積層型半導体装置、プリント回路板、及びプリント配線板の接合構造
【課題】はんだの高さを確保し、接合の信頼性を向上させることができる接合体、該接合体を用いることで小面積化が可能な半導体装置、該接合体でプリント配線板に接合される半導体装置を有するプリント回路板を提供する。
【解決手段】プリント回路板100は、半導体素子1が実装され、片面に電極パッド8が形成されたインターポーザ2と、インターポーザ2に対向する片面に電極パッド9が形成されたプリント配線板3と、電極パッド8,9を接合する接合体70と、を備えている。接合体70は、はんだ層60と、電極パッド8,9に接合された金属層50,50と、を有している。各金属層50,50は、金属粒子同士が結合して形成された金属粒子集合体10と、金属粒子集合体10の隙間に埋められたはんだ11とからなる。
【解決手段】プリント回路板100は、半導体素子1が実装され、片面に電極パッド8が形成されたインターポーザ2と、インターポーザ2に対向する片面に電極パッド9が形成されたプリント配線板3と、電極パッド8,9を接合する接合体70と、を備えている。接合体70は、はんだ層60と、電極パッド8,9に接合された金属層50,50と、を有している。各金属層50,50は、金属粒子同士が結合して形成された金属粒子集合体10と、金属粒子集合体10の隙間に埋められたはんだ11とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極パッド同士を接合する接合体を有する積層型半導体装置、プリント回路板、及びプリント配線板の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラを初めデジタル機器の軽薄短小化が進み、より小さいスペースに多くの電子部品が実装された半導体装置が使用されている。また複数の半導体装置を積層した、積層型半導体装置が注目されている。積層型の半導体装置では、半導体素子をインターポーザに実装した半導体パッケージ上に、更に別の半導体パッケージをはんだ等の接合体により接合して形成されている。
【0003】
半導体装置としては、外部接続電極となる接合体にはんだボールを用いているBGA(Ball Grid Array)の半導体パッケージが主流である。またBGAの中でも、CSP(Chip Size Package)のように、半導体素子と同等あるいは僅かに大きいインターポーザからなる半導体パッケージの採用が増えてきている。
【0004】
一般に、半導体素子の動作時の発熱により、インターポーザには反り等の熱変形が生ずる。この時、接合体として使用されるはんだは、半導体装置と半導体装置を実装するプリント配線板の構成部材の中で最も軟らかいため、このはんだがインターポーザ間又はインターポーザとプリント配線板間の線膨張係数の差を吸収する役割を果たしている。この時はんだには、せん断応力が集中する。
【0005】
この接合体のはんだに発生するせん断応力は、半導体装置をプリント配線板に実装する場合は、半導体装置のインターポーザの熱変形量とプリント配線板の熱変形量との差を接合体であるはんだの高さで除した値で評価される。また積層型の半導体装置の場合は、上側の半導体パッケージのインターポーザの熱変形量と下側のインターポーザの熱変形量との差を接合体であるはんだの高さで除したひずみ値で評価される。このひずみ値が大きいほどせん断応力が集中し、接合部が破断し易いと言うことになる。従って、半導体装置を更に小型化するため、はんだボールの径を小さくすればするほど、ひずみ値は大きくなり、接合部であるはんだボールは破断し易くなる。
【0006】
また、積層型半導体装置の場合、半導体素子を実装したインターポーザ上に、更に別のインターポーザを積層して接続するため、上下のインターポーザを接続する接合部には、下のインターポーザに実装される半導体素子の高さ以上の高さが必要である。そのため、半導体装置の小型化のため、接合部としてはんだボールの径を単純に小さくした場合、下側のインターポーザに実装される半導体素子以上の高さが確保できなくなってしまう。
【0007】
特許文献1には、接合部の高さを確保するため、下側のインターポーザの電極パッドに円柱状の金属ポストを形成し、金属ポストの上にはんだボールを配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−235378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の構成の場合、はんだボールの径を小さくすると、前述のひずみ値が大きくなり、はんだボールと金属ポストとの界面に亀裂が発生しやすくなる。特に、材料の物性が急激に変化するはんだボールと金属ポストとの界面にはせん断応力が集中するため、従って長期信頼性が確保できないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、接合体の高さを確保しながら、接合の信頼性を向上させることができる積層型半導体装置、プリント回路板、及びプリント配線板の接合構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子が実装され、一方の表面に第1の電極パッドが形成され、他方の表面に外部と接続するための外部電極が形成された第1のインターポーザとを有する第1の半導体装置と、第2の半導体素子と、前記第2の半導体素子が実装され、前記第1のインターポーザに対向する表面に第2の電極パッドが形成された第2のインターポーザとを有する第2の半導体装置と、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えた積層型半導体装置において、前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接合体が、はんだ層と、金属粒子集合体を有する金属層とを備え、金属層が金属粒子集合体の隙間に埋められたはんだを有しているので、はんだ層と金属層との境界部分において材料物性が急激に変化する部位がなくなる。したがって、はんだ層と金属層との境界部分にせん断応力が集中するのを抑制することができ、はんだに発生するひずみを緩和することができる。さらに、せん断応力を吸収するはんだで金属粒子集合体の隙間を埋めることにより、接合体におけるはんだの高さが、はんだ層のみの高さよりも高くなる。即ち、はんだ層のみならず金属粒子集合体の隙間に埋められるはんだがせん断応力を吸収する働きをするため、はんだに発生するひずみを効果的に緩和することができる。これにより、接合体の高さを確保すると共に、接合体の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図2】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図3】第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図4】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図5】第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図6】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図7】第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図8】第5実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図9】第6実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図10】実施例1における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【図11】実施例2における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【図12】実施例3における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、プリント回路板の全体の概略断面図であり、図1(b)は接合部分の部分拡大図である。
【0016】
図1(a)に示すように、プリント回路板100は、第1プリント配線板であるプリント配線板(マザーボード)3と、プリント配線板3に実装された半導体装置4と、を備えている。
【0017】
半導体装置4は、例えばCPU等の半導体チップからなる半導体素子1と、半導体素子1が実装された第2プリント配線板であるインターポーザ2と、を有する半導体パッケージである。インターポーザ2の一方の表面(片面)2aとプリント配線板3の一方の表面(片面)3aとは、互いに対向している。半導体素子1は、インターポーザ2の他方の表面2bに実装され、表面2bと共に封止樹脂7で封止されている。
【0018】
インターポーザ2の表面2aには、複数の電極パッド(第2の電極パッド)8が互いに間隔をあけて形成されており、プリント配線板3の表面3aには、電極パッド8に対向する複数の電極パッド(第1の電極パッド)9が互いに間隔をあけて形成されている。例えば電極パッド8,9は、アレイ状に等間隔に配置されている。そして電極パッド8と電極パッド9とが接続電極となる接合体70で接合されている。この接合体70により電極パッド8と電極パッド9とが電気的に接続される。
【0019】
接合体70は、図1(b)に示すように、はんだ11で形成されたはんだ層60と、両方の電極パッド8,9に設けられ、はんだ層60が取り付けられる金属層50,50と、を備えている。つまり、接合体70は、金属層50、はんだ層60、金属層50が積層された構造となっている。
【0020】
各金属層50,50は、金属粒子が隙間を有した状態で一体化した多孔質の金属粒子集合体10を有している。金属粒子集合体10,10は電極パッド8,9に接合されている。各金属粒子集合体10には、多数の隙間が形成されており、隙間には、溶融したはんだが流入するようになっている。溶融したはんだを金属粒子集合体10の隙間に流入させて、隙間を固化したはんだ11で埋めることで、金属層50とはんだ層60とが接合される。このとき金属粒子集合体10は、はんだ11との化合物を介して金属接合しており、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めている。この結果、はんだ11はプリント配線板3に形成された電極パッド9とインターポーザ2に形成された電極パッド8とに接するまで金属粒子集合体10の隙間に埋まり、電極パッド8と電極パッド9とがはんだ11により接合されることになる。
【0021】
なお、金属粒子集合体10は、はんだ11とぬれ性の良い材料であれば金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることができるので、好ましくは銅、または銅を主成分とした銅合金で形成するのがよい。より好ましくは、金属粒子集合体10は、製造が容易な、銅を主成分としたスズを含む合金で形成するのがよい。
【0022】
次に、本第1実施形態のプリント回路板100の製造方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図2(a)は第1の金属粒子供給工程、図2(b)は第1の金属粒子集合体形成工程、図2(c)ははんだ供給工程、図2(d)は第2の金属粒子供給工程、図2(e)は第2の金属粒子集合体形成工程、図2(f)は接合工程を示している。
【0023】
まず、図2(a)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17がフラックスと混ぜられたペーストを、インターポーザ2の各電極パッド8にスクリーン印刷によって供給する。金属粒子16は、例えば銅粒子であり、金属粒子17は、例えばスズ粒子である。スクリーン印刷で供給する場合、供給量のバラつきを抑えるため、金属粒子16及び金属粒子17は粒径20μm以下が好ましい。インターポーザ2には、複数の半導体素子1が搭載されており、半導体素子1と半導体素子1が搭載された表面2bは封止樹脂7で封止されている。
【0024】
次に、図2(b)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストが供給されたインターポーザ2を、リフローなどの加熱方法により、金属粒子同士を金属拡散させることで、はんだ11の融点よりも高い金属粒子集合体10を形成する。この加熱では、金属粒子16は溶融しないが、金属粒子16同士の界面では金属拡散により金属接合することで、金属粒子集合体10が形成される。例えば銅粒子である金属粒子16とスズ粒子である金属粒子17とを加熱することにより、金属拡散により銅とスズとの合金粒子が形成されると共に合金粒子同士が結合して金属粒子集合体10が形成される。
【0025】
なお、ペーストの供給方法は、ディスペンスなど、印刷以外の方法で供給することも可能である。同様に、加熱方法も、金属拡散する温度まで加熱できれば、スポット加熱などの方法でもよい。
【0026】
結果、その後の加熱により金属粒子集合体10をはんだ11の融点まで加熱しても、金属粒子集合体10は、粒子同士の集合状態を保持できる。また、金属粒子集合体10は、表面張力によって球状にならずにインターポーザ2の電極パッド8にスクリーン印刷によって転写された形状に近い形状を保持する。
【0027】
加熱後は隙間を有する状態で金属粒子集合体10が形成されることになるが、図2(c)に示すように、金属粒子集合体10上にはんだからなるはんだボール110を載置し、リフロー加熱する。ここで、スクリーン印刷で金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストは、はんだボール110を載置しやすいように、平坦面を有していることが望ましい。
