説明

積層剥離ボトル及びその製造方法

【課題】 特に小型の点眼ボトルなどにおいて導入孔に逆止弁がなくともボトル胴部のスクイズ時に導入孔を容易に閉塞し、内層と外層との間の空気を圧縮することができるようにする。
【解決手段】 外層ボトル1と内層袋16との間の空間を介して導入孔17に連通する検査孔19を外層口部4に設け、口部4に内嵌した中栓21と内層袋16とにより検査孔19を閉塞する。さらに、外層ボトル1の胴部の周壁は、所定間隔を有して相対向する前後一対の略平坦な前後壁部5と、これら前後壁部5の左右縁部同士を接続する左右壁部6とから、胴部の左右幅に比して前後幅が小さい扁平筒状に構成し、導入孔17は、スクイズ時に指で押圧する前後壁部5の中央に設け、この指により導入孔17が閉塞されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外層の内面に外層から剥離可能な内層が積層形成された積層剥離ボトル並びにその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の積層剥離ボトルに関し、本願出願人らは、下記の特許文献1〜6に開示されたものを既に提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−146260号公報
【特許文献2】特開2001−114328号公報
【特許文献3】特開2001−105477号公報
【特許文献4】特開2001−105478号公報
【特許文献5】特開2001−146260号公報
【特許文献6】特開2002−263166号公報
【0004】
これら従来の積層剥離ボトルによれば、外層への大気導入孔の形成を、金型に設けたピンにより行うものであるから、プリフォームの射出成形後に大気導入孔を形成するための熱溶融や穿さく等の後加工が不必要となり、成形工程が簡易化され、製造設備の面においても金型にピンを設けるという簡単な改良で対応でき、現行設備を利用して製造でき、設備コストの低減を図ることができるという利点がある。さらに、後加工が必要ではないことは、後加工に起因する異物が製品内に混入する虞がないことにも繋がり、特に点眼剤等の薬液用容器や化粧品用容器として好適に利用できるものとなる。また、上記従来の積層剥離ボトルでは、内層口部によって大気導入孔における空気の逆流を防止する逆止弁を構成することで、構造の簡素化、コスト低減を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記積層剥離ボトルの機能を担保し、不良品の流通を事前に防ぐために、外気導入孔の形成が確実になされているか否かを検査することが重要であると考えられるが、従来は、かかる検査手法が確立されていなかった。特に、内容量10ml程度の小型のボトルの成形には、種々の面において精度が要求されるところであるが、不良検査工程をまず確立することが重要である。
【0006】
また、内容量10ml程度の小型の点眼ボトルなどに上記従来技術を適用すると、内層としての必要な機能を得るための肉厚を確保すると、口部の口径に対する内層肉厚の比率が大きくなり、内層が逆止弁として良好に機能しなくなる可能性がある。さらに、導入孔をボトル胴部に形成する場合、ボトル胴部はブロー成形工程において延伸成形される部位であり、この延伸成形時に導入孔が閉塞されてしまう可能性があるため、上記検査手段の確立が望まれる。
【0007】
そこで、本発明は、特に小型の点眼ボトルなどにおいて導入孔に逆止弁がなくともボトル胴部のスクイズ時に導入孔を容易に閉塞し、内層と外層との間の空気を圧縮することができ、この導入孔の形成不良をも容易に検査確認することのできる積層剥離ボトル並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、次の技術的手段を講じた。
【0009】
即ち、本発明は、スクイズ変形可能な有底筒状の胴部の上端に肩部を介して口部が設けられた外層ボトルと、該外層ボトルの内面に外層ボトルから剥離可能に積層形成された内層袋とを備え、前記外層ボトルには、外層ボトルと内層袋との間に外気を導入するための導入孔が形成されている積層剥離ボトルにおいて、前記外層ボトルの胴部の周壁は、所定間隔を有して相対向する前後一対の前後壁部と、これら前後壁部の左右縁部同士を接続する左右壁部とから、胴部の左右幅に比して前後幅が小さい扁平筒状に構成されたものとすることができる。各左右壁部は、前後中央部が左右外方に向けて突出する円弧状であってよい。前後壁部は、その上端が上部接続部を介して肩部に接続されるとともに、その下端が下部接続部を介して胴部の底部に接続されたものとすることができる。前記導入孔は、前記前壁部及び/又は後壁部の中央部に設けられていてよい。該導入孔は、前後壁部を指で押圧することにより胴部をスクイズ変形させるときに該指によって閉塞可能であってよい。これによれば、ボトルの短径側の前後壁部を例えば親指と人差し指によって挟むようにして外層ボトルの胴部をスクイズ変形させると、指によって必然的に導入孔が閉塞され、内層と外層の間の空気を加圧させ、この加圧空気によって内層袋を収縮させて内容液を吐出することができる。
