説明

積層体及び積層体の製造方法

【課題】金属と含フッ素ポリマーとが直接、強固に接着した積層体を提供する。
【解決手段】金属からなる層(A)、及び、前記層(A)上に形成された層(B)を有する積層体であって、層(B)は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体からなり、前記共重合体は、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下であり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体及び積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体は、優れた機械的特性、化学的特性、および電気的特性を有し、しかも、溶融成形可能な含フッ素ポリマーである。
【0003】
特許文献1には、機械特性と射出成形性に優れたテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体として、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(A)とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位(B)からなるテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体であって、(A)/(B)の含有モル比が98.1/1.9〜95.0/5.0の範囲にあり、かつ、372℃におけるメルトフローレートが35〜60g/10分の範囲にあり、かつ、M/M(ここで、Mは重量平均分子量を、Mは数平均分子量を表す。)が1〜1.7の範囲にあることを特徴とする共重合体が記載されている。
【0004】
特許文献2には、薄肉形成性に優れ、難燃性、耐熱性及び電気特性が良好な電線被覆材を形成し得るフッ素樹脂として、372℃におけるメルトフローレートが60(g/10分)を越えるテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体からなることを特徴とするフッ素樹脂が記載されている。
【0005】
しかし、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体等の含フッ素ポリマーは本来接着力が低く、含フッ素ポリマーと他の材料(基材)とを直接接着させることは困難で、熱融着などで接着を試みても、接着強度が不充分であることが多かった。また、含フッ素ポリマーがある程度の接着力で他の材料(基材)と接着する場合でも、基材の種類や積層方法により接着力がばらつきやすく、接着性の信頼性が不充分であることが多かった。
【0006】
そこで、特許文献3では、ヒドロキシル基を有する含フッ素エチレン性単量体を用いて共重合し、含フッ素重合体にヒドロキシル基を導入することによって、従来接着が不充分または不可能であった種々の材料に対し、表面処理などを行なわず直接優れた接着力を与えることが提案されている。
【0007】
また、特許文献4には、イオン及びハロゲン元素等の無機元素を有し、かつガラス転移点が260℃以上の自己溶着性を有する熱可塑性樹脂と、金属箔とを積層してなることを特徴とした耐熱性樹脂積層基板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−53620号公報
【特許文献2】国際公開第2005/052015号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/21779号パンフレット
【特許文献4】特開平4−53186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献3及び4に開示された技術でも、金属と含フッ素ポリマーとの接着力が充分ではなく、高周波信号を伝送する各種伝送機器に使用されるプリント配線基板などにおいては、金属の表面を粗面化するなどして金属と含フッ素ポリマーとの接着性を高めている。金属表面の粗面化は高周波の伝送に悪影響を与える。
【0010】
本発明の目的は、従来の問題点を解決し、金属と含フッ素ポリマーとが直接、強固に接着した積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、含フッ素ポリマーのうち、限定されたメルトフローレートを有するテトラフルオロエチレン及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の共重合体が金属と強固に接着することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、金属からなる層(A)、及び、前記層(A)上に形成された層(B)を有する積層体であって、層(B)は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体からなり、前記共重合体は、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下であり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体である。
【0013】
上記共重合体は、主鎖炭素数10個あたり50個以上のカルボキシル基を有することが好ましい。
【0014】
本発明の積層体は、更に、層(B)上に形成された層(C)を有し、前記層(C)は、テトラフルオロエチレン単独重合体及び変性量が1質量%以下である変性ポリテトラフルオロエチレンからなる群より選択される少なくとも1種の重合体からなることが好ましい。
【0015】
本発明の積層体は、プリント配線基板であることが好ましい。
