30〜45である、(1)〜(8)のいずれかに記載の発泡体。
(11)穀類分解物含有発泡性飲料を、−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする工程を含む、(1)〜(10)のいずれかに記載の穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の製造方法。
(12)穀類分解物含有発泡性飲料を、−8〜−2.5℃で攪拌して発泡体とする工程を含む、(11)に記載の製造方法。
(13)穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、(11)または(12)に記載の製造方法。
(14)攪拌して発泡体とする工程が、攪拌羽根を備えたフローズン飲料ディスペンサによって行われる、(11)〜(13)のいずれかに記載の製造方法。
(15)攪拌して発泡体とする工程が、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で行われる、(11)〜(14)のいずれかに記載の製造方法。
(16)攪拌して発泡体とする工程が、窒素含有割合が70〜100%の気体の存在下で行われる、(11)〜(14)のいずれかに記載の製造方法。
(17)攪拌して発泡体とする工程が、大気と同一組成または大気に近い組成の気体の存在下で行われる、(11)〜(14)のいずれかに記載の製造方法。
(18)発泡体が泡持ち向上剤である、(11)〜(17)のいずれかに記載の製造方法。
(19)(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体。
(20)穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、(19)に記載の発泡体。
(21)(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体を含む、泡持ち向上剤。
(22)(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体を含む、飲料。
(23)穀類分解物含有発泡性飲料と、(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体とを含む、飲料。
(24)穀類分解物含有発泡性飲料と、(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせ、発泡させた飲料。
(25)穀類分解物含有発泡性飲料と、(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせる際の該穀類分解物含有発泡性飲料の温度が凍結温度以上10℃以下である、(23)または(24)に記載の飲料。
(26)発泡が攪拌、振動、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、(24)に記載の飲料。
(27)穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、(22)〜(26)のいずれかに記載の飲料。
(28)穀類分解物含有発泡性飲料と、(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせ、発泡させる、発泡方法。
(29)発泡が攪拌、振動、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、(28)に記載の発泡方法。
(30)穀類分解物含有発泡性飲料を−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする手段を備えた、(1)〜(10)のいずれかに記載の発泡体または(11)〜(18)のいずれかに記載の製造方法で製造した発泡体の製造装置。
(31)窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で発泡体とする手段をさらに備えた、(30)に記載の製造装置。
(32)穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体を製造し、注ぐ手段と、穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とを備えた、製造装置。
(33)さらに、製造した穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体と、穀類分解物含有発泡性飲料とを合わせた後に、容器に注ぐ手段を備えた、(32)に記載の装置。
(34)さらに、注がれた穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体と、穀類分解物含有発泡性飲料との混合手段を備えた、(32)または(33)に記載の装置。
(35)穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段が飲料ディスペンサによって行われる、(32)〜(34)のいずれかに記載の装置。
(36)飲料ディスペンサがビールディスペンサである、(35)に記載の装置。
(37)穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体を製造し、注ぐ手段がフローズン飲料ディスペンサによって行われる、(32)〜(36)のいずれかに記載の装置。
(38)さらに、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体を製造し、注ぐ手段に、発泡体の添加量を制御できる手段を備えた、(32)〜(37)のいずれかに記載の装置。
(39)穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体を製造する手段が−15〜−1.8℃で冷却する手段および攪拌手段である、(32)〜(38)のいずれかに記載の装置。
(40)フローズン飲料ディスペンサが、冷却ユニットとタンクとを備えたフローズン飲料ディスペンサであって、タンクには冷却ユニットと組み合わせた冷却シリンダが内蔵され、冷却シリンダには円筒状のエバポレータと、攪拌手段として、エバポレータに配置したスクリュー式攪拌羽根を備える、(37)〜(39)のいずれかに記載の装置。
(41)攪拌手段が、さらに単位時間当たりの攪拌回数を制御する手段を備えた、(39)または(40)に記載の装置。
(42)攪拌回数を制御する手段が、飲料のトルク値を検出し、自動制御する手段である、(41)に記載の装置。
(43)更に飲料供給ノズルを備え、該飲料供給ノズルの注ぎ口部分が、複数の細穴を有する、(39)〜(42)のいずれかに記載の装置。
(44)フローズン飲料ディスペンサのタンク内の穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度を検出し、フローズン飲料ディスペンサに内蔵された飲料攪拌用アジテータの回転数を自動制御する手段を備えた、(40)〜(43)のいずれかに記載の装置。
(45)フローズン飲料ディスペンサのタンク内の飲料の液量を検出し、該タンク内の液量を自動制御する手段を備えた、(40)〜(44)のいずれかに記載の装置。
(46)フローズン飲料ディスペンサのタンク内を、湯、水、または薬剤を用いて自動洗浄する手段を備えた、(40)〜(45)のいずれかに記載の装置。
