説明

積層型セラミック素子及びその実装構造

【課題】 温度を精度良く検知することが可能な積層型セラミック素子及びその実装構造を提供すること。
【解決手段】 NTCコンデンサ1は、複数の絶縁体層16〜18が積層されたコンデンサ素体15と、コンデンサ素体15内に配置された第1〜第3の内部電極19、20、21〜24と、コンデンサ素体15の外表面に配置された第1〜第3の端子電極11〜14とを備える。第1の内部電極19は、第1の端子電極11にのみ接続され、第2の内部電極20は、第2の端子電極12にのみ接続され、第3の内部電極21、22は、第3の端子電極13にのみ接続され、第3の内部電極23、24は、第3の端子電極14にのみ接続される。第3の内部電極21〜24は、第1及び第2の内部電極19、20の何れとも絶縁体層16〜18の積層方向に対向しない

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型セラミック素子及びその実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、温度の変化に応じて電気的特性が変化する素子として、例えば特許文献1に記載の積層型セラミック素子が知られている。
【特許文献1】特開昭62−137804号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の積層型セラミック素子は、周囲の空気の温度変化によって温度の変化を検知するため、温度検知の精度を高くすることが困難であった。
【0004】
そこで、本発明は、温度を精度良く検知することが可能な積層型セラミック素子及びその実装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る積層型セラミック素子は、温度に応じて電気的な特性が変化する、複数の絶縁体層が積層された素体と、素体内に配置された第1の内部電極、第2の内部電極、及び第3の内部電極と、素体の外表面に配置された第1の端子電極、第2の端子電極、及び第3の端子電極と、を備え、第1〜第3の端子電極は、素体の外表面上において電気的に絶縁されており、第1の内部電極は、第1の端子電極にのみ接続され、第2の内部電極は、第2の端子電極にのみ接続され、第3の内部電極は、第3の端子電極にのみ接続され、第3の内部電極は、第1及び第2の内部電極の何れとも絶縁体層の積層方向に対向しないことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る積層型セラミック素子の実装構造は、温度に応じて電気的な特性が変化する、複数の絶縁体層が積層された素体と、素体内に配置された第1の内部電極、第2の内部電極、及び第3の内部電極と、素体の外表面に配置された第1の端子電極、第2の端子電極、及び第3の端子電極と、を備えた積層型セラミック素子を熱を発する電子部品が実装された基板に実装する実装構造であって、第1〜第3の端子電極は、素体の外表面上において電気的に絶縁されており、第1の内部電極は、第1の端子電極にのみ接続され、第2の内部電極は、第2の端子電極にのみ接続され、第3の内部電極は、第3の端子電極にのみ接続され、第3の内部電極は、第1及び第2の内部電極の何れとも絶縁体層の積層方向に対向せず、第3の端子電極と電子部品の端子電極とが基板上で電気的に接続されることを特徴とする。
【0007】
上述の積層型セラミック素子では、第1〜第3の内部電極はそれぞれ第1〜第3の端子電極の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。すなわち、第1〜第3の内部電極は、この積層型セラミック素子内において、短絡していない。そのため、例えば第3の端子電極と他の発熱素子の端子電極とを接続することができ、これにより発熱素子の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。また、第3の内部電極は、第1及び第2の内部電極の何れとも、絶縁体層の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極を発熱素子の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極が第1及び第2の内部電極に影響を与えることが抑制される。
【0008】
素体は、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面と、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面と、第1及び第2の主面間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面とを有する直方体状を呈し、第3の端子電極は、第1又は第2の側面上に配置され、第3の内部電極は、第3の端子電極が配置された第1又は第2の側面に引き出されるように伸びて当該第3の端子電極に接続されていることが好ましい。この場合、第3の端子電極の幅、及び第3の内部電極の端子電極に接続される部分の幅を長くすることができるため、温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、温度を精度良く検知することが可能な積層型セラミック素子及びその実装構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
【0011】
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る積層型セラミック素子の実装構造について説明する。図1は、第1実施形態に係る積層型セラミック素子の実装構造の構成図である。図2は、第1実施形態に係る積層型セラミック素子の実装構造の等価回路図である。
【0012】
図1に示されるように、第1実施形態に係る実装構造では、基板S上にNTC(negativetemperature coefficient)コンデンサ1、NTCサーミスタ2、チョークコイル3、スイッチング回路4、フィードバック回路5、増幅器6、及びコンデンサ9が配置されている。ここで、NTCコンデンサ1とは、負の温度特性、すなわち温度が上昇すると静電容量が減少する特性を有する積層型セラミック素子をいう。また、NTCサーミスタ2とは、負の温度特性、すなわち温度が上昇すると抵抗が減少する特性を有する積層型セラミック素子をいう。
【0013】
図1に示されるように、チョークコイル3の端子電極3A、3Bは基板S上に形成されたランドパターン7Aに接続され、チョークコイル3の端子電極3C、3Dは基板S上に形成されたランドパターン7Bに接続されている。
【0014】
NTCサーミスタ2の後述の第1及び第2の端子電極31、32は、配線8に接続されている。NTCサーミスタ2の後述の第3の端子電極33、34は、チョークコイル3の端子電極3A、3Bに接続されたランドパターン7Aに接続されている。
【0015】
NTCコンデンサ1の後述の第1及び第2の端子電極11、12は、配線8に接続されている。NTCコンデンサ1の後述の第3の端子電極13、14は、チョークコイル3の端子電極3C、3Dに接続されたランドパターン7Bに接続されている。
【0016】
図1及び図2に示されているように、NTCコンデンサ1の第1及び第2の端子電極11、12に接続された配線8は何れも増幅器6に接続されている。増幅器6とフィードバック回路5とスイッチング回路4とは、一本の配線8によって接続されている。
【0017】
図2から理解されるように、第1実施形態に係る実装構造では、入力端から入力された電流がスイッチング回路4を経由して並列に接続されたチョークコイル3のインダクタL及び抵抗Rdcと、NTCサーミスタ2の抵抗Rt及びNTCコンデンサ1のコンデンサCtとを流れる。この並列回路を通過後、電流は出力端から出力される。
【0018】
微弱であるNTCコンデンサ1のコンデンサCtを通過する前後の電流が、増幅器6に流入されて、増幅される。フィードバック回路5でNTCコンデンサ1のコンデンサCtを通過する前後での電圧が測定され、測定された電圧値に基づいて電流値が計算される。
【0019】
計算された電流値に基づいて、フィードバック回路5よりスイッチング回路4にオン/オフの信号が伝えられる。この信号に基づいて、スイッチング回路4は、スイッチをオンあるいはオフする。
【0020】
チョークコイル3に電流が流れるとチョークコイル3の直流抵抗Rdcにおいて自己発熱が生じる。この発熱によってチョークコイル3の特性、すなわちインダクタLのインダクタンス値及び直流抵抗Rdcの抵抗値が変動する。図2の回路では、発熱によるチョークコイル3の特性変化に応じ、発熱によるチョークコイル3の特性の変化を相殺するようにNTCコンデンサ1のコンデンサC及びNTCサーミスタ2の抵抗Rtが変化する。
