積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びに可食性粘着剤組成物
【課題】 衛生上の安心感において優れる、積層シート体を提供する。
【解決手段】 積層シート体1は、複数枚のシート材2、2が接着層3を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材2、2を剥がして使用する。そして、接着層3は、可食性粘着剤組成物で形成されている。この積層シート体1にあっては、各シート材2、2が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層3を介して重ねられているため、積層シート体1から剥がしたシート材2に接着層3が付着していても、その積層シート体1の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体1を使用することができる。
【解決手段】 積層シート体1は、複数枚のシート材2、2が接着層3を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材2、2を剥がして使用する。そして、接着層3は、可食性粘着剤組成物で形成されている。この積層シート体1にあっては、各シート材2、2が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層3を介して重ねられているため、積層シート体1から剥がしたシート材2に接着層3が付着していても、その積層シート体1の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体1を使用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する、積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チューインガム等を、個別に包装することなく、そのまま複数個まとめて収容する容器があった(例えば、特許文献1、図5参照)。この容器の外面には、複数枚のシート片が一方の端部で接着され束ねられた積層体が貼着されており、ガムを噛み終えたときに、前記積層体から1枚ずつシート片を剥がし、噛み終えたガムを包んで捨てることができるようになっていた。また、近時では、このような積層体を、包装されていない粒状等のガムとともに容器内に収容した状態で販売されているガム商品もある。
【特許文献1】特開平9−255035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記積層体から剥がしたシート片には接着剤が付着しており、噛み終えたガムを包んで捨てる際に、この接着剤が人の唇、舌などに触れて体内に入る虞がある。また、前記積層体を容器内に収容する場合には、前記接着剤が容器内のガムと接触することもある。したがって、消費者に衛生上の不安感を起こさせないためにも、前記積層体には、より安心感のある接着剤を用いることが望まれた。
【0004】
この発明は、上記した事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、衛生上の安心感において優れた積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を提供することにある。
【0005】
また、他の目的は、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体、およびその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を提供することにある。
【0006】
さらに、他の目的は、前記積層シート体を効率よく製造することができる、積層シート体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びに可食性粘着剤組成物は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、請求項1に記載の発明に係る積層シート体は、複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する。そして、前記接着層は可食性粘着剤組成物によって形成されている。
【0008】
この積層シート体にあっては、各シート材が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層を介して重ねられているため、積層シート体から剥がしたシート材に接着層が付着していても、その積層シート体の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材をガムの捨て紙として使用する場合においては、シート材に付着した接着層が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体の接着層が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る積層シート体は、請求項1に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とすることが望ましい。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2または3に記載の積層シート体において、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とすることが望ましい。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項4に記載の積層シート体において、多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上であることが望ましい。
【0013】
また、請求項6に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することが望ましい。ここにおいて、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体の積層状態を保持しにくくなる虞がある。しかしながら、この積層シート体の接着層を形成する可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体を提供することができる。
【0014】
また、請求項7に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層シート体において、前記接着層は、前記シート材の表面に間隔を置いて形成されるのが好ましい。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層シート体を製造する、積層シート体の製造方法である。この製造方法では、前記シート材を複数枚取ることのできるシート素材に対して、それらシート材が縦方向または/および横方向に連続して並ぶように区画する区画基準線を定めるとともに、そのシート素材の、前記区画基準線によって区画されるシート材領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布する。そして、前記シート素材を、前記可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線に沿って断裁する。このように、区画基準線による区画に基づいて、シート素材に、可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、さらに、そのシート素材を複数枚重ねたまま、区画基準線に沿って断裁することで、積層シート体を効率よく製造することができる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項8に記載の積層シート体の製造方法において、前記シート素材の、前記縦方向と前記横方向とのいずれかの方向に沿って一つ置きに並ぶ前記区画基準線に跨るようにして、前記可食性粘着剤組成物を塗布する。これにより、区画される前記シート材領域の、前記一つ置きに並ぶ区画基準線側の端部に、可食性粘着剤組成物が塗布されることとなる。そして、可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ねたシート素材を、区画基準線に沿って断裁することで、一方側の端部(すなわち、前記一つ置きに並ぶ区画基準線側の端部)に接着層が形成されたシート材が、複数枚重ねられてなる、積層シート体が製造される。ここで、前記一つ置きに並ぶ区画基準線に跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布しているため、区画基準線に対して、万が一、前記いずれかの方向において若干ずれて、シート素材を断裁しても、接着層を、シート材の前記一方側の端部に確実に形成することができ、前記一方側の端部とは反対側となる他方側の端部に接着層を形成したり、あるいは、前記一方側の端部から離れて接着層を形成してしまうことを避けることができる。
【0017】
