説明

積分型A/D変換器、A/D変換器を有する撮像装置及び電子機器

【課題】クロック周波数を上げずに積分型A/D変換器の分解能を向上させる。
【解決手段】比較器11の比較出力が極性反転したタイミングのトリガー信号が形成される。また、カウンタ12には位相ロックループ回路13からのクロック信号が供給され、その計数がトリガー信号によって停止される。さらに、位相ロックループ回路13に設けられるリング発振器34が、例えば差動型の遅延要素41〜44が縦続に接続されて構成され、各段のタップ信号がそれぞれバッファ14a〜14dを介してラッチ回路15に供給される。このラッチ回路15に供給された信号が、トリガー信号によって保持される。さらに、このラッチ回路15に保持された信号がデコード回路16に供給され、信号のパターンに従って数値への変換が行われる。そしてこのデコード回路16で変換された数値が、カウンタ12の計数値の下位に接続されて、出力ライン17に取り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば高解像度の撮像を高速で行う際に使用して好適な積分型A/D変換器、A/D変換器を有する撮像装置及び電子機器に関する。詳しくは、クロック周波数を上げずに積分型A/D変換器の分解能を向上させるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
積分型A/D変換器においては、従来から高周波クロックを用いずに、高速化、高分解能化を行うことが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、撮像装置において、A/D変換器を内蔵して、画像データを直接デジタル出力で得るようにすることも行われている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
すなわち、非特許文献1に示されるような撮像装置においては、高画質を得るために高速、高分解能のA/D変換器が求められているものである。
【特許文献1】特開2003−198371号公報
【非特許文献1】Y. Nitta, Y. Muramatsu, K. Amano, T. Toyama, J. Yamamoto, K. Mishima, A. Suzuki, T. Taura, A. Kato, M. Kikuchi, Y. Yasui, H. Nomura, N. Fukushima, “ High-Speed Digital Double Sampling with Analog CDS on Column Parallel ADC Architecture for Low-Noise Active Pixel Sensor,” IEEE International Solid-State Circuits Conference, Digest of Technical Papers, pp. 500-501, Feb. 2006.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の積分型A/D変換器は、例えば図8に示すように、カウンタ1をスタートパルスにより動作させる。また、時間とともにその値が直線的に増加するランプ波形を参照電圧として用い、比較器2にて入力信号と参照信号を比較する。そして、その比較極性が反転した時に比較器2がトリガー信号を発生し、このトリガータイミングによりカウンタ1をストップさせて、このときのカウンタ1の値を読み取ることによりA/D変換を行っている。
【0006】
すなわち図9に示すように、参照電圧が入力信号電圧よりも小さい電圧範囲ではカウンタ1が動作し続けるが、参照電圧が入力信号電圧よりも大きくなった瞬間に比較器2からトリガー信号が発生してカウンタ1をストップする。この時の時間をTとすると以下の式が成り立つ。
【0007】
【数1】

但し、nはカウンタ出力、fclkはクロック周波数である。
【0008】
したがって、カウンタ出力nは、
【数2】

となり、カウンタ出力nは時間Tに比例した値になる。
【0009】
この場合に、変換周波数fcでNビットのA/D変換を行うためには
【数3】

で示される周波数のクロックが必要である。
【0010】
このような形式のA/D変換器は積分型A/D変換器と称され、近年では特にイメージセンサ(撮像装置)のコラムA/D変換器として用いられるようになってきた。すなわち、イメージセンサにおいては、非特許文献1に示されるように、例えば縦横に配列された受光素子に対して、受光素子の垂直方向の配列(コラム)ごとにA/D変換器を設け、受光信号を直接デジタル値で出力することが行われている。このA/D変換器として、積分型A/D変換器が用いられるのである。
【0011】
ところが、例えば毎秒60フレーム、1440コラム、14ビット分解能のイメージセンサにおいては、上述の積分型A/D変換器の動作には、
【数4】

