説明

積層ヒータ構造用の電極チューニング方法及び装置

電極層を含む積層ヒータ構造、及び、積層ヒータ構造の電極層を高精度にチューニングするための局所的チューニング方法が提供される。局所的チューニング方法は、ヒータ表面における温度オフセットを最小化するために、電極層を、その適切な局所抵抗値にチューニングし、それによって、研磨またはブラスティングのような厚さのトリミング作業、又は、局所的熱処理のような抵抗率調節に基づく、従来の非局所的な抵抗チューニングアプローチと著しく異なる、望ましい温度特性を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概ねヒータに関し、その上に加熱対象物がヒートプロセスを受けるために搭載される。特に本発明は、有利なことに半導体製造装備に使用されるヒータ、特に半導体ウェハを加熱処理するために使用されるヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路及びディスプレイの製造において、半導体物質、誘電性物質、及び電気的伝導性物質が基板、例えば半導体ウェハ、セラミック又はガラス基板などの上に形成される。それらの物質は、例えば、化学的気相成長法(CVD)、物理的気相成長法(PVD)、イオン注入、酸化、窒化、その他の類似のプロセスで形成される。その後、堆積された基板物質はエッチングされて、ゲート、ビア(via)、コンタクトホール、相互接続ラインなどを形成する。これらのプロセスは、通常、プロセスチャンバの中で行われ、例えば、Kalyanam等への米国特許第6,491,978号に開示されているように行われる。そのプロセスにおいて、基板は、チャンバ内で、基板支持体に搭載され、プロセスゾーンに晒される。支持体は多くの場合、プロセス中に基板の温度をさらに調節するためのヒータを含んでいる。
【0003】
ヒータの熱生成は、電極の特性及び形状に直接関係している。電極の薄層が絶縁基板上に配置された積層ヒータ構造において、ヒータ表面における所望の温度特性を実現する上で、電極の抵抗率及び厚さが重要な役割を果たす。大部分のウェハプロセスには、変化が1%未満の一様な温度特性が要求される。ヒータ製品の再現性に関しては、より厳しい温度範囲が望ましい。出願人は、電気特性及び厚さの両方における一様性の要求を満たす、電極層の合成を実現する積層技術を知らない。
【0004】
一般に、電気特性または厚さにおける数%の小さい変化は、ヒータ表面における、顕著な温度オフセットを生じるであろう。通常の電極の特性化方法は、電極上のシート抵抗特性のマップを作成するために、4点プローブ測定を使用する。4点プローブ測定ゲージの通常の分解能は、10-3オーム/平方以下である。そのような解像度によって、電極層が10-2オーム/平方以下のシート抵抗を有する場合、そのゲージでは抵抗変化を測定できないことになる。抵抗メータを使用するような、別の電極の特性化方法も分解能の限界を有している。抵抗メータを使用するもう一つの欠点は、電気プローブと電極表面との間の接触抵抗であり、接触抵抗は測定値変動の大部分に寄与する。全抵抗10オームの電極層にとって、許容できる電極特性ゲージは、抵抗に関して10-3オーム以下の分解能を有し、空間に関して25μmの分解能を有し、接触抵抗に依存しないことである。出願人は、これらの要求に合う既存のゲージシステムを知らない。
【0005】
さらに、特性化方法が問題では無いとしても、電極を正しい抵抗値又は厚さにチューニングする正確な技法も存在しない。ヒータの局所温度は電極層の局所シート抵抗に非常に敏感であるので、研磨またはブラスティング(blasting)のような厚さのチューニング作業、及び、局所的なヒート処理のような抵抗値のチューニングは、とても激しくて制御できず、そのために、それらは数%範囲内に電極の抵抗値を精確にチューニングするのに適していない。これらの作業の欠点は、それが通常とても労働集約的であり、時間がかかることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、上記の問題に鑑み、本発明は、積層ヒータ構造の電極層を、精確に局所的にチューニングする方法を提供するために成された。上記で議論したように、これらの電極層をそれらの適切な感度及び厚さにチューニングする方法のいくつかは、ヒータ表面上の温度オフセットを最小にするために特に重要である。本発明は、温度オフセットを最小にし、それによって一様な加熱特性を提供する、温度電極層の精確な局所的抵抗チューニングを実施するための方法を提供し、その一様な加熱特性は、研磨またはブラスティングのような厚さチューニング作業、または、加熱処理のような抵抗率調節に基づく従来の非局所的な抵抗チューニングアプローチと好対照である。
【0007】
本発明によって提供される多くの利点の中には、ヒータ表面上での一様な熱特性、または、別の所望の温度特性を実現できることがあり、これらは、厚さ及び抵抗率の両者に関して一様な電極層に関してのみ実現され得る。ヒータ表面上での一様な熱特性は、電極層の抵抗のチューニングが局所的に達成されるので、可能である。精確な局所的なチューニングは、最適な熱的性能のために必要な、電極層の抵抗の一様性を達成するための基礎であるので、とても重要な物理的効果である。望ましい実施の形態において、本発明の局所的なチューニング方法は、有利なことに、従来技術のアプローチでは達成できない、ヒータ表面の全域において1%未満の変動を提供する。
【0008】
