説明

積層フィルム

【課題】
例えば半透過半反射型液晶ディスプレイに用いた時に光線反射率及び光線透過率が共に適度なものとし、また透過色相も特に青色や黄色に偏重することなく、その結果自然な色相を提供することが出来る積層フィルムを提供する。
【解決手段】
透明なプラスチックフィルムによる基材フィルムの少なくとも片面に、金属層と、低屈折率層と、高屈折率層と、を積層してなる積層フィルムであって、前記低屈折率層の光線屈折率が1.20以上1.60未満であり、かつその膜厚が10nm以上100nm以下であり、前記高屈折率層の光線屈折率が1.60以上2.20以下であり、かつその膜厚が20nm以上100nm以下であり、前記積層フィルムの可視光線透過率が3%以上50%以下であり、かつ可視光線反射率が50%以上97%以下である積層フィルムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層フィルムに関する発明であって、具体的には、半透過半反射型液晶ディスプレイ装置用の半透過半反射フィルムとして利用可能な積層フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今液晶ディスプレイが急激に普及している。これは、単にテレビジョン受信装置としての液晶ディスプレイだけではなく、パソコンや携帯電話の表示画面など、生活の中のあらゆる場面に用いられるようになってきている。
【0003】
さて、この液晶ディスプレイには、主にバックライトを使用する液晶ディスプレイと、バックライトを用いない反射型液晶ディスプレイと、の2種類があった。
【0004】
まず液晶ディスプレイに関して説明すると、これは液晶表示画面の背面に蛍光灯(冷陰極管)を光源として表示を行うタイプのものであり、採度が高く、暗い室内で見やすい、という特徴があるが、消費電力が大きく、また明るい屋外では表示が暗くなってしまう、という欠点がある。
【0005】
一方反射型液晶ディスプレイに関して説明すると、液晶表示画面の背面に反射フィルムを貼着することで外光の反射を利用しつつ表示を行うタイプのものであり、太陽光など自然の光のみを利用する製品のほかに、画面前面に光源を配置するフロントライト型や、画面横に光源を配置するサイドライト型の製品がある。そして前述の液晶ディスプレイに比べて、消費電力が少なく、明るい屋外で見やすいという特徴があるが、一方で彩度が低く、暗いところでは表示できなくなるという欠点があった。
【0006】
そこで最近では、液晶ディスプレイの持つ、消費電力が大きく、明るい屋外では表示が暗くなるという欠点と、反射型液晶ディスプレイの持つ、彩度が低く、暗いところでは表示できなくなるという欠点を解消するものとして、反射型と透過型を融合して、暗いところではバックライトを、明るいところでは外光を利用する半透過半反射型液晶ディスプレイが登場してきた。そしてこの半透過半反射液晶ディスプレイは、暗いところではバックライトを、明るいところでは外光を利用することで、前述の2つのタイプの液晶ディスプレイの持つそれぞれの利点を生かしている。そしてこの半透過型液晶ディスプレイは、液晶パネルの裏にマジックミラーのような素材を挟むことで両者の方式を融合することを実現しているものであり、この液晶パネルの裏のマジックミラーのような素材が、即ち半透過半反射拡散フィルムと呼ばれるものである。
【0007】
この半透過半反射拡散フィルムとは、液晶ディスプレイで用いられている拡散フィルムと、反射型液晶ディスプレイで用いられている反射フィルムと、それぞれの性能が必要である。即ち、拡散フィルムであればバックライトの光を有効利用するために光源の光を効率的に拡散させることが出来るという性質があり、一方反射フィルムであれば取り入れた外光を効率よく利用するために光線反射率が高いという性質があるが、半透過半反射拡散フィルムは光源の光を効率よく拡散させ、かつ外光を効率的に利用できる、という性質が必要とされるのである。
【0008】
この拡散フィルムと反射フィルムとであるが、拡散フィルムとしては、酸化チタンや酸化ケイ素を練り込んだプラスチックフィルムや白顔料をコーティングしたプラスチックフィルムに、薬品処理等の化学的処理を施して表面に凹凸を設けたもの、又はサンドブラストなどの物理的処理を施して表面に凹凸を設けたもの、等が用いられ、また反射フィルムとしては、アルミニウム蒸着フィルム、銀蒸着フィルム、アルミニウム箔、ステンレス箔、等が用いられている。
【0009】
しかし拡散フィルムに用いられる酸化チタン、酸化ケイ素、白顔料には反射性能がなく、またそれ自体透明性がないために充分な光線透過率や光線反射率を確保することが困難であり、一方反射フィルムでは光線反射率は良好であるものの、光線透過率が悪く、さらに透過した光の色目も青色になってしまうため、これらのフィルムを単体で半透過半反射フィルムとして用いることは出来なかった。
【0010】
そこで、拡散フィルムの性質と反射フィルムの性質とを併せ持つ、つまり光源の光を効率よく拡散させ、かつ外光を効率的に利用できる半透過半反射フィルムが新たに開発される必要が生じ、例えばその要望に応じて特許文献1に記載されたような半透過半反射フィルムが提案されている。
