説明

積付情報作成装置、これを用いる積付情報作成方法、輸送容器への搬送物搬入方法、流通管理システム、並びにそれらに用いるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びプログラム

【課題】 作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させて輸送コストを低減させることができ、早期に正確な輸送コスト及びスケジュールを把握することができ、さらに計画的な輸送容器(特に各種コンテナ)の輸送を図ることができる積付情報作成装置を提供する。
【解決手段】 本装置1は、積み付け対象としての搬送物Wに基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットPを決定するためのパレット決定手段2aと、表示装置3の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットPWを表示する搬送物積付パレット表示手段2bと、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段2cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積付情報作成装置、これを用いる積付情報作成方法、輸送容器への搬送物搬入方法、流通管理システム、並びにそれらに用いるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びプログラムに関する。
本発明は、更に詳しくは、作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させて輸送コストを低減させることができ、早期に正確な輸送コスト及びスケジュールを把握することができ、さらに計画的な輸送容器(特に、各種コンテナ)の輸送を図ることができる積付情報作成装置、これを用いる積付情報作成方法、輸送容器への搬送物搬入方法、流通管理システム、並びにそれらに用いるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンテナ輸送として、搬送物を木箱で梱包し、その梱包貨物をコンテナ内に積載して、そのコンテナを陸上、海上輸送等する方法が一般に行われている。
しかし、上記従来方法では、木箱を採用しているので、大量の木材を使用する必要があり、木箱自体が極めて高額であり、また木箱の製作・解体・廃棄に時間及び費用がかかり、全体の輸送費用が高騰してしまうといった問題があった。特に、輸入規制により木材に防虫処理(燻蒸処理等)を施す必要があったり、木材の履歴を示す手続書類を作成する必要があったりする場合には、その処理又は作成費用が余計にかかることとなる。
そこで、上記問題を解決するために、木箱の替わりに、コンテナに対して規格化(モジュール化)されたパレットを採用して、そのパレットに搬送物を積み付けてその搬送物積付パレットをコンテナ内に収容(バンニングともいう。)してコンテナ輸送することが提案されている。
【0003】
しかし、上記提案技術であっても、パレットへの搬送物の積み付け作業は人手によって行われ、しかも一旦積み付け作業が完了してから積み付けの修正・変更を行うことが困難であるため、作業者の熟練度によっては、コンテナに対する搬送物の積載効率を悪化させたり、作業に長時間を要したりすることがある。特に、形状の異なる多数の搬送物を積み付け対象とする場合には、積み付け作業が極めて煩雑で時間がかかるものとなり、また積み付け作業に必要とされる積付部材(例えば、角材、ラッシングベルト、木箱等)の準備にも時間がかかっていた。さらに、コンテナ輸送を行う場合はコンテナの重心位置は所定の範囲内にあることが望まれるが、作業者の勘に頼っておりその作業者の熟練度によってはコンテナの重心位置が所定の範囲から外れてしまう恐れがあった。
また、従来は積み付け作業が略完了した時点で、コンテナ総数、積み付け作業時間、積付部材の種類等の作業実績が分かり、その作業実績に基づいて輸送コストが算出されることとなる。従って、積み付け作業の如何によっては、輸送コストが当初の予想と大きな誤差のあるものとなってしまったり、作業工数が当初の予想より多くなり輸送スケジュールが大幅に変更されてしまったりする等の問題があった。
また、輸送拠点には、通常、一度に大量の搬送物が入荷されてくるので、広大な在庫場所を確保する必要があり、在庫金利等のコストが多く掛かっていたり、大量の搬送物から所望の搬送物を選定する作業が煩雑なものとなったりしていた。特に、広大な在庫場所において、積み付け対象となる搬送物が奥側に置かれている場合、手前側の搬送物をどかして奥側のものをとってくる必要があり、荷扱いが多くなり搬送物の品質劣化を招く恐れがあった。以上より、必要な搬送物を必要な分だけ短期間で納入することが望まれている。
さらに、従来は搬送物の形状データの取得を人手に頼っていたので、迅速に正確な形状データを得ることが困難であった。
【0004】
また、数日から数週間という長期且つ長距離の輸送を行う場合、依頼を行ってから実際に貨物が到着するまでの期間の長さから輸送障害が発生して遅延する場合がある。このため、工場等の受取側は余裕をもった在庫を確保する必要があり、在庫金利等のコストが多く掛かっていたが、従来の物流管理システムでは長期輸送に対する考慮がされていなかった。
また、国外へ輸送を行う場合は通関等に必要な書類を作成する必要があるが、従来は他の書類等から必要な書類へ手書き等で書き写していた。このため、煩雑であり、また書き写し時に間違えてしまうこともあった。
更に、使用したパレットは、パレット滞留によって生じるコスト(関税及び保管費用等)が生じないよう返却する場合は、通関等に提出するための書類も誤りなく作成する必要があった。
【0005】
尚、従来の積み付け方法として、表示装置の表示画面上で、パレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、事前に積み付け作業を検討し得るものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、上記特許文献1及び2では、所定形状のパレットへの搬送物の積載効率を向上させることを目的としており、これを単純に用いても1コンテナ単位の搬送物の積載効率を向上させることができない。即ち、形状の異なる多数の搬送物を積み付け対象とする場合には、各パレットに対する搬送物の積載効率は向上されるが、それらのパレットを収容した1コンテナ単位で見ると積載効率がそれ程向上されていない場合がある。
また、上記特許文献1及び2には、上述の積み付け作業及びコンテナ輸送に係る各種の問題の提議及びそれらを解決する手段が何ら開示されていない。
【0006】
【特許文献1】特開2003−335416号公報
【特許文献2】特開平11−130263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させて輸送コストを低減させることができ、早期に正確な輸送コスト及びスケジュールを把握することができ、さらに計画的な輸送容器の輸送を図ることができる積付情報作成装置、これを用いる積付情報作成方法、輸送容器への搬送物搬入方法、流通管理システム、並びにそれらに用いるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の通りである。
1.積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するためのパレット決定手段と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する搬送物積付パレット表示手段と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段と、を備えることを特徴とする積付情報作成装置。
2.前記搬送物積付パレット表示手段が、前記表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記1輸送容器単位の搬送物積付パレット及び前記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を含む積付指示情報を作成する上記1.記載の積付情報作成装置
3.前記搬送物積付パレット表示手段が、前記表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を更に含む積付指示情報を作成する上記2.記載の積付情報作成装置。
4.前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を算出する積付作業時間算出手段を更に備える上記3.記載の積付情報作成装置。
5.前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報、並びに前記積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する積付料金算出手段を更に備える上記4.記載の積付情報作成装置。
6.前記積付指示情報作成手段が、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入方向情報を更に含む積付指示情報を作成する上記3.乃至5.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
7.前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を算出する重心位置算出手段を更に備える上記3.乃至6.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
8.前記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときに異常を報知する重心異常報知手段を更に備える上記7.記載の積付情報作成装置。
9.前記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときにその重心異常に対する対策情報を生成する重心異常対策情報生成手段を更に備える上記7.又は8.記載の積付情報作成装置。
10.前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積を算出する重量・体積算出手段を更に備える上記3.乃至9.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
11.前記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときに異常を報知する重量・体積異常報知手段を更に備える上記10.記載の積付情報作成装置。
12.前記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときにその重量・体積異常に対する対策情報を生成する重量・体積異常対策情報生成手段を更に備える上記11.記載の積付情報作成装置。
13.前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する積付指示情報蓄積手段を更に備える上記1.乃至12.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
14.前記積付指示情報蓄積手段により蓄積された積付指示情報に基づいて、輸送容器の輸送に必要な手続書類を作成する手続書類作成手段を更に備える上記13.記載の積付情報作成装置。
15.積み付け対象となる搬送物の識別情報を蓄積する識別情報蓄積手段と、該識別情報蓄積手段により蓄積された識別情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定するための搬送物選定手段と、を更に備える上記1.乃至14.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
16.積み付け対象となる搬送物の識別情報を測定する識別情報測定手段を更に備える上記1.乃至15.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
17.前記パレットが、輸送容器に対して規格化されている上記1.乃至16.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
18.上記1.乃至17.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置を用いる積付情報作成方法であって、
積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定する工程と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する工程と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する工程と、を備えることを特徴とする積付情報作成方法。
19.上記1.乃至17.のいずれか一項に記載の積付情報作成装置で作成された積付指示情報に基づいて、パレットへの搬送物の実際の積み付け作業を行う工程と、
その作業で積み付けられた1輸送容器単位の搬送物積付パレットを輸送容器内に一度に搬入する工程と、を更に備えることを特徴とする輸送容器への搬送物搬入方法。
20.複数の流通拠点のそれぞれに設けられる端末と、該端末にネットワークを介して接続されるサーバコンピュータと、を備え、
前記サーバコンピュータは、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するためのパレット決定手段と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する搬送物積付パレット表示手段と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段と、
前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を前記端末へ送信する積付指示情報送信手段と、を備え、
前記端末は、前記積付指示情報送信手段により送信された積付指示情報を受信して表示する積付指示情報表示手段を備えることを特徴とする流通管理システム。
21.前記端末は、流通対象となる搬送物の識別情報及びその流通拠点の位置情報を含む流通状況情報を前記サーバコンピュータへ送信する流通情報送信手段を備え、
前記サーバコンピュータは、前記流通情報送信手段により送信された流通状況情報を受信して蓄積する流通情報蓄積手段と、前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報を加工する流通情報加工手段と、前記流通情報加工手段による加工結果を表示する加工結果表示手段と、を備える上記20.記載の流通管理システム。
22.前記サーバコンピュータは、前記流通情報加工手段による加工結果に基づいて、入荷に関する異常を報知する入荷異常報知手段を更に備える上記21.記載の流通管理システム。
23.前記サーバコンピュータは、前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する積付指示情報蓄積手段と、前記積付指示情報蓄積手段により蓄積された積付指示情報及び前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて、輸送容器の輸送に必要な手続書類を作成する手続書類作成手段と、を備える上記21.又は22.記載の流通管理システム。
24.前記サーバコンピュータは、前記各流通拠点間を流通する搬送物の流通期間を算出する流通期間算出手段と、前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて発送先の搬送物の在庫情報を算出する在庫情報算出手段と、前記流通期間算出手段により算出された流通期間及び前記在庫情報算出手段により算出された在庫情報に基づいて、発送先の在庫量が所定の範囲内となるように、発送先へ搬送物を供給する供給計画を作成する供給計画作成手段と、を備える上記21.乃至23.のいずれか一項に記載の流通管理システム。
25.前記サーバコンピュータは、前記端末から送信される参照請求信号を受信して、該参照請求信号に応じて、前記流通情報加工手段による加工結果を前記端末に送信する参照情報送信手段を備える上記21.乃至24.のいずれか一項に記載の流通管理システム。
26.前記サーバコンピュータは、前記パレット決定手段により決定されたパレットの使用履歴及び現在位置を含むパレット情報を蓄積するパレット情報蓄積手段を備える上記20.乃至25.のいずれか一項に記載の流通管理システム。
27.前記端末は、積み付け対象となる搬送物の識別情報を測定する識別情報測定手段を更に備える上記20.乃至26.のいずれか一項に記載の流通管理システム。
28.上記1.乃至17.記載の積付情報作成装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
29.上記1.乃至17.記載の積付情報作成装置としてコンピュータを動作させることを特徴とするプログラム。
30.上記20.乃至27.のいずれか一項に記載の流通管理システムとしてコンピュータを動作させるためのプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
31.上記20.乃至27.のいずれか一項に記載の流通管理システムとしてコンピュータを動作させることを特徴とするプログラム。
【発明の効果】
【0009】
本発明の積付情報作成装置によると、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットが決定され、表示装置の表示画面上で、その決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションが行われて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットが表示され、その表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに基づいて積付指示情報が作成される。そして、その作成された積付指示情報に基づいて作業者により実際の積み付け作業が行われることとなる。
このように、1輸送容器単位で使用されるパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを繰り返し行って、その結果から得られる正確な積付指示情報に基づいて実際の積み付け作業が行われるので、形状の異なる多数の搬送物を積み付け対象とする場合であっても、作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させることができると共に、事前の計画通りの積み付け作業を実施できる。また、輸送容器の総数、必要な積付部材、積み付け作業時間等を早期に把握でき、正確な輸送コストを算出できる。さらに最適なバンニング計画及び納入計画を立てることができる。また、必要な搬送物を必要な分だけ短期間に納入する納入計画を立てることによって、搬送物の製造メーカ等の出荷側及び物流センタ等の入荷側における搬送物の保管場所の省スペース化及びコストダウンを図ることができる。特に、入荷された搬送物の出荷時期に応じた保管管理を実現でき、保管場所の更なる省スペース化を図ることができる。その結果、計画的な輸送容器の輸送を実現できる。
【0010】
また、前記搬送物積付パレット表示手段が、前記表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記1輸送容器単位の搬送物積付パレット及び前記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を含む積付指示情報を作成する場合は、パレットに対する搬送物及び積付部材の積み付け箇所、手順等を必要十分に検討することができると共に、それらの積付指示内容を作業者に容易に認識させることができる。また、搬送物積付パレットの個数、即ち輸送容器の総数が分かりより正確な輸送コストを把握することができる。