(47)フローズン飲料ディスペンサのタンク内の窒素含有率を制御する手段を備えた、(40)〜(46)のいずれかに記載の装置。
【0011】
本発明の発泡体はクリーミーで泡持ちの良好な発泡体である。従って、本発明の発泡体は飲料と組合せて提供するとその飲料の泡持ちを向上させることができる点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、各飲料の泡高さ(mm)(縦軸)と、泡の持続時間(分)(横軸)との関係を示す。図1中の「CP」との記号はコーンタンパクを含有していることを表す。また、図1中の「F」との記号は発泡体を添加したものを表す。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図2】図2は、各飲料の泡高さ(mm)(縦軸)と、泡の持続時間(分)(横軸)との関係を示す。図2中の「CF」との記号はビールを凍結させ、粗く砕いたものを入れた群を表し、図2中の「F」との記号はビールを凍結させ、発泡体としたものを入れた群を表す。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図3】図3は、異なる条件下で製造した発泡体を用いた飲料の泡高さ(mm)(縦軸)と、泡の持続時間(分)(横軸)との関係を示す。また、グラフ中の各数値は各飲料の泡高さを表す。
【図4】図4は、穀類分解物含有発泡性飲料と、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体とを含む飲料を製造するための装置の模式図である。
【図5】図5は、フローズン飲料ディスペンサ注出口28の形状の一実施態様の断面図である。
【図6】図6は、ビールまたはビールから製造された発泡体の温度(℃)(縦軸)と、冷却および攪拌時間(経過時間(分))(横軸)との関係を表すグラフである。
【発明の具体的説明】
【0013】
発泡体
本発明の発泡体は、凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に存在する気泡とを含む混合物からなるものである。当該微粒子間に存在する気泡は、穀類分解物含有発泡性飲料中に溶存している気体(例えば、二酸化炭素や窒素)に由来する気泡を含んでいてもよいが、撹拌などにより、外気から巻き込んだ気体を含む気泡である。本発明の発泡体に含まれる微粒子は、穀類分解物含有発泡性飲料を冷却および攪拌することにより製造することができることから、本発明の発泡体に含まれる微粒子は該飲料に含まれる水由来の微粒子であってもよく、また該飲料に含まれるエキス分(例えば、炭水化物、窒素化合物、グリセリン、ミネラルなどを含む)由来の微粒子であってもよく、また穀類分解物含有発泡性飲料にアルコールが含まれる場合には、そのアルコール分由来の微粒子を含んでいてもよく、またそれらの二以上の成分を含む成分由来の微粒子であってもよい。また、本発明の発泡体は、後述するように穀類分解物含有発泡性飲料を冷却および攪拌することにより製造することができることから、凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に存在する気泡とに加えて、本発明の発泡体の製造に用いる穀類分解物含有発泡性飲料由来の液体成分も発泡体の構成成分とすることができる。本発明の発泡体中に含まれる穀類分解物含有発泡性飲料由来の液体成分の組成割合は、該飲料から製造される水由来の微粒子の量や、該飲料から製造されるエキス分由来の微粒子の量などにより、本発明の発泡体に含まれる微粒子が製造される前の穀類分解物含有発泡性飲料中の水やエキス分の組成割合と比較して、異なっていても良い。
【0014】
本発明において、穀類分解物含有発泡性飲料は、穀類の分解物を含む発泡性飲料であればどのような態様の飲料であっても含まれるが、麦芽の分解物を含む飲料であることが好ましい。本発明において、穀類とは、本発明の効果を奏する穀物であれば特に限定されないが、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆であることが好ましく、より好ましくは大麦である。穀類の分解物の具体的な態様としては、特に限定されないが、麦芽、大麦、小麦、大豆、エンドウ豆、トウモロコシの分解物であり、例えば、大豆タンパク、大豆ペプチド、エンドウタンパク、コーンタンパク分解物が挙げられる。穀類分解物含有発泡性飲料は、好ましくは麦芽分解物含有発泡性飲料であり、より好ましくはビール系飲料である。ビール系飲料とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りを有する飲料をいい、例えば、ビール、発泡酒、リキュール等の発酵麦芽飲料や、その他の醸造酒、もしくは完全無アルコール麦芽飲料(非アルコール麦芽飲料)等の非発酵麦芽飲料が挙げられる。アルコールを含有する飲料を凍結させた場合には、アルコールを含有しない飲料を凍結させた場合に比べて、柔らかいことから、その後の加工の観点からは、アルコールを含む飲料が好ましい。また、ビール系飲料である限り、麦芽飲料に限定されるものではなく、麦や麦芽を使用しない非麦飲料の形態であってもよい。本発明において「非麦飲料」は炭酸ガス等により清涼感が付与された清涼飲料も含まれるものとする。非麦飲料としては、アルコール含量が0重量%である完全無アルコール飲料のような非発酵飲料や、アルコールを含有するアルコール含有飲料が挙げられるが、アルコールを含む態様が好ましい。このアルコール含有非麦飲料としては、発酵して得られた発酵飲料とアルコールが添加された飲料が挙げられる。非麦飲料としては、また、発酵して得られた発酵飲料からアルコール、その他の低沸点成分や低分子成分を除去して得られた非アルコール発酵飲料が挙げられる。ビール系飲料の好ましい態様としては、ビール、発泡酒、完全無アルコール麦芽飲料、非麦飲料が挙げられ、中でもビールが最も好ましい。本発明で用いられる穀類分解物含有発泡性飲料は市販の飲料を用いてもよい。
【0015】
本発明の発泡体は、泡持ち向上成分を含んでなることが好ましい。本発明における、泡持ち向上成分は、泡持ちを向上できる成分であれば特に限定されないが、好ましくはタンパク質、糖タンパク質、ホップ由来苦味物質(例えば、イソフムロン、イソコフムロン)、遷移金属イオン、低分子ポリフェノール、α−グルカン、β−グルカン、およびベントーザンからなる群から選択されるものである。泡持ち向上成分としてのタンパク質としては、例えば、大豆ペプチド、大豆タンパク、エンドウタンパク、コーンタンパク分解物である。
【0016】
本発明の発泡体の粘度は、特に限定されないが、好ましくは0.4〜30pa・sであり、より好ましくは0.7〜30pa・sであり、さらに好ましくは1.5〜25pa・sであり、より一層好ましくは1.5〜9pa・sであり、さらに一層好ましくは2〜9pa・sであり、さらにより一層好ましくは2〜3pa・sとすることができる。本発明の発泡体の効果をより良く達成するため、すなわち、本発明の発泡体を外気から巻き込まれた気体が十分に含まれ、より泡持ちの持続時間が長く、清涼感のある食感を有し、飲料供給ノズルから滑らかに注出できる発泡体とするためには、本発明の発泡体の粘度を0.4〜30pa・sとすることが望ましい。穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の粘度は、例えば、単一円筒型回転粘度計(東機産業株式会社製、型番:TVB10M、測定条件:スピンドルM4×30rpmで測定)により測定することができる。測定方法としては、例えば、上記粘度計(東機産業株式会社製)に付属のガードを取り付けた状態で、500mL(内径85mm)に発泡体を入れ、ローターを浸液マークまで入れ、粘度(pa・s)を測定することができる。
