説明

積層グレージングおよびその封止と周辺にある補強手段

本発明は、間にアクティブシステム(3)が配置された2つの基層(S1、S2)を含む積層グレージングに関し、グレージングには、特に蒸気の状態の水に対して、ポリマー類(エチレンビニルアセテート、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリアミド)の中から選択された熱硬化性ポリマー系の少なくとも1つのシールを含む、上記アクティブシステム(3)を封止するための周辺にある第1の封止手段(10)と、特に液体水に対する第2の封止手段(11)とが設けられ、上記第2の封止手段(11)が基層の間に第1の封止手段(10)に対して周辺に配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層グレージングに関し、さらに詳細には、有機、無機、または有機/無機混成タイプとすることのできる1つ以上の層および/または1つ以上の不連続要素によって与えられた機能を提供するものに関する。通常、積層グレージングは2つの硬質基層からなり、その間に熱可塑性ポリマーシートまたはそのようなシートの重ね合わせが配置される。本発明はまた、いくつかのポリマーシートと組み合わされたガラスタイプの単一硬質基層を用いる「非対称」積層グレージングと呼ばれるものを含み、その少なくとも1つは一般にポリウレタン系である。本発明はまた、一方面または両面のエラストマータイプポリマー接着剤に基づく少なくとも1つの層間シートを有する積層グレージングを含む(すなわち、従来の用語の意味における積層作業を必要しない。一般に、積層は熱可塑性層間シートを軟化させ接着性にするために圧力下の加熱を伴う)。
【背景技術】
【0002】
上述の層または不連続要素は、上記基層とポリマー系可撓性シートまたは上記シートの1つの間に1つの硬質基層に面して(または単一の硬質基板体に面して)一般に配置される。また、それらはそれ自体硬質基層を伴う2つの可撓性または半可撓性基層の間に配置することができ、または2つの硬質基層の間に配置することができる。それらは以降、用語「アクティブシステム」と呼ぶ。グレージングはいくつかのアクティブシステムを組み込むことができる。
【0003】
本発明に関係するアクティブシステムの第1のタイプは一般に電気化学システムであり、さらに詳細には、可変エネルギーおよび/または光学特性を有するグレージングタイプの電気的に制御可能なシステムである。また、それらは光電池およびエレクトロルミネセントシステムを含む。
【0004】
これらのシステムは非常に多岐にわたる用途を有する。
【0005】
光電池は太陽エネルギーを光エネルギーに変換する。
【0006】
電気的に制御可能なシステムは、特に、必要に応じて暗化/視認性の程度、または熱/太陽放射濾過の程度が変更可能であるグレージングを得るために用いられる。これらは、例えば、米国特許第5239406号明細書および欧州特許第61282号明細書に記載されたものなど、光の透過または吸収を調節することのできるビオロゲン系グレージングである。
【0007】
エレクトロルミネセントシステムは、電気エネルギーを直接光に変換するもので、その例は仏国特許第2770222号明細書に記載されている。
【0008】
また、これらはエレクトロクロミックグレージングであり、光および熱の透過を変調することができる。例えば、それらは欧州特許第253713号明細書および欧州特許第670346号明細書に記載され、電解質はポリマーまたはゲルの状態であり、他の層は無機タイプである。他のタイプは欧州特許第867752号明細書、欧州特許第831360号明細書、仏国特許第00/00675号明細書、仏国特許第99/01653号明細書に記載され、この場合の電解質は本質的に無機層の形であり、したがってシステムの層の全ては無機であり、このタイプのエレクトロクロミックシステムは通常、用語「オールソリッドステート」エレクトロクロミックシステムと呼ばれる。また、システム層の全てがポリマータイプであるエレクトロクロミックシステムがあり、「全ポリマー」エレクトロクロミックシステムと呼ばれる。
【0009】
一般に、エレクトロクロミックシステムは電解質層で分離され側面を2つの導電性層に接する2つのエレクトロクロミック材料の層を含む。
【0010】
また、「光バルブ」と呼ばれるシステムがある。これらはポリマー系フィルムであり、電場の作用の下で選択的な方向を取ることのできる微小液滴含有粒子が配置される。この実施例は国際公開第93/09460号パンフレットに記載される。
【0011】
また、液晶システムがあり、動作モードは前のシステムと同様である。それらは2つの導電性層の間に配置されたポリマーフィルムを用い、液晶の液滴、特に正の誘電性異方性のネマチック液晶が上記フィルムに分散される。電圧がフィルムに印加されるとき、液晶は選択的な軸に沿って配向され、それによって視野を与える。電圧が印加されないときフィルムは散乱性になる。その実施例は欧州特許第238164号明細書、米国特許第4435047号明細書、米国特許第4806922号明細書、米国特許第4732456号明細書に記載される。また、国際公開第92/19695号パンフレットに記載されたものなどのコレステリック液晶ポリマーも挙げることができる。
【0012】