【0016】
本発明の積層体は、モーターコイル線であることが好ましい。
【0017】
本発明はまた、本発明の積層体を備えるプッシュプルケーブルでもある。
【0018】
本発明は更に、金属と、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体からなるシートと、を熱プレスする工程からなり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体の製造方法でもある。
【0019】
本発明はそして、金属からなる芯線上に、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体を被覆成形する工程からなり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体の製造方法でもある。
【発明の効果】
【0020】
本発明の積層体は、粗面化された金属を使用しない場合であっても、金属と含フッ素ポリマーとが直接、強固に接着したものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の積層体は、金属からなる層(A)、及び、層(A)上に形成された層(B)を有する積層体である。
【0022】
上記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である。金属が上記のものであることで、層(A)と層(B)とが強固に接着する。金属は、銅、ステンレス及びアルミニウムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、銅であることがより好ましい。
上記ステンレスとしては、例えば、オーステナイト系ステンレス、マルテンサイト系ステンレス、フェライト系ステンレス等が挙げられる。
【0023】
上記金属からなる層(A)としては、例えば、金属箔、金属からなる芯線、金属板等が挙げられる。
例えば、本発明の積層体が後述するプリント配線基板である場合、層(A)は金属箔である。金属箔の厚みは、通常、5〜200μmであり、好ましくは、8〜50μmである。
本発明の積層体がコイル線、電線、ケーブル等である場合、層(A)は、金属からなる芯線である。上記芯線の直径は、通常、0.03〜2mmであり、好ましくは、0.5〜2mmである。
【0024】
層(B)は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位(TFE単位)及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位(PAVE単位)を含む共重合体(PFA)からなる。
【0025】
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては特に限定されず、例えば、下記一般式(1):
CF=CF−ORf (1)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)
で表されるパーフルオロ不飽和化合物が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル結合性の酸素原子を有していてもよい。
【0026】
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、例えば、上記一般式(1)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基であるものが好ましい。上記パーフルオロアルキル基の炭素数として、より好ましくは1〜5である。
【0027】
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、及び、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、なかでも、PMVE、PEVE及びPPVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましく、耐熱性に優れる点でPPVEであることが特に好ましい。
【0028】
上記PFAは、PAVE単位が1〜10モル%であるものが好ましく、PAVE単位が3〜6モル%であるものがより好ましい。また、上記PFAは、全重合単位に対して、TFE単位及びPAVE単位が合計で90〜100モル%であることが好ましい。
【0029】
上記PFAは、TFE単位、PAVE単位、並びに、TFE及びPAVEと共重合可能な単量体に基づく重合単位を含む共重合体であってもよい。TFE及びPAVEと共重合可能な単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン、CX=CX(CF(式中、X、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。TFE及びPAVEと共重合可能な単量体としては、ヘキサフルオロプロピレン及びCF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
【0030】
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
【0031】
PFAが、TFE及びPAVEと共重合可能な単量体に基づく重合単位を有するものである場合、PFAは、TFE及びPAVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0〜10モル%であり、TFE単位及びPAVE単位が合計で90〜100モル%であることが好ましい。より好ましくは、TFE及びPAVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1〜10モル%であり、TFE単位及びPAVE単位が合計で90〜99.9モル%である。共重合可能な単量体単位が多すぎると、層(A)と層(B)との接着性が劣るおそれがある。
