Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
積層フィルム
説明

積層フィルム

【課題】従来のものよりも、製造効率に優れ、層間の接着強度が高く、且つ、樹脂層にクラックが生じることがなく、さらに、各層の膜厚が均一な共押出し積層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリスチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、接着層(C層)を介して、ポリノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された積層フィルムであって、
C層が、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂40〜98重量%と、脂肪族系石油樹脂などから選ばれる粘着剤1〜59重量%と、特定の熱可塑性エラストマー1〜59重量%とから構成される組成物からなり、且つ、
組成物のメルトフローレート(JIS K7210に準じて、温度190℃、荷重21.18N(条件D)で測定)が、2.5g/10分以上であり、
共押出し法により製膜されてなることを特徴とする積層フィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層間の接着強度が高く、且つ、樹脂層にクラックが生じることがなく、さらに、各層の膜厚が均一で、透明性に優れ、表面平滑性と外観が良好である積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)の表示性能を向上させる部材として、位相差フィルムが重要な役割を果たしている。位相差フィルムには、液晶を配向させたフィルムなど様々なものが知られているが、中でも製造効率に優れることから、樹脂フィルムを延伸により配向させて得られる延伸フィルムが広く用いられてきた。
該延伸フィルムに用いる樹脂には、ポリカーボネートを始めとして種々の重合体が挙げられるが、その中でも、透明性に優れ、STN型等のLCDに対する視野角補償に効果が大きいスチレン系重合体からなる樹脂を用いたフィルムが注目されている(引用文献1)。
ところが、スチレン系重合体は、フィルム状に成形すると機械的強度に劣るために、スチレン系重合体樹脂フィルムを延伸すると容易に破断が生じてしまい、製造効率に劣るといった欠点が指摘されていた。
そこで、本出願人は、スチレン系重合体フィルムの少なくとも片面に透明フィルムを積層した積層フィルムを共延伸する手法を提案してきた(引用文献2)。ここでは、積層フィルムを得るために、共押出し法を用いている。さらに、これとは別に、本出願人は、共押出し法により得られる積層フィルムを提案している(引用文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開平2−256023号公報
【特許文献2】特開2004−133313号公報
【特許文献3】特開2004−058369号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献2や特許文献3に記載の共押出し法により得られた積層フィルムは、内層に厚さむらが生じる問題があり、改善が必要とされている。位相差フィルムのような光学用途に利用する場合は、高精度の膜厚均一性が求められ、積層フィルムにおいては、全体としての膜厚が均一であるだけでなく、各層全ての膜厚が均一であることが求められる。
【0005】
従って、本発明の目的は、製造効率に優れ、層間の接着強度が高く、且つ、樹脂層にクラックが生じることがなく、さらに、各層の膜厚が均一な共押出し積層フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、共押出し法により、スチレン系重合体樹脂からなるフィルムの両面に、特定の接着層を介して、ノルボルネン系重合体からなるフィルムを積層することにより、上記目的を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
かくして、本発明によれば、
(1)スチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、接着層(C層)を介して、ノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された積層フィルムであって、
C層が、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂40〜98重量%と、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの水素化物から選ばれる粘着剤1〜59重量%と、ビニル芳香族化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと共役ジエン化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水素化物から選ばれる熱可塑性エラストマー1〜59重量%とを含有する組成物からなり、且つ、
組成物のメルトフローレート(JIS K7210に準じて、温度190℃、荷重21.18N(条件D)で測定)が、2.5g/10分以上であり、
共押出し法により製膜されてなることを特徴とする積層フィルム、