また、請求項10に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項8または9に記載の積層シート体の製造方法において、前記可食性粘着剤組成物を、区画される前記シート材領域の表面に間隔を置いて塗布することを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項11に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。ここで、前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする。また、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする。
【0019】
この可食性粘着剤組成物は、前述した可食性粘着剤および可食性可塑剤を含有してなるため、衛生上の安心感において優れる。これにより、この可食性粘着剤組成物を、例えば、接着層を介して重ねられた各シート材を剥がして使用する、積層シート体等の製造に好適に用いることができる。すなわち、この可食性粘着剤組成物によって前記積層シート体の接着層を形成することで、積層シート体から剥がしたシート材に接着層が付着していても、その積層シート体の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材をガムの捨て紙として使用する場合においては、シート材に付着した接着層が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体の接着層が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0020】
また、請求項12に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物のように、請求項11に記載の可食性粘着剤組成物において、多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上であることが望ましい。
【0021】
また、請求項13に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物のように、請求項11または12に記載の可食性粘着剤組成物において、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することが望ましい。ここにおいて、例えば、この可食性粘着剤組成物によって、前述した積層シート体の接着層を形成した場合に、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体の積層状態を保持しにくくなる虞がある。しかしながら、この可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体等の製造に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る積層シート体によれば、各シート材が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層を介して重ねられているため、衛生上の安心感において優れる。特に、可食性粘着剤組成物が、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有する場合には、その可食性粘着剤組成物は、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体を提供することができる。
【0023】
また、この発明に係る積層シート体の製造方法によれば、積層シート体を効率よく製造することができる。
【0024】
また、この発明に係る可食性粘着剤組成物によれば、衛生上の安心感において優れるので、この可食性粘着剤組成物によって、例えば、積層シート体の接着層を形成することで、衛生面において安心できる積層シート体を提供することができる。特に、この可食性粘着剤組成物が、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有する場合には、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体等の製造に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明に係る積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1ないし図11は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、積層シート体である。
【0027】
この積層シート体1は、複数枚のシート材2、2が接着層3を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材2、2を剥がして使用する。そして、接着層3は可食性粘着剤組成物によって形成されている。
【0028】
詳細には、シート材2は、例えば、紙、合成紙、合成樹脂シート等を素材として、例えば、矩形状(図示実施の形態においては、長方形状)に形成されている。また、シート材2の一側の面の、一方側の端部2a(図示実施の形態においては、シート材2の上側の面の、その長手方向における一方側の端部2a)に接着層3が形成されており、各シート材2、2が、その接着層3、3を介して互いに接合するように重ねられて、積層シート体1が形成されている(図1〜図4参照)。図示実施の形態においては、接着層3は、シート材2の表面、すなわち、前記一方側の端部2aの表面に間隔を置いて形成されている。また、積層シート体1の最上部には、シート材2より厚みのある台紙材4が、シート材2と同様に、接着層3を介して接合するように重ねられている。
【0029】
ここで、接着層3を形成する可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。具体的には、可食性粘着剤は、例えば、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク(グルテニン、グリアジン等)、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする。
【0030】
また、可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油(エッセンシャルオイル)から選ばれる一種以上を主成分とする。より具体的には、多価アルコールとして、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物等からなる群より、また、単糖として、例えば、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロース等からなる群より、また、二糖として、例えば、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオース等からなる群より、また、オリゴ糖として、例えば、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノース等からなる群より、また、潮解性のある無機塩類として、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等からなる群より、また、脂肪酸エステルとして、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチン等からなる群より、また、食用油脂として、例えば、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイル等からなる群より、また、脂肪酸として、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等からなる群より、また、精油として、例えば、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油等からなる群より選ばれる一種以上であるのが好ましい。
【0031】
ここにおいて、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材2、2が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体1の積層状態を保持しにくくなる虞がある。したがって、前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を、好ましくは、前記可食性可塑剤300〜500重量部を、さらに好ましくは、前記可食性可塑剤350〜450重量部を含有することが望まれる。また、この可食性粘着剤組成物は、他の成分(例えば、抗菌剤等)を含有していても構わない。
【0032】
ここで、積層シート体1の製造方法について、図5〜図10に基づいて説明する。まず、前記シート材2、2を複数枚取ることのできるシート素材2cに対して、それらシート材2、2が縦方向Pおよび横方向Qに連続して並ぶように区画する区画基準線10を定めるとともに、そのシート素材2cの、前記区画基準線10によって区画されるシート材2、2領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布する。そして、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線10に沿って断裁する。