【0028】
金属粒子集合体10に搭載されたはんだボール110はリフロー加熱によって溶融し、溶融したはんだが金属粒子集合体10の隙間に含浸する。これにより、金属粒子集合体10の隙間にはんだ11が埋められた金属層50が形成される。
【0029】
金属粒子集合体10の隙間に溶融したはんだを含浸させるためには、金属粒子集合体10は溶融したはんだとぬれ性のある合金であれば良い。例えば銅とスズとの合金がよい。その後、断裁位置120で個片化することで、半導体装置4が製造される。
【0030】
一方プリント配線板3についても同様に、図2(d)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17がフラックスと混ぜられたペーストをスクリーン印刷によってプリント配線板3の電極パッド9に供給する。そして、図2(e)に示すように、インターポーザ2に金属粒子集合体10を形成する場合と同様、リフロー加熱等により金属粒子集合体10を形成する。形成された金属粒子集合体10は、隙間を有する構造になる。
【0031】
次に、図2(f)に示すように、インターポーザ2の表面2aとプリント配線板3の表面3aとを対向させて、インターポーザ2側の金属粒子集合体10に接合したはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、はんだをプリント配線板3に設けられた金属粒子集合体10に含浸させる。
【0032】
これにより、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることで、図1(a)に示す金属層50とはんだ層60とが積層された接合体70が形成され、半導体装置4とプリント配線板3とが接合される。
【0033】
以上の構成によれば、接合体70が、はんだ層60と金属層50,50との積層構造であり、金属層50,50がはんだの嵩上げをする台座として機能している。そして、金属層50が、金属粒子集合体10の隙間にはんだ11が埋められて形成されている。したがって、はんだ11からなるはんだ層60とはんだ11が含浸した金属層50,50との境界部分において材料物性が急激に変化する部位がなくなる。これにより、はんだ層60と金属層50,50との境界部分にせん断応力が集中するのを抑制することができ、はんだ11に発生するひずみを緩和することができる。
【0034】
さらに、せん断応力を吸収するはんだ11で金属粒子集合体10の隙間を埋めたことにより、電極パッド8,9まではんだ11が染み渡っており、接合体70におけるはんだの高さがはんだ層60だけの高さよりも高くなる。即ち、はんだ層60のみならず金属粒子集合体10の隙間に埋められたはんだ11がせん断応力を吸収する働きをするため、はんだ11に発生するひずみを効果的に緩和することができる。これにより、接合体70の高さを確保すると共に、接合体70の信頼性を向上させることができる。
【0035】
そして、接合体70の高さを確保しつつ接合体70の信頼性を向上させることができるので、電極パッド8同士(つまり、接合体70同士)の間隔を狭くすることができ、インターポーザ2、つまり半導体装置4を小面積化することができる。
【0036】
また、金属粒子集合体10は、はんだよりも融点が高いため、はんだボール110を溶融させ、はんだ層60と接合構造を形成する際においても、形状を崩すことがない。そのため、接合体70の高さを高くすることが可能になる。また、はんだボール110が溶融した後においても金属粒子がはんだ11中に分散することがない。したがって、温度変化などによる応力に対して、ひずみを効果的に緩和することが可能になる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図3(a)は、プリント回路板の全体の概略断面図であり、図3(b)は接合部分の部分拡大図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
上記第1実施形態では、インターポーザ2の電極パッド8と、プリント配線板(マザーボード)3の電極パッド9とに金属粒子集合体10を設けて金属層50を形成した場合について説明した。金属層50は、インターポーザ2の電極パッド8、プリント配線板(マザーボード)3の電極パッド9のうち、少なくとも一方の電極パッドに形成すればよく、本第2実施形態では、電極パッド9に金属層50を形成する場合について説明する。
【0039】
図3(a)に示すように、プリント回路板100Aは、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3とが接合体70Aで接合されて構成されている。図3(b)に示すように、接合体70Aは、プリント配線板3の電極パッド9に形成された金属粒子集合体10を有する金属層50と、はんだ11からなるはんだ層60とで構成されている。つまり、接合体70Aは、金属層50、はんだ層60が積層された構造となっている。
【0040】
はんだ層60のはんだ11は、インターポーザ2の電極パッド8に接合されている。また、はんだ11は溶融状態のときに金属粒子集合体10の隙間に含浸し固化して隙間を埋めている。これにより金属層50とはんだ層60とが接合される。また、金属粒子集合体10の隙間に埋まっているはんだ11は、電極パッド9に達しているので、電極パッド9に接合される。以上の構成の接合体70Aにより、インターポーザ2の電極パッド8とプリント配線板3の電極パッド9とが接合される。
【0041】
なお、本第2実施形態では、プリント配線板3の電極パッド9に金属粒子集合体10を有する金属層50を形成したが、インターポーザ2の電極パッド8に金属層50を形成してもよい。
【0042】
次に、本第2実施形態のプリント回路板100Aの製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図4(a)は金属粒子供給工程、図4(b)は金属粒子集合体形成工程、図4(c)は接合工程を示している。なお、本第2実施形態の製造方法は、上記第1実施形態の製造方法において、インターポーザ2側に金属粒子集合体を形成するのを省略したものである。つまり、半導体装置4のインターポーザ2には、金属粒子集合体が形成されていない。
【0043】
まず、図4(a)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストを、プリント配線板3の各電極パッド9にスクリーン印刷によって供給する。
【0044】
次に、図4(b)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストが供給されたプリント配線板3を、リフローなどの加熱方法により、金属粒子同士を金属拡散させることで、はんだ11の融点よりも高い金属粒子集合体10を形成する。
【0045】
次に、図4(c)に示すように、インターポーザ2の面2aとプリント配線板3の面3aとを対向させて、インターポーザ2の電極パッド8に接合されているはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、溶融したはんだをプリント配線板3に設けられた金属粒子集合体10に含浸させる。
【0046】
これにより、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることで、図3(a)に示す金属層50とはんだ層60とが積層された接合体70Aが形成され、半導体装置4とプリント配線板3が接合される。
【0047】
以上、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様、接合体70Aの信頼性を向上させることができ、半導体装置4を小面積化することができる。また、第1の実施形態と比較し、半導体装置側に金属粒子の集合体を形成する工程が不要なため、工程数を少なく製造できる。
【0048】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図5は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図5(a)は、プリント回路板の全体を示す概略断面図であり、図5(b)は接合部分の部分拡大図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図5(a)に示すように、プリント回路板100Bは、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3とが接合体70Bで接合されて構成されている。図5(b)に示すように、接合体70Bは、プリント配線板3の電極パッド9に形成された多孔質の金属粒子集合体10Bを有する金属層50Bと、はんだ11からなるはんだ層60Bとで構成されている。つまり、接合体70Bは、金属層50B、はんだ層60Bが積層された構造となっている。
【0050】
金属粒子集合体10Bは、多数の隙間が形成されており、隙間に溶融はんだが流入するようになっている。はんだ層60Bのはんだ11は、インターポーザ2の電極パッド8に接合されている。また、はんだ11は溶融状態で金属粒子集合体10Bの隙間に含浸し、隙間を埋めると共に、金属粒子集合体10Bの外表面を被覆している。これにより金属層50Bとはんだ層60Bとが接合される。また、金属粒子集合体10Bの隙間に埋められたはんだ11は、電極パッド9に達することで電極パッド9に接合され、また、金属粒子集合体10Bの外表面を覆うはんだ11は、電極パッド9に達することで電極パッド9に接合されている。以上の構成の接合体70Bにより、インターポーザ2の電極パッド8とプリント配線板3の電極パッド9とが接合される。
【0051】
なお、本第3実施形態では、インターポーザ2の電極パッド8に金属粒子集合体10Bを有する金属層50Bを形成したが、プリント配線板3の電極パッド9に金属層50Bを形成してもよいし、両方の電極パッド8,9に金属層50Bを形成してもよい。
【0052】
プリント配線板3の電極パッド9はNSMD(Non Solder Mask Defined)になっているが、SMD(Solder Mask Defined)でも構わない。
【0053】
次に、本第3実施形態のプリント回路板100Bの製造方法について、図6を参照しながら説明する。なお、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様の製造方法で最後の接合工程において金属粒子集合体の外表面をはんだで覆ってもよいが、本第3実施形態では、別の製造方法について説明する。図6は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図6(a)は金属粒子供給工程、図6(b)は金属粒子集合体形成工程、図6(c)は接合工程を示している。
【0054】
まず、図6(a)に示すように、金属粒子18及びはんだ粉19がフラックスと混ぜられたペーストを、プリント配線板3の各電極パッド9にスクリーン印刷によって供給する。スクリーン印刷で供給する場合、供給量のバラつきを抑えるため、金属粒子18は粒径20μm以下が好ましい。一般的に使用されているはんだペーストと異なり、はんだ粉19及びフラックスの他に、リフロー加熱等の加熱によって溶融しない金属粒子18が混合されている。金属粒子18は、はんだとぬれ性が良い材料且つはんだの融点よりも高ければよく、好ましくは銅(Cu)である。金属粒子18がリフロー加熱中に酸化により、はんだとのぬれ性が低下しないように、金属粒子18の表面を例えば金(Au)でめっきしても良い。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、プリント配線板3の電極パッド9に設けたペーストを、リフロー加熱等により加熱し、金属粒子集合体10Bが形成されると共に、金属粒子集合体10Bの隙間にはんだ11が埋められた構造5が形成される。これと同時に、金属粒子集合体10Bは、はんだ11で被覆される。
【0056】
つまり、リフロー加熱によって金属粒子集合体10Bの隙間にはんだ11が埋められると同時に、リフロー加熱によって溶融したことで、はんだ11が金属粒子集合体10Bを被覆する。
【0057】
次に、図6(c)に示すように、インターポーザ2の面2aとプリント配線板3の面3aとを対向させて、インターポーザ2の電極パッド8に接合したはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10Bを有する構造5の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、図5(a)に示す金属層50Bとはんだ層60Bとが接合された接合体70Bが形成され、半導体装置4とプリント配線板3が接合される。
【0058】
以上、本第3実施形態によれば、接合体70Bの金属層50Bが、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、金属粒子集合体10Bの外表面をはんだ11で被覆して構成されている。これにより、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11が埋めた構造の体積分だけ、高さを確保できる。また、金属粒子集合体10Bとはんだ11の界面近傍、及びはんだ11と電極パッド9の界面近傍にひずみを分散させることができ、接合体70Bに発生するひずみを更に低減することができる。
【0059】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、プリント回路板100Cは、積層型半導体装置4Cとプリント配線板3とが接合されて構成されている。積層型半導体装置4Cは、複数の半導体装置(半導体パッケージ)が積層されて構成されており、本第4実施形態では、第1の半導体装置41上に、第2の半導体装置42が積層されて構成されている。