また、前記搬送物積付パレット表示手段が、1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記パレット、搬送物及び前記積付部材の識別情報を更に含む積付指示情報を作成する場合は、パレット、搬送物及び積付部材の種類、重量、個数等を正確に把握でき、より正確な輸送コストを把握することができる。
また、積付作業時間算出手段を更に備える場合は、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間が分かり、より計画的な積付作業計画を立てることができる。
また、積付料金算出手段を更に備える場合は、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金が分かり、より正確な輸送コストを把握することができる。
なお、前記積付指示情報作成手段が、前記パレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて算出される1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を更に含む積付指示情報を作成する場合は、作業者により計画的な積付作業を実施させることができる。また、積み付け作業時間が分かることによって、より正確な輸送コストを把握することができる。
また、前記積付指示情報作成手段が、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入方向情報を更に含む積付指示情報を作成する場合は、輸送容器への搬送物積付パレットの搬入作業をより確実に行わせることができる。
また、重心位置算出手段を更に備える場合は、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置を表示する際には、輸送容器の重心位置が所定の範囲内であるか否かを容易に確認することができる一方、1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を表示する際には、荷役手段(例えば、フォークリフト等)による搬送物積付パレットの移送をより安全に行わせることができる。
また、重心異常報知手段を更に備える場合は、輸送容器の重心位置が所定の範囲を超えてしまうことをより確実に防止できる。
また、重心異常対策生成手段を更に備える場合は、重心異常に対する対策処理を容易に行うことができる。
また、重量・体積算出手段を更に備える場合は、総重量に基づいて比較的重量の大きな際の輸送コストを把握することができる一方、体積に基づいて比較的重量の小さな際の輸送コストを把握することができる。
また、重量・体積異常報知手段を更に備える場合は、輸送容器の総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えてしまうことをより確実に防止できる。
また、重量・体積異常対策生成手段を更に備える場合は、重量・体積異常に対する対策処理を容易に行うことができる。
また、積付指示情報蓄積手段を更に備える場合は、略同じ積み付けパターンであるときに蓄積された積付指示情報を再利用することができ、積み付けシミュレーションを必要最小限に抑えることができる。
また、手続書類作成手段を更に備える場合は、通関等に必要な手続書類を同時に作成することができ、書き写し等による間違いを防いだり、作成の手間を減らしたりすることができる。
また、識別情報蓄積手段と、搬送物選定手段と、を更に備える場合は、大量の搬送物のなかから積み付け対象としての搬送物を容易に選定できる。
また、識別情報測定手段を更に備える場合は、搬送物の形状、重量、重心等の識別情報を容易に測定して取得することができる。
また、前記パレットが、輸送容器に対して規格化されている場合は、輸送容器内での搬送物の煩雑な固定作業等を必要最小限にとどめ、搬入作業に先立って事前に搬送物を準備しておくことができ、より効率的な搬送物の搬入作業を実現できる。
【0011】
本発明の積付情報作成方法によると、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットが決定され、表示装置の表示画面上で、その決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションが行われて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットが表示され、その表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに基づいて積付指示情報が作成される。そして、その作成された積付指示情報に基づいて作業者により実際の積み付け作業が行われることとなる。
このように、1輸送容器単位で使用されるパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを繰り返し行って、その結果から得られる正確な積付指示情報に基づいて実際の積み付け作業が行われるので、形状の異なる多数の搬送物を積み付け対象とする場合であっても、作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させることができると共に、事前の計画通りの積み付け作業を実施できる。また、輸送容器の総数、必要な積付部材、積み付け作業時間等を早期に把握でき、正確な輸送コストを算出できる。さらに最適なバンニング計画及び納入計画を立てることができる。また、必要な搬送物を必要な分だけ短期間に納入する納入計画を立てることによって、搬送物の製造メーカ等の出荷側及び物流センタ等の入荷側における搬送物の保管場所の省スペース化及びコストダウンを図ることができる。特に、入荷された搬送物の出荷時期に応じた保管管理を実現でき、保管場所の更なる省スペース化を図ることができる。その結果、計画的な輸送容器の輸送を実現できる。
【0012】
本発明の輸送容器への搬送物搬入方法によると、上述の積付情報作成装置で作成された積付指示情報に基づいて、パレットへの搬送物の実際の積み付け作業が行われ、その作業で積み付けられた1輸送容器単位の搬送物積付パレットが輸送容器内に一度に搬入される。これにより、搬送物を大量に取り扱う物流センター等において、輸送容器への搬送物の搬入作業をより効率良く行うことができる。
【0013】
本発明の流通管理システムによると、サーバコンピュータによって、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットが決定され、表示装置の表示画面上で、その決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションが行われて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットが表示され、その表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに基づいて積付指示情報が作成され、その作成された積付指示情報が端末へ送信される一方、端末によって、積付指示情報送信手段により送信された積付指示情報が受信されて表示される。そして、各流通拠点では、その表示された積付指示情報に基づいて作業者により実際の積み付け作業が行われることとなる。
このように、1輸送容器単位で使用されるパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを繰り返し行って、その結果から得られる正確な積付指示情報に基づいて実際の積み付け作業が行われるので、形状の異なる多数の搬送物を積み付け対象とする場合であっても、作業者の熟練度に拘わらず輸送容器に対する搬送物の積載効率を向上させることができると共に、事前の計画通りの積み付け作業を実施できる。また、輸送容器の総数、必要な積付部材、積み付け作業時間等を早期に把握でき、正確な輸送コストを算出できる。さらに最適なバンニング計画及び納入計画を立てることができる。また、必要な搬送物を必要な分だけ短期間に納入する納入計画を立てることによって、搬送物の製造メーカ等の出荷側及び物流センタ等の入荷側における搬送物の保管場所の省スペース化及びコストダウンを図ることができる。特に、入荷された搬送物の出荷時期に応じた保管管理を実現でき、保管場所の更なる省スペース化を図ることができる。その結果、計画的な輸送容器の輸送を実現できる。
【0014】
また、前記端末が、流通情報送信手段を備え、前記サーバコンピュータが、流通情報蓄積手段と、流通情報加工手段と、加工結果表示手段と、を備える場合は、輸送容器及び搬送物の流通状況を把握でき、それらの適切な流通管理を行うことができる。特に、流通情報加工手段及び加工結果表示手段によって、流通中の特定種類の搬送物が何処の流通拠点に滞在しているか等の進捗状態を一覧表示したり、任意の流通拠点に滞在する搬送物の明細情報等を表示したりすることができる。また、搬送物の入荷情報、製品情報等を事前に管理すると共にリアルタイムにて入荷情報、保管情報、製品情報等を更新することによって、入荷遅れ等の異常を容易に把握することができる。
また、前記サーバコンピュータが、積付指示情報蓄積手段と、手続書類作成手段と、を備える場合は、通関等に必要な手続書類を同時に作成することができ、書き写し等による間違いを防いだり、作成の手間を減らしたりすることができる。
また、前記サーバコンピュータが入荷異常検出手段を更に備える場合は、入荷遅れ等の入荷異常をより確実に把握することができる。
また、前記サーバコンピュータが、流通期間算出手段と、在庫情報算出手段と、供給計画作成手段と、を備える場合は、流通期間算出手段によって搬送物が流通拠点間を輸送される期間を個々に求めることができ、流通期間を改善するために必要な情報を求めることができる。また、この情報を用いることによって、発送先の在庫を減らし、流通期間を短縮させることによって、物流コスト削減することができる。また、供給計画手段によって、発送先の在庫を適切な量に保つことができる搬送物の発送計画を作成することができる。さらに、流通に掛かる日数を容易に把握することができるため、出荷先の在庫状況に応じて出荷数を調節することができる。これによって、出荷先の在庫量を必要最小限に保つことが容易となり、在庫の管理が容易となるとともに、在庫を保管する倉庫を縮小させて倉庫管理や土地費用などのコストを減らすことができる。
また、前記サーバコンピュータが、参照情報送信手段を備える場合は、搬送物の製品明細や現在位置を把握することができ、流通状態を容易に知ることができる。
また、前記サーバコンピュータが、パレット情報蓄積手段を備える場合は、各パレットについても個別に現在位置や使用履歴を蓄積でき、パレットの適切な管理を行うことができる。このため、パレットの損失や停滞等を防止することができる。
また、前記端末が識別情報測定手段を更に備える場合は、各流通拠点において搬送物の形状、重量、重心等の識別情報を容易に測定して取得することができる。
【0015】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によると、上述の積付情報作成装置としてコンピュータを好適に動作させることがきる。
本発明のプログラムによると、上述の積付情報作成装置としてコンピュータを好適に動作させることができる。
本発明の他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によると、上述の流通管理システムとしてコンピュータを好適に動作させることができる。
本発明の他のプログラムによると、上述の流通管理システムとしてコンピュータを好適に動作させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
1.積付情報作成装置
本実施形態1に係る積付情報作成装置は、以下に述べるパレット決定手段、搬送物積付パレット表示手段、及び積付指示情報作成手段を備えている。
上記積付情報作成装置は、例えば、後述する積付作業時間算出手段、積付料金算出手段重心位置算出手段、重心異常報知手段、重心異常対策生成手段、重量・体積算出手段、重量・体積異常報知手段、重量・体積異常対策生成手段、積付指示情報蓄積手段、手続書類作成手段、及び形状測定手段のうちの1種又は2種以上の組み合わせを更に備えることができる。また、上記積付情報作成装置は、例えば、後述する識別情報蓄積手段及び搬送物選定手段を更に備えることができる。
【0017】
上記「パレット決定手段」は、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するための手段である限り、その決定手順、形態等は特に問わない。
上記パレット決定手段は、例えば、上記1輸送容器単位で使用されるパレットの形状及び使用個数を決定するための手段であることができる。
上記パレット決定手段は、例えば、表示装置の表示画面上に、積み付け対象としての各種の搬送物及びパレットを表示させ、両者を比較しつつ作業者により適宜入力手段で入力される入力情報よりパレットを決定する手段であることができる。
【0018】
上記「搬送物」は、輸送容器に収容されて輸送され得るものである限り、その形状、個数等は特に問わない。この搬送物としては、例えば、管状製品、棒状製品、コイル状製品、板状製品(シート状製品)、塊状製品、異形状製品等を挙げることができる。これらの製品の材質としては、例えば、鋼材、ステンレス鋼材、アルミニウム材、プラスチック材、ガラス材、石材、木材等を挙げることができる。また、この搬送物の重量として、例えば、100g〜20ton程度が挙げられる。さらに、この搬送物の種類としては、例えば、自動車部品、各種機械部品、各種電気製品、墓石、各種雑貨等を挙げることができる。なお、上記コイル状製品としては、例えば、板状材又は線状材等を巻き取ってなるもの等を挙げることができる。
ここで、上記コイル状製品及び板状製品は、例えば、素材から所定形状に切断された板取り製品であることができる。具体的に説明すると、上記コイル状製品は、例えば、素材(コイル状製品)を巻戻しつつコイル巻方向に切断して、再度巻き取ることによって板取り形成されることができる。また、板状製品は、例えば、素材(コイル状製品)を巻戻しつつ主に幅方向に切断して板取り形成されることができる。なお、これらのコイル状製品及び板状製品の板取り形成の形態を、例えば、後述する表示装置の表示画面上で2次元及び/又は3次元表示でシミュレーションすることができる。これにより、板取り後の各製品に関する識別情報(名称、品番、重量、形状、材質データ等)を容易に取得することができる。その結果、その識別情報に基づいて後述する積付シミュレーションを極めて容易に実施することができる。また、コイル状製品では、外径等の取り合わせによって、板取り前の予定重量(伝票重量)と板取り後の実際の重量とが異なる場合があるが、上述の板取りシミュレーションを行うことによって実際の重量を簡易且つ迅速に把握でき、トラック荷台へのコイル状製品の過積載を防止することができる。
【0019】
上記「輸送容器」としては、例えば、ドライコンテナ、リーファコンテナ、オープントップコンテナ、フラットコンテナ等の各種コンテナ、トラックの荷台等を挙げることができる。各種コンテナのうちドライコンテナであることが好ましい。一番流通しており、安価でしかも確保が容易なためである。このドライコンテナは、通常、20フィートドライコンテナ及び40フィートドライコンテナの2種類からなる。
【0020】
上記「パレット」の形状、個数、材質等は特に問わない。このパレットは、例えば、上記輸送容器に対して規格化されていることができる。即ち、上記パレットは、1の場合はこれ単独にて、2以上の場合はこれを組み合わせると、輸送容器の内部の平面形状の大きさと略一致するものであることができる。上記2以上を組み合わせて用いるパレットにおいて、例えば、パレットの形状を輸送容器の床面の長辺(又は短辺を)を2等分、3等分、4等分、5等分等とする形状とすることができる。同様に、その床面を1/6、2/6、3/6等の大きさのパレットや、2/5、3/5等の等分でない大きさのパレットを組み合わせてもよい。また、長辺方向を3等分し、短辺方向を2等分する床面等の大きさを持つ6等分のパレット、即ち、長辺方向及び短辺方向の双方向を区分けしたパレットを組み合わせてもよい。さらに、上記パレットの材質としては、例えば、金属、プラスチック、木、紙(特にダンボール)等を挙げることができる。
尚、上記搬送物、輸送容器及びパレットに係る説明は、以下の説明及び後述する他の実施形態においても同様に適用され得るものとする。
【0021】
上記「搬送物積付パレット表示手段」は、表示装置の表示画面上で、上記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する手段である限り、その表示手順、形態等は特に問わない。
【0022】
上記搬送物積付パレット表示手段は、例えば、表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を表示する手段であることができる。
この場合、上記搬送物積付パレット表示手段が、表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報を表示する手段であることが好ましい。特に、上記搬送物積付パレット及び上記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像と共に、上記識別情報を表示装置の表示画面上に同時に表示することが好ましい。
また、上記積み付けシミュレーションが、3次元表示で行われることが好ましい。様々な形状の搬送物の積み付けシミュレーションを容易に行い得るためである。
【0023】
なお、上記「搬送物積付パレット」とは、搬送物を積み付けた状態のパレットを意図する。また、上記「積付部材」としては、例えば、角材、箱材、ラッシングベルト、ガイド材、ネジ具等を挙げることができる。さらに、上記「パレット、搬送物及び積付部材の識別情報」としては、例えば、名称、品番、重量、形状、材質データ等を挙げることができる。特に、上記搬送物の識別情報としては、例えば、上記情報に加えて発送元名称、発送先名称データ等を挙げることができる。これら各種のパレット、搬送物及び積付部材の識別情報は、例えば、データベース等に予め蓄積されている。そして、その蓄積された識別情報に基づいて、上記積付シミュレーションにおける表示処理に利用されたり、後述する積付指示情報の作成処理に利用されたり、後述する重心位置や重量等の算出処理に利用されたりする。これらの点は、以下の説明及び後述する他の実施形態においても同様に適用されるものとする。
【0024】
上記「積付指示情報作成手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。
【0025】
上記積付指示情報作成手段は、例えば、1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を含む積付指示情報を作成する手段であることができる。積付指示内容の認識性といった観点から、上記積付指示情報作成手段が、上記搬送物積付パレット及び上記積付部材の2次元表示画像及び3次元表示画像の両画像を含む積付指示情報を作成する手段であることが好ましい。
この場合、上記積付指示情報作成手段としては、(1)前記パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を更に含む積付指示情報を作成する形態、(2)1輸送容器単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入方向情報を更に含む積付指示情報を作成する形態、(3)1パレット単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入順序を更に含む積付指示情報を作成する形態等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