【0032】
上記PFAは、主鎖末端にカルボキシル基を有する。上記PFAが主鎖末端にカルボキシル基を有すると、層(A)と層(B)とをより強固に接着させることができる。上記PFAは、カルボキシル基を主鎖の両方の末端に有していてもよいし、片方の末端のみに有していてもよい。上記PFAは、側鎖にカルボキシル基を有さないことが好ましい。
【0033】
上記PFAは、主鎖炭素数10個あたり50個以上のカルボキシル基を有することが好ましい。上記範囲のカルボキシル基を有することによって、層(A)と層(B)との接着性がより優れる。上記PFAは、主鎖炭素数10個あたり80個以上のカルボキシル基を有することがより好ましく、100個以上のカルボキシル基を有することが更に好ましい。
【0034】
上記PFAは、メルトフローレート(MFR)が20g/10分以上である。MFRは、30g/10分以上が好ましく、60g/10分以上がより好ましい。MFRの上限は、例えば、100g/10分である。
上記MFRは、ASTM D3307に準拠して、温度372℃、荷重5.0kgの条件下で測定し得られる値である。
【0035】
上記PFAは、融点が295℃以下である。融点は、285〜293℃であることが好ましく、より好ましくは、288〜291℃である。上記融点は、DSC(示差走査熱量測定)装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークに対応する温度である。
【0036】
本発明の積層体は、更に、層(B)上に形成された層(C)を有することが好ましい。層(C)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)及びエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂からなる層であることが好ましく、PTFE及びPVdFからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂からなる層であることがより好ましく、PTFEからなる層であることが更に好ましい。上記層(C)を有するものであると、低誘電率、低誘電正接であるため、高周波信号伝送用製品に好適に使用可能である。
【0037】
上記PTFEは、フィブリル化性を有し、非溶融加工性のものであれば、テトラフルオロエチレン単独重合体であってもよいし、変性ポリテトラフルオロエチレン〔変性PTFE〕であってもよい。上記「変性PTFE」は、得られる共重合体に溶融加工性を付与しない程度の少量の共単量体をテトラフルオロエチレンと共重合してなるものである。上記少量の共単量体としては特に限定されず、例えば、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、PAVE、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)、(パーフルオロアルキル)エチレン等が挙げられる。上記少量の共単量体としては、1種又は2種以上を用いることができる。
【0038】
上記少量の共単量体が上記変性ポリテトラフルオロエチレンに付加されている割合(変性量)は、その種類によって異なるが、例えば、上記テトラフルオロエチレンと上記少量の共単量体との合計質量の1質量%以下であることが好ましく、0.001〜1質量%であることがより好ましい。
【0039】
上記PTFEは、耐熱性の観点から、融点が320℃以上のものが好ましい。
【0040】
上記PTFEとしては、標準比重(SSG)が2.13〜2.17であることが好ましい。上記SSGは、ASTM D4895に準拠して測定したものである。
【0041】
上記PVdFは、重合単位が実質的にVdFに基づく重合単位(VdF単位)のみからなるものであるが、1質量%以下であれば、VdF以外のモノマーを重合させたものであってもよい。このようなモノマーとしては、例えば、TFE、HFP、CTFE、CF=CFH、PAVEが挙げられる。
【0042】
上記層(C)は、低誘電率化及び低誘電正接化の観点から、TFE単独重合体及び変性量が1質量%以下である変性PTFEからなる群より選択される少なくとも1種の重合体からなることが好ましい。
【0043】
上記層(B)及び層(C)は、無機顔料、フィラー、密着付与剤、酸化防止剤、潤滑剤、染料等を含むものであってもよい。上記無機顔料は成形する際に安定なものが好ましく、例えば、チタン、鉄の酸化物、カーボン粉末などが挙げられる。上記無機顔料、フィラー、密着付与剤、酸化防止剤、潤滑剤、染料等は、層(B)及び層(C)のいずれかに含まれていてもよいし、両方に含まれていてもよい。
【0044】
上記層(B)の膜厚は用途によって異なるが、例えば、1μm〜1mmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。更に好ましくは、60μm以下であり、特に好ましくは、40μm以下である。
【0045】
本発明の積層体が層(C)を有するものである場合、層(C)の膜厚は25μm〜1.5mmであることが好ましい。
【0046】
本発明の積層体は、層(A)と層(B)とが強固に接着するため、プリント配線基板や、コイル線、電線、ケーブル等に好適である。
特に本発明の積層体は、金属表面の粗面化をしなくても接着させることができ、高周波伝送への悪影響も回避可能であるため、高周波信号伝送用製品として好適である。高周波信号伝送用製品としては、例えば、携帯電話、各種コンピュータ、通信機器等のプリント配線基板;同軸ケーブル、LANケーブル、フラットケーブル等の高周波伝送ケーブル;ケーシング、アンテナのコネクタ等の高周波信号伝送用製品が挙げられる。高周波信号伝送用製品は、例えば、500MHz以上の信号を伝送するものである。
