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積層体の製造方法及び積層体
説明

積層体の製造方法及び積層体

【課題】基材層と剥離層とを粘着剤層を介して積層してなる積層体を製造するに当たり、基材層と粘着剤層との間の空気の巻き込みに起因する空気留りの問題のない積層体を工業的に有利に製造する。
【解決手段】気泡を含有する粘着剤層を剥離層上に形成して粘着シートを製造し、得られた粘着シートと基材層とを貼り合わせて積層体を製造する。気泡を含有する粘着剤層を剥離層上に形成した粘着シートを、基材層に貼り合わせることにより、貼り合わせ工程で基材層と粘着剤層との間に巻き込んだ空気を、粘着剤層の気泡を介して、更には粘着剤層と剥離層との間から円滑に排出することができ、空気巻き込みによる空気留りの問題を解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は積層体の製造方法及び積層体に関する。詳しくは、本発明は、基材層と剥離層とが粘着剤層を介して積層されてなる積層体を製造する方法であって、貼り合わせ工程における基材層と粘着剤層との界面への空気の巻き込みを防止して高品質の積層体を製造する方法に関する。
本発明はまた、この方法により製造された積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の壁や自動車等の内装部品に貼着する壁紙、カバー材等の表装用シートや隙間充填シールテープなどとして、紙、樹脂、布、皮、合成皮革等の基材層の裏面側に粘着剤層が形成され、この粘着剤層に剥離性シート(剥離層)が貼り合わされたものが提供されている。
【0003】
このような基材層/粘着剤層/剥離層の積層体を製造する方法としては、基材層に粘着剤を塗布して粘着剤層を形成した後、粘着剤層上に剥離層を積層する方法と、剥離層上に粘着剤層を形成して粘着シートを得、この粘着シートを基材層に貼り合わせる方法とがある。このうち、後者の方法であれば、粘着シートの製造工程から得られた同仕様の粘着シートを異なる基材層に適用して、多種多様な積層体を製造することができるという利点がある。
【0004】
上記後者の方法は、具体的には、剥離性シートの巻回体から送り出される剥離性シートに粘着剤を塗工して粘着剤層を形成し、更に、この粘着シートを、基材シートの巻回体から送り出される基材シートと、加圧ロールと送りロールでロール加工することにより一体化する連続生産で行われている。
【0005】
このようにして、粘着シートと基材シートを貼り合わせる際、基材シートと粘着シートの粘着剤層との界面に空気が巻き込まれ、巻き込まれた空気が空気留りとなって残留し、得られる製品の外観不良の原因となる。即ち、この空気留りは、製品シートの表面側となる基材シート面に凸部となって表出し、基材シートと粘着剤層が加圧ロールを通過する際に空気溜りが通過出きず、その場に留まり、製品外観を損なう為このような空気留りが形成されたものは、不良品として取り扱われる。
【0006】
従来、この空気留りの低減対策としては、粘着シートと基材シートとの貼り合わせ工程のラインスピードの低減ないしは加圧ロールの圧着力の低減が採用されている。即ち、ラインスピードを下げて粘着シートと基材シートとをゆっくりと貼り合わせることにより、空気の巻き込みを低減することができる。また、加圧ロールの圧着力を下げることにより、粘着シートと基材シートとの間に巻き込まれた空気が互いに寄せ集められて大きな空気留りとなることを防止することができ、或いは、基材シートから発生するエアを抑えることが出来るので空気溜り防止に効果がある。
【0007】
しかしながら、ラインスピードを下げることは、生産性の低下につながり、また圧着力を下げると、粘着シートと基材シートとの密着性が悪くなり、このことが新たな製品不良の原因となる。
【0008】
基材シートが高通気性のものである場合には、巻き込まれた空気が基材シートを介して抜け出るようになることから、空気留りによる問題は小さいが、低通気性の基材シートの場合には、この問題が顕著となる。
【0009】
特許文献1には、剥離シートに粘着剤層を形成して得られた粘着シートを、通気性の基材シートに積層した後、加熱処理することで、粘着剤の加熱収縮により粘着剤層を通気化する通気性粘着シートの製造方法が記載されているが、このように貼り合わせ後に加熱処理を行うものでは、貼り合わせ後の加熱工程分だけ工程数が多くなるという工業的な生産性の面での問題がある上に、貼り合わせ後に粘着剤層の通気化を図っても、非通気性の基材シートの場合には、貼り合わせ工程での空気の巻き込みによる空気留りの問題を解決し得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−12989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、基材層と剥離層とを粘着剤層を介して積層してなる積層体を製造するに当たり、基材層と粘着剤層との間の空気の巻き込みに起因する空気留りの問題のない積層体を工業的に有利に製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、剥離層上に気泡を含有する粘着剤層を形成した粘着シートを基材層に貼り合わせることにより、貼り合わせ工程で基材層と粘着剤層との間に巻き込んだ空気を、粘着剤層の気泡を介して、更には粘着剤層と剥離層との間から円滑に排出することができることを見出した。