(2)A層の厚さの標準偏差/A層の平均厚さ≦0.025を満たすことを特徴とする(1)記載の積層フィルム、
(3)積層フィルムの厚さの標準偏差/積層フィルムの平均厚さ≦0.01を満たすことを特徴とする(2)記載の積層フィルム、
(4)(1)〜(3)記載の積層フィルムを延伸してなることを特徴とする位相差フィルム、
(5)波長400〜700nmの光で測定したA層の面内レターデーション及びB層の面内レターデーションをそれぞれRe(A)、Re(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|、且つ、|Re(B)|が20nm以下であることを特徴とする(4)記載の位相差フィルム、
(6)A層の樹脂及びB層の樹脂のガラス転移温度をそれぞれTg(A)(℃)、Tg(B)(℃)としたとき、Tg(A)>Tg(B)+20℃である(5)記載の位相差フィルム、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の積層フィルムは、透明性に優れ、層間の接着強度が高く、樹脂層にクラックが生じることがなく、各層の膜厚が均一であるため、特に光学用途のフィルムとして有用である。また、本発明の積層フィルムを延伸して得られた延伸フィルムは、種々の表示装置に対する視野角補償に効果が大きく、長期に渡って光学特性が良好に保たれる位相差フィルムとして、液晶表示装置、有機EL表示装置に広く適用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の積層フィルムは、ポリスチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、接着層(C層)を介して、ポリノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された構成を有する。
【0010】
本発明に用いるポリスチレン系樹脂は、例えば、ポリスチレン、又は、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレン、p-ニトロスチレン、p-アミノスチレン、p-カルボキシスチレン、p-フェニルスチレンなどのスチレン系単量体と、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、(メタ)アクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、酢酸ビニルなどのその他の単量体との共重合体などを挙げることができる。これらの中で、ポリスチレン又はスチレンと無水マレイン酸との共重合体を好適に用いることができる。
【0011】
本発明に用いるポリスチレン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000である。本発明に用いるポリスチレン系樹脂は、ガラス転移温度が120℃以上であることが好ましく、120〜200℃であることがより好ましく、120〜140℃であることがさらに好ましい。
【0012】
本発明において、ポリスチレン系樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、塩素捕捉剤、難燃剤、結晶化核剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、離型剤、顔料、有機又は無機の充填材、中和剤、滑剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止剤、抗菌剤やその他の樹脂、熱可塑性エラストマーなどの公知の添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0013】
本発明の積層フィルムのA層は、A層の厚さの標準偏差/A層の平均厚さ≦0.025を満たすことが好ましく、A層の厚さの標準偏差/A層の平均厚さ≦0.02を満たすことがより好ましい。A層が上記範囲を満たさないと、本発明の積層フィルムを延伸する際にA層に延伸むらが生じやすくなり、結果として延伸されたA層に厚みむらが生じるおそれがある。もし、延伸されたA層に厚みむらが生じると、本発明の積層フィルムを延伸してなる延伸フィルムの厚み方向のレターデーションのばらつきが大きくなるおそれがあり、前記延伸フィルムを表示装置に適用した場合に、表示性能(視野角性能)が大幅に低下するおそれがある。
【0014】
本発明に用いるポリノルボルネン系樹脂としては、例えば、ノルボルネン構造を有する単量体の開環重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との開環重合体又はそれらの水素化物、ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体若しくはノルボルネン構造を有する単量体と他の単量体との付加重合体又はそれらの水素化物等を挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン構造を有する単量体の開環(共)重合体水素化物は、透明性、成形性、耐熱性、低吸湿性、寸法安定性、軽量性などの観点から、特に好適に用いることができる。
【0015】
