説明

積層コイル部品

【課題】 クラックの発生が抑制された積層コイル部品を提供する。
【解決手段】
積層コイル部品1においては、端面10aにおいて、一対の引き出し電極部15A、15BはX方向に互いに離間しているため、高温下において、引き出し電極部15A、15BのZ方向における熱収縮は互いに影響しあわない。そのため、一対の引き出し電極部15A、15BがZ方向に重なっている場合に比べて、端面10aにおける引き出し電極部15A、15Bと絶縁層との間の収縮量ズレが有意に抑制されている。加えて、引き出し層14A、14Bの厚さtを、コイル層14C〜14Hの厚さTよりも薄くすることにより、端面10aにおける引き出し電極部15A、15Bと絶縁層との間の収縮量ズレがさらに抑制されている。そのため、積層コイル部品1においては、端面10aにおけるクラックの発生を抑制している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、積層体の内部にコイル部が形成された積層コイル部品が知られている。コイル部は、絶縁層を介して複数積層された内部電極と、絶縁層を貫いて設けられ、上下の内部電極を接続するスルーホール電極とによって構成される。このような積層コイル部品には、その積層体の端面に外部電極が設けられることが多いため、コイル部の内部電極を端面に引き出すための引出電極が設けられることが一般的である。
【0003】
従来技術に係る積層コイル部品としては、下記引用文献1に、略同じ形状のコイル部を2段に並べた積層コイル部品が開示されている。また、下記引用文献2には、端面において引出電極と重なり合うダミー電極が設けられた積層コイル部品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−58325号公報
【特許文献2】特開2009−170752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明者らは、鋭意研究の末、積層コイル部品における直流抵抗を下げるためには、引出電極を複数層化することが有効であるとの知見を得た。ただし、全く同じパターン形状の引出電極が重なる場合には、引出電極が重なった部分における焼成時の収縮量が、絶縁層の収縮量に対して大きくズレてしまい、その収縮量ズレに起因して、積層体の端面においてクラックが発生しやすくなる。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、クラックの発生が抑制された積層コイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る積層コイル部品は、絶縁層を介して複数の内部電極層が積層された積層体と、積層体内の複数の内部電極層によって構成されたコイル部と、積層体内の複数の内部電極層によって構成され、コイル部の同一電極の端部に接続されるとともに、積層体の積層方向に離間するようにして積層体の端面まで延びる複数の引き出し電極部とを備える積層コイル部品であって、複数の内部電極層のうち、引き出し電極部を含む引き出し層の厚さが、コイル部を構成し且つ引き出し電極部を含まないコイル層の厚さよりも薄く、複数の引き出し電極部は、積層体の端面において、積層体の積層方向に直交する方向に互いに離間している。
【0008】
この積層コイル部品においては、積層体の端面において、複数の引き出し電極部は積層方向に直交する方向に互いに離間しているため、高温下において、引き出し電極部の積層方向における熱収縮は互いに影響しあわない。そのため、複数の引き出し電極部が積層方向に重なっている場合に比べて、積層体の端面における引き出し電極部と絶縁層との間の収縮量ズレが有意に抑制されている。加えて、引き出し電極部を含む引き出し層の厚さを、コイル部を構成し且つ引き出し電極部を含まないコイル層の厚さよりも薄くすることにより、積層体の端面における引き出し電極部と絶縁層との間の収縮量ズレがさらに抑制されている。このように、本発明に係る積層コイル部品においては、引き出し電極部と絶縁層との間の収縮量ズレを抑制することにより、積層体の端面におけるクラックの発生を抑制している。
【0009】
また、引き出し電極部が、一つのコイル部の同一電極の端部に対して複数接続されている態様であってもよい。この場合、一つのコイル部の一端部に、一つの引き出し電極部が接続されている場合に比べて、直流抵抗の低減が図られる。