【0010】
上記本発明の積層剥離ボトルにおいて、外層ボトルと内層袋との間の空間を介して前記導入孔に連通する検査孔が前記口部に設けられており、口部に内嵌されるとともに内層袋内部の内容物の吐出路を有する部材によって内層袋が前記検査孔に押さえ付けられ、該内層袋及び前記部材によって前記検査孔が閉塞されるように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
かかる本発明によれば、検査孔から空気を外層ボトルと内層袋の間に吹き込んだ際の前記導入孔からの空気の流出を検査することによって、導入孔が確実に形成されているか否かの確認を行うことができる。また、検査孔は、前記部材(例えば、中栓など)と内層袋によって閉塞されているので、使用時に検査孔が開口して空気漏れが生じることもない。
【0012】
より好ましくは、前後壁部を比較的厚肉の剛性壁部とし、左右壁部を比較的薄肉の可撓性接続壁部とすることができる。また、上部接続部並びに下部接続部も、比較的薄肉の可撓性接続部とすることができる。これによれば、前後一対の剛性壁部の左右縁部が可撓性接続壁部により接続されているとともに、剛性壁部の上下も可撓性接続部を介して肩部及び底部に接続されることとなり、前後の剛性壁部を接近させるように2本の指先で両壁部を押圧すると、胴部全体が押し潰されるような態様でスクイズ変形するため、比較的小さなボトルであっても内容積を半減させる程度若しくはそれ以上に大きくスクイズ変形させることが可能である。さらに、このように大きくスクイズ変形させても、左右の可撓性接続壁部や上下の可撓性接続部が弾性変形することで破損することが少ない。したがって、ワンスクイズで大量の内容液を取り出すことが可能になるとともに、ボトル内部に内層袋を設けた積層剥離ボトルにおいては、最後まで確実に内容液を吐出させることが可能になる。
【0013】
このような構造は、従来公知のブロー成形法によって成形することができ、剛性壁部を比較的厚肉とする一方、左右の接続壁部及び上下の接続部が比較的薄肉となるように賦形形状を設定して各部位毎にブロー比を変えたりプリフォーム段階の肉厚を変えることにより、剛性壁部には、指による押圧力によってはあまり湾曲しない程度の剛性を持たせ、接続壁部及び接続部には、前後の剛性壁部の平行移動に追従して弾性変形し得る程度の可撓性を持たせることが可能である。剛性壁部の外面は平坦状とすることが好ましいが、径方向外方若しくは内方に向けて全体的に若干湾曲する曲面であってもよい。
【0014】
上記のような構造のボトルをブロー成形により得るために、ブロー成形金型の賦形面構造を改良することが好ましい。例えば、従来のいわゆるオーバルボトルのブロー成形金型の場合においては、胴部の短径側賦形面を、平坦若しくは短径壁面より大きな径の凸状若しくは凹状の湾曲面とし、短径側のブロー比を小さくすることによって、ボトル胴部の短径側壁部を厚肉の剛性壁部とするとともに、長径側のブロー比をより大きくしてボトル胴部の長径側壁部を薄肉の可撓性接続壁部とすることが可能となる。さらに、剛性壁部の上下に、前後方向外方に突出する凸部を形成するようにブロー成形金型の賦形面を形成し、剛性壁部の上下におけるブロー比を部分的に大きくすることによって、剛性壁部の上下に薄肉の可撓性接続部を形成することができる。
【0015】
上記ボトルをブロー成形プラスチックボトルからなるものとする場合、可撓性上部接続部並びに可撓性下部接続部は、剛性壁部よりも前後外方に位置しており、これら接続部の平均肉厚が、剛性壁部の平均肉厚よりも小さいとともに、胴部の左右幅は前後幅よりも大きく、左右の可撓性接続壁部の平均肉厚が、剛性壁部の平均肉厚よりも小さいものとすることが好ましい。これによれば、上述したようなブロー成形金型の賦形面構造の改良のみで、その他のブロー成形装置の構造やブロー工程は変更せずとも、上記ボトルを容易かつ低コストで製造可能である。
【0016】
また、上記ボトルにおいて、胴部の横断面は左右方向に長尺の楕円状を呈するものとし、剛性壁部は、正面視において上下に長尺の長方形状とすることができる。この剛性壁部の外面の上下寸法は20mmよりも大きくすることができ、より好ましくは25mmよりも大きくすることができる。通常、ボトル胴部を親指と人差し指の2本の指先で把持し且つ押圧するとき、指先がボトル胴部の外面に接触して押圧力を作用させている範囲は、上下方向に1cm未満となる。したがって、従来のスクイズボトルを2本の指先でスクイズさせようとすると、指先に接触している1cm程度の範囲のみが湾曲変形し、極めて少量の内容液しか取り出すことができない。一方、本発明のボトルでは、前後一対の剛性壁部の上下中央部を2本の指先で押圧すると、その剛性により上下20mm以上にわたって剛性壁部がボトル内方に移動し、内容積を大きく減少させることができる。さらに、剛性壁部の外面の左右寸法を、胴部全体の左右幅(左右の円弧状接続壁部の外面の頂部間の距離)の1/2よりも大きく且つ10mmよりも大きくすることで、剛性壁部のスクイズ操作性を良好なものとし、胴部全体のスクイズ性を一層構造できる。また、前後の剛性壁部の外面間の距離を、剛性壁部の外面の左右寸法よりも小さいものとすることで、左右の接続壁部の曲率を大きくして該壁部の弾性変形を円滑に行わせることが可能となる。