ノルボルネン構造を有する単量体としては、例えば、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,8−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8−ベンゾトリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、およびこれらの化合物の誘導体(環に置換基を有するもの)などを挙げることができる。ここで、置換基としては、例えばアルキル基、アルキレン基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基などが挙げられる。また、これらの置換基は、同一または相異なって複数個が環に結合していてもよい。ノルボルネン系単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
ノルボルネン構造を有する単量体と開環共重合可能な他の単量体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどのモノ環状オレフィン類およびその誘導体;シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどの環状共役ジエンおよびその誘導体;などが挙げられる。
【0017】
ノルボルネン系単量体の開環重合体およびノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能な他の単量体との開環共重合体は、単量体を開環重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
【0018】
用いる開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硫酸塩またはアセチルアセトン化合物、および還元剤とからなる触媒;あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒;などが挙げられる。
【0019】
ノルボルネン構造を有する単量体の付加重合体およびノルボルネン構造を有する単量体とこれと付加共重合可能な他の単量体との付加共重合体は、単量体を付加重合触媒の存在下に重合することにより得ることができる。
付加重合触媒としては、例えば、チタン、ジルコニウム、バナジウムなどの金属の化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒などを用いることができる。
【0020】
ノルボルネン構造を有する単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンおよびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィンおよびこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエンなどが挙げられる。これらの単量体は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、α−オレフィンが好ましく、エチレンがより好ましい。
【0021】
本発明に用いるポリノルボルネン系樹脂の分子量は使用目的に応じて適宜選定されるが、溶媒としてシクロヘキサン(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン)を用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは18,000〜55,000である。本発明に用いるポリノルボルネン系樹脂は、ガラス転移温度が70〜120℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、100〜110℃であることがさらに好ましい。
【0022】
本発明において、ポリノルボルネン系樹脂には、必要に応じて、前記ポリスチレン系樹脂の説明で記載した添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0023】
本発明の積層フィルムのB層は、B層の厚さの標準偏差/B層の平均厚さ≦0.025を満たすことが好ましく、B層の厚さの標準偏差/B層の平均厚さ≦0.02を満たすことがより好ましい。B層が上記範囲を満たさないと、本発明の積層フィルムを延伸する際にA層に延伸むらが発生しやすくなるおそれがあり、結果として延伸されたA層に厚みむらが生じるおそれがある。
【0024】
本発明の積層フィルムのB層は、引張破断伸びが30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。A層にC層を介して、引張破断伸びが30%以上であるB層とを積層することにより、本発明の積層フィルムを安定して延伸することができる。ここで、引張破断伸びは、JIS K6251に準拠して測定される値である。
【0025】
本発明に用いるC層は、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂40〜98重量%と、粘着剤1〜59重量%と、熱可塑性エラストマー1〜59重量%とを含有する組成物からなり、好ましくは、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂40〜70重量%と、粘着剤15〜35重量%と、熱可塑性エラストマー10〜40重量%とを含有する組成物からなる。不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂の含有割合が40重量%を下回ると、押出成形性が劣る恐れがある。不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂の含有割合が98重量%を上回ると、層間剥離強度が低下するおそれがある。粘着剤の含有割合が1重量%を下回ると、層間剥離強度が低下するおそれがある。粘着剤の含有割合が59重量%を上回ると、押出成形性が劣るおそれがある。熱可塑性エラストマーの含有割合が1重量%を下回ると、層間剥離強度が低下するおそれがある。熱可塑性エラストマーの含有割合が59重量%を上回ると、接着性樹脂が白濁するおそれがある。