【0011】
【特許文献1】特開2001−116907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この特許文献1に記載の半透過半反射拡散フィルムは、光錯乱加工されたプラスチックフィルム基板の表面に、半透過性で半反射性を有する無機薄膜層を設けた構成となっている。そして得られる半透過半反射拡散フィルムの光線透過率が3〜50%、光線反射率が50〜97%となるようにすれば、光線透過率を落とすことなく、反射率も高い、半透過半反射拡散フィルムを得ることが出来る、とされている。
【0013】
しかし得られる半透過半反射フィルムの光線透過率は最大でも50%であるところ、実際に半透過半反射型液晶ディスプレイに用いる場合に必要な光線透過率は最低でも3%であり、即ちこれを用いても光線透過率は充分であるとは言えなかった。またこの特許文献1に記載された構成の半透過半反射フィルムを実際に用いると、透過色相が青色側に偏重してしまい、問題であった。
【0014】
また、特許文献1に記載された半透過半反射フィルムを、単色の、いわゆるモノクロ画像表示装置に用いた場合は充分に効果を発揮するものの、これを最新のカラー液晶表示装置に用いた場合、画像の色目が偏光する、輝度が充分ではない、といった問題が生じることがわかった。
【0015】
そこで本発明はこのような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、液晶ディスプレイで用いられている拡散フィルムと、反射型液晶ディスプレイで用いられている反射フィルムと、それぞれのよい性能を兼ね備えた、即ち半透過半反射型液晶ディスプレイに用いた時に光線反射率及び光線透過率が共に適度なものとし、また透過色相も特に青色や黄色に偏重することなく、その結果いわゆる半透過半反射型のカラー液晶ディスプレイに用いても自然な色相を提供することが出来る、ひいてはカラー液晶表示装置に用いても問題を生じることなく、良好な半透過半反射拡散フィルムとして利用できる積層フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本願発明の請求項1に記載の発明は、透明なプラスチックフィルムによる基材フィルムの少なくとも片面に、金属層と、低屈折率層と、高屈折率層と、を積層してなる積層フィルムであって、前記低屈折率層の光線屈折率が1.20以上1.60未満であり、かつその膜厚が10nm以上100nm以下であり、前記高屈折率層の光線屈折率が1.60以上2.20以下であり、かつその膜厚が20nm以上100nm以下であり、前記積層フィルムの可視光線透過率が3%以上50%以下であり、かつ可視光線反射率が50%以上97%以下であり、かつ透過a*値が−5.0以上5.0以下、透過b*値が−5.0以上5.0以下であり、かつ反射a*値が−5.0以上5.0以下、反射b*値が−5.0以上5.0以下であること、を特徴とする。
【0017】
本願発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層フィルムにおいて、前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、その厚みが10μm以上200μm以下であること、を特徴とする。
【0018】
本願発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の積層フィルムにおいて、前記金属層が、銀、アルミニウム、スズ、金、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、スチレンスチール、の一群の中の何れか1つの単体、若しくは複数による合金、を用いてなること、又は前記一群の何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数より形成されてなり、その膜厚が10nm以上100nm以下であること、を特徴とする。
【0019】
本願発明の請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の積層フィルムにおいて、前記低屈折率層が、アクリルメラミン系樹脂又はアクリルシリコン系樹脂の何れかにより形成されてなること、を特徴とする。
【0020】
本願発明の請求項5に記載の発明は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の積層フィルムにおいて、前記高屈折率層が、インジウム又は亜鉛の何れかの酸化物若しくは双方の酸化物により形成されてなること、を特徴とする。
【0021】
本願発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の積層フィルムにおいて、前記高屈折率層に、スズ、アルミニウム、金、銀、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、の中の何れか1つ、若しくは複数を用いてなること、又はこれらの何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数を含有してなること、を特徴とする。