【0021】
そして、NTCコンデンサ1のコンデンサCtを通過する前後での電圧に基づいて計算された電流値は、チョークコイル3を流れる電流に等しい。そのため、図2の回路では、フィードバック回路5において、チョークコイル3を流れる電流を検出することが可能となる。検出された電流値に基づき、フィードバック回路5及びスイッチング回路4は出力端より出力される電流を監視する。
【0022】
次に、NTCコンデンサ1について、図3及び4を参照して詳細に説明する。図3は、NTCコンデンサ1の斜視図である。図4は、NTCコンデンサ1に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【0023】
NTCコンデンサ1は、図3に示されるように、コンデンサ素体15と、コンデンサ素体15の外表面に配置された第1〜第3の端子電極11〜14とを備える。第1〜第3の端子電極11〜14は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストをコンデンサ素体15の外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。これらの第1〜第3の端子電極11〜14は、コンデンサ素体15の表面上において互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0024】
コンデンサ素体15は、図3に示されるように、直方体状であり、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面15a、15bと、第1及び第2の主面15a、15b間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面15c、15dと、第1及び第2の主面15a、15b間を連結するように第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面15e、15fと、を外表面として有する。
【0025】
第1の端子電極11は、コンデンサ素体15の第1の端面15cに配置されている。具体的には、第1の端子電極11は第1の端面15cの第1及び第2の側面15e、15fの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第2の端子電極12は、コンデンサ素体15の第2の端面15dに配置されている。具体的には、第2の端子電極12は第2の端面15dの第1及び第2の側面15e、15fの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第1及び第2の端子電極11、12は、第1及び第2の端面15c、15dの対向方向に対向している。
【0026】
第3の端子電極13は、コンデンサ素体15の第1の側面15eに配置されている。第3の端子電極14は、コンデンサ素体15の第2の側面15fに配置されている。一対の第3の端子電極13、14は、第1及び第2の側面15e、15fの対向方向に対向している。第1及び第2の端面15c、15dの対向方向における第3の端子電極13、14の幅は、第1及び第2の側面15e、15fの対向方向における第1及び第2の端子電極11、12の幅の何れよりも大きい。
【0027】
コンデンサ素体15は、図4に示されるように、積層された複数(本実施形態では、3層)の絶縁体層16〜18を有する。各絶縁体層16〜18は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。なお、実際のNTCコンデンサ1では、絶縁体層16〜18の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0028】
コンデンサ素体15は、温度に応じて電気的な特性が変化する。具体的には、コンデンサ素体15は、温度の上昇に応じて静電容量値を減少させる。
【0029】
図4に示されているように、コンデンサ素体15には、第1の内部電極19と、第2の内部電極20と、複数(本実施形態では、4つ)の第3の内部電極21〜24とが配置されている。各内部電極19〜24は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。
【0030】
第1の内部電極19は、絶縁体層16と絶縁体層17との間に位置している。第2の内部電極20は、絶縁体層17と絶縁体層18との間に位置している。第1の内部電極19と第2の内部電極20とは、コンデンサ素体15の一部である1層の絶縁体層17を挟んで、絶縁体層16〜18の積層方向に対向するように配置されている。すなわち、第1の内部電極19と第2の内部電極20とは、コンデンサ素体15において、絶縁体層16〜18の積層方向、すなわち第1及び第2の主面15a、15bの対向方向に絶縁体層17を間に挟んで交互に配置されている。
【0031】
第1の内部電極19は、主電極部19aと、引き出し電極部19bとを含む。主電極部19aは、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部19bは、主電極部19aから第1の端面15cに端部が引き出されるように伸びて、第1の端面15cに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部19bは、第1の端子電極11に機械的に接続される。第1の内部電極19は、第1の端子電極11にのみ接続され、第2及び第3の端子電極12〜14には何れにも接続されない。
【0032】
第2の内部電極20は、第1の内部電極19の主電極部19aと対向する主電極部20aと、引き出し電極部20bとを含む。主電極部20aは、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部20bは、主電極部20aから第2の端面15dに端部が引き出されるように伸びて、第2の端面15dに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部20bは、第2の端子電極12に機械的に接続される。第2の内部電極20は、第2の端子電極12にのみ接続され、第1及び第3の端子電極11、13、14には何れにも接続されない。
【0033】
第3の内部電極21、23は、第1の内部電極19と絶縁体層16〜18の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極21は第1の内部電極19に対し第1の側面15e側に位置する。第3の内部電極23は第1の内部電極19に対し第2の側面15f側に位置する。
【0034】
第3の内部電極21は、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極21は、第1の側面15eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第1の側面15eに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極21は、第3の端子電極13に機械的に接続される。
【0035】
第3の内部電極23は、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極23は、第2の側面15fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第2の側面15fに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極22は、第3の端子電極12に機械的に接続される。
【0036】
第3の内部電極22、24は、第2の内部電極20と絶縁体層16〜18の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極22は第2の内部電極20に対し第1の側面15e側に位置する。第3の内部電極24は第2の内部電極20に対し第2の側面15f側に位置する。
【0037】
第3の内部電極22は、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極22は、第1の側面15eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第1の側面15eに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極22は、第3の端子電極13に機械的に接続される。