本発明に関するアクティブシステムの第2のタイプは層または多層に関し、特性は熱または光の効果によるエネルギー供給をしないで変更される。サーモクロミック層、特に酸化バナジウム系のもの、サーモトロピック層またはフォトクロミック層を挙げることができる。本発明の文脈内および本文脈を通して、用語「層」はその最も広い意味に解釈すべきである。含むことのできる材料は、無機材料および有機材料の両方であり、特にポリマーフィルムまたはゲルフィルムの状態とすることのできるポリマーである。これはサーモトロピックゲルの場合であり、例えば、欧州特許第639450号明細書、米国特許第5615040号明細書、国際公開第94/20294号パンフレット、欧州特許第878296号明細書に記載される。
【0013】
本発明に関するアクティブシステムの第3のタイプは、ジュール熱により加熱する加熱ワイヤまたは格子または加熱電導層の形の要素に関する(これらは熱可塑性シートの表面に埋め込まれたワイヤとすることができ、例えば、欧州特許第785700号明細書、欧州特許第553025号明細書、欧州特許第506521号明細書、欧州特許第496669号明細書に記載される)。
【0014】
本発明に関するアクティブシステムの第4のタイプは、太陽光制御または低放射率特性を有する層または多層に関し、特に誘電体層に散在された1つ以上の銀層系である。これらの多層は1つの硬質基層の上に堆積することができ、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)タイプの可撓性基層上に堆積することができ、これはPVB(ポリビニルブチラール)タイプの熱可塑性ポリマーの2つのシート間に配置されて2つのガラスタイプ硬質基層と組み立てられる。これらの実施例は欧州特許第638528号明細書、欧州特許第718250号明細書、欧州特許第724955号明細書、欧州特許第758583号明細書、欧州特許第847965号明細書に見られる。
【0015】
これらのシステムのいくつかは外部電源に電気的に接続する手段を必要とし、いかなる回路短絡も避けるように設計しなければならない。これらの全てのシステムは、それらが大なり小なり共通に、機械的または化学的攻撃、水との接触、または外部との交換に敏感である。
【0016】
これは、その適切な動作を維持するために、これらのアクティブシステムが通常少なくとも1つの保護キャリア基層に面して配置される理由である。通常、それらは例えば、ガラスまたは硬質または半硬質または可撓性ポリマーから作られた2つの保護基層間に、それに直接接触することによって、または1つ以上の熱可塑性タイプの組み立てポリマーシートを経由してのいずれかで配置される。通常、それらは上述の積層構造を有し、しばしば周辺にある封止手段が設けられ、目的はアクティブシステムをできる限り外側から隔離することである。
【0017】
そのような封止手段は仏国特許第2815374号明細書に記載され、シールのシステムを開示する。このシールのシステムは、気体、液体、および塵挨から隔離し、機械的強度または取り付け枠との境界面(自動車グレージングの場合車体)をできる限り提供する目的でグレージングの周辺に加えられた多くの要素からなる。シールのシステムはしばしば全ての機能を同時に提供するようにいくつかの要素から作られる。この特許明細書に記載されるように、シールのシステムはブチルシールと呼ばれるポリイソブチレン系シール(気体障壁である)とポリスルフィドまたはポリウレタンシール(液体障壁である)を組み合わせる。
【0018】
さらにこの仏国特許明細書において、ブチルシールは2つの基層の間に配置されるのが好ましいが、これは少なくとも2つの理由による。第1に、その非常に低いガラス転位温度Tgは通常の動作温度で熱機械的特性が不十分であり、ブチルシールはそれが例えば破断によって劣化する危険性があるので、外部環境に直接接触してはならない。第2に、ブチルシール基層の各々の内部面に接触し、これはグレージングの周縁部全体にわたって気体障壁の連続性を保証する。
【0019】
このシールシステムは従来の厚さ(数mm程度)の基層には効果があるが、薄い基層(1mm未満の厚さ)の場合には問題が生じる。
【0020】
これは、そのような硬質基層/可撓性中間層/硬質基層の組み立て体が、積層作業(通常圧力下で行われ、熱の下で行われる)の間に機械的に過剰の応力を受けることがあるためである。アクティブシステムが存在する周辺溝のゾーン中の硬質基層の縁部は突出し、圧力の下、上記基層のより中心の部分に比べて曲がり易い。光学的歪効果が発生し、これらは反射および/または透過において視認できる。
【0021】
ガラスタイプの硬質基層の場合、破壊の危険性がある。また、不完全な接着の危険性があり、周辺の気泡の存在によって示唆される。
【0022】
さらに、薄い基層は積層後封入作業中に金型によって発生する圧縮力に十分耐える機械的特性をもたず、周辺で破壊する危険があり、したがって、アクティブシステムを組み込むデバイスは仕様から外れることになる。
【0023】
仏国特許第2815374号明細書に示されたように、ブチルシール中に鋼球などの機械的補強手段を挿入すること、または周辺に金属枠を加えることが可能であるが、これらの要素の全ては積層ポリマーとは異なる熱機械的挙動を示し、したがって、光学的歪または破壊の危険性が増加する欠点がある。さらに、金属枠の場合、金属枠は基層上に積層されず、したがって、2つの基層の間の周辺部の接着はゼロである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、本発明の目的は上述の積層グレージングのシールのシステム設計を改善することであり、特に、その化学的特性および/またはその機械的特性および/またはその工程および/またはアクティブシステムを保護する基層に対するその構造に関して改善することである。
【0025】
一般に、シリコーンまたはポリスルフィドシールと組み合わせたブチルゴムシールが用いられる。
