積層コンデンサ
【課題】等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサを提供すること。
【解決手段】積層コンデンサ1は、端子電極3,4と、第一及び第二の外部接続導体5〜8と、端子電極3,4と第一の外部接続導体5,6とに接続される第一のESR制御部10と、第二の外部接続導体7,8に接続される静電容量部30と、第一のESR制御部10が接続される第一の外部接続導体5,6と静電容量部30が接続される第二の外部接続導体7,8とに接続される第二のESR制御部20とを備えている。このような構成を備えた積層コンデンサ1では、第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されている。
【解決手段】積層コンデンサ1は、端子電極3,4と、第一及び第二の外部接続導体5〜8と、端子電極3,4と第一の外部接続導体5,6とに接続される第一のESR制御部10と、第二の外部接続導体7,8に接続される静電容量部30と、第一のESR制御部10が接続される第一の外部接続導体5,6と静電容量部30が接続される第二の外部接続導体7,8とに接続される第二のESR制御部20とを備えている。このような構成を備えた積層コンデンサ1では、第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層コンデンサとして、複数の誘電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層体と、当該積層体の側面に配置された外部接続導体及び端子電極とを備えたものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。このような積層コンデンサでは、等価直列抵抗を大きくするため、静電容量部を構成する内部電極の他に内部接続導体層を設け、この内部接続導体層を介して端子電極と静電容量部とを接続するようにしている。このような積層コンデンサは、例えば、ICにおけるデカップリングコンデンサとして用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−173837号公報
【特許文献2】特開2007−173838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した積層コンデンサでは、内部接続導体を介して端子電極と静電容量部とを接続することで等価直列抵抗を増加させることを目的としているため、等価直列抵抗を所望の値に微調整するような積層コンデンサではなかった。このため、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサやその調整方法が望まれていた。
【0005】
本発明は、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサ及びその調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る積層コンデンサは、端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、端子電極と第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備え、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されていることを特徴としている。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法は、端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、端子電極と第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備えた積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法であって、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより等価直列抵抗を所望の値に調整することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る積層コンデンサ及び積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法では、第一及び第二の外部接続導体に接続される第二のESR制御部を積層コンデンサが備えており、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗を所望の値に調整するようにしている。この場合、第二のESR制御部の積層数や積層位置といった比較的調整し易い要素を変更することにより等価直列抵抗を調整するので、積層コンデンサの等価直列抵抗を微調整することができる。
【0009】
上述した積層コンデンサは、第三の外部接続導体を更に備え、第二のESR制御部は、少なくとも2つの内部接続導体を有しており、少なくとも2つの内部接続導体が第三の外部接続導体により互いに接続されるようにしてもよい。この場合、第二のESR制御部が少なくとも2つの内部接続導体を有することになるため、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【0010】
上述した積層コンデンサにおいて、端子電極は、同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、第一のESR制御部が第一の端子電極に接続されており、当該積層コンデンサは、第一のESR制御部が接続される第一の端子電極とは異なる第二の端子電極と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第三のESR制御部を更に備えるようにしてもよい。この場合、積層コンデンサは、第一及び第二のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ電流経路に加え、第三のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ別の電流経路を有することとなる。電流経路の長さは積層コンデンサの等価直列抵抗の値を画定する重要な要素であることから、このように積層コンデンサが二種類の電流経路を備えることにより、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【0011】
このように電流経路を二種類備える積層コンデンサとしては、第一のESR制御部の内部接続導体と第三のESR制御部の内部接続導体とが誘電体の積層方向において同層に形成される積層コンデンサであってもよいし、又は、第一のESR制御部の内部接続導体と第三のESR制御部の内部接続導体とが誘電体の積層方向において異なる層に形成される積層コンデンサであってもよい。
【0012】
上述した積層コンデンサにおいて、端子電極は、同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、第一のESR制御部が第一の端子電極に接続されており、当該積層コンデンサは、第四の外部接続導体と、第四の外部接続導体に接続される別の静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の端子電極とは異なる第二の端子電極と別の静電容量部が接続される第四の外部接続導体とに接続される第四のESR制御部とを更に備えるようにしてもよい。この場合、積層コンデンサは、第一及び第二のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ電流経路に加え、第四のESR制御部を介して端子電極と別の静電容量部とを繋ぐ別の電流経路を有することとなる。このように積層コンデンサが二種類の電流経路を備えることにより、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサ及びその調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図2】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図3】図1におけるIII-III線に沿った模式断面図である。
【図4】図3とは積層体の各部の配置を変更した場合の模式断面図である。
【図5】図3とは積層体の各部の配置を変更した場合の模式断面図である。
【図6】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるIII-III線に沿った模式断面図である。
【図7】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるVII-VII線に沿った模式断面図である。
【図8】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるVIII-VIII線に沿った模式断面図である。
【図9】第二実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図10】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図11】第二実施形態における積層体の各部の変形例である。
【図12】第三実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図13】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図14】第三実施形態における積層体の各部の変形例である。
【図15】第四実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図16】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)(c)は第二のESR制御部を、(d)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図17】第五実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図18】積層体の各部を示し、(a)は第一及び第三のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図19】積層体の各部の変形例を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第三のESR制御部をそれぞれ示す平面図である。
【図20】積層コンデンサにおける各部の配置構成を示す模式断面図である。
【図21】図20の配置構成を変更した配置構成の例を示す模式断面図である。
【図22】第六実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図23】第六実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図24】第六実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第四のESR制御部を、(b)は別の静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図25】第七実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図26】第七実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図27】第七実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図28】第七実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図29】第七実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図30】第七実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図31】第七実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図32】第七実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図33】第七実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図34】第七実施形態における積層体の各部の第八変形例である。
【図35】第七実施形態における積層体の各部の第九変形例である。
【図36】第七実施形態における積層体の各部の第十変形例である。
【図37】第七実施形態における積層体の各部の第十一変形例である。
【図38】第七実施形態における積層体の各部の第十二変形例である。
【図39】第七実施形態における積層体の各部の第十三変形例である。
【図40】第七実施形態における積層体の各部の第十四変形例である。
【図41】第七実施形態における積層体の各部の第十五変形例である。
【図42】第八実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図43】第八実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図44】第八実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図45】第八実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図46】第八実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図47】第八実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図48】第八実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図49】第八実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図50】第八実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図51】第九実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図52】第九実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図53】第九実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図54】第九実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図55】第九実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図56】第九実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図57】第九実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図58】第九実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図59】第九実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図60】第十実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図61】第十実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図62】第十実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図63】第十実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図64】第十実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図65】第十実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図66】第十実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図67】第十実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図68】第十実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図69】第十一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図70】第十一実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図71】第十一実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図72】第十一実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図73】第十一実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図74】第十一実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図75】第十一実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図76】第十一実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図77】第十一実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
(第一実施形態)
まず、図1,図2を参照して、第一実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。積層コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備えている。また、積層コンデンサ1は、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部10,20と、静電容量部30とを備えている(例えば図3参照)。このような積層コンデンサ1は、例えば対象サイズが1608(長さ1.6mm、高さ0.6mm、幅0.8mm)といった小型のコンデンサである。
【0017】
素体2は、複数の誘電体層が積層された略直方体形状の積層体である。素体2に含まれる各誘電体層は、例えば、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサ1では、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。また、素体2は、その外表面として、互いに対向する第一及び第二の主面2a,2bと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの長辺方向に沿って伸びる第一及び第二の側面2c,2dと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの短辺方向に沿って伸びる第一及び第二の端面2e,2fとを有している。第一及び第二の側面2c,2dと第一及び第二の端面2e,2fとは、第一及び第二の主面2a,2b間を連結するように伸びている。
【0018】
端子電極3,4は、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり(図6参照)、素体2の外表面に配置される。端子電極3,4は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体2の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層を形成してもよい。後述する他の端子電極や外部接続導体も同様に形成される。
【0019】
第一の外部接続導体5,6は、第一のESR制御部10に含まれる内部電極と第二のESR制御部20に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、素体2の外表面に配置される。第二の外部接続導体7,8は、第二のESR制御部20に含まれる内部電極と静電容量部30に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、素体2の外表面に配置される。第一及び第二の外部接続導体5〜8は、回路基板に形成されたプラス電極S1及びマイナス電極S2のいずれにも接続されないようになっている。各端子電極3,4や各外部接続導体5〜8は、素体2の外表面において互いに電気的に絶縁されている。
【0020】
このような端子電極3、第一の外部接続導体5及び第二の外部接続導体7は、図1に示されるように、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって(図示左奥側から右手前側へ)、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6及び第二の外部接続導体8は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。各端子電極3,4や各外部接続導体5〜8それぞれは、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dに形成されている。なお、端子電極3,4は素体2を挟んで互いに対向し、第一の外部接続導体5,6も素体2を挟んで互いに対向し、第二の外部接続導体7,8も素体2を挟んで互いに対向するように形成されている。
【0021】
第一のESR制御部10は、端子電極3,4と第一の外部接続導体5,6とに接続され、積層コンデンサ1の等価直列抵抗(以下「ESR」とも記す。)の増加等の制御を行う部分である。第一のESR制御部10は、図2(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極11,16から構成される。内部電極11,16は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。内部電極11,16は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。後述する他の内部電極も同様に形成される。
【0022】
内部電極11は、端子電極3と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極11は、主電極部12と引出電極部13,14とを含む。主電極部12は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向(以下「X方向」と記す。)に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部13は、X方向における第一の端面2e側において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部13は、端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部14は、X方向における略中央において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部14は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。
【0023】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11には、図示矢印A1で示される電流が流れる。そして、プラス電極S1から端子電極3へと流れ込んだ電流が内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと伝えられるようになる。
【0024】
内部電極16は、端子電極4と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極16は、主電極部17と引出電極部18,19とを含む。主電極部17は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部18は、X方向における第一の端面2e側において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部18は、端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部19は、X方向における略中央において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部19は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。
【0025】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極16には、図示矢印A2で示される電流が流れる。そして、第一の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極16を介して端子電極4やマイナス電極S2へと伝えられるようになる。なお、本実施形態では、内部電極11,16が、接続導体として必要な面積よりも広くなるように形成されているため、積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11,16それぞれに、図示矢印A3,A4で示される電流も流れるようになっている。内部電極11,16が積層方向に対向するように配置されていることから、上述した接続部としての機能に加え、内部電極11,16は、これらの電流により静電容量部としても機能する。後述する第二のESR制御部20においても同様である(図2(b)において、電流の経路を示す矢印A13、A14を参照)。
【0026】
第二のESR制御部20は、第一の外部接続導体5,6と第二の外部接続導体7,8とに接続され、第一のESR制御部10と同様、積層コンデンサ1のESRの増加等の制御を行う部分である。第二のESR制御部20は、図2(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極21,26から構成される。内部電極21,26は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0027】
内部電極21は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極21は、主電極部22と引出電極部23,24とを含む。主電極部22は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部23は、X方向における略中央において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部23は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部24は、X方向における第二の端面2f側において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部24は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0028】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極21には、図示矢印A11で示される電流が流れる。そして、内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が、内部電極21を介して、第二の外部接続導体7へと伝えられるようになる。
【0029】
内部電極26は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極26は、主電極部27と引出電極部28,29とを含む。主電極部27は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部28は、X方向における略中央において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部28は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部29は、X方向における第二の端面2f側において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部29は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0030】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極26には、図示矢印A12で示される電流が流れる。そして、第二の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が、内部電極26を介して、第一の外部接続導体6へと伝えられるようになる。
【0031】
静電容量部30は、第一のESR制御部10が接続される第一の外部接続導体5,6とは異なる第二の外部接続導体7,8に接続され、積層コンデンサ1において静電容量を発生させる部分である。静電容量部30は、図2(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極31,36から構成される。内部電極31,36は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0032】
内部電極31は、主電極部32と引出電極部33とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。主電極部32は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部33は、X方向における第二の端面2f側において主電極部32と連接し、内部電極31を第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部33は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。内部電極36は、主電極部37と引出電極部38とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。主電極部37は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部38は、X方向における第二の端面2f側において主電極部37と連接し、内部電極36を第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部38は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0033】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、静電容量部30では、互いに対向する内部電極31,36に図示矢印A23,A24で示される電流が流れ、その結果、両電極31,36の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0034】
ここで、第一及び第二のESR制御部10,20や静電容量部30の素体2内における各種の配置構造(第一の配置構造〜第三の配置構造)について、図3〜図5を参照して説明する。積層コンデンサ1では、以下で説明する各種の配置構造の何れかを採用することで第二のESR制御部20の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更し、この変更により、端子電極3(プラス電極S1)から静電容量部30を介して端子電極4(マイナス電極S2)へと繋がる、積層コンデンサ1内における電流経路の長さを変えるようにしている。電流経路の長さは、積層コンデンサ1のESR値と比例関係にあるため、積層コンデンサ1では、電流経路の長さを変えることで、ESRを所望の値に微調整できるようになっている。なお、ここで用いる「積層数」は、上述した一対の内部電極層を一層(一組)とするものである。