【0026】
本発明のC層に用いる不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂としては、エチレン系重合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合したものが挙げられる。例えば、アドマー(三井化学(株)製商品名)、オレバックG(アルケマ(株)製商品名)などがある。中でもエチレン重合体に無水マレイン酸をグラフト重合したものが好ましい。
【0027】
本発明のC層に用いる粘着剤は、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの水素化物から選ばれる。該脂肪族系石油樹脂はとしては、ハイレッツ(三井化学(株)製商品名)、エスコレッツ(エッソ化学(株)製商品名)などを挙げることができる。該芳香族系石油樹脂としては、アルコンPやアルコンM(荒川化学工業(株)製商品名)、クイントン(日本ゼオン(株)製商品名)などを挙げることができる。それらの中でも、脂肪族系石油樹脂または芳香族系石油樹脂の水素化物が好ましい。該粘着剤は、軟化点が、好ましくは70〜150℃、特に好ましくは90〜150℃のものが用いられる。軟化点が70℃を下回ると、押出成型加工性が低下するおそれがある。軟化点が150℃を上回ると、層間剥離強度が低下するおそれがある。
【0028】
本発明のC層に用いる熱可塑性エラストマーは、ビニル芳香族化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと共役ジエン化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水素化物から選ばれる。ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロックの含有割合は、10〜80重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがさらに好ましい。ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロックの含有割合が10重量%を下回ると、成型加工性が低下するおそれがある。粘着剤の含有割合が80重量%を上回ると、層間剥離強度が低下するおそれがある。ここで、ビニル芳香族化合物の単量体と共役ジエン化合物の単量体とのブロック構造については特に制限がなく、前記共重合体には、例えば、一般式:M−N;M−N−M;N−M−N−M;M−N−M−N−M等で表されるブロック共重合体(但し、式中Mはビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックを示し、Nは共役ジエン化合物からなる重合体ブロックを示し、重合体ブロックNの二重結合が部分的にあるいは完全に水素添加されていてもよい)などを挙げることができる。
【0029】
前記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンを挙げることができる。この中でもスチレンを特に好適に用いることができる。ビニル芳香族化合物の市販品には、クインタック(日本ゼオン(株)製商品名)、クレイトン(クレイトンポリマージャパン(株)製商品名)、タフテック(旭化成(株)製商品名)、セプトン((株)クラレ製商品名)などがある。また、前記共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエンを挙げることができる。この中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせを特に好適に用いることができる。
【0030】
C層を構成する組成物は、JIS K7210に準じて、温度190℃、荷重21.18N(条件D)で測定した場合のメルトフローレートが、2.5g/10分以上、好ましくは2.5〜10g/10分である。該共重合体のメルトフローレートが、2.5g/10分未満であると、本発明の積層フィルムを共押出しにより製膜する際に、C層とA層との界面、および、C層とB層との界面が乱れ、結果的にA層の膜厚が特に不均一になるおそれがあり、加えて、フィルム表面に皺が発生するおそれがある。
【0031】
C層を構成する組成物は、引張強さが2MPa以上であることが好ましく、4MPa以上であることがより好ましい。引張強さが2MPaを下回ると、本発明の積層フィルムを延伸した際にフィルムに亀裂が生ずるおそれがある。ここで、引張強度は、JIS K6251に準拠して測定される値である。
【0032】
C層を構成する組成物は、引張破断伸びが400%以上であることが好ましく、600%以上であることがより好ましい。引張破断伸びが400%を下回ると、本発明の積層フィルムを延伸した際にフィルムに亀裂が生ずるおそれがある。ここで、引張破断伸びは、JIS K6251に準拠して測定される値である。