なお、上述のように輸送容器がトラック荷台である場合、特に上記(3)形態を採用することが好ましい。トラック荷台に対する荷積み順序及び荷降し順序を容易且つ迅速に把握できるためである。
【0026】
上記「積付作業時間算出手段」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この場合、該積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間を表示装置の表示画面上に表示したり、その算出された積み付け作業時間を含む積付指示情報を作成したりできる。
【0027】
上記「積付料金算出手段」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報、並びに前記積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この場合、該積付料金算出手段により算出された積付料金を表示装置の表示画面上に表示したり、その算出された積付料金を含む積付指示情報を作成したりできる。
なお、上記積付料金としては、例えば、積付作業費(作業原価)、梱包資材費、パレット利用料金等を挙げることができる。
【0028】
上記「重心位置算出手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。
なお、上述のように輸送容器がトラック荷台である場合、そのトラック荷台に対する荷降し順序(即ち、荷積み順序)を考慮しつつ上記積み付けシミュレーションが行われ、その際のトラック荷台単位の重心位置が算出されることとなる。
【0029】
上記重心位置算出手段により算出された上記1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。また、上記積付指示情報作成手段は、例えば、上記重心位置算出手段により算出された上記1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を含む積付指示情報を作成することができる。これにより、積付作業を行う作業者等は、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。特に、積付指示情報が、1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を含んでいる場合には、実際の積付作業時に、荷役手段(例えば、フォークリフト等)を用いて、1パレット単位の搬送物積付パレットを、その重心位置を考慮しつつ安全に移送することができる。
【0030】
上記「重心異常報知手段」は、上記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときに異常を報知する手段である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。その報知形態としては、例えば、積付シミュレーションを行う作業者の視覚、聴覚、触覚等に作用させて異常を報知する形態等を挙げることができる。
【0031】
上記「重心異常対策情報生成手段」は、上記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときにその重心異常に対する対策情報を生成する手段である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。上記重心異常対策情報生成手段により生成された対策情報は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重心異常に対する対策処理を容易且つ迅速に行うことができる。
なお、上記「重心異常に対する対策情報」としては、例えば、「搬送物Aの積付位置をパレットの一端側へずらす」「搬送物Bの替わりに搬送物Cを積みつける」「搬送物Dの積付を止める」等のコメント情報を挙げることができる。
【0032】
上記「重量・体積算出手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。これにより、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを構成する搬送物の総重量が所定の基準値を超えている場合(即ち、搬送物の総重量が比較的大きな場合)、輸送コストは総重量から算出される一方、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを構成する搬送物の総重量が所定の基準値以下の場合(即ち、搬送物の総重量が比較的小さな場合)、輸送コストは体積から算出される。
【0033】
上記「重量・体積異常報知手段」は、上記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときに異常を報知する手段である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。その報知形態としては、例えば、積付シミュレーションを行う作業者の視覚、聴覚、触覚等に作用させて異常を報知する形態等を挙げることができる。
【0034】
上記「重量・体積異常対策情報生成手段」は、上記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときにその重量・体積異常に対する対策情報を生成する手段である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。上記重量・体積異常対策情報生成手段により生成された対策情報は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重量・体積異常に対する対策処理を容易且つ迅速に行うことができる。
なお、上記「重量・体積異常に対する対策情報」としては、例えば、「搬送物Aの積付を止める」「搬送物Bの替わりに搬送物Cを積みつける」「搬送物D及び搬送物Eの積付位置を替える」等のコメント情報を挙げることができる。
【0035】
ここで、本積付情報作成装置は、例えば、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの仮想衝撃実験を行う仮想衝撃実験手段を更に備えることができる。これにより、輸送容器の輸送に適した強度を有するパレットを決定することができる。
【0036】
上記「積付指示情報蓄積手段」は、上記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する手段である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。
【0037】
上記「手続書類作成手段」は、上記積付指示情報蓄積手段により蓄積された積付指示情報に基づいて、輸送容器の輸送(特に、コンテナ輸送)に必要な手続書類を作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。上記手続書類としては、例えば、コンテナ貨物搬入票、コンテナ詰貨物内容証明書、パッキングリスト等を挙げることができる。上述のように、上記積付指示情報が、パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を含んでいれば、それらの識別情報から上記手続書類を自動作成することができる。
【0038】
上記「識別情報測定手段」は、上記搬送物の形状、重量、重心等の識別情報を測定する手段である限り、その測定手順、形態等は特に問わない。形状を測定する上記測定手段としては、例えば、(1)レーザ光を用いる非接触式の測定手段、(2)触針式の測定手段、(3)撮影装置による撮影画像から形状を取得する手段等を挙げることができる。なお、上記(3)形態では、上記撮影装置を搬送物の周囲(3方向側等)に固定配置したり、上記撮影装置を搬送物の周囲を移動するように設けたりできる。
【0039】
上記「識別情報蓄積手段」は、上記搬送物の識別情報を蓄積する手段である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。この識別情報蓄積手段は、例えば、上記搬送物の識別情報に加えて、上記パレット及び積付部材の識別情報を蓄積することができる。
上記「搬送物選定手段」は、上記識別情報蓄積手段により蓄積された識別情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定するための手段である限り、その選定手順、形態等は特に問わない。上記搬送物選定手段は、例えば、上記表示装置の表示画面上に、各種の搬送物を表示させ、作業者により適宜入力手段で入力される入力情報より搬送物を選定する手段であることができる。
【0040】
2.積付情報作成方法
本実施形態2に係る積付情報作成方法は、上述の積付情報作成装置を用いる方法であって、以下に述べるパレット決定工程、搬送物積付パレット表示工程、及び積付指示情報作成工程を備える。
上記積付情報作成方法は、例えば、後述する、積付作業時間算出工程、積付料金算出工程、重心位置算出工程、重心異常報知工程、重心異常対策生成工程、重量・体積算出工程、重量・体積異常報知工程、重量・体積異常対策生成工程、積付指示情報蓄積工程、手続書類作成工程、及び形状測定工程のうちの1種又は2種以上の組み合わせを更に備えることができる。また、上記積付情報作成方法は、例えば、後述する識別情報蓄積工程及び搬送物選定工程を更に備えることができる。
【0041】
上記「パレット決定工程」は、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定する工程である限り、その決定手順、形態等は特に問わない。
上記パレット決定工程は、例えば、上記1輸送容器単位で使用されるパレットの形状及び使用個数を決定する工程であることができる。
上記パレット決定工程は、例えば、表示装置の表示画面上に、積み付け対象としての各種の搬送物及びパレットを表示させ、両者を比較しつつ作業者により適宜入力手段で入力される入力情報よりパレットを決定する工程であることができる。
【0042】
上記「搬送物積付パレット表示工程」は、表示装置の表示画面上で、上記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する工程である限り、その表示手順、形態等は特に問わない。
【0043】
上記搬送物積付パレット表示工程は、例えば、表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を表示する工程であることができる。
この場合、上記搬送物積付パレット表示工程が、表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報を表示する工程であることが好ましい。特に、上記搬送物積付パレット及び上記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像と共に、上記識別情報を表示装置の表示画面上に表示することが好ましい。
また、上記積み付けシミュレーションが、3次元表示で行われることが好ましい。様々な形状の搬送物の積み付けシミュレーションを容易に行い得るためである。
【0044】
なお、上記「搬送物積付パレット」とは、搬送物を積み付けた状態のパレットを意図する。また、上記「積付部材」としては、例えば、角材、箱材、ラッシングベルト、ガイド材、ネジ具等を挙げることができる。さらに、上記「パレット、搬送物及び積付部材の識別情報」としては、例えば、名称、品番、重量、形状、材質データ等を挙げることができる。特に、上記搬送物の識別情報としては、例えば、上記情報に加えて発送元名称、発送先名称データ等を挙げることができる。これら各種のパレット、搬送物及び積付部材の識別情報は、例えば、データベース等に予め蓄積されている。そして、その蓄積された識別情報は、上記積付シミュレーションにおける表示処理に利用されたり、後述する積付指示情報の作成処理に利用されたり、後述する重心位置や重量等の算出処理に利用されたりする。
【0045】
上記「積付指示情報作成工程」は、上記搬送物積付パレット表示工程により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する工程である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。
【0046】
上記積付指示情報作成工程は、例えば、1輸送容器単位の搬送物積付パレット及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される前記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を含む積付指示情報を作成する工程であることができる。積付指示内容の認識性といった観点から、上記積付指示情報作成工程が、上記搬送物積付パレット及び上記積付部材の2次元表示画像及び3次元表示画像の両画像を含む積付指示情報を作成する工程であることが好ましい。
この場合、上記積付指示情報作成工程としては、(1)前記パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を更に含む積付指示情報を作成する形態、(2)1輸送容器単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入方向情報を更に含む積付指示情報を作成する形態等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
【0047】
上記「積付作業時間算出工程」は、前記搬送物積付パレット表示工程により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を算出する工程である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この場合、該積付作業時間算出工程により算出された積み付け作業時間を表示装置の表示画面上に表示したり、その算出された積み付け作業時間を含む積付指示情報を作成したりできる。
【0048】
上記「積付料金算出工程」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報、並びに前記積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この場合、該積付料金算出手段により算出された積付料金を表示装置の表示画面上に表示したり、その算出された積付料金を含む積付指示情報を作成したりできる。
なお、上記積付料金としては、例えば、積付作業費(作業原価)、梱包資材費、パレット利用料金等を挙げることができる。
【0049】
上記「重心位置算出工程」は、上記搬送物積付パレット表示工程により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を算出する工程である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。
【0050】
上記重心位置算出工程により算出された上記1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。また、上記積付指示情報作成工程は、例えば、上記重心位置算出手段により算出された上記1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を含む積付指示情報を作成することができる。これにより、積付作業を行う作業者等は、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。特に、積付指示情報が、1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を含んでいる場合には、実際の積付作業時に、荷役手段(例えば、フォークリフト等)を用いて、1パレット単位の搬送物積付パレットを、その重心位置を考慮しつつ安全に移送することができる。
【0051】
上記「重心異常報知工程」は、上記重心位置算出工程により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときに異常を報知する工程である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。その報知形態としては、例えば、積付シミュレーションを行う作業者の視覚、聴覚、触覚等に作用させて異常を報知する形態等を挙げることができる。
【0052】
上記「重心異常対策情報生成工程」は、上記重心位置算出工程により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときにその重心異常に対する対策情報を生成する工程である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。上記重心異常対策情報生成工程により生成された対策情報は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重心異常に対する対策処理を容易且つ迅速に行うことができる。
なお、上記「重心異常に対する対策情報」としては、例えば、「搬送物Aの積付位置をパレットの一端側へずらす」「搬送物Bの替わりに搬送物Cを積みつける」「搬送物Dの積付を止める」等のコメント情報を挙げることができる。
【0053】
上記「重量・体積算出工程」は、上記搬送物積付パレット表示工程により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積を算出する工程である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。これにより、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを構成する搬送物の総重量が所定の基準値を超えている場合(即ち、搬送物の総重量が比較的大きな場合)、輸送コストは総重量から算出される一方、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを構成する搬送物の総重量が所定の基準値以下の場合(即ち、搬送物の総重量が比較的小さな場合)、輸送コストは体積から算出される。
【0054】
上記「重量・体積異常報知工程」は、上記重量・体積算出工程により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときに異常を報知する工程である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。その報知形態としては、例えば、積付シミュレーションを行う作業者の視覚、聴覚、触覚等に作用させて異常を報知する形態等を挙げることができる。
【0055】
上記「重量・体積異常対策情報生成工程」は、上記重量・体積算出工程により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときにその重量・体積異常に対する対策情報を生成する工程である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。上記重量・体積異常対策情報生成工程により生成された対策情報は、例えば、上記表示装置の表示画面上に表示されることができる。これにより、積付シミュレーション中に、重量・体積異常に対する対策処理を容易且つ迅速に行うことができる。
なお、上記「重量・体積異常に対する対策情報」としては、例えば、「搬送物Aの積付を止める」「搬送物Bの替わりに搬送物Cを積みつける」「搬送物D及び搬送物Eの積付位置を替える」等のコメント情報を挙げることができる。
【0056】
ここで、本積付情報作成方法は、例えば、上記搬送物積付パレット表示工程により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの仮想衝撃実験を行う仮想衝撃実験工程を更に備えることができる。これにより、輸送容器の輸送に適した強度を有するパレットを決定することができる。
【0057】