【0035】
まず、図3に示される第一の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第一及び第二のESR制御部10,20がそれぞれ一層からなり、静電容量部30が残りの8層からなっている。そして、一方の主面2a側である最上層に第二のESR制御部20が配置され、他方の主面2b側である最下層に第一のESR制御部10が配置される。つまり、第一及び第二のESR制御部10,20は、素体2に含まれる誘電体層2gの積層方向において、8層構造の静電容量部30をその間に挟むように互いに離れて配置される。
【0036】
このような第一の配置構造からなる積層コンデンサ1では、次のような電流経路となる。すなわち、図6及び図7の電流Iで示されるように、プラス側の電流経路は、端子電極3(プラス電極S1)から第一のESR制御部10の内部電極11(主電極部12と引出電極部13,14)を介して第一の外部接続導体5の下端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体5の下端からその上端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体5の上端から第二のESR制御部20の内部電極21(主電極部22と引出電極部23,24)を介して第二の外部接続導体7の上端へと繋がる電流経路と、第二の外部接続導体7の上端から各静電容量部30(33)へと繋がる電流経路との合計となる。
【0037】
一方、図6及び図8の電流Iで示されるように、マイナス側の電流経路は、各静電容量部30(38)から第二の外部接続導体8の上端へと繋がる電流経路と、第二の外部接続導体8の上端から第二のESR制御部20の内部電極26(主電極部27と引出電極部28,29)を介して第一の外部接続導体6の上端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体6の上端から下端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体6の下端から第一のESR制御部10の内部電極16(主電極部17と引出電極部18,19)を介して端子電極4(マイナス電極S2)へと繋がる電流経路との合計となる。この場合、プラス側及びマイナス側において、第一の外部接続導体5,6の上下方向全体に電流経路を引き回して長めにするようにしているため、これに伴って抵抗Rが増加し、積層コンデンサ1のESRを高めの値とするように調整することができる。
【0038】
これに対し、図4に示される第二の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第一のESR制御部10が一層、第二のESR制御部20が二層からなり、静電容量部30が残りの7層からなっている。すなわち、第二の配置構造では、第一の配置構造に比べ、第二のESR制御部20の積層数を変更している。そして、第一の配置構造と同様に最上層に配置された一層の第二のESR制御部20と最下層に配置された一層の第一のESR制御部10との積層方向における略中間層に、第二のESR制御部20の残りの一層を配置するようにしている。なお、静電容量部30は、例えば、中間層に位置する第二のESR制御部20の上層に3層、その下層に4層が配置される。
【0039】
第二の配置構造の場合、詳細な電流経路の説明については省略するが、プラス側及びマイナス側において、積層コンデンサ1は、第一の外部接続導体5,6の上下方向全体に電流経路を引き回して最上層の第二のESR制御部20を経由する第一の電流経路に加え、第一の外部接続導体5,6の上下方向の下端から中間層付近まで電流経路を引き回して中間層の第二のESR制御部20を経由する第二の電流経路も有することになる。これら第一及び第二の電流経路による抵抗Rは並列に接続されることになるため、第二の配置構造によれば、第一の配置構造に比べて、抵抗Rを多少、下げるといった微調整を行うことができ、その結果、積層コンデンサ1のESRの値を、第一の配置構造の場合と比べて、少し低めとするように微調整することが可能である。
【0040】
また、図5に示される第三の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第二の配置構造と同様、第一のESR制御部10が一層、第二のESR制御部20が二層からなり、静電容量部30が残りの7層からなっている。その一方、第三の配置構造では、第二の配置構造と異なり、中間層に位置していた第二のESR制御部20を積層方向における中間層よりも上層となるように、その積層位置を変更している。なお、静電容量部30は、例えば、中間層よりも上層となるように変更された第二のESR制御部20の上層に2層、その下層に5層が配置される。
【0041】
第三の配置構造の場合、詳細な電流経路の説明については省略するが、第二の電流経路が少し長くなる分、第二の配置構造のように並列に接続される抵抗Rの内、第二の電流経路による抵抗Rの値を第二の配置構造よりも高めとすることができ、積層コンデンサ1のESRの値を第二の配置構造の場合と比べて、少し高めとするように微調整することができる。なお、第二及び三の配置構造において、最上層の第二のESR制御部20の積層位置を更に変えることで、第一の配置構造の場合と比べて第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の両方を変更し、この変更により、ESRを微調整するようにしてももちろんよい。
【0042】
以上のように、積層コンデンサ1及び積層コンデンサ1の等価直列抵抗の調整方法では、積層コンデンサ1が第一及び第二の外部接続導体5〜8に接続される第二のESR制御部20を備えており、第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の少なくとも一方を例えば上述した第一の配置構造〜第三の配置構造の何れかに変更することにより、積層コンデンサ1の等価直列抵抗を所望の値に調整するようにしている。この第二のESR制御部20の積層数や積層位置といった要素は、積層コンデンサ1の積層工程等において、比較的調整し易い要素であり、これを変更することにより等価直列抵抗を調整するので、積層コンデンサ1の等価直列抵抗を微調整することが可能となっている。上述した配置構造では、第一の配置構造〜第三の配置構造を例示的に示したが、等価直列抵抗の調整するための構造はこれらに限定されるわけではない。
【0043】
(第二実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の構成について説明する。積層コンデンサ51は、第一実施形態の積層コンデンサ1と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部60,70と、静電容量部80とを備えている。
【0044】
本実施形態では、図9に示されるように、積層コンデンサ51が更に端子電極53,54を備えている点、第二の外部接続導体7,8の位置が交換されている点、及び、端子電極の増加や外部接続導体の位置変更により内部電極パターンが異なる点で第一実施形態と異なっている。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整する点は、第一実施形態と同様である。
【0045】
端子電極53,54は、端子電極3,4と共に、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり、素体2の外表面に配置される。端子電極53は、端子電極3と同極性であり、端子電極3が接続されるプラス電極S1に接続される。端子電極54は、端子電極4と同極性であり、端子電極4が接続されるマイナス電極S2に接続される。
【0046】
ここで、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図9に示されるように、端子電極3、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。端子電極53,54は、素体2を挟んで互いに対向し、また、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dにそれぞれ形成される。なお、各端子電極3,4,53,54や各外部接続導体5,6,7,8は、互いに電気的に絶縁されている。
【0047】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部60は、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極61,66から構成される。内部電極61,66は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0048】
内部電極61は、端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極61は、主電極部62と引出電極部63a,63b,64とを含む。主電極部62は、矩形形状の電極部である。引出電極部63aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63aは、第一の端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。
【0049】
引出電極部63bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部62と連接し、内部電極61を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63bは、端子電極53に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部64は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部64は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。なお、プラス電極S1から端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第一実施形態と同様に、内部電極61を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
【0050】
内部電極66は、端子電極4,54と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極66は、主電極部67と引出電極部68a,68b,69とを含む。主電極部67は、矩形形状の電極部である。引出電極部68aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部67と連接し、内部電極66を第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68aは、第二の端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。
【0051】
引出電極部68bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部67と連接し、内部電極66を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68bは、端子電極54に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部69は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部67と連接し、内部電極66を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部69は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。なお、第一の外部接続導体6へと流れ込んだ電流は、内部電極66を介して、端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
【0052】
第二のESR制御部70は、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極71,76から構成される。内部電極71,76は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0053】
内部電極71は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極71は、主電極部72と引出電極部73,74とを含む。主電極部72は、矩形形状の電極部である。引出電極部73は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部74は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極71を介して、第二の外部接続導体7へと伝えられる。
【0054】
内部電極76は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極76は、主電極部77と引出電極部78,79とを含む。主電極部77は、矩形形状の電極部である。引出電極部78は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部79は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が内部電極76を介して、第一の外部接続導体6へと伝えられる。
【0055】
静電容量部80は、積層コンデンサ51において、静電容量を発生させる部分であり、図10(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極81,86から構成される。内部電極81,86は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0056】
内部電極81は、主電極部82と引出電極部83とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。主電極部82は、矩形形状の電極部である。引出電極部83は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部82と連接し、内部電極81を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部83は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0057】
内部電極86は、主電極部87と引出電極部88とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。主電極部87は、矩形形状の電極部である。引出電極部88は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部87と連接し、内部電極86を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部88は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。積層コンデンサ51が回路基板に実装等されると、静電容量部80では、互いに対向する内部電極81,86に電流が流れ、その結果、両電極81,86の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0058】
以上のように、端子電極3,4に加えて端子電極53,54を備えている積層コンデンサ51でも、第一実施形態と同様、第二のESR制御部70を備えていることから、第二のESR制御部70の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ51のESRを所望の値に調整することができる。
【0059】
ここで、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の変形例について図11を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ51は、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80に代えて、素体2の内部に、図11に示されるように、第一及び第二のESR制御部60a,70aと静電容量部80aとを備えている。本変形例にかかる積層コンデンサ51の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極3、第二の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極4、第二の外部接続導体7、第一の外部接続導体6及び端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,8の位置がそれぞれ交換されており、また、第一及び第二の外部接続導体6,7の位置がそれぞれ交換されている。
【0060】
この変形例にかかる積層コンデンサ51では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60aにおいて、引出電極部64が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部69も第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部70aでは、引出電極部73が第二の端面2f側に移動している一方、引出電極部74が第一の端面2e側に移動している。また、引出電極部78が第二の端面2f側に移動している一方、引出電極部79が第一の端面2e側に移動している。静電容量部80aでは、引出電極部83,88が第一の端面2e側に移動している。この変形例にかかる積層コンデンサ51においても、第二のESR制御部70aを備えており、第二のESR制御部70aの積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ51のESRを所望の値に調整することができる。
【0061】
(第三実施形態)
次に、図12及び図13を参照して、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の構成について説明する。積層コンデンサ101は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部110,120と、静電容量部130とを備えている。本実施形態では、図12に示されるように、外部接続導体5〜8の配置箇所と端子電極53,54の配置箇所が第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図12に示されるように、端子電極3、第二の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第二の外部接続導体7、第一の外部接続導体6及び端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
【0063】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部110は、図13(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極111,116から構成される。内部電極111,116は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0064】
内部電極111は、端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極111は、主電極部112と引出電極部113a,113b,114とを含む。引出電極部113aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部112と連接し、内部電極111を端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部113bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部112と連接し、内部電極111を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部114は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部112と連接し、内部電極111を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。
【0065】
内部電極116は、端子電極4,54と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極116は、主電極部117と引出電極部118a,118b,119とを含む。引出電極部118aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部117と連接し、内部電極116を端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部118bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部117と連接し、内部電極116を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部119は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部117と連接し、内部電極116を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。
【0066】
第二のESR制御部120は、図13(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極121,126から構成される。内部電極121,126は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0067】
内部電極121は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極121は、主電極部122と引出電極部123,124とを含む。引出電極部123は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部124は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。
【0068】
内部電極126は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極126は、主電極部127と引出電極部128,129とを含む。引出電極部128は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部129は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
【0069】
静電容量部130は、図13(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極131,136から構成される。内部電極131,136は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0070】
内部電極131は、主電極部132と引出電極部133とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。引出電極部133は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部132と連接し、内部電極131を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極136は、主電極部137と引出電極部138とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。引出電極部138は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部137と連接し、内部電極136を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
【0071】
以上のように、外部接続導体5〜8や端子電極53,54の配置箇所等が異なる積層コンデンサ101でも、第一又は第二実施形態と同様、第二のESR制御部120を備えており、第二のESR制御部120の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ101のESRを所望の値に調整することができる。
【0072】
ここで、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の変形例について図14を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ101は、第一及び第二のESR制御部110,120や静電容量部130に代えて、素体2の内部に、図14に示されるように、第一及び第二のESR制御部110a,120aと静電容量部130aとを備えている。変形例にかかる積層コンデンサ101の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極3、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極4、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極53の順で各電極や導体が配置される。この変形例にかかる積層コンデンサ101においても、第二のESR制御部120aを備えており、第二のESR制御部120aの積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ101のESRを所望の値に調整することができる。
【0073】
(第四実施形態)
次に、図15及び図16を参照して、第四実施形態にかかる積層コンデンサ151の構成について説明する。積層コンデンサ151は、第一実施形態の積層コンデンサ1と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部160,170と、静電容量部180とを備えている。
【0074】
本実施形態では、図15に示されるように、積層コンデンサ151が、第三の外部接続導体155,156を更に備えている点で第一実施形態と異なっている。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部160,170や静電容量部180の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整する点は、第一実施形態と同様である。
【0075】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図15に示されるように、端子電極3、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体155及び第二の外部接続導体7は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6、第三の外部接続導体156及び第二の外部接続導体8は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。第三の外部接続導体155,156は、素体2を挟んで互いに対向する。なお、各端子電極3,4や各外部接続導体5,6,7,8,155,156は、互いに電気的に絶縁されている。
【0076】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部160は、積層コンデンサ151のESRの増加等の制御を行う部分であり、図16(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極161,166から構成される。内部電極161,166は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0077】
内部電極161は、内部電極11と略同様であり、主電極部162と引出電極部163,164とを含む。引出電極部164が、X方向における略中央から第一の端面2e側に移動している点で相違する。内部電極166は、内部電極16と略同様であり、主電極部167と引出電極部168,169とを含む。引出電極部169が、X方向における略中央から第一の端面2e側に移動している点で相違する。
【0078】
第二のESR制御部170は、第一の外部接続導体5,6と第三の外部接続導体155,156とに接続される前段部170aと、第三の外部接続導体155,156と第二の外部接続導体7,8とに接続される後段部170bとを含んで構成され、積層コンデンサ151のESRの増加等の制御を行う部分である。
【0079】
第二のESR制御部170の前段部170aは、図16(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極171a,176aから構成される。内部電極171a,176aは、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。また、第二のESR制御部170の後段部170bは、図16(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極171b,176bから構成される。内部電極171b,176bは、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0080】
内部電極171aは、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体155とを接続するための内部接続導体である。内部電極171aは、主電極部172aと引出電極部173a,174aとを含む。主電極部172aは、矩形形状の電極部である。引出電極部173aは、X方向における略中央から第一の端面2e側において主電極部172aと連接し、内部電極171aを第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部173aは、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部174aは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部172aと連接し、内部電極171aを第一の側面2cの第三の外部接続導体155の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部174aは、第三の外部接続導体155に電気的且つ物理的に接続される。
【0081】
内部電極176aは、第一の外部接続導体6と第三の外部接続導体156とを接続するための内部接続導体である。内部電極176aは、主電極部177aと引出電極部178a,179aとを含む。主電極部177aは、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部178aは、X方向における略中央から第一の端面2e側において主電極部177aと連接し、内部電極176aを第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部178aは、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部179aは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部177aと連接し、内部電極176aを第二の側面2dの第三の外部接続導体156の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部179aは、第三の外部接続導体156に電気的且つ物理的に接続される。
