説明

積層シート製造装置および積層シート製造方法

【課題】巻取体とされて巻圧が加わったとしても、接着シートに押し痕が付くことを防止できる積層シートを製造する積層シート製造装置および積層シート製造方法を提供する。
【解決手段】積層シート製造装置1は、原反R1を繰り出す繰出手段10と、原接着シートS0に切込CUを形成して接着シートSと不要シートS3とを形成する切断手段20と、不要シートS3を巻き取る巻取手段30と、接着シートSの厚みより大きく、接着シートS間の領域を含む帯状の接触防止部材CPを形成する積層手段40と、形成された接触防止部材CPを定着させて積層シートLを形成する定着手段50と、積層シートLを回収する回収手段60とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層シート製造装置および積層シート製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一定の間隔で接着シートが設けられた積層シートを巻取体とすると、当該巻取体は、徐々に巻径が大きくなる。このため、接着シートは、1巻前すなわち最寄り内側に位置する接着シートや、1巻後すなわち最寄り外側に位置する接着シートとは平面視で完全に重なることはなく、必ず円弧方向にずれて重なりずれを伴う。これにより、積層シートは、巻取体とされるときに巻圧が加わるので、接着シートは、最寄り内側や、最寄り外側に位置する接着シートの縁によって押し痕が付いてしまう。
そこで、積層シートを巻取体としたときに最寄り外側の剥離シート(以後、外側剥離シートと言う)と接着シートとの間に間隙を確保するための保護層が形成された積層シートが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の積層シートは、剥離シートと、剥離シートの幅方向中央部に一定の間隔を隔てて設けられた接着シートとしての貼付用シートと、この積層シートを重ねたときに剥離シートと接着シートとの間に間隙を確保するための保護層とを備えている。この積層シートは、巻取体にすると、接着シートと外側剥離シートとの間に保護層の厚み分の間隙が形成されるので、重なりずれに伴って接着シートに押し痕が付くことを防止することができる。
そして、特許文献1には、このような積層シートを製造する装置として、樹脂を連続的または断続的に吐出する樹脂塗布装置を積層シートの搬送路に配置した装置が記載されている。この装置では、樹脂塗布装置から樹脂を吐出させることで、積層シートに、積層シートの搬送方向に沿って連続的または断続的に樹脂を塗布し、塗布された樹脂をプレスローラで加圧することにより、厚みの均一な保護層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−126518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の積層シート製造装置では、樹脂を単に吐出させることで保護層を形成する構成であるため、形成される保護層は、剥離シートの幅方向両側にしか設けることができない。すなわち、積層シートを巻取体としたときに、重なりずれに伴って接着シートに押し痕が付くことを防止するためには、外側剥離シートを広範囲にわたって支持するとともに、接着シート間を含む接着シートの外周全域で支持することが好ましいが、特許文献1に記載の装置では、保護層を広範囲に設けることも、接着シート間など細部まで設けることもできない。
【0006】
本発明の目的は、巻取体とされて巻圧が加わったとしても、接着シートに押し痕が付くことを防止できる積層シートを製造する積層シート製造装置および積層シート製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の積層シート製造装置は、基材シートの一方の面に接着剤層が積層された複数の接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに所定の間隔で仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記剥離シートの前記接着シートと異なる位置に前記接着シートよりも厚みが大きい樹脂層を積層して接触防止部材を形成する積層手段と、を有し、前記積層手段は、樹脂層を所定の形状に印刷可能な版を備える、という構成を採用している。
【0008】
また、本発明の積層シート製造装置は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層が積層された帯状の原接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出す繰出手段と、前記原接着シートに閉ループ状の切込を形成することで、前記切込の内側に接着シートを形成するとともに、前記切込の外側に不要シートを形成する切断手段と、前記不要シートにおける基材シートの他方の面に樹脂層を積層して接触防止部材を形成する積層手段と、を有し、前記積層手段は、樹脂層を所定の形状に印刷可能な版を備えていてもよい。