【0033】
具体的には、溶剤(例えば、水、含水アルコール、エタノール等)に、前記可食性粘着剤、前記可食性可塑剤、および抗菌剤等の他の成分を溶解させて、液体状の可食性粘着剤組成物を生成する。その一方で、断裁機等で一定の大きさに大断ちしてなる大判のシート素材2c(図示実施の形態においては、例えば、ロール状に巻かれたシート原材2xを、長方形状に大断ちしてなるシート素材2c)に対して、シート材2、2が前記縦方向Pおよび前記横方向Qに連続して並ぶように、区画基準線10を定める。図示実施の形態においては、シート素材2cの上下および左右の四方に非区画部9を残すとともに、前記縦方向に5枚ずつ、また、前記横方向に4枚ずつ、シート材2が連続して並ぶようにして、区画基準線10を定めている(図5参照)。なお、図5においては、説明の便宜上、区画基準線10を想像線でシート素材2c上に表示しているが、実際には、図6に示すように、区画基準線10はシート素材2c上に表示されない。
【0034】
そして、印刷方法(例えば、グラビア印刷、シルク印刷、オフセット印刷、または、その他周知の印刷方法)によって、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布する。これにより、区画されるシート材2、2領域の、一つ置きに並ぶ区画基準線10a、10a側の端部(図示実施の形態においては、前記端部2aに相当する部分)に、可食性粘着剤組成物が塗布されることとなる。すなわち、シート素材2cには、区画基準線10と、塗布される可食性粘着剤組成物とによって、シート材2の向きが、前記縦方向Pに沿って交互に反転するようにして(換言すれば、シート材2、2が、互いの前記一方側の端部2a、2a、もしくは、それら端部2a、2aとは反対側となる他方側の端部2b、2bを突き合わせて並ぶようにして)、シート材2、2領域が区画されることとなる。なお、図示実施の形態においては、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に(詳細には、一つ置きに並ぶ区画基準線10aに沿って)間隔を置いて塗布している(図5参照)。また、一つ置きに並ぶ区画基準線10a側の端部(前記端部2aに相当する部分)と、非区画部9とが隣接する箇所においては、その一つ置きに並ぶ区画基準線10a側の端部と非区画部9とに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布している。
【0035】
こうして、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その塗布面を上にして一定枚数重ね、その上に、可食性粘着剤組成物が塗布されていない台紙素材4a(詳細には、シート素材2cと同様に、複数の前記台紙材4、4が前記縦方向Pおよび前記横方向Qに連続して並ぶように区画する区画基準線10が定められた台紙素材4a)を重ねて、シート素材群201を形成する(図7参照)。そして、このシート素材群201を、さらに複数組積み重ね、その積み重ねたままの状態で、断裁機等で、区画基準線10に沿って断裁する(図8〜図10参照)。こうして、端部2a、2aに、可食性粘着剤組成物による接着層3が形成されたシート材2が、複数枚重ねられてなる積層シート体1を、複数まとめて製造する。
【0036】
ここで、可食性粘着剤組成物の実施例において、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量(すなわち、可食性粘着剤100重量部に対する可食性可塑剤の含有量(重量部))を、表1、表2に示す。なお、表1、表2において、可塑剤、粘着剤は、それぞれ、可食性可塑剤、可食性粘着剤を意味する
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
また、前述した実施例1ないし7の可食性粘着剤組成物における、可食性粘着剤、可食性可塑剤、抗菌剤、および溶剤の、各成分の含有率(重量%)を、表3、表4に示す。なお、表3、表4において、可塑剤、粘着剤は、それぞれ、可食性可塑剤、可食性粘着剤を意味する。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
次に、以上の構成からなる積層シート体1、およびその積層シート体1の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物の作用効果について説明する。この積層シート体1は、台紙材4と反対側(すなわち、図1、図2における下側)のシート材2から、順次剥がして使用する。そして、この積層シート体1にあっては、各シート材2、2が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層3を介して重ねられているため、積層シート体1から剥がしたシート材2に接着層3が付着していても、積層シート体1の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体1を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材2をガムの捨て紙として使用する場合においては、噛み終えたガムをシート材2に包んで捨てるときに、そのシート材2に付着した接着層3が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体1が、包装されていないガムとともに容器内に収容されている場合に、その積層シート体1の接着層3(あるいは、剥がしたシート材2に付着した接着層3と接していた部分)が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0043】
また、この積層シート体1の接着層3を形成する可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層3の粘着力と、シート材2の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体1を提供することができる。
【0044】
また、区画基準線10による区画に基づいて、シート素材2cに、可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、さらに、そのシート素材2cを複数枚重ねた状態で、区画基準線10に沿って断裁することで、積層シート体1を効率よく製造することができる。特に、溶剤(例えば、水、含水アルコール、エタノール等)に、前記可食性粘着剤、前記可食性可塑剤等を溶解させてなる、液体状の可食性粘着剤組成物を用いることで、前記印刷方法で用いる印刷機器での、可食性粘着剤組成物の取り扱いが容易になる等、作業性が向上する。また、印刷方法については、特に、シルク印刷を用いることで、接着層3の厚みの調整を容易に行うことができる。
【0045】
また、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布することで、例えば、図11に示すように、区画基準線10(10a)に対して、万が一、前記縦方向Pにおいて若干ずれて、シート素材2cを断裁しても、接着層3を、積層シート体1の各シート材2、2の、一方側の端部2a、2aに確実に形成することができ、前記他方側の端部2b、2bに接着層3を形成したり、あるいは、一方側の端部2a、2aから離れて接着層3を形成してしまうことを避けることができる。
【0046】
また、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に(詳細には、一つ置きに並ぶ区画基準線10aに沿って)間隔を置いて塗布することで、積層シート体1の各シート材2、2における、可食性粘着剤組成物が塗布された部分(すなわち、接着層3が形成された部分)が水分を吸収して膨張することによって、その積層シート体1の一方側の端部(接着層3が形成されている側の端部)が、波を打ったように変形して、歪みが生じてしまうような虞を、極力低減することができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、シート材2は、長方形状等の矩形状に形成されていなくても、例えば、円形状等その他の形状に形成されてもよい。また、可食性粘着剤および可食性可塑剤は、前述した素材以外の可食性素材を主成分としてもよい。また、可食性粘着剤組成物が含有する、可食性粘着剤と可食性可塑剤との配合比、および、可食性粘着剤組成物を構成する各成分の含有率は、前述した値に限定されない。
【0048】
また、剥がしたシート材2に付着した接着層3の粘着力を利用して、その剥がしたシート材2を、再度付着させて使用してもよい。例えば、剥がしたシート材2を、包装されていない食品に直接貼付するメモ紙として使用してもよい。この場合においても、使用者あるいは消費者は、接着層3が食品と接触しても安心であるという、衛生上の安心感を持つことができる。
【0049】