【0082】
内部電極171bは、第三の外部接続導体155と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極171bは、主電極部172bと引出電極部173b,174bとを含む。主電極部172bは、矩形形状の電極部である。引出電極部173bは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部172bと連接し、内部電極171bを第一の側面2cの第三の外部接続導体155の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部173bは、第三の外部接続導体155に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部174bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部172bと連接し、内部電極171bを第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部174bは、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0083】
内部電極176bは、第三の外部接続導体156と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極176bは、主電極部177bと引出電極部178b,179bとを含む。主電極部177bは、矩形形状の電極部である。引出電極部178bは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部177bと連接し、内部電極176bを第二の側面2dの第三の外部接続導体156の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部178bは、第三の外部接続導体156に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部179bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部177bと連接し、内部電極176bを第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部179bは、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0084】
静電容量部180は、積層コンデンサ151において、静電容量を発生させる部分であり、図16(d)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極181,186から構成される。内部電極181,186は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0085】
内部電極181は、主電極部182と引出電極部183とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。引出電極部183は、X方向における第二の端面2f側において主電極部182と連接し、内部電極181を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極186は、主電極部187と引出電極部188とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。引出電極部188は、X方向における第二の端面2f側において主電極部187と連接し、内部電極186を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、積層コンデンサ151が回路基板に実装等されると、各内部電極には、図16(a)〜(d)の各矢印で示されるように電流が流れるようになっている。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ151でも、他の実施形態と同様、第二のESR制御部170を備えており、第二のESR制御部170の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ151のESRを所望の値に調整することができる。
【0087】
また、積層コンデンサ151は、第三の外部接続導体155,156を更に備え、第二のESR制御部170が前段部170aと後段部170bとの2つの部分から構成されており、前段部170aと後段部170bの内部電極171a,171b,176a,176bが第三の外部接続導体155,156により互いに接続されている。このように、第二のESR制御部170が前段部170aの内部電極と後段部170bの内部電極とを有するようにしたことから、本実施形態によれば、第二のESR制御部170における電流経路を長くすることができ、その結果、ESRを増加させるといった更なる微調整を行うことができる。
【0088】
(第五実施形態)
次に、図17及び図18を参照して、第五実施形態にかかる積層コンデンサ201の構成について説明する。積層コンデンサ201は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部210,220と、静電容量部230とを備えている。
【0089】
本実施形態では、積層コンデンサ201が更に第三のESR制御部240を備えている点や端子電極と外部接続導体の配置が異なっている点で第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は、第一実施形態と同様である。
【0090】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図17に示されるように、端子電極53、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極4は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極54、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極3は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
【0091】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部210は、図18(a)に示されるように、内部電極211,216から構成される。内部電極211は、主電極部212と引出電極部213,214とを含み、端子電極3と第一の外部接続導体5とを接続する。内部電極216は、主電極部217と引出電極部218,219とを含み、端子電極4と第一の外部接続導体6とを接続する。
【0092】
また、第三のESR制御部240は、第一のESR制御部210と同様、積層コンデンサ201のESRの増加等の制御を行う部分であり、図18(a)に示されるように、第一のESR制御部210の内部電極211,216それぞれと同層に位置する内部電極241,246から構成される。内部電極241は、主電極部242と引出電極部243,244とを含み、端子電極53と第二の外部接続導体7とを接続する。内部電極246は、主電極247と引出電極部248,249とを含み、端子電極54と第二の外部接続導体8とを接続する。
【0093】
第二のESR制御部220は、図18(b)に示されるように、内部電極221,226から構成される。内部電極221は、主電極部222と引出電極部223,224とを含み、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続する。内部電極226は、主電極部227と引出電極部228,229とを含み、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続する。
【0094】
静電容量部230は、図18(c)に示されるように、内部電極231,236から構成される。内部電極231は、主電極部232と引出電極部233とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。第二の外部接続導体7には、第二のESR制御部220の内部電極221だけでなく、第三のESR制御部240の内部電極241も接続されている。内部電極236は、主電極部237と引出電極部238とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。第二の外部接続導体8には、第二のESR制御部220の内部電極226だけでなく、第三のESR制御部240の内部電極246も接続されている。積層コンデンサ201が回路基板に実装等されると、静電容量部230では、互いに対向する内部電極231,236に電流が流れ、その結果、両電極231,236の間に所定の静電容量が発生する。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ201でも、第二実施形態と同様、第二のESR制御部220を備えており、第二のESR制御部220の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ201のESRを所望の値に調整することができる。
【0096】
また、積層コンデンサ201では、端子電極は、同極性に接続される端子電極3,53と4,54とから構成され、第一のESR制御部210の内部電極211,216が端子電極3,4に接続されている。そして、積層コンデンサ201は、第一のESR制御部210が接続される端子電極3,4とは異なる端子電極53,54と静電容量部230が接続される外部接続導体7,8とに接続される第三のESR制御部240を備えている。
【0097】
この場合、積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路に加え、第三のESR制御部240を介して端子電極53,54と静電容量部230とを繋ぐ別の電流経路を並列状態で有することとなる。このように積層コンデンサ201が並列に配置される二種類の電流経路を備えることにより、第一実施形態で第二のESR制御部を増やした場合と同様、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。いいかえると、これら2つの電流経路をそれぞれ異なる長さにすることができるため、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路における抵抗R1と、第三のESR制御部240を介して端子電極53,54と静電容量部230とを繋ぐ電流経路における抵抗R2とを互いに異ならせた上で、並列に配置し、これにより、ESRを調整することができる。
【0098】
しかも、本実施形態では、第一実施形態と異なり、第一及び第二のESR制御部210,220とは内部電極パターンが異なる第三のESR制御部240によって別の電流経路を設けるようにしている。このため、第三のESR制御部240による電流経路の長さを、第一又は第二のESR制御部210,220とは関係なく設定することができ、抵抗R2の値を一層細かく又は自由に設定でき、その結果、積層コンデンサ201におけるESRの値を一層、微調整することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態では、第一のESR制御部210の内部電極211,216と第三のESR制御部240の内部電極241,246とが誘電体層2gの積層方向において同層に形成される例を示したが、図19(a)、(b)に示されるように、第一のESR制御部210の内部電極211,216と第三のESR制御部240の内部電極241,246とが誘電体層2gの積層方向において異なる層にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この場合、同層に形成される場合に比べ、第一、第二及び第三のESR制御部210,220,240や静電容量部230の位置等の変更バリエーションを増やすことができ、積層コンデンサ201のESRの微調整を一層容易に行うことができる。
【0100】
例えば、第一,第二及び第三のESR制御部210,220,240や静電容量部230の素体2内における配置構造を図20に示す。図20の配置構造では、積層方向の下層(主面2b)側から上層(主面2a)側に向かって、第一のESR制御部210、第二のESR制御部220、静電容量部230及び第三のESR制御部240の順で配置されている。図示左側の矢印は、プラス電極側における電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示右側の矢印は、マイナス電極側における電流Iの流れを模式的に示したものである。
【0101】
そして、このような配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(a)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって第一のESR制御部210、静電容量部230、第三のESR制御部240及び第二のESR制御部220の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(a)からも明らかなように、第一及び第二のESR制御部210,220を繋ぐ電流経路が長くなるため、第一及び第二のESR制御部210,220を介する電流経路における抵抗R1を、図20の配置構造の場合に比べて、増大させるといった調整を行うことができる。
【0102】
また、図20に示された配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(b)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって静電容量部230、第二のESR制御部220、第一のESR制御部210及び第三のESR制御部240の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(b)からも明らかなように、第三のESR制御部240を繋ぐ電流経路が長くなるため、第三のESR制御部240を介する電流経路における抵抗R2を、図20の配置構造の場合に比べて、増大させるといった調整を行うことができる。
【0103】
また、図20に示された配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(c)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって第一のESR制御部210、静電容量部230、第二のESR制御部220及び第三のESR制御部240の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(c)からも明らかなように、第一及び第二のESR制御部210,220を繋ぐ電流経路と第三のESR制御部240を繋ぐ電流経路との両方がある程度、長くなるため、図20の配置構造の場合に比べて、両抵抗R1,R2をある程度、増大させるといった調整を行うことができる。
【0104】
(第六実施形態)
次に、図22〜図24を参照して、第六実施形態にかかる積層コンデンサ251の構成について説明する。積層コンデンサ251は、第五実施形態の積層コンデンサ201と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部210,220と、静電容量部230とを備えている。
【0105】
本実施形態では、第五実施形態と異なり、第三のESR制御部240に代えて第四のESR制御部260を備え、更に、第四の外部接続導体255,256と静電容量部280とを備えている。以下、第五実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は同様である。
【0106】
第四の外部接続導体255,256は、第四のESR制御部260に含まれる内部電極と静電容量部280に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、図22に示されるように、素体2の第一及び第二の端面2e,2fにそれぞれ対向して配置される。第四の外部接続導体255,256は、回路基板に形成されたプラス電極S1及びマイナス電極S2のいずれにも接続されないようになっている。各端子電極3,4,53,54や各外部接続導体5〜8,255,256は、素体2の外表面において互いに電気的に絶縁されている。
【0107】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一及び第二のESR制御部210,220及び静電容量部230は、図23に示されるように、第五実施形態と同様である。また、第四のESR制御部260は、図24(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極261,266から構成される。内部電極261,266は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0108】
内部電極261は、端子電極53と第四の外部接続導体255とを接続するための内部接続導体である。内部電極261は、主電極部262と引出電極部263,264とを含む。主電極部262は、矩形形状の電極部である。引出電極部263は、X方向における第一の端面2e側において主電極部262と連接し、内部電極261を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部263は、端子電極53に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部264は、第二の端面2f側において主電極部262と連接し、内部電極261を第四の外部接続導体255の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部264は、第四の外部接続導体255に電気的且つ物理的に接続される。なお、プラス電極S1から端子電極53へと流れ込んだ電流は、内部電極261を介して第四の外部接続導体255へと伝えられる。
【0109】
内部電極266は、端子電極54と第四の外部接続導体256とを接続するための内部接続導体である。内部電極266は、主電極部267と引出電極部268,269とを含む。主電極部267は、矩形形状の電極部である。引出電極部268は、X方向における第一の端面2e側において主電極部267と連接し、内部電極266を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部268は、端子電極54に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部269は、第一の端面2e側において主電極部267と連接し、内部電極266を第四の外部接続導体256の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部269は、第四の外部接続導体256に電気的且つ物理的に接続される。なお、第四の外部接続導体256へと流れ込んだ電流は、内部電極266を介して、端子電極54やマイナス電極S2へと伝えられる。
【0110】
静電容量部280は、積層コンデンサ251において、静電容量部230と共に静電容量を発生させる部分であり、図24(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極281,286から構成される。内部電極281,286は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0111】
内部電極281は、主電極部282と引出電極部283とを含み、第四の外部接続導体255に接続される。主電極部282は、矩形形状の電極部である。引出電極部283は、X方向における第二の端面2f側において主電極部282と連接し、内部電極281を第四の外部接続導体255の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部283は、第四の外部接続導体255に電気的且つ物理的に接続される。
【0112】
内部電極286は、主電極部287と引出電極部288とを含み、第四の外部接続導体256に接続される。主電極部287は、矩形形状の電極部である。引出電極部288は、X方向における第一の端面2e側において主電極部287と連接し、内部電極286を第四の外部接続導体256の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部288は、第四の外部接続導体256に電気的且つ物理的に接続される。積層コンデンサ251が回路基板に実装等されると、静電容量部280では、互いに対向する内部電極281,286に電流が流れ、その結果、両電極281,286の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0113】
以上のように、第四のESR制御部260等を備えている積層コンデンサ251でも、第五実施形態等と同様、第二のESR制御部220を備えていることから、第二のESR制御部220の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ251のESRを所望の値に調整することができる。
【0114】
また、積層コンデンサ251では、端子電極は、同極性に接続される端子電極3,53と4,54とから構成され、第一のESR制御部210の内部電極211,216が端子電極3,4に接続されている。そして、積層コンデンサ251は、更に、第四の外部接続導体255,256と、第四の外部接続導体255,256に接続される静電容量部280と、端子電極53,54と第四の外部接続導体255,256とに接続される第四のESR制御部260とを備えている。
【0115】
この場合、積層コンデンサ251は、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路に加え、第四のESR制御部260を介して端子電極53,54と静電容量部280とを繋ぐ別の電流経路を並列状態で有することとなる。このように積層コンデンサ251が並列に配置される二種類の電流経路を備えることにより、第五実施形態と同様、ESRの更なる微調整を行うことができる。しかも、本実施形態では、第五実施形態と同様、第一及び第二のESR制御部210,220とは内部電極パターンが異なる第四のESR制御部260によって別の電流経路を設けるようにしている。このため、第四のESR制御部260による電流経路の長さを、第一又は第二のESR制御部210,220とは関係なく設定することができ、第四のESR制御部による電流経路の抵抗の値を一層細かく又は自由に設定できる。その結果、積層コンデンサ251におけるESRの値を一層、微調整することができる。
【0116】
(第七実施形態)
次に、図25及び図26を参照して、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の構成について説明する。積層コンデンサ301は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部310,320と静電容量部330とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部310,320や静電容量部330の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0117】
第一のESR制御部310は、図26(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極311,316から構成される。内部電極311,316は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極311は、主電極部312と引出電極部313a,313b,314とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極316は、主電極部317と引出電極部318a,318b,319とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0118】
第二のESR制御部320は、図26(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極321,326から構成される。内部電極321,326は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極321は、主電極部322と引出電極部323,324とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極326は、主電極部327と引出電極部328,329とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0119】
静電容量部330は、図26(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極331,336から構成される。内部電極331,336は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極331は、主電極部332と引出電極部333とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極336は、主電極部337と引出電極部338とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0120】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ301でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部320を備えており、第二のESR制御部320の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ301のESRを所望の値に調整することができる。
【0121】
ここで、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の変形例について図27〜図41を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ301は、図27に示されるように、第一及び第二のESR制御部310a,320aと静電容量部330aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図27に示されるように変更されている。
【0122】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ301は、図28に示されるように、第一及び第二のESR制御部310b,320bと静電容量部330bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部324,329,333,338の位置が図28に示されるように変更されている。
【0123】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ301は、図29に示されるように、第一及び第二のESR制御部310c,320cと静電容量部330cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図29に示されるように変更されている。
【0124】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ301は、図30に示されるように、第一及び第二のESR制御部310d,320dと静電容量部330dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図30に示されるように変更されている。
【0125】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ301は、図31に示されるように、第一及び第二のESR制御部310e,320eと静電容量部330eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図31に示されるように変更されている。
【0126】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ301は、図32に示されるように、第一及び第二のESR制御部310f,320fと静電容量部330fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,328の位置が図32に示されるように変更されている。
【0127】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ301は、図33に示されるように、第一及び第二のESR制御部310g,320gと静電容量部330gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図33に示されるように変更されている。
【0128】
また、第八変形例にかかる積層コンデンサ301は、図34に示されるように、第一及び第二のESR制御部310h,320hと静電容量部330hとを備えている。第八変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第八変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図34に示されるように変更されている。
【0129】
また、第九変形例にかかる積層コンデンサ301は、図35に示されるように、第一及び第二のESR制御部310i,320iと静電容量部330iとを備えている。第九変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第九変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図35に示されるように変更されている。
【0130】
また、第十変形例にかかる積層コンデンサ301は、図36に示されるように、第一及び第二のESR制御部310j,320jと静電容量部330jとを備えている。第十変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第十変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,318b,324,329,333,338の位置が図36に示されるように変更されている。
【0131】
また、第十一変形例にかかる積層コンデンサ301は、図37に示されるように、第一及び第二のESR制御部310k,320kと静電容量部330kとを備えている。第十一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第十一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,318bの位置が図37に示されるように変更されている。
【0132】
また、第十二変形例にかかる積層コンデンサ301は、図38に示されるように、第一及び第二のESR制御部310m,320mと静電容量部330mとを備えている。第十二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第十二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図38に示されるように変更されている。
【0133】
また、第十三変形例にかかる積層コンデンサ301は、図39に示されるように、第一及び第二のESR制御部310n,320nと静電容量部330nとを備えている。第十三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第十三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,328の位置が図39に示されるように変更されている。
【0134】