【0013】
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
【0014】
[1] 基材層と剥離層とが粘着剤層を介して積層されてなり積層体を製造する方法であって、気泡を含有する粘着剤層を剥離層上に形成して粘着シートを製造する工程と、得られた粘着シートと前記基材層とを貼り合わせる工程とを有することを特徴とする積層体の製造方法。
【0015】
[2] [1]において、前記粘着剤層の密度が0.3〜0.97g/mlであることを特徴とする積層体の製造方法。
【0016】
[3] [2]において、前記粘着剤層の密度が0.7〜0.97g/mlであることを特徴とする積層体の製造方法。
【0017】
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記基材層が低通気性シール材よりなることを特徴とする積層体の製造方法。
【0018】
[5] [1]ないし[4]のいずれかに記載の積層体の製造方法により製造された積層体。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、剥離層上に気泡を含有する粘着剤層を形成した粘着シートを基材層に貼り合わせることにより、貼り合わせ工程で基材層と粘着剤層との間に巻き込んだ空気を、粘着剤層の気泡を介して、更には粘着剤層と剥離層との間から円滑に排出することができる。
このため、貼り合わせ工程において、ラインスピードを下げることなく、従って、生産性を高く維持した上で、また、加圧ロールの圧着力を下げることなく、従って、密着性を十分に確保して、空気留りによる外観不良の問題のない積層体を、工業的に有利に製造することができる。
【0020】
本発明により製造される積層体は、住宅の壁材や自動車の内装材としての表装用シートや隙間充填シールテープ用途に有用であるが、何らこれらに限定されるものではなく、基材層/粘着剤層/剥離層の各種の積層体に幅広く用いることができ、空気留りによる外観不良や、密着性不良の問題のない高品質の積層体が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
[気泡含有粘着剤層]
まず、本発明において、剥離層上に形成する気泡含有粘着剤層について説明する。
【0023】
本発明における気泡含有粘着剤層の形成方法については特に制限はないが、以下に後述する粘着剤組成物に気体を混合、分散させて気泡含有粘着剤組成物とし、この気泡含有粘着剤組成物を用いて剥離層上に気泡含有粘着剤層を形成することが好ましい。
【0024】
{粘着剤組成物}
本発明で用いる粘着剤組成物については、特に制限はないが、アクリル系重合体を含有する水系エマルジョン系の粘着剤組成物が好ましい。以下に、このアクリル系重合体の水系エマルジョン系粘着剤組成物について説明する。
なお、以下において「(メタ)アクリル」は「アクリル」と「メタクリル」を意味する。
【0025】
このアクリル系重合体エマルジヨンは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体を、乳化剤を安定剤として、水媒体中で乳化重合させることにより得られるものである。
【0026】
この乳化重合は、公知の方法に準じて行えばよく、一般の一括重合法、連続滴下重合法、分割滴下重合法などにより、通常30〜80℃の温度範囲で重合処理すればよい。これらの重合法や重合温度などの重合条件は、特に限定されない。反応系には、アクリル系重合体の分子量を調整するために、メルカプタンなどの連鎖移動剤を使用してもよい。
【0027】
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸イソノニルなどの炭素数14個以下のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルや、上記同様のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】
また、これらのエステルを主成分として、適宜の改質用単量体を併用してもよい。