【0033】
C層を構成する組成物は、JIS A硬度が30〜100であることが好ましく、60〜90であることがより好ましい。JIS A硬度が30を下回ると、本発明の積層フィルムの機械的強度が不足するおそれがある。JIS A硬度が100を上回ると、本発明の積層フィルムを延伸した際にフィルムに亀裂が生ずるおそれがある。ここで、JIS A硬度は、JIS K6253(デュロメータ硬さ試験 タイプA)に準拠して測定される値である。
【0034】
C層を構成する共重合体には、必要に応じて、前記ポリスチレン系樹脂の説明で記載した添加剤を発明の効果が損なわれない範囲で添加することができる。
【0035】
本発明の積層フィルムは、積層フィルムの厚さの標準偏差/積層フィルムの平均厚さ≦0.01を満たすことが好ましく、積層フィルムの厚さの標準偏差/積層フィルムの平均厚さ≦0.007を満たすことがより好ましい。積層フィルムが上記範囲を満たさないと、例えば、積層フィルムを偏光板保護フィルムとして用いた場合に、ロール・トウ・ロールによる貼り合わせ加工で、偏光子と保護フィルムとの間に気泡などを巻き込むおそれがある。
【0036】
本発明の積層フィルムは、A層とC層の間、及びC層とB層の間の層間剥離強度が、いずれも0.5N/25mm以上であることが好ましく、0.7N/25mm以上であることがより好ましい。A層とC層の間、及びC層とB層の間の層間剥離強度が0.5N/25mm未満であると、積層フィルムを延伸した場合に層間剥離を生ずるおそれがある。ここで、層間剥離強度は、JIS K−6854−2に準拠して引張速度100mm/minで180度剥離により測定される値である。
【0037】
本発明の積層フィルムは長尺状であることが好ましい。長尺状とは、フィルムまたは積層体の幅方向に対し少なくとも5倍程度以上の長さを有するものを言い、好ましくは10倍もしくはそれ以上の長さを有し、具体的にはロール状に巻回されて保管または運搬される程度の長さを有するものを言う。
【0038】
本発明の積層フィルムは、共押出し法により製膜されたものである。共押出成形法には、フラットなダイを用いたフラットダイ共押出成形法と、円筒形のダイを用いた共インフレーション成形法とがあるが、フラットダイ共押出成形法が好ましい。フラットダイ共押出成形法は、樹脂を押出機で加熱溶融後、フラットダイから共押し出し連続的にフィルム形状の成形品を得る方法である。フラットダイとしては、樹脂の分配流路の構造別に、Tダイ、コートハンガーダイ、フィッシュテールダイなどが挙げられる。押出機は樹脂を加熱混練して、一定押出量でダイよりフィルム形状で溶融体を押し出す。通常押出機とダイとの間にスクリーンやフィルタを入れて、ゲルや異物を除去することが好ましい。また使用される樹脂は、押出機に投入する前に乾燥し、水や揮発性溶剤の含有量を減らしておくことがフィッシュアイや気泡の発生を防止する上で好ましい。
【0039】
共押出し温度は、ポリスチレン系樹脂のガラス転移温度よりも80〜180℃高い温度にすることが好ましく、ポリスチレン系樹脂のガラス転移温度よりも100〜150℃高い温度にすることがより好ましい。押出機での溶融温度が過度に低いと樹脂の流動性が不足するおそれがあり、逆に溶融温度が過度に高いと樹脂が劣化する可能性がある。
【0040】
本発明の積層フィルムは更に延伸加工して、位相差フィルムとすることができる。延伸加工の方法は特に制限はなく、縦一軸延伸、横一軸延伸、縦横同時延伸、縦横逐次延伸などの従来公知の方法を適用し得る。
【0041】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、波長400〜700nmの光で測定したA層の正面方向のレターデーション及びB層の正面方向のレターデーションをそれぞれRe(A)、Re(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|で、且つ、|Re(B)|が40nm以下であることが好ましく、|Re(A)|>|Re(B)|で、且つ、|Re(B)|が30nm以下であることがより好ましく、|Re(A)|>|Re(B)|で、且つ、|Re(B)|が20nm以下であることがさらに好ましい。|Re(A)|>|Re(B)|で、且つ、|Re(B)|が40nm以下であることにより、光学的に調整を行ったA層の光学特性を効果的に利用することができる。加えて、効率良く、下述の係数NZを0.4以下にすることができる。|Re(A)|≦|Re(B)|となると、該位相差フィルムの光学補償機能が十分に発現しないおそれがある。また、|Re(B)|が40nmを超えると、該位相差フィルムの光学補償機能が十分に発現しないおそれがある。なお、|Re(B)|は各B層の正面方向のレターデーションの絶対値の総和とする。
【0042】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、正面方向のレターデーション(Re)のばらつきが10nm以内、好ましくは5nm以内、さらに好ましくは2nm以内である。Reのばらつきを、上記範囲にすることにより、各種表示装置に用いた場合に表示品質を良好なものにすることが可能になる。ここで、Reのばらつきは、正面方向のレターデーションをフィルムの幅方向に測定したときの、そのReの最大値と最小値との差である。なお、本発明におけるReは、フィルムの遅相軸方向の屈折率nx、遅相軸に面内で直交する方向の屈折率ny、及び厚み方向の屈折率nz、フィルムの平均厚みTwとしたときに、(nx−ny)×Tで定義される値である。