【0061】
第1の半導体装置41は、第1の半導体素子21と、第1の半導体素子21が実装されたプリント配線板である第1のインターポーザ22と、を有している。また、第2の半導体装置42は、第2の半導体素子31と、第2の半導体素子31が実装されたプリント配線板である第2のインターポーザ32と、を有している。
【0062】
プリント配線板3の一方の表面(片面)3aと、第1のインターポーザ22の一方の表面(片面)22aとは、互いに対向している。また、第1のインターポーザ22の他方の表面22bと、第2のインターポーザ32の一方の表面32aとは、互いに対向している。
【0063】
そして、第1のインターポーザ22の一方の表面22aには、プリント配線板3の電極パッド(第1の電極パッド)9にそれぞれ電気的に接続するための複数の電極パッド(第2の電極パッド)28が互いに間隔をあけて形成されている。例えば電極パッド28はアレイ状に等間隔に配置されている。そして、プリント配線板3の電極パッド9も電極パッド28に対向するようにアレイ状に等間隔に配置されている。
【0064】
第1のインターポーザ22の他方の表面22bには、第1の半導体素子21が実装されている。更に、第1のインターポーザ22の表面22bには、第1の半導体素子21を避けた位置に互いに間隔をあけて複数の電極パッド29が形成されている。例えば、電極パッド29は、第1の半導体素子21を回避して、アレイ状に等間隔に配置されている。
【0065】
第2のインターポーザ32の一方の表面32aには、第1のインターポーザ22の電極パッド29にそれぞれ電気的に接続するための複数の電極パッド39が互いに間隔をあけて形成されている。各電極パッド39は、各電極パッド29に対向するように配置され、例えば、アレイ状に等間隔に配置されている。第2の半導体素子31は、第2のインターポーザ32の他方の表面32bに実装され、表面32bと共に封止樹脂37で封止されている。
【0066】
第1のインターポーザ22の表面22bに形成された電極パッド29と、第2のインターポーザ32の表面32aに形成された電極パッド39とは、はんだからなるはんだボール80で接合されている。
【0067】
本第4実施形態では、第1のインターポーザ22の表面22aに形成された電極パッド28と、プリント配線板3の表面3aに形成された電極パッド9とが、上記第1実施形態と同様の構成の接合体70で接合されている。つまり、本第4実施形態では、プリント配線板3が、第1の電極パッドが形成された第1のプリント配線板であり、第1のインターポーザ22が、第2の電極パッドが形成された第2のプリント配線板である。
【0068】
積層型半導体装置4Cの周囲には、チップコンデンサなどの電子部品15が配置され、プリント配線板3に実装されている。
【0069】
以上、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様、金属粒子集合体10により嵩上げすることで接合の信頼性を向上させた接合体70を用いて、電極パッド9,28同士を接合しているので、電極パッド28を狭間隔で配列することが可能となる。したがって、第2の半導体装置42、又は両方の半導体装置41,42の外形を小さくすることができる。これにより、第1の半導体装置41の周囲のスペースに、例えば電子部品15を第2の半導体装置42に干渉せずに配置することが可能であり、プリント配線板3も有効に活用できる効果を有する。
【0070】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。上記第1〜第4実施形態では、インターポーザとプリント配線板との接合に接合体を用いた場合について説明したが、本第5実施形態では、積層型半導体装置において、インターポーザ間の接合に接合体を用いた場合について説明する。図8は、本発明の第5実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
図8に示すように、プリント回路板100Dは、はんだボール70Dによりプリント配線板(マザーボード)3に実装される積層型半導体装置4Dを備えている。積層型半導体装置4Dは、複数(本第5実施形態では2つ)の半導体装置(半導体パッケージ)41,42が積層されて構成されている。
【0072】
第1の半導体装置41の第1のプリント配線板である第1のインターポーザ22の片面である一方の表面22bと、第2の半導体装置42の第2プリント配線板である第2のインターポーザ32の片面である一方の表面32aとが対向して配置されている。そして、第1のインターポーザ22の表面22bに形成された第1の電極パッド29と、第2のインターポーザ32の表面32aに形成された第2の電極パッド39とが、接合体80Dで電気的に接続されている。なお、第1のインターポーザ22の他方の表面22aには、外部と接続するための外部電極である電極パッド28が形成されている。本第5実施形態では、第1のインターポーザ22の電極パッド28とプリント配線板3の電極パッド9とがはんだボール70Dで接合されている。
【0073】
接合体80Dは、はんだ11Dで形成されたはんだ層60Dと、電極パッド29,39のうち、少なくとも一方の電極パッド(本第5実施形態では、電極パッド29)に形成された金属層50Dとが積層されて構成されている。金属層50Dは、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体10Dと、金属粒子集合体10Dの隙間に埋め込まれたはんだ11Dとを有している。
【0074】
はんだ層60Dのはんだ11Dは、電極パッド39に接合されている。また、はんだ11Dは溶融状態で金属粒子集合体10Dの隙間に含浸し、隙間を埋めている。これにより金属層50Dとはんだ層60Dとが接合される。
【0075】
また、金属粒子集合体10Dの隙間に埋められたはんだ11Dは、電極パッド29に達することで、電極パッド29に接合される。以上の構成の接合体80Dにより、第1のインターポーザ22の電極パッド29と第2のインターポーザ32の電極パッド39とが接合される。このように、積層型半導体装置4Dにおける第1のインターポーザ22の電極パッド29と第2のインターポーザ32の電極パッド39との接合構造として、金属層50D及びはんだ層60Dで構成された接合体80Dを用いている。
【0076】
以上、本第5実施形態によれば、この金属層50Dの金属粒子集合体10Dがはんだ11Dの台座として機能するため、微小なはんだボールを使用しても高さを補うことが可能になる。
【0077】
したがって、インターポーザ22,32の間に位置する半導体素子21の厚さを薄くする必要がなく、半導体素子21の強度を保持することができる。また、半導体素子21の強度が保たれているので、半導体素子21をインターポーザ22に実装する製造工程において、半導体素子21の取り扱いが容易になり、歩留まりが向上する。
【0078】
また、隙間を有する多孔質の金属粒子集合体10Dとし、はんだ11Dが隙間を埋めてはんだ層60Dと金属層50Dとを接合している。したがって、金属粒子集合体10Dの隙間を埋めたはんだ11Dに応力を分散させるより境界部分に応力が集中するのを抑制することができ、はんだ11Dに発生するひずみを緩和することができる。
【0079】
このように、第2のインターポーザ32に接続される外部接続端子を接合体80Dとしたので、接合体80Dを狭間隔で配列することが可能である。そのため、積層型半導体装置4Dの接合信頼性を確保しつつ、インターポーザ32を小面積化することができ、ひいては積層型半導体装置4Dを小型化することが可能である。
【0080】
なお、本第5実施形態では、上記第2実施形態と同様、第1のインターポーザ22の電極パッド29に金属層50Dを設け、第2のインターポーザ32の電極パッド39にはんだ層60Dを設けた場合について説明したが、これに限るものではない。図9に示すように、第1のインターポーザ22の電極パッド29にはんだ層60D、第2のインターポーザ32の電極パッド39に金属層50Dを設けて接合体を構成してもよい。また、図示は省略するが、両方の電極パッド29,39に金属粒子集合体を有する金属層を設け、接合体を、金属層、はんだ層、金属層の積層構造としてもよい。また、上記第3実施形態と同様に、金属粒子集合体をはんだ材で被覆してもよい。
【0081】
また、積層型半導体装置4Dのインターポーザ22とプリント配線板3との接合に上記第1〜第4実施形態の接合体を用いてもよく、更に積層型半導体装置4Dを小面積化することができる。
【0082】
また、本第5実施形態では、積層型半導体装置4Dが2層構造であったが、3層以上の積層型半導体装置にも適用可能であり、その場合も同様に、各インターポーザの接合に接合体80Dを用いることが可能である。
【実施例】
【0083】
[実施例1]
本実施例1では、図1に示す上記第1実施形態の構成において、半導体装置4とプリント配線板3の信頼性試験時の熱変形を測定し、接合体70を用いた場合に信頼性試験で発生するひずみをシミュレーションにより算出した。以下、具体的な寸法値である。
【0084】
サンプルは一辺9mmの正方形形状からなる半導体素子1が一辺17mmの正方形形状で、厚さ0.46mmのインターポーザ2に実装されている。半導体素子1の搭載されている面2bの反対の面2aに0.4mm間隔ではんだを配列可能なソルダーレジスト(SR)開口φ200μmを形成した。また、Φ240μmのはんだボール110を使用した。プリント配線板3は厚さ0.8mmとした。
【0085】
インターポーザ2の電極パッド8及びプリント配線板3の電極パッド9には、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11で埋めた金属層50を形成した。はんだ層60の高さは143μmであった。この接合体70を介して半導体装置4とプリント配線板3とが接合されている。
【0086】
信頼性試験で行われている試験環境下の温度での半導体装置4のインターポーザ2の熱変形を測定した。信頼性試験は、高温側が125℃、低温側が−25℃の条件である。熱変形は、それぞれの高温側、低温側の温度で半導体装置4のインターポーザ2の上面2bの熱変形量を、プリント配線板3は半導体装置4が実装されている面3aとは反対の面の熱変形量を測定した。この測定において、加熱・冷却は三田産業株式会社製のDE型スタンダードチャンバーを使用し、変形の算出はGOM社製のARAMIS v6を使用した。測定の結果、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3の熱変形量の差が最大の箇所で、水平方向に、6.5μm、鉛直方向に6.8μmの熱変形量の差があった。
【0087】
この測定結果を用いて図1の接合体70に発生しているひずみをABAQUS v6.71を用いて算出した結果、ひずみ値は、1.10%であった。シミュレーションモデルにおいて、金属粒子集合体10の粒径は20μmで金属層50に均一に配置した。金属層50は、はんだ11が80vol%、金属粒子集合体20vol%の割合でモデル化した。金属粒子集合体10の材料は銅とし、ヤング率130GPa、インターポーザ2とプリント配線板3のヤング率は29GPaとして入力した。インターポーザ2とプリント配線板3の熱変形量が最大となる接合体部分をモデル化し、境界条件としてプリント配線板3を拘束し、インターポーザ2に事前に計測した熱変形量差(水平方向に6.5μm、鉛直方向に6.8μm)を入力してひずみの算出を行った。
【0088】
次に、于強、白鳥正樹著「BGAはんだ接合部の形状を考慮した疲労寿命評価」エレクトロニクス実装学会誌 1[4]278〜283 (1998)の文献(以下、単に文献という)に示した実験結果を用いて評価する。この文献には、はんだ接合部の形状と亀裂が発生するサイクル数の関係を示す実験結果が記載されている。この文献によれば、1.10%のひずみ値は、829サイクル相当の接合寿命であることがわかる。
【0089】
比較例として、実施例1のサンプルを0.5mm間隔で配列可能なソルダーレジスト(SR)開口Φ300μm、Φ330μmのはんだボールによってプリント配線板に接合されたサンプルのひずみ値と比較した。半導体装置とプリント配線板の接合部の高さは、187μmであった。実施例1のサンプルと比較すると、接合構造だけが異なるだけであり、他の構成や寸法は同一である。実施例1と同様に信頼性試験の高温側である125℃と低温側である−25℃でそれぞれ、熱変形を測定後、ひずみを算出した結果、1.20%のひずみであった。上記文献によれば、1.20%のひずみ値は、697サイクル相当の接合寿命であることがわかる。
【0090】
以上のように、比較例として外部接続端子として0.5mm間隔で配列したはんだボールと、実施例1のはんだ層60と金属粒子集合体を有する金属層50,50が積層された接合体70との信頼性の効果を比較した。その結果、はんだ層60と金属層50,50が積層された接合体70を0.4mm間隔で形成した方が、信頼性が向上することが確認できた。
【0091】
これは、せん断応力を吸収するはんだ層60が金属粒子集合体10の隙間をはんだで埋めた金属層50,50と接合することで、材料物性が急激に変わる部位がなくなるためである。また、金属粒子集合体10の隙間を埋めたはんだも応力を吸収することで、発生するひずみを低減しているためである。つまり、はんだ層60と金属層50,50を積層することにより、最も軟らかいはんだの高さを高く形成した場合と同様の効果が得られるためである。
【0092】