また、第十四変形例にかかる積層コンデンサ301は、図40に示されるように、第一及び第二のESR制御部310o,320oと静電容量部330oとを備えている。第十四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第十四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図40に示されるように変更されている。
【0135】
また、第十五変形例にかかる積層コンデンサ301は、図41に示されるように、第一及び第二のESR制御部310p,320pと静電容量部330pとを備えている。第十五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第十五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図41に示されるように変更されている。
【0136】
(第八実施形態)
次に、図42及び図43を参照して、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の構成について説明する。積層コンデンサ351は、第七実施形態の積層コンデンサ301と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部360,370と静電容量部380とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部360,370や静電容量部380の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0137】
第一のESR制御部360は、図43(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極361,366から構成される。内部電極361,366は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極361は、主電極部362と引出電極部363a,363b,364とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極366は、主電極部367と引出電極部368a,368b,369とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0138】
第二のESR制御部370は、図43(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極371,376から構成される。内部電極371,376は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極371は、主電極部372と引出電極部373,374とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極376は、主電極部377と引出電極部378,379とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0139】
静電容量部380は、図43(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極381,386から構成される。内部電極381,386は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極381は、主電極部382と引出電極部383とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極386は、主電極部387と引出電極部388とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0140】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ351でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部370を備えており、第二のESR制御部370の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ351のESRを所望の値に調整することができる。
【0141】
ここで、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の変形例について図44〜図50を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ351は、図44に示されるように、第一及び第二のESR制御部360a,370aと静電容量部380aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部374,379,383,388の位置が図44に示されるように変更されている。
【0142】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ351は、図45に示されるように、第一及び第二のESR制御部360b,370bと静電容量部380bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図45に示されるように変更されている。
【0143】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ351は、図46に示されるように、第一及び第二のESR制御部360c,370cと静電容量部380cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図46に示されるように変更されている。
【0144】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ351は、図47に示されるように、第一及び第二のESR制御部360d,370dと静電容量部380dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図47に示されるように変更されている。
【0145】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ351は、図48に示されるように、第一及び第二のESR制御部360e,370eと静電容量部380eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,378の位置が図48に示されるように変更されている。
【0146】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ351は、図49に示されるように、第一及び第二のESR制御部360f,370fと静電容量部380fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図49に示されるように変更されている。
【0147】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ351は、図50に示されるように、第一及び第二のESR制御部360g,370gと静電容量部380gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図50に示されるように変更されている。
【0148】
(第九実施形態)
次に、図51及び図52を参照して、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の構成について説明する。積層コンデンサ401は、第八実施形態の積層コンデンサ351と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部410,420と静電容量部430とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部410,420や静電容量部430の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0149】
第一のESR制御部410は、図52(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極411,416から構成される。内部電極411,416は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極411は、主電極部412と引出電極部413a,413b,414とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極416は、主電極部417と引出電極部418a,418b,419とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0150】
第二のESR制御部420は、図52(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極421,426から構成される。内部電極421,426は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極421は、主電極部422と引出電極部423,424とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極426は、主電極部427と引出電極部428,429とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0151】
静電容量部430は、図52(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極431,436から構成される。内部電極431,436は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極431は、主電極部432と引出電極部433とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極436は、主電極部437と引出電極部438とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0152】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ401でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部420を備えており、第二のESR制御部420の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ401のESRを所望の値に調整することができる。
【0153】
ここで、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の変形例について図53〜図59を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ401は、図53に示されるように、第一及び第二のESR制御部410a,420aと静電容量部430aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部424,429,433,438の位置が図53に示されるように変更されている。
【0154】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ401は、図54に示されるように、第一及び第二のESR制御部410b,420bと静電容量部430bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図54に示されるように変更されている。
【0155】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ401は、図55に示されるように、第一及び第二のESR制御部410c,420cと静電容量部430cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図55に示されるように変更されている。
【0156】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ401は、図56に示されるように、第一及び第二のESR制御部410d,420dと静電容量部430dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図56に示されるように変更されている。
【0157】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ401は、図57に示されるように、第一及び第二のESR制御部410e,420eと静電容量部430eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,428の位置が図57に示されるように変更されている。
【0158】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ401は、図58に示されるように、第一及び第二のESR制御部410f,420fと静電容量部430fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図58に示されるように変更されている。
【0159】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ401は、図59に示されるように、第一及び第二のESR制御部410g,420gと静電容量部430gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図59に示されるように変更されている。
【0160】
(第十実施形態)
次に、図60及び図61を参照して、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の構成について説明する。積層コンデンサ451は、第九実施形態の積層コンデンサ401と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部460,470と静電容量部480とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部460,470や静電容量部480の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0161】
第一のESR制御部460は、図61(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極461,466から構成される。内部電極461,466は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極461は、主電極部462と引出電極部463a,463b,464とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極466は、主電極部467と引出電極部468a,468b,469とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0162】
第二のESR制御部470は、図61(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極471,476から構成される。内部電極471,476は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極471は、主電極部472と引出電極部473,474とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極476は、主電極部477と引出電極部478,479とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0163】
静電容量部480は、図61(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極481,486から構成される。内部電極481,486は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極481は、主電極部482と引出電極部483とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極486は、主電極部487と引出電極部488とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0164】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ451でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部470を備えており、第二のESR制御部470の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ451のESRを所望の値に調整することができる。
【0165】
ここで、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の変形例について図62〜図68を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ451は、図62に示されるように、第一及び第二のESR制御部460a,470aと静電容量部480aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部474,479,483,488の位置が図62に示されるように変更されている。
【0166】
第二変形例にかかる積層コンデンサ451は、図63に示されるように、第一及び第二のESR制御部460b,470bと静電容量部480bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図63に示されるように変更されている。
【0167】
第三変形例にかかる積層コンデンサ451は、図64に示されるように、第一及び第二のESR制御部460c,470cと静電容量部480cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図64に示されるように変更されている。
【0168】
第四変形例にかかる積層コンデンサ451は、図65に示されるように、第一及び第二のESR制御部460d,470dと静電容量部480dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図65に示されるように変更されている。
【0169】
第五変形例にかかる積層コンデンサ451は、図66に示されるように、第一及び第二のESR制御部460e,470eと静電容量部480eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,478の位置が図66に示されるように変更されている。
【0170】
第六変形例にかかる積層コンデンサ451は、図67に示されるように、第一及び第二のESR制御部460f,470fと静電容量部480fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図67に示されるように変更されている。
【0171】
第七変形例にかかる積層コンデンサ451は、図68に示されるように、第一及び第二のESR制御部460g,470gと静電容量部480gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図68に示されるように変更されている。
【0172】
(第十一実施形態)
次に、図69及び図70を参照して、第十一実施形態にかかる積層コンデンサ501の構成について説明する。積層コンデンサ501は、第十実施形態の積層コンデンサ451と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部510,520と静電容量部530とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部510,520や静電容量部530の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0173】
第一のESR制御部510は、図70(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極511,516から構成される。内部電極511,516は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極511は、主電極部512と引出電極部513a,513b,514とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極516は、主電極部517と引出電極部518a,518b,519とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0174】
第二のESR制御部520は、図70(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極521,526から構成される。内部電極521,526は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極521は、主電極部522と引出電極部523,524とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極526は、主電極部527と引出電極部528,529とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0175】
静電容量部530は、図70(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極531,536から構成される。内部電極531,536は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極531は、主電極部532と引出電極部533とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極536は、主電極部537と引出電極部538とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0176】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ501でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部520を備えており、第二のESR制御部520の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ501のESRを所望の値に調整することができる。
【0177】
ここで、第十一実施形態にかかる積層コンデンサ501の変形例について図71〜図77を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ501は、図71に示されるように、第一及び第二のESR制御部510a,520aと静電容量部530aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部524,529,533,538の位置が図71に示されるように変更されている。
【0178】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ501は、図72に示されるように、第一及び第二のESR制御部510b,520bと静電容量部530bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図72に示されるように変更されている。
【0179】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ501は、図73に示されるように、第一及び第二のESR制御部510c,520cと静電容量部530cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図73に示されるように変更されている。
【0180】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ501は、図74に示されるように、第一及び第二のESR制御部510d,520dと静電容量部530dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図74に示されるように変更されている。
【0181】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ501は、図75に示されるように、第一及び第二のESR制御部510e,520eと静電容量部530eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,528の位置が図75に示されるように変更されている。
【0182】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ501は、図76に示されるように、第一及び第二のESR制御部510f,520fと静電容量部530fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図76に示されるように変更されている。
【0183】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ501は、図77に示されるように、第一及び第二のESR制御部510g,520gと静電容量部530gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図77に示されるように変更されている。
【0184】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、内部電極のパターンを多数示したが、内部電極のパターンはこれらに限定されるものではなく、他のパターンであってもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他のパターンを採用するようにしてももちろんよい。また、第一、第二のESR制御部や静電容量部の積層数は上述した積層数(素体2全体として10層)に限定されるわけではなく、例えば100層又はそれ以上の積層数からなっていてもよい。
【符号の説明】
【0185】
1…積層コンデンサ、2…素体、3,4…端子電極、5,6…第一の外部接続導体、7,8…第二の外部接続導体、10…第一のESR制御部、20…第二のESR制御部、30…静電容量部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層コンデンサとして、複数の誘電体層と複数の内部電極とが交互に積層された積層体と、当該積層体の側面に配置された外部接続導体及び端子電極とを備えたものが知られている(例えば特許文献1,2参照)。このような積層コンデンサでは、等価直列抵抗を大きくするため、静電容量部を構成する内部電極の他に内部接続導体層を設け、この内部接続導体層を介して端子電極と静電容量部とを接続するようにしている。このような積層コンデンサは、例えば、ICにおけるデカップリングコンデンサとして用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−173837号公報
【特許文献2】特開2007−173838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した積層コンデンサでは、内部接続導体を介して端子電極と静電容量部とを接続することで等価直列抵抗を増加させることを目的としているため、等価直列抵抗を所望の値に微調整するような積層コンデンサではなかった。このため、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサやその調整方法が望まれていた。
【0005】
本発明は、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサ及びその調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る積層コンデンサは、端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、端子電極と第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備え、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されていることを特徴としている。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法は、端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、端子電極と第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備えた積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法であって、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより等価直列抵抗を所望の値に調整することを特徴としている。
【0008】
本発明に係る積層コンデンサ及び積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法では、第一及び第二の外部接続導体に接続される第二のESR制御部を積層コンデンサが備えており、第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサの等価直列抵抗を所望の値に調整するようにしている。この場合、第二のESR制御部の積層数や積層位置といった比較的調整し易い要素を変更することにより等価直列抵抗を調整するので、積層コンデンサの等価直列抵抗を微調整することができる。
【0009】
上述した積層コンデンサは、第三の外部接続導体を更に備え、第二のESR制御部は、少なくとも2つの内部接続導体を有しており、少なくとも2つの内部接続導体が第三の外部接続導体により互いに接続されるようにしてもよい。この場合、第二のESR制御部が少なくとも2つの内部接続導体を有することになるため、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【0010】
上述した積層コンデンサにおいて、端子電極は、同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、第一のESR制御部が第一の端子電極に接続されており、当該積層コンデンサは、第一のESR制御部が接続される第一の端子電極とは異なる第二の端子電極と静電容量部が接続される第二の外部接続導体とに接続される第三のESR制御部を更に備えるようにしてもよい。この場合、積層コンデンサは、第一及び第二のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ電流経路に加え、第三のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ別の電流経路を有することとなる。電流経路の長さは積層コンデンサの等価直列抵抗の値を画定する重要な要素であることから、このように積層コンデンサが二種類の電流経路を備えることにより、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【0011】
このように電流経路を二種類備える積層コンデンサとしては、第一のESR制御部の内部接続導体と第三のESR制御部の内部接続導体とが誘電体の積層方向において同層に形成される積層コンデンサであってもよいし、又は、第一のESR制御部の内部接続導体と第三のESR制御部の内部接続導体とが誘電体の積層方向において異なる層に形成される積層コンデンサであってもよい。
【0012】