本発明の、これら及びその他の目的、特徴及び利点は、以下の発明の詳細な説明を、図面とともに考慮することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、一実施形態に係るヒータ構造の断面図を示す。
【図2】図2は、抵抗チューニングを実施する前の、図1の電極層を示す図である。
【図3】図3は、一実施の形態に係る、電極層の精確な局所的な抵抗チューニングを実施するためのプロセスを示す。
【図4】図4は、一実施の形態に係る、図2の電極層のセグメントの抵抗を測定するための回路図の一例を示す。
【図5】図5は、抵抗チューニング後の、図2に示された電極層の一例を示す。
【図6】図6〜10は、本発明の実施の形態に係る、区画されたセグメント中に導入され得る種々の物理特性を示す。
【図7】図6〜10は、本発明の実施の形態に係る、区画されたセグメント中に導入され得る種々の物理的特徴を示す。
【図8】図6〜10は、本発明の実施の形態に係る、区画されたセグメント中に導入され得る種々の物理的特徴を示す。
【図9】図6〜10は、本発明の実施の形態に係る、区画されたセグメント中に導入され得る種々の物理的特徴を示す。
【図10】図6〜10は、本発明の実施の形態に係る、区画されたセグメント中に導入され得る種々の物理的特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面が参照されるが、類似の構造は類似の参照符号が付されて示される。図面は、本発明の、現時点で望ましい実施形態を、図解的および模式的に示すものであり、本発明を限定するものではなく、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことは当然である。
【0011】
本発明は、高精度に電極層106に対して抵抗チューニングを実施するための技法に関する。
【0012】
1.ヒータ構造
従来のヒータ構造100の断面図を示している図1を参照する。ヒータ構造100は、時にヒータ層102として参照される、ヒータ構造100の基礎を構成するベース層102と、時に加熱層として参照される、ベース層102に直接重なっている電極層106とを含む2以上の連続する層を有する積層デバイスとして示されている。図1に示されたようなヒータ構造100は、本分野で周知である。ヒータ構造100からの通常の変更は、シール又は保護のために電極層106を覆う追加的な絶縁層を有することである。
【0013】
図2は、本発明に係る抵抗チューニングを実施する前の、図1の電極層106の平面図を示す。本発明のキーとなる特徴は、抵抗チューニングが、電極層の表面の全域において10-4オームの目標精度を1%未満の変動で達成できる、局所的な高精度の抵抗チューニングであることである。以下に説明される抵抗チューニング方法は、ヒータ構造100の表面上において著しく望ましくない温度オフセットを生じさせ得る、電極層の抵抗率または厚さの、数%オーダーの小さい変化を特定して修正する。
【0014】
2.チューニング方法
図3を参照すると、本発明に係る、電極要素106の精確な局所的な抵抗チューニングを実施するためのプロセス300が示されている。
【0015】
プロセス300は、ベース層102上に形成するための望ましい加熱特性に従う特定の構成を有するパターンを有する、図2に示されたような特定の電極パターンを有する、電極層106上で実施される(図1参照)。
【0016】
ステップ302において、所定の電極パターンを有する電極層106は、少なくとも1つのセグメントに、仮想的に区画される。仮想的に区画されたセグメントの各々は、長さ1mm程度の小ささであり、1000mm程度の大きさであり得る。理想的には、より小さいセグメントでは、より正確な熱特性の制御になる。一実施の形態において、より大きいヒータセグメントは60mmのオーダーであり、それは、10〜50×10-3オームのオーダーの局所的セグメント抵抗値に対応する。セグメント長の下限(即ち、1mm)は、測定プローブのサイズ及び測定ゲージの解像度によって決定される。セグメントの総数が、セグメントサイズ及び電極パターンデザインの両方の関数であることが理解されるべきである。
【0017】
ステップ304において、仮想的に区画されたセグメントの局所的抵抗が、幾何的及び材質的な特性に基づいて計算され、後述のチューニングステップ308の対象となる可能性のあるターゲットを特定する。ある実施形態では、このステップは数値的または解析的に実行され得る。一実施形態では、そのステップは、静電モデルに基づく有限要素法を用いて、数値的に実行され得る。別の実施形態では、このステップは、電極の電気的および幾何的な特性を用い、R=ρ・L/Aに基づいて抵抗値を計算することによって、解析的に実行され得る。ここで、ρは電極物質の抵抗率であり、Lはセグメントの長さであり、Aは電極の断面積である。解析的アプローチは、直線、円、円弧などのような極簡単な電極パスにとって最も適していることが、理解されるべきである。このステップが、電極の大きさ及び特性の変化を説明する各局所的セグメントの実際の抵抗測定を行うとき(即ちステップ306)に、理論的ベースラインの比較を提供することに注意すべきである。
【0018】