【0009】
また、前記積層手段は、前記版を保持する版胴と、この版胴に対向配置される圧胴とを備える、ことが好ましい。
さらに、本発明の積層シート製造装置は、前記積層手段の前段に前記接着シートの位置を検出する検出手段が設けられ、前記積層手段は、前記検出手段の検出結果を基に前記接触防止部材を印刷可能に設けられていることが好ましい。
【0010】
一方、本発明の積層シート製造方法は、基材シートの一方の面に接着剤層が積層された複数の接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに所定の間隔で仮着された原反を繰り出し、前記剥離シートの前記接着シートと異なる位置に前記接着シートよりも厚みが大きい樹脂層を所定の形状に印刷して、接触防止部材を形成する、という構成を採用している。
また、本発明の積層シート製造方法は、帯状の基材シートの一方の面に接着剤層が積層された帯状の原接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出し、前記原接着シートに閉ループ状の切込を形成することで、前記切込の内側に接着シートを形成するとともに、前記切込の外側に不要シートを形成し、前記不要シートにおける基材シートの他方の面に樹脂層を所定の形状に印刷して、接触防止部材を形成する、という構成を採用していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上のような本発明によれば、印刷で樹脂層を積層して接触防止部材を形成するので、接触防止部材を広範囲にわたって形成することや、複雑な形状とすることが可能となる。その上、そのような接触防止部材の積層パターンに対応させるときには、印刷に用いる版を変更するだけでよいので、難なく対応させることができる。
【0012】
また、積層手段を、版を保持する版胴と、この版胴に対向配置される圧胴とを備えるものとすれば、従来の印刷装置を利用して積層手段を構成できるので、コストの削減ができる。
【0013】
さらに、積層手段の前段に接着シートの位置を検出する検出手段を設け、この検出手段の検出結果を基に積層手段が印刷可能な構成とすれば、例えば、剥離シート上での各接着シートの相互間隔が不均一に配置されていたとしても、それら接着シートの間隔に左右されることなく、各接着シートとは異なる位置に接触防止部材を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る積層シート製造装置の全体図。
【図2】図1の積層シート製造装置により製造される積層シートの斜視図。
【図3】積層シートを巻取体としたときの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、積層シートを巻取体としたとき、基準となる積層シート部分の最寄り内側に位置する積層シートを内側積層シートと言い、最寄り外側に位置する積層シートを外側積層シートと言う。そして、これら内側積層シートまたは外側積層シートを構成する各層や部材についても内側または外側の呼称を付して説明することがある。
【0016】
図1において、積層シート製造装置1は、厚み50μmの基材シートBSの一方の面に厚み20μmの接着剤層ADを備える帯状の原接着シートS0が、接着剤層ADを介して厚み38μmの剥離シートRLに仮着された原反R1を繰り出す繰出手段10と、原接着シートS0に切込CUを形成する切断手段20と、不要シートS3を巻き取る巻取手段30と、接着シートSの厚みより大きく、接着シートSの外周全域に対応した厚み150μmの接触防止部材CPを形成する積層手段40と、形成された接触防止部材CPを定着させて積層シートLを形成する定着手段50と、積層シートLを回収する回収手段60とを備えている。
【0017】
繰出手段10は、原反R1をロール状に巻回して支持するとともに駆動機器としての回動モータ11により駆動される支持ローラ12と、支持ローラ12から繰り出された原反R1を案内するとともに駆動機器としての回動モータ13により駆動される駆動ローラ14と、この駆動ローラ14との間に原反R1を挟み込むピンチローラ15とを備えている。
【0018】