【0017】
本発明の発泡体の温度は、特に限定されないが、好ましくは−15〜−1.8℃であり、より好ましくは−8〜−2.5℃であり、さらに好ましくは−8〜−3.5℃であり、より一層好ましくは−7〜−4℃であり、さらに一層好ましくは−4.5〜−3.5℃とすることができる。本発明の発泡体の効果をより良く達成するため、すなわち、本発明の発泡体を外気から巻き込まれた気体が十分に含まれ、より泡持ちの持続時間が長く、清涼感のある食感を有し、飲料供給ノズルから滑らかに注出できる発泡体とするためには、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の温度を−15〜−1.8℃とすることが望ましい。穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の温度は公知の手段により測定することができる。
【0018】
本発明の発泡体の体積膨張率は、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料と比較して、特に限定されないが、好ましくは1.3〜3.5であり、より好ましくは1.5〜3.5であり、さらに好ましくは2〜3.5であり、より一層好ましくは2〜3であり、さらにより一層好ましくは2〜2.5とすることができる。本発明の発泡体の効果をより良く達成するため、すなわち、本発明の発泡体を外気から巻き込まれた気体が十分に含まれ、より泡持ちの持続時間が長く、清涼感のある食感を有し、飲料供給ノズルから滑らかに注出できる発泡体とするためには、本発明の発泡体の体積膨張率を1.3〜3.5とすることが望ましい。本発明の発泡体の体積膨張率は公知の手段により測定することができ、本発明の発泡体の体積を、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の体積で割ることにより求めることができる。
【0019】
本発明の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)は、好ましくは8〜45であり、より好ましくは30〜45であり、さらに好ましくは40〜45であり、より一層好ましくは41〜44とすることができる。本発明の発泡体の効果をより良く達成するため、すなわち、本発明の発泡体を外気から巻き込まれた気体が十分に含まれ、より泡持ちの持続時間が長く、清涼感のある食感を有し、飲料供給ノズルから滑らかに注出できる発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)を8〜45とすることが望ましい。本発明の発泡体の明度は、例えば、色彩色差計(コニカミノルタ社製、型番:CR400)により測定することができる。測定方法としては、白色校正板(白色校正板の値:Y=93.5、x=0.3114、y=0.319)を用いて校正を行い、シャーレ(アズワン社製、φ90mm×高さ15mm)に発泡体を満量入れた状態で蓋をして、シャーレ蓋上から色彩測定により、L値を測定することができる。
【0020】
本発明の発泡体の好ましい態様によれば、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の上記粘度、温度、体積膨張率、および明度差(ΔL)の物性を適宜組み合わせて規定することができるが、例えば、発泡体の粘度が2〜3pa・sであり、かつ発泡体の体積膨張率が2〜2.5である穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供される。本発明のより好ましい態様によれば、発泡体の粘度が2〜3pa・sであり、発泡体の温度が−4.5〜−3.5℃であり、発泡体の体積膨張率が2〜2.5であり、かつ穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が41〜44である穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供される。
【0021】
本発明の発泡体の好ましい別の態様によれば、発泡体の粘度が0.4〜30pa・sであり、かつ本発明の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が、8〜45(好ましくは、30〜45)である、穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供される。また、本発明の発泡体のより好ましい別の態様によれば、発泡体の体積膨張率が1.3〜3.5であり、かつ本発明の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が、8〜45(好ましくは、30〜45)である、穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供される。
【0022】
本発明の発泡体の好ましい別の態様によれば、発泡体の粘度が2〜6pa・sであり、かつ発泡体の体積膨張率が2.4〜2.7である穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供され、より好ましくは、発泡体の粘度が2〜6pa・sであり、発泡体の体積膨張率が2.4〜2.7であり、かつ本発明の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が40〜42である穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)の発泡体が提供される。本発明の発泡体の各値をこのような範囲内とすることにより、より好ましい泡持ち時間を達成することができ、また本発明の発泡体の各値をこのような値とするために冷却および攪拌を長時間行う必要がないことから、泡持ち効果と、発泡体の製造コストの削減とを両立した発泡体を実現することができる。
【0023】
本発明の発泡体の好ましい別の態様によれば、本発明の発泡体に含まれる気泡中の気体に、二酸化炭素が含まれた場合であっても本発明の泡持ち向上効果を奏するが、本発明の発泡体に含まれる気泡中の気体の二酸化炭素濃度を100%未満、好ましくは90%未満とすることにより、本発明の発泡体の泡持ち向上効果をよりよく達成できる。
【0024】
また、本発明の発泡体は、凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に外気から巻き込まれた気体の気泡とを含む状態で提供されうる。この場合、発泡体に含まれる気泡中の気体の種類は特に限定されないが、好ましくは、窒素が含まれている気体が好ましいが、酸素が含まれていても本発明の泡持ち向上効果を奏する。これらの気体が発泡体の微粒子間に含まれる気泡に含まれていることが好ましい。
【0025】
本発明の発泡体は、飲料中に含まれる発泡体の量を変化させることなく、飲料の泡持ち時間を制御することができる。例えば、本発明の発泡体の粘度、体積膨張率、温度、および/または明度差の範囲を制御することにより、本発明の発泡体の泡持ち時間や、食感を制御することができる。
【0026】