ステップ306において、ステップ302で仮想的に区画された、電極層106の実際のセグメントの各々が測定され、局所的抵抗値が、数値的又は解析的に計算されて、ステップ304で決定された局所的抵抗値から、予め定められた許容範囲を超えて異なるセグメントを特定する。一実施形態では、予め定められた許容範囲は1%未満である。言い換えれば、セグメントの測定された局所的抵抗値は、そのセグメントの計算された抵抗値から1%を超えては違っていない。一実施形態において、各セグメントの局所抵抗値は、図4を参照して説明される、4点プローブ技法を用いて計算される。
【0019】
ステップ308において、各セグメントに関して、計算及び測定された局所的抵抗値の間で、差の値が計算される。
【0020】
ステップ310において、各セグメントに関してステップ308で計算された差の値が、予め定められた偏差のしきい値を超えているか否かが、各セグメントに関して判断される。所定のセグメントが予め定められた偏差のしきい値を超える場合、そのセグメントは、ターゲットセグメント抵抗の条件を満たしておらず、そのセグメントは、条件を満たすように穴を空けられなければならない(ステップ312参照)ということが理解できる。一方、全てのセグメントが条件を満たすと判断された場合、プロセスは終了する。
【0021】
ステップ312において、電極層106は、ターゲットセグメント抵抗値の条件を満たさないと判断されたセグメントにおいて、それらのセグメントが条件を満たすように、穴があけられる。穴あけは、例えば空隙(void)又はその他の、電極セグメントの断面積を減少させる形状のタイプで、打ち抜きを含む種々の方法で実施され得る。一実施形態において、形状タイプは、円形、楕円形、正方形、または図6〜7に示されたような任意形状の空隙や、図8〜9に示されたような曲線又は真線の切れ込み(cut)である、伝導性の電極物質が内部に無いオープン領域である。別の実施形態において、形状は、図10に示されたような、特定の電極層の一部を残りの部分から隔離させるループの切れ込みであり得、それによって伝導電極物質の面積が効果的に減少する。その他の実施形態において、穴あけは、上記した形状の任意の組み合わせを用いて実施され得る。穴あけは、本技術分野において周知のように、機械加工、エッチング、又はブラスティングによって、電極層106を貫通させて電極物質を除去することによって、実施され得る。ホール(又は形状への追加)の数、サイズ、及び位置は、ステップ308において、計算された局所的抵抗値と測定された局所的抵抗値との違いに基づいて決定されることが理解されるべきである。
【0022】
プロセスは、ステップ304に戻り、各セグメントの局所的抵抗を再計算する。
【0023】
上記したプロセスにおいて、ステップ304〜312は、セグメントがあれば何回も、最後のセグメントに達するまで、繰り返され得る。若しくは、ステップ304〜312は、上記したように、次のステップに移行する前に、全ての電極について実行され、従って、この観点では繰り返しループが不要である。
【0024】
図4は、上記の抵抗測定ステップ306に従って、電極層106(図1及び2参照)の各セグメントの抵抗値を測定するための例示的な回路図400を示す。回路400は、電流計410で測定される場合、一定の電流を、電極106を介して供給するためのDC電源402を含む。ある実施の形態においては、電源はAC電源であることができる。供給される電流は、精確な電流計によって、常にモニターされる。
【0025】
図5は、一例として、抵抗チューニング後の、図2の電極層106を示す。図5における電極に沿って開けられた複数の穴のサイズ及び密度は、各仮想的セグメントに関する局所抵抗の計算値と測定値との違いによって決定される。局所抵抗の計算値と測定値との差は、電極層の局所的抵抗値の非一様性を示しており、それが1つ以上の穴を開けることによって修正される。図5における一例によって示される、この抵抗チューニングの結果は、理想的な一様な電極層の抵抗値及び厚さの条件でのみ得られる理論値に近づけるために、電極層の局所抵抗値を精確に調整するであろう。
【0026】
ここで記載された実施の形態において、第1電気プローブ404(プローブ参照)は、電極106の上で、所定の位置に搭載される。第2プローブ406は、電極表面に沿った様々な関心点において、第1プローブ404に対するポテンシャルを測定する。別の実施形態においては、両方の電極プローブ404及び406は、電極に沿って移動可能であり、2つのプローブ間の電位が測定される。測定点は、ステップ302、即ちパターンパーティション(図3と一致)においてあらかじめ定められた、各電極セグメントの端に位置する。
【0027】
本発明は、4点プローブ技法に限定されないということが理解されるべきである。本発明によって使用され得る他の抵抗測定技法は、例えば、熱的マッピング、厚さ測定、及びオームメータ技法を含む。
【0028】
図6〜10は、限定としてではなく一例として、本発明の実施形態に従って、区画されたセグメントの中に導入され得る種々の物理的特徴(physical features)を示す。例えば、図6は、局所的に電気抵抗を調節するために、複数の丸い空隙が開けられた加熱電極を示し、図7は、局所的に電気抵抗を調節するために、複数の正方形の空隙が開けられた加熱電極を示し、図8は、局所的に電気抵抗を調節するために、複数の直線状の切れ込みが開けられた加熱電極を示し、図9は、局所的に電気抵抗を調節するために、複数の曲線の切れ込みが開けられた加熱電極を示し、図10は、局所的に電気抵抗を調節するために、複数の環状の切れ込みが開けられた加熱電極を示している。
【0029】
もちろん、幾つかの実施形態においては、区画されたセグメントは、1つ以上の任意の幾何学形状又は組み合わせの物理的特徴を含む。