また、積層シート体1を形成するシート材2にあっては、その両面に、接着層3が形成されていてもよい。また、前記長手方向における一方側の端部2aに接着層3が形成されていなくても、例えば、その長手方向と直交する方向における一方側の端部や、あるいは、シート材2の略全面に、接着層3が形成されていてもよい。こうした積層シート体1の製造方法にあっては、シート素材2cの所定の範囲に、可食性粘着剤組成物を塗布すればよい。また、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に間隔を置かずに塗布してもよい。要するに、可食性粘着剤組成物の塗布箇所および範囲は任意に設定することができる。
【0050】
また、一定の大きさに大断ちする前のシート素材2c(すなわち、シート原材2xと繋がったままの状態であるシート素材2c)に、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。この場合にあっては、シート原材2xと繋がったままのシート素材2cに、可食性粘着剤組成物を塗布した後、それらシート原材2xとシート素材2cとを分断するとともに、その分断されたシート素材2cを、可食性粘着剤組成物を介して、複数枚重ねることとなる。
【0051】
また、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布しなくても、例えば、前記横方向Qに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線に跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。あるいは、区画基準線10に跨らないようにして、すなわち、区画基準線10に沿って、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。
【0052】
また、シート材2、2が前記縦方向Pと前記横方向Qとのいずれかの方向にのみ、連続して並ぶようにして、区画基準線10を定めてもよい。また、必ずしも、シート素材2cの上下および左右の四方に非区画部9を残す必要はなく、したがって、例えば、シート材2が、シート素材2cの略全面に渡って連続して並ぶように、区画基準線10を定めてもよい。すなわち、区画基準線10によって区画されるシート材2、2領域は、図示実施の形態に限定されず、任意に設定することができる。
【0053】
また、シート素材2cを一定枚数重ね、その上に台紙素材4aを重ねなくても、反対に、台紙素材4aの上に、シート素材2cを一定枚数重ねてもよい。また、シート素材群201を複数組積み重ね、その積み重ねたままの状態で断裁しなくても、各シート素材群201を個別に断裁してもよい。
【0054】
また、積層シート体1は、シート素材2cと同一の素材からなるシートを、台紙材4の代わりに用いてもよい。すなわち、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その塗布面を上にして一定枚数重ね、その上に、可食性粘着剤組成物が塗布されていないシート素材2cを重ねるとともに、重ねたまま区画基準線10に沿って断裁してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施の形態の、積層シート体の、模式的な斜視図である。
【図2】同じく、模式的な分解斜視図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線による、概略的な部分拡大断面図である。
【図4】同じく、図2における図3相当図である。
【図5】同じく、積層シート体の製造方法における、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材を示す、模式的な斜視図であって、区画基準線を表示している。
【図6】同じく、積層シート体の製造方法における、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材を示す、模式的な斜視図であって、区画基準線を表示していない。
【図7】同じく、台紙素材を重ねたシート素材群を示す、模式的な斜視図である。
【図8】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を示す、模式的な斜視図である。
【図9】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を、積み重ねたまま断裁した状態を示す、模式的な斜視図である。
【図10】同じく、図9における部分拡大斜視図であって、形成された積層シート体における、台紙材とシート材との間の接着層の構造を示している。
【図11】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を、縦方向において若干ずれて断裁した場合における、図10相当図である。
【符号の説明】
【0056】
1 積層シート体
2 シート材
2c シート素材
3 接着層
10(10a) 区画基準線
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する、積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、チューインガム等を、個別に包装することなく、そのまま複数個まとめて収容する容器があった(例えば、特許文献1、図5参照)。この容器の外面には、複数枚のシート片が一方の端部で接着され束ねられた積層体が貼着されており、ガムを噛み終えたときに、前記積層体から1枚ずつシート片を剥がし、噛み終えたガムを包んで捨てることができるようになっていた。また、近時では、このような積層体を、包装されていない粒状等のガムとともに容器内に収容した状態で販売されているガム商品もある。
【特許文献1】特開平9−255035号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記積層体から剥がしたシート片には接着剤が付着しており、噛み終えたガムを包んで捨てる際に、この接着剤が人の唇、舌などに触れて体内に入る虞がある。また、前記積層体を容器内に収容する場合には、前記接着剤が容器内のガムと接触することもある。したがって、消費者に衛生上の不安感を起こさせないためにも、前記積層体には、より安心感のある接着剤を用いることが望まれた。
【0004】
この発明は、上記した事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、衛生上の安心感において優れた積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を提供することにある。
【0005】
また、他の目的は、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体、およびその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を提供することにある。
【0006】
さらに、他の目的は、前記積層シート体を効率よく製造することができる、積層シート体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びに可食性粘着剤組成物は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、請求項1に記載の発明に係る積層シート体は、複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する。そして、前記接着層は可食性粘着剤組成物によって形成されている。
【0008】
この積層シート体にあっては、各シート材が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層を介して重ねられているため、積層シート体から剥がしたシート材に接着層が付着していても、その積層シート体の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材をガムの捨て紙として使用する場合においては、シート材に付着した接着層が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体の接着層が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明に係る積層シート体は、請求項1に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とすることが望ましい。
【0011】
また、請求項4に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2または3に記載の積層シート体において、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とすることが望ましい。
【0012】
また、請求項5に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項4に記載の積層シート体において、多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上であることが望ましい。
【0013】