【0026】
しかし、これらのシールは、少なくとも3つの必ずしも両立できるとは限らない必要条件をできる限り満たさなければならないので、いくつかの点で改善することが可能である。
【0027】
見てきたように、それらはアクティブシステムを外側から隔離しなければならず、したがって、特にその蒸気の状態および/または液体の状態の水または他の溶媒に対して、できる限り効率的に障壁として働かなければならない。しかし、これまで用いられたシール、特に仏国特許第2815374号明細書に記載されたもの、特にブチルゴム系は、これに関して完全に満足できるものではなく、それらは蒸気の状態の水に対して全体的に満足できる障壁を構成するが、液体の状態では満足できない。
【0028】
それらの工程は、それらがデバイスの縁部に配置される方法を含み、工業的見地から必ずしも最も簡単とはいえない。
【0029】
最終的に、それらの機械的特性は必要とされるものよりも実質的に劣ることがある。
【0030】
また、米国特許第6001487号明細書から、2つの基層を含みその間にアクティブシステムが配置される積層されたグレージングが知られ、上記グレージングにはポリイソブチレン系シールを含む周辺にある封止手段が設けられる。
【0031】
さらに詳細には、アクティブシステムが2つの薄い基層(各基層の厚さは実質的に3mmに近く、またははるかに薄い(0.4mm〜1.8mm、好ましくは0.7mm))の間に挟まれるとき、液体水の封止障壁を提供し一般に封入技術によって用いられる周辺にある封止手段はグレージングを損傷する危険性がある。これは、薄い基層が成形によって発生した圧縮力に耐える十分な機械的特性を有せず、周辺部の破壊の危険性があり、したがって、アクティブシステムを組み込むデバイスは仕様から外れたものになるからである。
【0032】
さらに、薄い積層基層は周辺にあるシールを接合するための接触面積が非常に小さくなる。これは、押出しおよび/または封入技術によって加えられた周辺にあるシールの最適接合がガラスシートの厚さによって決定されるからである。したがって、薄い基層ではガラスシートの縁部が実質的に線状に減少し、これはシールの最適接合を可能にするには明らかに厚さが薄すぎる。
【0033】
したがって、本発明の目的は、上述の積層グレージングの上記シールの設計を改善することであり、特に、その化学的特性および/またはその機械的特性および/またはその工程および/またはアクティブシステムを保護する基層に対するその構造に関して改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明の第1の主題は、さまざまな構造が上で説明された積層グレージングであり、上記グレージングは上述の中でも上記グレージングの2つの薄い基層の間に配置された「アクティブシステム」を含む。本発明は、特に蒸気の状態の水に対して、次のポリマー群(エチレン/ビニルアセテート、ポリイソブチレン(ブチルゴム)、およびポリアミド)の少なくとも1つから選択される1つ以上のホットメルトポリマーに基づく少なくとも1つのシールを含む上述のアクティブシステムを封止するための周辺にある第1の封止手段と、特に液体水に対して封止する第2の封止手段とを備えるグレージングを提供することからなり、この第2の封止手段は基層の間に第1の封止手段に対して周辺に配置される。
【0035】
シールと封止すべき材料との間の境界面に拡散路が形成されるのを防止し、シールの剥離を避けるために、本質的に不浸透性なだけではなく、それが接触する材料に非常に良好に接着するポリマーを選択することは重要である。また、そのような接合剤を使用する替わりに、またはそれに加えて、特にポリイソブチレンの場合、ホットメルトポリマー中に存在する分子量の分布を変化させることができる。いくつかの分子量を混合することによって、良好な温度クリープ抵抗性を得ること(高分子量に関して)、および封止すべき材料への良好な接着と良好な「粘着性」(低分子量の場合)を得ることが可能である。
【0036】
全般的に、本発明の意味において、第1の封止手段はホットメルトである。それは室温で軟化点を有し、およびこの温度での粘度によって、柔らかい外観を有し、したがって、それは工業的に許容可能な温度で取り付け/形成するために液化することが可能である。
【0037】
また、それらは190℃で0.1〜20Pa.s、特に0.8〜8Pa.sの粘度を有する。
【0038】
最終的に、それらはASTM E 9663 T 規格による蒸気の状態の水への浸透性が5または4または3g/m/24hを超えず、特に1g/m/24hを超えず、これは水に対して特に不浸透性であることを意味する。
【0039】
上述のシールのホットメルトポリマーはマスチックに置き換えることができ、これは熱いときはホットメルトポリマーのように挙動するが、固体相から液体相への転移はホットメルトとは異なり可逆的ではない(マスチックは熱硬化性であるので)。また、それらが取り付けられた後にのみ架橋するものから選択されるならば、それらを液相でグレージングに取り付けることのできる利点がこのマスチック類の場合に存在する。
【0040】
最も特に好ましくは、ポリウレタン系マスチックであり、その水蒸気透過性は4g/m/24h以下であり、2g/m/24hに近い。所望の基準(特に5g/m/24h以下の水蒸気透過性)を満足するPU系マスチックは、Tremcoから参照番号IS442(透過性5g/m/24h)で、およびLe Joint Francaisから参照番号PU3189/2(透過性4g/m/24h)で販売されているマスチックである。これらの特定のマスチックの利点は、それらが良好な水蒸気不透過性と液体水不透過性の両方を提供することであるが、液体水の障壁として働くことを意図した第2のシールでホットメルト系シールを「ライナー」することが好ましい。ポリスルフィドまたはシリコーン系マスチックも用いることができる。