泡持ち向上剤および泡持ち向上方法
本発明の発泡体は、泡持ち向上効果を有することから、泡持ち向上剤として用いることができるとともに、泡持ち向上方法に用いることができる。すなわち、本発明の別の態様によれば、本発明の発泡体を含む泡持ち向上剤が提供される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本発明の発泡体を用いる飲料の泡持ちを向上させる方法が提供される。すなわち、本発明によれば、本発明の発泡体を飲料に加える、もしくは飲料を本発明の発泡体に加えることを含んでなる、泡持ち向上方法が提供される。
【0028】
ここで、泡持ち向上とは、本発明の発泡体を含まない飲料と比較して、本発明の発泡体を加えた飲料が、わずかな時間であっても、本発明の発泡体または当該飲料に由来する泡の持続時間が長ければ、泡持ちが向上したものと判断する。本発明の発泡体または当該飲料に由来する泡が持続するか否かの判断は、例えば、ジョッキに穀類分解物含有発泡性飲料を注ぎ、当該飲料を発泡させた後、本発明の発泡体を添加し、空気と接している液面の本発明の発泡体または当該飲料に由来する泡による被覆の有無により判断する。液面の表面全体が本発明の発泡体または当該飲料に由来する泡によって覆われた状態が持続していれば、泡持ち状態が持続していると判断し、液面の表面のうち一部でも本発明の発泡体または飲料に由来する泡が消失していれば、泡持ち状態は持続していないものと判断する。
【0029】
このような本発明の発泡体を、穀類分解物含有発泡性飲料へ加えることにより、穀類分解物含有発泡性飲料の泡持ちが向上し、例え冷たい飲料であっても、泡持ちが向上した飲料が提供できる。本発明の発泡体を、飲料(例えば、穀類分解物含有発泡性飲料)に加える、または飲料を本発明の発泡体に加える態様のみではなく、穀類分解物含有発泡性飲料へ加えず、本発明の発泡体のみを溶かして、飲料とする態様も含まれる。また、穀類分解物含有発泡性飲料以外の飲料に加える場合も本発明の態様に含まれる。この場合、本発明の発泡体には、好ましくは麦芽分解物含有発泡性飲料の発泡体であり、より好ましくはビール系飲料の発泡体である。
【0030】
発泡体の製造方法
本発明の発泡体の製造方法は、穀類分解物含有発泡性飲料(好ましくは、ビール系飲料、より好ましくは、ビール)を、−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする工程を含む方法である。穀類分解物含有発泡性飲料を、−15〜−1.8℃で攪拌することにより穀類分解物含有発泡性飲料を凍結させ、本発明の発泡体とすることができる。また、当該製造方法により、発泡体に含まれる微粒子間に、外気から巻き込まれた気体を気泡として含めることができる。本発明の発泡体の製造方法において、穀類分解物含有発泡性飲料を、−15〜−1.8℃で凍結させ、攪拌して発泡体とする工程は、継続的に行うことが好ましい。穀類分解物含有発泡性飲料を、−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする工程の実施時間は、攪拌温度や、攪拌条件などにより異なるが、例えば、攪拌羽根を備えたフローズン飲料ディスペンサに、5℃の穀類分解物含有発泡性飲料(例えば、ビール)を3L投入し、冷媒温度を−15〜―12℃、外気温度を22℃、攪拌速度を30rpmの条件で、攪拌および冷却した場合、攪拌および冷却の時間は、25分以上が好ましく、より好ましくは40分以上、さらに好ましくは70分以上である。この場合、投入した飲料は冷媒により冷却され、その温度は徐々に低下し、飲料の温度を−15〜−1.8℃の範囲内に保ちつつ、攪拌を継続することにより本発明の発泡体を製造することができる。本発明の発泡体の製造方法の別の好ましい態様によれば、攪拌して発泡体とする工程を、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下、好ましくは70〜100%の気体の存在下で行う製造方法が提供される。
【0031】
本発明の発泡体の製造温度は、穀類分解物含有発泡性飲料を−15〜−1.8℃とすることができれば、どのような態様であってもよく、例えば、コンプレッサーによる冷媒冷却、ペルチェ冷却、液化窒素による手段が挙げられる。また、凍結させた穀類分解物含有発泡性飲料を微粒子とする工程は、凍結させた穀類分解物含有発泡性飲料を細かな粒子状にできる手段であれば、どのような態様であってもよく、例えば、フローズンメーカー、アイスクリームメーカー、ミキサーによる手段が挙げられる。本発明のより好ましい態様によれば、攪拌羽根を備えたフローズン飲料ディスペンサにより、穀類分解物含有発泡性飲料を冷却および攪拌して、該飲料を凍結させ、微粒子とし、冷却および攪拌を続けることにより当該微粒子間に外気からの気体を含む気泡を形成させる工程が行われる。本発明の発泡体の製造方法は、特に限定されないが、−15〜−1.8℃で行うことが好ましく、−8〜−2.5℃で行うことがより好ましく、−8〜−3.5℃で行うことがさらに好ましく、−7〜−4℃で行うことがより一層好ましく、−4.5〜−3.5℃で行うことがさらに一層に好ましい。例えば、上記フローズン飲料ディスペンサは、冷却ユニットと加圧タンクとを備えたフローズン飲料ディスペンサであって、(加圧)タンクには冷却ユニットと組み合わせた冷却シリンダが内蔵され、冷却シリンダには円筒状のエバポレータと、攪拌手段として、エバポレータに配置したスクリュー式攪拌羽根を備えるものであることが好ましい。冷却シリンダのエバポレータの表面で凍結する工程と、凍結させた穀類分解物含有発泡性飲料をスクリュー式攪拌羽根で削ぎ落す工程の全てにおいて、好ましくは、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下、より好ましくは70〜100%の気体の存在下で行うことが好ましい。窒素含有割合が70〜100%の気体の存在下で行う好ましい態様として、例えば、大気と同一組成(大気)または大気に近い組成(大気と同一組成とは、窒素が約76〜80%、酸素が約19〜23%、その他アルゴン、二酸化炭素など)の存在下で行うこともでき、より好ましくは大気と同一組成および/または窒素により0.01〜0.5MPa、さらに好ましくは0.01〜0.1MPa、中でも0.02〜0.07MPaで加圧して行うことが好ましい。ここで、大気に近い組成とは、気体中の窒素含有割合が、例えば70〜99%(酸素含有割合が約1〜29%)、好ましくは70〜95%(酸素含有割合が約4〜29%)、より好ましくは70〜85%(酸素含有割合が約14〜29%)、さらに好ましくは70〜80%(酸素含有割合が約19〜29%)、より一層好ましくは70〜75%(酸素含有割合が約24〜29%)であり、少なくとも窒素と酸素が含まれた組成である。本発明の発泡体の製造に際して、大気と同一組成の存在下で行うことにより、窒素ガスを供給するための窒素ガスボンベ等が不要であり、コストも大幅に削減できることから有利である。また、上記の態様のように、穀類分解物含有発泡性飲料を凍結させる工程、および凍結させた穀類分解物含有発泡性飲料を微粒子とする工程、および当該微粒子間に外気からの気体を含む気泡を形成させる工程の全てを同時に行ってもよい。これらの工程を窒素および/または酸素存在下で行うことにより、発泡体に含まれる微粒子間に存在する気泡に、適度に窒素および/または酸素を含有させることができ、本発明の発泡体に存在する気泡中の窒素と酸素の含有割合は、上記の大気と同一組成(大気)または大気に近い組成であってもよい。