【0038】
第3の内部電極24は、コンデンサ素体15の第1及び第2の主面15a、15bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極24は、第2の側面15fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第2の側面15fに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極24は、第3の端子電極14に機械的に接続される。
【0039】
第3の内部電極21と第3の内部電極22とが、絶縁体層17を間に挟んで絶縁体層16〜18の積層方向に対向する。第3の内部電極23と第3の内部電極24とが、絶縁体層17を間に挟んで絶縁体層16〜18の積層方向に対向する。第3の内部電極21〜24の何れもが、第1及び第2の内部電極19、20の何れとも絶縁体層16〜18の積層方向に対向しない。
【0040】
第3の内部電極21〜24は何れも、第3の端子電極13、14にのみ接続され、第1及び第2の端子電極11、12には何れにも接続されない。
【0041】
続いて、NTCサーミスタ2について、図5及び6を参照して詳細に説明する。図5は、NTCサーミスタ2の斜視図である。図6は、NTCサーミスタ2に含まれるサーミスタ素体の分解斜視図である。
【0042】
NTCサーミスタ2は、図5に示されるように、サーミスタ素体35と、サーミスタ素体35の外表面に配置された第1〜第3の端子電極31〜34とを備える。第1〜第3の端子電極31〜34は、例えば導電性金属粉末及びガラスフリットを含む導電性ペーストをサーミスタ素体35の外表面の付与し、焼き付けることによって形成される。必要に応じて、焼き付けられた端子電極の上にめっき層が形成されることもある。これらの第1〜第3の端子電極31〜34は、サーミスタ素体35の表面上において互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0043】
サーミスタ素体35は、図5に示されるように、直方体状であり、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面35a、35bと、第1及び第2の主面35a、35b間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面35c、35dと、第1及び第2の主面35a、35b間を連結するように第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面35e、35fと、を有する。
【0044】
第1の端子電極31は、サーミスタ素体35の第1の端面35cに配置されている。具体的には、第1の端子電極31は第1の端面35cの第1及び第2の側面35e、35fの対向方向における中心より第1の側面35e側の一部分を覆うように配置されている。第2の端子電極32は、サーミスタ素体35の第2の端面35dに配置されている。具体的には、第2の端子電極32は第2の端面35dの第1及び第2の側面35e、35fの対向方向における中心より第2の側面35fの一部分を覆うように配置されている。
【0045】
第3の端子電極33は、サーミスタ素体35の第1の側面35eに配置されている。第3の端子電極34は、サーミスタ素体35の第2の側面35fに配置されている。一対の第3の端子電極33、34は、第1及び第2の側面35e、35fの対向方向に対向している。第1及び第2の端面35c、35dの対向方向における第3の端子電極33、34の幅は、第1及び第2の側面35e、35fの対向方向における第1及び第2の端子電極31、32の幅の何れよりも大きい。
【0046】
サーミスタ素体35は、図6に示されるように、積層された複数(本実施形態では、3層)の絶縁体層36〜38を有する。各絶縁体層36〜38は、例えば誘電体セラミックを含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。なお、実際のNTCサーミスタ2では、絶縁体層36〜38の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0047】
サーミスタ素体35は、温度に応じて電気的な特性が変化する。具体的には、サーミスタ素体35は、温度の上昇に応じて抵抗値を減少させる。
【0048】
図6に示されているように、サーミスタ素体35には、第1の内部電極39と、第2の内部電極40と、複数(本実施形態では、4つ)の第3の内部電極41〜44とが配置されている。各内部電極39〜44は、例えば、導電性ペーストの焼結体から構成される。
【0049】
第1の内部電極39は、絶縁体層36と絶縁体層37との間に位置している。第2の内部電極40は、絶縁体層37と絶縁体層38との間に位置している。第1の内部電極39と第2の内部電極40とは、絶縁体層36〜38の積層方向に対向する領域を有さないように配置されている。すなわち、第1の内部電極39は、絶縁体層36〜38の積層方向で見て、第2の内部電極40に対し第1の側面35e側に位置している。
【0050】
第1の内部電極39は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第1の内部電極39は、第1の端面35cに端部が引き出されるように伸びて、第1の端面35cに端部が露出する。露出した端部において、第1の内部電極39は、第1の端子電極31に機械的に接続される。第1の内部電極39は、第1の端子電極31にのみ接続され、第2及び第3の端子電極32〜34には何れにも接続されない。
【0051】
第2の内部電極40は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第2の内部電極40は、第2の端面35dに端部が引き出されるように伸びて、第2の端面35dに端部が露出する。露出した端部において、第2の内部電極40は、第2の端子電極32に機械的に接続される。第2の内部電極40は、第2の端子電極32にのみ接続され、第1及び第3の端子電極31、33、34には何れにも接続されない。
【0052】
第3の内部電極41、43は、第1の内部電極39と絶縁体層36〜38の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極41は第1の内部電極39に対し第1の側面35e側に位置する。第3の内部電極43は第1の内部電極39に対し第2の側面35f側に位置する。
【0053】
第3の内部電極41は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極41は、第1の側面35eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第1の側面35eに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極41は、第3の端子電極33に機械的に接続される。
【0054】
第3の内部電極43は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極43は、第2の側面35fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第2の側面35fに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極43は、第3の端子電極32に機械的に接続される。
【0055】
第3の内部電極42、44は、第2の内部電極40と絶縁体層36〜38の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極42は第2の内部電極40に対し第1の側面35e側に位置する。第3の内部電極44は第2の内部電極40に対し第2の側面35f側に位置する。
【0056】
第3の内部電極42は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極42は、第1の側面35eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第1の側面35eに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極42は、第3の端子電極33に機械的に接続される。
【0057】