【0022】
本願発明の請求項7に記載の発明は、請求項7に記載の積層フィルムにおいて、前記高屈折率層が、金属アルコキシド又はアルキル金属アルコキシドを用いてゾルゲル法により塗工されるものであること、又は熱線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂に金属酸化物微粒子を含有させてなるものを塗工されるものであること、を特徴とする。
【0023】
本願発明の請求項8に記載の発明は、請求項8に記載のフィルムにおいて、前記金属アルコキシド、アルキル金属アルコキシド、金属酸化物のいずれかを構成する金属として、チタン、ジルコニウム、スズ、ニオブ、亜鉛のいずれかを用いてなること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本願発明に係る積層フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の透明なプラスチックフィルム基材の表面に、例えば銀等による金属層と、例えばアクリルメラミン系樹脂等による低屈折率層と、例えば酸化インジウム等による高屈折率層と、を積層した構成を有することで、低屈折率層と高屈折率層との光線屈折率が容易に制御しやすくなり、ひいては目標とする反射特性を設計しやすく、また実現しやすいものとすることが出来る。そして積層フィルムの透過a*値が−5.0以上5.0以下であり、かつ透過b*値が−5.0以上5.0以下である構成とすることで、従来のものに比してはるかに透過した光が特定の色目に偏ることがない、換言すれば透過した光が限りなく自然光のままである状態を実現することが出来るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本願発明の実施の形態について説明する。尚、ここで示す実施の形態はあくまでも一例であって、必ずもこの実施の形態に限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
本願発明に係る積層フィルムについて第1の実施の形態として説明する。
本実施の形態に係る積層フィルムは、透明なプラスチックフィルムによる基材フィルムの少なくとも片面に、金属層と、低屈折率層と、高屈折率層と、を積層してなる構成を有する。
以下、各部材につき順次説明をする。
【0027】
まず、基材フィルムとなる透明プラスチックフィルムについて説明すると、本実施の形態における基材フィルムはこれを特段制限する者ではない。そしてその利便性、取扱の容易さ、等の観点から、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム等が好ましく、中でもPETフィルムを用いることが好適であると言えるので、以下、本実施の形態ではPETフィルムを用いるものとする。
【0028】
この基材フィルムの厚みについては適宜好適な厚みとすればよく、10μm以上200μm以下、より好ましくは25μm以上75μm以下であれば尚よい。10μm未満であると、後述する積層工程を行う際に基材フィルムが破損してしまい、200μm以上であると、最終的に得られる反射シート全体の厚みが必要以上に厚くなってしまい実用に適さなくなってしまうからである。またより確実に基材フィルムの破損を防ぎ、かつ全体の厚みをより一層実用に適したもの、とするために、基材フィルムの厚みが25μ以上75μm以下であればよりよいと言えるのである。そして本実施の形態におけるPETフィルムの厚みは50μmであるものとする。
【0029】
次に金属層につき説明する。
本実施の形態に係る積層フィルムでは半透過半反射性を呈することが求められているが、この性質を備えるために、本実施の形態では金属層を設けるのである。
金属層を設けることで通常であれば反射性を呈するものとすることが出来るが、この金属層の厚みを非常に薄いものとすることで、この金属層では入射した光線の反射を強くするだけの金属光沢を呈することがなくなるが、それでも金属層であることには変わりがなく、ある程度の入射光線を反射する。しかしその厚みを薄いものとすることにより、この金属層はある程度の入射光線を透過させる性質を同時に呈するようになるのである。
【0030】
このように、ある程度の入射光線を反射しつつ、同時にある程度の入射光線を透過させる、という性質を呈しやすい物質として、銀又はアルミニウムの何れか単体、若しくはこれらを主体とする合金、の何れか若しくは複数よりなる物質を金属層を形成する物質として利用すればよく、またその厚みも10nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上60nm以下とすればよい。厚みに関しては、10nm未満であると、透過性はよいものの反射性を所望のレベルまで到達させることが非常に困難となり、また100nmを越えると、反射性はよいものの透過性を所望のレベルまで到達させることが非常に困難となるからである。またより一層確実に透過性と反射性をよりよいものとして両立させるのであれば、20nm以上60nm以下とするとよい。
【0031】