という高いクロック周波数が必要となるが、この高いクロック周波数は、消費電力の増大を招くほか、高分解能化の妨げにもなっていた。
【0012】
この発明はこのような問題点に鑑みて成されたものであって、本発明の目的は、従来の積分型A/D変換器では高分解能化を行うために不可欠であった高いクロックパルスを必要としない積分型AD変換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決し、本発明の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、時間とともに電圧値が直線的に変化するランプ波形の参照電圧と入力信号とを比較する比較器と、リング発振器を含む位相ロックループ回路によって形成されるクロック信号をランプ波形の周期ごとに計数するカウンタとを有し、比較器の出力が反転したときのカウンタの計数値を取り出しデジタル変換出力とする積分型A/D変換器であって、リング発振器は複数段の遅延要素を縦続に接続して形成され、縦続に接続された各段の遅延要素の信号を比較器の出力が反転したタイミングで保持する保持手段と、保持された各段の遅延要素の信号のパターンを任意の数値にデコードするデコード手段と、デコード手段のデコード値をカウンタの計数値の下位に追加して取り出す出力手段とを設けたことを特徴とする積分型A/D変換器である。
【0014】
また、請求項2に記載の積分型A/D変換器においては、複数段の遅延要素は差動型の遅延要素が偶数段縦続接続されて形成されることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3に記載の積分型A/D変換器においては、比較器とカウンタと保持手段とデコード手段との構成を複数組並列に設け、位相ロックループ回路からのクロック信号と各段の遅延要素の出力とを複数組の構成に共通に供給することを特徴とするものである。
【0016】
さらに、請求項4に記載された発明は、縦横に配列された受光素子を有し、受光素子の垂直方向の配列ごとにA/D変換器を設けて受光信号をデジタル値で出力するようにしたA/D変換器を有する撮像装置であって、A/D変換器は、受光信号を時間とともに電圧値が直線的に変化するランプ波形の参照電圧と比較する比較器と、複数段の遅延要素を縦続に接続して形成したリング発振器を含む位相ロックループ回路と、位相ロックループ回路によって形成されるクロック信号をランプ波形の周期ごとに計数して比較器の出力が反転したときの計数値を取り出すカウンタと、各段の遅延要素の信号を比較器の出力が反転したタイミングで保持する保持手段と、保持された各段の遅延要素の信号のパターンを任意の数値にデコードするデコード手段とを有し、デコード手段のデコード値をカウンタの計数値の下位に追加してデジタル値として出力することを特徴とするA/D変換器を有する撮像装置である。
【0017】
さらに、請求項5に記載された発明は、請求項4に記載のA/D変換器を有する撮像装置を用いた電子機器である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の積分型A/D変換器、A/D変換器を有する撮像装置及び電子機器によれば、クロックパルスを発生させる位相ロックループ回路におけるリング発振器のタップ信号を併せて利用し、トリガパルスによりタップ信号をラッチし、ラッチされた位相状態を変換値の一部とすることによって、クロックパルス周波数を上げることなく高分解能化を図ることができる。これにより、クロックの生成が難なくできるので、高分解能化を容易に実現することができると共に、低消費電力化も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明を説明するに、図1は本発明を適用した積分型A/D変換器の一実施形態例の構成を示すブロック図である。
【0020】
図1に示されるように、本例の積分型A/D変換器は、入力信号電圧が参照電圧と比較される比較器11と、比較器11の出力がトリガー信号として供給されるカウンタ12と、リング発振器34を有する位相ロックループ回路13と、位相ロックループ回路13の出力が供給されるラッチ回路15と、ラッチ回路15の出力をデコードするデコード回路16から構成されている。
【0021】