【0017】
より好ましくは、前後の剛性壁部の上下中央部を押圧することにより、該中央部間の距離が半分になるまで前後の剛性壁部を接近させたとき、剛性壁部の上下端が前記中央部に追従して移動するように左右の接続壁部並びに上下の接続部が弾性域内で変形するように構成することができる。さらに、前後の剛性壁部同士が当接するまでスクイズしたときでも、左右の接続壁部並びに上下の接続部が弾性域内で変形するように構成することもできる。
【0018】
本発明の積層剥離ボトルの口部には口栓を設けることができる。この口栓は、前記内層袋に収容された流体を外部に吐出するための吐出路を有する。該口栓の前記吐出路を開閉するために該吐出路に分与弁を装着できる。この分与弁は、バルブフランジとバルブヘッドとを備えることができ、好ましくは、バルブフランジとバルブヘッドとが、柔軟な構造のバルブスリーブを介して接続されたものとすることができる。前記バルブフランジは、前記吐出路の内周縁をシールする。前記バルブヘッドは、前記バルブフランジの内周縁に、直接又はバルブスリーブ等を介して間接的に接続され、前記袋内部側に予め定められた分与圧力が作用すると前記流体の流れを許容するように開き且つ前記予め定められた分与圧力が除去されると前記流体の流れを遮断するように閉じるオリフィスを有する。さらに、前記口栓には、前記袋内部に負圧が生じたときに前記バルブヘッドのオリフィスが開くことを防止するように前記バルブヘッドを当接支持する支持部を設けることができる。かかる容器では、分与弁を開くために袋内部を所定の分与圧力以上に高めることが必要となるが、上記構造のボトルは、胴部全体が押し潰されるような態様で弾性的に大きくスクイズ変形できるため、破損を生じることなく分与圧力を生じさせることが可能である。
【0019】
また、本発明の積層剥離ボトルにおいては、前記導入孔に、逆止弁が設けられていないものとすることができる。さらに、外層ボトルの胴部周壁には、ボトル内方に窪む凹部若しくはボトル外方に膨らむ凸部が形成され、前記導入孔は該凹部若しくは凸部内に形成されていてもよい。これら凹部若しくは凸部は、指の腹部によって覆い隠される程度の大きさ、例えば直径5mm程度の円形状とすることができる。これによれば、ボトル胴部を指で押圧する位置がより明確化され、目や体の不自由な人にとっても使いやすいものとなる。さらに、凹部若しくは凸部の位置や形状はブロー成形型によって正確に賦形することが可能である一方、ブロー成形前のプリフォームの段階で導入孔を形成した場合には、ブロー成形後のボトルにおいては導入孔の位置や形状に若干のばらつきが生じるが、該導入孔を凹部若しくは凸部内に設けることで、上記ばらつきを目立たないようにすることができ、商品外観性の向上を図ることができる。
【0020】
また、本発明は、外層の内面に、該外層から剥離可能な内層が積層形成されているとともに、外層には、外層と内層との間に空気を流入するための導入孔が形成されている積層剥離ボトルの製造方法であって、外層プリフォームを射出成形する工程と、外層プリフォームの内面側に内層プリフォームを射出成形する工程と、外層プリフォームと内層プリフォームとからなる積層パリソンから積層剥離ボトルをブロー成形する工程と、不良品判別工程とを有するものである。
【0021】
前記外層プリフォームの射出成形工程においては、前記導入孔を外層プリフォームに形成するとともに、外層プリフォームの口部に検査孔を形成することができる。また、前記内層プリフォームの射出成形工程においては、導入孔及び検査孔に、先端部が外層プリフォームの内面とほぼ面一となるように外周側からピンを嵌挿した状態で内層プリフォームを射出成形することができる。また、前記ブロー成形工程においては、ブロー成形型に対して前記導入孔が所定の周方向位置に位置決めした状態で前記パリソンをブロー成形することができる。そして、前記不良品判別工程においては、前記ブロー成形によって得られた積層剥離ボトルの検査孔と導入孔との間の通気検査を行うことにより、導入孔の形成不良の判別を行うことができる。これによれば、ブロー成形工程において導入孔が形成されている部位(例えば、パリソンの胴部)を延伸成形する場合でも、この延伸成形によって導入孔が閉塞されてしまったか否かを検査確認することが可能である。
【0022】
上記本発明の製造方法において、前記通気検査は、検査孔から空気を導入することにより行うことができる。
【0023】
また、外層プリフォームの導入孔の直径は、内層プリフォームの導入孔近傍の肉厚の2倍以下、より好ましくは1.5倍以下とすることができる。これによれば、ブロー成形時に内層がブロー圧によって導入孔内に埋入してしまうことを防止できる。
【0024】