【0030】
積層されたヒータ構造と共に使用するための局所的抵抗チューニングを実施するための、新しく且つ改良された方法及び装置が提示された。記載された実施形態において、その方法は、ヒータ構造の電極層内の特定の場所に精確に、所望の熱的プロファイルに適合するように局所的抵抗値を増大させるために、特定の物理的特徴を入れることによって作用する。本発明は、有利なことに、局所的な方法で電極層をチューニングすることによって、積層されたヒータ構造のヒータ表面の所望の熱的プロファイルを提供する。
【0031】
本発明は、プロセス、装置、システム、デバイス、方法、または、コンピュータ可読記録媒体のようなコンピュータ可読媒体、若しくは、プログラム命令が光学的若しくは電気的通信リンクの上で送信されるコンピュータネットワークを含む、多くの様々な形態で実施され得ることが理解されるべきである。
【0032】
ここで使用されているように、「第1」、「第2」などは、順序を意味するものでも、重要度を示すものでもなく、むしろ、一つの要素を別の要素と区別するために使用されており、「その(the)」及び「一つの(“a” and “an”)」の用語は、量を制限するものではなく、むしろ、少なくとも一つの言及された事項が存在することを意味する。また、明細書及び特許請求の範囲で使用されているように、用語「含む(comprising)」は、具体的表現「〜から成る(consisting of)」及び「本質的に〜から成る(consisting essentially of)」を含み得る。
【0033】
本発明が、例示的な実施の形態を参照して説明されたが、当業者には、種々の修正、付加、及び削除が、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に在ることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層ヒータ構造の電極層の、精確な局所的抵抗チューニングを実施する方法であって、
(i)前記電極層の所定のパターンを、少なくとも一つのセグメントに、仮想的に区画するステップと、
(ii)目標のセグメント抵抗値から、所定のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる電気抵抗値を有する仮想的に区画されたセグメントを、前記少なくとも一つのセグメントの中から、特定するステップと、
(iii)修正された電気的セグメント抵抗値が、前記目標のセグメント抵抗値から、前記所定のしきい値の前記絶対値を越える量だけ異ならないように、特定され区画された前記セグメントの各々の中に、少なくとも一つの穴を導入して、特定され区画された前記セグメントの電気抵抗値を十分に修正するステップとを含む方法。
【請求項2】
導入された前記穴が、特定され区画された前記セグメントの電流の流れを変化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
導入された前記穴が、特定され区画された前記セグメントの実効断面積を減少させる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一つの前記穴が、円形の空隙、楕円形の空隙、正方形の空隙、曲線の切れ込み、直線の切れ込み、及び、孤立した環からなる群の中から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
目標のセグメント抵抗値から、所定のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる電気抵抗値を有する仮想的に区画されたセグメントを、前記少なくとも一つのセグメントの中から、特定する前記ステップ(ii)が、
(a)各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を計算するステップと、
(b)各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を測定するステップと、
(c)各仮想的に区画されたセグメントに関して、計算された前記局所的セグメント抵抗値と測定された前記局所的セグメント抵抗値との差の値を計算するステップと、
(d)計算された差の値が、前記目標のセグメント抵抗値から、所定の偏差のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる、仮想的に区画されたセグメントを特定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記目標のセグメント抵抗値から、所定の偏差のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる局所的セグメント抵抗値を有する、仮想的に区画されたセグメントが残らなくなるまで、ステップ(ii)で特定された全ての区画されたセグメントに関して、ステップ(ii)〜(iii)を繰り返すステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を計算する前記ステップ(a)が、数値計算である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記数値計算が、電極の静電気モデルに基づく有限要素法を用いるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を計算する前記ステップ(a)が、解析的計算である、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記解析的計算が、