また、請求項6に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の積層シート体において、前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することが望ましい。ここにおいて、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体の積層状態を保持しにくくなる虞がある。しかしながら、この積層シート体の接着層を形成する可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体を提供することができる。
【0014】
また、請求項7に記載の発明に係る積層シート体のように、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層シート体において、前記接着層は、前記シート材の表面に間隔を置いて形成されるのが好ましい。
【0015】
また、請求項8に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層シート体を製造する、積層シート体の製造方法である。この製造方法では、前記シート材を複数枚取ることのできるシート素材に対して、それらシート材が縦方向または/および横方向に連続して並ぶように区画する区画基準線を定めるとともに、そのシート素材の、前記区画基準線によって区画されるシート材領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布する。そして、前記シート素材を、前記可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線に沿って断裁する。このように、区画基準線による区画に基づいて、シート素材に、可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、さらに、そのシート素材を複数枚重ねたまま、区画基準線に沿って断裁することで、積層シート体を効率よく製造することができる。
【0016】
また、請求項9に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項8に記載の積層シート体の製造方法において、前記シート素材の、前記縦方向と前記横方向とのいずれかの方向に沿って一つ置きに並ぶ前記区画基準線に跨るようにして、前記可食性粘着剤組成物を塗布する。これにより、区画される前記シート材領域の、前記一つ置きに並ぶ区画基準線側の端部に、可食性粘着剤組成物が塗布されることとなる。そして、可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ねたシート素材を、区画基準線に沿って断裁することで、一方側の端部(すなわち、前記一つ置きに並ぶ区画基準線側の端部)に接着層が形成されたシート材が、複数枚重ねられてなる、積層シート体が製造される。ここで、前記一つ置きに並ぶ区画基準線に跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布しているため、区画基準線に対して、万が一、前記いずれかの方向において若干ずれて、シート素材を断裁しても、接着層を、シート材の前記一方側の端部に確実に形成することができ、前記一方側の端部とは反対側となる他方側の端部に接着層を形成したり、あるいは、前記一方側の端部から離れて接着層を形成してしまうことを避けることができる。
【0017】
また、請求項10に記載の発明に係る積層シート体の製造方法は、請求項8または9に記載の積層シート体の製造方法において、前記可食性粘着剤組成物を、区画される前記シート材領域の表面に間隔を置いて塗布することを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項11に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。ここで、前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする。また、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする。
【0019】
この可食性粘着剤組成物は、前述した可食性粘着剤および可食性可塑剤を含有してなるため、衛生上の安心感において優れる。これにより、この可食性粘着剤組成物を、例えば、接着層を介して重ねられた各シート材を剥がして使用する、積層シート体等の製造に好適に用いることができる。すなわち、この可食性粘着剤組成物によって前記積層シート体の接着層を形成することで、積層シート体から剥がしたシート材に接着層が付着していても、その積層シート体の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材をガムの捨て紙として使用する場合においては、シート材に付着した接着層が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体の接着層が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0020】
また、請求項12に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物のように、請求項11に記載の可食性粘着剤組成物において、多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上であることが望ましい。
【0021】
また、請求項13に記載の発明に係る可食性粘着剤組成物のように、請求項11または12に記載の可食性粘着剤組成物において、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することが望ましい。ここにおいて、例えば、この可食性粘着剤組成物によって、前述した積層シート体の接着層を形成した場合に、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体の積層状態を保持しにくくなる虞がある。しかしながら、この可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体等の製造に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明に係る積層シート体によれば、各シート材が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層を介して重ねられているため、衛生上の安心感において優れる。特に、可食性粘着剤組成物が、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有する場合には、その可食性粘着剤組成物は、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体を提供することができる。
【0023】
また、この発明に係る積層シート体の製造方法によれば、積層シート体を効率よく製造することができる。
【0024】
また、この発明に係る可食性粘着剤組成物によれば、衛生上の安心感において優れるので、この可食性粘着剤組成物によって、例えば、積層シート体の接着層を形成することで、衛生面において安心できる積層シート体を提供することができる。特に、この可食性粘着剤組成物が、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有する場合には、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層の粘着力と、シート材の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体等の製造に好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明に係る積層シート体、およびその積層シート体の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1ないし図11は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、積層シート体である。
【0027】
この積層シート体1は、複数枚のシート材2、2が接着層3を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材2、2を剥がして使用する。そして、接着層3は可食性粘着剤組成物によって形成されている。
【0028】
詳細には、シート材2は、例えば、紙、合成紙、合成樹脂シート等を素材として、例えば、矩形状(図示実施の形態においては、長方形状)に形成されている。また、シート材2の一側の面の、一方側の端部2a(図示実施の形態においては、シート材2の上側の面の、その長手方向における一方側の端部2a)に接着層3が形成されており、各シート材2、2が、その接着層3、3を介して互いに接合するように重ねられて、積層シート体1が形成されている(図1〜図4参照)。図示実施の形態においては、接着層3は、シート材2の表面、すなわち、前記一方側の端部2aの表面に間隔を置いて形成されている。また、積層シート体1の最上部には、シート材2より厚みのある台紙材4が、シート材2と同様に、接着層3を介して接合するように重ねられている。
【0029】