以下、図1に示す実施形態例の動作を説明する。まず、入力信号と、時間とともに電圧値が直線的に変化するランプ波形の参照電圧とが比較器11で比較される。この比較器11の出力は、トリガー信号としてカウンタ12とラッチ回路15に供給される。カウンタ12は、スタートパルスにより動作を開始し、位相ロックループ回路13からのクロック信号を計数する。そして、このカウンタ12の計数は、比較器11からのトリガー信号によって停止され、そのときのカウンタの出力(11ビット)が出力ライン17に送られる。
【0022】
さらに、位相ロックループ回路13には基準信号が供給され、この基準信号は、位相周波数比較器(PFD)31、チャージポンプ回路(CP)32、ローパスフィルタ(LPF)33を通じてリング発振器34に供給される。そして、リング発振器34からクロック信号が取り出されると共に、このクロック信号がバッファ35、1/N分周器36を通じて位相周波数比較器31に帰還されて、位相ロックループが形成される。
【0023】
この位相ロックループ回路13において、リング発振器34は、例えば差動型の遅延要素41〜44が4段縦続に接続され、最終段の出力がそれぞれ初段の入力の逆側に帰還されて構成される。そして、この帰還信号が位相周波数比較器31に供給され、基準信号との誤差分が取り出され、この誤差分に基づく信号により遅延要素41〜44の遅延時間が調整されて、誤差が解消されるように制御が行われる。
【0024】
さらに、この位相ロックループ回路13において、上述の遅延要素41〜44の各段のタップ信号が、それぞれバッファ14a〜14dを介してラッチ回路15に供給される。そして、このラッチ回路15に供給された信号が、比較器11からのトリガー信号によって保持される。このラッチ回路15で保持された信号は、デコード回路16に供給され、保持された信号のパターンに従って3ビットの数値への変換が行われる。
【0025】
そしてこのデコード回路16で変換された数値(3ビット)が、上述のトリガー信号のタイミングで停止されたカウンタ12の計数値(11ビット)の下位に接続されて、出力ライン17に取り出される。すなわち、リング発振器34を構成する遅延要素41〜44の各段のタップ信号のパターンは、クロック信号の1周期を細分化して形成されており、このパターンが数値に変換されてカウンタ12の計数値の下位に接続されるようになっている。
【0026】
このように、本例によれば、クロック周波数を上げずに積分型A/D変換器の分解能を向上させることができる。すなわち、上述の回路構成で、遅延要素41〜44の各段のタップ信号の波形は、例えば図2のA〜Dに示すようになっている。ここで図2のAの信号がクロック信号となるが、各段のタップ信号はそれぞれA〜Dのようになっており、その立ち上がりは、クロック信号の1周期を細分化して位相をずらせたものになっている。
【0027】
これに対して、デコード回路16では、例えば図3の表に示すように、それぞれタップ信号の波形の高電位を「1」、低電位を「0」として表したそれぞれのパターンで、表の上部に示す数値に変換が行われるようにする。これによって、クロック信号の1周期を8分割した値が形成され、クロック周波数を上げずに積分型A/D変換器の分解能を向上させることができる。
【0028】
すなわち、例えば図1のような4段のリング発振器34の場合は、カウンタ12に入力される信号Aの他にB、C、Dの信号が得られる。これらの信号は周波数が同一で、位相が異なっている。ここでカウンタ12の1LSBに相当する時間はクロック信号の1周期の時間であるが、これらの位相が異なった信号をラッチ回路15に入力し、比較器11からのトリガー信号によりラッチすればより高い分解能を得ることができる。
【0029】
そこで、例えば図3の表において、トリガー信号によりラッチ回路15の出力が、A=1、B=1、C=1、D=0になった場合は、3ビット単位の「3」という状態であることがわかる。そこでデコード回路16においてこのラッチ回路15の出力をデコードすれば、適切なバイナリー信号が得られる。この方法を用いることで変換周波数が同一であっても分解能を上げ、消費電力を低減させることができる。
【0030】
一方、通常の積分型A/D変換器では、変換周波数fcにてNビットの分解能を得るために必要なクロック周波数fclkは、数3式のようになる。
【0031】
ここで、消費電力の大半がカウンタ12で消費されるとすれば、その消費電力Pdは、
【数5】

