説明

積層フィルムの製造方法および積層フィルム

【解決手段】本発明の積層フィルムの製造方法は、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に、環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤と、沸点が115℃以下の有機溶剤とを含有する塗布液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層を形成することを特徴としている。
【効果】本発明によれば、各層の接合性が高く、優れた紫外線吸収効果を有する環状オレフィン系樹脂からなる積層フィルムの製造方法ならびに積層フィルムを提供することができる。本発明に係る積層フィルムは、透明性、耐熱性、耐薬品性などの環状オレフィン系樹脂が本来有する優れた性状を示すとともに、各層の接合性が高く接着剤などを使用することなく製造することができ、十分な紫外線吸収性を示し、しかも位相差発現性にも優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層フィルムの製造方法および積層フィルムに関する。詳しくは、本発明は、環状オレフィン系フィルムの表面に紫外線吸収層が形成された積層フィルムの製造方法および積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
環状オレフィン系樹脂は、透明性、耐熱性、耐薬品性などに優れるため、包装用途、各種光学用途等に好適に用いられる。紫外線吸収能を有する環状オレフィン系樹脂製の成形体を製造する技術としては、たとえば特許文献1および2に示されるように、紫外線吸収剤を含有する環状オレフィン系樹脂を成形する方法が挙げられる。しかしながら、環状オレフィン系樹脂は一般に融点が高いため、押出成形や射出成形などの方法で成形を行う場合には、成形時に紫外線吸収剤が揮発あるいは分解して、所望の紫外線防止性能を発現できない場合があり、特に樹脂をフィルム状に成形する場合には揮発の影響が大きく、紫外線吸収能を十分に発現するフィルムが得られにくいという問題がある。また、紫外線吸収フィルムを単独で形成し、これを環状オレフィン系樹脂製フィルムと接着剤で貼り合わせるか、熱融着や圧着により接着する方法では、接着する紫外線吸収フィルムにある程度の厚さが必要となるため、透明性が低下するという問題がある他、フィルム同士が剥離を生じやすいという問題がある。
【0003】
このため、簡便な方法で効率よく製造でき、しかも透明性および紫外線吸収効果に優れた積層フィルムの製造方法、ならびに積層フィルムの出現が求められていた。
【特許文献1】特開平7−216152号公報
【特許文献2】特開2000−226459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた紫外線吸収効果を有する環状オレフィン系樹脂からなる積層フィルムの製造方法ならびに積層フィルムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の積層フィルムの製造方法は、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に、
環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤と、沸点が115℃以下の有機溶剤とを含有する塗布液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層を形成することを特徴としている。
【0006】
このような本発明の積層フィルムの製造方法では、塗布液が、環状オレフィン系樹脂を10〜40重量%含有することが好ましい。
本発明の積層フィルムの製造方法では、紫外線吸収層の膜厚が、1〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0007】
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂フィルムの少なくとも片方の表面に、
前記環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収層を有することを特徴としている。
【0008】
このような本発明の積層フィルムは、紫外線吸収層の膜厚が、1〜100μmの範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、各層の接合性が高く、優れた紫外線吸収効果を有する環状オレフィン系樹脂からなる積層フィルムの製造方法ならびに積層フィルムを提供することができる。本発明に係る積層フィルムは、透明性、耐熱性、耐薬品性などの環状オレフィン系樹脂が本来有する優れた性状を示すとともに、各層の接合性が高く接着剤などを使用することなく製造することができ、十分な紫外線吸収性を示し、しかも位相差発現性にも優れる。
【0010】
本発明の製造方法で得られた積層フィルムならびに本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系フィルムの表面に紫外線吸収層が形成されており、優れた透明性および紫外線吸収性を有するため、各種光学フィルム用途に好適に用いることができる。また、本発明の製造方法で得られた積層フィルムならびに本発明の積層フィルムは、延伸により十分な位相差を発現し、透明性に優れ、しかも紫外線吸収性にも優れるため、長期に渡って安定した特性を得ることができることから、様々な光学部品に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について具体的に説明する。
<積層フィルムの製造方法>
本発明の積層フィルムの製造方法では、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に紫外線吸収層を形成する。
【0012】
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂フィルムは、環状オレフィン系樹脂あるいは環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を成形して形成したフィルムをいずれも用いることができる。
・環状オレフィン系樹脂
環状オレフィン系樹脂は熱可塑性を有し、他の熱可塑性透明樹脂、例えばポリカーボネートやポリスチレンなどと比較して、分子を配向させたときに、分子の配向による複屈折が生じにくい。また、透明性、耐熱性、耐薬品性などにも優れるため、光学分野における種々の用途に有用であり、本発明に係る積層体を構成する樹脂として好適である。