上述した積層コンデンサにおいて、端子電極は、同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、第一のESR制御部が第一の端子電極に接続されており、当該積層コンデンサは、第四の外部接続導体と、第四の外部接続導体に接続される別の静電容量部と、第一のESR制御部が接続される第一の端子電極とは異なる第二の端子電極と別の静電容量部が接続される第四の外部接続導体とに接続される第四のESR制御部とを更に備えるようにしてもよい。この場合、積層コンデンサは、第一及び第二のESR制御部を介して端子電極と静電容量部とを繋ぐ電流経路に加え、第四のESR制御部を介して端子電極と別の静電容量部とを繋ぐ別の電流経路を有することとなる。このように積層コンデンサが二種類の電流経路を備えることにより、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、等価直列抵抗を所望の値に微調整できる積層コンデンサ及びその調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図2】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図3】図1におけるIII-III線に沿った模式断面図である。
【図4】図3とは積層体の各部の配置を変更した場合の模式断面図である。
【図5】図3とは積層体の各部の配置を変更した場合の模式断面図である。
【図6】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるIII-III線に沿った模式断面図である。
【図7】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるVII-VII線に沿った模式断面図である。
【図8】図3に示す積層コンデンサを回路基板に実装した際の電流の流れを模式的に示す断面図であり、図1におけるVIII-VIII線に沿った模式断面図である。
【図9】第二実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図10】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図11】第二実施形態における積層体の各部の変形例である。
【図12】第三実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図13】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図14】第三実施形態における積層体の各部の変形例である。
【図15】第四実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図16】積層体の各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)(c)は第二のESR制御部を、(d)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図17】第五実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図18】積層体の各部を示し、(a)は第一及び第三のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部を、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図19】積層体の各部の変形例を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第三のESR制御部をそれぞれ示す平面図である。
【図20】積層コンデンサにおける各部の配置構成を示す模式断面図である。
【図21】図20の配置構成を変更した配置構成の例を示す模式断面図である。
【図22】第六実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図23】第六実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図24】第六実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第四のESR制御部を、(b)は別の静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図25】第七実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図26】第七実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図27】第七実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図28】第七実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図29】第七実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図30】第七実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図31】第七実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図32】第七実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図33】第七実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図34】第七実施形態における積層体の各部の第八変形例である。
【図35】第七実施形態における積層体の各部の第九変形例である。
【図36】第七実施形態における積層体の各部の第十変形例である。
【図37】第七実施形態における積層体の各部の第十一変形例である。
【図38】第七実施形態における積層体の各部の第十二変形例である。
【図39】第七実施形態における積層体の各部の第十三変形例である。
【図40】第七実施形態における積層体の各部の第十四変形例である。
【図41】第七実施形態における積層体の各部の第十五変形例である。
【図42】第八実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図43】第八実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図44】第八実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図45】第八実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図46】第八実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図47】第八実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図48】第八実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図49】第八実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図50】第八実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図51】第九実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図52】第九実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図53】第九実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図54】第九実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図55】第九実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図56】第九実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図57】第九実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図58】第九実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図59】第九実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図60】第十実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図61】第十実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図62】第十実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図63】第十実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図64】第十実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図65】第十実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図66】第十実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図67】第十実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図68】第十実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【図69】第十一実施形態に係る積層コンデンサの斜視図である。
【図70】第十一実施形態に係る積層コンデンサの各部を示し、(a)は第一のESR制御部を、(b)は第二のESR制御部、(c)は静電容量部をそれぞれ示す平面図である。
【図71】第十一実施形態における積層体の各部の第一変形例である。
【図72】第十一実施形態における積層体の各部の第二変形例である。
【図73】第十一実施形態における積層体の各部の第三変形例である。
【図74】第十一実施形態における積層体の各部の第四変形例である。
【図75】第十一実施形態における積層体の各部の第五変形例である。
【図76】第十一実施形態における積層体の各部の第六変形例である。
【図77】第十一実施形態における積層体の各部の第七変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0016】
(第一実施形態)
まず、図1,図2を参照して、第一実施形態に係る積層コンデンサ1の構成について説明する。積層コンデンサ1は、図1に示されるように、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備えている。また、積層コンデンサ1は、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部10,20と、静電容量部30とを備えている(例えば図3参照)。このような積層コンデンサ1は、例えば対象サイズが1608(長さ1.6mm、高さ0.6mm、幅0.8mm)といった小型のコンデンサである。
【0017】
素体2は、複数の誘電体層が積層された略直方体形状の積層体である。素体2に含まれる各誘電体層は、例えば、誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の積層コンデンサ1では、各誘電体層の間の境界が視認できない程度に一体化されている。また、素体2は、その外表面として、互いに対向する第一及び第二の主面2a,2bと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの長辺方向に沿って伸びる第一及び第二の側面2c,2dと、互いに対向し且つ第一及び第二の主面2a,2bの短辺方向に沿って伸びる第一及び第二の端面2e,2fとを有している。第一及び第二の側面2c,2dと第一及び第二の端面2e,2fとは、第一及び第二の主面2a,2b間を連結するように伸びている。
【0018】
端子電極3,4は、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり(図6参照)、素体2の外表面に配置される。端子電極3,4は、例えば、導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストを素体2の外表面に付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた電極の上にめっき層を形成してもよい。後述する他の端子電極や外部接続導体も同様に形成される。
【0019】
第一の外部接続導体5,6は、第一のESR制御部10に含まれる内部電極と第二のESR制御部20に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、素体2の外表面に配置される。第二の外部接続導体7,8は、第二のESR制御部20に含まれる内部電極と静電容量部30に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、素体2の外表面に配置される。第一及び第二の外部接続導体5〜8は、回路基板に形成されたプラス電極S1及びマイナス電極S2のいずれにも接続されないようになっている。各端子電極3,4や各外部接続導体5〜8は、素体2の外表面において互いに電気的に絶縁されている。
【0020】
このような端子電極3、第一の外部接続導体5及び第二の外部接続導体7は、図1に示されるように、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって(図示左奥側から右手前側へ)、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6及び第二の外部接続導体8は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向において、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。各端子電極3,4や各外部接続導体5〜8それぞれは、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dに形成されている。なお、端子電極3,4は素体2を挟んで互いに対向し、第一の外部接続導体5,6も素体2を挟んで互いに対向し、第二の外部接続導体7,8も素体2を挟んで互いに対向するように形成されている。
【0021】
第一のESR制御部10は、端子電極3,4と第一の外部接続導体5,6とに接続され、積層コンデンサ1の等価直列抵抗(以下「ESR」とも記す。)の増加等の制御を行う部分である。第一のESR制御部10は、図2(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極11,16から構成される。内部電極11,16は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。内部電極11,16は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。後述する他の内部電極も同様に形成される。
【0022】
内部電極11は、端子電極3と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極11は、主電極部12と引出電極部13,14とを含む。主電極部12は、第一及び第二の端面2e,2fの対向方向(以下「X方向」と記す。)に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部13は、X方向における第一の端面2e側において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部13は、端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部14は、X方向における略中央において主電極部12と連接し、内部電極11を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部14は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。
【0023】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11には、図示矢印A1で示される電流が流れる。そして、プラス電極S1から端子電極3へと流れ込んだ電流が内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと伝えられるようになる。
【0024】
内部電極16は、端子電極4と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極16は、主電極部17と引出電極部18,19とを含む。主電極部17は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部18は、X方向における第一の端面2e側において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部18は、端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部19は、X方向における略中央において主電極部17と連接し、内部電極16を第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部19は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。
【0025】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極16には、図示矢印A2で示される電流が流れる。そして、第一の外部接続導体6へと流れ込んだ電流が内部電極16を介して端子電極4やマイナス電極S2へと伝えられるようになる。なお、本実施形態では、内部電極11,16が、接続導体として必要な面積よりも広くなるように形成されているため、積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極11,16それぞれに、図示矢印A3,A4で示される電流も流れるようになっている。内部電極11,16が積層方向に対向するように配置されていることから、上述した接続部としての機能に加え、内部電極11,16は、これらの電流により静電容量部としても機能する。後述する第二のESR制御部20においても同様である(図2(b)において、電流の経路を示す矢印A13、A14を参照)。
【0026】
第二のESR制御部20は、第一の外部接続導体5,6と第二の外部接続導体7,8とに接続され、第一のESR制御部10と同様、積層コンデンサ1のESRの増加等の制御を行う部分である。第二のESR制御部20は、図2(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極21,26から構成される。内部電極21,26は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0027】
内部電極21は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極21は、主電極部22と引出電極部23,24とを含む。主電極部22は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部23は、X方向における略中央において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部23は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部24は、X方向における第二の端面2f側において主電極部22と連接し、内部電極21を第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部24は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0028】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極21には、図示矢印A11で示される電流が流れる。そして、内部電極11を介して第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が、内部電極21を介して、第二の外部接続導体7へと伝えられるようになる。
【0029】
内部電極26は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極26は、主電極部27と引出電極部28,29とを含む。主電極部27は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部28は、X方向における略中央において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部28は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部29は、X方向における第二の端面2f側において主電極部27と連接し、内部電極26を第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部29は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0030】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、内部電極26には、図示矢印A12で示される電流が流れる。そして、第二の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が、内部電極26を介して、第一の外部接続導体6へと伝えられるようになる。
【0031】
静電容量部30は、第一のESR制御部10が接続される第一の外部接続導体5,6とは異なる第二の外部接続導体7,8に接続され、積層コンデンサ1において静電容量を発生させる部分である。静電容量部30は、図2(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極31,36から構成される。内部電極31,36は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0032】
内部電極31は、主電極部32と引出電極部33とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。主電極部32は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部33は、X方向における第二の端面2f側において主電極部32と連接し、内部電極31を第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部33は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。内部電極36は、主電極部37と引出電極部38とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。主電極部37は、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部38は、X方向における第二の端面2f側において主電極部37と連接し、内部電極36を第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部38は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0033】
積層コンデンサ1が回路基板に実装等されると、静電容量部30では、互いに対向する内部電極31,36に図示矢印A23,A24で示される電流が流れ、その結果、両電極31,36の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0034】
ここで、第一及び第二のESR制御部10,20や静電容量部30の素体2内における各種の配置構造(第一の配置構造〜第三の配置構造)について、図3〜図5を参照して説明する。積層コンデンサ1では、以下で説明する各種の配置構造の何れかを採用することで第二のESR制御部20の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更し、この変更により、端子電極3(プラス電極S1)から静電容量部30を介して端子電極4(マイナス電極S2)へと繋がる、積層コンデンサ1内における電流経路の長さを変えるようにしている。電流経路の長さは、積層コンデンサ1のESR値と比例関係にあるため、積層コンデンサ1では、電流経路の長さを変えることで、ESRを所望の値に微調整できるようになっている。なお、ここで用いる「積層数」は、上述した一対の内部電極層を一層(一組)とするものである。
【0035】
まず、図3に示される第一の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第一及び第二のESR制御部10,20がそれぞれ一層からなり、静電容量部30が残りの8層からなっている。そして、一方の主面2a側である最上層に第二のESR制御部20が配置され、他方の主面2b側である最下層に第一のESR制御部10が配置される。つまり、第一及び第二のESR制御部10,20は、素体2に含まれる誘電体層2gの積層方向において、8層構造の静電容量部30をその間に挟むように互いに離れて配置される。
【0036】
このような第一の配置構造からなる積層コンデンサ1では、次のような電流経路となる。すなわち、図6及び図7の電流Iで示されるように、プラス側の電流経路は、端子電極3(プラス電極S1)から第一のESR制御部10の内部電極11(主電極部12と引出電極部13,14)を介して第一の外部接続導体5の下端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体5の下端からその上端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体5の上端から第二のESR制御部20の内部電極21(主電極部22と引出電極部23,24)を介して第二の外部接続導体7の上端へと繋がる電流経路と、第二の外部接続導体7の上端から各静電容量部30(33)へと繋がる電流経路との合計となる。
【0037】
一方、図6及び図8の電流Iで示されるように、マイナス側の電流経路は、各静電容量部30(38)から第二の外部接続導体8の上端へと繋がる電流経路と、第二の外部接続導体8の上端から第二のESR制御部20の内部電極26(主電極部27と引出電極部28,29)を介して第一の外部接続導体6の上端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体6の上端から下端へと繋がる電流経路と、第一の外部接続導体6の下端から第一のESR制御部10の内部電極16(主電極部17と引出電極部18,19)を介して端子電極4(マイナス電極S2)へと繋がる電流経路との合計となる。この場合、プラス側及びマイナス側において、第一の外部接続導体5,6の上下方向全体に電流経路を引き回して長めにするようにしているため、これに伴って抵抗Rが増加し、積層コンデンサ1のESRを高めの値とするように調整することができる。
【0038】
これに対し、図4に示される第二の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第一のESR制御部10が一層、第二のESR制御部20が二層からなり、静電容量部30が残りの7層からなっている。すなわち、第二の配置構造では、第一の配置構造に比べ、第二のESR制御部20の積層数を変更している。そして、第一の配置構造と同様に最上層に配置された一層の第二のESR制御部20と最下層に配置された一層の第一のESR制御部10との積層方向における略中間層に、第二のESR制御部20の残りの一層を配置するようにしている。なお、静電容量部30は、例えば、中間層に位置する第二のESR制御部20の上層に3層、その下層に4層が配置される。
【0039】
第二の配置構造の場合、詳細な電流経路の説明については省略するが、プラス側及びマイナス側において、積層コンデンサ1は、第一の外部接続導体5,6の上下方向全体に電流経路を引き回して最上層の第二のESR制御部20を経由する第一の電流経路に加え、第一の外部接続導体5,6の上下方向の下端から中間層付近まで電流経路を引き回して中間層の第二のESR制御部20を経由する第二の電流経路も有することになる。これら第一及び第二の電流経路による抵抗Rは並列に接続されることになるため、第二の配置構造によれば、第一の配置構造に比べて、抵抗Rを多少、下げるといった微調整を行うことができ、その結果、積層コンデンサ1のESRの値を、第一の配置構造の場合と比べて、少し低めとするように微調整することが可能である。
【0040】
また、図5に示される第三の配置構造では、素体2が全体として10層構造からなる積層コンデンサ1において、第二の配置構造と同様、第一のESR制御部10が一層、第二のESR制御部20が二層からなり、静電容量部30が残りの7層からなっている。その一方、第三の配置構造では、第二の配置構造と異なり、中間層に位置していた第二のESR制御部20を積層方向における中間層よりも上層となるように、その積層位置を変更している。なお、静電容量部30は、例えば、中間層よりも上層となるように変更された第二のESR制御部20の上層に2層、その下層に5層が配置される。
【0041】
第三の配置構造の場合、詳細な電流経路の説明については省略するが、第二の電流経路が少し長くなる分、第二の配置構造のように並列に接続される抵抗Rの内、第二の電流経路による抵抗Rの値を第二の配置構造よりも高めとすることができ、積層コンデンサ1のESRの値を第二の配置構造の場合と比べて、少し高めとするように微調整することができる。なお、第二及び三の配置構造において、最上層の第二のESR制御部20の積層位置を更に変えることで、第一の配置構造の場合と比べて第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の両方を変更し、この変更により、ESRを微調整するようにしてももちろんよい。
【0042】
以上のように、積層コンデンサ1及び積層コンデンサ1の等価直列抵抗の調整方法では、積層コンデンサ1が第一及び第二の外部接続導体5〜8に接続される第二のESR制御部20を備えており、第二のESR制御部20の積層数及び積層位置の少なくとも一方を例えば上述した第一の配置構造〜第三の配置構造の何れかに変更することにより、積層コンデンサ1の等価直列抵抗を所望の値に調整するようにしている。この第二のESR制御部20の積層数や積層位置といった要素は、積層コンデンサ1の積層工程等において、比較的調整し易い要素であり、これを変更することにより等価直列抵抗を調整するので、積層コンデンサ1の等価直列抵抗を微調整することが可能となっている。上述した配置構造では、第一の配置構造〜第三の配置構造を例示的に示したが、等価直列抵抗の調整するための構造はこれらに限定されるわけではない。
【0043】
(第二実施形態)
次に、図9及び図10を参照して、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の構成について説明する。積層コンデンサ51は、第一実施形態の積層コンデンサ1と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部60,70と、静電容量部80とを備えている。
【0044】
本実施形態では、図9に示されるように、積層コンデンサ51が更に端子電極53,54を備えている点、第二の外部接続導体7,8の位置が交換されている点、及び、端子電極の増加や外部接続導体の位置変更により内部電極パターンが異なる点で第一実施形態と異なっている。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整する点は、第一実施形態と同様である。
【0045】
端子電極53,54は、端子電極3,4と共に、第一のESR制御部10等に含まれる内部電極を、回路基板に形成されたプラス電極S1又はマイナス電極S2に接続させるための電極であり、素体2の外表面に配置される。端子電極53は、端子電極3と同極性であり、端子電極3が接続されるプラス電極S1に接続される。端子電極54は、端子電極4と同極性であり、端子電極4が接続されるマイナス電極S2に接続される。