また、本発明の積層体は、より強固な接着性が要求される、モーターコイル線やプッシュプルケーブルに用いられるワイヤとしても好適である。
【0047】
本発明の積層体は、中でも、プリント配線基板又は高周波伝送ケーブルに好適に利用できる。
【0048】
本発明の積層体は以下の方法によって製造することができ、この製造方法は特に積層体がプリント配線基板である場合に好適である。
【0049】
本発明は、金属と、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体(PFAA)からなるシートと、を熱プレスする工程からなり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、金属からなる層(A)および層(A)上に形成された層(B)を有する積層体の製造方法でもある。
【0050】
上記製造方法は、金属とPFAからなるシートとを熱プレスするのと同時に、又は、金属とPFAからなるシートとを熱プレスした後に、PFAからなるシート上に、フッ素樹脂からなるシートを熱プレスするものであってもよい。上記フッ素樹脂は、層(C)を構成するフッ素樹脂として例示したものと同じである。
【0051】
上記金属として好ましいものは、上述したものと同じである。また、プリント配線基板である場合、上記金属は、金属箔であることが好ましい。
【0052】
熱プレスする方法としては、例えば、真空ヒートプレス等が挙げられる。
【0053】
熱プレスする温度としては、金属とPFAからなるシートとがより強固に接着する観点から、290〜380℃であることが好ましく、320〜350℃であることがより好ましい。
【0054】
熱プレスする圧力としては、金属とPFAからなるシートとがより強固に接着する観点から、0.1〜30MPaであることが好ましく、4〜9MPaであることがより好ましい。
【0055】
本発明の製造方法は、熱プレスの前に、金属と、PFAからなるシートと、任意でフッ素樹脂からなるシートとを重ねる工程を含むものであってもよい。上記フッ素樹脂は、層(C)を構成するフッ素樹脂として例示したものと同じである。
【0056】
また、本発明の積層体の製造方法は、テトラフルオロエチレン及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を重合させて、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上、融点が295℃以下であり、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体(PFA)を得る工程、上記PFAを成形してPFAからなるペレットを得る工程、上記ペレットを成形してPFAからなるシートを得る工程、及び、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である金属と上記シートとを熱プレスして積層体を得る工程、を含むことがより好ましい。
【0057】
PFAを得るための重合方法としては、例えば、懸濁重合、溶液重合、乳化重合、塊状重合等、従来公知の重合方法が挙げられる。上記重合において、温度、圧力等の各条件やその他の添加剤は、所望のPFAの組成や量に応じて適宜設定することができる。重合方法としては、懸濁重合が好ましい。
【0058】
PFAを得るための重合において、重合開始剤として、(CCOO)などのビス(フルオロアシル)パーオキシド類、(ClCCOO)などのビス(クロロフルオロアシル)パーオキシド類、ジイソブチリルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシジカーボネート類、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、tert−ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、及び、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤類を使用することができる。これらの重合開始剤を使用することによって、主鎖末端にカルボキシル基を有するPFAを得ることができる。
【0059】
PFAを得るための重合において、連鎖移動剤としては、例えば、C〜C10の低級アルコール、炭化水素系ガス(メタン、エタン、プロパン、ブタン)、酢酸エチル、アセトン等を使用することができる。しかし、主鎖末端にカルボキシル基を有するPFAを得る観点からは、連鎖移動剤を使用しないことが好ましい。
【0060】
上記PFAを成形してペレットを得る方法としては、例えば、混練機で上記PFAを溶融混練した後、該混練機内から上記共重合体を取り出してペレットを得る方法が挙げられる。溶融混練の温度としては、330〜380℃であることが好ましく、340〜370℃であることがより好ましい。
【0061】
上記ペレットを成形してシートを得る方法としては、溶融押出成形、ヒートプレス、真空ヒートプレス等が挙げられる。
【0062】
本発明の積層体は、コイル線、電線、ケーブル、ワイヤ線等にも好適に利用できる。中でも、高周波伝送ケーブルとして好適である。上記高周波伝送ケーブルとしては、同軸ケーブル、携帯基地局アンテナ内の配線、モーター、トランス、コイルに使用する巻線等が挙げられる。
また、本発明の積層体は、強固な接着性が要求されるモーターコイル線、プッシュプルケーブルに用いられるワイヤ線としても好適である。
【0063】