上記「積付指示情報蓄積工程」は、上記積付指示情報作成工程により作成された積付指示情報を蓄積する工程である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。
【0058】
上記「手続書類作成工程」は、上記積付指示情報蓄積工程により蓄積された積付指示情報に基づいて、輸送容器の輸送(特に、コンテナ輸送)に必要な手続書類を作成する工程である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。上記手続書類としては、例えば、コンテナ貨物搬入票、コンテナ詰貨物内容証明書、パッキングリスト等を挙げることができる。
【0059】
上記「識別情報測定工程」は、上記搬送物の形状、重量、重心等の識別情報を測定する工程である限り、その測定手順、形態等は特に問わない。形状を測定する上記測定工程としては、例えば、(1)レーザ光を用いる非接触式の測定工程、(2)触針式の測定工程、(3)撮影装置による撮影画像から形状を取得する工程等を挙げることができる。なお、上記(3)形態では、上記撮影装置を搬送物の周囲(3方向側等)に固定配置したり、上記撮影装置を搬送物の周囲を移動するように設けたりできる。
【0060】
上記「識別情報蓄積工程」は、上記搬送物の識別情報を蓄積する工程である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。この識別情報蓄積手段は、例えば、上記搬送物の識別情報に加えて、上記パレット及び積付部材の識別情報を記憶することができる。
上記「搬送物選定工程」は、上記識別情報蓄積手段により蓄積された識別情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定する工程である限り、その選定手順、形態等は特に問わない。上記搬送物選定工程は、例えば、上記表示装置の表示画面上に、各種の搬送物を表示させ、作業者により適宜入力手段で入力される入力情報より搬送物を選定する工程であることができる。
【0061】
3.輸送容器への搬送物搬入方法
本実施形態3に係る輸送容器への搬送物搬入方法は、以下に述べる実際の積み付け工程及び搬入工程を更に備える。
【0062】
上記「実際の積み付け工程」は、上述の積付情報作成装置で作成された積付指示情報に基づいて、パレットへの搬送物の実際(現実)の積み付け作業を行う工程である限り、その積付手順、形態等は特に問わない。
上記「搬入工程」は、上記実際の積み付け工程で積み付けられた1輸送容器単位の搬送物積付パレットを輸送容器内に一度に搬入する工程である限り、その搬入手順、形態等は特に問わない。
なお、その他の搬入工程としては、例えば、上記実際の積み付け工程で積み付けられた1パレット単位の搬送物積付パレットを輸送容器内に所定順序で搬入する工程であることができる。これにより、上述のように輸送容器がトラック荷台である場合、そのトラック荷台に対する荷降し順序を考慮した荷積みを行うことができる。
【0063】
(搬入台車を用いる搬入工程)
上記搬入工程は、例えば、上記搬送物積付パレットの底面側を支持するパレット支持部材と、該パレット支持部材を昇降させる昇降手段と、を有する床面上を走行可能な搬入台車を用意し、該搬入台車を、上記搬送物積付パレットの下部開放空間内に進入させ、前記昇降手段により上昇される前記パレット支持部材が前記底面側を支持して前記搬送物積付パレットを床面より浮上させ、その浮上状態で、該搬入台車を走行させて前記搬送物積付パレットを水平方向に移送し、前記昇降手段により下降される前記パレット支持部材が前記底面側の支持を解除して前記搬送物積付パレットを床面上に載置させて、上記搬送物積付パレットを輸送容器内に一度に搬入する工程であることができる。
【0064】
ここで、上記昇降手段は、例えば、流体{通常は、気体(特に、エア等)}の給排により膨縮する膨縮部材と、この膨縮部材と流体供給源とを連絡するための配管と、この配管の途中に設けられ且つこの膨出部材に対して流体を給排させ得る開閉バルブ機構と、を有することができる。これにより、より重い搬送物を昇降させ得ると共に、搬送物をより正確な搬送位置に位置決めできる。
【0065】
また、上記搬送工程は、例えば、前記搬入台車が走行する走行部、及び該走行部を走行する該搬入台車に設けた被案内部を案内する案内部が設けられ且つ床面上を走行可能な案内本体を有する案内具を用いることができる。
この場合、先ず、前記搬入台車を搭載した状態の前記案内具を、所定位置の前記輸送容器の一端開口部に近接するステージの床面上に用意し、次に、前記案内具を、前記ステージ及び前記輸送容器の床面上を走行させて該輸送容器内に位置させ、次いで、前記ステージの床面上に上記搬送物積付パレットを載置し、その後、前記搬入台車を、前記案内具の前記走行部及び前記ステージの床面上を走行させて、搬送物積付パレットの前記下部開放空間内に進入させた状態で該ステージ上に位置させ、次に、前記昇降手段により前記パレット支持部材を上昇させ、該パレット支持部材が前記底面を支持して前記搬送物積付パレットを床面より浮上させ、次いで、前記搬入台車を、前記ステージ及び前記案内具の前記走行部の床面上を走行させて、浮上状態の前記搬送物積付パレットを前記輸送容器内に位置させ、その後、前記昇降手段により前記パレット支持部材を下降させ、該パレット支持部材が前記底面の支持を解除して前記搬送物積付パレットを前記輸送容器の床面上に載置させ、次に、前記搬入台車を搭載した状態の前記案内具を、前記輸送容器及び前記ステージの床面上を走行させて該ステージ上に位置させ、前記輸送容器内に上記搬送物積付パレットを搬入させるようにすることができる。
【0066】
上記「案内具」は、走行部及び案内部が設けられた案内本体を有する限り、その形状、大きさ、本数等は特に問わない。この走行部は、例えば、水平板状の床部であることができる。上記案内部としては、例えば、案内面、回転ローラ、転動ボール等を挙げることができる。案内性といった観点から、この案内部が案内面からなることが好ましい。また、上記被案内部としては、例えば、回転ローラ、転動ボール、案内面等を挙げることができる。被案内性といった観点から、この被案内部が回転ローラ及び/又は転動ボールからなることが好ましい。
上記案内本体は、例えば、走行部としての平板状の床部と、この床部の両側縁部から立ち上がる案内部としての案内壁部と、を有することができる。この場合、案内本体の横断面形状としては、例えば、Uの字状、L字状、角環状等を挙げることができる。
上記案内具は、例えば、上記案内本体を床面に対して昇降させる本体昇降手段を更に有することができる。これにより、輸送容器やステージ等の床面との間で摩擦接触することなく、案内具を移送させることができる。この本体昇降手段としては、例えば、上述の昇降手段の構成を適用することができる。
【0067】
(第1及び第2昇降滑動装置を用いる搬入工程)
上記搬入工程は、例えば、所定位置の前記輸送容器の一端開口部に近接するステージの床面上に第1昇降滑動装置を用意すると共に、所定位置の前記輸送容器の床面上に第2昇降滑動装置を用意し、前記第1昇降滑動装置と前記第2昇降滑動装置との間で、上記搬送物積付パレットを、前記ステージ又は前記輸送容器の床面より浮上させた状態で水平移動させて受け渡して、上記搬送物積付パレットを輸送容器内に一度に搬入する工程であることができる。
【0068】
ここで、上記第1及び第2昇降滑動装置は、上記搬送物積付パレットの底面側を水平移動自在に支持する第1及び第2滑動体と、該第1及び第2滑動体を昇降させる第1及び第2昇降体とを備える。上記滑動体としては、例えば、無端状ベルト、多数の転動部材(転動ボール、ローラ等)、摺動面等を挙げることができる。これらのうち、並列的に配設される複数のローラであることが好ましい。また、上記昇降体は、例えば、空気の導入により膨張して滑動体を押上げ可能な膨張部材を有することができる。
上記ステージの構造、形状、大きさ等は特に問わない。このステージとしては、例えば、(1)床置された輸送容器の床面と実質的に同じ高さレベルの床面を有する形態、(2)トラック等の車両のシャーシ上に載置された輸送容器の床面と実質的に同じ高さレベルの床面を有する形態等を挙げることができる。
【0069】
4.流通管理システム
本実施形態4に係る流通管理システムは、複数の流通拠点のそれぞれに設けられる端末と、該端末にネットワークを介して接続されるサーバコンピュータと、を備えている。
【0070】
上記サーバコンピュータは、以下に述べるパレット決定手段、搬送物積付パレット表示手段、積付指示情報作成手段、及び積付指示情報送信手段を備える。
【0071】
上記「パレット決定手段」は、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するための手段である限り、その決定手順、形態等は特に問わない。このパレット決定手段としては、例えば、上記実施形態1のパレット決定手段の構成を適用することができる。
【0072】
上記「搬送物積付パレット表示手段」は、表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する手段である限り、その表示手順、形態等は特に問わない。この搬送物積付パレット表示手段としては、例えば、上記実施形態1の搬送物積付パレット表示手段の構成を適用することができる。
【0073】
上記「積付指示情報作成手段」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。この積付指示情報作成手段としては、例えば、上記実施形態1の積付指示情報作成手段の構成を適用することができる。
【0074】
上記「積付指示情報送信手段」は、上記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を前記端末へ送信する手段である限り、その送信手順、形態等は特に問わない。
【0075】
上記端末は、以下に述べる積付指示情報表示手段を備える。
上記「積付指示情報表示手段」は、上記積付指示情報送信手段により送信された積付指示情報を受信して表示する手段である限り、その表示手順、形態等は特に問わない。
【0076】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記記端末が、以下に述べる流通情報送信手段を備え、上記サーバコンピュータが、以下に述べる流通情報蓄積手段、流通情報加工手段、及び加工結果表示手段を備えることができる。上記コンピュータは、例えば、後述の入荷異常検出手段及び/又は搬送物選定手段を更に備えることができる。
【0077】
上記「流通情報送信手段」は、流通対象となる搬送物の識別情報及びその流通拠点の位置情報を含む流通状況情報を前記サーバコンピュータへ送信する手段である限り、その送信手順、形態等は特に問わない。
上記流通情報送信手段としては、例えば、(1)ダウンロード可能なプログラムとしてサーバコンピュータの記憶装置上に格納し、本流通管理システムの利用時にサーバコンピュータから端末へダウンロードし、実行する形態、(2)端末内に本流通管理システムに必要なプログラム等として予め保存する形態、(3)World Wide Webブラウザ等、一般のパーソナルコンピュータに導入されているブラウザプログラムである形態等を挙げることができる。また、上記流通状況情報を送信するタイミングとしては、例えば、検品登録、作業指示実績登録、ブッキング依頼、ドレー依頼等を挙げることができる。
【0078】
上記識別情報としては、例えば、搬送物の名称、品番、重量、形状、材質、個数、発送元名称、発送先名称等に関するデータを挙げることができる。
上記位置情報は、搬送物がどの流通拠点に位置するのかを判別するための情報である。また、上記位置情報は、端末の認証手段によって代替してもよい。各流通拠点をそれぞれ区別できる認証手段であれば、認証を行った時点でどの流通拠点であるかどうかが分かり、その位置も一意に決定することができるからである。
【0079】
上記「流通情報蓄積手段」は、上記流通情報送信手段により送信された流通状況情報を受信して蓄積する手段である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。これにより、搬送物の入荷情報、製品情報等を事前に管理すると共にリアルタイムにて入荷情報、保管情報、製品情報等を更新することによって、入荷遅れ等の異常を容易に把握することができる。
上記流通情報蓄積手段は、例えば、上記流通状況情報に加えて、上記パレット及び積付部材の識別情報を蓄積することができる。
【0080】
上記「流通情報加工手段」は、上記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報を加工する手段である限り、その加工手順、形態等は特に問わない。
上記流通情報加工手段としては、例えば、(1)流通状況情報を加工して、流通中の特定種類の搬送物が何処の流通拠点に滞在しているか等を示す進捗情報を作成する形態、(2)流通状況情報を加工して、任意の流通拠点に滞在する搬送物の明細情報を作成する形態等を挙げることができる。
【0081】
上記「加工結果表示手段」は、上記流通情報加工手段による加工結果を表示する手段である限り、その表示手順、形態等は特に問わない。
【0082】
上記「入荷異常検出手段」は、上記流通情報加工手段による加工結果に基づいて、入荷に関する異常を検出する手段である限り、その検出手順、形態等は特に問わない。上記入荷異常検出手段により入荷異常が検出されると、例えば、その入荷異常が適宜報知手段によって報知されたり、その検出結果がサーバコンピュータに接続される端末に送信されたりすることができる。上記報知形態としては、例えば、視覚、聴覚、触覚等に作用させて異常を報知する形態等を挙げることができる。
【0083】
上記「搬送物選定手段」は、上記流通情報蓄積手段に蓄積された流通状況情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定するための手段である限り、その選定手順、形態等は特に問わない。これにより、大量の蓄積データのなかから積み付け対象としての搬送物を容易に選定することができる。
【0084】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べる積付指示情報蓄積手段及び手続書類作成手段を更に備えることができる。
【0085】
上記「積付指示情報蓄積手段」は、上記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する手段である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。
【0086】
上記「手続書類作成手段」は、上記積付指示情報蓄積手段に蓄積された積付指示情報及び上記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて、輸送容器の輸送(特に、コンテナ輸送)に必要な手続書類を作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。上記手続書類としては、例えば、コンテナ貨物搬入票、コンテナ詰貨物内容証明書、パッキングリスト等を挙げることができる。上記積付指示情報が、パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を含んでいれば、それらの識別情報から上記手続書類を容易に自動作成することができる。
【0087】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べる流通期間算出手段、在庫情報算出手段、及び供給計画作成手段を更に備えることができる。
【0088】
上記「流通期間算出手段」は、各流通拠点間を流通する搬送物の流通期間(リードタイムともいう。)を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。
上記流通期間算出手段は、貨物の流通における流通処理要素毎に掛かる流通処理期間を決定し、これらの流通処理期間を加算して上記流通期間を算出する手段であることができる。
上記流通処理要素としては、例えば、貨物製造要素、バンニング要素、通関要素、荷積み要素、海上輸送要素、荷下ろし要素、発送先稼働待機要素、陸上輸送要素等を挙げることができる。なお、上記流通処理期間は、流通対象となる貨物の種類毎、及び発送先毎に異なる期間とすることができる。貨物の種類が異なると通常、製造に要する期間等が異なることが多いし、発送先が異なれば輸送距離が異なるため期間が変化するためである。
【0089】
上記「在庫情報算出手段」は、上記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて発送先の搬送物の在庫情報を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。
上記在庫情報算出手段は、例えば、上記流通情報蓄積手段に蓄積された流通状況情報と、発送先から入手する在庫に関する情報とに基づいて、発送先の搬送物の在庫情報を算出する手段であることができる。
【0090】
上記「供給計画作成手段」は、上記流通期間算出手段により算出された流通期間及び上記在庫情報算出手段により算出された在庫情報に基づいて、発送先の在庫量が所定の範囲内となるように、発送先へ搬送物を供給する供給計画(輸送計画)を作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。
上記供給計画は、発送先の在庫量が略一定量を維持することができるように、発送先へ搬送物を供給する時期及び量に関する計画である。この供給計画では、例えば、パレット及び輸送容器の確保、バンニング時期等も同時に計画することができる。
ここで、発送先の在庫量の減少は、発送先の発注計画から搬送物を使用する時期及び量を予想して推定することができる。また、発送先の在庫量の増加は、コンテナ船の来港間隔及び輸送期間が予め判明しているため、輸送期間による遅延を考慮して推定することができる。これら発送先の在庫量の増減推定に基づいて、発送先へ搬送物を供給する時期及び量を決定することにより、供給計画を作成することができる。
【0091】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べる参照情報送信手段を更に備えることができる。
【0092】
前記「参照情報送信手段」は、前記端末から送信される参照請求信号を受信して、該参照請求信号に応じて、前記流通情報加工手段による加工結果を前記端末に送信する手段である限り、その送信手順、形態等は特に問わない。
上記参照情報送信手段は、例えば、端末がサーバコンピュータに接続するときに任意の認証手段を用いることによって端末の使用者を特定し、参照又は更新可能な端末情報の範囲を限定することができる。
【0093】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べるパレット情報蓄積手段を更に備えることができる。
【0094】
上記「パレット情報蓄積手段」は、上記パレット決定手段により決定されたパレットの使用履歴及び現在位置を含むパレット情報を蓄積する手段である限り、その蓄積手順、形態等は特に問わない。
【0095】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べる輸送スケジュール作成手段を更に備えることができる。
【0096】
上記「輸送スケジュール作成手段」は、上記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報及び上記供給計画作成手段により作成された供給計画に基づいて、輸送スケジュールを作成する手段である限り、その作成手順、形態等は特に問わない。
上記輸送スケジュールとしては、例えば、製造、入荷、積付、バンニング、出荷等に係るスケジュールを挙げることができる。
【0097】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記端末が、積み付け対象となる搬送物の識別情報を測定する識別情報測定手段を更に備えることができる。