これにより、0.4mm間隔で配置しても信頼性が向上するので、半導体装置4を小面積化することができる。従来は、一辺17mmの正方形形状からなるインターポーザ全面に0.5mm間隔で外部接続端子を形成すると1024端子を形成することが可能であった。これに対し、実施例1を適用すれば、0.4mm間隔で配列しても信頼性を十分確保することが可能なため、同じ1024端子を形成するのに必要なインターポーザの外形寸法を一辺13.8mmの正方形形状まで小面積化することができた。これにより配線基板の実装面積が3割以上低減することができ、信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小面積化することができた。
【0093】
図10は、接合体70の全高に対するはんだ層60の高さの比によって、はんだ層60に発生するひずみの変化率を示したグラフである。横軸は接合体70の全高に対するはんだ層60の高さの比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0094】
図10によれば、はんだ層60の高さ/接合体70の全高が0.55以上になると、はんだ層60に発生するひずみが低下する。はんだ層60の高さが低くなると、はんだ層60が変形しにくくなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。そのため、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中する。したがって、金属粒子集合体10を有する金属層50に発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60の高さ/金属粒子集合体10の直径が0.55以上にするのがよい。これにより、せん断応力をはんだ層60が吸収し、金属層50,50がはんだ層60に発生するひずみを緩和する効果が大きい。
【0095】
[実施例2]
本実施例2では、図3に示す上記第2実施形態の構成において、実施例1と同様に、信頼性試験下での半導体装置4とプリント配線板3の熱変形を測定し、その時に接合体70Aに発生するひずみを算出した。
【0096】
サンプルは、一辺9mmの正方形形状からなる半導体素子1が一辺17mmの正方形形状で、厚さ0.46mmのインターポーザ2に実装されている。半導体素子1の搭載されている面2bの反対面2aには0.4mm間隔ではんだを配列可能なソルダーレジスト(SR)開口φ200μmを形成した。また、Φ250μmのはんだボールを使用した。プリント配線板3は厚さ0.8mmとした。このときの、はんだ層60の高さは157μmであった。この接合体70Aを介して半導体装置4とプリント配線板3が接合されている。半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3の熱変形の測定方法および接合構造に発生するひずみの算出方法は実施例1と同じである。
【0097】
ひずみを算出したところ、積層された接合体70Aは、1.19%のひずみ値であり、上記文献によれば、はんだ層60と金属層50が積層された接合体70Aの亀裂発生サイクル数は709サイクル相当であった。
【0098】
以上のように、実施例2の接合体70Aによれば、比較例の外部接続端子として0.5mm間隔で配列したはんだボールよりも、はんだ層60に発生するひずみを緩和する効果を有する。そのため、接合体70Aの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。さらに実施例1と比較し、半導体装置側に金属粒子集合体を形成する工程が不要なため、工程数を少なく製造できる。
【0099】
図11は、接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さの比によって、はんだ層60に発生するひずみの変化率を示したグラフである。横軸は接合体70Aの全高に対するはんだ層60の比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0100】
図11によれば、接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さが0.36以上になると、はんだ層60に発生するひずみが低下する。これは、はんだ層60の高さが低くなると、はんだ層60の剛性が高くなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。その結果、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中するためである。
【0101】
そのため、金属層50がはんだ層60に発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60の高さ/金属粒子集合体10の直径が0.36以上あれば、せん断応力をはんだ層が吸収し、はんだ層に発生するひずみを緩和する効果が特に大きい。そのため、接合体70Aの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。
【0102】
[実施例3]
本実施例3では、図5に示す上記第3実施形態の構成において、信頼性試験下での半導体装置4とプリント配線板3の熱変形を測定し、その時に接合構造に発生するひずみを算出した。半導体装置4とプリント配線板3を0.4mm間隔で配列可能なφ240μmのはんだボールを介して接合した。温度サイクル環境下での熱変形を測定し、ひずみ値を算出した。半導体装置4とプリント配線板3の熱変形の測定方法および接合体70Bに発生するひずみの算出方法は実施例1と同じである。
【0103】
ひずみを算出したところ、積層された接合体70Bは、1.14%のひずみ値であり、本実施例3においても十分なひずみの緩和効果を確認することができた。また、上記文献によれば、はんだ層60Bと金属層50Bとが積層された接合体70Bは772サイクル相当であり、信頼性向上を確認することができた。
【0104】
本実施例3では、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、はんだ11で金属粒子集合体10Bの外表面を被覆している。これにより、半導体装置4とプリント配線板3にせん断応力が加わった時に、電極パッド8,9近傍及び金属粒子集合体10Bの近傍のはんだ11も応力を吸収する。接合体70Bに設けられたはんだ全体が変形するため、さらに発生するひずみを緩和することができる。そのため、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、はんだ11で金属粒子集合体10Bを被覆していれば、ひずみを緩和する効果が得られる。
【0105】
図12は、接合体70Bの全高に対するはんだ層60Bの高さの比によって、はんだ層60Bに発生するひずみの変化を示したグラフである。横軸は接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さの比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0106】
図12によれば、接合体70Bの全高に対するはんだ層60Bの高さが0.52以上になると、はんだ層60Bに発生するひずみが低下する。これは、実施例2と同様に、はんだ層60Bの高さが低くなると、はんだ層60Bの剛性が高くなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。その結果、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中するためである。
【0107】
そのため、金属層50Bがはんだ層60Bに発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60Bの高さ/金属粒子の集合体の直径が0.52以上あればよい。これにより、せん断応力をはんだ層60Bが吸収し、金属層50Bがはんだ層60Bに発生するひずみを緩和する効果が特に大きい。そのため、接合体70Bの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。
【0108】
[実施例4]
本実施例4では、図8に示す上記第5実施形態の構成において、スクリーン印刷によってインターポーザ22に金属粒子を含むペーストを供給し、リフロー加熱によって金属粒子集合体10Dを形成後、インターポーザ22とインターポーザ32とを接合した。その後、接合体80Dの高さを測定した。
【0109】
スクリーン印刷では、版開口が一辺210μmの正方形形状で、版厚60μmのものを使用した。インターポーザ32に接合したはんだボールはソルダーレジスト開口Φ210μm、ボール径200μmのものを使用した。インターポーザ22,32同士を接合後、接合体80Dの高さを測定したところ208μmであった。比較例として、インターポーザ22,32同士をはんだボールのみで接合したところ、接合部の高さは173μmであった。
【0110】
以上のように、金属粒子集合体10Dの隙間をはんだ11Dが埋めた層50Dの上にはんだ層60Dを接合することで接合体80Dの高さを高くすることができた。これにより、第1のインターポーザ22を小面積化するために微小なはんだボールを用いても接合体80Dに金属粒子集合体10Dを有する金属層50Dとはんだ層60Dとを積層した接合構造を用いることにより、半導体素子21を薄くする必要がない。そのため、半導体素子21を薄化したことによってインターポーザ22に半導体素子21を接合する時に発生する割れなどの発生を低減することが可能になり、歩留まりが向上する効果が得られる。また、接合体80Dに発生するひずみを緩和することができるので、接合体80Dの信頼性が向上し、インターポーザ32を小面積化し、積層型半導体装置4Dを小型化することができる。
【0111】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0112】
上記実施形態では、各電極パッドの配列が、アレイ状に等間隔に配置される場合について説明したが、例えば千鳥配列等、任意の配列であってもよく、また、等間隔に限定するものでもなく、間隔が変化する場合であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…半導体素子、2…インターポーザ、3…プリント配線板、4…半導体装置、4C…積層型半導体装置、4D…積層型半導体装置、8…電極パッド、9…電極パッド、10…金属粒子集合体、10B…金属粒子集合体、10D…金属粒子集合体、11…はんだ、11D…はんだ、21…半導体素子、22…インターポーザ、28…電極パッド、29…電極パッド、31…半導体素子、32…インターポーザ、39…電極パッド、50…金属層、50B…金属層、50D…金属層、60…はんだ層、60B…はんだ層、60D…はんだ層、70…接合体、70A…接合体、70B…接合体、80D…接合体、100…プリント回路板、100A…プリント回路板、100B…プリント回路板、100C…プリント回路板、100D…プリント回路板
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極パッド同士を接合する接合体を有する積層型半導体装置、プリント回路板、及びプリント配線板の接合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラを初めデジタル機器の軽薄短小化が進み、より小さいスペースに多くの電子部品が実装された半導体装置が使用されている。また複数の半導体装置を積層した、積層型半導体装置が注目されている。積層型の半導体装置では、半導体素子をインターポーザに実装した半導体パッケージ上に、更に別の半導体パッケージをはんだ等の接合体により接合して形成されている。
【0003】
半導体装置としては、外部接続電極となる接合体にはんだボールを用いているBGA(Ball Grid Array)の半導体パッケージが主流である。またBGAの中でも、CSP(Chip Size Package)のように、半導体素子と同等あるいは僅かに大きいインターポーザからなる半導体パッケージの採用が増えてきている。
【0004】
一般に、半導体素子の動作時の発熱により、インターポーザには反り等の熱変形が生ずる。この時、接合体として使用されるはんだは、半導体装置と半導体装置を実装するプリント配線板の構成部材の中で最も軟らかいため、このはんだがインターポーザ間又はインターポーザとプリント配線板間の線膨張係数の差を吸収する役割を果たしている。この時はんだには、せん断応力が集中する。
【0005】
この接合体のはんだに発生するせん断応力は、半導体装置をプリント配線板に実装する場合は、半導体装置のインターポーザの熱変形量とプリント配線板の熱変形量との差を接合体であるはんだの高さで除した値で評価される。また積層型の半導体装置の場合は、上側の半導体パッケージのインターポーザの熱変形量と下側のインターポーザの熱変形量との差を接合体であるはんだの高さで除したひずみ値で評価される。このひずみ値が大きいほどせん断応力が集中し、接合部が破断し易いと言うことになる。従って、半導体装置を更に小型化するため、はんだボールの径を小さくすればするほど、ひずみ値は大きくなり、接合部であるはんだボールは破断し易くなる。
【0006】
また、積層型半導体装置の場合、半導体素子を実装したインターポーザ上に、更に別のインターポーザを積層して接続するため、上下のインターポーザを接続する接合部には、下のインターポーザに実装される半導体素子の高さ以上の高さが必要である。そのため、半導体装置の小型化のため、接合部としてはんだボールの径を単純に小さくした場合、下側のインターポーザに実装される半導体素子以上の高さが確保できなくなってしまう。
【0007】