さらに、外層は、スクイズ変形可能な有底筒状の胴部の上端に肩部を介して口部が設けられた外層ボトルからなり、内層は、外層ボトルの内面に外層ボトルから剥離可能に積層形成された内層袋からなり、前記導入孔は、外層ボトルの胴部周壁に形成されており、前記ブロー成形型の賦形面には、前記導入孔を含む所定の範囲において外層ボトルの周壁に凹部若しくは凸部を形成するための賦形部が形成されていてもよい。これによれば、ボトル胴部を指で押圧する位置をより明確化し得る凹部若しくは凸部を外層ボトルの押圧部位に形成することができ、目や体の不自由な人にとっても使いやすいボトルを提供できる。さらに、導入孔を凹部若しくは凸部内に設けることで、導入孔の形成位置等のばらつきを目立たないようにすることができ、商品外観性の向上を図ることができる。
【0025】
その他、本発明の製造方法においては、特開2001−105477号公報に開示した外層のみに孔を形成する方法や製造装置を適宜用いることが可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、特に、内容量10ml程度の点眼ボトルなどの小型の積層剥離ボトルにおいて、外気の導入孔の形成不良の検査確認手段を確立することができるとともに、導入孔に逆止弁がなくともボトル胴部のスクイズ時に導入孔を容易に閉塞し、内層と外層との間の空気を確実に圧縮して比較的多量の内容液をワンスクイズで点眼することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例に係る積層剥離ボトルを備える点眼容器の縦断面図である。
【図2】同容器の使用状態を示す縦断面図である。
【図3】同容器の積層剥離ボトルの全体図を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
【図4】同積層剥離ボトルの側面図である。
【図5】図4のA−A線断面図である。
【図6】図3のB−B線断面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る積層剥離ボトルの製造方法の外層プリフォーム射出成形工程を示す金型縦断面図である。
【図8】同製造方法の内層プリフォーム射出成形工程を示す金型縦断面図である。
【図9】同製造方法の中間製造物である積層パリソンを示し、(a)はパリソンの軸方向中途部(図9(b)のD−D線断面部)の断面図であり、(b)は、C−C線矢視相当のパリソンの縦断面図である。
【図10】同製造方法のブロー成形工程のブロー成形金型を図9のC−C線矢視相当で示す簡略縦断面図である。
【図11】同製造方法の不良品検査工程を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2に、本発明の一実施例に係る積層剥離ボトルを備える分与容器として点眼容器10を示している。この点眼容器10は、有底筒状の積層パリソンからブロー成形してなる内外二層構造の積層剥離ボトル11と、該ボトル11の口部11aに装着される口栓12と、保護キャップ13とを備えている。使用者がキャップ13を取り外して積層ボトル11を倒立させて胴部11bを押圧によりスクイズすると、図2に示すように、ボトル11内部の点眼液剤(流体)が口栓12内の吐出流路を通って先端ノズル部15から滴下されるようになっている。なお、図においては拡大表示しているが、実際のボトル11の全高は56mm程度、胴部11bの左右幅は25mm程度、胴部11bの前後幅は17.5mm程度、内容量10.4ml程度である。
【0029】
上記積層ボトル11は、外層を構成する外層ボトル1(スクイズボトル)と、内層を構成する内層袋16(流体収容袋)との積層構造とされている。外層ボトル1並びに内層袋16は、ブロー成形直後は、共に円筒状の口部と、横断面扁平状の胴部とを有する。外層ボトル1は、例えばPETやEVOHなどの合成樹脂材により成形することができ、内層袋16は、外層ボトル1に対して容易に剥離する性質を有する合成樹脂(例えば、ポリエチレンなどのポリオレフィン)により成形できる。なお、袋16の口部は、液体の放出用開口を構成する。
【0030】
外層ボトル1は、図3〜図6にも示すように、弾性的にスクイズ変形可能な有底筒状の胴部2の上端に、上方に移行するにしたがって徐々に縮径する肩部3を介して円筒状の口部4が設けられたものである。胴部2の周壁は、図6に示すように、所定間隔を有して相対向する前後一対の剛性壁部5と、これら剛性壁部5の左右縁部同士を接続する左右の可撓性接続壁部6とから、胴部2の左右幅に比して前後幅が小さい扁平長円状に構成されている。各剛性壁部5(前後壁部)は、正面視において上下に長い長方形状であって、横断面並びに縦断面においてはほぼ平坦状であるが、完全に平坦でなくともよく、若干湾曲していてもよい。各可撓性接続壁部6(左右壁部)は、前後中央部が左右外方に向けて突出する円弧状であって、その曲率半径は、胴部2の短径よりも小さくなされている。また、各剛性壁部5は、その上端縁が可撓性上部接続部7を介して肩部3に接続されるとともに、その下端縁が可撓性下部接続部8を介して胴部2の底部2aに接続されている。而して、各剛性壁部5は、その周囲が上記可撓性部位6,7,8のみによって取り囲まれているとともに、前後の剛性壁部5と底部2aと肩部3とは、可撓性部位6,7,8のみによって一体的に接続されている。