第3の内部電極44は、サーミスタ素体35の第1及び第2の主面35a、35bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極44は、第2の側面35fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第2の側面35fに端部が露出する。露出した端部において、第3の内部電極44は、第3の端子電極34に機械的に接続される。
【0058】
第3の内部電極41と第3の内部電極42とが、絶縁体層37を間に挟んで絶縁体層36〜38の積層方向に対向する。第3の内部電極43と第3の内部電極44とが、絶縁体層37を間に挟んで絶縁体層36〜38の積層方向に対向する。第3の内部電極41〜44の何れもが、第1及び第2の内部電極39、40の何れとも絶縁体層36〜38の積層方向に対向しない。
【0059】
第3の内部電極41〜44は何れも、第3の端子電極33、34にのみ接続され、第1及び第2の端子電極31、32には何れにも接続されない。
【0060】
NTCコンデンサ1では、第1〜第3の内部電極19〜24はそれぞれ第1〜第3の端子電極11〜14の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。すなわち、第1〜第3の内部電極19〜24は、NTCコンデンサ1内において短絡していない。そのため、第3の端子電極13、14に、発熱素子であるチョークコイル3の端子電極を接続することができる。チョークコイル3の温度変化は、空気を介してのみでなく、導体である端子電極を介してNTCコンデンサ1に伝えることができる。その結果、NTCコンデンサ1は、チョークコイル3の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【0061】
また、NTCコンデンサ1の第3の内部電極21〜24は何れも、第1及び第2の内部電極19、20の何れとも、絶縁体層16〜18の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極13、14をチョークコイル3の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極21〜24が第1及び第2の内部電極19、20に影響を与えることが抑制される。
【0062】
NTCコンデンサ1では、各第3の端子電極13、14は、直方体形状を呈するコンデンサ素体15の長手方向に伸びる第1又は第2の側面15e、15fに配置されている。そのため、第3の端子電極13、14を発熱素子に接続した場合、幅広の端子電極を介して温度が検知されるため、温度をより素早く且つ精度良く検知することができる。
【0063】
また、NTCコンデンサ1では、各第3の内部電極21〜24は、その長辺が第1又は第2の側面15e、15fに露出するように配置されている。そして、各第3の内部電極21〜24の長辺は、第3の端子電極13、14の第1及び第2の端面15c、15dの対向方向での幅に対応している。そのため、第3の端子電極13、14に伝えられた温度変化は、第3の内部電極21〜24を介して素早く且つ精度良くNTCコンデンサ1に伝えられる。
【0064】
一方、NTCサーミスタ2では、第1〜第3の内部電極39〜44はそれぞれ第1〜第3の端子電極31〜34の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。すなわち、第1〜第3の内部電極39〜44は、NTCサーミスタ2内において短絡していない。そのため、第3の端子電極33、34に、発熱素子であるチョークコイル3の端子電極を接続することができる。チョークコイル3の温度変化は、空気を介してのみでなく、導体である端子電極を介してNTCサーミスタ2に伝えることができる。その結果、NTCサーミスタ2は、チョークコイル3の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【0065】
また、NTCサーミスタ2の第3の内部電極41〜44は何れも、第1及び第2の内部電極39、40の何れとも、絶縁体層36〜38の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極33、34をチョークコイル3の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極41〜44が第1及び第2の内部電極39、40に影響を与えることが抑制される。
【0066】
NTCサーミスタ2では、各第3の端子電極33、34は、直方体形状を呈するサーミスタ素体35の長手方向に伸びる第1又は第2の側面35e、35fに配置されている。そのため、第3の端子電極33、34を発熱素子に接続した場合、幅広の端子電極を介して温度が検知されるため、温度をより素早く且つ精度良く検知することができる。
【0067】
また、NTCサーミスタ2では、各第3の内部電極41〜44は、その長辺が第1又は第2の側面35e、35fに露出するように配置されている。そして、各第3の内部電極41〜44の長辺は、第3の端子電極33、34の第1及び第2の端面35c、35dの対向方向での幅に対応している。そのため、第3の端子電極33、34に伝えられた温度変化は、第3の内部電極41〜44を介して素早く且つ精度良くNTCサーミスタ2に伝えられる。
【0068】
また、NTCコンデンサ1及びNTCサーミスタ2を基板Sに実装する実装構造では、図1及び図2に示すように、チョークコイル3の端子電極3A、3BとNTCサーミスタ2の第3の端子電極34とを導体を介して接続させており、チョークコイル3の端子電極3C、3DとNTCコンデンサ1の第3の端子電極14とを導体を介して接続させている。そのため、NTCコンデンサ1及びNTCサーミスタ2は、チョークコイル3の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能である。
(第2実施形態)
【0069】
次に、第2実施形態に係るNTCコンデンサ50について、図7及び8を参照して詳細に説明する。第2実施形態に係るNTCコンデンサ50は、端子電極に直接接続されない中間電極を有する点で、第1実施形態に係るNTCコンデンサ1と異なる。図7は、NTCコンデンサ50の斜視図である。図8は、NTCコンデンサ50に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【0070】
NTCコンデンサ50は、図7に示されるように、コンデンサ素体55と、コンデンサ素体55の外表面に配置された第1〜第3の端子電極51〜54とを備える。これらの第1〜第3の端子電極51〜54は、コンデンサ素体55の表面上において互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0071】
コンデンサ素体55は、図7に示されるように、直方体状であり、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面55a、55bと、第1及び第2の主面55a、55b間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面55c、55dと、第1及び第2の主面55a、55b間を連結するように第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面55e、55fと、を有する。
【0072】
第1の端子電極51は、コンデンサ素体55の第1の端面55cに配置されている。具体的には、第1の端子電極51は第1の端面55cの第1及び第2の側面55e、55fの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第2の端子電極52は、コンデンサ素体55の第2の端面55dに配置されている。具体的には、第2の端子電極52は第2の端面55dの第1及び第2の側面55e、55fの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第1及び第2の端子電極51、52は、第1及び第2の端面55c、55dの対向方向に対向している。
【0073】
第3の端子電極53は、コンデンサ素体55の第1の側面55eに配置されている。第3の端子電極54は、コンデンサ素体55の第2の側面55fに配置されている。一対の第3の端子電極53、54は、第1及び第2の側面55e、55fの対向方向に対向している。第1及び第2の端面55c、55dの対向方向における第3の端子電極53、54の幅は、第1及び第2の側面55e、55fの対向方向における第1及び第2の端子電極51、52の幅の何れよりも大きい。
【0074】