上記高周波伝送ケーブルは、例えば、特開2001−357729号公報に記載の方法、特開平9−55120号公報に記載の方法等、公知の方法により製造することができる。
【0064】
上記同軸ケーブルは、一般に、内部導体、絶縁被覆層、外部導体層及び保護被覆層が芯部より外周部に順に積層することからなる構造を有する。上記構造における各層の厚さは特に限定されないが、通常、内部導体は直径約0.1〜3mmであり、絶縁被覆層は、厚さ約0.3〜3mm、外部導体層は、厚さ約0.5〜10mm、保護被覆層は、厚さ約0.5〜2mmである。
【0065】
本発明の積層体は、層(A)と層(B)とが強固に接着したものであるため、強固な接着性が要求されるモーターコイル線(例えば、自動車用モーター、ロボット用モーター等の各種モーターに使用するモーターコイル線)として好適に使用できる。すなわち、本発明の積層体は、モーターコイル線であることも好ましい形態の一つである。
【0066】
プッシュプルケーブルは、自動変速機、機械的ラッチ、油圧バルブ制御操作等、多くの装置に使用されている。本発明の積層体は、層(A)と層(B)とが強固に接着したものであるため、強固な接着性が要求される、プッシュプルケーブル用のワイヤ線として好適である。すなわち、本発明は、上記積層体を備えるプッシュプルケーブルでもある。
【0067】
本発明の積層体は以下の方法によっても製造することができ、特に積層体がコイル線やケーブルである場合に好適である。
本発明は、金属からなる芯線上に、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体を被覆成形する工程からなり、前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする積層体の製造方法でもある。これにより、芯線上に上記PFAからなる被覆層が形成される。
【0068】
上記被覆成形する方法としては、ディッピング法、押出成形法、又は、ラッピング法が挙げられる。中でも、層(A)と層(B)とが強固に接着する点から、溶融押出成形法が好ましい。
【0069】
被覆成形する温度としては、金属からなる芯線とPFAからなる被覆層とがより強固に接着する観点から、340〜410℃であることが好ましく、380〜400℃であることがより好ましい。
【0070】
上記製造方法は、被覆成形した後、加熱処理する工程を含んでいてもよい。加熱処理する方法は特に限定されないが、製品の特性に影響を与えるので、できるだけ正確に温度管理できる方法を採用することが好ましい。例えば、設定温度と樹脂の実温度とをほぼ同温度とすることが容易な熱風循環式焼成炉を使用する方法や、溶融塩中に押出成形後のケーブルを通して加熱焼成する、いわゆるソルトバス法が好適に採用される。使用する溶融塩としては硝酸カリウムと硝酸ナトリウムの1/1混合物などが好ましい。
【0071】
加熱処理する温度は、140〜380℃であることが好ましく、200〜380℃であることがより好ましく、280〜360℃であることが更に好ましく、300〜350℃で行うことが特に好ましい。上記温度範囲で加熱処理を行うことによって、層(A)と層(B)とがより強固に接着する。
【0072】
また、上記製造方法は、テトラフルオロエチレン及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)を重合させて、メルトフローレートが20g/10分以上のテトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体(PFA)を得る工程、上記PFAを成形してPFAからなるペレットを得る工程、上記PFAからなるペレットを用いて、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である金属からなる芯線上に、上記PFAを被覆成形する工程、を含むものであってもよい。
【0073】
上記製造方法は、被覆成形した後、さらに、PTFEを被覆させる工程を含むものであってもよい。
【0074】
本発明の積層体が層(C)を有し、層(C)がPTFEからなるものである場合、層(C)を形成する方法としては、ペースト押出により形成するものであってもよいし、国際公開第2008/102878号パンフレットに記載されているようにポリテトラフルオロエチレンの1次粒子の分散液の押出成形を行うことにより形成するものであってもよい。
【実施例】
【0075】
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0076】
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
【0077】
(重合体組成)
19F−NMR分析により測定した。
【0078】
(カルボキシル基数)
試料を350℃に圧縮成形し、厚さ0.25〜0.3mmのフィルムを作製した。このフィルムをフーリエ変換赤外分光分析装置〔FT−IR〕(商品名:1760X型、パーキンエルマー社製)により40回スキャンし、分析して赤外吸収スペクトルを得て、完全にフッ素化されて末端基が存在しないベーススペクトルとの差スペクトルを得た。この差スペクトルに現れるカルボキシル基の吸収ピークから、下記式に従って試料における炭素原子1×10個あたりのカルボキシル基数Nを算出した。
N=I×K/t
I:吸光度
K:補正係数
t:フィルムの厚さ(mm)
参考までに、本明細書におけるカルボキシル基について、吸収周波数、モル吸光係数及び補正係数を表1に示す。また、モル吸光係数は低分子モデル化合物のFT−IR測定データから決定したものである。
【0079】
【表1】

【0080】
(MFR)