【0041】
本発明による第1の封止手段に用いられるポリマーの化学的性質に関して結論付ければ、これらのホットメルトポリマーは非常に異なる用途、特に靴産業および段ボール箱産業に用いられていることが知られており、本発明に関連する他の全ての技術分野において、それらが特に有利であることを実証するものである。
【0042】
また、本発明の他の面は、シール、特に、しかし排他的ではなく、薄いガラスシートに基づく積層グレージング用の上述のホットメルトシールの機械的強度を向上させる可能性に関する。また、本発明の主題は、周辺にある第1の封止手段、特に蒸気の状態の水に対する封止を設けた同じタイプの基層であり、これは、少なくとも1つのポリマー系シールを含み、機械的補強手段および/またはその間にアクティブシステムが配置される2つの基層と液体の状態の水に対する封止との間に空間を設定する手段の両方を提供する第2の封止手段と組み合わされる。
【0043】
これは、いくつかの場合にシールが大きな機械的強度を有する必要があるためである。これは、デバイスが、薄いと言われる(0.4mm〜1.8mmの厚さ)2つの硬質または半硬質基層を含み、その間にアクティブシステムおよび1つ以上の組み立てポリマーシートが配置される積層グレージングの形であるとき特に真実である。この場合、1つの適切な構造は組み立てポリマーシート(およびアクティブシステム自体も)が2つの基層よりも小さな寸法を有することを保証することである。したがって、グレージングの周辺に溝が形成され、その溝の中に1つ以上の第2の封止手段を収容することができる。しかし、この構造のおかげで、機械的補強特性および水障壁特性を有する周辺にある第2のシールを同時に使用するので、ホットメルトシール(これは機械的強度を提供しない)を用いることが可能である。
【0044】
これらの状況下で、1つ以上の周辺にあるシールを用いることによって、2つの薄い基層の間にその周辺で適切な空間を維持することが可能であり、それらが少なくとも組み立て作業中に溝の「重要な」周辺ゾーンに曲がる傾向を防止する。
【0045】
封止および補強/設定の第2の手段の一実施形態において、これは特に低融点の熱可塑性とされた積層中間層タイプの枠の形とすることができる。枠の断面は正方形、矩形等とすることができる。この枠は1部品の枠とすることができ、または取り付け中にいくつかの部品から端部と端部を配置して作ることができる。この周辺にある第2の封止手段は、例えば、ポリビニルブチラールPVB、エチレン/ビニルアセテート EVA、または硫黄系ポリマー系のもの、アクリル酸ポリエチレンまたはEPDM系のものから作られた熱可塑性ポリマーシールのタイプに定めることができ、これはブチル系の第1の封止手段のように押出し成型し、またはある種のポリウレタンから作ることができる。このシールは、グレージングを積層するために用いられる熱可塑性層間シートの性質と同じ化学的性質または類似の化学的性質を有するのが有利である。
【0046】
したがって、標準的な二重グレージング単位の板ガラス間の空間を維持するために用いられる枠/スペーサーの構造に近づけることが可能である。
【0047】
したがって、層間シートはその中にシールを収容するための周辺溝を形成するように、2つの板ガラスから後退して切断され、溝には上述のように1つまたは両方のシールを確実に設けることが可能である。次いで、溝の「充填」は層間シートと同じ起源の熱可塑性ポリマーのストリップで完成される。これらのストリップは液体不浸透性の役割を正しく遂行し、これは中間層を作るのに用いられたので、既に入手可能な材料から作られる。これは、熱可塑性シートを補完シールとして働かせるように熱可塑性シートを「流用する」簡単で効率的な解決策である。この熱可塑性シールはグレージング全体に連続していることが好ましいが、不連続とすることもできる。したがって、それはその前面に配置された他のシールを周辺溝の中に「捕える」。
【0048】
この場合、デバイスの第1のおよび第2の封止手段は並列のシールを含むのが好ましい。例えば、異なる化学的手法を有する2つのタイプのシールを共射出/共押出しすることができる。また、2つの予備押出しまたは予備成形または予備切断されたビーズを並べて置くことも可能である。全てのシールを上述の周辺溝に収容して配置することができる。したがって、これはその封止機能が基層と面一であってそこから突出しないデバイスを与え、この配置は、基層を車両、航空機(客室グレージングとして用いられる)または建物、またはディスプレイに取り付けるとき、魅力的であり実用的である。
【0049】
一般に、これらの封止/機械的補強手段は他の基層との組み立ての前にデバイスの基層の1つに配置される(上述したビーズの場合)。
【0050】
また、その化学的性質が液体水および水蒸気の両方に対して不浸透性を満足するならば、設けられた単一シールを用いることが可能である。
【0051】
有利には、本発明の文脈において用いられる封止/補強手段は、アクティブシステムの導電性層に接触しないように配置される。
【0052】
本発明を、図1、図2、および図3を用いて以下の非限定的な実施例でより詳細に説明する。これらの図は、本発明に従って封止された積層エレクトロクロミックグレージングを非常に概略的に示す。実施例は全て「オールソリッドステート」エレクトロクロミックグレージングに関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