【0031】
可撓性上部接続部7並びに可撓性下部接続部8は、剛性壁部5よりも前後外方に位置している。したがって、上記プラスチック製パリソンからボトル1をブロー成形する際、各接続部7,8を形成する部位の樹脂材の伸長比率が大きくなり、各接続部7,8が比較的薄肉に形成される結果、これら接続部7,8に容易に変形し得る可撓性が付与される一方、剛性壁部5を厚肉に形成して、該壁部5には変形し難い剛性を付与できる。これら接続部7,8の平均肉厚は、剛性壁部5の平均肉厚の半分未満とすることが好ましい。
また、スクイズボトル1の胴部2の左右幅は、前後幅(即ち、前後の剛性壁部5の外面間の距離)の1.5倍よりも大きく、ブロー成形の際に左右の接続壁部6を形成する部位の樹脂材の伸長比率が大きくなる結果、左右の可撓性接続壁部6の平均肉厚が、剛性壁部5の平均肉厚よりも小さくなるようにしている。さらに加えて、ブロー成形のパリソンの段階で、剛性壁部5を構成する部位の肉厚を、可撓性接続壁部を構成する部位の肉厚よりも厚肉としておくことができる。
【0032】
外層ボトル1の上記した構成によって、前後の剛性壁部5の上下中央部を2本の指先で押圧することにより、該中央部間の距離が半分になるまで前後の剛性壁部5を接近させたとき、剛性壁部5の上下端が前記中央部に追従して移動するように左右の接続壁部6並びに上下の接続部7,8が弾性域内で変形するようになっている。
【0033】
また、本実施例の外層ボトル1の前側の剛性壁部5(前壁部)の上下左右における中央部には、ボトル胴部2と袋16の胴部16bとの間に外気を導入するための導入孔17が設けられている。この導入孔17は、外層ボトル1の内面側から外面側に貫通して形成されており、内層袋16には形成されていない。さらに、剛性壁部5の上下左右における中央部には、導入孔17よりも大径の円形状の凹部18が形成されている。この凹部18はボトル内方に窪むように形成されており、直径は5mm程度とされている。前記導入孔17は凹部18内に形成されており、凹部18を指で塞ぐことによって導入孔17を閉塞し得るようになっている。上記導入孔17には逆止弁は設けられておらず常時開口しており、この開口面積はおよそ1mm2〜2mm2程度とされている。
【0034】
また、外層ボトル1の口部4の上下方向中途部には、外層ボトル1と内層袋16との間の空間を介して導入孔17に連通する検査孔19が設けられている。本実施例では、直径方向に対向する位置に2つの検査孔19が形成されている。この検査孔19も、外層ボトル1の内面側から外面側に貫通して形成されており、内層袋16には形成されていない。この検査孔19は、内層袋16の口部16aによって内側から閉塞されており、点眼容器10の使用時に検査孔19から内外層1,16間の空気が流出することを防止する。かかる内層袋16による閉塞を確実ならしめるために、本実施例では、後述する中栓21によって内層袋16の口部16aを検査孔に押さえ付け、これら内層袋16と中栓21とによって検査孔19を閉塞するようにしている。
【0035】
内層袋16の胴部16bはフィルム状を呈しており、内容液の減少に伴って容易に収縮変形し得るようになっている。一方、内層袋16の口部16aは、その胴部16bに比して比較的厚肉に形成されている。おり、円筒形状への復元性を呈するようにしている。なお、袋16の底部中央は、外層ボトル1の底部中央に係止しており、これにより袋16の底部側が上方に捲れ上がることを防止する。
【0036】
上記口栓12は、ボトル口部4に内嵌される中栓21と、該中栓21に軸方向に連結されるとともにボトル口部4の外周に装着されるノズルキャップ22とから主構成されている。
中栓21は、基端部がボトル口部4の先端面に当接する円筒状の第1筒部21aと、該第1筒部21aの内側に設けられた第2筒部21bとが、第2筒部21bの先端から径方向外方に張り出したフランジ21cを介して一体に形成されたものである。第2筒部21bの基端部は、第1筒部21aの基端部よりも基端側(図1において下側)に大きく延設されており、この第2筒部21bがボトル口部4に気密状且つ液密状に内嵌される。特に本実施例では、第2筒部21bは検査孔19よりも下方にまで延設されており、上記検査孔19は、この第2筒部21bによって内側から気密状に閉塞される。
【0037】
第2筒部21bの軸方向中途部の内面には、水平板状の支持壁部21dが設けられている。この支持壁部21dには、中央部を避けるようにして中央部の周囲4ヵ所に、軸方向に貫通する通孔23(吐出路)が設けられている。また、支持壁部21dの上部側には、後述する分与弁24のコネクタスリーブ24a並びにバルブヘッド24bが嵌め込まれる凹部が形成されている。
【0038】
ノズルキャップ22は、略円筒状の部材であってその軸方向先端にノズル部15が形成された天板が一体成形されている。ノズルキャップ22の内周には、中栓21の第1筒部21aが嵌着されている。ノズルキャップ22の先端部外周は段差を介して小径筒状に形成されており、この小径筒状部外周には保護キャップ13が螺着されるようになっている。