【0043】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、厚み方向のレターデーション(Rth)のばらつきが10nm以内、好ましくは5nm以内、さらに好ましくは2nm以内である。Rthのばらつきを、上記範囲にすることにより、液晶表示装置に用いた場合に表示品質(視野角性能)を良好なものにすることが可能になる。ここで、Rthのばらつきは、厚み方向のレターデーションをフィルムの幅方向に測定したときの、そのRthの最大値と最小値との差である。なお、本発明におけるRthは、((nx+ny)/2−nz)×Tで定義される値である。
【0044】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、正面方向のレターデーションと厚み方向のレターデーションの関係を表現した係数NZが0.4以下、好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0以下、特に好ましくは−0.2以下である。NZが0.4以下であることにより、各種表示装置用の位相差フィルムとして用いた場合に特に視野角補償に効果が大きいものとなる。なお、NZは、(nx−nz)/(nx−ny)で表される値である。
【0045】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、A層の樹脂及びB層の樹脂のガラス転移温度をそれぞれTg(A)(℃)、Tg(B)(℃)としたとき、Tg(A)>Tg(B)+20℃であることが好ましく、Tg(A)>Tg(B)+24℃であることがより好ましい。本発明の積層フィルムを延伸するとき、温度Tg(A)(℃)付近で延伸すると、A層の複屈折特性を十分かつ均一に発現させることができる。このとき、B層は、そのガラス転移温度Tg(B)よりも20℃以上高い温度で延伸されるので、高分子はほとんど配向せず、実質的に無配向の状態となる。ポリスチレン系樹脂フィルムは、単独では延伸しにくく、延伸むらや破断などが生ずる場合があるが、ガラス転移温度が低い他の透明な樹脂と積層することにより、安定して共延伸することが可能となり、かつA層の厚さむらを小さくすることができる。特に、本発明の積層フィルムは、各層の厚さむらが小さいので、これを延伸してなる位相差フィルムの各層の膜厚を容易に均一にすることができる。
【0046】
本発明の積層フィルムは、また紫外線硬化型樹脂、液晶ポリマー(硬化前の液晶モノマーも含む)、光反射防止剤などを塗布し硬化樹脂層や液晶ポリマー層を積層形成することができる。
【0047】
本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置、FED(電界放出)表示装置、SED(表面電界)表示装置などに広く応用が可能である。液晶表示装置としては、例えば、インプレーンスイッチング(IPS)モード、バーチカルアラインメント(VA)モード、マルチドメインバーチカルアラインメント(MVA)モード、コンティニュアスピンホイールアラインメント(CPA)モード、ハイブリッドアラインメントネマチック(HAN)モード、ツイステッドネマチック(TN)モード、スーパーツイステッドネマチック(STN)モード、オプチカルコンペンセイテッドベンド(OCB)モードなどを挙げることができる。この中でも、特にIPSモードの液晶表示装置に対して、視野角補償効果が大きい。
【実施例】
【0048】
本発明を、実施例を示しながら、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお部及び%は特に断りのない限り重量基準である。
また、実施例及び比較例において、測定及び評価は下記の方法で行った。
(1)メルトフローレート
JIS K7210(温度190℃、荷重21.18N(条件D))に基づいて、(株)東洋精機製作所製 メルトインデクサ F-B01により測定する。
(2)厚さむら
積層フィルムの幅方向に50mm間隔で反射分光膜厚計[大塚電子(株)製 FE-3000]を走査して、積層フィルムの各層の厚さを測定する。この操作を、積層フィルムの流れ方向に50mm間隔で、1000mmに渡って行う。全測定結果から、各層についての、厚さの平均値Tav、厚さの標準偏差Tσを導出し、次式にしたがって厚さむらを算出する。
厚さむら=Tσ/Tav
(3)層間剥離強度
積層フィルムの層間剥離強度を、JIS K−6854−2(引張速度100mm/minで180度剥離)に基づいて、オートグラフ[(株)島津製作所製 AGS-J]を用いて測定する。
(4)表面性
積層フィルムの表面の状態を観察し、下記の基準に従って判定した。
○:表面に皺や白化がなく、良好である。
△:部分的に細かい皺又は白化が認められる
×:全面に大小の皺又は凹凸がある。
(5)耐熱テスト
積層フィルムを温度80℃の空気雰囲気下に240時間静置した後、試験片を目視で観察した。
(6)ガラス転移温度
JIS K 7121に基づいて示差走査熱量分析法(DSC)により測定する。
(7)正面方向のレターデーションRe、厚み方向のレターデーションRth
積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムから分離したポリスチレン系樹脂からなる層(A層)、ポリノルボルネン系樹脂からなる層(B層)及び積層フィルムについて、自動複屈折計[王子計測機器(株) 製、KOBRA-21ADH]を用いて測定する。