コンデンサ素体55は、図8に示されるように、積層された複数(本実施形態では、3層)の絶縁体層56〜58を有する。図8に示されているように、コンデンサ素体55には、第1の内部電極59と、第2の内部電極60と、中間内部電極61と、複数(本実施形態では、4つ)の第3の内部電極62〜65とが配置されている。
【0075】
コンデンサ素体55は、温度に応じて電気的な特性が変化する。具体的には、コンデンサ素体55は、温度の上昇に応じて静電容量値を減少させる。
【0076】
第1及び第2の内部電極59、60は、絶縁体層56と絶縁体層57との間に位置している。第1及び第2の内部電極59、60は、第1及び第2の端面55c、55dの対向方向に沿って、第1の内部電極59、第2の内部電極60の順で配置されている。すなわち、第1及び第2の端面55c、55dの対向方向における中心位置に対して、第1の内部電極59が第1の端面55c側に、第2の内部電極60が第2の端面55d側に位置している。
【0077】
第1の内部電極59は、主電極部59aと、引き出し電極部59bとを含む。主電極部59aは、コンデンサ素体55の第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向及び短辺方向を各辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部59bは、主電極部59aから第1の端面55cに端部が引き出されるように伸びて、第1の端面55cに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部59bは、第1の端子電極51に機械的に接続される。第1の内部電極59は、第1の端子電極51にのみ接続され、第2及び第3の端子電極52〜54には何れにも接続されない。
【0078】
第2の内部電極60は、主電極部60aと、引き出し電極部60bとを含む。主電極部60aは、コンデンサ素体55の第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向及び短辺方向を各辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部60bは、主電極部60aから第2の端面55dに端部が引き出されるように伸びて、第2の端面55dに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部60bは、第2の端子電極52に機械的に接続される。第2の内部電極60は、第2の端子電極52にのみ接続され、第1及び第3の端子電極51、53、54には何れにも接続されない。
【0079】
中間内部電極61は、絶縁体層57と絶縁体層58との間に位置している。中間内部電極61は、コンデンサ素体55の第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。中間内部電極61は、第1及び第2の端面55c、55d、並びに第1及び第2の側面55e、55fの何れからも所定距離を有する位置に配置される。したがって、中間内部電極61は、コンデンサ素体55の外表面に露出する部分を有さず、第1〜第3の端子電極51〜54の何れの端子電極にも接続されない。
【0080】
中間内部電極61は、絶縁体層17を間に介して、第1の内部電極59に対向する領域、及び第2の内部電極60に対向する領域の双方を有する。
【0081】
第3の内部電極62、64は、第1及び第2の内部電極59、60と絶縁体層56〜58の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極62は第1及び第2の内部電極59、60に対し第1の側面55e側に位置する。第3の内部電極64は第1及び第2の内部電極59、60に対し第2の側面55f側に位置する。
【0082】
第3の内部電極62、64は、コンデンサ素体55の第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極62は、第1の側面55eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極53に機械的に接続される。第3の内部電極64は、第2の側面55fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極54に機械的に接続される。
【0083】
第3の内部電極63、65は、中間内部電極61と絶縁体層56〜58の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極63は中間内部電極61に対し第1の側面55e側に位置する。第3の内部電極65は中間内部電極61に対し第2の側面55f側に位置する。
【0084】
第3の内部電極63、65は、コンデンサ素体55の第1及び第2の主面55a、55bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極63は、第1の側面55eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極53に機械的に接続される。第3の内部電極65は、第2の側面55fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極54に機械的に接続される。
【0085】
第3の内部電極62と第3の内部電極63とが、絶縁体層57を間に挟んで絶縁体層56〜58の積層方向に対向する。第3の内部電極64と第3の内部電極65とが、絶縁体層57を間に挟んで絶縁体層56〜58の積層方向に対向する。第3の内部電極62〜65の何れもが、第1及び第2の内部電極59、60並びに中間内部電極61の何れとも絶縁体層56〜58の積層方向に対向しない。
【0086】
第3の内部電極62〜65は何れも、第3の端子電極53、54にのみ接続され、第1及び第2の端子電極51、52には何れにも接続されない。
【0087】
NTCコンデンサ50では、第1〜第3の内部電極59、60、62〜65はそれぞれ第1〜第3の端子電極51〜54の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。また、中間内部電極61は、何れの端子電極とも接続されていない。すなわち、第1〜第3の内部電極59、60、62〜65並びに中間内部電極61は、NTCコンデンサ50内において短絡していない。そのため、第3の端子電極53、54に、例えば発熱素子の端子電極を接続した場合、NTCコンデンサ50は当該発熱素子の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【0088】
また、NTCコンデンサ50の第3の内部電極62〜65は何れも、第1及び第2の内部電極59、60並びに中間内部電極61の何れとも、絶縁体層56〜58の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極53、54を発熱素子の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極62〜65が第1及び第2の内部電極59、60に影響を与えることが抑制される。
【0089】
NTCコンデンサ50では、各第3の端子電極53、54は、直方体形状を呈するコンデンサ素体55の長手方向に伸びる第1又は第2の側面55e、55fに配置されている。そのため、第3の端子電極53、54を発熱素子に接続した場合、温度をより素早く且つ精度良く検知することができる。
【0090】
また、NTCコンデンサ50では、各第3の内部電極62〜65は、その長辺が第1又は第2の側面55e、55fに露出するように配置されている。そのため、第3の端子電極53、54に伝えられた温度変化は、第3の内部電極62〜65を介して素早く且つ精度良くNTCコンデンサ50に伝えられる。
(第3実施形態)
【0091】
次に、第3実施形態に係るNTCコンデンサ70について、図9及び10を参照して詳細に説明する。第3実施形態に係るNTCコンデンサ70は、端子電極及び内部電極の形状の点で、第1実施形態に係るNTCコンデンサ1と異なる。図9は、NTCコンデンサ70の斜視図である。図10は、NTCコンデンサ70に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【0092】
NTCコンデンサ70は、図9に示されるように、コンデンサ素体75と、コンデンサ素体75の外表面に配置された第1〜第3の端子電極71〜74とを備える。これらの第1〜第3の端子電極71〜74は、コンデンサ素体75の表面上において互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0093】