【0013】
環状オレフィン系樹脂としては、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系化合物を単独または2種以上で、あるいは環状オレフィン系化合物以外の共重合モノマーとともに、重合あるいは共重合モノマーとして用いて、付加(共)重合、開環(共)重合、あるいは開環(共)重合後に主鎖中の二重結合を水素添加して得られる環状オレフィン系樹脂がいずれも用いられる。
【0014】
本発明に係る環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂としては、特に、下記一般式(1)で表される単量体(以下、「特定単量体」ともいう。)から得られる重合体または共重合体(以下、「(共)重合体」と表現する。)を用いることが好ましく、より好ましくは下記一般式(1’)で表される構造単位を有する(共)重合体、特に好ましくは、下記一般式(2)で表される構造単位を有する(共)重合体である。
【0015】
【化1】

【0016】
(式(1)中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていても良い。また、R1
〜R4 のうち任意の2つが互いに結合して、単環または多環構造を形成しても良い。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。)
【0017】
【化2】

【0018】
(式(1’)中、R1〜R4 、p、mの定義は上記式(1)に同じ。)
【0019】
【化3】

【0020】
(式(2)中、R1〜R4 の定義は上記式(1)に同じ。)
具体的には、下記(a)〜(e)に示す重合体または共重合体を好適に用いることができる。
(a)特定単量体の開環重合体(以下、「特定の開環重合体」ともいう。)
(b)特定単量体とこれと共重合可能な環状単量体(特定単量体を除く。以下、「共重合性環状単量体」ともいう。)との開環共重合体(以下、「特定の開環共重合体」ともいう。)
(c)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体(以下、「特定の飽和共重合体」ともいう。)
(d)特定の開環重合体または特定の開環共重合体(以下、これらを「特定の開環(共)重合体」ともいう。)の水素添加(共)重合体
(e)特定の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加して得られる水素添加(共)重合体
〔特定単量体〕
好ましい特定単量体としては、上記式(1)中、R1およびR3が水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4が水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pの値が0〜4、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは1であるものを挙げることができる。
【0021】
また、特定単量体のうち、R2およびR4が下記式(3)で表される極性基を有する特定単量体は、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)が高く、吸湿性が低い環状オレフィン系熱可塑性樹脂が得られる点で好ましい。
【0022】
−(CH2)nCOOR5 (3)
(式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは0〜5の整数である。)
上記式(3)において、R5はアルキル基であることが好ましい。
【0023】
また、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のTgが高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(1)において、R1またはR3はアルキル基であることが好ましく、より好ましくは炭素数が1〜4のアルキル基、さらに好ましくは炭素数が1〜2のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。更に、このアルキル基が、上記式(3)で表される極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが好ましい。
【0024】
また、上記式(1)においてmが1である特定単量体は、Tgがより高い熱可塑性樹脂組成物が得られる点で好ましい。
上記式(1)で表される特定単量体の具体例としては、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.199,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセ
ン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10
−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
ジメタノオクタヒドロナフタレン、
エチルテトラシクロドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチ
ルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロ
メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.
7,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テト
ラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチル
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.
7,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
【0025】
これらの特定単量体のうち、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.
4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.