【0032】
また、フローズン飲料ディスペンサに備えられた上記攪拌羽根の攪拌回転数は、特に限定されないが、好ましくは10〜1000rpmが好ましく、より好ましくは10〜500rpmである。
【0033】
さらに、本発明の発泡体は、上記フローズン飲料ディスペンサ以外の装置によっても製造することは可能であり、例えば、凍結した穀類分解物含有発泡性飲料をミキサーにより粉砕および攪拌することにより本発明の発泡体を製造することができる。ミキサーとしては例えば、ミキサー(サンヨー社製、SM-M8型、攪拌羽根長さ/収容容器直径=5/7〜6/7)も用いることができ、10,000〜22,000rpmであることが好ましい。
【0034】
本発明の好ましい態様によれば、本発明の製造方法により製造される発泡体は泡持ち向上剤として用いることができる。
【0035】
本発明の好ましい態様によれば、凍結させたビールを窒素含有割合が70〜100%の気体の存在下で微粒子とし、本発明の発泡体を製造する方法が提供される。
【0036】
本発明のより好ましい態様によれば、ビールを凍結させ、微粒子とする工程が、窒素含有割合が70〜100%の気体の存在下で行われることが好ましい。
【0037】
本発明のより好ましい態様によれば、ビールを、フローズン飲料ディスペンサに加え、本発明の製造方法を実施することで、ビール由来の本発明の発泡体を製造してもよい。
【0038】
飲料
本発明の飲料は、穀類分解物含有発泡性飲料と、本発明の発泡体とを含むものであってもよい。さらに、本発明の飲料は、穀類分解物含有発泡性飲料と、上記発泡体とを含み、発泡させた飲料であってもよい。本発明の飲料を構成する穀類分解物含有発泡性飲料は、本発明の発泡体が由来する穀類分解物含有発泡性飲料と同じものであることが好ましい。
【0039】
本発明の別の好ましい態様によれば、上記本発明の発泡体の製造方法で製造した発泡体を含む飲料が提供される。例えば、穀類分解物含有発泡性飲料を、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で凍結させ、微粒子とする工程を含む本発明の発泡体の製造方法で製造した発泡体を含む飲料が提供され、穀類分解物含有発泡性飲料を、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で凍結させ、微粒子とする工程が、攪拌羽根を備えたフローズン飲料ディスペンサによって行われる製造方法で製造した本発明の発泡体を含む飲料が提供される。
【0040】
本発明において、発泡は、本発明の発泡体を含んだ穀類分解物含有発泡性飲料を発泡させることができればどのような手段であってもよいが、好ましくは攪拌、振動(例えば、超音波振動)、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる。
【0041】
穀類分解物含有発泡性飲料に、本発明の発泡体を合わせる際の該穀類分解物含有発泡性飲料の温度は、好ましくは凍結温度以上10℃以下であり、より好ましくは凍結温度以上4℃以下であり、さらに好ましくは凍結温度以上0℃以下である。なお、本発明の発泡体と穀類分解物含有発泡性飲料とを合わせる場合には、本発明の発泡体を穀類分解物含有発泡性飲料に添加しても、穀類分解物含有発泡性飲料を本発明の発泡体に添加してもよい。
【0042】
また、本発明の好ましい態様によれば、本発明の飲料は成人用である。本明細書において成人とは、法律上の飲酒可能な年齢をいう。本発明の発泡体が由来する穀類分解物含有発泡性飲料および本発明の発泡体と組み合わされる穀類分解物含有発泡性飲料の好ましい態様はアルコール飲料であることから、提供対象は成人であることが好ましい。
【0043】
本発明の好ましい態様によれば、ビールと、発泡体の粘度が1.5〜9pa・sであるビール由来の本発明の発泡体とを含む飲料が提供される。
【0044】
本発明の別の好ましい態様によれば、ビールと、発泡体の粘度が1.5〜9pa・sであるビール由来の本発明の発泡体とを合わせ、攪拌により発泡させた飲料が提供される。
【0045】
また、本発明の飲料および発泡体は、香料、色素、甘味料等を加えてもよい。
【0046】
発泡方法
本発明の発泡方法は、本発明の発泡体を飲料に合わせて、発泡させる発泡方法が挙げられる。本発明の発泡体に合わせる飲料は、好ましくは、穀類分解物含有発泡性飲料である。本発明の発泡方法の別の好ましい態様によれば、また穀類分解物含有発泡性飲料と、粘度が0.4〜30pa・s(好ましくは、1.5〜9pa・s)である本発明の発泡体と合わせ、発泡させる発泡方法が挙げられる。本発明の発泡体は上記で挙げたいずれの態様であってもよい。また、本発明の発泡体と穀類分解物含有発泡性飲料とを合わせる場合には、本発明の発泡体を穀類分解物含有発泡性飲料に添加しても、穀類分解物含有発泡性飲料を本発明の発泡体に添加してもよい。
【0047】
本発明の発泡方法における発泡は、上記と同様の意味で用いられ、発泡させることができればどのような手段であってもよく、好ましくは攪拌、振動(例えば、超音波振動)、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる。
【0048】
本発明の好ましい態様によれば、ビール由来の本発明の発泡体を、ビールに含有させ、発泡させる発泡方法が提供される。
【0049】
本発明の好ましい態様によれば、ビールと、ビール由来の本発明の発泡体を含む泡持ち向上剤とを合わせ、発泡させる発泡方法が提供される。
【0050】
本発明の好ましい別の態様によれば、ビールと、発泡体の粘度が0.4〜30pa・s(好ましくは、1.5〜9pa・s)であるビール由来の本発明の発泡体とを合わせ、発泡させる発泡方法が提供される。
【0051】
製造装置
本発明の製造装置は、穀類分解物含有発泡性飲料を−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする手段を備えた、本発明の発泡体(例えば、発泡体の粘度が0.4〜30pa・s(好ましくは、1.5〜9pa・s)である)の製造装置である。また、本発明の好ましい態様によれば、上記手段に加えて、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で発泡体とする手段をさらに備えた、本発明の発泡体を含む本発明の発泡体の製造装置が提供される。上記の窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で発泡体とする手段とは、例えば、大気開放状態で発泡体とする手段であってもよく、またフローズン飲料ディスペンサのタンク内で発泡体を製造する場合、タンク内を窒素ガスおよび/または大気により加圧し、もしくは加圧せず、タンク内の気体の窒素含有割合を1〜100%の気体に置換して、その気体の存在下で発泡体としてもよい。
【0052】