尚、本実施の形態では銀又はアルミニウムを用いる場合について説明をしているが、これ以外の物質、例えばスズ、金、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、スチレンスチール、の一群の中の何れか1つの単体、若しくは複数による合金、を用いてなること、又は前記一群の何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数より金属層が形成されてなることとしていても構わないが、本実施の形態においては銀又はアルミニウムを用いることが、その扱いやすさ等により好適であると言える。
【0032】
この金属層は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム蒸着法、等の物理的蒸着法や化学的蒸着法等の、いわゆるドライコーティング(乾式成膜法)により形成されるものであり、その方法は金属層を構成する物質に応じて適宜好適なものを選択すればよいが、本実施の形態では真空蒸着法を用いるものとする。
【0033】
尚、この金属層の厚みが10nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上60nm以下であるものとすることで、金属層を形成する金属によっては基材フィルムと金属層との密着性を確保することが困難となる場合が想定される。このような場合は、いわゆるアンカー層としての樹脂層を基材フィルム表面に予め積層しておくことが考えられる。
【0034】
この場合におけるアンカー層に利用可能な樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等が挙げられ、またアンカー層はこれらの樹脂を基材フィルム表面に塗布することにより形成され、その厚みとしては0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。
【0035】
次に低屈折率層につき説明する。
本実施の形態に係る積層フィルムを構成する低屈折率層の光線屈折率は1.20以上1.60未満であり、かつその膜厚が10nm以上100nm以下であるように構成されている。
【0036】
このような光線屈折率に関する条件を満たすことのできる低屈折率層を実現できるものとして、本実施の形態ではアクリルメラミン系樹脂やアクリルシリコン系樹脂、アクリルポリオール等のアクリル系樹脂により形成されるものであることとするが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えばそれ以外にも、紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の従来公知の一般的な電子放射線硬化型樹脂、及び、メラミン系樹脂、シロキサン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、等の従来公知の一般的な熱硬化型樹脂及び熱可塑性樹脂、から目的に応じて適宜選択することが可能である。
【0037】
これらの樹脂を利用することで、低屈折率層の耐久性を向上させることが可能となると同時に、入射する外光の屈折率の差を用いた反射率増加という効果にも寄与する作用を有する層とすることができる。そしてさらには、樹脂層を金属蒸着層の外側に設けることにより、金属蒸着層が外気と接触することにより腐食してしまうことを防止することも出来るのであり、即ち樹脂層は金属蒸着層のバリア層としても作用するのであるが、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
【0038】
この低屈折率層はグラビアコーティング法により基材フィルムの表面に積層されるが、必ずしもこの手法に限定されるものではなく、その他、リバースロールコーティング、スピンコーティング、又はディップコーティング、等の手法によってでも積層することが考えられるし、これらの手法で積層されてあっても構わない。
【0039】
尚、低屈折率層の有する光線屈折率と、後述の高屈折率層の有する光線屈折率と、の間に差を付け、また膜厚を調整することによって光学干渉が得られ、その結果得られる色目をニュートラルにすることが可能であるが、そのために低屈折率層における光線屈折率は1.4以上1.6以下であること、また高屈折率層における光線屈折率は1.8〜2.1が好適であるといえ、これを満足するものであれば前述の樹脂以外であっても構わない。
【0040】
また低屈折率層の厚みが10nm以上100nm以下であることが好ましいのは、膜厚が10nm以下であると低屈折率層が薄すぎるために光学干渉による効果を得ることができない、等のように充分にその機能を発揮できなくなり、100nm以上であると、色目をニュートラルにすることが困難になると同時に、本実施の形態に係る積層フィルム全体の厚みを薄くすることが困難となるからである。
【0041】
次に高屈折率層につき説明する。
本実施の形態に係る積層フィルムを構成する高屈折率層の光線屈折率は1.60以上2.20以下であり、その膜厚は20nm以上100nm以下である。