【0010】
また、コイル層の厚さが50μm以上である態様であってもよい。この場合、コイル部における直流抵抗を実用上十分なレベルにまで抑えることができる。
【0011】
また、複数の引き出し層のうち、コイル層と積層方向において対面する面積がより広い引き出し層が、より狭い引き出し層よりも、コイル層から積層方向に離れている態様であってもよい。この場合、コイル層と引き出し電極層との間に生じる浮遊容量を低減することができ、高周波特性(SRF)の向上が図られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クラックの発生が抑制された積層コイル部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る積層コイル部品の概略斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す積層コイル部品の積層体の積層展開図である。
【図3】図3は、図2に示す積層体のIII−III線断面図である。
【図4】図4は、(a)内部電極層14Aと内部電極層14Bとの位置関係を示した図、および、(b)内部電極層14Iと内部電極層14Jとの位置関係を示した図である。
【図5】図5は、図2に示す積層体の両端面を示した図である。
【図6】図6は、図2とは異なる態様の積層体の積層展開図である。
【図7】図7は、図6に示す積層体のVII−VII線断面図である。
【図8】図8は、図6に示す積層体の両端面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る積層コイル部品1は、直方体形状を有する積層体10と、積層体10の対面する一対の端面10a、10bそれぞれに形成された外部電極20A、20Bとにより構成されている。
【0016】
なお、以下では、説明の便宜上、積層体10の積層方向をZ方向、積層体10の端面10a、10bの対面方向をY方向、Z方向とY方向に直交する方向をX方向とする。
【0017】
図2に示すように、積層体10は、フェライト(例えば、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライト)で構成された複数の絶縁層(絶縁層12A〜12L)が積層されて構成されている。複数の絶縁層12A〜12Lは、いずれも矩形状であり、同一形状および同一寸法となるように形成されている。
【0018】
絶縁層12A〜12Lのうち、絶縁層12A〜12Jのそれぞれには、銀で構成された内部電極層14A〜14Jが所定のパターンで形成されており、絶縁層12Aから絶縁層12Jまで積層方向の下方に向かって順次重ね合わされている。
【0019】
内部電極層が形成されていない複数の絶縁層(例えば3層)で構成される絶縁層12Kは、積層方向上側から絶縁層12A〜12Jに重ねられ、また、内部電極層が形成されていない複数の絶縁層(例えば3層)で構成される絶縁層12Lは、積層方向下側から絶縁層12A〜12Jに重ねられており、絶縁層12A〜12Jが絶縁層12Kと絶縁層12Lにより上下方向から挟まれている。
【0020】
積層体10は、以上の絶縁層12A〜12Lが積層されて構成されているため、図3に示すように、内部電極層14A〜14Jが絶縁層を介して積層された構成となっている。
【0021】
内部電極層14A〜14Jは、全体として一つのコイル部16を構成しており、上下に隣り合う内部電極層14A〜14J同士は絶縁層を貫通するスルーホール電極(図示せず)を介して接続されている。一巻き分のコイル部16は、積層方向から見て略長方形状であり、積層体10側面(すなわち、絶縁層の縁)に沿って這い回されている。内部電極層14A〜14Jの各端部は、同一方向に巻回(図2の積層方向上方から見て右回りに巻回)されたコイル部16が構成されるように、接続されている。
【0022】
内部電極層14A〜14Jのうち、内部電極層14Aおよび内部電極層14Bは、コイル部16を積層体10の端面10aに引き出すための引き出し電極部15A、15Bを含み、引き出し電極部15Aおよび引き出し電極部15Bのいずれも、内部電極層14C〜14Hで構成されるコイル部の上側に位置する端部16aに絶縁層を貫通するスルーホール電極(図示せず)を介して接続されている。