また、本発明の別の態様によれば、本発明の装置は、本発明の発泡体を製造し、注ぐ手段と、穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とを備えた製造装置である。本発明の好ましい態様によれば、上記穀類分解物含有発泡性飲料(例えば、ビール系飲料)の発泡体(例えば、発泡体の粘度が0.4〜30pa・s(好ましくは、1.5〜9pa・s)である)を製造し、注ぐ手段と、上記穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とを備えた製造装置であってもよい。本発明の発泡体を製造し、注ぐ手段と、穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とが同一の装置内に含まれていてもよく、空間的に離れた別々の装置として存在してもよい。本発明の発泡体を製造し、注ぐ手段と、穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とは、同一の飲料供給タンク(例えば、ビール樽)から供給してもよい。
【0053】
図4は、本発明の発泡体を製造し、注ぐ手段と、穀類分解物含有発泡性飲料を注ぐ手段とを備えた製造装置の好適な一実施形態を示す模式図である。以下にビールの流れの概略を説明する。炭酸ガスボンベ2から炭酸ガス供給ライン3を通じて、ビール樽1に炭酸ガスが供給される。ビール樽1に炭酸ガスが供給されるとビール樽1内の空洞内部の気圧が高まり、ビールの液面が押される。これにより、ビール供給ラインを通じて、三方弁6を介して、ビールディスペンサ9と、フローズン飲料ディスペンサ10にビールが供給される。ビールディスペンサ9では、ビールディスペンサ9内の飲料通路11を通過してビールディスペンサ注出口25に向けてビールが通過し、ビールディスペンサ注出レバー26を作動させることにより、ジョッキa12にビールが注ぎ出される。コンプレッサー30により、冷却器7が冷却され、ビールが飲料通路を通過している間にビールが冷却される。このコンプレッサー30を調節することにより、ジョッキa12に注ぎ出されるビールの温度を調節することができる。コンプレッサー30を調節することにより、例えば、ビールを凍結温度以上10℃以下の温度に調節して注ぎ出すことができる。
【0054】
一方、三方弁6を介してビールが供給されるフローズン飲料ディスペンサ10は、冷却ユニット16を搭載したディスペンサ本体にビールの発泡体の製造部となる加圧タンク14を搭載したものである。この加圧タンクは大気開放型のタンクであってもよい。加圧タンク14にはディスペンサ本体に搭載した冷却ユニット16と組合せたスクリュー式攪拌羽根15付きの冷却シリンダ27が内蔵されており、三方弁6を介したビール供給ライン5が加圧タンク14に開口している。ここで、冷却シリンダ27は、ベンドステージに向けて前後の向きに配置した円筒状のエバポレータ(内外二重壁の間に冷媒を流し、その内周面、外周面上に製氷する)と、エバポレータの内外周面上に配置したスクリュー式のオーガ(エバポレータの表面に結氷した氷を削り取る刃)を兼ねたスクリュー式攪拌羽根(アジテータ)15とからなり、攪拌羽根15を攪拌モータのギアボックスに連結して定方向に回転駆動するようにしている。なお、加圧タンク14には冷却シリンダ27の他に、加圧するための窒素ガスボンベ23が窒素供給ライン24を通じて窒素を供給できるように接続されており、また加圧タンク内の液量を検知して、タンク内の液量を自動制御する手段、例えばビールの供給を制御する投入量制御センサ22および発泡体の粘度を検知して冷却ユニットを運転制御する粘度確認冷却制御センサ21などを装備している。投入量制御センサ22および粘度確認冷却制御センサ21は制御ボックス19に接続されており、タッチパネル20により制御できる。また、発泡体をフローズン飲料ディスペンサ注出口からの添加量を制御できる手段、例えばフローズン飲料ディスペンサ注出レバーにより添加量を調節することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、本発明のフローズン飲料ディスペンサは、−15〜−1.8℃で冷却する手段および攪拌手段を備えたものであり、これらの手段により発泡体を製造することができる。
【0055】
従って、三方弁6を介してフローズン飲料ディスペンサ10の加圧タンク14に供給されたビールは冷却シリンダ27に流し込まれ、エバポレータの内周面、外周面で凍結し、凍結したビールがスクリュー式攪拌羽根(アジテータ)15により削り取られ、外気を巻き込むことにより本発明の発泡体となる。製造された本発明の発泡体は、粘度確認冷却制御センサ21および投入量制御センサ22により、泡持ちを向上させるための粘度およびその量が制御され、フローズン飲料ディスペンサ注出レバー29を操作することにより、フローズン飲料ディスペンサ注出口28から発泡体がジョッキb13へ供給される。
【0056】
図5には、フローズン飲料ディスペンサ注出口28の好適な一実施形態を示す模式図である。フローズン飲料ディスペンサ注出口28を図5のような形状とすることにより、容易に、本発明の発泡体をジョッキb13の液面などに均一に広げることができる。
【0057】
ビールの発泡体と、ビールとを注ぐ順序としては、ビールをビールディスペンサ注出口25から注いだ後、ビールの発泡体をフローズン飲料ディスペンサ注出口28から注ぐことが好ましいが、順序は逆であってもよい。
【0058】
フローズン飲料ディスペンサ注出口28と、ビールディスペンサ注出口25とに管がそれぞれ接続され、ビールおよびビールの発泡体が混合タンクへ運ばれ、その混合タンクで、ビールとビールの発泡体とが混合された後、ジョッキ等の容器に注いでもよい。その混合タンク内にビールとビールの発泡体とを攪拌するための装置が備えられていてもよい。
【0059】
また、フローズン飲料ディスペンサ注出口28にモータを接続し、モータに接続された混合手段、例えば攪拌棒により、ジョッキb13中の飲料を攪拌してもよい。さらに、ビールディスペンサ注出口にモータを接続し、モータに接続された混合手段を備えていてもよい。
【0060】
攪拌羽根15の単位時間当たりの攪拌回数を制御するために、攪拌回数を制制御するための手段、例えば、制御ボックス19から攪拌回数を制御するために制御センサを設けてもよい。攪拌羽根の攪拌回転数は、特に限定されないが、好ましくは10〜1000rpmが好ましく、より好ましくは10〜500rpmである。
【0061】
さらに上記攪拌回数を制制御するための手段が、冷却シリンダ27に、注入された飲料のトルク値を検出し、そのトルク値によって、攪拌羽根15の攪拌回数を自動制御(例えば、タンク内の自動温度制御手段)する手段、例えばトルク制御自動制御センサを取り付け、制御ボックス19により制御してもよい。
【0062】
また、加圧タンク14の内部に、タンク内の本発明の発泡体の明度を検出し、フローズン飲料ディスペンサに内蔵されたスクリュー式攪拌羽根(アジテータ)15の回転数を自動制御する手段、例えば明度感知センサを取り付けて、攪拌羽根15の攪拌回数を制御ボックス19により制御してもよい。
【0063】
さらに、加圧タンク14に、湯、水、または薬剤を供給する供給ラインを設け、湯、水、または薬剤を加圧タンク14に注入し、自動洗浄する手段、例えばスクリュー式攪拌羽根(アジテータ)15の攪拌速度を制御して、洗浄する手段を備えていてもよい。
【0064】
また、窒素供給ライン24および窒素ガスボンベ23を用いて、加圧タンク14内の窒素含有率を制御する手段を備え、また加圧タンク14内の窒素含有率を制御するために、該タンク内に窒素含有率制御センサを設けて、タンク内の窒素含有率を1〜100%に制御することもできる。また、加圧タンク14に酸素ボンベおよび酸素供給ラインを設けて、酸素と窒素との加圧タンク14内での割合を制御する手段を設けてもよい。
【実施例】