7,10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ペンタデセンは、優れた耐熱性を有する環状オレフィン系樹脂が得られる点で好ましい。
【0026】
〔共重合性環状単量体〕
特定の開環共重合体を得るための共重合性環状単量体としては、炭素数が4〜20、特に5〜12のシクロオレフィンを用いることが好ましく、その具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6
]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0027】
〔不飽和二重結合含有化合物〕
特定の飽和共重合体を得るための不飽和二重結合含有化合物としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーを用いることができる。
【0028】
特定単量体と共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物との使用割合は、特定単量体:共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物が、重量比で100:0〜50:50であることが好ましく、更に好ましくは100:0〜60:40である。
【0029】
共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物の使用割合が過大である場合には、得られる共重合体のTgが低下し、その結果、樹脂の耐熱性が低下するため、耐熱性の高いシートを得ることが困難となる。
【0030】
〔開環重合触媒〕
特定単量体の開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒は、タングステン化合物、モリブデン化合物およびレニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の金属化合物(以下、「(a)成分」という。)と、周期表第1族元素(例えばLi、Na、Kなど)、第2族元素(例えばMg、Caなど)、第12族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、第13族元素(例えばB、Alなど)、第4族元素(例えばTi、Zrなど)あるいは第14族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、「(b)成分」という。)との組み合わせからなるものであり、触媒活性を高めるために添加剤(以下、「(c)成分」という。)が含有されていてもよい。
【0031】
上記(a)成分を構成する好適な金属化合物の具体例としては、WCl6、MoCl5、ReOCl3 などの特開平1−240517号公報に記載の金属化合物を挙げることができる。
【0032】
上記(b)成分を構成する化合物の具体例としては、n−C49Li、(C25)3Al、(C25)2AlCl、(C25)1.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなどの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
【0033】
上記(c)成分としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができるが、その他に特開平1−240517号公報に示される化合物を用いることができる。
【0034】
〔水素添加〕
本発明に用いられる環状レフィン系樹脂としては、上記の特定の(共)開環重合体および特定の飽和共重合体の他に、特定の(共)開環重合体に水素添加して得られる水素添加(共)重合体、および特定の(共)開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、これに水素添加して得られる水素添加(共)重合体を用いることができる。
【0035】
このような水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものであるため、成形加工を行う際や製品として使用する際に、加熱によってその特性が劣化することを防止することができる。
【0036】
ここに、水素添加(共)重合体における水素添加率は、通常50%以上、好ましく70%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは97%以上である。
【0037】
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂は、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)が0.2〜5.0dl/gであることが好ましい。
また、環状オレフィン系樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜10
0,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000の範囲のものが好適である。
【0038】
更に、環状オレフィン系樹脂のビカット軟化点は、160℃以上であることが好ましい。