メルトインデクサー(東洋精機製作所製)を用い、ASTM D3307に準拠して、温度372℃、5kg荷重下で直径2mm、長さ8mmのノズルから単位時間(10分間)あたりに流出するポリマーの質量(g)を測定した。
【0081】
(融点)
融点は、DSC装置を用い、10℃/分の速度で昇温したときの融解ピークに対応する温度である。
【0082】
実施例1
PFA(組成:TFE/PPVE=97.2/2.8(モル比)、MFR:70.2g/10分、融点:290℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり115個)9.5gの周囲を0.5mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲い、350℃、予熱600秒、圧力10.2MPa、加圧時間120秒で真空ヒートプレス機(型番:MKP−1000HV−WH−S7、ミカドテクノス社製)にて熱プレスすることにより、厚み0.5mmのPFAシート(サンプルA)を作製した。サンプル作製条件を表2に示す。
【0083】
サンプルAを、銅箔(厚み0.8mm)と接着して積層体を得た。接着は、上記真空ヒートプレス機を用いて、下記表3に示す条件で熱プレスすることで行った。
【0084】
実施例2
PFA(組成:TFE/PPVE=97.9/2.1(モル比)、MFR:24.7g/10分、融点:294℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり80個)9.5gの周囲を0.5mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲い、350℃、予熱600秒、圧力10.2MPa、加圧時間120秒で真空ヒートプレス機(型番:MKP−1000HV−WH−S7、ミカドテクノス社製)にて熱プレスすることにより、厚み0.5mmのPFAシート(サンプルB)を作製した。サンプル作製条件を表2に示す。
【0085】
サンプルBを、銅箔(厚み0.8mm)と接着して積層体を得た。接着は、上記真空ヒートプレス機を用いて、下記表3に示す条件で熱プレスすることで行った。
【0086】
比較例1
PFA(組成:TFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFR:14.8g/10分、融点:305℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり21個)9.6gの周囲を0.5mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲い、350℃、予熱600秒、圧力10.2MPa、加圧時間120秒で実施例1と同じ真空ヒートプレス機(型番:MKP−1000HV−WH−S7、ミカドテクノス社製)にて熱プレスすることにより、厚み0.5mmのPFAシート(サンプルC)を作製した。サンプル作製条件を表2に示す。
【0087】
サンプルCを、銅箔(厚み0.8mm)と接着して積層体を得た。接着は、上記真空ヒートプレス機を用いて、下記表3に示す条件で熱プレスすることで行った。
【0088】
比較例2
PFA(組成:TFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFR:2.2g/10分、融点:307℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり9個)9.6gの周囲を0.5mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲い、350℃、予熱600秒、圧力10.2MPa、加圧時間120秒で実施例1と同じ真空ヒートプレス機にて熱プレスすることにより、厚み0.5mmのPFAシート(サンプルD)を作製した。サンプル作製条件を表2に示す。
【0089】
サンプルDを、銅箔(厚み0.8mm)と接着して積層体を得た。接着は、上記真空ヒートプレス機を用いて、下記表3に示す条件で熱プレスすることで行った。
【0090】
【表2】

【0091】
【表3】

【0092】
(剥離試験)
実施例及び比較例で得られた銅箔とサンプルA〜Dとの積層体を用いて、下記方法により剥離強度の積分平均、極大平均、最大点を求めて接着力を評価した。
【0093】
剥離強度の測定方法
得られた積層体を幅25mmに切断し、一端をT型に曲げて剥離して剥離試験用の試験片とした。
JIS K6854−3−1999のT型剥離試験方法に基づき、島津(株)製テンシロン万能試験機を用い、室温下、クロスヘッドスピード50mm/minで測定し、面積法により求めた。
【0094】
(積分平均)
測定区間における荷重を平均して求めた。
(極大平均)
測定区間における最大点の平均値荷重として求めた。
(最大点)
測定区間における最大荷重点として求めた。
測定結果を表4に示す。
【0095】
【表4】

【0096】
実施例3
PFA(組成:TFE/PPVE=97.2/2.8(モル比)、MFR:70.2g/10分、融点290℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり80個)を、内径7mmのダイ、内径3mm、外径6mmのチップを使って、ダイ温度390℃で、直径1.0mmの裸銅線に線速度10m/minで溶融成形を行い、室温へ戻すことで外径1.14mmのPFA被覆銅線を得た。さらにこのPFA被覆銅線を、330℃の熱風循環炉(長さ8m)へ2分間(4m/min)通すことで、芯線密着強度が5kg/3inch以上であるPFA被覆銅線を得た。
芯線密着強度は、MIL C−17に準拠した方法により測定した、被覆を12.7mm/minで引き抜く際の引張り力である。
【0097】
実施例4