【0065】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0066】
泡持ち時間の評価試験1
300mLのグラスにビール、非アルコール麦芽飲料、その他の醸造酒(コーンタンパクを含む、CP)、および酎ハイのサンプルを220mL注ぎ、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。
また、300mLのグラスにビール、非アルコール麦芽飲料、その他の醸造酒(コーンタンパクを含む、CP)、および酎ハイのサンプルを220mL注ぎ、その上から図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ(エア加圧なし)を用いて各サンプルを凍結させ、微粒子とし、外気からの気体を巻き込んで発泡体としたもの40gを、発泡体と同じ由来の飲料に入れ、攪拌して、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。結果を図1に示す。
【0067】
泡持ち時間の評価試験2
300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。
また、300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、その上から、同じビールを凍結させ、細かく砕いたもの40gを入れ、攪拌後、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した(CF)。
さらに、300mLのグラスに−1℃のビールを220mL注ぎ、その上から、図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ(エア加圧なし)を用いて同じビールを凍結させ、微粒子とし、外気からの気体を巻き込んで発泡体としたもの40gを入れ、攪拌後、泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した(F)。結果を図2に示す。
【0068】
発泡体の製造条件探索試験
フローズン飲料ディスペンサ内のタンク中のガスの条件が異なることにより、泡高さが異なるかを確認した。具体的には以下の条件の違いにより、泡高さが異なるかを確認した。以下の異なる条件により作成した泡の泡高さを外気温が20℃で時間経過ごとに測定した。その結果を図3に示す。
1.図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、冷却および攪拌を行い、外気からの気体を巻き込んで発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した発泡体40gを入れ、攪拌した(発泡体(エア加圧))。
2.図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ内のタンクに、エアで加圧せずにガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、冷却および攪拌を行い、外気からの気体を巻き込んで発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した発泡体40gを入れ、攪拌した(発泡体(エア加圧なし))。
3.図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてCOガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した発泡体40gを入れ、攪拌した(発泡体(CO加圧))。
4.図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ内のタンクに、エアで0.05MPaの圧力にてNガスを供給した状態で、ビール1600mLを入れ、冷却および攪拌を行い、外気からの気体を巻き込んで発泡体を作成した。300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、作成した発泡体40gを入れ、攪拌した(発泡体(N加圧))。
5.300mLのグラスにビール(1.2℃)を220mL注ぎ、満量まで泡を注いだ(ビール)。
【0069】
発泡体の官能試験
300mLのグラスにビールを注ぎ、図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ(エア加圧なし)を用いて該ビールから調製した発泡体または該ビールを凍らせて粗く砕いた氷を加えて、そのそれぞれについて12名のパネラーにより官能評価を行った。発泡体を加えたビールと比較して、ビールを凍らせて粗く砕いた氷を加えたビールでは、泡の消失速度が速く、その泡が粗く、またビール自体が冷えすぎて、冷たすぎるとの評価となった。すなわち、発泡体を加えたビールは、ビールを凍らせて粗く砕いた氷を加えたビールと比較して、泡持ちが格段に向上し、よりクリーミーな泡が実現できた。
【0070】
発泡性飲料の冷却および撹拌時間と発泡体の物性変化との関係
発泡性飲料の冷却および攪拌時間と、ビールまたはその発泡体の物性変化との関係を調べるために試験した。発泡性飲料として、市販のビールを用い、図4に示されたフローズン飲料ディスペンサ(エア加圧なし)の冷却器に初期ビール投入量として、温度6.9℃のビール3Lを投入した。外気温度は26.0℃、冷却器の冷媒温度−15〜−12℃、攪拌速度30rpmで冷却および攪拌した。発泡体の作製に際しての外気は、大気で行った。物性変化の測定において、「粘度」の測定には、粘度計(単一円筒形回転粘度計:東機産業((株):型番TVB10M:スピンドルM4×30rpm)、「明度差」の測定には、色差計(コニカミノルタ(社):型番CR400)を用いた。測定結果を下記表1に示す。下記表1中、冷却および撹拌時間が25分辺りから発泡体の体積膨張率が増加し始め、冷却および撹拌により飲料外部の外気を微粒子間に巻き込み始めていることがわかる。
【0071】
【表1】

【0072】
また、40分、60分、80分、100分、および120分のそれぞれの時点で、冷却器からビールまたはその発泡体を取り出し、取り出したビールまたはその発泡体を、300mLのグラスに入れた事前に注がれたビール(220mL)に添加し、泡持ちの有無を調べた。泡持ちの有無は、空気と接している液面の発泡体または事前に注がれたビールによる泡による被覆の有無により判断した。液面の表面全体が発泡体または事前に注がれたビールによる泡によって覆われた状態が持続していれば、泡持ち状態が持続していると判断し、液面の表面のうち一部でも発泡体または事前に注がれたビールによる泡が消失していれば、泡持ち状態は持続していないものと判断した。その結果を上記表1に示す。
【0073】
また、上記表1のデータに基づき、ビールまたはビールから製造された発泡体の温度(℃)と冷却および攪拌時間(経過時間(分))との関係を図6に表す。冷却および撹拌開始後、約15分後まで、ビールまたはビールから製造された発泡体の温度が急激に低下した(約−5.0℃)。その後、ビール中の水分以外の部分が凍結し始めて一旦温度が約20分後まで上昇した(約−1.6℃)。その後、冷却および攪拌を継続することにより温度が緩やかに低下し続けた。
【符号の説明】
【0074】
1.ビール樽
2.炭酸ガスボンベ
3.炭酸ガス供給ライン
4.ディスペンスヘッド
5.ビール供給ライン
6.3方弁1
7.冷却器
8.3方弁2
9.ビールディスペンサ