【0046】
ここで、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図9に示されるように、端子電極3、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。端子電極53,54は、素体2を挟んで互いに対向し、また、第一の主面2aから第二の主面2bにまたがるように第一又は第二の側面2c,2dにそれぞれ形成される。なお、各端子電極3,4,53,54や各外部接続導体5,6,7,8は、互いに電気的に絶縁されている。
【0047】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部60は、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極61,66から構成される。内部電極61,66は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0048】
内部電極61は、端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極61は、主電極部62と引出電極部63a,63b,64とを含む。主電極部62は、矩形形状の電極部である。引出電極部63aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63aは、第一の端子電極3に電気的且つ物理的に接続される。
【0049】
引出電極部63bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部62と連接し、内部電極61を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部63bは、端子電極53に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部64は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部62と連接し、内部電極61を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部64は、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。なお、プラス電極S1から端子電極3,53へと流れ込んだ電流は、第一実施形態と同様に、内部電極61を介して第一の外部接続導体5へと伝えられる。
【0050】
内部電極66は、端子電極4,54と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極66は、主電極部67と引出電極部68a,68b,69とを含む。主電極部67は、矩形形状の電極部である。引出電極部68aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部67と連接し、内部電極66を第二の端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68aは、第二の端子電極4に電気的且つ物理的に接続される。
【0051】
引出電極部68bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部67と連接し、内部電極66を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部68bは、端子電極54に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部69は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部67と連接し、内部電極66を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部69は、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。なお、第一の外部接続導体6へと流れ込んだ電流は、内部電極66を介して、端子電極4,54やマイナス電極S2へと伝えられる。
【0052】
第二のESR制御部70は、積層コンデンサ51のESRの増加等の制御を行う部分であり、図10(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極71,76から構成される。内部電極71,76は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0053】
内部電極71は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極71は、主電極部72と引出電極部73,74とを含む。主電極部72は、矩形形状の電極部である。引出電極部73は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部74は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部72と連接し、内部電極71を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。なお、第一の外部接続導体5へと流れ込んだ電流が内部電極71を介して、第二の外部接続導体7へと伝えられる。
【0054】
内部電極76は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極76は、主電極部77と引出電極部78,79とを含む。主電極部77は、矩形形状の電極部である。引出電極部78は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部79は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部77と連接し、内部電極76を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、第二の外部接続導体8へと流れ込んだ電流が内部電極76を介して、第一の外部接続導体6へと伝えられる。
【0055】
静電容量部80は、積層コンデンサ51において、静電容量を発生させる部分であり、図10(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極81,86から構成される。内部電極81,86は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0056】
内部電極81は、主電極部82と引出電極部83とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。主電極部82は、矩形形状の電極部である。引出電極部83は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部82と連接し、内部電極81を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部83は、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0057】
内部電極86は、主電極部87と引出電極部88とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。主電極部87は、矩形形状の電極部である。引出電極部88は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部87と連接し、内部電極86を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部88は、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。積層コンデンサ51が回路基板に実装等されると、静電容量部80では、互いに対向する内部電極81,86に電流が流れ、その結果、両電極81,86の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0058】
以上のように、端子電極3,4に加えて端子電極53,54を備えている積層コンデンサ51でも、第一実施形態と同様、第二のESR制御部70を備えていることから、第二のESR制御部70の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ51のESRを所望の値に調整することができる。
【0059】
ここで、第二実施形態にかかる積層コンデンサ51の変形例について図11を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ51は、第一及び第二のESR制御部60,70や静電容量部80に代えて、素体2の内部に、図11に示されるように、第一及び第二のESR制御部60a,70aと静電容量部80aとを備えている。本変形例にかかる積層コンデンサ51の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極3、第二の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び端子電極53の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極4、第二の外部接続導体7、第一の外部接続導体6及び端子電極54の順で各電極や導体が配置される。つまり、この変形例では、第一及び第二の外部接続導体5,8の位置がそれぞれ交換されており、また、第一及び第二の外部接続導体6,7の位置がそれぞれ交換されている。
【0060】
この変形例にかかる積層コンデンサ51では、各外部接続導体の位置が交換されているため、第一のESR制御部60aにおいて、引出電極部64が第二の端面2f側に移動しており、引出電極部69も第二の端面2f側に移動している。第二のESR制御部70aでは、引出電極部73が第二の端面2f側に移動している一方、引出電極部74が第一の端面2e側に移動している。また、引出電極部78が第二の端面2f側に移動している一方、引出電極部79が第一の端面2e側に移動している。静電容量部80aでは、引出電極部83,88が第一の端面2e側に移動している。この変形例にかかる積層コンデンサ51においても、第二のESR制御部70aを備えており、第二のESR制御部70aの積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ51のESRを所望の値に調整することができる。
【0061】
(第三実施形態)
次に、図12及び図13を参照して、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の構成について説明する。積層コンデンサ101は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部110,120と、静電容量部130とを備えている。本実施形態では、図12に示されるように、外部接続導体5〜8の配置箇所と端子電極53,54の配置箇所が第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0062】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図12に示されるように、端子電極3、第二の外部接続導体8、第一の外部接続導体5及び端子電極54は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第二の外部接続導体7、第一の外部接続導体6及び端子電極53は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
【0063】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部110は、図13(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極111,116から構成される。内部電極111,116は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0064】
内部電極111は、端子電極3,53と第一の外部接続導体5とを接続するための内部接続導体である。内部電極111は、主電極部112と引出電極部113a,113b,114とを含む。引出電極部113aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部112と連接し、内部電極111を端子電極3の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部113bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部112と連接し、内部電極111を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部114は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部112と連接し、内部電極111を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。
【0065】
内部電極116は、端子電極4,54と第一の外部接続導体6とを接続するための内部接続導体である。内部電極116は、主電極部117と引出電極部118a,118b,119とを含む。引出電極部118aは、X方向における第一の端面2e側において主電極部117と連接し、内部電極116を端子電極4の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部118bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部117と連接し、内部電極116を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部119は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部117と連接し、内部電極116を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。
【0066】
第二のESR制御部120は、図13(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極121,126から構成される。内部電極121,126は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0067】
内部電極121は、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極121は、主電極部122と引出電極部123,124とを含む。引出電極部123は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部124は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部122と連接し、内部電極121を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。
【0068】
内部電極126は、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極126は、主電極部127と引出電極部128,129とを含む。引出電極部128は、X方向における略中央から第二の端面2f寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部129は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部127と連接し、内部電極126を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
【0069】
静電容量部130は、図13(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極131,136から構成される。内部電極131,136は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0070】
内部電極131は、主電極部132と引出電極部133とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。引出電極部133は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部132と連接し、内部電極131を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極136は、主電極部137と引出電極部138とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。引出電極部138は、X方向における略中央から第一の端面2e寄りの箇所において主電極部137と連接し、内部電極136を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。
【0071】
以上のように、外部接続導体5〜8や端子電極53,54の配置箇所等が異なる積層コンデンサ101でも、第一又は第二実施形態と同様、第二のESR制御部120を備えており、第二のESR制御部120の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ101のESRを所望の値に調整することができる。
【0072】
ここで、第三実施形態にかかる積層コンデンサ101の変形例について図14を参照して説明する。変形例にかかる積層コンデンサ101は、第一及び第二のESR制御部110,120や静電容量部130に代えて、素体2の内部に、図14に示されるように、第一及び第二のESR制御部110a,120aと静電容量部130aとを備えている。変形例にかかる積層コンデンサ101の第一の側面2cには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極3、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極54の順で各電極や導体が配置される。一方、第二の側面2dには、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、端子電極4、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極53の順で各電極や導体が配置される。この変形例にかかる積層コンデンサ101においても、第二のESR制御部120aを備えており、第二のESR制御部120aの積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ101のESRを所望の値に調整することができる。
【0073】
(第四実施形態)
次に、図15及び図16を参照して、第四実施形態にかかる積層コンデンサ151の構成について説明する。積層コンデンサ151は、第一実施形態の積層コンデンサ1と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部160,170と、静電容量部180とを備えている。
【0074】
本実施形態では、図15に示されるように、積層コンデンサ151が、第三の外部接続導体155,156を更に備えている点で第一実施形態と異なっている。以下、第一実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部160,170や静電容量部180の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整する点は、第一実施形態と同様である。
【0075】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図15に示されるように、端子電極3、第一の外部接続導体5、第三の外部接続導体155及び第二の外部接続導体7は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極4、第一の外部接続導体6、第三の外部接続導体156及び第二の外部接続導体8は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。第三の外部接続導体155,156は、素体2を挟んで互いに対向する。なお、各端子電極3,4や各外部接続導体5,6,7,8,155,156は、互いに電気的に絶縁されている。
【0076】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部160は、積層コンデンサ151のESRの増加等の制御を行う部分であり、図16(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極161,166から構成される。内部電極161,166は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0077】
内部電極161は、内部電極11と略同様であり、主電極部162と引出電極部163,164とを含む。引出電極部164が、X方向における略中央から第一の端面2e側に移動している点で相違する。内部電極166は、内部電極16と略同様であり、主電極部167と引出電極部168,169とを含む。引出電極部169が、X方向における略中央から第一の端面2e側に移動している点で相違する。
【0078】
第二のESR制御部170は、第一の外部接続導体5,6と第三の外部接続導体155,156とに接続される前段部170aと、第三の外部接続導体155,156と第二の外部接続導体7,8とに接続される後段部170bとを含んで構成され、積層コンデンサ151のESRの増加等の制御を行う部分である。
【0079】
第二のESR制御部170の前段部170aは、図16(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極171a,176aから構成される。内部電極171a,176aは、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。また、第二のESR制御部170の後段部170bは、図16(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極171b,176bから構成される。内部電極171b,176bは、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0080】
内部電極171aは、第一の外部接続導体5と第三の外部接続導体155とを接続するための内部接続導体である。内部電極171aは、主電極部172aと引出電極部173a,174aとを含む。主電極部172aは、矩形形状の電極部である。引出電極部173aは、X方向における略中央から第一の端面2e側において主電極部172aと連接し、内部電極171aを第一の側面2cの第一の外部接続導体5の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部173aは、第一の外部接続導体5に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部174aは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部172aと連接し、内部電極171aを第一の側面2cの第三の外部接続導体155の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部174aは、第三の外部接続導体155に電気的且つ物理的に接続される。
【0081】
内部電極176aは、第一の外部接続導体6と第三の外部接続導体156とを接続するための内部接続導体である。内部電極176aは、主電極部177aと引出電極部178a,179aとを含む。主電極部177aは、X方向に伸びるように形成された矩形形状の電極部である。引出電極部178aは、X方向における略中央から第一の端面2e側において主電極部177aと連接し、内部電極176aを第二の側面2dの第一の外部接続導体6の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部178aは、第一の外部接続導体6に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部179aは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部177aと連接し、内部電極176aを第二の側面2dの第三の外部接続導体156の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部179aは、第三の外部接続導体156に電気的且つ物理的に接続される。
【0082】
内部電極171bは、第三の外部接続導体155と第二の外部接続導体7とを接続するための内部接続導体である。内部電極171bは、主電極部172bと引出電極部173b,174bとを含む。主電極部172bは、矩形形状の電極部である。引出電極部173bは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部172bと連接し、内部電極171bを第一の側面2cの第三の外部接続導体155の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部173bは、第三の外部接続導体155に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部174bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部172bと連接し、内部電極171bを第一の側面2cの第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部174bは、第二の外部接続導体7に電気的且つ物理的に接続される。
【0083】
内部電極176bは、第三の外部接続導体156と第二の外部接続導体8とを接続するための内部接続導体である。内部電極176bは、主電極部177bと引出電極部178b,179bとを含む。主電極部177bは、矩形形状の電極部である。引出電極部178bは、X方向における略中央から第二の端面2f側において主電極部177bと連接し、内部電極176bを第二の側面2dの第三の外部接続導体156の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部178bは、第三の外部接続導体156に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部179bは、X方向における第二の端面2f側において主電極部177bと連接し、内部電極176bを第二の側面2dの第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部179bは、第二の外部接続導体8に電気的且つ物理的に接続される。
【0084】
静電容量部180は、積層コンデンサ151において、静電容量を発生させる部分であり、図16(d)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極181,186から構成される。内部電極181,186は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0085】
内部電極181は、主電極部182と引出電極部183とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。引出電極部183は、X方向における第二の端面2f側において主電極部182と連接し、内部電極181を第二の外部接続導体7の形成領域に引き出す電極部である。内部電極186は、主電極部187と引出電極部188とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。引出電極部188は、X方向における第二の端面2f側において主電極部187と連接し、内部電極186を第二の外部接続導体8の形成領域に引き出す電極部である。なお、積層コンデンサ151が回路基板に実装等されると、各内部電極には、図16(a)〜(d)の各矢印で示されるように電流が流れるようになっている。
【0086】
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ151でも、他の実施形態と同様、第二のESR制御部170を備えており、第二のESR制御部170の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ151のESRを所望の値に調整することができる。
【0087】
また、積層コンデンサ151は、第三の外部接続導体155,156を更に備え、第二のESR制御部170が前段部170aと後段部170bとの2つの部分から構成されており、前段部170aと後段部170bの内部電極171a,171b,176a,176bが第三の外部接続導体155,156により互いに接続されている。このように、第二のESR制御部170が前段部170aの内部電極と後段部170bの内部電極とを有するようにしたことから、本実施形態によれば、第二のESR制御部170における電流経路を長くすることができ、その結果、ESRを増加させるといった更なる微調整を行うことができる。
【0088】
(第五実施形態)
次に、図17及び図18を参照して、第五実施形態にかかる積層コンデンサ201の構成について説明する。積層コンデンサ201は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部210,220と、静電容量部230とを備えている。
【0089】
本実施形態では、積層コンデンサ201が更に第三のESR制御部240を備えている点や端子電極と外部接続導体の配置が異なっている点で第二実施形態と異なっている。以下、第二実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は、第一実施形態と同様である。
【0090】
まず、端子電極や外部接続導体の配置について説明する。本実施形態では、図17に示されるように、端子電極53、第一の外部接続導体6、第二の外部接続導体7及び端子電極4は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第一の側面2cに配置される。一方、端子電極54、第一の外部接続導体5、第二の外部接続導体8及び端子電極3は、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、この順に第二の側面2dに配置される。
【0091】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一のESR制御部210は、図18(a)に示されるように、内部電極211,216から構成される。内部電極211は、主電極部212と引出電極部213,214とを含み、端子電極3と第一の外部接続導体5とを接続する。内部電極216は、主電極部217と引出電極部218,219とを含み、端子電極4と第一の外部接続導体6とを接続する。
【0092】
また、第三のESR制御部240は、第一のESR制御部210と同様、積層コンデンサ201のESRの増加等の制御を行う部分であり、図18(a)に示されるように、第一のESR制御部210の内部電極211,216それぞれと同層に位置する内部電極241,246から構成される。内部電極241は、主電極部242と引出電極部243,244とを含み、端子電極53と第二の外部接続導体7とを接続する。内部電極246は、主電極247と引出電極部248,249とを含み、端子電極54と第二の外部接続導体8とを接続する。
【0093】