この高屈折率層の膜厚が20nm以上100nm以下であることが好ましい理由は、膜厚が20nm以下であると高屈折率層が薄すぎるために充分にその機能を発揮できなくなり、100nm以上であると、屈折率を好適なものにしにくくなると同時に色目をニュートラルにすることが困難となり、さらに本実施の形態に係る積層フィルム全体の厚みを薄くすることが困難となるので、20nm以上100nm以下であることが望ましいのである。
【0042】
またこの高屈折率層はスパッタリングにより基材フィルムの表面に積層されるが、必ずしもこの手法に限定されるものではなく、その他、一般的な蒸着と広く呼ばれる手法によって、若しくはウェットコーティングと広く呼ばれる手法でも積層することが考えられる。
【0043】
スパッタリングにより積層される場合、好適な物質としてインジウム又は亜鉛の何れかの酸化物若しくは双方の酸化物であることが考えられるが、中でも酸化インジウムにより構成されてなることが好ましく、酸化インジウムを用いることで、本実施の形態で求められる屈折率を容易に実現できる。
【0044】
さらにこの高屈折率層にスズ、アルミニウム、金、銀、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、の中の何れか1つ、若しくは複数を用いてなること、又はこれらの何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数を含有してなることで、後述の屈折率の調整をすることが容易となるが、特に銀又はアルミニウムを用いるのであればこの点において大変好ましい。そして本実施の形態では、高屈折率層として酸化インジウムを用い、さらにスズを含有させてなる酸化スズ−インジウム(ITO)を用いてなるものとする。
【0045】
またウェットコーティングにより積層するのであれば、より具体的には金属アルコキシド又はアルキル金属アルコキシドを用いてゾルゲル法により塗工すること、又は熱線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂に金属酸化物微粒子を含有させてなるものを塗工すること、のいずれかを行うことにより高屈折率層を積層することが考えられる。そしてこの場合の金属アルコキシド、アルキル金属アルコキシド、金属酸化物のいずれかを構成する金属として、チタン、ジルコニウム、スズ、ニオブ、亜鉛などが好適であり、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化亜鉛などは、その微粒子を熱線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂に含有させると所望の性質、即ち高屈折率を実現することが出来る。またチタンアルコキシド、アルキルチタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、アルキルジルコニウムアルコキシド、等の形態を用いてゾルゲル法により塗工して高屈折率を実現することも出来る。
【0046】
以上の説明において、低屈折率層における光線屈折率が1.20以上1.60未満であり、高屈折率層における光線屈折率が1.60以上2.20以下であることとしたが、これにつき簡単に説明をしておく。
【0047】
光線屈折率とは入射する可視光線の屈折率を示すが(以下同様である)、これが1.20以上1.60未満である理由は、後述する高屈折率層における光線屈折率が1.60以上2.20以下である、という条件を同時に満足させることにより、本実施の形態における積層フィルムに自然光が入射しても、低屈折率層と高屈折率層とにおける光線屈折率が異なることにより生じる光の干渉による現象を生かすためである。そして本実施の形態に係る積層フィルムでは、低屈折率層及び高屈折率層における光線屈折率を上記の範囲となるようにバランスを取ることで最も効果的な半透過半反射という現象を生じることが出来るのである。
【0048】
そして、以上説明した各部材によって得られる、基材フィルム/金属層/低屈折率層/高屈折率層という構成を有する本実施の形態に係る積層フィルム全体による可視光線透過率が3%以上50%以下であり、かつ可視光線反射率が50%以上97%以下であるようにすること、そして同時に透過a*値が−5.0以上5.0以下であり、かつ透過b*値が−5.0以上5.0以下、という物性値を有することが重要である。
【0049】
ここで本実施の形態に係る積層フィルムの可視光線透過率及び可視光線反射率につき説明する。
本実施の形態に係る積層フィルムは、例えば液晶ディスプレイにおいて利用される。より具体的には、例えば液晶ディスプレイの偏光板の裏面に貼着させることにより偏光板と光源との間に位置させて用いる。
【0050】
このような場所に設置した場合、液晶ディスプレイに外光が入射すると、その光の経路は偏光板を経て積層フィルムに至るのであるが、この積層フィルムの可視光線反射率は50%以上97%以下であるので、入射した外光の半分以上が反射することになり、即ちこの反射した光があたかも液晶ディスプレイのバックライトと同様の働きをするので、液晶ディスプレイを見るのに必要最低限な光源を確保することが出来る。
【0051】