ここで、接着層3を形成する可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する。具体的には、可食性粘着剤は、例えば、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク(グルテニン、グリアジン等)、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする。
【0030】
また、可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油(エッセンシャルオイル)から選ばれる一種以上を主成分とする。より具体的には、多価アルコールとして、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物等からなる群より、また、単糖として、例えば、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロース等からなる群より、また、二糖として、例えば、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオース等からなる群より、また、オリゴ糖として、例えば、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノース等からなる群より、また、潮解性のある無機塩類として、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等からなる群より、また、脂肪酸エステルとして、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチン等からなる群より、また、食用油脂として、例えば、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイル等からなる群より、また、脂肪酸として、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等からなる群より、また、精油として、例えば、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油等からなる群より選ばれる一種以上であるのが好ましい。
【0031】
ここにおいて、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が少ないと、可食性粘着剤組成物が乾燥し易くなるので、各シート材2、2が互いに固着して剥がれにくくなる時期が早まる虞がある。また、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量が多いと、可食性粘着剤組成物の粘着力が弱まるので、積層シート体1の積層状態を保持しにくくなる虞がある。したがって、前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を、好ましくは、前記可食性可塑剤300〜500重量部を、さらに好ましくは、前記可食性可塑剤350〜450重量部を含有することが望まれる。また、この可食性粘着剤組成物は、他の成分(例えば、抗菌剤等)を含有していても構わない。
【0032】
ここで、積層シート体1の製造方法について、図5〜図10に基づいて説明する。まず、前記シート材2、2を複数枚取ることのできるシート素材2cに対して、それらシート材2、2が縦方向Pおよび横方向Qに連続して並ぶように区画する区画基準線10を定めるとともに、そのシート素材2cの、前記区画基準線10によって区画されるシート材2、2領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布する。そして、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線10に沿って断裁する。
【0033】
具体的には、溶剤(例えば、水、含水アルコール、エタノール等)に、前記可食性粘着剤、前記可食性可塑剤、および抗菌剤等の他の成分を溶解させて、液体状の可食性粘着剤組成物を生成する。その一方で、断裁機等で一定の大きさに大断ちしてなる大判のシート素材2c(図示実施の形態においては、例えば、ロール状に巻かれたシート原材2xを、長方形状に大断ちしてなるシート素材2c)に対して、シート材2、2が前記縦方向Pおよび前記横方向Qに連続して並ぶように、区画基準線10を定める。図示実施の形態においては、シート素材2cの上下および左右の四方に非区画部9を残すとともに、前記縦方向に5枚ずつ、また、前記横方向に4枚ずつ、シート材2が連続して並ぶようにして、区画基準線10を定めている(図5参照)。なお、図5においては、説明の便宜上、区画基準線10を想像線でシート素材2c上に表示しているが、実際には、図6に示すように、区画基準線10はシート素材2c上に表示されない。
【0034】
そして、印刷方法(例えば、グラビア印刷、シルク印刷、オフセット印刷、または、その他周知の印刷方法)によって、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布する。これにより、区画されるシート材2、2領域の、一つ置きに並ぶ区画基準線10a、10a側の端部(図示実施の形態においては、前記端部2aに相当する部分)に、可食性粘着剤組成物が塗布されることとなる。すなわち、シート素材2cには、区画基準線10と、塗布される可食性粘着剤組成物とによって、シート材2の向きが、前記縦方向Pに沿って交互に反転するようにして(換言すれば、シート材2、2が、互いの前記一方側の端部2a、2a、もしくは、それら端部2a、2aとは反対側となる他方側の端部2b、2bを突き合わせて並ぶようにして)、シート材2、2領域が区画されることとなる。なお、図示実施の形態においては、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に(詳細には、一つ置きに並ぶ区画基準線10aに沿って)間隔を置いて塗布している(図5参照)。また、一つ置きに並ぶ区画基準線10a側の端部(前記端部2aに相当する部分)と、非区画部9とが隣接する箇所においては、その一つ置きに並ぶ区画基準線10a側の端部と非区画部9とに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布している。
【0035】
こうして、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その塗布面を上にして一定枚数重ね、その上に、可食性粘着剤組成物が塗布されていない台紙素材4a(詳細には、シート素材2cと同様に、複数の前記台紙材4、4が前記縦方向Pおよび前記横方向Qに連続して並ぶように区画する区画基準線10が定められた台紙素材4a)を重ねて、シート素材群201を形成する(図7参照)。そして、このシート素材群201を、さらに複数組積み重ね、その積み重ねたままの状態で、断裁機等で、区画基準線10に沿って断裁する(図8〜図10参照)。こうして、端部2a、2aに、可食性粘着剤組成物による接着層3が形成されたシート材2が、複数枚重ねられてなる積層シート体1を、複数まとめて製造する。
【0036】
ここで、可食性粘着剤組成物の実施例において、可食性粘着剤に対する可食性可塑剤の含有量(すなわち、可食性粘着剤100重量部に対する可食性可塑剤の含有量(重量部))を、表1、表2に示す。なお、表1、表2において、可塑剤、粘着剤は、それぞれ、可食性可塑剤、可食性粘着剤を意味する
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
また、前述した実施例1ないし7の可食性粘着剤組成物における、可食性粘着剤、可食性可塑剤、抗菌剤、および溶剤の、各成分の含有率(重量%)を、表3、表4に示す。なお、表3、表4において、可塑剤、粘着剤は、それぞれ、可食性可塑剤、可食性粘着剤を意味する。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
次に、以上の構成からなる積層シート体1、およびその積層シート体1の製造方法、並びにその積層シート体等の製造に好適に用いることができる可食性粘着剤組成物の作用効果について説明する。この積層シート体1は、台紙材4と反対側(すなわち、図1、図2における下側)のシート材2から、順次剥がして使用する。そして、この積層シート体1にあっては、各シート材2、2が、可食性粘着剤組成物によって形成される接着層3を介して重ねられているため、積層シート体1から剥がしたシート材2に接着層3が付着していても、積層シート体1の使用者、消費者は、衛生面において安心して、その積層シート体1を使用することができる。したがって、例えば、剥がしたシート材2をガムの捨て紙として使用する場合においては、噛み終えたガムをシート材2に包んで捨てるときに、そのシート材2に付着した接着層3が唇、舌などに触れても安心であるとか、また、積層シート体1が、包装されていないガムとともに容器内に収容されている場合に、その積層シート体1の接着層3(あるいは、剥がしたシート材2に付着した接着層3と接していた部分)が容器内でガムと接触しても安心であるとかの、衛生上の安心感を、使用者、消費者に与えることができる。
【0043】
また、この積層シート体1の接着層3を形成する可食性粘着剤組成物にあっては、可食性粘着剤100重量部に対し、可食性可塑剤100〜500重量部を含有するため、適度な粘着力を備えながら、乾燥しにくくなるので、接着層3の粘着力と、シート材2の剥がし易さとを、ともに保持するのに有利な積層シート体1を提供することができる。