特許文献1には、接合部の高さを確保するため、下側のインターポーザの電極パッドに円柱状の金属ポストを形成し、金属ポストの上にはんだボールを配置することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−235378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1の構成の場合、はんだボールの径を小さくすると、前述のひずみ値が大きくなり、はんだボールと金属ポストとの界面に亀裂が発生しやすくなる。特に、材料の物性が急激に変化するはんだボールと金属ポストとの界面にはせん断応力が集中するため、従って長期信頼性が確保できないという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、接合体の高さを確保しながら、接合の信頼性を向上させることができる積層型半導体装置、プリント回路板、及びプリント配線板の接合構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子が実装され、一方の表面に第1の電極パッドが形成され、他方の表面に外部と接続するための外部電極が形成された第1のインターポーザとを有する第1の半導体装置と、第2の半導体素子と、前記第2の半導体素子が実装され、前記第1のインターポーザに対向する表面に第2の電極パッドが形成された第2のインターポーザとを有する第2の半導体装置と、前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えた積層型半導体装置において、前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接合体が、はんだ層と、金属粒子集合体を有する金属層とを備え、金属層が金属粒子集合体の隙間に埋められたはんだを有しているので、はんだ層と金属層との境界部分において材料物性が急激に変化する部位がなくなる。したがって、はんだ層と金属層との境界部分にせん断応力が集中するのを抑制することができ、はんだに発生するひずみを緩和することができる。さらに、せん断応力を吸収するはんだで金属粒子集合体の隙間を埋めることにより、接合体におけるはんだの高さが、はんだ層のみの高さよりも高くなる。即ち、はんだ層のみならず金属粒子集合体の隙間に埋められるはんだがせん断応力を吸収する働きをするため、はんだに発生するひずみを効果的に緩和することができる。これにより、接合体の高さを確保すると共に、接合体の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図2】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図3】第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図4】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図5】第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図6】プリント配線板と半導体装置とを接合する各工程を説明する模式図。
【図7】第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図8】第5実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図9】第6実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図。
【図10】実施例1における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【図11】実施例2における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【図12】実施例3における、接合体に発生するひずみの変化率を示したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図1(a)は、プリント回路板の全体の概略断面図であり、図1(b)は接合部分の部分拡大図である。
【0016】
図1(a)に示すように、プリント回路板100は、第1プリント配線板であるプリント配線板(マザーボード)3と、プリント配線板3に実装された半導体装置4と、を備えている。
【0017】
半導体装置4は、例えばCPU等の半導体チップからなる半導体素子1と、半導体素子1が実装された第2プリント配線板であるインターポーザ2と、を有する半導体パッケージである。インターポーザ2の一方の表面(片面)2aとプリント配線板3の一方の表面(片面)3aとは、互いに対向している。半導体素子1は、インターポーザ2の他方の表面2bに実装され、表面2bと共に封止樹脂7で封止されている。
【0018】
インターポーザ2の表面2aには、複数の電極パッド(第2の電極パッド)8が互いに間隔をあけて形成されており、プリント配線板3の表面3aには、電極パッド8に対向する複数の電極パッド(第1の電極パッド)9が互いに間隔をあけて形成されている。例えば電極パッド8,9は、アレイ状に等間隔に配置されている。そして電極パッド8と電極パッド9とが接続電極となる接合体70で接合されている。この接合体70により電極パッド8と電極パッド9とが電気的に接続される。
【0019】
接合体70は、図1(b)に示すように、はんだ11で形成されたはんだ層60と、両方の電極パッド8,9に設けられ、はんだ層60が取り付けられる金属層50,50と、を備えている。つまり、接合体70は、金属層50、はんだ層60、金属層50が積層された構造となっている。
【0020】
各金属層50,50は、金属粒子が隙間を有した状態で一体化した多孔質の金属粒子集合体10を有している。金属粒子集合体10,10は電極パッド8,9に接合されている。各金属粒子集合体10には、多数の隙間が形成されており、隙間には、溶融したはんだが流入するようになっている。溶融したはんだを金属粒子集合体10の隙間に流入させて、隙間を固化したはんだ11で埋めることで、金属層50とはんだ層60とが接合される。このとき金属粒子集合体10は、はんだ11との化合物を介して金属接合しており、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めている。この結果、はんだ11はプリント配線板3に形成された電極パッド9とインターポーザ2に形成された電極パッド8とに接するまで金属粒子集合体10の隙間に埋まり、電極パッド8と電極パッド9とがはんだ11により接合されることになる。
【0021】
なお、金属粒子集合体10は、はんだ11とぬれ性の良い材料であれば金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることができるので、好ましくは銅、または銅を主成分とした銅合金で形成するのがよい。より好ましくは、金属粒子集合体10は、製造が容易な、銅を主成分としたスズを含む合金で形成するのがよい。
【0022】
次に、本第1実施形態のプリント回路板100の製造方法について、図2を参照しながら説明する。図2は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図2(a)は第1の金属粒子供給工程、図2(b)は第1の金属粒子集合体形成工程、図2(c)ははんだ供給工程、図2(d)は第2の金属粒子供給工程、図2(e)は第2の金属粒子集合体形成工程、図2(f)は接合工程を示している。
【0023】
まず、図2(a)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17がフラックスと混ぜられたペーストを、インターポーザ2の各電極パッド8にスクリーン印刷によって供給する。金属粒子16は、例えば銅粒子であり、金属粒子17は、例えばスズ粒子である。スクリーン印刷で供給する場合、供給量のバラつきを抑えるため、金属粒子16及び金属粒子17は粒径20μm以下が好ましい。インターポーザ2には、複数の半導体素子1が搭載されており、半導体素子1と半導体素子1が搭載された表面2bは封止樹脂7で封止されている。
【0024】
次に、図2(b)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストが供給されたインターポーザ2を、リフローなどの加熱方法により、金属粒子同士を金属拡散させることで、はんだ11の融点よりも高い金属粒子集合体10を形成する。この加熱では、金属粒子16は溶融しないが、金属粒子16同士の界面では金属拡散により金属接合することで、金属粒子集合体10が形成される。例えば銅粒子である金属粒子16とスズ粒子である金属粒子17とを加熱することにより、金属拡散により銅とスズとの合金粒子が形成されると共に合金粒子同士が結合して金属粒子集合体10が形成される。
【0025】
なお、ペーストの供給方法は、ディスペンスなど、印刷以外の方法で供給することも可能である。同様に、加熱方法も、金属拡散する温度まで加熱できれば、スポット加熱などの方法でもよい。
【0026】
結果、その後の加熱により金属粒子集合体10をはんだ11の融点まで加熱しても、金属粒子集合体10は、粒子同士の集合状態を保持できる。また、金属粒子集合体10は、表面張力によって球状にならずにインターポーザ2の電極パッド8にスクリーン印刷によって転写された形状に近い形状を保持する。
【0027】
加熱後は隙間を有する状態で金属粒子集合体10が形成されることになるが、図2(c)に示すように、金属粒子集合体10上にはんだからなるはんだボール110を載置し、リフロー加熱する。ここで、スクリーン印刷で金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストは、はんだボール110を載置しやすいように、平坦面を有していることが望ましい。
【0028】
金属粒子集合体10に搭載されたはんだボール110はリフロー加熱によって溶融し、溶融したはんだが金属粒子集合体10の隙間に含浸する。これにより、金属粒子集合体10の隙間にはんだ11が埋められた金属層50が形成される。
【0029】
金属粒子集合体10の隙間に溶融したはんだを含浸させるためには、金属粒子集合体10は溶融したはんだとぬれ性のある合金であれば良い。例えば銅とスズとの合金がよい。その後、断裁位置120で個片化することで、半導体装置4が製造される。
【0030】
一方プリント配線板3についても同様に、図2(d)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17がフラックスと混ぜられたペーストをスクリーン印刷によってプリント配線板3の電極パッド9に供給する。そして、図2(e)に示すように、インターポーザ2に金属粒子集合体10を形成する場合と同様、リフロー加熱等により金属粒子集合体10を形成する。形成された金属粒子集合体10は、隙間を有する構造になる。
【0031】
次に、図2(f)に示すように、インターポーザ2の表面2aとプリント配線板3の表面3aとを対向させて、インターポーザ2側の金属粒子集合体10に接合したはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、はんだをプリント配線板3に設けられた金属粒子集合体10に含浸させる。
【0032】
これにより、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることで、図1(a)に示す金属層50とはんだ層60とが積層された接合体70が形成され、半導体装置4とプリント配線板3とが接合される。
【0033】
以上の構成によれば、接合体70が、はんだ層60と金属層50,50との積層構造であり、金属層50,50がはんだの嵩上げをする台座として機能している。そして、金属層50が、金属粒子集合体10の隙間にはんだ11が埋められて形成されている。したがって、はんだ11からなるはんだ層60とはんだ11が含浸した金属層50,50との境界部分において材料物性が急激に変化する部位がなくなる。これにより、はんだ層60と金属層50,50との境界部分にせん断応力が集中するのを抑制することができ、はんだ11に発生するひずみを緩和することができる。
【0034】
さらに、せん断応力を吸収するはんだ11で金属粒子集合体10の隙間を埋めたことにより、電極パッド8,9まではんだ11が染み渡っており、接合体70におけるはんだの高さがはんだ層60だけの高さよりも高くなる。即ち、はんだ層60のみならず金属粒子集合体10の隙間に埋められたはんだ11がせん断応力を吸収する働きをするため、はんだ11に発生するひずみを効果的に緩和することができる。これにより、接合体70の高さを確保すると共に、接合体70の信頼性を向上させることができる。
【0035】
そして、接合体70の高さを確保しつつ接合体70の信頼性を向上させることができるので、電極パッド8同士(つまり、接合体70同士)の間隔を狭くすることができ、インターポーザ2、つまり半導体装置4を小面積化することができる。
【0036】
また、金属粒子集合体10は、はんだよりも融点が高いため、はんだボール110を溶融させ、はんだ層60と接合構造を形成する際においても、形状を崩すことがない。そのため、接合体70の高さを高くすることが可能になる。また、はんだボール110が溶融した後においても金属粒子がはんだ11中に分散することがない。したがって、温度変化などによる応力に対して、ひずみを効果的に緩和することが可能になる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図3は、本発明の第2実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図3(a)は、プリント回路板の全体の概略断面図であり、図3(b)は接合部分の部分拡大図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0038】