上記「識別情報測定手段」は、上記搬送物の形状、重量、重心等の識別情報を測定する手段である限り、その測定手順、形態等は特に問わない。形状を測定する上記測定手段としては、例えば、(1)レーザ光を用いる非接触式の測定手段、(2)触針式の測定手段、(3)撮影装置による撮影画像から形状を取得する手段等を挙げることができる。なお、上記(3)形態では、上記撮影装置を搬送物の周囲(3方向側等)に固定配置したり、上記撮影装置を搬送物の周囲を移動するように設けたりできる。
【0098】
ここで、例えば、上記搬送物、パレット及び輸送容器のうちの少なくとも1つには、上記搬送物の識別情報を記憶する識別情報記憶媒体が設けられていることができる。これにより、伝票等の付随資料がなくても識別情報を参照することができ、搬送物等の詳細を知ることができる。
上記識別情報記憶媒体としては、例えば、バーコード、磁気媒体、半導体メモリ等を挙げることができる。これらのうち、バーコードが低コストで配設することができることから好ましい。特に、二次元バーコードは、識別情報の内容を取捨選択することなく全て蓄積できるだけの記憶容量を備えるため好ましい。更に、上記半導体メモリは、RFIDタグ及び非接触式ICカード等のように電磁波等によって蓄積した情報を読み出すことができる媒体がより好ましい。
【0099】
本実施形態4に係る流通管理システムは、例えば、上記サーバコンピュータが、以下に述べる積付作業時間算出手段、積付料金算出手段、重心位置算出手段、重心異常報知手段、重心異常対策生成手段、重量・体積算出手段、重量・体積異常報知手段、重量・体積異常対策生成手段、仮想衝撃実験手段のうちの1種又は2種以上の組み合わせを更に備えることができる。
【0100】
上記「積付作業時間算出手段」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この積付作業時間算出手段としては、例えば、実施形態1で説明した積付作業時間算出手段の構成を適用することができる。
【0101】
上記「積付料金算出手段」は、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報、並びに前記積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この積付料金算出手段としては、例えば、実施形態1で説明した積付料金算出手段の構成を適用することができる。
【0102】
上記「重心位置算出手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この重心位置算出手段としては、例えば、実施形態1で説明した重心位置算出手段の構成を適用することができる。
【0103】
上記「重心異常報知手段」は、上記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときに異常を報知する手段である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。この重心異常報知手段としては、例えば、実施形態1で説明した重心異常報知手段の構成を適用することができる。
【0104】
上記「重心異常対策情報生成手段」は、上記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときにその重心異常に対する対策情報を生成する手段である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。この重心異常対策生成手段としては、例えば、実施形態1で説明した重心異常対策生成手段の構成を適用することができる。
【0105】
上記「重量・体積算出手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積を算出する手段である限り、その算出手順、形態等は特に問わない。この重量・体積算出手段としては、例えば、実施形態1で説明した重量・体積算出手段の構成を適用することができる。
【0106】
上記「重量・体積異常報知手段」は、上記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときに異常を報知する手段である限り、その報知手順、形態等は特に問わない。この重量・体積異常報知手段としては、例えば、実施形態1で説明した重量・体積異常報知手段の構成を適用することができる。
【0107】
上記「重量・体積異常対策情報生成手段」は、上記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときにその重量・体積異常に対する対策情報を生成する手段である限り、その生成手順、形態等は特に問わない。この重量・体積異常対策生成手段としては、例えば、実施形態1で説明した重量・体積異常対策生成手段の構成を適用することができる。
【0108】
上記「仮想衝撃実験手段」は、上記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの仮想衝撃実験を行う手段である限り、その実験手順、形態等は特に問わない。この仮想衝撃実験手段としては、例えば、実施形態1で説明した仮想衝撃実験手段の構成を適用することができる。
【0109】
尚、上記「流通拠点」としては、例えば、発送元、バンニングセンタ、デバンニングセンタ、発送先等を挙げることができる。なお、上記「バンニングセンタ」及び上記「デバンニングセンタ」は、それぞれ、バンニング及びデバンニング作業を行うことができる施設を意味する。また、上記「バンニング」とは、輸送容器(特に、コンテナ)内に搬送物積付パレットを搬入することを意味し、上記「デバンニング」とは、輸送容器(特に、コンテナ)内に収容された搬送物積付パレットを輸送容器内から搬出することを意味する。
上記「サーバコンピュータ」は、本流通管理システムを動作させるための流通管理システムプログラムを実行可能なコンピュータである限り、その形態は特に問わない。例えば、ある場所に設けられた1組のコンピュータシステムとしたり、距離が離れた複数の場所に設置された複数組のコンピュータシステムとしたりできる。上記サーバコンピュータは任意の場所に配設することができる。例えば、サーバコンピュータを各流通拠点のいずれかに設けたり、いわゆるデータセンタ等の所定場所に設けたりすることができる。
上記「端末」としては、例えば、既存のパーソナルコンピュータ、携帯端末等を挙げることができる。
上記「ネットワーク」としては、例えば、インターネット、電話回線、各種専用線等を挙げることができる。また、有線及び無線の区別は特に問わない。
【実施例】
【0110】
以下、図面に基づいて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0111】
(1)積付情報作成装置の構成
本実施例に係る積付情報作成装置1は、図1に示すように、コンピュータ2を備えている。このコンピュータ2には、表示装置3、データベースDB1及びデータベースDB2が接続されている。このデータベースDB2(本発明に係る「識別情報蓄積手段」として例示する。)には、レーザ測定器4(本発明に係る「識別情報測定手段」として例示する。)により測定された搬送物の形状データが蓄積されるようになっている。
なお、上記データベースDB2には、各種の搬送物の識別情報として、上記形状データに加えて、名称、品番、重量、材質、発送元名称、発送先名称データ等が蓄積されるものとする。また、上記データベースDB2には、各種のパレット及び積付部材の識別情報として、名称、品番、重量、形状、材質データ等が予め蓄積されているものとする。
【0112】
また、本実施例では、搬送物Wとして、各種の管状製品を例示する。また、本発明に係る「輸送容器」として40フィートドライコンテナ(以下、単に「コンテナ」とも記載する。)を例示する。さらに、パレットPとして、コンテナに対して規格化(モジュール化)されたモジュールパレットを例示する。
【0113】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、積付情報作成処理を実行するプログラムとして、パレット決定手段2a、搬送物積付パレット表示手段2b、及び積付指示情報作成手段2cを備えている。
【0114】
上記パレット決定手段2aは、上記データベースDB2に蓄積された各種の搬送物W及びパレットPのそれぞれの識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、表示装置3の表示画面上に、積み付け対象としての各種の搬送物W及び各種のパレットPを表示させ、その搬送物W(積み付け対象)の形状等に応じて、1コンテナ単位で使用されるパレットPの形状及び使用個数を決定するための手段である。
【0115】
上記搬送物積付パレット表示手段2bは、図3及び図9に示すように、上記データベースDB2に蓄積された各種の搬送物W、パレットP及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、表示装置3の表示画面上で、上記パレット決定手段2aにより決定されたパレットPへの搬送物Wの積み付けシミュレーションを3次元表示で行って、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの3次元表示画像を表示する手段である。
【0116】
上記積み付けシミュレーションでは、図7及び図12に示すように、上記搬送物積付パレットPWの3次元表示画像を2次元表示画像に切替えて表示することができる。上記2次元表示画像としては、例えば、搬送物積付パレットPWの正面図、側面図、平面図等を挙げることができる。
【0117】
上記積み付けシミュレーションでは、図6、図10及び図11に示すように、上記データベースDB2に蓄積された各種の積付部材6の識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、上記搬送物積付パレットPWで使用される積付部材6の3次元表示画像を表示することができる。上記積付部材6としては、例えば、U字ガイド、ストッパ、角材、木箱、ラッシングベルト、ボルト・ナット類等がある(図4参照)。
【0118】
上記積み付けシミュレーションでは、図4及び図8に示すように、上記データベースDB2に蓄積された各種の搬送物W、パレットP及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、名称、形状、重量データ等)に基づいて、上記搬送物積付パレットPWの表示画像と共に、その搬送物積付パレットPWで用いられているパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、名称、形状、重量、使用数データ等)の一覧表示画像を表示することができる。
【0119】
なお、本積付情報作成装置1では、図13〜図17に示すように、特定形状の搬送物W(例えば、バンパー部材)の積み付けシミュレーションを行うこともできる。この場合、パレットPはダンボール製であることが好ましい。さらに、積付部材6として緩衝材が用いられる。
【0120】
上記積付指示情報作成手段2cは、上記データベースDB2に蓄積された識別情報に基づいて、上記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示された上記搬送物積付パレットPWに関する積付指示情報を作成する手段である。
【0121】
上記積付指示情報は、上記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示される表示画像そのものである。従って、上記積付指示情報は、上記搬送物積付パレットPWの2次元表示画像及び3次元表示画像、上記積付部材6の2次元表示画像及び3次元表示画像、並びにパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、名称、形状、重量、使用数データ等)を含んでいる。また、上記積付指示情報は、上記搬送物積付パレットPWのコンテナCへの搬入方向を示す情報(図3及び図9中に矢印で示す。)を更に含んでいる。
さらに、上記積付指示情報は、後述する積付作業時間、積付料金、搬送物積付パレットの重心位置、総重量等の情報を更に含んでいる。
【0122】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、積付履歴処理を実行するプログラムとして、積付指示情報蓄積手段2dを備えている。
上記積付指示情報蓄積手段2dは、上記積付指示情報作成手段2cにより作成された積付指示情報をデータベースDB1に蓄積させる手段である。
【0123】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、手続書類作成処理を実行するプログラムとして、手続書類作成手段2eを備えている。
上記手続書類作成手段2eは、上記データベースDB1に蓄積された積付指示情報に基づいて、コンテナ輸送に必要な手続書類を作成する手段である。
ここで、上述のように積付指示情報には、パレットP、搬送物W及び積付部材6の識別情報(例えば、名称、重量、使用数データ等)が含まれていることから、コンテナ輸送に必要な手続書類として、例えば、コンテナ貨物搬入票(図40参照)、コンテナ詰貨物内容証明書(図41参照)、パッキングリスト(図42参照)等を自動作成することができる。
【0124】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、貨物選定処理を実行するプログラムとして、搬送物選定手段2fを備えている。
上記搬送物選定手段2fは、上記データベースDB2により蓄積された各種の搬送物の識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、積み付け対象としての搬送物Wを選定するための手段である。
上記搬送物選定手段2fは、表示装置3の表示画面上に、各種の搬送物を3次元表示させ、作業者により適宜入力手段で入力される入力情報より搬送物を選定する手段である。
【0125】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、積付作業時間算出手段2gを備えている。
上記積付作業時間算出手段2gは、前記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、名称、使用数データ等)に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの積み付け作業時間を算出する手段である。
ここで、図4中に仮想線で示すように、パレットに対する各種の搬送物及び積付部材の個々の予想作業時間を予め設定しておき、上記積み付けシミュレーション中にそれらの予想作業時間を加算していけば全体の積み付け作業時間を求めることができ、上記形態を実現することができる。
【0126】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、積付料金算出手段2hを備えている。
上記積付料金算出手段2hは、前記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6の識別情報(例えば、名称、使用数データ等)、並びに前記積付作業時間算出手段2gにより算出された積み付け作業時間に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する手段である。
ここで、図4中に仮想線で示すように、パレットに対する各種の搬送物及び積付部材の個々の予想料金(例えば、積付作業費、梱包資材費等)、並びに各種のパレットの個々の予想利用料金を予め設定しておき、上記積み付けシミュレーション中にそれらの予想料金を加算していけば全体の積み付け料金を求めることができ、上記形態を実現することができる。
【0127】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、重心位置算出手段2iを備えている。
上記重心位置算出手段2iは、上記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、形状、重量データ等)に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置を算出する手段である。そして、上記積付シミュレーションにおいて、図3及び図5に示すように、上記重心位置算出手段2iにより算出された上記1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置が、上記搬送物積付パレットPWの3次元表示画像と共に表示装置3の表示画面上に表示されるようになっている。これにより、積付シミュレーション中に、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。
【0128】
また、上記積付指示情報作成手段2cは、上記重心位置算出手段2iにより算出された上記1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置を含む積付指示情報を作成することとなる。これにより、作業者等は、重心位置が適正な範囲にあるか否かを容易に確認して実際の積付作業を行うことができる。
【0129】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、重心異常報知手段2jを備えている。
上記重心異常報知手段2jは、上記重心位置算出手段2iにより算出された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置が所定の範囲(予め設定された設定範囲)を超えているときにスピーカ7から音を出力させて重心異常を報知する手段である。また、上記重心異常報知手段2jは、音出力に加えて、表示装置3の表示画面上で、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置を点滅表示等させて異常を報知するようになっている。
【0130】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、重量・体積算出手段2kを備えている。
上記重量・体積算出手段2kは、上記搬送物積付パレット表示手段2bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、形状、重量データ等)に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積を算出する手段である。そして、上記積付シミュレーションにおいて、図3及び図5に示すように、上記重量・体積算出手段2kにより算出された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量(積載荷重)及び/又は体積が、上記搬送物積付パレットPWの3次元表示画像と共に表示装置3の表示画面上に表示されるようになっている。これにより、積付シミュレーション中に、重量が適正な範囲にあるか否かを容易に確認することができる。
【0131】
また、上記積付指示情報作成手段2cは、上記重量・体積算出手段2kにより算出された上記1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量を含む積付指示情報を作成することとなる。これにより、作業者等は、総重量及び/又は体積が適正な範囲にあるか否かを容易に確認して実際の積付作業を行うことができる。
【0132】
上記コンピュータ2は、図2に示すように、重量・体積異常報知手段2lを備えている。
上記重量・体積異常報知手段2lは、上記重量・体積算出手段2kにより算出された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積がそれぞれの所定の範囲(予め設定された設定範囲)を超えているときにスピーカ7から音を出力させて重量・体積異常を報知する手段である。また、上記重量・体積異常報知手段2lは、上記音出力に加えて、表示装置3の表示画面上で、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積を点滅表示等させて異常を報知するようになっている。