第二のESR制御部220は、図18(b)に示されるように、内部電極221,226から構成される。内部電極221は、主電極部222と引出電極部223,224とを含み、第一の外部接続導体5と第二の外部接続導体7とを接続する。内部電極226は、主電極部227と引出電極部228,229とを含み、第一の外部接続導体6と第二の外部接続導体8とを接続する。
【0094】
静電容量部230は、図18(c)に示されるように、内部電極231,236から構成される。内部電極231は、主電極部232と引出電極部233とを含み、第二の外部接続導体7に接続される。第二の外部接続導体7には、第二のESR制御部220の内部電極221だけでなく、第三のESR制御部240の内部電極241も接続されている。内部電極236は、主電極部237と引出電極部238とを含み、第二の外部接続導体8に接続される。第二の外部接続導体8には、第二のESR制御部220の内部電極226だけでなく、第三のESR制御部240の内部電極246も接続されている。積層コンデンサ201が回路基板に実装等されると、静電容量部230では、互いに対向する内部電極231,236に電流が流れ、その結果、両電極231,236の間に所定の静電容量が発生する。
【0095】
以上のように、本実施形態に係る積層コンデンサ201でも、第二実施形態と同様、第二のESR制御部220を備えており、第二のESR制御部220の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ201のESRを所望の値に調整することができる。
【0096】
また、積層コンデンサ201では、端子電極は、同極性に接続される端子電極3,53と4,54とから構成され、第一のESR制御部210の内部電極211,216が端子電極3,4に接続されている。そして、積層コンデンサ201は、第一のESR制御部210が接続される端子電極3,4とは異なる端子電極53,54と静電容量部230が接続される外部接続導体7,8とに接続される第三のESR制御部240を備えている。
【0097】
この場合、積層コンデンサ201は、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路に加え、第三のESR制御部240を介して端子電極53,54と静電容量部230とを繋ぐ別の電流経路を並列状態で有することとなる。このように積層コンデンサ201が並列に配置される二種類の電流経路を備えることにより、第一実施形態で第二のESR制御部を増やした場合と同様、等価直列抵抗の更なる微調整を行うことができる。いいかえると、これら2つの電流経路をそれぞれ異なる長さにすることができるため、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路における抵抗R1と、第三のESR制御部240を介して端子電極53,54と静電容量部230とを繋ぐ電流経路における抵抗R2とを互いに異ならせた上で、並列に配置し、これにより、ESRを調整することができる。
【0098】
しかも、本実施形態では、第一実施形態と異なり、第一及び第二のESR制御部210,220とは内部電極パターンが異なる第三のESR制御部240によって別の電流経路を設けるようにしている。このため、第三のESR制御部240による電流経路の長さを、第一又は第二のESR制御部210,220とは関係なく設定することができ、抵抗R2の値を一層細かく又は自由に設定でき、その結果、積層コンデンサ201におけるESRの値を一層、微調整することができる。
【0099】
なお、上述した実施形態では、第一のESR制御部210の内部電極211,216と第三のESR制御部240の内部電極241,246とが誘電体層2gの積層方向において同層に形成される例を示したが、図19(a)、(b)に示されるように、第一のESR制御部210の内部電極211,216と第三のESR制御部240の内部電極241,246とが誘電体層2gの積層方向において異なる層にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この場合、同層に形成される場合に比べ、第一、第二及び第三のESR制御部210,220,240や静電容量部230の位置等の変更バリエーションを増やすことができ、積層コンデンサ201のESRの微調整を一層容易に行うことができる。
【0100】
例えば、第一,第二及び第三のESR制御部210,220,240や静電容量部230の素体2内における配置構造を図20に示す。図20の配置構造では、積層方向の下層(主面2b)側から上層(主面2a)側に向かって、第一のESR制御部210、第二のESR制御部220、静電容量部230及び第三のESR制御部240の順で配置されている。図示左側の矢印は、プラス電極側における電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示右側の矢印は、マイナス電極側における電流Iの流れを模式的に示したものである。
【0101】
そして、このような配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(a)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって第一のESR制御部210、静電容量部230、第三のESR制御部240及び第二のESR制御部220の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(a)からも明らかなように、第一及び第二のESR制御部210,220を繋ぐ電流経路が長くなるため、第一及び第二のESR制御部210,220を介する電流経路における抵抗R1を、図20の配置構造の場合に比べて、増大させるといった調整を行うことができる。
【0102】
また、図20に示された配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(b)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって静電容量部230、第二のESR制御部220、第一のESR制御部210及び第三のESR制御部240の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(b)からも明らかなように、第三のESR制御部240を繋ぐ電流経路が長くなるため、第三のESR制御部240を介する電流経路における抵抗R2を、図20の配置構造の場合に比べて、増大させるといった調整を行うことができる。
【0103】
また、図20に示された配置構造の積層コンデンサ201の配置構造を、例えば、図21(c)に示されるように、積層方向の下層側から上層側に向かって第一のESR制御部210、静電容量部230、第二のESR制御部220及び第三のESR制御部240の順に配置するように変更する。図示右側の矢印は、第一及び第二のESR制御部210,220を介した電流Iの流れを模式的に示したものであり、図示左側の矢印は、第三のESR制御部240を介した電流Iの流れを模式的に示したものである(プラス電極側のみ図示)。このような場合、図21(c)からも明らかなように、第一及び第二のESR制御部210,220を繋ぐ電流経路と第三のESR制御部240を繋ぐ電流経路との両方がある程度、長くなるため、図20の配置構造の場合に比べて、両抵抗R1,R2をある程度、増大させるといった調整を行うことができる。
【0104】
(第六実施形態)
次に、図22〜図24を参照して、第六実施形態にかかる積層コンデンサ251の構成について説明する。積層コンデンサ251は、第五実施形態の積層コンデンサ201と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、第一の外部接続導体5,6と、第二の外部接続導体7,8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部210,220と、静電容量部230とを備えている。
【0105】
本実施形態では、第五実施形態と異なり、第三のESR制御部240に代えて第四のESR制御部260を備え、更に、第四の外部接続導体255,256と静電容量部280とを備えている。以下、第五実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、第一及び第二のESR制御部210,220や静電容量部230の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は同様である。
【0106】
第四の外部接続導体255,256は、第四のESR制御部260に含まれる内部電極と静電容量部280に含まれる内部電極を相互に接続するための外部接続導体であり、図22に示されるように、素体2の第一及び第二の端面2e,2fにそれぞれ対向して配置される。第四の外部接続導体255,256は、回路基板に形成されたプラス電極S1及びマイナス電極S2のいずれにも接続されないようになっている。各端子電極3,4,53,54や各外部接続導体5〜8,255,256は、素体2の外表面において互いに電気的に絶縁されている。
【0107】
続いて、積層体を構成する各部及び各部に含まれる内部電極について説明する。第一及び第二のESR制御部210,220及び静電容量部230は、図23に示されるように、第五実施形態と同様である。また、第四のESR制御部260は、図24(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極261,266から構成される。内部電極261,266は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0108】
内部電極261は、端子電極53と第四の外部接続導体255とを接続するための内部接続導体である。内部電極261は、主電極部262と引出電極部263,264とを含む。主電極部262は、矩形形状の電極部である。引出電極部263は、X方向における第一の端面2e側において主電極部262と連接し、内部電極261を端子電極53の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部263は、端子電極53に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部264は、第二の端面2f側において主電極部262と連接し、内部電極261を第四の外部接続導体255の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部264は、第四の外部接続導体255に電気的且つ物理的に接続される。なお、プラス電極S1から端子電極53へと流れ込んだ電流は、内部電極261を介して第四の外部接続導体255へと伝えられる。
【0109】
内部電極266は、端子電極54と第四の外部接続導体256とを接続するための内部接続導体である。内部電極266は、主電極部267と引出電極部268,269とを含む。主電極部267は、矩形形状の電極部である。引出電極部268は、X方向における第一の端面2e側において主電極部267と連接し、内部電極266を端子電極54の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部268は、端子電極54に電気的且つ物理的に接続される。引出電極部269は、第一の端面2e側において主電極部267と連接し、内部電極266を第四の外部接続導体256の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部269は、第四の外部接続導体256に電気的且つ物理的に接続される。なお、第四の外部接続導体256へと流れ込んだ電流は、内部電極266を介して、端子電極54やマイナス電極S2へと伝えられる。
【0110】
静電容量部280は、積層コンデンサ251において、静電容量部230と共に静電容量を発生させる部分であり、図24(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極281,286から構成される。内部電極281,286は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成するようになっている。
【0111】
内部電極281は、主電極部282と引出電極部283とを含み、第四の外部接続導体255に接続される。主電極部282は、矩形形状の電極部である。引出電極部283は、X方向における第二の端面2f側において主電極部282と連接し、内部電極281を第四の外部接続導体255の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部283は、第四の外部接続導体255に電気的且つ物理的に接続される。
【0112】
内部電極286は、主電極部287と引出電極部288とを含み、第四の外部接続導体256に接続される。主電極部287は、矩形形状の電極部である。引出電極部288は、X方向における第一の端面2e側において主電極部287と連接し、内部電極286を第四の外部接続導体256の形成領域に引き出す電極部である。引出電極部288は、第四の外部接続導体256に電気的且つ物理的に接続される。積層コンデンサ251が回路基板に実装等されると、静電容量部280では、互いに対向する内部電極281,286に電流が流れ、その結果、両電極281,286の間に所定の静電容量が発生するようになる。
【0113】
以上のように、第四のESR制御部260等を備えている積層コンデンサ251でも、第五実施形態等と同様、第二のESR制御部220を備えていることから、第二のESR制御部220の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ251のESRを所望の値に調整することができる。
【0114】
また、積層コンデンサ251では、端子電極は、同極性に接続される端子電極3,53と4,54とから構成され、第一のESR制御部210の内部電極211,216が端子電極3,4に接続されている。そして、積層コンデンサ251は、更に、第四の外部接続導体255,256と、第四の外部接続導体255,256に接続される静電容量部280と、端子電極53,54と第四の外部接続導体255,256とに接続される第四のESR制御部260とを備えている。
【0115】
この場合、積層コンデンサ251は、第一及び第二のESR制御部210,220を介して端子電極3,4と静電容量部230とを繋ぐ電流経路に加え、第四のESR制御部260を介して端子電極53,54と静電容量部280とを繋ぐ別の電流経路を並列状態で有することとなる。このように積層コンデンサ251が並列に配置される二種類の電流経路を備えることにより、第五実施形態と同様、ESRの更なる微調整を行うことができる。しかも、本実施形態では、第五実施形態と同様、第一及び第二のESR制御部210,220とは内部電極パターンが異なる第四のESR制御部260によって別の電流経路を設けるようにしている。このため、第四のESR制御部260による電流経路の長さを、第一又は第二のESR制御部210,220とは関係なく設定することができ、第四のESR制御部による電流経路の抵抗の値を一層細かく又は自由に設定できる。その結果、積層コンデンサ251におけるESRの値を一層、微調整することができる。
【0116】
(第七実施形態)
次に、図25及び図26を参照して、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の構成について説明する。積層コンデンサ301は、第二実施形態の積層コンデンサ51と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部310,320と静電容量部330とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部310,320や静電容量部330の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0117】
第一のESR制御部310は、図26(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極311,316から構成される。内部電極311,316は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極311は、主電極部312と引出電極部313a,313b,314とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極316は、主電極部317と引出電極部318a,318b,319とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0118】
第二のESR制御部320は、図26(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極321,326から構成される。内部電極321,326は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極321は、主電極部322と引出電極部323,324とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極326は、主電極部327と引出電極部328,329とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0119】
静電容量部330は、図26(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極331,336から構成される。内部電極331,336は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極331は、主電極部332と引出電極部333とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極336は、主電極部337と引出電極部338とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0120】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ301でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部320を備えており、第二のESR制御部320の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ301のESRを所望の値に調整することができる。
【0121】
ここで、第七実施形態にかかる積層コンデンサ301の変形例について図27〜図41を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ301は、図27に示されるように、第一及び第二のESR制御部310a,320aと静電容量部330aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図27に示されるように変更されている。
【0122】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ301は、図28に示されるように、第一及び第二のESR制御部310b,320bと静電容量部330bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部324,329,333,338の位置が図28に示されるように変更されている。
【0123】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ301は、図29に示されるように、第一及び第二のESR制御部310c,320cと静電容量部330cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図29に示されるように変更されている。
【0124】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ301は、図30に示されるように、第一及び第二のESR制御部310d,320dと静電容量部330dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図30に示されるように変更されている。
【0125】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ301は、図31に示されるように、第一及び第二のESR制御部310e,320eと静電容量部330eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図31に示されるように変更されている。
【0126】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ301は、図32に示されるように、第一及び第二のESR制御部310f,320fと静電容量部330fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,328の位置が図32に示されるように変更されている。
【0127】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ301は、図33に示されるように、第一及び第二のESR制御部310g,320gと静電容量部330gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部314,319,323,324,328,329,333,338の位置が図33に示されるように変更されている。
【0128】
また、第八変形例にかかる積層コンデンサ301は、図34に示されるように、第一及び第二のESR制御部310h,320hと静電容量部330hとを備えている。第八変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第八変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図34に示されるように変更されている。
【0129】
また、第九変形例にかかる積層コンデンサ301は、図35に示されるように、第一及び第二のESR制御部310i,320iと静電容量部330iとを備えている。第九変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体5、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体6、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第九変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図35に示されるように変更されている。
【0130】
また、第十変形例にかかる積層コンデンサ301は、図36に示されるように、第一及び第二のESR制御部310j,320jと静電容量部330jとを備えている。第十変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第十変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,318b,324,329,333,338の位置が図36に示されるように変更されている。
【0131】
また、第十一変形例にかかる積層コンデンサ301は、図37に示されるように、第一及び第二のESR制御部310k,320kと静電容量部330kとを備えている。第十一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第十一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,318bの位置が図37に示されるように変更されている。
【0132】
また、第十二変形例にかかる積層コンデンサ301は、図38に示されるように、第一及び第二のESR制御部310m,320mと静電容量部330mとを備えている。第十二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体8、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体7、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第十二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図38に示されるように変更されている。
【0133】
また、第十三変形例にかかる積層コンデンサ301は、図39に示されるように、第一及び第二のESR制御部310n,320nと静電容量部330nとを備えている。第十三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体7、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体8、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第十三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,328の位置が図39に示されるように変更されている。
【0134】
また、第十四変形例にかかる積層コンデンサ301は、図40に示されるように、第一及び第二のESR制御部310o,320oと静電容量部330oとを備えている。第十四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第十四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図40に示されるように変更されている。
【0135】
また、第十五変形例にかかる積層コンデンサ301は、図41に示されるように、第一及び第二のESR制御部310p,320pと静電容量部330pとを備えている。第十五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、外部接続導体6、端子電極3、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、外部接続導体5、端子電極4、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第十五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部313b,314,318b,319,323,324,328,329,333,338の位置が図41に示されるように変更されている。
【0136】
(第八実施形態)
次に、図42及び図43を参照して、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の構成について説明する。積層コンデンサ351は、第七実施形態の積層コンデンサ301と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部360,370と静電容量部380とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部360,370や静電容量部380の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0137】
第一のESR制御部360は、図43(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極361,366から構成される。内部電極361,366は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極361は、主電極部362と引出電極部363a,363b,364とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極366は、主電極部367と引出電極部368a,368b,369とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0138】
第二のESR制御部370は、図43(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極371,376から構成される。内部電極371,376は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極371は、主電極部372と引出電極部373,374とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極376は、主電極部377と引出電極部378,379とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0139】
静電容量部380は、図43(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極381,386から構成される。内部電極381,386は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極381は、主電極部382と引出電極部383とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極386は、主電極部387と引出電極部388とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0140】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ351でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部370を備えており、第二のESR制御部370の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ351のESRを所望の値に調整することができる。
【0141】
ここで、第八実施形態にかかる積層コンデンサ351の変形例について図44〜図50を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ351は、図44に示されるように、第一及び第二のESR制御部360a,370aと静電容量部380aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部374,379,383,388の位置が図44に示されるように変更されている。
【0142】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ351は、図45に示されるように、第一及び第二のESR制御部360b,370bと静電容量部380bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図45に示されるように変更されている。
【0143】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ351は、図46に示されるように、第一及び第二のESR制御部360c,370cと静電容量部380cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図46に示されるように変更されている。
【0144】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ351は、図47に示されるように、第一及び第二のESR制御部360d,370dと静電容量部380dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図47に示されるように変更されている。
【0145】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ351は、図48に示されるように、第一及び第二のESR制御部360e,370eと静電容量部380eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,378の位置が図48に示されるように変更されている。
【0146】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ351は、図49に示されるように、第一及び第二のESR制御部360f,370fと静電容量部380fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図49に示されるように変更されている。