【0044】
また、区画基準線10による区画に基づいて、シート素材2cに、可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、さらに、そのシート素材2cを複数枚重ねた状態で、区画基準線10に沿って断裁することで、積層シート体1を効率よく製造することができる。特に、溶剤(例えば、水、含水アルコール、エタノール等)に、前記可食性粘着剤、前記可食性可塑剤等を溶解させてなる、液体状の可食性粘着剤組成物を用いることで、前記印刷方法で用いる印刷機器での、可食性粘着剤組成物の取り扱いが容易になる等、作業性が向上する。また、印刷方法については、特に、シルク印刷を用いることで、接着層3の厚みの調整を容易に行うことができる。
【0045】
また、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布することで、例えば、図11に示すように、区画基準線10(10a)に対して、万が一、前記縦方向Pにおいて若干ずれて、シート素材2cを断裁しても、接着層3を、積層シート体1の各シート材2、2の、一方側の端部2a、2aに確実に形成することができ、前記他方側の端部2b、2bに接着層3を形成したり、あるいは、一方側の端部2a、2aから離れて接着層3を形成してしまうことを避けることができる。
【0046】
また、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に(詳細には、一つ置きに並ぶ区画基準線10aに沿って)間隔を置いて塗布することで、積層シート体1の各シート材2、2における、可食性粘着剤組成物が塗布された部分(すなわち、接着層3が形成された部分)が水分を吸収して膨張することによって、その積層シート体1の一方側の端部(接着層3が形成されている側の端部)が、波を打ったように変形して、歪みが生じてしまうような虞を、極力低減することができる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、シート材2は、長方形状等の矩形状に形成されていなくても、例えば、円形状等その他の形状に形成されてもよい。また、可食性粘着剤および可食性可塑剤は、前述した素材以外の可食性素材を主成分としてもよい。また、可食性粘着剤組成物が含有する、可食性粘着剤と可食性可塑剤との配合比、および、可食性粘着剤組成物を構成する各成分の含有率は、前述した値に限定されない。
【0048】
また、剥がしたシート材2に付着した接着層3の粘着力を利用して、その剥がしたシート材2を、再度付着させて使用してもよい。例えば、剥がしたシート材2を、包装されていない食品に直接貼付するメモ紙として使用してもよい。この場合においても、使用者あるいは消費者は、接着層3が食品と接触しても安心であるという、衛生上の安心感を持つことができる。
【0049】
また、積層シート体1を形成するシート材2にあっては、その両面に、接着層3が形成されていてもよい。また、前記長手方向における一方側の端部2aに接着層3が形成されていなくても、例えば、その長手方向と直交する方向における一方側の端部や、あるいは、シート材2の略全面に、接着層3が形成されていてもよい。こうした積層シート体1の製造方法にあっては、シート素材2cの所定の範囲に、可食性粘着剤組成物を塗布すればよい。また、可食性粘着剤組成物を、区画されるシート材2、2領域の表面に間隔を置かずに塗布してもよい。要するに、可食性粘着剤組成物の塗布箇所および範囲は任意に設定することができる。
【0050】
また、一定の大きさに大断ちする前のシート素材2c(すなわち、シート原材2xと繋がったままの状態であるシート素材2c)に、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。この場合にあっては、シート原材2xと繋がったままのシート素材2cに、可食性粘着剤組成物を塗布した後、それらシート原材2xとシート素材2cとを分断するとともに、その分断されたシート素材2cを、可食性粘着剤組成物を介して、複数枚重ねることとなる。
【0051】
また、シート素材2cの、前記縦方向Pに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線10a、10aに跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布しなくても、例えば、前記横方向Qに沿って一つ置きに並ぶ各区画基準線に跨るようにして、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。あるいは、区画基準線10に跨らないようにして、すなわち、区画基準線10に沿って、可食性粘着剤組成物を塗布してもよい。
【0052】
また、シート材2、2が前記縦方向Pと前記横方向Qとのいずれかの方向にのみ、連続して並ぶようにして、区画基準線10を定めてもよい。また、必ずしも、シート素材2cの上下および左右の四方に非区画部9を残す必要はなく、したがって、例えば、シート材2が、シート素材2cの略全面に渡って連続して並ぶように、区画基準線10を定めてもよい。すなわち、区画基準線10によって区画されるシート材2、2領域は、図示実施の形態に限定されず、任意に設定することができる。
【0053】
また、シート素材2cを一定枚数重ね、その上に台紙素材4aを重ねなくても、反対に、台紙素材4aの上に、シート素材2cを一定枚数重ねてもよい。また、シート素材群201を複数組積み重ね、その積み重ねたままの状態で断裁しなくても、各シート素材群201を個別に断裁してもよい。
【0054】
また、積層シート体1は、シート素材2cと同一の素材からなるシートを、台紙材4の代わりに用いてもよい。すなわち、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材2cを、その塗布面を上にして一定枚数重ね、その上に、可食性粘着剤組成物が塗布されていないシート素材2cを重ねるとともに、重ねたまま区画基準線10に沿って断裁してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施の形態の、積層シート体の、模式的な斜視図である。
【図2】同じく、模式的な分解斜視図である。
【図3】同じく、図1におけるA−A線による、概略的な部分拡大断面図である。
【図4】同じく、図2における図3相当図である。
【図5】同じく、積層シート体の製造方法における、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材を示す、模式的な斜視図であって、区画基準線を表示している。
【図6】同じく、積層シート体の製造方法における、可食性粘着剤組成物が塗布されたシート素材を示す、模式的な斜視図であって、区画基準線を表示していない。
【図7】同じく、台紙素材を重ねたシート素材群を示す、模式的な斜視図である。
【図8】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を示す、模式的な斜視図である。
【図9】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を、積み重ねたまま断裁した状態を示す、模式的な斜視図である。
【図10】同じく、図9における部分拡大斜視図であって、形成された積層シート体における、台紙材とシート材との間の接着層の構造を示している。
【図11】同じく、複数組積み重ねた、台紙素材付きのシート素材群を、縦方向において若干ずれて断裁した場合における、図10相当図である。
【符号の説明】
【0056】
1 積層シート体
2 シート材
2c シート素材
3 接着層
10(10a) 区画基準線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する、積層シート体であって、
前記接着層は可食性粘着剤組成物によって形成されていることを特徴とする、積層シート体。
【請求項2】
前記可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する、請求項1に記載の積層シート体。
【請求項3】
前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする、請求項2に記載の積層シート体。
【請求項4】
前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする、請求項2または3に記載の積層シート体。
【請求項5】
多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上である、請求項4に記載の積層シート体。
【請求項6】
前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の積層シート体。
【請求項7】
前記接着層は、前記シート材の表面に間隔を置いて形成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層シート体。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層シート体を製造する、積層シート体の製造方法であって、