切断手段20は、原接着シートS0に閉ループ状の切込CUを形成する切込刃21を備えたダイカットローラ22と、原接着シートS0および剥離シートRLを挟んでダイカットローラ22と対向して配置されたプラテンローラ23とを備えている。切込刃21は、基材シートBS側から、接着剤層ADを貫通し剥離シートRLを貫通しない深さの切込CUを形成し、当該切込CUの内側に円形の接着シートSを形成するとともに、切込CUの外側に帯状の不要シートS3を形成する。なお、ダイカットローラ22およびプラテンローラ23は、駆動機器としての回動モータ24,回動モータ25により同期して回転可能に設けられている。また、切込刃21には、原接着シートS0の接着剤が付着しないように、フッ素樹脂コート等の不接着処理を施しておくことが好ましい。
【0019】
巻取手段30は、剥離シートRLから不要シートS3を剥離する剥離ローラ31と、原反R1を挟んでこの剥離ローラ31に対向して配置されたピンチローラ32と、駆動機器としての回動モータ34により回転可能に設けられ、剥離ローラ31で剥離された不要シートS3を巻き取る巻取ローラ33と、を備えている。
【0020】
積層手段40は、ロータリースクリーン印刷機であり、図1中右方向に搬送される接着シートSの上方に設けられ、駆動機器としての回動モータ41により回転可能に設けられた版および版を保持する版胴としてのロータリースクリーン42と、図示しないスキージと、剥離シートRLを挟んでロータリースクリーン42と対向配置され、駆動機器としての回動モータ43により回転可能に設けられた圧胴44とを備えている。この積層手段40は、ロータリースクリーン42内部に貯留されたインキをスキージにより押し出すように構成されている。
【0021】
定着手段50は、図1中右方向に搬送される接着シートSの上方かつロータリースクリーン42の右側に設けられて接触防止部材CPを剥離シートRL上に定着させるものであり、接触防止部材CPを構成するインキの特性に応じて、熱風、紫外線、赤外線、マイクロ波、冷風、自然風等の定着化エネルギーを発するものを採用することが例示できる。
【0022】
回収手段60は、駆動機器としての回動モータ61により回転可能に設けられた駆動ローラ62と、積層シートLを挟んで駆動ローラ62に対向配置されるピンチローラ63と、駆動機器としての回動モータ64により回転可能に設けられ、積層シートLを回収する回収ローラ65とを備えている。
【0023】
以上の積層シート製造装置1において、積層シートLを製造する手順としては、まず、図1に示すように、原反R1を支持ローラ12にセットするとともに、駆動ローラ14とピンチローラ15との間、ダイカットローラ22とプラテンローラ23との間および、剥離ローラ31とピンチローラ32との間に通す。そして、原接着シートS0は巻取ローラ33に固定し、剥離シートRLは、ロータリースクリーン42と圧胴44との間、駆動ローラ62とピンチローラ63との間に通し、回収ローラ65に固定しておく。
【0024】
この状態で、回動モータ11,13,24,25,34,41,43,61,64を同期して駆動し、支持ローラ12、駆動ローラ14、ダイカットローラ22、プラテンローラ23、巻取ローラ33、ロータリースクリーン42、圧胴44、駆動ローラ62、回収ローラ65を回転させ、原反R1を図1中右方向に繰り出す。
【0025】
原反R1がダイカットローラ22とプラテンローラ23との間を通過するとき、切込刃21により原接着シートS0に切込CUが形成され、当該切込CUの内側に接着シートSが形成されるとともに、当該切込CUの外側に不要シートS3が形成される。その後不要シートS3は、剥離ローラ31に案内されて巻取ローラ33に巻き取られ、接着シートSは、剥離シートRLの長尺方向に所定の間隔を隔てて積層された状態で、原反R2となってロータリースクリーン42と圧胴44との間に搬送される。
【0026】
原反R2がロータリースクリーン42と圧胴44との間を通過するとき、剥離シートRL上に接触防止部材CPが印刷される。そして、定着手段50によりこの接触防止部材CPに熱風等の定着化エネルギーが付与されることで、接触防止部材CPが剥離シートRL上に定着され、積層シートLが形成される。積層シートLは、駆動ローラ62とピンチローラ63の間を経て回収ローラ65に巻取体として回収される。
【0027】
このように製造された積層シートLは、図2に示すように、帯状の剥離シートRLと、この剥離シートRLの一方の面の長尺方向に所定の間隔を隔てて積層された円形の接着シートSと、剥離シートRLの一方の面に設けられるとともに、接着シートSと異なる位置に積層された接触防止部材CPとを備えている。
なお、本実施形態において、接着シートSの基材シートBSは、ポリエチレン等のオレフィンなどの樹脂で構成され、接着剤層ADは、アクリル系の粘着剤で構成されている。
また、剥離シートRLは、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂の一方の面にシリコーン処理等の不接着処理が施されている。
【0028】