【0039】
ノズルキャップ22の天板の下面中央には薄板状のフィルター25が配設されている。このフィルター25としては、メンブランフィルター、焼結体フィルターや、親水性多孔質平膜や疎水性多孔質平膜など、フィルター25の吐出下流側(容器外)から吐出上流側(容器内)への病原微生物の透過を防止し得るものを適宜用いることができる。このフィルター25は、分与弁24よりも吐出下流側に配設されており、図示例ではノズル部15に隣接配置され、中栓21の上方でノズルキャップ22に内嵌された保持部材26によって保持されている。この保持部材26には、フィルター25へ内容液を流通させるための通孔26aが形成されている。而して、袋16の内部と容器外部とを連通させる口栓12の吐出路が、上記した通孔23、空洞部、通孔26a並びにノズル部15内流路によって構成されている。
【0040】
上記分与弁24は、バルブフランジ24cと、バルブヘッド24bと、コネクタスリーブ24aとがシリコンゴムなどの弾性材料によって一体成形されたものである。
【0041】
バルブフランジ24cは略リング状であって、断面形状は径方向外側に至るほど肉厚が厚くなるような三角形状とされている。このバルブフランジ24cは、中栓21とノズルキャップ22とによって上下から気密且つ液密状に挟持されており、吐出路の内周縁を気密且つ液密状にシールしている。
【0042】
バルブヘッド24bは、平面視円形状であってボトル内方に向けて凸状に湾曲する球面上に成形されており、その中央部には、十字状の切り込みからなるオリフィスが設けられている。このオリフィスは、ヘッド24bの内面に予め定められた分与圧力が作用すると内層袋16内部の流体(内容液)の流れを許容するように開き、その予め定められた分与圧力が除去されると、流体の流れを遮断するように閉じる。又、バルブヘッド24bの中央下面は略平坦に形成されており、上記オリフィス24dは、この平坦面が形成された範囲内に設けられている。このバルブヘッド24bの平坦面は、通常の状態においては、上記支持壁部21dの上面に当接している。
【0043】
コネクタスリーブ24aは、略円筒状であって、軸方向一端側はバルブフランジ24cの内周縁に一体的に接続され、軸方向他端側はバルブヘッド24bの外周縁に一体的に接続されている。また、コネクタスリーブ24aは容易に変形し得るように比較的薄肉の柔軟な構造となっている。これにより、上記予め定められた分与圧力よりも小さい所定の圧力がバルブヘッド24b内面に作用すると、オリフィス24dが閉じた状態を維持したままでバルブヘッド24bが下流側(先端側)へ変位し、その結果、コネクタスリーブ24aは捲れるように弾性変形する。また、上記小さい所定の圧力が除去されると、コネクタスリーブ24aは復元変形し、オリフィス24dが閉じた状態でバルブヘッド24bが上流側(基端側)へ変位し、その結果、ノズル内流路に残存する流体をフィルターの上流側へ吸い戻す。なお、この流体の吸い込み力は、上記コネクタスリーブ24aの復元力によって得られるものであってもよく、また、ヘッド24bの内面の負圧によって得られるものであってもよい。
【0044】
なお、コネクタスリーブ24aの構造は図示例に限られるものではなく、例えば軸方向に収縮するように弾性変形可能な蛇腹構造とすることも可能である。
【0045】
上記点眼容器10では、その持ち運びや温度変動などを起因として所定の分与圧力未満の小さな範囲で内圧が上昇すると、分与弁24のオリフィス24dが閉じたままでバルブヘッド24bが先端側へ変位し、この変位量に応じて上記内圧が小さくなり、圧力上昇が緩和される。内容液をノズル部15から吐出させるには、図2に示すように、使用者がボトル11を倒立させて、導入孔17を指で塞ぐように外層ボトル1の胴部2を短径方向両側から径内方に押圧して外層ボトル1をスクイズ変形させると、内外層1,16間の空気が加圧され、この加圧空気によって内層袋16が圧縮される。このようにしてヘッド24bの内面に所定の分与圧力以上の内圧を生じさせると、内層袋16内の内容液が分与弁24のオリフィス24dを開いてノズル部15から液下される。ボトル11の押圧を止め、導入孔17から指を離し、外気が導入孔17から内外層1,16間に導入されると、まず、オリフィス24dが閉じるようにバルブヘッド24bが復元変形し、次にコネクタスリーブ24aが復元変形する。このスリーブ24aの復元の際に、ノズル内流路(即ち、吐出路先端開口)に残留する内容液がフィルター25の上流側の空洞部に吸い戻され、該内容液はフィルター25によって外気から遮断された空洞部に滞留する。
【0046】