改質用単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフエイト、2−ヒドロキシプロピルアクリロイルホスフエイト、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−3−モノモルホリン、N−ビニル−2−カプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオンなどがある。これらの改質用単量体は、単量体全体量に対して通常50重量%未満の割合で用いられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0029】
乳化重合に際し、適宜の重合開始剤が用いられる。この重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどとのレドックス系開始剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0030】
また、安定剤として用いられる乳化剤は、特に限定されないが、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエ―テル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレンアルキルフエニルエ―テルなどのノニオン系乳化剤などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0031】
また、乳化剤としては、反応性乳化剤を用いることもできる。
反応性乳化剤とは、親水基と疎水基を有する界面活性剤であって、分子中に炭素−炭素二重結合を有するものをいう。炭素−炭素二重結合としては、例えば、(メタ)アリル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ビニル基、イソプロペニル基、(メタ)アクリロイル基等の官能基が挙げられる。反応性乳化剤の具体例としては、例えば、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンフェニルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテル、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルのスルホコハク酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアラルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩や、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのリン酸エステル塩、前記官能基を分子中に少なくとも1つ有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの脂肪族又は芳香族カルボン酸塩、酸性リン酸(メタ)アクリル酸エステル系乳化剤、ロジングリシジルエステルアクリレートの酸無水物変性物(特開平4−256429号参照)、特開昭63−23725号公報、特開昭63−240931号公報、特開昭62−104802号公報に記載の乳化剤等の各種のものが挙げられる。さらには前記反応性乳化剤中のポリオキシエチレンを、ポリオキシプロピレン又はポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンをブロック共重合もしくはランダム共重合したもの代えたものも挙げられる。本発明では、かかる反応性乳化剤の1種又は2種以上を特に限定なく使用できる。
【0032】
前記反応性乳化剤の市販品としては、例えば、(商品名KAYAMERPM−1、日本化薬(株)製)、(商品名KAYAMER PM−2、日本化薬(株)製)、(商品名KAYAMER PM−21、日本化薬(株)製)、(商品名SE−10N、旭電化工業(株)製)、(商品名NE−10、旭電化工業(株)製)、(商品名NE−20、旭電化工業(株)製)、(商品名NE−30、旭電化工業(株)製)、(商品名ニューフロンティアA229E、第一工業製薬(株)製)、(商品名ニューフロンティアN−117E、第一工業製薬(株)製)、(商品名ニューフロンティアN250Z、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−10、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−20、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−50、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンHS−10、第一工業製薬(株)製)、(商品名エミノールJS−2、三洋化成(株)製)、(商品名ラテルムK−180、花王(株)製)等がその代表例として挙げられる。
【0033】