【0023】
内部電極層14A、14B(以下、引き出し層とも称す。)はいずれもL字状パターンであり、端部16aに対応する位置から所定の距離だけX方向に延びてコイル部16の一部として機能する部分と、X方向に延びた位置で直角に屈曲し、そこからY方向に延びて、端面10aに露出する引き出し電極部15A、15Bとで構成されている。ただし、内部電極層14Aと内部電極層14Bとでは屈曲位置が異なっているため、図4(a)および図5(a)に示すように、内部電極層14Aの引き出し電極部15Aと内部電極層14Bの引き出し電極部15Bとは端面10aにおいてX方向に距離D13だけ互いに離間している。なお、内部電極層14Aと内部電極層14Bとの位置関係は、図4(a)に示すとおりであり、絶縁層12Bの近接する縁から引き出し電極部15Bまでの距離をD11、端面10aに露出する引き出し電極部15Bの幅をD12、端面10aにおける引き出し電極部15Aと引き出し電極部15Bとの離間距離をD13、端面10aに露出する引き出し電極部15Aの幅をD14、絶縁層12Aの近接する縁から引き出し電極部15Aまでの距離をD15としている。引き出し電極部15Aの幅D14と引き出し電極部15Bの幅D12は同一であり、また、それらの幅D12、D14と、端面10aにおける引き出し電極部15Aと引き出し電極部15Bとの離間距離D13もほぼ同一である。なお、離間距離D13は、引き出し電極部15A、15Bの幅D14、D12の80%以上の長さであることが好ましい。また、上記の距離D11、D15は、引き出し電極部15A、15Bの幅D14、D12以上であることが好ましい。
【0024】
内部電極層14A〜14Jのうち、内部電極層14Iおよび内部電極層14Jは、コイル部16を積層体10の端面10bに引き出すための引き出し電極部15I、15Jを含み、引き出し電極部15Iおよび引き出し電極部15Jのいずれも、内部電極層14C〜14Hで構成されるコイル部の下側に位置する端部16bに絶縁層を貫通するスルーホール電極(図示せず)を介して接続されている。
【0025】
内部電極層14I、14J(以下、引き出し層とも称す。)はいずれもI字状パターンとL字状パターンとが組み合わされたパターンであり、端部16bに対応する位置から同一距離だけY方向に延びた位置で直角に屈曲し、そこから所定の距離だけX方向に延びてコイル部16の一部として機能する部分と、X方向に延びた位置で直角に屈曲し、そこからY方向に延びて、端面10bに露出する引き出し電極部15I、15Jとで構成されている。ただし、内部電極層14Iと内部電極層14Jも、内部電極層14Aと内部電極層14B同様、Y方向に屈曲する屈曲位置が異なっているため、図4(b)および図5(b)に示すように、内部電極層14Iの引き出し電極部15Iと内部電極層14Jの引き出し電極部15Jとは端面10bにおいてX方向に距離D23だけ互いに離間している。なお、内部電極層14Iと内部電極層14Jとの位置関係は、図4(b)に示すとおりであり、絶縁層12Iの近接する縁から引き出し電極部15Iまでの距離をD21、端面10bに露出する引き出し電極部15Iの幅をD22、端面10bにおける引き出し電極部15Iと引き出し電極部15Jとの離間距離をD23、端面10bに露出する引き出し電極部15Jの幅をD24、絶縁層12Jの近接する縁から引き出し電極部15Jまでの距離をD25としている。引き出し電極部15Iの幅D22と引き出し電極部15Jの幅D24は同一であり、また、それらの幅D22、D24と、端面10bにおける引き出し電極部15Iと引き出し電極部15Jとの離間距離D23もほぼ同一である。なお、離間距離D23は、引き出し電極部15I、15Jの幅D22、D24の80%以上の長さであることが好ましい。また、上記の距離D21、D25は、引き出し電極部15I、15Jの幅D22、D24以上であることが好ましい。
【0026】
なお、コイル部16を構成し且つ上述の引き出し電極部15A、15B、15I、15Jを含まない内部電極層14C〜14H(以下、コイル層とも称す。)の厚さTは、50μm以上に設計され、一例として75μmで設計される。このように厚さTを50μm以上とすることで、コイル部16における直流抵抗を実用上十分なレベルにまで抑えることができる。一方、引き出し電極部15A、15B、15I、15Jを含む引き出し層14A、14B、14I、14Jの厚さtは、コイル層14C〜14Hの厚さTより薄く(t<T)設計され、一例として25μmで設計される。