添付の図面には、図の理解をより容易にするために、いくつかの要素を実際よりも大きいまたは小さい尺度で示すことができる。
【0054】
図1および図2に示される実施例はエレクトロクロミックグレージング1に関する。それは、乗客コンパートメントの内側から外側へ順々に、2つの薄い板ガラスS1、S2を含み、これらは透明(しかしそれらは着色することもできる)なソーダライムシリカ板ガラスであり、例えば、それぞれ0.4mmおよび1.8mmの厚さである。
【0055】
板ガラスS1およびS2は150mm×150mmの同じサイズである。
【0056】
板ガラスS1は、エレクトロクロミックタイプ薄膜多層3を挟むポリウレタン(PU)から作られた厚さ0.8mmの熱可塑性シートf1によって(エチレン/ビニルアセテート(EVA)またはポリビニルブチラール(PVB)のシートで置き換えることができる)板ガラスS2に積層される。
【0057】
エレクトロクロミック薄膜多層は「オールソリッドステート」タイプとすることができ、例えば、電流コレクター2および4とも呼ばれる2つの導電性材料の間に配置されたアクティブ多層3を含む。コレクター2は面2に接触することが意図される。
【0058】
コレクター2と4およびアクティブ多層3は実質的に同じ寸法と形状、または実質的に異なる寸法と形状とすることができ、したがってコレクター2と4の経路は構造に応じて適合されることを理解されたい。さらに、基層の寸法は、特にS1の寸法は、2、4、および3の寸法よりも実質的に大きくすることができる。
【0059】
コレクター2と4は金属タイプ、またはIn:Sn(ITO)、SnO:FまたはZnO:Alから作られたTCO(透明導電性酸化物)タイプ、またはTCO/金属/TCOの多層タイプ(これらのTCOは上述のものから選択することが可能である)であり、金属は特に銀、金、白金、銅から選択される。また、それはNiCr/金属/NiCrの多層タイプとすることができ、金属はやはり特に銀、金、白金、銅から選択される。
【0060】
構造に応じて、それらは省略することができ、この場合電流リード線はアクティブ多層3に直接接触する。
【0061】
グレージング1は電流リード線8、9を組み込み、アクティブシステムを電気供給によって制御することを可能にする。これらの電流リード線は加熱グレージング用に用いられるもの(すなわち、シム、ワイヤ等)のタイプである。
【0062】
コレクター2の1つの好ましい実施形態は、面2(面の番号付けの体系は、容器の内部に向かって、1:S1の外側面、2:S1の内部面、3:S2の内部面、4:S2の外側面であることが再確認される)の上に、400nmのSnO:Fの第2の層を被覆した50nmのSiOCの第1の層を堆積することからなる(両方の層は切断前にフロートガラス上にCVDによって順々に堆積されることが好ましい)。
【0063】
コレクター2の第2の実施形態は、約100〜600nmのITOの第2の層を被覆した、ドーピングしてもよい、またはドーピングしなくてもよい(特にアルミニウムまたはホウ素でドーピングした)20nmのSiO系の第1の層からなる2層を面2の上に堆積することからなる(両方の層は、酸素の存在下で、場合によって加熱して実施されるマグネトロン反応性スパッタリングによって順々に真空蒸着されることが好ましい)。
【0064】
コレクター2の他の実施形態は、面2の上に、ITOからなる約100〜600nmの単層(層は酸素の存在下で、場合によって加熱して実施されるマグネトロン反応性スパッタリングによって順々に真空蒸着されることが好ましい)を堆積することからなる。
【0065】
コレクター4は、また、マグネトロン反応性スパッタリングによって堆積された100〜500nmのITO層である。
【0066】
アクティブ多層3は第1の実施形態に従って以下のように作られる:
ニッケル酸化物から作られた100〜300nmのアノード性エレクトロクロミック材料の層(この層は他の金属と合金化してもよい、またはしなくてもよい)、
100nmの水和タンタル酸化物または水和シリカ酸化物または水和ジルコニウム酸化物、またはこれらの酸化物の混合物の層、
200〜500nm、好ましくは300〜400nm、特に約370nmのタングステン酸化物系のカソード性エレクトロクロミック材料の層。
【0067】
アクティブ多層3は第2の実施形態に従って以下のように作られる:
ニッケル酸化物から作られた100〜300nmのアノード性エレクトロクロミック材料の層(この層は他の金属と合金化してもよい、またはしなくてもよい)、
100nmの水和タングステン酸化物の層、
100nmの水和タンタル酸化物または水和シリカ酸化物または水和ジルコニウム酸化物、またはこれらの酸化物の混合物の層、
200〜500nm、好ましくは300〜400nm、特に約370nmの水和タングステン酸化物系のカソード性エレクトロクロミック材料の層。
【0068】
アクティブ多層3は第3の実施形態に従って以下のように作られる:
イリジウム酸化物から作られた70〜100nmのアノード性エレクトロクロミック材料の層(この層は他の金属と合金化してもよい、またはしなくてもよい)、
100nmの水和タングステン酸化物層、
100nmの水和タンタル酸化物または水和シリカ酸化物または水和ジルコニウム酸化物、またはこれらの酸化物の混合物の層、
200〜500nm、好ましくは300〜400nm、特に約370nmの水和タングステン酸化物系のカソード性エレクトロクロミック材料の層。
【0069】