PFA(組成:TFE/PPVE=97.9/2.1(モル比)、MFR:24.7g/10分、融点294℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり80個)を気ヒーター加熱し、330℃以上の温度のまま、内径7mmのダイ、内径3mm、外径6mmのチップを使って、ダイ温度390℃で、直径1.0mmの裸銅線に線速度10m/minで溶融成形を行い、室温へ戻すことで外径1.14mmのPFA被覆銅線を得た。さらにこのPFA被覆銅線を、330℃の熱風循環炉(長さ8m)へ2分間(4m/min)通すことで、芯線密着強度が3kg/3inch以上であるPFA被覆銅線を得た。芯線密着強度は、実施例3と同じ方法で測定した。
【0098】
比較例3
PFA(組成:TFE/PPVE=98.5/1.5(モル比)、MFR:14.8g/10分、融点305℃、主鎖末端カルボキシル基数:主鎖炭素数10個あたり80個)を、内径7mmのダイ、内径3mm、外径6mmのチップを使って、ダイ温度390℃で、直径1.0mmの裸銅線に線速度10m/minで溶融成形を行い、室温へ戻すことで外径1.14mmのPFA被覆銅線を得た。さらにこのPFA被覆銅線を、330℃の熱風循環炉(長さ8m)へ2分間(4m/min)通すことで、芯線密着強度が0.1kg/3inchであるPFA被覆銅線を得た。芯線密着強度は、実施例3と同じ方法で測定した。
【0099】
実施例5
銅箔(厚み:0.8mm)と実施例1で得られるサンプルAを重ね、周囲を1mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲み、350℃、予熱0秒、圧力10.2MPa、加圧時間90秒で真空ヒートプレス機にて熱プレスすることにより積層体を作製した。さらに積層体のサンプルAの上側にPTFEシート(厚み:0.5mm)を重ね、周囲を1.5mmのスペーサーで囲み350℃、予熱0秒、圧力5.7MPa、加圧時間90秒で真空ヒートプレス機にて熱プレスすることによりCu/PFA/PTFEの積層体を作製した。作製した積層体のPFAとPTFE間の接着強度は41.0N/cmとなった。
接着強度は、上記剥離試験と同じ方法で測定し、測定区間における積分平均として求めた。
【0100】
実施例6
銅箔(厚み:0.8mm)と実施例1で得られるサンプルA、さらにPTFEシート(厚み:0.5mm)を重ね、周囲を1.5mmのスペーサーで11cm×8cmの四角形を形成するように囲み、350℃、予熱0秒、圧力5.7MPa、加圧時間90秒で真空ヒートプレス機にて熱プレスすることによりCu/PFA/PTFEの積層体を作製した。作製した積層体のPFAとPTFE間の接着強度は17.3N/cmとなった。
接着強度は、実施例5と同様に測定して、算出した。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明の積層体は、携帯電話、各種コンピュータ、通信機器等のプリント配線基板;同軸ケーブル、LANケーブル、フラットケーブル等の高周波ケーブル;モーターコイル線、電線、プッシュプルケーブル;ケーシング、アンテナのコネクタ等の高周波信号伝送用製品として好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属からなる層(A)、及び、前記層(A)上に形成された層(B)を有する積層体であって、
層(B)は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体からなり、
前記共重合体は、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下であり、
前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする積層体。
【請求項2】
共重合体は、主鎖炭素数10個あたり50個以上のカルボキシル基を有する請求項1記載の積層体。
【請求項3】
更に、層(B)上に形成された層(C)を有し、
前記層(C)は、テトラフルオロエチレン単独重合体及び変性量が1質量%以下である変性ポリテトラフルオロエチレンからなる群より選択される少なくとも1種の重合体からなる請求項1又は2記載の積層体。
【請求項4】
プリント配線基板である請求項1、2又は3記載の積層体。
【請求項5】
モーターコイル線である請求項1、2又は3記載の積層体。
【請求項6】
請求項1、2又は3記載の積層体を備えるプッシュプルケーブル。
【請求項7】
金属と、
主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体からなるシートと、
を熱プレスする工程からなり、
前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする積層体の製造方法。
【請求項8】
金属からなる芯線上に、主鎖末端にカルボキシル基を有し、メルトフローレートが20g/10分以上であり、融点が295℃以下である、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく重合単位を含む共重合体を被覆成形する工程からなり、
前記金属は、銅、ステンレス、アルミニウム、鉄、及び、それらの合金からなる群より選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする積層体の製造方法。

【公開番号】特開2013−78947(P2013−78947A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−208589(P2012−208589)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】