上記第1実施形態では、インターポーザ2の電極パッド8と、プリント配線板(マザーボード)3の電極パッド9とに金属粒子集合体10を設けて金属層50を形成した場合について説明した。金属層50は、インターポーザ2の電極パッド8、プリント配線板(マザーボード)3の電極パッド9のうち、少なくとも一方の電極パッドに形成すればよく、本第2実施形態では、電極パッド9に金属層50を形成する場合について説明する。
【0039】
図3(a)に示すように、プリント回路板100Aは、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3とが接合体70Aで接合されて構成されている。図3(b)に示すように、接合体70Aは、プリント配線板3の電極パッド9に形成された金属粒子集合体10を有する金属層50と、はんだ11からなるはんだ層60とで構成されている。つまり、接合体70Aは、金属層50、はんだ層60が積層された構造となっている。
【0040】
はんだ層60のはんだ11は、インターポーザ2の電極パッド8に接合されている。また、はんだ11は溶融状態のときに金属粒子集合体10の隙間に含浸し固化して隙間を埋めている。これにより金属層50とはんだ層60とが接合される。また、金属粒子集合体10の隙間に埋まっているはんだ11は、電極パッド9に達しているので、電極パッド9に接合される。以上の構成の接合体70Aにより、インターポーザ2の電極パッド8とプリント配線板3の電極パッド9とが接合される。
【0041】
なお、本第2実施形態では、プリント配線板3の電極パッド9に金属粒子集合体10を有する金属層50を形成したが、インターポーザ2の電極パッド8に金属層50を形成してもよい。
【0042】
次に、本第2実施形態のプリント回路板100Aの製造方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図4(a)は金属粒子供給工程、図4(b)は金属粒子集合体形成工程、図4(c)は接合工程を示している。なお、本第2実施形態の製造方法は、上記第1実施形態の製造方法において、インターポーザ2側に金属粒子集合体を形成するのを省略したものである。つまり、半導体装置4のインターポーザ2には、金属粒子集合体が形成されていない。
【0043】
まず、図4(a)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストを、プリント配線板3の各電極パッド9にスクリーン印刷によって供給する。
【0044】
次に、図4(b)に示すように、金属粒子16及び金属粒子17を含むペーストが供給されたプリント配線板3を、リフローなどの加熱方法により、金属粒子同士を金属拡散させることで、はんだ11の融点よりも高い金属粒子集合体10を形成する。
【0045】
次に、図4(c)に示すように、インターポーザ2の面2aとプリント配線板3の面3aとを対向させて、インターポーザ2の電極パッド8に接合されているはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、溶融したはんだをプリント配線板3に設けられた金属粒子集合体10に含浸させる。
【0046】
これにより、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11が埋めることで、図3(a)に示す金属層50とはんだ層60とが積層された接合体70Aが形成され、半導体装置4とプリント配線板3が接合される。
【0047】
以上、本第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様、接合体70Aの信頼性を向上させることができ、半導体装置4を小面積化することができる。また、第1の実施形態と比較し、半導体装置側に金属粒子の集合体を形成する工程が不要なため、工程数を少なく製造できる。
【0048】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図5は、本発明の第3実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。図5(a)は、プリント回路板の全体を示す概略断面図であり、図5(b)は接合部分の部分拡大図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
図5(a)に示すように、プリント回路板100Bは、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3とが接合体70Bで接合されて構成されている。図5(b)に示すように、接合体70Bは、プリント配線板3の電極パッド9に形成された多孔質の金属粒子集合体10Bを有する金属層50Bと、はんだ11からなるはんだ層60Bとで構成されている。つまり、接合体70Bは、金属層50B、はんだ層60Bが積層された構造となっている。
【0050】
金属粒子集合体10Bは、多数の隙間が形成されており、隙間に溶融はんだが流入するようになっている。はんだ層60Bのはんだ11は、インターポーザ2の電極パッド8に接合されている。また、はんだ11は溶融状態で金属粒子集合体10Bの隙間に含浸し、隙間を埋めると共に、金属粒子集合体10Bの外表面を被覆している。これにより金属層50Bとはんだ層60Bとが接合される。また、金属粒子集合体10Bの隙間に埋められたはんだ11は、電極パッド9に達することで電極パッド9に接合され、また、金属粒子集合体10Bの外表面を覆うはんだ11は、電極パッド9に達することで電極パッド9に接合されている。以上の構成の接合体70Bにより、インターポーザ2の電極パッド8とプリント配線板3の電極パッド9とが接合される。
【0051】
なお、本第3実施形態では、インターポーザ2の電極パッド8に金属粒子集合体10Bを有する金属層50Bを形成したが、プリント配線板3の電極パッド9に金属層50Bを形成してもよいし、両方の電極パッド8,9に金属層50Bを形成してもよい。
【0052】
プリント配線板3の電極パッド9はNSMD(Non Solder Mask Defined)になっているが、SMD(Solder Mask Defined)でも構わない。
【0053】
次に、本第3実施形態のプリント回路板100Bの製造方法について、図6を参照しながら説明する。なお、上記第1実施形態及び上記第2実施形態と同様の製造方法で最後の接合工程において金属粒子集合体の外表面をはんだで覆ってもよいが、本第3実施形態では、別の製造方法について説明する。図6は、プリント配線板3と半導体装置4とを接合するまでの各工程を説明するための模式図である。図6(a)は金属粒子供給工程、図6(b)は金属粒子集合体形成工程、図6(c)は接合工程を示している。
【0054】
まず、図6(a)に示すように、金属粒子18及びはんだ粉19がフラックスと混ぜられたペーストを、プリント配線板3の各電極パッド9にスクリーン印刷によって供給する。スクリーン印刷で供給する場合、供給量のバラつきを抑えるため、金属粒子18は粒径20μm以下が好ましい。一般的に使用されているはんだペーストと異なり、はんだ粉19及びフラックスの他に、リフロー加熱等の加熱によって溶融しない金属粒子18が混合されている。金属粒子18は、はんだとぬれ性が良い材料且つはんだの融点よりも高ければよく、好ましくは銅(Cu)である。金属粒子18がリフロー加熱中に酸化により、はんだとのぬれ性が低下しないように、金属粒子18の表面を例えば金(Au)でめっきしても良い。
【0055】
次に、図6(b)に示すように、プリント配線板3の電極パッド9に設けたペーストを、リフロー加熱等により加熱し、金属粒子集合体10Bが形成されると共に、金属粒子集合体10Bの隙間にはんだ11が埋められた構造5が形成される。これと同時に、金属粒子集合体10Bは、はんだ11で被覆される。
【0056】
つまり、リフロー加熱によって金属粒子集合体10Bの隙間にはんだ11が埋められると同時に、リフロー加熱によって溶融したことで、はんだ11が金属粒子集合体10Bを被覆する。
【0057】
次に、図6(c)に示すように、インターポーザ2の面2aとプリント配線板3の面3aとを対向させて、インターポーザ2の電極パッド8に接合したはんだボール110を、プリント配線板3側の金属粒子集合体10Bを有する構造5の上に載置する。そして、半導体装置4とプリント配線板3とをリフロー加熱することで、図5(a)に示す金属層50Bとはんだ層60Bとが接合された接合体70Bが形成され、半導体装置4とプリント配線板3が接合される。
【0058】
以上、本第3実施形態によれば、接合体70Bの金属層50Bが、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、金属粒子集合体10Bの外表面をはんだ11で被覆して構成されている。これにより、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11が埋めた構造の体積分だけ、高さを確保できる。また、金属粒子集合体10Bとはんだ11の界面近傍、及びはんだ11と電極パッド9の界面近傍にひずみを分散させることができ、接合体70Bに発生するひずみを更に低減することができる。
【0059】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。図7は、本発明の第4実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0060】
図7に示すように、プリント回路板100Cは、積層型半導体装置4Cとプリント配線板3とが接合されて構成されている。積層型半導体装置4Cは、複数の半導体装置(半導体パッケージ)が積層されて構成されており、本第4実施形態では、第1の半導体装置41上に、第2の半導体装置42が積層されて構成されている。
【0061】
第1の半導体装置41は、第1の半導体素子21と、第1の半導体素子21が実装されたプリント配線板である第1のインターポーザ22と、を有している。また、第2の半導体装置42は、第2の半導体素子31と、第2の半導体素子31が実装されたプリント配線板である第2のインターポーザ32と、を有している。
【0062】
プリント配線板3の一方の表面(片面)3aと、第1のインターポーザ22の一方の表面(片面)22aとは、互いに対向している。また、第1のインターポーザ22の他方の表面22bと、第2のインターポーザ32の一方の表面32aとは、互いに対向している。
【0063】
そして、第1のインターポーザ22の一方の表面22aには、プリント配線板3の電極パッド(第1の電極パッド)9にそれぞれ電気的に接続するための複数の電極パッド(第2の電極パッド)28が互いに間隔をあけて形成されている。例えば電極パッド28はアレイ状に等間隔に配置されている。そして、プリント配線板3の電極パッド9も電極パッド28に対向するようにアレイ状に等間隔に配置されている。
【0064】
第1のインターポーザ22の他方の表面22bには、第1の半導体素子21が実装されている。更に、第1のインターポーザ22の表面22bには、第1の半導体素子21を避けた位置に互いに間隔をあけて複数の電極パッド29が形成されている。例えば、電極パッド29は、第1の半導体素子21を回避して、アレイ状に等間隔に配置されている。
【0065】
第2のインターポーザ32の一方の表面32aには、第1のインターポーザ22の電極パッド29にそれぞれ電気的に接続するための複数の電極パッド39が互いに間隔をあけて形成されている。各電極パッド39は、各電極パッド29に対向するように配置され、例えば、アレイ状に等間隔に配置されている。第2の半導体素子31は、第2のインターポーザ32の他方の表面32bに実装され、表面32bと共に封止樹脂37で封止されている。
【0066】
第1のインターポーザ22の表面22bに形成された電極パッド29と、第2のインターポーザ32の表面32aに形成された電極パッド39とは、はんだからなるはんだボール80で接合されている。
【0067】
本第4実施形態では、第1のインターポーザ22の表面22aに形成された電極パッド28と、プリント配線板3の表面3aに形成された電極パッド9とが、上記第1実施形態と同様の構成の接合体70で接合されている。つまり、本第4実施形態では、プリント配線板3が、第1の電極パッドが形成された第1のプリント配線板であり、第1のインターポーザ22が、第2の電極パッドが形成された第2のプリント配線板である。
【0068】
積層型半導体装置4Cの周囲には、チップコンデンサなどの電子部品15が配置され、プリント配線板3に実装されている。
【0069】
以上、本第4実施形態によれば、上記第1実施形態と同様、金属粒子集合体10により嵩上げすることで接合の信頼性を向上させた接合体70を用いて、電極パッド9,28同士を接合しているので、電極パッド28を狭間隔で配列することが可能となる。したがって、第2の半導体装置42、又は両方の半導体装置41,42の外形を小さくすることができる。これにより、第1の半導体装置41の周囲のスペースに、例えば電子部品15を第2の半導体装置42に干渉せずに配置することが可能であり、プリント配線板3も有効に活用できる効果を有する。