前記反応性乳化剤のなかでも、重合性、得られる高分子乳化剤の乳化性の点からポリオキシエチレンフェニルエーテル系のものがよく、市販品としては、(商品名アクアロンRN−10、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−20、第一工業製薬(株)製)、(商品名アクアロンRN−50、第一工業製薬(株)製)が好ましい。
【0034】
また、必要に応じて粘着付与樹脂を添加することもできる。
【0035】
粘着付与樹脂は各種公知のものを使用できる。例えばロジン類、ロジン誘導体、石油系樹脂、テルペン系樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合物として使用できる。
【0036】
ロジン類としてはガムロジン、ウッドロジンもしくはトール油ロジンの原料ロジン又は前記原料ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジンや重合ロジン等が挙げられる。また、ロジン誘導体としてはロジンエステル類、ロジンフェノール類が挙げられる。ロジンエステル類としては前記ロジン類と多価アルコールとをエステル化反応させて得られたロジンエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化ロジンの多価アルコールエステル、原料ロジンを部分的にフマル化もしくはマレイン化させた後、不均化し、次いでエステル化して得られる部分マレイン化もしくは部分フマル化不均化ロジンの多価アルコールエステル等をいう。また、ロジンフェノール類とはロジン類にフェノール類を付加させ熱重合したもの、又は次いでエステル化したものをいう。なお、前記エステル化に用いられる多価アルコールは、特に制限はされず、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペンタエリスリトール等の各種公知のものを例示できる。
【0037】
また、石油系樹脂とはC5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5−C9共重合系石油樹脂、クマロン樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ピュアモノマー樹脂、ジシクロペンタジエン系石油樹脂及びこれらの水素化物等を例示でき、テルペン系樹脂としてはα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂や、α−ピネン、β−ピネン等のテルペン類とスチレン等の芳香族モノマーを共重合させた芳香族変性のテルペン系樹脂及びこれらの水素化物等を例示できる。
【0038】
これら粘着付与樹脂の軟化点は特に限定されず200℃以下の高軟化点のものから液状のものを、各種用途に応じて適宜選択して使用できる。
【0039】
粘着剤組成物には、その他、顔料、染料等の着色剤や、充填材、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0040】
このような気体の混合前の粘着剤組成物の密度には特に制限はないが、通常0.95〜1.1g/ml程度である。
【0041】
{気泡含有粘着剤組成物}
上述のような粘着剤組成物に気体を混合、分散させて気泡含有粘着剤組成物を調製する際の粘着剤組成物への気体の混合、分散方法としては特に制限はなく、以下の(1)〜(4)の方法などを採用することができる。
これらの方法は2以上を組み合わせて用いてもよい。
【0042】
(1) 粘着剤組成物をディスパーやホモジナイザー等で高速攪拌する
(2) 窒素ガス、炭酸ガス、空気等の気体を吹き込む
(3) 上記気体を吹き込みつつ高速攪拌する(メカニカルフロス)
(4) アゾジカーボンアミド等の発泡剤を粘着剤組成物中で発泡させる。この際、泡保持性の高い界面活性剤を添加すると、長期間安定的に気泡を維持することができる。
【0043】
本発明においては、後述の好適な密度の気泡含有粘着剤層が形成可能であればよく、上記の粘着剤組成物への気体の混合、分散方法の処理条件(例えば攪拌時の回転数等)には特に制限はない。
この気泡含有粘着剤組成物は、後述の好適な密度の気泡含有粘着剤層が形成されるように、後述の気泡含有粘着剤層の密度と同様の密度に調製される。
【0044】
{気泡含有粘着剤層の形成}
本発明に係る気泡含有粘着剤層は、上述のような気泡含有粘着剤組成物を剥離層(剥離性シート)に塗工、乾燥することにより形成される。
【0045】
気泡含有粘着剤組成物の塗工、乾燥方法には特に制限はなく、常法に従って行うことができる。
【0046】
塗工方法としてはロールコータ、ダイコータなどを用いることができる。
また乾燥は、用いた粘着剤組成物の組成や形成される粘着剤層の厚さによっても異なるが、通常、60〜100℃で2〜10分程度行われる。
【0047】
{気泡含有粘着剤層の密度}