【0133】
(2)積付指示情報の作成
図1に示すように、3つのレーザ測定器4によって、搬送物Wの形状が測定され、その形状データがデータベースDB2に蓄積される。その後、コンピュータ2の表示装置3の表示画面上で、形状データに基づいて積み付け対象としての搬送物Wが選定され、それらの搬送物Wに応じて適当なモジュールパレットPが決定される。次いで、表示装置3の表示画面上でパレットPへの搬送物Wの積み付けシミュレーションが行われる。その積み付けシミュレーションでは、表示装置3の表示画面上に1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWが表示される。その後、最適な積み付け組み合わせが決定されると、その搬送物積付パレットPWに基づいて積付指示情報が作成される。そして、その積付指示情報は、データベースDB1に蓄積される。
【0134】
(3)コンテナへの搬入作業
次に、上記積付情報作成装置で作成された積付指示情報に基づいて、作業者によってパレットPへの搬送物Wの実際(現実)の積み付け作業が行われる。その後、その作業で積み付けられた1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWがコンテナC内に一度に搬入されることとなる。
【0135】
ここで、上記搬送物積付パレットPWをコンテナC内に一度に搬入することに適した搬入台車20及び搬入装置10について説明する。
【0136】
(3a)搬入台車
先ず、上記搬入台車20について説明する。図18に示すように、ステージS上には長尺状の左右一対の搬入台車20a,20bが用意されている。各搬入台車20a,20bは、図19及び図20に示すように、複数の回転ローラ22を回転自在に支持するベース部材21を備えている。このベース部材21にはパレット支持部材23が昇降自在に支持されている。このベース部材21及びパレット支持部材23の間には、繊維織物のジャケット体の内側にゴムをコーティングしてなり且つ圧縮空気の給排により膨縮するチューブ状の膨縮部材25が設けられている。また、上記パレット支持部材23の左右の側面側には、複数の案内ローラ24が垂直軸回りに回転自在に支持されている。
【0137】
上記ステージS上には、図18に示すように、上記各搬入台車20a,20bに対応して長尺状の左右一対の案内具26a,26bが用意されている。各案内具26a,26bは、図19及び図20に示すように、横断面Uの字状の案内本体27を備えている。この案内本体27は、上記搬入台車20a,20bが走行する平板状の床部27aと、この床部27aの左右の側縁から上方に立ち上がり且つ上記案内ローラ24を案内する左右の垂直壁部27bと、各垂直壁部27bの上端縁から外側方に水平に伸びる左右の水平壁部27cと、からなっている。
【0138】
上記水平壁部27cの下面側には走行機構50が設けられている。この走行機構50は、各水平壁部27cの下面側に取着されるベース部材51を有している。このベース部材51には、支持部材52が昇降自在に支持されている。この支持部材52には、床面上を走行する複数の走行ローラ53が水平軸回りに回転自在に支持されている。また、上記支持部材52及びベース部材51の間には、上記膨縮部材25と同じ材質からなる膨縮部材54が介在されている。そして、この膨縮部材54の収縮により案内本体27が床面に接地(図19参照)すると共に、膨縮部材54の膨張により案内本体27が床面から浮上(図20参照)するようになっている。
【0139】
次に、上記搬入台車20を用いたコンテナCへの搬送物積付パレットPWの搬入作用について説明する。
先ず、図21に示すように、ステージSの床面上に、各搬入台車20a,20bを搭載した状態の各案内具26a,26bを載せる。次に、各案内具26a,26bの先端側に蛇行防止ガイド55を装着する。次いで、各案内具26a,26bにおいて、膨縮部材54にエアを供給して膨張させ、案内本体27をステージSの床面上から浮上させる。この浮上状態で、各搬入台車20a,20bの後端側に荷役手段56を連結して、作業者が荷役手段56を操作して、各案内具26a,26bをドライコンテナC側に向って押し込む。
【0140】
その後、図22に示すように、各案内具26a,26bがドライコンテナC内に収容されると、膨縮部材54からエアを排気して収縮させ、案内本体27をドライコンテナCの床面上に載置させる。次に、クレーン、フォークリフト等によって、搬送物積付パレットPWをステージSの床面上に載せる。
【0141】
次いで、図23に示すように、各搬入台車20a,20bを、各案内具26a,26bからステージS側に向って引っ張り出す。すると、各搬入台車20a,20bは、搬送物積付パレットPWの下部開放空間内に進入する(図20参照)。この状態より、各搬入台車20a,20bにおいて、膨出部材25にエアを供給して膨張させると、パレット支持部材23と共に搬送物積付パレットPWがステージSの床面上から持ち上げられる。その後、各搬入台車20a,20bの後端側に荷役手段56を装着し、作業者が荷役手段56を操作して、各搬入台車20a,20bをドライコンテナC側に向って押し込む。このとき、図24に示すように、各搬入台車20a,20bの案内ローラ24が案内本体27に案内され、各搬入台車20a,20bと共に搬送物積付パレットPWは、良好な直進性を保って移送されることとなる。
【0142】
次に、図25に示すように、各搬入台車20a,20bと共に搬送物積付パレットPWがドライコンテナC内に収容されたら、各搬入台車20a,20bにおいて、膨縮部材25からエアを排気して収縮させ、パレット支持部材23と共に搬送物積付パレットPWを下降させ、この搬送物積付パレットPWをドライコンテナCの床面上に載置させる。その後、図26に示すように、各搬入台車20a,20bを搭載した各案内具26a,26bをウインチ57等によってステージSの床面上に移動させ、一連の搬入作業が終了されることとなる。
【0143】
(3b)搬入装置
次に、上記搬入装置10について説明する。本搬入装置10は、図27及び図28に示すように、所定位置に位置決めされるドライコンテナCの一端開口部に隣接するステージSの床面上に設置される第1昇降滑動装置11と、このステージS及びドライコンテナCの床面上を変位可能な第2昇降滑動装置12と、からなる。
【0144】
上記第1昇降滑動装置11は、図29〜図31に示すように、床面上に接地する横断面Uの字状のベース部材13を備えている。このベース部材13の底面上には、繊維織物のジャケット体の内側にゴムをコーティングしてなるチューブ状の膨張部材14が敷設されている。この膨張部材14の一端側には、空気供給源としてのエアコンプレッサ18が連結されている。また、ベース部材13には、横断面Uの字状の支持部材15が昇降自在に支持されている。この支持部材15には、上記パレットPの下部開放空間を構成する底面を水平移動自在に支持する多数のローラ16が回転自在に支持されている。従って、膨張部材14の膨縮によって、支持部材15と共に多数のローラ16が昇降され、これらローラ16に支持された上記パレットPを床面に対して浮上させたり(図32参照)、接地させたり(図33参照)するようになっている。
尚、上記第2昇降滑動装置12は、第1昇降滑動装置11と略同じ構成であるので、詳説を省略する。
【0145】
上記ステージSには、図28に示すように、上記第1又は第2昇降滑動装置11,12により支持され床面より浮上された記パレットPをステージS及びドライコンテナCの間で水平移動させる一対二組のプッシュ・プル機構19が設けられている。これらのプッシュ・プル機構19は、上記第2昇降滑動装置12をステージS及びドライコンテナCの間で水平移動させ得る機能も有している。
【0146】
次に、上記搬入装置10を用いたコンテナCへの搬送物積付パレットPWの搬入作用について説明する。
先ず、搬入の準備作業として、ステージSの床面上には、第1昇降滑動装置11、第2昇降滑動装置12及びプッシュ・プル機構19が用意されている。このとき、第1及び第2昇降滑動装置11,12において、膨張部材14は収縮されており多数のローラ16が降下した状態である。
【0147】
次に、トラックの移動によって、このトラックのシャーシ上に搭載されたドライコンテナCを、ステージSに近接する所定位置に位置させる。このとき、ステージSの床面とドライコンテナCの床面との高さレベルが略一致している。
次いで、プッシュ・プル機構19によって、ステージS上の第2昇降滑動装置12を、ドライコンテナC側に押し込んでドライコンテナCの床面上に位置させる。
その後、クレーン、フォークリフト等の荷役手段によって、ステージS上の第1昇降滑動装置11の上に搬送物積付パレットPWが用意される。このとき、パレットPはステージSの床面上に接地されていると共に、パレットPの下部開放空間内に第1昇降滑動装置11が収納されている。
【0148】
次に、第1及び第2昇降滑動装置11,12において、エアコンプレッサ18の作用で膨張部材14にエアを供給して、この膨張部材14を膨張させる。すると、支持部材15と共に多数のローラ16が上昇され、パレットPがステージSの床面上から持ち上げられる。
次いで、プッシュ・プル機構19によって、浮上状態のパレットPがドライコンテナC側に向かって押し込まれる。すると、水平移動されるパレットPは、第1昇降滑動装置11から第2昇降滑動装置12に受け渡される。
その後、第1及び第2昇降滑動装置11,12において、膨張部材14へのエアの供給を停止して、膨張部材14からエアを排気して収縮させる。すると、支持部材15と共に多数のローラ16が下降され、パレットPがドライコンテナCの床面上に接地される。
次に、プッシュ・プル機構19によって、第2昇降滑動装置12を、ステージS側に向かって引き込んでステージSの床面上に位置させて、一連のドライコンテナCへの搬送物積付パレットPWの搬入作用が終了されることとなる。
【0149】
(4)実施例の効果
本実施例の積付情報作成装置1によると、1コンテナ単位で使用されるパレットPへの搬送物Wの積み付けシミュレーションを繰り返し行って、その結果から得られる正確な積付指示情報に基づいて実際の積み付け作業が行われるので、形状の異なる多数の搬送物Wを積み付け対象とする場合であっても、作業者の熟練度に拘わらずコンテナCに対する搬送物Wの積載効率を向上させることができると共に、事前の計画通りの積み付け作業を実施できる。また、コンテナ総数、必要な積付部材、積み付け作業時間等を早期に把握でき、正確な輸送コストを算出できる。さらに最適なバンニング計画及び納入計画を立てることができる。また、必要な搬送物を必要な分だけ短期間に納入する納入計画を立てることによって、送物の製造メーカ等の出荷側及び物流センタ等の入荷側における搬送物の保管場所の省スペース化及びコストダウンを図ることができる。特に、入荷された搬送物の出荷時期に応じた保管管理を実現でき、保管場所の更なる省スペース化を図ることができる。その結果、計画的なコンテナ輸送を実現できる。
【0150】
また、本実施例では、積付指示情報が、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPW及びそれに使用される積付部材6の2次元及び3次元表示画像、並びに、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6の各識別情報(例えば、名称、形状、重量、使用数データ等)を含んでいるので、パレットPに対する搬送物W及び積付部材6の積み付け箇所、手順等に関する積付指示内容を作業者に容易に認識させることができ、より正確な積み付け作業を行わせることができる。パレットP、搬送物W及び積付部材6の種類、重量、個数等を正確に把握でき、より正確な輸送コストを把握することができる。
また、本実施例では、積付作業時間算出手段及び積付料金算出手段備えているので、1コンテナ単位の搬送物積付パレットの積付作業時間及び積付料金を表示装置に表示させたり、積付指示情報に含ませたりでき、より計画的な積付作業計画を立て得ると共に、より正確な輸送コストを把握することができる。
また、本実施例では、積付指示情報が、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWのコンテナCへの搬入方向を示す情報を更に含んでいるので、コンテナCへの搬送物積付パレットPWの搬入作業をより確実に行わせることができる。
また、本実施例では、積み付けシミュレーションにおいて、表示装置3の表示画面上に1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置を表示するようにしたので、貨物を格納したコンテナCの重心位置が所定の範囲内であるか否かを容易に確認することができる。特に、上記搬送物積付パレットPWの重心位置が所定の範囲から外れた場合に、重心異常を報知するようにしたので、コンテナCの重心位置が所定の範囲を超えてしまうことをより確実に防止できる。
また、本実施例では、積み付けシミュレーションにおいて、表示装置3の表示画面上に1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積を表示するようにしたので、1コンテナ単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲内であるか否かを容易に確認することができる。また、その総重量及び/又は体積に基づいてより正確な輸送コストを算出することができる。特に、上記搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積が所定の範囲から外れた場合に、重量・体積異常を報知するようにしたので、1コンテナ単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えてしまうことをより確実に防止できる。
また、本実施例では、作成された積付指示情報をデータベースDB1に蓄積するようにしたので、略同じ積付パターンであるときに積付指示情報を再利用することができ、積み付けシミュレーションを必要最小限に抑えることができる。
また、本実施例では、手続書類作成手段2eによりコンテナ輸送に必要な手続書類を自動作成するようにしたので、通関等に必要な手続書類を同時に作成することができ、書き写し等による間違いを防いだり、作成の手間を減らしたりすることができる。
また、本実施例では、搬送物の形状データをデータベースDB2に蓄積し、その蓄積された形状データから、積み付け対象となる搬送物Wを自動選定するようにしたので、大量の搬送物のなかから積み付け対象としての搬送物Wを容易に選定できる。
また、本実施例では、レーザ測定器4によって、搬送物の形状を測定するようにしたので、搬送物の形状を容易に測定して取得することができる。
【0151】
(5)流通管理システムについて
次に、本実施例に係る流通管理システム30について説明する。
なお、本実施例における搬送物W(以下、貨物とも記載する。)の輸送は以下の手順で行われる。発送元の貨物は、図38に示すように、バンニングセンタに入荷され、保管された後、空パレットに積み付けられて搬送物積付パレットとなる。次いで、この搬送物積付パレットをコンテナ内に積み込んでバンニングを行う。また、搬送物積付パレットを積み込んだコンテナは発送元コンテナヤードに搬送された後、埠頭でコンテナ船に積載され、発送先の埠頭に輸送される。また、発送先の埠頭ではコンテナが発送先コンテナヤードに積み降ろされ、発送先のデバンニングセンタに搬送される。その後、デバンニングセンタで、コンテナから搬送物積付パレットを取り出すデバンニングが行われる。
【0152】
本流通管理システム30は、図34及び図35に示すように、各流通拠点に設けられる端末31と、この端末31にネットワークNを介して接続されるサーバコンピュータ33と、を備えている。
【0153】
上記端末31は、図37に示すように、流通情報送信手段31a及び積付指示情報表示手段31bを備えている。この端末31には、表示装置32が接続されている。
上記流通情報送信手段31aは、端末31で入力された搬送物の識別情報及び流通拠点の位置情報を含む流通状況情報をサーバコンピュータ33へ送信するための手段である。
上記積付指示情報表示手段31bは、サーバコンピュータ33から送信された後述の積付指示情報を表示装置32の表示画面上又はプリンタ(図示せず)に表示させる手段である。
【0154】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、積付情報作成処理を実行するプログラムとして、パレット決定手段35a、搬送物積付パレット表示手段35b、積付指示情報作成手段35c、及び積付指示情報送信手段35dを備えている。このコンピュータ33には、表示装置34が接続されている。
【0155】
上記パレット決定手段35aは、上記積付情報作成装置1のパレット決定手段2aと略同様にして、後述のデータベースDB3に蓄積された各種の搬送物W及びパレットPの識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、表示装置34の表示画面上に、積み付け対象としての各種の搬送物W及び各種のパレットPを表示させ、その搬送物W(積み付け対象)の形状等に応じて、1コンテナ単位で使用されるパレットPの形状及び使用個数を決定するための手段である。
【0156】
上記搬送物積付パレット表示手段35bは、上記積付情報作成装置1の搬送物積付パレット表示手段2bと略同様にして、後述のデータベースDB3に蓄積された各種の搬送物W、パレットP及び積付部材6の識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、表示装置34の表示画面上で、上記パレット決定手段35aにより決定されたパレットPへの搬送物Wの積み付けシミュレーションを3次元表示で行って、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの3次元表示画像を表示する手段である(図2〜図17参照)。
【0157】
上記積み付けシミュレーションでは、上記搬送物積付パレットPWの3次元表示画像を2次元表示画像に切替えて表示することができる。また、後述のデータベースDB3に蓄積された各種の積付部材6の識別情報(例えば、形状データ等)に基づいて、上記搬送物積付パレットPWで使用される積付部材6の3次元表示画像を表示したり、上記搬送物積付パレットPWの表示画像と共に、その搬送物積付パレットPWで用いられているパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報(例えば、名称、形状、重量、使用数データ等)の一覧表示画像を表示したりすることができる。
【0158】
上記積付指示情報作成手段35cは、上記積付情報作成装置1の積付指示情報作成手段2cと略同様にして、後述のデータベースDB3に蓄積された識別情報に基づいて、上記搬送物積付パレット表示手段35bにより表示された上記搬送物積付パレットPWに関する積付指示情報を作成する手段である。
【0159】
上記積付指示情報は、上記搬送物積付パレットPWの2次元表示画像及び3次元表示画像、上記積付部材6の2次元表示画像及び3次元表示画像、並びにパレットP、搬送物W及び積付部材6の識別情報(例えば、名称、形状、重量、使用数データ等)を含んでいる。また、上記積付指示情報は、上記搬送物積付パレットPWのコンテナCへの搬入方向情報を更に含んでいる。
さらに、上記積付指示情報は、後述する積付作業時間、積付料金、搬送物積付パレットの重心位置、総重量等の情報を含んでいる。
【0160】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、流通情報加工処理を実行するプログラムとして、流通情報蓄積手段36a、流通情報加工手段36b及び加工結果表示手段36cを更に備えている。このコンピュータ33には、データベースDB3が接続されている。
【0161】