【0027】
以上で説明したとおり、積層体10の端面10aに引き出す引き出し電極部15A、15Bは、端面10aにおいてX方向(すなわち、端面において積層方向に直交する方向)に互いに離間している。そのため、積層体10を焼成する際などの高温下において、引き出し電極部15A、15Bが絶縁層に対して収縮したとしても、引き出し電極部同士は積層方向(Z方向)において互いに影響されない。
【0028】
一方、引き出し電極部が端面において離間しておらず、積層方向に一部若しくは全部が重なっている場合には、上記高温下において、引き出し電極部が絶縁層に対して収縮したときに、引き出し電極部同士が積層方向(Z方向)において互いに影響を及ぼす。すなわち、Z方向における絶縁層に対する収縮量の差が、引き出し電極部15Aと引き出し電極部15Bとで累積され、大きな内部応力が生じ、その結果、クラックが生じやすくなってしまう。
【0029】
換言すると、積層コイル部品1においては、一対の引き出し電極部15A、15Bが端面10aにおいてX方向に互いに離間していることで応力が分散され、積層方向に重なっている場合に比べて、端面10aにおけるクラックの発生が効果的に抑制されている。
【0030】
同様に、積層体10の端面10bに引き出す引き出し電極部15I、15Jに関しても、端面10bにおいてX方向に互いに離間していることで、積層方向に重なっている場合に比べて、端面10bにおけるクラックの発生が効果的に抑制されている。
【0031】
加えて、引き出し層14A、14B、14I、14Jの厚さtを、コイル層14C〜14Hの厚さよりも薄くすることで、端面10a、10bにおける引き出し電極部15A、15B、15I、15Jと絶縁層との間の収縮量ズレがさらに抑制され、クラック発生が抑制されている。その上、引き出し層14A、14B、14I、14Jを構成する銀の使用量を低減することもできる。
【0032】
なお、上述したとおり、コイル部16の端部16aには、2つの引き出し電極部15A、15Bが接続されている。そのため、コイル部16の端部16aに、一つの引き出し電極部(例えば、2つの引き出し電極部15A、15Bのいずれか一方のみ)が接続されている場合に比べて、直流抵抗の低減が図られている。コイル部16の端部16bについても、2つの引き出し電極部15I、15Jが接続されているため、同様に、直流抵抗の低減が図られている。
【0033】
このように、引き出し電極部15A、15B、15I、15Jにおける直流抵抗の低減が図られることで、引き出し電極部全体としての直流抵抗を抑えつつ、上記収縮量ズレをより低減するために各々の電極の厚さtをある程度まで薄くする(すなわち、各々の電極の直流抵抗を上げる)ことが許容される。
【0034】
続いて、上述した積層体10とは異なる態様の積層体10Aについて、図6〜図8を参照しつつ説明する。
【0035】
図6に示すとおり、積層体10Aの積層順序は、図2に示した積層体10の積層順序とは、内部電極層14Aが形成された絶縁層12Aと内部電極層14Bが形成された絶縁層12B、および、内部電極層14Iが形成された絶縁層12Iと内部電極層14Jが形成された絶縁層12Jが逆になっている点で異なり、その他の積層順序は同じである。
【0036】
すなわち、積層体10Aでは、積層体10同様、コイル部16の端部16aに2つの引き出し層14A、14Bが接続されているが、引き出し層14Aはコイル層14Cの近くに配置され、引き出し層14Bはコイル層14Cから離れて配置されている。また、積層体10Aでは、引き出し層14Jはコイル層14Hの近くに配置され、引き出し層14Iはコイル層14Hから離れて配置されている。
【0037】
このような積層体10Aであっても、図8(a)、(b)から明らかなように、一対の引き出し電極部15A、15Bは端面10aにおいてX方向に距離D13だけ互いに離間し、一対の引き出し電極部15I、15Jも端面10bにおいてX方向に距離D23だけ互いに離間するため、積層方向に重なっている場合に比べて、端面10a、10bにおけるクラックの発生が効果的に抑制される。
【0038】