電極の電気的及び幾何的特徴を使用して、ρが電極物質の抵抗率であり、Lが電極セグメントの長さであり、且つ、Aが電極の断面積であるとして、R=ρ・L/Aの関係式に基づいてセグメント抵抗値を計算するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記測定方法が、4点プローブ測定、熱的マッピング、厚さ測定、及びオームメータ測定からなる群の中から選択される測定技法を用いて、局所的セグメント抵抗値を測定するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記所定のしきい値が、前記目標セグメント抵抗値の実質的に+/−1%である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
仮想的に区画されたセグメントの数が、セグメントサイズ及び電極パターンデザインの関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記セグメントの各々のセグメントサイズが、セグメント当たり実質的に1mm〜1000mmの範囲内にある、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
仮想的に区画されたセグメントの総数が任意に選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
基板と、
前記基板の上に堆積された少なくとも一つのフィルム状の電極パターンとを備え、
前記少なくとも一つのフィルム状の電極パターンが、物理的特徴を有する少なくとも一つのセグメントを備え、
前記物理的特徴が、前記少なくとも一つのセグメントの電流の流れを変化させ、及び/又は、前記少なくとも一つのセグメントの実効断面積を減少させる抵抗ヒータ装置。
【請求項17】
前記物理的特徴が、前記少なくとも一つのセグメントの電極エッジの境界の内側に、1つ以上の穴を備える、請求項16に記載の抵抗ヒータ装置。
【請求項18】
少なくとも一つの前記物理的特徴が、円形の空隙、楕円形の空隙、正方形の空隙、曲線の切れ込み、直線の切れ込み、及び孤立した環からなる群の中から選択される、請求項16に記載の抵抗ヒータ装置。
【請求項19】
(i)前記電極層の所定のパターンを、少なくとも一つのセグメントに、仮想的に区画するステップと、
(ii)目標のセグメント抵抗値から、所定のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる電気抵抗値を有する仮想的に区画されたセグメントを、前記少なくとも一つのセグメントの中から、特定するステップと、
(iii)修正された電気的セグメント抵抗値が、前記目標のセグメント抵抗値から、前記所定のしきい値の前記絶対値を越える量だけ異ならないように、特定され仮想的に区画された前記セグメントの各々の中に、少なくとも一つの穴を導入して、特定され仮想的に区画された前記セグメントの電気抵抗値を十分に修正するステップと、
を含むプロセスによって準備される抵抗ヒータ装置。
【請求項20】
導入された前記穴が、特定され仮想的に区画された前記セグメントの電流の流れを変化させるか、又は、特定され仮想的に区画された前記セグメントの実効断面積を減少させる、請求項19に記載の抵抗ヒータ装置。
【請求項21】
特定する前記ステップ(ii)が、
(a)各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を計算するステップと、
(b)各仮想的に区画されたセグメントに関して、局所的セグメント抵抗値を測定するステップと、
(c)各仮想的に区画されたセグメントに関して、計算された前記局所的セグメント抵抗値と測定された前記局所的セグメント抵抗値との差の値を計算するステップと、
(d)どの区画されたセグメントが、所定のセグメント偏差のしきい値を超える、計算された差の値を有するかを判断するステップと、をさらに含む、請求項19に記載の抵抗ヒータ装置。
【請求項22】
前記目標のセグメント抵抗値から、所定の偏差のしきい値の絶対値を越える量だけ異なる局所的セグメント抵抗値を有する、特定され区画されたセグメントが残らなくなるまで、ステップ(ii)で特定された全ての仮想的に区画されたセグメントに関して、ステップ(i)〜(iii)を繰り返すステップをさらに含む、請求項19に記載の抵抗ヒータ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2011−507188(P2011−507188A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537992(P2010−537992)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/013737
【国際公開番号】WO2009/078980
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508229301)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ インコーポレイテッド (120)
【Fターム(参考)】