本発明に係る気泡含有粘着剤層の密度は0.3〜0.97g/ml、特に0.7〜0.97g/mlであることが好ましい。気泡含有粘着剤層の密度は、気泡含有粘着剤層の形成に用いる気泡含有粘着剤組成物の密度に相当するが、この密度が上記下限よりも小さいと気泡含有粘着剤組成物の流動性が悪くなることにより、塗工性が悪くなり、所謂糊切れといった塗工不良を起こす結果、良好な気泡含有粘着剤層を形成し得ない。気泡含有粘着剤層の密度が上記上限よりも大きいと、貼り合わせ工程で巻き込んだ空気の抜き出し機能に優れる高通気性の気泡含有粘着剤層を形成し得ない。
【0048】
{気泡含有粘着剤層の厚さ}
本発明に係る気泡含有粘着剤層の厚さは特に制限はなく、用途や要求される粘着性等に応じて適宜決定される。
一般的に、気泡含有粘着剤層の厚さが薄い方が通気性は高められるが粘着性が不足する傾向にあり、厚さが厚くなると、粘着性は増すが、材料使用量の増大、乾燥時間の増大でコスト面で不利である。通常、通気性の面では、厚さは薄い方が好ましいが、本発明に係る気泡含有粘着剤層は通気性に優れるため、通気性の面からの厚さの上限は特に定めない。
【0049】
気泡含有粘着剤層は、通常30〜100μm、好ましくは50〜80μm、特に好ましくは60〜70μmの厚さに形成される。
【0050】
{気泡含有粘着剤層の気泡の粒の平均個数}
本発明に係る気泡含有粘着剤層は、以下のマイクロスコープ測定により観察された気泡の粒の平均個数が30〜100個、特に30〜60個であることが好ましい。
【0051】
<マイクロスコープ測定>
当該気泡含有粘着剤層の表面をマイクロスコープ観察し、A4シートサイズの面積の中からランダムに採取した面積6mmのサンプル円内に存在する気泡の粒の個数を数え、5個のサンプル円内の気泡の粒の個数の平均値を算出する。
【0052】
この気泡の粒の平均個数が30個より少ないと、本発明で目的とする優れた通気性、即ち、巻き込んだ空気の抜き出し性を得ることができない。
この気泡の粒の平均個数が多過ぎると糊切れが悪くなると共に、粘着性が損なわれる場合がある。即ち、気泡の粒が多いことにより通水性が大きくなり、積層体とした場合の耐水粘着性が劣る傾向があることから、この気泡の粒の平均個数は100個以下、好ましくは60個以下である。
【0053】
{気泡含有粘着剤層気泡の粒の平均直径}
本発明に係る気泡含有粘着剤層は、上述の気泡の粒の平均個数の算出で観測された気泡の粒の平均直径が50〜200μm、特に100〜150μmであることが好ましい。
気泡の粒の平均直径が大き過ぎると粘着性態が悪くなる恐れがあり、小さ過ぎると通気性、即ち、巻き込んだ空気の抜き出し性が悪くなる。また、気泡の粒の平均直径が大き過ぎても小さ過ぎても、上述の平均個数の気泡分布とすることが難しい。
【0054】
{気泡含有粘着剤層の気泡の粒の平均個数調整のための工夫}
本発明においては、通気性、粘着性、塗工作業性をいずれも良好なものとするために、好ましくは前述の密度の気泡含有粘着剤層を形成し得る気泡含有粘着剤組成物を用いて、上述の気泡の粒の平均個数の気泡含有粘着剤層を形成することが好ましいが、このような気泡含有粘着剤層を形成するためには、粘着剤組成物に気体を混合、分散させて気泡含有粘着剤組成物を調製した後、この気泡含有粘着剤組成物を調製後24時間以内に塗工に供して気泡含有粘着剤層を形成することが好ましい。
【0055】
即ち、密度0.3〜0.97g/mlの気泡含有粘着剤組成物であれば、前述の気泡の粒の平均個数を満たす気泡含有粘着剤層を形成し得るが、この気泡含有粘着剤組成物を調製後、長期間保存した後塗工に供すると、気泡含有粘着剤組成物自体の密度には殆ど差異はないものの、保存中に、気泡含有粘着剤組成物内の気泡同士が会合して大きな気泡となり、この大きな気泡は、塗工工程でロールコータやダイコータによる塗工時に成膜面から押し出され、形成される気泡含有粘着剤層中に存在しないものとなる。このため、たとえ密度調整された気泡含有粘着剤組成物を用いても、前述の気泡の粒の平均個数を満たす粘着剤層を形成し得なくなる。
このようなことから、本発明では、調製された気泡含有粘着剤組成物を調製後24時間以内、特に4時間以内に塗工に供することが好ましい。
なお、この気泡含有粘着剤組成物の調製後とは、粘着剤組成物に気体を混合、分散させる前述の(1)〜(4)の処理を終了した時点をさす。
【0056】
[粘着シート]
本発明においては、上述のような気泡含有粘着剤層を剥離性シートの剥離面に形成して粘着シートが製造される。この粘着シートの剥離性シート上の気泡含有粘着剤層の表面には、前述のように好ましくは平均個数5〜100個の気泡の粒が形成されている。
【0057】
この粘着シートの粘着剤層側を、各種の基材層に貼り合わせて積層体が製造される。
【0058】
[基材層]
基材層は、上述の粘着シートの粘着剤層側に貼り合わされて積層体を構成するものであり、本発明の積層体は、剥離層である剥離性シートを剥がして各種の貼着対象面に基材層を貼着する用途に用いられる。
【0059】