アクティブ多層3は、仏国特許出願第2781084号明細書に記載されるように、周辺の電気的漏洩を制限する目的で、機械的手段またはレーザー放射、場合によってパルスレーザー放射を用いてエッチングによって、その周辺全体または一部に溝の切り込みを入れることができる。
【0070】
他の実施形態において、「オールソリッドステート」アクティブ多層3は他の種類のポリマータイプエレクトロクロミック材料に置き換えることができる。
【0071】
したがって、例えば、10〜10000nm、好ましくは50〜500nmのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)から作られた(変形としてこのポリマーの誘導体の1つとすることができる)アクティブ層とも呼ばれるエレクトロクロミック材料の層から形成される第1の部分は、その電流コレクターでコーティングされた基層上に、知られている液体堆積技術(スプレイコーティング、浸漬コーティング、スピンコーティング、または鋳造)によって、または電気的堆積によって堆積することができ、この電流コレクターは、場合によってワイヤ等を設けて、導電体を形成する上部導電性層または下部導電性層(アノードまたはカソード)とすることが可能である。このアクティブ層を構成するポリマーが何であれ、ポリマーは特にUVに対して安定であり、リチウムイオン(Li)または替わりにHイオンの挿入/射出によって動作する。
【0072】
電解質として働く、厚さ50nm〜2000μm、好ましくは50nm〜1000μmの厚さを有する層から形成された第2の部分は、第1の部分と第1の部分上の第3の部分等の間に知られている液体堆積技術(スプレイコーティング、浸漬コーティング、スピンコーティング、または鋳造)によって、または射出によって堆積される。
【0073】
この第2の部分は、ポリオキシアルキレン、特にポリオキシエチレン系である。それは無機タイプ電解質、例えば、水和タンタル酸化物、ジルコニウム酸化物、またはシリコン酸化物系の層と組み合わせることができる。
【0074】
この第2の電解質部分は、それ自体ガラスまたは類似の基層によって支持されたエレクトロクロミック材料のアクティブ層上に堆積され、次いで、第3の部分でコーティングされる。その構成は第1の部分と同様であり、すなわちこの第3の部分は電流コレクター(導電性ワイヤ、または導電性ワイヤ+導電性層、または導電性層だけ)でコーティングされた基層から作られ、この電流コレクター自体はアクティブ層で被覆される。
【0075】
この実施例はプロトン移動によって作動するグレージングに相当する。それは0.8mmのソーダライムシリカガラスから作られた第1のガラス基層S1からなり、続いて:
300nmの導電性の第1のSnO:F層、
185nmの水和ニッケル酸化物NiO(55nmの水和イリジウム酸化物の層で置き換えることができる)から作られたエレクトロクロミック材料のアノード性の第1の層、
70nmの水和タンタル酸化物の第1の層、100μmのPOE/HPOポリオキシエチレン/リン酸固溶体または替わりにPEI/HPOポリエチレンイミン/リン酸固溶体の第2の層から作られた電解質、これに組み合わせて、
100nmの水和タンタル酸化物または水和シリカ酸化物または水和ジルコニウム酸化物またはこれらの酸化物の混合物の層、
350nmのタングステン酸化物系のカソード性エレクトロクロミック材料の第2の層、
300nmの第2のSnO:F層、続いて第1のガラス基層と同じ第2のガラス基層。
【0076】
したがって、この実施例において、通常このタイプのグレージングに用いられるポリマー系の2層電解質が存在し、これはポリマーを経由するプロトン移動を損なうことなく十分導電性であり、アノード性エレクトロクロミック材料から作られた対電極が、その本質的な酸性のためそれに対して有害であるポリマーと直接接触することを保護する水和タンタル酸化物の層で「ライナーされる」。
【0077】
水和Ta層の替わりに水和SbまたはTaWOタイプの層を用いることができる。
【0078】
また、2つの水和酸化物層を備える3層電解質を提供することも可能であり、その1つがポリマー層の両側にあるか、または2つの層がアノード性エレクトロクロミック材料の層に面する側で互いに重なり合う。
【0079】
アクティブシステムのタイプが何であれ、図2および図3に示したグレージングは面2と3に接触する周辺にある第1のシールを組み込み、この第1のシール10は外部の化学的攻撃に対する障壁および水蒸気障壁を提供する。
【0080】
この第1のシールのための手法の実施例は以下の通りである:
5〜40%のビニルアセテートおよび40〜95%のエチレンを含むエチレン/ビニルアセテート系(これは特にNational Starchから「Instant Pak2300」の名称で販売されているEVA、またはTRLから「Thermelt 2147/2157」の名称で販売されているEVA)、この系には、以下の添加剤の少なくとも1つを含むことが可能である:
粘着性増強樹脂、
架橋剤、
充填剤。
【0081】
このタイプの手法は、水蒸気に対して顕著に不浸透性でありガラスへの接着性の高い第1のシール10を与え、それを非常に効率的にする。
【0082】
あるいは、EVA系シールの替わりに、ポリアミド系またはポリイソブチレンまたはブチルゴム系シールを用いることが可能である。
【0083】
上述の実施例において、シールはホットメルトシールである。それは室温で柔らかく、または溶融することができ、次いで圧力下で既に組み立てられたグレージングの周辺溝へ注入することができる。シールはまた、板ガラスS2と組み立てる前に、板ガラスS1の周辺に取り付けることができ、積層作業は圧力と、場合によっては熱の効果の下で所望の断面を設定する。