また、本発明で用いる環状オレフィン系樹脂フィルムは、上述のような環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物から形成されていてもよい。樹脂組成物には、環状オレフィン系樹脂の他、環状オレフィン系樹脂以外の樹脂成分、安定剤や加工性向上剤などの樹脂に配合し得る各種添加剤を配合することができる。
・フィルムの成形
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂フィルムは、上述した環状オレフィン系樹脂あるいは樹脂組成物を成形して形成される。フィルムの成形方法としては、溶融押出法、溶液流延法などの公知の方法が挙げられる。
【0039】
本発明で用いる環状オレフィン系フィルムは、特に限定されるものではないが、延伸処理の施されていないものが好ましい。
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂フィルムは、特に限定されるものではなくその用途にもよるが、たとえば25〜300μm程度の厚さとすることができる。
・紫外線吸収層の形成
本発明の製造方法では、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に、環状オレフィン系樹脂と、紫外線吸収剤と、有機溶剤とを含有する塗布液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層を形成する。
【0040】
塗布液を構成する環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン系樹脂フィルムの原料として上述した環状オレフィン系樹脂をいずれも用いることができるが、環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂と同種または類似の種の樹脂を主成分としているのが好ましく、環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂と同種の環状オレフィン系樹脂を含むことがより好ましい。環状オレフィン家樹脂フィルムと塗布液を構成する環状オレフィン系樹脂が、同種あるいは類似の種の樹脂である場合には、各層の接着性がより強固になるため好ましく、同種であることがより好ましい。
【0041】
本発明では、塗布液中に環状オレフィン系樹脂が10〜40重量%、好ましくは15〜
30重量%程度の割合で含有されると、塗布効率などに優れるため好ましい。
塗布液を構成する紫外線吸収剤としては、融点が120℃以上、好ましくは135〜230℃の紫外線吸収剤を用いることができる。
【0042】
このような紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)−4,6−ヒ゛ス(1−メチル-1-フェニルエチル)フェノール(融点140℃)、2,2'-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イ
ル(融点199℃)、などを挙げることができる。
【0043】
紫外線吸収剤の融点が120℃未満である場合には、塗布液の乾燥段階などで紫外線吸収剤が揮発してしまい、十分な紫外線吸収性を発現できない場合があるため好ましくない。
【0044】
本発明では、紫外線吸収剤を揮発あるいは分解させることなく積層フィルムを製造することができるため、比較的低分子量の紫外線吸収剤を好ましく用いることができる。紫外線吸収剤の好ましい分子量は、通常200〜1000、より好ましくは300〜800程度である。
【0045】
本発明では、紫外線吸収剤の使用割合は、塗布液に含まれる環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、すなわち紫外線吸収層を構成する環状オレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.1〜3.0重量部の範囲であることが望ましい。
【0046】
塗布液を構成する有機溶剤としては、塗布液を構成する環状オレフィン系樹脂を溶解でき、沸点が115℃以下、好ましくは25〜113℃である溶剤をいずれも用いることができる。有機溶剤の沸点が115℃を超えると、塗布後の乾燥段階で十分な乾燥がなされず、得られた積層フィルムに残留溶媒が多くなりすぎ、延伸しても位相差が発現し難いという問題がある。また、沸点が115℃を超える有機溶剤を含有する塗布液を塗布後に十分な乾燥を行うためには、高温での乾燥処理が必要となり得られる積層フィルムの性状に悪影響を与えるおそれがあるため好ましくない。
【0047】
塗布液を構成する好ましい有機溶剤としては、環状オレフィン系樹脂を溶解し均一相を形成する良溶媒であって、沸点が115℃以下のものが用いられる。このような有機溶剤としては、用いる環状オレフィン系樹脂の種類によっても異なるが、たとえば、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、トルエンなどの芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、含ハロゲン芳香族炭化水素などのうち沸点が115℃以下であるものが挙げられる。また有機溶剤としては、塗布液の成分である環状オレフィン系樹脂を製造する際の重合溶媒や水素化溶媒などとして使用される有機溶剤を用いることも好ましい。
【0048】
本発明で用いる塗布液は、環状オレフィン系樹脂、紫外線吸収剤および有機溶剤のほか、必要に応じてその他の添加剤を含有していてもよい。