上記流通情報蓄積手段36aは、上記端末31により送信された流通状況情報を受信してデータベースDB3に蓄積する手段である。
ここで、上記流通状況情報は、流通対象となる搬送物の識別情報及びその流通拠点の位置情報を含んでいる。上記搬送物の識別情報としては、名称、品番、重量、形状、材質、個数、発送元名称、発送先名称データ等を挙げることができる。なお、上記データベースDB3には、上記搬送物の識別情報の他に、各種のパレット及び積付部材の識別情報として、名称、品番、重量、形状、材質データ等が予め蓄積されているものとする。
【0162】
上記流通情報加工手段36bは、上記データベースDB3に蓄積された流通状況情報を加工する手段である。
上記加工結果表示手段36cは、上記流通情報加工手段36bによる加工結果を表示装置34又はプリンタ(図示せず)に表示する手段である。
【0163】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、手続書類作成処理を実行するプログラムとして、積付指示情報蓄積手段37a及び手続書類作成手段37bを更に備えている。このサーバコンピュータ33には、データベースDB4が接続されている。
上記積付指示情報蓄積手段37aは、上記積付指示情報作成手段35cにより作成された積付指示情報をデータベースDB4に蓄積させる手段である。
上記手続書類作成手段37bは、上記データベースDB4に蓄積された積付指示情報及びデータベースDB3に蓄積された流通状況情報に基づいて、コンテナ輸送に必要な手続書類を作成する手段である。
ここで、上述のように積付指示情報には、パレット、搬送物及び積付部材の識別情報が含まれていることから、コンテナ輸送に必要な手続書類として、例えば、コンテナ貨物搬入票(図40参照)、コンテナ詰貨物内容証明書(図41参照)、パッキングリスト(図42参照)等を自動作成することができる。
【0164】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、供給計画処理を実行するプログラムとして、流通期間算出手段38a、在庫情報算出手段38b及び供給計画作成手段38cを更に備えている。
【0165】
上記流通期間算出手段38aは、各流通拠点間における搬送物Wの流通期間(リードタイムともいう)を算出する手段である。この流通期間は、図53に示すように、貨物の流通における各流通処理要素毎に掛かる流通処理期間を決定し、これらの流通処理期間を足して求めることができる。各流通処理要素としては、貨物製造要素、バンニング要素、通関要素、荷積み要素、海上輸送要素、荷下ろし要素、発送先稼働待機要素、及び陸上輸送要素等を例示することができる。
【0166】
上記在庫算情報出手段38bは、データベースDB3に蓄積された流通状況情報と、発送先から入手する在庫に関する情報(例えば、出荷情報等)から、発送先の搬送物の在庫情報を算出する手段である。この在庫情報は、図48に示すように、現在から所定期間(例えば、約1ケ月)が経過するまでの在庫の推移等の情報である。
なお、上記流通状況情報からコンテナ輸送中の搬送物を把握できると共に、発送先の出荷情報等に基づいて、上述の現在から先の所定期間の在庫の推移を把握することができる。
【0167】
上記供給計画手段38cは、上記在庫情報算出手段38bにより算出された在庫情報及び流通期間算出手段38aにより算出された流通期間に基づいて、供給計画を作成する手段である。この供給計画は、上述のように現在から所定期間が経過した後、さらに所定期間(例えば、約1ヶ月)における発送先の在庫量が適正なものとなり得るような、発送先へ搬送物を供給する時期及び量に関する計画である。
【0168】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、参照処理を実行するプログラムとして、参照情報送信手段39を更に備えている。
上記参照情報送信手段39は、ネットワークNに接続される参照用端末31から送信される参照請求信号に応じて上記流通情報加工手段36bによる加工結果を参照用端末31に送信する手段である。
【0169】
上記サーバコンピュータ33は、図36に示すように、パレット処理を実行するプログラムとして、パレット情報蓄積手段40を更に備えている。このサーバコンピュータ33には、データベースDB5が接続されている。
【0170】
上記パレット情報蓄積手段40は、上記パレット決定手段35aにより決定されたパレットPの使用履歴及び現在位置を含むパレット情報をデータベースDB5に蓄積する手段である。
【0171】
次に、上記流通管理システムの運用について説明をする。
なお、本流通管理システムの運用は、貨物管理、個別在庫管理、パレット管理及び情報交換に分けることができる。
【0172】
(5a)貨物管理
搬送物が発送元から入荷する前に、発送元は、搬送物を製造することから予め、輸送するため搬送物の種類及び数量等を把握することができる。この情報を予め任意の方法で入手し、入荷前に識別情報の準備を行うことができる。また、発送元が付加する発送元の識別情報(例えば、貨物に貼付されたバーコードによる)を元に入力することができる。これらの情報は、端末31の流通情報送信手段31aによりサーバコンピュータ33へ送信されデータベースDB3に蓄積される。
【0173】
データベースDB3に蓄積された搬送物Wの識別情報に基づいて、表示装置34の表示画面上で、モジュールパレットPが決定される。次いで、表示装置34の表示画面上でパレットPへの搬送物Wの積み付けシミュレーションが行われる。その積み付けシミュレーションでは、表示装置34の表示画面上に1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWが表示される。その後、最適な積み付け組み合わせが決定されると、その搬送物積付パレットPWに基づいて積付指示情報が作成される。そして、その積付指示情報は、データベースDB4に蓄積される。
【0174】
搬送物がバンニングセンタに入荷する際に、検品登録処理が行われる。この検品登録処理では、貨物明細(種別、重量及び個数等)、発送元名称、発送先名称等の識別情報が、端末31の流通状況送信手段31aを用いて入力し、サーバコンピュータ33のデータベースDB3に蓄積される。
【0175】
データベースDB4に蓄積された積付指示情報に基づいて、空パレットに入荷した搬送物を積み付けて搬送物積付パレットPWとした後、バンニングの準備が可能な状態であることを端末31の流通情報送信手段31aを用いてサーバコンピュータ33へ伝える。また、空パレットを使用したことをサーバコンピュータ33へ通知する。その後、バンニング作業が実施される。なお、このバンニング作業では、上述の搬入装置10(図18〜図24参照)や搬入台車20(図25〜図33参照)を用いて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWがコンテナ内に一度に格納されることとなる。
【0176】
手続書類作成手段37bによってコンテナ貨物搬入票及びパッキングリスト等の通関等の流通に必要な書類を作成し出力する。例えば、図40に示すコンテナ貨物搬入票を作成する。コンテナ貨物搬入票は、船主名、船名、コンテナ種類、コンテナ番号、総重量及び陸揚げ港等が記載されている。また、図42に示すように、コンテナ内の品物の説明と重量及び全体の重量等を列挙したパッキングリストを作成する。
尚、これら書類は、バンニングセンタ及び発送元コンテナヤード等に設けられた端末から取得することができる。また、これら書類はバンニング時に作成しなくてもよく、バンニングセンタ及び発送元コンテナヤード等で出力指示を行わせて出力することができれば、提出可能であるためである。
【0177】
搬送物積付パレットPWを積み込んだコンテナが発送先に到着した後、発送先の端末31を用いてこれが到着したことをサーバコンピュータ33に通知し、識別情報の更新を行う。
【0178】
(5b)個別在庫管理
個別在庫管理では、出荷側及び着荷側での在庫推移の実績把握と予測を実施し、次回バンニング出荷の最適数量が算出されることができる。
また、着側からの需要予測データと在庫実績報告を基に、発側の出荷計画による現地在庫推移予測のシミュレーションを行い、現地の在庫が適正水準に保たれる出荷計画を作成・実行することで、必要なものが、必要なだけ、必要なときに着側の顧客に届けられる体制を実現することができる。
【0179】
コンテナ船を用いる輸送経路は、定められた日時に出港し、所定の日数を経て発送先に入港する。このため、輸送が行われる期間にずれが起きる。また、発送済みであってもコンテナヤードで保管されたり、船内にあったりするため、バンニングセンタ内の貨物数と、発送先の在庫数とから在庫を算出しても、順次到着する流通中の貨物数を考慮しないと正確な在庫状況を得ることができない。
本在庫予測処理では、流通状況情報によって船中等に位置する貨物類もバンニングセンタの在庫として把握することができ、また、発送先の在庫が途切れない最低限の量に保つことができる。
【0180】
この在庫予測は、図48に示すように、過去の発送先の在庫量、コンテナ船による輸送中の量等を求め、更に、発送先の発注によって製造される貨物の入荷日から予想される在庫推移を算出し、グラフと同時に出力されたものである。
この在庫予測は、特定種類の貨物、又は発送先毎の倉庫の全体在庫について求めることができる。特定種類の貨物に限定することで、その貨物の在庫切れを防止できる。また、全体在庫を予測することで、必要最小限の在庫を維持した出荷計画を作成することができる。
【0181】
また、搬送物の識別情報を元に、流通期間(リードタイム)に関する表を作成することができる。この表は、図49に示すように、流通期間算出手段によって、データベースDB3に蓄積された流通状況情報を元に、各流通拠点間の輸送にかかった流通期間を求めた結果である。このような、流通期間グラフを得ることによって、流通期間に問題がある区間を容易に把握することができる。
【0182】
また、図48の点線に示すように、現在以降の流通期間を算出し、発送先の在庫が一定範囲に収まるように発送スケジュールを求めた結果も含まれている。
通常の流通に要する期間を流通期間として求めることで、図53に示すように、いつ出荷すれば発送先に貨物類が到着するかどうかを逆算することができ、発送スケジュールを構築することができる。
【0183】
この流通期間は、貨物の流通における処理に必要な流通処理期間を加算して求めるものである。各流通処理期間は、図50に示すように貨物製造期間、バンニング期間、通関期間、荷積み期間、海上輸送期間、荷下ろし期間、発送先稼働待機期間、及び陸上輸送機関を挙げることができる。尚、これら流通処理期間の期間は、日数又は時間で表される。また、各流通処理期間は、発送する貨物類の種類、及び発送先毎に異なる期間である。尚、発送先コンテナヤードとデバンニングセンタが隣接しており陸上輸送期間がない場合等も挙げられる。
【0184】
貨物製造期間は、発送元が貨物を製造するために必要な期間である。
加工期間は、バンニングセンタにおいて、貨物をパレットに積載し、次いでコンテナにバンニングを行うまでの期間である。
通関待ち期間は、貨物類が通関を通るのに必要な手続きの間生じる期間である。
コンテナ積み込み期間は、貨物類の通関を終えた後、コンテナ船に積み込むまで待機する期間である。また、この期間には、コンテナ船が到来する期間(例えば、図51参照)と積み込みに要する期間とを含む。
海上輸送期間は、コンテナ船によって貨物類が海上輸送される期間である。
荷下ろし期間は、コンテナ船から貨物類を降ろす期間である。
発送先稼働待機期間は、発送先が稼働している時間帯に貨物類が到着するように発送を待機するための期間である。この期間は、例えば、図52に示すように、発送先の稼働スケジュール表を用意し、貨物類が発送先の稼働日に到着するように計算される。
陸上輸送期間は、貨物をコンテナヤードからデバンニングセンタへ輸送する期間である。
これら流通処理期間は、予め期間の推定等により求めることができるため、図53に示すように各流通処理期間を算出し、その総和を得ることで流通期間を求めることができる。
【0185】
(5c)パレット管理
パレット管理では、流通の際に用いられるパレットの管理を行うことができる。以下、図39に示すパレットの取扱いに関するフローチャートに基づいて説明をする。
パレットは、製造後それぞれ固有のパレット番号が設けられてバンニングセンタに保管される。このパレット番号によって以降の管理が行われる。
また、端末31を介してサーバコンピュータ33に接続し、パレット番号をデータベースDB5に蓄積する。また、登録する際は空きパレットとして、積載可能であることを示すようにする。
【0186】
貨物が発送元から入荷する際に、パレット決定手段35aにより決定されたパレットが使用中であることを示すように、データベースDB5に蓄積されたパレット情報を変更する。
【0187】
パレットに積み付けた搬送物がパレットから降ろされた後、パレットは、バンニングセンタ等のパレットの保管を行う流通拠点に返却される。この返却は、通常貨物を格納していたコンテナの一つにパレットをまとめて格納し直し、バンニングセンタ等へ輸送することによって行われる。コンテナが空いている状態を減らして、コンテナの使用率を上げるためである。
このとき、パレットが返却中であることを示すように、データベースDB5に蓄積されたパレット情報を変更する。同時に、パレット返却に関連する通関向け等の書類の作成を行う。
【0188】
返却が行われたパレットは、再利用が可能かどうかの点検が行われる。同時にデータベースDB5に蓄積されたパレット情報を点検中の状態に変更する。
また、点検によって再利用が可能であると判断されたパレットは、データベースDB5に蓄積されたパレット情報が空きパレットの状態に変更された後、保管される。更に、修理することによって再利用が可能であると判断されたパレットは、修理を行ってから保管される。同時に修理を行ったことをデータベースDB5に蓄積されたパレット情報に追加する。
【0189】
再利用ができないと判断されたパレットは、データベースDB5に蓄積されたパレット情報が廃棄の状態に変更された後、廃棄される。
このようにパレット識別番号によって管理を行うことによって、パレットの投入数、各所在場所での現在数を把握し、最適な数量管理を可能にすることにより、費用の適正化を行うことができる。また、修理等の事項の履歴を取ることによって、パレットの品質劣化(例えば、破損内容、サビの有無等)を正確に把握して、新規パレットの製造や改良に利用することができる。
【0190】
(5d)情報交換
情報交換では、ネットワークNに接続可能な端末31であれば、サーバコンピュータ33に接続し、参照情報送信手段39を用いることで流通状況情報等の情報を参照することができる。
ブラウザプログラムが実行できるコンピュータを端末31(参照端末)としてサーバコンピュータ33に接続することで、識別情報の照会処理を行うことができる。また、照会処理は照会者の認証を行い、照会者に応じたコンテナ及び貨物単位の参照範囲の限定が行われる。
【0191】
本照会処理は例えば、図43に示すように、流通中の特定種類の貨物類が、何処の流通拠点等に滞在しているか等の進捗状態を一覧として求めることができる。また、任意の流通拠点を選択することで、図44に示すように滞在する貨物類の明細情報を得ることができる。また、図45に示すように、貨物の種類を入力することによって、該当貨物の進捗状態を求めることができる。更に、図46に示すように、コンテナを指定することで、そのコンテナに積み込まれている貨物類の明細を求めることができる。また、貨物類がコンテナ内のどの位置にあるかどうかが分かる配列情報を求めることができる。
これらの情報を参照することで、発送先で必要な貨物がどのコンテナから取り出せばよいかを容易に知ることができる。なお、これらの有益な情報は、上記流通情報加工手段36bによる流通状況情報の加工結果である。
更に、本照会処理は、図47に示すように、ある進捗状態(図47ではコンテナ船上である)における貨物の明細を一覧として求めることができる。特定の流通拠点やコンテナ船等に対して問い合わせを行うときに必要になるためである。
【0192】
情報交換処理では、本流通管理システム30と直接関りがない他の発送元及び発送先等で用いられるシステム並びに端末と、識別情報の送受信による情報交換を行う処理である。
本流通管理システム30が取り扱う識別情報は、発送元又は発送先で既に取り扱っている貨物の情報と共通である部分が多い。このため、発送元又は発送先で使用されている貨物の管理システム等から通信回線網等を用いて貨物の情報を転送することで、貨物流通管理システム側で改めて入力する手間を無くすことができる。
また、発送先側のシステムは、流通管理システムが取り扱う識別情報を受信することで、これから受け取るコンテナ及び貨物について、再入力を行うことなく予め把握することができ、受取作業の効率化を容易に図ることができる。
【0193】
尚、本発明においては、前記実施例に限られず、目的、用途に基づいて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、本実施例では、各種の流通拠点に対して貨物管理、在庫管理等を行うのに最適な流通管理システム30を例示したが、これに限定されず、例えば、図54に示すように、流通拠点としてバンニングセンタに対して最適な積み付け管理を行い得る流通管理システムとしてもよい。この流通管理システム30’は、複数の流通拠点(バンニングセンタ)のそれぞれに設けられる端末31’と、該端末にネットワークNを介して接続されるサーバコンピュータ33’と、を備える。そして、前記サーバコンピュータ33’は、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1コンテナ単位で使用されるパレットを決定するためのパレット決定手段35a’と、表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1コンテナ単位の搬送物積付パレットを表示する搬送物積付パレット表示手段35b’と、前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットに基づいて積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段35c’と、前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を前記端末へ送信する積付指示情報送信手段35d’と、を備える。さらに、前記端末31’は、前記積付指示情報送信手段により送信された積付指示情報を受信して表示する積付指示情報表示手段31b’を備える。
【0194】
また、上記実施例の流通管理システム30において、図36に仮想線で示すように、サーバコンピュータ33が搬送物選定手段41aを更に備えるようにしてもよい。この搬送物選定手段41aは、上記流通情報蓄積手段36aによりデータベースDB3に蓄積された流通状況情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定するための手段である。
【0195】
また、上記サーバコンピュータ33が積付作業時間算出手段41bを備えるようにしてもよい。この積付作業時間算出手段41bは、上記積付情報作成装置1の積付作業時間算出手段2gと略同様にして、搬送物積付パレット表示手段35bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの積み付け作業時間を算出する手段である。
【0196】
また、上記サーバコンピュータ33が積付料金算出手段41cを備えるようにしてもよい。この積付料金算出手段41cは、上記積付情報作成装置1の積付料金算出手段2hと略同様にして、搬送物積付パレット表示手段35bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報、並びに積付作業時間算出手段41bにより算出された積み付け作業時間に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する手段である。
【0197】