しかしこの場所に積層フィルムを設置した場合、この積層フィルムがある程度の可視光線透過率を有していなければ、液晶ディスプレイが本来備えているバックライトとしての光源を利用するに際して害を及ぼしてしまう。つまり、偏光板の裏面から照射される光を積層フィルムが遮蔽してしまうとバックライトで照射する、という液晶ディスプレイの重要な働きによる効果が全く意味をなさないものとなってしまうからである。
【0052】
つまり、この積層フィルムは上述の通り、液晶ディスプレイに入射する外光をある程度効率よく利用しなければならないが、それと同時にバックライトで照射される光もある程度効率よく利用しなければならないのである。
【0053】
そのために、このように半透過半反射フィルムとして用いられる積層フィルムでは、一定の可視光線透過率と可視光線反射率とを備えておかねばならず、本実施の形態に係る積層フィルムであれば可視光線透過率を3%以上50%以下とすることで効果を発揮し、同時に可視光線反射率は上述の通り50%以上97%以下とすることで、上述の通り本来備えているバックライトとしての光源を有効に利用することが可能となるのである。
【0054】
尚、発明者が種々検討してみた結果、カラー液晶表示装置を有する半透過半反射型液晶ディスプレイに用いる半透過半反射フィルムでは、可視光線反射率と可視光線透過率とを比較すると、従来の可視光線反射率よりも可視光線透過率の方が高いフィルムを用いても画像が鮮明にならない、特定の色目へ偏光する、といった問題が生じた反面、鮮明であり視認性も充分確保できるカラー表示を実現することがわかった。そしてその好適な数値範囲を改めて調査した結果、やはり可視光線透過率が3%以上50%以下であり、かつ可視光線反射率が50%以上97%以下であることとするのが最も適切な数値であることがわかったので、本実施の形態でもこの数値範囲を最低限な範囲として満足できるようになされているのである。即ち、可視光線反射率は50%以上97%以下で効果が得られるが、より一層よい効果を得るには65%以上97%以下で効果以下とすべきであり、さらには70%以上97%以下とすることで最もよい効果を得られ、また同様に、可視光線透過率が3%以上50%以下であるとするものの、より一層よい効果を得るのであればこの範囲は3%以上20%以下とすべきであり、さらには3%以上15%以下とすると最もよい効果を得る。つまり、可視光線透過率が3%以上15%以下であり、同時に可視光線反射率が70%以上97%以下となるように設計すれば最も効果を得られるのであるが、このレベルにまで高めることは技術的困難も伴うため、本願発明では必要最小限の効果が得られる、即ちほぼ大多数の人が本実施の形態に係る積層フィルムを用いた画像を見た場合に自然な色目、画像であると感じられる最低限のレベルを確保できる値、即ち可視光線透過率は3%以上50%以下に、そして可視光線反射率を50%以上97%以下であることとしているのである。
【0055】
そして本実施の形態に係る積層フィルムでは、この可視光線反射率及び可視光線透過率に関する値を保持しつつ、鮮明な画像を確保でき、特定の色目への偏光を解消することを重視しているのである。
【0056】
つまり、液晶ディスプレイに照射される光は常に自然光であることが最も望ましく、またそのようにあることで液晶ディスプレイの呈する色感も特定の色目に偏重されることなく、本来の液晶ディスプレイの呈する色感を提供することが出来るのであるが、前述のような積層フィルムを用いることにより、その積層フィルムが存在するが故の色相の変化が生じてしまうことが考えられる。
【0057】
そのために、この積層フィルムを通じた光の色感は出来るだけ自然のものであることが望ましく、故に本実施の形態に係る積層フィルムでは、透過した可視光線に係る透過a*値が−5.0以上5.0以下であり、かつ透過b*値が−5.0以上5.0以下であり、また反射した可視光線に係る反射a*値が−5.0以上5.0以下、反射b*値が−5.0以上5.0以下であること、を条件とするのである。即ち、透過光に係る透過a*値と透過b*値、及び反射光に係る反射a*値及び反射b*値が前述の範囲内であることで、積層フィルムを透過した光が黄を帯びたり青っぽく見えることがなくなり、全体として本実施の形態に係る積層フィルムを透過した光線が、特段特定の色目に偏重することなく自然なままの光線とすることが出来る。即ち、本実施の形態に係る積層フィルムから反射される光線も、積層フィルムの向こう側から積層フィルムを透過してくる光線も、何れも極めて自然なままの視感を得ることが出来るのである。そしてこのような積層フィルムを例えば前述のようにして液晶ディスプレイに用いても、得られる光線の色感は自然なものとなるので、液晶ディスプレイの呈する視感も本来液晶ディスプレイが呈するものに限りなく近い、又は同一なものとすることが出来るようになるのである。
【0058】
このようにして得られた積層フィルムであれば、この積層フィルムを透過する光は特定の色目に偏重することがなく、また可視光線反射率及び可視光線透過率が共に適度なものである、半透過半反射フィルムとすることが出来る。そしてこれを例えば半透過半反射型液晶ディスプレイに用いれば、屋外においては外光を効率的に利用し、また室内においてはバックライトの光源を効率的に使用することが出来るようになり、ひいては不要なまでの巨大な電力消費を招く、といったことがなくなる。