と表される。但し、Nは積分型A/D変換器の分解能である。
【0032】
これに対し、本例では、ラッチ回路15による分解能をM(ビット)として、その変換周波数 fclk′は、
【数6】

となる。
【0033】
また、消費電力Pd′は
【数7】

となる。
【0034】
従って、従来と本発明を採用した場合の消費電力比率は、
【数8】

となる。
【0035】
ここで、例えばN=14、M=3ビットとすると、クロック周波数は0.125倍、消費電力は0.13倍となり、大幅なクロック周波数と消費電力の低減が図られることになる。また、これによりクロック周波数を高くすることなくA/D変換器の分解能を向上させることができる。なお、〔数9〕の式の左辺をf(14,M)と置いてグラフで描くと図4に示すようになり、特にM=6以下での効果が明らかである。
【0036】
さらに図5には、CMOSを用いてリング発振器を形成した場合の具体例を示す。図5に示されている回路では、それぞれCMOS素子4個からなる差動アンプ51、52を縦続に接続している。なお、図5では2段接続された例を示しているが、実際にはさらに多段が接続される。すなわち、上述の実施形態例(図1のリング発信器34を参照)では、このような差動アンプが4段接続され、最終段の差動アンプの出力が初段の入力に帰還されている。
【0037】
そして、これらの差動アンプ51、52のソース側、及びドレイン側に設けられる電流源61、62及び電流源71、72の電流値が、それぞれカレントミラー回路60、70を介して共通に制御できるようにされる。これによって、カレントミラー回路60、70の電流源6x、7xの電流値を外部から制御することで、差動アンプ51、52が縦続に接続された回路全体の遅延量の調整を行うことができる。
【0038】
このようにしてリング発振器が形成される。そして、本例のようにリング型発振器として、差動型の遅延要素(差動アンプ)を用いる場合には、遅延要素の段数を偶数段にすることが可能となり、デコード回路16での、特に2進数への変換を容易に行うことができる。また、この回路構成では、個々の遅延要素の遅延量にばらつきの生じる可能性があるが、このようなばらつきは一般的に10%未満であり、1/8の分解能を求める場合では問題の無いものである。
【0039】
また、図6は、本発明を適用したA/D変換器を有する撮像装置の一実施形態例の構成を示すブロック図である。この図6に基づいて、本例のA/D変換器を有する撮像装置の全体について、その概略を説明する。
【0040】
図6において、撮像装置は撮像部100を有し、この撮像部100には水平選択線Ha、Hb…と垂直出力線Va、Vb…が縦横に配設され、その各交点に画素Pが設けられる。そして、基準信号源101によって駆動される水平選択回路102で形成される水平選択信号が、水平選択線Ha、Hb…に供給され、選択された水平選択線Ha、Hb…に接続された画素Pの受光信号が、垂直出力線Va、Vb…に取り出される。
【0041】
これらの垂直出力線Va、Vb…に取り出された受光信号がそれぞれ比較器103a、103b…に供給され、これらの比較器103a、103b…には、基準信号源101によって駆動されるランプ信号発生回路104で形成されるランプ信号が供給される。そして、これらの比較器103a、103b…の比較極性が反転した瞬間に、トリガー信号がカウンタ105a、105b…に供給される。
【0042】
また、基準信号源101からの基準信号が位相周波数比較器(PFD)106に供給され、この位相周波数比較器106の出力がリング発振器107に供給されると共に、リング発振器107からの信号が位相周波数比較器106に帰還される。これによって、位相ロックループ回路が形成される。なお、図6の回路は概略を示したもので、実際の位相ロックループ回路は、図1に示したように形成されるものである。
【0043】
そして、リング発振器107のタップ信号A〜Dがラッチ及びデコード回路108a、108b…に共通に供給され、これらのラッチ及びデコード回路108a、108b…に比較器103a、103b…からのトリガー信号が供給される。また、タップ信号Aがカウンタ105a、105b…に供給される。これらのカウンタ105a、105b…と、ラッチ及びデコード回路108a、108b…の信号が出力ライン17に取り出される。
【0044】
これによって、図1に示したのと同等のA/D変換器を有する撮像装置が形成される。従って、この実施の形態例においても、クロックパルス周波数を上げることなく高分解能化を図ることができ、特に撮像装置においては、高画質化、高速化を実現することができ、さらに、クロック生成の困難を生じないため、高分解能化を容易に実現できると共に、低消費電力化も図ることができる。
【0045】
さらに本発明によるA/D変換器を有する撮像装置は、携帯電話機などの撮像機能を有する電子機器においても広く応用可能とされるものである。ここで図7には、応用の一例として、携帯電話機に適用した場合の実施の形態例の構成をブロック図で示す。
【0046】
すなわち図7の携帯電話機においては、マイク音声増幅部201に供給された音声信号はA/D変換器202でデジタル信号に変換されて主制御部203に入力される。そして主制御部203からの信号は、圧縮伸張部204、ベースバンド処理部205、変復調部206を通じて送信部207に供給され、アンテナ共用部208を通じてアンテナ209から送信される。
【0047】