この基材層としては、紙、布(織布、不織布)、樹脂シート、皮、合成皮革、セラミックシート、金属シート等、或いはこれらのシートの積層シート等が適用されるが、前述の如く、本発明の積層体は、通気性が低く、粘着剤層と基材層との間に空気留りが形成され易い低通気性シール材を基材層として用いる場合に特に有効であり、その低通気性の程度としては、当該低通気性シール材のみを用いて後述の通気量試験を行った場合の通気量として、20cm/cm/sec以下、特に5cm/cm/sec以下であることが好ましい。
【実施例】
【0060】
以下に実施例、比較例及び参考例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0061】
以下の実施例、比較例及び参考例において、粘着剤組成物としては、積水化学工業(株)製アクリル系重合体水系エマルジョン「#7110」(密度1.05g/ml)を用いた。
また、粘着剤組成物への空気の混合、分散にはプライミクス(株)製ホモジナイザー「TOKオートミクサー40型」を用い、その処理時間を調整することにより、得られる粘着剤組成物の密度を調整した。
【0062】
また、基材としては、独立気泡と連続気泡の割合を制御することにより、以下の通気量試験において、各々、以下の通気量を示す、厚さ25mm(JIS K6400−7に基づく厚み)の基材A〜Cを用いた。
【0063】
基材A:ポリエチレンフォーム,通気量=0cc/cm/sec
基材B:ポリウレタンフォーム,通気量=5cc/cm/sec以下
基材C:ポリウレタンフォーム,通気量=20cc/cm/sec以上
【0064】
<通気量試験>
TEX TEST社製通気度試験機「FX3300型」を用いて測定した。
【0065】
[実施例1〜4、比較例1,2、参考例1]
粘着剤組成物に空気を混合、分散させて(ただし、比較例1,2では、空気を混合せず粘着剤組成物のまま)表2に示す密度の気泡含有粘着剤組成物又は粘着剤組成物を調製し、この気泡含有粘着剤組成物又は粘着剤組成物を表1に示す時間保存した後、剥離性シート(リンテック社製「SBK70J」)にバーコーターを用いて塗工し、80℃で5分間乾燥することにより、厚さ60〜70μmの気泡含有粘着剤層又は粘着剤層を形成して粘着シートを製造した。
【0066】
なお、いずれの場合も、この粘着剤層形成時の気泡含有粘着剤組成物又は粘着剤組成物の塗工時における塗工作業性は良好であった。
【0067】
形成された気泡含有粘着剤層又は粘着剤層について、以下の評価を行って、結果を表2に示した。
【0068】
<気泡の粒の平均個数・平均直径の測定>
前述のマイクロスコープ観察により平均個数と平均直径を求めた。
【0069】
次に、得られた粘着シートを表2に示す基材に以下の表1に示す条件でロール加工することにより貼り合わせて積層体を得た。
【0070】
【表1】

【0071】
得られた積層体の基材面について、目視観察により、空気留りによる凸部の有無と空気溜りに起因する不良部の基材表面積に対する割合(外観不良部の割合)を調べ、以下の基準で評価し、結果を表2に示した。
◎:凸部がない。外観不良がない
○:凸部が軽微で発生。外観不良部の割合が5%未満
×:凸部が発生。外観不良部の割合が5%以上
【0072】
【表2】

【0073】
表2より、本発明によれば、空気留りのない高品質の積層体を製造することができることが分かる。なお、参考例1は、基材層として高通気性のポリウレタンフォームCを用いたものであり、粘着剤層に気泡が存在しなくても、空気留りが問題となることはない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と剥離層とが粘着剤層を介して積層されてなり積層体を製造する方法であって、
気泡を含有する粘着剤層を剥離層上に形成して粘着シートを製造する工程と、
得られた粘着シートと前記基材層とを貼り合わせる工程と
を有することを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記粘着剤層の密度が0.3〜0.97g/mlであることを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項3】
請求項2において、前記粘着剤層の密度が0.7〜0.97g/mlであることを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記基材層が低通気性シール材よりなることを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層体の製造方法により製造された積層体。

【公開番号】特開2013−104043(P2013−104043A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250710(P2011−250710)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】