また、上記サーバコンピュータ33が重心位置算出手段41dを備えるようにしてもよい。この重心位置算出手段41dは、上記積付情報作成装置1の重心位置算出手段2iと略同様にして、上記搬送物積付パレット表示手段35bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置を算出する手段である。
【0198】
また、上記サーバコンピュータ33が重心異常報知手段41eを備えるようにしてもよい。この重心異常報知手段41eは、上記積付情報作成装置1の重心異常報知手段2jと略同様にして、上記重心位置算出手段41dにより算出された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重心位置が所定の範囲(予め設定された設定範囲)を超えているときに、スピーカ(図示せず)から異常音を出力させたり、表示装置に重心位置を点滅表示等させたりして重心異常を報知する手段である。
【0199】
また、上記サーバコンピュータ33が重量・体積算出手段41fを備えるようにしてもよい。この重量・体積算出手段41fは、上記積付情報作成装置1の重量・体積算出手段2kと略同様にして、上記搬送物積付パレット表示手段35bにより表示された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWで使用されるパレットP、搬送物W及び積付部材6のそれぞれの識別情報に基づいて、1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの総重量及び/又は体積を算出する手段である。
【0200】
また、上記サーバコンピュータ33が重量・体積異常報知手段41gを備えるようにしてもよい。この重量・体積異常報知手段41gは、上記積付情報作成装置1の重量・体積異常報知手段2lと略同様にして、上記重量・体積算出手段41fにより算出された1コンテナ単位の搬送物積付パレットPWの重量及び/又は体積が所定の範囲(予め設定された設定範囲)を超えているときに、スピーカ(図示せず)から異常音を出力させたり、表示装置に重心位置を点滅表示等させたりして重心異常を報知する手段である。
【0201】
また、上記実施例に係るドライコンテナCの輸送形態としては、例えば、トラックT(図55参照)や鉄道による陸上輸送、船舶による海上輸送、航空機による航空輸送等を挙げることができる。また、上記実施例では、輸送容器としてドライコンテナCを例示したが、これに限定されず、例えば、図56に示すように、輸送容器として、搬送物積載パレットPWが積載されるトラックTの荷台CA等を例示することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0202】
1輸送容器単位のパレットへ搬送物を積み付ける技術として利用される。特に、様々な異なる形状からなる多数の搬送物を1輸送容器単位のパレットへ積み付ける技術として好適に利用される。さらに、コンテナ輸送される貨物の流通管理システムとして好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本実施例に係る積付情報作成装置を説明するための説明図である。
【図2】積付情報作成装置を説明するためのブロック図である。
【図3】積み付けシミュレーションの表示画像の一例を示す説明図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】図3の要部拡大図である。
【図6】その積み付けシミュレーションの表示画像の他の例を示す説明図である。
【図7】その積み付けシミュレーションの表示画像の更に他の例を示す説明図である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9】他の積み付けシミュレーションの表示画像の一例を示す説明図である。
【図10】その積み付けシミュレーションの表示画像の他の例を示す説明図である。
【図11】その積み付けシミュレーションの表示画像の更に他の例を示す説明図である。
【図12】その積み付けシミュレーションの表示画像の更に他の例を示す説明図である。
【図13】搬送物の一例を示す説明図である。
【図14】その積み付けシミュレーションの表示画像の一例を示す説明図である。
【図15】その積み付けシミュレーションの表示画像の他の例を示す説明図である。
【図16】その積み付けシミュレーションの表示画像の更に他の例を示す説明図である。
【図17】その積み付けシミュレーションの表示画像の更に他の例を示す説明図である。
【図18】本実施例に係る搬入台車を説明するための斜視図である。
【図19】搬入台車の上昇状態を示す縦断面図である。
【図20】搬入台車の下降状態を示す縦断面図である。
【図21】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図22】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図23】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図24】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図25】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図26】搬入台車による搬入作用を説明するための説明図である。
【図27】本実施例に係る搬入装置の側面図である。
【図28】図27のA矢視図である。
【図29】昇降滑動手段の斜視図である。
【図30】昇降滑動手段の上昇状態を示す縦断面図である。
【図31】昇降滑動手段の下降状態を示す縦断面図である。
【図32】搬入装置による搬入作用を説明するための説明図である。
【図33】搬入装置による搬入作用を説明するための説明図である。
【図34】本実施例に係る流通管理システムを説明するための概念図である。
【図35】流通管理システムを説明するためのブロック図である。
【図36】サーバコンピュータを説明するためのブロック図である。
【図37】端末を説明するためのブロック図である。
【図38】各流通拠点における搬送物の取扱いを説明するためのブロック図である。
【図39】各流通拠点におけるパレットの取扱いを説明するためのブロック図である。
【図40】コンテナ貨物搬入票の一例を示す説明図である。
【図41】コンテナ詰貨物内容証明書の一例を示す説明図である。
【図42】パッキングリストの一例を示す説明図である。
【図43】製品アイテム進捗状況照会の表示画像の一例を示す説明図である。
【図44】製品アイテム進捗状況照会の表示画像の他の例を示す説明図である。
【図45】バンニング進捗状況照会の表示画像の一例を示す説明図である。
【図46】バンニング進捗状況照会の表示画像の他の例を示す説明図である。
【図47】船単位コンテナ内容一覧の表示画像の一例を示す説明図である。
【図48】搬送物の在庫実績及び在庫予測の出力例を示す説明図である。
【図49】流通期間の統計を求めた例を示すグラフである。
【図50】流通期間の算出方法を説明するための説明図である。
【図51】コンテナ船出向スケジュールを示す説明図である。
【図52】発送先稼働日を示す説明図である。
【図53】流通期間の算出方法を説明するための説明図である。
【図54】他の流通管理システムを説明するための説明図である。
【図55】輸送容器としてのドライコンテナを説明するための説明図である。
【図56】輸送容器としてのトラックの荷台を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0204】
1;積付情報作成装置、2;コンピュータ、2a;パレット決定手段、2b;搬送物積付パレット表示手段、2c;積付指示情報作成手段、2d;積付指示情報蓄積手段、2e;手続書類作成手段、2d;搬送物選定手段、2g;積付作業時間算出手段、2h;積付料金算出手段、3;表示装置、4;レーザ測定器、30;流通管理システム、31;端末、31a;流通情報送信手段、31b;積付指示情報表示手段、33;サーバコンピュータ、34;表示装置、35a;パレット決定手段、35b;搬送物積付パレット表示手段、35c;積付指示情報作成手段、35d;積付指示情報送信手段、36a;流通情報蓄積手段、36b;流通情報加工手段、36c;加工結果表示手段、37a;積付指示情報蓄積手段、37b;手続書類作成手段、38a;流通期間算出手段、38b;在庫情報算出手段、38c;在庫計画作成手段、39;参照情報送信手段、40;パレット情報蓄積手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するためのパレット決定手段と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する搬送物積付パレット表示手段と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段と、を備えることを特徴とする積付情報作成装置。
【請求項2】
前記搬送物積付パレット表示手段が、前記表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレット、及び該1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用される積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記1輸送容器単位の搬送物積付パレット及び前記積付部材の2次元表示画像及び/又は3次元表示画像を含む積付指示情報を作成する請求項1記載の積付情報作成装置
【請求項3】
前記搬送物積付パレット表示手段が、前記表示装置の表示画面上に1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報を表示し、前記積付指示情報作成手段が、前記パレット、搬送物及び積付部材の識別情報を更に含む積付指示情報を作成する請求項2記載の積付情報作成装置。
【請求項4】
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け作業時間を算出する積付作業時間算出手段を更に備える請求項3記載の積付情報作成装置。
【請求項5】
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報、並びに前記積付作業時間算出手段により算出された積み付け作業時間に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの積み付け料金を算出する積付料金算出手段を更に備える請求項4記載の積付情報作成装置。
【請求項6】
前記積付指示情報作成手段が、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの輸送容器への搬入方向情報を更に含む積付指示情報を作成する請求項3乃至5のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項7】
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位及び/又は1パレット単位の搬送物積付パレットの重心位置を算出する重心位置算出手段を更に備える請求項3乃至6のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項8】
前記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときに異常を報知する重心異常報知手段を更に備える請求項7記載の積付情報作成装置。
【請求項9】
前記重心位置算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの重心位置が所定の範囲を超えているときにその重心異常に対する対策情報を生成する重心異常対策情報生成手段を更に備える請求項7又は8記載の積付情報作成装置。
【請求項10】
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットで使用されるパレット、搬送物及び積付部材の識別情報に基づいて、1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積を算出する重量・体積算出手段を更に備える請求項3乃至9のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項11】
前記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときに異常を報知する重量・体積異常報知手段を更に備える請求項10記載の積付情報作成装置。
【請求項12】
前記重量・体積算出手段により算出された前記1輸送容器単位の搬送物積付パレットの総重量及び/又は体積が所定の範囲を超えているときにその重量・体積異常に対する対策情報を生成する重量・体積異常対策情報生成手段を更に備える請求項11記載の積付情報作成装置。
【請求項13】
前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する積付指示情報蓄積手段を更に備える請求項1乃至12のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項14】
前記積付指示情報蓄積手段により蓄積された積付指示情報に基づいて、輸送容器の輸送に必要な手続書類を作成する手続書類作成手段を更に備える請求項13記載の積付情報作成装置。
【請求項15】
積み付け対象となる搬送物の識別情報を蓄積する識別情報蓄積手段と、該識別情報蓄積手段により蓄積された識別情報に基づいて積み付け対象としての搬送物を選定するための搬送物選定手段と、を更に備える請求項1乃至14のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項16】
積み付け対象となる搬送物の識別情報を測定する識別情報測定手段を更に備える請求項1乃至15のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項17】
前記パレットが、輸送容器に対して規格化されている請求項1乃至16のいずれか一項に記載の積付情報作成装置。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載の積付情報作成装置を用いる積付情報作成方法であって、
積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定する工程と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する工程と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する工程と、を備えることを特徴とする積付情報作成方法。
【請求項19】
請求項1乃至17のいずれか一項に記載の積付情報作成装置で作成された積付指示情報に基づいて、パレットへの搬送物の実際の積み付け作業を行う工程と、
その作業で積み付けられた1輸送容器単位の搬送物積付パレットを輸送容器内に一度に搬入する工程と、を更に備えることを特徴とする輸送容器への搬送物搬入方法。
【請求項20】
複数の流通拠点のそれぞれに設けられる端末と、該端末にネットワークを介して接続されるサーバコンピュータと、を備え、
前記サーバコンピュータは、積み付け対象としての搬送物に基づいて、1輸送容器単位で使用されるパレットを決定するためのパレット決定手段と、
表示装置の表示画面上で、前記パレット決定手段により決定されたパレットへの搬送物の積み付けシミュレーションを行って、1輸送容器単位の搬送物積付パレットを表示する搬送物積付パレット表示手段と、
前記搬送物積付パレット表示手段により表示された1輸送容器単位の搬送物積付パレットに関する積付指示情報を作成する積付指示情報作成手段と、
前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を前記端末へ送信する積付指示情報送信手段と、を備え、
前記端末は、前記積付指示情報送信手段により送信された積付指示情報を受信して表示する積付指示情報表示手段を備えることを特徴とする流通管理システム。
【請求項21】
前記端末は、流通対象となる搬送物の識別情報及びその流通拠点の位置情報を含む流通状況情報を前記サーバコンピュータへ送信する流通情報送信手段を備え、
前記サーバコンピュータは、前記流通情報送信手段により送信された流通状況情報を受信して蓄積する流通情報蓄積手段と、前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報を加工する流通情報加工手段と、前記流通情報加工手段による加工結果を表示する加工結果表示手段と、を備える請求項20記載の流通管理システム。
【請求項22】
前記サーバコンピュータは、前記流通情報加工手段による加工結果に基づいて、入荷に関する異常を報知する入荷異常報知手段を更に備える請求項21記載の流通管理システム。
【請求項23】
前記サーバコンピュータは、前記積付指示情報作成手段により作成された積付指示情報を蓄積する積付指示情報蓄積手段と、前記積付指示情報蓄積手段により蓄積された積付指示情報及び前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて、輸送容器の輸送に必要な手続書類を作成する手続書類作成手段と、を備える請求項21又は22記載の流通管理システム。
【請求項24】
前記サーバコンピュータは、前記各流通拠点間を流通する搬送物の流通期間を算出する流通期間算出手段と、前記流通情報蓄積手段により蓄積された流通状況情報に基づいて発送先の搬送物の在庫情報を算出する在庫情報算出手段と、前記流通期間算出手段により算出された流通期間及び前記在庫情報算出手段により算出された在庫情報に基づいて、発送先の在庫量が所定の範囲内となるように、発送先へ搬送物を供給する供給計画を作成する供給計画作成手段と、を備える請求項21乃至23のいずれか一項に記載の流通管理システム。
【請求項25】
前記サーバコンピュータは、前記端末から送信される参照請求信号を受信して、該参照請求信号に応じて、前記流通情報加工手段による加工結果を前記端末に送信する参照情報送信手段を備える請求項21乃至24のいずれか一項に記載の流通管理システム。
【請求項26】
前記サーバコンピュータは、前記パレット決定手段により決定されたパレットの使用履歴及び現在位置を含むパレット情報を蓄積するパレット情報蓄積手段を備える請求項20乃至25のいずれか一項に記載の流通管理システム。
【請求項27】
前記端末は、積み付け対象となる搬送物の識別情報を測定する識別情報測定手段を更に備える請求項20乃至26のいずれか一項に記載の流通管理システム。
【請求項28】
請求項1乃至17記載の積付情報作成装置としてコンピュータを動作させるためのプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項29】
請求項1乃至17記載の積付情報作成装置としてコンピュータを動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項30】
請求項20乃至27のいずれか一項に記載の流通管理システムとしてコンピュータを動作させるためのプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項31】
請求項20乃至27のいずれか一項に記載の流通管理システムとしてコンピュータを動作させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【公開番号】特開2006−273464(P2006−273464A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−92195(P2005−92195)
【出願日】平成17年3月28日(2005.3.28)
【出願人】(594052674)豊田スチールセンター株式会社 (14)
【Fターム(参考)】