(8)NZ係数
自動複屈折計[王子計測機器(株) 製、KOBRA-21ADH]を用いて測定する。
(9)液晶表示装置の視野角特性
積層フィルムを延伸してなるフィルムを、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置に組み込んだ後、該表示装置を温度30℃、湿度80%の雰囲気下に静置して、黒表示時の表示特性を目視により観察する。
【0049】
実施例1
ポリノルボルネン系樹脂[日本ゼオン(株)製、商品名「ZEONOR1060」、ガラス転移温度100℃]からなるB層、スチレン-無水マレイン酸共重合体[ガラス転移温度130℃、オリゴマー成分含有量3重量%]からなるA層及び組成物[無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(商品名「オレバックG18380」)98重量%と、芳香族系石油樹脂(商品名「アルコンP−100」)1重量%と、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックを有するブロック共重合体(商品名「タフテックH1031」)1重量%とから構成される組成物、メルトフローレート5g/10分]からなるC層を有する、b層(30μm)-c層(10μm)-a層(70μm)-c層(10μm)-b層(30μm)の積層フィルムD1を共押出成形により得た。
積層フィルムD1を、延伸温度135℃、延伸速度8m/分、延伸倍率2.4倍でテンター横延伸し、厚さ70μmの位相差フィルムE1を得た。
得られた位相差フィルムE1の中央部から試験片を切り出し、位相差フィルムの遅相軸と偏光板[サンリッツ社製、HLC2-5618]の吸収軸とが垂直になるように積層した光学素子F1を、市販のインプレーンスィッチング(IPS)モードの液晶表示装置の視認側の偏光板と置き換え、評価を行った。この際、位相差フィルムの遅相軸とバックライト側偏光板の吸収軸とを平行にし、位相差フィルムが液晶セル側に配置されるように光学素子F1を組み込んだ。
全ての評価結果を表1〜4に示す。
【0050】
実施例2
C層として、組成物[無水マレイン酸変性ポリエチレン樹脂(商品名「オレバックG 18350」)98重量%と、芳香族系石油樹脂(商品名「アルコンP−90」)1重量%と、ビニル芳香族化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物の重合体ブロックを有するブロック共重合体(商品名「タフテックH1031」)1重量%とから構成される組成物、メルトフローレート4g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(30μm)-c層(10μm)-a層(70μm)-c層(10μm)-b層(30μm)の積層フィルムD2を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムE2を得た。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムE2と偏光板とを積層して光学素子F2を作製した。さらに光学素子F2をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。全ての評価結果を表1〜4に示す。
【0051】
比較例1
C層として、エチレン−酢酸ビニル共重合体[三井・デュポンポリケミカル社製、商品名「エバフレックス P2805」、酢酸ビニル組成28重量%、メルトフローレート6g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(30μm)-c層(10μm)-a層(70μm)-c層(10μm)-b層(30μm)の積層フィルムD3を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムE3を得た。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムE3と偏光板とを積層して光学素子F3を作製した。さらに光学素子F3をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。全ての評価結果を表1〜4に示す。
【0052】
比較例2
C層として、直鎖状低密度ポリエチレン系重合体[日本ポリエチレン社製、商品名「ノバテックLL UL960」、メルトフローレート5g/10分]を用いる以外は、実施例1と同様にして、b層(30μm)-c層(10μm)-a層(70μm)-c層(10μm)-b層(30μm)の積層フィルムD4を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムE4を得た。この時、フィルムE4には、A層とC層との間に部分的な剥離が見られた。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムE4と偏光板とを積層して光学素子F4を作製した。さらに光学素子F4をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。全ての評価結果を表1〜4に示す。
【0053】
比較例3