本発明では、上述した環状オレフィン系樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に、前記塗布液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層を形成する。本発明において、塗布とは、塗布液による塗膜が形成される方法であればよく、ロールコーターなどを用いた公知の方法での塗布およびスプレーや溶液流延などによる実質的な塗布を含む。
【0049】
本発明において、乾燥は、紫外線吸収剤の融点よりも低い温度で行うのが好ましく、120℃以下で行うのが望ましい。
本発明で形成される紫外線吸収層の膜厚は、特に限定されるものではないが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmであるのが望ましい。本発明の方法では、塗布液を塗布して乾燥させることにより紫外線吸収層を形成するため、紫外線吸収剤を含有するフィルムを別途作成して環状オレフィン系樹脂フィルム上に貼付する場合よりも、紫外線吸収層の膜厚を容易に薄いものとすることができる。
【0050】
本発明では、このような条件で紫外線吸収層を形成することにより、環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に、紫外線吸収剤を含有する環状オレフィン系樹脂の層である紫外線吸収層を有する積層フィルムを紫外線吸収剤に過度な熱履歴をかけることなく製造することができる。このような条件で製造した積層フィルムは、紫外線吸収剤が分解あるいは揮
発することなく保持されており、優れた紫外線吸収能を有する。
【0051】
このような本発明の製造方法により製造された積層フィルムには、さらに延伸処理を施すことも好ましい。延伸処理の方法としては特に限定されるものではないが、位相差を有するフィルムを製造する目的である場合には、横一軸延伸あるいは縦一軸延伸による延伸処理が好ましく、縦一軸延伸による延伸処理がより好ましい。本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、塗布液中の有機溶剤が十分に除去され、残留溶媒が少ないため、延伸処理を施すことにより、十分な位相差を有し、かつ紫外線吸収能を有するフィルムとして、位相差フィルムなどの用途に好適に使用することができる。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系樹脂フィルム層と紫外線吸収層とを有する積層フィルムであって、環状オレフィン系樹脂フィルムの少なくとも片方の表面に、前記環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収層を有する。本発明の積層フィルムは、紫外線吸収層の膜厚が、1〜100μm、好ましくは1〜50μmであることが望ましい。
【0052】
このような本発明の積層フィルムは、上述した本発明の積層フィルムの製造方法により好適に製造することができる。
本発明の積層フィルムは、優れた紫外線吸収能を示すとともに、紫外線吸収層の膜厚を薄いものとできることにより、環状オレフィン系樹脂フィルム層の有する透明性などの高い光学特性を維持した紫外線吸収フィルムとして使用することができる。
【0053】
また、本発明の積層フィルムは、延伸処理を施したフィルムであってもよい。特に縦一軸延伸などの延伸処理を施した本発明の積層フィルムは、十分な位相差を有し、かつ紫外線吸収能を有するフィルムとして、位相差フィルムなどの用途に好適に使用することができる。
【0054】
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
ノルボルネン系樹脂(JSR株式会社製、商品名:ARTON―D4531、ガラス転移温度130
℃)を、65mmΦの単軸スクリューを有する押出機(株式会社ジーエムエンジニアリング性:GM-65)にて270℃に加熱し溶融混練し、押出量40kg/hrの量で700mm幅の口金から押出を実施した。冷却ロールを125℃として10m/minの速度でフィルムを引き出し100μm厚みの
押出フィルムを巻き取った。
【0055】
この押出フィルムを繰り出しながら、上記で用いたのと同じノルボルネン系樹脂と、5
重量%の紫外線吸収剤(旭電化工業製、商品名:LA-31 融点199℃)を固形分28%となるようにトルエン(沸点110.6℃)に溶解した樹脂溶液を、フィルム全面に厚み100μmで塗布した。
【0056】
塗布した樹脂溶液が乾燥する際に、フィルムが収縮するのを抑制するために、テンターでフィルムの両側からつかみながら、張力を5kg/cm2に制御しながら、フィルムを40℃で
乾燥し、フィルム上部の残留トルエン量が10%未満になったところで、テンターから外し
、70℃まで温度を上げて、さらに最終的に120℃まで昇温し、フィルム上部の残留トルエ
ン量が1%未満になるまで乾燥を行い、片面に28μmの厚みの紫外線吸収層がついた128μ
mの膜厚で残留溶剤量が1300ppmの紫外線吸収フィルム(A-1)を得た。
【0057】
得られた紫外線吸収フィルム(A-1)の紫外線吸収性能は、380nmの波長での透過率が、
6%であった。
この紫外線吸収フィルムを耐光促進試験機(スガ試験機株式会社製;フェードメーター)でブラックパネル温度60℃、湿度85%の条件下で500時間の耐久性を確認した。