コンデンサ素体75は、図9に示されるように、直方体状であり、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面75a、75bと、第1及び第2の主面75a、75b間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面75c、75dと、第1及び第2の主面75a、75b間を連結するように第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面75e、75fと、を有する。
【0094】
第1の端子電極71は、コンデンサ素体75の第1の端面75cに配置されている。具体的には、第1の端子電極71は第1の端面75cの全域を覆った上で当該第1の端面75cに隣接する第1及び第2の主面75a、75b、並びに第1及び第2の側面75e、75fの一部に回り込むように配置されている。第2の端子電極72は、コンデンサ素体75の第2の端面75dに配置されている。具体的には、第2の端子電極72は第2の端面75dの全域を覆った上で当該第2の端面75dに隣接する第1及び第2の主面75a、75b、並びに第1及び第2の側面75e、75fの一部に回り込むように配置されている。第1及び第2の端子電極71、72は、第1及び第2の端面75c、75dの対向方向に対向している。
【0095】
第3の端子電極73は、コンデンサ素体75の第1の側面75eに配置されている。具体的には、第3の端子電極73は第1の側面75eの第1及び第2の端面75c、75dの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第3の端子電極74は、コンデンサ素体75の第2の側面75fに配置されている。具体的には、第3の端子電極74は第2の側面75fの第1及び第2の端面75c、75dの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。一対の第3の端子電極73、74は、第1及び第2の側面75e、75fの対向方向に対向している。第1及び第2の端面75c、75dの対向方向における第3の端子電極73、74の幅は、第1及び第2の側面75e、75fの対向方向における第1及び第2の端子電極71、72の幅の何れよりも小さい。
【0096】
コンデンサ素体75は、図10に示されるように、積層された複数(本実施形態では、3層)の絶縁体層76〜78を有する。図10に示されているように、コンデンサ素体75には、第1の内部電極79と、第2の内部電極80と、複数(本実施形態では、4つ)の第3の内部電極81〜84とが配置されている。
【0097】
コンデンサ素体75は、温度に応じて電気的な特性が変化する。具体的には、コンデンサ素体75は、温度の上昇に応じて静電容量値を減少させる。
【0098】
第1の内部電極79は、絶縁体層76と絶縁体層77との間に位置している。第2の内部電極80は、絶縁体層77と絶縁体層78との間に位置している。第1の内部電極79と第2の内部電極80とは、コンデンサ素体75の一部である1層の絶縁体層77を挟んで、絶縁体層76〜78の積層方向に対向するように配置されている。
【0099】
第1の内部電極79は、主電極部79aと、引き出し電極部79bとを含む。主電極部79aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。
【0100】
引き出し電極部79bの第1及び第2の側面75e、75fの対向方向における幅は、主電極部79aの第1及び第2の側面75e、75fの対向方向における幅と同じである。すなわち、第1の内部電極79が、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部79bは、主電極部79aから第1の端面75cに端部が引き出されるように伸びて、第1の端面75cに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部79bは、第1の端子電極71に機械的に接続される。第1の内部電極79は、第1の端子電極71にのみ接続され、第2及び第3の端子電極72〜74には何れにも接続されない。
【0101】
第2の内部電極80は、主電極部80aと、引き出し電極部80bとを含む。主電極部80aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。
【0102】
引き出し電極部80bの第1及び第2の側面75e、75fの対向方向における幅は、主電極部80aの第1及び第2の側面75e、75fの対向方向における幅と同じである。すなわち、第2の内部電極80が、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部80bは、主電極部80aから第2の端面75dに端部が引き出されるように伸びて、第2の端面75dに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部80bは、第2の端子電極72に機械的に接続される。第2の内部電極80は、第2の端子電極72にのみ接続され、第1及び第3の端子電極71、73、74には何れにも接続されない。
【0103】
第3の内部電極81、83は、第1の内部電極79と絶縁体層76〜78の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極81は第1の内部電極79に対し第1の側面75e側に位置する。第3の内部電極83は第1の内部電極79に対し第2の側面75f側に位置する。
【0104】
第3の内部電極81は、主電極部81aと、引き出し電極部81bとを含む。主電極部81aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部81bは、主電極部81aから第1の側面75eに端部が引き出されるように伸びて、第1の側面75eに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部81bは、第3の端子電極73に機械的に接続される。第3の内部電極81は、第3の端子電極73にのみ接続され、第1及び第2の端子電極71、72には何れにも接続されない。
【0105】
第3の内部電極83は、主電極部83aと、引き出し電極部83bとを含む。主電極部83aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部83bは、主電極部83aから第2の側面75fに端部が引き出されるように伸びて、第2の側面75fに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部83bは、第3の端子電極74に機械的に接続される。第3の内部電極83は、第3の端子電極74にのみ接続され、第1及び第2の端子電極71、72には何れにも接続されない。
【0106】
第3の内部電極82、84は、第2の内部電極80と絶縁体層76〜78の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極82は第2の内部電極80に対し第1の側面75e側に位置する。第3の内部電極84は第2の内部電極80に対し第2の側面75f側に位置する。
【0107】
第3の内部電極82は、主電極部82aと、引き出し電極部82bとを含む。主電極部82aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部82bは、主電極部82aから第1の側面75eに端部が引き出されるように伸びて、第1の側面75eに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部82bは、第3の端子電極73に機械的に接続される。第3の内部電極82は、第3の端子電極73にのみ接続され、第1及び第2の端子電極71、72には何れにも接続されない。
【0108】
第3の内部電極84は、主電極部84aと、引き出し電極部84bとを含む。主電極部84aは、コンデンサ素体75の第1及び第2の主面75a、75bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。引き出し電極部84bは、主電極部84aから第2の側面75fに端部が引き出されるように伸びて、第2の側面75fに端部が露出する。露出した端部において、引き出し電極部84bは、第3の端子電極74に機械的に接続される。第3の内部電極84は、第3の端子電極74にのみ接続され、第1及び第2の端子電極71、72には何れにも接続されない。