【0084】
周辺にある第2のシール11はS1の面2およびS2の面3に接触し、第1のシール10の周辺に配置される。それは液体水の封止障壁および周辺溝を機械的に補強する手段を提供し、薄い基層が積層中または後続の取り扱い作業中に破壊するのを防止する。
【0085】
この第2のシール11は第1のシール10の周りに巻かれて、液体水を封止する。それは、
ポリウレタン(PU)または任意の熱可塑性エラストマー(TPE)ポリマーの押出し成型によって、
PUの反応性射出成形(RIM)によって、
ポリ塩化ビニル(PVC)/TPE混合物の熱可塑性射出成形によって、
エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ターポリマーの射出成形および硬化によって、
積層中間層に用いられるものと類似の熱可塑性プラスチックから作られた枠または枠の一部の配設によって配設することができる。
【0086】
また、第2のシールは、PU、EVA、PVB、またはアクリル酸ポリエチレン、例えば、熱可塑性層間シートと同じ種類のストリップとすることができる。
【0087】
第2のシールは、グレージングの組み立ての前または後に、第1のシールと同時に、または第1のシールの後に配置することができる。それは、2つの板ガラスの縁部を覆って「突出する」ことができ、または2つのシールが互いに最終の積層グレージングと面一であるように、グレージングの周辺溝中の第1のシールに接合することができる。
【0088】
したがって、本発明はシールを機械的に補強するための新規な化学的なシールの手法および新規な手段を提供した。これらの封止手段および機械的補強手段は、それが、水(液体/または蒸気)または酸素などの気体、一般にあらゆる雰囲気への暴露に敏感な2つの基層間の層/要素を保護することが必要とされるときはいつでも効果的である。
【0089】
また、本発明は製造工程を簡略化することが可能であり、シールは積層作業中に配置され、それはもはや積層後に封入作業を行う必要がない。
【0090】
無論、熱可塑性中間層が両面接着ポリマーフィルムで置き換えられたグレージング用の反射中に作動するアクティブシステム(例えば、リアミラータイプのエレクトロクロミックミラー)を有するグレージングにそれらを用いることも可能である。
【0091】
また、それらは非ガラス基層にも適合する。また、それらは周辺にあるシールであるが積層板グレージングの形ではないものを必要とする(二重グレージング、硬質基層を備えないシステム等)アクティブシステムに適用することもできる。
【0092】
したがって、それらはアクティブ多層がグレージングの総面積の小さな部分だけを占拠するグレージング(例えば、太陽遮蔽帯等)、またはさらに一般に、アクティブシステム、特にエレクロトクロミックシステムがグレージング全体内で唯一の付属品である任意のタイプのグレージングに適用することもできる。この場合PUおよび周辺にあるその第1の封止手段はアクティブシステムで覆われたゾーンだけに必要であり、特にEVAまたはPVB系の第2の封止/補強手段は従来のゾーンにとって十分である。
【0093】
さらに本発明の他の好ましい実施形態によれば、上述の積層グレージングは車両機器パネル前部のファサードとして用いることができる。車両機器の前に配置され、アクティブシステムが着色されるとき、それは機器パネルを覆い隠し、従って、機器パネルには現れない情報またはさまざまなダイアル(回転計数器、速度表示器、温度表示器、ディスプレイスクリーン、時計等)を遮蔽する。アクティブシステムのこの着色された状態は、計器盤全体に特に魅力的な表情を与える(一般に、この状態は車両が停止している位置を設定する)。
【0094】
対照的に、アクティブシステムの無色状態において、機器パネル前部のファサードとして配置された積層グレージングは機器パネルから来る情報の運転者の視認性を妨げず、その機能は影響を受けない。本発明は、一般に着色ガラスから作られたファサードからなる従来技術の解決策よりも、着色ファサードであるにもかかわらずこの情報システムが見えることを保証するものであり、機器パネル情報システムの寸法を超える過大寸法の必要がない特別の利点を有し、そのような過大寸法は過剰量の電力消費と過剰な加熱を招くディスプレイデバイスをもたらすことを特記することができる。
【0095】
また、やはり機器パネルのスクリーンの前部のファサードとして配置された本発明による積層グレージングは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)スクリーンとして用いることが可能である。
【0096】
このスクリーンに投影された情報が正しく見えることを保証するために、積層グレージングはそれに重なり合う第3の後部ガラスと組み合わされる。このスクリーンに投影され表示された虚像が、ガラス(異なる面)の固有の反射特性によるさまざまな反射、および像の面に対する使用者の相対位置によって歪むのを防止するため、後部ガラスは楔状PVBシートを挿入することによって本発明による積層グレージングと重ね合わされる。
【0097】
ヘッドアップスクリーンの動作は以下の通りである。
【0098】
アクティブシステムの着色状態において、投影された像はスクリーンによって反射され、光学的に歪むことなく運転者によって見えるようになる。
【0099】
アクティブシステムの無色状態において、投影された(または投影されない)像は、機器パネルの前面ファサードに配置されたスクリーンによって反射されず、指示器、計数器等からの機器パネル上の通常の情報は正常に現れる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明に従って封止された積層エレクトロクロミックグレージングの概略図を示す。