【0058】
試験の前後での色相の変化を、分光光度計(村上色彩研究所製;X-Rite8200)を用いて、測定した。得られた色相変化をΔYIとした。
また、位相差フィルムの指標となる延伸特性を下記の方法で測定した。
【0059】
引っ張り試験機(インストロンジャパン株式会社製:インストロン引っ張り試験機)を用いて、チャックでつかんだフィルムを引張り速度50mm/minの速度で、2倍まで引張り、その時に生じた位相差から複屈折を求めた。
【0060】
複屈折率=発生した位相差/延伸後の厚み×10-3 で表したところ、複屈折率は6.5×10-3であった。
[比較例1]
押出量を52kg/hrとしたことの他は、実施例1と同様の方法で、130μmの押出フィルム(B-1)を得た。得られたフィルム(B-1)について、実施例1と同様に耐光促進試験を実施し色相変化を確認した。結果を表1に示す。また得られたフィルム(B-1)について、
実施例1と同様の方法により複屈折率を求めたところ、6.2×10-3であった。
[比較例2]
実施例1と同様の方法で、100μmの押出フィルムを得た。実施例1と同様のノルボル
ネン系樹脂および紫外線吸収剤を使用し、溶剤として酢酸ブチル(沸点126.1℃)を使用
し、28%の固形分となるように樹脂溶液を調整し、これを実施例1と同様の方法にて、押出フィルムの片面に塗布して、同様の方法で乾燥を行い、残留溶剤量が2%の紫外線吸収フィルム(B-2)を得た。
【0061】
得られたフィルム(B-2)について、実施例1と同様に耐光促進試験を実施し色相変化
を確認した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様の方法により複屈折率を求めたところ、0.4×10-3であった。
[比較例3]
実施例1と同様の方法で、100μmの押出フィルムを得た。実施例1と同様のノルボル
ネン系樹脂と紫外線吸収剤(チバスペシャリティケミカルズ社製:商品名TINUVIN770DF 融点83℃)を使用し、溶剤としてトルエンを使用し、28%の固形分となるように樹脂溶液を調整し、これを実施例1と同様の方法にて、押出フィルムの片面に塗布して、同様の方法で乾燥を行い、残留溶剤量が1300ppmの紫外線吸収フィルム(B-3)を得た。
【0062】
得られたフィルム(B-3)について、実施例1と同様に耐光促進試験を実施し色相変化
を確認した。結果を表1に示す。また、実施例1と同様の方法により複屈折率を求めたところ、2.4×10-3であった。
【0063】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の製造方法で得られた積層フィルムならびに本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系フィルムの表面に紫外線吸収層が形成されており、優れた透明性および紫外線吸収性を有するため、各種光学フィルム用途に好適に用いることができる。また、本発明の製造方法で得られた積層フィルムならびに本発明の積層フィルムは、延伸により十分な位相差を発現し、透明性に優れ、しかも紫外線吸収性にも優れるため、長期に渡って安定した特性を得ることができることから、様々な光学部品に使用することができる。例えば、携帯電話、ディジタル情報端末、ポケットベル、ナビゲーション、車載用液晶ディスプレイ、液晶モニター、調光パネル、OA機器用ディスプレイ、AV機器用ディスプレイなどの各種液晶表示素子、エレクトロルミネッセンス表示素子またはタッチパネルなどに使用することができる。また、CD、CD−R、MD、MO、DVD等の光ディスクの記録・再生装置に使用される波長板としても有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状オレフィン系樹脂フィルムの表面に、
環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤と、沸点が115℃以下の有機溶剤とを含有する塗布液を塗布し、乾燥して紫外線吸収層を形成することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
【請求項2】
塗布液が、環状オレフィン系樹脂を10〜40重量%含有することを特徴とする請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項3】
紫外線吸収層の膜厚が、1〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルムの製造方法。
【請求項4】
環状オレフィン系樹脂フィルムの少なくとも片方の表面に、
前記環状オレフィン系樹脂フィルムを構成する環状オレフィン系樹脂と、融点が120℃以上の紫外線吸収剤とを含有する紫外線吸収層を有することを特徴とする積層フィルム。
【請求項5】
紫外線吸収層の膜厚が、1〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項4に記載の積層フィルム。

【公開番号】特開2007−276142(P2007−276142A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101888(P2006−101888)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】