【0147】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ351は、図50に示されるように、第一及び第二のESR制御部360g,370gと静電容量部380gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部364,369,373,374,378,379,383,388の位置が図50に示されるように変更されている。
【0148】
(第九実施形態)
次に、図51及び図52を参照して、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の構成について説明する。積層コンデンサ401は、第八実施形態の積層コンデンサ351と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部410,420と静電容量部430とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部410,420や静電容量部430の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0149】
第一のESR制御部410は、図52(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極411,416から構成される。内部電極411,416は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極411は、主電極部412と引出電極部413a,413b,414とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極416は、主電極部417と引出電極部418a,418b,419とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0150】
第二のESR制御部420は、図52(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極421,426から構成される。内部電極421,426は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極421は、主電極部422と引出電極部423,424とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極426は、主電極部427と引出電極部428,429とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0151】
静電容量部430は、図52(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極431,436から構成される。内部電極431,436は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極431は、主電極部432と引出電極部433とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極436は、主電極部437と引出電極部438とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0152】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ401でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部420を備えており、第二のESR制御部420の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ401のESRを所望の値に調整することができる。
【0153】
ここで、第九実施形態にかかる積層コンデンサ401の変形例について図53〜図59を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ401は、図53に示されるように、第一及び第二のESR制御部410a,420aと静電容量部430aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部424,429,433,438の位置が図53に示されるように変更されている。
【0154】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ401は、図54に示されるように、第一及び第二のESR制御部410b,420bと静電容量部430bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図54に示されるように変更されている。
【0155】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ401は、図55に示されるように、第一及び第二のESR制御部410c,420cと静電容量部430cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図55に示されるように変更されている。
【0156】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ401は、図56に示されるように、第一及び第二のESR制御部410d,420dと静電容量部430dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図56に示されるように変更されている。
【0157】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ401は、図57に示されるように、第一及び第二のESR制御部410e,420eと静電容量部430eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体6及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体5及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,428の位置が図57に示されるように変更されている。
【0158】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ401は、図58に示されるように、第一及び第二のESR制御部410f,420fと静電容量部430fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体7及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体8及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図58に示されるように変更されている。
【0159】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ401は、図59に示されるように、第一及び第二のESR制御部410g,420gと静電容量部430gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、端子電極54、外部接続導体8及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、端子電極53、外部接続導体7及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部414,419,423,424,428,429,433,438の位置が図59に示されるように変更されている。
【0160】
(第十実施形態)
次に、図60及び図61を参照して、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の構成について説明する。積層コンデンサ451は、第九実施形態の積層コンデンサ401と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部460,470と静電容量部480とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部460,470や静電容量部480の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0161】
第一のESR制御部460は、図61(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極461,466から構成される。内部電極461,466は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極461は、主電極部462と引出電極部463a,463b,464とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極466は、主電極部467と引出電極部468a,468b,469とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0162】
第二のESR制御部470は、図61(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極471,476から構成される。内部電極471,476は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極471は、主電極部472と引出電極部473,474とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極476は、主電極部477と引出電極部478,479とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0163】
静電容量部480は、図61(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極481,486から構成される。内部電極481,486は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極481は、主電極部482と引出電極部483とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極486は、主電極部487と引出電極部488とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0164】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ451でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部470を備えており、第二のESR制御部470の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ451のESRを所望の値に調整することができる。
【0165】
ここで、第十実施形態にかかる積層コンデンサ451の変形例について図62〜図68を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ451は、図62に示されるように、第一及び第二のESR制御部460a,470aと静電容量部480aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部474,479,483,488の位置が図62に示されるように変更されている。
【0166】
第二変形例にかかる積層コンデンサ451は、図63に示されるように、第一及び第二のESR制御部460b,470bと静電容量部480bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図63に示されるように変更されている。
【0167】
第三変形例にかかる積層コンデンサ451は、図64に示されるように、第一及び第二のESR制御部460c,470cと静電容量部480cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図64に示されるように変更されている。
【0168】
第四変形例にかかる積層コンデンサ451は、図65に示されるように、第一及び第二のESR制御部460d,470dと静電容量部480dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図65に示されるように変更されている。
【0169】
第五変形例にかかる積層コンデンサ451は、図66に示されるように、第一及び第二のESR制御部460e,470eと静電容量部480eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,478の位置が図66に示されるように変更されている。
【0170】
第六変形例にかかる積層コンデンサ451は、図67に示されるように、第一及び第二のESR制御部460f,470fと静電容量部480fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図67に示されるように変更されている。
【0171】
第七変形例にかかる積層コンデンサ451は、図68に示されるように、第一及び第二のESR制御部460g,470gと静電容量部480gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部464,469,473,474,478,479,483,488の位置が図68に示されるように変更されている。
【0172】
(第十一実施形態)
次に、図69及び図70を参照して、第十一実施形態にかかる積層コンデンサ501の構成について説明する。積層コンデンサ501は、第十実施形態の積層コンデンサ451と同様、略直方体形状の素体2と、端子電極3,4,53,54と、外部接続導体5〜8とを備え、素体2の内部に、第一及び第二のESR制御部510,520と静電容量部530とを備えている。本実施形態では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。なお、第一及び第二のESR制御部510,520や静電容量部530の積層数や積層位置を変更させることで、ESRを所望の値に調整できる点は他の実施形態と同様である。
【0173】
第一のESR制御部510は、図70(a)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極511,516から構成される。内部電極511,516は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極511は、主電極部512と引出電極部513a,513b,514とを含み、端子電極3,53と外部接続導体5とを接続する。内部電極516は、主電極部517と引出電極部518a,518b,519とを含み、端子電極4,54と外部接続導体6とを接続する。
【0174】
第二のESR制御部520は、図70(b)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極521,526から構成される。内部電極521,526は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極521は、主電極部522と引出電極部523,524とを含み、外部接続導体5,7を接続する。内部電極526は、主電極部527と引出電極部528,529とを含み、外部接続導体6,8を接続する。
【0175】
静電容量部530は、図70(c)に示されるように、それぞれが別の誘電体層2g上に形成される内部電極531,536から構成される。内部電極531,536は、誘電体層2gを介して積層方向に互いに対向するように積層され、一対の内部電極層を構成する。内部電極531は、主電極部532と引出電極部533とを含み、外部接続導体7に接続する。内部電極536は、主電極部537と引出電極部538とを含み、外部接続導体8に接続する。
【0176】
以上のように、上述したような内部電極パターンを備えた積層コンデンサ501でも、上述した各実施形態と同様、第二のESR制御部520を備えており、第二のESR制御部520の積層数や積層位置の少なくとも一方を変更することにより、積層コンデンサ501のESRを所望の値に調整することができる。
【0177】
ここで、第十一実施形態にかかる積層コンデンサ501の変形例について図71〜図77を参照して簡単に説明する。第一変形例にかかる積層コンデンサ501は、図71に示されるように、第一及び第二のESR制御部510a,520aと静電容量部530aとを備えている。第一変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体5、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体6、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第一変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部524,529,533,538の位置が図71に示されるように変更されている。
【0178】
また、第二変形例にかかる積層コンデンサ501は、図72に示されるように、第一及び第二のESR制御部510b,520bと静電容量部530bとを備えている。第二変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第二変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図72に示されるように変更されている。
【0179】
また、第三変形例にかかる積層コンデンサ501は、図73に示されるように、第一及び第二のESR制御部510c,520cと静電容量部530cとを備えている。第三変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体5の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体6の順で電極等が配置される。そして、第三変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図73に示されるように変更されている。
【0180】
また、第四変形例にかかる積層コンデンサ501は、図74に示されるように、第一及び第二のESR制御部510d,520dと静電容量部530dとを備えている。第四変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体8の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体7の順で電極等が配置される。そして、第四変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図74に示されるように変更されている。
【0181】
また、第五変形例にかかる積層コンデンサ501は、図75に示されるように、第一及び第二のESR制御部510e,520eと静電容量部530eとを備えている。第五変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体6、端子電極54及び外部接続導体7の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体5、端子電極53及び外部接続導体8の順で電極等が配置される。そして、第五変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,528の位置が図75に示されるように変更されている。
【0182】
また、第六変形例にかかる積層コンデンサ501は、図76に示されるように、第一及び第二のESR制御部510f,520fと静電容量部530fとを備えている。第六変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体8、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体7、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第六変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図76に示されるように変更されている。
【0183】
また、第七変形例にかかる積層コンデンサ501は、図77に示されるように、第一及び第二のESR制御部510g,520gと静電容量部530gとを備えている。第七変形例では、第一の端面2eから第二の端面2fに向かって、第一の側面2cに、端子電極3、外部接続導体7、端子電極54及び外部接続導体6の順で電極等が配置され、第二の側面2dには、端子電極4、外部接続導体8、端子電極53及び外部接続導体5の順で電極等が配置される。そして、第七変形例では、このような電極等の配置に応じて、各内部電極の引出電極部514,519,523,524,528,529,533,538の位置が図77に示されるように変更されている。
【0184】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、内部電極のパターンを多数示したが、内部電極のパターンはこれらに限定されるものではなく、他のパターンであってもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他のパターンを採用するようにしてももちろんよい。また、第一、第二のESR制御部や静電容量部の積層数は上述した積層数(素体2全体として10層)に限定されるわけではなく、例えば100層又はそれ以上の積層数からなっていてもよい。
【符号の説明】
【0185】
1…積層コンデンサ、2…素体、3,4…端子電極、5,6…第一の外部接続導体、7,8…第二の外部接続導体、10…第一のESR制御部、20…第二のESR制御部、30…静電容量部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子電極と、
第一及び第二の外部接続導体と、
前記端子電極と前記第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、
前記第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる前記第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、
前記第一のESR制御部が接続される前記第一の外部接続導体と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備え、
前記第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されていることを特徴とする積層コンデンサ。
【請求項2】
第三の外部接続導体を更に備え、
前記第二のESR制御部は、少なくとも2つの内部接続導体を有しており、
前記少なくとも2つの内部接続導体は、前記第三の外部接続導体により互いに接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサ。
【請求項3】
前記端子電極が同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、前記第一のESR制御部が前記第一の端子電極に接続されており、
前記第一のESR制御部が接続される前記第一の端子電極とは異なる前記第二の端子電極と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第三のESR制御部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
前記第一のESR制御部の内部接続導体と前記第三のESR制御部の内部接続導体とが前記誘電体の積層方向において同層に形成されることを特徴とする請求項3記載の積層コンデンサ。
【請求項5】
前記第一のESR制御部の内部接続導体と前記第三のESR制御部の内部接続導体とが前記誘電体の積層方向において異なる層に形成されることを特徴とする請求項3記載の積層コンデンサ。
【請求項6】
前記端子電極が同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、前記第一のESR制御部が前記第一の端子電極に接続されており、
第四の外部接続導体と、前記第四の外部接続導体に接続される別の静電容量部と、前記第一のESR制御部が接続される前記第一の端子電極とは異なる前記第二の端子電極と前記別の静電容量部が接続される前記第四の外部接続導体とに接続される第四のESR制御部と、を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
【請求項7】
端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、前記端子電極と前記第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、前記第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる前記第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、前記第一のESR制御部が接続される前記第一の外部接続導体と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備えた積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法であって、
前記第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより等価直列抵抗を所望の値に調整することを特徴とする積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法。
【請求項1】
端子電極と、
第一及び第二の外部接続導体と、
前記端子電極と前記第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、
前記第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる前記第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、
前記第一のESR制御部が接続される前記第一の外部接続導体と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備え、
前記第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより、等価直列抵抗が所望の値に調整されていることを特徴とする積層コンデンサ。
【請求項2】
第三の外部接続導体を更に備え、
前記第二のESR制御部は、少なくとも2つの内部接続導体を有しており、
前記少なくとも2つの内部接続導体は、前記第三の外部接続導体により互いに接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層コンデンサ。
【請求項3】
前記端子電極が同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、前記第一のESR制御部が前記第一の端子電極に接続されており、
前記第一のESR制御部が接続される前記第一の端子電極とは異なる前記第二の端子電極と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第三のESR制御部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
前記第一のESR制御部の内部接続導体と前記第三のESR制御部の内部接続導体とが前記誘電体の積層方向において同層に形成されることを特徴とする請求項3記載の積層コンデンサ。
【請求項5】
前記第一のESR制御部の内部接続導体と前記第三のESR制御部の内部接続導体とが前記誘電体の積層方向において異なる層に形成されることを特徴とする請求項3記載の積層コンデンサ。
【請求項6】
前記端子電極が同極性に接続される第一及び第二の端子電極であり、且つ、前記第一のESR制御部が前記第一の端子電極に接続されており、
第四の外部接続導体と、前記第四の外部接続導体に接続される別の静電容量部と、前記第一のESR制御部が接続される前記第一の端子電極とは異なる前記第二の端子電極と前記別の静電容量部が接続される前記第四の外部接続導体とに接続される第四のESR制御部と、を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層コンデンサ。
【請求項7】
端子電極と、第一及び第二の外部接続導体と、前記端子電極と前記第一の外部接続導体とに接続される第一のESR制御部と、前記第一のESR制御部が接続される第一の外部接続導体とは異なる前記第二の外部接続導体に接続される静電容量部と、前記第一のESR制御部が接続される前記第一の外部接続導体と前記静電容量部が接続される前記第二の外部接続導体とに接続される第二のESR制御部と、を備えた積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法であって、
前記第二のESR制御部の積層数及び積層位置の少なくとも一方を変更することにより等価直列抵抗を所望の値に調整することを特徴とする積層コンデンサの等価直列抵抗の調整方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
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【図32】
【図33】
【図34】
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【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
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【図43】
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【図45】
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【図48】
【図49】
【図50】
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【図53】
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【図58】
【図59】
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【図66】
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【図68】
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【図48】
【図49】
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【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
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【図65】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【公開番号】特開2011−171598(P2011−171598A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35265(P2010−35265)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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