また、アンテナ209とアンテナ共用部208で受信された信号から、受信部210で所望の信号が取り出される。この取り出された信号は、シンセサイザ部211、変復調部206、ベースバンド処理部205、圧縮伸張部204を通じて主制御部203に供給される。また、タイミング制御部212によってシンセサイザ部211、ベースバンド処理部205、圧縮伸張部204での処理動作が制御される。そして主制御部203からの信号が、D/A変換器213でアナログ信号に変換されて音声拡声部214に出力される。
【0048】
なお、主制御部203には記憶部215が設けられて処理中のデータが記憶される。また、キー入力部216からの信号が主制御部203に供給されて、発呼時のダイアリングや受信時の許可などの制御が行われる。さらに主制御部203からの信号が表示制御部217を通じてLCD部218に供給され、各種の表示が行われる。また、これらの回路には電源制御部219から電源が供給されている。
【0049】
以上の構成によって携帯電話機が形成される。このような携帯電話機において、近年では、撮像装置220が設けられることが多くなってきている。この撮像装置220にはカメラ撮像部221とA/D変換器222が設けられ、撮像制御部223によって撮像された画像信号が取り出されて主制御部203に供給されるようになされている。そしてこのような撮像装置220において、A/D変換器222に本発明が適用される。
【0050】
従って、このような撮像機能を有する電子機器に本発明の積分型A/D変換器を用いた場合には、電力消費を大幅に削減することができる。そこで本発明は、特に携帯用を含む電子機器に適用した場合に有効となるものである。
【0051】
なお本発明は、上述の説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明を適用した積分型A/D変換器の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】その動作の説明のための波形図である。
【図3】その説明のための表図である。
【図4】その説明のための線図である。
【図5】リング発振器の説明のための構成図である。
【図6】本発明を適用したA/D変換器を有する撮像装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明を適用した電子機器としての携帯電話機の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】従来の積分型A/D変換器の説明のための図である。
【図9】その説明のための線図である。
【符号の説明】
【0053】
11…比較器、12…カウンタ、13…位相ロックループ回路、14a〜14d…バッファ、15…ラッチ回路、16…デコード回路、17…出力ライン、31…位相周波数比較器(PFD)、32…チャージポンプ回路(CP)、33…ローパスフィルタ(LPF)、34…リング発振器、35…バッファ、36…1/N分周器、41〜44…差動型の遅延要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間とともに電圧値が直線的に変化するランプ波形の参照電圧と入力信号とを比較する比較器と、リング発振器を含む位相ロックループ回路によって形成されるクロック信号を前記ランプ波形の周期ごとに計数するカウンタとを有し、前記比較器の出力が反転したときの前記カウンタの計数値を取り出しデジタル変換出力とする積分型A/D変換器であって、
前記リング発振器は複数段の遅延要素を縦続に接続して形成され、
前記縦続に接続された各段の遅延要素の信号を前記比較器の出力が反転したタイミングで保持する保持手段と、
前記保持された前記各段の遅延要素の信号のパターンを任意の数値にデコードするデコード手段と、
前記デコード手段のデコード値を前記カウンタの計数値の下位に追加して取り出す出力手段と
を設けたことを特徴とする積分型A/D変換器。
【請求項2】
前記複数段の遅延要素は差動型の遅延要素が偶数段縦続接続されて形成される
ことを特徴とする請求項1記載の積分型A/D変換器。
【請求項3】
前期比較器とカウンタと保持手段とデコード手段との構成を複数組並列に設け、
前記位相ロックループ回路からのクロック信号と前記各段の遅延要素の出力とを前記複数組の構成に共通に供給する
ことを特徴とする請求項1記載の積分型A/D変換器。
【請求項4】
縦横に配列された受光素子を有し、前記受光素子の垂直方向の配列ごとにA/D変換器を設けて受光信号をデジタル値で出力するようにしたA/D変換器を有する撮像装置であって、
前記A/D変換器は、
前記受光信号を時間とともに電圧値が直線的に変化するランプ波形の参照電圧と比較する比較器と、
複数段の遅延要素を縦続に接続して形成したリング発振器を含む位相ロックループ回路と、
前記位相ロックループ回路によって形成されるクロック信号を前記ランプ波形の周期ごとに計数して前記比較器の出力が反転したときの計数値を取り出すカウンタと、
前記各段の遅延要素の信号を前記比較器の出力が反転したタイミングで保持する保持手段と、
前記保持された前記各段の遅延要素の信号のパターンを任意の数値にデコードするデコード手段と、を有し、
前記デコード手段のデコード値を前記カウンタの計数値の下位に追加して前記デジタル値として出力する
ことを特徴とするA/D変換器を有する撮像装置。
【請求項5】
請求項4に記載のA/D変換器を有する撮像装置を用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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