接触防止部材CPは、図2に示すように、厚みが150μmに設定され、接着シートSよりも厚さが大きく、接着シートSに重なることはなく、接着シート間領域(各接着シートSの最外縁同士を結ぶ2本の平行線内)を含んだ帯状に積層される。したがって、図3に示すように、回収ローラ65に回収された積層シートLにおいて、接着シートSに重なる外側剥離シートRL1との間には、接触防止部材CPと接着シートSとの厚みの差に相当する高さ80μmの隙間Hが形成されることとなる。なお、図3は、巻取体とした積層シートLを当該巻取体の巻取中心軸線方向から部分断面視した図だが、分かりやすくするために積層シートLを平らにして図示している。そして、外側剥離シートRL1は巻圧を受けて、巻取体の径方向内側(図3下方)に向かって変形するが、接触防止部材CPが接着シート間領域を含む帯状に形成されているので、変形する外側剥離シートRL1を接着シート間領域においても接触防止部材CPで支持できる。したがって、外側剥離シートRL1を介して外側接着シートS1が接着シートSに押し付けられて、当該接着シートSに傷が生じることを防止できる。
また、接触防止部材CPは、積層シートLが巻取体とされたときに、外側積層シートL1と内側積層シートL2は円弧方向に重なりずれGを生じても、接着シートSが内側接触防止部材CP2および、外側接触防止部材CP1と平面視で重ならない形状に形成されている。これにより、積層シートLに巻圧が加わり、剥離シートRLが径方向内側に向かって変形しても、内側接触防止部材CP2や外側接触防止部材CP1の縁が接着シートSに押し付けられることはなく、接着シートSに押し痕が付くことを防止することができる。
【0029】
なお、このように接着シート間領域を含む帯状にインキを印刷する方法としては、接着シートS上においてインキが通過せず、接着シート間領域を含む帯状の積層部分のみにおいてインキが通過するように設計されたロータリースクリーン42を作製し、このロータリースクリーン42にインキを展開しスキージで押し出して、印刷する。このような印刷法を用いることで、接触防止部材CPを所定の形状に印刷して積層することができる。
【0030】
以上のような実施形態によれば、印刷で樹脂層を積層することにより接触防止部材CPを形成するので、接触防止部材CPを接着シート間領域を含む帯状など広範囲にわたって形成することや、複雑な形状とすることが可能となる。その上、そのような接触防止部材CPの積層パターンに対応させるときには、ロータリースクリーン42を変更するだけでよいので、難なく対応させることができる。
【0031】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定
の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0032】
例えば、前記実施形態では、不要シートS3を取り除いた剥離シートRL上に接触防止部材CPを積層したが、不要シートS3を取り除くことなく、当該不要シートS3上に接触防止部材CPを積層してもよい。このように不要シートS3上に接触防止部材CPを積層することで、例えば、接触防止部材CPの厚みを80μmとすることができ、前記実施形態の接触防止部材CPに比べて当該接触防止部材CPを形成する材料の無駄な消費を抑制することができる。
さらに、接触防止部材CPは、帯状に形成されることなく、断続的に形成されてもよい。
また、繰出手段10は、原接着シートS0と剥離シートRLとを別々に供給する構成としてもよい。この場合、ロール状に巻回した原接着シートS0を前記実施形態の支持ローラ12に支持させ、ロール状に巻回した剥離シートRLを支持する駆動機器により駆動される支持ローラ12同様の別の駆動ローラを増設すればよい。そして、これら原接着シートS0と剥離シートRLとを駆動ローラ14とピンチローラ15とで挟み込む構成とすることができる。
【0033】
また、上記実施形態において、積層シート製造装置1に切断手段20および巻取手段30を設けず、支持ローラ12は、予め複数の接着シートSが剥離シートRLに所定の間隔で仮着された原反R2を繰り出すものとしてもよい。
【0034】
さらに、上記実施形態において、接触防止部材CPは、積層シートLの幅方向中央部で繋がっていてもよい。すなわち、接触防止部材CPが接着シートSの外周を囲む円形の孔を備えるものとしてもよい。この円形の孔の形状は円形以外に、長円、楕円、方形、多角形等の様々な形状とすることができる。
また、積層手段40の前段に接着シートSの位置を検出する撮像手段や光学センサ等の検出手段を設け、この検出手段の検出結果を基に積層手段40で接触防止部材CPを積層するように構成してもよい。この場合、積層手段40が部分的に印刷を中断し、間欠的な印刷が行えるように構成することができる。このような構成によれば、例えば、剥離シートRL上の接着シートSの相互間隔が不均一に形成された原反R2を対象としても、確実に各接着シートSとは異なる位置に接触防止部材CPを積層することができる。このとき、接触防止部材CPは、原反R2の搬送方向に対して断続的に形成されてもよい。