C層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして、b層(30μm)-a層(70μm)-b層(30μm)の積層フィルムD5を共押出成形により得た。さらに、実施例1と同様にして、横延伸を行い位相差フィルムE5を得た。この時、フィルムE5には、A層とC層との間に全面的な剥離が見られた。加えて、実施例1と同様にして、位相差フィルムE5と偏光板とを積層して光学素子F5を作製した。さらに光学素子F5をIPSモードの液晶表示装置に組み込んで評価を行った。全ての評価結果を表1〜4に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
【表2】

【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
表1〜4に示した結果から以下のことがわかる。
実施例1及び実施例2から、本発明の積層フィルムは、A層の厚さむらが小さい上に、層間剥離強度が高く、積層フィルムの表面状態も良好であることがわかる。さらに、本発明の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、層間剥離も見られず、フィルムのReのばらつきやRthのばらつきが小さいことがわかる。加えて、該位相差フィルムを、液晶表示装置に使用して表示性能を確認すると、画面においての部分的な色相変化も全く見られない上に、斜めから観察した場合にも良好な表示を確認でき、表示特性が良好である。
【0059】
これに対して、本発明のC層の成分とは異なるエチレン-ビニル酢酸共重合体から構成される接着層を用いた比較例1の積層フィルムは、高温域に長時間放置するとB層にクラックが生じる。加えて、該位相差フィルムを、液晶表示装置に使用して表示性能を確認すると、画面全面に渡って点状の色相変化が多数観察され、表示不良である。加えて、画面を斜めから観察した場合には、前記点状の色相変化がより際立って観察され、表示品位がより悪化する。
【0060】
本発明のC層の成分とは異なる直鎖状ポリエチレン系重合体から構成される接着層を用いた比較例2の積層フィルムは、フィルムの表面状態は良好であるものの、層間剥離強度が弱い。さらに、比較例2の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、A層とC層との間において、部分的な剥離が見られる。加えて、該位相差フィルムを、液晶表示装置に使用して表示性能を確認すると、画面の周辺部の大部分に色相変化が見られ、表示不良である。さらに、画面を斜めから観察した場合には、前記色相変化がより際立って観察され、表示品位がより悪化する。
【0061】
接着層(C層)を有さない比較例3の積層フィルムは、フィルムの表面状態は良好であるものの、層間剥離強度が極端に弱い。さらに、比較例3の積層フィルムを延伸してなる位相差フィルムは、層間において全面的な剥離が見られる。加えて、該位相差フィルムを、液晶表示装置に使用して表示性能を確認すると、画面の全面に渡って色相変化が見られ、表示不良である。さらに、画面を斜めから観察した場合には、前記全面に渡っての色相変化がより際立って観察され、表示品位がより悪化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン系樹脂からなるフィルム(A層)の両面に、接着層(C層)を介して、ノルボルネン系樹脂からなるフィルム(B層)が積層された積層フィルムであって、
C層が、不飽和カルボン酸変性ポリエチレン樹脂40〜98重量%と、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、またはそれらの水素化物から選ばれる粘着剤1〜59重量%と、ビニル芳香族化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックと共役ジエン化合物を主成分とする少なくとも1個の重合体ブロックを有するブロック共重合体またはその水素化物から選ばれる熱可塑性エラストマー1〜59重量%とを含有する組成物からなり、且つ、
組成物のメルトフローレート(JIS K7210に準じて、温度190℃、荷重21.18N(条件D)で測定)が、2.5g/10分以上であり、
共押出し法により製膜されてなることを特徴とする積層フィルム。
【請求項2】
A層の厚さの標準偏差/A層の平均厚さ≦0.025を満たすことを特徴とする請求項1記載の積層フィルム。
【請求項3】
積層フィルムの厚さの標準偏差/積層フィルムの平均厚さ≦0.01を満たすことを特徴とする請求項2記載の積層フィルム。
【請求項4】
請求項1〜3記載の積層フィルムを延伸してなることを特徴とする位相差フィルム。
【請求項5】
波長400〜700nmの光で測定したA層の面内レターデーション及びB層の面内レターデーションをそれぞれRe(A)、Re(B)としたとき、|Re(A)|>|Re(B)|、且つ、|Re(B)|が40nm以下であることを特徴とする請求項4記載の位相差フィルム。
【請求項6】
A層の樹脂及びB層の樹脂のガラス転移温度をそれぞれTg(A)(℃)、Tg(B)(℃)としたとき、Tg(A)>Tg(B)+20℃である請求項5記載の位相差フィルム。

【公開番号】特開2006−212989(P2006−212989A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29685(P2005−29685)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】