【0109】
第3の内部電極81と第3の内部電極82とが、絶縁体層77を間に挟んで絶縁体層76〜78の積層方向に対向する。第3の内部電極83と第3の内部電極84とが、絶縁体層77を間に挟んで絶縁体層76〜78の積層方向に対向する。第3の内部電極81〜84の何れもが、第1及び第2の内部電極79、80の何れとも絶縁体層76〜78の積層方向に対向しない。
【0110】
NTCコンデンサ70では、第1〜第3の内部電極79〜84はそれぞれ第1〜第3の端子電極71〜74の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。すなわち、第1〜第3の内部電極79〜84は、NTCコンデンサ70内において短絡していない。そのため、第3の端子電極73、74に、例えば発熱素子の端子電極を接続した場合、NTCコンデンサ70は当該発熱素子の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【0111】
また、NTCコンデンサ70の第3の内部電極81〜84は何れも、第1及び第2の内部電極79、80の何れとも、絶縁体層76〜78の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極73、74を発熱素子の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極81〜84が第1及び第2の内部電極79、80に影響を与えることが抑制される。
(第4実施形態)
【0112】
次に、第4実施形態に係るNTCコンデンサ90について、図11及び12を参照して詳細に説明する。第4実施形態に係るNTCコンデンサ90は、端子電極及び内部電極の形状の点で、第1実施形態に係るNTCコンデンサ1と異なる。図11は、NTCコンデンサ90の斜視図である。図12は、NTCコンデンサ90に含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【0113】
NTCコンデンサ90は、図11に示されるように、コンデンサ素体95と、コンデンサ素体95の外表面に配置された第1〜第3の端子電極91〜94とを備える。これらの第1〜第3の端子電極91〜94は、コンデンサ素体95の表面上において互いに電気的に絶縁されて形成されている。
【0114】
コンデンサ素体95は、図11に示されるように、直方体状であり、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面95a、95bと、第1及び第2の主面95a、95b間を連結するように第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面95c、95dと、第1及び第2の主面95a、95b間を連結するように第1及び第2の主面95a、95bの長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面95e、95fと、を有する。
【0115】
第1の端子電極91は、第1の端面95cの全域を覆った上で当該第1の端面95cに隣接する第1及び第2の主面95a、95b、並びに第1及び第2の側面95e、95fの一部に回り込むように配置されている。第2の端子電極92は、第2の端面95dの全域を覆った上で当該第2の端面95dに隣接する第1及び第2の主面95a、95b、並びに第1及び第2の側面95e、95fの一部に回り込むように配置されている。
【0116】
第3の端子電極93は、第1の側面95eの第1及び第2の端面95c、95dの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。第3の端子電極94は、第2の側面95fの第1及び第2の端面95c、95dの対向方向における中心付近の一部分を覆うように配置されている。一対の第3の端子電極93、94は、第1及び第2の側面95e、95fの対向方向に対向している。第1及び第2の端面95c、95dの対向方向における第3の端子電極93、94の幅は、第1及び第2の側面95e、95fの対向方向における第1及び第2の端子電極91、92の幅の何れよりも小さい。
【0117】
コンデンサ素体95は、図12に示されるように、積層された複数(本実施形態では、3層)の絶縁体層96〜98を有する。図12に示されているように、コンデンサ素体95には、第1の内部電極99と、第2の内部電極100と、複数(本実施形態では、4つ)の第3の内部電極101〜104とが配置されている。
【0118】
コンデンサ素体95は、温度に応じて電気的な特性が変化する。具体的には、コンデンサ素体95は、温度の上昇に応じて静電容量値を減少させる。
【0119】
第1の内部電極99は、絶縁体層96と絶縁体層97との間に位置している。第2の内部電極100は、絶縁体層97と絶縁体層98との間に位置している。第1の内部電極99と第2の内部電極100とは、コンデンサ素体95の一部である1層の絶縁体層97を挟んで、絶縁体層96〜98の積層方向に対向するように配置されている。
【0120】
第1の内部電極99は、主電極部99aと、引き出し電極部99bとを含む。主電極部99aは、コンデンサ素体95の第1及び第2の主面95a、95bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。
【0121】
引き出し電極部99bの第1及び第2の側面95e、95fの対向方向における幅は、主電極部99aの第1及び第2の側面95e、95fの対向方向における幅と同じである。引き出し電極部99bは、主電極部99aから第1の端面95cに端部が引き出されるように伸びて、第1の端子電極91に機械的に接続される。第1の内部電極99は、第1の端子電極91にのみ接続され、第2及び第3の端子電極92〜94には何れにも接続されない。
【0122】
第2の内部電極100は、主電極部100aと、引き出し電極部100bとを含む。主電極部100aは、コンデンサ素体95の第1及び第2の主面95a、95bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。
【0123】
引き出し電極部100bの第1及び第2の側面95e、95fの対向方向における幅は、主電極部100aの第1及び第2の側面95e、95fの対向方向における幅と同じである。引き出し電極部100bは、主電極部100aから第2の端面95dに端部が引き出されるように伸びて、第2の端子電極92に機械的に接続される。第2の内部電極100は、第2の端子電極92にのみ接続され、第1及び第3の端子電極91、93、94には何れにも接続されない。
【0124】
第3の内部電極101、103は、第1の内部電極99と絶縁体層96〜98の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極101は第1の内部電極99に対し第1の側面95e側に位置する。第3の内部電極103は第1の内部電極99に対し第2の側面95f側に位置する。
【0125】
第3の内部電極101、103は、コンデンサ素体95の第1及び第2の主面95a、95bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極101は、第1の側面95eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極93に機械的に接続される。第3の内部電極103は、第2の側面95fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極94に機械的に接続される。
【0126】
第3の内部電極102、104は、第2の内部電極100と絶縁体層96〜98の積層方向で同層に位置する。第3の内部電極102は第2の内部電極100に対し第1の側面95e側に位置する。第3の内部電極104は第2の内部電極100に対し第2の側面95f側に位置する。
【0127】
第3の内部電極102、104は、コンデンサ素体95の第1及び第2の主面95a、95bの長辺方向を長辺方向とする矩形状を呈する。第3の内部電極102は、第1の側面95eに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極93に機械的に接続される。第3の内部電極104は、第2の側面95fに矩形の長辺に相当する端部が引き出されるように伸びて、第3の端子電極94に機械的に接続される。
【0128】