【0035】
また、本発明における原接着シートS0および接着シートSの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、他の層を有するものなど3層以上のものでもよい。また、接着シートSの形状としては、円形に限らず、任意の形状とすることができる。接触防止部材CPの形状は、積層シートLを巻取体としたときに、平面視で外側及び内側接着シートS1,S2に重ならない限りにおいて任意の形状とすることができる。
また、接触防止部材CPを積層する積層手段40としては、ロータリースクリーン印刷機以外に、ソルベントコーティング法、グラビア印刷、スクリーン印刷、さらには、凸版印刷、凹版印刷、平版印刷、孔版印刷等のあらゆる印刷法を採用することができ、インキを積層できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
【0036】
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0037】
1 積層シート製造装置
10 繰出手段
20 切断手段
40 積層手段
42 ロータリースクリーン(版および版胴)
44 圧胴
AD 接着剤層
BS 基材シート
L 積層シート
RL 剥離シート
S 接着シート
CP 接触防止部材
S3 不要シート
S0 原接着シート
CU 切込
SP 間隙
R1 原反

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に接着剤層が積層された複数の接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに所定の間隔で仮着された原反を繰り出す繰出手段と、
前記剥離シートの前記接着シートと異なる位置に前記接着シートよりも厚みが大きい樹脂層を積層して接触防止部材を形成する積層手段と、を有し、
前記積層手段は、樹脂層を所定の形状に印刷可能な版を備えることを特徴とする積層シート製造装置。
【請求項2】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層が積層された帯状の原接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出す繰出手段と、
前記原接着シートに閉ループ状の切込を形成することで、前記切込の内側に接着シートを形成するとともに、前記切込の外側に不要シートを形成する切断手段と、
前記不要シートにおける基材シートの他方の面に樹脂層を積層して接触防止部材を形成する積層手段と、を有し、
前記積層手段は、樹脂層を所定の形状に印刷可能な版を備えることを特徴とする積層シート製造装置。
【請求項3】
前記積層手段は、前記版を保持する版胴と、この版胴に対向配置される圧胴とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層シート製造装置。
【請求項4】
前記積層手段の前段に前記接着シートの位置を検出する検出手段が設けられ、前記積層手段は、前記検出手段の検出結果を基に前記接触防止部材を印刷可能に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の積層シート製造装置。
【請求項5】
基材シートの一方の面に接着剤層が積層された複数の接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに所定の間隔で仮着された原反を繰り出し、
前記剥離シートの前記接着シートと異なる位置に前記接着シートよりも厚みが大きい樹脂層を所定の形状に印刷して接触防止部材を形成することを特徴とする積層シート製造方法。
【請求項6】
帯状の基材シートの一方の面に接着剤層が積層された帯状の原接着シートが前記接着剤層を介して帯状の剥離シートに仮着された原反を繰り出し、
前記原接着シートに閉ループ状の切込を形成することで、前記切込の内側に接着シートを形成するとともに、前記切込の外側に不要シートを形成し、
前記不要シートにおける基材シートの他方の面に樹脂層を所定の形状に印刷して接触防止部材を形成することを特徴とする積層シート製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−71346(P2013−71346A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212738(P2011−212738)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】