10.フローズン飲料ディスペンサ
11.飲料通路
12.ジョッキa
13.ジョッキb
14.加圧タンク
15.スクリュー式攪拌羽根
16.冷却ユニット
17.ベントステージ1
18.ベントステージ2
19.制御ボックス
20.タッチパネル
21.粘度確認冷却制御センサ
22.投入量制御センサ
23.窒素ガスボンベ
24.窒素供給ライン
25.ビールディスペンサ注出口
26.ビールディスペンサ注出レバー
27.冷却シリンダ
28.フローズン飲料ディスペンサ注出口
29.フローズン飲料ディスペンサ注出レバー
30.コンプレッサー
31.細穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結した穀類分解物含有発泡性飲料の微粒子と、該微粒子間に存在する気泡とを含む、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体。
【請求項2】
穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
発泡体の粘度が0.4〜30pa・sである、請求項1または2に記載の発泡体。
【請求項4】
発泡体の粘度が1.5〜9pa・sである、請求項1または2に記載の発泡体。
【請求項5】
発泡体の温度が−15〜−1.8℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項6】
発泡体の温度が−8〜−2.5℃である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項7】
発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料と比較した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の体積膨張率が1.3〜3.5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項8】
発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料と比較した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の体積膨張率が2〜3.5である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項9】
穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が8〜45である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項10】
穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の明度と、発泡体とする前の穀類分解物含有発泡性飲料の明度との差(ΔL)が30〜45である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発泡体。
【請求項11】
穀類分解物含有発泡性飲料を、−15〜−1.8℃で攪拌して発泡体とする工程を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体の製造方法。
【請求項12】
穀類分解物含有発泡性飲料を、−8〜−2.5℃で攪拌して発泡体とする工程を含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、請求項11または12に記載の製造方法。
【請求項14】
攪拌して発泡体とする工程が、攪拌羽根を備えたフローズン飲料ディスペンサによって行われる、請求項11〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項15】
攪拌して発泡体とする工程が、窒素含有割合が1〜100%の気体の存在下で行われる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項16】
攪拌して発泡体とする工程が、窒素含有割合が70〜100%の気体の存在下で行われる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項17】
攪拌して発泡体とする工程が、大気と同一組成または大気に近い組成の気体の存在下で行われる、請求項11〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項18】
発泡体が泡持ち向上剤である、請求項11〜17のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項19】
請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した、穀類分解物含有発泡性飲料の発泡体。
【請求項20】
穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、請求項19に記載の発泡体。
【請求項21】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体を含む、泡持ち向上剤。
【請求項22】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体を含む、飲料。
【請求項23】
穀類分解物含有発泡性飲料と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体とを含む、飲料。
【請求項24】
穀類分解物含有発泡性飲料と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせ、発泡させた飲料。
【請求項25】
穀類分解物含有発泡性飲料と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせる際の該穀類分解物含有発泡性飲料の温度が凍結温度以上10℃以下である、請求項23または24に記載の飲料。
【請求項26】
発泡が攪拌、振動、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、請求項24に記載の飲料。
【請求項27】
穀類分解物含有発泡性飲料がビール系飲料である、請求項23〜26のいずれか一項に記載の飲料。
【請求項28】
穀類分解物含有発泡性飲料と、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発泡体または請求項11〜18のいずれか一項に記載の製造方法で製造した発泡体とを合わせ、発泡させる、発泡方法。
【請求項29】
発泡が攪拌、振動、減圧、および気体注入からなる群から選択される方法によって行われる、請求項28に記載の発泡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−13400(P2013−13400A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−110851(P2012−110851)
【出願日】平成24年5月14日(2012.5.14)
【分割の表示】特願2012−26572(P2012−26572)の分割
【原出願日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】