【実施例】
【0059】
以下、本発明に係る積層フィルムにつき、さらに実施例により説明する。
【0060】
以下説明する事例において、基材フィルムは厚み50μmのPETフィルム(株式会社帝人製、製品名「OXC」)を、用いるものとする。また金属層としては銀を積層してなるものとする。そして以下説明する積層フィルムの基本構成は「基材フィルム/金属層/低屈折率層/高屈折率層」であるものとし、銀はスパッタリング法により、低屈折率層はウェットコーティング法により、積層されてなるものとする。尚、銀をスパッタリングする際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。
【0061】
(実施例1)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層としてアクリルメラミンを膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層としてITOを膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして実施例1に係る積層フィルムを得た。
【0062】
(実施例2)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層としてアクリルメラミンを膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層として酸化亜鉛を膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして実施例2に係る積層フィルムを得た。
【0063】
(実施例3)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層としてアクリルシリコンを膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層としてITOを膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして実施例3に係る積層フィルムを得た。
【0064】
(実施例4)
実施例1の積層フィルムにおいて、高屈折率層として、酸化チタンの微粒子を熱線硬化型樹脂に10重量%含有させたものをウェットコーティングにより膜厚が30nmとなるように積層する。このようにして実施例4に係る積層フィルムを得た。
【0065】
(比較例1)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層として酸化珪素をスパッタリング法により膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層としてITOを膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして比較例1に係る積層フィルムを得た。
【0066】
(比較例2)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層として酸化珪素をスパッタリング法により膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層として酸化亜鉛を膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして比較例2に係る積層フィルムを得た。
【0067】
(比較例3)
PETフィルムの表面に銀を膜厚が40nmとなるように積層する。ついでその表面に低屈折率層として弗化マグネシウムをスパッタリング法により膜厚が50nmとなるように積層する。そしてその表面に高屈折率層としてITOを膜厚が30nmとなるようにスパッタリング法により積層する。この際に用いるスパッタガスとして純度99%以上のアルゴンを用いるものとする。このようにして比較例3に係る積層フィルムを得た。
【0068】
以上のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の積層フィルムそれぞれに関し、可視光線反射率、可視光線透過率、透過a*値、透過b*値、反射a*値、反射b*値を測定した。尚、測定に関しては得られた直後の積層フィルムに関して測定をした初期値と、得られた積層フィルムを気温60℃、湿度90%の雰囲気下で500時間曝した後に測定をした耐湿熱値と、を測定した。
これらの値は以下の通りにして測定した。そしてその結果を以下に示す。
・(株)島津製作所製分光光度計に60φの積分球を設置して測定する。
・波長範囲は300nmから800nmまでとする。
・ここで言う反射率は硫化バリウム標準白色板の反射率を100%として換算したものである。















【0069】
【表1】


































【0070】