【0070】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る接合体を適用したプリント回路板について説明する。上記第1〜第4実施形態では、インターポーザとプリント配線板との接合に接合体を用いた場合について説明したが、本第5実施形態では、積層型半導体装置において、インターポーザ間の接合に接合体を用いた場合について説明する。図8は、本発明の第5実施形態に係るプリント回路板の概略構成を示す説明図である。なお、上記実施形態と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0071】
図8に示すように、プリント回路板100Dは、はんだボール70Dによりプリント配線板(マザーボード)3に実装される積層型半導体装置4Dを備えている。積層型半導体装置4Dは、複数(本第5実施形態では2つ)の半導体装置(半導体パッケージ)41,42が積層されて構成されている。
【0072】
第1の半導体装置41の第1のプリント配線板である第1のインターポーザ22の片面である一方の表面22bと、第2の半導体装置42の第2プリント配線板である第2のインターポーザ32の片面である一方の表面32aとが対向して配置されている。そして、第1のインターポーザ22の表面22bに形成された第1の電極パッド29と、第2のインターポーザ32の表面32aに形成された第2の電極パッド39とが、接合体80Dで電気的に接続されている。なお、第1のインターポーザ22の他方の表面22aには、外部と接続するための外部電極である電極パッド28が形成されている。本第5実施形態では、第1のインターポーザ22の電極パッド28とプリント配線板3の電極パッド9とがはんだボール70Dで接合されている。
【0073】
接合体80Dは、はんだ11Dで形成されたはんだ層60Dと、電極パッド29,39のうち、少なくとも一方の電極パッド(本第5実施形態では、電極パッド29)に形成された金属層50Dとが積層されて構成されている。金属層50Dは、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体10Dと、金属粒子集合体10Dの隙間に埋め込まれたはんだ11Dとを有している。
【0074】
はんだ層60Dのはんだ11Dは、電極パッド39に接合されている。また、はんだ11Dは溶融状態で金属粒子集合体10Dの隙間に含浸し、隙間を埋めている。これにより金属層50Dとはんだ層60Dとが接合される。
【0075】
また、金属粒子集合体10Dの隙間に埋められたはんだ11Dは、電極パッド29に達することで、電極パッド29に接合される。以上の構成の接合体80Dにより、第1のインターポーザ22の電極パッド29と第2のインターポーザ32の電極パッド39とが接合される。このように、積層型半導体装置4Dにおける第1のインターポーザ22の電極パッド29と第2のインターポーザ32の電極パッド39との接合構造として、金属層50D及びはんだ層60Dで構成された接合体80Dを用いている。
【0076】
以上、本第5実施形態によれば、この金属層50Dの金属粒子集合体10Dがはんだ11Dの台座として機能するため、微小なはんだボールを使用しても高さを補うことが可能になる。
【0077】
したがって、インターポーザ22,32の間に位置する半導体素子21の厚さを薄くする必要がなく、半導体素子21の強度を保持することができる。また、半導体素子21の強度が保たれているので、半導体素子21をインターポーザ22に実装する製造工程において、半導体素子21の取り扱いが容易になり、歩留まりが向上する。
【0078】
また、隙間を有する多孔質の金属粒子集合体10Dとし、はんだ11Dが隙間を埋めてはんだ層60Dと金属層50Dとを接合している。したがって、金属粒子集合体10Dの隙間を埋めたはんだ11Dに応力を分散させるより境界部分に応力が集中するのを抑制することができ、はんだ11Dに発生するひずみを緩和することができる。
【0079】
このように、第2のインターポーザ32に接続される外部接続端子を接合体80Dとしたので、接合体80Dを狭間隔で配列することが可能である。そのため、積層型半導体装置4Dの接合信頼性を確保しつつ、インターポーザ32を小面積化することができ、ひいては積層型半導体装置4Dを小型化することが可能である。
【0080】
なお、本第5実施形態では、上記第2実施形態と同様、第1のインターポーザ22の電極パッド29に金属層50Dを設け、第2のインターポーザ32の電極パッド39にはんだ層60Dを設けた場合について説明したが、これに限るものではない。図9に示すように、第1のインターポーザ22の電極パッド29にはんだ層60D、第2のインターポーザ32の電極パッド39に金属層50Dを設けて接合体を構成してもよい。また、図示は省略するが、両方の電極パッド29,39に金属粒子集合体を有する金属層を設け、接合体を、金属層、はんだ層、金属層の積層構造としてもよい。また、上記第3実施形態と同様に、金属粒子集合体をはんだ材で被覆してもよい。
【0081】
また、積層型半導体装置4Dのインターポーザ22とプリント配線板3との接合に上記第1〜第4実施形態の接合体を用いてもよく、更に積層型半導体装置4Dを小面積化することができる。
【0082】
また、本第5実施形態では、積層型半導体装置4Dが2層構造であったが、3層以上の積層型半導体装置にも適用可能であり、その場合も同様に、各インターポーザの接合に接合体80Dを用いることが可能である。
【実施例】
【0083】
[実施例1]
本実施例1では、図1に示す上記第1実施形態の構成において、半導体装置4とプリント配線板3の信頼性試験時の熱変形を測定し、接合体70を用いた場合に信頼性試験で発生するひずみをシミュレーションにより算出した。以下、具体的な寸法値である。
【0084】
サンプルは一辺9mmの正方形形状からなる半導体素子1が一辺17mmの正方形形状で、厚さ0.46mmのインターポーザ2に実装されている。半導体素子1の搭載されている面2bの反対の面2aに0.4mm間隔ではんだを配列可能なソルダーレジスト(SR)開口φ200μmを形成した。また、Φ240μmのはんだボール110を使用した。プリント配線板3は厚さ0.8mmとした。
【0085】
インターポーザ2の電極パッド8及びプリント配線板3の電極パッド9には、金属粒子集合体10の隙間をはんだ11で埋めた金属層50を形成した。はんだ層60の高さは143μmであった。この接合体70を介して半導体装置4とプリント配線板3とが接合されている。
【0086】
信頼性試験で行われている試験環境下の温度での半導体装置4のインターポーザ2の熱変形を測定した。信頼性試験は、高温側が125℃、低温側が−25℃の条件である。熱変形は、それぞれの高温側、低温側の温度で半導体装置4のインターポーザ2の上面2bの熱変形量を、プリント配線板3は半導体装置4が実装されている面3aとは反対の面の熱変形量を測定した。この測定において、加熱・冷却は三田産業株式会社製のDE型スタンダードチャンバーを使用し、変形の算出はGOM社製のARAMIS v6を使用した。測定の結果、半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3の熱変形量の差が最大の箇所で、水平方向に、6.5μm、鉛直方向に6.8μmの熱変形量の差があった。
【0087】
この測定結果を用いて図1の接合体70に発生しているひずみをABAQUS v6.71を用いて算出した結果、ひずみ値は、1.10%であった。シミュレーションモデルにおいて、金属粒子集合体10の粒径は20μmで金属層50に均一に配置した。金属層50は、はんだ11が80vol%、金属粒子集合体20vol%の割合でモデル化した。金属粒子集合体10の材料は銅とし、ヤング率130GPa、インターポーザ2とプリント配線板3のヤング率は29GPaとして入力した。インターポーザ2とプリント配線板3の熱変形量が最大となる接合体部分をモデル化し、境界条件としてプリント配線板3を拘束し、インターポーザ2に事前に計測した熱変形量差(水平方向に6.5μm、鉛直方向に6.8μm)を入力してひずみの算出を行った。
【0088】
次に、于強、白鳥正樹著「BGAはんだ接合部の形状を考慮した疲労寿命評価」エレクトロニクス実装学会誌 1[4]278〜283 (1998)の文献(以下、単に文献という)に示した実験結果を用いて評価する。この文献には、はんだ接合部の形状と亀裂が発生するサイクル数の関係を示す実験結果が記載されている。この文献によれば、1.10%のひずみ値は、829サイクル相当の接合寿命であることがわかる。
【0089】
比較例として、実施例1のサンプルを0.5mm間隔で配列可能なソルダーレジスト(SR)開口Φ300μm、Φ330μmのはんだボールによってプリント配線板に接合されたサンプルのひずみ値と比較した。半導体装置とプリント配線板の接合部の高さは、187μmであった。実施例1のサンプルと比較すると、接合構造だけが異なるだけであり、他の構成や寸法は同一である。実施例1と同様に信頼性試験の高温側である125℃と低温側である−25℃でそれぞれ、熱変形を測定後、ひずみを算出した結果、1.20%のひずみであった。上記文献によれば、1.20%のひずみ値は、697サイクル相当の接合寿命であることがわかる。
【0090】
以上のように、比較例として外部接続端子として0.5mm間隔で配列したはんだボールと、実施例1のはんだ層60と金属粒子集合体を有する金属層50,50が積層された接合体70との信頼性の効果を比較した。その結果、はんだ層60と金属層50,50が積層された接合体70を0.4mm間隔で形成した方が、信頼性が向上することが確認できた。
【0091】
これは、せん断応力を吸収するはんだ層60が金属粒子集合体10の隙間をはんだで埋めた金属層50,50と接合することで、材料物性が急激に変わる部位がなくなるためである。また、金属粒子集合体10の隙間を埋めたはんだも応力を吸収することで、発生するひずみを低減しているためである。つまり、はんだ層60と金属層50,50を積層することにより、最も軟らかいはんだの高さを高く形成した場合と同様の効果が得られるためである。
【0092】
これにより、0.4mm間隔で配置しても信頼性が向上するので、半導体装置4を小面積化することができる。従来は、一辺17mmの正方形形状からなるインターポーザ全面に0.5mm間隔で外部接続端子を形成すると1024端子を形成することが可能であった。これに対し、実施例1を適用すれば、0.4mm間隔で配列しても信頼性を十分確保することが可能なため、同じ1024端子を形成するのに必要なインターポーザの外形寸法を一辺13.8mmの正方形形状まで小面積化することができた。これにより配線基板の実装面積が3割以上低減することができ、信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小面積化することができた。
【0093】
図10は、接合体70の全高に対するはんだ層60の高さの比によって、はんだ層60に発生するひずみの変化率を示したグラフである。横軸は接合体70の全高に対するはんだ層60の高さの比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0094】
図10によれば、はんだ層60の高さ/接合体70の全高が0.55以上になると、はんだ層60に発生するひずみが低下する。はんだ層60の高さが低くなると、はんだ層60が変形しにくくなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。そのため、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中する。したがって、金属粒子集合体10を有する金属層50に発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60の高さ/金属粒子集合体10の直径が0.55以上にするのがよい。これにより、せん断応力をはんだ層60が吸収し、金属層50,50がはんだ層60に発生するひずみを緩和する効果が大きい。
【0095】
[実施例2]
本実施例2では、図3に示す上記第2実施形態の構成において、実施例1と同様に、信頼性試験下での半導体装置4とプリント配線板3の熱変形を測定し、その時に接合体70Aに発生するひずみを算出した。
【0096】
サンプルは、一辺9mmの正方形形状からなる半導体素子1が一辺17mmの正方形形状で、厚さ0.46mmのインターポーザ2に実装されている。半導体素子1の搭載されている面2bの反対面2aには0.4mm間隔ではんだを配列可能なソルダーレジスト(SR)開口φ200μmを形成した。また、Φ250μmのはんだボールを使用した。プリント配線板3は厚さ0.8mmとした。このときの、はんだ層60の高さは157μmであった。この接合体70Aを介して半導体装置4とプリント配線板3が接合されている。半導体装置4のインターポーザ2とプリント配線板3の熱変形の測定方法および接合構造に発生するひずみの算出方法は実施例1と同じである。
【0097】
ひずみを算出したところ、積層された接合体70Aは、1.19%のひずみ値であり、上記文献によれば、はんだ層60と金属層50が積層された接合体70Aの亀裂発生サイクル数は709サイクル相当であった。
【0098】
以上のように、実施例2の接合体70Aによれば、比較例の外部接続端子として0.5mm間隔で配列したはんだボールよりも、はんだ層60に発生するひずみを緩和する効果を有する。そのため、接合体70Aの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。さらに実施例1と比較し、半導体装置側に金属粒子集合体を形成する工程が不要なため、工程数を少なく製造できる。
【0099】
図11は、接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さの比によって、はんだ層60に発生するひずみの変化率を示したグラフである。横軸は接合体70Aの全高に対するはんだ層60の比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0100】