また、デラミボトル11の押圧を止めた際、外層ボトル1は元の形状に復元するが、オリフィス24dが閉じることにより内層袋16内への内容液の逆流及び外気の流入が生じず、内層袋16は元の形状に復帰せず、内容液の減少に伴って収縮していく。一方、外層ボトル1が元の形状に復帰する際には、内層袋16と外層ボトル1との間に導入孔17を介して空気が入り込む。この際、内層16内部も負圧となり、分与弁24のバルブヘッド24bに容器内部側に変形させようとする力が作用しても、該ヘッド24bは支持壁部21dにより当接支持されているため、上記したような柔軟なヘッド24bの構造としつつも、このヘッド24bが内側に変形してオリフィスが開き、外気等が内層袋16内に流入することが防止される。
【0047】
次に、上記した積層剥離ボトルの製造方法並びに製造装置の実施例を、図7〜図11を参照しつつ説明する。
【0048】
本実施例の製造方法は、外層プリフォーム1Pを射出成形する工程(図7参照)と、外層プリフォーム1Pの内面側に全面にわたって内層プリフォーム16Pを射出成形する工程(図8参照)と、外層プリフォーム1Pと内層プリフォーム16Pとからなる積層パリソンP(図9参照)から積層剥離ボトル11を二軸延伸ブロー成形する工程(図10参照)と、不良品判別工程(図11参照)とを有している。
【0049】
外層プリフォーム1P及び内層プリフォーム16Pの成形は、図7及び図8に示す射出ステーションにより行う。なお、この実施例では、同一ステーションにおいて後述するインジェクションコアの交換を行うことで外層プリフォームの成形後に同一の場所で内層プリフォームを成形しているが、外層プリフォーム用射出成形金型と内層プリフォーム用射出成形金型とを別個独立に構成することも可能である。
【0050】
図7は、外層プリフォーム1Pの成形工程を図示している。図において、射出成形金型は、インジェクションコア50A,50B、並びにキャビティ型51を備えている。これらを上下方向に嵌め合わせる型締めを行った後、溶融樹脂をホットランナー及びホットランナーノズルを介してキャビティ(空洞部)内に射出し、外層プリフォーム1Pを形成する。
【0051】
キャビティ型51には、上記導入孔17並びに検査孔19を形成するためのピン52,53がそれぞれの部位に設けられている。これらピン52,53は、キャビティ型51から径方向内方に突出され、ピンの先端部分は溶融樹脂射出時(射出開始前、或いは射出後の樹脂硬化前)にインジェクションコア50Aの側面に当接している。これらのピン52,53によって外層プリフォーム1Pが成形される段階で導入孔17並びに検査孔19が貫通形成されることになる。ピン52,53は、キャビティ型の型開きを行うことによって、導入孔17並びに検査孔19から径方向外方に離脱されるようになっている。
【0052】
図8は内層プリフォーム16Pが成形される工程を示している。この図8に示す状態は、外層プリフォーム1Pの成形後に、外層用インジェクションコア50Aを引き抜いて別の内層用インジェクションコア50Bを挿入した状態である。ピン52.53は、図7に示した状態のまま、すなわちピン52,53は、その先端部が外層プリフォーム1Pの内面とほぼ面一となるように外周側から嵌挿した状態である。内層用インジェクションコア50Bは、外層用インジェクションコア50Aよりも内層プリフォーム16Pの肉厚分だけ小径である。なお、インジェクションコア50Bに、内層プリフォーム16P用の溶融樹脂をキャビティ内に射出するための樹脂流路並びにゲートを設けてもよい。
【0053】
内層プリフォーム16Pが成形された後、射出成形金型の型開きを行い、積層パリソンPを取り出して次の吹き込みステーションに移送する。なお、図9に示すように、積層パリソンPの胴部肉厚は、上記ボトル1の剛性壁部5となる部位の方が、上記接続壁部6,7となる部位よりも大きくなされている。また、積層パリソンPの口部外周の周方向所定位置には、ブロー成形型に対する積層パリソンPの周方向位置の位置決めを行うための位置決め基準部位Ps(図4及び図5参照)が形成されている。また、外層プリフォーム1Pの導入孔17の直径は、およそ0.7mmとされ、内層プリフォーム16Pの導入孔近傍の肉厚はおよそ0.8mmとなされている。
【0054】
図10に示す吹込ステーションでは、延伸ロッド60を装着したブローコア61、パリソンPを保持したリップ型62、ブローキャビティ型63及び底型64を備えるブロー成形型によって、パリソンPから積層剥離ボトル11をブロー成形する。ブローキャビティ型63の賦形面には、外層ボトル1の導入孔17を含む所定の範囲において外層ボトル1の剛性壁部5中央部に前記凹部18を形成するための賦形部63aが設けられている。
【0055】
かかるブロー成形型内にパリソンPを挿入設置する際、まず、上記パリソンPの基準部位Psがブロー成形型に対して所定の角度位置となるようにパリソンPを回転させる。この位置調整は、例えば、基準部位Psを機械的接触により押圧することにより行ってもよいし、光学センサやCCDカメラなどにより基準部位Psの位置を確認しつつパリソンPを回転駆動させることにより行ってもよい。パリソンPは、ブロー成形型を型締めすると、基準部位Psが金型に挟み込まれることによって正確な位置に固定される。また、パリソンPはブロー成形型に挿入される前に事前に温調しておく。
【0056】