前記シート材を複数枚取ることのできるシート素材に対して、それらシート材が縦方向または/および横方向に連続して並ぶように区画する区画基準線を定めるとともに、そのシート素材の、前記区画基準線によって区画されるシート材領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、かつ、
前記シート素材を、前記可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線に沿って断裁することを特徴とする、積層シート体の製造方法。
【請求項9】
前記縦方向と前記横方向とのいずれかの方向に沿って一つ置きに並ぶ前記区画基準線に跨るようにして、前記シート素材に前記可食性粘着剤組成物を塗布することを特徴とする、請求項8に記載の積層シート体の製造方法。
【請求項10】
前記可食性粘着剤組成物を、区画される前記シート材領域の表面に間隔を置いて塗布することを特徴とする、請求項8または9に記載の積層シート体の製造方法。
【請求項11】
可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有し、
前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とし、
また、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする、可食性粘着剤組成物。
【請求項12】
多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上である、請求項11に記載の可食性粘着剤組成物。
【請求項13】
前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有してなることを特徴とする、請求項11または12に記載の可食性粘着剤組成物。
【請求項1】
複数枚のシート材が接着層を介して重ねられていて、重ねられたそれら各シート材を剥がして使用する、積層シート体であって、
前記接着層は可食性粘着剤組成物によって形成されていることを特徴とする、積層シート体。
【請求項2】
前記可食性粘着剤組成物は、可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有する、請求項1に記載の積層シート体。
【請求項3】
前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とする、請求項2に記載の積層シート体。
【請求項4】
前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする、請求項2または3に記載の積層シート体。
【請求項5】
多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上である、請求項4に記載の積層シート体。
【請求項6】
前記可食性粘着剤組成物は、前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有することを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか1項に記載の積層シート体。
【請求項7】
前記接着層は、前記シート材の表面に間隔を置いて形成されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層シート体。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層シート体を製造する、積層シート体の製造方法であって、
前記シート材を複数枚取ることのできるシート素材に対して、それらシート材が縦方向または/および横方向に連続して並ぶように区画する区画基準線を定めるとともに、そのシート素材の、前記区画基準線によって区画されるシート材領域に、前記可食性粘着剤組成物を印刷方法によって塗布し、かつ、
前記シート素材を、前記可食性粘着剤組成物を介して複数枚重ね、その重ねたままの状態で、前記区画基準線に沿って断裁することを特徴とする、積層シート体の製造方法。
【請求項9】
前記縦方向と前記横方向とのいずれかの方向に沿って一つ置きに並ぶ前記区画基準線に跨るようにして、前記シート素材に前記可食性粘着剤組成物を塗布することを特徴とする、請求項8に記載の積層シート体の製造方法。
【請求項10】
前記可食性粘着剤組成物を、区画される前記シート材領域の表面に間隔を置いて塗布することを特徴とする、請求項8または9に記載の積層シート体の製造方法。
【請求項11】
可食性粘着剤と可食性可塑剤とを含有し、
前記可食性粘着剤は、デンプン、α化デンプン、化工デンプン、ゼラチン、デキストリン、デキストラン、プルラン、キサンタンガム、トラガントガム、グアーガム、グアーガム酵素分解物、グルコマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、アカシアガム、アラビアガム、アラビノガラクタン、ガッティーガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ペクチン、アラビノキシラン、大豆多糖類、カゼインナトリウム、乳漿タンパク、大豆タンパク、アルブミン、プルランエーテル、プルランエステル、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ポリビニルアルコール、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸共重合体およびその塩、ポリアクリル酸およびその塩、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、キトサン、無水マレイン酸共重合物、パラフィン、ミツロウ、カルナウバロウ、ハゼロウ、アルギン酸カルシウム、ペクチン酸カルシウム、マンナン、カゼインカルシウム、寒天、コラーゲン、ファーセレラン、グルカゴン、小麦タンパク、カードラン、キチン、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸メチルコポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メチルメタクリレート共重合体、セラック、ツェイン、ヘパリン、ヒアルロン酸、ケラチンから選ばれる一種以上を主成分とし、
また、前記可食性可塑剤は、多価アルコール、単糖、二糖、オリゴ糖、潮解性のある無機塩類、脂肪酸エステル、食用油脂、脂肪酸、精油から選ばれる一種以上を主成分とする、可食性粘着剤組成物。
【請求項12】
多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、還元澱粉糖化物からなる群より、単糖として、グルコース、フラクトース、ガラクトース、キシロースからなる群より、二糖として、砂糖、マルトース、乳糖、トレハロース、セロビオースからなる群より、オリゴ糖として、フラクトオリゴ糖、イソマルトトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、パラチノースからなる群より、潮解性のある無機塩類として、塩化マグネシウム、塩化カルシウムからなる群より、脂肪酸エステルとして、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、カプリル酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、レシチンからなる群より、食用油脂として、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、パーム油、ヤシ油、オリーブオイル、グレープシードオイル、サフラワー油、ピーナッツオイル、アーモンドオイルからなる群より、脂肪酸として、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸からなる群より、精油として、ラベンダー油、ローズマリー油、オレンジ油からなる群より選ばれる一種以上である、請求項11に記載の可食性粘着剤組成物。
【請求項13】
前記可食性粘着剤100重量部に対し、前記可食性可塑剤100〜500重量部を含有してなることを特徴とする、請求項11または12に記載の可食性粘着剤組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−91011(P2009−91011A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−263737(P2007−263737)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(591091043)株式会社ツキオカ (38)
【出願人】(591186888)株式会社トッパンTDKレーベル (46)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【出願人】(591091043)株式会社ツキオカ (38)
【出願人】(591186888)株式会社トッパンTDKレーベル (46)
【Fターム(参考)】
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