このように、本願発明に係る実施例1〜4の積層フィルムであれば、可視光線透過率が3%以上50%以下であると同時に可視光線反射率が50%以上97%以下である、という適度なバランスに収めることが可能であるが、基材フィルムの表面に予め銀又はアルミニウムによる金属層が積層されてなることにより、従来のものに比してより一層自然な視感を呈することが可能な積層フィルムとすることが可能となっている。即ち、これらのフィルムを例えば半透過半反射型液晶ディスプレイに用いても効率のよい光源利用が可能であると同時に、さらに透過a*値、透過b*値がそれぞれ−5.0以上5.0以下、また反射a*値、反射b*値がそれぞれ−5.0以上5.0以下、という範囲に収まることから透過光も自然色を呈することがわかる一方、本願発明に係らない比較例1の積層フィルムであれば、可視光線反射率と可視光線透過率のバランスが不適当であるため、例えばこれらのフィルムを半透過半反射型液晶ディスプレイに用いても光源を効率よく利用できず、そのために不必要なまでに大きな消費電力を要する結果を招いたり、また透過光も特定の色目に偏光するため、不自然な画像表示しか得られなくなることが言える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明なプラスチックフィルムによる基材フィルムの少なくとも片面に、
金属層と、低屈折率層と、高屈折率層と、
を積層してなる積層フィルムであって、
前記低屈折率層の光線屈折率が1.20以上1.60未満であり、かつその膜厚が10nm以上100nm以下であり、
前記高屈折率層の光線屈折率が1.60以上2.20以下であり、かつその膜厚が20nm以上100nm以下であり、
前記積層フィルムの可視光線透過率が3%以上50%以下であり、かつ可視光線反射率が50%以上97%以下であり、かつ透過a*値が−5.0以上5.0以下、透過b*値が−5.0以上5.0以下であり、かつ反射a*値が−5.0以上5.0以下、反射b*値が−5.0以上5.0以下であること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項2】
請求項1に記載の積層フィルムにおいて、
前記基材フィルムが、ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、
その厚みが10μm以上200μm以下であること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の積層フィルムにおいて、
前記金属層が、銀、アルミニウム、スズ、金、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、スチレンスチール、の一群の中の何れか1つの単体、若しくは複数による合金、を用いてなること、又は前記一群の何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数より形成されてなり、
その膜厚が10nm以上100nm以下であること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の積層フィルムにおいて、
前記低屈折率層が、アクリルメラミン系樹脂又はアクリルシリコン系樹脂の何れかにより形成されてなること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の積層フィルムにおいて、
前記高屈折率層が、インジウム又は亜鉛の何れかの酸化物若しくは双方の酸化物を用いてスパッタリング法により形成されてなること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項6】
請求項5に記載の積層フィルムにおいて、
前記高屈折率層に、スズ、アルミニウム、金、銀、チタン、亜鉛、クロム、銅、ニッケル、鉄、インジウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、タンタル、の中の何れか1つ、若しくは複数を用いてなること、又はこれらの何れかの窒化物、酸化物、炭化物の何れか1種若しくは複数を含有してなること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の積層フィルムにおいて、
前記高屈折率層が金属アルコキシド又はアルキル金属アルコキシドを用いてゾルゲル法により塗工されるものであること、又は熱線硬化型樹脂又は活性エネルギー線硬化型樹脂に金属酸化物微粒子を含有させてなるものを塗工されるものであること、
を特徴とする、積層フィルム。
【請求項8】
請求項7に記載のフィルムにおいて、
前記金属アルコキシド、アルキル金属アルコキシド、金属酸化物のいずれかを構成する金属として、チタン、ジルコニウム、スズ、ニオブ、亜鉛のいずれかを用いてなること、
を特徴とする、積層フィルム。

【公開番号】特開2008−39960(P2008−39960A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211727(P2006−211727)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(000235783)尾池工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】