ブロー成形型の型締め後、延伸ロッド60を下方に移動させて、有底円筒状パリソンPの底を下方に押して、パリソンPをまず縦軸延伸する。次に、ブローコア61からパリソンP内に加圧空気を導入して横軸延伸させ、パリソンPの胴部をキャビティ型63の賦形面に押圧させ、ボトル胴部形状を賦形する。このとき、検査孔19が形成されている部分(ボトル口部)は、リップ型62に保持された状態にあるため、この検査孔19の部分では延伸されず、検査孔19の下方側で延伸が行われる。また、導入孔17が形成されている部分は、縦軸延伸並びに横軸延伸されるが、導入孔17は上記賦形部63a内に位置されるようにブロー成形がなされ、ブロー成形後のボトルにおける導入孔17の位置や形状のばらつきを目立たなくすることができる。また、横軸延伸の際、内層プリフォーム16Pの導入孔17近傍の肉厚が導入孔17の直径よりも大きいので、内層プリフォーム16Pが導入孔17内に埋入してしまうことが防止される。なお、かかる肉厚は、導入孔17の直径の2倍以下程度であればよい。
【0057】
ブロー成形後、成形された積層剥離ボトル11を取り出し、内層袋16内の空気を真空吸引することによって、内層袋16を一旦外層ボトル1から剥離させておくことが好ましい。
【0058】
次に、図11に示す不良品検査工程では、検査孔19にポンプに接続された吹き込みノズル70を嵌挿し、吹き込みノズル70を介して検査孔19から外層ボトル1と内層袋16との間に空気を吹き込む。導入孔17の近傍には圧力センサなどの通気検知センサ71を配置しておき、検査孔19から空気を吹き込んだ際に導入孔17から空気が流出するか否かを検知する。この検知信号をコンピュータなどの制御装置72に入力することで、検査孔19と導入孔17との間の通気検査を行い、これにより導入孔17の形成不良の判別を行うようにしている。この判定結果を用いて、形成不良のボトルを自動選別するように製造ラインを構成することが可能である。
【0059】
本発明は、上記実施例に示した構造に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想に包含される範囲で適宜の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
1 外層ボトル(外層)
2 外層ボトルの胴部
2a 底部
3 肩部
4 外層ボトルの口部
5 前後壁部
6 左右接続壁部
7 上部接続部
8 下部接続部
11 積層剥離ボトル
16 内層袋(内層)
17 導入孔
18 凹部
19 検査孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクイズ変形可能な有底筒状の胴部の上端に肩部を介して口部が設けられた外層ボトルと、該外層ボトルの内面に外層ボトルから剥離可能に積層形成された内層袋とを備え、前記外層ボトルには、外層ボトルと内層袋との間に空気を導入するための導入孔が形成されている積層剥離ボトルにおいて、
前記外層ボトルの胴部の周壁は、所定間隔を有して相対向する前後一対の略平坦な前後壁部と、これら前後壁部の左右縁部同士を接続する左右壁部とから、胴部の左右幅に比して前後幅が小さい扁平筒状に構成され、左右壁部は、前後中央部が左右外方に向けて突出する円弧状であり、前後壁部は、その上端が上部接続部を介して肩部に接続されるとともに、その下端が下部接続部を介して胴部の底部に接続されており、前記導入孔は、前記前壁部及び/又は後壁部の中央部に設けられており、該導入孔は、前後壁部を指で押圧することにより胴部をスクイズ変形させるときに該指によって閉塞可能であることを特徴とする積層剥離ボトル。
【請求項2】
請求項1に記載の積層剥離ボトルにおいて、外層ボトルの胴部周壁には、ボトル内方に窪む凹部若しくはボトル外方に膨らむ凸部が形成され、前記導入孔は該凹部若しくは凸部内に形成されていることを特徴とする積層剥離ボトル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の積層剥離ボトルにおいて、前後壁部を比較的厚肉の剛性壁部とし、左右壁部を比較的薄肉の可撓性接続壁部としていることを特徴とする積層剥離ボトル。
【請求項4】
請求項1,2又は3に記載の積層剥離ボトルにおいて、上部接続部並びに下部接続部が、比較的薄肉の可撓性壁部とされていることを特徴とする積層剥離ボトル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2009−179403(P2009−179403A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119635(P2009−119635)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【分割の表示】特願2003−36113(P2003−36113)の分割
【原出願日】平成15年2月14日(2003.2.14)
【出願人】(000206185)大成化工株式会社 (83)
【出願人】(391009523)株式会社日本点眼薬研究所 (13)
【Fターム(参考)】