ここで、一対の引き出し層14A、14Bとコイル層14Cとの間の浮遊容量について説明する。
【0039】
積層体10Aには、図7に示すように、最も近接する電極同士(すなわち、引き出し層14Aとコイル層14C)の間に比較的大きな浮遊容量C1が生じる。
【0040】
この浮遊容量の大きさは、対向面積に比例して対向距離に反比例するため、最も近接する電極同士の対向面積を狭くすることが好ましい。
【0041】
そこで、図3に示した積層体10のように、コイル層14Cとの対向面積がより狭いほうの引き出し層14Bをコイル層14Cの近くに配置することで、上記浮遊容量C1よりも小さい浮遊容量C(C<C1)とすることができる。
【0042】
このように、一対の引き出し層14A、14Bのうち、コイル層14Cと積層方向において対面する面積がより広い引き出し層14Aを、より狭い引き出し層14Bよりも、コイル層14Cから積層方向に離すことで、コイル層14Cと引き出し層14A、14Bとの間に生じる浮遊容量を低減することができ、高周波特性(SRF)の向上が図られる。したがって、浮遊容量の観点からは、引き出し層14Bを引き出し層14Aよりもコイル層14Cに近接させて配置することが好ましい。
【0043】
同様の理由により、一対の引き出し層14I、14Jのうち、コイル層14Hと積層方向において対面する面積がより広い引き出し層14Jを、より狭い引き出し層14Iよりも、コイル層14Hから積層方向に離すことで、コイル層14Hと引き出し層14I、14Jとの間に生じる浮遊容量を低減することができ、高周波特性の向上が図られる。
【0044】
なお、本発明は上述した実施形態に限らず、様々な変形が可能である。たとえば、積層コイル部品に含まれるコイル部の数は、1つに限らず、複数であってもよい。
【0045】
複数のコイル部を備える積層コイル部品においては、同一電極端部がコイル部と同数あり、複数の引き出し電極部が端面まで延びる。これらの複数の引き出し電極部を、端面において積層方向に直交する方向に互いに離間させることで、上述した実施形態に係る積層コイル部品1と同様の効果を奏することができる。
【0046】
また、コイル部の同一電極の端部に接続される引き出し電極部の数は、上述した実施形態においては2つであったが、2つに限らず、3つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…積層コイル部品、10、10A…積層体、10a、10b…端面、12A〜12L…絶縁層、14A、14B、14I、14J…引き出し層、14C〜14H…コイル層、15A、15B、15I、15J…引き出し電極部、16…コイル部、C、C1…浮遊容量。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層を介して複数の内部電極層が積層された積層体と、
前記積層体内の前記複数の内部電極層によって構成されたコイル部と、
前記積層体内の前記複数の内部電極層によって構成され、前記コイル部の同一電極の端部に接続されるとともに、前記積層体の積層方向に離間するようにして前記積層体の端面まで延びる複数の引き出し電極部と
を備える積層コイル部品であって、
前記複数の内部電極層のうち、前記引き出し電極部を含む引き出し層の厚さが、前記コイル部を構成し且つ前記引き出し電極部を含まないコイル層の厚さよりも薄く、
前記複数の引き出し電極部は、前記積層体の端面において、前記積層体の積層方向に直交する方向に互いに離間している、積層コイル部品。
【請求項2】
前記引き出し電極部が、一つの前記コイル部の同一電極の端部に対して複数接続されている、請求項1に記載の積層コイル部品。
【請求項3】
前記コイル層の厚さが50μm以上である、請求項1又は2に記載の積層コイル部品。
【請求項4】
前記複数の引き出し層のうち、前記コイル層と積層方向において対面する面積がより広い引き出し層が、より狭い引き出し層よりも、前記コイル層から積層方向に離れている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層コイル部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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