【図2】本発明に従って封止された積層エレクトロクロミックグレージングの概略図を示す。
【図3】本発明に従って封止された積層エレクトロクロミックグレージングの概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間にアクティブシステム(3)が配置された2つの薄い基層(S1、S2)を含む積層されたグレージングであって、グレージングには、特に蒸気の状態の水に対して、以下のポリマー類、すなわち、エチレン/ビニルアセテート、ポリイソブチレン、ブチルゴム、ポリアミドのうちの少なくとも1つから選択された1つ以上のホットメルトポリマー系の少なくとも1つのシールを含む、アクティブシステムを封止するための周辺にある第1の封止手段(10)と、特に液体水に対する封止のための第2の封止手段(11)とが設けられ、この第2の封止手段が基層(S1、S2)の間に第1の封止手段(10)に対して周辺に配置され、この第2の封止手段(11)が熱可塑性シートから製造された少なくとも1つの枠部分であることを特徴とする、グレージング。
【請求項2】
熱可塑性シートが、EVA、PU、PVB、アクリル酸ポリエチレン、または硫黄含有ポリマー、特に前記グレージングを積層するために用いられる層間ポリマーシートと同じ種類のポリマー系であることを特徴とする、請求項1に記載のグレージング。
【請求項3】
アクティブシステム(3)が、電気化学システム、特に、オールソリッドステートまたはポリマー性エレクトロクロミックシステム、光バルブシステム、液晶システム、ビオロゲン系システム、光電池システム、またはエレクトロルミネセントシステムなど、可変エネルギー/光学特性を有する電気的に制御可能なシステムであることを特徴とする、請求項1または2に記載のグレージング。
【請求項4】
アクティブシステム(3)が、サーモクロミック、サーモトロピック、フォトクロミック、太陽光制御または低透過性の層または多層であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項5】
2つの硬質または半硬質基層(S1、S2)を備え、その間に少なくとも1つの熱可塑性ポリマー系の層間シート(f1)によって電気的アクティブシステム(3)が取り付けられた積層グレージングの形であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項6】
層間シート(f1)が、前記基層の間に周辺溝を形成するために2つの基層(S1、S2)よりも小さな寸法を有し、周辺にある第1の封止手段(10)および第2の封止手段(11)のシールが、少なくとも部分的に、好ましくは全体的に前記溝に収容されることを特徴とする、請求項5に記載のグレージング。
【請求項7】
周辺にある第1の封止手段(10)のシールが、室温で軟化点を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項8】
周辺にある第1の封止手段(10)のシールが、190℃で0.1〜20Pa.sの粘度、特に0.8〜8Pa.sの粘度を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項9】
周辺にある第1の封止手段(10)のシールが、蒸気の状態の水に対して、ASTM E 9663 T 規格に従って5または4または3g/m/24hを超えない透過性を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項10】
周辺にある第1の封止手段(10)のシールが、液相で押出しまたは射出によって配置されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項11】
周辺にある第1のおよび第2の封止手段(10、11)が、並列に配置されたシールを含むことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項12】
周辺にある封止手段(10、11)の全てのシールが、特に面一のシールを得るために、熱可塑性ポリマー系層間シートの収縮によって2つの基層(S1、S2)の間に存在する周辺溝に収容されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項13】
自動車、航空機、または建物用のグレージングを構成することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項14】
車両機器パネルの前部に配置されたファサードを構成することを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載のグレージング。
【請求項15】
HUDスクリーンとして用いられることを特徴とする、請求項14に記載のグレージング。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−533248(P2009−533248A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504791(P2009−504791)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/FR2007/051073
【国際公開番号】WO2007/116184
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】