図11によれば、接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さが0.36以上になると、はんだ層60に発生するひずみが低下する。これは、はんだ層60の高さが低くなると、はんだ層60の剛性が高くなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。その結果、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中するためである。
【0101】
そのため、金属層50がはんだ層60に発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60の高さ/金属粒子集合体10の直径が0.36以上あれば、せん断応力をはんだ層が吸収し、はんだ層に発生するひずみを緩和する効果が特に大きい。そのため、接合体70Aの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。
【0102】
[実施例3]
本実施例3では、図5に示す上記第3実施形態の構成において、信頼性試験下での半導体装置4とプリント配線板3の熱変形を測定し、その時に接合構造に発生するひずみを算出した。半導体装置4とプリント配線板3を0.4mm間隔で配列可能なφ240μmのはんだボールを介して接合した。温度サイクル環境下での熱変形を測定し、ひずみ値を算出した。半導体装置4とプリント配線板3の熱変形の測定方法および接合体70Bに発生するひずみの算出方法は実施例1と同じである。
【0103】
ひずみを算出したところ、積層された接合体70Bは、1.14%のひずみ値であり、本実施例3においても十分なひずみの緩和効果を確認することができた。また、上記文献によれば、はんだ層60Bと金属層50Bとが積層された接合体70Bは772サイクル相当であり、信頼性向上を確認することができた。
【0104】
本実施例3では、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、はんだ11で金属粒子集合体10Bの外表面を被覆している。これにより、半導体装置4とプリント配線板3にせん断応力が加わった時に、電極パッド8,9近傍及び金属粒子集合体10Bの近傍のはんだ11も応力を吸収する。接合体70Bに設けられたはんだ全体が変形するため、さらに発生するひずみを緩和することができる。そのため、金属粒子集合体10Bの隙間をはんだ11で埋めると共に、はんだ11で金属粒子集合体10Bを被覆していれば、ひずみを緩和する効果が得られる。
【0105】
図12は、接合体70Bの全高に対するはんだ層60Bの高さの比によって、はんだ層60Bに発生するひずみの変化を示したグラフである。横軸は接合体70Aの全高に対するはんだ層60の高さの比、縦軸は発生するひずみの変化率を表している。
【0106】
図12によれば、接合体70Bの全高に対するはんだ層60Bの高さが0.52以上になると、はんだ層60Bに発生するひずみが低下する。これは、実施例2と同様に、はんだ層60Bの高さが低くなると、はんだ層60Bの剛性が高くなり、インターポーザ2を構成する基材、銅電極などが変形し始めるためである。その結果、はんだ層60が形成されている銅電極とはんだ層60の界面にひずみが集中するためである。
【0107】
そのため、金属層50Bがはんだ層60Bに発生するひずみを緩和する効果を発揮するには、少なくともはんだ層60Bの高さ/金属粒子の集合体の直径が0.52以上あればよい。これにより、せん断応力をはんだ層60Bが吸収し、金属層50Bがはんだ層60Bに発生するひずみを緩和する効果が特に大きい。そのため、接合体70Bの信頼性を確保しつつ、半導体装置4を小型化することができる。
【0108】
[実施例4]
本実施例4では、図8に示す上記第5実施形態の構成において、スクリーン印刷によってインターポーザ22に金属粒子を含むペーストを供給し、リフロー加熱によって金属粒子集合体10Dを形成後、インターポーザ22とインターポーザ32とを接合した。その後、接合体80Dの高さを測定した。
【0109】
スクリーン印刷では、版開口が一辺210μmの正方形形状で、版厚60μmのものを使用した。インターポーザ32に接合したはんだボールはソルダーレジスト開口Φ210μm、ボール径200μmのものを使用した。インターポーザ22,32同士を接合後、接合体80Dの高さを測定したところ208μmであった。比較例として、インターポーザ22,32同士をはんだボールのみで接合したところ、接合部の高さは173μmであった。
【0110】
以上のように、金属粒子集合体10Dの隙間をはんだ11Dが埋めた層50Dの上にはんだ層60Dを接合することで接合体80Dの高さを高くすることができた。これにより、第1のインターポーザ22を小面積化するために微小なはんだボールを用いても接合体80Dに金属粒子集合体10Dを有する金属層50Dとはんだ層60Dとを積層した接合構造を用いることにより、半導体素子21を薄くする必要がない。そのため、半導体素子21を薄化したことによってインターポーザ22に半導体素子21を接合する時に発生する割れなどの発生を低減することが可能になり、歩留まりが向上する効果が得られる。また、接合体80Dに発生するひずみを緩和することができるので、接合体80Dの信頼性が向上し、インターポーザ32を小面積化し、積層型半導体装置4Dを小型化することができる。
【0111】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
【0112】
上記実施形態では、各電極パッドの配列が、アレイ状に等間隔に配置される場合について説明したが、例えば千鳥配列等、任意の配列であってもよく、また、等間隔に限定するものでもなく、間隔が変化する場合であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1…半導体素子、2…インターポーザ、3…プリント配線板、4…半導体装置、4C…積層型半導体装置、4D…積層型半導体装置、8…電極パッド、9…電極パッド、10…金属粒子集合体、10B…金属粒子集合体、10D…金属粒子集合体、11…はんだ、11D…はんだ、21…半導体素子、22…インターポーザ、28…電極パッド、29…電極パッド、31…半導体素子、32…インターポーザ、39…電極パッド、50…金属層、50B…金属層、50D…金属層、60…はんだ層、60B…はんだ層、60D…はんだ層、70…接合体、70A…接合体、70B…接合体、80D…接合体、100…プリント回路板、100A…プリント回路板、100B…プリント回路板、100C…プリント回路板、100D…プリント回路板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子が実装され、一方の表面に第1の電極パッドが形成され、他方の表面に外部と接続するための外部電極が形成された第1のインターポーザとを有する第1の半導体装置と、
第2の半導体素子と、前記第2の半導体素子が実装され、前記第1のインターポーザに対向する表面に第2の電極パッドが形成された第2のインターポーザとを有する第2の半導体装置と、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えた積層型半導体装置において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とする積層型半導体装置。
【請求項2】
前記金属粒子集合体の融点は、前記はんだの融点よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項3】
前記金属粒子は、銅もしくは銅合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型半導体装置。
【請求項4】
前記金属層において、前記金属粒子集合体の外表面ははんだで被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層型半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層型半導体装置と、
前記積層型半導体装置が実装されたプリント配線板と、を備えたプリント回路板。
【請求項6】
一方の表面に第1の電極パッドが形成されたプリント配線板と、
半導体素子と、前記半導体素子が実装され、前記プリント配線板に対向する表面に第2の電極パッドが形成されたインターポーザとを有する半導体装置と、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えたプリント回路板において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とするプリント回路板。
【請求項7】
前記金属粒子集合体の融点は、前記はんだの融点よりも高いことを特徴とする請求項6に記載のプリント回路板。
【請求項8】
前記金属粒子は、銅もしくは銅合金からなることを特徴とする請求項6または7に記載のプリント回路板。
【請求項9】
前記金属層において、前記金属粒子集合体の外表面ははんだで被覆されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
【請求項10】
片面に第1の電極パッドが形成された第1のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板に対向する片面に第2の電極パッドが形成された第2のプリント配線板と、
第1の電極パッドと第2の電極パッドを接合する接合体と、を有するプリント配線板の接合構造において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とするプリント配線板の接合構造。
【請求項1】
第1の半導体素子と、前記第1の半導体素子が実装され、一方の表面に第1の電極パッドが形成され、他方の表面に外部と接続するための外部電極が形成された第1のインターポーザとを有する第1の半導体装置と、
第2の半導体素子と、前記第2の半導体素子が実装され、前記第1のインターポーザに対向する表面に第2の電極パッドが形成された第2のインターポーザとを有する第2の半導体装置と、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えた積層型半導体装置において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とする積層型半導体装置。
【請求項2】
前記金属粒子集合体の融点は、前記はんだの融点よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の積層型半導体装置。
【請求項3】
前記金属粒子は、銅もしくは銅合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型半導体装置。
【請求項4】
前記金属層において、前記金属粒子集合体の外表面ははんだで被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層型半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層型半導体装置と、
前記積層型半導体装置が実装されたプリント配線板と、を備えたプリント回路板。
【請求項6】
一方の表面に第1の電極パッドが形成されたプリント配線板と、
半導体素子と、前記半導体素子が実装され、前記プリント配線板に対向する表面に第2の電極パッドが形成されたインターポーザとを有する半導体装置と、
前記第1の電極パッドと前記第2の電極パッドとを接合する接合体と、を備えたプリント回路板において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とするプリント回路板。
【請求項7】
前記金属粒子集合体の融点は、前記はんだの融点よりも高いことを特徴とする請求項6に記載のプリント回路板。
【請求項8】
前記金属粒子は、銅もしくは銅合金からなることを特徴とする請求項6または7に記載のプリント回路板。
【請求項9】
前記金属層において、前記金属粒子集合体の外表面ははんだで被覆されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のプリント回路板。
【請求項10】
片面に第1の電極パッドが形成された第1のプリント配線板と、
前記第1のプリント配線板に対向する片面に第2の電極パッドが形成された第2のプリント配線板と、
第1の電極パッドと第2の電極パッドを接合する接合体と、を有するプリント配線板の接合構造において、
前記接合体は、はんだ層と、前記第1及び第2の電極パッドのうち、少なくとも一方の電極パッドに接合された金属層とが積層されてなり、
前記金属層は、複数の金属粒子が隙間を有した状態で一体化した金属粒子集合体と、該金属粒子集合体の隙間を埋めたはんだとからなることを特徴とするプリント配線板の接合構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−93559(P2013−93559A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−205973(P2012−205973)
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年9月19日(2012.9.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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