第3の内部電極101と第3の内部電極102とが、絶縁体層97を間に挟んで絶縁体層96〜98の積層方向に対向する。第3の内部電極103と第3の内部電極104とが、絶縁体層97を間に挟んで絶縁体層96〜98の積層方向に対向する。第3の内部電極101〜104の何れもが、第1及び第2の内部電極99、100の何れとも絶縁体層96〜98の積層方向に対向しない。
【0129】
第3の内部電極101〜104は何れも、第3の端子電極93、94にのみ接続され、第1及び第2の端子電極91、92には何れにも接続されない。
【0130】
NTCコンデンサ90では、第1〜第3の内部電極99〜104はそれぞれ第1〜第3の端子電極91〜94の何れか対応する端子電極にのみ接続されている。すなわち、第1〜第3の内部電極99〜104は、NTCコンデンサ90内において短絡していない。そのため、第3の端子電極93、94に、例えば発熱素子の端子電極を接続した場合、NTCコンデンサ90は当該発熱素子の温度変化を素早く且つ精度良く検知することが可能となる。
【0131】
また、NTCコンデンサ90の第3の内部電極101〜104は何れも、第1及び第2の内部電極99、100の何れとも、絶縁体層96〜98の積層方向に対向しない。そのため、例えば第3の端子電極93、94を発熱素子の端子電極に接続した場合であっても、第3の内部電極101〜104が第1及び第2の内部電極99、100に影響を与えることが抑制される。
【0132】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図1及び図2に示された回路において、NTCコンデンサ1及びNTCサーミスタ2の双方をチョークコイル3に接続する必要はなく、何れか一方のみを接続してもよい。
【0133】
また、積層型セラミック素子は、例えばPTC(positive temperaturecoefficient)コンデンサ、及びPTCサーミスタを含む。したがって、必要に応じて、例えばコンデンサ素体15、55、75、95が、温度の上昇に応じて静電容量値を増加させる素体であってもよい。あるいは、サーミスタ素体35が、温度の上昇に応じて抵抗値を増加させる素体であってもよい。ここで、PTCコンデンサとは、正の温度特性、すなわち温度が上昇すると静電容量値が増加する特性を有する積層型セラミック素子をいう。また、PTCサーミスタとは、正の温度特性、すなわち温度が上昇すると抵抗値が増加する特性を有する積層型セラミック素子をいう。
【0134】
また、誘電体層16〜18、36〜38、56〜58、76〜78、96〜98の積層数、第1〜第3の内部電極19〜24、39〜42、59、60、62〜65、79〜84、99〜104それぞれの積層数、及び中間内部電極61の積層数は、上述した実施形態に記載された数に限られない。
【0135】
また、第1〜第3の内部電極19〜24、39〜42、59、60、62〜65、79〜84、99〜104、及び中間内部電極61の形状は、上記実施形態に記載された形状に限られない。
【0136】
第1〜第3の端子電極11、31、51、71、91、12、32、52、72、92、13、14、33、34、53、54、73、74、93、94の配置は、上記実施形態に記載された配置に限られず、素体表面上で電気的に絶縁状態に配置されていればよい。したがって、例えば第3の端子電極が、第1又は第2の端面上に配置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】第1実施形態に係る積層型セラミック素子の実装構造の構成図である。
【図2】第1実施形態に係る積層型セラミック素子の実装構造の等価回路図である。
【図3】第1実施形態に係るNTCコンデンサの斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るNTCコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るNTCサーミスタの斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るNTCサーミスタに含まれるサーミスタ素体の分解斜視図である。
【図7】第2実施形態に係るNTCコンデンサの斜視図である。
【図8】第2実施形態に係るNTCコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【図9】第3実施形態に係るNTCコンデンサの斜視図である。
【図10】第3実施形態に係るNTCコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【図11】第4実施形態に係るNTCコンデンサの斜視図である。
【図12】第4実施形態に係るNTCコンデンサに含まれるコンデンサ素体の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0138】
S…基板、1、50、70、90…NTCコンデンサ、2…NTCサーミスタ、3…チョークコイル、4…スイッチング回路、5…フィードバック回路、6…増幅器、7…ランドパターン、8…配線、9…コンデンサ、11、31、51、71、91…第1の端子電極、12、32、52、72、92…第2の端子電極、13、14、33、34、53、54、73、74、93、94…第3の端子電極、15、55、75、95…コンデンサ素体、35…サーミスタ素体、16〜18、36〜38、56〜58、76〜78,96〜98…絶縁体層、19、39、59、79、99…第1の内部電極、20、40、60、80、100…第2の内部電極、61…中間内部電極、21〜24、41〜44、62〜65、81〜84、101〜104…第3の内部電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度に応じて電気的な特性が変化する、複数の絶縁体層が積層された素体と、
前記素体内に配置された第1の内部電極、第2の内部電極、及び第3の内部電極と、
前記素体の外表面に配置された第1の端子電極、第2の端子電極、及び第3の端子電極と、を備え、
前記第1〜第3の端子電極は、前記素体の前記外表面上において電気的に絶縁されており、
前記第1の内部電極は、前記第1の端子電極にのみ接続され、
前記第2の内部電極は、前記第2の端子電極にのみ接続され、
前記第3の内部電極は、前記第3の端子電極にのみ接続され、
前記第3の内部電極は、前記第1及び第2の内部電極の何れとも前記絶縁体層の積層方向に対向しないことを特徴とする積層型セラミック素子。
【請求項2】
前記素体は、互いに対向する長方形状の第1及び第2の主面と、前記第1及び第2の主面間を連結するように前記第1及び第2の主面の長辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の側面と、前記第1及び第2の主面間を連結するように前記第1及び第2の主面の短辺方向に伸び且つ互いに対向する第1及び第2の端面とを有する直方体状を呈し、
前記第3の端子電極は、前記第1又は第2の側面上に配置され、
前記第3の内部電極は、前記第3の端子電極が配置された前記第1又は第2の側面に引き出されるように伸びて当該第3の端子電極に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の積層型セラミック素子。
【請求項3】
温度に応じて電気的な特性が変化する、複数の絶縁体層が積層された素体と、
前記素体内に配置された第1の内部電極、第2の内部電極、及び第3の内部電極と、
前記素体の外表面に配置された第1の端子電極、第2の端子電極、及び第3の端子電極と、を備えた積層型セラミック素子を熱を発する電子部品が実装された基板に実装する実装構造であって、
前記第1〜第3の端子電極は、前記素体の前記外表面上において電気的に絶縁されており、
前記第1の内部電極は、前記第1の端子電極にのみ接続され、
前記第2の内部電極は、前記第2の端子電極にのみ接続され、
前記第3の内部電極は、前記第3の端子電極にのみ接続され、
前記第3の内部電極は、前記第1及び第2の内部電極の何れとも前記絶縁体層の積層方向に対向せず、
前記第3の端子電極と前記電子部品の端子電極とが前記基板上で電気的に接続されることを特徴とする積層型セラミック素子の実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−76788(P2009−76788A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246198(P2007−246198)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】